多分リュミエール リュミクリュブだと思いますが通りがよいのでルミクラブと。
フランス製金属鏡胴式66沈鏡胴カメラ
66-645切り替え式(赤窓)セミ判はマスク必要.
巻き上げはレバー式
ソンベルチオ フロール75mmf3.5,前玉回転目測式
ボディ前面にシャッターレバー
カメラ上面のカバーを開くと左手側にブリリアントファインダー,右に光学露出計(リュミポゼ)が現れる.
リュミポゼ(LUMIPOSE)の辛うじて読める文字を換算表に移して露出を決めます. 「感度」は不明
はっきり言って実用度ゼロ.明るい場所では文字が反射で見えません.
ついでに言えばブリリアントファインダーも実用性低い.まあ隠し撮りに使えないわけではありませんが...正面から見て窓が二つあるからメスズーハだと思うじゃないか,この野郎...
裏蓋の赤窓カバーを180度回転させると66と645の読み取り窓が切り替わり,選択したフォーマットも読めるようになっています.私のはマスク欠品なので645にできませんが.
アイレベル光学ファインダーは極めて倍率が低く,約0.4倍です.おまけに常時着色板が左右に出ていて,セミ判を表しているのですが,着色を通してでないと66画面が確認できません.経年劣化でそれが曇っているので,正直左右の確認が非常に困難,ちゅうかムリ.心眼が必要.
なんとか左右のファインダーマスクを引っ込められないか隈無く点検したのですが,無理っぽいですぅ.
ちなみにブリリアント側にはセミ判対応マスクはないようです.なに考えてんだ.
左手側にシュー.なにやらホットシューっぽいのですが,どうなんでしょうね.
裏蓋は底面のダイヤルをまわすと外れます.ロック機構はありません.


巻き止めなしの赤窓式レバー巻き上げですから注意が必要.
ベルチオフロール75mmf3.5はセムフレックスでよく見ますが,前玉が柔らかいらしく,傷だらけの個体が多いようです.
この個体は珍しく状態がよいフロールでしたから,入手しました.
蛇腹機よりも沈胴機は鏡胴の内面反射が多いようで,この機種もその傾向があります.
なんらかの対策が必要かも知れません.


WISTA45
レトリック ビュー等を販売していたウイスタ 株式会社(旧 武蔵野製作所→武蔵野光機)が 開発したダイキャストボディーを持つフィールドタイプの4×5テクニカルカメラ(5×7用のアクセサリーも有りました。)です。
小変更を含めるといくつかの種類が有りますが、各機種共通な特徴で、
・タスキを廃したリジッドなボディー構造
三脚穴をフロントベッド部に設けた事により、フロントスタンダードとバックボディーを比較的単純なピボット構造でも十分な強度を持たせる事ができました。また、バックティルト+ベッドダウン+フロントティルトを併用する事によって、広角レンズを使ってもケラれる可能性が少なくなっています。(勿論デメリットも有って、ベッドダウンが激やりにくいです。)
慣れてしまえば、各部の操作が判りやすいし、クリックも多いので簡単に使用出来ると思います。その意味、最初のテクニカルカメラとしてオススメできます。
・交換可能なスライドレール
ラック&ピニオンの3階建てのスライドレールを持っています。2階部分のスライド量(ラック移動可能)は65mm、3階部分のスライド量は82mm。この階のレールは交換が可能です。(確か300と450mm)
・リンホフ互換マウント
市場に沢山流通しているリンホフボードと互換性が有って、皮肉な事に今となっては非常に便利です。
但し、ボードの取り付け位置が少し深めのため、シャッターの固定位置には注意しないと操作し辛い時が有ります。(慣れといえば慣れなのでしょうが、私はこれがニガテです。)
・豊富なアクセサリー
フィールドタイプのテクニカルカメラとしては比較的後発なため、色々と研究されていて各種アクセサリーが豊富です。先述の5×7ホルダー初め、120用のフィルムホルダーやスライダー類も豊富です。(ルーペはちょっとプアかも。)
・優秀なデザイン
これは好みの問題も有りますが、各部のR取りやカラーバリエーション(と云ってもトロピカルタイプ?)を選べる機種も有り、意匠に気を使った処が個人的には好きな部分です。
・メーカーが存在
これは非常に大きな点で、いまだアクセサリーが入手できます。(流石に現時点ではフィールドタイプはラインナップからは落ちています。)スライドレール用のネジ等はまだ入手可能だと思います。(要確認)
いくつかの機種が有り、年代によってヌケも有るかもしれませんが、
・WISTA 45
一番プリミティブなタイプで、基本的な機体です。頑丈でシンプルな構造は信頼性が高く、今でも十分使用可能です。上級機とは異なり、簡単には蛇腹の交換はできません。
フロントスタンダードムーブメント
・ティルト ±15度
・ライズ 50mm
・シフト 47mm
バックボディームーブメント
・前傾 90° 後傾(15°) まぁ前傾は蓋閉めちゃうので…
・スイング15°
・WISTA 45D
WISTA 45シリーズの最上級機(距離計は有りません)で、WISTA 45 に以下の機能が追加されています。
・バックボディーにスイングの微動機構 ±4°(ボディのスイングにさらに追加。)が加わりました。
・蛇腹が交換可能になりました。
・フロントライズに微動機構が付加されています。
・この機種の初期タイプは木目調のボディーが選べます。
・WISTA RF
文字通り、WISTA 45と45Dの中間タイプに距離計連動機構が付加されました。
・カム交換で、135mm,150mm,180mmに対応した距離計(距離計とビューファインダーは独立です。)
・ヴューファインダーはアルバダファインダー(視野枠には120mmも有る。6mで100% インフで約90%)
倍率0.45倍 基線長63mm (有効 基線長28.4mm ちょっと控えめ)
・パララックス補正は機械式補正有り。凄いでしょ!
・WISTA 45D に有るバックスイング微動機構は無い。(有れば文句なく最高級機なのですが。)
・WISTA 45SP
WISTA 45シリーズの集大成です。距離計は有りませんが、充実したムーブメントを備えています。
名実的にWISTA 45を代表する機種で、最後までラインナップされていました
・WISTA Dにフロントスタンダードのスイング機構±15°が加わりました。
・WISTA 45N
高級志向だったWISTA 45 シリーズのライカスタンダードに該当する機種で、当初のWISTA 45 と同様な構造を備えています。(詳細な違いが判りません。是非フォローをお願い致します。)
・WISTA 45VX
最後期まで販売されていた基本的なタイプのカメラです。WISTA 45D で採用されたフロントスタンダードのライジング微動機構が残された WISTA 45N の様です。
上述の45,45N,45VXの違いやムーブメントの可動量は私の持っている資料によって違った値が載っていました。この部分少し正確性に欠けます点はご容赦ください。今後のご指摘で直そうと思います。
ボディーカラーと同じ色の可変タイプのレンズフードが用意されていました。
フードはフロントスタンダードのレンズマウント部に取り付けます。
フレキシブルにライズチルト方向に曲げる事が可能です。(シフト方向には動きません)
取り付け部分にはヒンジが付いていて、跳ね上げる事も可能です。


所有経験はありませんが、霧ヶ峰などでビューカメラを立てていると、隣でWISTAを組んでいる方がよく居られ、夜明け前にお話を伺うことがありました。
カタログを長目ながら、このアクセサリー便利そうだなー、凄いアイディアだな–と羨ましく思っていました。
例えばご記載のレール交換。テクニカルタイプなのにかなりの望遠までカバー。
さらに延長する、テレマクロレールがあり、延長ベローズで相当な長さになります。
袋蛇腹に交換出来るのもすばらしい。
そして袋蛇腹をさらに価値あるものにする、宙に浮かぶような広角ボード。4つのロッドで後方にマウントを延長するのでリンホフでは前後動しかできない超広角でもあおることが出来ます。
これはタスキがないボディのたまものでもあります。
他機種でも絶対欲しかったのは、張り付くルーペ君。文字通り焦点板に張り付いて2次元移動でき、どうしても3本目の手が欲しくなるアオリながらのルーペ確認が絶対に便利になるであろうアクセサリー。他機種用もあったのかな?
ロールホルダーが特に便利ですが、フィルムホルダーを差し込むと、プレスフォーカスが自動的にシャッターが閉まるバック。
専用シャッター併用で多分シャッターチャージも要らなくなってしまう。
これでもかのアイディアの宝庫です。
ただ関西では、中古をほとんど見なかった。新品も大判専門店には置いていませんでした。出会いがまったくありませんでした。
直販が主だったのかもしれませんが、この手の品物は通販でいきなり買える物ではないのです。
カタログではモノレールビューもあったようですね。
そして友人がどこ製かわからない珍品と言っていた、ウイスタールレンズ。
先にふれた専用シャッターにマウントされ、確か180,150,135の3種類で、立派なスペックのオルソメター型。コンゴー製?
距離計連動カムつきで、確かメーカー調整されたウイスタシャッター付きニッコール、フジノンがあったかと。
フィールドでもスタジオでも、すばらしく便利なシステムであったはず。でも普及するには至らなかったようにも思います。
大判は不便なものという、諦観と難しくて当たり前という風潮が、便利グッズの拡がりを妨げたのでしょうか。


さっそく訂正です。WISTA SP と WISTA RFは未だオンラインショップで購入可能でした。
ロールフィルム スライド アダプターのご紹介です。
ロールフィルムホルダーとピントグラス+ピントフードが一体でスライドできる様になっています。
通常の状態では、ホルダーにもピントグラスも光軸上には有りません。
スライダーを上にスライドさせるとピントグラスが、下方にスライドさせるとフィルムホルダーが光軸上にセットされます。
ピントグラスをセットすると、フィルムホルダーには自動的にダークスライドがセットされます。
優れた機能なのですが、わたしのアダプターは遮光部材がちょっとヘタっていて、補修しないと光線漏れが有りました。
常に擦れる部分なので、時々チェックする必要が有ります。
スライドさせるには、側面のレバーでロックを解除して操作します。この時、スライダーの重量で全体が下がりますので気を付けなくていけません。
この構造はスタイルは良いのですが、ホースマンのロータリー式の方が操作的には優れている様に感じます。
ピントフードは交換式で密閉型のルーペ等が用意されていました。
アダプターの装着はバックボディーのコーナーに有るロッククローを放射方向にスライドさせて固定します。
私のカメラは極初期のタイプなのですが、ちゃんと固定できました。ちょっと判らないのは、どうもこのスライダーとリンクして自動絞りになるアクセサリーが有った?様です。


張り付くルーペ君のリンホフ用がまだある!
ウイスタ45用より高い(笑
私が持っているウイスタ製品は、ショートとロングのピントルーペ、望遠接写アダプターリングセットB(先端がリンホフボードを装着出来る方)です。もしかしたら延長ボード#3用もウイスタのセットAなのかもしれませんが、会社名がないのでわかりません。
ピントルーペは色んな会社が出していて、大手のピーク製を始め、ホースマンの長短、ケンコー、無銘のものなどを持っています。
シュナイダーやニコンのは高価なのであこがれです。
いいルーペは覗いてみると見え味が素晴らしいですね。
さてウイスタですが、現行はショート4倍だけですね。ロングはフードルーペという名称で、ピントフードを立てたまま、冠布なしで使える15cmくらいの4倍です。ショートはピントフードをパーンドア式に外して冠布を被ってピントグラスに当てます。
どちらが便利かというと、その方の好き好きです。ショートは冠布を併用するので結局それほどロングよりパッキングに有利になりません。
ショートを冠布無しで使う事もできますが、影にしないと見づらいでしょう。
ショートはピントグラスとの接触部分はプラスチックです。ロングはアルミ外筒ですがガラスなら傷つくことはなさそうです。プラスチックのフレネルは強く当てないよう注意。
超広角の画面端はルーペをレンズ中心側へ傾けないと見えません。ロングでは少々難しい。
ウイスタ製ルーペの中古価格は極めて低く、オンラインショップで定価を知りビックリしています。
どちらも軽いので、持ち出しは苦にならない。ホースマンはショート7倍はともかく、ロング4倍はウイスタより重い。
見え味は、高級ルーペを見た時の感激するほどの鋭さは感じられませんが、大判の焦点合わせには十分です。
大判バッグ1つに1本どれかを入れっぱなしにしています。レリーズ1本と共に、急いだとき忘れないように。
ルーペの倍率はどの程度が使いやすいか、私は高倍率が好きですが、実用上は4倍でも7倍でもさほどかわらないと思います。ピークの15倍も持っていますが、視野範囲が狭く超接写など特殊な用途です。また直径が大きなルーペは構図まで確認でき、見え味も素晴らしいけれど携帯性が落ち、ピントグラスの隅が見えない、超広角で傾けて当てられないなどの不利な点もあります。大直径のものは57や8x10ではよくても4x5以下ではどうかなと思います。


よろしくお願いします。
18/09/19付けWISTA efunon様の45シリーズの記事を見て、“WISTA 45SP WISTA 45を代表する機種で、最後までラインナップされていました”と有りましたので、WISTAは45カメラを製造中止にしたのかと、オンラインショップをチェックしました。
WISTA RF以外のモデルは“只今 品切れ中です。”とのことでした。多分このまま止めちゃうのでしょうか。WISTA 45SP ユーザーとして残念に思います。10年近く前にメンテのために45SPをWISTAに持ち込みました。その後もピントグラスを購入したりでRittrec View とともに実用しています。
富士フィルムは白黒フィルムを製造中止、もはや大判写真は絶滅危惧種ではなく絶滅種なのか?
先週、富士フィルムAcrosを少し買いだめしました。
aritarou
シートフィルムの件は残念なニュースが多いのですが、エクタクロームも復活する事だし期待せずに待っています。
SPはベローズの交換が容易なので何度か購入しようとは思ったのですが、その値段で躊躇しました。


1950年代 英国ホートン&ブッチャー社製 6x9cm判スプリングカメラ
戦後エンサイン銘の6x9cm判カメラには、高級距離計連動機オートレンジ820、その目測版セルフィックスが有名ですが、さらに下のレンジに、同じボディで3速シャッターを装備したレンジャーがありました。
戦前に同じ名称の普及機があり、戦後版はレンジャーIIとされます。
そのレンジャーには、もっともボトムラインに位置する「エンサー105mmf6.3」つきが多いのですが、私のはハイエンドの「エクスプレス105mmf3.8」です。
最高級レンズをこのような簡単なシャッターに入れてしまう所がお国柄といいましょうか。
例えばツァイスイコンはテッサーをデルバルなどには決して入れません。逆にトリオターをシンクロコンパーに入れることはやりますが。
しかし、スポーツなど特殊な高速シャッターが必要だったり、1/2-1秒など微妙な長時間露出を企図しなければこの「トライコン」B,T, 100, 50, 25シャッターでも実用上困ることはありません。
しかもレンズの性能が良ければ画質のために絞りを選ぶ必要はないわけです。
頑丈な基本ボディとレンズは高級機と共通ですが、それ以外は極力節約されています。
シャッターは前述のように3速プラス開放で、折り畳みファインダーは素通し枠。
レリーズはボディになくシャッターに短いレリーズがネジ込まれています。
このシャッターには直接レリーズできるレバーがないのです。
(このショートレリーズは、レチナ初期にも流用できそうですね)
蛇腹を支えるタスキは直線構造で、セルフエレクティングではなく、スプリングも入っていないので正確にはスプリングカメラではありません。
巻き上げは当然赤窓で、当然二重露出防止機構などありません。
各々の材料は良く、必要以上と思えるほど頑丈で、壊れるところはなさそうです。
もし英国に行けるならば、これを持参したいですね。
シャッターとして1/25〜1/100あたりの3速あれば十分というのもうなずけるところです.目測カメラで,手持ち撮影だとこれら以外の絞り値を選ぶことは事実上ありませんものね.
「スプリングカメラでいこう」という書籍にも多数のスプリングカメラが挙げられていますが,著者らは複雑で重いものより軽量で目測ベースのものをしきりに勧めており,目測は恐るるに足りないと言っています.確かにそうかと思います.近接時は難しくなりますが,(この書籍の著者らの写真もそうですが)町並みや風景などが主だと目測で十分で,下手に距離計を使わないほうがよかったりもしますし,ファインダも下手なオプティカルよりはフレームが良いと言っています.そういう中でちゃんとコーティングされた性能の良いレンズ,しっかりしたボディというと実は選択肢が少なかったりもしますが,このエンサインは良いですね.Simple is the best.
エクスプレス付きのレンジャーは少なそうだから僕もセルフィックスあたり探そうかな,と,早速感染しております.危ない危ない..


私もレンジャーにこのレンズが付いているのは大変意外でした。
本体ジャンクという記載だったのでレンズをセンチュリーグラフィックに流用する意図で注文、到着すると?問題なく使えています。
820はかつてクラカメ専科で絶賛され、高嶺の花がさらに成層圏まで行ってしまい諦めています。
ただ820だけはベッドごとレンズを前後させる機構で、セルフィックス以下前玉回転と差別化されています。
果たしてエクスプレスで全群繰り出しと前玉回転の性能差がどれほどあるか、単体レンズでお試しの方が居られたら是非ご教授いただきたい(本来はジャンクレンジャーから外して自分で試すつもりだった)ところです。
セルフィックスの前玉回転レンズでも、無限遠画質を友人が絶賛しています(マッタリしま専科)ので、実用上遜色は少ないのではと想像しています。
仰る通り、戦前初期の大判エクスプレスはライツアナスチグマート同様テッサー特許逃れのため(と評される)3群目3枚貼り合わせが有名ですが、性能上顕著なメリットはなく精算難易度とコスト浪費なので早々に4-3のテッサーアナログになってしまったようですね。
4-3ではMPPマイクロコード77/3.5が大変美しい描写をしますので信頼しています。
5-3とされるモデルと使った事がなく、優越があったかなかったかは興味があります。
マルテックス装備のガウス型エクスプレス2インチf2がありますから、レンズ構成に付けられたのではなく、エクター同様上級機種に冠される名称なのではないでしょうか。
畳んだレンジャー。それほどフラットにならない。程よくアールが付いていてカクカクしたイコンタ系と随分違う。戦前オートレンジのように薄く完全フラットになればもっと魅力的なのに...


個体差もあるのでしょうけど、Xpres105/3.8の尖鋭さはTessarを上回っています。
このTessarは全画面均一な描写をしてくれて、外れ続きのスプリングカメラ遍歴の中で久々に胸をなで下ろしている個体なので、Xpresの凄さが余計にわかります。
どちらも前玉回転の無限遠比較なので、Ikontaは最高の解像力が期待できる条件ではありません。
Ikontaは有限距離(3-5m)付近でレンズ間隔が収差最良になるため、無限と最短は性能が落ちるのです。どれくらい落ちるのかは明言できる経験がありませんが。
ひょっとするとXpresは無限を基準に調整されていたのかもしれず、総合的な比較はもっと様々な被写体で確認する必要があります。


角という角が全て穴で星空状態なので、張り替えが唯一の補修なのですが、張り替える自信がなく、取り敢えずパーマセルを裏表に貼り付けて凌いでいます。
それでまあまあ使えていたのですが、先日謎の光線引き。
余白も感光していますから、蛇腹の穴とは考えられません。この位置をよく見ると、赤窓からのよう。
実はレンジャーの赤窓は赤くありません。単なる穴で、貫通しています。
一応スライドで閉鎖できるようになっていて、ものぐさでここを開いたまま陽光下持ち歩いたからだろうと思いました。
画質は非常に高く、ほれぼれします。
今撮り比べ中ですが、開放コントラスト、周辺の切れ共にテッサー105/3.5を凌駕します。ヘリアとは多分同レベル。
これより良いクラシックの100mmクラスは、メダリスト以外に知りません。
ただレンジャーのシャッター最高速は1/100、しかもレリーズ位置が手持ちには不適切なので、下手すると手ぶれします。今回の手持ち試写では手ぶれ量産しました。
エクスプレスを使うならセルフィックス以上のクラスをお勧めします。
私はレンジャーでもちょっと頑張ってみますが。
Eisign Ranger, Loss Epres 105/3.8, f3.8, 1/100, Kodak T-Max400, Fujidol 25dig, 6min


BUSCH Pressman Model D
Chicago、IL USAのBUSCH Precision Camera Corp.
Pressman Model D です。
私の中では4x5小型出張カメラの決定版になってます。
Model Cもありこれは、6x9カバーのミディアムサイズです。
ネット情報から拾いますと1950-1960製造とのこと。
Bushch社はスピグラに影響を受け開発されたと、これまたネット情報で出ております。
1年以上使用したのでここで少しまとめてご報告させて頂きます。
さて、まずは出張セット。いつもはコンプリートで持ち出せるようにDバックに入れて収納してありますが、出張に持ち出す場合にはスーツケースに入れてしまうものもあります。いづれにしても持ち出し内容は同じです。
カメラ本体と、標準レンズ(135mm/f4.7)
レンズ2本(90mm/f6.8、210mm/f5.6)
ライトメーター
ブロア
レリーズ
ルーペ
冠布
フィルム交換用ダークバック
6枚撮りフィルムクイックホルダー2個(2種類のASA感度使い分け)
フィルムと露光済みフィルム収納用フィルム箱
以上になります。
このPressman Dの特記事項は以下です。
1)コンパクト
写真に見て頂けますようBillinghamのHadley Proにすっぽり収まります。私はこれにHasselbladの2000FCWに一本レンズをつけて横に入れて持ち出します。135版のカメラを入れる場合もありです。
なんとこの中に出歩き先では不要な交換用フィルムやダークバック以外は全て収納可能です。(ライトメータを小型にする場合もありますが)
2)ファインダーはレンジファインダー(135mmプリセット)
レンジファインダー搭載です。手前は最大1mまでいけるスグレモノです。
このファインダーには名前がつけられております。
"Busch Veu-Focus" だそうです。
https://lommen9.home.xs4all.nl/Busch/page9.html
Veuは英語ではいので、Viewの単語へのゴロ引っ掛けでしょうか...。
私の個体では購入したまま使用しており、反射版がかなり古くなってはおりますが輝点があれば十分まだまだいけます。(写真参照)
私は一度も通電したことがないのですが、写真の真ん中の窓から光がでるようです。ナイトフォーカシング可能ということです。
スポーツファインダーですが、パララックス調整は手前にある球体のいちをつまみで緩めて上下します。(写真参照)
(私は穴空きタイプの方がうまく扱え、この玉タイプは苦手です。)
3)レボルビングバック
薄型のクラウングラフィックよりもずっと薄い筐体になんとレボルビングバックが搭載されています。これは大変に便利で、スピグラの場合は雲台の首を傾げさせると私が使用している出張用カーボン三脚の場合にはどうしても安定度が悪く、その場合三脚座から付け替えをしておりました。
この点レボリングバックで大変小気味よい構図変更が可能です。
残念な点:
A)ちょっと重い(かも):実測2.5kg (135mm標準レンズ付き)
クラウンと比べますと重くスピードと比べると余り変わらない印象です。理由はスピグラは木製というのが大きいと思います。ただ、木材は機械工学上は密度2.7で実はアルミと同じに設計計算されますので、実測比較した方がよいですね。
B)フォーカルプレーンシャッターは準備されていない
ここは割り切りでしょう。というのはスピグラフォーカルレンズの最大も魅力とも言える戦前バレルレンズの使用がありますが、このPressman Dのレンズ取り付け部の喉元寸法は横の幅が58mmしかないのです。むりやり拡大も可能と思いますが、それでも片側3mmくらいでしょう。64mmが最大になります。それ以上のレンズはよほど工夫しないとならないからです。まあ、このような想像もFPシャッター非搭載ですので不毛な考えです。
ーーーーー
レンズ紹介:
135mm/f4.7, Wollensak (fは最大32)、シャッター:Rapax 1/400まで。標準レンズです。
純正の蓋には「Made for BUSCH BY Wollensak 」と刻印されております。この蓋は大変質がよい金属性でこの時代キャストはあったのでしょうか?キャストで文字は掘り下げ、さらにBUSCHには朱入れ、他は黒で塗装されております。一部メッキが剥がれかかっており、中は樹脂ではないことが確認できます。この全面はRになっているので、色入れも手作業で入れたと思います。(写真参照)
90mm/f6.8, Angolan. Schneider-Kreuznach (f max 32), Syncro-Compar-D 1/500まで。Tなしなので、このレンズにはレリーズ+Bでの構図決めになります。フロントキャップはシュナイダー定番の樹脂製ですが、裏蓋がこれまで凝ってました。削りだしで真ん中にアルミ製シールが貼ってあります。(写真参照)
上記2つのレンズが純正で用意されたものだと思います。
これに、ご存知Symmar-S 210mm/f5.6をシステムに追加しました。
Pressmanのボードは独特形状をしており、写真を見て頂くとわかると思いますが上部にベロが出ています。このベロをネジで止めこむという構造です。
実際やってみるまで不安でしたが、このレンズの後玉枠外径が58mmです。
そうなのです、ぴったりカンカンで、取り付け可能でした。
出し入れの時にはぎゅうううとしますが、それでも何度かやっているうちにぎゅうくらいになり、なんとか無改造(本体側には凹みが付きてます。植毛紙が貼付してあるのでその分が圧排され薄くなった感じです)で使用可能です。
かくて、90、135、210のレンズをお手軽に出張に持ち出すことが可能なシステムになりました。






6x9のプレスマンはよく見掛けます。
レンズボードが、先に揃えたセンチュリーグラフィック23と異なって揃えるのも難しそうなこと、ロールホルダーが付くかわからないこと、そして確か装着レンズがウォレンサックのラプター101/4.5だったので、敢えて飛び込むことはありませんでした。
4x5はボディが薄いという特徴があるのですね。それはパッキングには有利です。
4x5モデルはショーウインドーでしか見たことがないので、全く認識していませんでした。
23ボードは独自なのか気になっていましたが、戦前モデルのミニアチュアを入手して戦後センチュリーとは違ったボードなのを知り、もしかしてブッシュプレスマン23もこの規格なんじゃないの?と疑問に思った次第です。
勿論4x5モデルはもっと大きいのですが、レンズボードはどうされているのですか?そちらでは入手できるのですか.
ボードは見たところ拙宅のMPP後期型に似た結構特殊な形状ですが、寸法など如何でしょう。


お久しぶりです。コメントありがとうございます。
ボードはeBで時々気まぐれで自作ボードを出してくれる奇特な方がおりまして、ネットで有名です。私もその方のものを購入しました。
が、そのままでは使えずヤスリがけをして現物合わせしました。特に外側の板の寸法と、隅Rです。まあアルミ(おそらく60材、50材と呼ばれる加工しやすいもの)ですので10分もかからない簡単な作業です。
Buschのボードはベロがついているので自作は少し面倒になります。
上記の方のものはなんと一枚板で、ベロ部材のみを直接溶接しております。
このベロにはストレートリーマで揉んだと思われる中途半端な外径のキリ穴が設けられています。穴の直径は実測1.9Φです。
この穴の位置は、本体のネジの位置を微妙にずらしてあるのです。
本体のネジは先端が45°くらいのテーパになっており、ねじ込むことによりボードを本体側に引き込むという設計です。
純正のボートを測定して図面に起こしてみました。
驚きましたが、ベロの曲げ加工は超適当です。
しかも上記のベロの穴は、曲げ加工前に開けられています。
いやあアメリカンな感じです。普通は精度を確保するために曲げ加工後、できればスポット溶接後に穴を開けるのですがね。。。


左のものがeBで購入したものです。パーマセルを貼り付けてあるので分かりづらいですが、ベロ部材を調節溶接してあります。一応溝加工をして、ベロの板を少しインローで決めていますが強度的にはあまり利いていません。(寸法がインローになっていません)
下の写真は本体側の呼び込みネジです。
45°くらいと思いましたが、60°くらい尖ってますね。
このネジは固めのグリスでメンテナンスしております。ちょっとガタが気になります。(全体的にはなかなか品質高い機種ですので、これは私の個体だけのアラかもしれません)


スピート、センチュリー、プレスマンD の大きさ比較をしてみました。クラウンがないので、あまり価値がある比較ではないかもしれません。
クラウンは私が時々持ち出すダラスバックには入りません。センチュリーはOKで、ギリギリハッセルの500(2000)は入ります。
PressmanDはこのカバンにも入ります。
使う機会はほとんどないですが、時々洒落でビジネスフォーマルな会食に持ち出し、皆を驚かせる(呆れさせる)のが楽しみなのです。笑


れんずまにあ様
ロールフィルムバックがつくか否か。
グラフロックバックのようにスクリーンを外すことができません。
このことはネットにもこの機種の欠点の一つとして挙げられてます。
CAMBOのアダプターを試してみました。
装着できました!!
しかし!スプリングの可動域がパンパンです。
三脚に乗せフレーミングした後に、構図を崩さずにこれを入れられるかと問われると装着は勢いでなんとか行けるかも。
問題は取り外しです。すったもんだしてなんとか取り外せました。


スピグラ、センチュリーとの比較、なるほどこの薄さは素晴らしい。よくぞここまで薄くした!
たたみ込めるレンズを選ぶとも言えますが、薄型のレンズはご使用のアンギュロン90を始め沢山ありますね。
ジンマー210まではたためるんですか?
ボード寸法もご多忙の所詳細ありがとうございました。
存外小さいという印象です。これではホースマン8cm角と変わらないくらいでびっくりしました。
ホースマンは#1には少し浮いた専用ボードが用意されています。フラットボードのまま#1が装着出来るのは良いですね。
そしてレボルビングバック!この一点だけで欲しくなる機材かも。
重いと行ってもリンホフの3割引くらいですしね。
勝負するなら距離計はないけどホースマン4x5HFくらいかな。
ロールホルダーが使えるかどうかは、23のほうは切実ですが、4x5は今となっては縮小バックで使う方は少数でしょうから問題無いと思います。薄いカンボでも、出先で外れなくなったら悪夢ですよね。


>よくぞここまで薄くした!
でしょう!そうなのです。
>たたみ込めるレンズを選ぶとも言えますが、薄型のレンズはご使用のアンギュロン90を始め沢山ありますね。
>ジンマー210まではたためるんですか?
鼻から無理だろうと試してませんでした。
私のスピグラに
はクセノタール135/3.5 を選び抜いて標準レンズにしました。
宜しければラプターについて少しウンチク頂けますか?
>そしてレボルビングバック!この一点だけで欲しくなる機材かも。
同意します!
同じシーンを結構な頻度で縦横で撮っておきたいという軟弱者なので、これは便利機能です。


その構成は、多く見掛けるテッサー型の127/4.5は代表ですが、構成は様々で、Clarus用2インチf2から、独自の超広角タイプ、プロタータイプ、望遠タイプまで多様です。8mmムービー用も沢山あるようですね。
私の情報は主にカメラエキセントリックさんからのものです。素晴らしいカタログを公開しておられ感謝にたえません。
ttp://www.cameraeccentric.com/info.html
実際に使った経験は浅いのですが、
以前Rapter Wide angle f9.5 159mmを使いました。
4群4枚のトポゴンエレメントを全部2枚貼り合わせにした4群8枚という、常識的というか正統派の進化形だと期待しました。8x10をギリギリカバーするイメージサークルでしたが、絞っても端の画質は低く、開放のコントラストが低いので売ってしまいました。今から思えば、絞って性能を楽しむべきだった、早まったと思います。まあAngulon168/6.8のほうがダントツで高性能なので後悔してませんが。
ワイドアングルならこの前のシリーズIII f12.5のほうがシンプルでよいかもしれません。
今はエキセントリックさんから買ったSeries1a f6.3 130mmというtプロタータイプのトリプルコンパーチブルを4x5で使っています。大変小型軽量で、前後単独で使えるのが面白い。プロターには珍しく(というか唯一では)コーティングされてます。
以前聞いた話では、ダゴールやジンマーは後玉だけで望遠になりますが、本来前後で収差を打ち消す設計なので片方では余程絞らないと収差が取れない。しかしプロターは元から片方だけで収差を補正している(だから4枚貼り合わせx2)なので単独でも高画質、という。
実際は、片方ではダゴール片方とあまり変わらないハロの出方で、ついでにいうと前後組み合わせても、画質は甘くはないがハロります。
プロターは解像力が高く繊細でプロには高評価だが、一般にはテッサーのほうが線が太くてもハロが少ないのでウケが良かったという話、理解しました。
シリーズ1aは楽しみのために残しています。というか愛してます。ここぞと言うときにはアポジンマー使うけど(笑
あとは、長焦点代わりにRapter Process f10 14inを持っています。これはバレル。絞るからシャッターはイイか、って。今取り敢えずペンタックス67マウントにしてますが、アダプターでジナーでも何にでも付けられます。これは無味無臭のレンズで語ることは少ないです。
付属のラパックスシャッターについて、プレスフォーカスなかったり、Bと高速低速の順番が普通と逆だったり、広い心で赦しましょう。


わぉ、ありがとうございます。
使用経験、印象なども頂きいろいろな面で生きた情報です。
教えていただいたサイトも濃いですね。素晴らしいサイトです。
私は、もっぱら、
ttp://www.butkus.org/
こちらにお世話になっていたので、ブックマークに加えました。


Large formatの所が大変参考になります。
他にも実用的な資料がたくさんありますね。
MPPのモデルVIII説明書興味深く拝読しました。
数年前はMPPクラブを閲覧できたんですが、会員制になってしまい、最近見られないんです。
MPPは二眼レフが有名ですので、また別に機会にレポートします。


OM101パワーフォーカス
1988年(昭和63年)発売
OM707用オリンパスAFレンズを使用し背面ダイヤルでマニュアルフォーカスを行うワインダー内蔵機.専用レンズにPF35-70ズーム、(PF50/2も)がある.
撮影中立ち往生しがちなOM707よりはるかに操作性が改善され,オリンパスAFレンズを使うなら101がお勧め.
ボディ単体+AFレンズではプログラム専用だがマニュアルアダプター2を装着すると絞り優先AEとマニュアル露出が追加される.オリンパスのTTLダイレクト測光フラッシュコントロールができるが,707にあったFP発光は省略された.
外装プラスチックなのに結構重量があるが.単4x4のヒンジが脆弱な構造で折れやすく,また液漏れ頻発(これは偶々低品質の単4が流通しはじめた時期に一致した不幸).
オリンパスAFレンズは重厚な造りで,単焦点は引き出しフード内蔵.絞りリングと,マニュアルフォーカス用のリングを持たない完全にボディ側からのコントロール専用.101,707ボディはOMズイコーを装着できるが,AFレンズはOMボディには装着できない.スペック上OMズイコーと同じレンズでも,構成図を比較すると微妙に変更されているものが多く,描写も同スペックのOMズイコーより画質が高い場合がある.
画像:0M101, 50/1.8つき,7時から時計回りに28/2.8,50/2.8マクロ,70-210/4,35-105/3.5-4.5,PF35-70,24/2.8
OM101ボディ右手親指側のダイヤル回転を電子変換し、マウント面に設けられたレンズ駆動カプラー回転を通じてOlympus AFレンズ側のフォーカス駆動を行います。
焦点合わせは、フォーカシングスクリーン上で眼で行います。
マニュアルフォーカス一眼レフでは普通のスプリットプリズム/マイクロプリズム/マット固定式がはいっています。
時期的にはオリンパスOM4Tiから採用された2-系の明るいスクリーンが入っているのではないかと思います。
レンズは、ミノルタα7000の後を追って発売されたレンズ交換式オートフォーカス一眼レフ、OM707AF専用に用意されたOlympus AFレンズ群を使用します。
パワーフォーカスによる焦点合わせは、違和感ないといえば嘘になりますね。
まあ、慣れです。
ダイヤルをゆっくり回せばジリジリと微調整でき、弾くように早く回転させたらそれなりに駆動も早い。
私は個人的には、それほど悪くない操作性だと思います。
自分の手で回す感覚が至上とすれば、それには劣るでしょう。
しかし、過去にはefunon様のご指摘にあったように、35mmカメラにもギアで焦点合わせを行う機種はありました。RFコンタックスやカスカ1などですね。35mmカメラを除けば、ヘリコイドを使う機種のほうが少数派で、ラックピニオンや偏心スピンドルで合わせる機種も多いのです。
101は「電子」が一枚挟まれているのが従来機と違う所でしょう。二回から目薬とはいいませんが...慣れです。
一点、カメラのグリップに重要な右手親指をフォーカスに取られてしまうのは、どうかなとも思いますが、中指から小指にしっかり掛かるグリップ(単4電池室としても大きすぎる)がありますから、酷く困ることはありません。
OM707もパワーフォーカス機構を備えていますが、露出シフトと兼用で切り替えて使うスライドスイッチで行うようになっており、速度は微妙なスライド量に左右され、合わせたい点に一発で合わせるのは不可能に近いです。
行ったり来たり、止めようと思えば動きが速くなり、物凄いストレスです。
しかもマニュアルフォーカスと露出計シフトとは同時に出来ません。狂気の操作性ですね。
AFが優秀なら任せきることも出来ましょうが、原始的なハネウェルAFモジュールなので遅く、認識率が低く、まあ合わない。
707ユーザは間違いなく101を褒め称える、というか707で何故このダイヤルを採用しなかったのか...と怒ったわけです。
さて、Olympus AFレンズは完全にAFに任せきることを前提にしたデザインなので、マニュアル焦点合わせ機構を完全に省いてしまったのは有名ですが、それに加えて距離指標が小さく、目盛りが詰まっていて、さらに小さな窓を通して見るので視認性がよくありません。
置きピンが、老眼では厳しい。
画像:上から見たOM101、右手親指側にパワーフォーカスダイヤル。
左上面にモードダイヤル。反時計回りにプログラムPモード、電源スイッチ(OFF)、バッテリーチェック、時計回り方向はマニュアルアダプター2を付けた時の絞り優先自動露出Aとマニュアル露出Mの切替。


まさか、伝統有るMFのOMシリーズのスレッドさえ出来ていないのに!(MFといえばMFか。)
OM101は異端中の異端です。決して褒められるシステムではないのですが、不思議と変態を魅了します。
れんずまにあ様の解説に有る様に、フライバイワイヤー方式のピント合わせは若干のイラ付きはあるものの
慣れればなんとかなるものです。
基本的に単プログラムの"P"モード機なので、ピントさえ合わせれば写ります。…と書きましたが、
悔しい事にレンズは一級です。
AF化に伴って構成を変更したレンズ群は、奇をてらう事がなく、初代のOMシリーズの様に超小型と
いう訳では有りません。どちらかと云うと大型化しています。但し、重量等のスペックは非常に似ています。
旧レンズ群には無かった50/2.0や、28-85/3.5-4.5と云ったレンズが用意されました。
一方、専用の超広角レンズが無いとか、500mm以上やシフトレンズが使用出来ないという制約も有ります。
さて旧レンズの使用ですが、装着した場合は絞り優先のAEとなります。但し、ファインダー内にシャッター
スピードは表示されません。
画像は上段が、輸出専用のAFの利かないPF専用50/2.0です。下段は標準的な望遠ズームですが、
ボディーサイズに比較してかなり大型な重量級です。
繰り返しますが、決してオススメできません。…面白いけど。


OM101/707 システムにはその構成を引き継いだレンズが発売されました。
このレンズ、所謂テレマクロという機能が付いています。
ズームリングを85mmにして、鏡胴側面のスイッチをONにするとズームリングが固定され、通常の最短撮影距離が0.8mのところが0.6mまで寄れる様になります。
(このスイッチは撮影距離が0.6〜0.8mの間はOFFに出来ません。尚、オリジナルのOMズイコータイプは0.6mの様です。)


左から50/1.8、28/2.8、24/2.8。
鏡胴側面の焦点距離表示を見ないと、ほぼ見分けが付きません。(画像上)
50だけはやや前玉が大きいのと、引き出しフードの形状が少し違う。
でもフードを引き出した長さも3本全く同じです。(画像下)
50mmには少々短すぎますね。24mmでも短すぎかも。フード材質はプラスチックです。
この3本のうち、24と28はOMと構成群/枚数と形状は同一ですが構成図のレンズ間隔は違うように見えます(構成図が正確かどうかはわかりませんが)。
50/1.8は、OM初期6-5だったのが6-4に変更になり、AFで6-5に戻っています。後玉径はOM初期より小さいように見えます。
性能はOMズイコーよりさらに改善されているように思います。
ラインアップはこの3本の単焦点、50/2.8マクロ、35-70、28-85、35-105、70-210ズームのAFレンズと、efunon様ご紹介の101専用パワーフォーカス35-70,50/2のみ。
もっと拡充する予定があったはずですが、果たせないままです。
先行者のミノルタαは、マウントを変えてしまったため特殊レンズを含め全面的にレンズラインを組まざるを得なかったのに対し、オリンパスはOMズイコーが装着出来るため、敢えて拡充しなかったのかもしれません。
売れ筋の50/1.4もAF化されていません。もしかすると駆動部の重量が大きいレンズはインナーフォーカス再設計するまでラインに入れなかった?


OM S-Zuiko Auto zoomと同一構成。AFレンズからPFレンズにかけても踏襲されました。
軽量小型でもっともよく見掛けるオリンパスAF,PFレンズでしょう。
Zuiko時代からプラスチックを多用しきわめて軽量化されていて、重宝しました。描写もそこそこで気に入っていました。
AFになり却って造りがよくなり190gから250gに重くなりました。
OM101専用のPFレンズは、前から見て赤いサークルが塗られています。


以前はこの焦点距離範囲は好みではなかったのですが、このレンズは性能が高く、またAFシステムでは中望遠は全部ズームに含まれてしまったので、24mmまたは28mmと組んで持ち出すには丁度良いレンズとして再認識しています。
105mm位置でクローズフォーカス機構が働き近接できます。
OMズイコー同一スペックレンズと構成が変わっています。


少し大柄な望遠ズーム。AF純正で最も長焦点。
当時としては、こなれたスペックで性能は信頼できます。
同じ焦点距離のOMズイコーは存在しません。
PFもありますが超珍品だそうです。
クローズフォーカスは全焦点距離で使用できます。


このシステムの白眉といえる単体で等倍まで連続的に撮影可能なマクロレンズ。
明るく便利でOMズイコーでも欲しかったスペック。
これを使いたいので101を保持する方もおられるとか。
画像:比較のため左にAF50/1.8を並べた50/2.8マクロ


これを装着することでA/Mモードが使えるようになる。
シャッター速度は絶対値で表示されるが、
絞り値はレンズによって表示がずれる。開放絞りから何段絞られたかの目安ということだろう。


AFレンズの中で最も少ないのでは。私は使える状態のものをみたことがありません。
海外サイトでOMズイコー版を見掛けますが、現物を見たことはありません。
ズイコーズーム35-80/2.8を除いて、オリンパスのフィルムカメラ用として最後発のズームでしょうから、性能は期待できますね。


あッ!と思ったら、国内有数の101スレッドになってしまいました。油断大敵です。
OM10用のマニュアルアダプターは良く見かけるのですが、OM101用のマニュアルアダプターUは入手が難しく、
たまたま入ったカメラ店で見つけた時(JUNKBox)はビックリしました。
なぜか、OM101用のズームレンズは35-70を除いてみんな重量級です。オリンパスさんのレンズにかける意地を
見ている感じがします。


私は当時絶対ムリと諦め、ギリギリ取り寄せ可能だった新品を購入しました。
f3.5やf値可変ズームはどうなんの?というのは聞かないお約束。
オリンパスAFレンズは同クラスのOMズイコーと較べて重くなる傾向がありますね。
ヘリコイドや絞りリングなど操作部をなくしているのに。
マウントは頑丈な金属です。
もしかするとAFカプラーからギアでフォーカス駆動するのは、プラスチックでは困難で金属でないといけない剛性が必要だったのかもしれません。


気を付けて頂きたいのは、OM-101専用のパワーフォーカス
レンズにはいくつかの特徴が有ります。
・鏡胴のレンズ銘の最後に"PF"とプリントが有る。
・距離環の窓カバーが無い。
・飾り環に赤いラインが入っている
・OM707用に用意されたマウント面の接点が有りません。
等、Olympusもかなり気を使ってAFとPFの区別をしている様です。…(涙)


・当たり前ですが、普通に装着出来ます。但しボディー側のレンズ脱着ボタンは押されたままです。
多分、AFカプラーも引き込まれたままだと思います。
・ファインダースクリーンは大変明るく感じます。
101は言うまでもなくマニュアルフォーカスなのでファインダーの優劣は直接ピント精度に影響しますので重要なポイントです。
MFのズイコーレンズにはプレビュー機構がレンズ側に有りますのでとても使い易い組み合わせになりました。
OM101をMFレンズと組み合わせて使用してみると、あまりOM101を異端視する必要は無い感じです。
それよりもPF付きの絞り優先機と考えても良い感じがしました。


>ボディー側のレンズ脱着ボタンは押されたままです。多分、AFカプラーも引き込まれたままだと思います。
あ!成る程!!今まで全然意識してませんでしたが、AFカプラーを引っ込めたままにしておく措置かもしれませんね!
MFレンズ脱着をそれほど多数回やってないので気付きませんでした。
明るいスクリーンは多分4Tiと同時期に出た707譲りの2−型スクリーンですよね。
ちょっと拡散性が弱いのが引っかかる所ですが、この当時他社も横並びで明るいマットを採用していましたし、十分ピント精度については検討されていたと思います。ただボケが撮影画像より少なく見えるのは気をつけねばなりません。
MFレンズを使えばレアなマニュアルアダプター2が無くても絞り優先AEになりますし、これは良いですね。
ワインダー2つきOM10(2や40でもいいけど)より101のほうが軽く取り回しがよく、作動音も小さいので、使用目的によってはなかなか良いシステムになるでしょう。
そういえば電動巻き戻しが出来るのは、モードラ並(笑
どのレンズが似合うでしょうね。


>ちょっと拡散性が弱いのが引っかかる所ですが、この当時他社も横並びで明るいマットを採用していましたし、十分ピント精度については検討されていたと思います。ただボケが撮影画像より少なく見えるのは気をつけねばなりません。
コレは最初気になったのですが、れんずまにあ様がお持ちの50mm F1.8 までは性能保証されているのだと思いました。
ただ、F1.4、F1.2 クラスはどうかなと思います。OM-4と同じスクリーンならスクリーンの構造までは同じなので安心なのですが、果たして組立調整をそこまで行っているか?です。
スタイル的には持っている100mmF2.8でははあまり格好の良い良いスタイルではなかったのですが、ファインダーの美しさは感動モノでした。
但しここで冷静に戻って、拡散率が低くいのでこの明るさが担保されていると思うと、大口径ではムズカシイのではと感じました。


MFは直進、AFは回転ズームという違いはありますが、レンズの太さが全く違い、MF Zuikoのほうがスリム。
通常の繰り出しにおける最短撮影距離はズーム全域で1.5mとAF, MF共に同じなのですが、使い勝手に最も影響するのはこの1.5mという非実用的な最短をカバーするクローズフォーカス機構の差だと思います。
AFは105mmの時に限ってクローズフォーカス機構が使え、0.85m,14x22cmというそこそこのサイズが画面一杯に写し込めますが、広角側では最短で86x120cmと冗談みたいな広さになります。それはそう、35mmで最短1.5mというのは実用無視です。
MFのクローズフォーカス機構はズーム全域で使えるため、最大倍率は35mm位置の11x19cm、距離31cmになります。105mm位置ではAFレンズと変わらない距離と倍率です。
つまりMFでは最短どん詰まりになったら、ズームのどの位置でもフォーカスリングをクローズフォーカスリングに持ち替えて焦点合わせを継続できるわけです。
クローズフォーカス機構はレンズ全群を繰り出す可変中間リングを内蔵していると考えればよいでしょう。
これを繰り出すと、ズームではなくバリフォーカルになってしまいますが、単焦点レンズと同じ程度の最短撮影距離(105mmではむしろ単焦点よりも短いほど)を確保でき、全群繰り出しのため、仮に通常の前群移動の焦点合わせを継続して近接した場合と較べて画質が落ちない利点もあります。
併売されていた35-70/3.6という(当時)高級スペックの標準ズームは全域80cm、近接機構なし。ちょっと困っちゃいますね私は。RFと同じと割切れば良いのだけど、近接好きの私ならクローズアップレンズ1枚常備したくなります。
AF、MFの何れも、現代のように単焦点並の最短距離までシームレスにフォーカス出来、収差も完璧に補正されているデジタル用レンズと比較するとごく過渡期の製品ですが、MFの方はよく頑張ったと思います。
逆に、オリンパスAFレンズは機能的には後退しており、理由は情状酌量できる気もしますがもう少しなんとかならなかったかと思います。


早速OM101に装着したのですがどうも具合が良くありません。ファインダー像がスッキリしません。
そこでOM-10についていたMFの50mm F1.8 に交換したのですが、見違える様な視野です。
”好きだと言う代わりにシャッターを押した”のOM-10とは開発時期が違いますので仕方がないのですが、
図らずも、OM-101 のファインダーは明るいレンズだと素晴らしい見え方だと再認識しました。
AF50mm F1.8 は入手が少し難しいのですが、ZUIKOの方は比較的安価に見つけられます。もし機会が有れば是非一度試してみて下さい。


大柄なレンズでズシリと感じます。
レンズ側面に”CLOSE FOCUS"ボタンが有ります。これはいわゆるテレマクロスイッチで、通常はOFF位置で使用します。
色々と”お約束”の必要なレンズで、ズームリングの85mm以外ではONに出来ません。また、距離が0.8m以遠でないとOFFできません。
85mmでスイッチを入れるとズームリングが固定され、ワーキングディスタンス500mmくらいまで寄れます。
インナーフォーカスなので、最短撮影距離での実質焦点距離が判りませんが、最大倍率は大体1:4.2位でしょうか。


絞り優先でお手軽に撮るには、ファインダーも明るいのでとても使い易い組み合わせだと思います。
ズイコーは絞りリングがレンズ先端に有りますので、その点でも操作性は良いと思います。
デザイン的な違和感は如何でしょうか。


同等のスペックとなると、1/2000を考慮したらOM4になってしまいますが、1/1000で目をつぶってワインダーと組んだOM10を考えてもOM101のほうが軽快です。
ワインダーを外した2桁機は確かに極小ですし、手動巻き上げで良いとする方も多い。他方フレーミングを動かさずに手持ち撮影する用途も確かに存在し、自動巻き上げが必要な局面はあります。
従来のデザインのほうが精悍ではありますが、撮影そのものは変わらない。
スクリーンは101が明るい。自動頭出しはミスが少なくなる。電動巻き戻しは賛否あるでしょうが、私のように1本を使い回す変なことをしなければ便利なのは間違いありません。
OMズイコーが使えるワインダー内蔵機として貴重な存在です。


当方、707,101を所有しています。101はマニュアルアダプターで完全武装しています。レンズは中々見つかりませんね。
何本か所有していますがシグマのAFレンズも持っています。
これはレアなんでしょうか?


マニュアルアダプター2をご確保とは、素晴らしいです。あるのとないのとで101の性能が激変しますよね。
さて、ご質問のシグマAFレンズですが、昔707を中古で買ったときセットで2本ついてきました。
28-70/3.5-4.5と75-200/3.8だったと思いました。
性能はあまりはっきりした印象はないまま委託販売に出してしまいました。もっとしっかり写しておけばよかった。
他に35-70/3.5もあるようです。
珍しいかどうか、ですが、元々OMAFシステム自体が珍しい上に社外品なので、珍品と言っても良いかもしれませんが、さりとて愛用し続ける人も少ないようで、珍品の割には出てくる印象です。
プラ外装なのに中身金属が詰まっているのかかなり重いレンズでした。
OMにはない焦点距離範囲なので、それが目的なら、シグマしか選択肢がありません。


まさか、こんな早くレスが来るとは驚きです。
OM707,101はレアな割には結構見ますね。
但し、レンズは標準ズームか70-210mm位で50mmマクロや他のレンズは見た事ありません。707は思い切り失敗作のせいかヨドバシで
ワゴンで安売りされていた記憶があります。
家にあるシグマのAFOMマウントは35-70mmでした。
シグマは他のメーカーのレンズもかなり作っているようですね。
我家にはミノルタAF第一世代に着けてAマウントをニコンFマウントにするマウントアダプターがあります。α9000で古いニッコールがAFになるのはチョッと感動です。


ご投稿ありがとうございます。よろしくお願いします。
101も707もマイノリティーなので、ほぼ全てがレアモノだと思います。
シグマのレンズは時々オークション等で見かけますね。店頭で普通にOM用(MF)として売られているのを見た事が有ります。
さすがに正常に動作するモノが少なくなっている様です。
使っている方も見かけません。レアなカメラです。


黎明期のAF一眼はユニークな物が多いですね。αは完成度が高かったですが、それ以外は同レベルのような感じがします。
OM707のライバルはキヤノンT80でしょうか。
フィルムカメラを下げている人を見てもオリンパスは、OM1,2,3,10くらいですね。101や707はまず見ません。
AFのOMレンズを探していますが標準ズーム以外はまず見ませんね。
101のパワーフォーカスは慣れると意外と使いやすいです。

