マミヤRB67はフイルムマガジンのレボルビング機構を備えた6×7版の一眼レフです。
初代は1970年、大阪万博の年に発表され、瞬く間に我が国の写真館のスタンダードになりました。
RB67 Professional:
初代のRB67です。当時世界初だったフイルムマガジンのレボルビング(回転式で縦横の切り替えが出来ます。)を備えた6×7サイズの一眼レフです。
ピント操出はボディー両側面のノブによるのラック&ピニオン方式です。操出量は46mmと大きく、127mmだけで×0.36倍、90mmでは約1/2倍まで接写が可能です。
ノブも軽合金性で後継機とは異なった印象が有ります。
レンズマウントはスピゴットマウントです。交換時はレンズがチャージされている必要が有ります。
No1シャッターなので最高速度は1/400。
右手側側面にセイコーNo1シャッターのコッキングレバーが有り、作動角75°でシャッターコッキングが完了します。
ボディーとマガジンは完全に独立していて、撮影したら巻き上げるクセを付けないと多重露光の山が築かれます。ファインダーにもフィードバックは有りませんので、装着方向を覚えていないといけません。
但し、使用されている個々の部品や蛇腹の材質はシリーズ最良だと思います。
特徴のマガジンは、撮影後巻き止めを解除してから巻き上げます。レボリングを行うにはマガジンをひねるだけけで完了します。専用のマガジンの他、マミヤプレス用のマガジンもアダプター交換で装着できます。
勿論インスタントフイルムマガジンも用意されていました。
ピールアパートタイプのインスタントフイルムをあまりムダにしない画像サイズは細部も良く見えて便利でした。
その他、ファインダフードロックもダークスライドロックも有りません。見分け方は簡単で、ボディー全面の右肩にもタイプ表記が有りません。
シンプルな構造で故障知らずです。大判カメラから乗り換えるユーザーも多かったと聞きます。そのため多重露光防止機構が無くても大丈夫だったのかなと思います。
ミラーショックもダンピングが上手く効いていてとても少なく、レンズシャッターも相まって比較的静かな一眼レフカメラです。
RB67 Professional S:
初代に
・多重露光防止機構
・マガジン方向表示(横位置のみ)
・ピントノブロック
・ダークスライドロック
・アクセサリーシュー
・ファインダーロック
・ワンタッチピントフード
等の改良を施したRB67の中心的機種です。非常にバランスのとれた名器です。永年に渡って生産されましたので少しづつ材質変更が有った様です。
正面右肩に”Pro S”と表示されていますので見分けるのは容易です。
ボディからの巻き上げ/レリーズ情報は機械的にマガジンに伝えられます。これはボディー後部からレボルビングアダプターを貫通してレリーズに応じて
ピンが瞬時に出入する事によって行われます。このため初期型では1か所だったカップリングピンが反対側にも設けられ、それぞれレリーズ情報と巻き上げ可(多重露光防止)情報が伝えられます。
(初期型のレボルビングアダプターにはこの機能が有りません。)
レボルビングアダプターは交換可能なので、初期型と併用されている方はご注意です。
(仔細な事ですが、レボルビングアダプターのマガジンとのインターフェース面の切削部パターンは初期型とは異なっています。)
ピントノブロックはノブ基部のレバーを締めます。 市場の個体にはこの機構が故障しているものが有りますので注意して下さい。
RB67 Professional SD:
レンズシャッター一眼レフとしてはもはや改良する部分が無いくらいのPro S でしたが、高度なカラーバランスやテクニカルカメラ的な要素が要求される時代となり、
また6×8サイズに対応するため。RB用のレンズがKLシリーズに刷新されることになりました。
レンズシャッターなので光学設計上の制約が大きい中、後群レンズ径の大型化に伴いレンズマウントの口径を直径で7mm広げる改修が行われました。
これに伴って、旧来の口径を持つレンズにはOリングが装着されています。(このOリングは無くても撮影に支障はありませんが装着すべきです。)
すでにRZシリーズも開発され、その技術もフィードバックされプリズムファインダー等のデザインや、フイルムバックの樹脂化も行われました。
さらに前述のレボルビングアダプターは6×8に対応するため、開口部がギリギリまで横幅方向に広げられました。
(仔細な事ですが、レボルビングアダプターのマガジンとのインターフェース面の開口部パターンがS型とは異なっています。ちょっと無理くり感も有ります。)
この機能的になったSDですが、やはり各所に材質的なコストダウンの影響も見られます。
レンズ:
RBのレンズは無印セコールからC、KLに至るまで、マミヤの総力の結集でした。
初期のレンズはカラーバランスのバラツキ、透過率の偏向等の問題が有りました。ところがKLシリーズになってその問題は払拭され、
非常に近代的で優秀なレンズになりました。(50mmと150mmは改良されませんでしたね。) 種類が多く、追々記載してきます。
アクセサリー;
RBはファインダースクリーン交換式なのを含め、多彩なアクセサリーが用意されていました。
交換ファインダーだけでも
・プリズムファインダー T、U
・拡大ファインダー
・露出計付拡大ファインダー、Cds、PD
・露出計付プリズムファインダー Cds、PD
・フレームファインダー
ご注意頂きたいのは露出計付ファインダーです。RB67はボディの電気的なI/Fはほとんど備えていません。
従って、露出計は単独の露出計をファインダーに載せてある様な構造です。
RBは自動絞りの一眼レフなので、ファインダーはレンズ開放の状態です。従って露出計には開放FNo毎に出力の補正を行わないと最適な値がとれません。
ところが初期のレンズには開放FNoが3.8のレンズが数種有ったので、露出計もその値が用意されているものが有りました。もちろん補正すれば良いのですし、
経年で数値の誤差の方が大きくなっていたりしますが、F3.5のレンズを使用する場合は少し違和感が有ります。
どの時代のRBも最高の品質を求めたカメラの一台です。頑丈でシンプルで多くの人の生活を支えてきたカメラです。
そのスタイルは好みが分れますが、ファインダーに写る像、作り出すポジの色彩は大変美しいモノです。
RBは現在最も入手し易い中判カメラの一つです。もし触れる機会が有りましたら是非一度使ってみて下さい。
中野の店舗に、10本以上の100-200ズームが並んだ時は戦慄しました。
それだけ多くの写真館で愛用されていたのでしょうね。
レンズの性能は確かで、期待を裏切られることがありません。
確かに大型に感じられますが、プリズムを付けなければ比重は大変軽いカメラで、同機能のリンホフなど金属テクニカルと較べて,モナカのように感じます。決して持ち重りがするカメラとは思いません。
明らかかにスタジオ用途を重視して作られたカメラで、コストパフォーマンスと大画面による画質の有利さで、海外でもハッセルブラッドの牙城を崩すほどの評価を得られています。
確かに拡大率からくる画面の滑らかさ、それと恐らく原版の大きさによる鉛筆修正のしやすさで、66とは確固たるメリットの差を生んでいたと思います。
節約するなら?645バックもありますしね。
ほぼ同時期に発売されたペンタックス67とは、用途が180度異なりますがよいライバル関係だったでしょう。開発時期からはコニオメガフレックスMも、同じフォーマットのライバルですが、販売実績の桁が2つ以上違うでしょうね。
645ではブロニカETRがスタジオ指向に対し、マミヤM645はフィールド指向なのが面白いです。同じ会社内で用途の棲み分けを行っていたのですね。
私が感じるマミヤRB67の美点は、非常に低ショックであること。そしてフィールドに持ち出せる程度には小型軽量であり、6x8が使えることが何よりのメリットです。
6x8は、6x9とほぼ同程度の面積効率で、印画紙を考慮するとほとんどトリミングせずに使える有り難いフォーマット。
マミヤ68電動バックは、120/220切り替えが出来て、大阪ツカモトカメラのご主人にリンホフ69用の220バックで良いものがないか相談した際に、若造だった私に懐が痛まないよう親切に勧めていただいたものです。
その後10年ほど経って、RB67プロS、65,127,250MCセットが3万円ほどで出た時に、飛び込む切っ掛けを呉れたのがそのバックでした。RBで使うなら巻き上げに連動して直ちに電動巻き上げを行うので、リンホフで手動操作するより抜群に便利です。(プロSは6x8用レボルビングバックに換装する必要あり)
そして6x8フォーマットは、35mm魚眼から360まで蹴られることなく使用可能です。
ファインダーは元々67用のものを、専用スクリーンで少し拡張して使うため、厳密には6x8長辺が短めかもしれません。でもそれを想像力で補う価値は、この高機能の軽量ボディに充分あります。
少し操作が煩雑になるものの、RBアダプターでシャッター付き大判レンズ(150mmから長焦点)も使えます。但し欠点は、マウント開口部が小さいので非純正の長焦点は蹴られる可能性があることです。
RBの素晴らしい操作性、速写性を、蹴られなしで生かす方法はないか、前板を外してリンホフボードを付けてみようかなどと考えている間に、GX680てのが出現し、またセコール360mmが手頃価格で出て、ケンコーテレプラスMC6の性能も良いので構想だけで立ち消えになりました。
写真:RB67proS, コマーシャルエクター240mm開放、160NS、6x8バック、手持ち(ミズタニRB-テヒニカボードアダプター)
その感じも良く判ります。
>私が感じるマミヤRB67の美点は、非常に低ショックであること。
私が外に持ち出すのもこれが要因ですが、作動音が低いところも美点だと思います。
ケンコーのMC6ですが、ブロニカ用でその優秀性を知りRB用も使っています。倍率をちょっと上げたいときにも有効です。
ただ撮影時はTTLファインダーが欠かせません。これが重い…。
RB67に用意されていた645バックは、ProS以降のフィルムバックに有る様な多重露光防止機構が有りません。
但し、露光済のインジケーターは有ります。
RB67のフィルムバックはボディー側のレリーズ情報はメカニカルにバック右上(I/F面側から見て。)の凹穴に伝わると(ボディからピンが突出します。)、露光済みインジケーターが赤くなります。
そうしたら巻き止めを解除(レバー操作)して巻き上げる事になります。
つまりノーネームRBとあまり操作が変わりません。
(私の645バックはあまり使わない内に動きが固くなってしまいました。)
旧型デザインのもので、グラフレックスXLやセンチュリーグラフィック、ホースマンなどと互換性があるので、ちょっと節約撮影の際に重宝しています。
ProSD用も存在しますが、645電動仕様は存在しません。
RB67proSで使った事がないので、二重露光防止がないことなど全く認識していませんでした...
ちなみに私はRB67では全部68電動バックで撮影し、手動バックを使った事がありません。多分巻き上げ忘れてしまうでしょう。
その中には露出計内蔵のファインダーも新旧数種用意されていました。古くは屋外ルーペタイプのファインダーに
Cds受光部が付いたアームを視野中に出して測光するタイプだったり、標準的なプリズムファインダー
に同じくCdsの受光部を載せたタイプが有ります。
これには新旧でプリズムの構成と受光素子をフォトセルに変えた2種(実際にはマイナーチェンジが見られる
様です。)が有ります。
私の持っているタイプは最初期の最も重いタイプで、アルミダイキャストの外装は優に小型一眼レフ1台分の
重量が有ります。
RB67はレンズの情報をファインダーに伝達する手段を持っていませんので、ファインダー自体に今FNoがど
の位のレンズが付いているのかをセットしなくてはいけません。
注意点として、このファインダーはボディーに装着しない単体の状態のままではパワーSWをONにしても作動しません。
正確にはボディーに装着する事によってI/F面に有る小さなボスが押されて初めて通電されて作動します。
店頭でのチェックの際は指でこのボスを押せば作動します。
メーター本体の大きさに比較して、とても小さな印象の有るY次型の指標にメーター指針を合わせて
適正値を得るリードアウト式です。
受光範囲は127mmレンズ装着時に約30°の視野角を平均的に測光します。
ファインダー全体で見れば概ね中央部重点測光です。
本当に古いタイプの受光素子と構造ですが、さすがにマミヤ製だけあって頑丈です。中古品購入後30年
以上経っていますが今だ現役です。
このノブに取り付ける、ソリッドタイヤの様なフォーカッシングノブアダプターが有ります。
このアダプターですが、丸い円盤にノブに被せるための凹みが有るのですが、どうも2種類ある様です。
マミヤのアクセサリーカタログを良く見ると"DSM"と"DSF"が表記されています。
先日、今まで単純な丸いタイヤだと思っていたアダプター以外に、ピントノブに装着する部分が
飛び出しているアダプターを見つけました。
ProSDの様に、ピントノブの根本に軸の回転規制が有る場合、従来の円盤タイプでは操作し辛いための改良の様です。
…でもどっちがDSF/DSMなんだろう。
追記
時々、マミヤの二眼レフ用のアダプターを何の注意書きも無く”マミヤ用”と書いて有る(書いて有るだけ親切?)事が有ります。
RBとCシリーズ用では互換性が有りませんのでご注意下さい。
・K :RB67 ProとRB67 ProS 用
・L :RB67 SD用
・K/L :RB67シリーズ全機種用
(時々マウントアダプターが付いているので外さないとProとPro S には装着できません。このアダプターはOリングで嵌っているだけなので、引っ張ると外せます。)
Lレンズには75mmのシフト("S/L" と表記されています。)と、210,250,350のAPOレンズが有ります。
基本的には"K"一文字のレンズは無かったと思います(未確認です。)
K/Lレンズでも性能の割には比較的安価で入手可能なのですが、140mmのマクロレンズと、
360mmのF6.0(Sekor C まではF6.3でした。)はレアと云うほどでは有りませんが、見つけ辛いです。
ちなみに、350mm前後のレンズでは、L APOレンズは350mmなのに、他のレンズは360mmなのです。
1群2枚の単玉レンズ。
ペンタックス67に専用ヘリコイドで供給されたのでご存じの方も多いでしょう。
RB67用は、純正かどうか微妙な所ですが、Zork(ゾーゲンドルフという表記もあるよう)が鏡胴を製作し、レンズヘッドはペンタックス用のヘッドとおなじもののようです。
RBはボディに蛇腹ラックピニオンの繰り出し装置を内蔵していますので、鏡胴はただの筒です。
ただしRBはレンズにシャッターが必要なので、純正180mmレンズの鏡胴からレンズエレメントを外して、かわりにイマゴン鏡胴を前にネジ込んであります。つまりビハインドシャッターです。焦点距離200mmの狭画角ですから蹴られはないようです。
絞りは虹彩絞りではなく、レンズ前部にレンコン状の絞りを取り付けるようになっていますが、購入時は失われており(だから安価だった)、10年以上探していますが、入手できません。
レンコン絞りの一番明るい分を付けるとH5.5(運用上Fと同じ)ですが、絞りがないのでf3.5くらいの明るさで、人物を撮影するにはふわふわすぎます。
花を撮影するならここまでふわふわでも、まあ使える絵になることもありますね。
カノコユリ、めしべの右側にスズメガがホバリング吸蜜してますが、ソフトすぎて曖昧ですね。
RB67proS、中間リング、Imagon200mm、Pro160、6x8電動ホルダー
ダブルレリーズで本体はバルブでしょうか。チャンスをつかむのが難しそうです。
RB67にも150mmのソフトレンズが用意されていましたね。RZには180mmでした。
RBの150mmを久しぶりに使ってみようかと思いました。
リンホフテヒニカボードアダプターでは、ボディとシャッターは独立していますので、
1,レンズ側プレス開放(またはタイム)して焦点合わせ、カメラ固定
2,レンズ絞り込み
3,レンズのシャッター閉、チャージ
4,RB67レリーズ、ホールドして遮光板が降りないように
5,レンズシャッターレリーズ
6,RB67レリーズオフ、遮光板閉
7,RB67チャージ、
1に戻る という、まあ気が滅入るような作業が必要です。
このイマゴン200は、初期RB用セコール180のシャッター鏡胴を流用し、シャッター作動は純正レンズと同じくボディ連動しており便利です。
でないと、手持ちで飛行する蛾を捉えることは到底できません。
レンズ側虹彩絞りを作動させることも可能ですが、ビハインドなので常に開放で使用しないと蹴られてしまいます。
6x6用の30mmf3.5でよい感触を得ました。
ただ建築など風景はフォーマットが大きければ大きいほど精細描写が得られますから、
ペンタックス67用の35mmf3.5と、このマミヤセコール37mmf4.5を検討しました。
幸い2000-2010年前後は中判カメラ投げ売り時代、現役時代の超高級機が嘘のような価格で並んでいます。
セコールフィッシュアイ はペンタックスより少し焦点距離が長い37mm、包括角度は同じ180度を標榜しています。
基本的に6x7用なのですが、RB67proSD用の6x8電動ホルダーを使うと、6x8フォーマットの隅までカバーしていることがわかりました。
これより大きなフォーマット用の魚眼レンズは、知る限りありません。(コンバーターをつける手はありますが)
性能は、画面隅々まで解像しており優秀です。
暗い室内を撮影するため、6x6用30mmより一絞り暗いのはデメリットで、高感度フィルムでカバーするにしても、画質を落とすことになるためせっかくの大フォーマットの効果が相殺され悩ましいところです。
さて今RB67と37mmをもって旅行に出るかを考えると、6x6との競合に加えて優秀な高画素デジタルとの競合を迫られます。対抗機は感度可変でフィルムでは及ばない感度が出せます。悩ましいことです。
一時期、やはりフルサイズのDSLRを持って出かけていたのですが、帰ってから落ち着くとやはり中判を
持っていけば良かったと思う事が何度もありました。数は撮れないし、重量は重いし、なんでかなぁとは思いました。
中判カメラの魚眼レンズはとても高価でしたね。一時期おっしゃる通り価格は下がりましたが
それでも手が出ませんでした。
Polaroid 600SE
製造:マミヤ光学
製造年:1970-90(?) 参考:マミヤユニバーサルプレス(1969)
形式:ポラロイドType 100判(3.25x4.25in:72x93mm) 距離計連動,ブローニーフィルムバックアダプタ(マミヤプレス用)あり。
標準レンズ:Mamiya 127mm f4.7 (Sekorの名称はつかない)
交換レンズ:Mamiya 75mm f5.6, Mamiya 150mm f5.6
シャッター:Seiko #0 1/500-1,B
サイズ重量:(127mm,ポラロイドホルダーつき)2.2kg,ボディ1.3kg,ポラホルダー400g,127mm500g,75mm600g
ポラロイド社のインスタント写真撮影機材の中で最高峰といわれる距離計連動レンズ交換式カメラ。
1960年にマミヤプレスが発売され、発展し1969年にポラロイドタイプ100フルフォーマットが使えるユニバーサルプレスが発売された。
ほぼ同時に、それを基本にしてポラロイド社から専用カメラとして登場したのがポラロイド600SEである。
SEは上記三本のレンズを交換できるが、海外では127mmレンズが固定されたポラロイド600も販売された。
ただし、視野はマミヤプレス用のピントグラスフードで後方から確認する必要がある。
ここでロールホルダー用ピントグラス(左)とは違って,ポラホルダーと交換するためフード側ではなくバック側にピントグラスが固定されている。
ユニバーサルプレスとの違いを説明するとわかりやすい。
マウントはマミヤプレスマウントより大径で、ポラロイド判を余裕でカバーする。ユニバーサルプレスのような基部リング締め付けスピゴットではなく一般的バヨネットで回転して取り付ける。
海外には近接専用ながら4x5が使えるアダプタもあるらしい。
ユニバーサルプレスがちょうど手元になく、スーパー23(クローム,右側)と並べてわかるようにボディの厚みがポラロイド600SE(左側)のほうが1cmほど大きい。つまりレンズのフランジバックがプレスより長い。
その中でポラロイド対応イメージサークルをもち、ユニバーサルプレス発売時に追加されたPマークの127mm、75mmと、元からイメージサークルをカバーする150mmの三本がマウントを600SE用に変更して供給された。
フランジバックが長いため、75mmはレンズ後玉がボディ側に入り込み、後レンズキャップがプレスと共用できない。127と150は共用可能。
マウントとボディ内部が広く、距離計アームと干渉しないため、広角75mm後玉の切り欠きがなくなった。
画像:左ポラロイド600SE用,右マミヤプレス用
これらはスピードグラフィックに装備されたレンズと同スペックで、おそらく絞れば4x5をカバーできると考えられる。
75mmはスーパーアンギュロン型の贅沢な構成で、同スペックの大判レンズを考えても余裕で4x5をカバーできるはずで、実際トヨフィールド45にあてがうと、127と75は開放から4x5をギリギリカバーしていた。150は非常に珍しいので所持していない。
75mm正面の銘板は、ポラロイド用はセコール表記がない。
Welta Perfekta
製造:Welta Kamrawerk
製造年:1934-39
形式:6x6 二眼レフ,クラップ型フォールディング 120フィルム12枚撮り
ビューレンズ:Weltascope 7,5cm f3,8
テイキングレンズ:Xenar 7,5cm f3,8
シャッター:Compur Rapid 1/500-1,B, T
サイズ重量:160x60x63mm, 920g
折りたたみTLRとして有名な機種。
戦前中級のフォールディングカメラを多く供給していたウエルタカメラヴェルク製,(ナースマン様のウエルチニのスレッドをご参照ください)
フォーカシングスクリーン部分の前後長があるため最大幅9cmから6xmと全体としてそれほど薄く畳めるわけではありませんが、ボディの大部分はかなり薄くなります。
ミラーも同時に畳み込まれ、スクリーンも1cmほど前進して、大幅ではないものの収納に寄与しています。
正立位置では強固なXトラス構造で、2つのレンズの平行性や焦点面の精度は優秀です。
興味深いことに、ビューレンズはほとんどがWelta自家ブランドのWeltascope 7x5cm f3.8で、f3,5のトリオプランと組み合わされているものもあり、焦点精度上問題jはないのかと思いますが、一部はビューレンズにもTrioplan 7,5cm f3,5が奢られている個体があり、ファインダーの見えにも影響するのではないかと思われます。
ファインダーレンズをf3.8に抑えたのは、ローライがテイキングレンズよりも明るいファインダーレンズを使う特許を押さえていたためだと考えられますが、一度画像で見たことがあるテッサーf4,5つきのファインダーはf3,8だったので、それはいいのか?と思いました。まあファインダーレンズがf4,5:というカメラはまた見たことがありませんが。
チャージは手動、レリーズも直接シャッターのレバーを押します。
折りたたみのため、フィルムホルダーとシャッター周りに何も連携はなく、二重露出防止もありません。
絞り値表示はテイキングレンズの先端にあります。
またシャッター速度はシャッター外周、上から見ることができます。
フォーカシングは左手側のヘリコイドノブを120度ほど回転させます。最短は1.5mと、フォールディングカメラとしては標準的ですがTLRではかなり遠い部類。近接撮影アクセサリは見たことがありません。
距離指標は、Perfekta銘板のところに上から見るようになっていて、フィルムカウンター窓も上にあるため撮影情報は上からすべて確認できます。
巻き上げは6x9窓に1を出し、カウンターセット後は6cmずつ進み、12枚取り切るとカウンターリセットされます。(カウンターダイヤルA空送り;Eカウント開始)
フィルム給走側直後にローラーがあり、フィルム進行を検知しカウンターを回します。
私の個体はこのカウンター/巻き止め歯車部品が取り除かれており、ジャンクでした。
ローライスタンダード初期型は120フィルムで1を出すための6x9用赤窓に加えて、116フィルム用の6x6窓があるため現代の120フィルムなら赤窓でフィルム送りができますが、ペルフェクタは120専用で116フィルムを考慮していないため、6x9窓しかありません。
裏紙印刷ナンバーを確認してみましたところ、そのまま赤窓で12枚撮影することは不可能とわかりましたので、裏紙に6x6用ナンバーを書き直して12枚撮影可能にしましたが、いちいち巻き替える必要があるのでちょっと手間です。
さらに、巻き上げ側がミラーを避けるためすこし背面に湾曲しており、優秀な平面性で有名なマミヤプレス用フィルムホルダとはからずも似た形状で、期待できそうです。
シャッターは変にリンクを介さず直接操作するため軽くレリーズでき、故障も少ないと思いますが、チャージレバーの位置がビューレンズに近いため指が邪魔され、丁寧に押し込まないと失敗しそうです。
畳む時はレンズボード両側の2つの銀ボタンで前板を押し込みます。シャッターチャージ前後、フィルム巻き上げ前後関係なく操作できます。
隙間を手で覆ってもさほど改善しないのは、元々暗いスクリーン、反射率が落ちたミラー、閉鎖されないルーペという、戦前TLRに共通する弱点をもっているからでしょう。
特に周辺像が確認しづらい場合があります。全く使えないというほどでもないので、取り合えず楽しんでみます。
さて戦後ラインメタル社から同名のPerfektaというベークライト簡易135カメラが出ています。検索で混同するかと思ったら、そっちはほぼ検索に掛かりません.
f8,1/100
イルフォードパンF+、EI50、D76(1:0)25度5分、
開放からf8くらいまで画面下1/3くらいが甘い、アウトフォーカスのよう。開放では上1/6くらいも少し甘いのはレンズの収差だと思いますが下は平行がとれていないかもしれません。f8では24インチモニタで見てようやく甘さを指摘できる程度に改善する(多分被写界深度で)ので、まあf11から16で撮影すれば問題ないでしょう。
戦前ノンコートレンズですから、逆光では盛大なフレアと、角度によりゴーストが出ます。でも多少コントラストが残っていて表現にもつかえる程度でしょうか。
順光では、クラシックとしては普通のコントラストです。
それと赤窓からの漏光が画面左上隅に出るコマがあり、まめに窓を閉じるか、赤窓に光を当てないよう注意すべきです。
これはテストでわざと厳しい条件でしたから、今後はクラシックを使うにあたって常識的な注意をします。
本来は1を出したら赤窓は蓋をするので、完動品なら問題にはならないでしょう。
本気の撮影には少し考えものですが、操作が楽しいカメラですので欠点をカバーするように使っていきたいと思います。
数々の斬新なアイデアを取り入れながら消えて行った京セラのAF一眼。マイナーどころか話題になる事も無くひっそりと消えて行った
京セラAF一眼について語りたいと思います。
皆さん宜しくお願い致します。
他のスレッドをご覧になれば、望ましい投稿の形式がおわかりになると思います。よろしく。
210AF
35−70mmズーム
24mm
60mmマクロ
ストロボCS-250AF
1.6xAFコンバーター
ストロボ以外は10数年前に処分し残っていません。
性能は当時の平均レベルと思いますが、当時他社のAF機を使ってないので確かなことは分りません。
露出は1絞りから1絞り半オーバーでリバーサルには全く向いていない。
コンタックスのレンズが使えるという触れ込みのAFコンバーターは図体の大きなレンズは使えず
唖然としたのを覚えています。
(記憶違いでなければレンズボディがAFビームを遮ってしまうため)
露出がダメで、コンタックスレンズが思ったほど使えなかったのであまり使わずお蔵入りになった。
画像サンプルを探してみます。
トヨフィールド45CFL
設計発売サカイマシンツール(制作は韓国)、2002年(推定)発売。
ポリカーボネート、カーボン繊維強化ABS樹脂を使って1.5kgという圧倒的軽量の4x5テクニカルカメラ。
サイズ20.1 x 17.7 x 10.2cm、重量1550g
機構は金属製トヨフィールド45Aと共通。インフィニティストッパーなど各種アクセサリも共通。
4x5インチのグラフロックとスプリングバック。標準は折り畳みフードつきピントグラスだが、トヨのマグニファイアバックや双眼ルーペも利用できる。縦横はバックを差し替え。
バックアオリはなくベッドダウン15度を利用した後ティルトのみ。
フロントスタンダードはフルアオリ可能(ベースティルト-15〜+15度、スイング20度、ライズ28.5mm、フォール20.5mm、シフト28.5mm)
フランジバック8cm〜36cm
45CFは110x110トヨフィールドボード、45CFLはテヒニカ45ボード仕様。
ホースマン45HDとほぼ同格だが、ボードが大きく(特にトヨボード)繰り出し量が360mmあるので比較的大型のレンズも使用出来るところが特徴。
樹脂製だが主要な可動部は金属で剛性は保たれている。ただし落下衝撃には金属カメラほど堅牢ではなさそう。
とはいえ剛性はテヒニカ45やホースマンと較べると若干甘く、精密な焦点保持は難しい所があるが、設定がずれたりしないし、しなりは復元する。多くの木製暗箱よりは頑丈なので小絞りを使えば実用上問題無い。
使用可能レンズはフラットボードで90mmからテレタイプ500mm程度。凹みボードでは75mm可能。フロントスタンダードを収納用の内側のレールに乗せればもっと短縮可能だが、内側は伸縮機構はないし、ベッドの蹴られに注意を要する。また望遠ボードでさらに長焦点も可能だが、無理はしないほうが良さそう。
今回レポートを書くにあたって発売年を調べたがわからず、2002年11月にphoto.netの新製品レポートがあったので推定した。その後2004のShatterbagに軽量大判の比較記事が掲載され、私が購入したのが2006年であるので、概ねその辺だろうと思う。
1.5kgというのは木製暗箱の軽い方と同等にもかかわらず、若干かさばるもののセットアップはテクニカルカメラと同様に迅速で、撮影体勢に入る時間は木製暗箱とは比較にならない。
210mmクラスのジンマー程度のレンズなら装着したままベッドを畳むことが出来、カバー部分はグレーの透明樹脂なので何がセットされているか畳まれていてもわかる。
Wollensak Raptar wideangle 90mmf6.8
4群4枚の廉価版レンズだが、絞れば十分な解像力と、少々のライズも許容できるイメージサークルがある。
開放では見ただけで周辺の締まりがSchneider Angulon 90mmf6.8(2群6枚)に比較して緩いけれど、f22に絞ればごく端以外は遜色がない性能になります。テスト撮影ですが細部の精細さに驚きました。
75mmは35mmカメラで21mm相当なので、28mm相当の90mmよりもダイナミックになる。
コムラー75mmは開放近くでは周辺が甘いが、f16に絞れば十分良好な描写。
Super-W-Komura 75mmf6.3
ダブルアナスチグマットでも柔らかいのに、ザッツプロターとして前後単独で使うとソフトレンズになってしまう。
向かい合わせ対称型で収差補正しているダゴールやジンマーと違ってプロターは前後片側だけで収差を補正しているので単独でも良好という記述を読んだことがあるが、少なくともこれはダゴールやジンマーと変わらない。
おかげで最近は数千円も出せば程度が良いものが入手できる。
たぶんこのタムロン150mmf6.3も、テッサー型だと思う。絞ると締まる。
ダゴールやジンマーの前玉外しが余裕で使えるが、後玉だけでは突然収差が増えるのでf32〜f45まで絞らないと先鋭にならない。ソフトレンズとして使う手はある。
標準型の長焦点は小型なので荷物の軽量化が図れる。フジノンC300/8.5は、テッサーの張り合わせ面を外して空気レンズにした4群4枚、大変シャープだ。35mmカメラの85mm程度の中望遠になる。
非常に大きな包括角度を持っており、ここに挙げた180mmと270mmはいずれも8x10インチを余裕でカバーできる。
270を望遠として使っていたが、#3シャッター入りで重量があるのでトヨ45CFLには向かないと思って最近はトヨでは使っていない。
前玉を外すと470mmf11になるが、さすがにモノレールビューでしか無限が出ない。
夜桜。トヨフィールド45CFL, f22,20分、フジフィルム160NC
重いレンズだがこの程度なら45CFLで十分保持できた。
ダゴールタイプは開放付近では球面収差がオルソメターより多く、ふわっとハロが掛かってシャープではないが、絞るとクリアになり、大変広いイメージサークルが得られる。
言葉で表すのは難しいが滑らかで、絞り込んでもシャープなだけではない美しい描写が感じられ、つい手にしてしまうレンズタイプだ。
リンホフではシュナイダーテレアートンやテレクセナーが有名だ。
テレコンゴー300/8は明るさを抑えて300mmクラスのテレタイプでは最小最軽量であるが、非常に高性能でもある。廉価版のイメージだが素晴らしい画質だ。
コンゴー400mmf8もいい。500mmは使ったことがないが、友人の話では良いらしい。
テレタイプのイメージサークルは標準タイプより小さいが、フィールドであおる程度では十分と考えている。
とはいえ、操作入力や荷重によってしなる感触は、ひたすら堅牢なリンホフや小型でも剛性が高いホースマン45を知っていると頼りなくなるのは否めない。
しかし、ケーブルレリーズを使う限り長時間露光でも機械的なブレを起こしたことはないし、それなりに注意して使用すれば問題ないと思う。
国産や西独製ではちょっと見かけない、アクセサリーシューが微妙に斜めなのはご愛嬌...
ベッドを開くには、レール伸縮ノブを少し引っ込めるとロックが外れる。
そのまま引き起こせばまず90度で止まり、タスキを押してさらに15度ドロップベッドすれば広角で蹴られない。
フロントスタンダード下のレバーを中央位置にすればロックが外れ、収納レールからベッドの可動レールに乗せることができる。
この時ベッドのレールを動かさずにそのままスタンダードを乗せることも可能だが、レールを引っ込めて収納レールにくっつけるとよりスムーズにスタンダードを移動できる。
使用するレンズに合わせてインフィニティストッパーをセットしておけば、きわめて迅速に無限遠が出る。ただし距離計連動カメラではないので、どうせピントグラスで焦点合わせすることになるのだから、よほど目測で手持ち撮影を指向していない限りはストッパーの必要性はすくないのではないか。まあ便利ではあるが。
前後はベースティルトで、焦点移動でフォーカスを合わせ直す必要がある。これはほとんどの暗箱やフィールドカメラでも同じで特に不便とは言えない。
可動部分が金属とはいえ、華奢なことも確かで、スタンダードを出したままや、アオリを正立位置に戻さずにベッドを畳もうとするなど無理をすると壊れてしまいそう。落ち着いて確実に操作できるように日頃から操作に慣熟しておくことは大切だ。
おそらくテナックスに固定装着されていたものかと思いますが、単体レンズで購入。
非常に小型で軽量大判機に使えれば有用と思っていました。
ノーマルのダゴールf6.8は開放近くでは包括角度75度前後ですが、絞り切ると100度を超えるものがあり、75mmなら4x5も夢ではない。
でも、この個体はだめでした。レンズそのものがダメなのか、鏡胴で蹴られているのかわかりませんが、4x4インチや6x12cmもだめで、少しあおれる余地がある2x3インチ用と考えた方がよさそうです。
広角設計のf8やf9のダゴール(W.A.Dagor)はごく小型でかなり包括角度が大きいですが、十分な実力を発揮するには絞り込む必要があります。
ただWAタイプで9cm(3 5/8in)より短いのを見たことがない.
絞り込んでいますから、イメージサークルの端端まできわめてシャープです。
画面下にトヨフィールドのベッドが映り込んでいますが、中心が下に寄っているテヒニカボードのためと思われます。
Dagor 7.5cm f6.8, f45, 旧アクロス4x5,ミクロタインx1,24度7分