スプリングカメラの元祖、イコンタ系をレポートします。
全体像を解説するのは、膨大な容量。取り合えず、画像のみ掲示。
最初期型、セミイコンタ520(32年)廉価版。
ノバー75mmF6,3デルバルシャッター(〜100)素透視ファインダー。


37年。セミネッター515
一本襷。ハンドストラップが無い。こちらは、後の年式なので、オプチカル透視ファインダー。
ネッターアナスチグマット75mmF4,5クリオシャッター(〜175s)この個体、シャッター粘り。こちらは自分で整備した。


比較のセミイコンタ。36年頃のセミイコンタ520。
テッサー75mmF4,5コンパーラビット(〜500)付。
セミ判。1台持つなら、これが最高と思う。
私の個体は、満州国販売品。状態は良くないが、よく写る。




年初より、<レチナ同盟>の方へ、そのダイジェスト版掲載しました。<レチナ同盟>は画像掲示ができません。
厚かましくも、こちらへ、画像の一部、掲示させて戴きました。
皆様、興味がおありでしたら、今後も、画像掲示させて戴きます。イコンタの詳細<レチナ同盟>の方も、参照下さい。


37年スーパーセミイコンタU531。
テッサー70mmF3,5コンパーラビット。
初期のテッサーは70mmです。
スーパーセミ。今も人気が有りますが、ドレイカイルのギアが小さい。
アルバダファインダーの劣化も。案外使いにくい。


私の個体。テッサー80mmF3,5付。
イコンタ系。1台持つなら、この後のスーパー6、1つ目。テッサーF2,8付。RF、二重露出防止、自動巻き止め付。36年、既に完成している(1つ目には、F3,5付は無い)


距離目盛がm。欧州輸出品と思われる。
一般的でない個体の写りはどう何だろう?
手要らずの美品ではなく、自分で弄りたい。
私、コレクターとしては、少しへそ曲がりです。
その意味で、推奨品も、一般的でないかも?


このタイプには、テッサー105mmF3,5コンパーラビット付の、高級品と、テッサーF4,5オートコンパー付の普及品があった。私のは普及品の方。
戦前のイコンタの中で、最高の仕上げです。但し、アルバダファインダーの経年劣化がある。
スーパー69。1台持つなら、戦後のX又は透視ファインダーの初期型。スーパー69の初期型は、波型襷です。


ネッターアナスチグマット110mmF7,7テルマシャッター(〜100s)付。
私の個体。初期型イコンタ69の本体使ってますが、ボデーシャッター、オプチカル透視ファインダー付。
イコンタ69系の襷。初期型は直線型。その後は弓型。
スーパーの方は初期型は波型。その後は弓形。
ネッター69には、直線型、波型、弓形が、混在する。


私のネッター69。軽く、ボデーシャッターなので、ぶれもなく、使いやすい。但し、シャッターの最高速が100sなので、400フイルムでは、使用が限定される。
セミネッターの方は、175s迄使えるので何とかなる。
スーパー69。流石にドイツ人サイズ。大きく重たい。
1台持つなら、38年頃の、ネッター69の高級品。
テッサーF4,5コンパー付。波型襷、ボデーシャッター、オプチカル透視ファインダー付。
イコンタ69の方も、同様なものがあるが、此方はアルバダファインダー付。




47年、モスクワ1。距離計無しの、イコンタ69のコピー。
モスクワ2。初期型スーパー69のフルコピー。
モスクワ3。69乾板専用。いずれも、襷は波型。インダスター23(110mmF4,5)モーメント23シャッター(〜250s)素透視ファインダー。
51年?モスクワ4。オプチカル透視ファインダー。アダプターを使い、69と66の併用(もちろん赤窓も)
56年、モスクワ5。軍艦部にカバー。レンズは105mmF3,5に。
モスクワ。蛇腹、張革、作動感共に本家イコンタに劣る。
但し、69、66が併用できる(イコンタは、69,645)
レンズ、シャッターはイコンタに劣らず、素晴らしい。
特にモスクワ4。オプチカルファインダーは、本家のアルバダファインダーより、見やすい。数は少ないが、見つければお勧め。
PS)モスクワ4の製造年。51?〜57年製造年は長いが、生産台数は少ない。初期型は、モスクワ2と同じで、素透視ファインダーで、69,66併用(モスクワ2改良改型?)で、後期型はモスクワ5と同じ軍艦部(モスクワ5に残っていた、4の110mmレンズを付けた?)スーパー69フルコピー、オプチカルファインダー付は、ほとんど見ない。


素晴らしい投稿ありがとうございます。
ここまでまとまっている情報は少ないので、大変有用な情報だと思います。
私はSuper Ikonta は66判2.8/80Tessarの532/16 と69判同じくTessar3.5/105が付いている531/2を使っております。
532/16はこれでもかというくらいに面白いメカ機構が入っており大好きですが...重いですねえ。
私の個体の話ですが、鷹の目Tessarだぞと、一人いろいろ撮影して楽しんでおりますが、ある日同じ被写体をRicoh Diacord / Rikenon 80mm f3.5で撮った所圧倒的にリコーが勝者に…。今のところ見なかったことにしております。笑。
儀式が沢山あるこのイコンタ系が大好きです。


リコーフレックスW。私が初めて使った写真機です。
幼稚園の頃、父が、スーパーフジカ6買ったので、もらった。
確か富岡製レンズ。中心部は良いが、隅は流れる。
ダイヤの物は、これを改良、コートを付けた物?
スーパー6。F2,8は、テッサーとして少し無理がある。
開くと隅が流れる。ロライ等の75mmF3,5の方が、素晴らしい。スーパー6初期型のみ、80mmF3,5がある(私の個体)此方は無理が無い。105mmF4,5も良い。
テッサーレンズ。最高ではない。世の中にはもっと素晴らしいレンズが山ほどある(此方は、れんずまにあ様の方がよほど詳しい)
機械式腕時計。ロレックスが最高?セイコーGSの方が好きな人も。
私のように、ミニタリー寄りは、チュチマ、フォルチィス、オリス。
機械式写真機も、趣味の世界。どれが優れているかではなく、何が好きかでは?その意味で、私はイコンタ系です。


CLPO様に押されて、小さい方追加します。
イコンタの小さい方。戦前は127半切のベビーイコンタ。戦後135として、コンテッサ3姉妹が発売された。
49年、イコンタ35,522/24。これが長女。距離計は無く、目測機。テッサー、ノバーF2.8コンパーラビット。又はプロンター。
50年、次女コンテッサ533/24。テッサーf2,8コンパーラビット。
ドレイカイル距離計、セレン露出計付。
52年、3女コンチィナ35,523/24。テッサーF2.8シンクロコンパー又はノバーF3,5プロンターSV。一般形単独距離計付。


コンテッサ3姉妹。当時のレチナ等と異なり、縦開き。イコンタ66の小型版。コンテッサはスーパー6ユニバーサルの小型版と言える。
とは言え、レンズはテッサーF2,8。当時、レチナも、ビトーもF2クラスのレンズ付きを出している。
イコンタ35は50年よりアクセサリーシューが付いた、後期型となる。後期型には、クセナーF2,8付が有り、これは珍品。
私のコンテッサ。セレンは瀕死状態。前の持ち主がレンズを弄り、中玉の位置がずれていた。OHして生き返ったが、露出計は当てにしない。


こいつのコマ送りは特殊。パーフォレーション部をギアで5コマ動かす。
フイルムを左右逆に装填。巻き上げは底面である。
その為、空シャッターは裏蓋を開け、ギアを動かす必要がある。
ペット35ご存知ですか?フジペットの135判。
59年中学生用に開発。こいつはイコンタ35を手本としている。
コマ送り、ファインダー、レンズ共よく研究している。
フイルムは普通に装填。巻き上げは上部。固定鏡胴カメラ。
シャッターこそ200sであるが、写りはノバー付きに劣らない。


120の方にも、コンチィナに当たる物がある。イコンタV、メスイコンタとも呼ばれる。
51年69メスイコンタ524/2ノバーF4,5又はf3,5プロンターSV付。上級機にテッサーF3,5シンクロコンパー付。
単独距離計、巻き止め装置付き、襷は弓型。
私の個体。ノバー4,5付。当時のカラーフイルムに対応した、コート付のノバー、現代のフイルムでは赤に寄る(コート付のテッサーはどうなんでしょうね?)
距離計が本体作動。保持はスーパー69より良い。
当時スーパー69Xが併売されていたので、普及品と言った位置付け。
同じく51年66メスイコンタ524/16ノバーF4,5プロンター又はテッサーF3,5シンクロコンパー付。
此方は、巻き止め装置が無く、赤窓。
その後66の方は54年スーパーイコンタV531/16、56年スーパーイコンタW(セレン露出計付)534/16と続く。
これらは、イコンタ66より少し小型のRF機。スタートマーク方式。
スーパーイコンタの名が付くが、普通のスプリングRF機。本家のイコンタではなく、従弟?往年のスーパー6が持つ、重厚感が無い。
60年頃販売終了。もはやテッサー付きと言えども、スプリングカメラでは、他社製品に対抗できない。
コンテッサも固定鏡胴となり、伯爵令嬢から、おばさんに成り下がる。ツアイスイコンタの終焉である。


フジが写真機製造を始めたのは遅く、戦後である。
48年。TA、B。AフジF4,5、B3,5ロータス(〜200s)
自社製光学ガラスを使った、イコンタ6のフルコピー。蛇腹、巻き革はイコンタに劣るが、本体、レンズは、ほぼ差が無い。
52年。UCレクターF3,5セイコーラビット(〜500s)
全群移動、フルコートレンズ。軍艦部が流線形。目測イコンタ6を追い越す。レクターはテッサーに劣らない。イコンタより少し小さく、丸みがある。日本人の手に馴染む。
55年。スーパーフジカ6。フジナーF3,5セイコーラビット。
距離計連動、スタートマーク方式。54年のスーパーイコンタと、何ら差が無い。手に馴染み、作動感も、スーパーイコンタを超えている。
56年。セイコーMXと成り、ストロボ対応となる。
父がこれを買ったとき<国産最高のプロ仕様、ツアイスイコンにも劣らない>と自慢していた。父がニコンSを買ったので、私の物に。スプリングカメラ初体験。
66スプリング。これがフジ最後の製品。先のペット35を含め、フジは、イコンタを追従、これを追い越した。然し、既に、スプリングの時代は終わっていた。
大学生の頃、スーパーフジカぶら下げ、東京の下町を撮っていた。
横で、げた履き、長髪の青年。同じような写真機で撮影していた。
後に、彼は写真集を出す。私は腕の差を感じた。
彼の写真機は、父親のスーパー6だった。
アラーキーは写真家と成り、私はイコンタコレクターと成った。


テッサーは薄く小さく反射面が少なく、ブローニーフィルムではこれ以上明るくしても平面性がネックですし、フォールディングカメラにはよい落としどころかと思います。多分ツァイスイコンもそう判断して最高級機に採用し、それより多数枚は敢えて外していると想像しています。
考えてみるとツァイスイコンの沈胴カメラにはコリブリのビオターとコンタックスのゾナーというf2以下のレンズがありますが、蛇腹ではf2に相応しい精度が保てないとの判断もあるのかもしれません。
テッサーの画質についてもツァイスイコンの絶対的な自信を感じます、が現代の目で見れば、色々と瑕疵が目に付くのもやむを得ませんね。隅々まで精細な画質を求めるなら絞り込みは必要になります。
スーパーシックス(左)とスーパーイコンタ69III型(右)


66が結構スーパーサイズなんですが。
これらに較べてセミ判は非常に小さく感じられます。
66はドレーカイルを立てなくて良いので開くとすぐさま撮影態勢に入れて速写性が高いですね。


ただし私がよく撮影する夜景:多分当時は暗いところで撮れる利点があったのでは:ではなかなか捨てがたい性能だと思いますが...
スーパーシックス、テッサー8cmf2,8開放、1/50、手持ち400ネガ
但しこれと同じ構図でプリモフレックスのトプコール7.5cmf3.5で撮影した画像はこれよりかなりシャープ。
でも、2/3絞り違いますし、ISO400を使う限り街の夜景ではf3.5とf2.8に手持ち出来る境目があるように思います。やはりf2.8は魅力的です。
ISO800が常用できれば、f3.5やf4.5でもいけるんですが、一般的なフィルムではありませんし、滑らかな画質かどうかは人によって気になるかも。


二眼式連動距離計の高倍率/高精度
単独距離計機の操作性の高さ(大半は目測で撮影し、微妙なときだけ距離計を読むといいかと思っています。常時距離計を使うという強迫観念に囚われると煩雑なカメラと誤解されてしまうでしょう)
1眼式連動距離計の速写性
いずれも捨てがたいし、利点を自在に使い分けるのが理想です。
スーパーシックス 8cmf2.8開放


<鷹の眼テッサー>と呼ばれ、硬く精密画像と思われている。
然し、本家ツアイスの物。柔らかいが、芯はある、と言った所。
確かに中心部は精密ですが、隅は流れている。但し、隅までなだらかに流れ、全体としては、柔らかさがある。
スーパー6。
1つ目は、私の知る限り、最高のスプリングカメラだと思います。
でかく、重さもある。それが幸い、作動性が良いので、手持ち25sまで行ける。400フイルムで開放なら夜景も十分。
私の個体。2つ目F3,5ですが、何とか夜景も。
ドレイカイル距離計。レンズが前球回転だから成せるもの。
(私の個体。購入時本体側のプリズムにカビ。ほとんど当てピンで使っていた。OHしてから、素晴らしさを知った)
テッサーを前球回転にすると、遠景は良いが、近距離は、隅の流れが目立つ。その意味で、F2,8が限度だと思う。
1つ目か2つ目か。
私、1つ目スーパー6は持ってない。但し、使い慣れたスーパーフジカ6がある(ほぼスーパーイコンタ)
比較したことがあるが、フジカの勝ち。日本人サイズ、フルコート全群移動、スタートマーク。加えてフジナーは、富士フイルムとの相性が良い。
但し、年代の差がある。創造と模倣。日本人は、模倣から改良するのがうまい。としか言えない。
夜景。
フジの距離計では、開放が必要なほどの光では、近景についていけない。この点ドレイカイルの勝ち。但し、2つ目はファインダーが小さいので、全体像が?加えて、ノンコートテッサーでは、明かりに結構ハレーションが出る。
参考画像。スーパー6F3,5解放25sASA400
L版で上部を焼いたものをスキャン


戦前35mm用の5cmf2.8クラスも、f3.5に較べてそういう印象で、戦前型に限っては私はf3.5のほうを選びました。
しかし戦後コンテッサの45mmf2.8は設計とガラスが違うのか、開放から見事にシャープで驚かされました。
この路線で中判も製作してくれれば良かったのにと思いますが、コンテッサ世代の中判用大口径テッサーはスプリングカメラに装備されませんでした。
(ハッセルブラッド1000F用のホットグラス80mmは新世代?ロライ2.8Aは旧世代?)
モスクワ5(右)です。
最近は綺麗な個体が安価なので手を出しましたが、無限が少し来ていないので調整しようと思いつつ放置状態です。
インダスター105/3.5は定評がありますが、実力は未だ味わっていません。
満足できる性能が出れば、使い倒そうと思っているのですが....


前玉回転の両端は球面収差が増えてしまい、それは近距離側のほうが著しいことになります。
その結果柔らかいフレア;逆に言えばコントラストの低下と,像面湾曲による周辺画質の低下をもたらします。
さて、それをどうするかは何とかと鋏は使いようでして、絞れる条件なら絞れば球面収差は減少し深度は深まり解決しますし、フレアを知っていてしかも許せるならそういう写真にしてしまう(開き直ってしまう)手もありますね。
スーパーシックス8cmf2.8開放、最短


小耳にはさんだ噂ですが。
モスクワ4までのインダスター23は110mmF4,5。5の24は105mmF3,5。元々モスクワは、初期型イコンタ69テッサー105mmF4,5のフルコピー。
ドイツの敗戦に伴い、ツアイスの人材、光学ガラス、レンズ、工作機材を没収。これらを活用して、組み上げたもの。これはキエフも同じ。
初期のキエフは、ドイツ人技術者組み上げ、その後、徐々にソビエト技術者が組み上げていった(ドイツの技術者が組み上げたのがノーネームコンタックス?)
レンズ交換が前提のキエフは、組み上げ精度が必要。
然し、レンズ交換を考えないスプリングの場合、そこまでの精度を必要としない。加えて、蛇腹があるので、個別調整すれば、何とかなる。
レンズの組上げは、105mmより110mmの方が簡単(105mm基準で組み上げ、106mmに成っても無限は出る)単なる噂ですが。
5の軍艦部に4の表示が有り、110mmの物を見たことがある。
5の襷、蛇腹は4迄の物と同じ。耳を傾ける根拠はある。
個別合わせしていたのなら、一度弄ると、再調整が必要。
但し、上記のような状態なら、無限を出すのは簡単と思います。
思うに、一番難しかったのは、ドレイカイル?私、ドレイカイルがスムーズに動くモスクワを見たことが無い。ここに誤差かあり無限が出ないのなら、難儀なことになる。


なんといっても軽く、距離計連動と自動巻き止めが付いている66判スプリングでは最軽量クラスかと思います。
戦前型の反動が出た感じ・・でしょうか? その辺も妙にツアイスらしい感じがします。


私個人のイメージですが、貴族のイコンタ、庶民のネッターです。
貴族のイコンタは、戦後も残ります。
52年のスーパー6BX533/16。57年まで販売されているので、スーパーイコンタと併売されていた。56年に露出計付のスーパーイコンタ534/16が販売された後、消え去った。
スーパーイコンタ。折りたたむとコンパクトになる、スプリングカメラの基本に返り、本体型から、設計、露出計を含め、すべて装備。
重厚なものがお好みなら、BXを。軽快なものをお好みならスーパーイコンタを。いかにもツアイス。
時代は既に、コンタフレックス、ライカM3。ツアイスもスプリングカメラに将来はないと思っていたのでは?その意味で、イコンタ愛好家への、最終バーゲンだったのかも?
私的には、正当庶民派、潔い、シグナルネッター518/2,518/16が好みです。


ツアイスのカメラ。全てにコードNoが付く。
型式/フイルムサイズ、と成っている。
フイルムサイズ。69判2、66判16、645判数字無し、43(ベスト半切)18、ライカ版24。
型式。イコンタ520、イコンタスーパー530、ネッター515、ネッターボブ510、シンプレックス511、イコンタ35,522等。
その後の改良、二重露出防止、露出計などにより、型式は変化。
イコンタ。29年520、38年521、51年523、52年524
スーパー系。34年530、38年531、同38年532、39年533、55年534。
ネッター。34年515、51年517、53年518。
メスイコンタ524、スーパーイコンタ531、534、ネタックス513、これらは、欠番を当てている。更にコンチナ532、コンテッサ533。
戦前の、ツアイス本社(イエナ)で製造されたレンズには、個別Noがあり、ほぼ記録が残っている。テッサーはほぼ本社製造であるが、3枚玉は委託品もあり、委託品はレンズNoがない。型式優先。
30年922488−1239697
31年1239699−1365582
32年1364483−1389279
33年1436671−1456003
34年1500474−1590000
35年1615764−1752303
36年1674882−1942806
37年1930150−2219775
38年2267991−2527984
39年2527999−2651211
40年2652000−2678000
41年2678326−2790346
42年2800000−以後の記録は、戦火で残ってない。
戦後の物は、ツアイス分割の為、一部概要が残っているのみ。
イエナ
45〜49年3000000−3200000
49〜52年3200000−3470000
52〜55年3700000−4000000
オーバーコーヘン
46〜51年10000−500000
51〜53年500000−1100000
53〜59年1100000−2600000
型式NoとレンズNoを組み合わせると、イコンタ系の型式、年代がほぼ確定できる。
例えば私のスーパーセミ。531、2065〜は37年式、二重露出防止装置の付いた初期型。
セミイコンタ。520、1907〜は36年製造。二重露出防止装置なし、とわかる。
尚、私の記載した名称は、日本式。アメリカでは、43判ベビーイコンタ、645判A、66判B、69判Cとしている。
注1、3枚玉でもツアイス製造の物はNoが付く。と言うことは、レンズNo総数は、テッサーだけでなく、ツアイス製造の3枚玉を含む。
注2、逆にロライ等の汎用テッサーを使った物は、販売年が合わない物もある。
注3、戦後の製品。イエナ製とオーバーコーヘン製が混在しているので、レンズNoのみでは、年式確定できない。型式を優先。
注4、戦後直ぐ(〜49年頃まで)の製品。戦前のレンズ、残った部品を組み合わせたもの(イコンタにネッターの襷が付いた物等)がある。
これは、型式を含め、後の改造品か否か、確定できない。
注5、オキュパイト。戦後すぐの物、他社製品には<連合国占領地域><ソビエト占領地域>と記載がある物がある。ツアイス製品にも、可能性はあるが、私は見たことない。


http://nikomat.org/priv/camera/ikontasix/index.html
先に、スーパーセミに関する、詳細なレポートを挙げておられた。
重複しない範囲でと、イコンタ系のレポートを始めた。
れんずまにあ様が、私の持っていない、1つ目スーパー6、モスクワを追加してくださった。
更に、今回の最終機、スーパーイコンタの詳細なレポート。
後は、最初期型のイコンタ69、66イコンタ(スーパーでない方)、シグナルネッター。この辺りが加われば、ほぼイコンタ系の百科事典。
皆様のご協力のお陰です。


作例写真が見事な画質で、流石は戦後のさんはんテッサーです。
最短撮影距離の件は、f2.8つきの531/16が長すぎるので専用コンタメータを探しているのですが、特に捜索している戦後型クロームには全く遭遇しません。オートアップが存在するならそれでもいいけど、前玉回転だから手軽にはならないでしょうね.
ご紹介のIII型531,IV型534は1.2mならば,まず実用的な距離なのがいいですね。
ナースマン様、最初期のイコンタ69はテッサー105/4.5つきを一時所持していましたが、残念ながらだいぶ前に手元から離れてしまいました。
非常にコンパクトで軽量、精度が高く、評価できる機種です。
さてf3.5の高画質は捨てがたいのですが、やはり私はf2.8級に目がいってしまいます。
近所にオリンパスクロームシックスがあるので何時も飛び降りそうになっては脂汗をながしています。


やはり同じテッサー型のレンズと言っても,本家本元ツアイスの本物は違うなと思わされることが多いです.戦前の7cmのやつも相当いいですし,105mm F4.5 はイコンタでなくエンサインの古いカメラでの経験ですが非常に良いです.ご覧の通り戦後のf3.5はシャープネスや像の均質性が高く,さらにコーティングもよいのでカラーでも性能を発揮するだろうと思います.スプリングカメラは戦前のものにも面白いものがたくさんありますが,このコーティングのことのほか,フィルム面の安定性の点でも新しいものは進歩が大きい気がしています.
最短撮影距離はやはりオートアップが手軽でいいですが,前玉回転では厳しい部分がありますね.スーパーバルダックス用があればよいのですが,これはさすがに存在しなさそうです.
F2.8級は上記バルダックスのほか,やはり最終的にはマキナ67にとどめを刺す感じですが,これは結構重いのが玉に瑕です.F2.8級が少ないのは,やはりシャッターが一回り大きくなるのを嫌ったものが多いのかなと思います.
個人的には,撮影枚数のこともあって6x4.5判のカメラを最もよく使うのですが,一眼式距離計と自動巻き止め,多重露出防止を備えていて軽いもの,というのがあまりないのが残念です.とはいえ急いで撮影するわけではないので,いろいろ買い漁ったけど,セミイコンタのバランスの良さを再認識しているところです.初期のものは7cmで,ほかよりちょっと画角が広いですし.
ドレイカイル連動距離計のコンテッサ
単独距離計のコンティナ
目測のイコンタ35(正式名称はIkonta 522/24)がある。
ボディはほぼ共通で、レチナIより重厚。
自動巻止め、二重露出防止。
私の個体はノンコートのクセナー4.5cmf2.8が付いていて、レチナIよりレンズの突出量が抑えられています。
おそらく戦後直ぐにノバーの供給が途絶えた際にストックのクセナーを入れたものかと。
単なるXenarならレチナで十分ですが、レチナは50mm。イコンタの広角で明るい45mmf2.8は貴重です。またシャッターは1/500-1、Bのコンパーラピードが奢られています。
コンテッサと共通パーツが多いようですが、コンテッサより前蓋が平らで、ベッドを開くだけで正立します。背面のつっかえ板は要らないので裏蓋はシンプル。
コンテッサは指をシャッターの下に入れて多重露光することができますが、イコンタ35はフィルムを入れるか裏蓋を開けて送り歯車を手で進め二重露光防止解除しないとシャッターが切れません。
撮影操作はコンテッサと同じで、構えて左下ノブで巻き上げ、シャッターをチャージし、レバーでレリーズ。操作感は最高速1/500アシスト以外のポジションでは軽快です。
試写しようと三脚を出したら、このカメラ三脚穴がどこにもないので吃驚しました。コンテッサは前蓋の下にあります。巻き上げカウンター機構が収納されている下面には設置できなかったのでしょう。
しかし堂々と三脚穴を省いたカメラは初めて見ました。


れんずまにあ様、イコンタ35にも、三脚穴あるんですよ。
上部の右。フイルムインジケーター表示と逆の方。
真ん中に、切り込みがあると思います。
コインを使って開くと、三脚穴があると思います。
本体を上下逆にして、三脚使用になります。
れんずまにあ様の個体。アクセサリーシューが付いた、後期型ですね。
前期型は、戦前の48年製造。テッサー付きとノバー付きが有った。


流石はナースマン様です。ご教授頂き有り難うございます。
コンテッサなどと較べて軍艦部、特にカウンターがない側はマイナスネジだけで寂しいなあと思っていましたが...
折角スローが充実したコンパーラピードが付いているのですから、三脚穴なしでは矛盾しますものね。
ps.コンテッサ用のコンタメータが装着出来る事を確認しました。コンタメータは単独距離計ファインダーなので、イコンタ35が距離計無くても全くコンテッサと同じように近接撮影できます。アクセサリーシューの位置が1cmほど下がるので、どの程度視野が影響されるかテスト中です。


105mm、F4,5ノバー付き。弓型襷。ボデーシャッター。オプチカル透視ファインダー。250sコンパーシャッター付。
仕様から、38年制と思う。実は私、先に挙げた、同年制のネッター69を持っている。これは、如何にもネッターと言う普及品。
しかし今回の物は、ネッターとは思えない高級品。
37年までは、F4,5テッサーの付いた物も有った(襷は波型。透視ファインダー)が、38年には無くなった。
38年当時、最高級のネッターである。又、私にとって、初めてのノンコートノバー。
ASA400フイルムなら、100sでF11。目測でも5m以上問題ない。最高速250s。現在のフイルムにも対応している。
これが何と2160円。レンズ。拭き傷はあるが、カビ、曇りは無い。
コンパーシャッター。ほぼ問題が無い。前の持ち主が手を入れていた?
蛇腹。劣化は有るが、光漏れはない。イコンタ系の蛇腹は、ネッターと言えども、ボロボロの物を見たことが無い。
張革。痘痕も有り劣化。塗装。剥がれ劣化している。
可動部分に注油。張革、蛇腹にレザーコートを塗り、1日養生。磨く。
塗装。幸い黒枠。プラモ用のエナメルで、ハケ塗。
状態は、問題無くなった。最近フジGS645Sを持ち出したが、大きい。その点、ネッターは畳めばはるかに小さい。
重さも、GSは770g程であるが、ネッターは690g程。スーパーイコンタ69、スーパー6より軽い。私にとっては、理想的かも?
後は試写のみ。でも69の撮影は中々大変。
やっと、試写が上がった。今の世の中、69焼くと1月かかる。
100s、F8。コートが無いレンズ。古典的な画像である。私の好きな画像である。
何故か縦に取り込まれた?PCには横画面で取り込んでいるのですが?
よくわからない。このままですみません。


このタイプの機種は良く判らないので知らなかった事が多く大変興味深く拝読しています。(…手を出すには難しそうです。)
ノバーレンズに興味が有って色々と調べているのですが、No661と663の画像はどうやって撮影されたのでしょうか。
2枚の画像はサイズが異なっているだけで、同じ画像データの様です。(パナのFZ-30で撮影したとデータが出てします。?)


画像も、別投稿したものです。今回、PCに取り込んでいた画像を、組み合わせて投稿した。
どうやら、比較の為、デジカメで記録したものを、混入させたようです。削除しました。
当時、セミイコンタはフイルム軸より光漏れ。セミネッターはシャッター粘りを、調整中。当時は、ブローニーも豊富だった。
一応、本来の画像も掲示しておきます。


先日、2160円で手に入れたネッター69。赤窓のシャッター。見たことのない、初めての形。
長方形のでっぱりの中に、丸形のシャッター。他の仕様から、ほぼ38年と限定できる。
同年式と思う、先に持っていたネッター69は、六角形のシャッター。
同じく同年のスーパーイコンタ69。金属の丸枠の付いた丸形2個(先の比較写真参照)
どちらとも違うので、初め他の部品を流用した改造品?と思った。
然し、ネット検索していると、同年式(レンズ、シャッターも同じ)ネッターの動画が有った。同じタイプの赤窓シャッターであった。
更に検索していると、それ以外にも、同型の物が有った。
初期型のイコンタは赤窓のみでシャッターが無い(34年頃)
長方形の中に、丸形のシャッター。これが、赤窓シャッターの最初の型(36年頃)
イコンタ69は、セミ判兼用。戦前のフイルムには、セミ判の枚数表示が無い。
69の物を2度出しするので、赤窓が2つ。金属の丸枠が付いた丸形。
セミイコンタ、セミネッター共に同じ理由で、69と同じ、金属枠付き丸形2個。最後が、六角形(戦後の物も同じ)
六角形に成ったのは、37〜38年頃と思われる。
ネッターは、イコンタの型落ち部品を使っている。ロットによる個体差が在る。
戦後。フイルムに、セミ判の枚数表示が付いた。セミイコンタ、ネッター共に、六角形1個に成る。
因みに、37年のテッサー、コンパー付、波型襷のネッター69(これが最上級のネッター)これも、長方形の中に丸形。
私の物は、38年F4,5のノバー、コンパー付、弓形襷(38年には、テッサー付きは無くなっている)
私の、もう1台のネッター69。F7,7ネッターレンズ、テルマシャッター付、普及品。
此方は、先に述べたように、六角形。同じ38年でもこちらの方が後期の製品?と思われる(先に述べたように、ロットによる差が有るので、断定できない)


ツァイスイコン製、戦前型の近接撮影用単独距離計。
1341はスーパーイコンタ6用で、シリーズには1339テナックスII,1342スーパーネッテル&ネタックス,1343コンタックスI,II、1340コンタックスIII用(電気露出計分パララックスが大きい)があった。
1341は、70cm、50p、20pの3距離に対応した円筒状の偏角プリズムをコンタメーター距離計本体前面のソケットに交換挿入し、それぞれの焦点距離のプロクサーレンズをカメラレンズ前面にかぶせて使用する。カメラ本体側の距離は無限遠固定。
ファインダーは6x6用に正方形マスクが入っている。距離計はファインダーを兼ねたいわゆるメスズーハーとなっているが、ブライトフレームはなく視野は曖昧だ。
戦前型コンタメーターには上下に俯角がつけられたアクセサリーフットが上下に固定されており、フットをイコンタのアクセサリーシューに差し込む。浅角度側を差し込めば70,50p、180度倒立させ急角度のフットを使うと距離20pに対応したパララックス補正が得られる。


戦前型は、見えは確かに戦後型には及ばないが、20pと異例に寄れるユニットを含むのが特徴である。確かにコンタックス用にも20pはあるが、スーパーイコンタボディは大きく、コンタックスと比べてレンズからアクセサリーシューまでのパララックスが大きいため、俯角も大変大きくせざるを得ず、視野を厳密に決めることは困難だろう。
余談だがフジGS645用近接ファインダーはちょうどはがき大の接写が行えるが、そのブライトフレームは斜めに見込む分台形になっている。50pまではともかく、最近接で斜めに見込むと視野は台形で当然なのである。戦前型はガリレオ型でフレームはないので、余計に撮影範囲は山勘になる。


ところが20pはほぼ1/2倍から1/1.5倍に相当する拡大率であり、当時どのような必要があったか興味がある。
想像だが、葉書や小判の文書の複写を目指したかもしれない。これならコピースタンドがなくても、または壁面掲示状態でも、カメラと被写体との平行を保つよう注意しておけば、あとは中心出しと距離設定はコンタメーターがやってくれるため、機動性が高いだろう。
蛇足ながら(1937年)戦前型1338スーパーイコンタ用は、交換プリズム3種類70,33,20cm、フット1個で角度調整可能。
1339,1340,1342,1343も70,33,20cmクローズアップレンズ共通で、1341のみが70,50,20であった。
戦後型コンタメーターについて、いずれ項を改めて解説するが、少し触れて終わりたい。
戦後は上にも記したように、距離ダイヤル3種切替、採光式ブライトフレームのクロームメッキ製品になった。"439"コンタックスIIa,IIIa用,"441"コンテッサ35用,(形式不明)スーパーイコンタ6(f2.8機)用がある。また距離20cm固定の簡便小型のコンティナ、コンテッサ用もある。
フォクトレンダー連名になって、プラスチック外装、アルバダブライトフレームの製品が出た。これは距離固定ではなく、近接距離計で測距したクローズアップレンズに応じたダイヤルの数値を読み取り、カメラ本体側の距離数値に移し換える機構で、ほとんど無段階変倍になる。


スーパーイコンタ532/16 トライX,絞り開放、
20cmは、合焦精度はひじょうに優秀。深度はほとんどない。実用的にはもっと絞り込むほうがよいが、画面のほとんどがアウトフォーカスの作品も面白い。
50cmと70cmはすこし後ピンだった。これも開放でなければ実用的に問題にならないと考える.


やはり皆様が高く評価している通りの高画質です。
80年代以後の近代的中判と比べると若干コントラストが低く感じられますが、トーンは豊かです。
モノクロであれば現像処理でカバーできる範囲でしょう。
スーパーイコンタ69V(532/2)テッサー105mmf3.5、f8、1/125、T-Max100


戦前モデル。616フィルム、6.5x11cm判。
テッサー120mmf4.5、コンパーラピッドB, T, 1-1/400
20年前に入手、120改造をもくろんでいましたが、手をつけぬままお蔵入り(時々作動はさせていた)
今回120スプール上下に装着して616フィルム室に入れられるアダプターを購入(3Dプリンター製)したので実用可能になりました。
巻き取り側にも入れられるよう4個セットでしたが、616スプールを巻き取り側に使っても良いかも。


616機は魅力的なものが多いのですが、残念ながらフィルムが随分昔に生産中止でそのままでは使用できません。
120フィルムを616機に使用できるアダプタは時々見かけますので試しに購入してみたところ、3Dプリンタで制作したと思しきものが届きました。
5.6x11cmというパノラマに近いフォーマットになります。
どうも530/15には少し径が太いようで、フィルム室に出し入れがきつく、回転も円滑ではありません。撮り進むにつれ抵抗が増えて最後の1枚はダークバッグで入れ直さないと給走できませんでした。少し径を削るべきかも。
それに120フィルムスプールのツバ部分も530/15には径が太すぎることがわかりました。おそらく620ならちょうどいいのでしょう。装填前にツバを落とす、620同様の作法が必要かも。
120フィルムにも問題があります。530/15の赤窓から見える裏紙のナンバーは6x4.5用で、そのままでは11cmまたは12cm送ることはできません。
アクロスの裏紙を使ってナンバーと中間の○で6枚送れるように書き留めたところ、T-MaxやIlfordの裏紙には中間の○がなく、相当目分量と勘が必要でしたが無事6枚重複なく撮影できました。フジ製品であれば、注意深く送れば7枚撮れそうです。
巻き取り側もアダプタと120スプールでもよいのですが、616スプールでもタケノコにはなりませんでした。ただ上下にスペースができるので、取り出しはダークバッグになり616スプールではフィールドで交換不能になりますね。
一番手前のスプールが120用


1台見つけたのですが、当時の私の技術では120に改造不可。
諦めた物です。ぜひ画像が見たいものです。


これは改造ではなく、フィルムスプールの上下に噛ませるアダプターなので、カメラ自体にはなにも触っておりません。
テスト結果があがりましたので、ちょっとつまらない画像ですがご参考に。
素晴らしい解像力、シャープネスです。さすがはテッサー120mmf4.5
右上端の建築が樽状に歪曲して見えますが、フィルムカールの影響かもしれません。
アパーチャーに簡易的にパーマセルで6cm幅の120フィルム用のガイドを貼り付けてみましたが、素材が柔らかいのでカールが防げません。
127フィルムでは時にみられる現象で、次回はしっかりしたレールを考えてみます。


以前テヒニカ45に135mmで同じ被写体を撮影したことがあり、それと比べてはるかに簡便に持ち出せます。
ただし赤窓の指標が問題で、フジのフィルムなら正確な設定が可能ですが、コダックやイルフォードでは若干山勘になり、今回もコマ重複がおこってしまいました。
最初の想定では、ホースマンの広角612カメラとペアで持ち出そうと考えていました。
距離計が使いやすいので、目測カメラのバックアップにも役立ちます。
ただ、120スプールのリムを削らないとフィルム室に入らない/巻き上げられないため,現地でやると手間が悩ましいです。


1932年発売。ドイツ・フォクトレンダー製フォールディングロールフィルムカメラ。
重量790g
レンズ:ヘリア10.5cm f4.5。f4.5-22まで、標準的な絞り指標。
最短撮影距離:1m
シャッター:リムセットコンパー1/250(アシスト)、1/100-1、B、T、手動チャージ、二重露出防止はない。
レリーズはシャッターのレバーを直接操作する。
巻き上げは赤窓。
フォクトレンダー初の距離計連動機であり最高級機、基線長が長い二眼式上下像合致連動距離計と、光学露出計が特徴。距離計はカメラ縦位置に起立した上の短辺の目立つ位置にあり、日本では江戸時代遊女の髪飾りに擬えて花魁という綽名が付けられた。
今日プロミネントを検索すると戦後35mmRFカメラが表示されることが多く、花魁を付けて検索する方が到達しやすいかもしれない。
スプリングカメラではなく、垂直にベッドを開き、レンズ前板をベッドのレール上に設置する。フォールディングプレートカメラ(ハンドカメラ)はこれを手動で行うが、プロミネントでは前板が自動的に、滑らかに定位置に移動するところが特徴で、大半のスプリングカメラでは急速に開くためフィルムが前方に吸い出されるところ、エアエスケープと滑らかな移動によってフィルム平面性が保たれている。
焦点合わせは全群繰り出しで、前玉回転機よりも最短撮影距離が短く、性能が保たれる。
当時のフォクトレンダー120ロールフィルムカメラライン(ヴィルタス、イーノス)に共通して、カメラ操作ノブは花形透かし加工がなされたニッケルメッキ円盤で、華奢な装飾に見えるが、大径でトルクが軽く手に馴染み、軽量化にも寄与している。
距離計は望遠鏡アイピース部分を引き出せるが、視度調整のようには見えない。
3群4枚のテッサーより枚数が1枚多い分高級イメージがあり、実際美しい描写と評価されている。
知人撮影の大伸ばし生プリントを見た記憶では、色彩コントラストはおとなしく階調豊かだが非常に繊細な解像力という印象だった。


イコンタのセミ判マスクは、左右が連結した1部品だが、プロミネントは左右のプレートをはめ込む構造。
紛失した個体が多いと思われるが、大変薄い板で自作するのは難しそう。




プロミネントのシャイナー感度は0から30まで刻まれている。プロミネント発売後1933年に制定されたDIN感度とは違う。換算表はWikiの「ISO感度」に記載されている。独・米で異なり、独シャイナー25,27,29,32がISO20, 32, 50, 100にそれぞれ対応するらしい。するとISO25, 64はシャイナー26,30に対応するのだろう。


シャッター速度が書かれた外のダイヤルを回すと線の太さが変わる。
光量が少ないと、細い線は見えなくなり、太い線の指標を選ぶことになる。
被写体ではなく上からの光を測定するので基本的には入射光式ということになる。


三脚座はベッドと横位置底部にある。ドイツ機によくある大ネジだが、ネジ穴が浅いため普通の雲台やクイックプレートに取り付けるとネジが余ってしまう。同時代何機種か同様の悩みがあり、何か方策が必要だ。
透視ファインダーにかぶセルセミ判マスクは、蝶番で開くようになっている。


うっかりセミ判マスクしたままで撮影してしまいました。
言い訳ですが、スーパーイコンタDと併用しまして、細巻き616用のフィルム室のため、120のリムをハサミで切り詰めるのが手間で、ついつい120がそのまま入るプロミネントはいいよなあなどと鼻歌混じりで装填したら、マスクを外してなかったのです。
反省点他に、上下増合致距離計は、若干上下が狂っていて、縦線の分離は良いのですが、ピンポイントの近距離目標物が導入困難でした。課題です。
まともに日光が入るとグレアが出ますが、ある程度逆光でも暗部コントラストは保たれるようです。
しかし6x9のつもりで作画しているのに645画面というのは違和感ある構成ですね。
Heliar 10.5cm f4.5, f8, 1/125, Ilford PanF+(EI50),


ハッセルブラッドのカメラは、戦前航空撮影カメラを経て、1949年一般向けに発表した6x6cm判フォーカルプレーン一眼レフ、ハッセルブラッド1600Fに始まる。
そのデザインは当初から完成されており、基本的に最終機503CW,501CMまで大きな外観的変更無く引き継がれた。
レンズマウントは1000Fから500Cになった時大きく1度変更され、前後の互換性を失ったが、その後は電子接点が追加されただけでマウントそのものは維持され、500C用レンズは唯一202FAという例外を除いて最終機まで使用可能である。
またフィルムマガジン、ファインダーマウントの構造は1600Fから最終機まで不変である。
(1980年代以後のマガジンは1600F, 1000F, SWA, SWには装着しない方が良く、知らずに操作するとボディを破損する。また500C以降の機種は1000F時代のマガジンには適しない:自動的にはコマが進まない。これはのちほど詳細説明する)
当初フォーカルプレーンで出発したハッセルブラッドだが、主な活躍の場となったコマーシャル写真ではエレクトロニックフラッシュが主要な光源になりつつあり、シンクロ速度が遅いフォーカルプレーンシャッターでは対応困難であり、また1600/1000Fはボディとレンズの連動機構を持たず、プリセット絞り撮影は時代遅れであり抜本的刷新が望まれたため、後継機は1957年ビトウィンザレンズシャッター、レンズ交換、自動絞りを備えた500Cとなった。
500Cには堰を切ったようにカールツァイスから優秀なレンズが供給され、フラッシュ撮影に対する適性の高さと相まって不動の地位が築かれた。しかしレンズに対する自由度はフォーカルプレーンの方が勝っている。社長ヴィクター・ハッセルブラッドは野鳥撮影が趣味であり、特に望遠レンズに強いフォーカル機に強い拘りを持っていたとされ、500Cとマウントを共通化しながらフォーカルプレーンシャッター化した2000FCが1976年に登場した。
2000FCは外観・サイズはほとんど500Cと変わらず、操作性もほぼ共通している。
日本製カメラは機能が刷新されたら外観はがらりと変わり、アクセサリーも互換性を失う傾向があるが、ハッセルブラッドデザインの継続性は驚くべきことである。
2000FC, Fプラナー80mmf2.8,A120マガジン,ウエストレベルファインダー
ミラー作動選択ダイヤルです。
巻き上げクランク基部のダイヤル0:ミラーアップホールド、1:巻き上げミラー復帰、2:クイックリターン (2017/06/27時点Wikipediaの記載は逆で間違っています)
ダイヤル1,2ポジションから0に変更してもミラーは即座には上がらず、シャッターレリーズ後は巻き上げでもミラーは復帰しません。ダイヤル1か2に変更し巻き上げるとミラー復帰します。またレリーズ前にミラーアップするにはクランク下部のミラーアップレバーを操作します。
このミラー作動選択ダイヤルは、2000FCWになって廃止されました。自動巻き上げにそぐわないのか、故障の原因となったのか。
2000FCのシャッター幕はチタン薄膜で、外的入力に極めて脆弱のため決して触ってはいけません。これほど脆弱な素材は例を見ないほど。
私の友人も興味本位でペン先でちょんとつついたら即座に破損し、ヨーテボリ送り10万コースだったとか。
マガジン交換中の事故が後を絶たず、後継機2000FC/M以降の機種はマガジンリリース同時にシャッター幕が退避しバルブ状態になる機構が加えられました。(マガジンを外したまま巻き上げるとまた出てくるんですが)マガジン再装着後、巻き上げクランク基部のボタン:多重露光ボタンを押しながら回すと巻き上げ無しでシャッターチャージできますので、コマの無駄はありません。
2000シリーズの美点は、非常にレリーズタイムラグが短いこと。中判一眼レフ最速だけではなく、35mm一眼レフの中で見ても早い方のグループに入るほど。フォーカル機に何が求められているかの哲学を見た気がします。
幕速も早く、ストロボシンクロも1/90とかなり高速です。そのためシャッター速度1/2000が達成されたのでしょう。これは晴天ピーカンであっても、ISO50ならPlanar110/2でf2開放が使えるということで、大口径シリーズを有効活用できます。


シャッターの縛りがなければ、大口径、超望遠など、設計の自由度が増します。
Cシリーズにはないラインとして、
ディスタゴンF 50mmf2.8
プラナーF 110mmf2
ゾナーF 150mmf2.8
テレテッサーF 250mmf4
があります。
上記大口径ラインは大きく重量もそれなりにありますが、廉価で小型軽量な標準としてプラナーF 80mmf2.8がありました。
Cシリーズと同じ構成ですが、シャッターを内蔵しない代わりに最短撮影距離がCの90cmから60cmに短縮されています。(Wikiでは構成が違うと記載されていますが79年レンズ白書では構成は同一とされています。H社カタログが直ぐ出てこないのでどちらが本当か不明です)
さらに、シャッターのスペースが空いたところはゴム製蛇腹が内蔵され、繰り出しに応じて遮光される凝りようです。この蛇腹は後のFEレンズでは省略されがらんどうになってしまいました。


4SR44一個を使用しますが、新しければ4LR44も十分使えます。友人はLR44を4個セロテープで繋いで十分作動することを確認していました。
2000FCWの経験ですが、非常に電池の持ちがよい。
一度入れた4SR44で10年近く作動しているので驚きます。半信半疑で1秒にセットすると1秒ちゃんとホールドしています。
テスターに掛けるとかなりドロップしていて、ブロニカEC、ECTLに入れるとうんともすんとも言いません。
逆にECTLで電池切れした電池を2000FCWに入れると、こともなく作動します。
できるだけ新しい電池を入れるべきだとは思いますが、低電圧でも安定しているのは有り難いことです。
さてそれでも電池は切れるもの。
一度撮影旅行中に電池切れ、うっかり予備も不携行。でも鞄の底にC80/2.8を入れていましたので、2000FCWのシャッターダイヤルをCポジションにしてCレンズを付けると、500C/Mと同じです。無事撮影を続けることが出来ました。
メカニカルシャッターのCレンズを使うなら、2000FC系は電池不要なのです。


2000FWC使っております。
レンズは50/2.8, 110/2, 350/4 と使います。
そして電池切れ対応もあり80/2.8のCを一緒に持ち出すして出かけています。
私の個体はシャッタ速度は2000が1300くらいです。
布膜の203feが欲しいのですが、流石に未だ3000ドルの相場は手が出ません。
テレテッサー350と250は構成が同じかなぁと思います。一度ネットで調べたのですが上手く探せず断念しました。
れんずまにあ様、こちらどんな構成なのでしょうか?


とても心強いです。
色々とご教授ください。
さてFE350/4の一次資料がジュラ紀くらい堆積の下で直ちに構成を確認できませんのでnetで調べますと8枚6群のようです。
TT250は5−5で構成図も全く違いますね。
www.hasselbladhistorical.eu/pdf/lds/FE250.pdf
www.hasselbladhistorical.eu/pdf/lds/FE350.pdf
350/4は素晴らしく評判が良いレンズで、憧れです。
出会いがあればシステムに加えたいところですが、手近なところではTT250も欲しいなあ。


こんなサイトがあったのですね。
お陰様でスッキリしました。
>CLPO様ヘビーユーザでいらっしゃいますね。
>とても心強いです。
>色々とご教授ください。
私なぞ教わることはあっても、お教えすることは皆無ではと…、汗”
>350/4は素晴らしく評判が良いレンズで、憧れです。
>出会いがあればシステムに加えたいところですが、手近なところではTT250も欲しいなあ。
350は実は思い出深い出会いで手元に参りました。しかも10万円を切る値段です。CA州の日系アメリカ人の写真家の方と知り合い、その方から譲っていただきました。結構寄れるので現像が楽しみなレンズです。
テレテッサー。なんでTessarの名前を冠しているのでしょうか?
構成はTessar型でもなんでもないのに…
ハッセルのボディーはギリギリ出張用の鞄に入れることができるので、自然と出番が多くなります。(350は流石に無理ですけど)


それでいて、あの細いボディーにアクセサリー類も共通というのは素晴らしいと思います。
特に、ボディーデザインの破たんを生まずに纏めている点はもっと評価されても良いと思います。
ただ、2000FCのシャッターは恐ろしいと思っていました。


あまり考えた事がなかったのですが、れんずまにあ様がここにまとめられた簡潔な記事でvシリーズ始めから互換性を維持していることは凄い事と再認識しました。
Olympusがフォーサーズ規格を作り、業界提案していた90年代後半、その検討項目の多さには感心した記憶があります。100年後を見据えて光の波長長さtからくる受光素子の物理限界なども項目に入っており、今のようなコンピュータもない時代にハッセルが行なった開発手法には興味があります。
チタン膜ですが、巷では怖いと評判ですが、実際使ってみますとどうしてネットで流通している膜にダメージが引き起こされたのか不思議になります。よくフィルムバック交換時に…などが原因と聞きますが、バック交換時に膜を突くなんて余程急いでいたのか?そんな感じです。
私が気を配っていることは120フィルム、12枚とり終えた後の巻き上げ時です。
勢いよく巻き上げるとフィルムの封印シールが膜側に擦り出しそれが悪さをする経験は500系でもよくある事です。フィルムメーカーによっても封印シールの振る舞いが違うように思います。特に古いフィルムは封印シールがフィルムのバックイングから外れてボディ側に擦り出す可能性が高いと思っております。
ここでの事故を防止するために、必ず巻き上げ前にはスライドプレートを入れ物理的な遮蔽板で封印シールがボディ側に入らないようにするだけです。
価格的にも手が出しやすいし、素晴らしいレンズも多くおすすめです。
それにしても2000系のチタン膜ですがなんで布にしなかったんでしょうね。


一旦触れたら大変な事は、友人の事例で明らかなのですが、それはわざわざ自ら触ったのであって、マガジン着脱時に接触事故を起こしたわけではありません。
フィルムシールのことは考えてもおりませんでした。
私のメインフィルムは、2000FCWを試用していた頃はほぼ10割フジでしたのでトラブルを経験しなかったかも。でも最近は安ければ何でも使いますし、フォマパンやもしかしたら上海やホルガも入れるかも知れない。
私も是非交換時にダークスライド挿入を実行したいと思います。
でも、日本人以外、言っちゃうとユーラシア以外の方々の信じがたい取扱にも依るんじゃないかとか。
ブロニカのクランクをねじ切ったという噂も....
グラフレックスXLヘリコイドのプラスチックラグが無理なレンズ交換で削り落とされてる個体が多いことも、扱いの荒さを窺わせます。
テレテッサーのお話、350についてはその通りですよね。250は元祖テレテッサー構成をばらばらにしたみたい。戦前オリジナルのテレテッサーはテッサーL2とL3-4の間隔をぐいーと引き延ばしたような構成です。
ttp://cabolens.blogspot.jp/2012/03/zeiss-ikon-acepta-el-reto-la-contax.html
今はもうSonnarじゃない望遠は全部Teletessar銘。コシナのTT85mmなんてHeliar構成だもの。Sonnarも怪しい、もう名前だけ。
1600/1000F用Sonnar250/4や300/4はガラスがみっちり詰まっていて重い、反省してFではガラスすかすかのテレテッサーになったのかと思いました。
ご出張に2000FCWご持参、恐れ入りました。私はCLEか蛇腹120機...


お邪魔致します。
最近付いていたレンズに惹かれて1000Fを購入しました。
当初からシャッター膜に若干の皺が有る故、1秒が不安定ですが、それ以外は大丈夫との触れ込みの個体でした。
腫れものに触れる思いで少しだけ使いましたが、気が付くとスタック
購入したショップに持ち込みスタックは治りましたが
シャッター膜の皺が悪化してもう使わない方が良いとの事でした。
フィルムバックを外した事も無いので、誤って直接膜を触ってしまう事は無かったのですが・・・。
1000F以降のモデルにも金属薄膜シャッターを採用したのは何故なのでしょう?


>250は元祖テレテッサー構成をばらばらにしたみたい。戦前オリジナルのテレテッサーはテッサーL2とL3-4の間隔をぐいーと引き延ばしたような構成です。
>ttp://cabolens.blogspot.jp/2012/03/zeiss-ikon-acepta-el-reto-la-contax.html
>今はもうSonnarじゃない望遠は全部Teletessar銘。コシナのTT85mmなんてHeliar構成だもの。Sonnarも怪しい、もう名前だけ。
本当ですね!最近の家電メーカーから出るレンズの呼称は仕方ないにしても、コシナのTTがヘリアとは。笑
アメリカ人は道具の扱いが荒いです。荒いですが「道具」としての割り切りから、目的である作品作りに重きがあるように思えます。
XLは本当にピンが飛んでいるものがなんと多いことか。グラフレックス社のXL開発者は後悔したと思いますねえ。
出張カメラ。一番の大荷物だったのはスピグラペースメーカー FPシャッター型+178mmAeroEktarで出かけた時です。新幹線の中で手持ちで数枚を撮影した時、気がつくと注目されており笑顔で会釈しまくりました。その時は流石にローラータイプの転がし鞄での運搬です。
ただし基本スーツなのでスーツでもおかしくない、PCと書類一式も一緒にはいる鞄を選びます。既に趣味と言える程色々と試して楽しんでおります。
バイテンをスーツで持ち出すいい方法がないものでしょうか。三脚がどうしても必要になるので、これは難しいかなあ。。。それでも昔の写真家はみなジャケットにネクタイです。
ゆうれい様
想像なのですが、一度何かの拍子でシャッターが稼働途中にスタックした場合。この場合は2000のシャッターは一発でおしゃかになりそうです。
布ならば大丈夫でしょうから、ここですねえ。
1秒が不安定だったのですか?1000Fも2000と同じですよね?電子制御。
低速は古くなってもかなり正確に動作する印象なので、後幕がリリースされた後に、古グリスかなにかでリリースが上手くされていなかったとかでしょうかね。
Iphoneのスローモーションでシャッター動作を撮影するのですが、結構「斜め」に入ってます。さらにあの薄いチタンが波を打ちながら動いてます。
スピグラのシャッターなども結構斜めに入ってきます。「直動スライダーの原理」とか言ったと思うのですが幅が広いシャッターなので、もともと原理的に平行を保ったままにスライドをさせることが難しいのではないでしょうか。ちゃんとした摺動機構を入れようとすれば斜めになった途端にスタックします。(キツツキのおもちゃのように)そのスタック現象を回避するためにはユルユルにして摺動拘束構造は始めから設けない。ところがユルユルにすると平行が狂いやすい。そこで金属チタン膜にした。こうすれば布幕よりは平行になることが期待できます。スローモーションが撮れない時代でしょうから、フォトカプラーとかで数カ所ピンポイントで露光測定をして走りムラをみてキメたのではないでしょうか。それが70年代とかになり、「スローモーションでみてみたらチタンだめじゃん。結構斜めってるし波打つし。。。これなら布の方がずっといいね。」とハッセルに開発者が話したかもしれません。笑
やっぱり布なんですかねえ。やっぱり布膜ですよねえ。うーーん。1/2000がちゃんと切れる2000系個体は果たしてあるのでしょうかね。私の2000は最高1/1300。中古なのでそんなものかと考えればお勧めは1/1000までしかないけど布な201Fになるのかなあ。
布の安心の201Fか、当たれば高速2000が切れる2000FCWか、この2つなら10万円くらいで流通していますから、どっちかですね。
私の2000も後幕凹みができてます。前のオーナーの方いわく、アシスタントがフィルムバック交換で失敗したそうです。これが呼び水になることがあったりするのかしら。。。
今のうち一台予備を。。。10万。
長文失礼いたしました


皆様流石に濃いですねえ、濃すぎで嬉しいです。
さて,1600F/1000Fは金属膜ですが、材質はスチール?で、細い縦筋が入っています。
2000FCのチタン幕と違って十分剛性がありますから触っても大丈夫です。
でも慣性は大きいでしょうねえ。全開1/40ですからこれで高速のスリット精度を出すのは大変そう。
私の1600Fは当初からチューンが入っていて、1/1600はギアが入らないのですが1/800ポジションは実質1/2000出ています。(ポジの露光量で判断)
以後1/400は1/1000、1/200は1/500相当で、ガバナーがはいるスローは表示通りみたい。
非常に好調な個体で、25年スリットムラが起こっていません。
その後買い足した1000Fは、高速のシャッターバウンドがどうしても治りません。仕方がないので4x4マガジンを入れて端を使わないようにしてます。皺は多少あり、壊れたら買い換えかなあと思いつつ。
1000Fの修理にはKiev88のシャッターカーテンが使えるらしく、黒じゃなくゴールドのシャッターが入っていたらKievと交換されてます。それで復調していれば問題無いと思いますが。
この辺の機種は、購入後しばらく好調ならその後も好調が期待でき、逆に最初から調子を崩していたら結構尾を引くように思います。
布だから高精度とも言い難く、例えばKiev88の高速側が好調な個体は非常にまれですが、1990年頃布幕に変更したKiev88CMなる機種が出て、試しに使ってみたらやっぱりダメでした。個体差があるんでしょうけど。
それに較べてブロニカやM645の安定性は最高。異次元ですね。流石日本の大手は違います。
ところで布幕フォーカルプレーンで巻き上げ復帰ミラーの場合、太陽に焦点が合うと大変です。特に大口径は。
布幕ならクイックリターンかと愚考します。


あらら。。そうか、iphoneの動画ですが取り込みがインターレースですか。逆さにして2つを見比べ平均で判断すればいいのかしら。。。全然考えてませんでした。
あ、でも波打ちはシャッターが閉じた直後の状態がしっかりみれました。走行中もそこから想像した感じです。汗
れんずまにあ様
2000分の1がでてるのですか。すごいですね。羨ましいです。
>この辺の機種は、購入後しばらく好調ならその後も好調が期待でき、逆に最初から調子を崩していたら結構尾を引くように思います。
たしかに、同じように思いますね。
>ところで布幕フォーカルプレーンで巻き上げ復帰ミラーの場合、太陽に焦点が合うと大変です。特に大口径は。
>布幕ならクイックリターンかと愚考します。
これも念頭外でした。たしかにたしかに。
>1600F/1000Fは金属膜ですが、材質はスチール?で、細い縦筋が入っています。
135のコンタックスの鎧戸みたいなのですか?調べてみよう。
布はいわゆる座屈に弱いですが、薄くても金属であれば座屈には強くなります。
これらのカメラ機構。今の技術者が設計したらどうなるんでしょうね。
フィルム復活して欲しいものです。


1000Fとかのシャッター膜はコンタックスの鎧戸とはちょっと違います。
1枚物のシートにプレス?エンボス加工?で細かい筋が成形されています。
恐らくこれで幕がしなやかにドラムに巻かれつつ、ミラー側〜フィルム側に膨らみへこみを抑制しているのでは?
シャッター膜の加速時は引っ張りの力が働きますが、減速(停止)時には圧縮力を受けるはずです。
1/1600SEC や 1/2000SEC ともなると布膜では耐えきれない?ので金属膜を採用したのでしょうか?
ただし、結果からすると成功したとは言い難いです。
実際の所、1/1000SEC有れば実用上充分使えていますので、そんなカメラで有ったのならば
今頃ハッセル党になっていたかもしれません。
尚、KIEV60、KIEV88CM、PENTACON-six等をよく使いますが、私の個体は快調です。
むしろBRONICA S2よりも寒さに強く、寒い所ではPENTACON-sixが活躍します。
これらはクイックリターンミラーでは有りませんが、特に問題が起きた事は有りません。
連射を前提としなければクイックリターンミラーは無くても良いと考えています。
むしろ機構が簡略かされて信頼性は向上しそうです。


なるほど、では2000のシャッター膜と同じですね。材質が違うということですね。いや、それにしてもまた通な写真機をお使いで。KIEV60、KIEV88CM、PENTACON-six はどれも触ったこともありません。しかも主力機とは。素晴らしいですね。


ちょっとした発見がありましたので、報告させて下さい。
ハッセルブラッドのフィルムバック。よくあるのが遮光プレート挿入部の遮光素材の劣化です。簡単に交換もできるので部品さえあれば自分でも簡単。ご存知の通りかと思います。
部品は代替え部品が幾つか売られておりeBayなどでも求めることが可能です。
一番厄介なのはボディ側に接するプレート裏に配設される遮光帯です。古いものはこれが擦り切れていることが多いので代替えとしてビロードなど色々試しても結局毛が抜けてしまい上手くいかず、結局売られているものを買い求めておりました。しかし135フィルムのパトローネの入り口に貼り付けられているものが大変良い感じ。これまで何どか移植を試みておりましたが、どうしても毛が抜けてしまい上手いこといかなかったのです。
今回、135フィルムの遮光帯を上手く利用する方法を見つけたので報告したいと思います。
1)まずはパトローネからビロードを慎重に剥がします。ここで接着ががっちりしているものなどは毛がパトローネ側に残ってしまい何個かを剥がし、上手く剥がせたものを選択。
2)ここからが今回の発見です。これまでカッターを使用していたのですが「革包丁」を使用します。革包丁がよいのは幅が広いことです。引いて切るのではなく上から押しで切れます。大変鋭利なものですので、あっという間に綺麗に切断可能です。
3)さらに、切り出した帯状の遮光ビロードですが、際の植毛が抜けやすいのです。革包丁を使うと際の植毛のみを綺麗にそぎ落とせます。写真のような案配で際1mmに定規などを当て、革包丁を斜めに入れます。これだけです。
4)後はパトローネから収穫できるビロードの長さが足りませんので、上記の要領で切り取った帯を2つ作り、45°くらいで端面を斜めに切りそれを両面テープ上に2つの帯を繋ぎます。両面テープはMaxonのNo.200です。これはボディの貼り革にもメーカーの製造でも使用されるもので定評あるものです。
パトローネはいくらでもありますので、今後は安心。嬉しくなったのでここで報告させてください。
ポイントは革包丁です。


私は一度だけ光線引きの経験がありますが、修理に出してしまってこのようなノウハウは持っていません。
次回起こったときに注意させて頂きます。


FとFEで僅かに設計が変更されたといいます。
描写がどのように違うのかは、個体差もあるので私には言葉がありません。どなたかご経験ご披露お願いします。
2000FCW、planar110、開放、1/125、Pro400、ブルーフィルター、手持ち撮影
ウエストレベルでローアングル撮影。ゆるい動きがある被写体ならこれで十分追うことが出来ます。


近接では球面収差が増えて絞りを開くとソフトなフレアを纏います。
2000FCW, Planar F110mm f2, 1/250, Provia100


今動いている1600Fは大丈夫、かな?
ハッセルブラッドを特集した記事は異口同音に初代1600Fの革新性に触れた後,1600Fが如何に製作が困難で安定した性能が出なかったか,その為に最高速を1/1000にスペックダウンした1000Fに切り替えざるを得なかったを事を述べるのが常となっています.そういった特集の主旨は500CM以降の機種にあるのですから,初期の機種は通り一遍の紹介に過ぎないことはわかりますが,執筆者たちは1600F,1歩譲って1000Fを十分に使用したことがあるのかなと,ふと思います.
Victor Hasselblad社が1600Fの製作に難儀したことは確かでしょう.今1600Fと1000Fとを比べると,操作感触がかなり異なり1600Fは非常になめらかで摺動部を磨き上げたような手作りの要素をより感じさせます.それに対して1000Fはより量産品の味といいましょうか,ぎりぎりとしたラチェットの感触をはじめ,各所に角が立ったような荒削りさ,よく言えばメカニカルな手触りを感じます.細部に渡って1600Fはコストが掛かったのではないでしょうか.
さて,難儀したのは制作側であることがポイントで,販売されたものは厳選され,さらに1950年代1600F現役時代はいざ知らず,現代まで生き残っている1600Fは,すべて初期不良どころか長期耐久試験の荒波を乗り越えてきて不具合のあるものは淘汰され尽くしている筈,と思います.基本的に材質は高品質で,機構は旧式で冒険的ではなく,工作技術もしっかりしています.プロが仕事で酷使するのでもなければ,趣味の実用には大丈夫ではないかと思っています.すくなくとも私の許にある1600Fは極めて快調で,1000Fよりも信頼出来る状態です.
画像:Hasselblad 1600F, 12mag,Ektar80/2.8, Shade


他機種のラインアップには全く見られない独自の鏡玉を,6x6cmフルフォーマットで味わうことが出来るのが何よりの魅力でしょう.コダックエクター80mmf2.8,135mmf3.5,カールツァイス ディスタゴン60mmf5,6,ゾナー135mmf3,5,250mmf4は1600F/1000Fにしか供給されませんでした.オーバーコッヘンのツァイステッサー80mmf2,8は独自のスペックではありませんが,他社カメラ装備例は少なく,魅力的であることに変わりありません.
ボディ自身にも魅力が溢れています.ボディーシェルのサイズは現行の500/2000系と共通で,6x6cmフォーマットのSLRとは到底信じられないほどコンパクトかつ軽量です.しかしスペックはそれで犠牲になってはいません.言うまでもなく1/1600秒もの最高速度から1秒までの広範囲をカバーするフォーカルプレーンシャッター,簡単確実なフィルムマガジン交換,ことにファインダーやマガジンのアタッチメントサイズは現行品と共通なので,必要であれば現行メーターファインダーやクランク装填マガジン,ポラロイドや70mmフィルム用のマガジンさえも使用することができます.(注:マガジンの形式に注意が必要,後述のように不適切な組み合わせではボディを破損します)
画像:1600F+Ektar135/3.5,フィルターSeriesVIIなのでLeitzのELPROが使える.中望遠用で相性最高.


フィルムマガジンの規格は1600Fから現行型まで総て共通ですから,1600/1000Fに現行のマガジンを装着はできます.巻き上げもシャッターも可能ですが落とし穴があります.
1600/1000F用マガジン前面の,巻き上げギアの左上方にφ2mmほどの穴があります(画像矢印1).Mマガジンではボディ巻き上げ最終段階でロッドが突出し,マガジンの二重露出防止ロックを解除するのです.その後Aマガジンでは不要になりたんなる穴として残っていました.この穴さえあればA24でも70でも使用可能ですが,いつ頃からかは特定できないものの,おそらく2000FCWの頃からこの穴は廃止されたものと思われます.丁度ハッセルブラッド社が1600/1000Fのサポート打ち切りをアナウンスした頃と前後する頃ではないでしょうか.私の狭い経験では,マガジンリリースボタンの上にVHマークが付いているものは穴つき,12や16,24など数字があるものは穴無しで1600には使えません.
さて,穴無しマガジンで強引に巻き上げ動作すると,ボディのロッドが破損してMマガジンの作動に支障を来します.もちろん破損してもAマガジンならば作動にはなんら問題がありません.
画像:矢印1:マガジン前面にあるロック解除ロッドを回避する穴.ある時期からマガジンには穴が開いていない.矢印2:ボディからレリーズ時に突出する巻き止め解除バーを受けるスリット.写真右は1600Fボディの対応する部分.


さらに電気接点が付いた205TCC時代のTCCマガジン、203FA以降のEマガジンがあります。
Mマガジンは後世Aと区別するため呼び習わされたもので、元々は120用6x6のみで単にマガジン、16枚や24枚が出てから120用6x6はマガジン12と呼ばれました。
Mタイプは1枚目を出すのに後面の蓋を開けて、120の裏紙ナンバー1を読み、蓋を閉じて巻き上げキーを逆回転するとマガジンのカウンターが1となり、以後自動巻止めになる機構でした。
M16は横位置645で、操作は同じです。
Aマガジンはスタートマーク合わせてクランクが止まるまで巻くと自動的にカウンター1が出ます.便利なので余程クラシック操作をしたい時を除いて私はAを主に使っています.
ところがM24というのが存在するのです。220の66マガジンです。裏紙はありませんからどう操作するか疑問でした。
入手したところ、裏蓋はあるものの固定されて開かず内側も閉鎖されています。スタートマークをあわせキーを巻き上げると所定の位置でカウンター1が出る、クランク操作のAと同じことをキーで行うマガジンでした。
M12に220を入れるための裏窓を塞ぐキャップてのも存在します。24専用が普及するつなぎに作られたのでしょうか。1枚目を出すのはギリギリまで裏窓で巻いて、リーダーペーパーが終わるのを確認し山勘で1枚巻き上げる、のでしょうね。
さらに、カウンターは12までですから、12枚巻き上げた時点でキー逆回転で1にする。
実際使うと巻き太りのため13枚から24枚まで徐々にコマ間隔が拡がりますが、フィルムに余裕があるのでなんとか24枚撮影できました。
画像:左1600F同時代の「マガジン」12枚撮りだが枚数を示す表示はない.中:1000F時代のM24,枚数表示がついた.同時代Mは12,16枚撮りにも枚数表示がついた.右:A12


プロビア100です。
テレタスコは昔はやった110フィルムの双眼鏡カメラの撮影用のレンズです。
RMSマウントです。
純正RMSアダプタは大変珍しいですね。カタログには記載されていますが、実際にお使いの方は初めてです。
アルミ挽き物そのもの、無垢キラキラですがレフ板代わりによいのかもしれません。
私がRMSに繋ぐときはV-M39(Viso1)アダプタからM39-RMSの二重になります。
タスコのビノキュラーカメラ用レンズって双眼鏡の真ん中に填っていたやつですか!
分離できるとは知りませんでしたし、RMSだとは全く存じませんでした。
110用レンズなのに、拡大とはいえ66をカバーしてなかなかシャープなのにまたもや驚かされます。
絞りはあるんですか?
RMSレンズはウルトラ拡大用としか頭にありませんでしたが、こんな長焦点で面白いレンズがあったとは。びっくりです。


絞りは付いてます。
ハッセルブラッド2000FC/Mにテレタスコ70mmf5.6を付けたところです。
70mmと100mmと150mmがあります。
メーカーメーは解りませんがメイドインジャパンとなってましたので産業用のレンズを使われてたのだと思います。
見つかれば数百円で買えます。
アダプターが手に入ってもレンズが高く付けれないよなと思ってたら激安のレンズがありました。


3本レンズがセットで格安でebayに出てたのも購入しましたのでレンズは3種類ともそろってます。
使わない双眼鏡も持ってますが。
以前はebayでテレタスコ70mmのデットストックが売られてまして私も一つ買いましたが誰かが買い占めたのでなくなりました。


ずいぶん前の話題ですが、1000Fの幕アップとM12マガジンで220フィルムを使う為のもの、その使用方法です。
幕は横走り金属製で、素材は分かりませんが塗装が剥げたところは銀色に見えます。
高速、低速、Bの全速でライカMのようなガバナ音がしますが、速度と関係なく音の長さは一定で、どう作用しているのかわかりません。
整備済みを購入し今も快調に動作していますが、この音は私の個体だけでしょうか?
フタの正式名は「220 Light Tight Plug」だそうです。
ゴム製で縁が二重になっており番号確認穴の周囲を挟むようになっていますが、上手く嵌めないと元からある蓋の板バネを阻害して畳まれずプラプラ邪魔になってしまいます。
使用方法は手書きで恐縮ですが、下記サイトを和訳しました。マガジンの製造年代で微妙に異なる様です。
http://www.hasselbladhistorical.eu/HT/HT220.aspx
先日元祖Distagonの60mm F5.6を手に入れまして、80、135、250と合わせてZeiss製コンプリートとなりました。細かく言えば250がF5.6だけでF4は未入手ですが。
他のレンズはmかfeetどちらかしか刻印されていませんが、Distagonはmとfeetが180度反対に刻印されており、ネジ2本で簡単にひっくり返すことができます。
初期フォーカル機はコダック由来のシリーズ7フィルターなので、一般的な径のフィルターが使えず難儀しますね。


フォーカルプレーンハッセルブラッドのファンがいらっしゃることに心強く、嬉しくなりました。
さて、220プラグの正式な名称と使い方、まことに有り難い情報です。
そういえば、注文したときそのような名称でした。
ツァイスコンプリート、おめでとうございます。楽しめますね!
60mmf5.6は、昔ポジで使ったときは曇天だったためか500C用に較べて感銘を受けなかったのですが、久し振りにデジタルで撮り直してみると、大変優秀であることがわかり我が目が節穴であったことを痛感しました。
Sonnar5,6/250はその後も構成が受け継がれた唯一のレンズだけに、完全に現代の写りで非の打ち所がありません。
f4/250はそれと較べ若干柔らかい印象ながら、Contax用4/135mmに通じる完璧な描写と思います。ガラスが詰まった重量レンズなので、次はガラスすかすかのTele-tessarになったのでしょうか。
フィルタースレッドSeries VIIは54mmx0.75なので、55-54ステップアップリングで55mm変換できます。
私が使っているものは外径が変わらずカブセキャップ類がそのまま共用でき便利です。
コダックSr7フードはそれを外さねばいけませんが、出来ればベロ-シェードのほうがハレ切りに有利。
B50変換でハッセル用でもいいのですが、マミヤブロニカ、Ambicoなどのほうが軽く愛用しています。
1600F, Sonnar4/250, 開放,160NS


ステップアップリングという手がありましたか!
検索しましたがマイナーな径まで豊富にあるとは知りませんでした。ありがとうございます。
先日ようやく60mmを持ち出せたので、現像結果が楽しみです。
F4は柔らかめですか、そう仰られると欲しくなってしまいます。
初期フォーカルは種類が少なくて気が楽ですね。玉数は少ないですが。
C以降をコンプリートしたくても種類が多いし高いし…


まだあるのか知りませんが、昔マツバラさんで見掛けました。買う機会を逃しちゃいましたが。
1600は元から十分巻き上げ軽いけど、1000Fは快適になりそうです。
いい季節になって来ましたので、私もそろそろ始動させたいです。
2004年京都 1600F、Distagon60/5.6、開放、1/50?Ektar100.


サイズも手頃な範囲で明るく使いやすいレンズです。
エクター135もよいのですが、開放ではやや周辺の解像力が落ちるのと、入手してそれほど頻用していないのでまともな作品がないため評価しづらいところです。
ゾナー135は後にテレローライに設計転用されましたが、ローライはシャッター開口で口径が制限されてしまい、開放f4に縮小されたと記載されています。
個人的感想ながら、描写はコンタックス用85/2に共通する印象で、開放は若干柔らかながら整った像、絞ると非常に尖鋭になります。
500C用には採用されず、開放から非常にシャープなf4/150になりましたので、これを味わえるのは1600/1000Fだけで、その意味でも気に入っています。(アダプタならプラクチシックスでも使える)
135より長焦点となると、純正では250まで飛び、コンパクトなf5.6の方でもかなりの重量サイズ、f4なら覚悟が必要でしょう。
社外品ならば、135mmクラスにPieskar Pikon, Berthiot Flor, Kilfitt Kilarがあり、150はFujita,Kilfitt Kilar, 180にDDR Sonnar180/2.8とSchneider Tele-Xenarが選択出来ます。250未満で他にあれば是非お教えください。(Tele-Xenar240/5.5は経験あり)
吉田山 Hasselblad 1600F, Sonnar 135/3.5開放,一脚,Reala ace 220


フィルムが足りなくて、135ゾナーとエクター、180mm、300mmは写していませんので残念です。
左からフジタ66用150mmf4(フジタスクリューから1000Fアダプター)、キルフィットキラー150mmf3.5(M39からキルフィットKihasアダプター)、ピースカー250/5.5、純正ゾナー250/4とゾナー250/5.6、いずれも開放撮影です。
Velvia50で、露出が揃っていないのはカメラのせいではなく私のミスです。
フジタ150はまるでソフトフォーカスですね。絞るともう少しキリッとします。後に睡蓮を撮影したときも同様で、口径食が大きくグルグルでかなり収差が残っています。
キルフィットキラーは元々35mm用で、画像にもそれが現れていると思います。イメージサークルが広めなので流用できると考えたのでしょう。グレース王妃が1000Fに付けている写真を見ましたので、メーカー推奨ではあるはずです。
ピースカー250は安価なサードパーティレンズの範囲を超えない印象です。同社の1000F用は他に135のPikonとTeleVotarがあるようで、どう違うのか知りませんが興味深いので探してます。
上記のレンズはいずれも絞ると描写は改善していきます。
ただ、旧いレンズは発色が渋いですね。
純正250はどちらも見事です。絞った画像を示していませんが同じ絞りでも少しf5.6のほうがコントラストが高いようです。


主に米国向にエクター、ヨーロッパ向にはオプトンテッサーが供給されたようです。
その後テッサーは早期に鏡胴が小型化されたカールツァイス銘の後期型テッサーに切り替わりました。
1000F時代にもエクターは選択できたようですが、ほぼ後期型テッサーが付けられています。
どういった事情か定かではありませんが、為替レートの関係でエクターはヨーロッパでは非常に高価になることも一因でしたでしょうし、供給量が不十分であったのかもしれません。
そして交換レンズのバリエーションが、コダックはワイドフィールドエクター55mmとエクター254mmを試作したものの市販されていないこと、55mmは特に、試作品の写真を見ると後玉がかなり出ていてボディの改修が必要ではなかったかと想像され。当時最新技術であった逆望遠型のディスタゴンを持っていたツァイス採用に傾いたのではないかと思われます。
さてテッサー80mmですが、ご存知の方もおられるでしょうが前期のオプトン銘と、後期のカールツァイス銘でデザインが大きく違います。
右側は前期型、Zeiss-Opton Nr727167 Tessar 1:2,8 f=80mm T
左側が後期のCarl Zeiss Nr832774 Tessar 1:2,8 f=80mm
前期型はエクター80mmと鏡胴サイズ、デザインが似ていて少しローレットの角が丸い感じ、アルミ無地。当時コーティングを示す赤Tマークつき。最短撮影距離0.5m
後期型は東ツァイスとの商標権訴訟でカールツァイス銘を奪回した後のモデルでしょう。コーティングは当然なされていますが、もはや常識なので赤Tはありません。鏡胴は輝くアルマイト処理で、大幅に小型化されましたが繰り出しストロークは前期と同じで最短撮影距離も20インチと変わりません。
試写結果は二つとも全く変わらないといってよい性能です。ただ前期は放射能ガラスを使用していてエクターより弱く黄色いカラーフェリアがあります。後期型は線量計で確認し、放射性はなくクリアです。
1000F末期、プラナー80mmf2.8が試作されたそうですが、結局500Cから投入されました。テッサーは開放からf4くらいまでプラナーにコントラストと周辺画質で負けますが、絞れば十分よい画質ですので、敢えてプラナーを導入するのは見送ったのでしょう。


500ELXからSCA規格のTTLフラッシュが使用できるようになり、フォーカルプレーン機も、205TCCからフラッシュTTL自動調光を採用した。
フォーカル機では、205TCC, 203FCC, 201F, 205FCC, 202FAがSCAシステムを採用している。
主にヨーロッパのメッツやブラウンなどが対応フラッシュを出しているが、日本のサンパック もDXシステムフラッシュにハッセルブラッド用DXアダプターをラインアップした。
SCA300シリーズでは、SCA390(右),SCA590(?)が対応した。3000シリーズのSCA3902は、Hシステム用である。
またサンパック はHA-2Dシュー(左)である。
こちらに示すように、どちらのアダプターもハッセルブラッドボディに接続するコードが劣化し、ぼろぼろに崩れている。eBayなど検索しても世界共通のようだ。
よくみると材質はもちろん、形状もきわめて似ている。露出した内部コードの色や太さも同様だ。全く同じかと思ったら、SCAはプラグがL字型でHA-2Dは直線的という違いはあった。
HA-2Dの、レンズに接続するシンクロコード部分は材質が異なり全く劣化していない。
想像だが、HA-2Dの、ボディに接続する方のスパイラルコードは、ハッセルブラッドまたはメッツから供給されたのではないだろうか。ヨーロッパ製電気部品にはありそうに思える。そして日本製部分の耐久性は良好だ。
ブロニカ 用のSCA396も同じように崩れている。これも同じ由来ではないか。それに反してマミヤSCA396は、コードの材質が違うように見える。
メッツのSCAアダプター延長コードも同じ材質でボロボロになっているものもある。


フォーカルプレーン1/2000〜1秒、シンクロ1/90、フォーカルは電子制御で4SR44を要するが、C、CFレンズには電池不要。
1981年の2000FC/Mの次期モデル、
2000FC/Mからの変更点は、巻き上げクランクを外して電動ワインダーを装着できるようになった。
それに伴い、クランク基部のミラー作動切り替えは廃止され、クイックリターンのみ残された。
クランク下側のミラーアップ機構は別に残っている。またリーフシャッターレンズを装着した時はミラーは戻るがリーフシャッターは巻き上げるまで閉じたまま、視野はブラックアウトする。
そのほかは、2000FC/Mと変わらない。
500C/Mより少しだけ重いが、持った感じはほとんどかわらない。
操作感触も特に500系と変わることはない。
1/2000に目を奪われるが、電子制御でスロー精度が高いことも美点。また非常に電池の持ちが良い。
一応1秒までだが、電池室に入れて速度を1/100にするアクセサリがあり、それだと100秒まで可能になる。
故障が多いという評価が多いようですが、一応私の個体は30年無故障で経過しています。(レンズは結構故障した)
実は2000FCWは私の初Vシステムで、元々友人のためにF110mmと共に確保し送りましたが、数年後友人は203FA+FEレンズにステップアップしてしまい、余剰となったものを破格で譲り受けたものです。最近その友人がFEシステムも手放し始め、叩かれるよりはと少しずつうちに移動してきて、図らずもフォーカルハッセルが増えてしまいましたが、FCWとFレンズは私のVの原点です。
ワインダーは怖いから付けたことがありません。


F80mmはCレンズと同じ構成ですが、内蔵シャッターがないため最短撮影距離が90cmから60cmに短縮されました。また遮光にゴム蛇腹を使うなど内面反射防止に留意されており、Cよりコントラストが向上しているという話を聞きます。(Wikiで構成が違うと書かれているのはどこから来た情報でしょう。レンズ白書一覧で構成枚数に誤記載がある所からでしょうか、でも本文ではCと同一構成なので画質テストは省略と明記されてるんですが)
F50mmは35mm判で28mmf2に相当する被写界深度で、開放からコントラストが高く繊細な解像をします。フローティングエレメント(FLE)の効果で近接時の像面湾曲による周辺画質の低下が抑えられています。その代償か非常にサイズが大きく重量もあり、手軽に持ち出せる広角とは言い難いところです。ブロニカ ニッコール50/2.8はFLEがないので単純に比較できませんがサイズの差は明らかで、ましてやブロニカ ゼンザノン50/2.8とは歴然です。
F110mmは35mm判では60mmf1.0に等しい被写界深度といわれています。開放では、遠景は若干のハロがあるもののコントラストは優秀、繰り出すと球面収差が増え、開放近辺では非常に柔らかい描写で少し絞るとキリキリに先鋭になる二面性があります。中間リングを入れると収差が増えるため柔らかさを楽しめます。
F150mmは110と比べると優等生で、開放から大変先鋭な描写です。最短1.4mはこのクラスとしては標準的かやや遠い反面,110mmよりも若干コンパクトです。
F250mmは、Cや1000F用の重いSonnar構成からエレメントが薄いTele-Tessar構成になり軽量化されています。Fの経験はありませんがFEの性能は、f5.6のゾナーと遜色ない優秀なものです。
F50,150,250,350(300/2.8も)はハッセルブラッドだけに供給されローライのラインにはありません。またSL66には110が設計上入らなかったのか、新たに120/2が試作されましたが販売されていません。
Distagon 50mmf2.8 8群9枚 画角75.5度 最短32cm フィルター93mm 1350g
Planar 80mmf2.8 5群7枚 画角51度 最短60cm フィルターB50 460g
Planar 110mmf2 6群7枚 画角40度 最短80cm フィルターB70 750g
Sonnar 150mmf2.8 4群5枚 画角30度 最短140cm フィルターB70 680g
Fレンズ,左から150,110,50


ある程度の締め付け機能と、定位置ロックを兼用している。
絞り連動機能はなく、すべてプリセットか、普通絞りである。
ソビエトカメラのサリュート、キエフ88マウントは大変よく似ているが、フランジバックが異なる上に1600Fにはつかえてソ連レンズは装着できない。
1948年、1600F発表当初は、ハッセルブラッド社がスウェーデンの代理店をしていた米国コダックが製作したエクターレンズが供給されていた。初期は標準80mmf2.8と、中望遠135mmf3.5のみがラインアップされ、55mmf6.3広角と、254mmf5.6望遠が試作・少数先行生産されていたが、販売はされなかった。この55mmは謎が多く、画像からはバックフォーカスが短くミラーアップを前提にしているように見える。80年代カメラ雑誌広告で売りに出ていたものを見た朧げな記憶があるが、勘違いだろうか。
エクターレンズは為替レートが強い米国製のため、米国内では売れても欧州では高価に過ぎること、上記のように交換レンズのラインアップが少なかったことにより、ようやく復興を遂げたオーバーコッヘンのツァイス・オプトン(のちにカールツァイス)にレンズ供給を依頼、1952年ごろ、1000Fボディの更新と前後し、一気にレンズラインアップが豊富になった。
例外として、ハッセルブラッド純正で、ダルメイヤー・ダロン508mmf5.6が前後ピストルグリップ付きで供給された。
エクターレンズは在庫があったこともあり、米国内では1000Fボディにエクター80mmを組み合わせて販売され、欧州では基本的にテッサー80mmと組まれた。
また1000Fが普及するのと並行し、ハッセルブラッドマウントサードパーティレンズが登場した。以下、知る限り紹介する。
レンズライン概要:主観で書いています。皆様のご意見次第で訂正致しますのでよろしくお願いします。
経験がないレンズは類推で評価していることをお許しください。○経験あり、X経験なし。
レアリティ(国内海外オークションや店舗情報):☆常時安価に入手可、☆☆潤沢だが価格は並、☆☆☆年に数回出るが価格は並、4★年に1-2回出現レア、5★ほとんど出てこない
注)価格が並というのは、相対的な評価で、最近は値上がりしています。
エクター
○☆☆;80mmf2.8:僅かに黄色いトリウム含有放射能レンズ。開放はハロが多くソフトだが解像力はそこそこ高い。絞ればコントラストが上がりテッサーより繊細。
○☆☆☆;135mmf3.5:開放から中心部はまず良好だが周辺にかけてやや甘くなる。絞れば周辺まで均一になっていく。
ツァイス
○4★80mmf2.8:テッサー前期型、Opton 赤T。エクターほどではないがトリウムレンズ。開放コントラストはエクターより高い。解像力は良好。
○☆80mmf2.8:テッサー後期型:Carl Zeiss. アルミ光沢。構成は前期同様だが放射能ではない。コントラストは高いが解像力は微妙にエクターより甘い。
○☆☆☆60mmf5.6:ディスタゴン:非常にコンパクト。中心は素晴らしく先鋭。周辺は若干落ちるが開放から全域信頼でき、絞るとさらに良好。
○☆☆;135mmf3.5:ゾナー:非常に高解像でコントラストはエクターより高いが、500C用150/4のようにカリカリしない柔らかさ。
○4★250mmf4:ゾナー:Zeiss Opton. ガラス重量がある。5.6より柔らかいが十分に良好で、明るい利点が大きい。
○☆☆250mmf5.6:ゾナー:Carl Zeiss. システム中唯一500C以後に継承されただけあり、抜群の性能、正直1000F系の中で浮いているくらい。
○5★508mmf5.6:ダルメイヤー・ダロン:手持ちスポーツファインダーで撮影する軍向けレンズ。明るい開放は柔らかく絞ると先鋭になる。
サードパーティ
○☆☆52mmf3.5:フジタ/カリガー:フジタ66/カリマーレフレックス用高角。アダプターで装着する。開放は特に周辺が甘いが、f16まで絞ると実用的。
○☆☆150mmf4:フジタ/カリガー:同上。個体差かもしれないが、開放はぐるぐるで破壊的。絞ってもそれほど改善しない。大丈夫か?
×☆80mmf3.5:フジタ/カリガー:同上。未経験だがフジタを使う方に聞くとまあまあの成績のよう。ただEktar/Tessarお持ちならわざわざ?
×5★135mmf3.5:ピコン:Pieskar社製. 珍品。
○4★250mmf5.5:テレフォター:Pieskar社製。ゾナーよりコンパクト。テレーピコン名でも出ている?
×5★135mmf3.5:フロール:Som Berthiot社製. 大珍品。友人が使用中。純正と比較していないので評価は控える。
○☆☆90mmf2.8:マクロキラー:Kilfitt社製。M39ミラーボックスマウントからKilfitt KIHASアダプタ変換。またはWEHAアダプタ。
○☆☆150mmf3.5:キラー:Kilfitt社製。M39ミラーボックスマウントからKilfitt KIHASアダプタで変換。中心シャープだが周辺甘い。基本35mmカメラ用?
○☆☆☆300mmf4:パンテレキラー:Kilfitt社製。M39ミラーボックスマウントからKilfitt KIHASアダプタ変換。またはWEHAアダプタ。
×4★180mmf5.5:テレクセナー:Schneider社製。小型だがずっしり重いレンズ。
×4★240mmf5.5:テレクセナー:Schneider社製。細身だが長く重いレンズ。
○5★300mmf3.5:テラスタン:Astro社製。サンニッパ並みに大きい。開放はハロで柔らかいが解像力は良い。
○☆☆☆180mmf2.8:ゾナー:東独ツァイス製。ハッセルアダプターで装着。性能は良いが曇った個体が多い。
○☆☆☆300mmf4:ゾナー:東独ツァイス製。ハッセルアダプターで装着。性能は良い。
比較的望遠系が多い印象。キルフィットアダプター(M39のKIHAS、WEマウント)は他にも対応レンズが多い。またカリガー240mmも使用可能だろう。
eBayにはアポランサー105/4.5,アストロパンタッカ-125/2.3が凄い価格で出品されている。


当時最先端の逆望遠型設計で、開放f値が暗く抑えられている反面、同時期に小型化された標準レンズ、後期型のテッサー80mmf2.8と同程度のサイズです。
後の500Cに供給された最初期の60mmf5.6とは、スペックは同じですが設計が異なり、500C用はシャッターが組み込まれた分だけでなく、ガラス部分も大型化している別のレンズです。
逆望遠型としては最初期、他社同様に既存の構成(この場合4群5枚)の前方に大きな凹レンズを配置したプリミティブな設計ですが,口径を抑えているためか開放から大変高性能で,ほぼ画面全域でコントラストが高くシャープな像を結ぶため、開放でも実用的です。
最短撮影距離20インチ:50cm


エクターよりも短く、少し太め。プリセット絞りは軽く動作します。
レンジファインダーコンタックス用の85mmf2にも通じる、開放からコントラストがあり解像力が高く先鋭な画質です。500C以後中望遠は150mmf4に置き換わりましたが、Sonnar150のような開放からカリカリシャープでなく、心地よい柔らかさを感じます。
私の1600/1000Fレンズラインの中で最も描写が気に入っている一本です。
最短は1m、まずまずのクローズアップができます。
1600/1000F純正の基本フィルター径はシリーズ7:54mmx0.75で,Ser7用アクセサリが使えますが、今の機材を使いたければ54-55変換リングを用います。


250mmf5.6は1600/1000Fレンズラインの中で、唯一500C以後にもそのまま継承されたレンズデザインであり、多少の改良はありますがハッセルブラッドでは最後モデルのCFEレンズ、あるいはローライ6000用PQSレンズまで受け継がれました。
描写力は他のレンズと全く傾向が違い、開放から甘さは皆無の全画面抜群の解像力、コントラストで、さすがのちに継承されただけのことはあります。
鏡胴はのちのモデルと違って単なる普通絞りですから、細くコンパクト。
持ち出すのにありがたいところです。
最短撮影距離:2.5m まずまずのクローズアップ距離です。


ごく一部ですが紹介します。
ツァイスは戦前からコンタックス望遠レンズ用のレフボックス:フレクトスコープやパンフレックスがあり、戦後も東独を中心に、そのマウントを基準にしてM42やExaktaに対応するマウントアダプターがありました。
どこの製品かわかりませんが、中判に対応するマウントがあります。
ペンタコンシックスとハッセルブラッド1000F用はあるようです。他にもあるかもしれません。
戦後型Sonnar 180mmf2.8 T(東独製、プラクチナマウントを流用)
大変重いレンズ。プリセット。
三脚マウントの先からネジ(フレクトスコープマウント)で外れます。300mmf4は三脚マウントを残して後ろが外れます。


1950年代ベルリンで操業していたPiesker社の Tele-Votar 250mmf5.5
純正ゾナー250/5.6よりもかなり小型です。
性能は純正を上回るものではなく、逆光にも若干弱い印象です。


キルフィットの基本マウントは、ミラーボックスのキラーフレックスに対応したM39x1の2種と、新型のスクリュースピゴットのWEマウントがあり、1000FにはM39用のKIHASアダプターと、WEのWEHAアダプターを使用します。
M39マウントのKilar 150mmf3.5は、モナコのグレース王妃がハッセルブラッドにつけて使用している写真を見たことがあります。
実写では、開放から蹴られはありません。中心付近の像は開放からしっかりしていますが、周辺に行くに従って甘くなり、全体を引き締めるにはf16程度まで絞る必要があります。
元来は35mmカメラ用なのかもしれません。
最短撮影距離:1.5m
キルフィットM39マウントは、マクロキラー90mmから、フェルンキラー400mm、スポーツレフレクタ-500mm,1000mmなど多数があり、おそらく一部の短焦点テレタイプ以外は6x6カバーできるでしょう。


35mmカメラ用:M42やExaktaマウントではよく見かけるレンズですが、1000F用も供給されたのですね。
暗いテレタイプなのでかなりコンパクト。でも真鍮製でずっしり重い。
普通絞りです。
最短3.5mより少し近くまで回りますが、いずれにせよ遠い。
描写は開放からシャープですが、解像力はそれほどでもない印象です。フィルムで使う限りはそれほど問題にならないでしょう。


私が知る限り、WEHA: ハッセルブラッド1000F, WESI: プラクチシックス/ペンタコンシックス,WERI: リトレック66/ノリタ66がありました。他にもあるかもしれませんが、販売時期を考えると、新しい日本製カメラに対応しているものはないかもしれません。
WE用レンズも、M39同様に多数がありますが、恐縮ながら画像がなかったのでWESIマウントでKIEV88につけたマクロキラー90mmf2.8を提示します。
マクロと名がついたレンズは、1000F対応では唯一かもしれません。


戦前から明るい望遠系レンズを中心に製作していたアストロ社。
中判カメラを含め様々なマウントに対応していたようです。固定マウント。
300mmf3.5は6x6望遠としては大変明るく、サンニッパに近いボリュームです。
ハッセルブラッド1000F用は、あまり人気がなく大して高価でない価格で並んでいました。あるいは場所取りだったのかもしれません。
4枚構成とアストロのカタログにあります。パンタッカーと同様4-4のようです。
立派な叩き出し外装のトランクケースに収まっていました。
画質は四隅まで均一で解像力が高い。全体にベーリンググレアが掛かるのかコントラストが低めです。
購入後、Zeiss OptonのSonnar250/4を入手、スペックは大きく変わらず、Sonnarの方が圧倒的に小型なので、テラスタンを持ち出すことに躊躇してしまいます。


サイズはf5.6とほとんど変わりませんが、重く,口径72mm分先端が太くなっています。最短撮影距離は同じ2.4m
描写は開放付近では柔らか目ですが、端正に解像しており、絞るとコントラストが高くなります。
左f4、右f5.6


RFカメラの最短撮影距離を補う「オートアップ」
その対応機種は膨大で、到底個人では追い切れません。
普及品珍品取り混ぜて、個人が所有している個体をここで積み重ね、わずかでも全貌に迫ろうという提案を致します。
基本的にはプレザント社製の「Auto-Up」を対象にしますが、同様の構造をもつ他社製品もその発展の参考になると考えますので、例えばLeitzのnooky、ZeissのContatest、VoigdlanderのProximeterなども紹介頂いてもよいのではないでしょうか。
パールは従来型とIV型でベッドを開く方向が変更され、従来型用のオートアップでは取付時に干渉します。
日浦様はフィルターを間に挟むことで問題をクリアされました。
専用品も存在します。クランプスクリューヘッドがベッドと反対側に設置され干渉しなくなりました。
No1はフィルターリングが黒く,1mから50cmまで
No2はフィルターリング銀で,60cmから43cmまで対応します。


しかし前玉回転フォーカシングではプリズムも一緒に回転してしまい、焦点合わせ不可能です。
コンテッサ用はセパレート型で、折りたたまれたアームを伸ばしてスクリューで固定したプリズムをアクセサリーシューに前から装着、別パーツのクローズアップレンズをレンズ前に取り付ける構造です。
そのため、往々にしてクローズアップレンズが紛失され、プリズムだけがジャンクで出てくることになります。
どうも完品の写真を見ると、なくさないようコードで繋がっているように見えるのですが...
他方コンテッサには専用クローズアップシステムであるContameterが存在し、50cm、30cm、20cmのクローズアップレンズ「PROXER」があります。
またコンタフレックス用Proxerも装着可能で、これは1m,50cm,30cm,20cmがあります。
レンズ欠品のオートアップを見付けても、Auto-Up1には1m、2には50cmのプロクサーを組み合わせることで容易にシステムを再構築できると考えました。
コンテッサ用のオートアップ1と2の違いは、
対応撮影距離が,1は100-56cm、2は50-33cm
焦点距離によるプリズムの度が違うため1より2の方が分厚くなっていること、
1のほうがプリズムの窓が大きく、窓の端にパララックス補正指標と思われる三角の指示板が出ています。(写真左の端の方)
2は窓が上下に狭く、パララックス補正指標はありません。
コンテッサのファインダーはブライトフレームやパラ補正指標がないので、オートアップ側で対処しているのでしょう。


これはニコンSシリーズの標準レンズが回転繰り出しだからです。
アタッチメントはアクセサリーシューに装着し、畳まれたプリズムを正位置にネジで固定します。
私はS2を持っていないのでS3で代用しました。両者のファインダー/RF窓位置関係は同じはずです。
しかしファインダー視野下部が少しけられることになりました。これはS2ではちゃんとカバーしているのか、S3と同じ事になるのか不明。
距離計は合います。


被せ型よりも光軸は合わせやすいのではないでしょうか。
さて精度ですが、1mと最短でテストしてみました。お恥ずかしいですが画像全体を見せるため散らかった周囲もお見せしています。
上はボディ無限遠、距離1m、下はボディ最短、距離およそ50cmで、チャートの中心、黒白の雲形図形に距離計を合わせています。
1mでは、ニッコールS・C5cmf1.4開放はあまりにボケボケで明瞭な焦点位置が判別不可能なのでf2.8に絞っています。中心に合焦していると思います。
50cmでは明瞭に開放f1.4から中心に合焦しているのがわかります。絞るとどんどんクリアになりますが焦点移動は感じられません。
実用的には充分な精度ではないかと考えます。


ただしf2はフィルター径40.5mmです。
43-40.5ステップアップリングという手もありますが、手元にあったφ40.5のクローズアップNo1(ケンコー)を試してみました。
見事に外れました。50cmだけお示ししますが1mでも1-2cm後ピンで外れています。
やはり純正の組み合わせのほうが良いのでしょうか。皆様も非純正の組み合わせではまずテストをお勧めします。


オートアップ純正レンズが欠品で、No2にはツァイスイコンのコンタフレックス用0.5を流用しています。
中央部に毛虫が居ます。肉眼では見落としていました。ツノマタタケとよく似た色合いですが菌を食べるのか偶然居合わせただけなのかわかりません。
白いカワラタケと黄色いツノマタタケ
Contessa 35, Tessar 2,8/45mm, f11, 1/250, Auto-up No2, Proxer0.5, Iso100nega


社外品(プレザント)OEMなのか、キヤノン製なのか、どうなんでしょうね。
これはV, VI, L, P, 7などの後期型用、本体のファインダーが大きくなったのでそれをカバーするレンズも大きくなっています。
レンズも後期の寸胴タイプ48mm径のキヤノン50mmf1.4用です。
左900、右450。焦点距離が名称になっていて、マスターレンズ無限の時フィルム面から上記のミリ数距離に焦点が合います。
(訂正:キヤノンのクローズアップレンズは、フィルム面ではなくレンズ先端からの距離を表示していました。)
900はマスターレンズ最短1mを丁度カバーし、マスターレンズ1mで約50cm程度まで接近でき、日常使用には十分です。
450はマスター1mで20cm近くまで寄れ、RF機には分不相応な拡大になりますが、VIでは距離計の光路が最短で蹴られてしまうようで、若干非実用的という印象です。
(追記:以下ナースマン様からこれはキヤノン7用であるとご指摘を受けました。確かに7なら50/1.4+450最短でも距離計像はけられません)
手軽にRF機でも近くの撮影が可能になるのは面白いですが、SLRが主流になりつつある時期にどのくらい売れたのかなあ..
他にも巨大な50mmf1.2用、一般的な50mmf1.8用、35mmf1.8用を見かけます。
追記)35mmf1.5は専用品ではなく、この900と450を共用します。


56年のオートアップVに、35mmF1,8の物は有ります。35mmF1,5は58年発売。これ以降の物ですね。
7時代のオートアップはそれまでの物とは別物ですね。
レンズの外径が、42,50,57mmの物があるようです。
ねじ込み固定なので、汎用できるとの記載がある。
但し、あくまでも7用のオートアップ。Yでは、ファインダー位置が合わないかも?


流石にその時代のカタログは見たことがない。これは多分50径のもの。
7用なのですね。では一度450を7に付けてみましょう。


もとは、インチ規格(22〜40in)なものを、cm表示しているようです。


なるほど900、450ともに前モデルの1型II型と焦点距離は変わらないわけですね。
すると名称はフィルム面からの距離ではなくレンズ先端からの距離と考えた方が良いかもしれません。
(80年の雑誌でキヤノンクローズアップレンズ240と450(一眼レフ用)はレンズ先端から被写体までの距離を表すと記載されていますので、おそらくオートアップの頃からそういう表記になったのでしょう)
キヤノン7+50mmf1.4では450最短でも距離計二重像はきっちり見えました。
VIと窓の位置が違う差が出たようです。
35mmf1.5は、フィルター径48oと50mmf1.4と同じなのでそのまま900,450が装着できました。
7のブライトフレームがオートアップ枠で少し蹴られますが概ね実用可能です。
また35mmはVIでも距離計像が蹴られませんでした。
ちゃんと距離計が合うかどうかテスト中です。
(追記:50/1.4,35/1.5とも開放から非常に精度良く合焦していました。無限,3m,1mでテストして,最短では開放からf2.8で5mm程度ずれることもありますが手持ち撮影の誤差のようです。確実を期すならf8より絞れば確実でしょうが、開放付近で浅い深度を得ることも可能な精度でしょう。)
画像:キヤノンVI, 35mmf1.5、オートアップ450


拙宅にもありますのでちょっとだけ触れます。
オートマットIIにも適合し、大変手軽に接写が楽しめます。
開放でもこのとおり、高精度で信頼できます。
Mamiya6 automat II, Sekor 7.5cmf3.5 開放、1/30,Iso400ネガ(フジプロ400)


1mから50cmまでの距離で撮影できます。
こちらに示す49mmはC35FD用、他にC35用46mmがあります。
距離計連動カメラでないと、距離合わせはできません。
この後フラッシュ内蔵C35EF「ピッカリコニカ」は目測機なので、オートアップではなくテレスコピック三脚を内蔵しフラッシュデフューザーつきのクローズアップポッドが供給されました。
余談ですがC35FDはストロボのフットを差し込むとシュー内のピンが押されてフラッシュマチックになります。
距離に応じて絞りが変化し、フラッシュのGNとフィルム感度をセットすると適正露光されます。
C35FDのGN目盛は7から56まであり、プロ用ストロボでも対応するところがたいしたもの(ASA100でGN28のストロボならASA400でGN56になりますが)
多分GN30くらいにセットしておいてGN10くらいのストロボを焚けば、接写でもうまく調光するのではないかと思うのでテストしてみます。


戦後コンタックスIIa、IIIa用の簡易接写装置。
1mから50cmまでをカバーする。
外バヨネットを利用して、距離計とファインダー窓の前に偏角プリズムを設置する。同時にレンズにプロクサーをネジ込む。
原理はオートアップと同じだが、専用機だけにスマート。
レンズを付けたままでも装着可能。


原理はオートアップと同じである。
面白いのはI, IIを重ねて装着出来ることで、Iは1m-50cm,IIは50cm-33cm、I+IIで33-20cmまで接写出来る。
こちらはスーパージレッテに専用品を装着した。右に旧型のカラート用を置いた。
カラートの距離計・ファインダーはジレッテより横長なのでプロキシメーターのサイズも大きい。
スーパージレッテにはカラート用も装着出来る。その逆はできない。




そして、このオートアップはリコー500G/GS/GXに流用できるという報告を見かけたので、試してみました。うまく使用できます。レンズ前枠(内径、外径)が同じで、ファインダ・距離計の配置もほぼ同じためです。前から見ると、距離計窓はオートアップの補正レンズの下よりになりますが、蹴られず、問題なく使用できます。リコーエルニカFでも使用できます。
初期のオートアップとは異なり、クローズアップレンズ側にはコーティングが施されています。500G/GS/GXは露出計連動のフルマニュアルカメラとしても使用でき、写りも良好ですが、このアクセサリが使えることで、一気に一軍入りとなりました。


ブラウン パクセッテ
ドイツ ニュルンベルグのカール・ブラウン・カメラヴェルク社が1950年代から発売していたリーフシャッター35mmビューファインダーカメラ。
パクセッテIIからM30ライカマウントと同径ながらフランジバックがM42とほとんど同じのレンズ交換式になり、プアマンズライカと称される。
次々に改良・機種変更を続け、また似た形状で距離計連動と非連動距離計があるので正直訳がわからないし、追い切れない。(年表:ttp://www.collection-appareils.fr/Timeline/frise.php?Marque=Braun)最終的にはシンクロコンパーヴァイトのSLRまで進化した。
モデル名には以下のような命名法則があるようだ。(ttp://www.ukcamera.com/classic_cameras/braun1.htm)
I:基本モデル。レンズ固定、距離目測。
II:スクリューマウント交換レンズ
B:露出計
F:フラッシュ内蔵
L:レバー巻き戻し
C:コンパーシャッター(普通はプロンターSVS)
L:ブライトフレームファインダー
LK:露出計+コンパー
M:非連動距離計
Auto:自動露光
拙宅にあるのはレンズ交換距離計非連動のIIM(1953)と、レンズ交換距離計連動のスーパーパクセッテII(1956)、ブライトフレームRFのIIL(1956)、それにセレンメータがついたIIBL(1957)です。
利点:小型軽量。時代を追う毎に機能を追加され肥大していくのは他社同様だが、基本構成は同様で特に左右が小さい。
シャッターが丈夫。無理をしていないプロンターは経年変化があっても、少なくともネガフィルムなら十分精度。
セルフコッキングは便利。
スクリューマウント交換レンズは純正のシュテーブレから、ツァイス、シュナイダー、シュタインハイル、エナ、ロシュラインなど種類が多く、ライカ用の同じ銘柄より安い。
欠点:左右が小さすぎてちょっと持ちにくい。
ストラップアイレットがないので持ち歩くにはケースが必要。
距離計基線長が短いので精度はそれなり。でもそんなに精度を要求するレンズはない。
プロンター最高速は1/300。でも絞り込まないと性能が出ないレンズが多いので高速があってもしかたない。
造りがあまりよくない。内部機構が洗練されていないので修理者泣かせ。
初期型は交換レンズに外付けファインダーが必要だが、フィルムカウンターが隠れるけど良いのか?
フランジバックが長いので広角は35mmが限界。ビハインドシャッターなので後玉径が制限され設計制約になる。
写真:ブラウン スーパーパクセッテII シュテーブレ・カタ45mmf2.8(3枚玉)、ブラウンズームファインダー付、シュテーブレ・コロ38mmf3.5、同テロン85mmf5.6
レンズ後端には全く連動部がなく、潔いくらいです。
標準広角はまあ目測でいけるでしょう。
85mmまで非連動なのはびっくりですが、f5.6と暗く、遠距離は目測でいけます。
この望遠焦点距離がこのサイズというのは非常に貴重です。
全部3枚玉で、それにしてはヌケが極端に悪く(わたしのヤツは状態が悪いのかも知れないけど)、実用に躊躇しますが、3枚玉同士で較べたら大手シュタインハイルのカッサーよりカタのほうが周辺画質が高かったり、健闘してはいます。
画像:シュテーブレ・カタ(Staeble Kata)45/2.8 後部。ビハインドシャッターに入れるため後玉は細い。


ただしパクセッテはワンタッチで開くのではなく、底蓋中央の大きなネジをぐりぐりと回して外します。ちょっと手間。そして出先でのフィルム交換は、巻き戻しの後まずケースからボディを出して、さらにボディの底カバーを外してどこかに置いて、ということで結構うろたえると難しい。
フィルムカウンターは装填後でもゼロ指標に合わせることは可能。


シュタインハイルの35mm用単体ファインダー(CascaIIやLeica用と共通?)、シュタインハイルターレットファインダーなどが知られています。
勿論ライカ用も使えます。
純正にはStaeble製Braun Universal Finderがあります。
35/38,45/50,85/90の目盛りがあり、ズームと言っても視野マスクが変化し像の倍率が変わるわけではありません。
これIIに装着するとフィルムカウンターを完全に隠してしまうんですよね。


倍率は0.6くらいで、基線長も短いので長焦点には精度不足ですが、先の外付ファインダーの不便さを払拭しました。
軍艦部は大きくなり、巻き上げ/巻き戻しはそれぞれ軍艦部基部に埋め込まれたレバーによります。
シャッター廻り、フィルム廻りはIIと同じ。後のIIよりだいぶ大きく見えます。


露出計はスマートに内蔵され、IILと殆ど外観、サイズ重量が変わっていません。
マルチフレームの恩恵は、交換レンズを装着したとき使い勝手が変わらないことでわかります。
Staebleは距離計連動機にLineogon35/3.5という4枚玉を供給しました。
オールアルミで吹けば飛ぶKata, Choroと対照的な、真鍮クロームメッキの重厚感。
非連動3枚玉のChoro38/3.5と較べて、圧倒的にクリアなコントラスト、開放からある程度整った画質、f8に絞れば高価なレンズにも劣らない尖鋭さになります。
Kata やChoroの低画質は、低コストのためで、4枚使えればここまで出来るんだというStaeble設計陣のガッツポーズが見えるようなレンズです。


それでも、開放f2の標準レンズが3種ラインアップされました。
Roechlein Luxon 50/2
Steinheil Quinon 50/2
Staeble Super Ultralit 50/2
これが最大口径で、2を切る明るさのレンズはありません。
ビハインドシャッターの制約で、後玉径が小さい。特にLuxonはかなり絞られて見えます。
ロシュラインと読むのでしょうか、所在はライツと同じ街ウエツラー。他に極小135mmf5.6テレナーがあります。ルクソンの描写は破壊的。ハロ、周辺光量低下、流れ、収差のオンパレード。
開放性能は、初期ライツレンズの中でも収差が多いXenon50/1.5の開放よりもっとほわほわです。
しかも絞っても全然良くならない所が凄い。といって面白がれるのは幸福で、当時高級レンズ(低価格だったでしょうけど)として期待して購入したオーナーの吠え面が目に浮かびます。
Quinon50/2は老舗スタインハイルの有名銘柄だけに、そつがない高画質です。開放はそれなりにハロがありますが割に高解像で、L39のズミクロンとあまり差がない。絞ると非常にシャープになる優秀なレンズです。
ネット情報によれば、L39版はSonnar型だがPaxette用はGauss構成だとか。
アルミ鏡胴で大変小型軽量です。常用にしてもいいと思わせます。
Staebleがモデル後期に供給したスーパーウルトラリット、二重の形容詞なのでさぞ自信作なのでしょうが、見たこと有りません。
左シュタインハイル キノン、右ロシュライン ルクソン


このふたつが高性能の双璧ではないでしょうか。(ツァイスの方は未経験ですが)
Xenar 50/2.8
よく知られた銘柄で、レチナ他多くのカメラに装着されています。
Retina IIIs用よりすこしだけコントラストが低い気がしますが、性質は共通し、非常にシャープです。
真鍮クロームメッキの重厚なレンズ。重いのでパクセッテの軽快さを少しスポイルするかと思いましたが、たいした事はなくスナップや風景に活用出来るでしょう。




DeJUR D-1(1955)
米国カメラ販売会社DeJUR−AmscoがドイツNeidigのパールックスIIのOEMで販売したシンプルな35mmビューファインダーカメラ。
デジュアは人名で、デジュリスタンダードとは関係ないのよ...まあ少しは意味づけしてるかもしれないけど。
ブラウンパクセッテと同じマウントを採用しレンズ交換式。
純正レンズはパクセッテと同じくシュテーブレのカタ45mm、コロ38mm、テロン85mm。
ファインダーは45mm視野。交換レンズは外付ファインダーで対応する。(ネット写真だと単純な広角ファインダーにマスクを被せるみたい)
後にナイディッヒの非連動距離計機パールックスIIaのOEMであるDeJUR D-3が1957年に追加された。
ダイキャスト一体型で左右が短いおむすび型ボディ。見た目より重く、握りにくい。ストラップアイレットがなく速写ケースが必要なのはパクセッテと同じ。
外からは見えないが、1/25から1/200とBのシャッターはプロンターらしい。
巻き上げはレバー2回。巻き戻しはノブ。フィルムカウンターは順算手動。
裏蓋は開け方をよく練習しておかないと、いざという時困るかも...
ナイディッヒのほうは見たこと有りません。


デジュアはシンプルです。
操作感触は、安っぽいパクセッテよりさらにさらにさらに安っぽい。
でも写ります。
これクセナー50mmf2.8をf11に絞ってます。写らないわけ無い。
T-Max400, フジドール25度3.5分


プリモプランの設計者が興した会社なのであってもおかしくありませんが。
私の評価は、今でもボッケボケの糞玉スカラベ君という事はかわりがないですが、Primoplanが再生産されてびっくりの昨今、ちょっぴり大切にしないといけない気分になりました。


ブラウン パクセッテ以外の他社にはほとんど供給されていない(M42やExaktaは極めてレア)ため、
聞き慣れない会社かと思いますが、1950年前後に、MeyerのPrimoplan
やTele Megorなどを設計したStephen Roeschlein氏が創業したメーカーだそうで、
時々パクセッテM39マウントのレンズを見かけます。
左から、E-ルクソン50mmf2、テレナー135mmf5.6、テレナー90mmf3.8です。
3本に共通したローレット加工デザインの白色アルマイト、シンプルな回転ヘリコイドで軽量ですが、
ルクソン以外は距離計非連動、目測レンズです。
いずれもビハインドシャッター対応のため後玉が細く絞られており、設計に困難をきたしたと想像されます。
そのためかは断定できませんが、描写はいずれも先鋭度が不足しており、絞っても先鋭にならず四隅に蹴られが
生じることがあります。
ただし、4つ切り程度の拡大率ではほとんど問題がない先鋭度かと思います。


周辺は色収差が多く甘い描写。絞り込んでもそれほど改善しません。
最短0.9m
テレナー135mmf5.6は、135mmとは信じられないほど小型軽量、f5.6と控えた開放f値のため高画質を期待しますが、
中心付近は鋭くないまでもまずまず程度、周辺は崩れはないが非点収差と色収差で甘く、
絞っても多少コントラストが上がるだけで改善効果は低いです。
最短2.7m
テレナー90mmf3.8はこのなかでも仕上げが良いレンズで、比較的高級な商品位置と想像されます。周辺描写はしまりがなく、
崩れやボケはないものの、非点収差や色収差が目立ち、絞り込み効果はあまり期待できません。
最短1.5m
ところで90mmf3.8を目測で使用するのは大変心許なく、特に最短付近は問題です。ところが非常に興味深いことに、
距離計連動機パクセッテBLに装着すると、ヘリコイド位置に関わりなく距離計二重像は1.5mに合致します。
これはテレナー90mmの最短撮影距離に一致しており、意図的かどうかは不明ながら、ポートレートが安心して撮影できるでしょう。
テレナー135mmも同じようなギミックがないか試しましたが、レンズ装着しない時と同じ二重像なので、135は完全目測です。
135/5.6は極めて小型なので、30年ほど前にCLの登山用望遠に検討しましたが、先鋭ではなかったので売却してしまいました。
本年再購入したのは、甘くても許せる気持ちが持てるようになったためです。


レンズ交換式で連動距離計と非連動露出計を搭載したスーパーIIBになります。クセナー50mmF2.8が付いていました。プロンターSVSシャッターや巻上げ、巻き戻しレバーが背面に出ているのはれんずまにあ様のIILと同じですね。ブライトフレームは無しです。軍幹部から水平に突き出ている露出計の押しボタンを、ストラップ取付金具だと勘違いしていたのはナイショです。
無理やり全高を上げて露出計を内蔵したためか、いささかバランスの取れていないデザインかと思いますが如何でしょう。それで人気が無いのか、ネットでもあまり見かけることがありません。
私の機体はファインダーにカビ、距離計にズレ、絞り羽にグリスべっとりと状態が悪く、評価は難しいです。絞って目測で使用しています。
独語の取扱説明書は購入店に別売りで出ていたもの(余計な出費)。
初代オーナーの書込みがあちらこちらにあって興味深いです。別売りオプション品のリストにアンダーラインが引いてありました。広角と望遠のレンズ、フラッシュが欲しかったようです。
可愛いシステムカメラでときどき使ってあげようと思ってます。


れんずまにあ様のDeJURの記事を見ていてハッと気づきました。ウチにもあります。
1960年発売のペトリハーフのDEJURE向けOEMカメラです。緑色のファインダー窓やトリガー巻上げが個性的なハーフフレームカメラ。トリガーの内部機構に短いチェーンが使われていることでも有名です。
レンズはオリコール28mmF2.8、シャッターはペトリ自社製のカーペルS、とバッジ以外はペトリハーフと同一です。
緑色のファインダーは案外見易いのですが、この機種は後群レンズがクモリ易い持病があり、当機もその病に侵されていましたので撮影結果は散々でした。
DeJURの販売していた商品で製造元の社名が商品名に記載されているのは珍しいそうで、これは発売当時すでに栗林写真機製作所が米国内に販売ネットワークを持っており、ペトリの名が認知されていたためかと想像されます。
ハーフサイズカメラは大好きで良く使っていますが、ペトリは持っておりません。
大変貴重なカメラのご紹介ありがとうございます。


以前投稿した写真にオプション品の頁を混ぜるのを忘れていましたので追加します。
ChoroとTelenarというレンズはれんずまにあ様の写真で拝見しましたが、他のレンズはビックリするほど馴染みのない名前です・・
それと、レンズの下2行目にユニバーサル-プリズムファインダー(google翻訳による)の記載があります。それってどんな物なんでしょう、想像がつかないです。
Quinar もまた、ミュンヘンの Steinheil のブランドだったかと思います。Westron はゲッティンゲンの ISCO。
いずれも Carl Zeiss, Rodenstock, Schneider, Voigtlander など一流ブランドに次ぐポジションにあったようで、おっしゃるように知名度はかなり低いように思います。私は、Balda の Super Baldax のトップレンジのレンズ Enna Ennit や、KW の Pilot Super の Enna Ennatar は持っていますが、他は持ってない気がします。時代によりほかのレンズメーカーの傘下に入ったりとあるようですが、このあたりの情報もあまり見ませんね。
日本にもレンズ専業ブランドで Tamron, Sigma, Tokinar などがあり、さらにそれよりマイナーな存在として Komura とか Sun とかありますが、そのあたりに近い存在かなあ?などと思ったりもします。ただしカメラにブランドを冠しつつ純正装着されている点は違うのかもですね(日本でも、ブランドが表に現れないレンズ専業メーカーや部分加工のメーカはたくさんあったようですが、銘板に刻まれないと、一般には全く知られない存在になりますね。)


そうなんですね!ISCO-GOTTINGENとSTEINHEIL-MUNCHENと言われればM42レンズで見たことはあります。それらメーカーの立ち位置も何となく理解できました。ENNAは・・うーん、ドイツ物はまだまだ勉強不足です。
ありがとうございます。