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リンホフテヒニカ23(6x9)

初めまして,「狸おやじ」の名で投稿いたします。
誰か投稿していただけないかと待っていましたが,なかなか出ませんので自分の体験を基にご報告したいと思います。25年程使ってきた古い中判カメラの備忘録です。大分昔へっぽこ親爺様のサイトに掲載されたぺんこたん様の名解説を思い出しつつ,私自身の経験も含めて書いてみます。私は写真の専門家ではなく,他社の製品にも詳しくないので,間違いや勘違いもあると思います。その点,ご遠慮なくご指摘ください。

Technika 23は,ドイツのリンホフ社(Linhof Praezisions-Systemtechnik GmbH)が1934年から2003年まで製造販売した中判のテクニカルカメラ(テクニカルフィールドカメラ,プレスカメラ)。大判の(マスター)テヒニカ45より一回り小さい縮小版で,「ベビーテヒニカ」とも呼ばれる。特徴として,レール内蔵の前蓋とレンズ部を箱型の本体に収納して持ち運べる利便性と,レンズボードとカメラバックのフィルム面を独立に動かすムーブメント(アオリ)の機能を併せ持つ。収納式でアオリができる高機能金属製カメラとして,"Technische Kamera = Technika"と名付けられ,テクニカルカメラの嚆矢(原型)となった。総金属製で頑丈に作られ信頼性が高いが,その分他の中判テクニカルカメラ(センチュリーグラフィック,ホースマンVH等)と比べて重量が重い。

画面の基本フォーマットは6x9 cm(2x3インチ)。カメラバックの120フィルムホルダー(Super Rollex 23)を交換することで,6x6と6x7 cmのフォーマットにも対応する。大名刺判(6.5x9 cm)と小名刺判(2.25x3.25インチ)のシートフィルムも利用できるが,現在はフィルムが入手困難(No.2063参照)。

狸おやじ 2019/08/20(Tue) 21:01 No.1556 [返信]
モデル
モデルは販売時期に応じてIからVまで:

・ テヒニカ I 23 (1934-37) :最初のテクニカルカメラ,Ur-Technika(*)。
・ テヒニカ II 23 (1937-45?) :フロントとバックのアオリ機能を強化。
・ スーパー・テヒニカ III 23 (1946-56) :スーパーは2重像合致式連動距離計内蔵型ビューファインダー搭載。黒色合成皮革張。
・ スーパー・テヒニカ IV 23 (1956-64) :バック交換がワンタッチ。ベージュ色合成皮革張。
・ スーパー・テヒニカ V 23 (1963-2003) :前期型はベージュ色,後期型(1972-)は黒色でライズ用のフラップ付。

この内,I-IIは現存する製品が少なく情報も少ない。現在中古で入手できるのは戦後に販売されたIII-Vとそのレンズ周辺が中心になる。IIIとIVはほぼ同じモデル。主な違いは後述するリボルビングバックの脱着で,IIIでは4箇所のラッチの開閉で行なうのに対し,IVはワンタッチのレバー操作が可能。外見上は前者は外側の合成皮革が黒色で,後者はベージュ色,ファインダーカバーにリンホフのマークがある。スーパーテヒニカIIIとIVは二重像合致式連動距離計内蔵型のビューファインダーを搭載するが,Vから距離計が横付になり,上部の別付ファインダーと分離し,大判のテヒニカ45と同じ構造になった。

レンズボードと距離計連動カムはIII-IVとVでは互換性が無い。レンズボード(82x74.5 mm)はテヒニカ23専用で,他の中判テクニカルカメラやテヒニカ45の「標準ボード」とも互換性がない。IIIとIVも完全な互換性はない。(IV型ボードはテヒニカIIIに付くが,III型ボードは下辺中央の凹みが無いのでIVに付かない。)テヒニカ23のボードをテヒニカ45に取り付ける場合,専用アダブターが必要。リボルビングバックも23専用だが,IIIからVまで互換性があり,テヒニカプレス23やテヒニカ70,テクニカルダン23等にも取り付け可能。(れんずまにあ様によると水谷製のアダブター(?)を介してグラフロックバックが装着可能とのこと。各自ご確認下さい。)

リボルビングバックには純正品や他社製品でハッセルブラッドVシステム他用のアダプターも販売されているので,将来的な中判用デジタルバックの普及を見越し,デジタル化を視野に入れたシステムの構築も面白いかもしれない。

以下では,私自身が使っているテヒニカIV23を中心に説明いたします。

*) テヒニカIは,2x3”(6.5x9 cm)判が最初に作られ,後に3x4”(9x12 cm)と4x6”(10x15 cm),5x7”(13x18 cm)判が追加された。4x5”(9x12 cm)判は,戦後のテヒニカIIIからの規格だが,Vの後期(1972年-)から名称が「マスターテヒニカ」に変わり,テヒニカ(I-V)から派生したモデルとして現在も販売が続いている。


写真:テヒニカ IV 23,レンズ: Super-Angulon 65 mm, ベッドダウンし距離計連動状態.

狸おやじ 2019/08/20(Tue) 21:15 No.1557
アオリ
テヒニカIV23は,1950年代から60年代にかけて生産され,テヒニカIV45と共にリンホフの名を世界に広めた中核モデルである。

IIIとIVは,アオリ(ムーブメント)の機能がIIより少し簡略化された。フロントのライズ(0〜50 mm),アップティルト(0〜15°),ベッドダウン(-15°)が可能。アップティルトとベッドダウンを併用することで,-15〜15°の範囲でティルトが可能。また,後部のロータリーバックの固定枠のロックを外し,上下左右に0〜10°まで引き出して四隅のノブで固定すると,バックスウィングとバックティルトができる(*)。このバックのアオリを併用することで,かなり自由なムーブメントが可能になる。シフトは構造上できないが,カメラを三脚上で90度傾けるとライズで代用できる。フィールドカメラとしては十分なアオリが可能と思われる。各固定ノブは強固に作られていて,一度きちんと設定すれば緩むことはほとんど無い。

Vではフロントのティルト(-15〜15°),シフト(-24〜24 mm),バックスウィングとバックティルト(0〜15°)が可能になり,Vの後期型からライズ用のフロントフラップが付けられた。

*) このバックアオリの「可動枠」(Schwenkrahmen)は,リンホフのニコラウス・カルプ(Nikolaus Karpf)が1934年に考案して特許を取り,その後のテヒニカの全モデル(テヒニカI-V,テヒニカプレス23,テヒニカ70,マスターテヒニカ45等)に搭載された。野外でも使い易いコンパクトなバックアオリの搭載が,テヒニカの人気の一因と思われる。


写真:アオリの設定例。テヒニカ IV 23,Symmar 105 mm。

狸おやじ 2019/08/20(Tue) 21:48 No.1558
レンズ
戦後から販売されていたIIIは,その堅牢性と操作性,そして連動距離計内蔵型のビューファインダーの性能に定評があったが,提供される専用レンズ(特に広角系)がやや不十分な状態であった。1956年に発売されたIVには,当時のドイツの光学メーカーが開発した新レンズが一斉に提供された。IVの取扱説明書に掲載された専用レンズは次の通り:

広角
・ Biogon 53 mm, f4.5, Compur 0
・ Angulon 65 mm, f6.8, Compur 00
・ Angulon 90 mm, f6.8, Compur 0
・ Super-Angulon 47 mm, f8, Compur 00
・ Super-Angulon 65 mm, f8, Compur 00
・ Super-Angulon 90 mm, f8, Compur 00

標準
・ Planar 100 mm, f2.8, Compur 1
・ Tessar 105 mm, f3.5, Compur 0
・ Xenar 105 mm, f3.5, Compur 0
・ Xenotar 105 mm, f2.8, Compur 1
・ Apo-Lanthar 105 mm, f4.5, Compur 0
・ Symmar 105 mm, f5.6, Compur 00

望遠
・ Sonnar 180 mm, f4.8, Compur 1
・ Tele-Arton 180 mm, f5.5, Compur 0
・ Tele-Xenar 180 mm, f5.5, Compur 0
・ Telomar 180 mm, f5.5, Compur 0
・ Rotelar 180 mm, f4.5, Compur 0

上記以外の専用レンズ(IIIの取説に記載)
・ Heligon 90 mm, f2.8, Compur 1
・ Heligon 90 mm, f3.2, Compur 0
・ Color-Heliar 105 mm, f3.5, Compur 0
・ Color-Scopar 105 mm, f3.5, Compur 0
・ Tele-Xenar 240 mm, f5.5, Compur 1
・ Telomar 240 mm, f5.5, Compur 1

これら往年の名レンズの内,ビオゴン,スーパーアングロン,プラナー,ジンマー,ゾナー,テレアートン,ロテラーはIVの発売に合わせて開発された新レンズと思われる。アヴスの所で日浦様が指摘されているように,リンホフの依頼で製造された専用レンズと思われる。特にカールツァイスが製造したビオゴン,プラナー,ゾナーの3本セットは当時の最高品質とされ人気があったが,重く高価なレンズでもあった(1956年当時で3本とテヒニカIVのセット価格:$1245)。

これらの専用レンズはリンホフの工場で検査を受け,一定の基準を満たした物だけにリンホフ・テヒニカの刻印が入れられ市場に出荷された。リンホフの刻印の入ったレンズは「リンホフセレクト」と呼ばれ,光学的性能が一般のレンズよりも高いという評判があり,中古市場でも一定の評価を受けている。

********
補足(2023年1月11日追記)

テヒニカ V(1963年~)以降に追加された専用レンズ(Vの取説に記載):
・ Weitwinkel-Technikon 58 mm, f5.6, Compur 00
・ Super-Angulon 53 mm, f4, Compur 0
・ Super-Angulon 65 mm, f5.6, Compur 0
・ Super-Angulon 75 mm, f5.6, Compur 0
・ Super-Angulon 75 mm, f8, Compur 0
・ Technikon 100 mm, f2.8, Compur 1
・ Xenar 100 mm, f3.5, Compur 0
・ Xenotar 100 mm, f2.8, Compur 1
・ Xenotar 100 mm, f4, Compur 0
・ Symmar 100 mm, f5.6, Compur 00/0
・ Symmar-S 100 mm, f5.6, Compur/Copal 0
・ Sironar 100 mm, f5.6, Compur 0
・ Sironar-N 100 mm, f5.6, Compur/Copal 0
・ Apo-Lanthar 100 mm, f4.5, Compur 0
・ Tele-Technikon 180 mm, f4.5, Compur 0
・ Tele-Arton 180 mm, f4, Compur 1
・ Tele-Arton 240 mm, f5.5, Compur 1
・ Tele-Arton 270 mm, f5.5, Compur 1

この内,テヒニコンはローデンシュトックのOEMで,広角(Weitwinkel-)はグランダゴン,望遠(Tele-)はロテラーに対応する。標準のテヒニコン100 mmは,ヘリゴン90 mmの改良型と考えられる(リンホフ テヒニカ70, No.1927参照)。Vの標準の焦点距離変更に伴い,クセナー,クセノター,ジンマー,アポランターの焦点距離が105から100 mmに変更された。尚このリストでは,6x9 cmの画角をカバーしないレンズと,テヒニカ45用のレンズの一部を省略している。
狸おやじ 2019/08/20(Tue) 22:05 No.1559
距離計
上記のレンズは,53 mmの広角から180 mm(特注で240 mm)の望遠レンズまでカメラの距離計に連動させて使うことができた。

距離計に連動させるには,フロントベッド内のトリカムディスクという三角形のディスクを回転させ,使用するレンズの焦点距離の位置に固定する。トリカムディスクは使用するレンズに合わせて予め加工され,それぞれの位置にレンズの焦点距離とシリアル番号が異なる色(広角:黒,標準:赤,望遠:緑)で印字されている。フロントスタンダードをレール上の使用するレンズの「色」で着色された凹みの位置(無限遠)まで移動させ,クリックストップさせる。これで距離計がレンズの位置と連動した状態になり,手持ち撮影が可能になる。

特筆すべきは,大型のビオゴン53 mmとスーパーアングロン90 mmを除くほぼ全ての広角と標準レンズがカメラ本体に収納可能(*)なこと。予め使うレンズを取り付け,ディスクをそのレンズに合わせておけば,カメラを取り出して組み立てるだけで撮影体勢に入れる。これは中判テクニカルカメラとしては,著しい特徴だと思う。撮影が終わりレンズを収納すれば強固なボディーに守られ踏みつけた位では壊れない安心感がある。「融通のきかない過剰なまでの頑強さ」というドイツ製品の気概を感じる。

その分、コノヤロウ的に重いが...。

しかし,残念ながら現在は,レンズとディスク,カメラがバラバラになってしまい,3つが合致したセットを中古で見つけることが難しい。後からトリカムディスクを加工する有料サービスも,1990年代まではシュリロトレーディングやリンホフ本社で受け付けていたが,テヒニカ23のIII~IV型は2000年頃,V型も2021年頃に終了になった(2022年追記)。

中判デジタルバックが普及して距離計がいらなくなる日を気長に待つしかないというのが現状でしょうか。

*) 現在確認中(前口径x全長:52x60〜62x54 mmが収納可能範囲)。
狸おやじ 2019/08/21(Wed) 23:01 No.1560
雑感
私は25年程前に,欧州のスイスで中古のテヒニカIV23のセットを購入しました。

広角のSuper-Angulon(65mm/f8)と標準のSymmar(105mm/f5.6)の2本付でトリカムディスク調整済,ピントグラスバック,スーパーローレックスフィルムバック,グリップ,レンズフード,バッグ付きのフルセットでした。カメラ店の店主の話では,スイス人の所有者が購入後ほとんど使わずに保存していた品が売却されて出てきたとのこと。

スーパーアングロン65は,諧調が広くドラマチックな写りをするが解像度も高く線の細い描写もする魅力的なレンズです。プロの写真家にも愛用者がいるようで一時人気が出たレンズのようです。一方のジンマー105は,とても優秀な標準レンズだがやや面白みにかける。日浦様のアヴスの解説にあるように,00番シャッターで軽量コンパクトの割にイメージサークルが広い。持ち歩くには嬉しいレンズです。

私は,普段スナップを撮る時は広角のSA65をカメラにセットし,SM105はバッグに入れて交換用。余裕がある時は,後で買い足したテレタイプの望遠(180mmか240mm)1本をバッグに追加。ここぞという時だけレンズを交換して撮影するスタイルです。


写真:Matterhorn, Super-Angulon 65/8, f=16.

狸おやじ 2019/08/22(Thu) 20:45 No.1561
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
すばらしいスレッドを本当にありがとうございます。
この機種は憧れながら、なんとなく眺めていただけなので、系統立てて解説して頂くと誠に有り難いです。
戦前タイプは魅せて頂くと大変薄い作りで、戦後型のような投げても踏んでもへっちゃらそうなものではありませんが、これはこれで良さそうに見えます。
ただしアクセサリー入手性や交換レンズの自由度はやはり戦後型が有利です。

拙宅には蛇腹のLinhof70が2台あります。
最初の個体は距離計ファインダー部分が取り外された、ホースマンVHと同じようなジャンク、でも小型軽量でそれなりに面白いです。
2台目は、米国ショップが格安3本セット解説不十分で出していたもので、懸念がありましたが、勘で注文したら、当たりだったラッキーな品です。
レンズボードやグリップなどアクセサリーはVに準じるものです。
スーパーローレックス69で撮影するまで全く意識して居ませんでしたが、蛇腹でアパーチャーが規制され、6x7までしか写らない。これはぺんこたん様が以前ご指摘だった所、熟読していなかった愚か者です。

さて、貴兄の投稿で驚いたのがIVのSuperAngulon65取付方法です。
70も、65にはベッドダウンし内側レールをどん詰まりまで後退させるのですが、さらにバックとの平行をとるためフロントスタンダード内側をアップティルトせねばなりません。
IVでは、フロントスタンダードのフレームごとティルト出来るのですか。すごいことです。

画像:リンホフ70,スーパーアンギュロン65mm,ベッドダウン,アップティルト

れんずまにあ 2019/08/23(Fri) 22:28 No.1562
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
コメントいただきありがとうございます。
れんずまにあ様のご投稿はいつも色々なサイトで拝読し,大変勉強になり参考にさせていただいております。

Linhof Technika70は最高のカメラですね。構造はテヒニカV23とほぼ同じだが小型軽量,それに加えてファインダーのフレーム切り替えやパララックス補正もできて露出計も内蔵(!)された最高級機と記憶しております。くそ重い「金属塊」のIVを何度か山で放り出そうかと考えた腰痛持ちの狸おやじは,とても羨ましく思います。お時間がありましたら,是非専用のスレッドの解説をお願いいたします。

>IVでは、フロントスタンダードのフレームごとティルト出来るのですか。

広角のベッドダウン時に,フィルム面との平行を取るためフロントをアップティルトさせるのはIVも同じです。ただ,III-IVの場合,ティルトの軸がフロントスタンダードの基部にあるので,スタンダード全体が傾いてしまうのです。この場合,ティルトさせた時のピント位置の移動が大きいので少し厄介なのですが,何か構造上(強度?)の理由でこうしているのだと思います。そう言われてみると,ティルトしたIVは何か歪んだような不思議な形に見えますね。

V23からはテヒニカ70やテヒニカ45と同様に,ティルト軸がレンズの中心に移りました。

広角時のカメラの設定方法の説明を忘れていました。数日中にこの件についても投稿できればと思います。

あと,

>スーパーローレックス69で撮影するまで全く意識して居ませんでしたが、蛇腹でアパーチャーが規制され、6x7までしか写らない。

これはもしかしたら,蛇腹の問題(?)の様な気もします。

私の手許にあるTechnika70の使用説明書の表紙には,”Technika70, 6.5x9cm, 2-1/4x3-3-1/4in"と書かれています(*)。中の説明にも6.5x9cmのサイズのカットフィルムで撮影できると記されています。最後の対応レンズ表には,Planar100/2.8やXenotar100/2.8等の6x9cm対応レンズが記載され,例外的にPlanar80とXenotar80には6x7cmの制限がかかると注釈されています。

Linhofが説明書に嘘を書くとは思えません。もしかしたらですが,前所有者によって非純正品,あるいは他の6x7用の蛇腹に付け替えられている可能性があるように(??)思われます。

もし6x9cmで撮影できるようになったら素晴しいですね。

*) 参考資料:
http://www.cameramanuals.org/prof_pdf/linhof_technika_70.pdf
狸おやじ 2019/08/24(Sat) 10:22 No.1563
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
ご評価賜り、ご参考にして頂けるとはこんなに嬉しいことはございませんが、常に誤謬があると思いますので何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

Linhof70の件、貴兄に触発され作成を企んでおりますが、23のスレッドの出来が素晴らしすぎて、気を引き締めねばならないと自戒しております。

さて、やはりIVは、フロントスタンダード基部に軸をもつ、いわゆるベースティルトを行っているのですね。
Vや70はご指摘通り、光軸位置をティルト軸にしていますが、この状態でライズしようとするとフロントスタンダード枠が斜め前に出ますので、ピントの修正が必要です。
IVはそのまま平行ライズすれば焦点位置は変化しないと思いますので、利点が十分にあるのではないでしょうか。

テクニカルカメラは、ビュータイプと較べてアオリ操作はカメラの癖を承知の上で撮影者の体を合わせていくものなのでしょう。

ホースマンでは、65mmはベッドダウンしないかわりに、縦位置にするとベッド先端が画角に入ってくるため、5mmほどライズをかける仕様になっています。
三者三様、面白いですね。

> 広角時のカメラの設定方法の説明を忘れていました。数日中にこの件についても投稿できればと思います。

これこそ、皆様が一番知りたい、または想像もしていない所で資料価値が高いかと思います。大いに期待致します。
実は70を入手したときベッドダウンすることを知りませんで、まずディスク65ドットが黒なので黒ストッパーにして無限遠が出ない。内側レールに気付き引っ込めても出ない。こいつ調整おかしい、とストッパー位置を動かそうとドライバー出す前にふと画像検索掛けてみたら,ベッドダウン+内レールということが判明し,(ぺんこたん様から直接ご指導もしていただき)事なきを得た経緯が.
そういう愚か者を出さないためにも、ご説明をよろしくお願いしますm(_ _)m

>> 蛇腹でアパーチャーが規制され、6x7までしか写らない。
> これはもしかしたら,蛇腹の問題(?)の様な気もします。

私の個体は実測で蛇腹後部の開口部が6x7(限りなく6x8に近い)しかないのを確かめています。
弄った形跡は、私の節穴ではわかりませんでしたが、勿論改造という線は否定できません。
でも、ぺんこたん様も70についてはそのようにご解説です。
http://contarex.jugem.jp/?month=201011

1970年フォトアートでは、プレス70は6x7専用と書いてありますが、テヒニカ70はフォーマットが書いていません。
海外のサイトでは、56x72バックがセットであること、ブライトフレームは6x7プロポーションであることは記載されていますが、6x7までしか使えないとの記載は見付けられませんでした。

> 私の手許にあるTechnika70の使用説明書の表紙には,”Technika70, 6.5x9cm, 2-1/4x3-3-1/4in"と書かれています(*)。
> 中の説明にも6.5x9cmのサイズのカットフィルムで撮影できると記されています。
> 最後の対応レンズ表には,Planar100/2.8やXenotar100/2.8等の6x9cm対応レンズが記載され,例外的にPlanar80とXenotar80には6x7cmの制限がかかると注釈されています。

オリジナルの説明書は貴重です。
これについては実家にジャンクの70が仕舞ってありますので、幸いながら別個体を比較することが出来ます。
宿題にさせてください。

>もし6x9cmで撮影できるようになったら素晴しいですね。

はい,私実は6x9大好き、6x7嫌いなんです(笑)
れんずまにあ 2019/08/24(Sat) 23:57 No.1564
広角時の設定法
れんずまにあ様からご指摘のあった件で,広角レンズ使用時の設定法について補足説明をします。

テヒニカIV23では,短焦点の広角レンズ(47〜65mm)を使う場合,ベッドによる画面のケラレを防ぐ為に,ベッドを一段下げた「ベッドダウン」の状態で使用します。同時に短焦点レンズの固定範囲を拡げる為,ベッド上部のレールを本体寄りに一段「スライドバック」させます。この2つの設定を確実に行うには,以下の方法がお勧めです:

1. フロントベッド開放ボタンを押し,ベッドを標準の水平位置まで下ろす。
2. ベッド上のレール左前方にあるボタン(レールロック解除)を押してロックを外し,上部レールを本体方向にスライドさせ,本体のレールの位置まで一段(クリック点まで)押し戻す。
3. レンズスタンダードをレールに沿って引き出し,使用する広角レンズのクリック点(黒色)に固定する。
4. ベッドと本体をつないでいる2箇所の「タスキ」を押してロックをはずし,一段下げた「ベッドダウン」の位置に変更する。
5. レンズスタンダードのティルト調整ネジを全開まで回し,フィルム面とレンズボードを平行にする。

トリカムディスクが加工済みの場合,広角レンズはこの「ベッドダウン」+「スライドバック」の状態でのみ,距離計と連動します。(これを知らない為に,折角調整されたカムを使えないと思って捨ててしまったり,連動を崩してしまう人が結構多い。私は販売店の店員が知らなかったので,リンホフ本社に問い合わせ取扱説明書の写しを送ってもらい理解しました。)

ベッドダウンしてからレンズスタンダードを引き出そうとすると,角度の差があるので上手く移動できず,レールを削ってしまうことがある。上部レールを本体のレールの位置までスライドバックさせからスタンダードを引き出す方法は,広角以外のレンズにも有効で,この方法を知ってから,スタンダードの引き出しが簡単にできるようになりました。

この方法は,へっぽこ親爺様のサイトでぺんこたん様から教わりました。
ぺんこたん様ありがとうございました。
狸おやじ 2019/08/25(Sun) 10:36 No.1565
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
お返事いただきありがとうございます。

> IVはそのまま平行ライズすれば焦点位置は変化しない

そうか。これは確かに大きな利点ですね。今度早速試してみます。
れんずまにあ様の情報はいつもとても役立ちます。有難うございます。

> 私実は6x9大好き、6x7嫌いなんです

私も全く同感です。IV23の初期セットはフィルムバックが6x7で,好きになれませんでした。6x9のスーパーローレックスを別の店で見つけて購入し「世界が広がった」気がしました。

その時も,その店の店員には「このカメラでは6x9は撮れません」と言われました。でも私(狸)は人の話をあまり信じない質なので... 試したら撮れた(!)。
狸おやじ 2019/08/25(Sun) 17:58 No.1566
重量
カメラとレンズの重さを量ってみました:

a. IV23本体(グリップ,バック無し): 1660 g
b. アナトミカルグリップ: 297 g
c. ロールフィルムバック(SR, 6x9): 800 g
d. ピントグラスバック: 392 g

f. スーパーアングロン(65mm/f8): 286 g
g. ジンマー(105mm/f5.6): 143 g
h. ロテラー(180mm/f4.5): 463 g
i. テロマー(240mm/f5.5): 444 g
(レンズはボード込重量)
_______

A. 手持標準セット(a,b,c,g): 2900 g
B. 手持広角セット(a,b,c,f): 3043 g
C. 手持2本セット(a,b,c,f,g): 3186 g

D. 2本フルセット(a,b,c,d,f,g): 3578 g
E. 3本フルセット(a,b,c,d,f,g,h): 4041 g
F. 4本フルセット(a,b,c,d,f,g,h,i): 4485 g


結論から言うと,手持セット(A,B)で2.9〜3kg,4本のフルセット(F)で4.5kg程とかなりの重量です。手持セットで比較すると,同種のホースマン980やセンチュリーグラフィック23より0.4〜1.2kg程重い。軽さで選ぶなら,間違いなくセンチュリーグラフィックでしょう。ではテヒニカ23の利点は何か? 正直な所よくわかりません。私の場合,たまたま住んでいた異国の地で見つけて気に入り,衝動買いしてしまったというのが実状です。

でも,使い込む程愛着がわくカメラです。100年は余裕で使える堅牢性と確実な操作性,そして専用に作られた個性的なレンズ群は,テヒニカ23の魅力だと思います。


写真:交換レンズの例。前列左からSuper-Angulon 65/8, Symmar 105/5.6,
Tele-Technikon (Rotelar) 180/4.5,装着レンズ:Telomar 240/5.5.

狸おやじ 2019/08/26(Mon) 21:25 No.1567
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじさん
すばらしいスレッドをありがとうございます。ただただ感銘して読みふけっておりました。

私自身はというと、やはり何度かテヒニカ23に興味を持ち、あちこち探したり、時には買いかけたりしたのですが、値段または状態などに問題があり、結果、いい縁がないままになっています。やはり使い勝手からするとIVが欲しいのですが、その分やはり高価です。

確かにセンチュリーやホースマンは相対的に軽いですが、リンホフの魅力は(頑強さ、仕上げ、デザイン、レンズの良さ、ブランド力、などいろいろありますが、機能的には)距離計とビューファインダーが一体化されている点が大きいのではないでしょうか。重さを度外視すればレンジファインダーカメラとして違和感なく使え、また、アナトミカルグリップなども含めそういう使い方が相対的に重視されて設計されているのだろうと思います。だからこそリンホフ70のような、よりファインダが強化されたモデルもできたのでしょう。その点ホースマンやセンチュリーは2眼式で、これはホースマンのVH-Rのようなファインダが強化されたモデルでも一切変わりませんでした。

テクニカルビューカメラはどうしても「ピントグラスで丁寧に撮る」のが王道のような言われ方をしているような気がしますが、中判ロールフィルムのカメラはどうしてもピントグラスとロールフィルムバックの交換が面倒ですし、広角だと被写界深度も深いですから、レンジファインダー的に使うのも乙なものだと思います。そのとき、れんずまにあ様がおっしゃるように広角でもピントを保ったままライズができるのは大きなメリットになるのでしょう。
日浦 2019/08/26(Mon) 22:06 No.1568
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
日浦様,コメントをいただきありがとうございます。

長いスレッドを立てさせていただき恐縮しております。将来この古いテヒニカ23に興味をもっていただけそうな方々に,何か少しでもお役に立てる情報があればと,浅学を顧みず投稿させていたただきました。

本来なら自分のサイトを作って情報発信すべき所ですが,知識も経験も不足しておりますので,取りあえず備忘録としての情報を,日浦様のサイトをお借りして投稿させていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

> リンホフの魅力は(...などいろいろありますが、機能的には)距離計とビューファインダーが一体化されている点が大きいのではないでしょうか。

私もそう思います。IV23(とIII23)はファインダーと距離計が一体の為,速写性という点でとても優れていると感じます。V23では距離計とファインダーが分離してしまい,撮影動作が一つ余計に必要になった。またファインダーも外付けなので,着脱の手間も増えた。私は以前,V23に買い替えようと考えたことが一度ありますが,外付けファインダーが好きになれずに止めました。

V23は内蔵型のファインダーを捨て,テクニカルカメラの機能を強化する方向(ミニV45化)に進み,これはある程度成功したと思いますが,中判のメリットの一つを失ってしまったように感じます。手持でレンジファインダー的に使えるテヒニカはIV23が最後で,その後継はテヒニカ70のように思われます。

> レンジファインダー的に使うのも乙なものだと思います。そのとき、れんずまにあ様がおっしゃるように広角でもピントを保ったままライズができるのは大きなメリットになるのでしょう。

その通りと思います。れんずまにあ様のご指摘で,IIIとIVがベースティルトにしている理由がようやく分かりました。これも日浦様のサイトで情報交換させていただけたお陰で,大変感謝しております。
狸おやじ 2019/08/27(Tue) 21:08 No.1569
参考資料
狸おやじ 2019/08/29(Thu) 20:21 No.1570
6x9の使用について
狸おやじ様にNo1562でコメント致しました、テヒニカ70で6x9が写らない件ですが、ホースマン8exで縦横確認したところ、ちゃんと56x84mmのフルフォーマットが写っていました。
お詫びして訂正致します。

何故そう思ったのかな。以前のネガを掘らないといけませんが、その時は長辺がけられていたように記憶しています。
6x9のスーパーローレックスを友人に返却してしまったので、拙宅には6x7の120と220しかなく、検証困難です。
少なくともXenotar100/2.8, 開放〜f4,無限遠と1mの条件では縦横とも6x9はけられません。

ご指摘まことにありがとうございました。

6x7は、10枚撮れるので、6x9と併用していると結構多数枚に思えて経済的な気がします。
ブローニーフィルムを使っていてケチケチするのは本末転倒と思いますが、ほとんど画質が変わらず、2枚コマに余裕があるのは外で頼もしく思うことも....

その場合でも、スーパーローレックスの56x72という、日本で主流の56x68より横長なプロポーションが良いので,ホースマン67ホルダーで使おうとは思いません。4mmしか違わないのに。
6x8も良いかな?(^_^;)
れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 15:49 No.1591
Re: 6x9の使用について
れんずまにあ様

> テヒニカ70で6x9が写らない件ですが、ホースマン8exで縦横確認したところ、ちゃんと56x84mmのフルフォーマットが写っていました。

これは良かったですね。おめでとうございます。

> 6x7は、10枚撮れるので、6x9と併用していると結構多数枚に思えて経済的な気がします。ブローニーフィルムを使っていてケチケチするのは本末転倒と思いますが、ほとんど画質が変わらず、2枚コマに余裕があるのは外で頼もしく思うことも....

確かにそうですね。6x9だと8枚しか撮れないので「エッもう終わりか...」と思う事も多いです。でもポジの原画を見た時の感動も大きい。

6x6〜6x8なら軽量の中判カメラが沢山あります。あえて重量級のテヒニカを使うなら,やはり「フルサイズ」の6x9が良いかな(?)と私自身は考えています。被写体とその時の気分にもよりますが...。
狸おやじ 2019/09/16(Mon) 10:22 No.1592
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
> 6x6〜6x8なら軽量の中判カメラが沢山あります。あえて重量級のテヒニカを使うなら,
> やはり「フルサイズ」の6x9が良いかな(?)と私自身は考えています。

まったくもって仰る通りです。
この度マミヤプレスとホースマン69ホルダ、それにスーパーローレックス67で試写した時、他を撮り終わっても、あれ?まだ2枚撮れるな、と当たり前ながらちょっと感慨深かったもので。
一時の気の迷いです(笑)

ポジをメインに撮影していた時はフォーマット差は圧倒的でした。最近ネガばかりなのでちょっとありがたみが実感できてません。でも伸ばすとやはり数パーセントの差が効いてきますし、トリミングの余裕はやはり69の威力です。

ホースマンのホルダは一時フジヤカメラで1000-1900円で売ってましたね。少ない撮影枚数はマガジン交換でカバーします。
バック交換出来ない機種は、結構手間取るんです。私の旅行の連れは撮影目的ではないので、フィルム交換待ってくれなくて。
れんずまにあ 2019/09/16(Mon) 18:50 No.1593
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
> ポジをメインに撮影していた時はフォーマット差は圧倒的でした。

確かにそうですね。私は今でも6x9のポジの仕上りを見る時,少しワクワクします。この感動が120フィルムを使い続ける理由の一つですが,デジタルに移行したら過去の遺物ですね。

> ホースマンのホルダは一時フジヤカメラで1000-1900円で売ってましたね。少ない撮影枚数はマガジン交換でカバーします。

そうですか,ホースマンのホルダーは安くて軽くていいですね。リンホフのスーパーローレックスは高くて重い(800g)。フィルムの平坦性は良いのだが...。

狸爺には,予備のローレックスを持ち歩く気力(体力)がありません。撮り切ったら,裏蓋を開けてセコセコ詰め替えてます。
狸おやじ 2019/09/17(Tue) 21:08 No.1594
リボルビングバック用アダプター
中判や大判のカメラは,フィルムバックをデジタルバックに交換すればデジタル化できる。ライブビュー機能付のデジタルバックなら,ピント合わせやアオリの確認もモニター上でできて利点も多い。古いテヒニカ23をデジタル化して,古典的なレンズを装着したアオリ可能な万能カメラとして再生させると面白いかも(?)しれない。

PhaseOneやLeafから販売された中判デジタルバックは,イメージセンサーのサイズが33x44mmから42x56mm程で,6x9サイズをカバーできず,テヒニカ23専用の製品もない。しかし,ハッセルブラッド等に供給されたデジタルバックをアダプターを介して取り付ければ,画角は制限されるが,デジタル撮影が可能になる。

テヒニカ23のリボルビングバックには,ハッセルブラッドVとブロニカGS用の純正アダプターが提供されていた。現在でも,ハッセルブラッドVやH,マミヤMマウント用の純正アダプター(Universal Digi Adapter 6x9)や,他社製品が販売されている。私の手許には,中国Jieying製のハッセルブラッドV用のアダプターがある。固定式なので画像のステッチングはできないが,リボルビングは可能。ロールフィルムバックと比べると軽量コンパクト(189g)。値段は数年前で$135程。

中判デジタルバックがまだ高くて買えないのが残念。中古の値段が下がるのを待ってます。


写真:左からハッセルブラッドV用アダプター,ピントグラスバック,
ロールフィルムバック(スーパーローレックス,6x9)。

狸おやじ 2019/11/10(Sun) 16:10 No.1633
Re: リボルビングバック用アダプター
デジタルバック用アダプタをお持ちとは!すばらしいです。

ハッセルVとM645規格のデジタルバックは目下デファクトスタンダードのようで,ここにハッセルHが残るかどうかですが、少なくとも前2者は相当将来まで残るでしょう。
他方リンホフ23用アダプターはいつまで供給されるか甚だ不安があり、今確保されるのは理に適っていますね。

アダプタにスライド機構がないのは少々残念ながら、いざとなればフロントスライドで対処することになります。
私もハッセルとマミヤのアダプタは持っていませんし、当分買える兆しもありませんが、なくならないうちにアダプタの方は押さえておくべきかもしれません。

知る限り6x9以下のスライドできるバックアダプターは知りません。
23グラフロック用はメーカーが造ろうと思えばできるんじゃないかと期待しています。.

しかし電子接点がないアダプタでもデジタルバックは動作するものでしょうか。シンクロコードを繋ぐものなのか、私は使ったことがないのでまったくわかりません。
れんずまにあ 2019/11/10(Sun) 22:53 No.1634
Re: リボルビングバック用アダプター
> アダプタにスライド機構がないのは少々残念ながら、いざとなればフロントスライドで対処することになります。
> 知る限り6x9以下のスライドできるバックアダプターは知りません。

コメントありがとうございます。スライドできるテヒニカ23バック用のアダプターは,確か "Widepan"の商品名で販売されていると思います。デジタルバックを左右に動かすタイプと,ピントガラスにスライドできるタイプがあると思います。固定式より高目($160~400)ですが,画像のステッチングができるので有利です。私は固定式で物足りなく感じたら,可動式も購入しようかと考えています。どちらもいつまで供給されるか分からないので,今の内に確保しておかれると良いかもしれません。

> しかし電子接点がないアダプタでもデジタルバックは動作するものでしょうか。シンクロコードを繋ぐものなのか、私は使ったことがないのでまったくわかりません。

これは私もよく分かりません。デジタルバックの種類にもよると思いますが,基本的にはシンクロコード接続で良いのではないか(?)と考えています。関連する情報が,次に出ています:
https://blog.goo.ne.jp/camero_sity/e/e17be0d958b5eb88dcc97c183feb0eb0

ただ,ライブビューの時どうするのかよく分かりません。ハッセルブラッドHマウント用のデジタルバックだと電子接続が必要かどうか? この辺は,何か分かったらまた投稿します。
狸おやじ 2019/11/11(Mon) 20:03 No.1636
Re: リボルビングバック用アダプター
ハッセルブラッドストア東京に電話して,デジタルバックと電子接点の件を聞いてみました。

ハッセルの新しいVマウント用デジタルバック(CFV II 50C)は,電子接点による接続がなくても使えるそうです。Vマウントのバックが物理的に付けば,アダプター等でも問題ないそうです。シャッターとの同期はシンクロコードを本体とレンズのシンクロ接点(X)に繋いで行ない,ライブビュー時はシャッターを開放すれば良いとのことです。ちなみにセンサーはソニーの裏面照射型CMOSセンサーで,大きさは33x44mm。価格はまだ未定とのこと。ここはソニーに頑張ってもらい安く出して欲しいですね。
狸おやじ 2019/11/12(Tue) 21:41 No.1637
中判カメラ用のカーボン三脚
重量級のテヒニカ23を野外で使う時,悩ましい問題の一つは三脚だと思う。

これまで徒歩で移動する時は三脚を使用せず,テヒニカの連動距離計を使って広角や標準レンズで写真を撮ってきた。しかし,ピントグラスで構図を決め,アオリを使って写真を撮りたい時もある。長焦点の望遠レンズ(Telomar 240mm)を使う時も三脚が必要。車での移動なら問題ないが,徒歩の場合,フルセットのカメラバッグ(5〜6kg)に加えてGitzoの古い大型アルミ三脚(4.1kg)を担ぐのは,老頭児には一寸辛い。

昨年10月に「カメラ情報交換掲示板」でカーボン三脚と自由雲台の情報を皆様にお聞きした所,日浦様とれんずまにあ様から有益かつ貴重なアドバイスをいただきました(有り難うございました ^^)。いただいたアドバイスを参考にして選んだ三脚セットは:

カーボン三脚:Manfrotto MT190CXPRO3
ボールヘッド:Leofoto LH-40
カメラ用プレート:SmallRig 2146

マンフロットの三脚はバックル式の「クイックロック」が特徴で,ナット式より設置と撤収の時間が早い。3段は4段より縮長が長いが,その分強度があり展開時間も短い。Leofotoのボールヘッドは重心が低く,3kgのテヒニカをしっかり固定する。底面サイズもマンフロットの上部プレート(径60mm)に丁度合う。ボールヘッドの操作には馴れが必要だが,フリクション調節ネジがあるので微調整は比較的簡単。昨年のモデルから固定ネジがレバー型に変更されて操作性も向上した。テクニカルカメラはリボルビングができるので,雲台を90°傾ける必要が無い分,ボールヘッド向きかもしれない。SmallRigのプレートは大ネジ(3/8in)対応のアルカスイス互換プレートの中では軽量コンパクトで,Leofotoのヘッドの固定具(クランプ)との相性も良い。クランプの固定ネジを全開にすれば上から直接着脱できる。合計重量は2.1kgで,Gitzoの大型三脚の約半分。野外で中判カメラを使う時,現時点でお勧めできるベストの軽量三脚セットの一つと思う。

********
2022年10月追記:

上のセットを2年程使ってきたが,ボールヘッド(Leofoto LH-40)は微調整が難しい為,先月からギア雲台(Swfoto GH-PRO)に乗り替えた。ギア雲台は,水平や仰角に僅かな修正を加えたい時にノブの回転で微調整ができるので,テクニカルカメラでの撮影に向く。Swfotoはあまり聞かない名前だが,使ってみると中々使い易い。重量は680 g,大きさはLeofotoのボールヘッドより一回り大きいが,その分強度がある。操作感もまずまずで,これに慣れると自由雲台や3wayには戻れないと感じる。今後の野外撮影では,カーボン三脚(MT190CXPRO3)とギア雲台(GH-PRO)を主に使う予定。


写真:カーボン三脚とギア雲台。Technika IV 23, Heliar 105 mm.

狸おやじ 2020/01/04(Sat) 11:33 No.1643
冠布(ダーククロス)
テヒニカ等のテクニカルカメラでピントグラスを使う時,必要になるのが冠布という被り布。

こんな格好悪いものが使えるかと,昔はピントフードやヤッケ(上着)で代用していた。でも暗いレンズ(f8)でピント合わせをする時はやはり必要。自分が十分に格好悪いジジイ(狸親爺)であることを自覚した頃から周りの目が気にならなくなり,平気で冠布を被って撮影できるようになった。

で,冠布だけど,皆さんはどんなの使ってます?
私は欧州でテヒニカを購入した時,セットで付いてきた中古の古い冠布を使っている。何の変哲もない黒布の筒(37x55cm)だが,片側にゴムが入っていてカメラバックに付け易い。反対側と切り込みの縁に沢山の小さい錘が縫い込まれている(写真)。なので,風があってもほとんど煽られず,野外で使う時に便利。大きさもテヒニカ6x9にピッタリで,もしかすると専用の特注品(?)かもしれない。大分古くなり色褪せたので買い換えたいが,錘入りの冠布は日本ではあまり見ない。穴を繕い,ゴムを交換しながらもう20年以上使っている。

写真:冠布(ゴム,錘付)

狸おやじ 2021/01/31(Sun) 23:03 No.1793
Re: 冠布(ダーククロス)
この冠布の難点は,黒いので夏だと暑いことと少し重いこと(250g)。
銀の裏地の付いたリバーシブルタイプの同様の冠布があれば欲しい。

自作や特注する人の参考になればと,装着時の写真も掲示しました。
(4x5で使うならもう一回りか二回り大きい方が使い易いと思う。)

写真:装着状況
(実際は冠布に首を通し,カメラを覗く時だけバックに付けるのが一般的。)

狸おやじ 2021/01/31(Sun) 23:16 No.1794
Re: 冠布
画像を撮ろう思いましたが時間がかかりそうなので...
6x9は、ビューカメラには一般の1枚もの(四隅が赤い)を使っていましたが、テクニカルにはピントグラスフードの外から見られるロングタイプのルーペを使って冠布をつかわないことも。
超広角の周辺は斜めに見ないといけないため、フードと併用は困難ですが、リンホフはパーンドアでフードを開けるので便利ですし、ショートタイプのルーペも使いやすいですね。
グラフレックスは金属製フードで、爪を外せばフードが取り外せ、リンホフほどではないけど即座にショートルーペが使えます。

8x10は流石にピントフードがつかないし、暗いレンズが多いし、明るいとピントが見えないので大きめの黒布を使いますが、狸おやじ様のような便利な布は持っていません。
布は分厚めで風に煽られにくく、重量でちゃんと止まってくれます。
私は日中あまり撮影しないので暑くて困ったことはないですねそういえば。

4x5-5x7はその中間です。ビューは被りますが、フードがあるテクニカルはめんど臭くて本当に見えない状況じゃないと布をかぶらないかも。
布を忘れることもしばしはで、フィルム装填用のダークバッグを被せたり...
れんずまにあ 2021/02/02(Tue) 22:39 No.1799
Re: 冠布
れんずまにあ様,コメントをいただきありがとうございます。

> 6x9は、ビューカメラには一般の1枚もの(四隅が赤い)を使っていましたが、テクニカルにはピントグラスフードの外から見られるロングタイプのルーペを使って冠布をつかわないことも。

なるほど。ロングタイプは使い易そうですね。ホースマンのロングルーペでしょうか。
私のルーペはローデンストック製(x4)で太く短いのでフードと干渉して使いにくい。
その為,すぐにフードを開放して冠布が必要になり...と悪循環。

ロングルーペはx6でしょうか。使い心地などお教えいただけたら幸いです。

> 超広角の周辺は斜めに見ないといけないため、フードと併用は困難ですが、リンホフはパーンドアでフードを開けるので便利ですし、ショートタイプのルーペも使いやすいですね。
> グラフレックスは金属製フードで、爪を外せばフードが取り外せ、リンホフほどではないけど即座にショートルーペが使えます。

そうですね。私は時々ベンツィンのプリマー(6x9)を使うが,フードが外せないので使い難い。
テヒニカのフードはワンタッチでドア式開閉やフード開閉ができる。値段は高いが良くできていると思う。

> 4x5-5x7はその中間です。ビューは被りますが、フードがあるテクニカルはめんど臭くて本当に見えない状況じゃないと布をかぶらないかも。
> 布を忘れることもしばしはで、フィルム装填用のダークバッグを被せたり...

なるほど。いろいろ工夫や裏技がありますね。とても参考になります。
私はまだ暫く今の古い冠布を使うと思う。色褪せたので黒く染め直したい所です。
狸おやじ 2021/02/04(Thu) 21:10 No.1800
Re: ロングルーペなど
ホースマンのロングルーペ(左から2本め)は頭でっかち大判初心者だった88年頃、手元の6x9フォーカシングスクリーンがフード付きばかりだったので,一本めに新品購入したものです。
八千円くらいしたかしら。

初めての大判レンズは120mmだったので何ヶ月かは支障なかったのですが、2本めが、スーパーアンギュロン47だったので、しょっぱなから大問題に。端のピントが見えないんです。ライズしたら画面のほとんどが見えない。
ここでピントグラスは入射する光の方向を見ないと見えないという基本を知らなかったことが露見。

被り布を使って、ショートルーペで斜めから見て初めてピントが合わせられるように。
ショートルーペの先端を斜めにカットするアドバイスも受けました。
結局やりませんでしたが(笑
あ,ロングルーペでも斜めから見ることは可能です。でも、斜めはすごく持ちにくい。

そしてルーペ倍率も、ホースマンロングはx6、ショートはx7ですが、見た感じ倍率がずいぶん違う。ロングの方が非常に小さく見える。
これは好き好きです。
低倍率が大きく問題になるわけではありません。
ただ、私は超広角やマクロが好きなので、倍率は高い方が好みです。
ピークのx15てのも使います。

逆に、倍率が高いと何を見ているのかわからなくなる。ロングはほどよく部分を拡大するので絵柄をイメージしやすく、好む方もおられるかと。

結構たくさんルーペが集まりました。馬鹿なの?  じゃなく、ジャンク箱に千円以下で見つけたら、ついお持ち帰りしませんか?
ウイスタ のロングは二千円もしましたが。
集合させたのは初めてで、普段はそれぞれカメラバッグに待機しています。セレンメーターと同様、入れ忘れがないように。
実はもうちょっとありますが、機種が同じなので割愛です。

ウイスタ のショートx7(中央)はプラ製で非常に軽く、プラスチックのフレネルを傷つけません。山行きなどに、コンパクトなセンチュリーグラフィックやグラフレックスXLと組みます。
ウイスタ のロング(左端)は、デザインがショートと共通ですがアルミ製でホースマンと同程度の重量。でも倍率は書いていないけどショートと同じです。ホースマンと思想が異なりますね。
ホースマンのショートx7(右から2番め)はピークx7(写真右端)と全く同一、スリーブが黒く、着脱式スケールがついていないだけです。ピーク製なのですね。また同じ形式でホースマン銘がないものを海外通販で買いました。

ロングもショートも、どちらもちゃんと使えて大きな差はないと思います。撮影スタイルと好みです。
標準から望遠であまりスライドせず、フードを立てたまま端はあまりチェックしないならロングが便利。ショートではできない技。
冠布をかぶってアオリ主体なら自在に見られるショート。
4x5なら倍率は低くても問題ないけど、6x9は好み。
重量軽減なら、ロングは3倍以上重くなるからショート、それもプラスチック製のWISTA有利。

れんずまにあ 2021/02/06(Sat) 20:33 No.1801
Re: ロングルーペなど
れんずまにあ様

素晴らしいルーペの解説と写真をありがとうございます。
これほど沢山お持ちとは存じませんでした。脱帽です。

拝読して考えると,ロングルーペも一長一短のようですね。
6x9ならホースマンのロングルーペ(x6)が使いやすそうだけど,あまり重いと躊躇しますね。

要は細身で四隅が見えれば良く,あまり長くなくても良い。
フード越しで端が見える「角形」のスリーブなら理想的。

自分の使い方を考えると,ショートルーペは光軸に向けて傾けたり,拡大したい時に「反対向き」にできるので便利。(無茶苦茶な使い方だが)

6-7倍の細身のショートルーペでスリーブを角形(?)に改造できそうなのを探してみようと思います。

写真は今使っているローデンストックのアスフェリカルルーペ(x4)。
遮光スリーブが邪魔なので取り外し,円筒の内側に帯状の黒いシートを入れて遮光してます。
軽くて(58g)使い易いが少し太い。

狸おやじ 2021/02/07(Sun) 11:39 No.1802
テヒニカ6x9のレンズボード事情
テヒニカ6x9を使っていて困るのは,レンズボードが特殊で高価なこと。

4x5のテヒニカ「標準」ボードより一回り小さく(81x74 mm),しかも型式間(III, IV, V型)の互換性に乏しい。(IV型ボードはIIIに付くが,III型ボードはIVに付かない等。)6x9ボードは出荷数が少なく,中古市場でも高価な状況(5千〜1万円以上)。

どこかで廉価版のボードを作ってないか探していて,中国Luland社のテヒニカ6x9V型ボードを見つけた:
https://www.ebay.com/itm/Luland-Linhof-6-9-compur-copal-00-or-0-or-1-lens-board-81-1-74-2mm/182882865061?hash=item2a94ab0fa5:g:ydUAAOSwHsBZoVHu

サイトの説明と写真を見ると割と良さそう。コンピュータ数値制御でアルミ合金を加工していて,値段も$25と安い。

今はV型ボードだけだが,IVやIII型も作れないかLuland社に打診している。
新しい情報が得られたらまた投稿する予定です。
狸おやじ 2021/02/26(Fri) 22:00 No.1804
Re:テヒニカ23ボード
そうなのです。高いのです。Vボードは、国内で5千円海外でも50ドル以下ではほぼ見たことがない。
4x5はどうかしたら千円切ることもありますから、需要の差としか言えません。
しかも形状が若干複雑なので簡単に自作も困難です。
まだVは見つかりますが、III, IVは限られた専門店以外では入手できないと言ってもいいかと。
なのでボードの面からも旧型機は敬遠してしまいます。
ボード付きレンズは、単体とあまり変わらないのでお得ですね。

まあカム単体でも入手可能な4x5と違って、69は円形カムが特殊なので、当初からセットになっていたレンズ以外は二の足を踏みますし....

ピントグラスでも使いたいレンズや、カムに合うレンズを入手したとしたら、ボードがあると便利ですよね。
躍進著しい中国で安価に生産してもらえるとありがたいですね。
れんずまにあ 2021/02/28(Sun) 19:42 No.1805
堀内カラー(HCL)角形ルーペ
このようなものはいかがでしょう。角形なので焦点板の隅まで見ることができます。
プラスチック製で非常に軽量。ちょうど24x36を1コマ見られるサイズです。
HCLブランドで、遮光タイプもありましたが、よく中古で見かけるのは透明スリーブタイプです。
いざとなればブラックテープで巻いてしまえばいいでしょう。
オリジナルはやはりピークのようです。ピークは両釣ラグがついていますが、HCLは1箇所ランヤードリング付

れんずまにあ 2021/03/29(Mon) 20:58 No.1833
堀内カラー(HCL)角形ルーペ
れんずまにあ様

おお,これは素晴らしい。有難うございます。
これなら四隅がバッチリ見えるし軽くて使い易そう。値段も安い。

調べるとHCL(堀内カラー)はルーペ全体がディスコンの様ですが,オリジナルのピーク8x(No.2018)はまだ販売してるみたい。
早速手配して試してみます。
狸おやじ 2021/03/30(Tue) 20:20 No.1836
オールドレンズの楽しみ
テヒニカには,専用の23ボードに付けばどんな古いレンズでも装着することができる。
狸爺も,遅ればせながらオールドレンズの「沼」に嵌りつつある。最近古いダゴールをeBayで入手したので,ヘリアーとテヒニカ標準のジンマーと比較して撮り比べてみた。

今回試写したレンズは,年代順に
ヘリアー 105mm, F4.5(Voigtländer, Braunschweig)
ダゴール 125mm, F6.8(C.P. Goerz, Berlin)
ジンマー 105mm, F5.6(Schneider, Kreuznach)

ヘリアーはハーティング設計の初期型の3群5枚,1921年頃の製造。ダゴールはフォンフーフの有名な対称型2群6枚,1924年頃の製造。どちらもノンコートタイプ。ジンマーは初期のコンバーティブルタイプ,1960年頃製造のシングルコーティング。テヒニカ23初期セットの標準レンズ。オルソメター型,4群6枚。


写真:左からHeliar 105,Symmar 105,Dagor 125(テヒニカ23ボード付).

狸おやじ 2021/11/21(Sun) 12:29 No.1917
Re: オールドレンズの楽しみ
ヘリアーもダゴールも非常に良く写るレンズで,ほとんどの条件で破綻は少ない。
そこで,今回は太陽の真正面,水面の反射光がダイレクトに入る強い逆光条件でテストしてみた。午後の海岸で天気は晴れ。風と波で水面は複雑に変化する為,正確な比較はできない。レンズの描写の雰囲気の違いを感じ取っていただけたらと思う。フィルムはベルビア100,スキャンは写真店の専用スキャナー。レンズフードはジンマーの専用フード(写真上)のみ,太陽の直接光はハレ切り板(引蓋)で遮光。

最初はヘリアー(F=16,1/250)。
まずまずの描写で水面の反射も綺麗。この例ではヘリアー独特の妖艶な描写はあまり感じられない。手前の反射面の斑点の一部に「星型」の光漏れが確認できる。遠景の解像度も十分で,この時代(100年前)のレンズとしては優秀だと思う。


写真:Heliar 105/4.5, F=16, 1/250.

狸おやじ 2021/11/21(Sun) 13:55 No.1918
Re: オールドレンズの楽しみ
次はダゴール(F=12.5,1/250)。

ダゴールは,ヘリアーとかなり雰囲気が異なる。コントラストが低いので,手前の反射面の白飛びがかなり抑えられている。反射光の斑点に独特の「星型」が見られるが,これはこれで面白い。遠方の反射面の上方にハロ(フレア)が少し出ている。水面の波模様はヘリアーより優雅と感じる。ダゴールは遠景が冴えないと言われるが,遠景の解像度も十分。色味はヘリアーと比べて赤みが少なく彩度が低くクールに見える。個人的な感想だが,ダゴールの描写が人間の目でみた風景に一番近いような(?)気がする。


写真:Dagor 125/6.8, F=12.5, 1/250.

狸おやじ 2021/11/21(Sun) 14:37 No.1919
Re: オールドレンズの楽しみ
最後はジンマー(F=16,1/250)。

流石にジンマーと言うべきか。解像度と描写は,この条件下では一番良いと感じる。反射光の斑点も丸型でハミ出しがほとんどない。これなら強い逆光下でも安心して使えると思う。ただ,ヘリアーやダゴールの様な意外性(面白さ)はあまり感じない。感情のエモーショナルな部分への訴えかけの少ない,優等生的なレンズだと思う。コントラストが強目で白飛びし易く,色味は(ヘリアーと同様)赤が少し強く出るので,自然な描写にはプロビア100F等の方が向くと思う。

悪条件でも順当な結果を出したい時はジンマー,何か独特で特徴的な描写に挑戦する時はヘリアーかダゴールというのが現時点での私の考えです。
皆様のご参考になれば幸いです。


写真:Symmar 105/5.6, F=16, 1/250.

狸おやじ 2021/11/21(Sun) 16:05 No.1920
Re: オールドレンズの楽しみ
前回の投稿で,強い逆光条件でのオールドレンズの試写結果を報告した。
結果は,新しいジンマーが,戦前のヘリアーやダゴールよりも全体的に良く見えるというものでした。M42 Mount Spiralさんからも「ジンマーが一番フツーな感じ」とコメントをいただきました。で,「オールドレンズはやはり駄目だな」と思われた方もおられると思う。

でも意外にそうでないかもしれない。前回は太陽の反射光が正面から入る強い逆光条件(過酷条件)だったので,古いレンズは腰砕けになり,破綻とは言えないまでも細かい問題が生じた。しかし,ノンコートレンズを過酷条件で使うのはそもそも無理な話だし,ジンマーだけがフード付きというのも不公平だ。

オールドレンズが魅力(実力)を発揮するのは,順光かやや弱い逆光の条件だと思う。特にヘリアーは,弱い逆光で驚くほど「妖艶」で生き生きとした描写を示すことがある。逆にダゴールは,端正でシックな描写をする傾向がある。次回は,弱い逆光での試写結果を報告する予定です。
狸おやじ 2021/11/22(Mon) 22:45 No.1921
Re: オールドレンズ
狸おやじ様、大変素敵なご投稿ありがとうございます。
ダイヤルセットコンパーに入ったレンズ群ですので、おそらく大名刺から手札のハンドカメラ由来の古典レンズですね(どこから古典かは諸説あるでしょうけど;へリアやダゴールは近代レンズで,古典といえばペッツバール級かも..)
幅広いレンズをお楽しみで感心しました。
この辺りのレンズの描写をポジ画像で拝見できるとは滅多にないことです。

へリアの105mmは、69では最も使いやすい焦点距離で人気が高く良い程度のものは貴重かと思います。知人のベルクハイルやプロミネントのプリントを見せられたことがあり、今の目では低コントラストですが非常に繊細な画質と感じました。ご作例でも同様の印象ですが、思ったより逆光で破綻していないのはリンホフの蛇腹と懐の深さ、ハレ切りの賜物でしょう。

ダゴールは少し長めで、5x7でもカバーできるレンズの中心部を使っているイメージですね。球面収差が残っている設計で、超広角として使うなら絞り込む必要がありますが、ここまで中心を使うなら開放からかなりの画質が期待できるでしょう。拙宅のは180以上のゲルツアメリカ製ばかりで、ノンコートの画像を見るのは珍しいです。このレンズもここまで逆光なのに見事なコントラストで吃驚しました。

ジンマー二焦点はさすがの描写で横綱相撲です。一番信頼できて失敗できない撮影には欠かせないでしょうが、私は最近そういう撮影が減っていて、遊びの要素が多い個性派レンズの出番が増えていますし、狸おやじ様もご同様ではないかなと(笑
れんずまにあ 2021/11/23(Tue) 09:07 No.1922
Re: オールドレンズの楽しみ
れんずまにあ様,貴重なコメントをいただきありがとうございます。

> へリアやダゴールは近代レンズで,古典といえばペッツバール級かも..

そうですね。古典の例はいろいろあると思いますが,ペッツバールはその一つと思います。
もう一つの例はガウスでしょうか。オリジナルが1817年,クラークのダブルガウスが1888年,ルドルフのプラナーでも1897年ですから非常に古い。これらと比べたらダゴールやヘリアー,テッサー等は,確かに近代レンズと思います。

> 幅広いレンズをお楽しみで感心しました。

いやお恥かしい次第です。大先輩のれんずまにあ様は十分ご承知かつ稚拙な内容と思います。浅学の身を顧みず投稿しておりますが,どうか笑ってお許しいただけたらと思います。

> ダゴールは少し長めで、5x7でもカバーできるレンズの中心部を使っているイメージですね。球面収差が残っている設計で、超広角として使うなら絞り込む必要がありますが、ここまで中心を使うなら開放からかなりの画質が期待できるでしょう。

このダゴール125mmは,eBayで台湾のShueido(集英堂)から100ドルで購入しました。木製のボード付だったので,多分ディアドルフ辺りの大判カメラ(4x5か5x7)用と思います。(同じボード付の広角ダゴールAM.92mmとアポランター150mmが出品中です。)大判用のレンズを6x9で使うのは本意ではないのですが,中心部分の画質の良好な部分が使える点と,6x9のレンズよりコンパクトな点で利点があります。125mmは6x9では長めの標準レンズですが,この辺の焦点距離のレンズが他に無いので重宝しそうです。

> ジンマー二焦点はさすがの描写で横綱相撲です。一番信頼できて失敗できない撮影には欠かせないでしょうが、私は最近そういう撮影が減っていて、遊びの要素が多い個性派レンズの出番が増えています

これは全く同感です。次回もダゴールとヘリアーの画像を投稿しようと思いますが,今気に入っているのは望遠のテロマー240mmです。良いサンプルができましたら,いつか投稿できればと思います。(あ,れんずまにあ様は既に180mmをお持ちですね。)
狸おやじ 2021/11/23(Tue) 12:58 No.1923
Re: オールドレンズの楽しみ
別の日に,山の中の小さな湖で弱い逆光の条件でダゴールとヘリアーの試写をしてみた。
天気は曇り時々晴れ。太陽は右上方。この日も風で波が立ったり凪いだりで,水面は複雑に変化した。フィルムはベルビア100,撮影条件も前回とほぼ同じ。

まずはダゴール。

平凡な写真だが,ダゴールのシックな描写の特徴は出ていると思う。コントラストが低いので,水面がほぼ一様のトーンで描写される。地味だが目で見たような自然な風景。これを背景にして人物を手前に入れ日中シンクロで撮れば,印象的なポートレート写真になると思う。


写真:Dagor 125/6.8, f=12.5, 1/100.

狸おやじ 2021/11/24(Wed) 20:54 No.1924
Re: オールドレンズの楽しみ
次はヘリアー。

ヘリアーは,ダゴールと異なり,水面が浮き立つような生き生きとした描写になる。反射面とハイライトが微かに滲んだ幻想的な風景。人物にライトを当てて撮影すると,ハイライトが立体的に浮き上がり「妖艶」な雰囲気にもなる。昔の写真家がヘリアーを絶賛し,写真館で重用された理由がわかる気がする。同じ場所でジンマーでも撮影したが,コントラストが強すぎて白トビと黒潰れが多く,とてもお見せしたいと思える写真にならなかった。

オールドレンズ「沼」は奥深くて魅惑的。


写真:Heliar 105/4.5, f=8, 1/100.

狸おやじ 2021/11/24(Wed) 21:48 No.1925
中判フィルムカメラの解像力
私が,中判のテヒニカを使い続ける理由の一つは,画像の質が35mm(ライカ判)フィルムやデジタルカメラよりも良いと感じる為だ。これはテヒニカ23を海外で購入し,最初のポジ原稿を見た時(約30年前)から現在まで変わっていない。その後,デジタルが普及し,APS-Cやフルフレームのデジタルカメラ(Leica X,Sony α7等)を購入してから,35mm判フィルムカメラ(Contax G等)は画質と利便性の両面で不利なので使わなくなった。しかし,中判テヒニカの画質は,現在でもデジタルより良いと感じる。逆に言うと,もしデジタルカメラ(又はデジタルバック)の画質が6x9判フィルムを超えれば,デジタルへの移行も吝かではない。

では,6x9判フィルムの画質と解像力は,現行のデジタルカメラ(フルフレーム36x24mm等)より本当に良いのだろうか?
これまでのデジタルとフィルムを比較したチャート撮影テストの結果を見ると,6x7以上のサイズのフィルム(カラーポジ,モノクロ)は,フルフレームのデジタルの解像度を超えているようだ。古い情報だが,例えば
https://www.onlandscape.co.uk/2011/12/large-format-vs-digital/
https://a-graph.jp/2016/08/23/18911

どちらも古いデジタル一眼レフ(Nikon D3X, D800E)との比較で,最新の情報ではなく,解像度はレンズやフィルム,スキャナーの性能にも依存する。しかし,現在のフルフレームセンサーの画素サイズが,感度や光の波動性の影響を受ける限界に達している(?)ことを考えると,上の状況からあまり大きな変化はないと思う。これまでの情報を客観的に纏めると,現時点での画像全体の解像度(可能抽出画素数)は,私の予想では,

大判(4x5in)フィルム > 中判(6x9)フィルム > フルフレーム(35mm)デジタル > 中判(6x4.5)フィルム(?)> APS-Cデジタル > 35mm判フィルム ...

と思われる(もし間違っていたらご指摘下さい)。

今気になっているのは,最近の中判デジタルセンサー(44x33mm)が中判フィルム(6x9)を凌駕するかどうか?
何か新しい情報を見つけたら適宜報告する予定です。
狸おやじ 2022/01/16(Sun) 17:54 No.1939
Re: テヒニカ23ボード(その後)
昨年の2月頃(No. 1854~1855),テヒニカ23ボードの入手先の状況を書きました:
>今はV型ボードだけだが,IVやIII型も作れないかLuland社に打診している。

その時,Luland社(担当:Wendyさん)にIV型ボードの寸法と写真を送って相談した所,「ok,作れる。できたら連絡する」との返事でした。でもその後は音沙汰がなく,半ば諦めてました。

しかし,本当に作ってくれたようです:
https://www.ebay.com/itm/185247286519?hash=item2b219944f7:g:1swAAOSwxPBh2TVv

値段はV型より高め($42)だが,仕上げは綺麗(?)で裏側に円形の凹み加工もある。
孔径は00番〜1番(コパル)。下辺にノッチ(凹み)があるので,テヒニカ23IVで(IIIも?)使えると思う。

私は1~2枚注文して試してみる予定。何か新しい情報が得られたら,また投稿します。
狸おやじ 2022/01/22(Sat) 10:51 No.1940
テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
テヒニカ23は,最終モデルのV型が2003年に販売を終了してから既に20年近くが経過している。
しかし,現在でも,一部のパーツや補修部品,修理のアフターサポートが続いている。現在のサポートのほとんどはV型が対象で,III~IV型はあまり恩恵が得られない。しかし,テヒニカ23のカメラバックは,III~V型まで共通で,現行のテクニカルダンS23(6x9)と互換性があり,新品のロールフィルムバックやデジタルアダプターを購入することもできる(個人輸入や輸入代理店経由)。

そこで,現在提供されている純正パーツやアフターサポートの情報を紹介しようと思う。
リンホフ本社のウェブサイトには,2022年版の販売製品の価格表(*)が掲載されている:
https://linhof.com/wp-content/uploads/2022/05/2022_05_25_Linhof-Preise_Price.pdf

この中から,テヒニカ23(III~V型)と関係しそうな補修部品やパーツの情報を書き出してみる。
(このリストのパーツの多くは,テヒニカ70やテクニカルダンS23でも使えると思う。)

*) この2022年3月の製品価格表に合わせ,以前の記載内容と価格の一部を変更しました(2022年6月追記)。
狸おやじ 2022/02/05(Sat) 14:59 No.1959
Re: テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
1) レンズボード関係
製品番号, 価格(ユーロ), 製品名
001001, 113, Flat lensboard 23 with center hole
001058, 350, Flat lensboard 23 w. tube Compur/Copal/Prontor 3
001070, 351, Technika reducing lensboard adapter 45/23

2) オプティカルビューファインダー
001373, 1205, Multifocus optical viewfinder 23M with mask 6x9 cm
001389, 109, Optical finder mask 23/6x9 cm
001397, 109, Optical finder mask 23/6x7 cm

3) フィルムバック関係
001460, 1436, Super Rollex 6x9/6x7
001462, 967, Insert Super Rollex 220, 6x7
001467, 967, Insert Super Rollex 120, 6x7
001524, 1436, Super Rollex 6x9/6x9
001525, 967, Insert Super Rollex 120/6x9
001566, 890, Rapid Rollex 6x9/6x7
001647, 23, Groundglass mask 23/24x36
001648, 23, Groundglass mask 23/37x37
001649, 23, Groundglass mask 23/4x5 cm
001691, 289, Universal digi adapter 23 for camera adapter plates
001700, 492, Adapter plate for Hasselblad V
001701, 492, Adapter plate for Hasselblad H
001702, 492, Adapter plate for Mamiya 645 AF/AFD/PhaseOne

4) マウントアダプター関係(*)
001726, 486, Fuji GFX G-Mount Adapter for TK/ST 6x9
001727, 486, Hasselblad X1D Mount Adapter for TK/ST 6x9
001728, 486, Sony E-Mount Adapter for TK/ST 6x9
001729, 486, Canon EOS EF-Mount Adapter for TK/ST 6x9
001730, 486, Nikon F-Mount Adapter for TK/ST 6x9

5) その他の付属品
002504, 538, Focusing bellows 23
002512, 400, Anatomical grip 23, left
002629, 490, Right angle reflex attachment 23
021807, 111, Groundglass 23/cm-grid/scoring 6x7 cm
021813, 119, Groundglass 23/cm-grid/scoring 6x7/clear center spot
022610, 62, Camera neck strap 23 for ST V
031882, 25, Infinity stops for Technika, left, standard
031887, 25, Infinity stops for Technika, right, standard
031892, 25, Infinity stops for Technika, left, special
031894, 25, Infinity stops for Technika, right, special
032933, 534, Super Rollex housing 23/6x9
033200, 534, Super Rollex housing 23/6x7
045296, 31, Rapid cable release new
045298, 31, Rapid cable release for flat lensboards, shutter size 0 and 1
狸おやじ 2022/02/05(Sat) 15:12 No.1960
Re: テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
上のリストの内,レンズボート(1)とビューファインダー(2)はV型専用と思われる。
現在,23V型ボードは,フラットボードとチューブボード(3番),テヒニカ45用アダプターが販売中。

フィルムバック関係(3)は,III~V型で共通に使える。
現在,スーパーローレックスは,6x7(001460)と6x9(001524),差込み式のラピッドローレックスは6x7(001566)が提供されている。"Insert Super Rollex"は,スーパーローレックスの内部のパーツ(フィルムを巻く部分)だと思う。これを交換すると220フィルムも使えるようだ。ユニバーサルデジアダプター(001691)は,ハッセルブラッドVとH、マミヤのM規格のバックに対応し,それぞれ専用のアダプタープレートを介して取り付ける。

マウントアダプター関係(4)は,2022年に追加された製品(*)で,各種デジタルカメラのレンズマウント(GFX-G, XD1, E, EF, F)に対応する。GFXやハッセル等の中判デジタルカメラを,テヒニカ23に取り付けて使いたい人には朗報だろう(2022年追記)。

その他の付属品(5)は,ベローズ(蛇腹),ピントグラス,アナトミカルグリップ,無限遠ストッパー,反射式ビューアー等が提供されている。"Super Rollex housing"は,スーパーローレックスの本体("Insert"を入れる本体)と思われる。
狸おやじ 2022/02/05(Sat) 16:37 No.1961
Re: テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
以上の情報が,皆様のお役に立てば幸いです。
もし漏れや間違いがあればご指摘下さい。(2022年の製品価格表(*)に合わせ,内容と価格の一部を変更しました。2022年6月追記。)

結論として,現在テヒニカ23に提供されている純正部品やサポートは,それ程多くない。
しかし,テヒニカIV23の販売が1956~1964年,V23が1963~2003年で,20~60年以上も前のカメラであることを考えると,現在でも部品の供給やサポートが続いている状況は驚異的と言える。ドイツの工業製品の頑丈さと気概を感じる。その分,大きく重く値段も高いが...。
狸おやじ 2022/02/05(Sat) 19:10 No.1962
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様貴重な情報をありがとうございます。
正直まだリンホフが存続しているかどうかさえ危ぶんでいましたが、立派にパーツ類を持続供給しているのは驚きつつ、尊敬いたします。
世界中のファンたちに支えられているのだなあと感心します。

さてスーパーローレックスです。
スーパーテヒニカV23のカタログは実家のどこかに埋蔵されていると思いますが、各パーツの画像のなかに、インサートとハウジングがあったかどうか記憶にありません。
この画像の上左右がインサート、下がハウジングなのでしょうね。
ご指摘の通り、120(右)、220(左)は互換性があり、遠出をして220中心に撮影していた時は、軽量化のため120はインサートだけを持って行ってました。
旅先では220はまず入手できないので、万一フィルムを使い切った時の抑えに。

れんずまにあ 2022/02/10(Thu) 17:42 No.1963
Re: テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
れんずまにあ様,コメントを有り難うございます。

>この画像の上左右がインサート、下がハウジングなのでしょうね。

おお,これですね。220フィルム用「インサート」の写真を見るのは初めてです。6x7フォーマットなので,上のリストの"001462"が該当すると思います。220フィルムはスタートマークの位置が違うので,矢印の向きが違うのでしょうね。貴重な情報と写真を有り難うございます。

>120(右)、220(左)は互換性があり、遠出をして220中心に撮影していた時は、軽量化のため120はインサートだけを持って行ってました。

これはよい方法と思います。もし同じフォーマットのインサートを複数お持ちなら,事前にフィルムをセットしておき,撮り終えたらバックを外さずにインサートを交換すると,連続撮影にも便利かもしれません。

>正直まだリンホフが存続しているかどうかさえ危ぶんでいましたが、立派にパーツ類を持続供給しているのは驚きつつ、尊敬いたします。

そうですね。私も心配でしたが,まだ健在のようです。
テヒニカ23は20年前に販売終了し,テヒニカ45もほとんど出荷していない状況と思いますが,テクニカルダンやテクノ,M679等をデジタル仕様で販売して収益を得ているようです。古いテヒニカ23を使う者としては,今後も長く継続してほしい。

そろそろリンホフも,デジタルを前提とした新しいテクニカルフィールドカメラ"New Technika Digital"を出してほしい。中判デジタルのテクニカルカメラは,アルパ12やホースマンSW-Dがあるが,アオリがライズやシフトに限定されている割に値段が高い。野外で重宝する収納式(フィールドタイプ)のテクニカルカメラは,リンホフがパイオニア。デジタルバックで使い易い収納式のテクニカルカメラの新製品を出せば,ヒットする(?)と思うのだが...
狸おやじ 2022/02/11(Fri) 15:37 No.1964
純正レンズフード
リンホフは,テヒニカのレンズ用に純正のレンズフードを長く提供してきた。

私のテヒニカIV23の交換レンズ(SA65, SM105, RT180, TL240)は,前玉外径が51mmなので,外径51mm(又は内側ネジ径49mm)用のレンズフードが共通で使える。
(SM105の外径は32mmだが,専用フードの外径が51mmなので,51mm用フードが使用可能。)これまでは,Hamaの角型レンズフード(M49)を主に使ってきた。これは小型軽量で,レバー操作の「カブセ式」で脱着が容易。広角対応なのでSA65でも使えて便利。しかし,望遠系(RT180以上)では上下がケラれて使えず,小型で遮光効果が小さい点も気になっていた。

そこで,先日リンホフ純正の角型レンズフード(Universal Sonnenblende, A51)を購入した(eBayでドイツのteam-fotoから,30+送料17.5 = 47.5ユーロ)。
昔は中古で1~2万円だったので,今は半値以下でお買い得。純正の角型フードには2種類(大型:100x100mm,小型:75x75mm)あり,大型は外径42~70mmのレンズで使えるが,小型は42mm専用なので注意が必要。フードの取付部には,対応する外径が"51"や"60"と印字されている。取付部のアダプターは特注で,用途に合わせ様々なタイプがある。使用するレンズの外径が複数の場合,一番大きいレンズが付くフードを選び,減径用の「リデューシングリング」を付けて小さいレンズに合わせる。テヒニカの専用レンズの外径は,42, 51, 60, 70mmが主流で,各径に合わせたフードとアダプター,リングがネット中古市場で売られている。私の場合,全て51mmなので,51mm用の大型フードを選んだ。取付部にはフィルターホルダーがあり,専用フィルター(カラー,偏光,UV等)を差し込める。取付は「カブセ式」で,摘みボタンを押し,リング状のバネを広げて着脱する。


写真:レンズとレンズフード。左上から時計回り: SM105, SA65, RT180, TL240,
カラーフィルター, 純正レンズフード, Hamaレンズフード。外径は全て51mm.

狸おやじ 2022/06/11(Sat) 22:53 No.1992
純正レンズフード
純正のレンズフードはかなり大きく嵩張るが,剛性が高い割に軽量(124g)で使い易い。
標準105mmと望遠180~240mmでは,標準位置ならケラれない。大きくアオると,標準105mmでは周辺が若干ケラれるが望遠系は問題無い。但し,広角スーパーアングロン65mm/f8の場合,標準(ベッドダウン)時でティルトノブと接触して固定できず,標準位置でもケラれるので使えない。仕様説明書にもあるが,標準から望遠用のレンズフードだ。私は広角65mmではHamaのフード,標準から望遠では純正フードを使う予定。

まあ,少し大きく大袈裟なフードだが,カメラも十分に大袈裟だからバランスは悪くない。
逆光に弱い古いレンズをテヒニカで使う時は,あると安心だ。


写真:純正レンズフード。Technika IV 23, Rotelar 180/4.5.

狸おやじ 2022/06/12(Sun) 00:02 No.1993
バックティルトとスウィングの設定法
テクニカルカメラのアオリ(ムーブメント)の内,ライズやフォールによるパースペクティブ(被写体に対する視点)の変更は,ソフトウェアの後処理でもできる。しかし,ピントの合焦面を傾けて広範囲にピントを合わせるティルトやスウィングは,デジタルの後処理ではできない。特に,前景の草花から背景の山までピントを合わせるティルト撮影は,風景写真で魅力的な技法だ。

テヒニカは,カメラバックの取付枠を引き出してバックティルトとスウィングができる(cf. No.1558)。このティルト/スウィングバックは,"Schwenkrahmen"(遊動枠)と呼ばれ,軽量で構造が簡単(4本のネジと支柱で構成)な事と,画像のケラレがほとんど起きない事からフィールドカメラに適している。有効に活用したい機能だが,バックのアオリはフロントと比べて使う人が少なく,解説書やインターネットにも情報が少ない。私自身,これまでバックアオリを試行錯誤で使ってきたが,理屈を正しく理解していなかった。最近,大判写真連盟の資料(*)を読み,ティルト/スウィングバックの合理的な設定法を知ったので,既にご存知の方も多いと思うが,備忘録のメモとして紹介する。

*) 設楽清,もうスイング(ティルト)アオリで迷わない〜リンホフテヒニカを中心に〜,全日本大判写真連盟勉強会資料,2009.3.17.
http://ajlp.llp.justhpbs.jp/Information.html
狸おやじ 2022/06/21(Tue) 21:48 No.2001
バックティルトとスウィングの設定法
近景に花,遠景に山があり,花と山頂部にピントを合わせるティルト撮影を考える(下図)。
シャインプルーク(Scheimpflug)の原理によると,山頂と花を通る面を,カメラのピントグラス面とレンズボード面が交差する軸に一致させれば,山頂と花に同時にピントが合う。この原理は正しいのだが,一体どの様にしてカメラから遠く離れた場所に「仮想的な軸」を作り,その軸を山と花を通る「仮想ピント面」に一致させるのか良く分からない。解説書のイラスト等にある「空中に楼閣を描く作業」と,「現実のカメラ操作」の間にギャップを感じる。結局,風景を見ながら適当にティルト量を決め,ピントとティルトを微調整しながら試行錯誤で設定することになる。設定には手間と時間がかかり,理屈が分からないのでストレスも溜まる。

実は,必要なティルト量は,カメラのピントグラス上の画像情報と,2点(花と山)のピントの位置情報だけから求まる。
ここでは,カメラバックの上部を距離(Z_y)だけ引き出してティルトダウンでピントを合わせる状況を考える。標準位置で,遠景の山頂にピントを合わせた時のレンズの位置と,近景の花にピントを合わせた時の位置の差をz,ピントグラス上での花と山頂の間隔(ティルト軸に直角の高さ方向成分)をyとする。ピントが合う時のティルト角をθ,バックの一辺の長さをLとすると,必要なティルト角の正接は,

   tan θ = z/y = Z_y/(L cos(θ/2)) ≒ Z_y/L         (1)

ここで近似はcos(θ/2)≒1 (θ<<1)。(1)式から,バックの引き出し距離 Z_yは,

   Z_y ≒ (z/y) L.                            (2)

テヒニカ23のバック長は L=123 mm(45はL=156 mm)なので,2点の画像の間隔(y)とピント位置の差(z)から,(2)式でバック上部の引き出し距離 Z_y(mm)が求まる。(2)式は,水平方向のスウィングの場合も成り立つ。その場合,yはスウィング軸に直角の水平方向成分(x)になり,Z_yは,近景側のバック側面の引き出し距離(Z_x)になる。


図:バックティルトの設定法.

狸おやじ 2022/06/21(Tue) 22:00 No.2002
バックティルトとスウィングの設定法
テヒニカのバックやフロントには角度目盛がないので,ティルトやスウィングを距離で設定する(2)式は便利だ。(ビューカメラでは,(1)式の角度を設定する。)
(2)式の距離をカメラに設定すると,結果としてシャインプルークの原理を満たす。ここで求めた条件は,フロントのアオリの情報を含んでいない。つまり,フロントに弱いティルトをかけた場合でも(2)式は成り立ち,必要なティルトの追加量を与える。

バックティルトの場合,近景は拡大され,遠景の山は相対的に縮小されて遠近感が強くなる。これを防ぐには,フロントにライズを加えて遠景を拡大する(その場合,フロントティルトの状況に近づく)。

撮影時は,ピント位置の差(z)と画像上の間隔(y)を精度良く測り,計算値(Z_y)をカメラバックに設定する必要がある。私はピントレールの横に小さなスケールを貼り,百均店で買った透明スケールと小型の簡易ノギスを携行している。


写真:簡易ノギスとスケール.

狸おやじ 2022/06/22(Wed) 20:49 No.2003
バックティルトとスウィングの設
ティルトとスウィングを同時に行う場合も,引き出し量を求めることができる(下図)。

ピントグラス上での2点(山頂と花)の間隔の水平方向成分がx,高さ方向成分がy,2点のピント位置の差がzの場合を考える。この場合,2点を合焦させる「仮想ピント面」は2点を通る軸の周りに無限に存在するが,その中でカメラバックのピントグラスと成す角度が最小の仮想ピント面が最も自然(アオリの調整量が最も少ない)と考える。その場合,遠景(山頂)が一番近いバックの角を支点(ピボット)にして,バックの横辺の引き出し量をZ_x,上辺の引き出し量をZ_yとすると,

     Z_x ≒ (z x/d^2) L                     (3)

     Z_y ≒ (z y/d^2) L                     (4)

ここで,dは2点間の直線距離で,d^2 = x^2+y^2。因みに,水平方向成分がゼロ(x=0)の場合,d=yになり,(4)式は Z_y = (z/y)L,つまり(2)式になる。

私の予想では,アオリ操作に精通したプロの写真家は,遠景と近景が斜めに配置した状況で,この最適な設定(3,4)を無意識(直感的)に行っていると思う。この式の計算は少し面倒だが,プログラムを組んでおけば,iPhone等の携帯でもできる。将来的にデジタルバックとオートフォーカスが普及すれば,合焦させたい2点をモニター上で入力するだけで,最適なアオリ量を計算し,ティルトとスウィングを自動的に設定できる時代が来るかもしれない。

同様に,3点に同時にピントを合わせる場合も,ティルトとスウィング量も求めることができる。
導出は割と簡単だが,出てくる式が少し複雑なので,(現時点では)あまり実用的でないと思う。将来的にデジタル化が進んだ頃(?)に,もしニーズがあれば紹介しようと思う。


図:バックティルトとスウィングの設定法.

狸おやじ 2022/06/22(Wed) 21:18 No.2004
Re: バックティルトとスウィングの設定法
狸おやじ様、すばらしい方法のご教授ありがとうございます。
こんなロジカルな方法があるのですね。

「遊動枠」を採用した(コピーした)カメラはマミヤプレス とホースマン ですが、マミヤプレス は固定が華奢でロールフィルムホルダー向きではなく2x3シートホルダ用と思われます。ホースマン も強力に固定される印象はなく、やはりスーパーローレックスをがっちり支えられるリンホフしか実用的には信頼できないように思っています。

テクニカルダンなどセンターティルトができるモノレールを使うとバックアオリの便利さが実感できますが、「遊動枠」でアオるのは狸おやじ様が最初に述べられた通り見当をつけて試行錯誤しかできていなかったのが実情で、このような厳密な理論があるとは全く意識しておりませんでした。

フロントティルトはシャインプリュークがイメージしやすい反面、少しパースにクセがつくように思えます。
今後テヒニカでバックアオリをもっと活用して行こうと思いました。
れんずまにあ 2022/06/22(Wed) 21:18 No.2005
Re: バックティルトとスウィングの設定法
れんずまにあ様,早速のコメントをいただきありがとうございます。

>こんなロジカルな方法があるのですね。

そうですね,私もつい最近知りました。
元々はジナーの創業者コッホ氏が,4x5のビューカメラで遠点と近点の差が70mmの時のティルト/スウィング角を求める方法として提案した様です。上の(2)式は,日本大判写真連盟の勉強会資料(*)の最後に出ています。多分昔から使われている方法と思います。私は2回程試しましたが,正確にティルトの設定が出来ました。皆様も是非活用していただけたらと思います。

(3,4)式は(今の所)私のオリジナルと思っていますが,既に良く知られているかもしれません。(ご存知の方はお教え下さい。)

>「遊動枠」を採用した(コピーした)カメラはマミヤプレス とホースマン ですが

「遊動枠」は私の拙訳で,あまり適切でないかも。Schwenkは英語のswingで,Rahmenはframe(枠)なので,"swing frame"ですが,ティルトもできる。で,swingが「ブランコ」の意味もあるので,「遊動」としてみましたが,「ユラユラ枠」のイメージです。

>今後テヒニカでバックアオリをもっと活用して行こうと思いました。

テヒニカはネジを緩めるとバックが「グラグラ」になるので,テクニカル系でもダイヤルで設定できるウィスタ等の方が使い易いという人もいます。でも私はテヒニカですね。このグラグラバックを使いこなすのも楽しみで,その時,上の設定法をご活用いただけたら嬉しく思います。
狸おやじ 2022/06/23(Thu) 20:35 No.2006
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
Rodenstock Lens tilt and swing calculatorを入手しました。

https://www.linhofstudio.com/products/Depth-of-Field-Calculator/Depth_of_Field_and_Tilt_Swing_Calculator

40年前に購入したKodak Professional Photoguidには8種の計算盤が付属して、ビューカメラパースペクティブと被写界深度のコントロール、撮影位置によるスタンダードの調整、小型カメラのパースペクティブのコントロールの図解がありましたが、ティルト・スイングの計算盤はありませんでした。
FOV 2022/06/29(Wed) 23:37 No.2011
Re: バックティルトとスウィングの設定法
FOV様,ご投稿と情報をありがとうございます。

この計算盤は,以前リンホフのサイトで見ました。ティルトやスウィング時の被写界深度を手早く計算する道具ですね。使い易さ等がわかりましたら是非お教えください。考案者のWalter E. Schoenさんは,リンホフの大判セミナーの講師をされていたようですが,ローデンシュトック製というのも面白い。

アオリ撮影は自由度が大きいので,試行錯誤の設定は大変です。ローデンシュトックやコダックの計算盤の様に,設定の手助けになる小道具があると便利ですね。私は携帯(iPhone)で,(2-4)式のバックティルトとスウィング量を計算するプログラムを作る予定です。もし上手くできたら,どこかで公開できればと考えています。
狸おやじ 2022/07/01(Fri) 20:38 No.2027
ファインダールーペ
野外でテクニカル(フィールド)カメラを使う時に困るのが,冠布とルーペ。
以前(No.1793~1836)も書いたが,冠布を被って小さいルーペでピントグラスを覗くのは結構面倒で,暑い夏には汗だくになる。ルーペはれんずまにあ様から貴重なアドバイスをいただき,角形のルーペも使ってみたが,四隅は見易いが短いのでピントフードと併用できない。ロングルーペも探したが,気に入ったものはまだ見つからない。何かもっと手軽に遮光しながらピントグラスを見る方法が無いかと考えていた。テヒニカ23には,ピントグラスバックに取付ける「反射型ビューファインダー」の純正品(No.1960, #002629)が販売されているが,高価で使用情報も少ない。ホースマンのアングルファインダー(No.1587)もあるが,取り付けにはアダプターが必要。

最近,デジタルカメラの液晶画面(LCD)を野外で見るためのビューファインダールーペが国内外で販売されている。これは合成樹脂製(又はゴム製)のフード付ルーペで,3~3.2インチのLCDに合わせて作られている。フードの外寸は短辺60x長辺80mm程なので,6x9のピントグラス(56x85mm)で使えそうだ。種類はいろいろあるが,老眼が気になる狸親爺は,視度調整機構付のLCDビューファインダールーペ(Matin, M-6296)を選んだ。値段はアマゾンで7000円程。目に自信がある人には,視度調整無しで3000円位からフード折り畳み式もある。


写真:左:Matinファインダールーペ,右:ローデンシュトックアスフェリカルルーペ.

狸おやじ 2022/09/04(Sun) 19:19 No.2056
ファインダールーペ
Matinのファインダールーペの倍率は2倍で,ローデンシュトックのアスフェリカルルーペ(4倍)と比べて拡大率は小さい。ピント合わせにはローデンの方が向くが,ファインダールーペは画面全体が見えるので,全体の構図を決める時に役立つ。撮影画面の短辺(縦)方向はカバーするが,長辺(横)方向は5mm程欠ける。四隅を確認するにはルーペを5mm程長辺方向に動かす必要がある。視度調整機構は無くてもよいが,老眼気味の私の場合,数ミリ引き出すと見やすい。

付属の紐はルーペの固定に使える。テヒニカIV(III)23の場合,側面にストラップ用のフックとバックアオリの固定ノブがあるので,ルーペの紐をこれらに沿わせて交差させてからルーペに掛けると固定できる(写真)。紐には適度の弾性があり,この状態でもルーペを上下左右に動かせる。紐はフロントの蛇腹やレンズボードに干渉しないので,アオリやピント調整,レンズ交換が可能。両手がフリーになり,ルーペで画像全体を確認しながら両手でアオリやピント調整ができるので便利だ。


写真:ファインダールーペの装着例 (テヒニカ IV 23).

狸おやじ 2022/09/04(Sun) 20:16 No.2057
ホースマン アングルビューファインダー
これはミズタニのリンホフ23ーグラフロックアダプターを介して、ピントグラス付きのホースマンアングルファインダーをとりつけていますが、ピントグラスと分離できますので、ルーペとハウジング部分を何らかの手段でリンホフフォーカシングスクリーンに接続できるかもしれません。

倍率は3倍。視野は6x7が一望できますが、6x9は視点を傾けて端を覗き込むようにしないと見えません。

ご提示のLCD用ルーペはよいご選択です。左右は、少しルーペのフードの左右をカットして別の材料で延長すれば6x9をカバーできるのかも。

れんずまにあ 2022/09/07(Wed) 22:55 No.2058
Re: ホースマン アングルビューファインダー
れんずまにあ様,コメントと写真をありがとうございます。

ホースマンのアングルビューファインダーは使い易そうですね。倍率も3倍で見やすいと思います。私はリンホフの「反射式ビューファインダー」を時々ネットで探していますが,高値だったり状態が悪かったりでまだ入手できていません。

テレセントリック性の低い広角系レンズでは画面の隅が見難いので,フードの中でルーペを動かせると理想的です。(なので,袋蛇腹風の布製フードを自作している方もいます。)LCDルーペをゴム紐で取り付けるのは時間がかかり面倒ですが,ルーペの位置をある程度動かせるので,四隅を確認する時は便利です。


写真:Matinルーぺの装着例 (背面).

狸おやじ 2022/09/09(Fri) 20:31 No.2060
Re: 蛇腹マグニファイア
これはシルベストリの23グラフロックマウント用ベローズマグニファイアです。
Jack Taitの広角シフトカメラに付属していたもので、やはりこのような斜めから覗けるでデバイスでないと端は見えないんですね。
倍率はわかりませんが単玉レンズ。
4x5用のトヨ製は、蛇腹というよりも、やや硬めの可動域が狭いもので、このタイプは皆単玉ですね。
個人的印象ですが、被り布をして複玉のルーペを手で持つ方がよく見える気がします。
でもそれだけ手間が掛かるし、撮影スタイルによるでしょう。正解はないと思います。

れんずまにあ 2022/09/11(Sun) 11:35 No.2061
Re: 蛇腹マグニファイア
れんずまにあ様,コメントとシルベストリの蛇腹ルーペの写真をありがとうございます。
皆様いろいろ工夫されていて脱帽です。

仰る様に,ピントグラスが一番見やすいのは,冠布+複玉のフォーカシングルーペと思います。
私も大事な場面では,古い冠布(No.1783)とローデンの非球面ルーペ(No.1802)を使っています。でも冠布は暑いし面倒なので... フード付LCDルーペも状況に応じて時々使っています。

テヒニカ23には,純正の蛇腹付ルーペが提供されていました。23Vの取説中の製品番号は#002504で,現行品リストの"Focusing bellows 23"と一致します(No.1960)。後者は蛇腹式フードと考えていましたが,ルーペ(拡大レンズ)付かもしれません。何か新しい情報が得られたら,またご報告します。
狸おやじ 2022/09/12(Mon) 21:06 No.2062
シートフィルムホルダー
最初(No.1556)にも書いたが,テヒニカ23は120フィルムバック(スーパーローレックス 23)の他に,シートフィルムホルダーを使って撮影ができる。

テヒニカ23で使えるシートフィルムは2種類あり,ヨーロッパで普及した「大名刺判」(6.5x9 cm: 実寸63x88 mm)と,アメリカで使われた「小名刺判」(2.25x3.25インチ: 実寸57x82 mm?)がある。リンホフは,2つの規格に合わせた専用ホルダーを提供していて,大名刺判には"6 1/2 x 9",小名刺判には"2 1/4 x 3 1/4"とホルダーに表示がある。この2種類のフィルムには互換性がなく,各ホルダーに合うフィルムを入手して使う必要がある。大名刺判は画面が一回り大きいのでお勧めだが,小名刺判は,チェキのインスタントフィルム(Instax mini)が使える(?)という噂がある(No.2065)。

純正のホルダーは,「リンホフダブルホルダー23」と「スーパーカットフィルムホルダー23」があり,前者はシートフィルムかガラス乾板が装着できるが,後者はシートフィルム専用で,その分薄く軽量に作られている。前者はテヒニカIIIの発売(1946年)から提供され,後者はV(1963年)から追加された。どちらも表と裏に2枚のフィルムが装填でき,4x5や5x7インチのホルダーと基本的に同じ構造になっている。(因みに,テヒニカ23は,グラフィック規格のフィルムホルダーが使用できるとIVの取説に説明がある。)

大名刺判のシートフィルムは,国内では10数年前までモノクローム(フジ ネオパン100 ACROS)が販売されていたが,現在は製造中止。一方,海外では種類は少ないがシートフィルムの販売が続いている。最近120フィルムが高騰している事もあり,代替策を考える目的でホルダーを購入してみた。中古のホルダー(大名刺判)は,eBay等で2000~6000円程で,以前と比べて半値位。


写真:リンホフダブルホルダー(左)とスーパーカットフィルムホルダー(右).

狸おやじ 2022/09/25(Sun) 21:31 No.2063
Re: シートフィルムホルダー
リンホフのダブルホルダーの重さは150 g,スーパーカットフィルムホルダーは110 g程で,どちらも軽量に作られている。
大名刺判の画面サイズは58x81 mmで,6x9判のスーパーローレックス23(57x85 mm)より長辺が少し短い。フィルム(乾板)をダブルホルダーに装填するには,引き蓋を引いてロックを外し末端のフラップを開き,圧板と側面のガイドの間に挿入する。ホルダー側面にはイジェクトレバーがあり,レバー操作でフィルム(乾板)を取り出せる。スーパーカットフィルムホルダーも同様だが,フラップの開閉が逆向き(内向き)で,背面とガイドの隙間(0.5 mm程)にフィルムを滑り込ませて装填する(圧板とイジェクトレバーは省かれている)。圧板はフィルム面の正確な位置決めと固定に役立つが,薄いシートフィルムを使う場合,圧板の力が強いので指で押しながら装填する必要がある。シートフィルムだけを使うなら,カットフィルムホルダーの方が装填が楽だと思う。

ホルダーは,ピントグラスバックのスプリングスロットに直接挿入するので,バック全体を交換するフィルムバックより操作が簡単。操作手順は,ピント合わせの後,ホルダーをスロットに挿入して引き蓋を(フィルムが露出するまで)引き撮影。引き蓋を(反転して)戻しホルダーを抜き反転挿入。裏面で同様に撮影してからホルダーを抜く。

ホルダーの着脱は片手でできるので,慣れるとワンアクションでホルダー挿入+引き蓋引き,引き蓋戻し+ホルダー抜きが可能。左手のアナトミカルグリップでカメラを保持しながら,右手でホルダーの着脱と反転を繰り返しながら撮影できる。この辺は流石に「プレスカメラ」で,良く出来ている。操作のコツは,撮影後に引き蓋を反転させて番号面を内側にして「撮影済」のサインにすることと,ホルダーを抜く時に斜め後方に引いてスロットのロックを外し(抵抗を減らし)てから抜くこと。


写真:ダブルホルダーとスーパーテヒニカ IV 23.

狸おやじ 2022/09/25(Sun) 22:00 No.2064
Re: シートフィルムホルダー
報道写真用の「プレスカメラ」は,グラフレックスのスピードグラフィックが有名だが,距離計付のスーパーテヒニカ III(1946年~)やテヒニカプレス23(1956年~)も健闘していた。昔の映画の撮影シーン(ローマの...)等を思い出しながら,ホルダーを操作して撮影すると楽しそうだ。

問題はシートフィルムが入手し難いこと。
現在海外で販売されている大名刺判(6.5x9 cm, 2.5x3.5インチ)のモノクロフィルムは,私が調べた範囲では,

Foma Fomapan 100, 2.5x3.5 inch, 50 sheets, 19.04ユーロ(*)
Adox CHS 100 II, 6.5x9 cm, 25 sheets, 32ユーロ
Ilford FP4 Plus ISO 125, 2.5x3.5 inch, 25 sheets, 64ユーロ
Agfa APX 100, glass plate, 65x90x1.5 mm, 10 pieces, 119ドル
Shanghai GP3 100, 6.2x8.9 cm, 100 sheets, 8196円(**)
...

値段が手頃なのはフォマパンで,一枚0.4ユーロ(60円程)。送料を入れても安そう(*)。
アドックスCHSやイルフォードFP4は画質に定評がある。アグファのガラス乾板(!)も魅力的だが,現像は難しそう。自分でカットする場合,5x7インチフィルムからだと6.5x9 cm(2.5x3.5インチ)が4枚取れるので効率的と思う。

フジのチェキ用のインスタントフィルム(Instax mini, 54x86 mm)が,グラフレックスの小名刺判ホルダー(2.25x3.25インチ)に装着できるという情報が海外のサイトに出ている。フィルムの装填や取出しは暗所で行い,現像(ローラー押出し)にはチェキか専用バックが必要なようだ。(リンホフの小名刺判フィルムホルダーで使えるかどうかは,現時点で未確認。)興味のある人は,例えば,
https://www.youtube.com/watch?v=nxh7jBVvuOg

以上ご参考になれば幸い。

*) フォマパン100は,日本でも販売が開始された。詳しくはNo.2072の追記を参照。
**) 2023年2月2日追加。
狸おやじ 2022/09/25(Sun) 22:33 No.2065
フラッシュブラケットの利用法
テヒニカ23(45,57,70)の右側面には,「フラッシュブラケット」という金具(15.5x57 mm)があり,専用のフラッシュユニット(Linhof Capacitor Flash Gun)や右手のアナトミカルグリップを装着できる。しかし,リンホフの純正フラッシュや右手グリップはあまり数が出なかったようで,現在の中古市場ではほとんど見ない。

このブラケットを活用する方法が無いかと考えていた。理想的には丸いリフレクター付きの古典的なフラッシュガンを取り付けて「プレスカメラ」風(Weegee風?)に楽しみたいが,ブラケットにはいろいろ種類があり,例えば米国のグラフレックスのスピグラ系のブラケットとは形状が異なるようだ。テヒニカのブラケットに付きそうなフラッシュガンは,リンホフ純正か日本のミニカムが1950~60年頃に作っていたようだ。ミニカムのフラッシュガンはeBayにも出品があり,格好が良くて魅力的だが,燃焼型のZrフラッシュなので実用性に乏しい。ミニカムは電子フラッシュ(Twinklite)も出していて使えそうに見える。でも,50年以上前の電気製品(特に高圧電解コンデンサー)は心配だなあ... と手を出しかねていた。

最近,ヤフオクでミニカムの「フラッシュ台」を見つけた。これはTwinkliteの発光部を取り除き,代わりにコールドシューを取り付けたような形状で,文字通りフラッシュ台というか単なるグリップ。でも,側面にテヒニカのブラケットに付きそうな継手がある。謎の商品(改造品?)だし,テヒニカに付くかどうかも分からないが,駄目で元々,2500円なら勉強代と思って落札してみた。

取り付けてみるとピッタリ。やったー。(兵庫県の売主様,ありがとうございました。)


写真:ミニカムの「フラッシュ台」とテヒニカのブラケット。

狸おやじ 2022/11/13(Sun) 15:21 No.2068
Re: フラッシュブラケットの利用法
ミニカムのフラッシュ台は,継手のジョイントをブラケットの下から差し込み,黒いダイヤルを回して締め付けて固定する。ブラケット上部には反り(ストッパー)があり,固定ダイヤルを締めた状態だと数kg重の力に耐える強度がある。フラッシュ台はカメラのグリップとしても使える。

この台に,昔から使っているパナソニックのストロボ(PE-36S)を,エツミのホットシューアダプター(E-519)を介して載せてみた。本来はグリップ型の強力なストロボを使いたい所だが,手持ちのスナップ撮影では軽い外光オートのPE-36Sも重宝する。完全マニュアルのテヒニカで,ストロボを使う時はオートで撮れるのは不思議な(得した?)気がする。ガイドナンバーは36(35mm画角)だが,実は最近のストロボ(例えば,ニッシンMG8やMG80Pro)より大光量。手持ちの直当てはNGなので,バウンスか,白色以外の天井や野外ではバウンス型のディフューザー(LumiQuest LQ-103S)を使う予定。フラッシュ台を外せば手持ち用になり,リモートセンサー(PW-12S)を使ってオフカメラでオート調光もできる。総重量3.6 kgと重いが,両手でグリップを握るなら許容範囲。昔の「プレス風カメラ」は見た目の迫力があり,人の集まる所で使うと楽しそうだ。


写真:ミニカムフラッシュ台(+PE-36S+LQ-103S)とテヒニカIV23。

狸おやじ 2022/11/13(Sun) 16:58 No.2069
Re: シートフィルムホルダー
狸おやじ様、今回もたいへんな労作まことにありがとうございます。

2x3シートはピントグラス撮影での操作性と、フィルム平面性の良さで以前から気になっておりまして、しかしフィルム入手難のためいつも尻込みしていました。
20年ほど前はヨドバシカメラでアクロスがまだ置いていましたね。

さてその中で、大名刺判と小名刺判があり互換性がないことは今回初めて知りました。
6x5x9cmと、2,25x3.25"が違うものだとはまったく考えていませんでしたし、リンホフ がそれぞれに対応したシートホルダーを出していることすら知りませんでした。
まったく不勉強かつ不注意の極みですが、導入する前に情報をいただけたことは何よりです。

私の海外通販先は、米国はフィルムなどを購入することはあっても欧州はカメラ機材だけで、フィルムを注文できる店を知らない始末。
試しに米国B&Hを除くと案の定2.25x3.25しか在庫していませんでした。
日本では以前かわうそ商店さんに6.5x9を置いてたと思ってたら、もうないようで...

まずはホルダーを確保しないと始まりませんし、そのホルダを大小どっちにするかでフィルム注文に至りません。
国内ではマミヤプレス 用が結構ジャンク箱にあったのだけど,コロナ流行ってからジャンク箱覗きにいってないからなあ...もう捨てられてるんじゃ...
れんずまにあ 2022/11/13(Sun) 19:58 No.2070
Re: フラッシュブラケット
ブラケット、とてもよい利用法がみつかりましたね。

グラフレックスのはスターウォーズのライトセーバーに加工される目的で大人気(w
とてもまともな目的で買えません。

PE-36Sはとてもよいフラッシュ。
昨今の特定機種に高度に専用化したフラッシュと真反対に、高度に汎用化した最後の製品かと思います。
すなわちマニュアルカメラに最適。おっしゃる通りフルメカカメラがあっという間に自動露光カメラに変身。
下位機種PE-28Sとともに、マクロ機能が内蔵されているのも私的にはポイント高いです。

最近のフラッシュGNは望遠側に照射角を絞った時の表示が多く、ハイパワーに見えて実はしょぼいものが多いですね。
やっぱりフラッシュは周り全体を如何に明るくできるかで決まります。
GNは35mm角より狭い条件の表示は禁止すべきです(w)またはワット数で表示すべき。
私もルミクエストつけてます。
れんずまにあ 2022/11/13(Sun) 20:11 No.2071
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様

沢山コメントをいただきありがとうございます。

テヒニカ23/70の2種類のフィルム規格(大名刺判:6.5x9cm,小名刺判:2.25x3.25インチ)は,実は私も良く知らなかったのですが,書きながら取説や海外のサイトを調べる中で分かってきたというのが実情です。なので,途中で何度も書き直し,混乱させてしまったかもしれません。上に書いた情報が,少しでもれんずまにあ様や皆様のお役に立てば幸いです。

大名刺判のシートフィルムは私も入手したいと思い,いくつかの店舗に打診していますが,まだ返事がありません(*)。ドイツのMacodirectやスイスのTopfotoには在庫がありそうなので交渉してみて,何か進んだらご報告します。B&Hには1つ(Ilford Delta 100)出ていますが,25枚で173ドルは高すぎですね。

テヒニカ23/70のピントグラスバックは,一般的なグラフレックス23規格(小名刺判?)のフィルムホルダーが使えるかもしれません(IVとVの取説にその旨の記述あり)。マミヤプレスのフィルムホルダーも(グラフレックス23規格なら)使えるかも。

PE-36Sは私も愛用しています。少し古くなり心配なので,予備を1つ中古で購入しました。(PE-36Sの公称出力は60Wsですが,発光効率が高い為か,ニッシンの83Wsの機種より光量が27%程多い。実光量から"実効出力"を計算すると,105Wsになる。)現行の外光オートの汎用ストロボはMecablitz 64だけかと思っていましたが,Godoxが新しい外光オートフラッシュ(Lux Senior)を出したようです。これは復古調の小型フラッシュですが,センサーや制御用チップを用意したはずで,今後他のフラッシュにも外光オート機能が付くかな(?)と少し期待しています。

ルミクエストは使い易いですね。コンパクトに折り畳めるので便利です。拡散部を丸く大きくしてくれるともっと良いのですが,どこか日本のメーカーが作ってくれないかなあ。

*) 追記(2022年12月18日):
大名刺判のシートフィルムについて,「みらいフィルムズ」さんと「かわうそ商店」さんから連絡があり,フォマパン100(6.5x9cm, 2.5x3.5インチ)の販売を開始したそうです:
http://miraifilms.jp/?pid=171792675
http://kawauso.biz/products/list.php?transactionid=50414011ac6ee099aab878a36f671ccb09ff7522&mode=search&category_id=188&name=&search.x=88&search.y=19

50枚入で3300~4600円なのでリーズナブルと思います。
他のフィルム(Adox, Ilford... )についても,情報が入ったらご報告します。

中判シートフィルム市場が盛況になると嬉しいなあ。
狸おやじ 2022/11/14(Mon) 21:27 No.2072
Rotelar 270mmf5.6
昔の広告ですがプレス23用のロテラー270/5.6です。
ボディ不所持で入手の目処もありませんでしたので,興味はあったものの記録だけしていました。
70用は出たのかどうか興味深いです。

れんずまにあ 2022/12/08(Thu) 18:15 No.2093
Re: Rotelar 270mmf5.6
れんずまにあ様
テヒニカプレス用のロテラー270mmは迫力がありますね。プレス70用も出たかどうか...

ロテラーは私も好きなレンズで,180mm(F4.5)を愛用しています。テレフォトレンズは非対称構成の為か,対称型の広角や標準レンズより設計者の思想(収差特性)が画像に出易いと感じます。ロテラーと共に気に入っているのはテロマーで,コントラストは控え目ですが解像度の高いシャープな描写と背景のボケ味が魅力です。
狸おやじ 2023/01/04(Wed) 22:02 No.2111
Re: 2x3シートフィルム
狸おやじ様、情報ありがとうございます。
大名刺の入荷があったとのこと。
慌ててホルダーの捜索に掛かりました。
ホースマン とマミヤは片面で大抵2枚セットで出ていますが、流石に2カットでダークバッグ交換は、肖像写真館でもなければ実用的ではありません。
それに国産は2 1/4なのか2 1/2なのかよくわからない。
海外にリンホフ2 1/2が出てますけど流石にリンホフは高価です。
オクに出品があるフィディリティは2 1/4小名刺のほうですね。裏表2個で4カットなら最低限持ち出せそうですが。
乾板カメラ用のホルダーに入るのなら面白いけれど、そちらも手持ちは数がなく、実用には時間がかかりそうです。
ホルダは探すとして、フィルムから先に抑えるべきかしら。
もうひとつ、現像をどうしようかと。皿現像は不可能じゃないけど、タンクが使える4x5のほうが気軽な現状は本末顛倒な気がします。これは私の環境の問題ですが。
れんずまにあ 2023/01/06(Fri) 21:28 No.2112
Re: 2x3シートフィルム
れんずまにあ様,コメントをいただきありがとうございます。

フォマパン100(大名刺判)は,国内では上の2店舗で販売されています。どちらも在庫はなく注文(+入金確認)後の取り寄せになるそうです。私は,12月にかわうそ商店に一箱注文しました。1-2ヶ月かかるそうで,気長~に待っています。

ホースマンやマミヤの製品には疎いのですが,私の手元にホースマンのカタログ(1996年版)があります。これを見ると,VHの6x9マウント(G)用として,片面シートフィルムホルダー(6x9大名刺判及びキャビネx1/4,No.22481)とリスコリーガルII(2.25x3.25"小名刺判,No.28423)が出ています。なので,恐らく片面ホルダーの2枚セットは大名刺判で,Fedilityがリスコと同じ米国製なら小名刺判(?)と思います。

ガラス乾板用のホルダー(大名刺判,ベンツィンプリマー用)が,私の手元にもあるので試してみました。しかし,背面が板バネなので薄いフィルムは平坦に収まりません。板バネの高さを調整すると何とか収まるのですが,フィルムサイズが微妙に(乾板より?)小さい為か固定が安定しません。平坦性も含めてきちんと装填するには,背面に薄板を入れる等の工夫が必要の様です。もしかするとチェキ(Instax mini)は厚めなので(小名刺判なら?)上手く装填できるかも。

>もうひとつ、現像をどうしようかと。皿現像は不可能じゃないけど、タンクが使える4x5のほうが気軽な現状は本末顛倒な気がします。

そ,そうですね。現像をどうしよう...
ネットを探すと4x5”用の現像タンク用スペーサーがあるのでそれを流用できないか。あるいはステンレス板でホルダーを自作している方もいるようです(4x5”用ですが)。輪ゴムを使うという手もあるかも...

実は私は現像タンクから揃えないとならず,6.5x9シートフィルムの現像ができるタンクを購入しようかと考えています(パターソンPTP-115+QL69-Pかヨーボ2520辺りが候補です)。それまでは,恥ずかしながら外注の予定です。

私が調べた範囲で一番お手頃の価格を提示してくれた現像所は,プロラボサービスネットです。
4x5”の10%増の価格で現像でき,増減感にも対応してくれるそうです。価格表は,
https://www.tac-photo.co.jp/prolab/dev.html
狸おやじ 2023/01/07(Sat) 13:08 No.2113
Re: シートフィルム 現像
狸おやじ様詳細にご説明ありがとうございます。
みらいフィルムズさんはいつも通販しており,オーダーかけてみようと思います。

シートフィルム 現像は、いちいち暗室を作らねばならない皿現像は大変なので、8x10のようなタンク現像が不可能なサイズはやむなくやりますが、大名刺のような小型フォーマットには億劫です。気軽に撮影して、現像大仕事ではちょっと...

10年ほど前新宿ヨドバシでイルフォードMod54 Sheet film Mk27というパターソンタンク用の4x5が6枚セットできるホルダを購入しており、昨年から実用を始めました。
135x2、または120x1用のパターソンにちょうど入ります。
ただ今ヨドバシ通販サイトを確認したら、倍以上に値上がりしていて驚きました...

大名刺にもなにかホルダーがあればよいのですが...Mod54を参考に、自作も可能かもしれませんね。
あるいは、ダークバッグを改造して、明室で手だけ突っ込んで作業できるボックスが作れたらどうかなと妄想しています。
ミニラボで使っていたフィルム巻き込み対策の、両手を入れる小型トランクのようなボックス(フジフィルムの塗装がしてある)を頂いたので,何かできないかなと。
少し悩んでみます。

<追記>
マミヤプレス の説明書https://corect.net/lib/pdf/MAMIYA/MAMIYA_Mamiya_Press.pdf
に、乾板ホルダーの乾板サイズは21/2x31/2であること、
カットフィルムはカビネサイズ(4 3/4 x 6 1/2)を1/4に切って乾板撮り枠(乾板ホルダーのこと)に入れて使うこと(本当にカットするんだ...カッターもマミヤが用意していた模様)
大名刺のカットフィルムが手に入る時は、フィルムの後ろに不要の乾板などをあてがって使用、と書いてあります。
大名刺はやわらかいので平面性が単独では保てないのでしょうか。それならカビネは硬いのか?

私も乾板ホルダーに入れる際にはプラスチックの板などを後ろに設置するか、板に粘着力が弱い何かでフィルムを貼り付けてもいいかなと考えてましたので、ちょうどよかったです.
すると、最悪120を切断して板に貼ってもいいのか?? 悩ましいですね。
れんずまにあ 2023/01/07(Sat) 18:27 No.2114
Re: シートフィルム現像
れんずまにあ様,早速のお返事と貴重な情報をありがとうございます。

Mod54 Mk27 4x5 Film Processorをネットで見ました。フィルムがワンタッチで固定できて使い易そうですね。この2x3"判があればベストですが,残念ながら今は出てないのですね。

ご存知かも知れませんが,"20th Century Camera"が,Paterson用のフィルムホルダー(QL69 (6.5x9cm), QL23 (2.25x3.25"))を販売しています(https://20thcenturycamera.com/collections/film-reels)。6角スパイラル状のリールで,6枚のシートフィルムを装着できるようです。135x2以上の現像タンクで使えるようで,Patersonをお使いなら候補になると思います。JOBOは2509nという汎用型ホルダーを出していて,これは6x9cm~4x5"をカバーするようです。ただ,2520以上の大型タンク(回転式?)が必要で,値段も高いのが難点です。使い勝手も,動画を見る限り少し?です。

マミヤプレスの説明書は大変興味深いです。専用カッターまで売っていて驚きました。ホースマンのカタログにも「キャビネ1/4」とあり,どう1/4にするのか疑問でしたが,昔はカッターを所持して自分で切る人が多かったのでしょうね。(カッターを持ち込む)暗室をどうするとか,手探りで上手く切れるかとか,指を切ったりしないのとか... 考えると色々謎で興味深い。

拙宅にはダークバックもないので,れんずまにあ様のダークボックス(FujiのFDB12L?)が羨ましいです。Fomaのシートフィルムが届いたら,押入れで「ドラエモン」化するしかないか。。。
狸おやじ 2023/01/08(Sun) 11:11 No.2115
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
はじまして、投稿させていただきました。長年、フイルムカメラ愛用、デジタル初期に嫌になってしばしおさらば。ここ2年ほどでいきなり中判デジタルを始めて当初は夢中に、でも待てよと固まったハッセルをオーバーホールして又フイルム回帰しています。6×9に憧れて昔のスプリングカメラ物色しているうちにリンホフ23Vにぶち当たり購入したが最後底なし沼を楽しんでいます。まだレンズはアポジンマー1本ですが思いっきり6×9を楽しむつもりです。ついでにGFXアダプターも注文しました。届いたら二刀流楽しむつもりです。このサイト大変勉強になります。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/01/19(Thu) 23:45 No.2125
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,ようこそいらっしゃいませ。
中判デジタルからハッセルブラッド,リンホフテヒニカ23Vは,珠玉のご選択とお見受けします。こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。

テヒニカ23Vは,最終モデルであることに加え,距離計連動機構が規格化された為,互換性と拡張性に優れる最高のカメラと思います。お使いのアポジンマーに加え,広角65mmや望遠180mmも,23V型ボード付きなら,お持ちのカムで距離計に連動するかもしれません。これはVと70の特典で羨ましく思います。(IVまでは個別の調整ですが,Vと70からは標準規格への調整になったようです。)

>ついでにGFXアダプターも注文しました。

これは楽しみですね。届きましたら是非ご使用の感想をお教えください。最近フィルム価格が高騰し,カラーポジ等はいつ廃番になるか分からない状況です。私もデジタル移行に備えてハッセルV用アダプターを用意しましたが,CFVデジタルバックは(予算的に)まだ目処が付きません(No.1633)。フジのGFXは評判が良いので,先ずはGFXを購入しテヒニカ23に付けてみたいとも考えていました。GFXアダプターが上手くフィットして使い易いと良いですね。
狸おやじ 2023/01/20(Fri) 20:39 No.2126
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
心強いお返事、ありがとうございます。何せ、アオリのテクニック知らずのズブの素人が禁断の扉開けてしまいまして、今までのピント合わせからやり直しです。恥を忍んでエキスパートの皆様に質問していくつもりです。大名刺判?やってみたいですねー。フジフイルムにフイルム専門子会社を作ってもらいたいくらいです。デジタルは綺麗ですが、何故か感動しません。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/01/20(Fri) 22:24 No.2127
Re: リンホフテヒニカV23
フィルム大好き様ようこそいらっしゃいませ.
スーパーテヒニカVは機能と強度と優雅なデザインを兼ね備えた憧れの機種でした.
すばらしいカメラを御入手ですね.
アポジンマーは120を使っていますが、目が覚めるほどシャープで、ソニーα7ステッチでも画素に負けない先鋭さです.
落ち着かれたら,ぜひスーパーV23のスレッドを立ててくださいね.
今後ともよろしくお願いします.
れんずまにあ 2023/01/21(Sat) 13:14 No.2128
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様に続き、レンズマニア様と巨匠にコメントいただき大変恐縮しています。35mmをはじめ6×6はもう30年続いて慣れていた所、YouTubeで外人の紳士が6×9フォーマットの素晴らしいサイトを見たのがことの始まり。です。ebay、銀座徘徊、ベッサかイコンタか、、カメラ好きの決まるまでエンドレスの夢遊病の最中、店の店主が、コレも120のブローニーですよと目の前にドンと。憧れはありましたがシートフイルムに自信が無く、見てみぬふりをしてきた舞台にいきなり立ってしまった瞬間でした。重さも快感です。定年後のカラダ鍛えるつもりて是非、よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/01/21(Sat) 16:42 No.2129
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
>アオリのテクニック知らずのズブの素人が禁断の扉開けてしまい

アオリは私も素人で,長くやっている割に確信が持てません。基本を押さえた後はあまり細部にこだわらず,フィーリングに合わせて撮影を楽しまれると良いと思います。倒立像でイメージが湧き難い時は,GFXのプレビューを利用すれば,正立像で確認できて便利と思います。

スーパーテヒニカ23は重量級で持ち運びは大変ですが,その分堅牢な精密機械を操作する楽しさがあります。晴れた週末の午後に郊外にテヒニカを持ち出し,じっくりと構図を決めて美しい風景を撮影する喜びは何物にも代え難いと感じます。テヒニカと充実した時間を楽しみましょう。
狸おやじ 2023/01/22(Sun) 10:53 No.2130
Re: スーパーテヒニカV23(6x9)
フィルム大好き様、
> ベッサかイコンタか、、
私もスプリングカメラから6x9に入ったのでお気持ちよく理解できます。
モノレールをフィールドに持ち込んでた時、セットアップ時間でチャンスを逃しそうになった際にベッサが助けてくれたことは1度や2度ではありません。
しかしスーパーテヒニカV23なら開いて距離計合わせるだけですから、サブカメラを持つ必要はないのですよね。
レンズも最高のものをお揃えですから、これからが楽しみですね。
れんずまにあ 2023/01/22(Sun) 18:08 No.2131
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
ありがとうございます。実は、蛇腹カメラの写りの良さを色々な記事で知り、フォクトレンダーのヴィテッサ ウルトロン付きを手に入れて、散歩カメラで試してみました事があります。モノクロで期待もせず現像上がりを見て、オイオイ、ちょっと待ってよってと、驚いた経験から蛇腹に対して考え改めました。その後しばらく手元にあったローライフレックスも裏から見たら蛇腹構造なんですね。以後蛇腹は絶対感が植え付けられました。いずれも手元から離したのが悔やまれます。
フイルム大好き 2023/01/22(Sun) 19:05 No.2132
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
諸先輩の皆様に質問です。
垂涎物の名玉を、惜しげもなくお使いで羨ましいです。
皆様は、レンズフィルターを使わずに撮影していらっしゃるのですか?
とりあえず、アポジンマー用40.5のフィルター用意してしまいました初心者から、素朴な質問です。
フイルム大好き 2023/01/24(Tue) 18:54 No.2134
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
> 皆様は、レンズフィルターを使わずに撮影していらっしゃるのですか?

そうですね。
私は,特に必要がない場合,フィルターは付けない主義です。それ程高価なレンズを使っていない事もありますが,レンズそのものの描写で撮りたい事と,できる限り反射面を減らしたいというのが理由です。ただ,これは人にはお勧めしていません。その代り,古いレンズの場合,レンズシェード(フード)は付ける様にしています。あまりご参考にならないかもしれませんが。
狸おやじ 2023/01/24(Tue) 20:57 No.2135
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。
以前、レンズに拭き傷付けてしまったトラウマから、恥を忍んで付けていこうと思います。レンズシェード&#10071;&#65039;コレまた沼ですね&#12316;。ゆっくり物色してみます。来月、アダプターが届くと思います。それまで、機材の操作に慣れて準備整いましたらご報告するつもりです。それまでフイルムで楽しんでみます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/01/24(Tue) 21:23 No.2136
Re: フィルターについて
個人的な方針ですが狸おやじ様同様、つけなくてもよい状況ならノーフィルターで撮影しております。
砂塵粉塵環境や雨天,潮風ではプロテクターを考慮しますが、最近の透過率が高いものを選ぶようにしています。
超広角では、ステップアップリングでふたまわりほど大きいサイズを付けます。
また最近モノクロ撮影が多くなりましたので、黄色や緑を集めていますが、まだ本格導入はしていません。

80年以後の製品ならほぼ問題ないと思いますが、旧製品:プラナーやアポランターなどは、レンズ前玉がかなり突出していて、ケンコーなどのガラスに接触し、レンズ先端部分に傷が付いている個体をよく見かけます。
プロショップのアドバイスとして、ティッシュペーパーを挟んで取り付けてみて、接触するようならねじ込み中止するよう助言されました。

また昔のレンズにはアタッチメントスレッドのピッチが今と異なるものがあり、無理にねじ込むとねじ山が削れてしまいます。こちらも慎重にされますよう。

アポジンマーでしたら、何も心配はいりませんね。

シェードはお勧めします。有る無しでGFXで撮り比べてみられたら納得されるかと。
れんずまにあ 2023/01/24(Tue) 22:10 No.2137
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
ありがとうございます。ティッシュ!ですか!あり得ますね!覚えておきます。フィルターホルダーでセットは経験は有りませんがカッコイイですね。
GFXは正直期待半分です。上がりが想像出来てしまいます。本来の目的の6×9ポジアルバム作成が願いです。今も6×6のポジの上がりを待っている所です。この気分もたまりませんですね。ライトボックスに置いて電源を入れた時のトキメキはモニター見るより
はるかに楽しいです。フード物色中です。苦しいですが楽しいです。
フイルム大好き 2023/01/24(Tue) 23:48 No.2138
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
この世界、ド素人からの質問です。広角レンズ好きで、アングロンf8を手に入れました。ボードが凹んでいるのは何故なんでしょうか?また、解放ノブが無いので、ピント合わせはB固定しか方法はないのでしょうか?恥を忍んで質問させてください。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/02/01(Wed) 22:05 No.2142
Re: スーパーテヒニカV23用広角?
スーパーテヒニカV23を持っていないので正確な情報かは自信がありませんが...

>ボードが凹んでいるのは何故なんでしょうか?

大判カメラ用広角によくある凹みボード(Recessed lens board)ですね。
広角レンズはフランジバックが短いため、特にテクニカルカメラではフロントスタンダード位置が奥に入って操作困難だったり、アオリができにくかったりします。そのため少しでもスタンダードの位置を前進させるために凹みボードに装着することがあります。2x3用凹みはとても貴重ですよ。

>解放ノブが無いので、ピント合わせはB固定しか方法はないのでしょうか?

旧型47,65mmは#00シャッターに入っていて、これはタイムやプレスフォーカスレバー(開放レバー)がありませんので、おっしゃる通りBにしてレリーズで固定するしか開放固定できません。操作性は悪いとしか言えません。
グラフレックスXLには外部からバルブ固定できるラッチを持つものもあるんですが...

さて、65mm超広角は、横位置はベッドで蹴られないと思いますが、縦位置では蹴られるでしょう。
そのために、リンホフ70では、ベッドダウンして内レールを一杯に下げ、フロントをアップティルトして取り付けます。(70のスレッドをご参照ください)
多分スーパーテヒニカでも同じ操作になると思うのですが、いかがでしょう。
もし距離計のディスクカムに65mmがあるならば、ベッドダウンで近距離まで連動するか確認されてください。
ベッド90度では距離計連動しない可能性があります。また90度で連動すれば、そういう仕様なのでしょう。

スーパーアンギュロン65mmは素晴らしい画質ですので、どうぞお楽しみください。
れんずまにあ 2023/02/01(Wed) 22:31 No.2143
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
早速にご指導ありがとうございました。
疑問が氷解いたしました。
以前、大分前、ライカM用アングロンに憧れ遂に手に入れることが出来ずそのままライカからはフェードアウト。このレンズを見た時、脳裏のあの姿が蘇ってしまいました。時間をかけて付き合っていくつもりです。このサイトに感謝です。
フイルム大好き 2023/02/01(Wed) 22:44 No.2144
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
素晴らしいレンズをご購入ですね。シュナイダーのスーパーアンギュロンは,ツァイスのビオゴンと共にテヒニカ用の最高の広角レンズと思います。撮影が楽しみですね。

れんずまにあ様のご解説で全て氷解されたと思いますので,若干の補足のみです。
この凹みボードは,テヒニカ23の場合,小径のコンパー#00番シャッターのレンズのみに付きます。れんずまにあ様の仰る通り,凹みボードはアオリの自由度が増えて使い易いですが,#00番シャッターには開放レバーがなく操作性が悪い。私は野外での撮影では,消しゴムの小片や小紙片をシャッターレバーとソケットの間に差し込み,B開放する(レリーズケーブルの代わりにする)こともあります。
狸おやじ 2023/02/02(Thu) 00:01 No.2145
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。思い切って買ってよかったと、デスク上でまずは眺めて、愛でています。(恥ずかしい)何せ、スーパーアングロンに対して30歳台では高値。溜まった資金を懐に銀座に出向くと売約済み。恨みに近い憧れがあったくらいです。あの頃は確か3.4だったかな?引退後の余生にはf8というのが妙に噛み合う気がしています。エキスパートの皆様の応援を受けながら一枚一枚丁寧に撮影したいと思っています。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/02(Thu) 01:02 No.2146
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様、狸おやじ様
実は、65mmのカムは付いていますが、ストッパーとゲージはまだビニール袋です。セット方法はプリントでいただきましたのでマイクロドライバーが届いたらチャレンジしてみようと思っています。何から何まで設定ボタンですっスすっスと進む今のカメラとは大違いで正に私が求めている世界です。フイルムの追いやられている現状に、フジの社長宛直訴状出そうかと、真剣に考えております。夜分に失礼致しました。
フイルム大好き 2023/02/02(Thu) 01:27 No.2147
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
スーパーアンギュロン65mmF8は古いレンズで,コントラストや解像度は後のF5.6やMCと比べて劣ります。
でも,私はこのレンズのコントラスト控え目で繊細な描写が気に入ってます。高コントラストのカラーポジとの相性も良い。ご存知かもしれませんが,このレンズは割と愛用者が多く,写真家の横木安良夫さんや渡部さとるさんの愛用レンズとしても知られています。

例えば,
https://note.com/alao_yokogi/n/nce6ba6606a0a

階調の広い美しい描写をお楽しみください。
狸おやじ 2023/02/04(Sat) 22:21 No.2151
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございました。0.9のマイクロドライバーが届きましたので、65ミリのセッティングにチャレンジしました。カムをセット、ゲージを65用に換えて∞位置でストッパーセット。ベッドダウンはしないでイイと店主の指示に少し迷っています。精密作業に応えるようなクリック音に酔っています。アポジンマーのテストは済ませてポジの上がりを待っています。この様な高揚感は久しぶりです。時あたかも、これからは桜の季節。楽しみです。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/02/05(Sun) 17:50 No.2153
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
リンホフ三脚
度々、失礼致します。
自身、使用の三脚は、古いジッツオのアルミ3型4.1キロ、カーボントラベラーの2型です。3型は、文句ありませんが重い。トラベラーは持ち歩きには文句なしですがリンホフセットするとアタマでっかちの気がして、それならばと、リンホフ三脚ライトウエイトを中古で手に入れました。コレはベストバランスの気がしています。少しメンテしてご機嫌の状態です。知らなかった世界!です。
フイルム大好き 2023/02/06(Mon) 17:46 No.2155
Re: リンホフ三脚
リンホフカメラにはリンホフ三脚、ではありませんが、リンホフのアルミは30年前に小型のステーがない150cmくらいのを使って気に入りまして、10年前にライトウェイトプロ3段を入手しました。いいですね。

直接比較していませんがカーボンなみに軽く、設営撤収は圧倒的に速い。
車に常備して、中型では一番頻用。リンホフ自由雲台にアルカスイス対応のシューを載せて、トヨフィールド45程度まで使います。
他には伸長140cmくらいの小型カーボン(ベルボンカルマーニュ)を一緒に乗せて、ローアングルや小型カメラに。
それとカーボンの小型一脚を載せていて、中判と望遠付き35mmで機動性を重視する時、さらに三脚では振動が取り切れないとき4脚目にします。

ジナーのモノレールや、超望遠、中判2台載せなどではジッツォの大型カーボンを持ち出しますがほとんどはお留守番です。
三脚は中古が大変安くなるので、若い頃憧れた舶来モノが簡単に買えてついつい増えてしまいます...
れんずまにあ 2023/02/06(Mon) 21:32 No.2156
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
リンホフには、ライカ対極の沼が沢山ありますね。少し、怖くなってきました。ただ、入り口の緞帳が開くと未体験の世界が広がり、いつも、写真の世界はコレじゃなくちゃ!と飛び込んでしまいます。もう、新型デジタルカメラに対しては、全く興味が無くなりました。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/02/06(Mon) 22:20 No.2157
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,れんずまにあ様
リンホフの三脚はなかなか使い易そうですね。
私はマンフロットのカーボン(MT190CXPRO3)を野外用に使っていて,これは軽くて丈夫で気に入っています。室内用はジッツォの古いアルミ三脚ですが,これはリンホフに替えたいなあ。

最近私は,ギア雲台(SanwayFoto GH-PRO)を気に入って使っています(No.1643)。
テクニカルカメラでは,あとコンマ数ミリ僅かに傾けたい/起こしたい時がありますが,ギア式はダイヤル回転で微調整ができる。もしパン棒やボールヘッドに不満がある場合はお勧めです。
狸おやじ 2023/02/07(Tue) 20:41 No.2158
Re: ギア雲台
おお!ギア雲台をお使いで。
20年くらい前マンフロットのジュニアギアーヘッドを入手して、超望遠に使っていましたが,知人に貸したら帰ってこなくて(笑
マンフロットはクイックシューが特殊な大きなサイズで、昨今デファクトスタンダードのアルカスイス型ではありません。
SWfotoなど中国製はその辺いいですね。ちょっと覗いたら、さすがに激安ではない...
ギアヘッドはおっしゃる通り微調整の特効薬。
私は自由雲台が大好きですが、最強に締まるErgでも、三脚側のしなりはどうしようもありません。
現在私の撮影は大雑把なので、適当に位置決めしてますけども...
れんずまにあ 2023/02/07(Tue) 21:02 No.2159
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
ギア雲台、イイですねー。自身はアルカスイスP0をここ数年使っています。アルカスイスの中では不人気らしいですが、何せ軽い。395gで20kgの対荷重です。ベースプレートもリンホフ三脚とピッタリで、もう専用としました。ヨドバシの在庫整理で安く買えてラッキーでした。
フイルム大好き 2023/02/08(Wed) 13:25 No.2160
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
処女作です
近くの公園からのテスト撮影の結果です。
アポジンマー100mm。F32で15秒。ポジをライトボックスにおいて息を飲みました。フイルムは、ベルビア100です。
6×9素晴らしいですねー。

フイルム大好き 2023/02/09(Thu) 01:31 No.2161
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
素晴らしい作品をありがとうございます。
青い空を背景に薄明の光が幻想的に浮かび上がって見えます。
手前の暗闇にも家々の小さな灯がとても綺麗です。
ベルビア100は特に赤が映えて美しいですね。

今後も素晴らしい作品のご投稿をどうぞよろしくお願いします。
狸おやじ 2023/02/09(Thu) 18:47 No.2162
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございました。出入り禁止喰らうかと、ヒヤヒヤしていました。
6×9のシートフイルム、ご投稿の専門店見てみたら、全部sold outですね。チャレンジしようかとしていましたが、構想第一段階で頓挫。5×7から4枚?裁断機も無いし、そもそも暗室が、、。知り合いが写真教室で使用しているのを思い出して、当たってみようと思います。本当にフイルム世界は難民というか、サバイバルというか、、。レコード復活ニュースを羨ましく思っています。
フイルム大好き 2023/02/09(Thu) 20:55 No.2163
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
大名刺判のシートフィルム(Fomapan 100)は売り切れですか。
先程「かわうそ商店」と「みらいフィルムズ」のオンラインサイト(No.2072)を見ましたが,「買い物カゴ」には入る様です。その先で注文できない場合はどうも済みません。どちらも注文後の取り寄せですが,Foma社で在庫切れなのかも知れません。

Shanghai GP3という選択肢(No.2065)もありそうです。
https://shop.shjcfilm.com/products/shanghai-gp3-100-black-and-white-negative-film-6x9-sheet-film

上手く購入できると良いですね。
狸おやじ 2023/02/09(Thu) 22:47 No.2164
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。ありますね。入荷未定で、そっかあーという感じでした。2065のご投稿を読み直しているうち、ガラス乾板;即納ですね確か五反田の写真館でワンショット5万とTV放映を思い出して食指が動いています。暗室どうする?現像は?
ダブルホルダーebayに出てるじゃ無いですか。周辺環境考えながら可能なら、コレもトライと思っています。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/09(Thu) 23:28 No.2165
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
お騒がせします。
純正フードのご投稿no1993、拝読して検索致しました。高いですねー。自身、金属製ラッパ型が好きで、100mmジンマー用に合うんじゃ無いかと40.5mmリンホフ製と
65mm用にUN製メタルフードを手に入れました。気に入りました。

フイルム大好き 2023/02/10(Fri) 20:10 No.2167
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
お返事ありがとうございます。
ガラス乾板写真がワンショット5万円は凄いですね。
メタルフードもレンズにベストフィットで使うのが楽しくなりそうです。

中判シートフィルム関係の情報は,他にも興味を持つ方がいるかもしれないので,独立のサイトを作って纏めてみました。そちらもご笑覧いただけたらと思います。
狸おやじ 2023/02/12(Sun) 13:41 No.2172
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
ライトアングルファインダー
求めよ、さらば、なんとやら、、。GFXアダプターは未だに届かなく、ルーペて撮影できたはいいのですが、布を被らずでピント合わせに不便を感じていました。ご投稿から、このアクセサリーを知り検索して調べましたが新品は言うに及ばず、中古も高いですね。Googleに打ち込んでけんさくいたしましたらイギリスの店に100ポンドで発見!知らない店でしたが取り扱い商品を見て発注しました。送料;33ポンドDHLで1週間で届きました。ビスは、少し錆ありましたがあとは満足でした。ただ、リンホフ故に金属製と思いましたが、プラボディでした。
フイルム大好き 2023/02/21(Tue) 16:21 No.2181
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
おお,テヒニカ6x9用のライトアングル(リフレックス)ファインダーですね。
貴重な情報をありがとうございます。私も探していましたが値段が高くてまだ入手できていません。100ポンドは破格値ですね。新品(No.1960, #002629)は490ユーロですので。

このファインダーはピントグラスバックのフードを外して付けるのでしょうか? 
それともフードの扉を開けた状態でも付きますか? 使用感や見え方についてもお時間のある時にお教えいただけたら幸いです。
狸おやじ 2023/02/21(Tue) 21:24 No.2182
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。
プラボディを、コンパウンドで綺麗にして、やっと見栄えがするレベルにしました。ピントフードは外して取り付けます。倍率は、2倍ですが文句ありません。正直に言って、プライスに問題あり、と思いました。この価格あたりがいいと思いました。よろしくお願いします。

追加加筆致します。
ファインダー単体重量149グラム
レンズ部上から覗くと上下正像、左右取り付けで上下逆像となります。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/02/21(Tue) 23:38 No.2183
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,お返事ありがとうございます。
スーパーテヒニカV6x9に黒のファインダーが良く似合ってますね。

旧タイプのライトアングルファインダーは縦位置固定でしたが,新タイプ(V)はミラーの向きを変更できるのですね。上下逆像は見難いですが,縦位置撮影に変更する時は便利と思います。蝶番の反対側のピンで固定されているので,固定解除してファインダーを横に開ければピントグラスを(ルーペで)直接見れるのも便利そうです。
ファインダーが見易いと撮影が楽しくなりますね。
狸おやじ 2023/02/22(Wed) 21:29 No.2184
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
お陰様で大分操作に慣れて来ました。ので、tele-technikon 180mmを入手いたしました。ファインダー連動は望めませんがピントグラスで試してみるつもりです。先ずはシャッターチェックしてみてから報告したいと思います。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/04/14(Fri) 17:27 No.2210
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
Tele-Technikon 180mm ご購入おめでとうございます。
このローデンシュトックのロテラーは発色が良く,180mmでF4.5なので絞りを開ければ背景のボケも楽しめます。テレタイプなので,蛇腹をあまり繰り出さずに使えるのも便利です。

テヒニカVなら無限遠ストッパーを合わせれば,標準のカムである程度ピントが合うかも(?)しれません。撮影が楽しみですね。
狸おやじ 2023/04/14(Fri) 21:49 No.2211
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ご指導、ありがとうございました。2211のご投稿を拝読、もう一度セットして、見もしなかったレンジファインダー覗いて驚きました。ピント合っているではありませんか。何故なんでしょうか。
手持ちで使う気はありませんでしたがなんだかうれしくなりました。ありがとうございました。

フイルム大好き 2023/04/15(Sat) 15:17 No.2212
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
そうですか,ピントが合って良かったですね。

テヒニカの距離計連動カムは、III~IVまでは個々のレンズとカメラに合わせる「個別調整」でしたが,Vからはリンホフの標準規格にレンズとカメラを合わせる「絶対調整」になった様です。テヒニカの専用レンズ(23Vボート付,リンホフ刻印入)なら,無限遠にストッパーを合わせ,カムの位置をレンズの焦点距離(65, 100, 180...)に合わせれば,距離計の二重像の合致点にピントが基本的に合うと思います。(広角はベッドダウンの状態で調整されていることが多いので注意。)この規格はテヒニカ70とも共通のようなので,レンズの選択肢が広がると思います。

Tele-Technikonの黒鏡胴が格好良いですね。


こちらは古風な銀鏡胴のTele-Technikon.

狸おやじ 2023/04/15(Sat) 19:15 No.2213
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
シルバー、カッコいいですね。クロームのリンホフこそ、コストかかって高級感に溢れていますね。最近のエンプラ鏡胴のレンズには興醒めです。
ところで
いや、びっくりです。100mmも合っていました。リンホフ名の無いアポジンマーは少しずれていましたが、その後手に入れたシャッター粘っているリンホフ名のジンマーS100はピタリでした。65mmは乖離ありましたが、明るい時ベッドダウンして再調整してみます。購入時、距離計はレンズ番号一致していない旨言われていましたので当てにはしていませんでした。手間が要る機材は、楽しいですね。今後もよろしくお願いします。
そういえば、20th センチュリーカメラ、火事で在庫も全焼したみたいですね。復活祈っています。
フイルム大好き 2023/04/15(Sat) 20:46 No.2214
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
驚きました。20th Century Cameraが火事で全焼ですか。
それで,シートフィルムリールが全部「売り切れ」だったのですね。残念ですが,早期の販売再開を期待しましょう。

距離計が連動できて良かったですね。
テヒニカは手間と時間がかかりますが,手間が掛かる子供程可愛いと言います。手間暇かけて使いこなし,数枚の素晴らしい写真が撮れたら,気分は最高です。
狸おやじ 2023/04/15(Sat) 22:37 No.2215
ファインダーマスク(III-IV用)
テヒニカ23のIII-IVは,本体内蔵式のビューファインダーを搭載する。
このファインダーは,視野中央に距離計の二重像があり,ピント合わせをしながら画像のフレーミングができるという利点がある。しかし,後のVやテヒニカ45のマルチフォーカスビューファインダーと異なり,レンズの焦点距離とファインダーの倍率に合わせたマスクを取り付けて画角を調整する必要がある。ファインダー倍率は,広角ビオゴン53mmに対応したカメラ(B型)と広角65mmまで対応のカメラ(標準型)で異なる。また,広角から標準の範囲でズーム機能があるカメラ(主にIIIとIVの一部)と無いカメラ(主にIVの後期)があり,それぞれに専用のマスクが提供されている。更に,使用するフィルムフォーマット(6x6~6x9cm)でもマスクが異なる為,現在様々な種類のマスクが中古市場に出回っている。

カメラとマスクの種類の見分け方は次の通り:
1) カメラのアクセサリーシュー内のシリアル番号の下に"B"の印字があるカメラはB型。B型はIVの後期に多く,ズーム機能を搭載しないものが多い。この場合,"B"の印字があるファインダーマスクを焦点距離に合わせて使用する。

2) "f=65-105mm"の印字があるマスクは,ファインダーにズーム機能のあるテヒニカ(IIIとIVの一部)で使用する。広角65mmの時は,ファインダーのアイピースを奥まで押し込み,90mmの時は赤線まで引き出し,105mmの時は最遠まで引き出して使う。望遠180mmでは,"f=180mm"(無B)のマスクに取り替える。

3) "2 1/4x2 3/4"や"56x72"の印字があるマスクは6x7cm用。無印のマスクは6x9cmか6x6cm用が多い(この2つは目で見分けがつくので印字が無いようだ)。

横位置と縦位置は,ファインダーマスクを90度回転して切り替える。その際,フィルムバックも同様に回転する事をお忘れなく。
狸おやじ 2023/04/23(Sun) 20:31 No.2221
ファインダーマスク(III-IV用)
私のテヒニカIV23は,B型でズーム機能が無いタイプ。
ズームが無いと不便だが,アイピースを常時引き出して「フード」として使えるので,バックにロールフィルムホルダーを取り付けた時はファインダーが見易い。

購入時のセットには,65mmと105mmのマスク(6x9用)が付いていた。これは特に手持ち撮影で便利。しかし,180mmや240mmのレンズを買い足すと,それらのマスクも欲しくなる。こんな物は無駄とも思うが,通販サイトに安く出ているのを見つけたり,他のパーツに付いてきたりと,結局いろいろ集めてしまった。

主に使っているのは65~240mmのB型。ピントグラスで撮る時は不要だしアオればズレるのだが,ファインダーが使えると何だか嬉しい。105mm(無B)と100mm-B(6x6)のマスクは要らないので,希望があればお譲りします。


ファインダーマスク: 上左から, 65mm-B, 105mm-B, 180mm-B,
下左から, 105mm, 100mm-B(6x6), 240mm-B(6x7).

狸おやじ 2023/04/23(Sun) 21:04 No.2222
Re: Rotelar/Tele-Technicon 180mmf4.5
おふたりともとても素晴らしい望遠をお持ちですね。
拙宅には180は70用のTele-Arton f5.5, XL用のRotelar f5.5, Century 用にTelomar f5.5がありますが、Rodenのf4.5バージョンは見たことないので興味深いです。
ローデンのラインは、あまりカリカリしないでしっとり細やかに写る印象で、加えて大口径だとさぞや美麗な画像が得られるのではと期待しています。
距離計カムが合致していて良かったですね!
ズームファインダーをお持ちなら、ガンガン距離計で撮影できますね!
ズームがなくても、探せば65,100,180のフレームが入った軽量の外部ファインダーがあったりします。
鉄板の3焦点距離が揃ったら、完璧です。
(2023,10,15追記:XL用のはRotelar180/4.5でした.コンパクトなのでf5.5と勘違いしてた...)
れんずまにあ 2023/04/24(Mon) 20:33 No.2223
Re: ファインダーマスク
狸おやじ様、またもびっくりする情報をおあげになって感謝しています。

ユーザーではないこともありますが、テヒニカ23のファインダー形式に3種類、標準型、B型、ズームがあるとは全く知りませんでした。
同じくマスクにはそれに対応した種類があるとは!
大阪の舶来大判専門店のジャンクボックスによく23のファインダーマスクがざらっと入っていたのを覚えていますが、注意力が不足していました。
その店舗でプレス23を試写させてもらったこともあったのに...(ビオゴン53,プラナー100,ゾナー180の夢のセットでした)

コロナ禍で3年ほどその店舗に行く機会を失っていましたが、先日久しぶりに別の行きつけを尋ねた時、私を育ててくれた2店舗が相次いて閉店したことを知らされました。
馴染みの店員さん達も散り散りで行方知れずです。
大変悲しいことです。
れんずまにあ 2023/04/24(Mon) 20:53 No.2224
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
各位のご指導、大変感謝申し上げます。テヒニコンのシャッターは、万全を期してOHに出しまして、上がってきたらテスト報告申し上げます。パターソンはダークバックでリール装填失敗。それを犠牲にして練習を重ねました。現像済みネガを予め装填、それをガイドにしたら失敗しなくなりました。薬剤揃いましたのでまた撮影の機会を伺っております。ダブルカットホルダーとかわうそ商店にカットフイルムも注文しました。パターソンのリールに装填できそうです。ここまで、諸先輩のご指導でたどり着いてきましたが、れんずまにあ様のご指示のV23のスレッドを立てる自信がありません。このまま、お邪魔していてもよろしいでしょうか。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/04/24(Mon) 21:02 No.2225
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
コメントいただき有難うございます。
テヒニカ23(III-IV)のファインダーは,仰る様に多種多様で,ファインダーマスクもそれに合わせて複雑な状況になっています。私がこれまでに調べ把握した内容を,備忘録のつもりで書きました。これからファインダーマスクを探そうとしている方や,中古マスクを扱っている販売店の担当者の参考になれば幸いです。

ロテラー180/4.5は,ご指摘の様に過度にカリカリにならず線の細い繊細な描写です。この時期のローデンの特徴か,発色と色乗りも良いと思います。難点は少し大きく重い点ですが,何とか許容範囲です。

中古カメラ店が閉店になると悲しいですね。テヒニカプレス23は,田中長徳さんが昔のアサヒカメラでヘリゴン付を紹介している記事を読んで欲しかったのですが,値段が高くて手が出ませんでした。中古カメラ店が閉店になると,人やカメラに加えてこれまでに蓄積したノウハウや情報も失われてしまうので悲しいです。

フイルム大好き様
カットフィルムホルダーとカットフィルムのご購入おめでとうございます。
23のホルダーは数が少ないので見つかって良かったですね。私の方も3ヶ月程かかってシートフィルム(フォマパン,大名刺判)が納品になりました。この続きは中判シートフィルムの方にご報告する予定です。

もちろんですが,V23の情報はここで大歓迎です。ここは日浦様のご好意で運営されているサイトで,自由で自主的に情報を交換する場です。ですので,独自のスレッドを立てていただくのも勿論自由ですし歓迎いたします。でも中判のテヒニカ23(6x9)を現役で使っている人は少なく,国内では100人に満たないと思います。小さいサイトを分割すると消えてしまうかもしれないので,もう少し情報を集め,ある程度の量になってから独立されるのも良いと思います。(このサイトを常時見ている人も2~3人程と思います。)
狸おやじ 2023/04/25(Tue) 00:09 No.2226
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
テレアートン 270ミリf5.5を入手しました。
シャッターソケットは1番と上手くいかなく外しました。もう直ぐ咲きだす大賀ハスをアップで背景ボカせて撮ってみたいと思ってます。距離計は連動しませんが、ピントグラスで合わせるつもりです。大きく重いですが、既にロケハンを済ませて段取りを決めはじめています。GFXアダプターは、未だ入荷せずなので、ポジフィルムで撮るつもりです。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/06/09(Fri) 17:00 No.2260
Re: テレアートン270 mm
フイルム大好き様
素晴らしいレンズですね。
テレアートン270mmは,テヒニカ23用で一番焦点距離の長いテレフォトレンズと思います。この時期のテレアートンは,4群5枚のビオメター(クセノター)型で,解像度が非常に優れていると思います。撮影が楽しみですね。撮影画像もお待ちしております。

シャッターソケットと上手く合わないとのことですが,もしかするとレリーズの問題かも知れません。私のテロマー240mmのソケットには,日本製のレリーズは合わないのですが,リンホフ純正のレリーズは着きます。リンホフのレリーズは先端形状が特殊で,レリーズ用のアタッチメント(Linhof Screw-On Quick Scoket Nipple, 041066)も販売されているようです。ご参考までに。
狸おやじ 2023/06/10(Sat) 10:31 No.2261
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
お褒めいただき、恐縮です。ありがとうございました。
シャッターソケット、色々試しましたがダメで外してしまいました。それもまたスッキリした気がします。
然し、重いです。レンズだけ重さ測りましたら、605g。無限合わせに、近くまで三脚セットのまま持ち出しましたが、撮影時の移動は厄介になりそうです。月末から大賀ハスが咲きだすようですので、結果報告致します。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/06/10(Sat) 10:55 No.2262
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
レンズマニア様
狸おやじ様
いつも、興味深いご投稿ありがとうございます。さて、テヒニカ23Vの悩み、周辺アクセサリーが高く、尚且つ、入手困難な点です。距離ゲージも何とか、180ミリ用が揃い3種レンズ対応出来るようになりました。ただ、m用とfeetの2種あり悩み所。ファインダーは新旧2種の内、後期型の距離ダイアルゲージはアルコール清掃したら、文字が消えてしまいました。ここは、デカール作成可能距離表示も選択可能ですが、分解が必要でかなら高くつくようです。旧型はOH済、後期型は手がかかりそうでとりあえずそのままです。注文したあるgfxアダプター、アナトミカルグリップは未だ入荷せず。代理店も呆れていました。この手のカメラは、色々な覚悟がいると思いました。失礼いたしました。

フイルム大好き 2023/08/16(Wed) 11:15 No.2307
Re: ファインダー
かっこいいですね純正ファインダー。
23Vを手持ち使用するにはやはりこれでしょうか。
これでガンガン手持ち撮影が進めばいいですね。
新旧あるとは認識していませんでした。
しっかり53mmから表示があるんだ。
プリントが消えてしまったのは痛恨ですが、再生には旧型を原器にできますね。
私はマスター45Vにはホースマンのズームを付けていて、純正ズームや「タケノコ」は持っていません。
れんずまにあ 2023/08/17(Thu) 16:49 No.2308
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
いつも有難うございます。万が一の為に、もう一台、東京新橋でまあまあの23Vを見つけ手に入れた時におまけでつけてくれた後期型ファインダーです。距離パララックスダイアルがスムーズに回りませんので、無限専用と割り切っています。もう、リンホフと持久戦というか、耐久戦の様相で、れんずまにあ様の様に様々な機種をアウトフィットで揃える余力はございませんが、デジタル新型が出るたびに騒めいた購買欲からは解放され平穏な日々です。距離デカールは、代理店に問い合わせて23V用m表示がメーカーに頼む事が出来ました。張り替えだけで、安いみたいですが、入荷はいつになるかはわからないそうです。
グリップが来たら、手持ちで、と思っていますが、既に半年待たされて、多分今年中にはて思う様にしています。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/08/17(Thu) 18:18 No.2309
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
テヒニカ23Vの距離ゲージとマルチフォーカスビューファインダーが使い易そうですね。
距離表示はmeterに統一してほしいですが,リンホフはアメリカ市場を意識しているのでしょう。
消えてしまった印字が復活できそうで何よりです。

テヒニカ23は全手動で融通の効かない所もありますが,慣れてくると楽しいカメラと思います。
天気の良い日に野外に持ち出し,美しい風景をじっくり撮るには最適の道具で,画質も最高です。
楽しい撮影ライフを。
狸おやじ 2023/08/17(Thu) 21:30 No.2310
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
たぬきおやじ様
ありがとうございます。仰せの通り全手動ですね。ルーティン一つ抜かすと失敗です。がゆっくり写真と向き合うにはかけがえの無い時間と思っています。かえってデジタルカメラの扱いで、設定をミスる方が多いくらいです。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/08/18(Fri) 02:16 No.2312
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
諸先輩の皆様
お世話になります。
ふと、ネット広告が入りサイトを開けて驚愕致しました。ベルビアブローニー5本パック、15000円前後。つい先日は、8千円位だったのに。
心して、シャッター切らねばならない時代ですね。残念です。
つまらぬ話題、失礼しました。
フイルム大好き 2023/08/22(Tue) 12:54 No.2313
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
確かに酷い値上げですね。私は昨年4月に,ベルビア/プロビア120を旧価格(5200円)で可能な限り購入しました。このストックを使い切る前にデジタルバックに移行したいと考えていますが,1年で値段が3倍になり衝撃を受けてます。

富士フイルムは既にカラーポジにやる気が無いようです。ローライかロモ辺りが中国の企業と組んでCR200を復活してくれたらと期待してますが,現実は厳しそう。当面はストックを切り崩しながら,代替のモノクロ自家現像を楽しむ予定です。最近は暗い話題が多いですが,一つ朗報があり,QL69-Pが入手できそうです。この件は「中判シートフィルム」に報告する予定です。
狸おやじ 2023/08/23(Wed) 21:35 No.2314
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。
20thセンチュリー、出てますね。ご報告楽しみにしています。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/08/24(Thu) 13:23 No.2315
レリーズソケット
リンホフテヒニカIII-IVには,ケーブルレリーズ(リリース)を固定するソケットが提供されていた。
ソケットは2ピン式で,フロントベッドの右横か,23の一部ではネックストラップの取付部分に取り付けることができる。(アナトミカルグリップにもケーブルを取付ける穴があるが,手が大きくないとレリーズボタンに指が届かない。)私はケーブルレリーズをぶら下げた状態で使うのが嫌いなので,このソケットが欲しいと考えていた。しかし,これは希少品の様で中古市場でもほとんど見ない。半ば諦めていた頃,eBayにドイツのカメラ店から出品されたソケット(18ユーロ)を見つけたので買ってみた。


写真:レリーズソケットと取り付け穴.

狸おやじ 2023/09/10(Sun) 23:33 No.2335
レリーズソケット
ソケットの内径は10.5mmで,リンホフの純正ケーブルレリーズがピッタリ納まる。
しかし私の純正レリーズは50cmと長く,柔軟性に乏しく使い難い。そこで,手元にあるハマの小型レリーズ(長さ:25cm)にシリコンチューブを2重に被せ,その上にビニールテープを巻いて外径を10mmにしてソケットに取り付けてみた。

使い勝手はまずまず。ソケットを予めレリーズに取り付けておけば,レリーズの先端をシャッターに捩じ込んだ後,ワンタッチでフロントベッドに装着できる。手持ちで「プレスカメラ」風に使う時にも軽快に楽しめそうだ。


写真:ケーブルレリーズの装着例 (左は純正レリーズ).

狸おやじ 2023/09/10(Sun) 23:46 No.2336
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ご投稿、拝読致しました。有難う御座います。以前、出品商品閲覧してどう使うかが、疑問でしたがやっと分かりました。凝っていますね。手持ちのバランスはこちらが優れている気がしますね。私は180セットしたままレンズスタンダード押し込んで、グランドグラスを割ってしまうと言う赤面ものの失敗をしてしまいました。中国製か純正か余計な悩みに直面しています。落ち着いたらシートフイルムホルダーを考える事にします。失礼致しました。
フイルム大好き 2023/09/11(Mon) 13:50 No.2337
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,コメントをありがとうございます。

シャッターの位置は人によって好みが異なると思います。私はレンズやピントを操作する右手でシャッターを切りたいので,ピントノブの近くが好みです。でも,左手グリップの上を好む人もいます。リンホフは色々な選択肢とオプションパーツを用意しているので,自分の好きなシステムを作れて楽しい。

グラウンドグラスの破損は悲しいですね。私はテヒニカ23のピントグラスを交換したことはありませんが,数年前に格子入りのものをeBayで探したことがあります。その時は1-2万円の純正品だけでしたが,今見ると20ドル以下の中国製もある。選択には悩みますが,選択肢が増えるのは嬉しい。
狸おやじ 2023/09/13(Wed) 22:02 No.2339
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。新橋で見つけた23Vにシャッターがダメでオマケに付いていたジンマーS100ミリが幸いレンズは綺麗で、シャッターオーバーホール後、生き返りましてToyoサービス社長のご好意でソケットもセット。となると気になるシャッター台座のシンクロコンパーの文字の塗装落ち。タミヤのエナメル塗料で墨入れしました。ついでにストッパー、距離ゲージも。30分後エナメルシンナーで清掃。綺麗になりました。1週間で硬化だそうです。雨が降りの暇つぶしネタで失礼致しました。

フイルム大好き 2023/09/30(Sat) 11:55 No.2356
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有難うございます。先日の谷中散策で気がついたフランジバックの件、手持ちのレンズ確認して撮り直ししまして、その内、テレアートン270ミリの一枚を投稿させていただきました。拙作ですが作例の一枚です。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/07(Sat) 18:24 No.2359
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ご投稿と素晴らしい写真をありがとうございます。

テレアートン270mmの描写は見事ですね。合焦部の解像度は流石で,繊維や毛の一本一本が見分けられる程ですが,アウトフォーカスの後ボケも美しく,ご愛犬の穏やかな表情が印象的です。この時期のテレアートンは,クセノタールと似たレンズ構成と思うので,後ボケに少し癖(輪郭強調)があると考えていました。でも,どうやら杞憂のようです。私もテレアートン180-270mmが欲しくなりました。貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2023/10/07(Sat) 23:22 No.2360
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
おはよう御座います。
お褒めいただき、大変嬉しくまた、恐縮しています。ありがとうございます。同じ100ミリならと安直に考えジンマーをセットして手持ちテストしたのが、返って良い機会になりました。このサイトにお邪魔して早10か月、皆さまの助言、深い知識に助けられ、なんとか辿りつけました。このサイトを知らなかったら、恐らく大変なことになっていたと思います。改めて皆様に御礼申し上げます。これからもよろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/10/08(Sun) 10:01 No.2361
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
さて、今年の1月に注文したリンホフGFXアダプターがやっと到着致しました。代理店で引取り帰宅後報告いたします。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 15:14 No.2362
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります。
早速帰宅後、23VにGFXをセット、いきなりパニックに陥りました。65,100,180をセットしてもモニターにはピントが合わず。そうだ、フランジバック、、ストッパーからレンズを後退させてなんとか。リンホフのhpの商品説明に、フランジバックを選ぶから注意が必要とありました。この辺りのノウハウが欲しいと思いました。
フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 15:41 No.2363
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お騒がせ致します。
なんとか一枚、作例ご報告致します。
tele-technikon 180mm
ISO400 1/400秒
解放です。駄作で申し訳ございません。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 15:49 No.2364
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります。GFXアダプターのファーストインプレッションをと思います。
説明書も無く、また、数学的知能に乏しい者からの感想を。
メリット
1照度に左右されない。
2撮影枚数は無限でコストゼロ
3アオリの効果が確認できる。ピントグラスより早い。
4たまたま、フジの機種なので、フイルムシミュレーションで様々な効果が得られる。
5シャッタースピードは思いのまま
6撮影後、iPadなどに直ぐ転送出来る。
7撮影サイズ自在
などなど

デメリット
1兎に角、機材が大きく重くなる。三脚は必須です。
2フランジバックの長さを選ぶ。アングロンはダメ、プラナー、ジンマー100は辛うじて。ゾナー180ミリが合います。
3アダプターのコストが高い
4デジタル機本体もコスト高
5作品はファイル保存で、pc開けない限り忘れそう。
6ぱっと見、iPhoneと見分けがつかない。
7写真一枚撮影に対する思い入れが無くなる。

と言った気がしました。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 17:47 No.2365
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
夜分失礼致します。家人寝静まりましたので、高感度試しました。
ゾナー180ミリ
ISO12800
f5.6
1/60
カラーモードはASTIAです。
何度も申し訳ございません。失礼致しました。

フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 23:46 No.2366
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
GFX-Gマウント用アダプターの情報と貴重な写真をありがとうございます。

このアダプターは,リンホフのカタログリスト(No.1960)にある純正アダプター(#001726)ですね。2022年時点で486ユーロと高価ですが,中国製のコピーより信頼性が高そうです。形が円形なのは驚きました。テヒニカ23はバックの取り付け部が円形なので,この方がカメラをリボルビングする時に使い易いかも知れません。

マウント部が後方に位置するので,カメラセンサーの位置がフィルム面より後方にズレるのは,カメラマウント用アダプターに共通する問題と思います。それでも標準レンズのプラナーやジンマーで撮影できるのは良いですね。オーバーコッヘンのツァイスレンズを,GFXの44x33センサーで堪能できるのは魅力です。ゾナー180mmの描写は特に素晴らしいと思います。写真フィルム(特にカラーポジ)はいつ販売停止になるか分からない状況ですので,代替手段があるのは心強い。私もデジタルバックをサーチしてますが,手頃な製品はまだ見つかっていません。
狸おやじ 2023/10/12(Thu) 20:37 No.2367
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ご返信ありがとうございます。
また、お褒めに預かり恐縮しています。ありがとうございます。
このアダプターのレボルビングは、スムーズでした。
標準レンズはやはり厳しいです。レールから外れてしまう直前でなんとかという状況です。因みに、バックアオリ引き出してみましたがダメでした。広角レンズは全て不可の様です。フランジバックが150ミリ前後必要の様です。価格は、486ユーロですが代理店CLIQUEさんではもう少し安い価格でした。
引き続き、気がついた点があれば
報告申し上げます。よろしくお願いします。

追記
色々試しましたが、
tele arton270が100ミリのストッパーと同じ
sonnar 180は65ミリのストッパーの少し手前
でインフが来ました。tele-technikonはレールから外れる寸前です。近距離は行けます。
他のレンズが使えなく、かなりショックです。
フイルム大好き 2023/10/12(Thu) 21:03 No.2368
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
レンズの位置情報をありがとうございます。
標準レンズだとレンズ台がレールに乗らないのは残念ですね。

既に試されてるかも知れませんが,アッパーレールを本体側に一段戻すと可動範囲が広がります。
あと,レンズ台を本体側のレールに固定したまま「バックアオリ」でピント調節をする方法もあります。
カメラが重いと調整が難しいかも知れませんが...
狸おやじ 2023/10/14(Sat) 13:05 No.2369
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつも御指南頂きありがとうございます。ご指摘の通り、ジンマー100、アッパーレール奥に。ピントは来ますがレンズスタンダードはギリギリ奥です。ノイローゼ気味な折、狸おやじ様のご投稿#1633を思い出しました。実は、ハッセルブラッドシステムでcfv50Ucを使っています。フラットアダプターを頼んでみました。来ましたら、インプレご報告申し上げます。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/10/14(Sat) 23:07 No.2370
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
お騒がせ致します。cfv用アダプターが届きました。まず機材取り付けで問題が。下部ラッチにセットすると、上部ロックラッチが入らない。思案の上一旦下部ラッチを外し機材セットの上取り付けしましたら、不思議、スムーズに脱着出来る様になりました。恐る恐る電源on、ライブビューにして見るとジンマーインフの位置で近くのTV画面クッキリです。コレはコレで悩みながらテスト結果報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2023/10/15(Sun) 09:51 No.2371
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様

そうですか。ハッセルのデジタルバック(CFV II 50C)をお持ちでしたら,こちらの方が中判デジタルカメラを取り付けるより色々な点で有利と思います。アダプターに上手く付くようで良かったですね。

お見受けしたところ,スライド機能の付いたアダプターですので,画像のステッチングもできて素晴らしいと思います。使用感や操作感等についても是非またお知らせください。
狸おやじ 2023/10/15(Sun) 10:34 No.2372
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
説明不足お詫び致します。狸おやじ様のご投稿#1633を拝見して検索いたしました。国内プライス5万円前後も致します。メルカリに新品で38000円で出ていましたので、ままよ、と購入しました。恐らく中国製と思います。作りは、思っていた以上丁寧でケース迄付いてきました。左右一段ずつスライドが出来ます。取付に手間取りましたがとりあえず安心致しました。GFXより良さそうです。改めて結果をご報告申し上げます。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/15(Sun) 11:24 No.2373
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
お騒がせ致します。取り敢えず室内にてテスト撮影してみました。撮影距離約1.5m 23V ジンマーS100mmf5.6 ISO800 F5.6 15分の1秒 内臓電子シャッターです。インフの位置は今後テストしてみます。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/15(Sun) 12:05 No.2374
Re: cfv用アダプター
フランジバックの件で心配していましたが、ハッセルバックなら解決しそうで何よりです。
また左右でステッチすればGFXよりも大きなフォーマットサイズになり、メリットが大きいかと思いました。
上下移動もできれば、6x9画面も得られるのになと。ちょっとライズすれば近いことはできるかしら。
ともあれ楽しみ方がますます広がりますね。
私は4x5カメラにα7Rでステッチしていて、フランジバックの制限を受けていますので、CFVは羨ましいです。
れんずまにあ 2023/10/15(Sun) 12:38 No.2375
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
早速にコメントを頂戴致しまして感謝申し上げます。このアダプターは、どうやらphotodioxというメーカーの様です。いずれにせよ安心できました。自身の乏しい数学脳を棚に上げて、リンホフを恨んだ事恥ずかしく思いました。ステッチングとか自身で調べてトライして見るつもりです。流石経験者でいらっしゃいますね。アナログ脳で出来るだけ努力して見る所存です。今後もよろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/10/15(Sun) 13:07 No.2376
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
れんずまにあ様

早速の画像のご投稿ありがとうございます。
標準レンズで撮影できるようになり良かったですね。

ジンマーS+CFV II 50Cの画像は素晴らしいと思います。
広角側は分かりませんが,凹みボードなら65mm位まで大丈夫かも知れません。
色々と選択肢が広がり,これからの発展が楽しみです。

中判テクニカルカメラもいよいよデジタルの時代と思うと感無量です。
狸おやじはすっかり出遅れてますが,何とかデジタルバックを手に入れたいなあ。
狸おやじ 2023/10/15(Sun) 19:10 No.2377
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります
cfv プラナー100mmのテスト結果報告申し上げます。ISO100 f8 1/180です。撮って出しの色がイマイチでしたのでハッセルの現像ソフト phocus2で処理後のjpegです。モニター上では、ピントはかなりシャープです。よろしくお願いします。

追伸です
ホワイトバランスが間違えていましたので
修正の取り直しです。ライブビューにてピント追込み
レンズフード使用

フイルム大好き 2023/10/16(Mon) 17:23 No.2381
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。

プラナー100mmの描写は素晴らしいですね。背景の木々のボケも自然な感じです。
風景写真なら,れんずまにあ様が言われるように左右にスライドしてパノラマ写真も楽しめそう。
ステッチはソフトウェア(Capture One等?)で対応できるかも知れません。
狸おやじ 2023/10/17(Tue) 21:48 No.2382
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつも、初心者にお褒めをいただきありがとうございます。お陰様で、手持ちの各レンズデジタル機のインフを把握出来ました。広角は厳しいです。リセッシュボードのアングロンもジャスピンの少し手前、残念です。ステッチングの御指南ありがとうございました。adobeソフトにある様です。が、その前にやらなくてはならないお勉強、広角レンズでのアオリです。思案の上、手に入れておいたポラホルダーを思い出して早速、ヨドバシにポラロイドフイルムを注文しました。たった8枚で2800円くらい。嫌になります。手元に届いたら、やる事リストを作り確認していこうと思います。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/18(Wed) 00:35 No.2383
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
おお,ポラロイドホルダーですね。
テヒニカ23用の純正ホルダーは知りませんでした。それだけでなく,ポラロイドフィルムが復活(インポッシブル社?)している事も知りませんでした。貴重な情報をありがとうございます。

写真を見ると,ポラロイドの画面(77x79mm)が丁度収まるようですね。これならテヒニカ23の画角を有効に利用できそうです。私は,富士フイルムのInstaxが使えないかと考えていましたが(No.2065),ミニ(46x62mm)は小さ過ぎるし,ワイド(62x99mm)は大き過ぎる。スクエア(62x62mm)は大きさは良いが,真四角でバランスが悪い。その意味で,ポラロイドは丁度良いサイズと思います。フィルムの値段は高いですが,感度が2種類(ISO 160/640)あり,Instaxより使い易そうです。ともあれ,撮影画像をその場で確認できるのは魅力です。撮影が楽しみですね。
狸おやじ 2023/10/18(Wed) 20:04 No.2384
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。仰せの通り、ポラはISO640です。入荷はいつのことやらです。

cfvについてお褒めもいただいていますので少し、、
お世話になつている東京日暮里のリンホフ代理店QLIQUE責任者の方は元シユリロの幹部の方です。リンホフは今でも代理店。ハッセルは、断念したそうです。理由は、中国人経営陣。そもそもドローンの会社でカメラにはあまり熱心では無い様です。最近、原宿の旗艦店も閉鎖。購入、サービスともにメールの問い合わせ。オフィスの場所は分かりません。
経営方針も過去の顧客は切り捨てる様な発言があつたとか。500CMの時代を大切にしてくれません。ライカとは、大変な違いです。本国では、遺産を受け継ぎ大切にしているのに、、
先行きに関してはかなり不安です。製品の完成度の高さ、本国からの諸案内、デジタルソフトウェアの出来の良さを思うと残念です。

やはり、デジタルになっても日本が一番では無いかと
つくづく感じる昨今です。

全く脱線の与太話で失礼申し上げました。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/10/19(Thu) 23:42 No.2385
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります。
関係の無い話で失礼致しました。
ジンマーS100mmの遠景テストで一通り終了のご報告です。
ISO400 f22 1/60 23V cfvです。
改めて、ジンマーの優秀さに惚れ込みました。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/20(Fri) 12:08 No.2386
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ハッセルとリンホフの代理店の情報をありがとうございます。
私も原宿のハッセルブラッドストア東京にCFVの件で問い合わせたことがあります(No.1637)。その時は丁寧な対応で好印象でしたが,今年5月に閉店になってしまった。ハッセルは日本での事業展開に興味がないのかも知れません。リンホフの日本代理店のシュリロトレーディングは以前何度か利用しましたが,あまり良い印象が無い。シュリロを出られた方が新しい代理店(Clique)を立ち上げたのは朗報です。

ジンマーS100mm+CFVの画像は好調ですね。
f22なので解像度が高いですが,コントラストは程々で自然な感じに見えます。プラナー100mmと比較すると好みが分かれそうですが,私はプラナーの描写が好みかも。テヒニカには魅力的なビンテージレンズが揃っていて楽しいですね。
狸おやじ 2023/10/20(Fri) 21:33 No.2387
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも、忌憚のない、且つ温かいコメント有り難く感謝申し上げます。
70の手持ち谷中放浪記でのジンマーの結果に愕然。フランジバックの差を
同じ100mmならと安直に考えた自身には、とても良い勉強の機会でした。誉高きジンマーの実力知るべく撮影を重ねる度に、その都度驚かされ愛着が深まりました。小さく軽いこんなレンズの何処にと思います。既に市場に出てからは、50年近いことを考えると、当時のドイツ人数学者設計者に頭が下がります。素晴らしいレンズですね。

上っ面ですが、ほぼデジタル機による手持ちレンズのテストを終えましたが、やはりフイルムに軸を移して、引退後の写真ライフを送ろうと思っています。理由は、簡単過ぎて写真が下手になる気がしてなりません。ソフトで現像思いのままではいけない様な気がして、、
幸い、前出のQLIQE日暮里様の修理、OHは安泰で価格も良心的な事が何よりです。
特にハッセルブラッドの出物もリンホフレンズの出物も全てOH済ですから油断なりません。
FOMAPAN100のホルダー撮影が楽しみです。自家現像未経験の超初心者ですが、皆様どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/10/21(Sat) 00:25 No.2388
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります、かつお騒がせ致しており恐縮しています。
さて、しばらく大人しくしているつもりが、驚きのサイトを見つけ忙しくなりそうです。
そのサイト名はFuji X weekly.フジフイルムのサイトと思いましたが、アメリカ人?の作成したサイトの様で過去の100種類以上のフィルムの色調を再現できます。因みに機材はXシリーズと GFXシリーズならOKです。ダウンロードして英文ですが、希望のフイルムの指示通りの設定で完了。
思わず、懐かしいエクタクロームE100を選択してテレアートン270にて、いつものテスト風景を撮ってみました。コダクローム64等目白押しです。モノクロもかなりリストにあります。
まずは、ご報告申し上げます。
linhof23V tele-arton270mm GFX50SU ISO800 f22 1/170 エクタクロームE100設定

追伸
サイト名訂正いたしました。
失礼致しました。

フイルム大好き 2023/10/23(Mon) 13:59 No.2389
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様、コメントをいただきありがとうございます。
ご報告が大変遅くなり申し訳ございません。機材・用品などがそろいましたので、撮影しました。被写体は撮影台上の3本のレンズです。機材はレンズ側からMamiya M75mmF4.5L SB, Novoflex PROMAM67, Rollei X-Act 2, Novoflex APRO, Novoflex NEXA-K, Kenko DG 接写リング10mm, Sony α7RWです。測定用品はデジタル傾斜計、物差し、巻き尺などです。

添付の取扱説明書に従って、
1. X-Act 2のフロント・リア両スタンダードを垂直にして、モノレールの傾斜角αを設定します。レンズのイメージサークルを考慮して、今回は10度です。
2. シャインプルーク点S1(レンズに近い方の被写体の高さの半分の焦点を合わせる点。以下近合焦点)、同S2(同遠い方の点。以下遠合焦点)にリアスタンダードで焦点を合わせます。対応するカメラのモニター上の点S'1とS'2を記録します。S'1とS'2間の垂直距離vを測定し値を紺色のダイヤルの目盛に設定します。今回は16.5mmです。
3. S1とS2に焦点を合わせたときのリアスタンダードの延長距離(位置の差)eを読み取り、値を白色のダイヤルの目盛に設定します。今回は2mmです。
4. シャインプルーク面の光軸に対する傾斜角βを求めます。光軸が水平であれば、この角度がシャインプルーク面の上向きの角度(0=<)になります。ティルト角の計算前にすでに光軸が傾いている場合は、βはシャインプルーク面の上向きの角度と光軸の傾きの角度の合計になります。今回近合焦点の高さは22.5mm、遠合焦点の高さは61mm、高さの差は38.5mm、近合焦点と遠合焦点間の距離は95mm、撮影台面とS1-S2を通るシャインプルーク面の交わる角βは22.1度(atan(38.5/95))です。
5. この傾斜角βを白色のダイヤルの下端(0度から50度の目盛)から見つけ、対応する紺色のダイヤルで最適なレンズのティルト角γを読み取ります。今回γは約6.5度です。

以上計算器上の番号1から5まで順に測定値をダイヤルに合わせてティルト角γを求めます。

Robert E. Wheelerさんによると、風景撮影の場合βの計算は不要でフロントスタンダードで焦点を合わせても良いそうです。

撮影データ シャッタースピード 1/60 絞り F45 ISO 800、ニッシンデジタル MG80 PRO 3灯 65~70cm多角ソフトボックス レンズ鏡胴前端から近合焦点までの距離 約470mm

Mamiya M75mmF4.5L SBはシフト・ティルトアダプターNI701(シフト左右各10mm、ティルト上下各12度)用レンズです。SBレンズ用スペーサー NA703と組み合わせると一般のレンズとして使えます。
Rollei X-Act 2(フロント・リアともティルト上下各16度、スウィング左右各15度、ライズ・フォール、シフトは、上下、左右各15mm)はNovoflexのOEM製品(1997)のため、同社のBALPROシリーズとCASTBAL-PROのアダプターリングを共用できます。
PROMAM67は一昨年の5月発売で、Hartblei社によると同社とNovoflexとの共同開発だそうです(HCam.de 8 Mai 2022)。Hartblei社の"Mamiya RB/RZ - GFX Adapter for Mamiya RB/RZ lenses #1, #2", "Hartblei RBZ-S Parallax Free Shift Adapter for Mamiya RB/RZ 67 Lenses"の絞りクランプと同型のようです。
カメラのグリップとX-Act 2が干渉するので接写リングを使いましたが、けられます。
BALPRO T/Sは構造上前後を逆にし、90度横に倒して使います。グリップの凹部の位置にアダプターリングの固定ネジをセットすると、固定ネジの頭との干渉がなくなり接写リングは不要です。
現在小物の商品撮影にはFocus Stackingも使われているようです。Focus Stacking機能がないカメラによるマクロ撮影には、Novoflex CASTEL-MICROが適しています。

Canonは近い将来RFマウントのTS AFレンズ(特開2023-140195、特開2023-153460)を発表するでしょう。複数の合焦点を選んでAutoTiltShiftできるでししょうし、リアスタンダード付きのレンズですと被写体の形状補正も自動化されるでしょう。

未購入ですが、lumariver.comのソフトウェアDepth of Field Calculator(tilt and sift, Focus Stackingを含む) Android $8.99 (Google Play)
Lumariver Depth of Field iOS $8.99 (App Store)が発売中です。

撮影にあたって以下のWEBページの記事などを参考にさせていただきました。
http://www.weschoen.de/ -> Scheimpflug-Rechner -> 取扱説明書(画面下方へスクロールして計算器の画像をクリック) PDF他 2013
Robert E. Wheeler; Photographer's Aids: A survay, Chapter 2 Rodenstock, p.5-9 PDF 2002
Anwendungsbeispiele mit dem Universalbalgenger&#228;t Novoflex Balpro TS PDF 2006

FOV 2023/11/13(Mon) 20:53 No.2421
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
FOV様
ローデンストックの「ティルトスイング計算器」の詳しいご解説を有難うございます。
これは,No.2011で教えていただいた携帯型のティルト計算器の実践編ですね。とても参考になります。まだ全部は理解できていませんが,これは恐らく,以前私がカメラバックのアップティルト角(θ)について導いた(1)式(No.2002)を,レンズボードのダウンティルト角(γ)に対して計算する装置の様に思います。細かい点(何故βが必要か等)はまだよく理解できていませんので,もう少し考えて見たいと思います。

私は最近,ライズ/フォールをよく使いますが,ティルト/バックスウィングをあまり使っていません。ティルトを使いたい構図にあまり出会わないのが主な理由ですが,設定が面倒というのも理由の1つです。バックアオリは遠近感を強調しすぎるという説明書の指摘も正しく,フロントを操作する方が得策かもしれません。この計算器をポケットに入れて置けば,気軽にフロントティルトが出来そうなので,購入を検討してみます。貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2023/11/14(Tue) 23:07 No.2425
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
linhof23Vで、不可解な点に気が付き、投稿いたします。
ライズフラップの幅に、差がある点です。所有の二台を並べ気が付きました。狭い方はシリアルが広い方より後期で前期後期の差かなくらいに思っていましたが、そうでも無いようで、代理店代表に質問致しましたら、初めて聞いたとの事、、、
まあ、どちらも使用上問題無く不具合も有りませんが、理由を知りたくて、、
ご存知の方がいらしたら、ご教授お願い申し上げます。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/12/05(Tue) 21:14 No.2433
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
テヒニカ23V(後期型)のライズ用フラップのサイズは,2種類あるようですね。
貴重な情報をありがとうございます。

以前(No.1570)掲示した23Vの取扱説明書を見ると,1~4頁の写真では狭いタイプ,6頁の写真では広いタイプになっています。これらの写真が撮られたのはV後期型の発売時(1972年頃?)で,その頃は2つのタイプを製造していたようです。私の手許にある和文カタログ(シュリロトレーディングカンパニー製,1998年頃)を見ると,全て広いタイプです。なので,狭いタイプから広いタイプに設計変更されたと考えていました。でも,シリアル番号が逆なのは謎ですね。
狸おやじ 2023/12/05(Tue) 23:01 No.2434
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
早速にありがとうございます。
シリアルが後期のフラップが狭い方は、代理店オーバーホール済の品物ですので確かなモノとは思いますが、この手のカメラのよくある迷宮と思って酒の肴にしようと思っています。
説明に無いのは、困ったモノですね。
然し、それはそれで想像の世界で、メーカーに詰問するのは止めておこうと思います。問題は、撮影結果ですね。
諸先輩方々の力作に、追いつくべく精進していくつもりです。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/12/06(Wed) 01:50 No.2435
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
これはびっくりです。フラップ幅が違うモデルがあるんですね。
狭いと単純にライズアップすることしかできませんが、広ければシフトしながらライズできますのでいいですね。でも広げると何か問題でもあるんでしょうか。
続報を待ちます(笑
れんずまにあ 2023/12/06(Wed) 21:49 No.2437
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
先日、ebayにて、23Vの最終型と思しき本体を入手致しました。ボディ塗装が艶消しの黒です。商品説明ではミントとなっていましたが、手元に届いてチェックしてみると、蛇腹にヒビが。早速日暮里の代理店持ち込み、蛇腹交換他、オーバーホールを依頼して出来上がってきました。変わっている点で、グランドグラスフレーム両脇に、手前90度迄引き出すレバーがあり、ホルダーオープンで固定できてカットフィルムホルダーがスムーズに出し入れできる構造になっています。シリアルの頭にアルファベットの一文字が打刻されているのが最終型らしいです。まずは、ご報告申し上げます。

フイルム大好き 2023/12/15(Fri) 17:27 No.2440
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
さて、残念な事がございましたので報告いたします。
ルーペで拡大されるフレネルレンズのキズが気になり、一番早く手に入りそうなので英国のリンホフスタジオにメールオーダーしましてほぼ10日で手元に届きました。入れ替えてみて愕然。抑えのスプリングが効かず少しの角度で落ちてしまいました。ノギスで計測してみると2mm足りない。販売元は当初は取り付け方が悪いのかもと。実際の写真添付の返送でやっと気がつき店内在庫調べたら全部そうだとの事。メーカーに報告して正しいフレネルレンズを次の入荷後送るとの事で決着しました。
日暮里の店主も、最近、マスターテヒニカの新品を納入時、フロントベッドを下ろしたら、エッジの塗装がポロリと落ちて困ったとの事。製品のクオリティ、検品の精度が落ちている様だとも。
最終型23Vと初期型70を並べてみると、明らかに初期型が丁寧な所も見て取れました。
まあ、3月末迄気長に待つとして、少しメーカーには、頑張ってもらいたいと思いました
フレネルレンズの比較写真添付いたします。左側が寸法違いの品です。
よろしくお願いします。

追記
linhof-studioに詳細報告後、正規寸法のフレネルレンズが届きました。

フイルム大好き 2024/02/21(Wed) 21:00 No.2484
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
フレネルレンズの情報をありがとうございます。
私は,フレネルレンズは(見かけは明るくなりますが)ルーペを使ったピント合わせがやり難いと感じるので使っていません。でも注文したフレネルレンズの寸法が合わないのは困りますね。リンホフはきちんと対処して欲しいと思います。

リンホフ製品のクオリティにはいろいろな意見がありますが,私は1950~70年が全盛期と考えています。その頃の製品は,今でも驚くほどの精度と強度があり,見るだけで感動します。私のTechnika IV23 は1960年製ですが,少なくとも今後50年は完璧に機能すると思う。何か至高の工芸品を使ってる気分です。
狸おやじ 2024/02/22(Thu) 20:49 No.2489
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ご返信ありがとうございます。全く、仰せの通りと思います。
リンホフ6×9の門をくぐり、ほぼ一年で色々経験を経るとモノとしての本質が見えてきた気がいたします。見渡せばドイツ工業製品全般に言えるのではないでしょうか。クロームメッキの質と厚さから骨格材質のクオリティ。自動車もそんな気がいたします。移民労働者の増加と再生部品の増加の影響もあるかもしれませんね。モンブラン万年筆のペン芯も昔の方がコストがかかっている気がいたします。
Technica W23もきちんとしたセットは物凄く高価ですね。
過去の品質にはとても及ばない現在、
今ある機材を大切にして、写真撮影を楽しんでいきたいと思いました。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/02/22(Thu) 21:08 No.2490
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
拙の投稿#2433にて、ライズフラップの幅の差について、暇を良いことにLinhof社に問い合わせ致しまして、以下の様に返答を得ました。

Here comes the answer from our technician:

We can read from our records when the flap was generally installed -> 1975.

However, there is no documentation as to when a narrow flap was replaced with a wider one.

The bellows is protected by the flap when the front standard is shifted upwards and can also be moved sideways with the wider flap without the bellows being pressed in too much.

との事で1975年に導入後、変更点については不明との事でした。
一応、疑問点については、此処でピリオドとなりました。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/03/25(Mon) 20:42 No.2511
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ライズフラップの件で続報をありがとうございます。
リンホフ本社からの回答で,フラップは狭いタイプから広いタイプに変更されたこと,変更の理由はライズ時に左右シフトの自由度を増やす為とわかりました。貴重な情報をありがとうございました。

テクニカルカメラでは,フロントライズ/フォールの可動範囲が(特に広角レンズ使用時に)制限されることが多い。ライズフラップは有効ですが,それ以外の対処法として,バックアオリ(ダウン/アップティルト)を併用する方法があります。この方法はシフトの範囲を広げる時にも使えます。後日この方法について解説できればと考えています。
狸おやじ 2024/03/30(Sat) 22:58 No.2512
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
ライズフラップの件は、1975年からとの事ですが、旧型グレーモデルは、ワイド。ブラックモデル中期にナローが有り、最終期に又ワイドに戻った理由を知りたかっただけですが、こんな質問して来るのは、先方も初めてらしく、返答まで10日くらいの時間がかかっていました。
まあ、技術者にも迷いもあったのではと。

アオリは色々試しながらわかってきた気がします。
以前の写真で後悔する点がかなり有ります。
折角の装備、使わなければいけませんね。指導書も買い込みましたが、諸先輩諸兄のノウハウのご助言、こころよりお待ちしています。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/04/02(Tue) 00:55 No.2514
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずマニア様
いつもありがとうございます。
近隣も桜満開ですので、歩ける範囲に三脚担いでデジタル撮影を試みました。
23Vにテレアートン270mm、GFX50SUバックです。
ISO100、1/250、f8で100m程先の丘の上を狙ってみました。フイルムモードはベルビア
ホワイトバランスは、オートです。LVでモニター画面でピントの追い込みができるとか
コレはコレでやはり便利と思いました。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/04/07(Sun) 13:06 No.2516
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
たぬきおやじ様
れんずまにあ様
連続投稿お許しくださいませ。
程度の良さそうな、Tele-Arton180mmf5.5を入手しました。シャッター
1secはかなり怪しいですがレンズも綺麗でした。小ぶりなのに180mmが気に入りまして早速ハッセルcfvU50を23Vにセットして試写しました。結果、1962年製と思しき老体に畏敬の念を禁じ得ませんでした。ISO1600 f5.5解放 1/90です。
よろしくお願い致します。

フイルム大好き 2024/04/10(Wed) 01:07 No.2517
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様

ご投稿と2枚の写真をありがとうございます。
テレアートン180/240 mmの描写は魅力的ですね。特に180mmの画像は,合焦位置のシャープな画像に加えて後部のなだらかなボケが印象的です。テレアートンはクセノタール型のレンズ構成なので,開放側で後ろボケが(球面収差の過剰補正で)荒れると予想していましたが,シュナイダーはその辺を上手く調整してなだらかなボケを出している様です。F値を5.5に抑えたのがポイントかも知れません。貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2024/04/12(Fri) 20:25 No.2518
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
私がテヒニカ23で使っているレンズの内,ボケが最も美しいのはヘリアー105/4.5だと思う(No.1917, 1925)。
ハーティング博士(Hans Harting)設計の3群5枚,1921年頃製造のノンコートレンズで,合焦位置の高解像度と芯を残しながら蕩けるような後ろボケに特徴がある。ヘリアーは,描写力と表現力の高さから戦前は「猫の目」と呼ばれ,テッサーの「鷹の目」より写真家や芸術家の間で人気があったようだ。独特のレンズ構成と球面収差の補正をアンダーに抑えた所がポイントの様で,ここに注目したトロニエ博士(Albrecht W. Tronnier)は,後のカラーヘリアーやアポランター(色収差補正型),そしてテロマー(テレタイプ)で同様の構成のレンズを設計している。不思議と日本の(マスメディア系の)レンズ評論家達から注目されていないようだが,これらのレンズが中判~大判用で,ライカ判や35mmミラーレスカメラで手軽に使えないという(商業的な)理由があるようだ。


写真:ソメイヨシノ(Heliar 105 mm/F 4.5, SS=1/250, f=5.6).

狸おやじ 2024/04/13(Sat) 12:30 No.2519
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
有難いご講評ありがとうございます。
ヘリアーの写真に驚きました。103年前、大正10年製とは。亡父も生まれていません。
このレンズが付いているベッサを物色しまくりました。今でも高価なことが納得しました。また、開放近くでのシャープな描写と発色に改めて、ドイツ人レンズ設計者が優秀であったと思います。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/04/14(Sun) 10:17 No.2521
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもお世話になります。
先日、手に入れた、Tele-Arton180mmの内部エレメントの埃が気になり
分解クリーニングをトライしました。レンズのリテーナーリングが固くて緊張しましたが、無事に完了できました。リアエレメントの仕上げには暫し見惚れてしまいました。
無事に組み上げができて安心しました。

フイルム大好き 2024/04/18(Thu) 17:53 No.2524
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
テヒニカの様なテクニカルカメラの場合,スタジオ用ビューカメラと比べてアオリ(movements)の範囲が制限されることが多い。
これは各調節部位の可動範囲が狭いことに加え,カメラ外箱によるスペースの制限もある。野外でアオリを調節していて,あと数ミリが動かせずに悔しい思いをすることがある。そこで,フロントのライズ/フォールの可動範囲をバックティルトを使って拡張する方法を紹介したい(cf. No. 1558, 2512)。

私が使っているテヒニカ23IVのフロントライズの可動量(公称値)は0~50 mmだが,実際には外箱の制限により広角(Super-Angulon 65 mm)では15 mm,標準(Symmar 105 mm)でも25 mm程度で頭打ちになる(写真)。V型にはライズフラップがあるので可動範囲が広がるが,広角レンズだとあまり違わないかも知れない。その為,特に高い建物を見上げた時のパースペクティブ(先細り)の調整でライズ量が不足する状況が出てくる。私はこれまでに3回程その様な場面に遭遇した。


写真:フロントライズの設定例 (ライズ量:約25 mm, Symmar 105 mm).

狸おやじ 2024/04/20(Sat) 21:52 No.2527
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
この様な状況では,バックアオリを併用することでフロントライズの範囲を広げることができる。
まず,カメラバックのロックを外し,フィルム面をフルにアップティルトさせる。次にレンズ部をベッドダウンしてダウンティルトを掛けてフィルム面との平行を取る。この状態では,カメラ外枠がフィルム面に対して上向きの角度を持つのでフロントライズの可動域が広がる。私のカメラの場合,広角では25 mm,標準では50 mmと,2倍近くライズ可能量が増える。テヒニカ23III~IVのレンズ台はベースティルトなので,一度ピントを合わせればライズしてもピント位置は変化しない。下の写真では約50 mmライズしているが,ジンマーはイメージサークルが大きい(約150 mm)為,この状態で画像のケラレはない。

この方法を応用すると,フロントフォールの可動域を広げることもできる。その場合はフィルム面をダウンティルトさせ,フロントはアップティルトで平行を取る。テクニカルカメラではフロントフォールがほぼ不可能なので,高台から見下ろすような風景の撮影でこの方法の利用価値が高い。ご参考までに。


写真:バックティルトによるフロントライズの拡張例 (ライズ量:約50 mm, Symmar 105 mm).

狸おやじ 2024/04/20(Sat) 21:59 No.2528
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
早速の丁寧なご指導ありがとうございます。感謝申し上げます。わかりやすく、戸外にセットを持ち出し実践して確認致しました。また、買い込んだ専門書も熟読致しまして、過去の悔やまれる写真を思い出した次第です。手持ちでは無理ですので、三脚使用限定ですね。遠景にピントが合っていく、広角での建築物が先窄まりが修正出来る、とかGWはお陰様で忙しくなりそうです。
改めて、御礼申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/04/22(Mon) 00:08 No.2529
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有り難うございます。
GFX 50SUに、ピクセルシフトマルチショットという機能があり、購入後使ったことがありませんでした。0.5画素毎に手ぶれ補正機能を利用して16枚の撮影、フジのソフトで合成後、lrで写真に、という機能です。解像度は4倍の2億画素700MBになります。PCのメモリを32GBに強化、 23Vにゾナー180mmでトライしてみました。
結果は驚きの精細度でした。カメラ、レンズともに最先端の世界を見させてあげることができて満足してます。
ただ、被写体は静物限定、動く雲、草花、人物はN/Gです。
撮影データは
三脚使用、f5.6、1/60、ISO800でレリーズ必須です。
あまりに大きなデータですので3MPに落とした写真を添付致します。
フランジバックの問題で広角レンズ、100mmレンズが使えない事が残念ですが
クラシックカーの撮影を時々致しますので、役に立ちそうです。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/05/17(Fri) 21:13 No.2535
Re: ピクセルシフトマルチショット
フィルム大好き様いつも驚かされる話題をありがとうございます。
2億画素ですか、とほうもない世界ですね。
オリジナルでなくても精細なことが窺い知れます。
焦点が合っていれば、どこまで拡大しても現物を見るのと同じ臨場感なのでは。
確かに条件は限定されますが、大変夢がある機能だと思います。
れんずまにあ 2024/05/18(Sat) 18:32 No.2536
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,れんずまにあ様

貴重な情報をありがとうございます。
>GFX 50SUに、ピクセルシフトマルチショットという機能があり、

これは全く知りませんでした。デジタル画像素子には詳しくないのですが,RGBカラーフィルターを水平方向にベイヤー式に並べて色情報を取る場合,(深さ方向に色情報を取るFoveon式と比較して)カラー画像の解像度が落ちてしまう。カラーフィルターを水平方向に細かくズラして追加情報を得て,解像度を上げる方法が既に使われているとは知りませんでした。中判イメージセンサーの場合,画像素子のピクセルサイズは4-6μmなので,光の量子性が現れるサイズ(解像限界)より余裕がある。この様な状況では,ピクセルサイズの精細化に加え,色々な追加技術を使って実効解像度を上げることができるようで興味深く思います。

最近ハッセルブラッドからも新型デジタルバック(CFV 100C)が発売され,中判デジタルの世界が拡大しつつあると感じます。日本の他の企業(Sony他)も,この機を逃さず中判デジタルに参入して欲しいですね。
狸おやじ 2024/05/18(Sat) 19:47 No.2537
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
早速のご感想ありがとうございます。
この世界はとんでもない事になりそうですね。AI発展でカメラ設定は会話になるのでは無いかと危惧しています。
フジの上位機種100Uに至っては、4億画素が可能ですが触手は伸びません。
過去、オーディオに凝った時のプレーヤーのワウフラッター競争みたいで、、
Canonが2800位で動かないのか正解かもしれませんね。Adobeソフトで強化で4倍に出来るし。
クラシックカーの磨き上げられた、キャブレター、シリンダーヘッドが綺麗に撮れればいいなと。
ハッセルもライカもこの世界とは一線引いているのか、無理なのか分かりません。
やはり、この辺りのカメラの世界では、日本が1番ですね。
フイルム重視、時々デジタルで今後も人生を楽しもうと思っています。

狸おやじ様のアオリのレッスンが目下一番参考になっています。
これからも、よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/05/18(Sat) 20:06 No.2538
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様 狸おやじ様
いつも有難うございます。
先日、eBayにてlinhof Large Format Photography 1973年版という専門書を格安で(4000円未満)手に入れました。70,70press,23V,4×5の機種説明が網羅。
アオリの説明も細かく記載されていて楽しめます。
書籍の少ない中、貴重で楽しめました。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/07/12(Fri) 00:06 No.2545
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様

貴重な情報をありがとうございます。
私はこの本を知りませんでしたが、同じGossbild-Technik GmbHから出版された Linhof Practice(*) を以前読んだことがあります。豊富な写真と詳しい解説が載っていて興味を持ちましたが,値段が高かったので書いそびれてしまいました。今考えると惜しいことをしたと思い中古本を探し始めました。昔のリンホフはいろいろな本を出版したり講習会を開いたりと,テクニカル/ビューカメラの技術講習や普及活動にも取り組んでいたようです。

最近は35mmデジタルカメラの進歩が停滞気味になり,ユーザーが物足りなさを感じている為か,中判以上のテクニカルデジタル/アナログカメラやアオリ技術に対するニーズや期待感を感じます。それらのニーズに対応する情報サイトを,将来的に立ち上げて情報発信したいとも考えています。それまでは,この日浦様のサイトをお借りして「リンホフテヒニカ23」と「中判シートフィルム」を中心に,皆様と情報発信していけたらと考えています。どうぞよろしくお願いします。

*) Nikolaus Karpf, "Linhof Practice: An Introduction to Linhof Cameras, Their Accessories, and Photographic Technique", 2nd Ed., Verlag Grossbild-Technik GmbH, Munich, 1958.
狸おやじ 2024/07/13(Sat) 11:52 No.2546
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フィルム大好き様 狸おやじ様
最近撮影機会が少なくご無沙汰していますが、皆様のご投稿はいつも楽しみに拝読しています。

linhof Large Format Photography すばらしいですね.私も網を貼っておきますが,なかなか遭遇できないでしょうね.

狸おやじ様が大判情報発信をお考えとのこと、これもまた素晴らしい。
昨今フィルム事情が悪化の一途を辿っているのと反比例して、大中判の評価額が鰻登り。
新たに機材を購入するのに逆風ですが、フィルム生産の後押しになってくれないか期待しています。
狸おやじ様の貴重な情報が、オーナーたちが大中判を見直し撮影を楽しむ環境が整う大きな助けになりますよう祈っています。

さて貴重な晴れ間と余暇が一致して、大中判撮影を楽しめますように。
れんずまにあ 2024/07/14(Sun) 09:39 No.2547
テヒニカ23での日中シンクロ撮影
これまで私はテヒニカ23で主に風景写真を撮影してきた。
風景写真なら構図や露出を時間をかけて決められる。休日にテヒニカを郊外に持ち出し,綺麗な風景をじっくり撮影するのは楽しい時間になっている。

ところが自分の子供が成長し成人式や卒業式を迎える頃になり,娘達の晴着の写真を撮ってほしいと頼まれた。これまで親父の道楽に付き合わせ,迷惑をかけてきた家族の頼みを断るのは難しい。営業写真館に頼むとワンショット数千~1万円で,しかもデジカメで撮られた写真は薄っぺらで魅力を感じない。「よーしそれなら引き受けるか」という気になった。折角撮るならテヒニカのカラーポジ6x9サイズ,ストロボを使って野外の日中シンクロ撮影... と理想は膨らむが,狸おやじには人物撮影の経験がほとんど無い。まずはライティングとポートレート撮影の勉強からと解説本を購入し,少しずつ読みながら必要機材を集めて準備を進めてきた。その辺の顛末は「カメラ情報交換掲示板」の「フラッシュ多灯撮影」(No.2620~2707)に書いた。ここではその後の進展を含めた全体の概要を紹介したい。この情報が,テヒニカ23や類似の機械式カメラでポートレート撮影を計画されている方々にお役に立てば幸いです。
狸おやじ 2024/08/06(Tue) 20:15 No.2553
テヒニカ23での日中シンクロ撮影(続き)
テヒニカ23でポートレート撮影をする上で,私が重視したのは次の4点:
1. 野外での日中シンクロ撮影をオフカメラ+多灯で実施
2. 野外で使い易いコンパクトで軽量な機材の選定
3. 迅速な露出と光量を決める方法を採用(ストロボの外光オート機能を利用)
4. 撮影前に推定画像の確認(テスト撮影の手段を用意)

3はポートレートでは速射性が大事な為だが,テヒニカ等の機械式カメラは露出が完全マニュアルで,TTL測光もできない。そこで外光オート式のストロボを使い,擬似的な多灯のオート撮影を行う。オートストロボをリモートセンサーで遠隔的に制御すればオフカメラのライティングができる。4はフィルム撮影に多い失敗を減らす為で,デジタルカメラを画像確認用に使う。3と4に関して,れんずまにあ様から貴重な情報とアドバイスをいただきました(カメラ情報交換掲示板: No.2620-2707)。

1-4を考慮して準備した照明機材は次の通り:
・ ストロボ(Panasonic PE-36S x 2)1台をメイン,1台をサブのスレーブ用
・ リモートセンサー(Panasonic PW-12S)メインストロボをリモート制御
・ ディフューザー(ImageVision RoundFlash Dish, LumiQuest LQ-103S他)
・ ライトスタンド(Manfrotto MS0490C)軽量のカーボンスタンド
・ テスト撮影用のデジタルカメラ(Sony α7II等)
狸おやじ 2024/08/06(Tue) 20:32 No.2554
テヒニカ23での日中シンクロ撮影(続き)
撮影手順としては,まず野外で逆光気味の綺麗な背景を見つけて人物を配置し,背景光と希望ボケ量に合わせたF値とシャッター速度(SS)をカメラ(レンズ)に設定する。カメラ上のリモートセンサーと接続したメインストロボにF値を入力し,人物の前方右か左上方から発光し,人物からの反射光(受光角20°)で外光オート調光する。光量が不足する(又はキャッチライト等を入れたい)場合,サブストロボ(光量1/4~1/2)をスレーブで補助発光。サブの発光量をメインより少なく設定すれば,サブ発光が終了した後にセンサーの受光量が設定量になった時点でメイン発光が終了する。この状態で,SSを速くすると背景光量が減少し,遅くすると光量が増加する。好みの人物対背景光量になるようにSSを調整する。撮影画像の確認は,同じF値とSS,ISO値を入力したデジタルカメラにリモートセンサーを載せ替えて行う。

下の写真に機材のセッティングの例を示す。テヒニカのコールドシューにアダプター(エツミ E-519)を介してリモートセンサーを取り付け,ライトスタンドのメインストロボと接続しラウンドディッシュを取り付けている。カメラ横のフラッシュ台(No.2068)にサブストロボを載せ,スレーブ発光させる。このフラッシュ台はワンタッチで取り外し,ハンドライトとして自由に移動可能。写真の円形ディフューザー(中国製,直径30cm)は,円形のキャッチライトを入れるのに便利。ストロボは予備をもう一台携行し,影消しや追加の補助光源として使っている。照明機材の合計重量は1.5 kgで,小型バッグ(Hakuba PlusShell S)に収納し,ライトスタンドは三脚と一緒にショルダーバックに入れている。テヒニカ23+レンズ+三脚+スタンド+照明機器で10 kg程,1人で何とか持ち運べる量だ。


写真:日中シンクロ撮影の設定例.

狸おやじ 2024/08/06(Tue) 21:00 No.2555
テヒニカ23での日中シンクロ撮影(続き)
これまで上の方法で3回程野外でポートレートを撮影した所,ほぼ満足できる結果が得られた。
この方法の問題点は,外光オートストロボが現在入手し難いことだが,中古のストロボ(PE-36S,PE-60SG等)は数は少ないがヤフオク等に出ていて,専用のリモートセンサーも時々見かける。MetzのMecablitz 64(AF-1)は現行の外光オートストロボだが,リモートセンサーが提供されていない(*)。

デジカメ(α7)で試し撮りして気が付いたが,一般のSLRやSLM(フォーカルプレーンシャッター搭載機)は,1/200秒以上のシャッター速度でストロボに同調できない(**)。テヒニカのシンクロコンパーシャッターは全速(1~1/500秒)でストロボに同調するので,絞りを開け気味にして背景光を減らしたい時に役立つ。同じ画角の場合,6x9判のレンズの焦点距離は35mm判の約2倍になり,絞りを開けた時の背景のボケが相対的に大きく綺麗になる(参考:日浦様「被写界深度とぼけの大きさ」)。ボードレンズは鏡胴が不要で,長めの焦点距離でも軽量コンパクト。その為,背景のボケを生かしたポートレートを中長焦点レンズを使って日中シンクロ撮影する場合,テヒニカ23は有力な候補になると思う。

*) 2024年8月14日追記:Godoxが新型の外光オートストロボ(Lux Master)を発売した。これは以前(No.2072)紹介したLux Seniorの発展型で,GNは25だが標準でリモートセンサー(AS-01)が付いている。外観もクラシカルで使い易そう。これから外光オート撮影を考える場合に候補になると思う。

**) このフォーカルプレーンシャッターの欠点は,特に日中シンクロ撮影で顕著になる。最近の「ハイスピードシンクロ」という名の「遅延発光技術」で解決できると考える人がいるが,それは間違いだ。「ハイスピードシンクロ」ストロボをフォーカルプレーンシャッターで使う場合,シャッター幕に当たる光の内,幕中の細いスリットに当たる光以外は無駄になる。つまり感光面(画像センサー)に当たるストロボ光は,高速シャッターになる(スリットが細くなる)程少なくなり,有効光量(GN)が減少する。この場合,シャッター速度を上げてもストロボ光/環境光の比は変化しない。一方,デッケルのシンクロコンパーを始めとするレンズシャッターは,シャッター全開時にストロボ光を100%受光するので光量にロスがない(GNが一定)。この場合,シャッター速度を上げるとストロボ光/環境光比が大きく増加する。日中シンクロ時のレンズシャッターの優位性は明らかで,ハッセルブラッドがレンズシャッター搭載機 500Cで成功した理由もここにある。この優位性は,電子式グローバルシャッター(全画素同期シャッター)がデジタルセンサーに搭載され,機械式(フォーカルプレーン)シャッターを代替するまで続くと思う。


写真:ストロボ撮影時のレンズ周辺 (Symmar-S 135 + Synchro-Compur No. 0, PW-12S).

狸おやじ 2024/08/06(Tue) 21:24 No.2556
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
以前もおやりになっておられましたが、ご家族のポートレート写真、よろしいですね。
私は中判大判で人を撮らなくなって久しく、とても刺激的なご投稿でした。
写真の歴史では、人像は最も重要な対象でしたので、原点回帰。
しかし難しいと思います。お察しします。
簡易スタジオを組まれて、すごいです。個人情報ですのであがりを拝見することはないでしょうが、続報に期待します。わくわくします。
少しフォールをかけると足が長くみえるかしら(笑
れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:54 No.2566
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。
確かに個人情報でサンプルを出せないので... 何か別の方法を考えてみます。秋にも野外ポートレートを予定していて,その頃にまた情報を提供できればと思います。

人物のポートレートは当たり外れが大きいですが,その分嵌った時の感動も大きい。ピントグラスの情景がそのまま結果になる風景写真と対照的です。今後は風景に加えて人物撮影も楽しむ予定です。

フォールすると足が長く頭は小さくなりますね。今まではカメラを腰位置でニュートラル(水平)で撮っていましたが,目線まで上げて僅かにフォールするのも良さそう。パースペクティブの変更で写真の印象はかなり変わるので,状況に合わせて調整しようと思います。貴重なコメントをありがとうございました。
狸おやじ 2024/08/11(Sun) 17:20 No.2567
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
ポートレート撮影に関しての深いご指導ありがとうございます。実は、孫の来宅時に少し頭をよぎりましたが、古いストロボしか無く、室内でのISO100フィルムでは諦めていました。明確な次のステージへの指針をいただきまして感謝致します。
フォールで足長、シフトでスリムにとかも聞きます。孫より、セルフポートレートしたくなるくらいです。
道具は使い込みたいものですね。
課題が数あり、楽しみが増えました。ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/08/12(Mon) 09:14 No.2569
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
お孫さんが来られるのは嬉しいですね。
テヒニカでの撮影は少し大掛かりになるので,もし計画されるなら,七五三が良い機会かと思います。子供(特に女子)は,お粧しした時にフォーマルな撮影を喜ぶようです。ポートレートは良い写真を撮るとその人に喜ばれます。ここが自己満足的な風景写真と異なる魅力と思います。
楽しい撮影を。
狸おやじ 2024/08/13(Tue) 19:48 No.2570
貼り革の補修
テヒニカの周囲には合成樹脂製の「皮革」が貼り付けられている。
この貼り革の素材は不明だが,長期の使用でも劣化が少なく耐久性が高い。しかし接着剤は経年劣化がある様で,古いテヒニカには貼り革が剥がれたものや紛失したものがある。私のテヒニカ23は,本体は大丈夫だがストラップの留め具部の小片が無くなっていた。またIV型のスーパーローレックス(6x7)の貼り革が剥がれかけて気になっていた。

アメリカのHugoStudioは,中古カメラの貼り革リペア専門の会社で,ライカやローライの修理業界では広く知られている様だ。私はeBayでテヒニカ用の貼り革を見つけて知った。大判のテヒニカV45用の貼り革が多いが,スーパーローレックス45用のベージュ革もある。スーパーローレックス23と45は取り付け部分の構造が異なるが,本体は共通なので貼り革の寸法は同じ筈だ。eBayで$18(+送料$11)で売っていたので試しに購入してみた。


写真:補修作業中のSuper Rollex 23 (6x7).

狸おやじ 2024/08/14(Wed) 08:49 No.2571
貼り革の補修(続き)
貼り革はリンホフのホルダーに合わせて正確に裁断され,裏側に粘着シートが貼られている。
説明書に従って古い革を剥がし,ホルダーに残った古い接着剤を有機溶剤とアルコールで拭き取り(これが結構大変な作業),粘着材の表面を筆に含ませた水で少し濡らしてから本体に貼り付けた。YouTubeの解説動画では"Purell"という溶液(?)を使っているが,水で代用できるようだ。粘着材の接着力は強力なので,水を含ませて一時的に接着力を弱めることで位置決めが容易になる。貼り革は細かい部分を先に合わせ,全体に張力を掛けながら伸ばすと綺麗に貼れた。ついでに剥がした革の接着剤を拭き取って小片を切り出し,ストラップの留め具部に合成ゴム系接着剤で貼り付けた。60年以上も昔のカメラの外装が補修できて甦るのは嬉しい。


写真:補修後の様子.

狸おやじ 2024/08/14(Wed) 09:21 No.2572
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
貴重な情報、ありがとうございます。
然し、美しいですね。
改めて、Linhof Super Technika23Wの容姿に見惚れてしまいました。
もう、残念ながら、この様な工業芸術品は未来永劫出ませんね。
狸おやじ様の嬉しさが手に取るように拝察されます。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/08/14(Wed) 15:30 No.2573
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
確かにテヒニカの外観は美しいですね。
このカメラの加工精度と完成度は,過剰(オーバークオリティー)とも感じます。ドイツの伝統的なマイスター気質なのでしょうが,この完成度に負けない写真を撮るのは難しい。使う側が,道具(カメラ)に試されていると感じます。
狸おやじ 2024/08/15(Thu) 10:16 No.2574
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日、eBayにて、かねてより欲しかった
リンホフレンズシェード51-42変換リングが、フード付きでこれまた格安でありまして送料もエコノミーで時間がかかるだけで問題なく手元に届きました。
擦り傷は、万年筆用コンパウンドで磨いてみましたらかなり回復させられました。
Tele-Arton180,Symmar100にピッタリです。
嵩張りますが、エツミのレンズパウチにピッタリ入りますので秋の紅葉シーズンに引きずり回そうと思います。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/09/12(Thu) 22:40 No.2594
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
リンホフのレンズシェードご購入おめでとうございます。
この2つのシェードとリングがあれば,全てのテヒニカの専用レンズ(外径:42, 51, 60, 70 mm)に対応できますね。私も51 mmのレンズシェード(No.1992)を使ってますが,大口径レンズを入手したらどうしようかと考えていたので参考になります。注意点として,広角レンズ(65mm以下)ではケラレることがあるので,ピントグラスで一度確認されると良いと思います。リデューシング(減径)リングの装着感や使い勝手についても,ご都合の良い時にお知らせください。

それではテヒニカで楽しい撮影ライフを。
狸おやじ 2024/09/13(Fri) 21:05 No.2596
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
早速に、広角使用時のご注意ありがとうございます。
擦り傷だらけのフードも補修後、みられてもおかしくない程度に修復出来ました。
変換リングは、どちらも脱着には力点工夫しながらとスムーズにスポッとはいかないです。
ショルダーバックて運搬時はエツミのレンズポーチMがピッタリですので重宝しています。
もう新品は望めない製作終了品には維持するのも気を使いますね。
注目度抜群のこのフード、大切にしていきます。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/09/14(Sat) 15:11 No.2598
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
中秋の名月
Tele-Arton270にGFXバックで挑戦いたしました。
ご近所の方、カメラを見て仰天しておりましたが、なんとか撮影出来ました。
結果の報告を申し上げます。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/09/17(Tue) 18:43 No.2600
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
Tele-Arton270mmの撮影結果です。
よろしくお願い申し上げます。
データは
ISO640
1/6秒
f22です。

フイルム大好き 2024/09/17(Tue) 18:44 No.2601
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
中秋の名月のお写真をありがとうございます。
270 mm Tele-Artonだと月が大きく印象的ですね。テヒニカにデジタルバックと長玉を付ければ天体観測もできそうです。

私はテヒニカの活用法の一つとして,将来的に星空の天体写真を撮りたいと考えています。
バルブ開放で30分~数時間ほど露光すれば星が北極星を中心に旋回し,背景に山を配置すると幻想的な風景になると思う。最近はデジカメを使う人が多いが,CMOSセンサーは長期露光すると電気ノイズが入り易く,かと言ってノイズフィルターを使うと小さな星が消えてしまう。フィルムならノイズの心配がないし,中判は解像度が高いので無数の小さな星々(天の川 etc.)を写し込める(?)と思う。機械式シャッターならバッテリー切れの心配もない。問題は都会では町の光でカブってしまうので,人里離れた山の中で撮影する必要がある事で,これが現代人には大きなハードルです。いつか長い休みを取り,チベットかネパールの山中で試してみたいなあと夢想しています。
狸おやじ 2024/09/21(Sat) 15:54 No.2602
クレルさんのツァイス大判レンズの解説
アーネ・クレル(Arne Croell)さんのツァイス大判レンズの解説を紹介します。
クレルさんの解説は,フォクトレンダーの大判レンズの解説(*)が知られているが,オーバーコッヘンのカール・ツァイス(オプトン)の大判レンズの解説(**)も公開され注目を集めている。ツァイス・オプトンの中判~大判レンズは,テヒニカIV(1956年)23/45用に提供された専用レンズ(Biogon, Planar, Sonnar)が有名で,これらのレンズの性能と描写力が世界中から注目され評価される中でテヒニカIVの人気が高まった経緯がある(No.1559)。クレルさんの解説には,それぞれのレンズの開発の背景やレンズ構成,MTF曲線や新旧バージョンによる性能の違い等の詳しい情報が出ていて,テヒニカ23を使っている方々にも興味深いと思う。ご参考までに。

*) A. Croell, "Voigtlaender Large Format Lenses from 1949-1972", August 10, 2020.
https://www.arnecroell.com/voigtlaender.pdf

**) A. Croell, "Large Format Lenses from Carl Zeiss Oberkochen 1950-1972", August 25, 2014.
https://www.arnecroell.com/zeissoberkochen.pdf


図:ツァイス・オプトンの大判レンズ構成図 (Copyright by Arne Croell, 2014**).

狸おやじ 2024/09/23(Mon) 10:29 No.2603
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
すごい資料、ありがとうございます。拙い英語力で拾い読みを始めています。秋の夜長が楽しめそうです。
ビオゴンいいですね。たまにあっても躊躇してしまいます。
困ったことにトポゴンの構成図を見て、眠っていた記憶が蘇り、W-Nikkor2.5cm f4を思い出してしまいました。父の形見のS3につけてみたく30年ほど前に探していました。
ケース入りの薄いフードが付属で魅力満点でしたが諦めてそのまま。
困った虫が動き始めてしまいました。
脱線申し訳ございません。
ありがとうございました。

フイルム大好き 2024/09/23(Mon) 15:07 No.2604
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
コメントありがとうございます。超広角のTopogonやHologonは魅力的ですね。形見のS3も羨ましく思います。

残念ながら,私はニコンのカメラやレンズを使った経験があまり無いので(昔は仕事でFとF3を使いましたが),有益な情報を知りません。レンジファインダー式ニコンSシリーズは興味を持つ人が多いと思うので,専用のスレッドを作られると良いと思います。
狸おやじ 2024/10/01(Tue) 21:13 No.2608
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
リンホフのアナトミカルグリップについて投稿いたします。
旧型は下から差し込み、ロックレバーを後方に。現行型は上から差し込み同じくロックレバーを後方に。後期型を代理店に注文後23Vに付けて使用しておりますが、上記の取付の差以外に気になる差を列挙致します。
まず、取付フィーリング。
前期型はぬるつと入って、ロックはねっちり、という感じ。
後期固いはシャリシャリ感の上、スパッと感。
感じは、前期が勝っています。
ケーブルレリーズをセットすると、前期型は、シリンダー内部にボールの突起が一つあり、レリーズ本体をカチッとロック。
後期型は、それがありませんので、ロックは効きません。

この様に、コストダウンがハッキリ判り、高い買物も少しがっかりしております。
狸おやじ様の仰せの通り、リンホフは以前のモデル程細部の仕上げに手抜きがない事痛感しております。
よろしくお願い申し上げます。

追記
狸おやじ様からご投稿いただきましたので追記致します。
X型にも前期型と後期型がございます。
前期型はW型と共通と思います。
後期型は、上から装着ますので、装着後何かの拍子にぬけおちるんではとの
不安があります。
前期と後期は台座も異なり、互換性がありません。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/10/05(Sat) 20:19 No.2609
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
貴重な情報をありがとうございます。
アナトミカルグリップの取り付け部分の形状が,IV-V前期型とV後期型で違う事は知りませんでした(*)。両者には互換性がないのですね。私のグリップはIV型ですが,テヒニカ70(V前期型と同時期)の白グリップとも少し違い,裏側のクランプで「ボール状」の芋螺子を押し付ける方式です(写真)。すっきり見えますが強度的には少し頼りないかもしれません。時代と共に改良しながら簡略化していったようです。

私のグリップの穴にも小さな突起がありますが,純正のケーブル単体では上手く固定できずグラグラします。付属のチューリップ型の台座を付けると安定しますが,そうするとシャッターボタンの位置が飛び出して,私の短い指だと十分にボタンに届かない。体躯の大きいドイツ人を基準に作られているのだろうけど,もう少し考えて欲しかった。仕方なく,専用のソケット(No.2336)でリリースケーブルをフロントのピントダイヤル脇に固定している。私は昔からピントやレンズ周辺を右手で操作した後でシャッターを切る癖がついているので,このスタイルは割と気に入ってます。

*) フイルム大好き様の追記を読んでから修正しました。貴重な情報をありがとうございました。


写真:アナトミカルグリップ(IV型)と純正リリースケーブル.

狸おやじ 2024/10/06(Sun) 10:57 No.2610
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
諸先輩の皆様

板から少し脱線致します。
お世話になります。
フイルム撮影時、レコードを如何様になさっているかノウハウをうかがいたく、、。
ブローニー10枚12枚くらいでしたら簡単なメモで、記憶を辿ればなんとかなりますが。
先日、135の36枚を久しぶりに復活して、このあたり疎かになっていました。
同一条件で撮り切れるのも難しく、一応iPhoneのメモに打ち込んでおりましたが、抜けも有り、確かこの辺で、の様な曖昧な状態です。

次回からの為、エクセルシートの様なものおこして保存していますが、
刑事さんが使う様なメモに速記の方が勝手がいい様な気が致します。
もう少しで自家現像のタイミングを前に、諸先輩の皆様の方法を伺いたく投稿いたしました。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/10/10(Thu) 23:16 No.2612
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
私はフィルムや写真の整理が苦手で,あまりきちんと管理していません。
趣味の世界では完全にアナログ人間なので,パソコンやソフトウェアもほとんど使ってません。唯一使っているのがメモ帳(コクヨ野帳 セ-Y3)で,これに撮影データ(フィルム番号,コマ番号,日時,場所,構図,使用機材,レンズ,絞り,SS,EV等)を手書きで書き込んでいます。現像した120フィルムは透明シート(コクヨ ア-M923)に入れてA4フォトファイル(ア-M160)に収納し,透明シートに貼ったタックシールに必要な情報を書いています(中判シートフィルム,No.2452)。フィルムをスキャンしたデジタル画像は,他の画像と一緒にMacの「写真」に取り込み,撮影データの一部を「i」に記入。だだしシールや「i」に書く情報は一部で,詳しい情報を調べる時は元のメモ帳で確認してます。つまり基本的にアナログ管理です。

ソフトウェアを使って電子的に管理する場合,「こぼうしさん」の情報が参考になると思います:
https://koboshi.tokyo/2022/04/29/film_store/
写真が大量にあるか仕事で使うなら効果的ですが,入力は大変そう。私は... たぶん無理。趣味の中判フィルム(120,6.5x9等)はこれまで通りアナログ管理の予定です。


写真:メモ帳をカメラバッグ(Domke F-6BB)の背面に収納.

狸おやじ 2024/10/12(Sat) 10:01 No.2613
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
早速のアドバイスをいただき、ありがとうございます。
恥を忍んで伺って良かったと思っています。
おっしゃる通り、スマホに打ち込むのは、画面呼び出し、キーボード、カーソル合わせてとか手間がかかりまして。
ゴルフのスコアのメモの様にポケットから出してササっと、の方が早いなと感じていました。
30年程前のポジに色変わりが散見され、狸おやじ様のご投稿から知ったSilverSalt
よりベルガミン紙のファイルを取り寄せ、古いポジを入れ替えを始めています。
どうも、私もアナログ管理が性に合っている様です。
適当なメモ帳を見つけてみます。
ありがとうございました。

フイルム大好き 2024/10/12(Sat) 18:06 No.2614
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フィルム大好き様、たぬき親爺様。

まずグリップの変遷について全く存じませんでしたので御礼申し上げます。
拙宅にはテヒニカV45用白、テヒニカ70用白がありますが、70は古いモデルの方と思います。45用は外したことがないので後で見ますが古いほうじゃないかしら。

フィルム整理についてですが、皆様の方法を拝読すると、アナログデジタル折衷、アナログ寄りかと思います。

カラーは目下業者依頼で、帰ってくるのに1週間以上かかります。(先日10月からポジ全てとブローニーネガ:多分4x5も、一回につき五百円の送料を請求されることを告げられ、ネガカラーはもう自家現像しようかなと傾いています)
何写したか、どの機材使ったか記憶が薄れます(笑

モノクロは自家現像ですので、コクヨの透明ネガポケット右上に、ラベルシールに現像条件、撮影/現像日時、機材名をボールペンで書いて貼っています。
詳細な現像条件はPCに記録して、次の現像前に参照できるようにしています。

詳細な機材や撮影場所などは、フィルムスキャン後、明室現像した画像のファイル名などとともに、テキストでまとめを書き留めています。

検索は、撮影/現像日時で順番にPCファイルに保存しており、ファイル名には撮影地と機材を手短に付けていますので、どちらからも検索可能で、ネガブックにファイルしている現実のフィルムに到達できるようになっています。
最近大伸ばしプリントの機会が少ないのですが、プリントには原盤か、高解像度で再度スキャンしたデータを渡しますので、原盤フィルムを見つける必要があるためです。

ありきたりの方法でご参考にならないと思いますが、とりあえず報告まで。
れんずまにあ 2024/10/12(Sat) 22:25 No.2615
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
ご指導、ありがとうございます。
やはり、アナログへの愛情を感じて大変嬉しいです。
最近、愚息が、子供の撮影用にニコンのミラーレスを手にして、急速にカメラ趣味に入り込んで参りました。
いろいろな質問に対して、丁寧に返すうちにフイルムへの関心があることに気づき
思い切って、リンホフの実機を持ち出してみたところ、暫し沈黙注視。
コレは脈有りと思っています。
できれば、フイルム、リンホフのバトンを渡せていけばと思います。よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/10/12(Sat) 23:39 No.2616
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
No.2613にカメラバッグの写真を載せたので,私が使っているバッグの概要を紹介します。
私が30年前に海外で購入したテヒニカ23のセットには,純正の革製カメラバッグが付属していた(No.1561)。しかしこのバッグは大きくて重く,野外では全く使えなかった。そこで帰国後にエツミの大型カメラバッグを買って入れ替えたが,これも非常に使い難かった。肩掛けベルトの取り付け部分が脆弱でベルトが捻れて外れそうになる。バッグの短辺が長いので真四角の箱に不安定なベルトが付いた様でバランスが悪い。車で移動するならまだしも,肩に担いで長距離を運ぶことはできなかった。もっとスマートに持ち運べて,必要な時に素早く取り出せるバッグがないかと探していた。

ドンケ(Domke)は米国のカメラバッグの会社で,プロからアマチュアまで愛用者が多い。有名すぎるので手を出し兼ねていたが,地元のカメラ店にF-2があるのを見つけ,試しに5kgのウェイトを入れて担いでみた。すると,これがバランスが良くて担ぎ易い。担ぎ易い理由は,まずコットン製の幅広のベルトの裏にゴム引きがあり,フリクションが心地良い。このベルトが厚いパッドが底に入ったバッグ全体を下から支えるので重心が低くバランスが良い。側面には邪魔なパッドが無いので軽くてコンパクトな上に,短辺が短く細長い形状なので腰に当たらず歩き易い。流石に上手く作られている。


写真:カメラバッグ(Domke F-6BB)と三脚バッグ.

狸おやじ 2024/10/23(Wed) 20:34 No.2618
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
ドンケのバッグはコットン製が人気のようだが,日本は雨が多く湿気も高いので,防水性と速乾性に優れるバリスティックナイロン製(BB)を選んだ。サイズはF-2より一回り小さいF-6にしたが,テヒニカIV23一式(カメラ本体,レンズx3,スーパーローレックス,冠布,小物等)がギリギリ入る(写真)。内部にソフトボックス(エツミE-6151)を追加して,レンズと小物類を収納している。これより機材が多い場合はF-2が良いと思う。私の場合,最初は全て入ったが,予備のレンズや小物が増えると入り切らなくなった。入らない分(予備レンズx2,予備スーパーローレックス,大型レンズシェード等)は,小型の防湿バッグ(ハクバドライソフトボックスM)に収納している。

野外の撮影では,このカメラバッグと三脚バッグ(マンフロットMBAG70N,MT190CXPro3: No.1643)を携行し,必要に応じて予備の防湿バッグやカットフィルムホルダー(No.2483)を加える。重量はカメラバッグが6kg,三脚が2.5kgで,この2つと小さいサブザック位ならほぼ一日中歩きながら撮影できる。肩が疲れたらベルトに首を通し,バッグを抱える体勢にすると楽になり多少の不整地でも歩ける。テヒニカにレンズとスーパーローレックスを装着しておけば,バッグから取り出して組み立てたら撮影可能。難点は留め金のフックがワンタッチ式でない事だが,直ぐに慣れる。肩掛け式のバッグが好きな人には候補になると思う。


写真:バッグ中の機材.

狸おやじ 2024/10/23(Wed) 21:16 No.2619
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
正に、悩み所の貴重な情報ありがとうございます。
テヒニカ70には、純正アルミケースが付属しておりましたが、とても持ち歩く代物では無く、ましてや電車等乗ろうものなら、重さに加え、人への危害迄心配しなければなりません。車移動に限られます。
三脚所持のことを考え、リュック式もいいかなと思っていた所です。
色々、検討するのも楽しみです。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/10/24(Thu) 10:36 No.2620
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日、Yahooオークションにジャンクと注意書きのある初期型symmar 100mmf5.6がありまして、この辺なら、とbidしておいたら格安で落札できました。
手元に届いてレンズを覗き込むと、成程盛大なクモリ。バラしてクリーニングした所、キズ無し極上レンズになりまして、、。
1秒は少し長いですがデジタルバックで開けっぱなしで問題無し。
今度、前玉外しで望遠にトライしてみます。
テストでテーブル向こうの愛犬の写真添付致します。f5.6解放ISO 1600 1/60です。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/11/14(Thu) 01:18 No.2640
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
Symmar 100のご購入おめでとうございます。
初期型のコンバーティブルジンマーは1950年代後半~70年代前半の製造と思いますが、性能に定評がありますね。コンパクトでイメージサークルが広く,解像度が高くてボケも綺麗。シャッターは,シンクロコンパーMXV(全速ストロボ同調)ですね。私も愛用しています。シングルコーティングなので時代遅れと見做す人もいますが,コントラストが弱めでハイコントラストのリバーサルフィルムとの相性が良い。色調はやや青味がかかり(シュナイダーブルー?)端正です。写真を拝見すると階調の広いなだらかな描写で,デジタル素子との相性も良さそう。後継のSymmar-Sも高性能ですが,コバ落ちの個体が多く,その時期のシュナイダーの製造工程に何か問題があったようです。初期型のジンマーは古典的名レンズとして長く活躍すると思います。
狸おやじ 2024/11/16(Sat) 09:26 No.2641
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもご指導、ありがとうございます。
成程、Symmar-Sはコバ落ちが酷く手放してしまい、少し後悔しています
さて、175mm f12での試写をしてみました。いつもテストする近所の養鶏場の風景です。Linhof23V CFVU50Cに前玉を外したSymmar100mmをセット。
f32、1/45、ISO400です。レンズ位置はかなり前に蛇腹を繰り出しました。
結果は満足どころか、50年以上前の製造と考えると、驚きしかありませんでした。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/11/17(Sun) 13:10 No.2642
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
Symmar 100(前玉外し)の試写画像のご提供をありがとうございます。
非常に高解像度の画像で驚いています。以前のTele-Arton 270mmの画像(No.2389)と比べても遜色ないどころか,解像度ではむしろ優っていると感じます。コンバーティブルの本領発揮ですね。f32で撮られているのがポイントかもしれません。私は前玉外しをあまり試したことがありませんが,これなら十分実用になると思います。貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2024/11/21(Thu) 20:53 No.2647
Re: ジンマー前玉外し
フィルム大好き様、狸おやじ様,ご投稿大変興味深く拝見しています。

前群を外して後群のみで撮影するいわゆるコンパーティブルレンズの末裔ですね。
他に後群の焦点距離と絞り値を併記している戦後レンズは、米国ゲルツのDagor、ウオーレンサックのプロター型(これは前だけのも表示されている),日本のカラータムロンがあります。これらは皆3枚または4枚接合の前後2群で、建前上は片方でも収差は概ね補正されているので、単独で使用できるのです。
ただし、デジタルステッチで試写してみると、いずれも非常に収差が多く、開放ではほぼソフトフォーカスと言って良いほどの球面収差と、歪曲、周辺の非点収差、色収差など、対称型で打ち消しあっていた収差がオンパレードになります。
これらは歪曲以外絞り込みで改善するものですが、多少絞ったくらいでは、A4程度の拡大でも先鋭になりません。
ジンマーは接合レンズよりも前後で打ち消す収差が多いという記述を読んだことがあり、ダゴールなどよりさらに片方での収差は大きいと予想され、実際私の150ジンマー前玉外しは少なくともダゴール同レベルのふわふわ画像でした。
ただし、絞り切ると画質は豹変というか、かなりいける印象で,開放、f16、f32で試写すると、f32は4x5範囲では使えると判断しました。試していませんがf45だともっといい感じになるのではないかと思います。ただし当然手持ちは無理で、バイテン範囲は周辺が甘すぎます。

狭い経験の話で恐縮です。
れんずまにあ 2024/11/21(Thu) 23:51 No.2648
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつもご指導ありがとうございます。一枚で満足してしまうと、他のテストをしない自分を恥じ、再テスト致しました。同システムでf45 1/20 ISO400です。f16 1/90も試しました。私見ではあまり劇的な変化は見られませんでしたので、f45のテスト結果を添付申し上げます。
今回、ホワイトバランスオートから晴天に変更してみました。
尚、全て三脚と電子レリーズを使用致しました。
いずれの写真に大差は認められず、この時代のレンズ設計者の優秀さに改めて感服致しました。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/11/22(Fri) 11:20 No.2649
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
連続投稿お許しください。
次に室内、解放f12のテストもいたしました。
データはISO1600 f12 1/20です。カメラ本体はGFX50SUにしてみました。
ピントのピークが鼻に行ってしまいました。
お騒がせいたしました。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/11/22(Fri) 13:24 No.2650
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ジンマー前玉外し(175mm)の試写画像2枚をありがとうございます。
f12と16の描写の違いに驚いています。レンズの焦点距離を2倍にすると画角は約半分になるので,撮影画像を同じサイズの画像に拡大して比較すると,相対的な「被写界深度」(相対ボケ量)は元の焦点距離のレンズの2倍になる(?)と考えていました。もしこの考えが正しいとすると(間違っているかもしれませんが),175mmで撮られたf12と16の画像の相対ボケ量は,100mmレンズの画像ではf5.6とf8に対応するのかも知れません。ご愛犬の柔らかな後ろボケは,中判標準100mmのf5.6に対応し,養鶏場のシャープな遠景はf8に対応しているのかな(?)と勝手に想像しています。
狸おやじ 2024/11/30(Sat) 10:29 No.2653
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもご指導ありがとうございます。
今回、ジンマーコンバーチブル100mmの前玉外し175mをf16 f32 f45 解放f12といろいろ試してみまして正直、色味、写りは驚きのレンズという事を実感しました。f12のボケ具合も女性上半身ポートレイト等良いかもしれませんね。残念ながらモデルはおりませんが、、
軽く、コンパクト良い事ずくめ。長く愛用間違いなしです。残念ながら前後レンズキャップがありません。
linhof studioに新品が19ポンドであるにはあるのですが、送料が倍以上で躊躇しております。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/12/02(Mon) 11:29 No.2654
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
「リンホフセレクト」のコンバーティブルジンマーは格好良いですね。
私はレンズキャップに無頓着で,昔はそのままクッションポーチに入れたりしてました。最近は流石にキャップを付けるようにしてますが,純正品は中々手に入らないですね。サイズが合う互換品が見つからない時は,ドイツのHeliopan社の「被せ式」レンズキャップを使ってます。これは1 mm刻みで作られているので合う場合が多い。最近製造中止になってしまったようですが,まだ在庫は残っていると思います。日本では「かわうそ商店」で在庫分の販売(*)があるようです。ご参考までに。

*) https://kawauso.biz/products/list?category_id=36&name=lens+cap
狸おやじ 2024/12/14(Sat) 09:17 No.2669
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつも有難うございます。
実は、かわうそ商店様にもすでに試してみました。
symmar 100mmのリアレンズキャップ。31.5ミリなんですが、32mmを。
コンマ0.5ミリでガバガバ。難しいですね。探していると、楽天フリマからジャストの品の案内が有りましたが、コレ一つで1万5千円。足元見やがって、という感じです。
幸い、フロントキャップは日暮里の代理店で価千円で見つかりましたが、リアは相当困難の様です。
気長に待ってみようと思います。
こんな世界に、一喜一憂するのも、それも楽しいですね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/12/14(Sat) 23:34 Home No.2670
Re: レンズキャップ
皆様キャップではお悩みですね。
最近は通販では前後キャップなしで来ることが多く、困ります。
ダンボールでカバーしてるのはまだ良心的です。
どの口径が必要になるのか、予測不可能ですので、ジャンク箱でそれらしい口径を見つけたらとにかく買って帰り、レンズがきたら現物合わせします。
それも枯渇してきて、片方無いことも多々。
数年前まで、秋葉原のカメラ店で被せとスナップオン小径キャップが21から43.5まで0,5刻みで売っていたので全種類とにかく揃えて、使った分補充していました。
ところが2年前久しぶり行ったらもう生産中止で一個もないと言われガーン!
シュナイダーキャップのジャンクを豊富に出していた大判専門店も閉店し、もはやボール紙で自作せねばならないかと。
最近はミルクやヨーグルトドリンクのキャップも有効活用しています...

ガバガバは、短期的には縁にパーマセルなど貼って量を高くしてます。もちろんちょうどのが一番ですが...
れんずまにあ 2024/12/15(Sun) 10:22 No.2671
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
私、この世界に入り込むのが少し遅かったと思います。
シュナイダーレンズキャップだけ、箱売りしていたとは、、残念至極です。
ジャンクで手に入れ、手入れ後蘇ると、どうしてもキチンと服を着せたくなりまして。
噂では、6×9ボード付きのレンズ収納ボックスもあったとか。
まだまだ知らない世界が多い様です。
今後も、ご指導よろしくお願いし申し上げます。
フイルム大好き 2024/12/15(Sun) 18:59 Home No.2672
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日の投稿で純正レンズケースの件に触れましたが、見たことの無い品がヤフオクのジンマー180ミリにセットで売りに出ていましたので、最低落札で買ってみました。
手元に届き、唖然。ケースの黒革の色は抜けて傷だらけ。レンズはカビ跡が見られ周りの塗装もハゲハゲでした。ケースは残念ながら4×5用。
先ずは、レンズ前後をバラしてクリーニングで復活でき、ボディの黒塗装はエナメルでなんとか。Toyoのボードが有りましたのでセット。
ケースは、保湿クリームを塗り込み靴のコバインキで色入れ。仕上げにワックスで磨き上げまして新品同様。革も生き返ります。革靴磨きのノウハウが生きました。
4×5は首つっこむつもりはありませんのでいずれ2×3ボードが手に入ればトライしてみるつもりです。
こんな丁寧なアクセサリーが生産されないとは
無念の一言です。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/12/17(Tue) 18:06 No.2673
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
いつも、全方位のご指導ありがとうございます。
さて、先日入手したジャンクコンパーチブルsymmar180mmf5.6.ebayで6×9ボードが邦貨2000円くらいで手に入り、早速試してみました。結果は大満足。リンホフセレクトではありませんが以後カムの焦点距離にとらわれず、チャンスがあれば色々な焦点距離のレンズを試したくなりました。
撮影データはlinhof23V
f22 SS1/25 ISO3200 GFX50SUです。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/01/25(Sat) 22:34 No.2698
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。Symmar 180 mmの描写は素晴らしいですね。

オルソメター型の180 mmは,4x5~5x7”をカバーする広いイメージサークルを持ち,6x9用のテレタイプ180 mmより軽量で画質も良さそうです。私はローデンシュトックのRotelarの発色が好きなので,Sironarの中長焦点(150~180 mm)を探していますが,中古の値段が高く,まだ良い縁がありません。
狸おやじ 2025/03/18(Tue) 22:15 No.2768
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
お褒めいただきありがとうございます。ジャンク品でしたが前玉を外し、クリーニングしてみましたらかなり良くなりました。ハズレのガッカリレンズだと思いましたが、実用に耐えると思ってます。
問題は、このレンズに相応しい被写体と技術なんですが、、
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/20(Thu) 16:46 No.2773
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
別のサイト(35mm固定鏡胴カメラ,No. 2803)に,私の初期カメラの話を書いたので,ここではテヒニカ23を入手した経緯についてご紹介します。

今から30年程前,私は仕事の関係で欧州のスイスに滞在していた(No. 1561)。
当時使っていたカメラは,コンタックスG(Biogon 28mm, Sonnar 90mm)とCanonet QL17。コンタックスのBiogonは,当時の35mm判の中で最も高性能で高解像度のレンズの1つだと思う。しかし,小フォーマットの限界はあり,大伸ばしにすると中判や大判の画質に敵わなかった。その為,欧州滞在中に,高性能の中判以上のカメラを入手したいと考えていた。私の趣味は登山と山岳写真だったので,広角レンズが装着され手持ちで撮れる中判カメラとして,次の3つを候補に探していた。

1. Hasselblad SWC, Biogon 38mm, F4.5
2. Weitwinkel Rolleiflex, Distagon 55mm, F4
3. Linhof Technika, Super-Angulon 65-90mm

ハッセルブラッドのSLR(503C等)は当時でも人気があったが,ミラーショックが大きいので野外で手持ちでは撮れない。そこで,ミラーレスの広角ビオゴン搭載機(1)を候補にしたが,新品の値段は高く(70万円程),中古品はほとんど見なかった。ワイドローライ(2)は,当時住んでいたアパートの近くの中古カメラ店に1つ置かれていた。しかし,古くて状態が良くない割に値段が高かった。レンズが対称型のビオゴンでない点も不満だった。テヒニカ(3)は山岳写真で人気のあるテクニカルカメラだが,スイスではあまり見かけなかった。
狸おやじ 2025/04/13(Sun) 10:38 No.2809
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
そんな状況で2年程経ったある日,近所の中古カメラ店の前で足を止めた。
ショーウィンドウに見慣れない箱型のテクニカルカメラが置かれていて,レンズの縁に“Linhof TECHNIKA Super-Angulon 1:8/65”の文字。これがテヒニカとの最初の出会いだった。店に入り,店主から説明を聞くと,これは中判のスーパーテヒニカ23のIV型で,レンズはSuper-Angulon 65mmとSymmar 105mmの2本,連動カム調整済。グリップ,スーパーローレックス,純正の革ケースも付属したフルセット。値段は,円が強かった当時で35万円程。重さはフィルムホルダー込みで約3kg。店主は「スーパーな万能カメラだ。ファインダーは距離計内蔵型なので現行のV型より使い易い。蛇腹も新品に交換した。50年は余裕で使える。完璧だ」と呟く。内心かなり動揺したが,顔では冷静を装い「もう少し考えたい」と言って店を出た。

テヒニカ23をどうするか決める前に,利点と欠点を挙げてみた。
まず利点は
M1. レンズ交換式なので様々な状況で使える。レンズ固定式(1や2)より有利。
M2. テクニカルカメラなのでアオリができ,連動距離計を使って手持ち撮影もできる。
M3. フォーマットが6x7~6x9cmで,1や2(6x4.5~6x6cm)より大きい。
一方の欠点は
D1. 大きくて重い(ホルダー込みで約3kg)。1や2と比べて2~3倍。
D2. 4x5インチの大判ではなく,中判のテヒニカ23。
D3. 値段が高い。だが,V型の新品の1/2~1/3,1や2の中古とそれ程違わない。
...と悩ましい。
狸おやじ 2025/04/13(Sun) 18:28 No.2810
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
リンホフに憧れていた私は,本当は大判のテヒニカが欲しかった(D2)。
しかし大判になると更に大きく重くなり,欠点(D1)が増し,手持ち撮影が難しくなる(M2が減る)。一方で軽量の中判カメラ(1や2)は,手持ちで軽快に撮れるが,レンズ交換やアオリ撮影ができず,フォーマットも小さい(M1-M3で不利)。その折衷案として,中判テヒニカは適切に思える。広角のスーパーアンギュロンは,山岳写真で定評のあるレンズで,35mmライカ用の縮小版も評判が良かった(*)。この“珠玉”のレンズを使えるのは魅力で,多少の重さは気にならないかも知れない。値段は高いが(D3),外国製品を買うなら,円高で欧州にいる今がチャンスだろう...。 そんな事を考えつつ,仕事の行き帰りにショーウィンドウを覗いていた。

結局その半年後,日本に帰国が決まった日にテヒニカ23を購入した。
テヒニカ23は,その後も国内外に持ち出して様々な場面で撮影に使ってきた。年と共に私の嗜好は変わり,解像度よりアウトフォーカスの描写の美しいレンズ,手持ちより三脚とアオリを使った自然な構図(パースペクティブ)を好む様になった。でも,テヒニカは変わらない。もしあの時,ハッセルかローライを選んでいたら,これ程長く使い続けることは無かったと思う。私にとってテヒニカは,苦楽を共に過ごした“戦友”と感じている。

*) 帰国してから知ったが,写真家の横木安良夫さんと渡部さとるさんもこのSA65mm/F8を愛用されていた(No.2151)。
狸おやじ 2025/04/13(Sun) 19:43 No.2811
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
linhof 23Wを購入に至る道のり、頷きながら拝読させていただきました。1950年代、アメリカの価格表では、ツァイスレンズ3本セットアウトフィットで1400ドル。1ドル365円の時代日本での価格は倍以上だったでしょう。大卒初任給8000円の時代、米国内なら5年以上呑まず食わずの価格ですね。正にカメラの世界のロールスロイス。
私は、ハッセルの件で件の日暮里のお店に出入りしているうち、どうしても6×9フォーマットのカメラが欲しくなり、主人に漏らした途端、目の前に23Vがドンとおかれて
4×5の凝縮されたような小ぶりな姿体に一目惚れ、後の滑落ぶりは説明不要と思います。
思うに、23V以前は、
コレだけコストかかるから、価格はこうなる、といった時代だったのではないでしょうか。
23Wの緻密な仕上げは今は、不可能と思います。以後、少しずつ、コストダウンの意思が汲み取れるような気が致します。
いずれにしても、当時、新品では決して手の届かないモノがなんとか手に入る幸福に甘んじております。
今後とも、ご指導よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/04/13(Sun) 23:53 No.2812
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
早速のコメントをありがとうございます。
テヒニカ23のV型は完成度の高いカメラと思います。特にレンズの焦点距離と連動カムの規格が共通化された事で互換性が高くなり,便利になったと思います。IV型までは個体毎の調整だったので,カメラとレンズの(初期の)カム調整をバラしてしまうと,距離計はほぼ使えない。専用レンズやボードの選択肢も多いので,今テヒニカ23を購入するならやはりV型が最適と思います。

30年前と比べると,現在は中古カメラの流通量と情報量,購入ルートが驚くほど増えました。これはインターネットの普及とそれに伴うオンラインマーケットの発達によるものですが,古い機材を使う者には“天国”の様な状況です。50年以上も昔に販売された古いカメラやレンズ,オプションパーツ類を,クリック1つで世界中から取り寄せることができる。しかも,それらの機材の詳しい情報を,インターネットで調べることもできる。時間が経つほど古い資産と情報が蘇るという不思議な状況です。今は,30年前と比べて(為政者と金融行政の愚策の結果)円が不当に安い状態ですが,個人購入の利便性は向上しました。この利便性を支えているのは,各個人が実体験に基づいて発信した情報と,それらがインターネット上で共有され作り出した「情報システム」と思います。その意味で,上の様な個人的な体験と感想ですが,皆様(そして最近のAI?)のお役に立つこともあるかも知れないと考え,恥ずかしながらご紹介しました。
狸おやじ 2025/04/14(Mon) 20:46 No.2813
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様、おはようございます。
いやぁ用語が(比較対象も)凄過ぎてとても付いていけません!シートフィルムなんかは私には絶対無理として、120フィルムなら・・と思うんですけどねぇ。やっぱり私には35mmカメラがお似合いです。
「そんなに沢山カメラを買うならライカ1台持てばいい」とはDPE屋さんの忠告ですが、あれは自分で手入れするものじゃないですし。

10年位前はリサイクルショップもあまりカメラの知識を持たない店が多く、意外な出物を手に入れることが出来ました。丁度フィルムカメラが底値の時期と重なって、その頃が一番楽しかったです。
ブロニカS2はその頃に手に入れた一番重いカメラ。隣に置いてあったマミヤプレスとどっちにしようか迷った末に購入。決め手は同じ1万円ポッキリでS2にはレンズが2本付いてたから(笑)。
あの時マミヤプレスを買っていたらどうなっていたんでしょう。
取り敢えず撮ってから 2025/04/15(Tue) 08:12 No.2814
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
拙へのリンホフカメラに対するお導きに深く感謝申し上げます。
思えば、30年以上前ライカに没頭していた時代、そのきっかけとなった田中長徳氏の出稿された数々の記事を見るうち、確かプラハのカメラ屋で手に入れたリンホフプレス70のハナシが強く残っております。
曰く、カレル橋の袂のマクドナルドでコーヒーカップを置き、戦利品を広げた。スピゴットマウントのレンズを付け替えた感に感動と、、。
そして今でも記憶に残る一文が
リンホフはそれ自体で工業芸術品として成り立っている、、、

当時、その意味がわからずじまいでしたが、その後なるほどと思っている次第です。
新型デジタルカメラの話題も多い昨今ですが、とうの昔に生産終了の製品群を大切にしていこうと思っています。これからも、よろしくお願いし申し上げます。
フイルム大好き 2025/04/15(Tue) 17:18 No.2815
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
取り敢えず撮ってから様
コメントいただきありがとうございます。
私は趣味の写真では,気に入った機材を厳選して使うスタイルです。でも多くの機材を集めて目的に応じて使い分けるのも理想で,羨ましく思います。光学機器は性能と価格に広い幅があり,どこかで妥協しないといけない。しかし私は妥協が嫌いなので,高性能を求めてしまい予算が足りなくなる。そこで最高の機材を1つだけ使うスタイルになりました。今は中判のテヒニカですが,最後はテヒニカ45かも知れません。天国が地獄になりそうですが...

フイルム大好き様
田中長徳さんには私も影響を受けました。私が読んだのはテヒニカプレス23の紹介記事で,こんな重厚なプレスカメラがあるのかと驚きました。確か田中さんはプラハにアパートを借り,そこを拠点にクラッシックカメラを収集されていたと思います。当時の東欧は西側と比べて物価(通貨価値)が安く,中古カメラの購入に最適だったようです。早田カメラの早田さんも度々ヨーロッパに来て,中古カメラを直接仕入れたそうです。当時の円は最強ですから,海外の日本人には良い時代でした。当時は沢山の良質のカメラやレンズ他の機材が日本に運ばれましたが,今は残念ながらその逆の流れです。
狸おやじ 2025/04/15(Tue) 22:23 No.2816
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
遅ればせながら狸おやじ様のカメラ購入経過大変興味深く拝読致しました。
やはり歴史があって素敵です。
私はイベントがある時にそれを目標に購入しその前後数年集中して使用、長所と欠点を満喫した後、余裕があればその欠点を補う機材を次のイベントに合わせて用意する繰り返しでした。当初はシステムを売り払って更新していたのですが、売却価格は雀の涙(元値を低く抑えてるので当たり前)で、売却後にやっぱり再び必要になったなどの後悔先に立たず、最近は売らずに手元に置いていることが多くなりました。
幸い最近は、昔投げ売りだった大判中判機材に多少値がつくことが増えて、終活の時は家族に若干は貢献できるかな、などと思っています。

さて拙宅で最後に何を残すかですが目移りして決心が定まりません。万能性を求めるならリンホフテヒニカ23は究極の1台、残す意義が高いですね。
お違い様ですが、お元気で末長くお楽しみになれますように。
れんずまにあ 2025/04/20(Sun) 22:02 No.2831
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。
年を取ると昔を思い出す機会が多くなり,不甲斐なく思います。本来なら,自分の体験や知識を子供の世代に伝えれば良いのですが,私の場合,残せる機材やその機会が少ないので,若干でも役に立つ情報があれば,それを記録したいと考えています。古典的なテクニカルカメラの技術とその活用法は,既に忘れ去られつつある状況なので,我々が奇譚を記すのは無駄では無いと考えています。

今考えている問題は,アオリによるパースペクティブの補正で「なぜ我々は縦(垂直方向)のパースを補正するのに,横(水平方向)のパースを補正しないか」です。現時点では,これは人間が二本足で直立歩行をする進化の過程で,視覚情報の垂直成分を意図的に補正してきた結果だろうと考えています。とすると,これは人間に特有の視覚で,他の生物には我々とは「異なる世界」が見えているかもしれません。鏡の中の世界の左右反転の問題と同様,人間視覚心理学と画像表現を繋ぐ概念があるように思います。この問題はもう少し考えて,詳しい説明と資料が揃ったら,後日ご紹介する予定です。
狸おやじ 2025/04/26(Sat) 09:34 No.2836
35mm固定鏡胴カメラ

フォールディングまたは沈鏡胴カメラは大変好きですが、時代が降ると主流は固定鏡胴カメラに移行します。
ある意味携帯性や内面反射、さらに操作の楽しみの点で退化ではあるのですが、同時に撮影機能や信頼性では進化した面もあり、純粋に撮影酷使するなら見逃せない機種群だと思います。

一応オートフォーカス(電子的な.戦前の意味ではなく)あるいは自動巻き上げ以前の機種を想定しています。
機械式に限定する手もありますが、露出に関して適度な電子化が入ってくる時代でもあり、手動巻き上げ機種はまだ多様性を保っているため、自動露出も含めてはどうかと思いますがいかがでしょうか。

時代的にはおおまかに以下のように進んできたように思います。
1,沈胴フォールディングカメラをコスト削減のため固定鏡胴にしたモデル。
2,距離計連動や大口径レンズを装備するため固定鏡胴を採用したモデル。
3,1,2に単独または連動露出計を装備したもの。
4,絞り優先またはシャッター優先自動露出を装備したが、マニュアル露光機能も残したもの。
5,絞り優先またはシャッター優先自動露出専用で、マニュアル露出はできないもの。
6,プログラムシャッター機
7,フラッシュ内蔵機

わたしは沈胴フォールディング機も含めて、どの機種もそれぞれに特色と得手不得手があって、性能が十分なら嫌いな機種はありませんが、使って楽しいのは2,3,4かしら。

これに少数のレンズ交換できる機種も加わりますが、特に全群交換タイプはフォーカスプレーン機と重なりますから、別項にしたいと思います。

画像はVitomatic IIICS

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 11:02 No.1718 [返信]
Vito BL
1957年発売、35mmフォールディングカメラのVitoシリーズを固定鏡胴にしたVito B (1954)に、BEWIのセレン単独露出計を搭載したモデル。数ミリ軍艦部の背が高くなった。

レンズ:Color-Skopar 50mmf3.5(f2.8モデルあり)フィルターかぶせ32mm。
最短撮影距離1m,目測
シャッター:Prontor SVS, 1/300-1秒、B
レバー巻き上げ、ノブ巻き戻し。

セレン露出計は感度を合わせて背面ボタンを押して離すと適正露光表示で固定される、
特異な形式で見やすく、かなり暗い所でも正確に表示しているようです。
カメラ革ケース裏面にセレン受光部にかぶせる入射光アダプターが付属していて、ローライ並のサービス。
正直この機種のユーザーで入射高露出計を使いこなしていたのか、使われた形跡がないのがそれを物語っています。

カラースコパーは目測だが焦点が合えば非常にシャープ。このレンズを使いたいために入手しました。
以前所持していたフォールディング型のVito IIは気に入っていましたが、レンズの平行性に懸念があって手放したところで、この固定鏡胴は信頼がおけます。
ファインダーは素通しガラスです。
フォールディングと比べて鏡胴が突出していて嵩張るのは当然ですが、撮影体勢に迅速に入れて、フィルターをつけたままケースに入るのが利点です。
このモデルはストラップアイレットがあるけど特殊で、ケース併用が基本でしょう。少なくとも底ケースがないと困ります。

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 11:22 No.1719
Re: Vito BL
Proxirect(近接パララックス補正プリズム)

この機種に興味があったのはもうひとつ、このアクセサリーの存在があります。
普通近接には距離計連動部分もカバーするデバイスが主流ですが,フォクトレンダーはパララックス補正だけを行うクサビプリズムを出しています。
これはスーパーイコンタなどに使われたカイルプリズムと同じ。
二つのくさびプリズムをそれぞれ単独に距離指標に合わせると、本体ビューファインダーの光路が曲げられて、適正な視野が得られるものです。
(なんでわざわざ2枚別々に合わせる?ツァイスは互いに逆回転するよう連動しているのに?特許でブロックされたのか?)
近接で画角が狭まるところはフォローされません。

距離はというと、実測するのです。カメラ固定が望ましいでしょうが、上手にやれば手持ちもいけそうです。
レンズにFocar(クローズアップレンズ)を装着した時のチャートが説明書に載っています(Proxirectの説明書だけでなく、VitoBLの説明書にも載っている)

装着してみると、このBLには少しプリズムの中心がずれるようで、本来は大窓機に適合しているような。でもVitomaticIIIには装着できない。Vito専用なのか。

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 11:34 No.1720
Konica C35FD
1973年小西六写真工業製コンパクトカメラ。

小型軽量ボディ、距離計連動、ヘキサノン38mmf1.8つき。最短0.9m、フィルター径49mm
機械式シャッター、1/500-1/8秒。
シャッター優先EE。EE時絞り値はファインダー内に表示される。
レリーズボタン半押しで針押さえされるので露出ロックができる。
電池がなければすべて絞り開放になる。
元々はMR44(1.35V)、形状は現行LR44, SR44(1.5V)と共通だが電圧が異なり露出不足になる可能性があるが、ネガで使う分には全く問題ない。

ホットシューにフラッシュをクリップオンすると、ファインダーに緑指針が出る。レンズ周囲にフラッシュのGNをセットし、距離とシャッター速度に応じて移動する緑指針と絞り指針を合わせると、日中シンクロフラッシュマチックになる。

大口径レンズつき距離計連動コンパクトカメラは一時期肥大して、ライカMなみのサイズにまで巨大になったが、反省されたか、Rollei35ショックの影響か、その後小型に立ち返ったが、C35FDは開放f値2以下のカメラで最も小型軽量な一台。

大口径開放にしてはハロが少なく、距離計を駆使して暗所で雰囲気がある写真が撮れる。

旅行のサブカメラとして持参したところ大変結果がよかった。かさばらず信頼性が高い。

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 15:36 No.1721
Re: C35FD オートアップ
C35FDの最短撮影距離は0.9m、距離計連動機としては標準的だが、手軽に近接できるオートアップが供給された。

コニカオートアップ2
φ49mmにクランプできる汎用品で、C35FDには少しファインダーがずれる。
距離計はカバーしているので実用的には問題ない。
この状態で1mから50cmまで距離計連動する。

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 15:39 No.1722
アグファ オプチマ 1535
1979年 発売
距離計連動35mmコンパクトカメラ
プラスチック外装で軽量
電子制御プログラムシャッター 1/1000-15秒
レンズ:アグファ ゾリター40mmf2.8、最短1m

いろいろと特徴が多いドイツ製コンパクト。
巻き戻しはギアを切り替え巻き上げレバーで行う。
アグファのラピッドカセットを彷彿させるイージーローディング。
0.8倍もあるアルバダブライトフレームつきファインダー。
この時期のアグファの特徴、「センサースイッチ」という赤い大きなシャッターボタン。非常に軽く切れるが機械式。

日本には1976年から、同シリーズの目測機である535(シャッター1/500まで)と,
1035(同1/1000,セルフつき)が導入されていましたが、距離計連動の1535は国内広告で見た覚えがありません。
スペックは良いが、感触はきわめてプラスチッキーでスカスカです。
でも十分しっかり写ります。近距離は距離計があると安心です。

れんずまにあ 2020/08/06(Thu) 22:59 No.1723
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
optima 1535 はマキナ67のそっくりさん?(ミニチュアとも)としても有名かもですね.マキナ67は好きなカメラですので,optima も入手を考えたことが幾度となくありますがなかなか良い出会いはありませんでした.やはり距離計連動が魅力ですね.

世代的にはキヤノネットやハイマチック等の時代よりはちょっと下って,オリンパスXAの時代のカメラと思いますが,そのころの距離計連動カメラは大好物ですし..
日浦 2020/08/07(Fri) 08:46 No.1724
KONICA V
1956〜57年 小西六写真工業製コンパクトカメラ。

・ボディー     :小型金属製重量級。アイレット付き。 専用マガジン使用可能(*未確認) 132×80×64 760g
・ファインダー   :アルバダ光像式 補色型距離計連動ファインダー。 パララックス補正マーク付き 倍率 0.7倍
・レンズ      :Hexanon 48mm F2.0 5群6枚構成 最短0.9m フィルター径 35.5mm
・シャッター    :SEIKO MXL B.1.1/2.1/5.1/10.1/25.1/50.1/100.1/250.1/500 LVタイプ。(セルフタイマー付き)
・フィルムカウンター:順算式自動復元
・フイルム巻き上げ :ボディー前面のレバーによる2回巻き上げ セルフコッキング
・フィルム巻き戻し :クランク式

 KONICAT型から丁寧に改良を加えていったとても使い易いカメラです。なぜか市場での評価があまり高くなく、安価に
購入できるのも利点です。

 一番の特徴はボディ前面のレバーアクションで、好き嫌いがハッキリわかれるスタイルですね。でも使ってみるととて
も使い易い機構です。

 発表当時の流行だったLVタイプのシャッターは、これも賛否わかれますが、今となっては楽しいギミックです。
レンズは大口径のF2.0が奢られています。さすがに絞り開放ではフレアーぽく、紫外線の影響も受けやすい印象です。
UVフィルターの使用が良いかも知れません。良いレンズフードが欲しいと思いました。

良く整備された個体であれば、うっすらと部分的にパープルの視野の中にほんのりイエローな距離計像が映ります。

 残念ながらU型まで受け継がれてきたレンズの沈胴機構は省略されていて、かえってモダンになるほんのちょっと手前
のスタイルがノスタルジックです。ただし夏みかんよりも重いボディーは落下させない注意が必要です。

efunon 2020/08/07(Fri) 17:53 No.1725
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
日浦様、コメントありがとうございます.
オプチマシリーズはマキナとデザイナーが同じだったと聞いています。
そうすると、特異な巻き戻し機構もデザイン上の一貫性が見える気がします。
ミニマキナと思うと、使うのが楽しくなりますね。

efunon様、ご参入ありがとうございます。
コニカI〜IIIのクラシックなデザインと、優秀なレンズはこの機種を選ぶ大きな理由です。
軍艦部上面のサムレバーに収斂してしまう以前の巻き上げ機構は百花繚乱で、それを使うのも楽しみの一つです。
れんずまにあ 2020/08/08(Sat) 23:51 No.1726
Electro35 CC
ヤシカ エレクトロ35CC
1970年発売
エレクトロ35シリーズの中で,若干小型化され,35mmf1.8ともっとも広角。
距離計連動、最短0.8m
絞り優先EE、感度ASA25-500
シャッター速度1/250〜8秒だが、ファインダー内はオーバーとスロー警告ランプのみで速度は表示されない。
電源:4SR44
重量550g

そこそこコンパクトで、4群6枚ガウスの大口径広角という魅力的なスペック。
若干重量が大きく、シャッターストロークが長い。
二枚羽シャッターのボケ味を指摘されることがある。
操作する感触の気持ちよさは、C35FDのほうが若干勝るかな?
この状況ならこの程度のシャッター速度が切れてるな、という勘所が身についている人に勧めます。

れんずまにあ 2020/08/08(Sat) 23:53 No.1727
Electro35MC
ヤシカ エレクトロ35MC
1972年発売(ブラックは遅れて73年)
エレクトロ35系で最も軽量コンパクト。4群4枚 40mmf2.8レンズ。
距離目測、最短0.9m
絞り優先EE, 感度ASA25-1000
シャッター速度1/500-4秒
電源:4SR44
重量365g

これこそヤシカからのローライ35に対する回答だと思う。
固定鏡胴だが前面への突出が少なく、なによりセットアップする必要がなく速写製が高い。
巻き上げ、巻き戻し、ヒンジで開く裏蓋など操作配置は標準的でとまどうことは何もない。
操作感触は、高い高級感こそないが金属なりの確かなもので、気に入っています。
レンズの描写は、そこまで使い込んでいませんが十分にシャープだと思います。
CDS測光範囲がEV1-17なので4秒のスローをどこまで信頼できるかわかりませんが、たいしたものですね。

れんずまにあ 2020/08/08(Sat) 23:55 No.1728
Re: Konica III
efunon様、よくぞこの機種を取り上げてくださいました。
Mライカとあまりかわらない重量で、気軽に持ち出せるとはいえませんが、当時の日本メーカーの高い志が伝わってくるようです。
当時L39機の開放f値競争があったのですが、レンズ固定機にも波及したか、この次の機種IIIAの後期からf1.8に拡張されましたね。
ヘキサノン48mmf2は、同時代の例えばKalo35のProminar50mmf2と比較して、開放ハロは僅差で多いけれども、まろやかな印象で特に後ボケがざわつかない、解像だけを追い求めない高次の設計思想で作られている気がします。

以前どこかでヘキサノン48/2はレチナIIのエクター47/2に範を取っていると読んだ気がしますが、写比べると全く異なる傾向で、開放ハロはヘキサノンのほうが随分少なくシャープな気がしました。焦点距離の印象だけで語っているのではないでしょうか。

れんずまにあ 2020/08/20(Thu) 00:59 No.1732
Werra 1
Werra 1

1954年発売,東独カールツァイスイエナ製、リーフシャッター・ビューファインダーカメラ
この機種は目測、近距離補正マークつき黒線フレームが視野に張り付くような実像ファインダー。
鏡胴周りのリングを回転させて巻き上げ・シャッターチャージを行う。
レンズは1Qマークつきテッサー50mmf2.8、カールツァイスイエナ、最短0.9m
シャッターは東独製PRESTORで、スプリングアシストなしで1/750〜1,Bという野心的なリーフシャッター.巻き上げ時に全開になるため遮光用シャッターと二重になっているが、ここが壊れているものが多く修理に難儀するらしい。シンクロつき。
レンズのカバーはシャッター、ヘリコイドも覆う釣鐘状で逆付するとレンズフードになる。
フィルム交換は底蓋と繋がった裏蓋を下に引きぬくタイプ。
巻き戻しノブは底面に目立たなくあり、軍艦部はシャッターボタンのみ。巻き上げ機構が目立たないのを極力生かして外側にほとんど突起がないデザイン。

私の個体も例に漏れずセルフキャッピングができず、修理店に断られたため巻き上げごとにレンズ前面を覆うか服に密着させて光線漏れを防いでいる。
写りは非常に良好。
この後距離計連動モデルや露出計内蔵、レンズ交換式に発展、シャッターは安定したコンパーが人気。
私はシンプルな初期型が好み。

れんずまにあ 2020/08/20(Thu) 01:01 No.1733
アグファ スーパージレッテ
Agfa Super Silette

1956年発売,西独アグファ 距離計連動ビューファインダーカメラ。
35mm判普及機ジレッテシリーズの上位機、距離計連動/トリプレット型カラーアポターまたはテッサー型ゾリナーつきスーパージレッテが1955年発売、後を追って1956年にガウス型Solagon 50mmf2つきが追加された。

レンズ:アグファ ゾラゴン50mmf2、最短0.9m
シャッターは最上位機シンクロコンパー、ライトバリューつき1/500-1,B

シンプルな操作系、同時代日本製のf2クラス固定鏡胴機に比べコンパクトにまとまっている。
反面ファインダーはフレームなし素通しで旧世代の印象。
巻き上げは予備角なしのレバー1作動、巻き戻しはノブ。
裏蓋はヒンジで開閉するオーソドックスな方法。
シャッターの切れはフォーカルプレーン高級機に及ばないが、機能的にはそれに匹敵する。

Solagonは評判が高いが、同時代のXenonやHeligonとは同傾向の画質で、明らかな優劣は感じられない。朴念仁なので。

れんずまにあ 2020/08/20(Thu) 21:28 No.1736
コニカSIII
Konica SIII

1963年発売、小西六写真工業製(Konica社名変更は1987)レンジファインダーレンズ固定機。
従来の高級機コニカIIIシリーズから、大幅に設計変更コストダウンしたコニカSを1959に発売、セレンメーター指針がファインダー内で確認できるSII(1961)を経て、レンズを伝統の48mmf2から47mmf1.9に変更したSIII(1963)となった。自動露出のオートSと同年発売。

コニカIIIA同様パララックス,画角自動矯正、採光窓ブライトフレームファインダーを受け継いている。
操作系はSから招き猫レバーから、ライカMに準じるオーソドックスなものに変更され、個性は失った。
アクセサリーシューはホットシューではない。

当時の標準的レンジファインダー機、例えばキャノネットよりやや小型で、セレンはサークルアイ方式ではないのでフィルター補正は手動だが、デザイン的には高級感がある。

れんずまにあ 2020/08/22(Sat) 17:27 No.1737
フジカ35SE
フジカ 35SE

1959年富士写真光機製 距離計連動 セレン露出計連動 ビューファインダーカメラ

レンズ:フジノン4.5cmf1.9(4群6枚ガウス型)背面ダイヤルによる焦点合わせ 最短0.8m
シャッター:シチズンMLT 1/1000-1,B、ライトバリュー、カップリング解除可能。
セルフコッキング,底面レバー巻き上げ,クランク巻き戻し
採光式ブライトフレームファインダー、パララックス自動補正、
重量:770g

当時の高級機。フジノン45/1.9の性能は開放から大変良く、距離計基線長も長く、若干の画角の差はあるが、ライカMに50mmf2しか付けないなら、ほぼ同じ結果が得られると思う。
今となってはセレンメーターは当てにならない場合もあるが、あって困るほどのスペースも重量も食っていない。焦点合わせは右手背面のダイヤル、距離は軍艦部上面の回転指標、隣に露出計指針窓。
巻き上げは底面右手、巻き戻しはギアで90度傾けて左肩にクランクがあり、上面は大変すっきりしている。

れんずまにあ 2020/08/26(Wed) 23:49 No.1738
オリンパスXA1
1982年発売
カプセルカメラXAシリーズの3番目(XA:1979, XA2:1980)
レンズ:D.Zuiko 35mm f4, 4群4枚(?),固定焦点(∞〜1.5m)実際の焦点位置は記載がない。多分XA2が常焦点とした3m程度と思う。
レンズ周りのセレン光電池によるプログラムAE。
感度ASA100と400の二段階、連動範囲EV9-17(ASA100)
シャッター速度は1/250と1/30の2速
レリーズはストロークが長めで、押し込みで絞られる。
上位機種にあったセルフタイマーは省略された。
1/30、f4でカバーできない光量ではファインダー内に赤ベロ表示が出てレリーズロック
専用ストロボA9M装着,電源オンで暗所レリーズロック解除.上位機種A11/A16はオートストロボだがA9MはマニュアルGN9のみ。

フルサイズ化したペンEE3,または固定焦点化したトリップ35という機能のカメラ。

XA2:27800円,XA1: 23800円(A9Mつき)*これでXA1を選ぶ人はよほどの解脱者でありましょう。
レンズはXA2のテッサー型f3.5を固定絞りでf4に規制したものだと思っていましたが、ネット情報はあまりはっきりせず4-4との記載があります。とすると独自設計?宿題にさせてください。

XA, XA2, XA1と使ってきて、どれも素晴らしいカメラなのですが、へそ曲がりな私はXA1が好きです。日中屋外スナップなら無敵といってよいほど。2-10m程度の完全に深度に入った被写体のシャープネスは見事なもので、35mmをはめたライカと同じ仕事を、この頼り無さげなプラスチックカメラが立派に、いやそれ以上にやってのけます。
そして電池切れを心配しなくて良いのが最高です。いついかなる時でも即応してくれます。もしレンズが接合面がない4-4ならなおのこと、炎天下の車中ダッシュボードに常備していてもバルサム切れを起こす心配がありません。

XA2-XAと高級化するにつれ、テクニックを活用できるようになりますが、割り切った用途ならXA1はお勧めの一台です。

れんずまにあ 2020/08/27(Thu) 00:14 No.1739
Re: XA1; オリンパスXAの画質について
日浦様がもう詳細レポートされておられるのでほとんど追加することはありませんが、最近私が楽しんでいるコピーフィルムによる精細描写について。
現役時代からXAのレンズはXA2に比べて無限遠の周辺画質が低いので風景では絞り込む必要がある、あるいは直裁的にXAはXA2より低画質である、という評価をよく聞いており、長い間敬遠していた理由でした。
1980年代にXAを使っていた友人たちも同様な感想を抱いていたようで、しばらく使った後XAを「卒業」してローライ35SEなどに移行、ローライのハイコントラストで先鋭なカラー画像を褒めそやしていました。
ところがジャンク千円で救出したXAをコピーフィルムで試写すると、多少周辺は先鋭さが落ちるものの、画面の大部分は開放からかなり繊細な描写をしておりコピーの解像力に負けていません。80年代皆が使っていたカラーポジの解像力はコピーフィルムの半分以下のはずで、なぜ背反した結果が出たのか悩むところですが、考えられる理由は、コピーフィルムはガンマが高いため、コントラストが低いレンズでも解像力さえあればよい結果が得られるのに対し、カラーポジではよい印象がなかったのではないかと思います。

左からXA1, XA2, XA。バリアのレンズカバー部分の形状が、XA1では球の一部、XA2は卵、XAはオーバルサーキット状。またXAは上面がフラットで、XA1,2はやや台形に盛り上がっている。

れんずまにあ 2020/08/27(Thu) 00:16 No.1740
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
XAのレンズは構成枚数が多く,後玉も大きくて贅沢な感じですが,カメラを薄くするために無理をしているから画質が悪いのだ,等々,言われているように思います.確かに開放では周辺はちょっと甘いかもと思いますが,しかしそんなレンズ,また,もっと悪いレンズはいくらでもあり,むしろ,かなりよくまとまっている方だと思います.流れたりしないので写りの雰囲気も良いですし.定評あるコンタックスT/T2のゾナーも周辺画質はちょっと落ちます.XA がそれに比べてかなり悪いという気もしません.

ただ周辺光量低下が大きめかもしれません.全長を短くするために望遠タイプになっており,レトロフォーカス型のような周辺光量増大効果がないためかと思います.しかし,この周辺の明るさの落ち方も相まって玄人好みのする,雰囲気のある描写ができるカメラだと思います.

XA のレンズの評価が実力よりも低めになった原因としてもう1つ考えられるのは,絞り優先オートだからだというのもあると思います.XA2などですと,プログラムオートなのでどうしても割と絞られてしまうのですが,XAは開放絞りを頑張って使えてしまうので,そうすると,あらが目立ちやすいのだと思います.

XA では絞り羽根が2枚で,ちょっと絞ったときのボケが余りきれいでないのと,絞り込んだときの輝点があまりきれいに写らないのは,上記の諸問題よりも気になります.しかしまあ,これは,廉価なカメラなので仕方がないのではありますが.この点についてはやはりCONTAX Tは優れていますし,もうちょっと古い固定鏡筒カメラや,その前の蛇腹型(レチナとか)の出番になります.焦点距離が長く口径も大きくてよくボケますしね.結局,いつものことながら,使い分けでしょうか??
日浦 2020/08/27(Thu) 00:45 No.1741
MAMIYA35 WIDE-E
MAMIYA35 WIDE-E

1957年マミヤ光機製 ビューファインダーレンズ固定機

レンズ:トプコールM35mmf2.8(4群6枚ガウス型)
シャッター:セイコーシャMXL(ライトバリュー)1/500-1,B
セルフコッキング,レバー巻き上げクランク巻き戻し,カウンター自動復元
距離目測、最短0.6m

オリンパス35が先鞭をつけ、流行した35mmレンズ固定装着のオーソドックスなビューファインダーカメラのひとつ。国産では最も早くライトバリューを採用。ただしシャッターは倍数系列ではなく、絞りとの連動もしていない。単独露出計の目盛りを移し替えるだけ。今となっては絞りシャッターカップリングはないほうが便利なのでこれでいい。

同時発売のマミヤワイド(距離計連動)とともに、通常は新種ガラス使用と銘打たれたセコール35mmf2.8(4群6枚)が付いているが、ワイドEにはトプコールが装着されたものがある。

ワイドにもトプコール付きがあるとするサイトがあるが、現物も画像も見たことがない。
マミヤは多くの他メーカーにボディを供給していたが、逆にマミヤボディにセコール以外のレンズ銘柄は、マミヤシックスのズイコー、シムラーがある。
さて、ホースマンプレス104に装備されたマミヤセコール105mmも東京光学製といわれていて、マミヤワイドのセコールはマミヤ自社製なのか、東京光学製の刻印違いなのか、別とするとなぜ東京光学から供給を受けたのか、自社製供給が不足するほど当時人気だったのか?大変疑問がある。

写りは大変良好だが逆光に弱くゴースト、グレアが出やすい。当時の広告では内部の迷光対策を宣伝しているが、しっかりしたフードは必需品。
このスペックにしては過剰な重量で、ライカM+35mmよりだいぶ軽いのだが、レバー巻き上げに予備角がなく操作感は滑らかさに欠け、Mライカより持ち重りがしてしまうのは不思議。

れんずまにあ 2020/09/02(Wed) 22:22 No.1742
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ミノルタA。ミノルタ最初の固定鏡胴は、50年のメモです。
RFの最初期型が55年のAです。本体に厚みがあり、ビハインドシャッター。
テッサー型45oF3,5は、レンズ交換型ミノルタ35の梅鉢レンズにほぼ同じ物。
レバー巻き上げ、セルフコッキング。57年にはブライトフレーム付きのA2になる。レンズも45mmF2,8になる。
58年、100mmのレンズと、45mmの交換できるようになったのが最終型。(この間細かな改良がある)
私の個体は、シャッターがコーナンフリッガーから、5枚羽のシチズンに成った、後期型F3,5のAです。レンズほぼ梅鉢なので、写りは良い。コートの問題で、カラーには強くない。
本体に厚みが有る。加えてレバーの巻き上げ角が大きい。保持性は悪い。

ナースマン 2020/09/26(Sat) 10:16 No.1750
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
コニカUA。コニカの歩みは牛歩。れんずまにあ様の分類によると、
スプリングのパール。48年135に成り、沈胴のコニカT。ヘキサーF4,5、3,5,2,8付。
51年コニカU。此れはダブルヘリコイドと言われる半沈胴。
ヘキサノンF2,8付。補色RF。シャッターチャージは手動。
曲線型のレンズボードのエプロンが特徴。55年レンズをヘキサーF3,5、2,8にした普及品UB。
56年UA。レンズをヘキサノンF2へ、Uの半沈胴にストッパーを付け、やっと固定鏡胴へ。普及品としてヘキサーF3,5付UBm(此れは、UBと違い、固定鏡胴)
57年V。前面レバー巻き上げ。セルフコッキング。ブライトフレーム付。58年VA。パララックス修正の生きているファインダーへ。
私の個体はVA。ノブ巻き上げ、シャッターチャージだが、Vより小型。私Vも持っているが、前面巻き上げよりUAの方が使いやすい。(U、UAは、アイトレットが無い、ケースが必要)
UAもVも48oF2ヘキサノン。此れはズミクロン並みに使えるレンズ。UAは私にとって現役カメラ。
画像はUです。

ナースマン 2020/09/26(Sat) 11:43 No.1751
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ナースマンさま、貴重な広告をありがとうございます。
現物写真よりも、当時の広告の方が貴重かもしれません。
ミノルタAは、学校の先生がお持ちでしたので印象に残っています。持たせていただくとごろっとして驚きました。
45mm梅鉢は、24x32用設計のために、ライカにつけると四隅の解像力が不足するという話を聞いたことがありますが、レンズシャッター機は一足先に24x36だったのでしょうか。描写はいかがでしょう。
コニカIIAは、程度が良い個体はなかなか見かけません。
ヘキサー50mmは、4枚玉かと思っていましたが、ヘリアー型5枚玉だったんですね。認識を改めました。
れんずまにあ 2020/10/04(Sun) 11:01 No.1752
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
当時物広告。手元の資料に、偶々創刊当時のカメラ毎日と、提携していたPHOTOGRAPHYが有りました。
カメラ発売当時の広告。細かいデータと共に、企業の当該機の特徴が、端的に表現されています。確実な一級資料だと思います。
梅鉢レンズ。(ミノルタ35の梅鉢は24×32なので、周辺が流れる)此れは、使ったことのない方の偏見?
ニコンS(24×34)とS2。同じレンズで、問題ありません。
ミノルタAのレンズ。レンズシャッター機ですが、ビハインドシャッターなので、ミノルタ35の梅鉢とほぼ同じ時期の設計と思います。梅鉢にはF2,8の後期型が有ります(A2にもF2,8がある)
本家のテッサーもF2,8は周辺が流れます。均一に流れさすか、中心部を鮮明にするか。この設計思想の差だと思います。
F3,5モノクロは良いのですが、カラーは?です。F2,8はカラーも良いので、コートが変わった?のだと思います。
ヘキサノンF2,8。PHOTOGRAPHYの広告はUAの物ではなく、Uの物です。従ってレンズはヘキサノンF2.8です。コニカは周辺部の流れを均一にするため、テッサー型のヘキサーではなく、ヘキサノンにしたと思います。
ナースマン 2020/10/05(Mon) 13:13 No.1756
フジカ ライトコンパクト35
フジカ ライトコンパクト35

1970年 富士フィルム製 セレン光電池によるプログラムEEレンズシャッター機
レバー巻き上げ,クランク巻き戻し
1967年発売の初代フジカコンパクト35を、プラスチックと軽合金により軽量化(440g→360g)
レンズ:フジノン 38mmf2.8、4群5枚、前玉回転、目測。
シャッター:セイコーLA (プログラム1/250-1/30、B、マニュアル絞りはX接点:1/30固定)
フィルム感度ASA25-200

当時としては軽量の初級機.キヤノンデミのようなモナカ構造。
レンズ周辺や感度表示はプリント。操作感触は極めて安っぽい。
ただ当時のカメラ毎日カメラ白書の成績が、驚異的な高画質だったので興味を持ちました。
レンズ突出量はそれなりにありながら、5枚構成というのは小型化のための多数枚構成ではなさそうで期待できます。

れんずまにあ 2021/01/30(Sat) 21:39 No.1786
KONICA UB
果たして、固定鏡胴と云えるか?
とは逡巡したのですが先述のV型をお話するにはこの機種にも触れませんと片手落ちと思いましたので、ご紹介いたします。

コニカUBは四年ほど前に発表されたコニカUの普及機として1955年にU型のラインナップに加わった機種です。

 詳しい説明はWeb上にいくつか見る事が出来ますのでご参考にされると良いと思います。
T型の武骨な印象を和らげるために、エプロン部に曲線が取り入れたデザインがこのカメラのモダンさが表れています。

レンズはヘキサ―50mm F2.8と画像のF3.5 です。
このレンズをWヘリコイドの沈胴式鏡胴に入れています。
シャッターは定評の有るコニラッピッドS B、1〜1/500です。
先行したU型にはTが用意されていましたが、UBは普及機の位置づけで省略されています。

昭和30年にF3.5付きで27,000円。今日ならざっと五十数万位ですかね。フルサイズ機に標準域のズームレンズ付きの値段くらいです。

工作精度が素晴らしく、少しの整備で実用になる個体も多いと聞きます。美しくて小さくて少し持ち重りのするカメラです。

efunon 2021/01/31(Sun) 00:43 No.1789
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
フジカコンパクト35、コンパクト35S。
れんずまにあ様が投降した、ライトコンパクト以前に、コンパクトが有ります。コンパクト35と、ライとコンパクト。レンズ、シャッター共同じですが、重さ以外に差が有ります。
ライトコンパクトは、プログラムシャッター。Aを外すのは、フラシュ用。30sでの絞りだけです。
これに対して、コンパクト。Aを外し、絞り、シャッター速度共にマニュアル設定ができます。
当時のセレンが不安定な現在、コンパクトは、マニュアル撮影ができる。今と成っては、此方の方が生き延びている。
ライトコンパクトS,コンパクトSはRSを装備、F2,5にアップグレイドしている。(加えてセルフシャッター装備)コンパクト35、ライトコンパクト(コンパクト35S,ライトコンパクト35S)共に写りは抜群。コンパクトカメラを発売したフジの意気込みが感じられる。
私、コンパクト35とライとコンパクト35S持っている。がコンパクト35Sが手に入らなかった(数が少ない)コンパクト35S,めぐり合うと速買いだと思う。
当時のフイルムの性能。これ等のカメラ、ASA設定が200迄しか無い。現代の400フイルムは使うのが厄介。現代では、記録用の100フイルムがベストと思う。
ナースマン 2021/02/01(Mon) 17:05 No.1795
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ヤシカ35。フジカコンパクト35を投稿していて、もう1つ思い出した。それが此れ、昭和33年、ヤシカ初のレンズシャッター機。
此れは、昭和29年発売のニコンS2のコピー版(一般にRFコンタックスのコピーと言われれが、時代背景を考えると、私はニコンS2のコピーだと思う)
フォーカルシャッターを、コパル500sのレンズシャッターに、レンズを固定式にした物。
外観は、ほぼニコンS2に類似。但しファインダーは、等倍ではなく0,7倍。仕上げもニコンには劣る。
レンズが2種類。ヤシノン45mm、F2,8付(4群5枚、12500円)とF1,9付(6枚玉、18000円)共に富岡製。
F2,8でも5枚玉のクセノター。当時から写りには、評判が。
私の個体は、F2,8の方。確かに写りは良い。然し、価格の差、ニコンとは差が。
私、別に父の形見、ニコンS持っているが、仕上げが遥かに劣る(特にメッキ、作動感)
とは言え、後のセレン露光のヤシカリンクス(F2.8)CDS自動のエレクトロ35(F1,8)の基礎を作ったレンズである。
ナースマン 2021/02/01(Mon) 17:47 No.1796
Re:フジカ コンパクト 35
ナースマン様ご健康心配しておりましたので安堵しています。
コンパクト35はマニュアル露光ができるとは、認識していませんでした。
当時のEE、任せ切るには不安があり、またマニュアル露光の腕に覚えがある方がまだまだ多かったと思います。
当時距離目測も当たり前のように使いこなしていたのでしょうね。
れんずまにあ 2021/02/01(Mon) 18:31 No.1798
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ペット35。久しぶりで銀塩写真機使った。フジが作った最初期のトイカメラ、ペット35。
1955年、フイルム会社の団体が<芽生えカメラ>を構想。
57年これにフジが呼応したのが、57年のフジペット。
此れは120フイルムを使った66ボックスカメラ。
小学生対象と言うことで、黒、赤、黄、緑、グレー、橙、金のカラーも有った。61年にはセレンEEのフジペットEEも出来た。
57年、此れを135にしたのがペット35。こちらはフジペットの兄貴分。
中学生用?45oF3,5フジナーK、200sコパルシャッター。目測前玉回転3枚、此れは光学ガラス3枚玉。
プラスチックとアルミ製で300g。本体もフジペットより小型。
このカメラ、フジが本気で作った、コンパクトフジカの元祖。
レンズがしっかりしている 。隅は流れるが、なだらか。
ノバー付きのイコンタ35と差が無い。いかにも銀塩と言う画像。
現代の高級フイルムより、記録用フイルム辺りが、よく合う。
全て手動であるが、銀塩写真機の基礎が学べる。
構造が簡単で、故障が無い。私のように目が悪い老人にも使える。
此方も黒、赤、緑の3色ある。私の個体は緑。
ナースマン  2021/09/02(Thu) 16:51 No.1901
Re: フジペット35
ナースマン様ご投稿ありがとうございます。
大学時代、年上の後輩がFuji Petで写真入門したと話しておりました。
当時は裏紙つきロールフィルムがとりわけ安かったこともあり、今では想像できない子供用ブローニーカメラが成立したのでしょう。
単玉70mmf11でシャッター速度1/50とB、多分晴天屋外ではネオパンSSでf16からf22の条件でしょう。
そうすると固定焦点でも被写界深度が深く、6x6の大画面で拡大率が低く、露光不足や過度による諧調の低下を救ってくれる。
大伸ばしはしないので多少のボケは気にならない。

ペット35はブローニーの有利さを捨てた代わりに、短焦点のメリットを最大限使って明るいf3.5でも実用距離を十分深度に入れられます。
しかもお子様用ではもったいなさすぎるほどの3枚玉。
だってツァイスイコンやレチナのベーシックも3枚玉なんです。似た対象ユーザーのフェラニアは単玉です。
最近トリオターやカッサーなどの3枚玉を高く評価していますので、フジのこだわりは素晴らしい。

絞りの選択肢が大幅に広く、開放なら屋内や夕方でも撮影可能でしょう。
コニレットと競合するでしょうが、汎用フィルムが使えるペット35が圧倒的有利かと思います。

総じて、子供用とは思えないほどの高いスペック。
こういうのを投入してくるのは、やはり日本人の凝り性、子供を軽視しない真摯さでしょうか。
将来のヘビーユーザーを養成する意図は、ナースマン様を拝見すると、完全に果たされたと確信します。
れんずまにあ 2021/09/02(Thu) 18:39 No.1902
ヴェラ
最近、ヴェラ (Werra, ウェラ)にドハマリしてしまいました。まだいくつかアイテムが届くはずなので、順次紹介していく予定です。

ここではすでに1型が紹介されていますが、僕としては距離計搭載機の精度にしびれました。もちろんファインダの明るさや繊細なフレーム、ボディの小ささ、美しさ、巻き上げ操作の軽さなども。

特に、入手したIII型がシンプル形状を保ったまま距離計を内蔵しており、かつ、コンパーシャッターという最高の仕様でした。窓枠もなし、革も緑で、僕の理想のモデルです。ただし要整備(シャッター粘り、距離系ズレだけですが)なので、どうするか考えているところです。

定点露出計内蔵の最終期、Werramatic や、オートアップと同等のアクセサリも順次届く手はずになっています。

日浦 2024/08/31(Sat) 04:52 Home No.2584
Re: Werra
日浦主幹、ヴェラシリーズ確保おめでとうございます。

拙宅にもいくつかありますが,十分使いこなせておりません。
交換レンズがまた魅力的ですね。
近接デバイスがあったとは全く知りませんでした。本編でも深く掘り下げられるのでしょうから、楽しみにお待ちしております。
計画経済ならではの仕上げの荒さが少し目につきますが、愛すべきシステムと思います。
初期型のテンポールシャッターを修理してくれるところがないかなあ...

Werra5, Tessar 50mmf2.8, 開放,1/30, 富士フィルム業務用400

れんずまにあ 2024/08/31(Sat) 17:15 No.2587
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ヴェラ、まだこれから届くアイテムもありますが、ざっと紹介記事を作成しました。
すでにかなり、情報過多ですが・・
https://shiura.com/camera/werra/index.html

シャッターですが、検索すると、修理ノウハウのありそうな修理屋さんが、数件、見つかります。

「ヨコタカメラ」さんはウェブでPrestorの修理をされた記録を記載されています。
https://yokota-camera.com/wp/werra%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%81%AE%E4%BF%AE%E7%90%86/

「まつむらかめら」さんは X でバックシャッター付きのシャッターをいじるのが好きだと
書いておられるので、Prestor は対応できるのではないかなと思います。
https://x.com/search?q=%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%A9%20from%3Aclassicalcamera&src=typed_query&f=live

うちは、ジャンク4台セットを買ったのですが
 I : Vebur シャッター粘り --> 修理した
 III : Compur シャッター粘り --> プロに依頼するか検討中
 V : Prestor 1/500秒仕様 完動
 mat : Prestor 1/750秒仕様 シャッター不動、メータ不動
という具合でした。mat は部品取りにお譲りしてもいいかもです。吊り輪も欠品ですので。

I や mat は少し整備のため分解しましたが、ボディ、裏蓋、距離系フレームなどがダイキャストで、
プレス部品の箇所を裏打ちするように入っており、思った以上に硬派な作りだと思いました。
レンズもまちがいないものですし、なかなか合理的な設計になっている感じがします。
ただ、シャッターが確かに難点かもですね。

接写アクセサリは添付画像のようなもので、2種類あり、これは寄れる方です。

日浦 2024/08/31(Sat) 22:31 No.2588
Re: Werramatic
日浦様、貴重なPRESTOR修理情報をありがとうございます。
といってもX入ってないので見られなかったのですが(笑)アメーバブログやってはおられるようです.ぼちぼち検索していきます。
オートアップは今まで見たことがない形状で、とてもそそられますね。
続々色々と到着予定ですね。記事を楽しみにしています。
私も久しぶり引っ張り出して動かそう...

拙宅には1型とWerramaticが,稼働しています。
シンプルな1型は、PRESTORシャッターの遮光機能が故障しており、巻き上げで全開してしまうため、レンズを覆ってやる必要があります。
まあそれは、セルフキャップが故障しているフォーカル機でも同じなので、ちょっと面倒だな程度ですけど。
WerramaticのPRESTORシャッターは大変快調で、露出計も動いているので操作して楽しいです。ただし交換レンズが薄い曇りがあり、標準だけで使うのなら,非常に快適な上下像距離計に後ろ髪を引かれますが、とりあえず1型でいいのかなとも。
しかしこれで大衆機なんですよね。すごいなあ。

Werramaticと交換レンズ35mm,100mm

れんずまにあ 2024/09/01(Sun) 21:16 No.2590
リコー 500G系
電池がなくても動作するメカニカルシャッター搭載のレンジファインダーカメラで軽いものを探していて、この機種にたどり着きました。

この種のEEコンパクトカメラは初代キヤノネットからしてF1.9で、その後もスペック競争のため F1.7 近辺のレンズを搭載した大きく重いカメラが主流でした。写真のフジカコンパクトデラックスもフルマニュアル撮影が可能ですが、約650g とかなり重いです。

しかし、コニカC35(じゃ〜に〜コニカ)の出現により小型化へかじを切ります。コニカC35やフジカGER(330~350g)のように軽量化が進みますが、多くはEE専用機でマニュアル露出ができないとか、電池がないと動作しないものがやはり多数派です。

そのような中で、メカニカルシャッターを搭載し、電池がなくても動作する限られた機種が、オリンパス35RC(410g)と、このリコー500G/GS/GX(420~440g)になります。初代キヤノネットや前述のフジカコンパクトデラックスからすると F2.8 へと暗くなりましたが重さが 2/3 以下に軽量化され、ボディの幅やレンズの突出量も相当短くなりました。

35RCに対するリコー500系の利点は、マニュアル露出時も露出計が動作すること(ファインダ内で適正絞り値が指針表示される)、シャッター速度の低速側が 1/8 まであること(オリンパス35RCは1/15まで)の2点が大きいと思います。

リコー500系共通の特徴
・メカニカルシャッター 1/8〜1/500秒, B(ビハインドシャッター・ビハインド絞り)
・針押さえ式シャッター速度優先EE
・4枚羽根絞り(猫の目でなく辺の丸い正方形) F2.8〜F16 手動設定可能
・露出計がマニュアル露出時も動作

写真のモデルは500GSで、500Gとはデザインが違うだけです。500GXになり、シャッターロック、バッテリーチェック、シャッターチャージインジケーター、多重露出機能が追加されます。

さらに興味深い点として、ほとんど国内では見かけられない(よってあまり知られていない)ようですが、台湾リコー製の類似機種があります。スペックはほとんど変わらないようなのですが、よく調べるといろいろ違いがあります。

・台湾製はフレームが樹脂化されている(フィルムレールが樹脂の黒色になっている)
・台湾製はボディの構造が違う(国内製はキヤノンデミに似たモナカ構造で、裏蓋もアイピースごと全体が開くが、台湾製は深堀りのトップカバーと、普通の裏蓋構造になっている)
・台湾製にはワインダーが取り付けられる!(スプリングモーター)

前述のように国内製で比較するとオリンパス35RCが最軽量なのですが、調べると、RICOH 500RF が公式380gで最も軽いようです。

国内生産 RICOH 500G, 500GS, 500GX 420〜440g
台湾生産 RICOH 500RF, 500ME, GX-1 380〜400g

リコー自身のリスト https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/1961-80.html
こちらには 500ME しか書かれておらず、500RF, GX-1 が出ていません。

外観参考 https://www.flickr.com/photos/zombiebirdhouse/9629430674

500ME に関する記事、貴重なスプリングワインダー装着時の画像 https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2018/06/500me-b1bb.html

500RF に関する日本語記事 https://blog.goo.ne.jp/tomys800/e/9a3ef176080b4f3ad87863800885cc6b

500RF の取扱説明書、末尾に重量 380g と書かれている https://www.cameramanuals.org/ricoh_pdf/ricoh_500_rf.pdf

距離計連動の35mmフルサイズメカニカルカメラで最軽量は、この500RFではないかという気がします。

手元の500GSは、リコーエルニカFと2台セットで送料込み1,000円のジャンクで購入しました。向こうが見えないぐらいファインダが曇っており、露出計不動とありましたが、ファインダは清掃でとてもクリアに。露出計も動作しております。裏蓋のモルトなど整備してから試写してみる予定です。全体に操作系が素直で操作感も軽く、シャッターも針押さえ式らしくストロークは長いが落ち方もよく、(試写結果はまだですが)なかなか良いカメラです。同じカメラが SEARS や HANIMEX ブランドでも売られていたようです。

日浦 2024/10/20(Sun) 00:25 No.2617
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ノヴォ35IS 第百精光(精工・精機とする説もあり)

1955年頃発売の距離計連動カメラです。レンズは富岡光学TRI-LAUSAR 4.5cmF3.5
シャッターはコパルで B・1〜1/300 セルフタイマーあり。
枚数カウンターは手動セット・順算式。ノブ巻上げ、巻き戻しでセルフコッキングではありません。

1950年代半ばに現れ、4〜5機種の35mm距離計連動式カメラを発売した後に姿を消してしまったメーカーの最初の製品のようです。35IIAという機種が存在する為、35ISを35(大文字のアイではなくローマ数字のI)Sとする説もあります。
しかし情報が少ないですね。海外のオークションサイトにもチラホラ現れますので、さほど小さなメーカーだったとは思えないのですが。

レンズ・シャッターとも当時としては、割と上級品で組んであると思います。ただ、内部の歯車やアーム類は薄めの真鍮製で、耐久性には問題があるかも知れません。

私は、このカメラの造形が気になって手に入れました。軍艦部の直線と曲線が混じりあった段付きの柔らかいな姿、カメラ本体を薄く見せようとフィルム圧板の取り付け部をわざわざ裏蓋をプレスで押し出している努力。どちらも他より綺麗に見せようとする熱意を感じ、どこか海外からの品のような個性を感じます。

どなたかこのカメラメーカーについてご存じでしたら、何かご教示頂けると嬉しいです。

取り敢えず撮ってから 2025/01/31(Fri) 18:07 No.2711
Re: ノヴォ35IS
取り敢えず撮ってから 様。
かつてのカメラコレクターズニュースに執筆された方々のような、真のコレクターでいらっしゃいますね。
私は戦後黎明期の産業について全くわかりませんが、カメラレビューも無くなり、粟野様も身罷られた現在、このような高度な情報の行き場がなくなっています。
受け皿があればよろしいのですが...
れんずまにあ 2025/02/08(Sat) 22:20 No.2722
Re: ノヴォ35IS
れんずまにあ様。
申し訳ありません。私はカメラコレクターと言われるほどの者ではございません・・。その証拠に最も高価なカメラでも1万円台、殆どはワンコインから数千円で手に入れた物ばかりです。「何だかボロっちぃけど、動くかな?」というブツをリサイクルショップで手に入れ、撮ってはバラしの繰り返しをするのが好きなだけです。ですから自慢できるようなカメラは持っていません。私が変わったカメラばかり投稿するのがいけなかったのかもしれませんね。今度はもっと一般的なカメラも混ぜてご投稿しますね。

ただ、フィルムカメラに関するコンテンツが確実に減りつつある現在、こちらのような素晴らしい情報交換の場が存在するのに便乗し、「こんなカメラもあったよー、こんな風に動くよー」とご紹介する事でフィルムカメラの楽しみを一人でも多くの方に共有していただきたかっただけです。
取り敢えず撮ってから 2025/02/12(Wed) 12:15 No.2726
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
小西六写真工業 コニカIIIA

1958年発売の距離計連動35mmカメラ 
レンズはヘキサノン48mmF2.0(5群6枚)
シャッターはセイコーシャMXL(B・1〜1/500)
重量は800g(実測)定価34,700円
巻き上げは鏡胴脇のレバー2回押下

発売数か月後により明るい50mmF1.8レンズ搭載機が追加されました。

一度は覗いてみたくなる「生きているファインダー」のコニカIIIAです。
III型の軍幹部を大幅に改めてプリズムブロック3ケとレンズで等倍ファインダーを実現しています。ブライトフレームはパララクス補正に加えてフレームの大きさまで変化させるという複雑な動きをします。ブライトフレーム採光窓を追加し、重なり合った2枚のマスクフレームが移動することで画角の変化を表現しています。
プリズムを使用していることでファインダー内への埃侵入や曇りの発生が抑えられており、製造から60年以上を経ても視界はとてもクリアです。接眼部・対物側ともプリズムが露出していますね。
IIIA・IIIMで使われたプリズム式のファインダーは後継のSシリーズではコストと重量削減の為かガラスとミラーの組合せ式に戻りました。
またIIIAになってセルフタイマーレバーと「猫の手」巻上レバーのデザイン、巻き戻しノブが変更されています。

取り敢えず撮ってから 2025/02/14(Fri) 18:01 No.2733
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
小西六写真工業 コニカIIIM

1959年発売の距離計連動・露出計連動35mmカメラ 
レンズはヘキサノン50mmF1.8(5群6枚)
シャッターはセイコーシャSLV(B・1〜1/500)
重量は825g(実測)定価36,500円
巻き上げは鏡胴脇のレバー2回押下(ハーフ時は1回)
IIIA発売の翌年、セレン電池式連動露出計とハーフフレーム撮影機能を追加したIIIMが発売されました。IIIMには48mmF2.0レンズを搭載したモデルは存在しなかったようです。

セレン電池パネルは大型の跳ね上げ式で、折り畳むとファインダーや採光窓を塞ぐ形になります。ただ、このヒンジがセレン電池パネルの枠と一体の薄いプラスチック製で、開閉には気を使います。事実、出回っているIIIMのほとんどの機体ではヒンジ部分に破損やヒビが見られます。ストラップで首から下げる時も引掛けないように注意しています。
ハーフフレーム撮影には付属のハーフマスクを使用しますが、これも失われていました。このマスクの造りは、アパーチャーのマスク部分とアームを押すためのツバが一体化されていて結構剛性の高いもの。巻取りスプールの上部にあるアームがツバで右側に押されると、猫の手1ストロークでハーフ分巻上げとシャッターチャージが同時に行われます。ハーフ使用時には背面の窓に赤マーク出ます。ただ、ハーフで撮ると中望遠になってしまうので、どれくらい需要があったのか・・。
またこのIIIMでホットシューが装備されました。

取り敢えず撮ってから 2025/02/21(Fri) 19:23 No.2737
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
コニカIIIAとIIIMの違い(追加)

コニカIIIAの後に発売されたIIIMではシャッターもセイコーシャMXLからSLV
へと変更されました。
これは新設された露出計のメーター部分がIIIA迄のセルフタイマーのスペースに設置された事が理由です。MXLはシャッター内部にセルフタイマーが内蔵出来ないこと、SLVは当時新しい製品だったことで採用されたと言われています。
シャッターの変更に伴い、外観はもとよりシャッタースピード系列も変更されました。
MXLはB・1・1/2・1/5・1/10・1/25・1/50・1/100・1/250・1/500
SLVはB・1・1/2・1/4・1/8・1/15・1/30・1/60・1/125・1/250・1/500
大陸系列から倍数系列になり、1速増えています。
更にLV値でのリングの連動が無くなり、絞り・スピードも単独で操作できるようになりました。LV値は鏡胴下に表示されます。

取り敢えず撮ってから 2025/02/21(Fri) 19:25 No.2738
Re: コニカ35IIIM
取り敢えず撮ってから様、IIIA IIIMのご紹介ありがとうございます。
IIIMは最終型しかもハーフ切り替えなので以前から気になっていましたが、ハーフマスク紛失個体が多く、近所にレンズ程度が良い個体があるものの、セレンカバーが破損欠損していたりで結局手にしたことがありません。
マスクは自作すればなどと気楽に考えていたら、そんな複雑なシステムなんですね。紛失個体に気軽に手を出さないでよかったかも。
その点ではオーソドックスな最終発展型のIIIAの方が現実的かもしれません。
レンズはf2とf1.8の描写の差など興味深いです。
実用上1/3絞りが大きな違いにはならないと思いますが、セールスでは大差になった時代なのでしょう。
それよりも、シャッター速度が倍数になった方が大きいですね。まあ今使うにあたって大陸系で困ることは少ないのは確かですが...
れんずまにあ 2025/02/23(Sun) 10:05 No.2740
Re: コニカ35IIIM
れんずまにあ様、コニカIIIMのハーフ撮影についてです。
私もマスク部分は自作するとして、アームを押すのにどうすればよいのか思いつきません。軍幹部を開けて対処するにも、戻すのが面倒ですし。
わずか5mm程度水平に押すだけなのですが、結構左方向へ押し返す力が掛かっています・・。純正のマスクが付いている機体を探すのが一番かと思いますね。

取り敢えず撮ってから 2025/02/26(Wed) 07:51 No.2741
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
富士写真フイルム ペット35

1959年発売
フジの35mm固定鏡胴マニュアル露出コンパクトカメラ。
シャッターはコパルで B・1/25〜1/200 
レンズは3群3枚フジナーK 4.5cmF3.5 最短撮影距離は0.5m弱 
定価はケース付きで¥41,000 重量は実測295gです。
枚数カウンターは手動セット・順算式。シャッターはレンズ鏡胴脇のレバー左手側を下げてコッキング、右手側を下げてレリーズ。その後、背面の小さなレバーを右にスライドさせてフィルム巻止め解除となります。このレバーはフィルム巻き戻しの時にも使用します。
貼革は他に赤・緑色も確認、機種名はレンズ右上ボディに刻印されていますが、少数ながら機種名をプリントしたシールを貼付した機体も存在を確認しましています。

言わずと知れた35mm子供用カメラの決定版、ペット35です。定価41,000円は当時の物価を考えれば現在の5万円くらいになるでしょうか。
スペックだけで見ればコンパクトなサイズで必要最低限の機能、35mmフィルム入門用としても十分の出来だと思います。3枚玉の写りが良いのは現在も多くのファンがいることで証明されています。私もファンの一人です。ストラップが使えるようアイレットが両側に付いているのもポイント高いです。

フジペットシリーズは、ブローニー版は固定焦点の単玉レンズ、シャッターがBと1/60だけで絞り動作のみフジペット(1957年発売)は手動、フジペットEE(1961年発売)はセレン電池により変化するものでした。

フィルム室に貼ってあるシールには「ネオパンS〜SSS」のイラスト。「SAFETY FILM」の文字も確認出来ます。その意味はネットで調べるまで分かりませんでした。

取り敢えず撮ってから 2025/03/07(Fri) 18:46 No.2752
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
BALDA BALDESSA 1a

1958年発売 レンズ固定式35mmカメラ、BALDESSA-1に連動式距離計を追加装備したモデル。1bでは更にセレン電池による非連動式露出計を備えます。
レンズはColor-Baldanar 45mmF2.8(3群3枚) 
シャッターはプロンターSVSでB・1〜1/500、LVによるSSと絞り環のカップリング有り、セルタイマー有り。ハーフミラー処理をされたファインダーにはブライトフレーム。枚数カウンターは底面の巻上レバーの影に有り、手動セット・減算式。

全体的に丸々とした可愛らしいデザインを持っています。やや独特な操作系を持っています。軍艦部にはアクセサリーシュー以外何も無し。レリーズは鏡胴脇、フォーカス操作はその上のダイヤル回転で行います。
底部にコニカパールに使われてたような形状の巻上げノブ(折り畳み式)が配置され、これを起こすと枚数カウンターが見えます。巻上げノブ半回転で1枚巻上げ。カメラのスタンドを兼ねるT-RレバーをR側にスライドさせると固定されていた巻き戻しレバーがパっと立ち上がります。突き出た三脚穴の金具にはフィルムリマインダーの小さな窓が有ります。
本機は使って見ると見易いファインダー、フォーカス操作も慣れれば右手人差し指で出来るなど、変わってはいますが良く練られたカメラかと思います。少々傷のあるレンズですが、実写はヌケも良く華やかに写りました。

取り敢えず撮ってから 2025/03/14(Fri) 19:12 No.2761
Re: BALDESSA 1a
2010年ごろ一時期バルダマチックIIIというコンパークイックチェンジマウントのレンズ交換RF機を使ったことがあります。
機能的にはレチナIIISと同じですが、皆様ご存知の通りマウントが微妙に違っていてレチナとは互換性がありません。
標準クセナー50mmf2.8の写りは満足行くものでしたが、数年後海外通販でテレクセナー135/4を入手できた以外全く交換レンズが入手できず、諦めて行きつけ店舗で下取りに出したところ、135でも珍しいのか即座に買い手がついたようです。
おそらくご紹介のバルデッサと同じボディで、独特の操作性ですね。
ごろごろしたハンドリングで、ケースがあったので取り落とすことはありませんが、底部のキーでフィルム送りするので裸で使うとちょっと怖い。
最近トリプレットがすごくよく写ることを再認識し、各社のベーシックな小型カメラに興味が向いています。

画像バルダマチックIII バルダクセナー50/2.8開放,1/30,フジカラー業務用400

れんずまにあ 2025/03/15(Sat) 18:56 No.2762
Re:BALDESSA 1a
れんずまにあ様、お世話になります。

レンズ交換式があったのですね!写真を見ると確かに同じボディのようです。ちょっと興味がでちゃいますね。
ブライトフレームを綺麗にするのにトップカバーを外したら、空きスペースが・・1bに露出計を入れるための空間がポッカリ空いてました。

取り敢えず撮ってから 2025/03/19(Wed) 08:07 No.2769
ミランダ センソレット
ミランダカメラ センソレット

1972発売。距離計連動式プログラム自動露出カメラ。

レンズはミランダ/ソリゴール 38mmF2.8 撮影距離は0.9m〜∞
電子シャッターはセイコーESF(SS4〜1/800)でシャッターをロックするリングを備え、ソフトレリーズも標準。フィルム感度はASA25〜800
セルフタイマー無し、ホットシュー以外に外部フラッシュ用ソケット有り。±1段の露出補正有り。

当時一眼レフ専業だったミランダカメラ唯一の距離計連動コンパクトカメラです。
コニカC35の大ヒットの後を追うように多くのメーカーから同じようなサイズのコンパクトカメラが発売されました。ミランダカメラもカメラの小型カメラブームの流れに乗ったようです。
センソレットのボディはC35より50グラムほど重く420gあり、持った感じもしっかりしています。
電池は現在は生産を終了しているHM-N(NR52)型水銀電池 1.35Vを2個使用しますが、LR44の高さをかさ上げした物を2個入れることで代用できます。
この大きさのカメラには珍しい露出補正ノブを持ち、専用フラッシュを使用することでフラッシュマチックも実現。またテレ/ワイドコンバーターレンズが用意されていました。クロームボディには6色の貼革バリエーション、ブラックボディも存在しました。
ファインダー内表示はC35のような指針は持たず、フラッシュマチックの時にだけ絞り値が表示されます。以上の内容でC35とほぼ同価格はミランダカメラの企業規模ではかなり頑張った方でしょう。

写りは線が細くやや寒色系で、コニカがC35で狙った写りとは路線が違うように感じます(私の個体だけだったらすみません)。

取り敢えず撮ってから 2025/03/28(Fri) 18:38 No.2780
キヤノン キヤノネットQL17GV
キヤノン キヤノネットQL17GV 

1972年発売の35mm距離計連動・SS優先自動露出カメラ

レンズはキヤノン40mmF1.7(4群6枚)撮影距離0.8m〜∞
シャッターはコパル(B・1/4〜1/500sec) フィルム感度はASA25〜800 セルフタイマーあり
ファインダーはパララクス自動補正あり 絞り値表示あり カウンターは自動リセット・順算式で、表示が1になるまでシャッターは切れません。使用電池はH-D水銀電池1ケ(LR44で代用できます)

1961年に高機能・低価格で発売されて業界を震撼させたキヤノネットの3世代目にして最終機。2世代目のニューキヤノネットとの違いはバッテリーチェックボタンの有無や巻き戻しノブの形状などごく僅かです。
絞りリングをA位置から外せばマニュアル撮影が可能、その場合露出計は切れます。重量は615g。同時代の競合機種コニカC35FDに比べ大きさはさほど変わりないが1.5倍近く重い。

小型レンジファインダーカメラとしては優等生で、安定して良く写ります。欠点らしい欠点も無く、逆にそれがつまらない、と思う事さえあります。
その為か、せっかく綺麗にレストアしたのに何故か持ち出さない1台です。

10年間以上販売され続け、販売台数は100万台以上と言われていて、比較的良く見かけますが状態の良い物は少なくなりました。

取り敢えず撮ってから 2025/03/28(Fri) 18:41 No.2781
Re: キヤノン キヤノネットQL17GV
取り敢えず撮ってから様,懐かしいカメラのご紹介をありがとうございます。

私,今は「狸おやじ」の名で中判カメラやシートフィルムの紹介をしておりますが,若い(少年の)頃にこのキャノネットQL17とコニカC35FDを使っておりました。どちらもコンパクトで使いやすいカメラですが,仰るようにQL17はC35FDと比べると少し重い。F16に絞り込んだ時の解像度を四つ切プリントに拡大して比較したことがありますが,C35FDの方がQL17より(特に中心付近で)良い結果でした。当時,F値の小さいレンズ程性能が良いと考えていた私には意外な結果でしたが,これがきっかけとなり,その後欧州でライカMとコンタックスGを購入し,やがて中判テヒニカを入手することになりました。レンジファインダー機の利点は,SLRより小型軽量になるだけでなく,フランジバックの短い広角系の優れたレンズを搭載できる点だと知ったのも,この2つのカメラが最初でした。自分の「レンジファインダー遍歴」の原点を見るようで,とても懐かしく拝見いたしました。
狸おやじ 2025/03/28(Fri) 21:44 No.2782
キヤノン キヤノネットQL17GV
狸おやじ様、初めまして。
何とキヤノネットやC35FDをお若い頃にお使いになっていてのですね。羨ましいです。
これらのフィルムカメラを手にしたのが還暦近い5〜6年前、新品の頃にお使いになっていた方からのリアクション、とても嬉しいです。
私には大きなフォーマットは(今からでは)難しそうですが、写真機ならどんな物でも大好きな私は大きくてメカニカルなカメラに関する情報も楽しく拝見させて頂いております。
これからも暫くの間コンパクトカメラを中心に投稿をする積りです。偶にクスっと笑っていただけたら幸いです。
取り敢えず撮ってから 2025/03/31(Mon) 07:54 No.2798
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
取り敢えず撮ってから様,お返事いただきありがとうございます。
小型メカニカルカメラの詳細な解説を興味深く拝読しております。今後とも宜しくお願いいたします。私も機械式のカメラが好きですが,資金と時間が無いので収集は諦め,気に入った機材を少数選び,徹底的に使うスタイルを楽しんでいます。

コニカC35FDは,私が高校生の時に新品で買った「スタートカメラ」でした。
3万5k円程でしたが,自分の小遣いを貯めて買った最初のカメラで,長く愛用しました。ヘキサノン38mmは性能の良いレンズで,F16で撮影したポジ画像を拡大して比較すると,友人のSLR(Pentax)の35mmの画像より高解像でした。広角のレンジファインダー機は当時の(高価で重い)SLRsより高画質だったのです。れんずまにあ様の解説(No. 1721)にあるように,C35FDはフラッシュマチック機構付で,ストロボをシューに取り付けると距離計に連動して絞り値が調節されオート撮影ができる。また,露出計の針を絞り値に(SSを調整して)合わせると背景光量とストロボ光量を一致させる日中シンクロ撮影ができる。全速シンクロ同調(~1/500秒)のレンズシャッターを駆使して,日中シンクロの基礎(リンホフテヒニカ,No. 2555-56)を学びました。

これに味を占め,次はマニュアルでも撮れるレンジファインダー機として,キャノネットQL17GIIIを購入しました。
このカメラも使い易く,10年近く現役で活躍しました。小型ながらファインダーのパララックス補正があり,総金属製のボディーは多少重いですが,見た目の洗練度はC35FDより上でした。でも若かった当時の私は,より高画質のカメラとレンズに憧れていました。丁度登山や冬山に熱中していた頃で,アルパインカレンダーや山岳写真集を見ながら,いつかリンホフとスーパーアンギュロンを手に入れたいと考えていました。それ以降の話は,このスレッドから外れますので,別の機会に「リンホフテヒニカ」等でご紹介する予定です。
狸おやじ 2025/04/01(Tue) 11:07 No.2803
PORST HAPONETTE EB
PORST HAPONETTE EB

1959年製非連動露出計つき距離計連動35mmカメラ
レンズはCOLOR-HAPONAR45mmF2.8 撮影距離は1m〜∞
シャッターはPRONTOR-SVS(B・1〜1/300)セルフタイマー有り LV値による絞りSSリングの連動有り
重量は実測530g カウンターは底面で手動セット・減算式
巻上げは背面でレリーズは鏡胴脇にあります。背面はヒンジ式ドア。

PORSTはドイツの写真用品商社で数多くのメーカーからOEMで自社ブランドのカメラを調達していました。このHAPONETTE EBも例にもれずRegula-Werk King KG製のカメラと思われますが、このメーカーに関しての情報が少なく確証はありません。BALDAのデザインにも通じる丸みを帯びたデザインはこの時代ドイツでは流行したのでしょうか。レンズの構成や供給元も分かりませんでした。このメーカーは機種によりIsco-Gottingen・Steinheil・Rodenstockから供給を受けていたようです。
GOSSEN製露出計にPRONTORシャッター、鍍金の質も良い方だと思うのですが・・あまり見かけません。
コンパクトで適度な重さ。握り易いですが、アイレットが無いのは残念。写りはとてもシャープで赤みがやや強いです。

取り敢えず撮ってから 2025/04/04(Fri) 18:21 No.2804
KODAK 35
KODAK 35

1938年発売のレンズ固定式35mmカメラ
レンズはKODAK Anastigmat51mmF4.5(3群3枚)距離は4ft弱〜∞
シャッターは自社製No1 DiomaticでT・B・1/25〜1/150sec セルフコッキング・セルフタイマー付 カウンターは手動セット・順算式 重量は550g(実測)

バルナック型のように丸みを帯びたボディの黒色部分はベークライト製で貼革風の表面仕上げ。折り畳み式ファインダーや突出した鏡胴、左右対称のノブのデザインが微妙にバランスが取れていて可愛らしいです。コダックの35mmフィルムカメラとしては初期のモデルなので、フィルム押さえのローラーユニットは大袈裟です。フィルム装填時には右写真のようにローラーが2つ付いた金具を起こし、下を通します(THREAD UNDER BOTH ROLLERSと彫ってあります)。
裏蓋の圧板は底部のロックレバーと連動し、レバーを閉側に回すとフィルムをガイドレールに押し付けるようにせり出します。
圧板やローラー類はピカピカにメッキされているので、使用時は圧板だけ薄い艶消し黒色のシートを貼っています。こうすることで多少コントラストは改善します。
鏡胴カバーにはスリット状の穴があり、シャッターチャージ時には赤いサインが出ます。レリーズは同じカバー脇、小さなノブを押下します。シャッター音は小さいですが、チャージにはガッチャ!と大きな音がします。カウンター前のボタンで巻止めを解除します。フィルム巻き戻しは巻上ノブを一段引上げて行います。

世界大戦への機運が高まる中、独コダックからのレチナ入手難を恐れて開発された、との資料もありますが、どうなんでしょうか。コダックは米国内のライバル、アーガスに価格で対抗できる物を作りたかったのではないでしょうか。

レチナ同様にアイレットが付いているところもポイント高く、お散歩カメラに最適です。
上位機種のKODAK Anastigmat-Special(3群4枚)付きや、オリーブの軍用モデルも欲しいところです。

取り敢えず撮ってから 2025/04/04(Fri) 18:26 No.2805
BOLSEY MODEL B2
BOLSEY CAMERA MODEL B2

1949年発売の35mm距離計連動式カメラ

レンズはANASTIGMAT-WOLLENSAK 44mmF3.2(3群3枚)撮影距離は2ft〜∞
シャッターはWOLLENSAK SYNCHRO-MATIC T・B・1/10〜1/200 絞りは22まで有り
セルフコッキング有り、セルフタイマー無し。重量は430g 枚数カウンターは手動セット・順算式
BOLEX・ALPAの初期設計に関わったジャック・ボルスキー氏がアメリカに渡って創業したのがBOLSEY CAMERAだそうです。
1947年発売のモデルBに二重露光防止機能が付いたのがB2です。モデルBと同じようなアルミ鋳造のボディはかなりガッチリしています。軍用モデル(黒ボディにオリーブ貼革)も存在しましたが、戦場では操作部分が小さ過ぎて使いにくいような・・
距離計は上下合致式でファインダーはレンズの真上、レリーズは鏡胴右手側。巻上解除は巻上ノブを一段(手応えがあるまで)引いてから巻上げます。巻き戻しにはロックは無く、巻き戻しノブを回すだけ。ノブは伸長しないので36枚撮りを巻き戻すと指先が痛くなります。
裏蓋開放には底部のロックレバー操作で、底部ごと外れます。
レリーズは鏡胴右手側のギザギザのついたレバーを倒すのですが、1段目で二重露光防止ピンが出て、2段目でシャッターが切れるという動作をします。これでタイミングがズレるのか、手振れ発生が多いです。カメラをホールドし難いというのもありますが。写りはレンズの状態が悪いのか今ひとつ・・
使いにくいけれど可愛らしい、私の持っている唯一のWOLLENSAKレンズ搭載カメラということでご紹介しました。

取り敢えず撮ってから 2025/04/11(Fri) 19:08 No.2808
GRAPHLEX GRAPHIC35
GRAPHLEX GRAPHIC35

1955年発売の距離計連動35mmカメラ
レンズはGRAFLAR50mmF3.5(RODENSTOCK製)撮影距離3ft〜∞ コーティング有り
シャッターはPRONTOR-SVS(B・1〜1/300sec)セルフタイマー有り
重量は695g(実測)フィルムカウンターは手動セット・減算式
セルフコッキングではなく、レリーズはエプロン部の一見セルフタイマーのようなレバーにて行う。
背面の距離計窓は左、ファインダーは右でブライトフレーム無し。巻き止めは無し。巻き戻しは巻上ノブを一段上げて行う。上級機はF2.8レンズ(構成は不明)を搭載しています。

GRAPHLEXは50〜60年代にかけて35mmフィルムカメラも積極的に販売していました。本機はGRAPHLEXが製造販売していた物としては最終機で、これより後は日本のKOWAやドイツのILOCAからOEM供給を受け販売するようになります。

上下合致式距離計はアメリカ製カメラに良くあるもので気になりませんが、フォーカス操作はレンズ左右の黒いシーソー式押しボタン、レリーズ位置はエプロン下部と、まぁ少々変わったカメラです。ケースに入れて首から下げて使う方が良いでしょう。
鏡胴上のカラフルな色分けはストロボ使用時に役に立つよう距離計窓の色分けと合わせて使用するようです。ホットシューも備わります。
裏蓋は底面ごとごっそり外れるタイプで、圧板はピカピカにメッキされているので、使用時には薄い黒色シート(梱包用の薄いテープ)を貼ります。

取り敢えず撮ってから 2025/04/18(Fri) 19:15 No.2819
ミノルタV2
ミノルタV2
千代田光学精工1958年発売

距離計連動35mmレンズ固定式カメラ。世界初のSS最速1/2000秒を実現したレンズシャッター機と言われています。
レンズはロッコールPF 45mmF2.0(5群6枚)撮影距離0.8m〜∞
シャッターはシチズン・オプチバーHS(B・1〜1/2000sec)セルフタイマー有り
カウンターは何故か巻戻し側に有り自動セット・順算式。
重量は実測780g・ファインダーはパララクス自動補正有り。露出計は無し。

1/2000秒を実現したOPTIPER-HSシャッターですが、ややカラクリが有り、1/1000では絞りがF4以上(EV値14以上)、1/2000ではF8以上(EV値17以上)の設定時に限られること。
これはシャッター羽のスタート位置をずらして羽が全開になる前に閉じる動作をする為で、余程明るい環境でないと使用出来ないことになります。
このシャッターは更に2年後に発売したミノルタV3で1/3000秒にまで達し、1/1000では制限が無くなり1/2000と1/3000で制限有りとなりました。

取り敢えず撮ってから 2025/04/25(Fri) 19:03 No.2835
M42 プラクチカマウントカメラ

 1949年のコンタックスSから始まって(異論は有ると思いますが)2003年のベッサフレックスTMまで綺羅星の如く銘カメラ
が揃っているM42マウントカメラ。
 世界的に名にし負うメーカーが開発/販売していました。
・ZEISS
・Voigtlander
・Pentacon(KW)
・KMZ
・PENTAX
・Olympus
・YASHICA
 …

 こちらに集まれる皆さんも1台位はお持ちではないでしょうか。

efunon 2018/03/17(Sat) 22:12 No.1179 [返信]
プラクチカ FX
Kamerawerkst&#228;tten Guthe & Thorsch GmbH で開発された Praktica FXです。(プラクチカ銘の始祖?)
 発売は1952年、ペンタプリズムは付いていないウエストレヴェル(W/L)ファインダー機です。
(ペンタプリズムはオプションで用意され、W/Lファインダーの上に載せます。ブロニカDXのプリズムファインダーの様に。)

シャッターダイアルは一軸回転式で、中心に高/低速の切り替えノブが有ります。選択できる速度は
B, 1/2, 1/5, 1/10, 1/25, 1/50, 1/100, 1/200,1/500。シャッターは厚めのゴム引き布幕横走りシシャッターです。
ボディー前面には年代によるシンクロ接点のバリエーションが有り、
・旧タイプのX,G,Fの3孔タイプ
・X,F の2個付きドイツ式ターミナル
・X接点のみの1個
が有ります。
 レリーズボタンは向かって右側にレンズ光軸と平行に押すタイプです。

ミラーアクションは巻き上げと同時に降りるタイプで、クイックリターンでは有りません。

 絞りはピン押し込みの機構が無い単純なM42マウントです。そのため、普通絞りかタクマーレンズの様
にM-Aの切り替え機構が必要です。この為、意外と使用可能なレンズが限られてしまいます。

 ちゃんと整備された個体なら単純な分、軽快に作動します。
ペンタプリズムとは違った気分で使うには良いカメラです。

efunon 2018/03/18(Sun) 08:13 No.1182
ペンタックス SV
1962年7月発売のペンタックスSV ペンタックス メーター(2th) 付きです。

 S3の後継にあたる位置付けの機種で、巻き戻しクランクの根本に装備されたセルフタイマーから"SV"と命名されています。

 有名なSPと比較するとデザイン的に初期の機種のイメージが残されています。
スペック的には、ほぼ完成された過不足の無いスペックを持ちます。
・B,1〜1/1000
・ファインダー視野率93% (倍率は55mmで等倍? 未確認)
・ファインダースクリーン マイクロプリズムとマット
・アクセサリーシューはオプション

efunon 2018/03/18(Sun) 08:42 No.1183
Ihagee EXA Ic
エクサクタシリーズの初級機ライン、エクサの末っ子。M42機。

エクサは1951年に始まりました。日浦様のラインメタル・エクサの項もご参照ください。東独カメラの常として時代と共に簡略化されていきます。
Iaではペンタプリズムファインダーを装着するのに無理がないデザインになりました。
そしてこの前のモデルIbから伝統のエクサクタマウントからM42に変更されましたが、シャッターレリーズは相変わらず左手です。M42の自動絞りに対応しシャッター1段目でバネで絞り込み、押し切りでシャッター作動します。
一気に押すと普通に軽くシャッターが切れ、ミラーは上がりきりで巻き上げで復帰します。
さらに金属製のIbボディとフォーカシングフッドをプラスチック製にして大幅に軽量化、廉価にしたのがIcです。

フォーカルプレーンではなくミラーがスリットシャッターを兼ねており、最高速は1/175、他125,60,30,Bの5段階のみの潔さ...フラッシュ全速同調かと思ったのですがどうも1/30がシンクロ速度のようで高速側は蹴られてしまいました。

Icは1985年から87年にかけて販売されましたが、その事実に戦慄します。日本では同じ年にAF新時代を告げるα7000が登場しています。
東独はまだトラバントを作っていた頃でしょうか。
しかし恐らく現在の価格は、α7000よりExa Icのほうが何倍も高価でしょうね。皮肉なものです。

れんずまにあ 2018/03/18(Sun) 12:08 No.1184
Re: Ihagee EXA Ic
我が家にはTaが有ります。
 ミラーシャッターとはいかがなものかと興味が有りました。
今ではM42レンズよりも2〜3割安いエキサクタマウントで楽しんでいます。

 以前は散々な評価なEXAですが、最近のユルフワブームで、周りにも購入されている(Tb)人が増えてきました。

EXAはとても可愛い小さなカメラです。タクマーの28mm前後を付けて高級写ルンですと思えば使い方も容易です。
efunon 2018/03/18(Sun) 15:13 No.1185
Re: EXA
実はIbテッサー50、ウエスト+プリズムつき1万2千円、Icペンタコン30(メーヤー リディトのOEMか)、ウエストつき8千円で触り較べ迷わずIcを選んだ自分の悪趣味は自覚しています。
取り敢えず壊れようがない構造ですね。
初期のセミオートのタクマーが大変細身でよく似合うと思っており、セミオート絞りのスプリングチャージ儀式の後、見えにくい腰高ファインダーと、狙った瞬間にシャッターが落ちないタイムラグを楽しみながら撮影します...

周知の事と思いますが、EXAのようにマウント面にビス穴が開いている機種にSMCタクマーを嵌めてはいけません。
自動絞り切替の時マウント面に突き出すピンが穴に噛んで地獄嵌めに陥ります。
私はうっかり中間リングを介さずにSMC100マクロを取り付けてしまい大汗をかきました。
ピンが突き出てしまうとA/Mレバーが戻らなくなり、地獄嵌め完成です。
最後は力業で外しましたが、マウント面に傷を付けてしまいました...

マウント面にネジを持ってくるのは良くない設計だとは思いますが、SMCタクマーの設計も大概ですね。
れんずまにあ 2018/03/18(Sun) 22:06 No.1186
レビューフレックス3003
REVUEFLEX 3003は、ドイツのカメラチェーン店フォトクウェレで販売されたレビュー(レフュ?)ブランドカメラのひとつで、チノンCX-IIのOEMと書いてあります。

メカニカル制御シャッター1-1/1000、シンプルなマウントで、特別な絞り込みボタンを持たず、シャッターボタンが自動絞りの絞り込みを兼ねており、それで絞り込み測光を行います。
そのためシャッターストロークが長く、若干重い押し味で、途中で絞られるためレリーズ直前は視野が暗くなります。
あらゆるM42レンズで測光が出来る所が長所でしょうか。

漫然と大きく重い、日本では受けそうにない欧米人向け金属製カメラですが、外装は凹みやすく今の個体もべこべこです。
海外通販で10ドルくらいだったから、メインの注文のついでに入手したものの、ペンタックスSVやフジカSTシリーズのような引き締まったカメラを持っていると、ちょっと出番がなさそうな。

れんずまにあ 2018/03/21(Wed) 10:50 No.1187
Re: Pentax SV
私はバヨネットマウントが好きなので、機械式一眼レフのスレッドではM42をあまり出しませんでしたが、何しろ最近MF一眼レフは価格破壊状態ですから幾つかは使っています。
撮影目的が限定されていたらそんなに頻繁にはレンズ交換しませんし、M42も思ったほど苦にならないのがわかりましたので。
本当に咄嗟の場合はカメラ複数台にしたほうがバヨネットより早いです。勿論ズームには敵いませんが。

さてペンタSVですが、最近露出計を使わないのでSPやSPFは電池を抜いたままで、それなら潔いSVを選択することが多くなりました。
デザインが引き締まっており、操作感も洗練されており、シャッターボタンの切れも良い、流石と思わせる機械です。
旭光学のタクマーレンズの優秀さも持ち出す理由ですね。ベーシックなグレードであっても何を撮影しても信頼できる画像が得られ、特にKマウント直前のモデルは非常に現代的な写りです。

私の愛用タクマーは、SMC55/1.8, マクロ50/4(プリセット等倍),SMCマクロ100/4,SMC28/3.5,SMC35/3.5,SMC85/1.8(頻度少なめ) です。
自動絞りチャージ手動の55/1.8、35/3.5、105/2.8、プリセット135/3.5は主にExa Icに組んでいますが、明瞭に逆光耐性がSMCより弱いですね。それも使いこなしです。

れんずまにあ 2018/03/21(Wed) 11:03 No.1188
プラクチカW
 このスレッドの最初にご紹介させて頂いたプラクチカFXの正常進化系のプラクチカWです。
1960年から1964年にかけて製造された、M42自動絞り付きの一眼レフです。

 正確にはプラクチカWのRev2タイプで、ボディー全体がクロームになりました。
 ペンタプリズムを除いては基本的にプラクチカFXに色々なギミックが搭載されたと思って頂いてかまいません。
 大きさの比較のためにペンタックスSVと並べてみました。かなり背が高いので大柄に見えます。

efunon 2018/03/24(Sat) 17:37 No.1190
Re: プラクチカW
プラクチカWは、機構的に珍しいギミックが色々と有ります。

 まず、自動絞りの機構ですが、マウント内部画像の赤いスイッチを横にスライドさせると、自動絞り機構を
解除する事が出来ます。
自動絞りはレリーズボタンを押し込む事で、絞りピンを押し込むので、解除されると幾分操作が軽くなります。

 次は巻き戻しノブです。一見すると普通のノブなのですが、Rev2よりノブ上部が軸外しで回転できる様になりました。
指を掛けて回す事が可能だそうです。(構造が華奢なので使っていません。)

 最後は最も特徴的な部分です。この機種はノブ巻き上げも底部レバーでも巻き上げが出来ます。
このレバーは分割巻き上げが出来れば、それなりに便利なのですが、残念ながらそうはなっていません。
このため。ケースも独特な構造になっています。本体よりもケースを見つけることが難しいかもしれません。

efunon 2018/03/24(Sat) 17:58 No.1191
フジカST701
製造:富士写真フィルム,1970年
M42マウント完全自動絞り、SPDによるTTL絞り込み測光(ファインダー内部定点合致式)
ファインダー倍率0.96倍、視野率90%
シャッター横走り布幕フォーカルプレーン1/1000〜1,B倍数系列、X(1/60)
重量:ボディ618g
サイズ:133x91x49mm

フジフィルムが初めてつくったフォーカルプレーン一眼レフカメラ。1950年以前からの写真機メーカーとしては最も遅く参入した。(輸出専用レンズシャッター一眼レフ:フジカレックスIIが初めての富士フィルム一眼レフ.なぜかIは存在しない)
マウントは自動絞りピン以外の連動機構を持たないシンプルなM42プラクチカマウントで、ボディ前面右手側の絞り込みボタンで測光する。
当時としても絞り込み測光は遅れた仕様ではあったが、ペンタックスSPやキヤノンFTQLがまだ現役であり大きな問題ではなく、またM42絞り込み測光は世界的に普及しているどのようなM42レンズでも測光できるため、海外販路には保守的な機種が求められ戦略的には正しかったと考えられる。

発売時にフジノン35mmf2.8、55mmf1.8、50mmf1.4、135mmf3.5の4本が揃っており、翌71年には28/3.5から200/4.5まで交換レンズが拡充された。
その後フジカSTシリーズは1972年開放測光専用フジノンとST801の組み合わせでTTL開放測光マニュアルが実現し、絞り優先AEの901やAZ-1に発展したが、上記のように絞り込み測光も需要があり、ボトムラインにシャッター速度を1/700から1/2秒,Bに落とした絞り込み測光機ST605を1976年に供給し、オイルショック後の不況に対応している。この低価格機が高級機を狙わない富士フィルム35mmSLRと交換レンズの路線を決めたように思える。

STシリーズはアサヒペンタックスを上回る小型軽量ボディに特徴があり、横幅が特に小さい。縦は割に大きいが、横幅だけならOM-1(136x83x50,490g)より小さい。
ファインダー倍率は標準55mmで計測すると割に大きいが、視野率が90%と小さい。これはアマチュア向けとして容認すべきかもしれないがOM-1は97%もあるのだ。

巻き上げは滑らか。作動音はやや大きく、ジェントルなOM-1やペンタックスSV, SPと較べると荒々しい印象を受ける。

露出計は作動していない個体が多くなったという。私のは液漏れで電池室が酷いことになっている。勿論ジャンクボックス品なので文句は言えない。機械的にはよどみなく作動し、華奢な他社と較べて品質は高いと思う。

純正標準レンズは、ST701時代はまだEBCではないフジノン50mmf1.4と55mmf1.8で、いずれも評判は高い。
画像の個体は、ボディとレンズを個々に求めたのでEBCが付いている。
55mmは特に普及したレンズで、さらに普及したSMCタクマー55/1.8に勝るとも劣らない描写力。

れんずまにあ 2018/10/15(Mon) 23:00 No.1418
ヤシカペンタJ-P
ヤシカのメカニカルシャッターM42カメラ、
1964年発売
重量619g
クイックリターンミラー(という記載がある時代)
横走行布幕フォーカルプレーンシャッター、1/500から1/2秒まで倍数系列+B
FP, Xシンクロ
1作動レバー巻き上げ、クランク巻き戻し。
スプリットイメージ+マイクロプリズム、マット式ファインダースクリーン(と広告されているが手元の個体は中央マイクロとマットのみ)
専用ラグにクリップオンするCdS露出計別売。EV3-17、シャッターダイヤルにカップリングされ絞り値を表示する。
日本では標準レンズとしてオートヤシノンDX f2/50mm、5群6枚、完全自動絞りがセットされていた。海外ではヤシノン55mmf2.8がセットになったものがある。また上位機種J-5にはDX50mmf1.4またはDX55mmf1.8が組み合わされた。

同時発売のボディ内蔵外部露出計つきJ-5の普及機という位置づけで、「ポピュラーな完全自動絞りカメラ」「意のままに駆使できるポピュラー・ペンタ」という広告から、ポピュラーがキャッチフレーズだったと思われる。

デザインは、ヤシカSLR初代機Pentamaticを踏襲したシャープなペンタJから変わって、J-3から角を丸めた無難な、個人的には野暮ったいものになり、その後の機種に続く。
またM42にマウント変更した当初、ペンタJはレンズに開放セットレバーがついた半自動絞り機で、完全自動絞り実現はJ-5からになる。
外部露出計が内蔵されたJ-3からシャッターボタン位置が前面から軍艦部に変更されたが、J-Pは着脱式露出計が軍艦部右手側を覆うためか、シャッターボタンが前面に戻っている。J系最終機J-7も外部測光でTTLには別シリーズを待たねばならない。

れんずまにあ 2019/03/26(Tue) 00:30 No.1515
Re: ヤシカペンタJ-P
さて使った感想です。この時代になると随分標準的な操作に集約され、特に面食らうような操作法はありませんが、操作感触はあちこちぎくしゃくしていて高級感を疎外しています。海外サイトには巻き上げがシルキースムーズなどと書いてあるんですが...特にシャッターボタンの感触が二段落ち、つまり徐々に押し込んでいくと1段目で自動絞りが作動し、2段目でミラーが上がってシャッターが走る。素早く押し込むと2段が一気に作動するのですが、ブレを招きます。前押しのボタン配置は多少ブレに有利とは思いますが。Pentamaticと同様の感触で、まだ直ってなかったのかよと思います。基本構造は多分にPentamaticを引き継いでいるのでしょう。

れんずまにあ 2019/03/26(Tue) 00:32 No.1516
アサヒペンタックスSL
1968年発売。旭光学製。
64年発売のSPから露出計関係装備を除いたマニュアル露出専用機
ボディのみ重量はSPの623gから596g(いずれもカタログ値)に若干軽くなりました。
他の基本はSPと同様。翌年1969年にはペンタックス6x7が発売されています。
SP登場当初はボディ51000円、SLは当初23000円と段違いに安価です。
SPはTTL測光という当時先端技術が売りなので強気ですが、SLは割安です。
1973年、SPがSPFに更新されても、ベーシックなSLは併売されています。SPF(642g)はホットシュー固定ですが、SLは外付けシューのままマイナーチェンジされていません。
SPFは42000円と、SP初期より随分値段が下がっているのは競争が激しかったのでしょう。同時代のSLは27000円と、値上げされています。
1973年にはK2, KX, KMが登場、おそらくしばらく在庫販売されたと思われますが、交代となりました。Kマウントではもはや露出計非搭載のカメラは作られていませんので、ペンタックス最後のメカニカル・フルマニュアルモデルでしょう。
SPシリーズ共通に、ファインダー視野率93%,倍率0.89倍(50mm)等倍(55mm)です。
私はSPでも電池を入れませんので、ファインダー表示がすっきりしているSLは好みです。
外部露出計はペンタプリズム上に被せるタイプで、他社のように固定金具が目立つことはなく、単体のデザインがすっきりして美しいのもよろしいです。

れんずまにあ 2025/01/07(Tue) 23:58 No.2684
Re: M42 プラクチカマウントカメラ
れんずまにあ様
フジカST701のご投稿ありがとうございました。大変懐かしく、残念ながらボディは譲ってしまいましたが、初期型55ミリf1.8のレンズは残してあります。
アダプタ装着の上シグマfpで時々楽しんでいます。
天気が良いので、窓際の愛犬のうたた寝、試し撮りしてみました。
シグマfp fujinon55mm f1.8
ISO400 ss1/60 f11と16の間
イイ色出しますね、改めて感心しました。
カメラボディの板から外れ申し訳ございません。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/01/15(Wed) 12:53 No.2689
Re: フジカST701
フィルム大好き様、拙稿をお読みいただきありがとうございます。
フジカのフォーカルSLR1号機はプリミティブながら気合が入った出来でしたね。
最近のボディ価格は悲惨極まりなく、気軽に購入できるのはありがたいやら悲しいやら。
シグマfpは大変気になる存在です。
私はフルサイズ?ミラーレスを使う目的が機材テストと大判ステッチですのでほぼ三脚固定。小型軽量薄型で、あたかもフィルムバックのように使えるfpは購入候補です。でもソニーでアダプタを揃えてしまったし、α7Rが壊れるまでは乗り換えできないでしょうけども...
ご作品ありがとうございます。この当時の標準レンズの水準が大変高かったことが改めてよくわかります。
れんずまにあ 2025/01/16(Thu) 22:37 No.2690
ペンタックスSP-F
アサヒペンタックスSP-F

1973年発売 製造:旭光学工業
M42マウント完全自動絞り、CdS TTL平均測光(ファインダー内部定点合致式)
電源:1.3V水銀電池H-D1個
ファインダー倍率:55mmで1.0倍、50mmde0.89倍、視野率93%
シャッター:横走り布幕フォーカルプレーン1/1000〜1,B倍数系列、X(1/60)
巻き上げ:レバー1作動、分割巻き上げ可能
重量:ボディ641g
サイズ:143x91x49mm

ベストセラーTTL絞り込み測光一眼レフ、ペンタックスSPの改良型で、他社でも主流になりつつあった開放測光を採用しました。
その他の主な変更点は、アクセサリーシューが固定式のホットシュー(X接点のみ)、露出計スイッチが、左手操作の絞り込みボタン兼用のスイッチから、レンズに光が入ると自動的にメーター作動するフォトスイッチになりました。その代わり撮影終了後はレンズキャップをするか、ケースに入れて暗黒にしないとバッテリーが消耗してしまいます。
右肩正面の機種名は、SPOTMATIC Fになった。SP時代から平均測光なのにスポットの名称だが、試作機が測光時に腕木が出て画面中央を測光する、ライカCLのような機構だったところ、発売モデルはペンタプリズムにCdSを置いて焦点板を平均測光する方式に変更され、名称のみがそのまま使われた経緯のため。
SP譲りの熟成された信頼性が高い機械部分であり、ジャンク箱に打ち捨てられた個体でも、電気回路は故障していてもメカ動作は健在であることが多いようです。

SPは絞り込み測光のため、あらゆるM42マウントのレンズを装着しても測光できましたが、SP-Fの開放測光には、レンズの開放f値情報を伝達するラグを持ったSuper-Multi-Corted TAKUMARの一部と、SMC TAKUMARが必要です。ラグを持たないTakumarや、他社のプラクチカマウントレンズは、SP同様左手側の絞り込みスイッチが残されていますので、絞り込み測光で使用できるように上位互換が保たれています。

れんずまにあ 2025/02/01(Sat) 23:01 No.2712
Re: アサヒペンタックスSP-F
90年頃メカニカルマニュアルSLRは底値で、結構綺麗なSP-F標準レンズ付きが1000-2000円でジャンク箱に入っていました。一方クラブのフレッシュマンの中には自宅にフィルムカメラが1台もない家庭が珍しくない時代に突入しており、彼らの入門用に完動ジャンクカメラを確保していて、この個体はその嫁ぎ遅れの1台です。
当時はペンタックスユーザーではなく、自分用には全く考慮していませんでしたが、嫁ぎ遅れを操作しているうちに沼にどっぷり浸かってしまいました。
アサヒのM42機は操作感や動作音がジェントルで、機構は頑丈。頻繁にレンズ交換しなければ(実際私はバヨネットであってもレンズ交換頻度は少ない)かなり実用的で楽しめます。
また学生時代の友人が、タクマーは甘いと事有るごとに呟いていたのでそんなものかと敬遠していたところ、実際使ってみるとなかなか悪くない感触を得て、今では常用範囲で不足ない程度にレンズを揃えてしまいました。最近はボディは捨て値のまま標準レンズだけがべらぼうに高騰、それに加え、フィルムがボディ価格を大幅に上回る想像を絶する時代になり、もはや初心者に気軽にフィルムカメラを勧めることが困難になりつつあります。せめて所持している者は使ってあげねばと思っています。

SP-F、SMC TAKUMAR 55mmf1.8 ラバー巻き最終型。奥はSP

れんずまにあ 2025/02/01(Sat) 23:04 No.2713
Re: M42 プラクチカマウントカメラ
れんずまにあ様
ご投稿拝読いたしまして、売却してしまった元箱付のST701後悔していまして、ネットで探し始めています。懐古趣味と笑わば笑えです。それほど55mmf1.8は気に入っていまして手放さなくて良かったと思っています。
新型のデジタルミラーレス機のインフォが全く気にならなくなってしまいました。
今が、このあたりの捜索のチャンスかもしれませんね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/02/13(Thu) 18:29 No.2728
Re: M42 プラクチカマウントカメラ
れんずまにあ様
いつもお世話になります。
過去写真から、発掘しました。
返す返す、後悔しています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/02/28(Fri) 17:55 No.2746
フジカST-801
富士写真フイルム
フジカST-801

1972年発売のプラクチカマウント35mm機械式シャッター一眼レフカメラ
シャッターは布幕横走行式(B・1〜1/2000sec)
ファインダーは倍率0.96倍・視野率92% フィルム感度はASA25〜3200
重量はボディのみ実測620g セルフタイマー有り 露出計用に4LR(4SR)44電池1ケ使用

ねじ込みのプラクチカマウントに独自のロック機構とレンズ絞り感知ピンを備えたカメラになります。これにより開放測光が可能となりましたが、対応する専用レンズが必要です。同時期に発売されたEBCフジノンレンズやフジノンZレンズにはレンズ基部に絞りをカメラに伝達する突起が設けられました。世界初のLEDによる露出計がファインダー内に装備されています。

投稿用ネタを探していて物置から救出しましたが、私の機体は露出計が動作しません。電池室はキレイなんで、修理するか思案中。M42レンズが使える機体としては恐らく最速のシャッター1/2000秒を持つカメラだったのですね。手に入れた当時はあまり知識が無く、好スペックだということも理解していなかったもの。取り敢えず、マニュアルで使ってみよう。

取り敢えず撮ってから 2025/04/25(Fri) 18:55 No.2834
機械シャッター式自動絞り35mm一眼レフ

なにやら長い名前になってしまいましたが、電池が無くても写真を撮る上で支障のない一眼レフと御理解下さい。

基本的に、

・全速機械制御シャッター搭載の一眼レフであること。もちろんコパルスクエアーも可です。
・クイック(インスタント)リターンミラーを持っていること。
・完全自動絞りであること。
・電池は露出計のみに使用されていること。
・レンズの入手が容易なもの。(マウントがM42,エキザクタ、F、FL/FD、SRとペトリぐらいですかね。)

最近ではほぼ価値の無い製品とされて、ジャンク棚に置かれているものも多いですね。なるべく入手に価格的な障害がない、
1万円くらいまでで標準レンズ付きが購入できるものが良いと思います。

具体的には国産で云えば(外国製品は良く知りませんので。)

・ペンタックス S3以降
・オリンパス  FTL以降
・キャノン   FX以降
・ニコン    F以降
・ペトリ    ペンタV以降
・ミノルタ   SR-3以降(途中から?)

 クラスが主になるでしょうか。もちろん他にも ヤシカ、リコー、フジカ、マミヤ等々が有りますが、どうぞ教えて下さい。    

efunon 2017/12/16(Sat) 22:05 No.1093 [返信]
ミノルタ New SR-7
ミノルタの New SR-7。

 いまだTTLになっていない一眼レフで、肩の部分にCdsの受光部を配置したカメラです。

 ミノルタの初期一眼レフは、かなり大胆な形状変更を行っても名前を変えないという戦略をとっていました。
従って、前期型と後期型で外観や操作性に変化が有ります。

 ファインダーの中には何の情報も有りません。スクリーンにはマイクロプリズムが成形されていますが、
あまりマット面との違和感は有りません。

 露出計の指針は軍幹部左側に見えます。感度の切り替えスイッチがエプロン部側面に有ります。
 感度の切り替えはCds受光部全面に配置されている絞り板の切り替えで行われます。電気的な回路切り替えが有るかは判りません。

 比較的、長目の巻き上げレバーは分割巻き上げも可能です。後のSRTシリーズに付いていたプレビューボタンは有りませんが、
ミラーアップ機構が装着されています。

 画像の矢印部が感度切り替えスイッチです。

efunon 2017/12/16(Sat) 22:37 No.1094
Re: 機械シャッター式自動絞り35mm一眼レフ
コニカオートレックスP。私、1眼レフほとんど使わないのですが、条件に該当する写真機。現役で、1台使っています。
パール以来のコニカファン。ヘキサノンが使える、1眼レフです。
オートレックスは、65年にコニカが発売した、EE1眼レフ。
機械的に、露出連動しているので、シャッターが深く、重さが変わる。違和感がある。
66年P発売。此方は、オートレックスから、EE系を外した物。
完全マニュアルなので、シャッターの違和感もない。
このシリーズ、もう1つの特徴。フル、ハーフ切り替え。ペンタ横のレバーで切り替えができる。
フル>ハーフ、巻き上げ後。ハーフ>フル、巻き上げ前、何とフイルム途中でもできる。
と言っても、途中切り替えすると、自動焼き付けできない。
基本的に、ライカ版1眼レフ。気が向けばハーフ版1眼レフ。
何せ、ヘキサノンの中心部だけ使ったハーフ。画像は素晴らしい。
多分、最大にして最高のハーフ版カメラ?
ファインダー。オートレックスの方は、ファインダー内にメーター。
Pの方は、メーターが無いすっきりした物。真ん中がマイクロプリズム。左右にハーフ用のライン。
セミ判共用のスーパーイコンタ69のファインダーとほぼ同じ。
サイズはほぼフルサイズ1眼レフ。ニコンFより少し小さい。
ニコマートクラスの対抗品?コニカの仕上げ、作動感は素晴らしい。
シャッターは1000sコパル。ペンFを意識してか、シャッターダイアルは、正面左、レンズの横。
ペンFと同様に、ここに、オプションの露出計が付く。
構造は同じですが、サイズが違うので、オリンパスの物は付かない。
普段RF使っていると、シャッター音と振動にびっくりする。
この点は、ペンFに劣る(当時の普通の1眼レフと同じ)
基本、アクセサリーシューが無い。私の個体はオプション品が付いている。
52mmF1,8付で、ほぼジャンク価格。ハーフ兼用なので、」少し高い。但し、Pの方は、ほぼ珍品。数はない。
別に買った、28、35、85、135の方が、よほど高かった。
基本コニカARマウント。ペンタ、ニコンなどで使えるアダプターが有った様です(私、他の1眼レフ使わないので、持っていませんが)
御祭り、お渡り。250sF8。ヘキサノン35mmF2,8で撮影したものの中央部(ハーフ版撮影、こんな感じ)

ナースマン 2017/12/17(Sun) 07:27 No.1095
SR-1s
ミノルタSR-1s
1967年発売
ニューSR-1の最高シャッター速度を1/500から1/1000に改良したモデル。
ミノルタのメカニカルシャッターSLRのなかではシンプルで軽量。
シャッター速度に連動する別売露出計が前面にクリップオンされる。
ミラーアップ機構があり、対称型広角SWロッコール21mmf4.5とf4が装着出来る。

初期SRシリーズはこの矢印部分のビス頭がMDレンズの最小絞り検知カプラーに衝突して最小絞りが使えない。
これに対して平頭ビスに交換するサービスが、MDレンズ発売後受付された。
いまとなってはどうしようもないが、標準MD50/1.7ならf22が使えなくなるだけで実用上はさほど支障無いし、MC以前のレンズなら何も問題無い。

れんずまにあ 2017/12/17(Sun) 23:09 No.1096
SR-1
れんずまにあ様の一つ前のSR-1です。

 シャッター速度の最速は1/500 ボディーのアチコチに意匠的な段差が有ります。

 まだ、真鍮叩き出しのボディーエッジは何となくぬるい感じで、それがそこはかとなくレトロ一眼レフ感を醸し出しています。
 とはいえ、分割巻き上げ可能なボディーとまっさらなファインダーは距離計機と併用しても然程違和感はないと思います。

 SR-1は同じ名称で何種類かのボディーが有ります。そんな処を研究されている方もいらっしゃいます。

 露出計はセレンとCdsの2種。実はもう一種類Cdsの外付けファインダーが有りますが、インターフェースが違っていて
このSR-1には装着できません。

 露出計が無くても全ての機能(極初期のSR-1は違う様です。)が働きますので、写真を撮る分には不自由しません。
(あッ プレビュー機構は有りませんね。)

efunon 2017/12/18(Mon) 21:20 No.1097
ヤシカ ペンタマチックII
ヤシカ2機種目の一眼レフ。

ニコンFに遅れること1年、1960年、ヤシカがリリースした一眼レフ、初号機ペンタマチックはクイックリターンミラーとペンタプリズムを装備、レバー巻き上げクランク巻き戻し、裏蓋開閉式と近代一眼レフの条件を満たしている。
ただしシャッターで自動的に絞り込まれるが、ミラー復帰で開放絞りに戻らず巻き上げで開放に戻るセミ自動絞りであった。

1961年、このペンタマチックIIでミラーのクイックリターンに連動し開放絞りに復帰する完全自動絞りに改良された。

専用露出計はなく、見ていないが外部露出計はこの後のペンタマチックSから対応する。

専用バヨネットマウントは大口径でフランジバックが短く、当時のたいていのマウントを流用できるポテンシャルがあったが、M42とExakta用しかアダプタは出なかった。但し不人気機種なのでアクセサリーはほとんど入手できない。

動作は如何にも洗練されておらず、ペンタマチック時代からシャッターは二段落ち(ゆっくり押し込んでいくとまず自動絞りが作動し、間を置いてミラーアップ/シャッター走行する)。IIになって改良されたかと思ったら、同じだった。
また巻き戻しには面白いカラクリがあるが、私は慣れずにフィルムを切ってしまった。

自動絞りを装備したのはよいが、知る限り標準レンズしか自動絞りに対応していない。(初期55mmf1.8、後期58mmf1.7のみ)。
ペンタマチックマウントの35/2.8,100/2.8,250/4を入手し、重厚長大な250はしかたないとして、頻用されるはずの35と100さえも全部プリセットなのに驚愕しました。おそらく135/3.5もそうなのでしょう。
折角自動絞りマウントを採用したにも関わらず、レンズシステム構築まで手が回らなかったのか、不可思議なカメラです。

ペンタマチックSの後、ヤシカSLRはM42自動絞りのペンタJにマウント変更し、同時に電子化、AE化に進んでいきます。

れんずまにあ 2017/12/19(Tue) 21:43 No.1098
フジカSTX-1
あ、ペンタマチックはレンズマウントが特殊すぎてレンズ入手は容易じゃないですね...すみません。標準セットは余裕で1万切りますが。

今度こそ。フジカAXマウントです。(これも今は容易とは言えないか?)

M42メカニカルシャッターSLRのST605をAXマウント化した普及機。
特徴はシャッター最高速1/700!
主に海外向けだったそうですが、如何な普及機であっても価格的競合機であるプラクチカLTLの1/500を上回る必要があったのではないかなと。

縦が高いので小型という印象はありませんが、横幅はOM-1やペンタMXより小さいほどの立派な小型軽量機です。

なんと言っても電池機揃いの、しかも4SR44専用のAXシリーズにおいて、何の下準備もなくひっつかんで出撃できるメカニカル機なのが最高です。

M42のフジノンは結構高価になってしまいましたが、AXマウントは不人気なので同じ構成のフジノンを安価に使えます。

フジカAX系はM42自動絞り連動アダプターX-Sがあり、ほぼM42機(絞り込み測光機)と同じ使い勝手になります。
X-Sは単に自動絞りレバーが動作するのみ。測光は絞り込み(AE機で絞り込み実絞りAEになると思いますがやったことない)
参考にX-Dは、AX-5専用で、開放f値をアダプターにセットすることにより瞬間絞り込み測光でM42開放測光シャッター優先AEとプログラムAEが可能になります。ただし今どのシャッター速度で切れているか表示は出ません。

私のSTX-1は露出計故障してますので単独露出計か山勘ですが、X-Sで自動絞りになると快適ですねえ。
でもM42レンズはM42機で使えば良いんですけども....

れんずまにあ 2017/12/19(Tue) 22:04 No.1099
Re: STX-1
あっ 久しぶりに拝見しました。

フジがほとんどなかった事にしたいAXシリーズのマニュアル機ですね。
当時、メーカーがレンズマウントを決める時は、ユーザーの事を考えて長く続けて欲しいと思いました。
 最後の頃には、タムロンのアダプトールの使用を推奨していたのには何だかなぁと感じていました。

 ST-605シリーズは意外に長い歴史が有って、10年選手なんです。最高速の1/700にかなり拘る方
も多く、1/500にしちゃった方が良いなんていわれていました。
 小型で決して悪くは無いのですが、同時期の他社製品と比べて競争力は足りなかったのかもです。…(個人的な感想です。)

>AXマウントは不人気なので同じ構成のフジノンを安価に使えます。
 そうなのですが、見つけるのが少々大変かもしれません。標準以外があまり見つかりません。
やはりアダプトールか〜。

 フジはかなり早くから標準ズームのセット(当時43-75)を提唱していて、AXシリーズにもXフジノンZDM 43-75mm F3.5-4.5 が用意されていましたね。
 
efunon 2017/12/20(Wed) 21:33 No.1100
ペンタックスSV
ペンタックスの発展途上に有って、近代的な一眼レフの要素を完備した一眼レフです。

・完全自動絞り
・等比等間隔シャッターダイヤル
・フィルムカウンターの自動リセット
・外部露出計の対応
・それに何と言ってもセルフタイマーの装着(家族写真はコレがないと始まりません。)

 セルフタイマーは一般的な場所ではなく、御覧の様に巻き戻しクランクの基部にセットリングが有ります。
そのセットリングには誇らしげに”V”(Vorlaufwerk:事前に作動する時計機構)の文字が刻印して有ります。

 操作感は前述のミノルタSR系よりも少し巻き上げが重い感じがします。(以前使っていたSPUも同じ感じがしました。)一日中使っていると、少し指が痛くなります。
ファインダーはザラツキが有りますが、当時としては標準的でピントのピークが見易いファインダーです。
高精度とはトレードオフなのですが、マイクロプリズムの稜角がきついのか、少し暗めのレンズを付けると陰り易くなります。

 名機SPの陰に隠れてしまって、ジャンクBoxで見かける事も多い機種で、満身創痍になっているものが多く、
逆にキレイな個体を探すのが大変なほどです。

 エプロン部の意匠がクラシカルな雰囲気を漂わせていますので、雰囲気を楽しまれるのも良いと思います。

 レンズはM42なので色々なモノを選べますが、逆に新しいレンズは探すのが難しく感じます。

efunon 2017/12/20(Wed) 22:25 No.1101
Re: Pentax SV
ペンタックスは玉が多いのか、驚くほどこなれた価格で出て来ますね。
この黒はアクセサリーシューとボディがあまり変わらない価格でした(笑

最近はSPでも全く電池を入れませんので、このSVやSLといった露出計非内蔵機に食指が動いてしまいます。
特にSVはSPより少し小柄で(気のせいかもしれませんが)手に馴染み、フラッシュ接写で活躍しています。

しかし外部露出計も時代が二回りほど廻って、格好いいと思えるようになりました。

M42はやはりタクマーが豊富で、特にSMC以後は信頼できる性能です。
オートタクマー時代はSMCと較べて解像力は比肩できるものの逆光耐性が明らかに劣ることをよく経験します。
これは多層膜コーティングだけではなく鏡胴が大型化し懐が深くなったことや、内部の迷光処理が良くなったのだろうと思います。
でもコンパクトなプリセットやセミオートのタクマーも魅力的です。エクサ辺りに付けると似合うのです。

標準は最もポピュラーなSMC55/1.8、大変よく写りますね。世界に誇れたと思いますし、これで十分という気もしますが、トリウムたっぷり豪華な50/1.4も優秀。マクロタクマー50/4も極めてシャープで軽量。スーパータクマー55/2も悪くない。友人に譲渡したゾナー型という58/2は癖がある面白い描写でした。

あとは手元にK3があるけど、シャッター走行不良でお蔵入りしています。スキルが付いたら直してあげたいのだけど...
メカニカル機は死蔵すると調子を崩しますが、酷使しても突然破損するので気が抜けませんね。

れんずまにあ 2017/12/20(Wed) 23:44 No.1102
Re: オートレックスP
ナースマン様のオートレックス作品拝見しました。奈良は伝統行事が多くてフォトジェニックですね。

フルサイズとハーフの途中切替が出来るので利用範囲が広い。
昔拙宅にもPがありましたが、不調になってしまい、修理技術がある友人に贈与してしまいました。
ARレンズ何本かが宙に浮いたので、Acom-1を充てています。シャッター優先AE機ですが電池無しで機械シャッター機として使っています。

ハーフで使うには望遠側は便利ですが、広角側が物足りなくなり、海外からニコンアダプタを求めました。私は元々マニュアルフォーカスニコンなので。
でもアダプタは普通絞りになってしまうので、AR純正には敵いません。

シャッター優先AEのオートレックスはシャッターストロークが長く、感触も重く私はPの軽く切れがよいシャッターを評価します。
ハーフとしては大きく重いけど、しっかり掴めて撮影結果もよいカメラですね。
れんずまにあ 2017/12/21(Thu) 00:10 No.1103
Re: オートレックスP
ナースマン様 れんずまにあ様

 コニカの機械式一眼レフでオススメは何でしょう。
ARレンズも程度が良いのに廉価で、使ってみたいとは思うのですが、何が良いのか今一つです。
 ナースマン様のオートレックスPは良いお値段なので、出来ればもう少し安く入手出来ればと思います。
efunon 2017/12/21(Thu) 21:28 No.1105
Re: コニカの機械式一眼レフ
efunon様、非常に偏った意見で恐縮ですが。

AR前のコニカF系マウントは興味深いのですが交換レンズ探しが大変なので当然考えないとして。
オートレックス(Pじゃないほう)は個人的にはシャッター感触が少し気に入りません。かなり重いので覚悟が要ります。
FTAはそのシャッターが少し軽くなりました。ストロークは長いので好き好きです。ボディが重いのは変わりません。
オートレックスT3は常識的なシャッターストロークに改良されています.所持したことがなく,触った記憶が曖昧でなんとも言えませんが.
Acom-1は軽くて安くて私は好きです。チープでスローがが1/8までですが私はスローをほとんど使わないので。
FC-1は電池カメラになってしまいました。
TC-XはAcom-1よりさらに小さく軽くチープ。スペックも同様に1/8まで。この軽さが40mmf1.8や50mmf1.8、後期35-70や28mmによく似合います。

実はFT-1がお勧めと言いたい所ですが電池カメラなので、個人的には軽さ、価格、入手しやすさでAcom-1、次ぎにTC-Xを推します。

れんずまにあ 2017/12/22(Fri) 05:27 No.1106
Re: 機械シャッター式自動絞り35mm一眼レフ
ヘキサノンARレンズ。
本体側P。右のアイトレット部に当たり。へこみ、ゆるみ。ジャンクで1万程(ジャンクにしては高かった)
軍艦部を外し、中からたたき出し、カシメた。序に、注油、掃除。
ヘキサノンレンズ。大阪駅のYカメラ。T3と共にまとめて出ていた物。50mmF1,4と200mm外して購入。1つ1〜2万程。
Pに200付けると、流石にでかく重い。シャッターの振動もあり、手持ちだとぶれそう。銀塩が現役だった頃です。
28、35素晴らしい。隅まで十分でカラーにも強い。
普段RF使っていると、28が普通に使えるのは、有難い。
85mmF1,8も良い(私85が好き。ほぼ標準で、色々な組み合わせで使っている)
但し、やはりでかく重い。M3にニコンより重い。キャノン7にジュピター9当たりがちょうどよい。
後、持っていませんが、FS1の標準。40mmF1,8.このパンケーキ良さそう。ヘキサノンAR、1つ持つならこれが良いかも。
T3。現役の頃、友人が持っていた。私当時、ペンタSP、ロライ35SL持っていた。メーターが、どっこいしょな動き。遥かにT3の方が、反応が早い。
ヘキサノンの良さも有り、半分手が伸びていた(それで後に、P手に入れた)
電池を入れなければ、どれも同じですが、それでも、T3の作動感は良いと思う。
因みにT3の正式名称は、コニカオートレフレックスT3です。
ナースマン 2017/12/22(Fri) 07:44 No.1107
Re: Hexanon 40mm
ナースマン様ご質問の40mmf1.8
大変薄く軽いですが、他社の「パンケーキ」と違いf1.8の明るさ、最短撮影距離が60cmではなく45cmと、小型化されても使い勝手が犠牲になっていません。
描写は、開放からf2まではハロが多く、Mロッコール40やコシナウルトロン40よりコントラストが低いですが解像力はまずまず良く、f2.8からハロが消えてシャープになります。f5.6から四隅も均一になりよい像です。
このクラスでは設計が新しいウルトロンが最も高コントラストで他社より一絞り分画質飽和が早いですが、少し大きいのがマイナスです。
AR40は付けていることを忘れさせるコンパクトさがいいですね。

最後期の50mmf1.8は40ほどではないものの小型ですが経験がありません。
AR50/1.7は無理な小型化をされていないからか、他社同クラスと同様によい性能です。
れんずまにあ 2017/12/22(Fri) 18:53 No.1108
ペトリ FTE
ペトリFTEです。

 ある年齢以上の方ならご存知かも知れませんが、普及価格の一眼レフを供給していたメーカーでした。

 このFTEは、EEレンズを装着すればシャッター速度優先のEE(AE)一眼レフとなります。
(このEEレンズがなかなか見つかりませんと云うより、オークションではよくEE以外のレンズとは区別されずに出品されていますのでもし御入用でしたら探されてはいかがでしょうか。)
 このEE機構は、マウントから突出した細いロッドがボディー側から押されて、その押し込み量で絞りの固定値を変更させるとても華奢な構造です。
 故障し易いと云われているペトリにさらに故障しやすい構造を二階建てに増築した様になっています。私のレンズも最初EEが働かず、このロッドの曲がりを直してやっと正常動作になりました。


 ペトリの一眼レフは、カメラ底部に通った1本のシャフトの回転でミラーの動作タイミング等を取る構造が有名でしたが、FTEは違う板状のリンク構造になっているそうで、少しだけ一般的なカメラに近づいている様です。但し、最初の一台としてはオススメできませんが、標準レンズの55mmは優秀です。

efunon 2017/12/24(Sun) 20:17 No.1110
タムロンアダプトール2 コニカAR
コニカは交換レンズの種類が豊富で極端に珍しいレンズ以外の常用焦点距離なら入手容易ですが、あって嬉しいタムロンアダプトール。
私もタムロン愛用者です。

さてコニカARマウントのアダプトール2マウントは、予めレンズの開放f値を交換マウントにセットしておけばAE機構に連動します。マニュアルで使う分には不要かもしれませんが。
ただし、海外サイトに気になる情報があります。
http://www.buhla.de/Foto/Konica/eFS-1Haupt.html
FS-1以降ボディにアダプトール2を装着すると絞り連動機構を破損するかもしれないと。
それ以前のメカニカルシャッター機は問題無いようです。

アダプトール2のARは持っていますが、2-3度作動確認しただけなので、実際に破損した経験はありませんが、常用は少し敬遠してしまいます。
れんずまにあ 2017/12/26(Tue) 20:42 No.1113
ニコンFM
ポピュラーな実用機を。

ニコンFM
1977年発売。ニコンの機械制御シャッター露出計連動中級機ニコマートFTを小型軽量化し、レンズとボディの露出計連動カップリングを簡便化したAi方式を採用した。
当時小型軽量が流行しておりニコンがそれに対応した形だが、OM1やペンタMXのような極限の小型化はせず、取り回しの良い中庸なサイズにとどまっている。
2ヶ月前にAi方式のニコマートFT3が出ており、しばらくFMと併売された。ニコンとしてはF2を出した時Fの方が売れ行きがよかったという経験から旧機種改良型も併売したと思われるが、結果的にFT3を選ぶユーザーは少なくFMは好評で迎えられた。

FMは露出計オンオフを巻き上げレバー予備角で行う。
私はFE育ちなので撮影終了後レバー収納位置に戻し、撮影前に予備角に引き出すのは習慣になっているが、当時からレバーを予備角にしないとシャッターが切れずチャンスを逃す、予備角のままバッグに収納すると電池が消耗してしまう等の不評があったため、後継機のFM2ではシャッターボタン半押しで露出計オン、一定時間で自動的にオフに改良された。

FMはオーソドックスな縦走りメタルフォーカルプレーン、1〜1/1000、Bでフラッシュ同調1/125。シンクロはXのみFPなし。シャッター音は少し甲高い。
シャッターボタンは一般的な中心レリーズネジと、スクリューライカ用レリーズの外ネジが共用できる初期ニコン共通の独特な形状。外ネジを利用しソフトシャッターレリーズAR-1が装着出来る。レリーズの押し心地は適度に軽く、中級機クラスでは最速のタイムラグ性能を持っている。(キヤノンAE-1やA-1は非常に遅く、ヤシカコンタックスも意外に遅い)

露出計表示はファインダー内のみ。左側にシャッター速度が回転板で表示、右側に+◎ー赤LED。上部にプリズムでAiニッコールの絞り値が光学的に導かれる。
巻き戻しクランク周辺は何もなくシンプル。シャッターダイヤルに感度調整部がある。

発売当時のセットレンズはAiニッコール50mmf2。翌年FE登場と同時に出たAi50/1.8(Big型)と交代したので数は少ないが、構成は以前のモデルを踏襲している。物凄く高性能とは言えないが手堅い写り。

れんずまにあ 2017/12/28(Thu) 18:27 No.1114
ヤシカFX-3
ヤシカの廉価版機械シャッターヤシコンマウントカメラ

1979年発売、
外装プラスチックで大変軽量。
シャッター1/1000〜1,B、機械式セルフタイマー
露出計連動+◎−LED表示。SR44x2仕様。

過不足ない機能をもった普及機。コンタックスと同じミラー垂れ下がり現象が起こりやすく、ジャンク多し。
1985年京セラから出たシャッター1/2000に引き上げたヤシカFX-3スーパーに交代。
海外ではヤシカブランドが通っていたのでそのままヤシカ銘で通し、1993年FX-3スーパー2000に。
その後中国企業がヤシカブランドを引き継ぎ新品が出回っているとか。

私のFX-3は初代と2000なのですが両方ともミラー下がりを起こし、シャッターが死亡しています。
どちらもジャンク箱1000円救出組で、フィルム数本通したからいいのですが、もう次を買う気力はないですし、最近はジャンク箱にマニュアル一眼レフが入ることも無くなりました。

ヤシカコンタックスのレンズは、ずっと日本製ツァイス35mmf2.8一本だけ167で使ってきました。その後暗い廉価なラインを幾つか買い足しましたが、どれも抜群によく写ります。最近α7で検証していますが、同スペックの他社製品と較べて価格をあまり考慮せずに全力投球で製作されている印象を受けます。手頃な価格で遭遇したらお勧めします。

で、ボディは何を勧めるか、ですが、もう高級ラインのコンタックスボディでも十分安価なんです。電池排除ならFX-3しかないけど、(コンタックスS2はまだ高価)ちょっと信頼性耐久性が疑問符なので、単4我慢できれば167MTか137MAは如何でしょうか。目◎鼻◎とも言いますが....

れんずまにあ 2017/12/28(Thu) 21:04 No.1115
Re: ニコンFM
 ニコンFMはとてもバランスが良い機種だと思います。

FやF2とは違った軽快な操作感は、最初は華奢な感じを受けましたが、ファインダーの見易さと
シャキッ!としたタイムラグの少ないレリーズは軽快そのものでした。
 ニコンとしては、初めて成功したタイプの軽量機ではないかと思います。それまでのニコマー
ト銘のクラスだと思いますが、マーケッティングをし直したのではと感じていました。
efunon 2017/12/29(Fri) 08:20 No.1116
Re: ニコンFM
そういえば最高級機以外にニコンの銘を使ったのはFMが最初だったかと思います。
F2, ニコマートEL, FM, ニコマートFT3が並んだ当時の広告を思い出しました。
日本光学としても本腰を入れた機種だったと想像します。

翌年発売の絞り優先AEを入れたFEはキヤノンA-1と同時期で、この頃のニコンは新機能を押さえた手堅い展開をしていました。FMも他社に随分遅れた小型化でした。但し、操作性は十分以上に練られていると感じます。
カタログには出ないけど巻き上げが大変軽くスムーズで、操作するのが楽しいですね。オリンパスやキヤノンは結構ゴリゴリです。OMは部品焼き入れの結果そうなると反論してましたが。

レリーズ感触は、1970年代後半の製品ならだいたい完成域と言え、快適なものが多いと思います。その中でもFM, FEは落ちるタイミングが取りやすく、よい印象です。この後は電磁レリーズが主流になっていきます。

FM2のシャッター作動音が大きく感じられたので、きっとバネが弱いFMのほうが静かだろうと思っていたら全然かわらなかった。
個人的にはこのカメラの用途に超高速シャッターはいらないので、1/1000までのFMで十分です。

ユーザーにはカタログデータ以上の意味はありませんが、測光素子にシリコンフォトダイオード:SPDではなくガリウム:GPDを使っています。シリコンより肉眼に近い色感受性を持っているのでSPDに必要な色フィルターが要らないと書かれていましたが、その後FEからSPDになりGPDは使われませんでした。

実はFM歴は数年と短いのです。プリズムカバーに打痕があるので大変安価でした。
この頃プラスチック黒ボディが巷に溢れていたので無性にクロームボディが欲しくなり、これを選びました。最近は黒ペイントボディが好きになっています。そんな選り好みが出来るほど昨今のフィルムカメラ価格は下落してますね。
れんずまにあ 2017/12/29(Fri) 08:53 No.1117
ブラックボディー
>無性にクロームボディが欲しくなり、これを選びました。最近は黒ペイントボディが好きになっています。

あ〜ダメです。こんな事を書いては!
 また値段が上がってしまいます。と云いつつ、確保してきたペンタックスSPのブラックボディーのミラーアップを修理中です。

>そんな選り好みが出来るほど昨今のフィルムカメラ価格は下落してますね。

 自分で巻き上げて、自分でピントを合わせて、自分で露出を決める。 何て事はない事がとても素敵に感じられる様になりました。
 もう商品価値は無いと判断された機械がジャンクBoxに入っていると、このまま朽ちさせ
てはいけないと思う様になって、現在、メカニカルシャッターのクロームボディーがパンデミック状態です。
efunon 2017/12/29(Fri) 18:30 No.1118
フジSTX-2
富士フィルム最後の35mmフィルム一眼レフ。
1985年海外販売。海外通販で購入。
AXマウント。

機械式シャッター露出計連動マニュアル露出一眼レフ
STX-1(1979年)からの変更点
ブランド銘がFujicaからFUJIに。
金属外装からプラスチック外装へ。
電池ボックスを軍艦部背面から上面に。
シャッター最高速1/700を1/1000に。

元々小型軽量のSTX-1をさらに軽量化。
シャッターダイヤルの高さが低くなり操作性が低下した。

ファインダー視野左にシャッター速度表示、機械連動指針表示、視野右+◎ー表示にLEDランプ点灯。

セットになるレンズはX-フジノン55mmf2.2またはX-フジノンFM50mmf1.9が多いが、勿論すべてのX-フジノンが装着可能。

さてX-フジノン55mmf2.2だが,かなり明るいにも関わらず4群4枚と現代レンズとしては極限の簡単構成。
それで性能は,といえば近年まれに見る収差の嵐で、個性的と言えばこんなに偏った近代レンズを知らない。
Lomoとか安原みたいに狙って設計したのではなく、真剣に標準レンズとして作っているだろうところが凄い。
最短60cmは、上級50/1.9や50/1.6もそうなので特に手抜きされているとは言えない。どちらかと言えば全部廉価版なのだから。

れんずまにあ 2018/01/07(Sun) 15:52 No.1125
Re: ブラックボディ
>>最近は黒ペイントボディが好きに
>あ〜ダメです。こんな事を書いては!また値段が上がってしまいます。

かはは。
元々ガラス越しの撮影を主にしていたので、ボディは黒が必要でした。
レンズ穴開けた黒ボードを付けても良いのですけど、一々大層ですからね。
クロームの美しさも認めます。
でも1970年代以前の日本製クロームは、そんなに綺麗じゃありません。

昔はブラックといえばペイントです。
ライカにはブラッククロームてのがありましたが、日本製は覚えがあまりない。ミノルタXEとXDくらい?

ペイントにも質があるらしく、ペンタックスSP以前やライカM3などは品質が不良でブツブツが湧いてくるそうです。
ライカはちょっと価格に見合わないですが、ペンタは湧いていても気にしません。塗りが剥げた真鍮地を尊ぶ向きもあるそうですが、私は別にどっちでもいい派です。

> 自分で巻き上げて、自分でピントを合わせて、自分で露出を決める。 何て事はない事がとても素敵に感じられる様になりました。

本当に楽しいです。昨今最先端の動画からの切り出しとは対極の撮影行為です。
連写の有用性は否定しませんが、ワンショットの楽しみは強調しておきたい。

> もう商品価値は無いと判断された機械がジャンクBoxに入っていると、このまま朽ちさせ
てはいけないと思う様になって、

そうなんですよね。私は成り行きでアンチFD派だったのが早々に落ちて、FTb黒に始まりF1も手にしています。
FD辞めた友人の放出レンズ群が原因ですけど。
同様に、ジャンク箱から拾い上げた不動状態の機械が積み上がっています。

れんずまにあ 2018/01/07(Sun) 22:05 No.1127
OM1
オリンパス製35mm一眼レフ。
1972年発売のM-1を1973年名称変更。
追針式連動露出計つき機械シャッターカメラ。
発売当時35mm一眼レフで最小最軽量。(EXAのほうが小さいのでは?)
操作性はニコンやキヤノンなどと少し異なるが、慣れれば問題無い。

ファインダーアイポイントが短いかわりに視野角が広く倍率が高い。
わたしは裸眼なのでOMのファインダーは好みです。
この個体はMDマークは入っていませんが底蓋はモータードライブのカップリングができるものに交換されていました。

我が家で初の35mmフルサイズSLRとして父がニコンを購入したため、学生時代はニコンを使っていましたが、フラッシュ接写に強いOMシリーズにずっと憧れていて、就職を機にOM4Tiにシフトしました。
そのサブにと、88年にOM1を求めました。まだ持病のプリズム蒸着剥がれはないようです。
オマケについてきた初期型50/1.8の描写はあっさりしていて、あまり好みではありませんが十分よく写ります。

れんずまにあ 2018/01/16(Tue) 00:51 No.1144
Re: ブラックボディ
>ライカにはブラッククロームてのがありましたが、日本製は覚えがあまりない。ミノルタXEとXDくらい?

 ブロニカS2も。

ステンレスの黒着色は結構難しく、出来るメーカーは限られていました。
efunon 2018/01/16(Tue) 20:54 No.1145
Re: 機械シャッター式自動絞り35mm一眼レフ
ロライSL35、ブラックです。
70年にロライが最初に作った、1眼レフです。
ペンタSPより1回り小さいですが、未だ絞り込み測光です。
74年開放測光のSL350が出た時バーゲンで購入。
50mmプラナーF1,4、85mmゾナーF2,8、M42アダプター付きで、10万程でした。レンズ共、ロライシンガポール工場製造です。
どっこいしょと動く露出計を除き、作動感は良かった。
当時ペンタSP持っていた。比べると、使い勝手は、ペンタの方が良かった。私、1眼レフはほとんど使わないので、妹の所へ嫁に出す。
妹は美術科を卒業、若いころは宝飾会社で、金細工していた。
作画、造形は、専門家。SL35を20年使い続けた。
妹がルミックスに変えたので、出戻りした。妹に寄れば、レンズがカビ。カビ取りに出したとの事。
40年して、ケース、ストラップはボロボロ。
でも本体に剥がれも無い。レンズのカビ以外、故障もない。
基本的に丈夫な作りです。
74年当時、ロライはフォクトレンダーを傘下にしていた。
フォクトレンダーVSL1。此方は、開放測光。Pマウント。
ツアイスイコンが最後に設計した1眼レフを、フォクトレンダー銘で、ロライが製造した物。
ウルトロン、ダイナレックスなどのレンズが使える。
どちらも、今見つけると珍品だと思うが。
画像は、当時のパンフレットです。

ナースマン 2018/01/17(Wed) 08:56 No.1146
Re: SL35
SL35にまつわる素敵なお話拝読しました。
いつも気になっているカメラです。
新品でお買いになったいわゆるワンオーナーに遭遇したのは初めてです。
SL350が結構故障しやすいという噂があり、逆にSL35の評判が上がったと聞きます。
最近露出計を使わずに撮影する事が多く、絞り込み測光機でもあまり不便ではありませんが、なかなか良い位置に絞り込みボタンが付いている気がします。
ペンタックスSPとどちらが使いやすいか、興味ありましたが、SPに軍配が上がりますか。

ゾナー85/2.8とは粋な選択ですね。評判が良いレンズだったかと。

拙宅のQBM機は友人からのVSL3-Eで、M42のVSL-1と違って完全にSL35Eのガワだけ変更です。確かにM42のフォクトレンデル(確か70年代の雑誌はこの表記)レンズは今珍品でしょう。
れんずまにあ 2018/01/17(Wed) 22:13 No.1147
ニコンFM10
1995年発売のFマウントメカニカルシャッターSLR

コシナOEMと言われ、プラスチック多用でニコン製より随分安っぽいがマニュアルフォーカスニコンでは最軽量の420g。
ニコン製のFM590g、EM460g。
ニッコールは重いものが多いので、それほど恩恵とも言えないが。

伝統的ニコンの操作系である巻き上げレバー予備角起こしでシャッターロックが解除される。
プレビューボタン、機械式セルフタイマー、多重露光レバーなど、当時のマニュアルフォーカスSLRに望ましい装備は網羅されている。
出来ないのはスクリーン交換、データバック、モータードライブ接続程度。

3点LEDによるTTL露出計、スイッチはシャッターボタン半押し中のみオンになるため、シャッターダイヤル操作中はオフになり、シャッターを先に決め絞りで露光調整する伝統的操作法になる。

私の個体は2000年頃Professional Photographic Repairでハーフフレーム改造してもらいました。
その頃、ハーフフレームでないと出来ない用事があったため。(penFでも良いのですがTTL露出計の精度が低く耐久性が華奢で)
用事が済んでお蔵入りしていたものを最近再使用しています。特殊フィルムの現像条件設定中、ハーフフレームの多数コマが役に立っています。

れんずまにあ 2018/01/17(Wed) 23:04 No.1148
SL35
当時、憧れのプラナーとゾナーが使える1眼レフ。衝動買いした物です。
ワンオーナーと言っても、使ったのは2年ほど。使い続けたのは妹です。
ペンタSPとの比較と言うより、使い慣れたM3との比較が正しいかも?
ペンタの交換レンズも、妹の所に行き、私の所に残ったのは、標準付きSPのみ。此れもほとんど使ってません。
先に述べたように、ヘキサノンが使いたくて買ったオートレックスP。1眼レフは、ほぼこれ1台でした。
シャッター音、ミラーショックを比べると、オートレックス>ペンタ>SL35の順ですね。
水銀電池が無くなってから、妹もほぼ感で撮影していたようです。
久しぶりで、カビ取りしたゾナー使ってみようかな。
このゾナー。明るさを抑えた分、小型。ほぼ標準並み。
オートレックスに、85mmF1,8付けた時の様な仰々しさが無い。
SL35のレンズ。プラナーF1,4はHFTコート。此れはロライ製のレンズ。プラナーF1,8とゾナーF2,8はHFTコートでなく、ツアイス製。私のゾナーはツアイス製の物です。
奈良も雪が降りました。ゾナー85mm。125sF3,5

ナースマン 2018/01/17(Wed) 23:21 No.1149
Canon Flex RP
キャノンフレックス RP です。

 こちらに集われる皆様はご存知かも知れませんが、
現在に続く”P”モデルの機械式一眼レフです。

 キャノンの資料にも書かれていますが。連動距離計機の名器、Canon P の姉妹機です。

 色々と書かなければいけない所が有りますが、まず一般的なカタログデータは1970年
頃のシャッタースピードが最高速 1/1000 クラスの機械です。
 アルミダイキャストの骨格をブラスクロームのカバーで包んだ一般的な構造ですね。
ファインダー視野率は 水平94% 垂直92%です。全面マットで露出情報等は何も有りま
せんので、スッキリとしたものです。
 一般的なアクセサリーシューは無く、キャノン後期の連動距離計機と同じ側面のター
ミナルにアクセサリーを取付ける構造です。


 と、一般的な部分はここまでで、まず特徴的なのは巻き上げ方式です。これが、ちょう
ど初代キャノネットと同じ底部の回転レバー巻き上げです。

 使い易いかと聞かれると慣れればどうという事も有りませんが、上部レバー巻き上げが
多い中では逆に新鮮です。
色々と書かれる事も多い機構ですが、一般的に使用する分には楽しいと思います。

 シャッターダイヤルの基部に平目ローレットの様に見えるのは、外部露出計との連動ギ
アーで、Canon PやY型の外部露出計を水平断面がより正方形に近い感じに圧縮された様
な形をしています。

 レンズはSuper canomatic R レンズを装着します。

Rレンズは絞りの動作をレンズ内部のスプリングで行います。レンズマウントに見えるレバ
ーはそのスプリングのチャージする為のボディーとの連動用レバーです。

 巻き上げを行うと、まずこのレバーが往復して絞りスプリングをチャージします。次にレ
リーズすると、レバー近傍のスイッチがボディーから押され、露光完了後にスイッチが戻っ
て開放に戻ります。
 絞りリングとは別に絞り込みリングが用意されていて、ちょっと設計が袋小路に入ってし
まった様な構造となっています。この辺りは故障が多い様です。

 FLレンズも使用可能ですが普通絞りになります。
Rレンズは、58mm F1.2やラックピニオン式の望遠レンズ等が有って、興味深いです。
58mm F1.2 レンズは、キャノンの標準F1.2レンズの中では最も廉価に入手できるレンズです。


 やはりカメラは黎明期が面白いですね。内部的には前期種からどんどんと改良されていて
キャノンフレックスの中では安定して使用できる機種だと思います。

efunon 2021/05/02(Sun) 14:18 No.1864
Re: CANONFLEX RP
キヤノンフレックスマウントは、いまだ手を出したことがありません。
エクサクタもですが..
ハマると沼に落ちてしまいそうで...非常に複雑な自動絞り動作をするとだけ認識していました。ユーザーの話では大変ジェントルな作動をするとか。

ただし関西では、ほとんど出物を見たことがなく、交換レンズも滅多に出ず、状態が良いものはさらに少ない。
FLが一応装着可能なのですね。詳しくは全く知りませんでした。

今近所にRMが置いてあり、沼にはまらぬよう踏みとどまっています。
れんずまにあ 2021/05/04(Tue) 23:44 No.1866
Re: Canon Flex RP
キャノンフレックスRMは見た目以上にしっかりしたカメラですね。

あの肩部に内蔵された巻き上げレバーになんとなく抵抗が有って、私はRPにしました。
なぜ、頑なに普通の巻き上げレバータイプにしなかったのかなと興味が尽きません。

Canon Flex にFLレンズは使用可能と云うのは、単に”普通絞りのレンズが使えるから”です。

やはりリスクは覚悟でRレンズを使用されるのが良いです。私が購入したきっかけは、
海外のインスタグラムで、カメラマンがRPを使用している動画を見て!という多分に
ミーハーな動機で入手しました。その時の少しくぐもった様なレリーズ音が良い感じでした。

操作感は意外に硬派ですね。何を動かしても”カチッ”としています。

あと、レンズについての記事が、”特殊なのでキャノンフレックス専用”と書かれているので、
その意味が知りたかった事も要因でした。

意外に、レンズの価格も魅力的です。標準のF1.2が数千円で入手できました。
距離計機と殆ど差が無いレンズ構成は、キャノンのV型以降をお使いの方には、何の違和感も
なくご使用出来ると思います。殆どの望遠レンズが距離計機のままです。

やはりカメラは黎明期に限ります
efunon 2021/05/05(Wed) 08:43 No.1867
トプコンRE-2
トプコンRE-2

東京光学製
REスーパーの廉価版の手堅い中級機として,1965年に発売.
定価 58mmf1.8つき,39,800円,ケース2000円
ファインダー固定式.
縦走り金属膜のコパルスクエアSシャッターのため,X接点1/125と上級機REスーパーよりストロボ撮影に有利.
そのためシャッターダイヤルがカメラ前面に来ている.
CdSミラーメーターはREスーパーと同様.
ファインダースクリーン補助合焦装置は初期はスプリットマット,後にマイクロマットがある.これはマイクロマット.フレネルのピッチが細かいトーコーブライト.

トプコンSLRの中ではこの下にレンズシャッターのユニシリーズがあるので中級機ですが,REレンズシステムとしてはREスーパー/スーパーDの下に位置します.この後、RE200, 300という普及機が出て,RE-2は役目を終えましたが,上級機にひけをとらない作りの,硬派なカメラです.

コパルスクエアSはシャッター調節機構がシャッター走行と並行なので,採用したコニカオートレックスや,リコー シングレックスと同様にカメラ前面にシャッターダイヤルがついていて,操作上の特長になっています.逆にREスーパーでカメラ前面にあったシャッターレリーズボタンは標準的な軍艦部に移動しました.

れんずまにあ 2021/05/07(Fri) 20:37 No.1870
トプコンREスーパー
トプコンREスーパー

東京光学製,1963年発売.このモデルは「前期型」1965年ごろ.
定価 58mmf1.8つき 54000円,ケース2000円
   58mmf1.4つき 61000円,ケース2500円
ファインダー交換式
横走り布幕フォーカルプレーンシャッター,1/1000-1秒,B
CdSミラーメーター
1作動180度巻き上げレバー,クランク巻き戻し
エクサクタマウントに自動絞り,開放測光用のピンを備えるREマウント

キヤノンフレックス,ニコンFと並び立つ重厚な最高級機.
ファインダーとフォーカシングスクリーンが交換可能.
世界初のレンズ後方から測光するシステム,しかも完全自動絞り,シャッターと絞りに連動する開放測光であり,現代にあってもなんら使い勝手に遜色がない.
交換レンズや,接写システムも必要十分に備わり,何故日本で主流になれなかったか不思議なほど.
(多分高価であったこと,報道に食い込めなかったこと,自動露出対応が遅れたこと,エクサクタマウントの限界など複数の要因だったのでしょう)

私はエクサクタには手を出さない方針で,トプコンも遠ざけていましたが,1981年カメラレビューの接写特集でトプコンのマクロレンズ系が好意的に紹介されていたことが常に気になっていたところに,トプコン専門の友人からの斡旋もあり,にわかオーナーになりました.

れんずまにあ 2021/05/08(Sat) 23:50 No.1871
TOPCON RU (Automatic TOPCON R /BESELER TOPCON C)
1960年に発売されたトプコン RU

先代のRに対して自動絞りとなり、プレビューレバーとセルフタイマー
を組み込んだ大型の一眼レフです。

れんずまにあ様がご紹介されているREスーパーの2世代前にあたります。
ですが、ボディーのどこにもどこにもRUとは入っていません。

シャッターのスペックは、B〜1/1000 低速側優先の1軸式回転シャッター
です。
巻き上げ前後でも設定シャッタースピードが判る同軸の矢印は、ちょう
どキャノンWSb改の様です。

使用してみると、1/1000の場合は他の多くの距離計機と同様に、ダイアル
がちょっと持ち上がった状態で固定されます。
この辺りの指標間隔は狭くて、次のRVの一軸不回転シャッターでの改良
を待たなくていけませんが、過渡期の製品特有の楽しさです。
 低速優先なので、高速側のシャッターダイアルが何処に有っても、低速
側が黄色い1/30を外れていると低速シャッターになります。
 
 ファインダーはスリットの入ったREスーパーよりもスッキリとしていま
す。視野はトプコンご自慢の”トーコーブライト”をベースにスプリット
イメージと、それを取り囲むマット面が有りピント合わせは容易です。
 インストマニュアルには標準の5.8cmを装着すると等倍(ライフサイズ)
となっていますが、実際には0.8倍位ではないかと思います。

ファインダーを外すと、アイピースレンズの回転止めのセットビスが有り
ます。アイピース部のリングを外すと、アイピースレンズのブロックを回
転させるスリワリが有り、セットビスを緩めてレンズブロックを回転させ
ると、狭いながらも視度調節が可能です。

 カウンターは、巻き上げレバーと同軸で、手動セット式の”減算型”カウ
ンターです。暫く使っていないと”0”に合わせてしまい、面喰います。

 巻き戻しクランクの基部は、フィルム種のインジケーターになっています。
この基部とボディーの間に狭い間隙が有ります。
 ここには、アクセサリーシュー(ホットシューとはなっていません。)を
差し込む事が可能です。(私は持っておりませんが…。)

 大型で重量の有る一眼レフではありますが、各部の操作感はやはり一級だと
思います、

efunon 2021/05/09(Sun) 17:21 No.1872
Re:トプコンREスーパー
REスーパーは、ウエストレベルファインダーを使っても、TTLが使える利点が有りました。
 ボディー上面から露出調整が出来るのはとても便利でした。

それと。トリプレットの135mmマクロレンズが有りました。鏡胴のスイッチを押すと絞り込まれる
面白いギミックが装備されていました。
efunon 2021/05/09(Sun) 20:34 No.1873
Re: マクロトプコール135mm
マクロトプコール135mmf4

トプコンはマクロにも力を入れており,一般市販品としてはじめての拡大専用レンズ30mmf3.5や,ベローズやヘリコイドリングと組み合わせて使うプリセット58mmf3.5(のちにヘリコイドつき自動絞りレンズになった),そしてefunon様がご紹介のプリセット135mmf4も供給された.

マクロトプコール2種のプリセットは,スプリングチャージしておくと鏡胴のボタンまたはレリーズによって瞬時に絞られる.そのため自動絞りでなくても,どんなベローズやリングでも,たとえ他社のボディと組み合わせても,使い勝手が変わらない.

Macro Topcor 135/4, compact bellows, Topcon RE2

トリプレット構成の短鏡胴マクロレンズ.プリセット絞り.ヘリコイドエクステンションチューブに装着すると無限遠から約80cmまで,このベローズ1型の場合は最遠距離4mから等倍まで焦点が合う.

れんずまにあ 2021/05/13(Thu) 00:56 No.1877
トプコンスーパーDM
トプコンスーパーDM

製造:東京光学
製造年:1973年
標準レンズ:REGNトプコール50mmf1.4またはf1.8
マウント:トプコンREマウント(エクサクタマウントに自動絞りと露出計連動を追加)
シャッター:横走り布幕 1/1000-1,B

トプコンREスーパーの発展型最終機。
ファインダー交換式、ブラックボディのみ。
標準ファインダーでは絞り値がファインダー内でも視認できる。
オートワインダーが装着できるようになった。
伝統的トプコンカメラのフラッグシップだけに大変しっかりした動作で、信頼性が高い。

れんずまにあ 2023/12/09(Sat) 21:49 No.2438
Re: トプコンスーパーDM
最近はこういった感じでマクロ写真を楽しんでいる。
拡大率が高いと、巻き上げでフレーミングが変化しにくいワインダーが重宝。
近接で外部自動調光してくれるパナソニックPE280Sが便利。

れんずまにあ 2023/12/09(Sat) 21:53 No.2439
ペンタックスSL
ペンタックスSL
1968年発売、SP(1964)の露出計と絞り込み測光レバー、底部の電池室を省略した「酷使に耐える」普及機。ボデイのみ27,000円,ブラックは1000円高。標準レンズはSMCタクマー55mmf1.8
重量595g(SPは621g)
基本性能はSPと同様。それでも露出計が必要なら外部測光のペンタックスメーターSLをペンタプリズム上に乗せてシャッターダイヤルにカップリングする。
ES, SPFやSPIIからホットシューがついたが,SLはSP同様脱着式のコールドシュー。

れんずまにあ 2024/01/25(Thu) 23:01 No.2477
キヤノンFX, FT
キヤノンFT 1966年発売
キヤノンFX 1964年

FLマウント 機械シャッター、自動絞り。
FXは左肩にCdS受光部をもつ外部測光。軍艦部上面にシャッター速度に連動する指針が、感度に応じた絞り値を指します。
FTはTTL絞り込み測光、ファインダー内に定点合致指針表示。コンデンサーレンズを斜め45度に分割しそれをプリズム反射面にして光の一部を受光素子に導く、のちのF1の測光システムに受け継がれた測光機構。

FLレンズマウントは、R, FDと同じ機械接続面を持ち,定位置にレンズを押し付けて締め付けリングを回す旧FDと同じスピゴットマウントだが、他システムに使いたい場合は互換性についてよく調べてからにすべき。
FTbとEFなど初期FDカメラはFLレンズを絞り込み測光で使用可能らしいが、自己責任で。

れんずまにあ 2024/11/21(Thu) 20:16 No.2643
Re: キヤノンFX,FT
FLレンズは大変安価なので、露出計を使わない/モノクロ撮影が主体と割り切れば、とても節約したシステム構築ができます。
といっても一部の大口径や超広角などの人気があるレンズは高価ですし、なにぶん古いシステムなので、特に広角系はサイズや性能に若干不満が出るかもしれません。

この中で58mmf1.2は最近値上がり傾向かも。昔はとても安価だったのですが。
それとFL28mmf3.5は、FLボディが増える前に売ってしまい、写真に残していません。
気合を入れてカラー撮影するときには新しめのFDで行きますが、散歩にはFL楽しめます。

れんずまにあ 2024/11/21(Thu) 20:21 No.2644
Re: FL50mmマクロ
キヤノンのマクロレンズは、FL時代にこのテッサー型が登場し、FD初期まで引き継がれ、ニューFDになって同じスペックのガウス型に更新されました。
テッサー型マクロは、他にヘキサノンARや、ペトリ、タクマー、マクロキラーなどがあり、明るさを欲張らなければ、焦点面は大変シャープです。

FL50/3.5は単体では1:2倍までのヘリコイドを持ち、自動絞り、絞り込み測光です。
面白いことに、マイクロニッコール55mm初期型や、コンタレックス用プラナー50/2クロームと同じく、繰出によって絞りが開いていく、露出倍数自動補正機構をもっています。
前述2機種と同様に、絞り開放ではそれ以上開かないのですが、1段階、f4.5に絞ると、最短までの繰り出しで開放まで開いていきます。つまりf4.5より小絞りでは露出やフラッシュの補正をする必要がないのです。
露出はTTL絞り込み測光なので、実絞りの値が得られます。その場合ファインダー逆入射光が問題になりますが、上記のコンデンサープリズムの効果で、その問題も解決されていると考えられます。
これが開放測光のFD時代になると、機構と合わないので他社も早々にやめてしまったのですが、オールマニュアル、必要に応じて単体露出系というスタイルだと、結構ありがたい機構だったりします。

もう一つ特徴的な機構があります。
等倍にするにはライフサイズアダプターという自動絞り連動の中間リングを使用します。これはマスターレンズの表裏を逆に装着するようになっていて、裏側(下面)の、延長した時の露出倍数を加味した絞り値(開放はf5になる)と、撮影倍率が表示されるようになっていて一目瞭然です。

マイクロニッコールはレンズ上にレンズ単体と、接写リング併用時の目盛が左右に割り振られて煩雑です。
このような機構はコニカARマクロ55mmのエクステンションチューブでも採用されています。

れんずまにあ 2024/11/21(Thu) 20:33 No.2645
Re: FLマウント接写機材
FL時代には接写機材が提供されています。
FD後デザインを変えて受け継がれたものもあります。
これはFLマクロフォトカプラー、ヘリコイドリングの先端はフィルタースレッドになっていて、これだけでリバースマウントができるものです。フィルター径が違うレンズのためにステップアップリングも用意されていました。

れんずまにあ 2024/11/21(Thu) 20:50 No.2646
キヤノンFTb-N
1973年発売

キヤノンF-1同年の1971年に、Fー1で採用された完全自動絞り、開放測光機能を持ったFDレンズに対応した普及機として、66年発売のキヤノンFTQLをFDレンズに対応させたキヤノンFTbが発売された。
FTbは、それまで販売されていたFLレンズの絞り込み測光、定点合わせメーターと同じ操作でFLレンズが使用できるように、大型の絞り込みレバー(セルフタイマーレバーと兼用)を採用していた。
分割コンデンサーに蒸着を施し、中心12%部分測光を行うのもFTと同様。

FTbーNは、セルフタイマー/絞り込みレバーが小型化され、一般的開放測光機と同様の外観になった。
他にファインダー内シャッター速度表示
 シャッターボタンの変更
 巻き上げレバーにプラスチック指当てがつけられた
などの小改良が施されている。
外観からは、ーNとは記入されておらず、FTbとだけ刻印されている。

この機種が、キヤノン最後のメカニカルシャッター普及機になった。この後は、ニューF1の、電池を外した時に緊急で動作するシャッターと、EFの高速側しかメカシャッター機は存在しない。

Fー1に及ばない機能は最高速度が1/1000まで、ファインダー交換ができない、程度で、アマチュアにはこちらの方が売れ筋である。
最近の価格は低迷しており、FT、FX、FTbQLとあまりかわらない低価格で並んでいる。程度は玉石混交で、その場で判断するしかない。
FT系の持病として、ペンタプリズムを抑えるモルトの腐食によりファインダー視野が汚れて見えることが頻発している。
焦点合わせは大きく障害されないが、購入時は注意すべき。

れんずまにあ 2024/11/24(Sun) 19:54 No.2652
アサヒペンタックスKM
1975年発売。旭光学製。

バヨネットKマウントのカメラ:K2, KX, KMの3機種が同時に発売されました。
まだこの時期までは、アサヒペンタックスです。
K2は、縦走り電子メタルフォーカルプレーンシャッター装備の開放測光絞り優先AE機。
KXは後述のKMと機能が被りますが、横走り布幕メカニカルフォーカルプレーンシャッター、分割巻き上げ可能。SPD素子によるTTL中央重点開放測光。露出計表示は追針式、レンズ絞り値をファインダーに導くサブプリズムがありファインダー内で露出情報を全て確認できます。マニュアル機としては充実しています。

KMはKシリーズのボトムラインで、機械部分はKXと同じですが、CdS素子、平均測光、定点合致式。絞り表示プリズムはありません。中身はSPFがそのまま入っているといわれています。動作音などもSPと同じように感じられます。

ファインダー視野率はK2のみ95%、KXとKMは93%でSPと同じ。55mmレンズでは等倍になります。

KMは大変シンプルな、枯れた技術でまとめられ、故障は少なかったといいます。
露出計にはSR44x2が必要ですが、なくても機械的には動作しますし、液漏れで電気がダウンしているジャンクは驚くほど安価です。私もそのような個体を楽しんでいます。

この後わずか1年で、オリンパスOMに対抗したMX, MEが登場し、KシリーズはMシリーズに置き換わっていきます。K2は改良型K2DMDがしばらくフラグシップとしてM系と併売されますが、KX, KMは国内では早々に消えることになります。それにしては中古を結構見かけるのは、それだけ人気があったためでしょうか。
KMはセルフタイマーやプレビューボタンを省略した海外輸出モデルK1000に根強い人気があり輸出は続き、のちに写真学生やシンプルな機械式カメラを好むユーザー向けに、国内販売もされています。外国人にはMシリーズは小さすぎて不評で、Kシリーズに需要があったという話もあります。

さてネットでは、KマウントM42アダプターで互換性を良好に確保したと書かれていますが、他社たとえばローライSL35、フジカX、マミヤNC、プラクチカBのように自動絞り連動アダプタならまだしも、Kは手動絞りで、しかもカメラ側にアダプタが残り、KマウントカメラがM42カメラになる仕様。M42資産を多数維持し、Kマウントレンズは使わないならそれもありですが、互換性という点では私はあまり評価していません。もちろん使えるだけでも十分だということもできますが。

KM+SMCペンタックスMマクロ50mmf4。テッサー型で小口径、安価ですが焦点面は大変シャープ。

れんずまにあ 2025/01/09(Thu) 21:15 No.2687
トプコン ユニレックス
トプコン ユニレックス
東京光学機械

1969年発売のレンズシャッター式35mm一眼レフカメラです
ちょっと交換レンズが手に入り難いかも知れませんが、標準レンズと本体に135mmレンズを買い足ししてもネガフィルム1本位の金額で済んだので参加します。

シャッターはセイコーシャSVLでB・1〜1/500secセルフタイマー有り
標準レンズはUVトプコール50mmF2.0(4群6枚)最短距離は0.6m〜∞
中望遠レンズはUVトプコール135mmF4.0(3群4枚)最短距離は1.8m(!)〜∞
重量は実測675g(本体のみ)

東京光学製カメラの廉価版ライン、トプコンUVマウントを用いたレンズシャッター式一眼レフカメラ。ウィンクミラーSから始まったシリーズの3代目で事実上の最終機です。
28mm・35mm〜200mmまでのレンズラインナップを持ち、TTLスポット・平均測光が切替可能。
ただしSSの最速が1/500であること、マウント口径の制約から明るいレンズを供給できないことなどで購買層が限られていたかも知れません。後にセイコーSLVの生産が打ち切りになり、レンズシャッター機は終了。UVマウントのレンズ資産が生かせるIC-1オートがフォーカルプレーンシャッター機となって発売されました。

レンズシャッターの動きなんですが、レリーズした瞬間にシャッターが開いた状態から一旦閉、ミラーが上がると開いて露光→閉じる→ミラーが下りる→開、という順番になるのでしょうか?結構複雑で、動作部分にストレスが掛かる構造のように思えます。

本機はミラーとプリズム後部にCDSを内蔵しています。ミラー中心部に透過スリットが入っていて、やや暗いのは残念。Rシリーズなどと違いペンタ部が細身でトプコンらしさは感じられませんが、姿の整ったカメラとして気に入っています。

取り敢えず撮ってから 2025/04/18(Fri) 19:13 No.2818
Re: ユニレックス
トプコンユニレックスは大変よくできたリーフシャッター一眼レフですね。
フォーカル機に迫る豊富な交換レンズシステムもさることながら、操作性と作動が、フォーカル機に遜色がないほどに洗練されていて、全く違和感を感じないところが素晴らしい。重量サイズは当時のフォーカル機よりも、現代の目で見てもコンパクトですし。
友人に勧められてオーナーになりました。
シャッター径による制約と、上級機REシリーズとの差別化もあって、暗めのレンズラインですが、その分コンパクトで割り切れたら持ち出しやすい。
その中で標準は、一応暗所撮影でも行えるf2.0が確保されてる。なかなかのシステムです。
マクロ好きな私としては、近接レンズが用意されていないのが残念ですが、それはREで行えということでしょう。今となっては入手困難ですがREシステムに接続できるアダプターもあったようですし。

とりあえず撮ってから様御入手の135/4は、画質が向上したと評価が高い後期型ですね。

れんずまにあ 2025/04/20(Sun) 21:46 No.2830
トプコン
れんずまにあ様
コメントありがとうございます。ユニレックスもお持ちだったのですね。しかもレアと言われるブラックでケースまで揃っているとは!
ユニレックスはブラックボディの標準レンズがわざわざ黒色に塗装されているとは聞いていましたが、本当だったのですね!

135mmレンズは前期型の方が前玉が大きくて立派でしたが、そうですか、画質が良くなったのですね。実はまだ実写していないので期待しちゃいます。
取り敢えず撮ってから 2025/04/23(Wed) 18:24 No.2833
リンホフ テヒニカ70

Linhof Technica 70

1962-79年製造
6x7cm判、主にブローニーフィルムを使用する合金製テクニカルカメラ。距離計連動1眼式ビューファインダー、セレン単独露出計つき。
重量2230g(ボディのみ)

日本国内価格:351000円(70年,ボディのみ),398000円(73年,ボディのみ)(エキスパート70は253000円)
ムーブメント:フロント光軸ティルト上下それぞれ15度、シフト左右25mm、ライズ(ギア)32mm、フォール(15度ドロップベッド併用)34mm、スイングなし、後部スイング/ティルト15度(引き出しロッド長20mm)、
フォーカシング:ラックアンドピニオン(ブレーキあり)、レール二段伸ばし、ベローズ延長310mm
基本構造、レンズボード、回転カムなどアクセサリーはスーパーテヒニカ23Vと共通。

画像:ベッド収納状態の全体像、入射光アダプタ、アナトミカルグリップつき。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:17 No.1574 [返信]
ファインダー
ファインダー:採光式ブライトフレーム等倍、実像式距離計連動。広角標準は4ft(1.2m)まで、望遠180mmは6.5ft(2m)までパララックス自動補正しながら距離計連動する。基線長は93.5mmと、中判RF機では最も長いものの一つであり、焦点距離240mmレンズを中距離まで連動できる精度がある。また無限遠と600ft(180m)の距離の違いを識別できる。
参考:*https://www.shutterbug.com/content/classic-camerasbrthe-linhof-technika-70

画像:ファインダーとフレーム切替 広角・標準枠は常時表示、望遠枠を出すか消すかをダイヤルで切り替える。ダイヤル下方に距離表示。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:20 No.1575
ファインダーフレーム
ファインダーフレームは交換レンズにあわせてタイプ1:65/100/180、タイプ2:53/80/180、タイプ3:53/100/180 があり、購入時に選択し、少なくとも現在においては変更できない。
広角・標準が常時表示され、後部ダイヤルで180枠を追加する。このファインダーはライツ製という話を聞く。実際見え味はM3に匹敵する。
さらにヘリコイドレンズ交換のプレス70はフレーム自動切替であり完全にライカMの機能を備えている。(訂正:2022年に改めてプレス70の実機を確認したら、テヒニカ70と同じく53/80と+180の手動ダイヤル切り替えでした。大昔の店舗で見た記憶だけでしたのでお詫びします。)

追記:ファインダー視野上端中央に上下の三角指標が見えます。これは水準器で、指標を合致させるとローリングとヨーイング両方で水平になります。外部からは水準器は見えません。ただし縦位置(テヒニカ70を普通に保持した時)専用で、カメラを横倒しにすると水準を取ることはできません。

画像:180mm枠を表示したタイプ1ファインダー 中央の距離計は枠が縦位置のとき左右に像が動く。ライカMと同じく実像式で上下像合致も可能。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:21 No.1576
内蔵露出計
向かって右の距離計窓周囲にゴッセンのセレン露出計が配置され、左のファインダー窓とデザイン上のバランスを取っている。同時期の他社カメラにも見られるように、入射光測定用のカバーが装着出来、カバーを外せば一般的な反射光測定になる。測定値は軍艦部上面のメーター窓周辺のダイヤルで追針しシャッター速度と絞りの組み合わせを読み取る。

画像:ボディ上面にある露出計表示部

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:22 No.1577
日本での価格
1970年5月「フォトアート特集大型カメラ70台」によると、ハッセルブラッドを輸入していたシュリロ貿易が代理店であった。

リンホフのプレスカメラは、スーパーテヒニカV4x5、5x7、テヒニカ5x7、リンホフ・テヒニカ70、エキスパート70、リンホフ・プレス70、エアロプレステヒニカ70、エアロテヒニカ4x5が紹介されていた。エキスパートとは、テヒニカ70の露出計・距離計ファインダーを省略したホースマンVHのような軽量化機種である。
日本国内価格:351000円(70年,ボディのみ)(エキスパート70は253000円)

1973年「フォトアート特集大型・中型カメラの選び方使い方」では、エキスパートが消えたかわりにスーパーテヒニカV23が導入された。プレスとエアロテヒニカは明確に6x7と記載があるが、テヒニカ70は6.5x9とされている。
日本国内価格:398000円(73年,ボディのみ)

1979年に70は終了し、以後はリンホフの中判テクニカルカメラはスーパーテヒニカV23単独になった。

ところが、ウェブ画像検索すると、エキスパート70とスーパーテヒニカVが同じ説明書に掲載されているものがある。
そこでは、Super Technika V(大書されこちらがメイン)連動距離計つき、Expert 70(小さめ)距離計なし、となっている。
日本への供給が止まっても、ある程度Vと併売された(売れ残り?)と見える。

Expert 70は英語圏向けの名称で、ドイツ語圏は「Studienkamera 70」研究/調査カメラという呼称のようだ。

画像:エキスパート70(フォトアート1970,5月より)

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:25 No.1578
アオリ機構について。他機種との比較
大型のアナトミカルグリップが装着でき、距離計連動手持ち撮影を重視しているが、カメラ固定しフォーカシングスクリーンを使ってパースペクティブコントロールや、超近接(100mmで3倍まで)、レボルビング縦横切替撮影ができる万能性を併せ持っている。

それに対して距離計連動撮影に特化したプレス70は、上記のようにボディクランクによるフィルム巻き上げ連動セルフコッキングという、35mmカメラ並の操作自動化がなされたかわりに、プレス専用スーパーローレックスとボディの間にギアカップリングがあり、レボルビングとバックアオリはできない。フォーカシングはヘリコイドなので最短撮影距離が遠く、テヒニカ70のような万能性はない。(フォーカシングスクリーンバックは縦位置装着可能でバルブ開放下で焦点合わせできる。)

アオリ操作は後のスーパーテヒニカ23Vと共通で、IVと較べ左右のスライド追加、及びティルト軸がベースからボード中心に変更され、後傾に加え前傾もできる。ただし23Vまでフロントスイングは付かなかった。またベッドダウンを併用しなければフォールができない(これはテクニカル全般がそうであろう)。いずれにせよフロントムーブメントは十分すぎるほど充実しており、特にもっとも頻用するライズはギアで微調整が効く。

余談ながらホースマンは985以後フロントスイングを装備したが、985はレボルビングできない。それに対して、元からレボルビング可能なリンホフはカメラを横倒ししティルトすればスイングと同じになるから敢えて装備しなかったと考えられる。ホースマンはVH以後レボルビングできるようになったが、スイングはそのまま継承された。
バックアオリは4隅のロックノブを緩めてロッドを引き出す方式で、ホースマンやマミヤプレス23に模倣された馴染みがある形式である。ただしマミヤプレスはロックが華奢で、シートホルダーはともかく重いロールホルダーでは実用性が低いが、リンホフはノブを締めるとビクともせず、最も重量級のスーパーローレックスでも構図がずれることはない。

リンホフ70はスーパーテヒニカ23Vに準じる、(唯一ライズ時は上面フラップがないためライズ量が制限される)最高レベルのアオリ機能を持っている。
ただしテクニカルカメラである限界で、ビューカメラの簡単明快なアオリ作業と較べると、操作に癖があり、熟練と洞察が必要である。それは我々アマチュアにとって使いこなす楽しみでもあるが、煩雑であることは否定できない。
しかしリンホフカラー45という、前後のアオリが全くマスターテヒニカ45と同じ操作系をもつモノレールビューカメラが存在しており、積極的にテヒニカの操作系を好む層もあったと考えられる。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:27 No.1579
交換レンズ1
交換レンズラインは、機種別画像掲示板 リンホフテヒニカ23(6x9)狸おやじ様の純正レンズ一覧表を参照ください。

私は自分で経験したレンズ寸評をします。単体レンズは他機種での経験も含みます。

標準
80mmはプラナーf2.8がラインアップされました。開放から6x7をカバー、f11から6x9を十分カバーします。おそらくRolleiflexに装備されたものと同じではないかと思いますが、6x7では準広角、絞れば6x9の広角として使用出来る、明るく信頼できる優秀レンズです。グラフレックスXLにはヘリゴン80/2.8がありますが、リンホフにも供給されたのでしょうか?
100mmクラスは、105/3.5テッサー、105/4.5アポランサー、100/2.8プラナー、100/2.8クセノターと、少数の90/2.8、90/3.2ヘリゴン、100/4クセノターがあります。V型ボード付きジンマーS100/5.6もありますが23V時代でしょう。
100mmは開放から6x9をカバーし、何れも優秀です。90は基本6x7用で絞れば69をカバーするとされていますが、開放でも69カバーするのではないか?と思っています。また100/4クセノターは実焦点距離が95mmで67用とされ、存在意義がよくわからないレンズです。
この中では最高画質はジンマー、明るい開放から実用的ピントをご希望ならプラナーとクセノターf2.8がお勧めでしょう。
アポランサーはトリプレット発展3群5枚なのでイメージサークルは狭いのですが、画質はジンマーに匹敵します。また開放が暗めで元々製版レンズだっただけに近接は得意です。私はボケはあまり気にしないのですが、構成上良いボケは期待できないかもしれません。
テッサーは他機種の経験で、写りは及第点ですがアポランサーほどシャープでなく、イメージサークルが狭いので、わざわざテクニカルカメラで使うには不満が出るかも。
ヘリゴン2.8はリンホフでは経験ありませんが、多分グラフレックスXLの95mmと実焦点距離は同じかと思います。XLでポジ撮影した時は非常に良い印象でしたが、ぺんこたん様がリンホフ23IVで試され周辺画質が不満足であったそうです。
ジンマーは前玉外しで176mmf11になる元祖ジンマーと、二焦点ではないジンマーSがありますが、元祖はリンホフでは経験ありません。6x9範囲では100mmとしては非常に高性能で、現代に通じる規範となる画質です。ジンマーSは周辺の非点収差を改善したとされ、ディスプレースメントの自由度が拡大したと考えられます。

画像:前列左からXenotar100/4、Xenotar100/2.8、Symmer-S100/5.6、後列左からSuper-Angulon 65/8、Tele-Arton180/5.5、Apo-Lanther105/5.6

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:29 No.1580
交換レンズ2
95-100mmf2.8クラスが別ボディながら4機種揃いましたので全比較しました。

私が高く評価するマミヤプレス用セコール100mmf2.8は、海外ブランドに伍して今回も良好な結果でした。

100mmf2.8のプラナーとクセノターは、どちらも無限遠では開放から全画面優秀、少し絞ると画質が締まります。近接1mではクセノターのほうが像面湾曲が強く、周辺は焦点面が手前側に倒れています。6枚玉に匹敵する5枚玉といえど、1枚落ちで大口径と近接収差の両立は難しかったのかも。プラナーは1mでの像面湾曲は多少ましで、さすが構成が1枚多く平坦を売りにしているだけのことはあります。

こちらに画像を出していませんが、クセノター100mmf4は、f2.8ほど近接で像面湾曲は見られません。無限遠画質は同絞りのf2.8と同レベル、近接もマクロと言えるほど突出して尖鋭でなく、さりとてイメージサークルが特に広いわけではない。このように存在意義を疑っていましたが、像面含めバランスがよい所にメリットがあるのかもしれません。

ヘリゴン95/2.8(グラフレックスXL)は開放から四隅まで非常に端正で、やはり私の個体は当たりだったと再確認しました。

画像:左上Sekor 100/2.8(Mamiya Press)、左下Heligon 95/2.8(Graflex XLS)、右上Planar 100/2.8(Century Grafic)、右下Xenotar 100/2.8(Linhof Techinica70)

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:30 No.1581
交換レンズ3
広角
45mmf4.5Biogonを海外サイトで見掛けますが現物を見たことはありません。恐ろしく少数なのでしょう。6x7用とされています。
47mmが使えるのを、前の一覧で初めて知りました。大変興味深いです。ネット通販で、テヒニカ23レンズボードにヘリコイドを内蔵した47/8を見たことがあり、あるいはそれを使うのでしょうか。いずれにせよSuperangulon(SA)47mmはf8,f5.6,MCf5.6共に大変素晴らしく良く写るレンズです。その中でMCは鮮やかで明快、f8は超小型軽量で、中心は開放から超繊細、周辺はf16より絞ると6x9周辺画質がかなり向上します。ところで47mmフランジ位置はボディ内部に沈み込むためアオリはほぼ不可能。ベッド写り込みも懸念され、縦位置可能なのか疑念があります。ファインダーも外付け(縦位置困難)となり、リンホフ70で使うメリットを感じられません。47mm以下は単能の広角専用機のほうが機能的ではないかと思っています。ただ、何しろ重いシステムですから他にもう一台はきついので、鞄に一本放り込んでおけば活躍するかもしれません。
53mmクラスは絶品であるBiogonf4.5と、SuperAngulonf4があります。友人がSAを持っていますが、かれはBiogonのほうが好みのよう。ただBiogonは大変大きく重く、SAは細身です。グラフレックスXL改造品のBiogonで、後玉スリーブの4突起の角度が悪く6x9端が蹴られたことがあり、スリーブを回転させ突起位置を調整し解決しました。ご注意を。リンホフ70でベッドダウンが必要かどうかは存じません。ネット画像ではテヒニカIV装着でドロップベッドしていないようですが、巨大で前玉が出ているのでベッドでけられないのでしょうか。
58mmGrandagonf5.6もラインにあるようですが、58mm用ファインダー視野枠はありません。グラフレックスXLの経験ではたいへん優れた広角です。
65mmはSuperangulonf8とf5.6です。47mmf8では6x9の周辺画質が若干甘く感じることがありますが、65mmは4x5をカバーできるイメージサークルの中央を使うため、開放から6x7-6x9全画面にわたって高画質です。余談ですが、リンホフ4x5ボードに65/8とヘリコイドが組み込まれたものも存在します。後にシュナイダーが供給したヘリコイドと違ってボードから突出しない薄型で、広角用フォーカシングデバイスを必要としない優れものでしたが、一般的ではなさそうで残念です。またIII-IV廉価版セット(Tessar100/3.5、Angulon65/6.8、Tele-Xenar180/5.5)に含まれる広角アンギュロン65mmf6.8もあり得ますが、III-IV型凹ボードセットのみでV型ボード組は未見です。

65/8は開放から画面隅々まですばらしい解像とコントラストで、暗いけれど十分実用的です。

画像:スーパーアンギュロン65mmf8 ベッドダウン、前板アップティルトしています。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:33 No.1582
交換レンズ4
望遠は,180mmが主流です。
私の70付属はテレアートンf5.5でした。ボードに隠れる後玉は大きいのですが、シャッターより前は標準並みに小型。Tele-Artonはf4.5も存在しゾナーなみの巨大な前玉ですが未経験です。
他にコンパクトな望遠は、ロテラーf5.5、テロマーf5.5いずれも端正な画質で信頼できます。
またIII-IV時代から最高級セットにはゾナーf4.8が組み合わされていました。ビオゴン53と違ってゾナーはグラフレックスXLにも供給されたため数が多く、価格的にこなれています。

個人的にはゾナーとテロマーが最もシャープ、ロテラーは柔らかく諧調にすぐれ、テレアートンは中庸で端正です。
III-IVの廉価セットにはテレクセナーf5.5が組まれていました。Tele-Xenar180は3本試して良くないものもありましたが、最近入手した1本は良好で、本来はよく写るはずです。イメージサークルが上記4機種に較べ狭い(35° vs 41°)分安価で、サイズが小型なのはメリットです。

1980年代には中判テクニカル用テレタイプが絶滅したため、23V用望遠にはジンマーS180/5.6が供給されていました。リンホフは前述のようにレールが二段伸ばしで伸長に余裕があるため、対称型長焦点でも実用的な距離まで焦点が合うのが利点です。

240mmまで距離計連動可能ですが、1つのディスクカムには3焦点距離しか対応できないので、240には別ディスクを用意するか、広角,標準,中望遠のどれかのかわりに240対応するしかありません。私は未経験です。
距離計連動しないでよい場合は、レール伸長が310mmありますから、対称型300mm、テレタイプ400mm程度まで無限遠が出るでしょう。後玉径62mm以下、シャッター最大径80mm以下なら装着可能です。
リンホフはレールが二段のため1段のホースマンやグラフィックより長焦点に強く、応用範囲が広くなります。

画像:テレアートン180/5.5

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:36 No.1583
ピントグラスバック
70シリーズの特徴は、ファインダーが縦位置専用であることです。フィルムホルダーを縦位置装着しないと大変な目に。レンジファインダー撮影での横位置は、レボルビングせずにカメラを横倒しです。

テヒニカ70はレボルビング横位置も可能ですが、ファインダーは追随しませんので、視野を確認するにはじっくり焦点板を使のが基本、もしくは外付ファインダー、あるいは山勘撮影を強行するしかありません。等倍ファインダーなので山勘もそう捨てた物ではありませんが、ブライトフレームがよくできていますから、つい横にしたのを忘れてふらふらフレームで作画しかねず危険きわまりない。(もしかして、広角フレームの左右は標準レンズの長辺相当と見当付けて使える?)

もうひとつ、ファインダーフレームのプロポーションは6x7(56x72、国産と較べ少し横長)です。フレーム外が大きく写り込む大雑把なグラフレックスXLと違い、リンホフ70ではライカM3なみに厳密なファインダーフレームなので、56x84mmの6x9バックを付けたときは脳内で範囲を換算しないと意図せず長辺が余計に写ることになります。他社6x7ホルダー、例えば実画面56x68mmのホースマン10EXやグラフレックスホルダーRH10を装着するときは、逆に長辺がフレームより僅かに短く写ることになるでしょう。

さて、私の70に付属してきたピントグラスバックは、貼革の色合いからリンホフ23IV用とのフルーツポンチじゃないかなと思うのですが、如何にも縦位置専用の被写界深度表を見ると果たしてそうなのか確証が持てません。
ジャンク70(?)付属のピントグラスバックが本来のセットなのかもしれませんが、スクリーンは交換できますから今となっては不明。

(追記:2022年にプレス70ボディを確認したら、上記テヒニカ70に付属していたものと同じ貼革色調のピントグラスバックが付いていました。プレス本体はテヒニカ70ボディと同じ色ですから、これで正規のセットである可能性が高い。プレスもポンチを否定できませんが。ではジャンク70ボディに付属していたピントグラスバックは一体何? 余談ですがプレス70のピントグラスはグリップと干渉してレボルビングできないようになっています。強引な気がしますが、プレス70は縦位置専用カメラなので合理的です。取り外して横装着することは可能ながら、普通しないと思います。)

画像:ピントグラス2種、左:Technica70付属、スクリーンに56x72表示,右:ファインダー外れジャンク付属,56x72と2-1/4x3-3-1/4の二重表示

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:38 No.1584
グラフロックアダプター
さて、リンホフ70は蛇腹後端の開口部が79x79mmしかない(二個体で確認)ため、6x9フルフレームが写らない6x7専用機と以前記載しましたが、誤りを訂正します。
ホースマン8EXホルダーで実写すると、縦横位置ともに、少なくとも100mm標準レンズでは56x84mmをカバーしています。蛇腹を伸ばすと、けられないようです。お詫びして訂正致します。

画像:ミズタニアダプター

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:39 No.1585
ファインダーなしボディ
これはジャンク箱で見付けたファインダーブロックが外されたボディ。色合いが私の個体と違うので果たして70かどうか確証はありませんが、距離計連動アームが残っていて、Vボードなのは70としか思えません。見てくれは不良ながら、機能的には(ナンチャッテ)エキスパート70です。ファインダーがないと非常に小型で軽量になり、出撃の敷居が低くなります。リンホフ70と違って横位置を主体にしています。すると65mmでもベッドダウンが必要でなくなり、レンズ交換が楽です。言うまでもなく焦点板専用。

画像:「ソードオフ70」フジノンA180/9つき、フロントライズしています。蛇腹表面ひび割れてますが漏光はない模様。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:42 No.1586
ファインダーなしボディ2
撮影は、純正焦点板とスーパーローレックスのペアでよいのですが、ミズタニのリンホフ23ーグラフロックアダプターとホースマンロールホルダー(後期,プラスチック製)を組み合わせれば圧倒的に軽量です。

ミズタニのアダプターは精度に問題がある個体があり、私の2個のうち1個はリンホフとフランジバックがずれていて、リンホフのスプリングバックと互換性がありません。しかし、ホースマンのピントグラス、またはアングルファインダーを使えば、グラフロックのフランジが一致するため全く問題ありません。

難を言えば、リンホフのバックはワンタッチで脱着できるのに、グラフロックは2カ所のロックなので煩雑になる所。ところが私のような粗忽者はリンホフバックの焦点板を縦位置で構図決めたのに、頻繁にスーパーローレックスで横位置撮影するものですから、ミズタニのほうが失敗防止できてまさに「フール・プルーフ」だったりするのです。

画像:「ソードオフ70」ミズタニアダプター+ホースマンアングルファインダー、バックのティルトをかけています。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:44 No.1587
スーパーアンギュロン65mm使用法
広角65mm使用法 *狸親父様のリンホフ23のスレッドもご参照ください。

1,ベッドを90度に起こし、ベッドの向かって左側にある、ディスクカム切替レバー(→)を押し込んでカムを「65」指標に合わせる。レバーがロックされている場合は銀のロック解除ボタンを押しながら操作する。
2,1段目(外側)レールを伸ばすと、ベッド基部のディスクカム(→)に黒点と65数字が見える。
3,ベッドレールをもっとも引っ込んだ位置に戻し、レール両側にある前板ストッパー(→,65mmは黒)を立ち上げ、前板をストッパー位置まで引き出す。65mmレンズボードを装着する(これは最後でも良い)。
4,ベッド向かって右側の、2段目(内側)レールストッパータブ2個のうち、先端側のタブ(→)を押さえてストッパー解除しながら、
5,内側レールを奥にずらせる。ベッド90度ではタブが噛み合う位置まではいかないので、操作6にうつる。
6,ベッドを畳むときと同様に両側のタスキを押さえ、ベッドを下に15度ダウンした後、内側レールを奥側のストッパータブ(→)がカチッと噛み合うところまで奥に押し込む。
7,前板向かって左のティルト固定用ダイヤルノブ(→)を緩め、中心を押し込むと前板ティルトロックが外れ前板が可動になる。
8,前板をいっぱいまでアップティルトする(→)と、ベッドダウン状態で前板がフィルム面と平行になる。

画像:SA65使用法

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:46 No.1588
65mm画像
Super-Angulon 65/8,f16,1sec, Fuji160NS, 三脚,距離計による撮影。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 15:29 No.1589
105mm画像
Apo-Lanther105/4.5,f16,1/15,三脚,ピントグラスによる撮影。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 15:31 No.1590
システム重量
狸おやじ様に倣って、システム重量を測定しました。

テヒニカ70ボディ(ピントグラス,レンズなし)         1900g
        (ピントグラスバックつき)          2270g
        (Apo-Lanthar105、ピントグラスバックつき) 2550g
        (AL105+ローレックスつき)         2950g
        (AL105+ローレックス+グリップ)      3250g

テヒニカ70ボディ(ファインダーなしジャンク)         1340g
        (ジャンク+リンホフピントグラス)      1700g
        (ジャンク+ミズタニ+ホースマンピントグラス)1620g
        (Apo-Lanthar105+ホースマン8EX+ミズタニ)2150g

ボード付きレンズ
Xenotar100/2.8                        390g
Xenotar100/4                         280g
Apo-Lanthar105/4.5                      220g
Symmar-S100/5.6                       200g
Super-Angulon65/8                      330g
Tele-Arton180/5.5                       310g

パーツ
スーパーローレックス56x72                   820g
ホースマン8EXP                        420g
        (+ミズタニG-Lアダプタ)           600g
アナトミカルグリップ+レリーズ                 290g
ピントグラスバック                       370g
ホースマンピントグラス(フードなし)               95g
           (アングルファインダーつき)       310g
ミズタニG-Lアダプタ                      180g

テヒニカ70(ピントグラス、グリップ)、105、65、180、ローレックス 4710g
ファインダーなし70、105、65、180(フジノン)、ミズタニ、ホースマンピントグラス、8EX 2795g

画像:「ソードオフ70」+ミズタニGraflock-Linhofアダプター+ホースマン8EXP-120ホルダ

れんずまにあ 2019/09/19(Thu) 20:23 No.1595
Re: リンホフ テヒニカ70
素晴しいスレッドと詳細な情報をどうもありがとうございます。
テヒニカ70は憧れのカメラですが,これまで手に持って操作したことが無いのでとても参考になります。

れんずまにあ様のカメラセットは,やはりレンズが最高ですね。
Heligon95mmやApo-Lanthar105mmは,私にとって憧れのレンズです。特に,Apo-Lantharは黄ばみも無くきれいな状態に見えます。撮影結果も素晴しく魅力的です。ボケも綺麗に見えます。私の予想ですが,Tronnierが設計したApo-LantharはHeliarのアポクロマート改良型で,同氏のTelomarと同様に絞りを開けるととても綺麗な(トロけるような)後ボケをするのではないか思われます。私もいつか手に入れて撮影してみたい幻のレンズですが,最近はE-Bayでも20万円を越える高値になってしまい全く手がだせません。

狸爺はとても羨ましく思っております。
狸おやじ 2019/09/19(Thu) 21:49 No.1596
Re: リンホフ テヒニカ70
ご評価賜り恐縮です。

この3本セットは以前申し上げた通りレンズ名記載がないままセット999ドルで出ていた代物で、今でもKEHのout of stockで画像を見ることができます。円高も尻を押してくれたものの全くの博打でした。
内容が謎なので、みんな怖がって手を出さなかったのでしょう。幸運でしたが、いつもそうとは限りません。

Apo-Lantharは元々製版レンズ設計の流用だそうで、ボケがどうか検討していません。大変尖鋭なのは確かに仰る通り、開放f4.5でも四隅まで整った画質で手持ちの範囲を広げてくれます。
トリウム含有高屈折ガラスのため黄変している個体も多く、センチュリーに入れている新コンパー100/4.5はかなり黄色いですが、このリンホフコンパー105は比較的クリアなようです。

Ebayでそんなに高騰しているとは驚きです。これもf4.5だからもしかして、と飛び込んだのが幸運でした。
一方、100mmは30年前店舗で16万円も出しました。初心だったし、独身時代だから飛び込めたのです。
れんずまにあ 2019/09/20(Fri) 20:41 No.1597
Re: リンホフ テヒニカ70
テヒニカ70とApo-Lantharの3本セットで$999は破格値ですね。
今ならレンズだけで2倍の値段になりそうです。

不思議なことに,最近は大判用のレンズより中判用のレンズの方が値段が高い。Apo-Lantharも中判用の105mmの方が大判用の150mmより値段が高い。私の想像ですが,デジタルへの移行でプロやハイアマチュアの方々が使っていた大判カメラが中古市場に供給され,大判のテヒニカ45やそのレンズ周辺の値崩れが起きている。中判も一眼レフフォーカルプレーン系やレンジファインダー系は値段がかなり下がった。でも,なぜか中判テクニカルカメラやボードレンズは値段があまり下がらない。

もともと個数が少ない為か,物好きな変人がしぶとく使っている為か,はたまた何か別の理由か...?

中判テクニカル使い(変人)には,なんとも悩ましい状況です。
狸おやじ 2019/09/21(Sat) 10:51 No.1598
テヒニコン
狸おやじ様のリンホフ23スレッドに続けようかと思いましたが、一応カタログでは70時代のラインなので。

リンホフテヒニカのレンズには自社ブランドのTechnikon(70他用交換レンズ)とTechnikar(Linhof 220固定)がありました。
いずれもローデンシュトックのOEMと言われています。
さて自社ブランドといってもスペックは高く,Linhof70とStudienkamera70(距離計なし70: 英語圏ではExpert 70)用のテヒニコンには、
Technikon 100mmf2.8、Weitwinkel-Technikon 58mmf5.6, Tele-Technikon 180mmf4.5と、高級スペックになっています。
それぞれHeligon, Grandagon, Rotelarに対応しています。

グラフレックスXLや、リンホフ23系に供給されたヘリゴンは95mmf2.8ですが、テヒニコン 100mmf2.8(訂正しました)の現物を手にするまで実焦点距離95mmをサバ読んでいるのかと想像していましたが、どうも本当に100mmあるような雰囲気です。
画角はXenotar100mmf2.8と同様で、距離計に対しても105mm用カムで1mで1cmも違わない連動ができています。

実焦点距離が95mmのXenotar100mmf4は、Xenotar100mmf2.8より画角が広く、105カムによる距離計は2-3mでも誤差が大きいので、このTechnikonは100mm確かにあると思います。

OEM元のヘリゴンは同じ焦点距離のプラナーやクセノターとくらべて一回り小型になり、この100mmも大手2種と比べて随分小型ですが、シャッター径は大手同様コンパー#1が使われています。

上の投稿で、リンホフヘリゴン95mmf2.8ユーザーが、周辺画質が思わしくない旨話されていましたが、幸いこの個体は、
6x7cmの範囲は絞り開放からまず良好な画質です。(撮影距離1m新聞見開き株式欄の小さい文字が開放中間画角まで読めるが周辺でギリギリ読めない程度、Xenotar100mmと同レベル、f5.6で全画面読めるようになる)。

ただし、この辺りのレンズは経年変化による個体差が無視できず、例えばXenotarは結局3本試して1本残したほどで、なかなか評価は難しいところです。

ところで、綴りを見ているとどうしても下5文字が気になってしかたありません。Zeiss Ikonや、NIKONは文句言わなかった、のかな?

れんずまにあ 2022/01/01(Sat) 16:38 No.1927
Re: テヒニコン
おお,テヒニコン100mmですね。
このレンズは私も以前から興味を持っておりました。

昔外国のサイトで,シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂を読んだことがあります。でも,ローデンシュトックのOEMで,ヘリゴンだったようですね。テヒニカ用にヘリゴン100mmが供給されていたとは知りませんでした。ヘリゴンの90や95mmはとても優秀で愛用者の多いレンズなので,テヒニコン100mmも非常に優秀そうです。コーティングも綺麗で発色も良さそう(この時期に既にMC?)。ツァイスやシュナイダーの100mm/2.8より軽量コンパクトなら,色々な場面で活躍しそうで楽しみです。
狸おやじ 2022/01/02(Sun) 09:14 No.1928
Re: テヒニコン
狸おやじ様、コメントありがとうございます。

>シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂

確かに。出所不明のレンズでありましたが、海外サイトや形状などを見るとローデンシュトックのように見えます。
心情的にはジンマーなどにLinhof名を打刻し検査済みを保証するくらいのメーカーが、余りレンズを使うかななどと懐疑的です。
まあローデン側の事情というのもありえますね。例えばグラフレックスが急にXLやめちゃったとか。
ただそれならわざわざ100mmを作るかなとも。もちろん製作誤差で95よりも100に近いのを集めてきたという、穿った見方もできますが。

Xenotar100mmを思わせる形状のTechnikonは見たことがなく、本当にSchneiderのTechnikonがあれば見てみたいところです。

余談ながら、NovoflexがOEM受けた時は、Schneider Xenarの場合Noflexer-S,RodenのYsarexの場合は-Rとわかるようになっています。Linhofにはそんな刻印はないなあ...

>テヒニカ用にヘリゴン100mmが供給されていたとは知りませんでした。

失礼しました。勘違いでHeligon 100は存在しません。

>ヘリゴンの90や95mmはとても優秀で愛用者の多いレンズなので,テヒニコン100mmも非常に優秀そうです。

たまにテヒニカIII用ヘリゴン90や95を見ますね。リンホフプレス23にも採用されているくらいで高く評価されているのは間違いないでしょう。
90mmf3.2もあるようで。
私は大判ヘリゴンはグラフレックスXLでしか経験がなく、大変高性能なのでリンホフでも使えたらなと思っていました。

>コーティングも綺麗で発色も良さそう(この時期に既にMC?)。ツァイスやシュナイダーの100mm/2.8より軽量コンパクトなら,色々な場面で活躍しそうで楽しみです。

どうなんでしょうね。深い色味ではありますが。
確かにレンズ部分はコンパクトですが、(Xenotar100: φ58mm vs Technikon 100: 49mm)どちらもベッドを閉じられますし、シャッターサイズが同じなのでそれほど軽量化されません。
80mmプラナーとヘリゴンではシャッターが#1と0なので大違いなのですが...

悩みは、無限遠位置が、標準セットの105/4.5に合っているストッパー位置と1mmくらいのズレがあり、Xenotarとも違うことです。
現在のストッパーセッティングを変えるつもりはありませんので、RFで使うとすれば一回調整した後はベッドを閉じられません。
そのレンズ専用にしてしまうしかないのです。なので明るいレンズなのに、三脚ピントグラス使いをしています...

れんずまにあ 2022/01/02(Sun) 12:36 No.1929
Re: テヒニコン
れんずまにあ様

>>シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂
>確かに。出所不明のレンズでありましたが、海外サイトや形状などを見るとローデンシュトックのように見えます。心情的にはジンマーなどにLinhof名を打刻し検査済みを保証するくらいのメーカーが、余りレンズを使うかななどと懐疑的です。

済みません。ネットで調べた所,私が以前読んだ情報は,”Large Format Photography Forum"でした:
https://www.largeformatphotography.info/forum/showthread.php?112874-Linhof-Technikon-100-2-8

いろいろ書いてありますが,彼らの結論もローデンシュトックのOEMレンズです(リンホフの輸出責任者の説明)。
また,ヘリゴン100mm/f2.8(イメージサークル115mm, フィルター径58mm,Compur 1)が1976年のリンホフのカタログにあるが,これは多分ミスプリ(クセノター100mm/f2.8の間違い)で,同年の別のカタログにはない。テヒニコン100mm/f2.8(イメージサークル135mm, フィルター径49mm,Compur 1)の情報があり,これがれんずまにあ様のレンズと思われます。ローデンシュトックのカタログには,ヘリゴン95mm/f2.8(フィルター径49mm),6枚構成(ダブル)ガウス型,包括角60°の準広角レンズの記載があり,これを元に(再設計して?)テヒニカ用にOEMで供給されたのが,テヒニコン100mmの様です。ヘリゴン95mmをベースにしているので,クセノターよりイメージサークルが広く,前口径の小さい優れたレンズの様です。

>私は大判ヘリゴンはグラフレックスXLでしか経験がなく、大変高性能なのでリンホフでも使えたらなと思っていました。

ヘリゴンの最終型がテヒニコン100mmの様ですね。私も欲しいなあ。

>悩みは、無限遠位置が、標準セットの105/4.5に合っているストッパー位置と1mmくらいのズレがあり、Xenotarとも違うことです。... なので明るいレンズなのに、三脚ピントグラス使いをしています...

この辺が,テヒニカを距離計連動で使う時の限界もしれません。私もテヒニカ23を距離計で手持撮影することが多かったのですが,最近はレトロレンズや望遠レンズを使う機会が多く,三脚+ピントグラス撮影がほとんどになりました。ピントグラス撮影は機材が重く時間もかかりますが,その分「画を作る」作業を楽しめる。手軽なスナップ写真はスマホ(iPhone)に任せ,ここぞという時だけテヒニカを取り出し,ピントグラスで(アオリを効かせて)じっくり撮るようになりました。フィルムの値段が高騰し,無闇にシャッターを切れないという経済的理由もありますが...
狸おやじ 2022/01/03(Mon) 11:55 No.1930
Re: テヒニコン100
狸おやじ様わざわざご調査いただきありがとうございます

<”Large Format Photography Forum"でした:

ここ時々覗いていますが面白いですね.海外の方々も私たちとおなじような疑問を持っていることがわかります。

< ローデンシュトックのOEMレンズです(リンホフの輸出責任者の説明)。

内部情報とはすばらしい.

昭和46年フォトアート中型・大型カメラではヘリゴン95とクセノター100の画角は60度と同じですが(イメージサークルはXが117mm、Hは記載なし、絞り条件記載なし多分16くらい)、
4x5ピントグラスではX100は直径4インチ強(110mmくらい)程度に対して、H95mmは4x4インチをカバーしそうな広さで、実際の包括角度は非常に広いことがわかります。
4x4対角線はおよそ140mmなので、ご紹介のデータに裏付けられました。
しかも、単に光の輪が大きいだけではなく、その周辺部までちゃんと解像しているところが素晴らしい。(ピントグラスをルーペで見ただけですが)これぞ真のイメージサークルだと思います。

ローデンが準広角と位置付けるのも納得です。
これも余談ですが、ローデンシュトックはライカM39用にヘリゴン35mmf2.8を出しています。画角に自信があったのですね。

このテヒニコン100はまだ4x5につけて覗いていませんが、楽しみになりました。

>私もテヒニカ23を距離計で手持撮影することが多かったのですが,最近はレトロレンズや望遠レンズを使う機会が多く,三脚+ピントグラス撮影がほとんどになりました。

23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?アドバンテージですね。
70はファインダーが縦位置専門なので、三脚固定する際にファインダーを使いながら横位置にするにはカメラを倒す必要が。
せっかく70もレボルビングできるのだから...すると三脚横位置はファインダーを使わないでピントグラスになる。
最終的には狸おやじ様と同じ使い方になるのです。

ファインダーが無駄かというと、そりゃ悲しすぎますので(w、いざ鎌倉、咄嗟の手持ち撮影に備えています。その際は純正標準で対応します。
れんずまにあ 2022/01/03(Mon) 15:11 No.1931
Re: テヒニコン
>このテヒニコン100はまだ4x5につけて覗いていませんが、楽しみになりました。

これはとても楽しみですね。
テヒニコン100mm以降,F2.8級の中判(6x9)用レンズが途絶えています。(シュナイダーはジンマーF5.6,ローデンシュトックはシロナーF5.6に軸足を移し,ツァイスがプラナーF2.8の製造を止めたので。)私は無理にF値を小さくした大口径レンズはあまり好きでないのですが,画角や画質に余裕のある設計の明るいレンズには興味を持っています。テヒニコン100mm/F2.8は,古き良き「大口径時代」最後の高性能中判レンズと思います。

>23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?

一応対応しますが,ファインダー前面のマスクの向きを90°変えるだけです。
向きを変えて「縦位置撮影」したつもりが,フィルムが横位置だった事に後で気付いて愕然としたことがあります。それ以降,フロントマスクの向きとフィルムバックの向きを撮影前に確認する様になりました。テヒニカ23III-IVは,レンズやフォーマットに合わせてマスクを取り替える必要もあって面倒です。マスクを失くす人も多いようで,中古市場に様々なサイズのマスクが(高値で)出回ってます。

将来的にデジタルバックに移行すれば,これらの面倒から解放されるかな(?)と少しだけ期待してますが...
狸おやじ 2022/01/05(Wed) 20:40 No.1932
Re: テヒニコン
狸おやじ様、コメントをありがとうございます。

>テヒニコン100mm以降,F2.8級の中判(6x9)用レンズが途絶えています。

言われてみればおっしゃる通りですね。リンホフの大口径としては末裔です。
日本でもマミヤプレスの100mmが途絶えてからは6x7にマキナ、ペンタックス、RZがあるのみ。

確かにテクニカルカメラとしての使い勝手はイメージサークルが広く、解像力が高いが暗いオルソメターが主流になるのはやむを得なかったけども、
ISO400で手持ち夜景、または固定しても蛍の軌跡を捉えられる最低ラインがf2.8なので、重視しています。

>>23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?
>一応対応しますが,ファインダー前面のマスクの向きを90°変えるだけです。
>向きを変えて「縦位置撮影」したつもりが,フィルムが横位置だった事に後で気付いて愕然としたことがあります。

これは、全く同じ経験をしました。
バック交換とレボルビングが同じ場所で行われるリンホフならではのあるあるです。
せっかく縦位置でピントグラス構図決めして、ホルダーは横向きに。
現像が上がってから目を剥きました。

>テヒニカ23III-IVは,レンズやフォーマットに合わせてマスクを取り替える必要もあって面倒です。
>マスクを失くす人も多いようで,中古市場に様々なサイズのマスクが(高値で)出回ってます。

昔はマスクはジャンクボックスの住人だったのですが、需要が増えているのですね....
でも根強いユーザーがいる証拠でもあり、頼もしいです。

しかしいろんな焦点距離を集めるのもよいですが、ロータリーカムが入手できないのが寂しいです。4x5のカムはまだ出てきますが...

>将来的にデジタルバックに移行すれば,これらの面倒から解放されるかな(?)と少しだけ期待してますが...

リーズナブルで実用的な6x9カバーのバックが出てきたら嬉しいですね。
でも斜め入射の広角は難しいかもしれません。
れんずまにあ 2022/01/05(Wed) 22:04 No.1933
Re: テヒニコン
れんずまにあ様

>日本でもマミヤプレスの100mmが途絶えてからは6x7にマキナ、ペンタックス、RZがあるのみ。

そうか,マミヤセコール100mm/2.8がありましたね。ご指摘ありがとうございます。

>リーズナブルで実用的な6x9カバーのバックが出てきたら嬉しいですね。

私もそう思います。
値段はまだ高いですが,昨年ハッセルブラッドのCFVII-50C(44x33mm)が出てから少し期待して見ています。Phase OneのP45(49x37mm)も,中古で20万円程で出てきていて,あと一息かな(?)と思います。

>でも斜め入射の広角は難しいかもしれません。

これは,もしかすると案外大丈夫かも知れません。
フォーマットの小さいAPS-Cやライカ判(35mm)のセンサーで解像度を上げようとすると,一つの画素サイズを小さくする必要があり,周辺光が斜めに入射する場合の受光感度に限界が出易いと思います。中判センサーの場合,元々のフォーマットが大きい為,画素サイズをそれ程小さくする必要がない。例えばハッセルのCFVII-50Cは,画素サイズが5.3x5.3μmと比較的大きい為,受光感度が高くダイナミックレンジも広いようです。

中判センサーが6x9cmになるのも時間がかかりそうで,当面は44x33か49x37,あるいは54x40mm辺りからスタートすると思います。その場合,テレセントリック性の良い中心付近を画素サイズの大きいセンサーで受光することになり,広角47mm位でも周辺の斜め入射はそれ程大きな問題にならないような(?)気がします。(本当は周辺までバッチリ撮りたい所ですが,それにはまだ時間がかかりそうなので...)
狸おやじ 2022/01/07(Fri) 21:24 No.1934
リンホフ プレス70
Linhof Press 70

憧れの機種を、ご縁でハードユーザーから譲渡頂きました。フルセットがMakina670に満たない破格で感謝の言葉もありません。

1963年販売(期間不明)代理店:シュリロ貿易
6x7cm判、ブローニーフィルム(120,220),70mmフィルムを使用する合金製プレスカメラ。距離計連動1眼式ビューファインダー、セレン単独露出計つき。
重量1,650g(ボディのみ;グリップ固定),3,290g(80mm,スーパーローレックスつき)
日本国内価格:377,000円(1970年5月「フォトアート特集大型カメラ70台」,ボディ+グリップのみ),455,000円(1973年「フォトアート特集大型・中型カメラの選び方使い方」,ボディ+グリップのみ)
ほとんどの個体は画像に示すようなタン色だが最終付近は黒もあるようだ。

フォーカシング:レンズに付属するヘリコイド、カムで距離計に連動するためカム切り替えは不要。
ゴッセン製セレン単独露出計が距離計窓周囲に設置され、軍艦部で指針を読み取る。
巻き上げはボディ側面右手側のクランクを180度1作動(往路180度でシャッターセット、復路180度でフィルムアドバンス)セルフコッキングが行われ速射性が高い。
テヒニカでは着脱可能だった左手側のアナトミカルグリップはボディに固定されている。(それに支えてピントグラスをレボルビングできない。意図的か)
シャッターはレンズ鏡胴に内蔵されているので外部から単独操作できないが、ピントグラス撮影にはバルブ開放が必要。その際グリップレリーズロックして開放する。
レリーズはボディ前面右手側のボタンでも行うことができる。

レンズはRFなし、スポーツファインダー固定のエアロテヒニカとも共通。
プレス70の特別モデル「スペシャル70」にはエアロテヒニカと同じく右手側にもグリップがあり、それを回転して巻き上げとチャージを行う(70年:価格424,000円)が、故障が多いと言われる。

画像:80mmf2.8、アナトミカルグリップ固定。

 ストラップラグの位置は、テヒニカVやテヒニカ70のメインボディ上部から、プレス70はファインダーカバー上部に変更されているのがわかります。ラグは、Op-TechのAタイプ(ハッセルブラッド 用)が流用装着できます。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:05 No.2030
Re: リンホフ プレス70
ファインダー:採光式ブライトフレーム等倍、実像式距離計連動。
広角標準は4ft(1.2m)まで、望遠180mmは6.5ft(2m)までパララックス自動補正しながら距離計連動する。
基線長は93.5mmと、中判RF機では最も長いものの一つであり、無限遠と600ft(180m)の距離の違いを識別できる。
ファインダーフレームは縦位置が標準。テヒニカ70におけるタイプ2:53/80/180のみと思われる。
 (フォトアートの一覧では標準プラナー100mmf3.5と記載されているが、検索しても全く出てこないので誤記か?)
広角・標準枠が常時表示され、後部ダイヤルで180枠を追加する。

標準
80mmはプラナーf2.8とクセノターf2.8があり、6x7なので80mmでも開放から問題なく全画面カバー。
ヘリコイド鏡胴なので大変高精度。テヒニカ70のプラナー80/2.8は#1シャッターのため最高速1/400だが、プレス70用は1/500になっている。
広角
53mmf4.5 ビオゴンまたは 53mmf4 スーパーアンギュロンがラインアップされている。シャッターB, 1〜1/500
望遠
180mmf4.8 ゾナー または180mmf4.5 テレアートンが用意された。望遠は最短2m。
連動距離計の精度が非常に高いので、180mm開放でも十分に距離計での焦点合わせが信頼できる。
ツァイスがほとんどで、シュナイダーのラインは比較的珍しい。
シャッターB, 1〜1/500

画像:ビオゴン53mmf4.5

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:06 No.2031
リンホフ プレス70
リンホフ70シリーズに共通して、ファインダーは縦位置専用。テヒニカ70はピントグラスを使えば横位置装着可能だが、プレス70のギアつき純正スーパーローレックスはギアのため横位置に装着できない。
ギア溝を避けるため4箇所の固定カムの位相は従来型の90度毎から少し狭角に変えてあるのと同時に、ロックレバーも右下隅から左下隅に変更されている。使い慣れた場所にないので空振りしてしまった。
手動巻き上げでよければプレス70にもテヒニカ70やスーパーテヒニカV用の従来型スーパーローレックスを装着可能で、フォーカシングスクリーンバックを併用すれば横位置装着も可能に見えるが、ボディの暗箱部分には縦位置ぎりぎりに遮光板が付けてあるため、実質横位置は不可能。(図)

プレス70に付属のピントグラスバックは、テヒニカ70付属バックと同じもの、2x3と56x72表示。

画像:プレス70付属フォーカシングスクリーンバック(100mmの表示もあるが、存在するのか?)

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:09 No.2032
リンホフ プレス70
スーパーローレックス

プレス70専用スーパーローレックスは、一般のスーパーローレックスとは多くの点で異なる特殊なホルダーになっている。

一般用ローレックスとの相違点。プレス70専用は、
1:外部の巻き上げレバーがない。巻き上げはボディクランクでギアを介して行う。
2:そのため、フィルムチャージ時のため内部にレバーがある.
3:ローレックス側から巻き上げギアが飛び出している。(図)テヒニカには使えない。また横位置装着はボディにギア溝がないためできない。
4:一般用にある巻止解除ボタンは不必要なので穴が塞がれた。
5:スタートマークを出す穴は、一般用が中央、プレス70用はその横を使う。ローレックスには赤矢印でスタートマーク位置が示されている。
6:一般用ローレックスをプレスに装着する場合は、テヒニカ同様マニュアル操作となる。横位置装着も可能だが、暗箱内部形状から横位置で6x7撮影はできないため縦位置のみ。

画像:左 一般用(従来型)、右 プレス専用

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:13 No.2033
スーパーローレックス
右側のプレス専用左上面にギアが突出しているのが見える。
このためテヒニカに装着はできないし、プレスでも横位置に装着できない。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:16 No.2034
スーパーローレックス
左下側 従来型、スタートマーク位置は中央(赤矢印)。
右上側 プレス専用、スタートマーク位置は従来型より左側にずれている(赤矢印)。外面に巻き上げレバーがないかわり、頭出し用に内部にレバーがある。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:19 No.2035
Re: リンホフ プレス70
ローレックス装着面の違い
左側プレス70。
右側テヒニカ70改造機、

プレスボディは、スーパーローレックスのギアを避けるため4箇所の固定カムの位相は従来型の90度毎から少し狭角に変えてあるのと同時に、ロックレバーも右下隅から左下隅に変更されている。

テヒニカの暗箱部分は正方形の蛇腹が見えており、縦横変換に対応しているが、プレスの暗箱部分は、6x7縦位置にあわせた形状であることがわかる。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:22 No.2036
スーパーローレックス
中枠の圧板とスタートマーク確認窓
左 従来型、右 プレス専用。プレス専用は、120フィルムの場合、少し手前でスタートする。中央の穴は使わない。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:26 No.2037
Re: リンホフ テヒニカ70
プレス70のシステム重量を測定した。

プレス70ボディ(ピントグラスなし,レンズなし、グリップ固定)   1,650g
        (ピントグラスバックつき)            2,040g
        (Planar80mm、ピントグラスバックつき)     2,880g
        (P80+ローレックスつき)            3,290g
        
ヘリコイド+レンズ
Planar80/2.8                          840g
Biogon53/4.5                          980g
Sonnar180/4.8                        1,400g

パーツ
スーパーローレックス56x72(プレス専用)             800g
ピントグラスバック                        390g

プレス70(ピントグラス、グリップ)、80、53、180、ローレックスx1 6,060g

標準付きボディはテヒニカ70と大差ない重量だが、レンズが重いため3本アウトフィットの重量はテヒニカ70より随分重くなる。
迅速なレンズ交換およびクランク1作動セルフコッキングの速写性とのトレードオフと考えるしかない。特に広角レンズ使用の迅速簡便さは段違い。
れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:34 No.2038
Re: リンホフ プレス70
れんずまにあ様

素晴らしい解説をありがとうございます。
プレス70は,美しい鏡胴とコンパクトなボディーが魅力的です。6x7を距離計連動で撮るには最適のカメラですね。専用レンズも魅力的です。

惜しむらくはフィルムバックの使い勝手の悪さでしょうか。れんずまにあ様の解説の通り,ロータリー式なのに回転や横位置ができない。これなら,リンホフ220の様なバック固定式の方が良かった。ピントグラスやカットフィルムホルダーを省略し,ロールフィルム(120, 220)専用の軽快な「中判のライカ」を目指していたらもっと成功したかも知れません。リンホフの誤算は,70mmフィルムに拘り過ぎたことでしょうね。
狸おやじ 2022/08/06(Sat) 14:25 No.2039
Re: リンホフ プレス70
狸おやじ様、早速のコメントありがとうございます。

私は箱好きでありますので、かなり特殊化された機構に興味津々で弄り回しています。
当時の価格表を見ると、マミヤスーパー23の8倍、RB67やペンタックス67の4ー5倍であり、為替相場を考慮しても非現実的な選択肢であったことでしょう。
確かに使ってみると優秀なレンズ、見事な精度は文句がないところですが、P67やRB67と変わらない現在の中古価格はものの価値を正確に反映しているかもしれないなと思いました。
お話に取り上げられているリンホフ220が、レンズ交換RF機だったらどれだけよかったでしょうか。まああれでペンタックス67の倍価格ですから、売れたとは思えませんが(笑

リンホフ が当時70mmに拘ったため要らない機構を抱え込んでしまったとのご指摘は全く的を射たご意見で私も全く同意です。
目論見が外れて70mmは全く主流になり得なかったのは不幸な限りです。
何故か拙宅にも他社の70mmマガジンが2個ほど転がっています。1990年頃まだ70mmが入手可能だったので、出張にノーチェンジで行けるかななどと妄想し、結局220で十分だったのですが...
あれは現像などのインフラが全く整っていなかったのが敗因ですかしら。
れんずまにあ 2022/08/06(Sat) 16:14 No.2040
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様

>リンホフ220が、レンズ交換RF機だったらどれだけよかったでしょうか。

そうですね。
理想的には,プレス70とリンホフ220がレンズマウントを共有し,レンズ交換式RF中判カメラだったら良かった。そしてマウントのスペックが公開され,他社(ローデンシュトック,フォクトレンダー等)からもレンズが供給されていたら,もっと成功したと思うのだが...

>何故か拙宅にも他社の70mmマガジンが2個ほど転がっています。1990年頃まだ70mmが入手可能だったので、出張にノーチェンジで行けるかななどと妄想し、結局220で十分だったのですが...
>あれは現像などのインフラが全く整っていなかったのが敗因ですかしら。

リンホフの70mm路線は失敗と考えていたのですが,220は既にほぼ絶滅し,120も先行きが怪しい状況です。
もしかすると最後まで生き残るのは,35/70mmの長尺(映画フィルムの流用品)かもしれません。(ローライは今でもモノクロの70mm長尺を販売しているようです。)私も将来に備えて,70mmのシネローレックスを用意しておこうかしら。
狸おやじ 2022/08/10(Wed) 23:39 No.2041
Re: リンホフ テヒニカ70
以前から時折こちらの掲示板を参考にさせていただいていました。
リンホフプレス70が大好きでよく使っています。
私はシュナイダーのレンズを主に使用していて、僭越ながら情報を投稿させてください。

シュナイダーのレンズは以下の4種類があったようです。

・Xenotar80/2.8
・Super-Angulon53/4
・Tele-Arton180/4
・Xenotar100/4

このうち私は100/4以外を所持しています。いずれのレンズもツァイスの同スペックより軽量コンパクトにまとめられているようです。全長もそれぞれ数cm短く、重さは測れていませんがそれぞれある程度軽いです。広角と望遠はツァイスのものよりF値が明るいにも関わらず小さいために、描写では一歩譲るというのが素直な印象です。外観上の特徴として、180/4には鏡筒とヘリコイドにそれぞれ2本ラインが入っています。気になるのは100/4で、エアロプレス向けにラインナップされていたようですが、オークションなどでも殆ど見たことがありません。また、初期の資料上ではローデンシュトックのロテラー(テヒニカプレスにあったのと同スペック)も見られますが、カタログに載っているのを見たことがないため実在性は不明です。

ファインダーのスペックについてですが、リンホフは公式に「ほぼ等倍」と言っていますが、個人的にこれは等倍なのかよく分かりません。0.7倍くらいな気もしますが、アイポイントが高いので見やすいファインダーだと思います。またフィルムバックのロック位置ですが、初期は右下で後期は左下になるようです。(初期と後期の個体を持っていますがそうなっています。)これはなんで変えたのかよく分かりませんが....。

このカメラ、何台製造されたのか分からない程度には見かけないものですが、日本では注目度が低いためか、結構安価で手に入るのが嬉しいです...。最後の方は感想になってしまいましたが、今後も情報が増えることを楽しみにしております。長文失礼いたしました。
名無し 2022/11/26(Sat) 20:07 No.2085
Re: リンホフ プレス70
名無し様、貴重なコメントをありがとうございます。

もしかして、ブログでシュナイダーラインを装備したプレス70のご紹介をなさっておられますでしょうか。
そうだとしたら、こちらこそ深く参考にさせていただいてます。御礼申し上げます。
おまけにTele-Arton180mmをf4ではなくf4.5と誤記してしまい、赤面の至りです。

プレス70は重量はありますが、それに余りある高精度で、撮影結果の信頼性がきわめて高い印象を受けています。(精度に不安を抱きながら撮影する、軽いグラフレックスXLとは正反対)
ようやくOp-Teckのストラップも使用可能になり、拙宅の機材も今後実働が増えると期待しています。

ご指摘のXenotar 100/4ですが、青い箱入りの単体レンズとして1999年にドイツから買っています。
実焦点距離95mm、イメージサークル110mm(f2.8は117mm)で65x72対応とカタログデータ記載されています。6x7カメラに適合するのですね。
それを23ボードにマウントして、こちらのLinhof Technica 70スレッドのNo.1580に画像を上げていますが、確かにプレス用のヘリコイドに装備された画像は、私も見た覚えがありません。

Rotelarについても、大変興味深いお話ですが私も70用は見た記憶がなく、Press23の270mmを見たことがあるような。

それと、100mmに対応したファインダーフレームがあったのか、まったくわかりません。
今後画像が出てくることを期待して。

私の個体のファインダー倍率は目視と定規で計算したところ75%前後でした。

さて、私もシュナイダーレンズは大変好きで、Zと並んでいたらSを取りたいほうですが、Press70についてはアウトフィットに遭遇すること自体が幸運なので選り好みする余裕はありませんでした。
色々とご教授いただければありがたく存じます。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

Linhof Press 70, Planar 2,8/80mm, f8, 1/125, Across(EI100), Microfine

れんずまにあ 2022/11/27(Sun) 14:24 No.2086
Re: リンホフ テヒニカ70
名無し様,れんずまにあ様

プレス70は堅牢な作りと美しい鏡胴のレンズ群が魅力です。
掲載された作品のプラナー80mm/2,8の精緻で豊かな描写力にも惹かれます。

ロテラーですが,プレス70の取説を見ると確かに"270mm/5.6"が「準備中」と書かれています。これは元々大判用のテレフォトレンズですが,(グラフレックスXLの様に)プレス70にも供給されたかどうか...。私は縮小判の180mm/4.5をテヒニカ23で使っていますが,控え目のコントラストと繊細な描写,背景の綺麗なボケが気に入っています。
狸おやじ 2022/12/04(Sun) 11:44 No.2091
テヒニカ70でSA65を使う
Superangulon 65mmf8

定番のコンパクトな超広角。6x9では35mmカメラの28mm相当画角で、イメージサークルはf16で4x5カバーできるほど大きな余裕がありますが、ボディ構造に限界があるためスライド移動量は規制されてしまいます。
70の距離計連動にはベッドダウンー内レールを1クリック後退ーティルトアップの3ステップ、ファインダーが縦位置専用であるため、長辺の画角がベッドで蹴られないためにはこの操作が必要です。しかし距離計撮影を考えず、フォーカシングスクリーンで焦点合わせし横位置撮影に限定するなら、ベッドダウンしなくても無限遠から焦点は合います。内レールを少しだけ後退させる必要はありますが、比較的迅速にレンズ交換撮影ができます。ただし横位置のためファインダーは利用できないので、三脚固定が望ましく、簡便になるといっても功罪相半ばかもしれません。
ファインダーを外された個体で65を簡便に使えないかと試してみました。前述のようにベッドダウンしないで縦にするとベッドでけられるのですが、ピントグラス上で6x9なら1mm、6x7ならまったく蹴られはありません。また前板はボディ内なのでライズ量は10mm程度とはいえ、わずかにライズすればけられを回避できます。図らずも65mmでベッドダウンしないホースマンVHで、縦位置レボルビングしたときに数ミリライズすることと同じであることに気づきました。テクニカルの縦位置は極論すればライズ目的なので、レボルビング機構が有効になり大変嬉しいことです。
広角はテクニカルカメラよりも広角専用機を別に持つほうが速写性に優れていますが、ある程度テヒニカ70の活用に目処がたちました。

れんずまにあ 2023/08/27(Sun) 22:31 No.2317
Tele-Xenar とTele-Arton 180/5.5
Tele-XenarとTele-Arton180mmf5.5
スペックは同様ですがサイズの点で、テレクセナーはコンパクト、テレアートンは長くおおらかです。重量は250g vs 300gで、そう変わりません。手持ち撮影では開放画質が高いテレアートン、携帯性はテレクセナーが有利です。ファインダー撮影にはテレアートン、ファインダー無しボディにはテレクセナーを配備することにします。

れんずまにあ 2023/08/28(Mon) 08:11 No.2318
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつも、深いご投稿ありがとうございます。実は、拝読しているうちに、70の工業芸術品と思えるメカニズムに打たれ色々探していましたが満足するレベルには程遠く、半ば諦めていました。先日、アメリカのサイトで65f8.100f2.8.180f4.8のシリアルナンバーがカム一致のアウトフィットを見つけて、相当悩みましたが、思い切って落札しました。もうすぐ到着の予定です。到着したら色々伺いたく存じます。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/09/02(Sat) 19:34 No.2323
リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様
これはリンホフセレクトのプラナーゾナーSAの最高級セット!しかもリンホフ撮り枠が4枚も付いて,もちろんスーパーローレックスも,完璧究極のアウトフィットです。
入射光用のディフューザが付属してる(紛失していない)のもポイント高いです。
一期一会ですから、よく思い切られました。
多分テヒニカVにも流用できるのでは。
まずはお喜び申し上げます。
到着が待ち遠しいですね。
れんずまにあ 2023/09/02(Sat) 22:58 No.2324
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもご指導有難うございます。70のアウトフィットが届きました。何と、ブックレットが揃っていて、1964年8月24日に販売された様です。問題は無い様ですが細部点検して持ち出すつもりです。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2023/09/14(Thu) 21:22 No.2340
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、品物が無事到着されたようで良かったですね。
しかも貴重な当時の説明書付き。
リンホフフードの説明書など見たこともありません。
シュナイダーのラインアップなども興味深いものです。
今後ご活用が期待されます。
撮影が楽しみですね。
れんずまにあ 2023/09/14(Thu) 23:14 No.2341
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつも有難うございます。珍しいシュナイダーレンズのリーフレットの写真を添付致します。ご参考になれば嬉しいです。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/09/16(Sat) 00:36 No.2343
Re: リンホフ テヒニカ70
フイルム大好き様

テヒニカ70の素晴らしいセットですね。広角はビオゴンではありませんが,携帯性と描写のバランスを考えての選択かもしれません。距離計連動カムは,れんずまにあ様のご指摘の様にテヒニカV23でも使えるかもしれません。撮影が楽しみですね。

シュナイダーのレンズリストも興味深い。当時のシュナイダーは,ツァイスをかなり意識していたと思います。テヒニカVの発売(1963年)に合わせて標準レンズの焦点距離を105mmから100mmに変更したようですが,先行するプラナー100mmの存在も大きかったと思います。もしかするとテヒニカの焦点距離の変更もツァイスの提案かもしれません。スーパーアンギュロン53/4とテレアートン180/4という特殊なレンズも,ビオゴン53/4.5とゾナー180/4.8に対抗するという意図を感じます。この時代のドイツの企業(ツァイス,シュナイダー,フォクトレンダー...)の切磋琢磨が,現在の中判~大判カメラ/レンズの基礎を作ったのだと思います。古き良き時代ですね。
狸おやじ 2023/09/16(Sat) 12:03 No.2344
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
れんずまにあ様
お褒め頂きありがとうございます。このモデルが欲しくなった一因がカム切替レバーの存在です。3種の距離切替がこのレバー操作で完結する点に取り憑かれてしまいました。実際の操作で機械式に動作を見てみて感動してしまいました。こんな精密機械が60年も前に完成している事に驚きです。コートのポケットに交換レンズ一つ、歩きながらレンズ交換が可能とは。ただ一つ、人目が気になりますね。拙文失礼致しました。

フイルム大好き 2023/09/16(Sat) 12:44 No.2345
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様 狸おやじ様
いつも有り難うございます。
ebayで見つけて、こんなモノ、手に入れておきました。70用露出計未使用と 53-80-180用カム。幸い届いた個体の露出系は正確でしたが、よる年並みを考え念の為にスペアをと。カムは偶然見つけまして、何が起こるかわからないと、、、。かなり以前ローライ2.8fを愛用していた時少し甘い数値で手放してしまった後悔から生涯の友用と。まるで予防薬揃えている病人状況の報告です。失礼いたしました。

フイルム大好き 2023/09/17(Sun) 23:06 No.2346
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、ますますご精進のことお喜び申し上げます。
露出系ユニットのスペアはなかなか得難いものです。
当時は最先端のありがたい機能だったでしょうし、今でも重宝ですね。

カム切り替えのレバーは大変機能的ですね。他社やテヒニカ45が一々交換作業を要するのと比べて迅速確実。ちゃんと指標のところで止められるかはちょっと曖昧なところもありますが...
そしてタイプ2(53-80-180)の交換カムも大変貴重です。
ご確保おめでとうございます。プラナー80とビオゴンあるいはスーパーアンギュロン53確保の夢が広がります。
ただファインダーもタイプ2である必要があり、53は視野全体と大雑把に考えればいけますが、80は辛いかな?

さてそのビオゴン53ですが、ベッドダウンなしで使うものなのか、あるいは65と同じようにベッドダウン+レール引込+ティルトアップが必要なのか、ずっと疑問に思ってきました。
53mmはどちらのレンズもかなり前玉が前方にあり、画角は65より広いもののベッド先端でけられる心配はない可能性があります。
すると手間がかかるベッドダウンを行わず距離計連動できるなら、かなり迅速なレンズ交換が可能になるはずです。
しかし画像検索を掛けても、テヒニカ23を含めても全く53mm装着状態の画像が出てこない。
ユーザーは集めるだけで満足して実際に使っていないのではないか?

フィルム大好き様が53をご確保になった暁には、ぜひご教授ください。

距離計について素人なりの感想を。
現在65-105-180のタイプ1ですが、クセノター100/2.8やテヒニコン100/2.8でも、2mくらいまで開放で合焦連動しているように思います。さすがに1mでは若干焦点がズレる気がしますが、ほぼ一般的な撮影では連動している印象。
流石に実焦点距離95mmのクセノター100/4は室内ではずれている模様。
高精度の距離計ですが、わずかな焦点距離の差は許容範囲なのではないかと。もちろんご自身で確認されてから実用されるのは言うまでもありません。
れんずまにあ 2023/09/18(Mon) 00:04 No.2347
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
貴重なインプレッションありがとうございます。コレぞこのサイトの面目躍如のご意見と賜ります。そもそも、れんずまにあ様のご指摘、「絶品」 53ミリのご評価が頭に残っています。私はハッセルSWCビオゴンが広角の王者と今でも思っていましたが、この殺し文句は気になりまして、、いつか比べてみたいと。それと室内で100mmの距離計とピントグラスの誤差は気が付いていました。ある程度の距離がいるかなとあまり気になりませんでした。この点、我が意を得たりでございます。流石のご賢察に感服いたしました。
改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/09/18(Mon) 00:45 No.2348
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。さて、面白いサイトを見つけましたのでご報告します。一切の転載、コピーが禁止されている様ですので、アドレスを。
nocsensei.comイタリア語のサイトですが右中段に言語切替で日本語選択、上のジャンル左端の部屋から、マルコ カビナさん選択。クラシックレンズのリポートが沢山出ています。リンホフ向けツァイスも詳細が、他にビオター、ウルトロン、グラフレックス向けレンズ、ローライ、ハッセルからコニカ、ニコン、ペンタックスと様々です。
暫く楽しめそうなサイトです。転載厳禁の様ですのでご注意くださいませ。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/09/22(Fri) 14:10 No.2349
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
お世話になります。手元に届いた70の稼働部グリス入替並びに各部チェックと、割ってしまったグランドグラス入替を代理店サービスに持ち込み、お墨付きをいただき引き取ってきました。帰路、軽量のジンマーをセットして近くの谷中界隈をベルビアを入れて、手持ち撮影デビューしてきました。ハッセルのストラップを付け首からリンホフ、慣れないスタートはマガジンスライド引忘れ。撮り直して何か変な露出にメーターの指針合わせ忘れ。無事に撮れたなと思ったら、ケーブルレリーズがレンズ横切っていたり、、手順の慣れが必要とつくづく思いました。メンテ持込時のジュラルミンケースさえなければ快適に行けそうです。最新デジタルカメラを持った外国人観光客がことのほか興味と驚きの視線を投げかけていました。先ずはご報告申し上げます。

フイルム大好き 2023/09/25(Mon) 16:20 No.2350
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、70が稼働状態になりお祝い申し上げます。
確かにジンマーSで高画質かつ軽快に行くのもいけますね。海外旅行者に見せつけるのも楽しみです。
私は全くオーバーホールせずに使っていますので、機材に優しくないと反省しました。
気候も多少マシになってきますのでそろそろ活用を画策しています。それに先日6x9黒スーパーローレックスを確保し、これまで純正ホルダーをつけたことがなかった機材に嵌め込んで出撃待ちしています。

nocsensei.comご紹介ありがとうございます。とても濃い内容で、散文的にちらばっている記事を散策しています。取り敢えずタムロンのソフトズーム項目を読み耽りました。
網羅するにはいつまで掛かるかわかりませんが夜長に更してしまいそう。

それにしてもこのスレッドがこんなに伸びるなんて当初全く想像もしておりませんでした。皆様のおかげです。全く知らなかったことも沢山ご教授いただき感謝感激です。
れんずまにあ 2023/09/28(Thu) 00:18 No.2352
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
お騒がせ致しております。手持ち撮影のポジが上がってきました。レンズは、ジンマーS100ミリです。どうも重さからかなんなのか、ピントが手前で見苦しい写真で申し訳ございません。グリス入替でストッパーが微妙にズレたのかも。今度チェックしてみるつもりです。ただ、色が良いのでご報告の一枚と致します。よろしくお願いします。

追伸
当初セットのレンズでは、それぞれ無限はピタリでしたが、手持ちの他のレンズではそれぞれ調整が必要と判明しました。お騒がせいたしました。
レンズデータを調べまして、フランジバックの差なんですね。
赤面者で大変恥ずかしく思っています。

フイルム大好き 2023/09/30(Sat) 21:10 No.2357
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。

さて、過日の手持ち撮影失敗のリベンジにて、SA65をセット、下町手持ち撮影に出向きましたが、徒歩の散策には、重さが応え腰痛が復活してしまいました。やはり三脚かと。
偶然にも、白リンホフ三脚の格安品が有り入手して、セットしてみましたら、時代考証ピッタリ。3段1.9キロなら許容範囲です。この時代のカメラと歩むのは大変ですね。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/11/06(Mon) 17:39 No.2407
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
先日の手持ち撮影再トライ。首から下げた70に上レールセットパックを忘れてしまい、前半5枚はピンボケ。気がつき後半なんとかなりました。最後、前回失敗の同じ場所から逆光の中、露出計指示通りの一枚です。手持ちは難しいですね。よろしくお願いします。
SA 65mmf8 1/250f8 ISO100 ベルビア

フイルム大好き 2023/11/09(Thu) 15:47 No.2412
Re: SA65+Velvia100
フィルム大好き様、着々と機材を活用されていますね。
SA65の見事な精細度。
ベルビアカラーのこってり感。コントラストが強いSAと組むと特に顕著ですね。

ベルビアは50を愛用しました。
テスト撮影には感度が低いとシャッター速度が1/500止まりでも開放近くまでフィルターなしで撮影できますので。
一方実写には100の高感度にアドバンテージがありますね。

テクニカルカメラで、ベッドオープンした時の繰り出しは常に注意せねばなりません。
私もRFなしセンチュリーグラフィックでよく失敗しました。
テヒニカ70なら、距離計を確認すれば大丈夫ですね。

私もそろそろ出撃させねばせっかくの機材が持ち腐れです...
田舎に住む者には、紅葉が数少ないカラー写真の出番なのですが、今年はどちらも紅葉は遅れているようです。緑のまま枯れてしまうことがないよう願います。
れんずまにあ 2023/11/09(Thu) 20:28 No.2413
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
常日頃のご指導に感謝申し上げます。
早速に、拙作にお褒めを頂き大変恐縮しております。ありがとうございます。
上がってきたポジの前半5枚は盛大にピンボケしておりました。腰の状態の様子を見ながら三度目のトライを画策中です。手持ち撮影に少し慣れては来ましたが、重さとシャッターストロークの長さから手ブレの感触もあり筋力の衰えを自覚しております。
紅葉の被写体、景色はまさに理想です。
ご投稿、心よりお待ちしています。
よろしくお願い申し上げます。

追伸
先日、日暮里の代理店のご好意で、店頭の70ファインダー部を取り外した内部を拝見する機会を得ました。
実は、自身の70のファインダー内側をクリーニングできるか相談しましたところ、店頭在庫の同モデルで試験して、組み上げにギブアップ。元々程度が悪く展示に回すつもりだそうです。内部は、驚愕のメカニズム。後部距離目盛りの作動状況には、店主共々感嘆の声が出てしまいました。もう80歳になられる元シユリロの70を完全分解出来る技術者の方曰く、もう私は出来ない。分解はしないように、、とのことでした。
長々と失礼致しました。
フイルム大好き 2023/11/09(Thu) 23:22 No.2415
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。気がつくともう、今年も僅か。時間の早さがつらく思う歳です。さて、70の持ち歩きにカメラバッグに不便を感じていましたが、直感で直販サイトにオーダーしてみました。ビリンガム ハドレービッグ。グリップ付の70がスッポリ。まだ余裕があります。これ以上の重さを覚悟すればフロントポケットに、スーパーロレックスも余裕でした。年の瀬と新年の街歩きに活躍しそうです。何かと、手持ちでリンホフはハードルがございますが、ひとつ、解決した気が致します。
よろしくお願いします。諸先輩の方々、今年一年ありがとうございました。良いお年をお迎えください。そして来年も宜しくご指導賜りたく存じます。

フイルム大好き 2023/12/22(Fri) 17:31 No.2446
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様諸先輩の皆様
あけましておめでとう御座います。本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、本日、日暮里の代理店様のご厚意で、リンホフ70のファインダー内部の作動状況を動画に撮らせていただきました。動画の容量が大きく添付できませんでしたので、距離ゲージの構造部分の写真を添付にてお知らせいたします。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/05(Fri) 17:31 No.2466
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。
先日、代理店訪問時、かねてよりの疑問を代表に質問しました。
リンホフ三脚の脚の一本にあるボルト穴です。
明快即答曰く、雲台セット用です。ローアングル撮影の為ですと。

帰宅後セットしてみて、ここまでかんがえていたんだと、しばし感心しました。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/08(Mon) 00:27 No.2467
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
過日、上野の国立博物館の展覧会にリンホフ70持参で行ってまいりました。拝観後敷地内散策、手持ちにて撮影してみました。フイルムはベルビア100。プラナー 100mmをf5.6 1/50でした。6×7サイズです。手持ち撮影に随分と慣れてきて横画面撮影とかもチャレンジしました。重かったですが結果に満足です。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/02/22(Thu) 16:00 No.2486
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、すばらしくシャープで驚きました。
やはりこの機種は手持ちを強く意識して作られていると思えますが、重量は日本人にはなかなかキツイものがあります。
ここまで使いこなされたら、出番が増えそうですね。
横も期待しております。
れんずまにあ 2024/02/22(Thu) 16:43 No.2487
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
早速にお褒めいただき、ありがとうございます。構内では好奇の目で見られましたが全く気になりませんでした。横画面も追加投稿させていただきます。構図とかご勘弁くださいませ。何せ、ピント合わせ保持はキツイですので。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/02/22(Thu) 16:55 No.2488
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
このところ、家内が介護出動による留守番が多く、自宅でカメラを弄ることが多くなつておりまして、、
三脚にリンホフ70、ゾナー180mmをセット。デジタルバックはGFX50SUとしてみましたが不恰好でカメラが文句を言っている様です。
手持ちスタイルでスーパーロレックス装着が一番ですね。タングステンライト下、ASA1600 f4.8開放 1/250です。鼻先下の紫はテレビ画面の影響です。いつも、拙作で申し訳ございません。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/04/20(Sat) 18:44 No.2526
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
先日の、たぬきおやじ様のご指導にてスイングバック作動を確かめて、70を三脚にセットしてトライしました。収納で問題が、、スイングバックロックフックが上下に、2箇所あり、下のフックがリリーススライドに反応しません。仕方無く隙間から爪で押し込んでやっとバチンと入りました。
この点、代理店に問い合わせ致しまして、得られた回答は、70の唯一の欠点で、下部フックは外す(工賃発生)、か割ってしまう。かどちらかとの事でした。
折角の装備を壊す様な勇気も無く、又工賃支払うのもなんだかと、手持ち中心で行く事にしました。
凝った作りと精密性が逆に仇となっている様です。
又、勉強になりました。よろしくお願いします。

追記
れんずまにあ様
前期型、バックドア取外し不可モデルは、交換パーツ払底で入手は中古品転用以外不可能との事です。大切になさってくださいませ。

フイルム大好き 2024/04/22(Mon) 17:13 No.2530
Re: スイングバックロック
フィルム大好き様、大変重要なご指摘をいただきありがとうございます.

思い出すに、私は完品のテヒニカ70ではバックアオリをつかったことがなく、購入後の作動チェックしかしていないのでロックがどうだったか思い出せません.
心配になり今見直すと,一応スライドは左右とも働いてロック解除できるようでしたが、若干渋い感じはあります。そして引き出した後、正位置に戻す際には左右を揃えて垂直に差し込まないと、片方をロックした後もう片方を斜めから入れ難く、無理をすると爪を破損してしまいそうでした。

先日ファインダーなし70で軽く撮影したときには気づきませんでしたが、ジャンク品のほうはロック爪を除去してあり、固定スクリューを緩めるとただちに引き出せました。
ロックがかかるか掛からないかの微妙な位置は、このようにロックがないほうが調整しやすく、引き出すためにアクションが要らないため、アオリだけを考えればロック除去もアリかなと思いました。
ただし私の個体もよく見たら前回きっちり正位置にもどしておらずバックが少し浮いた状態になっており、ピントグラスなら問題ないけど距離計連動撮影を行う時は、ロックがないのは危険かと思われます。

余談ですが、まだ23シートホルダーが十分揃っておらず、今回はラピッドロレックス67を使いました。
ピントグラス撮影には良いのですが、テヒニカのスプリングバックはかなり強く、ホルダを押し込むとプアな三脚やクイックシューはずれてしまいがちでした。
さりとてゆるく押し込むと、十分な位置まで押し込めず隙間が空いて漏光、焦点面ズレでピンボケしてしまいました。
しっかりした三脚が用意できなければ、後期型のスプリングをレバーで開放するバックを装着すべきかなと思いました。

れんずまにあ 2024/04/22(Mon) 20:58 No.2531
Re: スプリングバック
拙宅にはテクニカルダン購入時のレバーつきバックがありますので,これと70のバックを交換しようと考えました。
テクニカルダンはスーパーローレックスを使うのでレバーはさしあたって必要ないのです。
あ、久しぶり引っ張り出したら、水準器が3個蒸発していた...買わなくては.

れんずまにあ 2024/04/29(Mon) 20:16 No.2532
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
暑中お見舞い申し上げます。
酷暑の中、linhof70にゾナー180ミリセットで手持ち撮影行を上野不忍池にて決行してまいりました。重い、暑いの二重苦も不思議にこなせて、ついでに持参したGFXも携行しました。やはり、ピント合わせは、事前にヤマカンで最後ファインダーで追い込むパターンでないとキツイですね。蓮の花の撮影を昼前に無事終了出来ました。
結果は、後日報告申し上げます。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/02(Fri) 18:16 No.2552
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日の不忍池 蓮の花の撮影、現像が上がってきました。何せ重いレンズで、近隣のテストに三脚使用しか持ち出したことがなく、手持ちでトライしての結果は大満足です。機材の扱いも慣れまして、ダークスライド引忘れ、二重露光無しで無事に6×7 10枚露出揃いで、改めて60年前の機材の良さに感激いたしましたので、一枚添付させていただきました。

使用機材は
テヒニカ70
ゾナー180mm
撮影データは
f11 1/100sec VELVIA100
スキャンデータ
EPSON GTX980
純正ネガキャリア
ソフトsilverfast9
1600ppi
以上、宜しくお願いいたします。

フイルム大好き 2024/08/08(Thu) 17:05 No.2557
Re: リンホフ テヒニカ70
フイルム大好き様

素晴らしい蓮の花の写真ですね。感動致しました。

特にピンクの花びらの描写とその後ろの大葉の立体感が印象的です。
背景のボケも美しく,流石にSonnar 180 mmですね。F11でここまで綺麗なボケが出るのは,やはり中判用長焦点レンズの特権と思います(日浦様の解説を頭の中で想起しつつ...)。
素晴らしい作品を見せていただき有り難うございました。
狸おやじ 2024/08/08(Thu) 19:50 No.2558
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
早速にお褒めいただき、恐縮です。
ありがとうございます。
このレンズ、持ち歩いて気がつきました。
シャッタースピード1/100の次は1/250になっていまして、f8での露出系の出た目のセッティングが無く、熱中症になりそうな中、迷いながらシャッター切りました。
安易なデジタルを使っていますと、写真感覚が退化している様な気がいたしました。
いずれにしても、楽しいですね。
お陰様でで、ポジアルバムのページが増えてきました。
もう一枚、何気に撮った弁天堂の相輪の写真も添付させていただきました。
こちらは、1/250 F11です。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/08(Thu) 20:43 No.2559
Re: リンホフ テヒニカ70
ふぃるむ大好き様、酷暑の最中、すばらしい作品をお取りでなによりです。
やはり大フォーマットのフィルム画像はデジタルにない感性に訴えるなめらかさというか立体感というか、サムシングがあるように思います。
それが好きでフィルム撮影、特に大フォーマットを続けています。もう一つは、カメラ操作が大好きで、殺絵行為そのもので幸せになっているのですが。
私も負けずにリンホフを使ってあげたいと思いました。
れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:46 No.2565
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
Linhof Technika70のゾナー180mmでの手持ち撮影時、レンズフードが無く直射日光下に不安を覚えました。古いレンズには過酷ではないかと、、。仕上がりのポジには満足いたしましたが、Amazonで口径が合っていそうなのが格安800円位で有りまして、クリックしてみましたら、案の定、中国から、、、
期待せずにしていまして、到着。フルメタル製でなかなかのモノでございます。
しかしながら、ただでさえ大きな本体の上、無限位置でここまで出っ張ります。
既に、人目は気にしない境地に達しておりますので、再出撃してみようと思っています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/28(Wed) 19:24 No.2583
Re: レンズシェード
フィルム大好き様、着々と充実されていますね。
仰る通り、旧機種にはシェードがあるほうがよく、80-90年台の製品でも、逆光でシェードを付けると露出計表示がわずかに暗くなり、やはりグレアが生じているのだなと思い知りました。
コンパクトで、逆向き収納もできぞうなシェードですね。
私4x5にはこのようなバネでレンズを挟み込むパーンドア型シェードを簡易的に使っています。ジャンクボックスでよくころがっています。

れんずまにあ 2024/08/31(Sat) 17:07 No.2586
Re: リンホフ プレス70
昨年秋に撮影したネガをようやく現像しました。
ゾナー180mmf4.8,f8,1/30,コダックゴールド200

マンフロットの一脚を併用しています。アップダウンがあるので三脚は持っていかなかったと思います。
テヒニカ70もそうですが、プレス70は余計に縦位置主体になってしまいます。
縦位置は好きなので、構図を決めるのも楽しみですが、横にしようとすると労力ですね。

リンホフのスーパーローレックス6x7は、プロポーションが6x8に近く、個人的に日本の67機よりも好ましく思っています.そして日本の6x8機が9枚しか撮れないのに、リンホフは10枚撮れて、フィルムシースへの収まりもよろしいかと思います。

れんずまにあ 2025/02/06(Thu) 21:03 No.2714
Re: リンホフ プレス70
ビオゴン53mmf4.5、f11,1/30,コダックゴールド200

昨年は紅葉が遅く、訪れた時にはまだ色付いていませんでした。
超広角ですが、縦位置では横方向の画角が標準レンズに近く、視覚的には縦方向のパースが強調されるだけで横方向は自然かと思います。
プレス70は重く取り回しに難があります。しかしレンズ交換の際の距離計連動精度は非常に信頼感があり、積極的にレンズ交換したくなります。
ただしダークスライド挿入有無の安全機構はなく、つい1枚無駄にしてしまいました。

れんずまにあ 2025/02/06(Thu) 21:13 No.2715
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
リンホフ プレス70のご投稿、有難く拝見いたしました。ゾナー180mmの綺麗なボケの中に浮かび上がるシャープな花の描写に加えビオゴン53mmの目の醒める様な写真に惹きつけられました。以前、ebayにて53mmが二度購入できるチャンスがありましたが
65mmも使いこなしてもいない事を反省して見送ってしまった事に後悔しきりです。
レンズ自体から立ち上がる精密感も素晴らしいですね。引き続きの作例のご投稿を楽しみにしています。よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/02/07(Fri) 09:01 No.2716
Re: リンホフ プレス70
フィルム大好き様、過分なご評価いたみいります。
まさにカメラに撮らされている感があります。
ゾナー180は以前グラフレックスXLで使用したことがあり、また改造品をSL66で持っていますので3本目の経験です。
XLはレンズ交換に非常に気を使い、また交換時に距離計キャリブレーションを行うのですが、それがいまいち信用できないので、レンズ交換をしないか、焦点板での確認をせねばならないのに対して、プレス70の確実性と高精度はありがたいところです。
ところで、ビオゴン53をリンホフテヒニカ70や、リンホフ23に装着した時に、ベッドダウンを必要とするのかどうか、いまもって疑問に思っています。
最近関西で舶来大中判に強い店舗がアクセスしにくくなっていて疑問をぶつける先がありません...
れんずまにあ 2025/02/08(Sat) 21:52 No.2720
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
Sonnar180とBiogon53の素晴らしい画像をありがとうございます。
この頃のZeissレンズの描写には,繊細さと気迫が感じられるように思います。

> ビオゴン53をリンホフテヒニカ70や、リンホフ23に装着した時に、ベッドダウンを必要とするのかどうか、いまもって疑問に思っています。

これはどうでしょう。SA65mmでも横位置ならケラれないのですが,縦位置だと上端の7mm程が標準位置(6x9)でケラれる。Biogonは鏡胴が長い分有利ですが,焦点距離が短いのでどうでしょう。もし縦位置でケラれる可能性があれば,アオリの自由度も含めてリンホフはベッドダウンを推薦すると思います。テヒニカ23IVの取扱説明書(1957年頃)には,Biogonの装着方法について解説があり,ベッドダウンが標準使用法です。テヒニカ70の説明書にも,広角一般の設定位置としてベッドダウンが説明されていますが,個別の設定に対応していたかどうか... 。

狸おやじ 2025/02/09(Sun) 13:19 No.2723
Re: ビオゴン53装着法
狸おやじ様、貴重な資料をありがとうございます。
この図を拝見すると、確かに53mmもベッドダウン+内側レール後退で装着するように見えます。
23でもそうなのですから、70では縦位置が標準であることを考えると、65と同様のセットアップが必要そうですね。45も当然そうなのでしょう。
しかも本文を読むと、ボード装着前に10ミリライズして、装着後に定位置に戻すなど、作法が多いことに驚かされます。
ただし超広角まで同じボディでカバーできるリンホフの汎用性の高さを改めて感じました。
れんずまにあ 2025/02/09(Sun) 17:01 No.2724
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
不明な点があるのも、リンホフ故なのでしょうか。所有していないくせに生意気なコメントを控えておりましたが、本家の日暮里の御仁に問い合わせてみました。
曰く、
横位置撮影ならば必要ありません。縦位置撮影ならばベッドは映り込むのでベッドダウン
してください。
との事でした。
調べるほどミステリアスなレンズですね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/02/10(Mon) 00:37 No.2725
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
お世話になります。linhof70のサービスを本国のlinhof社に問い合わせいたしましたら
以下の返答を得ました。
もう、壊さない様にするか、アメリカのLaflexに依頼するしかない様です。
よろしくお願い申し上げます。
Thank you for your e-mail.

SERVICE | Linhof

Please follow the link and see under &#8222;REPAIR“

Older cameras and accessories
You will certainly understand that not all Linhof products depending on their age can still be repaired. The older the camera the more complications have to be anticipated. Generally speaking all cameras older than production year 1959 can no more be repaired lacking spares. The same applies to the models:
Super-Technika V &#8211; with rangefinder
Technika III 6×9, 9×12
Aero Press
Press 70
Standard Press
Elektrik 70
Linhof 220
Kardan Color, number range 101-1400
Kardan Standard
Technika IV 6×9 und 9×12
Technika 70

We are sorry, but we do not offer service or repair for Technika 70 cameras.

Kind regards
フイルム大好き 2025/02/13(Thu) 19:19 No.2730
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
貴殿のビオゴン53mmのご投稿2715を拝読後、どうしても頭から離れず、密かにサイトの検索はしておりましたが、あっても見て見ぬふりの痩せ我慢。
先日、ebayにて、super anglon 53mm f4の売物を発見、ビオゴンのおよそ半値。もとより、ラッパ型のクローム鏡胴レンズに憑かれていますので思い切って落札出来ました。幸い、カムも有りますので、番号未刻印ですがスクリーンで試してみるつもりです。
到着後、メンテナンスを施し、リンホフ23の板に作例を投稿出来ればと思っています。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/02/20(Thu) 16:38 No.2736
Re: SA53/4
フィルム大好き様、順調に装備が充実していっているようでお喜び申し上げます。
SA53/4はプレス用のはかなり珍品なんでしょうが、テヒニカ用はたまに見かけます。
テヒニカ23Vで友人が使用していて、良い感触であることは聞いておりました。
カムがあるのはいいですね。
長いレンズですが、シャッターは一般的なコンパーで整備もしやすそうです。
写りが上がりましたら是非拝見させていただきたいです。
れんずまにあ 2025/02/23(Sun) 10:04 No.2739
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつも、有意義なご投稿ありがとうございます。
ebayで落札したSA 53mmf4が手元に届きました。概ね問題はありませんでしたが、シャッターソケットの戻りが渋く旧型白ですので代理店に相談してみようと思っています。
23Vにセット、ピントグラスに広がる画角など確認しました。
到着迄よせば良いのに再度、ebayにてファインダータイプU、れんずまにあ様リンホフ70のご投稿1576による53、80、180の組み合わせでクセノター80が一つセットの商品を見つけ 53ミリの視野を見ながら手持ちで、、という欲に負けて頼んでしまいました。月末に到着予定です。準備できましたら作例を投稿させていただこうと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/06(Thu) 23:04 No.2751
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、これでシュナイダーのドリームセットが組めますね!
ファインダーが対応しているなら、ディスクカムも53が調整されている可能性が高いですし、まずは到着が楽しみです。
クセノター80は30年前ごろカンボXLについているのを店舗で勧められたことがあり、後ろ髪引かれましたがその時はスルーしました。当時余裕なかったけど、今も悔しいです。
リンホフについているのは本当に珍しいですね。コンパクトで写りも期待できます。
良い品が届きますように!
れんずまにあ 2025/03/09(Sun) 11:32 No.2754
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもお世話になります。 70のタイプUが思ったより早く届きましたので報告いたします。商品説明ではレンズシャッター全速問題無し、本体機能も問題無しとなっておりましたが、まずシャッター1秒からスローは全て途中で引っかかる。ソケットは外れて中のピンが無い。本体のレールは硬くて、乱暴ながらシリコンスプレーでやっと。といった感じです。ただ、ファインダーがことのほか綺麗で安心しました。
問題のSA53mmですが、1秒が引っかかる為、TOYOの主人に問い合わせしたところ、
このタイプの旧コンパーは部品交換ができない為お手上げかも、との事に少々青くなりました。工房がご自宅へ移された様で早速送付。幸い無事に作業進行中です。
80mmのカム番号は、一致して安心致しましたが、 53mmに打たれている番号は、何とオーバーホール中の個体と判明しまして、偶然による天佑と喜んでいます。
作業完了したら
手持ちで撮影を楽しむつもりです。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/11(Tue) 13:45 No.2756
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、まずは到着おめでとうございます。
少々の整備は必要のようですが、期待して待ちましょう。
TOYO様はご自宅でサービスをご継続ですか!!工房は閉じられたと新聞に出ていたようで、完全閉業かと悲観していましたが、世界中に愛用者がおられるでしょうから、サービスだけでもお続けになるなら安堵です。
そして53のカムとシリアル一致とは、奇跡の邂逅ですね。そんなすごいことがあるのかと思うのと同時に、そんなに数が少ないのかとも。
とりあえず完成が楽しみですね。
れんずまにあ 2025/03/12(Wed) 21:38 No.2757
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
ありがとうございます。TOYO様は怪我が原因で工房を移されたそうです。かなり、修理依頼が来ていて忙しそうです。
シリアル一致が判明した時は思わず、声が出てしまいました。販売元のサイトを見てみましたら案の定、ジンマー180mmのシリアル一致商品が出ていました。
180mmは手元にありますのでこの辺で、と思います。
ボディ、レンズと高額治療費が嵩み頭痛のタネです。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/13(Thu) 01:13 No.2758
Re: リンホフ テヒニカ70
なんとジンマー180がすでに装備されていましたか。
私が物心ついた(大中判のw)時には、23カメラはスーパーテヒニカVブラックになっており、レンズはMCのSA65/5.6、Symmar-S100/5.6、同180/5.6の一択でした。つまりその頃はツァイスの選択肢も、テレタイプのレンズも絶滅していたわけです。
しかし70にジンマー長焦点の選択肢があったとは、驚きです。
もちろん2段レールで繰り出し量に余裕があるので、テレタイプでなく対称型を使うには問題ないし、ライズやティルトの余裕も十分になるでしょう。そしてジンマー180はテレタイプの同焦点距離をどうかすれば凌駕する画質でもあります。
後にレンズだけ依頼してカムを切ってもらった可能性もありますが、そういう選択があったのだなと初めて認識しました。
れんずまにあ 2025/03/13(Thu) 16:26 No.2759
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもお世話になります。
タイプUの個体、日暮里のクリックに入庫、チェックの上ジャバラは大丈夫という事で、清掃、グリス入れ替え、ピントグラスバックの張り革の剥がれの貼り替え、シャッターソケット付け直し等突貫で作業してくださり、引き取ってきました。 80ミリのスローはダメですが手持ちでスローは使わないので、当分このままで行こうかと思います。
久しぶりにショルダーバックに入れましたが、重いですね。
まずは、手持ち 80ミリの撮影結果の報告になると思います。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/14(Fri) 18:03 No.2760
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
諸先輩の皆様
お世話になります。
先日、クリック様でお土産に今はなきフジPRO400の120の冷蔵保存の5本パックをいただきまして、期限切れ2年経過の状態はいかにとタイプUに詰めてテスト撮影をしてみました。
スーパーロレックスを装填した本体の重みが応えまして体力の衰えを実感、三脚セットピンとグラスにてシャッタースピードの怪しいクセノター80mmの結果です。フォーマットは6×7です。
ISO400
SS1/25
f2.8と4の間です。スピード現像30分後、EPSONGTX980でスキャン、silverfast9
にて1600ppiです。lrにて少し手を加えました。
まあまあ満足しましたが、体力の衰えに、愕然、腕立て伏せ復活しようと思っています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/18(Tue) 17:28 No.2767
Re: Xenotar80/2.8
フィルム大好き様、素晴らしいクセノター80mmの画像を早速ありがとうございます。
焦点がバッチリで、信頼できる精度が証明されお喜び申し上げます。
解像力シャープネスも申し分なく、さらにワンチャンの柔らかな毛並みがよく再現されていますね。
これが最近のアポジンマーあたりだと、女性の髪が針金のように写ったりすると行きつけのカメラ店主がおっしゃいます。
カラーネガの描写も良く効いています。広いラチチュードと、適度なコントラストで多少シャッターの正確性が疑問でも、包容力が高いです。
私は85年ごろにプリントを最終目標にしだしてから、ポジからネガに軸足をうつし、今ではいい加減露光ができる横着のためネガばかりです。
昨今のフィルム事情では、フジの400は超高級品になってしまいました。大事に使いたいですね。
れんずまにあ 2025/03/20(Thu) 07:46 No.2770
プレス70用ゾナー180mmf4.8
プレス70セットは、ビオゴン53/4.5、プラナー80/2.8、ゾナー180/4.8でした。
ボディ+3本、ローレックス2個を入れたスリングバッグは、バーベルのようです。
テヒニカ70の、テレアートン180/5.5を含めた3本セットがいかに小型軽量か身に染みます。

ゾナー180は、95年ごろグラフレックスXLで経験がありました。XLRFで使って大変高性能でしたが、セット重量がブロニカGSー1+200/4.5とあまり変わらないこと、XLはレンズ交換時の精度が落ち着いて行わないと不確実になることで、売却してしまいました。
その後海外通販でSL66マウント改造されたジャンク価格の個体を入手。(画像右)高性能は知っていたので、プレス70に含まれ嬉しいことでした。(画像左)
そのうち知人からXL用(画像中)を譲渡され、3本体制になってしまいました。

ただでさえガラスが多く重いところ、プレス用は過剰に頑丈で正直山に持参はしかねます。
しかしXLで苦しんだレンズ交換精度は大変高く、ほとんど気を使いませんし、RFの精度も満足できます。
撮影中いちいち精度に気を遣っていられないのも確かで、XLはボディつけっぱなしでレンズごと複数ボディを持参するという小型軽量を相殺するような使い方になりかねません。
平地では積極的にプレス70を持ち出しています。

れんずまにあ 2025/03/20(Thu) 08:06 No.2771
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
早速の拙作へのお褒めのコメント、ありがとうございます。恐縮しております。
プレス70のレンズの仕上げの良さが伝わってきます。今やこんな仕上げは望むのも不可能ですね。
ライカは復刻版を出したりしている様ですが、リンホフも一考してもらいたいものです。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/20(Thu) 15:58 No.2772
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
お世話になります。SA 53mmのOHが仕上がってきました。思いの外時間がかかった理由は、売主がスタックしたスローに乱暴にオイルをくれたらしく、その洗浄とガバナに少し錆が生じて、丁寧に錆落としをしてくださったとのこと。TOYO様に大感謝です。早速70にセットしましたらレール後端で今にも外れてしまいそうな位置。少々パニクリましたが、上レール2段目迄後退してジャスピン。その場合のインフストッパーは 80mmより前の逆転位置に来ました。説明書には記載がなかったようで混乱しました。
流石にファインダー視野は大きく目をぐるぐる回すようです。
近々、テストして
報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/24(Mon) 16:29 No.2777
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもお世話になります。
先日のSA 53mmのセット説明で、上レール2段セットバックと記しましたが、もう一台の70で試したところ、一段セットバックで完了しました。移動位置もタイプUの2段目はタイプTの1段目と同じ。製造年は、タイプUが古くこのへんに差があるのか、タイプTとタイプUではセットバックの設計が違うかもしれません
比べてみてわかった点です。
写真左がタイプU、右がタイプTです。タイプUの下レール左に変形五角形のプレートが埋め込まれています。それがなんなのかわかりません。下のロックプレートの角度も違います。又、ミステリーですね。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/25(Tue) 23:38 No.2778
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
近くの神社の枝垂れ桜が満開で、手持ち 53mmの出番と撮影をしてきました。本体の重さに腕が痙攣しそうでしたが結果は満足出来ました。
データはSA 53mm、f16、SS1/250、フイルムは期限切れフジPRO400です。スキャンデータは前回と同じです。
PCからLINEに送り、アルバム保存、で添付致しましたが、解像度は落ちてしまっているようです。ネガ上ではバリバリでした。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/27(Thu) 17:44 No.2779
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、SA53の桜は見事ですね。ネガでは解像はさらに良かったとのこと、モチベーション上がりますね。
しかしタイプIIの内側レールの下にそのような構造が!
気になって拙宅の2台を調べたら、どうも2台ともタイプ!のようです。5角形は出てこなかった...
これから良い季節になりますね。カラーフィルムが映える季節ですが、現像料金と返却期間に恐々としています。
70を使うとついつい縦構図になってしまいます。
そういえば、GS645もそうでした。
縦の美しさを探すことになりそうです。
れんずまにあ 2025/03/28(Fri) 23:17 No.2783
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
早速にコメントを頂戴して、ありがとうございます。SA 53mmですが
他のネガを含め仔細に桜の写真を見て、どうやらこのレンズは中央周辺は文句のつけようがないのですが、四隅がイマイチのようです。貴殿のビオゴンの作例のご投稿を今一度拝見、全面先鋭な結果と比べて気がつきました。この辺りが、ツァイスの評判が不動の理由なのかと思います。
癖を上手く使いながら、使っていこうと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/29(Sat) 10:20 No.2785
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
カムNo.一致のジンマー180の売物を発見後、どうも気になり散り散りになった家族を戻してやりたくなり、取り寄せてしまいました。シャッターもレンズもまあまあの状態でした。上レールを一段引き出してインフ;の位置に来るようです。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/30(Sun) 12:36 No.2791
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
連続投稿、失礼致します。
ジンマー180にデジタルバックセットでの作例です。
よろしくお願い申し上げます。
データは以下の通りです。
ISO1600
f5.6解放
SS1/25
GFX50SU

フイルム大好き 2025/03/30(Sun) 12:41 No.2792
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
皆様
2年前、ebayで見つけて買っておいた、70、23V用のカムがあるのを思い出して、TypeUのカムを外して比べてみました。年代の違いか、180mmのカラーリングが違う事と、180mmジンマーはシリアルの字体の違いから、後日追加しているのかなと思います。れんずまにあ様ご投稿2759のご推察の通りで驚きました。未刻印、未切削の個体と比べ、ヤマのカーブの違いに驚きます。特に 53mmは、ビオゴン対応かと思います。
これはこれで、手を入れない状態だとどうなるか試してみたくなりました。
素人の手仕事でヤマの切削はしないように致します。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/04/11(Fri) 12:37 No.2806
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
先日、カム番号一致のSymmar180mmが手元に届いた後、一応前後のエレメントを分解清掃後デジタルバックをセット、いつものテスト風景を切り取ってみました。シリアルから1963年製と思しき個体ですが、これ以上望むところはありません。実際の解像度は、驚くべきレベルです。ストッパー位置は、フイルムより使いやすく随分手前でセット出来ました。
総重量は重く、三脚を使用しました。
データは
linhofテヒニカ70
Symmar180mm
ISO500
1/125
f16
GFX50SUバックです。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/04/17(Thu) 01:13 No.2817
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
リンホフ70の純正、ジュラルミンケースについて投稿申し上げます。
手元にタイプ1購入時についてきた一つと、タイプU購入時にセットで同じく届いた物がございます。届いた当時は何方も黄色み帯びた変色が進み、とても見られる状態ではありませんでしたが、研磨剤と電動グラインダーで磨き上げ、バフがけを繰り返し、何とか見られる状態に戻すことができました。中の仕切りはバリエーションがあるようです。
重さは、空の状態で4.7kgもありまして、一度電車に持ち込みましたが、乗り降りの際人にぶつからないよう注意しました。フルセットですと9kgは軽く達して、クルマ移動以外は無理です。
但し、各レンズとボディ、各アクセサリーの収まり様は見事です。
70の持ち出しは、もっぱらビリンガムのショルダー、レンズは一つだけが続いていますが、クルマのトランクにこのケースを入れてGWに出かけてみようと思っています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/04/19(Sat) 17:59 No.2820
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、益々のご精進おめでとうございます。
まとめてのコメントで恐縮です。
まずはジンマー180の迫力に驚きました。
23ボードに溢れんばかりのサイズですね。そして内レールを引き出して無限が来るのも初めて伺いました。ストッパーは設置されているのですか?
性能はバイテンギリギリ不足ほどのイメージサークルを持ちながら、解像力は十分高そうで、さすがです。

そして未切削、未刻印のカムとの比較も驚きです。
拙宅のカムの一つは、65,100だけ焦点距離とシリアルの刻印があり、もう一山は何も刻印がありません。なので未切削は何も刻印がないものだと思っていました。焦点距離が刻印されていて、大まかな形状のものがあるんですね。
そしてレンズとの適合は結構微妙な調整が必要なのがよくわかります。
シリアル一致のレンズはとりわけ貴重であることも実感できます。フィルム大好き様の180はやはり合わせてあげてよかった。

純正70トランクケースがあるのですね。
つくりの良さが伝わってきます。昔の映画に出てきそうです。
重量は、現地の連中とは体の作りが違うのだなあと。
思えばプレス70の3本セットなど、日本人が思いつく重量ではない気がします。企業内で絶対に企画が通らないと思います。
テヒニカ70にそのケースを組み合わせて運搬、雰囲気ありますね(笑
れんずまにあ 2025/04/20(Sun) 01:38 No.2828
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
大先輩からコメントいただき、恐縮しております。ありがとうございます。
おかげさまで、環境が整い、本年の課題としてモノクロの120とシートフィルムの自家現像並びに薬剤別の比較。。あわせて増感現像とアオリ撮影にトライするつもりです。リバーサルも撮りながらアルバムを楽しむつもりです。

SNS用の写真は、iPhoneで充分ですが、気になるのは、インスタグラムでミラーレスカメラにボードから外したスーパーアングロンを取り付けて作例を出している方がおりまして、いずれトライしてみようと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/04/20(Sun) 17:51 No.2829
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
コンバーチブルジンマー180mmの前群外し、315mmf12にトライしてみました。デジタルバックを70にセット。内レール最大に伸ばし、蛇腹が伸び切ったところでピントが合うまでもう一息でした。れんずまにあ様の仰せの通りのご投稿No1583の対象型300mmまでとのご指摘の通りでございました。これはフイルムでも無理で4×5の世界なんだと諦めました。
180mmで割り切って楽しんでいこうと思いました。
宜しくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/04/22(Tue) 01:38 No.2832
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