タムロンアダプトールレンズ
アダプトールは1973年、
アダプトール2は1979年リリースされたタムロンのバヨネット交換マウントレンズシステム。バヨネットは2者共通で初期には相互に互換性があった。
Adaptーallすなわちすべてに対応できるとうたっており、事実機械連動のカメラに対して大変広大な対応機種を誇っていた。
タムロンは1958年からTマウント(M42x0.75)による交換マウントレンズを発売していたが、1969年からアダプトマチックというスクリューに自動絞り機構を付加した交換マウントを発売、1973年からはより高度な自動絞り連動機構を備えたバヨネット交換マウント「アダプトール」に移行した。
その後、1979年にはカメラメーカーが独自の連動機能を拡張するのに対応し、アダプトール2システムに更新されたが、アダプトールレンズは2マウントにも装着でき、上位互換性が確保されている。(カメラ対応には様々なケースがあるらしい)*参考:タムロン交換マウント対応表:www.tamron.co.jp/data/mount/m_index.html; Matt’s Classic Cameras, Tamron Adaptall-2 System //mattsclassiccameras.com/lenses/adaptall-2-system/
初期のアダプトール2レンズは、アダプトールマウントに装着することができる。これは設計がアダプトールの流用である場合もあるが、アダプトールマウントにも入るよう、後玉径を細くする配慮がなされていたと考えられる。
プラスチックを多用しだした頃の、後期のアダプトール2レンズは後玉径が太くアダプトールマウントに入らない場合がある。
アダプトール2交換マウントは、当時の発売されていたカメラを網羅しており、1990年代になるとカメラメーカーが生産中止した機種に対応するマウントも継続生産されているため、旧機種に最新型のタムロンレンズが使用出来る、ユーザーフレンドリーな対応であった。さらに、交換レンズの種類が少ないか、入手困難なカメラに対しても大変ありがたいシステムだった。
タムロンサイトには以下の交換マウントが挙げられている。
ニコンAI-E,ニコンAI爪付き,キヤノンFD、ミノルタMD,ミノルタαマニュアル用,ペンタックスK、ペンタックスKA,ペンタックススクリュー,ペンタックスES,オリンパスOM,コンタックス/ヤシカ,コニカAR,フジカST,フジカAX,プラクチカバヨネット,ローライ,マミヤZE,リコーXR-P,ライカR4,Cマウント
その他に、キヤノンEOS(マニュアル),ライカR(マニュアル),トプコンREが存在している。REはアダプトールなのかもしれない。またRがわざわざマニュアルも供給したのはR4用がレフレックス500に干渉するためのようだ。
1976年のカメラショーカタログには、トプコンREの他に、マミヤM42スクリュー(DSX1000, MSX1000など)、TVマウントが掲載されている。他にもあるかもしれない。
アダプトール2以前のマウントについては資料に乏しく、私は記載することが出来ない。
旧アダプトールは1973年スタートなので、ニコンF爪付き、キヤノンFD、オリンパスOM、ペンタックスM42/ES、ミノルタMCはカバーされていたはずである。現物としてライカフレックスSL,SLmot用2カム(1カム側はなく2カムだけ)マウントが手元にある。
各社がAFに移行する際に、交換マウントでは連動に限界があり、90mmf2.8マクロ、レフレックス500mmf8と28-200mmズームを最後に2006年生産が終了した。
はじめてレンズメーカー製品が、純正をさしおいて積極的に選ばれる契機になったレンズかと思います。
構成6群8枚
外径64.5x70,5mm
重量420g
最短撮影距離0.39m,倍率0.5倍
フィルター径49mm,ねじ込みフード(プラスチック)
タムロン愛好家からは、形式名の52Bで呼ばれることもあるほどです。
1979年、アダプトール2発表同時にラインアップしています。
当時は中望遠マクロといえばf3.5〜4クラスの暗い純正レンズか、近接での開放画質が甘いレンズメーカー製しか選択肢がない所に、破格の明るい開放f値ながら開放から画質が高いこのSP90は、カメラ雑誌のテストレポートで高評価を受けたこともあり高い人気を博するのに時間はかかりませんでした。
アダプトール2レンズは寸胴で縦に滑り止めが入った独特のデザインで、正直どのカメラにも合わないと思うのですが、それが逆にどのカメラと組み合わせても同じ雰囲気を持っています。
コンパクトですがずっしりと重く、作動滑らかで精度が高く、レンズメーカー製品の悪評を払拭したことでしょう。
構成はガウスの後部に補正レンズを配置し、前のガウスを繰り出すフローティングで、遠距離から近距離まで安定した画質を保ちます。
実際に使用してみて、遠景描写はすばらしいものです。90mmクラスで52Bより優れた遠景画質のレンズを知りません。一方、0.5倍の画質は流石に開放ではエッジが甘く、f4で比較してMicroNikkor105/4より切れが劣ります。コントラストは高いので低倍率での印象は良いのですが、本格マクロとまでは言えない気がします。勿論f8より絞れば立派に高い精細度になります。ただし多くのユーザーを魅了したのは尖鋭度ではなくボケの美しさのようで、その点ではトリプレット変形のMicoroNikkor105/4では敵うべくもないでしょう。
マクロ好きの私としては、近接もできる明るい中望遠、という評価になります。
当時さかんに宣伝されていたBBARマルチコーティングが施されています。時代によって前玉コートの色が変遷しており、初期にはブルー、後期には深いパープルになりました。
52Bは単体で倍率0.5倍までですが、等倍にはBBAR2xテレコンバーターに組み合わせ、180mmf5として使います。
この考え方は画期的で、確かにフローティングレンズは中間リングを使うと繰り出さない形では像面湾曲が酷く周辺画質が不良になりますから(これはテストしましたが明らか)テレコンというのはよい解決です。
ただし球面収差が増えてしまうようで、開放f2.5ー合成f5ではかなり柔らかなエッジが甘い像で、後に出てくる52BB時代の中間リングと比較して、0.5倍では周辺は中間リングに勝るが中心は中間リングの方が勝ち、等倍では中間リングのほうが高画質。
2段ほど絞ると像が締まり本来の画質といえます。ただし2倍テレコンは2段暗くなって手ぶれや被写体ブレの危険性が増しますので、ストロボ接写など特殊な場合を除いて普遍的に便利とは言い難いでしょう。
ただし当時は等倍撮影自体が特殊なもので、それほど頻用されたわけではなさそうです。
専用テレコンでないと不良かというとさほどでもなく、ケンコーPro300辺りの高級タイプでは同程度の画質が得られます。マウントとレンズの間に入れる専用より、ケンコーのほうが便利だったりします。
プラスチック化されましたが重量は456gと少し重くなりました。外径も66.5x77.5と少し大型化。
フィルター径は55mmになりました。
またフードは専用バヨネット装着になり、逆付けして携帯できます。
繰り出しが、52Bは中央のリングが内筒の半分の繰り出し量で前進しますが、52BBはリングの位置は変わらず内筒だけが繰り出されます。
画質が改良されたと書かれていますが、テストでは52Bとの差は認識出来ませんでした。
このほかのレンズも構成を変えずにプラスチック鏡胴化され、距離目盛りが覗き窓から見える形式になったものはBBコードが付きました。
52Bとの大きな違いは、等倍には専用エクステンダーを用いるところです。
名前はトキナーやVivitarと似ていますが光学系は入っておらず,ただの自動絞り連動の中間リングです。
BBAR2xテレコンとの比較は前述しました。
蛇足ながら、52Bにエクステンダー、52BBにBBAR2xテレコンも試しましたが、どちらのレンズでも同じ結果で、クロスして使っても差し支えありません。
実は1990年に90mmf2.5のAF版、52Eが出ていますが0.5倍止まり。AF時代の純正マクロは単体で等倍まで撮影出来る機種が主流になっていて、タムロンマクロも等倍が期待されていました。
タムロンは90mmf2.5の明るさを維持して等倍に挑んだのですが、試作機の性能は良好だったものの、サイズが巨大になってしまい、試作でおわったそうです。
そのかわり、開放f2.8に留めて、鏡胴材をプラスチック化し、単体で等倍まで可能なのに軽量な426g(52B単体と同程度,AF用の72E は固定マウントで403g)に押さえた72Bを発売しました。
ボケの美しさは継承され、この72系(ですがアダプトールではなくAFでしょう)からタムロンユーザーになった方も多いと思われます。
無限遠から等倍まで連続して撮影できるのが大きな特徴ですが、連続してフローティングが作動し、最短での焦点距離は短くなります。そのかわり高倍率での実効絞りは明るく、開放f値が2.8と半段暗いのに、90/2.5に中間リングを入れるより等倍では明るくなります。
寸評:無限遠の高性能は、52系ほどではありません。52Bは星野写真をお撮りの方に高評価を得ていたそうです。開放からしっかりした星像の周辺に若干のハロをまとい、星が強調されるとか。でも72系は星像がそれほど鋭くないとか。
反面1/2倍から等倍までの性能は52系より若干優秀です。マクロとしての尖鋭度を重視するなら72系を積極的に選択してよいと思います。
ヘリコイドは如何にもプラスチックというスカスカした感触です。
当時タムロンは積極的にAF展開していた中で、アダプトール2マウントMFレンズを併売してくれたことに感謝します。
残念ながらこの時期の新型レンズは、後玉が大きいため、旧アダプトールマウントに入りません。
ライカフレックスSLや、マミヤM42(DSX用)など、旧マウントは残念ながら諦めるしかありません。
1979年アダプトール2開始と同時に形式名51Bで発売されています。
1989年に外装を改め、距離表示窓が透明プラスチックにして形式名151Bに切り替わりました。
フィルター径82mm、フィルター4種をターレット式に内蔵しています。
重量270g
外径70x47.5mm
最短25cm
大変よい作りで操作感触は滑らかです。
画質は、開放f3.5には少し無理があり、周辺光量低下、周辺画質が不良です。絞っていくと改善し、f8-11では実用上十分な画質になります。ただし周辺の倍率色収差は残っています。
システムにここまでの超広角が含まれていないカメラにとっては唯一の選択で、大変重宝です。
形式名01BB、1979年発売の01Bと同一構成で1989年に外観をプラスチック化し発売された。もしかすると旧アダプトールと同じ構成?
重量283g
外径68x43mm
フィルター径55mm
最短25cm
日本より海外でよく出たのか、海外通販では安く潤沢に出ている。
プラ化したBBタイプに共通して、少しスカスカした、AFほどではないが軽い操作感。
性能は、f2.5は少し無理があるのかハロが多く開放は柔らかい。f2.8に絞るとハロが消えコントラストが上がるが、純正f2.8クラスより周辺画質が思わしくない。絞り込んでいくと周辺も改善し、f8では十分繊細な画質。
純正24mmf2.8クラスとの価格差は歴然としていて、性能は価格なりともいえますが、f4でもB4程度の拡大なら純正との差は気にならず、実用的には問題無いでしょう。
今に至って、タムロン24mmを画質目的に購入する人はあまり居ないと思いますが、フジカやマミヤZE、また24mmや28mmは後期型でも旧アダプトールマウントに入りますから、珍しいカメラの使用範囲を広げて楽しむ目的なら、水準以上の画質で十分に楽しめると思います。
f2.5の明るさで、非常にコンパクト。
重量180g(マウントが重いのでタムロンは結構他社より重めになる)
外径64.5x37.5mm
最短25cm
フィルター径49mm
純正でも割に豊富な28mmf2.8クラスのなかでわざわざタムロンを買うのは余程奇特な人だけだったと思いますが、結構見掛けるレンズです。
スペックは悪くありませんが、やはりf2.5の画質はフレアっぽく、f2.8に絞ってハロを押さえるほうがいいでしょう。f2.5はオマケなのか?いやあるだけ使いようもあるのでは。
他のタムロンと同じようにf8くらいまで絞ると文句がない画質になります。
200mmf3.5としてはコンパクト。望遠比0.78は最も大きいと宣伝されていたが、後に他社f4クラスも同程度のものが登場している。
重量540g
外径68x112.5mm
フィルター径58mm,フード内蔵しているが短く役に立つようには見えない。
最短1.7m かなり拡大可能。
画質は意外に良く、開放からコントラストが高い。特に中心は良く、他社f4クラスより周辺も優秀。ただし絞っても良くならずf5.6で像の締まりは頭打ちになる。
特殊低分散ガラスが普及する前なので、周辺の色収差は同クラス他社レンズ同等レベルで出るが、その中では少ない方。
200mmf3.5のスペックを含むズームが主流になり、単焦点望遠は生産期間が短かった。画質はよいが、使う局面は多くないかもしれない。
>Rがわざわざマニュアルも供給したのはR4用がレフレックス500に干渉するためのようだ
>ライカフレックスSLや、マミヤM42(DSX用)など、旧マウントは残念ながら諦めるしかありません。
ライカフレック用のアダプトール付き(多分R4用?)を持っているのですが、ライカフレックスSLには装着できません。
これは、SLのペンタプリズム部の露出計基盤のカバーにマウントのローレット部が干渉してしまうためです。
このローレット部を削ってしまうと装着できるそうです。
この辺りは、何か対応表が有ると便利だなと思います。
それとREのマウントですが、箱はアダプトール2でした。
このスレッドはアダプトールマウントレンズは除外されますか?
CW-28 28mm F2.8は1976年発売のアダプトールマウント用のレンズで、1979年には02B 28mm F2.5にモデルチェンジされてしまう短命のレンズでした。
れんずまにあ様の説明にも有りますが、アダプトール2が装着できます。
実は、レンズ中心のスレッドを勝手に立ててしまい、お叱りを受けないかびくびくしていました。
旧アダプトールレンズの話題、こちらにまとめる方が分散するより良いでしょうね。是非お願いします。
私は旧アダプトールレンズを持っていないので興味津々です。
トプコンRE用の箱が、アダプトール2だった件、素晴らしい情報です。
タムロンのサイトでは、存在を抹消(?)されています。
1981年カメラショーカタログを引っ張り出すと、確かにアダプトール2の中にトプコン用の記載がありました。
ついでに、現在のタムロンサイトに表示がない2マウントは、マミヤ用(DSX1000,500DTLなど)、フジカ用(AZ-1, ST901, 601IIなど)、TVカメラ用(MCマウント)がありました。
さてR4用アダプトール2マウントが、フレックスSLに装着出来ない件、私は試したことがないので貴重なお話ありがとうございます。
アダプトール2には、R4用の他にレフレックス500用の絞り連動なしがあると申しましたが、
旧アダプトールには、フレックスSL専用があるのです。
SL連動用傾斜カム(2カム位置)と、絞り作動レバーがついていて、SL, SL2の露出計表示が動作しますが、1カムの位置には何もないので、初代ライカフレックスは自動絞りだけしか動かず、SL2ではファインダー内の絞り表示が動きません。
これをR3以後に付けたことがないので互換性は報告できません。
実は後期アダプトール2レンズが旧アダプトールマウントに入らないことを初めて気付かされたのが、72BとこのSLマウントの組でした。厳密にはきつきつで入るのですが、絞りが動かなくなります。
重量330g
外径65.6x59.5mm
フィルター径58mm
最短撮影距離25cm(70mm)
最大倍率1:2.8
当時量販店では普及型SLRに50mmf1.7クラスではなくレンズメーカーの35-70ズームをセットして販売することがよく行われ、82年買い物情報によると新宿のヨドバシは主にタムロン、ドイはトキナー(とオオサワ)、さくらやは決まったものではないがシグマを選択していたらしい。
つまり売れ筋であり、先行して1980年35-70/3.5-4.5(09A)があったのに、f値固定の17Aにわずか2年でモデルチェンジしたのも競争の激しさをうかがわせる。
さてモデルチェンジの内容は、少なくともスペック上はf値固定になった以外はサイズ、重量、構成枚数、価格、最短撮影距離と最大倍率のどの項目もほとんど変わらない。非常に不可解である。確かに外光オートストロボが主流だった当時はf値固定がある程度セールスポイントだったかもしれないが、f値変動でも定常光ではカメラAEでカバーでき、フラッシュもネガフィルム使用ではほとんど恩恵はないと思うのだが。(個人的にはf値固定のほうが安心感があります)
17Aはネットでは高画質の名機という評価が多い。
私の個体は、全焦点距離で右辺像高50%より外側で片ボケし、よい印象を受けない。個体差なので断言はしない。
標準ズームで1/2.8倍まで寄れるのは当時大変便利だったと思う。タムロンは積極的にテレマクロを採用していて、パースがつかいなので私には好ましい。一方他社に多いワイドマクロはダイナミックな構図が撮れるので撮影スタイルにもよるだろう。
普通テレマクロはズームリングをテレ端にするとマクロ機構に切り替えられるのだが、17Aは奇妙な動きをする。ネットでは「距離優先」と書かれているように、ワイド端35mmでフォーカスリングを近距離側に回していくと0,7mから近距離ではズームリングが勝手に望遠側に回転し、0.5mでは50mm、0.25m最短では70mmに自動的になってしまう。タムロンではMODセレクターシステムと呼んでいるが、テレ端でなくてもある程度接近できるので悪くない機構だと思う。
このレンズの美点はマクロ域の画質が高いことらしい。
私のレンズではそこまで評価はできないが、他の個体を見付けたら購入してみたい。
1983年発売、28mmスタートの標準ズーム。
重量480g
外径70x86.5mm
フィルター径67mm
最短撮影距離36cm(28mm以外80mmまで)
最大倍率1:3.8(テレ端)
少し大柄(でもトキナーやVivitar第一世代より随分小型)
28-85mmクラスのレンズは、1982年時点でトキナーなどいくつかは発売されており、海外では35-70は売れなくなっていて28mmスタートが売れ筋になっていたという(カメラ買い物情報82)ただしコンサーバティブな35-70や、その頃売れ出した35-105mmより随分巨大で、特に広角側の画質が日本のユーザーには受け入れられないレベルだったため、国内ではまだ主流になれずにいた。
タムロンは十分に高性能で、最短撮影距離など使い勝手が悪くなく、サイズも若干大柄かという程度までまとめてこの27Aを出してきた。
当時カメラ店から勧められた記憶があるほど評判が良かった。
現在の目で見ると最高級画質とは言えないが、破綻も片ボケもなく上質の写り。80mm開放ですこしハロが出てソフトになるが、絞るとコントラストが高くなる。広角側では開放からコントラストが高く良好。
テレマクロではあるが、28mmのみ最短1m弱なのを除いて、32mmから80mmまで最短36cm。80mmでは1/3.8の倍率になり、単焦点以上に寄れる便利なレンズ。
重量295g(単体では200gを切りスカスカなほど軽い)
外径64.4x58mm
フィルター径49mm
最短撮影距離70cm
最大倍率1/4倍(70mmのさらに先にマクロ位置)
売れ筋になった28mmスタートの標準ズームの激戦に、1986年に440gで44A(28-70/3.5-4.5初代)が投入され、次に劇的に軽量化された59Aに交代した。1991年には151Aにモデルチェンジしたが、スペックはあまり変わらない。
全体がプラスチック化され質感は最低、操作感触はスカスカ、現在の市場価格はジャンクとしてしか値が付かない。
ただし性能は素晴らしい。開放から四隅まで均一な画質で、少し絞るとA2でも文句ないレベルになる。個体差もあると思うが今の所お気に入りである。高級SPの28-80と比較して、歪曲や逆光などシビアなテストをしていないので断言はしないが、17Aより画質的には信頼している。
追記)マクロはズームリングを70mmの先に進めると、フォーカスリングを前に引き出せるようになり、マクロ目盛りが現れる。ズームリングと回転フォーカスだけでは全然倍率が上がらないのでびっくりする。
重量459g
外径64.5x103.5mm
フィルター径49mm
最短撮影距離70cm
最大倍率1/3倍
アダプトール2の70-150二代目、初代02Aは旧アダプトールからの持ち越しのように見えるが不明。
20Aのフォーカシング回転方向はキヤノンやミノルタと同じで、ニコン、ペンタックスユーザーのために1982年回転方向が逆の20ABも用意された。
20Aは特にマクロ機構はなく全ズーム範囲で最短70cm。
控えめなスペックで、旧アダプトールから数えて5代目だけあり大変安定した高画質。
ズーム比を見ると魅力に欠けるが、フレキシブルな135mm(105mm)と見ればイメージしやすい。
内蔵フードは短く効果的でないが、あるだけ親切。
単体で1/3倍、テレコンバーター装着倍率1/1.5も併記されており、140-300mmf7の本格的テレマクロになる。近接での開放画質はマクロレンズに及ばないが、f8より絞り込むと割にしっかりする。
重量575g
外径84x91.5mm
フィルター径82mm(後部30.5mm)
最短撮影距離1.7m
最大倍率1/3倍
カメラ雑誌のテストで好成績を収めたこともあり、アダプトール2の2つめの顔になったレンズ。
当時の純正反射望遠と比較しても驚異的に小型軽量。
反射望遠は一般に近接すると収差が無視できないが、この55Bは特許を有する独特の補正方式で1/3倍画質も良好を保つ。当時の有名レンズ設計者も画期的、と賛辞を送っていた記憶がある。
BBARx2テレコンバーター併用で、1.7m離れて1/1.5倍に撮れる1000mmf16という常識破りの光学系。
ただし絞りを備えないので被写界深度は極めて薄く、焦点合わせは慎重に行わねばならない。そしてf8ではシャッター高速側が足りずオーバー露光になる際には後部にNDフィルターを使う。
後部フィルターは4枚付属している。フィルター不要の時も、必ずノーマルフィルターはネジ込んでおく必要がある。それを含めて設計してあるので。
三脚座は別売だがあったほうがよい。
重量760g
外径67.5x147mm
フィルター径62mm
最短撮影距離98cm
最大倍率1/4.8倍
2リング回転式ズーム。
ズームリングの手前に、目盛0から3まで4段階切替のソフトリングがある。
目盛0がソフトなし。3が最も強い。
カメラレビューのソフトフォーカス特集で、球面収差利用のソフトということは他社と同様ながら、当時存在したイマゴンやフジノン、バリソフトロッコールと逆の収差様式と読んだことがあるが、今もって理解はしていない。
ソフト0の画質は、開放では少しハロがあり、シャープな大口径望遠とまでは言えない。
70mmはフレアが控えめ。焦点距離が長い方がソフト度合いが強くなるが、150mmでも他社ソフトより滲みは少ない。
球面収差利用のソフト全般に絞るほど滲みは少なくなる。バリソフトロッコールもそうだがソフト目盛1段は絞り1段と同じ効果になるイメージである。
例えばソフト3でf4に絞ると、f2.8開放でソフト2と同じフレアになる。勿論被写界深度は違うし、ソフト目盛をあげていくと僅かに画角が広くなるので厳密に同一とは言えない。
焦点合わせは基本的に目盛0で行い、好みのソフト量に調整するのが普通。
(大昔のソフトレンズは絞りにより焦点移動するため、撮影絞りで焦点合わせしたり、最もコントラストが高い焦点面と解像力が高い焦点面が異なり経験とテクニックを要するのだが、現代のソフトはそのような事を一切考慮する必要がないよう設計されている。個人的な感想だが、35mmカメラのファインダーでみるソフト効果は、拡大プリントした時より少なめに見えるため、不レビュー画像といえど意図通りに見えるとは限らない。あくまで目安と考えたい。)
重量610g
外径64.5x168mm 径は35-70などと変わらない。
フィルター径58mm
最短撮影距離1.4m
最大倍率1/3.3倍
BBARx2テレコンバーター併用で1/1.67倍に寄れる600mmf11になる。
スペックはレフレックス500/8と似ているが、絞りコントロールができるので性格が少し違う。
マクロ域テスト撮影では開放からチャートを四隅までよく解像し、コントラストも良い。絞るとさらに尖鋭になる。単体ではそれほど色収差は気にならないが、テレコンを付けると少し多く出る。特殊低分散ガラスが出る前のレンズなのでしかたがない。
同スペック後継機はなく、タムロンでは60-300mmズームを後継機としていたが、色収差についてはこの単焦点300mmf5.6のほうが良い。
EDガラスが使えたシグマアポマクロ300/4のほうが明らかに色収差は少ないが、タムロン54Bの小型軽量で汎用性が高い所は捨てがたい。
1998年発売、アダプトール2交換マウント最後のモデルになってしまった高倍率ズーム。
重量508g
外径74.5x79mm
フィルター径72mm
最短撮影距離80cm
最大倍率1/6.4倍
1994年発売のタムロン初代AF28-200/3.8-5.6(71D)のアダプトール2版、71Aの改良型であり、AF28-200/3.8-5.6LDアスフェリカルIFスーパー(171D)のマニュアルフォーカス版。
初代71Dは他社28-200クラスが軒並み巨大だったところ二重繰り出しと非球面で劇的に小型軽量化され常用レンズの仲間入りをするほどの高倍率ズームのブームを創出した。
ただし71D(71Aも)は最短2.1mでf=2mのクローズアップレンズが付属する、色収差が気になるなど問題点もあり、4年を経て最短を実用的なところまで縮め、LDレンズで色収差補正をはかった171Dとアダプトール2用171Aが登場した。
AF171Dは28mm以外の最短が52cm、最大倍率1/4.8だったが、28mmだけは95cmと遠かった。171Aは28mm含め全焦点距離で最短80cmとなったが、最大倍率は1/6.4にとどまる。同時発売なので批判を受けて変更したわけではなく、当初から異なる仕様だったはず。MFでは28mmだけ最短が違うと手動で故障させてしまうと判断されたのだろうか。
どちらの使い勝手がよいかはユーザーによると思う。
この後AFはスーパーIIで最短をさらに短縮、XRで描写性向上と小型化と次々に進化していくが、アダプトール版はもはや作られなかった。
AF版の71Dや171Dはよく売れた機種の上に既にクラシックであり、ジャンク箱に500-1000円で入っていることもまれではないが、アダプトール2の171Aは珍しく、海外通販で他の機材のついでに48ドルで入手した。
前モデル71D(ペンタックスAF)はそのようにジャンク入手したが結構優秀で感心した。この171Aも特に広角側が優秀と感じた。ただし全画面を引き締めるにはf8から11に絞る方がよく、高感度フィルムの併用で十分実用になるはず。
ではお前は171A一本で旅に出られるかと聞かれたら、それは出来ない話です(笑) だって高感度フィルム常用するの好きじゃないんだもの。
ところで、200mm最短80cmで1/6.4倍?もっと倍率高いはずだろ?と思われる方、望遠接写に長じていらっしゃいますね。そうです本来200mmあれば80cmで最低1/3倍もしかしたら1/2くらいいくはず。Ai Micronikkor200/4はIFでちょっと最短で焦点距離が短縮しながらも、最短71cmで1/2倍ですから。実は171Aは近距離側にフォーカスすると、特に望遠側ではどんどん焦点距離が短くなり、100mm位置と200mm位置であまり倍率がかわらないという不思議な性質があるのです。多分焦点距離半分くらいになってるのでしょう。まあ、100mmで80cmは別に普通でしょう?マクロとは言えませんが。
重量750g
外径64.5x169.5mm
最短撮影距離0.7m
最大倍率1/2倍
f値変動の回転式ズーム、純正同クラスのAiズームニッコール(後期)80-200mmf4.5の重量は750g、全長162x73mmと、ほぼ同サイズ。明るさは1絞り違う。当時のカタログでは「収差を徹底補正」「短焦点なみ」と高性能をうたっている。それらの文言はタムロンカタログによく見られる枕詞のようなものだが、実際に各焦点距離で安定した性能で、明るい開放から均一で、少しハロは掛かるが繊細な画質。f5.6に絞るとコントラストが立ち上がり,f8では大変尖鋭になる。特殊低分散ガラスを使用出来なかった時代に、色収差はほとんど気にならない。後述の75-250mmは色収差が結構出るのと好対照である。
望遠端で1/2倍とマクロレンズ並の倍率が出る。勿論開放画質はマクロレンズに及ばないが、破綻がなく絞り込めばコントラストが高い良好な性能。
繰り出しに従って各焦点距離に応じて色分けされた倍率指標がある。
テレコンバーターを併用すると等倍まで可能な400mmになるが、流石に高画質は望めない。最長焦点距離のみテレコンバーター併用時の倍率指標がある。
サイズは大きめだが性能は良好なズームレンズ。
1983年発売、SP300/5.6の実質後継機になる望遠5倍ズーム。
重量926g
外径68x166mm
フィルター径62mm
最短撮影距離1.9m
最大倍率1/1.55
伸ばすと長焦点になる直進ズーム。
今の300oを含むズームと比べて大柄だが、当時の主流100-300of5.6、一部75-300oクラスと比べて、短焦点側が標準レンズに近い画角をカバーするのに、同程度以下のサイズに収まっている。
最短距離はさすがに1.9mと遠いが、300oで1/9倍になり、まずまずの拡大率。
ただしこのレンズの最大倍率1/1.55倍は短焦点マクロで得られる。操作は独特で、ズーム60o位置で最短距離からさらにクリックを超えてマクロ位置に回すと、前後の直進で焦点距離固定のまま倍率が変わるようになる。ちょうど58o程度の画角でベローズを伸ばしていくイメージ。
SP300/5.6のような望遠マクロではないため、標準マクロなのでぶれにくい利点はあるかもしれない。
遠距離画質は全焦点距離で開放から良好で、特に100oは短焦点レベル。また色収差はほとんど認識できない。
最短画質:200-300o開放は少しハロでコントラストが落ちるが四隅まで整っており、1絞りでハロが晴れて締りが出る。同倍率のSP300/5.6のほうが開放コントラストは高いが、絞れば同等。ただしズームは糸巻型歪曲が少し目立つ。(28-200ほどではない)
短焦点マクロでは中心画質は開放からマクロレンズ並に良好、ただし1/2では像高70%から外、1/1.55では50%から外が甘くボケており、f16まで絞っても締まらないため平面の複写には不適当。SP300/5.6の1/3と比べ、中心でやや勝り周辺では全く及ばない。
SP300/5.6とはやや性格が違うところがあるため純粋な後継機とは言えないが、遠距離の画質は良好で、レンズ単体で1/1.55倍に寄れるのは例を見ない。
自分は安い数本のレンズしかもっておりませんが、02B 28mm は
気に入っています。建物を取った際に木目やコンクリートの肌がごつごつと強調されるといいましょうか これはデジタルで使っても変わらないと感じています。他にあまり無いような描写で 似ているのはサイズは異なりますが FUJI GS645w の45mm でした。フィルム時代はこのレンズは万能ではないなと思っていて Nikon Ais 28/2.8 と使い分けていました。
同じような描写の28mm は現在は発売されていない?と思っており大切にしています(4本所有するがまともなのは1本だけ。。。)
もはやデジタル時代には埋もれゆく機材かと思われますが、デジタルでも変わらない特徴を掴んでいらっしゃるのに感服します。
私は到底28mmの特徴を掴んでいるとは言えませんので。
よろしければ、ご作例など拝見出来ればこんなに嬉しいことはございません。
反面不人気な古い銀塩ボディを使っていると、タムロンの助けが嬉しいことも結構ありまして、ついついジャンク箱の可哀想なアダプトールを見ると連れ帰ってしまいます。
独りよがりですが、手元のタムロンについてぼちぼち紹介させて頂こうと思っています。
重量1359g
外径81.8x178mm
フィルター径77mm
最短撮影距離1.5m
当時各メーカーは競って特殊低分散ガラスを使った望遠レンズを登場させていた。従来の望遠レンズよりも色収差が画期的に少なく、性能を飛躍的に向上させたばかりではなく、従来設計困難であったハイスペックのレンズが実用的なサイズで続々登場することになった。
実用的といっても30Aは大変重量級で、手持ちで振り回せる限界に近い。長焦点を主に使うのなら、単焦点f2.8望遠を使う方がよいかもしれない。
LDガラスに限らず贅沢な設計で画質は大変高い。わずかに先行して発売されたトキナーAT-X80-200/2.8とはライバルだが、トキナーの方が100g以上軽く細身である。ただしトキナー固定マウントにない機種で使いたければタムロン30Aしか選択肢がない。
当時のカメラ店の評価では、タムロンのほうが高性能と聞いていたが直接比較したことがないので明言を避ける。一度旅行で後輩の30Aを借用した時は満足できる画質が得られた記憶がある。
最近は随分安価になったが、国内より海外の方がさらに安価なのでついつい何かのついでに申し込んでしまった。
画像奥30A、手前180/2.5LD(63B)と較べても目立って大柄。
重量870g
外径72x183mm
フィルター径62mm
最短撮影距離1.2m
最大倍率1/3.3倍
250mmは比較できるレンズが少ないが、1960年代に散見される250/4クラス単焦点とは変わらないサイズなので、望遠側にメリットを感じるならよい選択かもしれない。
この後、トキナーAT-X50-250のようにコンパクト化された製品が出たが望遠側開放f値が5.6になるため、比較的明るい04Aの存在価値がある。
特殊低分散ガラスが普及する前の設計なので望遠側だけではなく全域で色収差がある。よほど拡大しないとわからないが。
画質は短焦点側で70-210(52A)と較べ開放で周辺画質が劣っているが200mm付近ではよい勝負。250mmも開放からよく整っている。
近接画質はテストしていない。
70-210や500と異なり鏡胴に三脚座を付ける余地がないので、この長く伸びるフロントヘビーなズームレンズをカメラの三脚座とレンズマウントで支えることになる。直進なので手持ちを重視したのかもしれないが、1990年代以降のプラスチック製普及一眼レフには装着を躊躇してしまう。
タムロン含めレンズメーカー製に共通して、フィルター径が全く統一されていない。裏を返せば特定の純正レンズと較べて最適な前玉径と鏡胴の設計が行えるということだろう。
重量:771g
外径:70x110.5mm
フィルター径67mm
最短撮影距離2m(28mm時マクロモード26cm)
最大倍率1/4倍(ワイドマクロモード)
当時ズーム設計が飛躍的に発展し、一般的な焦点距離を全て含む高倍率ズームが各社からラインアップされつつあった。
ただし、まだ非球面レンズと異常分散ガラスは一般に普及しておらず、性能やサイズは限定的であった。
そのため当時は35-200,210クラスと28-135クラスが別々に存在し、あたかもそれ以前の35-105と28-70,85の関係のように好みや用途で選択する状況だった。
28-135クラスで銘玉と言われているミノルタαAFレンズの最短撮影距離が1.5m、50cmの差はαが1985年発売だから2年の差でしょうか。
ワイドマクロ25cm近接はほとんど変わらないスペックです。画質はまだαも球面レンズ、少しタムロン周辺画質が特に広角側で不利ですが、よい勝負をします。f8-11に絞ればまずまず。
この後オートフォーカスでなければカメラでない時代になだれ込み、28Aは十分な評価を得られないままディスコンとなりますが、焦点距離に対して非現実的ではない手頃なサイズでそこそこよく写り、再評価しています。
重量:905g
外径:84x112mm
フィルター径82mm
最短撮影距離50cm
最大倍率1/4.7倍
カメラメーカーが28-70mmf2.8を高級ズームとして定着させ、各レンズメーカーが同じスペックで追随していた頃、タムロンはそのスペックを無視して105mmまで延長してきた。サイズも28-70より二回りでかい、実物を見ると往年のズーマーが呆れるほど。
重量はなんとか1kgを超えないが、常用レンズとしては飛び抜けて重い。AF用(176D)は880gとさほどかわらない。
28-70と100mmf2.8を2本持てば済みそうな気がする。
あるいは、同じく流行していた70(80)-200mmf2.8と組み合わせる時焦点距離が重複してしまうのが気になるユーザーも居られただろう。
操作配置は28-200もそうだが焦点リングが細く前方に、ズームリングが太く手前側というAF用と同じ配置をとっている。AFに慣れた方には問題無いだろうが、一般的なMF操作系とは異なっている。
流石にこの時代になると最短撮影距離が遠いのは許されず、全焦点距離で50cmを達成している。
性能は、やはり少し無理があったのか、長焦点側の開放近くはハロがあり、短焦点側も周辺画質に問題がある。絞れば改善するとは言え、大口径が売りなのだから残念だ。
さすがにユーザーが付いてこなかったのだろう、AF(176D)も見掛けないが、アダプトール2版(176A)は中古店頭で見たことがない。偶々海外で安い品を見付けたから物は試しに入手したが、到着したらサイズに驚いた。
サイズと画質を考えると、常時使うのは気が引けるが、このレンズもアダプトール2を出してくれてありがとうと言いたい。
比較:左AiAFズームニッコール28-85/3.5-4.5 右176D
重量:856g
外径:81.5x124mm
フィルター径77mm
最短撮影距離120cm
最大倍率1/4倍
タムロンは1983年に異常分散ガラスLDをはじめて量産品SP300/2.8(107B)に導入、順次大口径望遠にLDガラスを採用していった。LD使用レンズには緑のラインが入る。180/2.5はLDガラスが2枚使われ、カメラメーカー製180-200mm/2.8単焦点より半絞り明るく、当時雑誌評ではニコンのED180/2.8(まだIF化されておらず全群繰り出し)を上回る性能と書かれていたほどであった。
63Bはインナーフォーカスが採用され、重いエレメントを動かす必要がないためフォーカシングが軽く、回転角が少ない。また前玉はそれなりに大きいがフォーカシングリングは細身で操作性が良い。最短撮影距離は同クラスでもっとも寄れて、望遠マクロに近い使い勝手。
私の個体は金色の銘板が金メッキがない真鍮製で35thAniversaryの銘が入っていない追加生産版です。
重量は細身の所856gと持ち重りがしますが、AiS180が800g,nFD200/2.8後期が735gで、f2.5としては妥当なところでしょう。
以前180mmクラスの撮り比べをしたことがありました。この180/2.5(63B)は、開放ではニッコールED180やエルマリート180より若干甘いですが、f2.8に絞ればほぼ同レベルの写りで、色収差は全く無いわけではないものの、旧ガラス使用のFD200/2.8やMD200/2.8、異常分散ガラス1枚のAngenieux180/2.3に較べてよく押さえられていました。また80-200/2.8クラスのズームと比較してヌケが非常に良く画質も流石単焦点で頭一つ抜ける感じです。
個人的には180mm単焦点は大好物ですが、63Bを持っているため他社製のを買わなくなってしまう弊害(利点?)があります。
このレンズと、ニッコールED180/2.8、ミノルタNewMD200/2.8、コンタックスゾナー200/2.8、キャノンNewFD200/2.8、EF200/2.8 の比較です。
最も差が出たのはポジでの色ノリでした。
アッサリとした印象で、当時純正との差を感じました。ただ現在では僅かな彩度のコントロールで埋もれてしまう程度の差です。
もう一つ操作性で、ヘリコイドリングが絞られているのに加え、最短からインフまでの距離環回転角が小さく、この点は個人的には使いづらいレンズでした。
とは云えどのメーカーにも使える軽い大口径望遠は便利です。また当時レンズ専業メーカーが純正品と競合する焦点域で単焦点レンズを出す心意気は素晴らしいと思いました。
回転角の小ささは一長一短で、当時はNikkorAiSが回転角を小さくして売りにしていたためか、角が小さいのが流行だったのかもしれませんが、このレンズは極端です。昔のレンズは300度以上回さないと最短にならないのもあり、それも大変ですが...
マニュアルで合焦させるとき大雑把にピークを取るにはよいでしょう。でも微調整が効かずに厳密に合わせるのが不得意。
特にα7のライブビューでは非常に合わせにくく感じました。
一堂に会して比較試写した中には入っていませんが、このクラスではミノルタα用200/2.8ハイスピードの描写が気に入っています。1世代目のキヤノンEF200/2.8は個体差なのか不満足な結果でした。ヤシコン用後期型ゾナー180/2.8も当たり所が悪くて再挑戦したいです。
重量410g
外径68x84mm
フィルター径58mm
最短撮影距離1.2m
最大倍率1/7倍
4群4枚という単純な構成だが開放から中心部はしっかりした像。周辺は若干甘いが絞れば急速に改善し、f5.6ではかなり均一になる。ただしY/Cゾナーと較べると、f8でも締まり足りない印象はある。色収差は国産レンズと同程度には出る。
f2.5と、カメラメーカー純正レンズの大半より半絞り明るく、またキヤノンFL、コニカAR、SMCタクマーの高級ラインにあるf2.5よりひとまわり小さい。
タムロンはアダプトール以後さすがに50mm標準レンズと35mm準広角には手を出しませんでしたが、28mmや135mmという純正売れ筋に真っ向勝負の単焦点を出しています。
性能は飛び抜けて良いわけではありませんが、f2.5というタムロンのトレードマークのような明るさを維持しています。ただしf2.5はどの機種も多少甘さが残っていて、f2.8に絞って純正と同等になるのもタムロンの特徴のようです。といっても崩れた酷い描写ではなく、使いようによっては表現に巧く生かせますし、暗い条件で僅かでも高速シャッターを必要とする条件では、ぶれるよりましと考えられます。
記事にも有りましたが、すでにズームレンズが一般的になっていた時代に、サードパーティーの中望遠単焦点レンズは貴重でした。
時代柄、性能はこなれていて、1970年代以前のサードパーティ製に散見される低性能の機種に当たることはまれで、かなり信頼できると思います。
それでも価格の制約は当然ありますから、価格なり、よりも少し良い水準であればよしとされたかもしれません。
ともあれユーザーの大半はキャビネ、いや言い過ぎか、4つ切り以上に伸ばすことはまれと考えれば、全く余裕の品物です。
純正以上の性能を追求しだすのは、この後の世代からですね。
タイトルには (17A or 17AB?) と記しましたがレンズ側面の刻印は単純に 17A です。。
墨入れしてしまい見難くなってますが、距離環のフィート-メートル文字や、ズーム焦点距離のミリメートル表記文字は 大文字の F、M そして MM となっております。
このレンズが現役商品だった当時、カメラ毎日誌の商品評価を専らとする別冊誌での試験結果報告では、カメラメーカー純正ズームレンズに伍して、最上位の評価を得ていたレンズでした。小生所有のこのレンズは今も優れた描写性能を示しています。
20A(70-150/3.5)には20ABが用意されていましたから、
確かに売れ筋のレンズで、フォーカスリングがニコンペンタックスに合わせたモデルを出すのは自然ですね。
でも形式名は17Aのままなのですか!
タムロンIデジタル博物館 でも17ABというモデルは記載がないのです。
慌てて自前の画像を確認したら、回転方向がニコン型のが2本、20A(これ20ABなのか?)と171Aがそうです。
171は売れ筋からちょっと外れている気もしますが....
日頃からNFとOM, MDなど混ぜて使っているので全然気が付かなかった...
他にも、形式名をわざわざ変えず、回転方向が違うモデルがさりげなく供給されていたかもしれませんね。奥が深いです。
今度はニコン回転の1本を購入。刻印は17ABじゃなくて17Aです。
17Aは回転方向によって名称は変わらない模様。
最初の個体の片ボケは、どうも偏心が原因のよう。
近接してみると、正対するとフォーカシングに伴って端から端まで順番に焦点があう
位置が移動する。斜めに向けると全面に合う。
これ常時ティルトしてるのと同じ(笑
新しい方は、開放から全面に合っていてなかなか良さそうです。
70mm 1/2.8倍は便利。開放画質は少しハロがかかってソフトですが崩れはなく
日常の接写には十分な倍率です。
他機種で1/4倍のものと比較して実用性は段違いに17Aが勝っています。
1982年発売,
重量:625g
外径:72.4x109.5mm
フィルター径67mm(フードはバヨネット)
最短撮影距離1.8m(135mm時マクロモード)
最大倍率1/4倍(テレマクロ,1:7,1:6,1:5,1:4指標あり)
当時としては高倍率のズーム。当時標準ズームとして普及しかけていた35-105mmクラスよりやや本格的な望遠域までカバーする。性能は良好で、広角側は特に周辺までコントラストが高く優秀、望遠側も良い。色収差はそれなりにある。
サイズ,前玉径ともかなり大型で,重量もあるため人気は限定的だが、タムロンは35-105mmの普及ズームは出さなかった。
3年後の1985年にフィルター径58mmに小型化、大幅値下げした40Aと交代するが、40Aはワイドマクロで最短1.5m,どう評価するかは難しい。
1983年発売、高倍率ズーム。
重量:931g
外径:73x125.7mm
フィルター径67mm(フードはバヨネット、22Aと共通)
最短撮影距離1.6m(35mm時マクロモード30cm)
最大倍率1/3.8倍(ワイドマクロモード)
「標準ズームと望遠ズームを一本にまとめた」と宣伝された高倍率ズーム。このクラスで先行したのはトキナーAT-X352 35-200/3.5-4.5で、一般200mmなみのサイズで35mmまで含まれ、描写も良好だったので話題になった。シグマ,コシナ,タムロン、ニコンも追って同クラスを投入した。トキナーのスペックはフィルター径67mm、最短1.6m、ワイドマクロ1:4、123x70mm、690gと、タムロンがスペックを合わせてきたことがわかる。スペックでトキナーを超えられないのはニコンも同様であり、先行者の有利を思わせる。
この高倍率で直進ズームは現在の感覚からは奇妙であるが、ズーミングで鏡胴の伸びが大きいため、機械的にも必要だっただろう。直進操作はかなり重く、それに対してフォーカシングは軽いため、勝手に焦点距離が変更されることはない。
テレマクロを売りにしていたタムロンにしては、ワイド端でマクロに入れる。これも機構的な制約と考えられるが、あるのとないのとでは、これ一本で旅行するなら大差が出るはず。トキナーは別のマクロリングを持ち、タムロンはワンタッチで一長一短。
広角側の画質は、24インチ程度の低倍率では不満はないだろう。22Aと比べると、中心付近は同等の高性能だが周辺は滲みが出て甘くなる。望遠側まで破綻はなく、コントラストは良好。
1980年発売,
重量:346g
外径:64.5x65.5mm
フィルター径:77mm(外付け花形フードに装着する)キャップは特殊なバヨネット。
最短撮影距離0.6m
アダプトールのズームの中では最も広角をカバーする。発売当時としてはかなり攻めたスペックで、同クラスの中で最もコンパクト。最短は広角では物足りないが、標準としてはまずまずのレベルで、まず実用可能。また直進フォーカシングなので花形フードやPLフィルターに支障がないが、フィルターはオリジナルのフードに装着するしかない。タムロン共通の凹凸が少ないデザインで、すっきりしているがズームリングの幅が小さく、指掛かりも少ないので手元を見ずに操作するのは戸惑うこともある。発売当時のポピュラーフォトグラフィー テストレポートでかなりの好成績を読み、ずっと気になっていたが、サードパーティレンズの中では値崩れしないため最近になるまで入手できなかった。一応f値がズーミングで変化するが多分他社ならまるめてf3.5にしてしまう程度の差で、律儀すぎ。
画質は大変良好、枚数が多いため単焦点に比べて若干コントラストが低めだが全焦点距離でごく周辺まで整った像で、単焦点に勝るとも劣らない。
1983年発売、タムロン初の特殊低分散LDガラスを使用した大口径超望遠。全群繰り出し。
重量:2,071g
外径:117.5x203.5mm
フィルター径43mm(後部フィルターポケット)
最短撮影距離 300cm
最大倍率 不明
構成 6群7枚
当時流行していた「サンニッパ」にレンズ専業メーカーとして初めて参入した。2番手のトキナーが同スペック製品を出したのは1987年。色収差補正のためLDレンズを前群に2枚使用し、タムロンレンズ最高価格の265,000円であった。サンニッパとしては珍しい全群繰り出し方式のレンズで、最短は遠めの3mとなっている。翌年1984年には内焦方式のLD-IF 60B(372,000円)に切り替わり生産終了したため数は出ていないと思われるが、使い勝手はIFに劣るイメージがあるのか、このシリーズの中では中古価格は求めやすくなっている。キャップの代わりに専用バヨネットフードを付けて上から被せるカバーと円筒形のハードケースが付属した。
性能は他に比較するものを持っていないのでよくわかりませんが、ちょい使いする分には不満はありません。太く重く取り回しに覚悟が必要です。
20年ほど前に前玉ちょい突き傷あり5万円で購入、そんなに使ってませんが切り札のような存在です。何より私は直進繰り出しが好きなのです。
今気づきましたが,その後のタムロンLDレンズには緑色のクレストが入ります.これは赤色のクレストです.まだ方針が定まっていなかったのか,赤だとキヤノンLレンズと被ってしまうのでやめたのか.他に赤が入るタムロンは見た覚えがありません.
このような情報をまとめていただいてとても嬉しいです。
さてお聞きしたいのですが、22Aって前玉側に「CF TELE MACRO」の表記があるものとないものがあるようですね。単にロットの違いかな〜と思いますがどなたか詳細ご存じでしょうか。
他のモデルにもこういう細かい違いてあるのか、とかも興味があります。
私は全く気がつきませんでした。
CF ...が入っていない個体もあるのですね。複数本持っているのは52BBくらいで、ダブると友人に譲渡してしまうためバージョンなどは全く検証できていません。
シリアルなど今後注意しておきます。
釈迦に説法ですが、CFとはContinuous focusingの略ですが、確かに入っている機種は無限から最短まで切れ目なくフォーカシングできるものばかりです。
ただし、単焦点はMACRO記載があってもCFの記載がなく(300/5.6や500/8。レフ500はネットにCF MACROの個体が引っかかりましたが画像がないので懐疑的)、ズームレンズ限定、しかもワイドマクロではCFは入らずMACROだけの表記のようです。
またズームの中でも35-70や35-80,28-80はテレ端でマクロに入りますが、どうも135mm未満ではCF MACRO表記のようです。
私が勝手に設定した法則から外れる場合もあるでしょうから、ご教授賜れば幸いです。
CFの意味知りませんでした。ありがとうございます。
確かに特殊な「マクロモード」があるものにはCFがついていないですね。
@MACRO マクロモードに入る必要がある
ATELE MACRO 単焦点望遠で寄れるもの
BCF MACRO ズームテレ側(135mm未満)で寄れる?
CCF TELE MACRO ズームテレ側(135mm以上)で寄れるorズーム全域で寄れる?
× 19AH CF MACRO
私所有の22Aは前玉側には表記なし、フォーカスリングに「TELE MACRO」の表記でした。
02AはMACROじゃなく「ZOOM MACRO」でした。
結構いい加減なのかもしれませんね。
1986年発売、小型軽量の新標準ズームとされているが、金属製のしっかりした造りで、少なくとも軽量とは言い難い気がする。
重量:417g
外径:69x74.9
フィルター径62mm
最短撮影距離:30cm(70mm)MODセレクターシステムで28mm側はcm
最大倍率1/3.15倍(鏡胴に表示はされていない)
もうこのカテゴリはSP名称をつけなくても普及が進んだようだ。SP28-80(27A)より長焦点側が10mm短縮した分小型化されフィルター径は67から62へ、重量は480gから417gとなった。画像では左28-70(44A),右28-80(27A)で、劇的に小型化されたとはいえないが、標準ズームを35-70から28-70へという流れがあったように思う。タムロンはテレマクロを宣伝していて、35-70の1:2.5に迫る1:3まで対応でき実用的であった。画質は28-80と比較して同等、長焦点域のコントラストは上のレベルにあり、信頼できる。この後同スペックながらプラスチック導入で295gまで軽量化された59Aと交代した。
44A vs 27A
先行機種の28-80(27A)との使い勝手の差は、マクロ機構である。
27Aは、28mmのみ最短1m(実際は0.9m付近)で、少し長焦点側に振った30mm付近から80mmまでの広範囲で最短38cmになる。28mmとしては遠いが、それに近い広角から寄れるのは表現に幅ができる。
それに対して28-70(44A)は、タムロンの言うMODセレクターシステムであり、焦点距離によって最短撮影距離が変化する。28mmでは0.7m、35mm付近(表示なし)では0.5m、そこから距離リングを最短側に回していくとズームリングも連動して回るようになり、50mmでは0.4m、70mmで0.3mになる。この機構は35-70と同じであり、27Aとズームリングの回転方向が逆なのもMODセレクターシステムのためかもしれない。50mm以遠では27Aとほぼ同様の最短距離で使い勝手は悪くないが、広角側は若干寄り足りないと感じられるかもしれない。ただし後継機59Aはマクロ機構に入れる70mm以外はすべて0.7mという割り切りで、44Aのほうがまだましかも。
最大倍率での比較は、開放コントラスト、周辺画質ともに44Aは27A以上に優秀と感じた。
画像: 左28-70(44A),右28-80(27A)
1981年発売、超小型の反射望遠。
重量:577g
外径:86x79mm
フィルター径:30.5mm(リア)、82mm(フロント)
最短撮影距離1.1m
最大倍率1/2.5倍(SPテレコンバーター併用で1/1.25)
500mmf8(55B)に続くカタジオプトリック超望遠で、55Bの1/3倍を上回る最大倍率。300-400mmf5.6クラスの反射望遠のなかでは最も高コントラストで、解像力もよかった。ただし500と比べて地味なのか人気は低く、後継機なく1985年に生産終了したため数が少ない。他方55Bは値下げされた55BBに継承され、定番の500mm望遠として2006年のアダプトール終了まで販売された。
ナガオカウッディ45W
設計発売 長岡製作所 発売年不詳(書物などで検索中)。
標準価格 88,000円
木製超軽量の超広角専用機。(フォトックス6789ワイド のスレッドで紹介しましたが、改めて単独で提示します。)
サイズ21 x 21 x 15cm、重量850g
他の長岡製木製大判(暗箱)カメラと同じく朱利桜材を使った蛇腹機。アオリを前板のスライドに限定している。
4x5インチのスプリングバック専用でグラフロックは使えない。一般的暗箱のスプリングバックと同じなので、
差込型のロールホルダーであってもトヨやジナーなど、シートホルダーより著しく分厚いと挿入が難しい。
(例外:カンボロールホルダーは他社より薄く、挿入可能。おそらくリンホフラピッドロレックスもいけるだろう)
ピントグラスは露出しており、バックのフードはないため冠布が必要。縦横はバックを差し替え。
バックアオリはなく、フロントスタンダードは平行移動のみ、ライズ20mm、フォール20mm、シフト15mm)
フランジバック6.5cm〜15cm
標準はテヒニカ45ボード仕様。トヨフィールドボード仕様もある。
焦点は右手側ラックピニオン、左手側ロックネジ。
平ボードで65mm、凹みボードで多分55mmから無限が来る。
望遠側は平ボードで150mmまで使えるが、ほとんど近距離が合わないので実用的には125mmあたりが適当と思う。
前板が上下左右にスライドし、ティルトスイングはなくストレート蛇腹のみ。
冠布が必要なのはクラシックだが、超広角で周辺の焦点をルーペで見るためには斜めから光軸方向を観察する必要があるため、ピントフードがあっても端が見えないことになり、却って焦点板周辺がフラットな当機種は合理的。
ただカメラの厚みが薄いので冠布を引っ掛けにくい。どこかにクリップで固定したほうが楽だが、今度は三脚ごとひっかけ倒さないよう注意が必要か。
4x5の超広角は焦点距離が長いため、ティルトがないのは被写界深度コントロールに不利で、絞り込みによる被写界深度確保を取らざるを得ないが、動体を止めることは難しくなる。具体的には被写体ブレを防ぐため風読みが必要になる。
かなり無理をして使うことになる。例えばベッドダウンが必要であったり、フォーカシングに専用デバイスを要したり、前板アオリが制限されたり。
そのためか、4x5において65から75mmでは一般には重量級ビューカメラの領域だが、ウッディ45はフィールドでフットワーク良く超広角を活用できる有力な選択肢である。
150mmより長焦点には延長ボードで使用可能ではあるが、この機種だけで全ての被写体に対応するよりも、一般テクニカルカメラのサブカメラとして考えたほうがよいと思う。多分テクニカルで75mm以下を使うよりはるかに快適。
広角範囲を想定した撮影の場合、実際に使用してみると、圧倒的に便利で短時間に撮影が完了する。
画像:作品としては大失敗ですが、65mmで目一杯20mmライズしても全くけられていないことを示します。
ナガオカ45W, ニッコールSW65/4, f22, 1/4, ネオパンSS
1990年代 ワイド専用中判木製暗箱
フォトックス6789というオーソドックスな組立暗箱を小型化した木製フィールドカメラが人気を博しましたが、
超広角撮影時にアオリが不便で不十分という要望に対して、ディスプレースメントをフロントスタンダード平行移動
に限定した広角専用機が供給されました。
この形状は長岡ウッディの4x5ワイド機と同様で、フォトックスは長岡のOEMです。
15x13x9cm、重量540gはシフトできる中判のなかで最軽量でしょう。
フォーカシングは蛇腹、伸長46-87mm。
ライズ/フォール・シフトはそれぞれ1.5cm。レンズ後玉サイズで制限されます。
標準はフォトックス6x7cm角ボード。
テヒニカ4x5ボード用モデル「ワイドL6789」はフロント移動が1cmに限定されます。
天体撮影用に焦点調節機構が強固に固定される「ワイド天体」というモデルがあるそうですが見たことがありません。
縦横変更は出来ず、カメラごと縦に倒します。
後期モデルでは水準器が装備されていると記載がありますが私のにはありません。
手持ち撮影を企図しているわけではなさそうです。
シュー取付の水準器か、またはおおまかな視野確認用に外付けファインダーをという用途ではないかと思います。
金属部分は真鍮無地ではなく梨地金メッキされているので変色しません。
焦点版はグラフロックで脱着する仕様で、ヒンジで付いているわけではないので置き場所に困るわけですが
小型なのでなんとかなります。
遮光フッドはなく、冠布を必要とする、まま大判カメラの操作を要します。
ところが遮光フッドがないため焦点版が面一になり、ルーペが使いやすいのが美点です。
重量級レンズはこのカメラの目的から大きくずれているので問題はないでしょう。
広角側は当時の最広角35/4.5でも対応可能です。
当然、長焦点側には制限があります。
105mmでもボディ単体では蛇腹を伸ばしきらないと無限が出ず、ほとんど近距離は無理です。
でも、長焦点も付けたいなという贅沢な欲求に応えて延長ボードが存在します。
この製品は#1シャッター用スクリューが切ってありました。
しかし困った仕様ですね。何念頭に開発されたかわからないんです。
これだけ延長しても、180は無限でません。
150はぎりぎり出ます。でも#1の150ってほとんどないんですよ。
ウチでは旧ジンマー150/5.6だけでした。結構重いし、使いたくありませんね。
細すぎて、テレタイプの大部分は軒並み装着困難。
せめて#0にすれば、多分テレクセナー180/5.5と、PTトプコール180/5.6は使えるかも。
中間リングをも一個足したら軽いフジノンA180/9が使えるんですけど....
流石に45は1.4kgほどあります。大きいと強度も必要なのでやむを得ない。そのかわりバック差し替えで縦横変換できるのが強み。
6789同様にティルトは出来ない割り切りで、シンプルで使いやすいです。
6789ワイドの立ち位置は、微妙です。
確かに超絶軽量なのは確かですが、それでは使うかと言われると状況を考えてしまいます。
速写性は全くないので、少なくとも私の山行きではコレ一台では恐ろしくストレスが掛かるはず。
軽量スプリングカメラと組む手もありますが、
グラフロックバックを共用すると便利ですから、センチュリーグラフィックか、グラフレックスXLは良い組み合わせかも。
旅行では、もう少し重くても速写性が高いほうが使い勝手が良いはずです。
このようなカメラを使っていると、結果を重視する以外に操作を楽しむ側面もあります。
フォトックスを入手出来て数年、ゆったりと撮影する機会がほとんど失われているのに気付かされます。
ボードは注文次第のようですが、テヒニカ45用が汎用性が高そうです。
イメージサークルを考えるとSW65mmではほとんどシフト余地がないので、SW型75-90mmが適当、最近の包括角度110度を超えるタイプなら72mmでも面白いかも。
小型軽量で用途が限定されますからコレ一台よりも、サブカメラによいのではないかと思えます。
拙文が些かなりともお役に立ちましたら、情報提供者としてこんなに嬉しいことはありません。
高価で重量がある(反面精度は高い)超広角カメラはいくつかありますが、これほど軽量な機種は仰るとおり希有です。
レンズ交換が容易なのも美点です。焦点距離とサイズは選びますが。
>ブロニカ用のレリーズ付L型グリップをつけましたら、これがまたピッタリでした。
これはよいアイディアですね。私はあまり手持ちを考慮して居ませんでしたが、確かに機動性が高まります。というか仰る方法でないと手持ちは無理に近いでしょう。
>入手したカメラにはピントグラスが付いておらず対応策を考えることに四苦八苦しましたが、ホースマンのロータリーバック専用ピントグラスが流用できることがわかりました。
成る程、言われてみるとグラフロックですのでその通りです。アングルビューファインダーを使うことも可能になり、冠布を使用しなくても焦点合わせが出来ますね。
>次は6x9フォーマットで広角60mm(35mm版で26mm)に対応できるファインダーを探したいと思います。
ということは、かなり手持ちを重視しておられると察します。
ヘリコイド機は位相にマーキングすることで目測距離合わせを高精度で再現することができますが、ラックピニオン機では、焦点距離が長い場合は距離指標マーキング可能ながら、短焦点は目盛りが大雑把で精度が出ません。
以前「中判への誘い」サイトで伺った方法を紹介します。ホースマンで超広角レンズを使う際に編み出された方法です。
距離に応じたスペーサーを前後スタンダード間に挟むのです。これだと精度上はヘリコイドに匹敵します。
フォトックスワイドなら前後スタンダードが面一なので、左右に挟めばいけそうですね。
ところで60mmで69カバーのレンズは、コニオメガのヘキサノン(67用ですが多分いける?)か、最近のデジタル用レンズくらいしか存じません。なんでしょうね。
撮影結果があがりましたら、是非ご投稿ください。楽しみです。
はい。手持ちでの撮影を意識していますので、アングルビューファインダーも計画しています。フィルムバックは利便性よりも軽量であることを重視し、マミヤやホースマンではなくGraphic 23を検討しています。距離に応じたスぺーサーを挟む件、参考になりそうです。 感謝感謝。
投稿に全く気づきませんでした。
銘版のカタカナがおしゃれですね。
La-rips様
この写真機で手持ちは格好良いですね。
手持ちは難しいですが、グラフロックバックのようなので、Adapt-A-Roll620に120フィルム詰めて使うと、Pグラスからのテンポが良いかもしれないですね。
このAdapt-A-Roll620はれんずまにあ様に紹介頂き、私は最近入手しました。スピグラで使ってます。
アドバイスいただきありがとうございます。Adapt-A-Roll620ははじめて知りました。これがあればピントグラスを外す手間が省けるのですね。とても面白いアイテムです。フォトックス6789では使えませんが、私もスピグラを持ってますので、考えてみようと思います。
ホースマンのアングルファインダーが手に入り、いよいよ手持ちでの撮影が現実味を帯びてきました。
私が手にいれたカメラはレンズボードが欠損でしたが、ヤフオクで2mm厚のアクリルボードを指定の寸法でレーザーでカットし、好きな直径の穴を空け送ってくれる大変便利なセラーがいました。1枚200円から300円で売ってくださるので、早速、00番と0番シャッターの穴でボードを作ってもらいました。塗装しガタのないよう植毛で厚みを調整すれば、そのまま使えそうです。
着々実用化に向けて動いていらっしゃるようで、拝読していて楽しんでいます。
フォトックスは残念ながらスプリングバックではなく、ピントグラスホルダーがグラフロックで留まっている原始的な機構なので、撮影にはどうあってもピントグラスを取り外してしまう必要があります。
ですから、カットホルダーであっても上下からグラフロック固定になり、それではグラフレックスホルダーかその同等品と同じ手間というわけです。
ですから、もうホルダーを予め付けっぱなしで目測撮影するという動きが出てくるわけであります。
レンズボードを作って頂けるのは素晴らしい。そんなサービスがあるとは全く存じませんでした。用途があれば注文したいです。
例えば今漠然と構想しているのはローライ初期型やスプートニク暗箱内にバッフルを付けたいので、厚紙を切ろうかと思っております。型紙が出来ればアクリル加工量産できますね。
さて純正ボードは金属ですが、黒のアクリルもシャープですね。凸ボードも作れるかもしれません。
私は6789を買う数年前、何用か不明のジャンクボードをごっそり確保し、その中に偶然合致するものがあったため、付属ボード以外に数枚確保することができました。後何種類か、完全不明の小型ボードが残っています...
言われてよくよく見たら、確かに。
スライド式のピントグラス←→ロールホルダーのバックを自作するとか、楽しそう…。
La-rips様
穴あけ付300円くらいはリーズナブルですね。
実は細い縦型のジグソーを購入するかと今計画中です。
本当は、旋盤があればと思っています。ねじ切りができれば、レンズナットも自作できますしね。さらに、あまり知られてないかもしれませんが、実はボードへの穴あけも旋盤でも可能なのです。4つ爪チャックがあれば一番ですが、無くても大きめのアルミの丸棒をチャックして、一面を引きます。その後、ボードを抑えるための捨てタップを端面に開けて、適当なアルミ木っ端でボードを端面に固定してしまうんです。固定するときに、芯を出すのがちょっとだけコツがいりますが、子どもでもできる作業です。
その後、必要な外径の穴をバイトでゆっくりと開けていきます。
中ぐりバイトとか、チップバイトとか高価なものは全く不要です。
バイトの形は、テキストとかには出ていないかも。これが一番大変かもしれません。
グラインダーで自分で研ぎます。
若いころ旋盤、フライスの職工でしたのでウズウズしております。
家内に見つからないようにこのプロジェクトをどう遂行するかが目下の課題。
ヤフオクでのアクリル加工はクリア素材のみを供給してくれるサービスでしたが、頼めばマットブラックにも対応してくれるかもしれません。ただし、その場合は自前で加工用の素材を用意しなければならないとおもいますが。
値段はアクリル素材に加工費込みで1枚300円、2枚で400円、工期は1日でした。定形外郵便で安く送ってくれます。アクリル加工専門の業者もいますが値段はもっと高いと思います。
私はクリア素材で作っていただき、遮光処理を施しました。大判シートフィルムを包装している遮光袋をはさみで切ってアクリルボードの裏面に接着。遮光性は十分です。
・HORSEMANのVH/VH-R用8exp/120 10exp/120 12exp/120
・MAMIYA RB67用
・GRAFLEX ベビースピグラ用GRAPHIC 23とGraphic 22(又はSINGER社の後継品)
の3種類ですが、せっかく軽量でコンパクトなフォトックスワイドなので、私はフィルムホルダーも軽量でコンパクトであることを重視しています。各ホルダーのスペックを比較列記している情報がありませんので、書き添えておきます。
HORSEMAN VH/VH-R用(中判カメラ用)
重量 420g(公称値)
サイズ 143mmx101mmx47mm(公称値)
MAMIYA RB67用(中判用)
重量 474g(実測値)
サイズ 120mmx100mmx47mm(実測値)
GRAPHIC 23 ベビースピグラ用
340g(実測値)
120mmx88mmx45mm(実測値)
てなわけで、一番軽くコンパクトなのはGRAFLEX製でした。使い勝手で言えばHORSEMANとMAMIYAでカウンターがオートで初期化されるのは便利ですが、これは私には大きな問題ではありません。あ!マミヤのホルダーは装着してみたところガタつくことがわかり相性がイマイチです・・・。植毛貼ってきつくするなどの対策が必要のようです。
CLOP様
ボードの穴あけを旋盤でできるのですね。初めて知りました。旋盤屋さんはワクワクしながら作業する方が多いですね。
あとは、ファインダーがあれば手持ち撮影用のフォトックスワイドが完成します。あと一歩です。
ですから、大変面白く拝読しました。
確かに重量ではGraflex RHシリーズの一択ですね。
また汎用性が最も高いのもオリジナルならではです。
さて、以前「中判への誘い」サイトで、ブローニー機の実画面について皆で情報を持ち寄ったことがありました。
もうそのサイトが失われてしまいましたので、今すぐにその情報を提示できませんが、うろ覚えではおそらく国産でもっとも横長な69はマミヤプレス56x84mm。
マミヤプレスのホルダーは平面性に定評があり、グリップも兼ねるのは良いのですがサイズが大きく重量があり、無視できません。(グラフロックではないのでフォトックスには関係ありませんが)
ホースマンは実画面56x82mmで、ほとんど6x8と言っても良いでしょう。
さらにグラフレックスRH8は6x9といいながら最も横幅が小さく、8cmそこそこ(もしかしたら以下)だったのでは。
6x8では、マミヤRB電動68が56x74mmだそうで、6x9との差は確かにありますが、スーパーローレックス67が56x72mmなので肉薄されています。
ホルダーではないので余談ながら、幅9cm近い本当の6x9は、Veriwide100です。赤窓巻き上げだから出来る危ういぎりぎりさですね。
些細な差であるのも確かで、画質に影響しないほんのわずかのトリミングで変わってしまうでしょうし、透視ファインダーだと厳密なフレーミングは出来ませんからやむなく構図を整えるトリミングが必須になる場合もあります。
でも出来上がってきたときの拡がり感は、やっぱり横長6x9ならではの醍醐味ですね。
さて私はよく装填巻き上げ失敗をします。自分を信用できません。
日本アルプス程度の山でも息が上がって頭が朦朧とした時、旅行で置いて行かれそうになって慌ててる時、夜間真っ暗な中でフィルム交換するときなど、無意識で装填してもちゃんと撮影出来る機材をと(他力本願ですね)
なので取り敢えずはホースマン、時間に余裕があればグラフレックスというイメージで捉えています。
マミヤRB用は、RB67をメイン機にしている時に、バック共用目的で選択する以外にはあまり持ち出しません。
ぐらつきますか。もし植毛紙など挟めば、焦点面がずれないでしょうか。超広角では僅かな厚みがズレに繋がることを懸念します。
本当は、グラフレックス操作に熟達するのが一番かなあと自省します。
驚きました。同じ6x9ホルダーでも製品ごとに撮影フォーマットの幅が異なるのですね。規格というものは遵守されていて当然と頭偽なしに思ってしまうのは、私が日本人だからでしょう。
グラフレックス製ホルダーの横幅がうる覚えとのことでしたので測ってみましたら横幅は82mm強ありました。ホースマンとほぼ同じようですね。
参考になる情報ありがとうございます。
単に避けるだけなら用品にシューの下駄(大概はフラッシュ関係アクセサリ)がありますし、
コシナがシュー増設アダプタを出していて、横方向にずらすことも可能です。
あるいはシュー部分だけも売っていて(アマゾンなどで見られます)、ネジ止め、または両面テープ止めが可能です。
ところでロールホルダーの厚みがあるので、オリジナルのシュー位置ではファインダーアイピースに目を付けることは困難でしょう。
以前見かけたグラフレックスXLSWは、ヤシノン21mm用ファインダーを長いシューアダプタで後方へ移動させ、楽に目にあてられるよう加工してありました。そうするとつまみはあまり気にならなくなるかもしれませんね。
そういえばグリップの上にシューありますしね。窮すれば通じますよ...
私もおなじ事を思い付いていましたのでコールドシューを手配しました。パララックスが増大しますので、首振りタイプのシューアダプターをつけてみようと思います。ファインダーは35mm判の焦点距離25mm相当のものを探していますが、ホルダーの厚みに気づきコシナレンダーのアングルファインダー25mmを探し始めました。これだと、ホースマンのアングルファインダーからの移行もショルダーポジションのままスムーズに行えます。それから、もうひとつの候補として、重量100g程度のコンデジをファインダーの代わりにホットシューにマウントすることを考え始めています。1/2.3型センサーのコンデジの場合、24mm相当(35mm換算)でも左右の視野率は90パーセント程度になってしまいますが、十分に対応できます。うれしいおまけは、コンデジの露出計が利用できるということでしょうか。
グリップ上のシューは最後の手段にとっておきます。
プレビュー画像を撮影することも出来ますし、データカードを写し込むこともできるかも。
アングルビューファインダーとコシナレンダーのアングルファインダーとの併用は、もしフレーミングをコシナに任せきるなら大丈夫ですが、ホースマン他のアングルビューと交互に使うと混乱を招きます。
ハッセルブラッド用コシナアングルファインダーで私は大混乱しました。
左右逆像のウエストレベルに慣れていると、正立正像のコシナは逆に動かして、いらいらしてしまいどうにも慣れませんでした。
これは日頃使っているデバイスが何かに依りますので、コシナだけ使っている分には全く問題ないと思います。
でも、真っ直ぐ見るファインダーだと腰高と併用してもそれほど違和感ないのですよ。不思議ですね。
なるほど、混乱するのですね。これは使ってみないとわからない感覚なのでしょうけれど、参考にしてみます。
ひとまずコンデジ案でいってみようと思います。
前後に首を振るタイプのコールドシューを手にいれましたので、倒せばコンデジが畳め、コンパクトになります。
手持ちでガンガン使ってみようとおもいます。
横木製作所 製
近江写真用品販売のハンザフィールドは名称違い、Yokeの名称は木製中判カメラ製作名人、故 横木正夫氏のお孫さんの名前から取られたという。
1990年代と思いますが正確な所は探せず。
組立暗箱の中判専用モデル。グラフレックス規格のロールホルダーはたいてい使用可能。
専用レンズボード(61x70mm)オリジナルは0番穴。1番は無理と思える。
標準セットではコンゴー105/4.5が装着されている。
フランジバック47-195mmで対称型47-180,テレタイプ300mmまで
収納時のサイズはWxHxD: 135x114x67mm
重量760g(公称)
ピントグラスは本体にヒンジで接続され、上部のスライドバーを解除し下に垂らすとフィルムホルダーが装着できる。
ヨークと初期のハンザは、バック部とレールとの接続が1/4円形の金具で、支点に近い所で一点保持するようになっていて、大判暗箱でよく見られるアームによる補強がない。大判よりモーメントが小さい利点で実利的な判断と思うが、次のハンザフィールドIIでは4x5アダプターを取り付けられるためか固定アームが復活した。
同系の小型暗箱は前述の横木氏製作のヨークとハンザ、ヨコギ銘の他に同時期に複数存在し、代表的なものではフォトックス6789、アオリはできないがパンタグラフ繰り出しのワイズ69ハンディ(これも横木製)、箱形構造のよしみカメラJitto69などがあげられる。
このうち、レンズボードサイズは、ワイズ以外の横木製は61x70と共通だが、フォトックスは61x64(オールムーブのみテヒニカ)と互換性がない。ワイズとJittoはホースマン8x8規格。
基本的にピントグラスで構図と焦点を決める構造で、目測に使える距離指標はもちろん繰り出し量の指標もない。
_____________________________________________
中判にあわせて小型化されていても基本構造は大判暗箱と同じなので、まず撮影状態に組み立てるまでが時間が掛かる。日頃から十分に慣熟していなければ、本番ではまごつくどころか組立不能になりかねません。
さらに、1,レンズのシャッターと絞りを開放し構図確認、焦点を合わせ、三脚固定
2,設定絞りまで絞り込み確認、
3,シャッターを閉じて
4,ピントグラスを外して
5,フィルムホルダーを固定し、巻き上げ確認
6,ホルダー引き蓋を抜く
7,シャッターチャージし、レリーズ
その後が問題です。
ロールホルダーなので次の巻き上げは迅速ですが、全く同じ構図で複数枚撮影するとき以外は、引き蓋を差し込んでホルダーを外し、ピントグラスをセットして、1から再びやり直しです。
ほんのわずかに構図を変えても、やり直し。
正直うんざりしないほうがおかしい、というか、大判ではこんなにフラストレーションがたまらないのはカットホルダーを抜き差ししているからで、なまじロールホルダーだけ迅速なのがアンバランスなのでしょうね。
ここまで手間暇掛けるなら大判でいいやとなってしまうのが、入門機の良い所。
写真はコンゴー105/4.5無限位置
サイズのイメージがおわかりでしょうか。105つき、ホルダーなし重量は、OM標準付きより軽いくらい。
さて私がヨーク69を使うかと聞かれると微妙なところ。
同じ手間なら、暗箱は8x10インチを持ち出すだろう。
ワイドカメラとして活用しているフォトックスワイド6789とレンズの互換性がなく、バックを共用するならグラフレックスXLか、センチュリーグラフィックを持ち出すだろう。
一家に暗箱1台ならYokeも考慮できる。フィルムが120の利点が大きいので。
暗箱の練習用としても、ランニングコストが低い。
色々考えさせられる選択です。
フランジバックが短く、包括角度が大きな短焦点の中で、小型軽量かつ後玉径が小さいものが適当です。
しかし、6x9をカバーしつつも十分な短焦点はなかなかありません。
以前に35mmカメラM42マウントに改造されたダゴール7.5cmf6.8を確保しており、大阪の専門店に#0シャッターマウントをお願いしました。大変小型で包括角度が大きいため活用できそうです。
このカメラで標準以上の画角を使うのは勧められません。例えば100mmクラスでも蛇腹を一杯に伸ばさないと無限が来ず、実用的ではありません。アンギュロン90mmf6.8はよい選択かもしれません。
一方#1延長チューブに適合するレンズは珍しく、対称型150mmはチューブ併用でも蛇腹が伸び切り実用困難です。偶々ラパックスにマウントされたノンコートのテレクセナー150mmf5.5が入手できました。テレタイプなら180でもいけそうですが,焦点合わせ範囲は150のほうが広く、ワイド専用機の隠し玉としてはよい塩梅でしょう。#0ですが裏側からホットグルーで貼り付けました。
ホースマン用トプコールは比較的小型なのでボードから外されたジャンクがあれば確保したいですが、ボードアダプターを自作すれば今の手持ちが使えるでしょう。
画像:手前からDagor7.5cmf6.8、Fujinon W105mmf5.6、Tele-Xenar 15cmf5.5
フォトックスワイドにピッタリのレンズが見つかると良いですね。
既に検討されているかもしれませんが,スーパーアンギュロン47mm, f8は如何でしょう? SAシリーズの中では一番軽量コンパクト,写りも良いと思います。テヒニカではフランジバックが短かすぎて標準ポジションで使えませんが,広角用のフォトックスなら余裕と思います。f8で暗く,00番シャッターは開放できず少し不便ですが,ビューカメラでじっくり撮るのは楽しそうです。
SA47/8はきわめて小型でまったく仰る通り一番似合いそうですね。
SA47は単体やボディ込み含めて買ったり売ったり買ったり売ったりを繰り返しておりまして、今は一本もありませんが、経験があります。
リーズナブルなものがあれば、再入手を考えます。
問題は他の#00シャッター同様、オリジナルのフォトックスボードに00がないことです。自作は簡単ですから大きな支障にはなりませんが。
他に、現在センチュリーグラフィックに適合させているアンギュロン65/6.8も超小型で候補ですが、イメージサークルが大きくないのでフォトックスにつける意味がありません。SA65/8はいいですね。リンホフ70ではセッティングに苦労しますから、フォトックスで気楽にシフトを使うのは良いかも。
また、今センチュリーに付けているSA47/5.6は、センチュリーではアオれないため、フォトックスに移植すべきかもしれません。
画像:ゲルツダゴール7.5cmf6.8。買った時はM42ヘリコイド付きで35mm一眼レフ用になっていました。
> 問題は他の#00シャッター同様、オリジナルのフォトックスボードに00がないことです。
そうか,ボードに#00用がないのですね。とすると自作かシムを挟むかですね。
SA47/5.6(XLでないタイプ)やSA65/8もフォトックスに似合いそうです。
大きさは同じ位で画質は5.6の方が良さそう。47/5.6は私も一つ欲しいのですが,今値段が高騰中で...
ダゴール7.5cm, f6.8も魅力的です。小さくコンパクトで画角が広く自然な描写。私のダゴールは12.5cmですが,中判では広角側のメリットが大きいので,10cm以下のダゴールは貴重と思います。
マミヤ光機が開発した二眼レフは昭和23年(1948)のジュニアから始まります。
最初は初期リコーフレックスに代表される様な前玉回転式の機種でしたが、昭和31年のオートマットA3型に至っては
ローライSL66の様なオートマットタイプまで発展しました。
翌年(1957年1月)そのマミヤフレックスが、レンズ交換式のCタイプとして生まれ変わりました。
その後、このシリーズは世界で最も成功したレンズ交換式二眼レフとして昭和58年(1983年)のC330Sまで多くの愛好家
に愛される機種となりました。
Cシリーズ全ての機種に受け継がれているのは、
・ピアノ線を巧みに曲げただけのレンズロック機構
・レンズ交換時に不用意な露光を防ぐ遮光板と連動したファインダーへのインジケーター
・プロ機ならではの2重蛇腹
・後にRB67にも引き継がれるラックピニオンによるレンズ操出し機構。
・装填後でもフィルム平面性の高い純巻きストレートのフィルム走行
・各種アクセサリーに対応する柔軟性
が挙げられると思います。
・Mamiyaflex C Professional
昭和32年1月(1957年)セット価格¥34,000 (105mmF3.5付¥32,910 ケース¥1,090)
マミヤC型の始祖で、頑丈なボディーとシンプルな巻き止め式の巻き上げ機構を持っています。
フィルムセットはスタートマーク式、背面にはまだまだ赤窓も備えていました。
ピントノブは白アルマイトのアルミ製で右手側に一つです。三脚座が小さいのも識別上の特徴です。
・Mamiya PF
昭和32年 (1957年) ¥46,000(80mmF2.8付) ケース付 *という資料が有りますが、一般向けの価格ではなさそうです。
ネームプレートが”MAMIYA-PF”となり、マミヤCの学術/鑑識モデルで、PFはポリス・フレックスの略だそうです。
ピントノブが左右両側に設けられ、三脚座も大型になり、後のC2型のベースになりました。
80mmレンズの操出量に応じた指針がフィルム面上に有る倍率スケール(1:1.4〜1:14)上を動き、被写体とその時
の撮影倍率を同時に写し込むギミックを持っています。ただし、このスケールは80mm専用と聞いています。
・Mamiyaflex C2 Professional
昭和33年6月(1958年) セット価格¥36,500(105mmF3.5付¥35,410ケース¥1,090)
マミヤPFをベースに一般向けに手直し、スタンダード側面に各種レンズに対応した距離指標と露出倍数のグラフィック
を設けました。
マミヤCシリーズの2系の基本モデルで、シンプルさと堅牢性のトップに君臨するモデルです。
ファインダーフードには各種レンズに対応するマスク取り付け用のボスが設けられ、リンクが無い分、レリーズがとても軽く動作する機種です。
・Mamiya C3 Professional
昭和37年9月(1962年) セット価格¥39,800 (105mmF3.5付 ¥38,300 ケース ¥1,500)
(ボディのみでは ¥23,600)
マミヤCシリーズのフラッグシップを担う3系の初期型です。
C2の巻き止めダイヤル式をクランク式自動巻き止めにし、解除可能な多重露光防止機構を持っていますが、まだセルフ
コッキングではありません。ピントノブもそれまでの白アルマイトから黒い樹脂に変更されました。
アクセサリーシューが加わり、ボディーの幅も増加しました。
レンズの固定ピアノ線の向きが従来機種に対して左右逆になり、ボディーテクスチャーも黒革からM字が浮き出た
グレーのビニールクロスに変更になり、経年変化による革の収縮に対して強くなりました。
裏蓋の開閉、レンズロック解除、にフェイルセーフ機構が入り、交換レンズに対する指標類もカラープリントになりました。
・Mamiya C33 Professional
昭和40年4月(1965年) セット価格¥49,800 (105mmF3.5付 ¥48,000 ケース ¥1,800)
(ボディのみ ¥33、300)
ついにラックとリンクを用いたセルフコッキング機能を設け、ファインダーにパララックスと露出倍数補正のインジ
ケーターが入ったC3系の基本を固めた機種になりました。
クランクを止まるところまで時計周りに回し、止まったところで逆方向のクランク定位置まで回すとコッキングされます。
距離指標はスタンダード左右の側面に振り分けられ、中期からは裏蓋を交換する事により120/220の切り替えが可能です。
レンズ交換時の安全ロックも改良されてダブルアクションからシングルアクションに変わりました。
細かなところでは標準的な大きさでは有りましたが、見づらかったフレームNoが少し大きくなりました。
ただし、ついに重量が2Kgを超える堂々とした体躯を持つカメラとなりました。
・Mamiya C22 Professional
昭和41年3月(1966年) セット価格¥40,000 (105mmF3.5付 ¥39,000 ケース ¥1,000)
(ボディのみ ¥24,300)
5万円にもなるC33の廉価版で。ちょうどM3に対するM2の様な位置付けのカメラです。
クランクは廃止され、ラチェット付きの巻き上げノブによる自動巻き止め式です。ボディーシェルはC33と同じですが、
セルフコッキングやパララックスのインジケーターは省略され、C33に対して約300gの重量減となりました。
この時期になると交換レンズに65mmの広角レンズが用意され、独自の立ち位置が確立してきました。
・Mamiya C220Professional
昭和43年4月(1968年) セット価格¥35,000 ( 80mmF3.7付 ¥34,900 ケース ¥1,000)
(ボディのみ ¥22,900)
C2系のベストセラーとなったC220は、肥大したC3系の反省にたって、約700gの軽量化を計った機種です。
機能的にはC22を踏襲していますが、大型化した巻き上げノブに折り畳み式クランクが設けられ、C2系の欠点だった
速写性能の向上を図った機種です。
フードの折り畳みもワンタッチ式になりました。
C3系ではトップヘビーになり易かった中型三脚でも安定性が向上しました。長年作られた事もあって、細かな
バリエーションが有ります(アクセサリーシューが白/黒有ったりします。)
この時期のCシリーズは各種のアクセサリーも充実し、二眼レフのシステムカメラの地位を固めました。
・Mamiya C330Professional
昭和44年10月(1969年) セット価格100mmF3.5付 ¥58,000 (ボディのみ ¥36,000)
80mmF2.8付 ¥53,900 ケース別売 ¥3,400
C33の近代化を計り、C22と同程度の重量ながらクランク1回転でのセルフコッキング(ハッセルブラッドと同じです。)
が可能となりました。 シャッターボタン?が側面と底部2か所に設けられたことも特徴の一つです。
またプレッシャープレート回転で120/220の切り替えが可能となりました。それまではスタンダード両側面に有った
距離表示も6角柱のインジケーターに変更になり、全体の雰囲気もブラッシュアップされて、プロ機の貫禄を備えた
機種になりました。(このインジケーターは交換が可能です。)
セットされた105mmF3.5はDSタイプとなり、二眼レフでは数少ない絞り付きのビューレンズを持ち、被写界深度の確認
が可能になりました。
・Mamiya C330f Professional
昭和50年3月(1975年) セット価格105mmF3.5付 ¥82,000 (ボディのみ ¥53,500 )
80mmF2.8付 ¥79,000 ケース別売 ¥ 3,800
ほぼ完成されたC330の後継機として発表された”f”タイプは、ワンタッチタイプで密閉度の高いファインダー
フードとマグニファイヤーレンズの交換機能を備え、RB67Sと同様なピントノブのロック機構を備えています。
また、C330ではレンズロックダイヤルに設けていた専用のフィルム感度インジケーターを省略し、裏蓋にフィルム
ケースのタブをちぎって差し込むホルダーが設けられました。
名実ともにC3系のフラッグシップといえば、このC330fを指す場合が多い様です。
・Mamiya C220f Professional
昭和57年3月 (1982年) セット価格80mmF2.8付 ¥66,500(ボディ のみ ¥38,500)
ケース別売 ¥ 2,500
ロングセラーだったC220の後継機として、ボディ外装に樹脂を使用し、C330系と極力部品の共通化を計った機種です。
巻き上げノブはボディー側面中央に変更され、クランクも廃止されました。セットされたピントフードには透視
ファインダーが省略されています。
C330Sと同じ幅のボディーシェルを持っていますので、C220よりも大柄に見えます。よくC220Sと間違われます。
・Mamiya C330s Professional
昭和58年3月(1983年) セット価格80mmF2.8付 ¥99,500(ボディ のみ ¥66,000)
C330系の最後を飾る機種です。C330fに対して、ボディー外装の樹脂化を計った機種で、新たにシャッターロック
ボタンが装着されました。
また、それまでのストラップブラケットが、中判カメラでは一般的なストラップラグに変更されました。
C330系はC220よりもフイルムルームの内面反射防止策が高度になっています。このあたりにプロ機としての
誇りが有る様に思います。
レンズ
マミヤCのレンズは、上下ビューレンズも撮影レンズも同じ構成のレンズが使われています。また年代によって細かに細分化できるのですが、大凡のラインナップは以下の様になっています。
初期のクロームタイプのレンズはB〜1/400 のシャッターレンジでしたが、途中でB〜1/500 になりました。
55mm F4.5 Φ46
65mm F3.5 Φ49
8cm F2.8 Φ40.5
80mm F3.7 Φ40.5 (謎の多いレンズで、日東光学のブランド名付きが有ったり、セルフタイマー付だったり。)
80mm F2.8 Φ40.5
105mm F3.5 Φ40.5
105mm F3.5 D Φ46(ヘリアータイプのデラックスレンズ)
105mm F3.5 DS Φ46(ビューレンズに絞りが付いています。)
13.5cm F4.5 Φ46
135mm F4.5 Φ46
18cm F4.5 Φ49
180mm F4.5 Φ49
180mm F4.5 Super Φ49
250mm F4.5 Φ49
アクセサリー
マミヤCシリーズは、進化を経る過程で実に様々なアクセサリー類が発表されました。
ファインダー
マミヤC型は最初からシステムカメラとして考えられましたので、交換ファインダー類には特に力が入れられていて、
ユーザーの用途に合わせて様々なタイプが用意されていました。
・ミラーファインダー
C型の最初期に発表されたファインダーです。1枚の反射鏡とアイピースレンズで構成されています。
ローライフレックスをお使いの方はご存知かも知れませんが、ファインダーフードの透視ファインダーを倒すと、
フード後部のアイピースレンズを通してピント調整と視野の一部が倒立左右逆像で見られます。
このファインダーはまさにこのタイプです。
・ポロフレックス (ポロファインダー)
ダハ(屋根)面を一つもったポロミラーで構成された正立正像のファインダーです。
硝子が詰まっていないので光路長が稼げません。それで倍率は2倍です。全反射面が有りませんので若干暗
い感じがします。
有名な日本光学のパテント表示とマミヤのダブルネームファインダーもこのタイプです。
・プリズムファインダー
35o一眼レフのプリズムファインダーをそのまま大きくした様な構造のファインダーで、ファインダー倍率は
2.5倍です。
経年変化で、プリズム固定部が劣化しているものが有りますが、大きく視認性が劣るわけでは有りません。
・Cds ポロファインダー
ポロフレックスにCdsメーターを組み込んだファインダーです。
先端にCdsセルが付いたアームをファインダースクリーンの視野中心に持ってくるとスイッチが入ります。
ボディーやレンズとは何も信号のやり取りが有りません。単純にファインダースクリーンの明るさを測ります。
DSタイプのレンズを付けた場合、ヴューファインダーの絞りを戻し忘れると露出が変わってしまいます。
ダイヤルメーターの針を〇―と合わせ、その時のダイヤル上の値を読み取ります。
・マグニファイヤ−フード
所謂屋外ファインダーです。ブロニカやハッセルの屋外フードに相当するリジッドなファインダーフードです。
フード側面のダイヤルを回転させると視野倍率が3.5倍と6倍を選択できます。とても軽量なファインダーです。
・Cdsマグニファイヤーフード
屋外ファインダーにCdsポロファインダーの測光系が入ったものです。
アイピースレンズが大きく、露出計を使用しない場合でもとても見易いファインダーです。
・マグニファイヤー
ファインダーの中に入れて良いのか判りませんが、文字通りのファインダーの拡大レンズです。
折たたみファインダーに取り付けて使用します。
5.5倍の視野倍率になりますが、あまりにプリミティブな外観から、用途が不明でお店に転がっている時が有り
ます。
レンズフード
マミヤC用のレンズフードは年代を前後しますが、以下のものが有ります。
・55mm用 上部可倒式
・65mm用 上部可倒式
・80-105mm用 フィルター径 φ40.5
・80-135mm用 フィルター径 φ46
・135mm用 上下レンズ一体型
・180mm用 上下レンズ一体型
・180-250mm用 上部可倒式
(上部可倒式フードというのは、太陽の位置によってフード上面で反射した光がビューレンズに入り、
フォーカッシングの妨げになった場合に、フード上部のプレートを倒す事によって迷光を防ぐ構造
になっているフードの事です。)
フードだけでも色々な工夫がされていてマミヤらしさが伺えます。
パラメンダー
二眼レフなので、撮影レンズとファインダーレンズが離れています。これが近接撮影の際に視差(パララックス)として表れます。
接写の場合等ピントを合わせてから、ファインダーレンズ位置と同じ位置まで撮影レンズを移動させれば、原理上視差は出ませんので、
三脚のエレベーターを利用したりして補正しますが、これをアクセサリーで補正するのがパラメンダー(パラアジャスターなんて呼びます。)
マミヤCシリーズは一般的な二眼レフよりも二つのレンズ間が5mmほど開いていますので、専用でないと補正できません。
パラメンダー”C型”初期型
エレベーターラックの昇降をクランクの回転で行うタイプです。
止まるまで持ちあげて、スクリューレバーで固定するプリミティブな構造です。
コノ字型になっていますが、三脚側とカメラ側のアーム長が異なっています。全体的にはC3系には華奢な印象です。
・パラメンダー後期型
エレベーターラックをダイアルで止まるまで持ちあげて、セットダイアルで締め付け固定します。
1軸式のエレベーターでコノ字型になっているのは”C型”用と同じですが、上下のアーム長は同じ長さになりました。
華奢な印象は僅かに残りますが、頑丈になりました。
・パラメンダー2
ダイアルでリフトアップする方式からレバーでワンタッチでリフトする様になりました。
ラッチが入り固定されますが、スクリューダイアルで締め付け固定できます。レバーの表面処理は初期は白、後期は黒になりました。
何度か、ラッチを外した瞬間にカメラが下がってきて何度か驚いた事が有ります。スクリューダイアルはちゃんと締めた方が良いと思います。
比較的入手性が良いのではと思います。
・パラメンダー3
構造が変わってパラメンダーというよりも、パンヘッド雲台にパラメンダー機能がついている様なシステムです。
カメラ側は板アームが左右から雲台側を挟む構造になっています。
昇降はレバーでラックピニオンを動かし、ラッチとレバー反対側にあるスクリューダイアルで固定します。
マミヤではデラックスタイプと呼んでいます。
でも、Cシリーズ系の中で一機種選べと云われたらC220を選ぶと思います。
大きさに対するストレスも若干薄いです。
はからずもリクエストした形になり、恐縮です。
当家にはC330sの他、C3, C220fがあります。
気楽という点ではC220系が確かによろしいですね。持ち較べると明らかです。
ノブ巻きセルフコック、パラ自動補正は自分でやると割切れば、軽快さを享受できます。機能を絞った普及期ですが、220が使えるのは個人的にポイント高いです。
反面330のほうが繰り出し量が大きいのが個人的に評価対象ですが、最大伸ばしでは三脚にパラメンダーを併用しないと正確な撮影は出来ません。
実写では手持ちで「人間パラメンダー!」と叫びつつ体をライズさせていますが。
こちらこそ恐縮です。
以前マミヤが開いていた博物館の内容と、カタログや取説といったドキュメント類、持っていたり
借りた経験の有る記憶を今の内にと記載しました。
間違っていたらご指摘頂ければ訂正いたします。
それと是非レンズの方にもお力添え下さい。
私の資料だとブルードットの最後期 80mmF2.8(3G4E)がいつまでも出てこなかったり、レンズセクション図が
取説とちょっと違っていたりして今回調べたらアテにならない事に自分で驚きました。
さてCシリーズですが、単純なものほどコワレナイを地で行く様なカメラで、かなりの機種が野ざらし現役で動いています。
レンズにしても、フランジバックがかなり長いので単焦点は不利かも知れませんが、
何か改造で新しい展開が有っても良い感じがします。
C330は何度も購入を考えたのですが、やはりその大きさで躊躇しています。
”999”ゲット!
気に成り、自分でも資料調べていたところでした。
私、マミヤは使ったことが無い。此方の掲示、大いに参考に成ります。
廉価品2眼レフばかり使いきれないし。c33重いし、手に余る。ロライアウトマートもあるし。
物欲が、、、悩ましい所です。
PS)Efunon様に背を押され、雨の中橿原まで走った。
本気で購入を考え、細かく点検。然し、2つ問題が。
1、ファインダー。1作動で開くが、閉じるのが問題。
左、右、後ろ、と遮光版を畳まなければ、閉じない。此れでは初代のロライフレックスと同じ(この個体の問題?)
2、105mmが付いていたが、蛇腹を最大引き出すと、劣化が。バリバリ音まで。
素材が、スプリングのイコンタにはるかに劣る。更に、スプリングより、蛇腹が大きい(69並みのサイズ)
加えて、山谷の折り込みが細かい。此れでは、近いうちに亀裂が?(此方はC系蛇腹の欠点か?)
16800円。惹かれる価格ではあったが、今回はあきらめた。
ご入手おめでとうございます。と思ったら…
Cシリーズは、以前は文字通りゴロゴロしていたのですが、一時よりも数が減りました。
それになぜかメンテナンスをされていなくて、グリス切れでゴトゴトしながら動くモノが多く少し悲しくなります。
こればかりは出会いです。良いものに当たればまた。
おそらく、安価で程度がよいC220f辺りに遭遇されたら、軽いので印象がお変りになるでしょう。
私はレンズの各バージョンを較べたことがなく、一面的な評価ですが、マミヤCシリーズの標準レンズは国産TLRの中でもトップクラス、頭一つ抜けているほどの印象です。
社外品と聞く廉価版セルフコッキング未対応のテッサー変形セコール80/3.7も、私見ながら極めて高性能で、ダメもとでジャンク箱から買ってきた自らの色眼鏡を恥じました。
高級ラインの80/2.8もかなり素晴らしい写りです。
簡易型のC220系でも、原始的なリコーフレックス辺りとは対極のかさばりですが、写りの点からもお勧めのシステムです。
昨年暮れに105mmの絞りの無いレンズを入手しました。
細身の黒鏡胴で、フィルター径40.5mmのレンズです。
調べてみたのですが、クローム鏡胴から黒鏡胴になったばかりのテッサータイプの中期のレンズの様です。
レンズ銘にデラックスタイプの "D" がつくとCシリーズ最高峰のヘリアータイプになる様です。
このレンズは先端が少し大きくなっています。
アンバーのシングルコートで、ちょっと彩度の低いレンズですが、私の茶色のC2に似合うので気に入って使っています。
(元の皮革が縮んでしまって張り替えました。)
さて80mmF2.8ですが、テッサータイプの所謂 ”ブルードット”は素晴らしい写りだと思います。
私もテッサータイプの80mmF2.8はちょっと無理が有るのではと食わず嫌いだったのですが、
近年の硝材の性能が良いのでしょう。これはオススメです。
ネット検索しても情報は多くないけど、55と80の最終期にコーティングを改良したような記載ですね。
私の80/2.8はC330S付属ですが青点ではないようです。まあ中古ですのでオリジナルの組ではないのかも。
セコール80/2.8は従来の3群5枚ヘクトールのような独特の構成を継続していると思っていましたが、良いガラスを入れて接合エレメントを減らしたとすると納得出来ます。
マミヤは標準をガウスに拘らず、New6や7ではオルソメター、RBではヘリアを採用するなど他社に追随しない姿勢で面白いです。
一旦ガウスを使うとRZ110/2.8やプレス100/2.8のように凄い性能を出してきますが。
ブルードットの件は、日本よりもアメリカのユーザー間で云われていた事で、私も存じませんでした。
そこでと思って使ってみたのですが、驚きました。
国産二眼レフではオートコードのロッコールが優秀と云われていますが、二眼レフの写りに現代的なヌケを求める場合があれば
このレンズを一度お試し頂ければと思います。
220はセルフコッキングではありませんがボディシャッターです。
巻き上げは自動巻止め折り畳みクランクつきノブ。
C330系の簡略化ではなく、繰り出し量は220のほうが少ないなど、異なるボディです。
C系の交換レンズは全て使え、比較的軽量軽快に使えるのが特徴でしょう。
セコール80mmf3.7はNo993でefunonさまが触れておられるように、日東光学製と考えられるテッサー型レンズ。
C220専用とも考えられ、セルフコッキング用ラグを持たず、C330でボディからチャージができません。
廉価版レンズですが、描写力は侮れないどころか、大変高性能だと思います。
efunon様のレビューで概ね解説は済んでいますが実機の画像を。
前モデルのC330fに対してプラスチック部分を増やして軽量化したモデル。
機能的にはマミヤCシリーズの中でフル装備のカメラです。
パララックス自動補正バーつき、
レンズロック解除状態ではファインダーに警告バーが出ます。
セルフコッキング、ボディシャッター2箇所。
250mmレンズで2m、180mmで1.4mまで近接できる蛇腹ラックピニオン繰り出し。
1作動クランク巻き上げ、120/220切り替え。
画像のレンズはファインダーレンズにもプレビューのため絞りを装備したセコールDX105mmf3.5、3群5枚ヘリア構成。
少し長めの標準レンズで、ポートレートにも向きます。
繰り出さないと無限が来ないため、驚かれるかも。
C330の標準は80mmより105が推奨されていましたが、C330S末期はディスコンになり標準は80mmf2.8Sのみになりました。
ようやく入手しました。撮影はこれから。
マミヤC系80mm最終型。それ以前の80/2.8はヘクトールに似た特殊な構成でしたが、ここからテッサー型になったそうです。
他の焦点距離にもブルードットは存在するようで、それらは80mmのように特別とは言えず、構成はかわっていないようです。
またこれより後のC330Sに付属する80mmf2.8は、前方から見て銘板が全部艶消しブラック無銘になっていて、それが本当のブルードットなのかしら。
超高価なワイドロライと同等の画角を有する、二眼レフとして貴重な広角。
以前からある65mmと異なり進歩した設計でコンパクトにまとめられている。
やや開放f値が暗いが、2つのレンズ間隔に制約があるためと思われる。
一眼レフよりバックフォーカスに余裕があるが、それでもミラーがあるためレトロフォーカス構成をとっている。
性能は良好で歪曲も少ない。
パララックスには注意が必要だがパースを確認しながら撮影できる。
モデル末期には広角は55mm一本だけになった。
65mmf3.5
C初期からラインアップされた広角。
大きい凹レンズをテッサーの前方に置いた古典的レトロフォーカスレンズ。
古い設計だが画角がおとなしく、性能は良い。スナップにも向くと考えられる。
近接できるが、近距離では象面湾曲や球面収差など性能が崩れるのでマクロとしては使いにくい。
角形の金属製フッドが用意されている。55と65はフッド本体は同じだが、レンズ外径が65のほうが大きいため、クランプ径が異なりそれぞれ専用となっている。
フッドの上部は可動式で、ビューレンズの視野を蹴らないよう斜めに角度を調整できる。
望遠系は135がまず用意され、次に180,250が出た。
180、250は二眼レフでは初めての画角で、貴重。
開放f値が暗いのは、やはり2本のレンズを並べる必要から外径の制約があるためだろう。
いずれも良好な性能で、暗い他は有名一眼レフの同焦点距離に勝るとも劣らない。
ミラーがない利点で、非常にブレにくく画質に寄与している。
専用フッドは180,250共用で、旧型のテイキングレンズだけをカバーする角形金属製と、上下をまとめてカバーする樹脂製がある。金属製は広角用同様に上部は角度調整可能。樹脂製は隔壁は少し斜めに固定されている。
左上下:180mm+樹脂製フッド、右上250mm+樹脂フッド、右下180mm+金属フッド
二眼レフのパララックスを補正する装置。マミヤCシリーズの上下レンズ間隔は、一般的な二眼レフより若干広いので専用パラメンダーが望ましい。
左は新型。クランクで上に上げた時終点でロックがかかる。頑丈でC330に似合う。右は旧型。ジャンクで入手したので部品の欠落がある。調整幅が大きくクランプで固定できるので他機種にも使える。華奢で重量機材では使いにくい。
標準装備のウエストレベルファインダーが基本だが、後部のネジを緩めて簡単にアイレベルやマグニファイアファインダーに交換可能。
右手前はC時代初期の単なるミラーで、アイレベルにはなるが上下左右逆像というもの。正直手持ちでは非常に使いにくいが、三脚で高い位置に設置した時はアイレベルが有利。
右奥は有名な日本光学せいポロフレックス。上下左右正像で、上記より数段進歩している。ミラーなので軽量、これなら手持ちでも使える。ただし像は遠く小さく、ウエストレベルに比べると見劣りする。
左手前はマミヤ製メーター ポロCdSファインダー。基本的にはポロフレックスと同じだが時代が新しい分程度がよく若干明るい。像倍率は同じ。
左奥は高倍率ファインダー。視度調整できるのが有利。
一般的にはウエストレベルが最も使い心地がよいと思うのだが。
No.1 Panoram-Kodak model D
首振りパノラマカメラ、画角112度
レンズ:無銘、単玉メニスカス、焦点距離不明、絞り固定(f11付近)固定焦点(20ft以遠)
シャッター:スリット。テンションにより2段階、fast(1/50)、slow(1/25)付近。
本来のフィルムは105で2,1/4 x 7”フォーマット(6x17cm)6コマだが,現在は105は入手できない.幅が同じ120フィルムで同フォーマット4コマ撮影できる
赤窓巻き上げ。120では、645指標を使い、2、6、10、14を出す。
位置決めには、一応ブリリアントファインダーはあるが中心しか表示されない。
カメラ上面にV字型の線が表示されていて、その延長線の範囲が写る。
素材が木製なので、サイズの割に非常に軽い。
初期モデルはフィルム装填時にカメラ後部を中央から分離して取り外すが、ここに示すモデルDは裏蓋がヒンジで3方向に開くようになった。
120フィルムスプールはやや105スプールより上下に厚いため、装填は少しきつくやりにくい。ちなみに620は巻き上げキーに入らないらしい。
当初の用途は横に並んだ集合写真で、カメラを中心に扇型に整列する。
現在のフィルム感度では、低速すぎるので、レンズ前面に固定絞りを入れるか、後部スリットの幅を狭くするよう設置する必要がある。
とりあえずネガカラーならラチチュードで収まるかもしれない。
エプソンGT700でスキャン可能な6x17サイズが得られる貴重なパノラマカメラ。