この度イレギュラーで入手出来ました。オーバーホール済みなので安心してますが、フィルムを通すまでドキドキです。
ウェストレベルファインダーが欲しいと思ってますが、出物がなかなか無いようです。
うーん改造するか?
ウエストレヴェルに交換される際はシャッターダイアルのオフセットパーツが貴重なので(海外では高価なパーツですね。)無くさない様ご注意ください。
尚、ぶつけるとダメージが大きいと聞いたことが有ります。
是非、インプレをお願い致します。


ピント合わせの時、ピントの山が掴みにくい印象です。但し、老眼の影響があるかも知れません(苦笑)
それと2回巻き上げは慣れないと、シャッターが切れず慌てます。ブローニーなのでやや力がいる感じです。
シャッターショックは弱くぶれる感じはしませんでした。
noritar 80mmは最短が85cmなので花を撮る時は、寄れません。むしろスナップ撮影向きのレンズかと思います。
また、1ヶ月後ぐらいに使用感など追記します。
只今試写中。
80mmf2はなかなか見られないスペック。6x6では国産で最も明るい1本でしょう。
リトレック66時代のリトロン80mmf2から名称変更で引き継がれたもの。
性能について興味津々なところです。


キルフィット マクロキラー,ブロニカ用という解説で。
到着してみると、キルフィットがズーマーであったことは問題ないのですが、
ブロニカとは似ても似つかないアダプタが付いていました。
正体が分かったのはそれから25年後くらい。


RI はRittreckのRI、リトレック66用マウントです。つまり後にノリタ66に受け継がれたもの。
ノリタ66に対応したレンズメーカーは、キルフィットだけではないでしょうか。
他に中判用WEマウントは,ハッセルブラッド1000F、ペンタコンシックスを持っています。そういう年代の製品なのですね。


ラックピニオンとヘリコイドを併用し、300mmにも関わらず、1:3を超える拡大率を達成している。
パンテレキラー300mmは1957年M39のANマウントで発売、1971年にZoomar co.がKilfittを買収した後はスクリュースピゴットのWEマウントに統一されている。
またKilfitt時代は赤青緑の3丸(アポクロマート補正?)が刻印されているが、Zoomar時代には省略された。
大変シャープな優等生レンズで、信頼性が高い。
絞りはプリセット。
私の個体はアリフレックスマウントで海外放出物。トランクにTV局の名前が入っている。


これは各社対応に迫られ、レンズシャッターを内蔵したレンズが供給されました。
ノリタは若干広角気味な70mmf3.5に、1/500-1/2までのレンズシャッターを内蔵しました。
最短距離は,0.8m。
他社の同クラスと比べても大きく太いレンズです。キャップは77mm用の被せ、フィルターは67mmです。
操作
シャッターチャージ前はレンズシャッターが閉じているのでファインダー視野は真っ暗です。
シャッターチャージレバーを回すと、シャッターが開いてファインダー画像が見られるようになります。
レンズシャッター速度を決めます。
ボディ側シャッターは必ずバルブ解放。可能ならレリーズでロックしたほうがいいでしょう。
シャッターボタンを押してから少し間を置いてレンズシャッターが作動するため速写性はありません。
レンズシャッターが作動したのを確認してバルブシャッターを閉じます。


このセットで販売された。
ノリタ66にはベローズがないので、高倍率接写にはチューブを使うことになる。
他に55mm-160mmまでフィルター径62mmのクローズアップレンズを使うことができる。
チューブは個々にスピゴットマウントと、自動絞りピンを備えて,全部接続しても自動絞りは軽快に作動し、非常に快適に撮影できる。
1968ー72年同時代のフォーカルプレーン66カメラでクリックリターンと自動絞り連動を備えたエクステンションチューブは存在せず、77年ハッセルブラッド2000FCが追いつき、他社後続はなかった(66レンズシャッターSLRはいくつかある。)
ただしどちらも古典的システムなので、チューブに露出計連動機能は備わっていない。
80mmf2標準レンズに単体で組み合わせた時の撮影距離は以下の通り。
レンズ単体では最短距離0.85mのところ、
No.1: 40-55cm
No.2: 32-35cm
No.3: 29cm
全部接続すると、80mmで約1.5倍まで拡大でき、ワーキングディスタンスは5cmほどになる。
ノリタール80mmf2は35mmカメラ換算50mmf1.2に匹敵する被写界深度と収差補正なので、近接すると球面収差が大変増えてしまい、ボケボケの画像になると想像されるかもしれないが、元の性能が優秀なので焦点合わせに苦慮するほどではなく、絞り込めば十分にシャープな画像が得られる。
チューブにボディキャップが付属しており、穴を開ければM39など他社の近接設計レンズや、リバースマウントが制作できるかもしれないと一瞬浮かんだが、それはノリタでやらねばならないことはなくブロニカSやSL66で行えばよい。貴重な純正キャップを汚損するのは良いことに思えない。ノリタはノリタレンズを楽しむために持っている純正セットで使おうと思う。


ブロニカが開発したレンズシャッター式一眼レフカメラシリーズは
・ETRシリーズ 6×4.5(セミ判)
・SQシリーズ 6×6
・GS(1機種) 6×7
が有ります。
ETRシリーズ
セイコー製の#0電子制御リーフシャッターをレンズに組込んだ一眼レフカメラです。1976年に初代が発表されました。
シャッターは単体で作動させると1/500が切れ、ボディー側の制御で閉じ信号のディレーをかける秒時制御システムです。
ブロニカのレンズシャッター機のシステム基盤を確立した機種です。
先行していたEC-TLとは異なり、ボディー側には
露出計は搭載されていず、交換ファインダー選ぶことで、AE(オートマチック・エキスポージャー)が選択できます。
カメラデザインにS社系のデザイン事務所が加わり、これまでのブロニカの印象とは一線を画すフォルムとなっています。
6×4.5のもう一方の雄、マミヤ645シリーズはフォーカルプレーンシャッター(当初最高速が1/500でしたが、ETR発売後に
1/1000の1000S発表されました。)が、フィルムバック固定(後に交換式)、クイックリターンなので明確な住み分けが有りました。
レンズは#0のシャッター径に合わせて特筆される様な大口径レンズは有りません。
初期のレンズはEC系のレンズと構成が同じものが有りましたが、徐々に新タイプに変更されていきました。
このため新旧E、EU、PEとバリエーションが豊富です。MC表記が有ったり無かったり、またグリーンの帯が入ったタイプも
有りますが、レンズ名に”E”が含まれていればETRシリーズ用です。
(この辺りはWiki等をご参考に。)
アクセサリーも豊富とは云えないまでもファインダー含めて色々と用意されていました。巻き上げを135SLRと
同様な感触で行えるスピードグリップなど、他機種に影響を与えたモノも発表されました。
AF化の時勢には乗れず、2004年に生産期間28年でディスコンになりました。
ETR :この機種にはブラックとクロームフィニッシュの2機種が有ります。以後は基本的にブラックのみとなります。
ETR-C :ETRベースのフィルムバック固定型。6×6のCシリーズと同様です。このRとCの間に有る”-”が特徴です。(後にETRCが出ます。)
ETRS :ETRのブラッシュアップ機で、信頼性や操作性の向上が図られました。薄いサンドベージュのサファリタイプSF
も有ります。この機種にもバック固定式”ETRC”が出ます。
ETRSi:ETRシリーズの機構的な最終形態です。メッツやサンパックのフラッシュシステムに対応したTTLダイレクト自動調
光用のフィルム面照度測定センサーを搭載し、シャッターにはそれ以前のTに加えてバルブ制御(B)が加わりました。
機構的にも変更されミラーアップが可能となりました。
SQシリーズ
6×6cm判のレンズシャッター式一眼レフカメラで、ETRシリーズから発展したハッセルVシリーズとバッティ
ングする機種になりました。
重く大きいというそれまでのゼンザブロニカの評価を翻した機種ですが、フォーカルプレーンシャッター機との
互換性は失われ、賛否両論の中に生まれました。
ダイキャストボディーに樹脂外装と云う近代的な構造になりました。
フォーカル機に比べて押しが弱い部分や、システム的に未消化な部分が多いのも事実で、最終的にはとても便利
にはなったのですが、時すでに遅しで2003年に22年間の生産を終了しました。
SQ:ETRSをベースに、6×6の”スクエア(Square)”ーフォーマットにブローアップした機種です。
留意しなくてはいけないのは、ETRシリーズとも互換性が有りません。
もう一つ重要な点は、AEファインダーを載せてもAEにはなりません。ただしマニュアル露出になりますがMEファ
インダーSが用意されていました。このファインダーなら1/2よりも高速側は1/2EV毎の制御が可能です。
軽量で操作感も大変軽く、またアクセサリーも豊富です。レンズシャッターシリーズに共通するのですが、
メカニカルガバナーが有りません。このために巻き上げが軽トルクなので、スピードグリップの様な可動軸
が直交するギアトレインを組んでもさほど負荷増にはならず、力の弱い方でも無理なく扱えます。
使用レンズには初期のオレンジの帯が有るタイプから評価の高いPSシリーズまで、レンズ銘に”S”という文字が含まれています。
SQ-A:SQベースのAE対応+ミラーアップ可能な機種で、このSQ-Aでシステムの基礎ができました。
SQ-Am:SQ-Aベースにモータードライブを固定装着した専用機で、ハッセルのELシリーズに相当します。但し、
バッテリーはレンズ秒時制御と巻き上げ用が独立していて、グリップ内のAAAバッテリーホルダーを抜くと、シャッター用の6V電池
BOXが現れるという変則的な構造になっています。
SQ-Ai:645のETR-Siに相当する機種でフラッシュのTTL制御に対応しました。国産6×6機の最高峰かつ最終機です。
サファリモデルやイヤーモデルも存在しました。
それまでのモデルとは電源も異なります。バッテリーは専用のカートリッジに入れた後に本体に装着します。
モーターワインダーを付けると、ワインダー側から給電も可能になりました。
SQ-B:高位のSQ-Aiからフラッシュの ダイレクト測光、モータードライブ連動などの機構を省略下普及機の
位置付で発表された機種です。
GS-1
SQベースの6×7cm判レンズシャッター式一眼レフカメラです。先行するペンタックスやマミヤの67機種との
差別化は軽量と操作感の低減にあります。ウエストレヴェルのファインダーが基本なのですが、アイレベル含め
交換ファインダーは豊富です。またブロニカレンズシャッター機の中で随一のフイルムバック種を誇っています。
SQベースとは云えフィルムの走行方向が水平方向なので、他のシリーズとは機構がそのまま同じでは有りません。
ミラーアップ機構も、フォーカルプレーンシリーズではプレビューボタンの有った場所に移りました。
6×7サイズなのでETR同様にタテヨコの切り替えが必要ですが、リンク機構を使ったユニークなレボルビング
トライポッドヘッドや、レボルビングトライポッドアダプターGホルダー、アイピース部が回転可能なロータリー
ファインダーGも揃っていました。
流石にこの大きさでマクワウリスタイルだと、アイレベルファインダーを載せた場合のハンドリングは
難しく、ブロニカレンズシャッターシリーズの出色なアクセサリー スピードグリップGも用意されていました。
これも他の機種とは異なりレリーズへのリンクは電子式です。駆動軸とのカップリングも巻き上げクランクを
外すタイプから専用のカプラー方式に変更になっています。
シャッターは他のシリーズ共通のセイコー製#0です。従って1/500まであり、マミヤRBの#1の1/400と差別化が図られています。
ただしレンズ設計上の制約となるシャッター内径がφ25の#0とφ27の#1ではビネッティング等に意外に
大きな差になっています。
GS-1のレンズには”PG”銘が入っています。
ブロニカのレンズシャッター一眼レフはどの機種も小型軽量で、操作に必要な力も少なくとても使ってみると
楽な機械です。ストロボも全速同調なので光が足りない時や日中シンクロなどに重宝します。
ただ外装が樹脂化されていたりして実質よりも華奢な印象を与えてしまいます。でも国産の中判カメラ市場を支
えていた機種の称号は伊達では有りません。レンズもヌケの良さは特筆されても良いと思っています。
と聞いていたのですが、ちょっと前にいくつかの40mmを持ち寄って比べる機会が有ったのですが、全部見た目は異なっていました。
もちろん、製造後何年も経っていますのでコンディションはマチマチでしたが、どれが正解という事も無さそうです。
画像は S 40mm です。2枚目は画像以上の逆光で、押さえにストロボを使っていますが、フレアも感じずにちゃんと撮れていました。


それまではシュナイダーからバリオゴンの供給を受けていましたが、標準から望遠側をカバーするのみで広角ズームは存在していませんでした。
他方、ペンタックス645は45-85mmという本格的広角ズームで先行しており、マミヤとブロニカは後塵を拝していました。そこに投入されたゼンザノンPE45-90mmf4-5.6とPE100-220mmf4.8は歓迎されましたが、既にフィルムカメラはかげりが見えていました。
当時ズームレンズは35mmフォーマットでは既に熟成の域にあり、画質的には単焦点に勝るとも劣らない機種も現れていました。このゼンザノン2本も非球面レンズを含む最先端の技術を取り入れており、大変優れた画質と、非常識ではない程度の小型軽量化がなされています。
PE45-90mmf4-5.6はズーミングでf値が1絞り分変化しますが、その分広角側では競合他社より半絞り明るく、最短撮影距離は全焦点距離で50cmと単焦点に次ぐ近接能力があり、フィルター径95mmと多少大柄であることを容認できるなら常用レンズとして用いることが出来るでしょう。花型プラスチックフードが付属します。他社より逆光に強く、大柄な利点を生かしているのかもしれません。
PE100-220mmf4.8はf値が不変です。45-90同様フィルター径95mm、大きく重いけれど、これをセットしたETRSiが、望遠ズームつき35mmカメラ用ケースに入ってしまう程度で携帯可能です。回転式三脚座が固定されていて三脚前提ですが手持ちでも十分撮影出来ています。最短1mは咄嗟にマクロに付け替えずにかなりのクローズアップが可能で機動力があります。フードは引き出し式。少し短めなので黒画用紙を巻いて長さを足すとよいでしょうが、逆光には強い方です。
右は旧型ベローズに、タムロン時代の等倍マクロPE105mmf4.5です。他社等倍マクロが120mmばかりに対し、ゼンザノンは105。ややワーキングディスタンスが短いけれど取り回しは良いですね。カタログに載っていた宝飾品の接写は素晴らしく、良いイメージを持っています。PEレンズは40mmから250mmまでフィルター径62mmで統一されていましたが、この等倍マクロだけは67mmとSQ規格を採用、フードもSQ用を使います。
ベローズはこの後モノレールタイプになり、モードラやワインダーグリップを付けても操作性が変化しなくなりますが、この旧型は巻き上げ補助装置を付けるとベローズに支えてボディを前進できなくなります。その分軽く高さが低く、フィールドではコンパクトに取り回せます。
レンズシャッターのブロニカは、ベローズを付けてもボディからアクチュエータを介してレンズを制御するため使い勝手が普段と何ら変わりません。その代わりレンズを逆付け出来ない欠点もあります。


>等倍マクロPE105mmf4.5
なぜSQ用に110mm F4.5 を開発し、ETR用にも105mmf4.5 にしたのでしょうね?フィルム上の像倍率は同じなのに。
元々市場規模の小さい中判用レンズで不思議でした。
サファリタイプのボディーは綺麗ですね。SQにも100台位作ったと聞いたことが有りますが、見た事は有りません。


レンズ無しボディとレンズのみを別々の店舗で求めたため、普通のSQ-Aより安価なくらいでした。
昔は方々の店舗でS50mmとS500mmを見たことがありましたが、最近は全く見ませんね。
スピードグリップとウエストレベルファインダーのサファリカラーは有っても非常に高価なので、
もはや購入は困難でしょうから、塗装してしまいました。
タミヤカラーのオリーブドラブと、ナトーグリーンが近いのですが微妙に違う。でもぱっと見いい雰囲気です。
オリジナルはシャッターボタンとホットシュー 、ワインディングレバーが黒なので、見る人が見たら後塗りとすぐわかるようにしました。


他社120mmに合わせれば110mmにしてしまえばよかったのかも。
でもSQ用の等倍110mmは、ETRに不釣り合いな大型サイズでもあります。
レンズ部分はそれほど巨大でないから、鏡胴を細身に再設計してもよかったのかもしれませんが。
フォーカルプレーン時代は近接設計レンズはラインにありませんでしたが、通常レンズを絞り込むことである程度可能で、栗林慧氏の作品を見たことがあります。
ETR時代、近接設計と公表されたゼンザノンE105mmf3.5が登場、単体での近接能力はなかったためかマクロ名称はないけれど、エクステンションチューブやベローズ併用時に推奨されていました。SQ登場時もマクロ表示なし近接設計レンズ、ゼンザノンS105mmf3.5が供給されました。共用設計かどうかは不明です。
その後、PEになる直前のゼンザノンE時代、初のマクロ表記 Macro Zenzanon E 100mmf4が供給されました。最短撮影距離0.6mなのでレンズ単体では1:4の拡大率になります。
PE,PS時代は揃ってMacro Zenzanonと銘打ったPE100mmf4、PS110mmf4が登場、単体では1/4倍までの直進繰り出しとコンベンショナルなスペックで、高倍率には別アクセサリーが必要でした。私見ですがE, S時代より外観、操作感触は重厚になりました。
PS110/4は恐らくGS-1用PG110/4と共通設計で、GS用をそのまま流用したと想像しています。
PG110/4は素晴らしい性能のレンズで、標準100/3.5と近似したスペックなので標準代わりにしていた方が多いようです。
その後ブロニカはタムロンと合併、ほどなくフローティング等倍Macro Zenzanon PE105mmf4.5[1:1]、PS110mmf4.5[1:1]が登場、従来型の100/4,110/4と併売されました。
等倍以上のベローズ高倍率時にはフローティングが却って不利ではないかとPS110/4とPS110/4.5[1:1]を2倍で比較したところ、ほとんど画質は変わらないように思いましたので、どちらを選択するかは好き好きでしょう。
ところでブロニカのシステムフローチャートでは、ベローズの倍率表で最も拡大率が高いのは焦点距離が短い広角レンズです。
通常レトロフォーカス広角を拡大接写に使う際には、正向きでは画質に問題が出やすいためリバースマウントが有利ですが、メカニカル駆動のレンズシャッターカメラはリバースマウント困難です。
やむを得ず正向きにしているわけですが、性能はどうなのでしょう。
写真: 左:マクロゼンザノンPS110/4.5[1:1], 右:マクロゼンザノンPS110/4
最短の繰り出し量が随分違い、PS110/4.5[1:1]は単体で大きく繰り出される。ただし110/4のほうを等倍にしようと中間リングやベローズを使うと[1:1]を遙かに上回る繰り出し量になる。
[1:1]はフローティング繰り出しに伴い焦点距離が短縮し、等倍時には80mmに近いほどになる。等倍時のワーキングディスタンスは、焦点距離が変わらない110/4のほうが長い。


SQ-Aiモデル末期に広角ズームPS50-100mmf4-5.6アスフェリカルが発売されました。
ETR用PE45-90mmの相似拡大判です。
バリオゴンは広角をカバーしていないためブロニカ初の6x6用広角ズームである以上に、世界を見ても6x6用唯一の50mmからスタートし100mmまでカバーする本格的広角ズームで、ハッセルブラッド用60-120mmを凌駕する存在です。
口径は95mm、プラスチック花型フードが付属します。
描写は単焦点に勝るとは言いませんが周辺まで乱れない端正な画質で逆光にもまず強く、立ち位置が自由にならない風景では有効活用できるでしょう。
ただし常用レンズとしては最短1.5mは大変困った問題です。PEのように50cmにできなかったのは何故でしょうか。


てっきりSFはサンドベージュだとばかりと思っていました。
OD色も貴重です。特注で他のレンズも塗装に対応していたと聞いた事が有ります。
ETRのサンドベージュは大変美しいと思っていました。
ありがとうございます。
PSの110mmF4.5とPEの105mmF4.5 は途中の焦点距離(107.5mm)を使うとJIS表記では実質同じ焦点距離で、110mmと105mmと表示しても良いんです。
どこかにレンズセクションが有ればと思って古いカタログを探してみたのですが、まだ見つかっていません。
ETRのシュナイダーは見せてもらった程度でインプレが出来るレベルでは有りませんが、しっかりとした作りで高級感が有りました。(マミヤの初期105-210と比較して。)
高額でしたし、市場にも潤沢に有るとは到底思えません。
れんずまにあ様ご所有のTAMRONN傘下になってからのズームの方が凡そ実用的ではないかと思います。


これもレンズがなかったので高価ではありませんでしたが、流石にレンズ単体はなかなか出てこないため、今もって首無しです。
TTL自動調光フラッシュ対応なので探していて、まあ丁度良いかと求めました。当家のETRはこれ1台です。
30万台記念モデルは現物を見たことがありませんが、1号機であるETRの雰囲気のようで、愛好家には郷愁を誘います。
40周年モデルは、流石に交換レンズの特殊塗装まではオーダーできなかったようです。
ETRSi、PE100-220,220位置、135Wバック 高山植物園コマクサ


PSと焦点距離がダブらないので、比較をしたことがなく、正直描写を云々できません。
唯一S105mmf3.5はSQ, SQ-A時代の貴重な近接設計レンズで、PS110/4と4.5を対比させたことがあります。
S105は明るい分少し開放滲みが大きく、f4付近のマクロ域性能も110コンビに一歩譲るように感じましたが、絞り込むと十分尖鋭で、また明るいため一般レンズとして汎用性が高く、持っていてもよいと思いました。
Sレンズ全般に、十分にハレ切りをしたほうがよいが、ハッセルブラッドCレンズよりましかもしれない、どのレンズも少し絞れば大変満足すべき結果が得られる,PSより随分小型で携帯性が良いことを実感します。外観は統一性が良すぎて、レンズキャップをしてしまうと鏡胴側面の焦点距離表示を見なければ見分けがつきません。
手前Zenzanon S105/3.5, 後左S150/3.5, 後右S50/3.5


多分構成図があっても相似形なら見ても違いがあるかどうかわからないでしょう。構成はどちらも8-9です。
スペック表では、PE105画角38.9度,最短0.35m,
PS110画角39.8度,最短0.37m
およその6x4.5の対角線7.5cmとすると,6x6は8.5cm,20%以上小さいのに画角が1度しか狭くならないのは,同じ焦点距離ではおかしいはず。
関数電卓が無くて焦点距離、対角線、画角の正確な関係を出せませんが。
それと等倍時の最短撮影距離が違うのも、焦点距離が本当に違う傍証ではないでしょうか。
おそらくPEとPSで共通のレンズエレメントを使うであろう、135mmと180mmでは最短は同じで画角はそれなりに狭まった表示されています。
大変手間の掛かることをしていることになりますが、PEとPSで相似形の異なる焦点距離を供給したのではないかと思います。
魚眼PE30/3.5とPS35/3.5も同じように正直な焦点距離かと思っています。


テレコンは画質低下を危惧されるかもしれませんが、比較的優秀なアクセサリだと思います。
さてハッセルブラッドは中間リングやMutarをまずボディに付けて、さらにレンズをはめる。外す時も先端から外していく必要があります。レンズにリングをつけたまま外して、その後分離するとシャッターが切れてしまい、キーをマウント後からドライバで回してチャージしないとボディ取付できなくなる等ややこしいので。
ブロニカは逆で、先にアクセサリをボディに付けるとレンズが付けられません。まずレンズとテレコン、中間リングを両方ともチャージ状態でカップリングさせた後にボディにつけます。分離もまずテレコンをレンズに付けたままボディから外します。
ここで初めての方は焦るはずです。
テレコン外部にはレンズロック解除ボタンが見えないのです。外しようがない。
ハッセルレンズをシャッター切れたままボディに嵌めて外れなくなる話、有名ですよね。
ぞっとして冷や汗かくこと請け合いです。
実はレンズロックボタンは、テレコンのマウント後面に、何の表示もなくあります。それを光軸方向に押しながら回すと外れます。ああよかった。
GS-1のテレコンは外部にロックノブがありますので、初めて使ったときはPEテレコンはノブが外れていて地獄嵌めに陥ったかと余計に焦りました。


ハッセルブラッドC、ローライSL66とSLX、Kiev88、ペンタックス67、マミヤRB、M645にはそれぞれ魚眼が用意されていて、本当に必要かどうかは別としてシステムが見劣りするのも事実でしたので、SQとETRモデル末期にフィッシュアイゼンザノンPE30mmf3.5、PS35mmf3.5が供給されました。
発売はタムロン合併前でしたので、ブロニカ社内の設計と想像します。
何れも対角線画角は180度でしたが、他社645は24mm(マミヤM645)、66は30mm(ツァイス、リトカリノ)、6x7は35mm(P67)37mm(RB)で、ゼンザノンはやや焦点距離が長いようです。
それが写りにどう影響するかはよくわかりません。
中判用魚眼レンズとしては最後発だけあってその性能は素晴らしいものがあります。
私はリアフィルター欠品のPS35mmの投げ売り品を求めましたが、考えがきわめて甘かったことは直ぐにわかりました。タムロンは在庫払底再生産なし。どこの店舗も在庫払底。安いわけです。およそ3年塩漬け状態、いっそPE30mm(多分共通)を買ってきて使い回そうかと思った矢先、へっぽこ親爺様サイトに集う方から確保分を領付して頂けることになり、素晴らしい幸運とご親切に感謝しました。
ところでフォーカルプレーンブロニカに、Kiev88/6用Zodiac/Arsat30/3.5を改造して装着されている例を見たことがあります。凄い改造技術です。これウクライナが企業化したら、絶対買いますね。
左:PE80/2.8ヘリコイド改造品Imagon 120mmH.4.5、右:Fisheye Zenzanon PE35/3.5


これ、フリッカーで探すとサンプルと共に出てきた記憶が有ります。
フィッシュアイは135も含めて1本も持っていないのですが(多分、私には手に余ってしまうと思います。)、RB用も確か高価に取引されていますね。
テレコンの外し方は、こちらのHPの機能に合致した素晴らしいものだと思います。
レンズ交換式リーフシャッター機のリヤコンバーターやEXTチューブはどこでお世話になるかも知れないアクセサリーで、
咄嗟の場合に大変焦りまくるモノです。冷たい汗が出ます。


1枚目は、45°プリズムファインダーで、本名 ”Bronica Prism Finder 45D S”といいます。
・ファインダー倍率 ×0.74
・視野率:94×94% (52.3×52.3 mm)
この視野率は面積率表示だと88.4% アレ?ペンタックス67と同じくらい? (…ちょっと小さい。)
このファインダーはスピードグリップと組み合わせるととても使い易くなります。
アイピースゴムが2種有って、右目専用?の(A)と左右対称の(B) タイプが用意されていました。
2枚目はアクションプリズムファインダーです。
見た目は巨大ですが、他のプリズムファインダーと違ったとても開放感が有って気に入っています。


SQ用のアクセサリーは、あまり種類が多くはないのですが、現在のDSLRには用意されていない(用意しなくても良い?)アクセサリーが有ります。
ブロニカ アクション プリズム ファインダー。
ニコンやキャノン、ペンタックス等の一眼レフにはスポーツ撮影に適したアクションファインダーというアイポイントの長い
ファインダーが用意されていました。
アイポイントが長いというのは接眼レンズの口径が大きく、瞳が少しぐらい動いても、ファインダー画面の隅から来る光がちゃんと瞳に入る様に設計されたファインダーです。
この種のファインダーを持つ中判カメラはブロニカETRくらいしか知りません。
御覧いただいているファインダーは元々はETR用に用意されたファインダーで、”Action Prism Finder E”といいます。
先のページでSQに装着した画像をアップしましたが、本来はETR用です。これに、”A.P Adapter S”を装着するとSQにも取り付けが可能になります。
カタログスペックはETR装着時
・倍率:×0.65
・視野率:94×94% (面積率 88.4%)
・アイポイント長:120mm
これが先のアダプターを付けると
・視野率:垂直 81% 水平 94%
となります。垂直方向は6×6 → 4.5×6 になってしまいます。
これを無理して 6×6 サイズにするとさらに背が高くなってしまいます。
何のために作ったのか良く知りませんでしたが、先日のオフ会で教えて頂いたのはどうも、航空撮影用ではなかったのか?という事です。 US NAVY ご用達だったのかも知れません。
…でもちょっと軟な感じがします。


この手のファインダーは撮影姿勢に自由度が大きい反面倍率が低くなるので用途を限定すると思っていますが、他に例を見ないシステムアクセサリなので魅力はあります。
ETR用を目撃したとき、まだETRオーナーではなかったけど手を出さなかったのは失敗だったか(笑
その対極、45度プリズム。90度よりアイポイントは長く、倍率は高く、覗く姿勢も中判SLRには適当かと思います。
拙宅には何故か45度プリズムはほとんどなくて唯一SL66用だけです。他は腰高か90度ばかり。何故なんだろう...?縁としか..
ただし私は、腰高と90度は併用可能ですが45度あるいは正立正像のアングルファインダーと腰高は左右が激しく混乱するので併用不可です。
腰高は倍率が高く、収納性がよいので個人的に最も多用していて、ETR, SQ, GS共に揃えています。
GSで旅した時は横位置を諦めて腰高で通しました。
ただレンズシャッターブロニカのAEはプリズム(ロータリー含む)しか出来ないので、一応90度は揃えています。
腰高よりさらに倍率が高く視度調整も標準の高倍率ファインダーも好みです。SQ用はマニュアル露出計が連動します。ただ折り畳みできないので携帯性は少し劣るのは仕方ないところ。旅行に連れ出すかどうかは撮影の比重をどれだけ掛けられるかに依るでしょう。


コメントありがとうございます。
Action Prism Finder E 自体は何度か見かけた事が有ったのですが、”A.P Adapter S ” がまず見つかりません。
一度e-bayで見た事は有ったのですが、その時はプリズムファインダー自体が有りませんでした。
今回アメリカから購入したのですが、購入先に問い合わせてもETR用だと云っていましたので、認知度はかなり低い様です。
もし購入される際はアダプター付をオススメします。
ファインダーの使用感は”覗く”イメージよりも、両目で観て利き目に集中する様な感じです。
Nikon F2、4用のアクションファインダーを凌ぐアイピースレンズの大きさはちょっと驚きでした。


24x36フォーマットの135バックと、24x54フォーマットの135Wバックです。
パノラマフォーマットはフィルム横幅一杯が限界なので、6x6のSQと6x4.5のETRでも同じサイズになります。
6x7のGS-1にも発売予定になっていて、横7cmの本格的パノラマが期待されましたが、とうとう発売されませんでした。
さてETR用ですがフィルム装填方法を認識していないと失敗します。私は最初ブローニーと同じ入れ方をして大失敗しました。
1,120用と同じように普通にフィルムバックを開きます。裏蓋を開いたら巻き戻しクランクを引き出します。
2,すると中枠が取り出せます。
3,フィルムは中枠アパーチャーのスリットを通します。120と大いに異なります。私はこれをやらずに1本ダメにしました。
4,長巻裁断フィルムは角を丸めないと巧くスリットを通せませんでした。
5,フィルムを巻き取りスプールに巻き付けます。フィルムのベロを市販品のように切り出さないと引っかかりませんでした。
6,中枠をバックに装填しクランクを押し込み、横に付いているアドバンスダイヤルで巻き付きを確認し蓋を閉じます。このまま巻き付けるのはかったるくて無理。ボディに取り付けてボディのクランク操作で1を出しましょう。(もしかしたらマガジンのノブでは1が出ないかも)
フィルム終了後マガジン下面の巻き戻しボタンを押して、クランクでフィルムをパトローネに巻き取ります。
現像所に出す際は特殊フォーマットである旨伝えておかないと変な裁断されるおそれがあり,また切れないとロールで返されることもあります。
フォーカシングスクリーンには135,135W用の枠線が刻んであるものを使用しますが、普通のスクリーンでも見当を付けることは容易でしょう。


ズームゼンザノンSバリオゴン 140-280/5.6
一瞬硬直しましたが、迷わすもって帰る事になりました。
しかし、使った形跡が無い、三脚座も傷一つ無い。
もったいなくて使えないかも?


改めてこちらに投稿します。
レンズシャッター機では、改造レンズの装着は困難なのですが
ひょんな事から、こんな改造レンズができました。
XENOTAR MF 80mm F2.8です。
右側 元のEXAKTA-66用の標準レンズ
左側 S-ZENZANON 80mm F2.8の鏡胴に組込んだものです。
改造は至って簡単で、レンズシャッターを挟んで前群と後群のユニットを捩じって外し
取り替えるだけでした。
基本的にはこれだけですが、XENOTAR銘板を付けると前玉との間に若干の隙間ができますので
発砲ウレタンのマットをドーナツ状に切り出して隙間を埋めています。
若干オーバーインフとなりますが元のS-ZENZANONと全く同じ使い勝手なので
改造品である事を意識せずに使えます。
私はやってませんがCURTAGON 60mm F3.5でも同じ改造ができるそうです。
ちなみに、作例ではS-ZENZANONのオレンジ帯にシュナイダーカラーの青帯をカッティングシートで再現しています。


高い評価をよく伺います。
大昔舶来店舗で、単焦点を上回る画質だと聞かされ、調子の良いことを..等と買えないやっかみ半分思っていました。
もしご試写の結果が出ましたら是非ご教授ください。
そしてSQ用Xenotarは流石です。仕上げにも気を配られているのがまた素晴らしい。
今のデジは存じませんが、SLR用Xenotar80/2.8は個人的には最高最強の6x6標準だと思っており、ただ使えるボディがRollei6000かExakta66という不安を誘うものしかなく、SQで使えるとなると信頼性は比較にならないほど向上したことに。
Ex66が死に絶えたら、Cultagonもいけるとのことですから多少安心ですね。
Ex66とSQとはレンズフードバヨネット共通、フード共用、ベローズOEMとかなり繋がりがあるようで、興味深いです。


優秀だと良いのですが、一つ気になるのがレンズ中玉の中心付近がなんだかモヤモヤしています。
結露?の様な状態です。
只今防湿庫に入れて様子を見ております。
同じ様な症状のレンズを防湿庫で放置していたらきれいさっぱりモヤモヤが消えておりましたので
今回もそれに期待しています。


135Wフィルムバックの内部をはじめて拝見しました。
トンネル式に装填して中枠がセットされるとプレッシャープレートが効く構造でしょうか。
それと巻き戻し用のクラッチ解除ボタンはどこに有るのでしょう。
私だと巻き戻しを忘れてしまいそうです。


Variogon 140-280/5.6、Xenotar80/2.8、CURTAGON 60/3.5、と垂涎のレンズが見られてクラクラします。
最近、とても久しぶりに都内で Variogon 140-280/5.6見かけたのですが、SQ用なら安定していると思い購入しかけました。
このレンズをお持ちの方がとても希少です。是非インプレ等お聞かせ下さい。撮り比べてみたいです。


お時間の有る時で結構なので、SQ用のレンズの総論をお願いできませんでしょうか。
どのレンズがどんな感じで、入手性等についてもご教示ください。


全て個々のレンズにセイコー#0電子制御シャッターを内蔵しており、秒時1/500〜8秒,B(タイム露光可能)が正確にできます。
efunon様が述べておられるように、メカニカルガバナーがないためチャージと作動に力が要らず、きわめて滑らかな操作感と静粛性を実現しています。
シャッターはボディや露出計ファインダーから制御され、AEファインダー対応機(SQ-A, SQ-AM, SQ-Ai)では絞り優先AE可能です。
(レンズとは関係ありませんが、当初SQはウエストレベルファインダー、マニュアル露光を基本に想定していたため、腰高に構えた上からの視認性を重視し、前期型のフィルムマガジンのフィルム感度ダイヤルは上面に付いていました。ところがAEプリズムファインダーが主流となると接眼部がマガジン上面を覆ってしまい、マガジンを外さないと表示が見えませんし感度を変更し露出補正することもできません。GS-1は当初からマガジン背面に感度ダイヤルを設置しており、好評だったためかSQ-Ai登場と同時にSQマガジンも背面ダイヤルに改められました。しかし、これを腰高で使うといちいち後部を見なければなりません。AEプリズムを常用される方、主に腰高で使われる方、マガジンのバージョンにもご留意ください。
SQはETRより後発ですから、ゼンザノンSの設計はETR第二世代レンズと同時代から出発しています。
そのため、初期ETR用レンズのように、フォーカルプレーン機S2/ECTLと共通設計のレンズはなく、同スペックでも設計は刷新されています。
6x7機GS-1、PGレンズの発表を機に、ゼンザノンはPSレンズに更新されました。PSはゼンザノンSと較べて鏡胴が大型化、フォーカスリング幅広化、またf3.5からf4に開放口径を落としたものが増え、そのかわりに開放から実用可能な性能向上がはかられています。タイム露光の手間や、絞り込みボタンがスライドレバーになるなど使い勝手も改善されました。Sレンズの特徴だったレンズ先端のオレンジ色クレストは廃止されました。
セイコー#0シャッターの内径に制約を受けるため、レンズの口径は80mmf2.8を除いて、他の焦点距離はf3.5が最大で、控えめなスペックです。
中判レンズは焦点距離が長いため被写界深度が十分に浅く、実用的にはぼかせなくて困ることはありませんが、華がないとも言えます。SレンズよりPSレンズはさらに口径が小さくなる傾向があり、よく言えば通好みなのですが、1970-80年代は6x6というフォーマットが古くさく受け取られていた時代背景もあって、アマチュアユーザーへの訴求力が強いとは言いにくいでしょう。ただし仕事の機材として見れば信頼性は素晴らしく、プロ志向なのだろうと思います。
大まかに性能を評するなら、Sレンズは好評だったETR用レンズをもとに発展し、小型軽量化に留意され、制約の中で大口径も追求されています。その分開放ハロが若干目立つことがありますが、個性の一つと考えることもでき、また少し絞り込むことで非常に優れた性能を引き出せます。フォーカルプレーンブロニカのように後退ミラーではなくオーソドックスな跳ね上げミラーを採用しているため、フォーカル用レンズよりもバックフォーカスを長く設計する必要がありました。そのような制約が多い中で最初の製品として健闘したのではないかと思います。
次に登場したゼンザノンPSレンズはGS-1用のPGレンズラインと平行して設計され、さらなる性能向上を主眼とされました。全レンズが開放から十分にシャープで、仕事をするならPSではないでしょうか。一部はETR用ゼンザノンPE、PGと構成を共有しマウント違いだけの機種もあります。
レンズライン概要:主観で書いています。皆様のご意見次第で訂正致しますのでよろしくお願いします。
経験がないレンズは類推で評価していることをお許しください。○経験あり、X経験なし。
レアリティ(国内海外オークションや店舗情報):☆常時安価に入手可、☆☆潤沢だが価格は並、☆☆☆年に数回出るが価格は並、4★年に1-2回出現レア、5★ほとんど出てこない
ゼンザノンS
○☆80mmf2.8:看板レンズだけに優秀。
X☆☆40mmf4:優秀(efunon様)
○☆50mmf3.5:開放まずまず、絞れば向上。十分実用的。
○☆105mmf3.5:近接基準設計だが、明るく無限遠もいける。開放柔らかめ、絞るとシャープ。
○☆150mmf3.5:エルノスター構成。小型で携帯に有利。開放柔らかくポートレートにお勧め。絞れば十分良好。
X☆200mmf4.5:
X☆250mmf5.6:
X☆☆☆500mmf8:細身で比較的軽量の超望遠。実用的。
X4★バリオゴン75-150:
X4★バリオゴン140-280:
ゼンザノンPS
X☆80mmf2.8:Sよりも開放コマが改善し画質向上したらしい。
○4★35mmf3.5フィッシュアイ:6x6用魚眼で最優秀(コーワ19mmは経験ないが)
X☆☆40mmf4:Sと構成同じらしい。コーティングなど向上(efunon様)
X☆50mmf3.5:Sと同じ構成?フィルター径は67→77に拡大。
X☆☆65mmf4:PGと共通。PGは非常に優秀なのでこれも安心だろう。
○☆110mmf4マクロ:PGと共通。開放から極めて端正な画質。マクロ銘のわりに単体では寄れない。
○☆☆☆110mmf4.5マクロ[1:1]:単体で等倍まで連続的に倍率変更可。優秀レンズ。 *
X☆☆☆135mmf4:ガウス型。150より重く、これを選ぶのは通。f3.5〜2.8にすれば華があったのに。
X☆150mmf4:ガウス型長焦点。Sより暗くなった分開放性能はアップ。
○☆☆☆180mmf4.5:近距離補正テレマクロのようなガウス+コンバータの凝った構成。200より重いが最短1m。
X☆☆200mmf4.5:小型軽量望遠。180より携帯に有利。
○☆250mmf5.6:定番の軽量望遠。一般的に携帯できる最長焦点。そつがない性能。
○5★500mmf8:EDレンズ使用巨大レンズ。PG,PS,PE共通構成。画質優秀だが携帯性はSより悪い。
○4★50-100mmf4.5-5.6:貴重な非球面広角ズーム。絞れば単焦点並の画質。
*ご指摘を受け訂正致しました。ありがとうございます。


これです!。これがなくてはこのスレッドの価値が半減です。
お手数おかけしました。ありがとうございます。
あッ PS 110mmf4マクロ[1:1]は確かF4.5です。


せっかく名古屋に来たので、在りし日の水冷エンジンにも名前を冠した熱田神宮に行ってきました。
ゼンザノンS40は、ヌケの良い蒸留水の様な画像が得られるレンズだと思います。
ZENZANON S 40mm F4.0 NPS160


ファインダーで良く確認しながら撮影するのが肝要だと思います。
この辺りはPS40では改善されているのかも知れません。
ZENZANON S 40mm F4.0 NPS160


すでに着陸体勢に移った機体です。
スポイラーを出して、減速しながらランディングします。
このとき、風を切る良い音がします。
ZENZANON S 500mm F8.0 NPS160


S 500 の後に PS 500 という白鏡胴のレンズが発売されました。
とても高性能と聞いていますが、使用した事は有りません。
ZENZANON S 500mm F8.0 NPS160


良く似た構図の画像が有りました。
比較という訳では有りませんが、御笑覧頂いて何かのご参考になれば。
EOSはキットレンズ、SQはS40mmです。
(その1、その2とも左がEOS,右がSQです。)


尖鋭なのはEOS、何となく立体的に見えるのはSQかしら?。どっちも変わらないと云えば変わらない感じもします。
ブロニカSQの方はエプソンの安いスキャナーで1200DPI程度のレゾリューション設定で走査しました。
この画像で違いが云々なんて云えません。せいぜいブログに使う程度ならどちらでも好きな方を選んで頂いても”あまり変わりません”程度でしょうか。


まあ、どちらも画像処理次第ではあるのでしょう。
EOSのほうはフィルム24x36画像の延長線上にある画造りかと思いますが、HDRなどで中判の印象に近づけることは可能かもしれません。
S500mmでの動体撮影はすごいですね。プリズムファインダーをお使いですか?PS500と較べて圧倒的に軽量とはいえ、振り回すのはなかなか大変だと思います。一脚や三脚は、水平の動きには円滑に対応出来ても上下の追随は難しく、追随できても焦点合わせがまた...
手持ちでお撮りになったのかなと想像しましたが、毎回この手の被写体を中判で狙う超絶さに言葉を失っています。


グライダーの撮影は、直上を飛行するコース上が撮りやすいので(向かってきますので、ブレにくいのです。)、45°のプリズムファインダーが便利です。
三脚と雲台ですが、私の場合、三脚はジッツオかマンフロットの大型で重いもの。雲台は自由雲台のボールヘッドを横に倒してユルユルにして撮ります。(ボールヘッドの首の部分にグリスを塗ってあります。)対空双眼鏡のジンバル雲台が欲しいです。
グライダーとはいえ近くでは角速度が大きいので、そうしないと追いきれません。
ゼンザノンS500はとてもバランスが良いので撮りやすいのですが、三脚座が華奢です。


そのレンズも、ゼンザノンPGの単一銘柄で、発売当初の50mmから250mmまでのラインに加え、後日80mmf3.5と500mmf8が追加されました。
PGラインはETRさらにSQで経験を積んだブロニカがよく練って出しただけに、レンズシャッターSLR用の決定版といえる高性能レンズシリーズです。
セイコー#0を使ったため最高速が1/500と速く、また6x7とは思えないほど小型軽量化が成し遂げられた反面、内径が制約され、最大口径が100mmと80mmのf3.5にとどまりました。
これはGS-1の性格を携帯重視のフィールドカメラに向けることになります。
6x7cm判ですので焦点距離を2で割れば35mmカメラにほぼ換算できイメージしやすいでしょう。
レンズライン概要:主観で書いています。皆様のご意見次第で訂正致しますのでよろしくお願いします。
経験がないレンズは類推で評価していることをお許しください。○経験あり、X経験なし。
レアリティ(国内海外オークションや店舗情報):☆常時安価に入手可、☆☆潤沢だが価格は並、☆☆☆年に数回出るが価格は並、4★年に1-2回出現レア、5★ほとんど出てこない
ゼンザノンPG
×☆100mmf3.5:標準レンズ。当時の雑誌テストで極めて優秀と評価されていた。
○☆50mmf4.5:最も広角。開放で周辺が甘いが絞れば良好。フィルター径φ95mmでフードは純正蛇腹のみ。ゴーストに注意。色彩は鮮やか。
○☆65mmf4:開放から良好で、絞ればさらに締まる。逆光にも強いがフードを使うほうがよい。
○☆☆☆80mmf3.5:645や66cmバックでの標準。レトロフォーカス。開放から四隅まで良好。
○☆110mmf4:近接基準設計だが、無限遠も高性能。開放から四隅まで極めてシャープで歪曲がない。単体では1/4倍まで。
○☆150mmf4:標準と同程度に小型のガウス型長焦点。開放から尖鋭。小口径だがよくぼけるのでポートレートに十分使える。
○☆200mmf4.5:小柄なエルノスター型望遠。非常に尖鋭。
○☆☆250mmf5.6:実用的には最も長焦点。PSとスペックは同じだが太く大きい別物。携帯性は200のほうが段違いに良いが250が必要なこともある。x2テレコンとの相性良。
×5★500mmf8:EDレンズ使用超望遠。白塗り大口径φ112mm。エレメントはPE, PS共通。PSの経験では望遠としてきわめてシャープだが重量が過大なので状況を選ぶし、これだけのサイズで35mm判250mm相当に過ぎないのも持ち出しづらいところ。
テレコンバーターPGx2,PGx1.4があり、すべてのPGレンズに使用出来る。


唯一残念に思うのは、せめてf2.8のレンズを一本加えて欲しかった。随分活用範囲が広がったことでしょう。f3.5と半段しか違わないのですが、暗所で手持ち限界の分かれ目なのです。
100/3.5は明るく評判が良いため欲しいのですが、110mmf4マクロと開放f値がいくらも違わず、110で代用してしまう方が多かったことが市場からもわかります。結局入手機会がありませんでした。明るさでは80/3.5もありますし。
購入当時、店舗にお願いしてリンホフプレス23と比較試写させて頂きました。
Planar100mmf2.8 vs PG110mmf4:f4〜8ではPG110の圧勝。コントラスト、解像力、歪曲、四隅までの均一性、どの項目もPGが優秀。P100/2.8は6x9カバーしf2.8から実用的な画質なので比較するのはどうかと思いますが。f11以降は同等になります。
Biogon53mmf4.5 vs PG50mmf4.5:PG惨敗。開放画質は中心は伍するものの周辺は話にならない。ただしf11まで絞れば差はなくなり、ゴーストやフレアが目視確認できるSLRの有利さもあるので実用的には優劣を付けられない。
Sonnar180mmf4.8 vs PG200mmf4.5:互角。重量を考慮すると圧倒的にPGのほうが軽い。
グラフレックスXLRFとGS-1、どちらを出張に持ち出すか悩んだこともありました。
レンズの性能は、リンホフプレス同様GS-1は標準有利、広角不利で望遠互角です。GS-1に腰高をセットし全体の重量を測定すると、ほぼ同じ。XLて軽くない!
すると明るい標準を擁し69が撮れるが近接できないシステムか、寄れて焦点精度が良いが67止まりで縦位置困難か、で結局GS-1にして高画質を堪能しました。多分XLで行ってもよい写真は撮れたとは思いますが、失敗も増えたことでしょう。


以前、他の67機との比較ポジを見せて頂いた事が有ります。
GS-1のポジはどれもとてもヌケが良いので、感心した覚えが有ります。
タムロンに吸収された真骨頂かなと思いました。
No0シャッターの1/500はNo1の1/400に実質的な差は少ないのですが、何か安心感が有ります。


1978−88年にかけ販売されたETRS外装をオリーブ色塗装した特別モデル。記憶によるとETRSモデル末期と思うが正確な資料を探せていない。同時にSQ-AにもSFが存在する。
標準セットとしてAEファインダーEII, 120ホルダーE、スピードグリップE、ゼンザノンEII75mmf2.8、ウエストレベルファインダーE、巻き上げクランク、プロフェッショナルフードE(蛇腹)、スクエアフード75mm用、がオリーブ色で供給された。
交換レンズはサファリセットとしてゼンザノンE500mmf8が組み合わされたので、オリーブの500mmは珍しくない。また持ち込みでオリーブ塗装を受託しており、50of2.8は見かけたことがある。




ウエストレベルはアイレベルよりファインダー倍率が高く焦点合わせ精度がよくなる。ただし縦位置撮影は、上下左右逆像になってしまう。腰高撮影で縦位置を重視する場合は、SF色ではないがロータリーファインダーEという選択もある。


スピードグリップEは、保持した右手親指で巻き上げレバーを操作する、35mmカメラ同様の操作性になるアクセサリー。グリップ上端にホットシューが設置されている。電子シャッターでガバナーを要しないためか非常に巻き上げが軽く、親指だけで軽く動作する。




ブロニカはフォーカル時代からリーフシャッター初期まで、マクロと名がつくレンズをラインアップしませんでした。中判マイクロニッコールを見てみたかったですね。
ETRとSQには、ゼンザノンEおよびS105mmf3.5が近距離設計で供給されました。ところがあまり積極的には宣伝されていなかったようで、スペックは最短0.9m、口径比f3.5とマクロらしくないので、マクロの名前がないとだれも認識できないでしょう。
私も近年になるまで私は近接設計とは全く知らず、単に長めの標準バリエーションの一つだと思っていました。当時からそれを知っていれば、フラッシュ接写を主体にしていた私はETRSユーザーになっていたかもしれません。
ゼンザノンE末期にマクロゼンザノン100mmf4が登場、最短0.6m、単体で1:4と、やや寄れるようになり、開放f値が少し暗く特殊レンズっぽくなりました。ETRSi時代にPE仕様に継承され、後述の等倍モデルと併売されました。
タムロン合併後にマクロゼンザノンPE105mmf4.5が登場、フローティングで0.36m、単体で等倍まで近接できます。タムロンSP90mmの設計を汲む貴重な中判マクロです。
この3機種を比較すると、設計思想の変遷が見えるようです。
E105/3.5は普段使いを重視し、開放f値が明るく、単体倍率は低いかわり小型軽量です。エクステンションチューブ併用で倍率を出す設定でしょう。1:2から1:1近接域では開放画質は甘く、絞り込まないと均一な画質になりません。あくまでマクロは従という印象です。
E100/4は、一転してマクロを前面に押し出したモデルです。単体で1:4までなのは35mm用マクロを使い慣れていると物足りませんが、直進繰り出しでこれ以上寄るならヘリコイドサイズが非現実的、あるいは自動絞りシャッター連動が困難になると判断したのでしょう。開放f値を抑え、1:2〜1:1でも開放から高いコントラストと均一性があります。無限遠画質は二の次ですが、実用上十分以上の性能で、シャープネス偏重なら標準替わりにするのもアリです。
PE105/4.5はひとまわり大きなヘリコイドを備えていますが、操り出し量は等倍にしては短く、フローティング効果で繰り出しに応じて焦点距離が短縮し、繰り出し量が節約されています。おそらく等倍では焦点距離が80mm近くになっていると思われます。その分小型なのでしょう。フローティングは収差補正が主目的で、どの撮影距離でも優秀な画質です。
フィールドでマクロ撮影するならPE105等倍がおすすめです。機動力はすばらしく、∞から等倍までシームレスに撮影できます。
自宅でスタンドに固定し、ライティングに凝りながら静物撮影するならE, PE100/4でしょうか。倍率はあらかじめ予測でき、シンプルなガウス構成のレンズを絞り込んで高いシャープネスが期待できます。
では最初期E105/3.5はと考えると、若干癖があるレンズを使いこなす楽しみかな、と思います。決して写りが悪いレンズではありませんが、何も考えずに安定した結果が得られるわけではなく、能動的に性能を引き出すべき多面性を持つため、かえって楽しむ余地が広いと思います。


といってもベローズでは携帯が大層。
軽快な中間リングはベローズがあるので入手を後回しにしていたので只今捜索中。
そこで、手持ちのフィルター径が62mmのケンコーACクローズアップNo2を使います。62mmはニコン用に持っていました。
MC105の最短は0.9m、No2は無限位置で0.5mになるので撮影出来ないギャップができますが、最大1:3程度とマクロっぽい所まで寄れます。
ACは二枚構成なので色収差については有利ながら、球面収差はそれなりに出ますので、尖鋭にするには絞る必要があります。
クローズアップレンズは嵩が少なく気軽に使えるのがよいですね。
ETRSiはメッツのデディケーテッドストロボを使うとTTL自動調光ができますが、ETRSは旧型ですのでストロボ撮影にはナショナル/パナソニックのマクロ外光オート機が便利です。
PE28SとこのPE36Sは、マクロ専用の受光部を持っており、単体でマクロに対応します。直射ではなく拡散キャップを被せて少し光を和らげるように気をつけました。
Bronica ETRS SF, MC Zenzanon 105/3.5, f11, 1/250, Acros, Panasnonic PE36S


また以前から持っていたφ62mmのクローズアップレンズも組み合わせて、ベローズEよりも軽快な接写システムを構築しました。
フラッシュは、ナショナル/パナソニックのマクロ機能をもつストロボを使っていましたが、LED定常光のリングライトが最近安価なので試してみました。
NEEWERという中国の製品でLED48灯です。カラーフィルターや、49から77mmまでのアダプターリングが完備して至れり尽くせり、説明を読むとGN15相当の瞬間光も選択出来るそうです。
実際テストしてみると、まずGN15は確実に出ていない。GN8も怪しい。というのはクセノン管とコンデンサーによる大光量ではなく、単にLEDをカメラ側のシンクロ接点で瞬間に光らせているだけのようですね。
まあ連続点灯しないほうがよい被写体もあるでしょうから瞬間点灯というのもあってわるくありませんが、余程近くを、余程高感度か絞りを開いて撮影しないとまともに写りません。
LED連続点灯のほうも、あまり大光量ではなく、ISO100では1:1くらいに寄ってもf11-1/30と、手ぶれしてしまいそうな条件になり、ISO3200が平然と使えるデジカメなら問題無いでしょうが、銀塩中判にはあまり向いていないようです。
少しテストしただけながら、LEDなので電池の持ちはよいのでは。


GS-1では連結して嵌められるので、無視して使っていましたが、ETR用はどうも連結できないようです。
105mmでの倍率は、
ケンコーAC No2<ニコン5T<ニコン6T=エクステンションチューブE-28<E-42という順になります。
左端はチューブE-42のメス側、中央チューブE-28オス側、右PE60mmf2.8オス側で、すべて下6時方向に接続指標がくるように並べています。
中央E-28マウント内部の黄色矢印部分に固定ロッドがあり、これはボディマウントはクリアしますがE-42メスマウントに衝突して装着できないようになっています。
E-42オスマウントにも同様のロッドがあり、E-28とE-42のどちらを先にしても互いに装着不可能です。
右PE60mmに代表させた、レンズにはこのロッドはありません。
テレコンバーターEにもこのロッドがあり、テレコンとエクステンションチューブの重連もできないようになっています。
残念ですが、E-42単体以上の倍率は、ベローズEか、クローズアップレンズを追加するしかありません。


本来の発光部を切り離し、コイルコードで本体から発光部を離し、2灯同時発光させる。
左右の区別はなく、GNも等しい。
全体のパワーコントロール機能があり、マニュアルでx1から1/128まで8段階出力調整できる。
レンズ先端に付けるTECHNOのオリジナル フラッシュシューは、レンズ取付径62mm、メスマウントは62mmからステップダウンリングで58mmに絞ってあり、無銘だがφ58のケンコーAC3相当の色消しクローズアップレンズが付属している。
ネジを緩めるとフラッシュの位相と取付角が調整できる。現在は180度位置で、少し内向きにしている。
アタッチメントサイズφ62は恐らくElicar VHQ90mmあたりの中望遠マクロと接続する目的だったと想像出来るが、ブロニカETRレンズの標準アタッチメントサイズなので丁度良く利用している。
目下ゼンザノンMC105/3.5, チューブE42と組むとおよそ1:3、さらにTECHNO付属φ58クローズアップレンズを加えてほぼ等倍の近接が可能で、ツインフラッシュは有効だ。
ISO100だとパワー1/128でf8〜16(周囲の反射率による)に絞り込める。
フラッシュ接写について、以前はマニュアルストロボではフィルムを消費する綿密なテストが必要であったが、ミラーレスデジカメがあればフィルムのかわりに簡便迅速に露出データが出せるため、TTL自動調光ストロボの必要性が薄れ、積極的にマニュアルストロボや外光オートで接写を行うようになった。
ETRSでも、ウエストレベルでローアングル撮影がマニュアルストロボで自在に出来るので有り難い。


1983年発売。
ETRSやSQをブロウアップした形式だが、フィルム給走が初めて横送りになったため若干の変更はあるはず。
マルチフォーマットカメラを謳っていて、6x4.5、6x6、6x7フォーマットそれぞれ120と220用マガジンが供給された。
またブロニカで初めてフラッシュTTL自動調光が採用された。そのため6x7以外のマガジンのマスク部分はグレーに塗装されている。
外装にプラスチックを使って当時最も軽量な6x7一眼レフ。フィールドを意識している。
操作はSQ譲りで大変スムーズで確実。
写真はウエストレベルファインダー、マクロゼンザノンPG110mmf4、120-6x7マガジン。


ウエストレベル
プリズムファインダー
AEプリズムファインダー
AEロータリーファインダー
ウエストレベルの折りたたみ式が最も軽量だが、ご存知の通り縦位置にすると使いづらい。軽量化最優先では貴重な存在で、6x6マガジンには似合う。
プリズムはアイレベル90度で、露出計が入っていないものと、絞り優先AE機能つき露出計が付加されたものがある。AEプリズムは側面にAEロックスイッチをもち、ファインダー内下辺にデジタルでシャッター速度が表示される。
AEロータリーファインダーはプリズムを左右90度回転でき、ウエストレベルで縦横変換時に上下逆転することがない。


縦横切り替え機構がないGS-1とETRSのために、切り替え時に光軸が変わらないレボルビング雲台が供給され、それとの組み合わせが有用。
ただレボ雲台は頑丈で重いため、RB67より重くなってしまう。


標準は100mmf3.5、
それより短焦点は50mmf4.5(左)が最も広角、65mmf4(右)がある。
モデル末期に80mmf3.5も追加された。6x6や6z4.5使用時の標準レンズ。(後述)


150/4は手頃な中望遠、開放f4は明るくないが、焦点距離が長いのでポートレート距離では背景が結構ボケてくれて悪くないと思います。セイコー#0の最高速1/500ではあまり明るくしても日中使えないことになりますので、ちょうど良いのでは。
200/4.5はコンパクトですが、この画角あたりから視覚的に望遠効果が出せる焦点距離でしょう。大変高画質です。250とのサイズの差は歴然としています。
250/5.6はPSより光学系がかなり大きく重く、望遠効果は200と大きく変わらないので、フィールドでの出番は少ないですが、PGテレコンと組むと効果が大きい。500mmは当時100万円していたので現実的な選択として250x2は考慮できたでしょう。


日本カメラのムックくらいしか情報が殆ど無い機種でした。
とても軽量で、スピードグリップGを付けるとペンタックス67と変わらない位に即写性が有る中判カメラでした。
もう少し発展するかなぁと思っていましたが、少し登場が遅かったのかもしれません。


1996年から2000年にかけて最優先で使いました。初めての6x7SLRでした。
確かに登場時期は他社67に比較し遅いし、コンセプトも小型軽量だけで少し弱いので、市場占有率は高くありませんが、
当初からシステムは完成した形で出ていますので、発展する余地はそう広くなかったでしょう。
不満があるとすれば、
1,機構状#0シャッター口径の制約から大口径レンズがシステムにないこと。
2,TTLフラッシュの接点が独自のもので、後続のETRSiとSQAiに採用されたSCAシステムと互換性がないこと。
3,望遠側が500mm止まりなのは仕方がないが、広角側が50mmで終わってしまった。20mm相当は欲しかった。
4,プランにあった24x70mmパノラママガジンが発売されなかった。
いずれにせよ独自の地位を築いていたと思います。
そういえば、キヤノンFDの印象が強い写真家、竹内敏信氏も6x7はGS-1をお使いでしたね。
ブロニカも可能ならもっと長く供給したかったでしょうが、他社と同様レンズシャッターが生産中止されると継続しようがありません。


既にETRSやSQで導入されたシステムですが、その2機種ではワインディングクランクを外した巻き上げ軸にグリップの回転ラグを噛ませる必要がありました。
GS-1はカメラ底部にワインディング軸が別に設置され、クランクは外さないで装着できます。
現在ETR系中古品はグリップとセットでクランクが紛失されている個体が多く、GS-1はそういったことが起こらなくなりました。


しかしスピードグリップは軽量で、またハンドリングが大変向上しますのでお勧めのアクセサリーです。
また従来機種がレリーズは機械的に本体に連動しているのと違い、GS-1は電子接点でレリーズ信号を伝達するため、グリップのシャッターは極めて軽く歯切れが良いものです(ETRSやSQのグリップシャッターも十分軽く良いですがストロークが大きい)
さらに、GS-1専用のTTLフラッシュは、このグリップにとりつけるようになっています。


専用スピードライトG1はGN32のオーソドックスな形状のフラッシュ。上に90度までバウンス可能。単3x4使用、サイズはナショナルPE320と同等です。
GS-1だけで使えるTTL自動調光の他に、4つの絞り値に対応する外部自動調光、フルから1/8まで4段階に調整できるマニュアル発光が可能で、他機種でも使える汎用性を持っています。


延長コードが供給されなかったので、リモート発光目的で他社製品を流用しようとしても、TTL信号は接続できません。
中心部のトリガー接点は他機種共通なので発光には問題ありません。
GS-1後の機種:ETRSi, SQ-AiはメッツのSCAシステムを採用し、またサンパックもデディケーテッドシューを供給しましたので利用できる種類が豊富なのですが、GS-1のみ袋小路のようなフラッシュシステムになってしまいました。


GS-1はETRSと違ってエクステンションチューブの重連ができるので、フィールドではベローズより軽快になるため、ベローズは主に三脚固定で使われるだろう。
リーフシャッターSLRの常としてレンズのレトロマウントは不可能、さらに純正以外の光学系をつけることもできないため、最大倍率を得られるのは広角50mmです。画質的にはマクロ設計レンズより不利だと思いますが、絞ればそれなりに写ります。


登場が遅かったGSシステムでは最も明るい準広角レンズ。レトロフォーカスタイプ。
100mmf3.5があるので若干中途半端な焦点距離だが、ブロニカGS-1はマルチフォーマットを掲げており、645や66マガジンを用意していたため、それらを使うときに標準画角になる意図で供給されたと想像している。
といっても6x7画面全体にわたって高画質。
私は標準に110/4マクロを選んだため、これまで標準とされる100/3.5入手機会がなく、拙宅のGSシステムの中では80/3.5が一半明るいレンズです。


対応アダプターはSCA386。
スパイラルコード被覆が加水分解して、ぼろぼろになっています。
断線はしていませんが、困ったことです。
サンパックも、専用デディケーテッドシューを出しています。コードの崩壊は50歩100歩。


1990年発売。続けて1996年追加されたマニュアル専用SQ-Bとともに2003年に生産が終了した。
前機種SQ-Aの機能を受け継いで、さらに小型の電動ワインダーSQ-i装着可能、SCAシステムTTLフラッシュ自動調光、シャッターダイヤルにBポジションが設けられたなど、使いやすい改良を受けた。
電源には従来機が4SR44であったのに対し、電池ケースに並べたSR44x4個で入手しやすくなった。
重量は変わらないが,プラスチックの比率が高まり、動作音や感触が安っぽくなったという評価もある。
1998年にブロニカはタムロンと合併したが、それ以前の1996-7年ごろからタムロン設計とみられるズームレンズや等倍マクロレンズがラインに加わりはじめた。
110mmf4.5(1:1)はフローティング機構入り等倍マクロである。
ズームはETRSi用から始まったが、SQマウント用はモデル末期に50-100mmf4-5.6のみで、ETRSに用意された望遠ズームは6x6には登場しなかった。


SCA386の被覆劣化はヒドイですね。
最初は少しずつ補修をしていたのですが、補修した境からまたポロポロと剥がれてきました。
何か良い方法が無いかと思います。


バラバラ破片が散るのを無視して使うこともできますが...
全部剥いて絶縁テープを巻く。
幸いコードが色分けされているのでちょん切って新しいコードに繋ぎ直す。
など、素人考えをしています。
高電圧が掛かるわけではありませんが、
電気に強い方なら、どうなさるかアドバイスをお聞きしたいところです。


それでも敢えて俯瞰するならば、
ETR発売76年から79年ごろまでは初代ゼンザノンEレンズ,一部ECTL用ゼンザノンMCレンズと設計が共通と言われています.ETRSが出た78年から80年前後に設計変更されたゼンザノンEに置き換えられ,のちに標準レンズ75mmはEIIになりました.シュナイダーからバリオゴンズームとPCSスーパーアンギュロン55mmが供給されました.最後に88年のETRSiと同時期に全て設計が練り直されてPEレンズに更新されました.またタムロンと合併する98年以前のPE後期からタムロン設計と思われるモデルが追加されています.ズームはシュナイダーではなくタムロンから広角系と望遠系の2本が供給されています.
全てのレンズは,ボディ全ての機種に共通で使うことができます.
基本フィルター径は初期から62mmですが,最初の75mmだけは58mmです.
画像:ETRS,ゼンザノンPE60mmf2.8


実用を重視したため最終モデルのPEレンズを主にラインを組み立てました.
当初ズーム45-90に任せ切る予定だったので,ラインは歯抜け状態で,対角魚眼30mmf3.5,28mm相当のPE50/2.8は入手していません.
左からPE40mmf4, PE60mmf2.8, PE75mmf2.8
キャップをした状態では外見から区別するのは困難なほどデザインが統一化されています.
40/4:ETRシステムでは魚眼を除いてもっとも画角が広いが,35mmカメラでは24mmレンズに相当する.開放f値を押さえコンパクトで持ち出しやすい.画質は開放から端正.24x56mmパノラママガジンを使う際に頻用する.8群9枚,最短0.35m,510g,106,000円,ベローズ最大倍率4.13倍*
60/2.8:PEで初めて登場した焦点距離.スナップに使いやすく標準並みに明るい準広角.7群7枚,最短0.42m,520g,97,000円,ベローズ最大倍率2.85倍**
75/2.8:標準レンズで万能に使える.PEはEよりコントラストと非点収差が改善された.5群6枚,最短0.6m,440g,65,000円,ベローズ最大倍率2.28倍,接写でも高画質.***
*ベローズ最大繰り出しに達する前にレンズ先端が被写体に迫り,ライティング不可能距離になるため,現実的には実測1.8倍(横3.1cm)が精々.4倍は透過光照明に限られる.また拡大倍率では,かなり糸巻き型歪曲が強くなる.
**60mmはベローズ最大繰り出しでワーキングディスタンス3.3cm確保でき,最大倍率は掛け値なし2.8倍(横2.0cm).40mmより実際の倍率は高い.
***75mmは上の条件でワーキングディスタンス6cm,最大倍率2.24倍(横2.5cm),開放では周辺が甘いが,f8以上の絞りではマクロ同等の先鋭度.


これもズーム100-220に任せ切る予定だったのですが,ズームが激重なのと,従来のエルノスター型望遠とは異なる構成で近接できるラインに興味が出たので入手しました.従来型と500mmは未入手.
左からPE75mmf2.8(比較のため),PE135mmf4,PE180mmf4.5 すべて最短位置
PE135/4:135と180の2本はPEになって初めてラインアップされた.135はガウス型でボケ味を重視した設計.ポートレートを意識した焦点距離だと思うが,開放f値が4と地味すぎる.重量はPE150/4より100g近く重い,贅沢すぎるスペックで大変性能が高い.4群6枚,最短1m,750g,94,000円,ベローズ最大倍率1.36倍*
PE180/4.5:ガウス+コンバーターというタムロンSP90mmに似た構成で,軽量小型な150/4や200/4.5より大きく重く近接できる,まったく異なるコンセプト.後群は固定で前部のみ繰り出され,135mmと同じ最短1mなのに,繰り出し量が135と同じしかなく,135にテレコンを装着したような構成に見える.遠距離から近接まで性能は高い.8群9枚,最短1m,840g,126,000円,ベローズ最大倍率1.27倍
他にPE望遠は、前述の小型ラインとして150/4,200/4.5,本格的望遠250/5.6,EDレンズを使った大型の望遠500/8(GS-1やSQと共通設計マウント違い)がありました.150と250は人気があり潤沢ですが,隙間の200は珍しく,500/8は百万円したためほとんど出回っていないでしょう.
*135mmはベローズ最大伸ばし(15.5cm+ヘリコイド最短)でワーキングディスタンス19cm,最大倍率1.47倍(横3.8cm,カタログはヘリコイドを伸ばしていないデータと思われる).予想通り開放絞りから四隅まで先鋭度が高く,歪曲は認められない.暗いガウスは接写に強いセオリーが裏付けられた.135は素晴らしいマクロでもあると思う.
180以上はあまりベローズ接写を想定できないので,テストしなかった.むしろクローズアップレンズとの組み合わせが実用に即していると思う.


左からゼンザノン-E105mmf3.5,マクロゼンザノン-E100mmf4,ゼンザノン-PE105mmf4.5,最短位置
ETR発売当初のラインは40/4,50/2.8,75/2.8,150/4までで, 250/5.6は発売予定だった.79年白書までは40,50,75,150,250にとどまったが,80年白書に初めて近距離設計レンズ ゼンザノンE105mmf3.5が登場した.マクロ表記はなく,明るく小型だが最短90cmと,接写には中間リングかベローズを必要とする.4群6枚,最短0.9m,570g,61,000円,近距離設計だが開放ではハロが多く柔らかい描写で,ポートレートにも使える二面性がある.近接では二絞り以上絞らないと先鋭度は満足できない.
E末期にはマクロゼンザノンE100mmf4が登場し,PE初期に同設計で継続,末期にPE105/4.5と交代した.フローティングはない単純繰り出しで0,61m,1/4倍まで近接できる.重量・価格調査中.単純繰り出しのため接写リングとベローズとの相性が良く,またワーキングディスタンスがPE105より長く取れる.
ゼンザノン-PE105/4.5マクロ1:1:タムロン設計のフローティングと長いヘリコイドリングにより等倍接写が可能な本格的マクロレンズ.これ一本でベローズが要らないほど便利.フィルター径67mmでSQ用105-110mm用フードを使う.詳細は以前のETRsi+105mm,SQ用110mmf4.5の投稿と重複するので割愛.8群9枚,最短0.35m,920g,126,000円.


従来のシュナイダーバリオゴンは75-140mmf4.5,125-250mmf5.6と,標準より長い範囲であったが,PE時代後期に,新たにタムロン設計のズーム2本で広角から望遠までカバーできるようになった.1990年代のかなり熟成された設計なので先鋭度は十分高く,最短撮影距離や歪曲など不満も少ない.
左から ゼンザノンPE45-90mmf4.5-5.6,PE100-220mmf4.8[IF]
PE45-90mmf4-5.6アスフェリカル:複合非球面レンズ2枚を使っている.他社同クラスに比較して広角側で半絞り明るく,逆光に強い.10群11枚,最短1m(45mm)0.5m(45mm以外),フィルター径95mm,1015g,160,000円
PE100-220mmf4.8アスフェリカル[IF]:複合非球面レンズ1枚,内焦方式でフォーカシングやズーミングで全長が変化しない.重量があるので三脚固定が基本だが手持ちも可能.13群14枚,最短1m,フィルター径95mm,2175g,198,000円


2010年ごろの不人気は驚くほどで,15万20万定価のレンズが1万円切っていたりしましたから.
最近また中古価格が戻してきたようですが,底値の時に海外,特に大陸やオーストラリアに多数流出し著しく数が減っていて,さらに程度も悪い傾向があり,これから求めようとすると結構大変かなと悲しく思います.
レンズシャッターブロニカレンズには,対応できるデジタルカメラがごくマイナーなので,フィルムで使ってあげるのが一番かと思います.
それでいてフィルム環境は厳しくなる一方ですが,やりくりして楽しんでいきたいところです.
もうひとつ,マミヤ645と比べ,両者の性格の違いが感じられます.
M645は当初フィルムバック非交換式で出発し,ボディはブロニカ ETRより若干小型,f2.8級標準レンズも軽量なので,ベーシックなセットではETRよりやや小さくなります.
フォーカルプレーンを採用し光学設計の余裕があり,1/1000があるために,大口径が可能になりました.そのため交換レンズはいずれもブロニカ より口径もサイズも大きい傾向です,システム全体を見渡すと,クイックリターンミラーを含めて35mmSLRと同じ使用方法を指向している印象です.
それに対してETRは,フォーカルブロニカ の反省からか,リーフシャッターでストロボ全速同調,交換バック,巻き上げまで復元しないミラーなど,小型のハッセルブラッドのニッチを狙う,スタジオ指向を感じさせます.リーフシャッターの制約で大口径レンズはありませんが,どうせ三脚固定してフラッシュを使うから絞り込んでしまうので,大口径である必要はないのです.結果M645用より常用交換レンズは小型の傾向があります.
M645, ETRレンズに共通して,ある程度絞り込んだ時に最高の先鋭度になる性質が,35mmカメラよりさらに明確な気がします.それに加えて中判は被写界深度が浅いため,精細描写には絞る必要がある.そこで敢えて大口径高速シャッターを使う表現ができるM645を選ぶか,明るい絞りは使わないと割り切るか,自分の撮影スタイルを見定めて機種を選ぶ必要があります.
もちろん,どちらもお互いを意識し,不得手を補う発展をしていて,全くできない機能はないのですが,そういう印象を受けます.


初期を1型、モノレールを2型と仮称します。
1型は全高が低くコンパクトなため、フィールドで使うには2型より軽快です。というか2型はフィールド使用は無理では。
そのかわり、リアスタンダードはボデイ単体でないと前進できず、グリップやモータードライブと併用すると支えてリアを前進できません。
フロントで調整すれば良いためそれほど問題にはなりませんが。
ブロニカ ETRベローズでカタログ上の最大倍率を出せるレンズは40mmf4です。
しかしご覧のように蛇腹を加減してこのくらいに縮めてワーキングディスタンスはようやく7mmほど確保できます。
実用上の最大倍率は、広角レンズ紹介の項で前述したように1.8倍です。
これ以上近づけば横からのライティングは不可能で、透過光撮影でしか最大倍率は達成できないでしょう。
レトロフォーカスレンズなので延長すると開放付近での周辺画質は期待できず、歪曲も気になるところです。
現実的には最大倍率は60mmf2.8の方が高くなります。
60ならばベローズ最大繰り出しで2.8倍、ワーキングディスタンスが3.3cm確保できます。


このセットは645SLRでは最小の一つでしょう.
クランクとウエストレベルファインダーが最近異様に高騰していて愕然としました.
以前は海外通販でクランク5ドル,ファインダー30ドルくらいで確保していました,
さらに国内ではボディ込みでもっと安価なものもあり得ましたのに.小型の中判が人気を吹き返しているのでしょうか.
ETRS, PE60/2.8, 120ホルダー,ウエストレベル,クランク


ETR(S)は日本を代表するメーカー系のデザイナーが入った外観で、ポルシェデザインとは違った
意味での日本的な洗練したスタイルを持つカメラだと思います。特にシルバーの限定モデルは
ある種工芸品の様でした。
シャッターメーカーが供給を止めてしまいましたので、命脈が絶たれてしまった国産レンズ
シャッター機ですが、もう生産されない事を考えると何とか可動状態で使い続けてほしいです。


改造モデルは以前ご紹介したイマゴン120mmがありますが...
そこでアタッチメントを活用することになります.
ソフトフォーカスフィルターです.
一番普及しているのはケンコーのラインアップでしょう.フィルターガラス表面に同心円がエッチングされた「デュート」,すりガラス状の「フォギー」と並び,ソフトン1,2という,2の方が効果が強いソフトフィルターが一般的です.ソフトンはプラスチック表面に小さなディンプル状の凹面を多数散在させた構造で,元々ツァイスソフターが採用した方式です.ソフターはケンコーソフトンよりディンプルの径が小さいようです.
これらは,絞り込むと凹凸が映り込むことがあるようで,使用絞りに注意が必要といわれています.
ところで,ETRレンズのフィルター径は初期の標準75/2.8の58mm径を除いて,40mmから250mmまで62mmが採用されています.
基本フィルター径に62mmを採用している会社は珍しいのですが,その中にニコンも含まれます.
ニコンブランドのフィルターは割高ですが,品質は高く,特殊な拘りを感じるラインが魅力的です.
ニコンソフト1,2は既存機種と全く異なり,特殊な光学ガラスの成分を化学修飾し,ガラス内部の屈折率を不均等に変化させるという如何にも品質管理が大変そうな,自前のガラスを持っている会社ならではの特殊製品で,凹凸構造がないため絞りの制約は受けず均一なフレアを生じるそうです.
私は無知で,ニッコール千夜一夜物語の第51夜で詳細を紹介されるまで,他社の軟調フィルターと同じかと誤解して無視していました.日本カメラに転記された上記の記事を読んで初めて,使ってこなかったことを悔いました.
残念なことに,エコガラス切り替えのため特殊ガラス生産が終了してしまい,今入手できるのは中古品だけになります.代替えとしてニコンニューソフトという極微細なディンプルを使って絞り制約を極力解決した製品が現行品になっています.
画像:ETRS, PE135/4, ニコンソフト1


細かい白または黒の細かい蜂巣状の網目をガラスで挟んだ構造で,いわゆる紗,あるいはストッキングをかぶせるテクニックと共通しており,これはこれで面白い.White, Blackのそれぞれに粗い1,細かい2があります.
米国には豊富なスタジオ用品があり,シェードで有名なニードなど多様なメーカーがありましたので,その一つからOEMを受けたと考えられます.
この67mmしか見ていないのですが,いつの時代でしょうか.O文字に星が入っていないので,SQ用だと思いますが.
効果は,まだ試していません.
奥左 ソフトエフェクト1 ホワイト 右 ソフトエフェクト2 ホワイト
手前左 同1 ブラック,右 同2 ブラック


これはこれで使い方の難しそうなフィルターですね。
どんな風に撮れるのか興味が有ります。
CONTAX用に用意されたソフトフィルターを、暫く使っていなかったので、ある日取り出してみたら、
一面に細かなヒビが入っていたことが有りました。修理に出したらメーカーも原因不明で戻って来ました。


ソフトフォーカスレンズの比較はしたことがありますが、フィルターは比較したことがなく、同一条件で撮影してみました。
昨今ブローニーのカラーを使うとお金がいくらあっても足りませんので、まずはデジで御座敷比較。被写体はクロームのスクリューマウントライカ。
レンズはMCバリソフトロッコール85mmf2.8開放、ソフト量0位置で、ブロニカのブラック1,2、ホワイト1,2。ニコンソフト1,2。ケンコーソフトンIIA(弱い方)、ツァイスソフターII。
カメラはα7R、評価は24インチのEIZOで行いました。
バリソフトロッコールと比べるとフィルター類はすべてフレア量が少なく、レンズのソフト1と,フィルターのニコンソフト2、ブロニカ黒白2、ソフトンとソフターが強いて言えば似たフレア量になります。
しかし低倍率ではフィルターで解像力が高いため、効果が大画面よりさらに弱く感じられます。
あまり多くても煩雑なので、掲示板にはレンズ単独、ソフト1、ブロニカ紗の黒2、白2を1枚横1500Pixel,4枚組横3000Pixelに縮小して,提示します。
ブロニカの紗は、レンズの解像が残ったままハイライトが少し滲み、シャドーにフレアが被りコントラストが低下します。試しに1+2を重ねると、クモリレンズのような個人的には好ましくないヘイズの乗り方になりました。
黒と白は、わずかに白の方がフレアが多く黒の締まりがなくなり、またフレアに光源の色が乗るようです。黒髪の日本人には黒のほうが適しているのかと思いました。
前オーナーも黒1が一番スレッドと銘柄プリントがすり減って愛用していたことを思わせます。逆に白は新品同様です。


ソフトレンズとソフトフィルターの効果は似て非なるものと再認識しました。球面収差由来のバリソフトの効果は解像力がゆるやかに落ちて、ハイライトの滲みがきわめて滑らかです。レンズの価値はあると思います。
今回バリソフトロッコール85mmのフレア量は、1でも強すぎて、0.5くらいで使う方がよいのではないかと感じました。
今回フィルターでもっともソフトレンズに近い効果を感じたのはニコンソフトでした。ソフトンIIAとソフターIIは、同じ製作所じゃないかというほど似た構造で、効果もほぼ同じです。ケンコーはさらに強いソフトンIIB、ツァイスはさらに弱いソフターIを用意しているところが異なります。
さらに驚いたことは、ソフトンIIで絞ると水滴模様が出るか試したところ、f2.8とf22では、フィルターでもソフト量が変わるということです。絞るとフレアが減るのです。これまでフィルターは全ての絞りで効果が変わらないと思っていたところ、意外な結果でした。ソフトンとソフターは微細なディンプルがレンズ効果をもたらすため、絞りに影響されたかもしれません。
ブロニカ紗は絞りの影響は受けない可能性があります。またニコンソフトは全く考え方が違うので絞り効果があるか試さないとわかりません。
画像:ニコンソフト2(バリソフトロッコール,ソフト0)


そこでこのような技を提案します。
フィルタースレッドに、オスーオス アダプターリングを介して、写真レンズを逆付けするのです。
合成焦点距離は以下のように算出できます。
合成焦点距離の式
合成焦点距離fl
マスターレンズ焦点距離fm(mm)
アタッチメントレンズ焦点距離fi(mm)
レンズ間距離e(mm)
fl=fmxfi/fm+fi-e
例えばケンコーAC No2:焦点距離500mmを50mm標準に装着した例にすれば、
fl=50x500/50+500-10 = 46.3mm
それに対し50mmレンズを50mmレンズに装着しレンズ間隔が10mmの場合
fl=50x50/50+50-10 = 27.777=28mm
ただしマスターレンズの画角がある程度狭くないと蹴られが生じますので、35mmSLRでは135mm以上、645では200-250mmが適当です。
マスターレンズ200mm、アタッチメントレンズ50mmとすると、
fl=200x50/ 200+50-10 = 42mm
実例としてPE200mmf4.5 + Rodagon 50mmf4 を、62/55アダプタ+ステップアップ55/40.5でとりつけたものを示します。
倍率は、約2cmの被写体が画面いっぱいになるのでおおむね3倍出ています。


この度モノレールタイプになった後期型のベローズを入手したので検証します。
基本構造はベローズSやGと共通で、レンズとボディを接続する部分だけが異なります。
伸長は10cmと、645から66,67までこれも同じ。
旧型ベローズともストロークは同じでした。
予想通り、ワインダーグリップを装着しても衝突することなくリアスタンダードを前進させることができます。
モーターワインダーは後期のSiモデルでないと前進できません。前期型は単3バッテリーが場所を食って大型なので。
後期型ベローズは、モノレールで精度が良い反面、大型で重心が高く、手持ち撮影には向いていません。
コンパクトでどちらかといえばフィールド向きの前期型と使い分けて行くものでしょう。


3番目に、構成をダブルガウス4群6枚にしたゼンザノンEII これはレンズ前方に緑のクレストがつくものと、全面ブラックのものがあり、生産時期の前後関係はわかりません。ETRSはシャッターダイヤル外観が1度変更されるマイナーチェンジがありますが、それと一致しているかどうかもわかりませんが、SQ(1980)のゼンザノン-Sにはオレンジのクレストが入りますから、それと同時期に緑クレストを入れて一眼で区別できるよう配慮したかもしれません。
最後に、ETRSi(1988)と合わせて出たゼンザノン-PE・4群6枚で、従来レンズよりも非点収差が改善されていると言われます。
EIIはよく見かけるレンズで、PEと同一設計なのか、変更があるのかはよくわかりません。性能は良好で、ETR系では最も明るいレンズですが、ベローズ接写でも少し絞るだけで大変先鋭な画質で万能に使える標準レンズだと思います。
緑クレストのZenzanon-EII 75\2.8, Zenza Bronica ETRS, 横はMC Zenzanon 105/3.5


マミヤRB67はフイルムマガジンのレボルビング機構を備えた6×7版の一眼レフです。
初代は1970年、大阪万博の年に発表され、瞬く間に我が国の写真館のスタンダードになりました。
RB67 Professional:
初代のRB67です。当時世界初だったフイルムマガジンのレボルビング(回転式で縦横の切り替えが出来ます。)を備えた6×7サイズの一眼レフです。
ピント操出はボディー両側面のノブによるのラック&ピニオン方式です。操出量は46mmと大きく、127mmだけで×0.36倍、90mmでは約1/2倍まで接写が可能です。
ノブも軽合金性で後継機とは異なった印象が有ります。
レンズマウントはスピゴットマウントです。交換時はレンズがチャージされている必要が有ります。
No1シャッターなので最高速度は1/400。
右手側側面にセイコーNo1シャッターのコッキングレバーが有り、作動角75°でシャッターコッキングが完了します。
ボディーとマガジンは完全に独立していて、撮影したら巻き上げるクセを付けないと多重露光の山が築かれます。ファインダーにもフィードバックは有りませんので、装着方向を覚えていないといけません。
但し、使用されている個々の部品や蛇腹の材質はシリーズ最良だと思います。
特徴のマガジンは、撮影後巻き止めを解除してから巻き上げます。レボリングを行うにはマガジンをひねるだけけで完了します。専用のマガジンの他、マミヤプレス用のマガジンもアダプター交換で装着できます。
勿論インスタントフイルムマガジンも用意されていました。
ピールアパートタイプのインスタントフイルムをあまりムダにしない画像サイズは細部も良く見えて便利でした。
その他、ファインダフードロックもダークスライドロックも有りません。見分け方は簡単で、ボディー全面の右肩にもタイプ表記が有りません。
シンプルな構造で故障知らずです。大判カメラから乗り換えるユーザーも多かったと聞きます。そのため多重露光防止機構が無くても大丈夫だったのかなと思います。
ミラーショックもダンピングが上手く効いていてとても少なく、レンズシャッターも相まって比較的静かな一眼レフカメラです。
RB67 Professional S:
初代に
・多重露光防止機構
・マガジン方向表示(横位置のみ)
・ピントノブロック
・ダークスライドロック
・アクセサリーシュー
・ファインダーロック
・ワンタッチピントフード
等の改良を施したRB67の中心的機種です。非常にバランスのとれた名器です。永年に渡って生産されましたので少しづつ材質変更が有った様です。
正面右肩に”Pro S”と表示されていますので見分けるのは容易です。
ボディからの巻き上げ/レリーズ情報は機械的にマガジンに伝えられます。これはボディー後部からレボルビングアダプターを貫通してレリーズに応じて
ピンが瞬時に出入する事によって行われます。このため初期型では1か所だったカップリングピンが反対側にも設けられ、それぞれレリーズ情報と巻き上げ可(多重露光防止)情報が伝えられます。
(初期型のレボルビングアダプターにはこの機能が有りません。)
レボルビングアダプターは交換可能なので、初期型と併用されている方はご注意です。
(仔細な事ですが、レボルビングアダプターのマガジンとのインターフェース面の切削部パターンは初期型とは異なっています。)
ピントノブロックはノブ基部のレバーを締めます。 市場の個体にはこの機構が故障しているものが有りますので注意して下さい。
RB67 Professional SD:
レンズシャッター一眼レフとしてはもはや改良する部分が無いくらいのPro S でしたが、高度なカラーバランスやテクニカルカメラ的な要素が要求される時代となり、
また6×8サイズに対応するため。RB用のレンズがKLシリーズに刷新されることになりました。
レンズシャッターなので光学設計上の制約が大きい中、後群レンズ径の大型化に伴いレンズマウントの口径を直径で7mm広げる改修が行われました。
これに伴って、旧来の口径を持つレンズにはOリングが装着されています。(このOリングは無くても撮影に支障はありませんが装着すべきです。)
すでにRZシリーズも開発され、その技術もフィードバックされプリズムファインダー等のデザインや、フイルムバックの樹脂化も行われました。
さらに前述のレボルビングアダプターは6×8に対応するため、開口部がギリギリまで横幅方向に広げられました。
(仔細な事ですが、レボルビングアダプターのマガジンとのインターフェース面の開口部パターンがS型とは異なっています。ちょっと無理くり感も有ります。)
この機能的になったSDですが、やはり各所に材質的なコストダウンの影響も見られます。
レンズ:
RBのレンズは無印セコールからC、KLに至るまで、マミヤの総力の結集でした。
初期のレンズはカラーバランスのバラツキ、透過率の偏向等の問題が有りました。ところがKLシリーズになってその問題は払拭され、
非常に近代的で優秀なレンズになりました。(50mmと150mmは改良されませんでしたね。) 種類が多く、追々記載してきます。
アクセサリー;
RBはファインダースクリーン交換式なのを含め、多彩なアクセサリーが用意されていました。
交換ファインダーだけでも
・プリズムファインダー T、U
・拡大ファインダー
・露出計付拡大ファインダー、Cds、PD
・露出計付プリズムファインダー Cds、PD
・フレームファインダー
ご注意頂きたいのは露出計付ファインダーです。RB67はボディの電気的なI/Fはほとんど備えていません。
従って、露出計は単独の露出計をファインダーに載せてある様な構造です。
RBは自動絞りの一眼レフなので、ファインダーはレンズ開放の状態です。従って露出計には開放FNo毎に出力の補正を行わないと最適な値がとれません。
ところが初期のレンズには開放FNoが3.8のレンズが数種有ったので、露出計もその値が用意されているものが有りました。もちろん補正すれば良いのですし、
経年で数値の誤差の方が大きくなっていたりしますが、F3.5のレンズを使用する場合は少し違和感が有ります。
どの時代のRBも最高の品質を求めたカメラの一台です。頑丈でシンプルで多くの人の生活を支えてきたカメラです。
そのスタイルは好みが分れますが、ファインダーに写る像、作り出すポジの色彩は大変美しいモノです。
RBは現在最も入手し易い中判カメラの一つです。もし触れる機会が有りましたら是非一度使ってみて下さい。
中野の店舗に、10本以上の100-200ズームが並んだ時は戦慄しました。
それだけ多くの写真館で愛用されていたのでしょうね。
レンズの性能は確かで、期待を裏切られることがありません。
確かに大型に感じられますが、プリズムを付けなければ比重は大変軽いカメラで、同機能のリンホフなど金属テクニカルと較べて,モナカのように感じます。決して持ち重りがするカメラとは思いません。
明らかかにスタジオ用途を重視して作られたカメラで、コストパフォーマンスと大画面による画質の有利さで、海外でもハッセルブラッドの牙城を崩すほどの評価を得られています。
確かに拡大率からくる画面の滑らかさ、それと恐らく原版の大きさによる鉛筆修正のしやすさで、66とは確固たるメリットの差を生んでいたと思います。
節約するなら?645バックもありますしね。
ほぼ同時期に発売されたペンタックス67とは、用途が180度異なりますがよいライバル関係だったでしょう。開発時期からはコニオメガフレックスMも、同じフォーマットのライバルですが、販売実績の桁が2つ以上違うでしょうね。
645ではブロニカETRがスタジオ指向に対し、マミヤM645はフィールド指向なのが面白いです。同じ会社内で用途の棲み分けを行っていたのですね。
私が感じるマミヤRB67の美点は、非常に低ショックであること。そしてフィールドに持ち出せる程度には小型軽量であり、6x8が使えることが何よりのメリットです。
6x8は、6x9とほぼ同程度の面積効率で、印画紙を考慮するとほとんどトリミングせずに使える有り難いフォーマット。
マミヤ68電動バックは、120/220切り替えが出来て、大阪ツカモトカメラのご主人にリンホフ69用の220バックで良いものがないか相談した際に、若造だった私に懐が痛まないよう親切に勧めていただいたものです。
その後10年ほど経って、RB67プロS、65,127,250MCセットが3万円ほどで出た時に、飛び込む切っ掛けを呉れたのがそのバックでした。RBで使うなら巻き上げに連動して直ちに電動巻き上げを行うので、リンホフで手動操作するより抜群に便利です。(プロSは6x8用レボルビングバックに換装する必要あり)
そして6x8フォーマットは、35mm魚眼から360まで蹴られることなく使用可能です。
ファインダーは元々67用のものを、専用スクリーンで少し拡張して使うため、厳密には6x8長辺が短めかもしれません。でもそれを想像力で補う価値は、この高機能の軽量ボディに充分あります。
少し操作が煩雑になるものの、RBアダプターでシャッター付き大判レンズ(150mmから長焦点)も使えます。但し欠点は、マウント開口部が小さいので非純正の長焦点は蹴られる可能性があることです。
RBの素晴らしい操作性、速写性を、蹴られなしで生かす方法はないか、前板を外してリンホフボードを付けてみようかなどと考えている間に、GX680てのが出現し、またセコール360mmが手頃価格で出て、ケンコーテレプラスMC6の性能も良いので構想だけで立ち消えになりました。
写真:RB67proS, コマーシャルエクター240mm開放、160NS、6x8バック、手持ち(ミズタニRB-テヒニカボードアダプター)


その感じも良く判ります。
>私が感じるマミヤRB67の美点は、非常に低ショックであること。
私が外に持ち出すのもこれが要因ですが、作動音が低いところも美点だと思います。
ケンコーのMC6ですが、ブロニカ用でその優秀性を知りRB用も使っています。倍率をちょっと上げたいときにも有効です。
ただ撮影時はTTLファインダーが欠かせません。これが重い…。


RB67に用意されていた645バックは、ProS以降のフィルムバックに有る様な多重露光防止機構が有りません。
但し、露光済のインジケーターは有ります。
RB67のフィルムバックはボディー側のレリーズ情報はメカニカルにバック右上(I/F面側から見て。)の凹穴に伝わると(ボディからピンが突出します。)、露光済みインジケーターが赤くなります。
そうしたら巻き止めを解除(レバー操作)して巻き上げる事になります。
つまりノーネームRBとあまり操作が変わりません。
(私の645バックはあまり使わない内に動きが固くなってしまいました。)


旧型デザインのもので、グラフレックスXLやセンチュリーグラフィック、ホースマンなどと互換性があるので、ちょっと節約撮影の際に重宝しています。
ProSD用も存在しますが、645電動仕様は存在しません。
RB67proSで使った事がないので、二重露光防止がないことなど全く認識していませんでした...
ちなみに私はRB67では全部68電動バックで撮影し、手動バックを使った事がありません。多分巻き上げ忘れてしまうでしょう。


その中には露出計内蔵のファインダーも新旧数種用意されていました。古くは屋外ルーペタイプのファインダーに
Cds受光部が付いたアームを視野中に出して測光するタイプだったり、標準的なプリズムファインダー
に同じくCdsの受光部を載せたタイプが有ります。
これには新旧でプリズムの構成と受光素子をフォトセルに変えた2種(実際にはマイナーチェンジが見られる
様です。)が有ります。
私の持っているタイプは最初期の最も重いタイプで、アルミダイキャストの外装は優に小型一眼レフ1台分の
重量が有ります。
RB67はレンズの情報をファインダーに伝達する手段を持っていませんので、ファインダー自体に今FNoがど
の位のレンズが付いているのかをセットしなくてはいけません。
注意点として、このファインダーはボディーに装着しない単体の状態のままではパワーSWをONにしても作動しません。
正確にはボディーに装着する事によってI/F面に有る小さなボスが押されて初めて通電されて作動します。
店頭でのチェックの際は指でこのボスを押せば作動します。
メーター本体の大きさに比較して、とても小さな印象の有るY次型の指標にメーター指針を合わせて
適正値を得るリードアウト式です。
受光範囲は127mmレンズ装着時に約30°の視野角を平均的に測光します。
ファインダー全体で見れば概ね中央部重点測光です。
本当に古いタイプの受光素子と構造ですが、さすがにマミヤ製だけあって頑丈です。中古品購入後30年
以上経っていますが今だ現役です。


このノブに取り付ける、ソリッドタイヤの様なフォーカッシングノブアダプターが有ります。
このアダプターですが、丸い円盤にノブに被せるための凹みが有るのですが、どうも2種類ある様です。
マミヤのアクセサリーカタログを良く見ると"DSM"と"DSF"が表記されています。
先日、今まで単純な丸いタイヤだと思っていたアダプター以外に、ピントノブに装着する部分が
飛び出しているアダプターを見つけました。
ProSDの様に、ピントノブの根本に軸の回転規制が有る場合、従来の円盤タイプでは操作し辛いための改良の様です。
…でもどっちがDSF/DSMなんだろう。
追記
時々、マミヤの二眼レフ用のアダプターを何の注意書きも無く”マミヤ用”と書いて有る(書いて有るだけ親切?)事が有ります。
RBとCシリーズ用では互換性が有りませんのでご注意下さい。


・K :RB67 ProとRB67 ProS 用
・L :RB67 SD用
・K/L :RB67シリーズ全機種用
(時々マウントアダプターが付いているので外さないとProとPro S には装着できません。このアダプターはOリングで嵌っているだけなので、引っ張ると外せます。)
Lレンズには75mmのシフト("S/L" と表記されています。)と、210,250,350のAPOレンズが有ります。
基本的には"K"一文字のレンズは無かったと思います(未確認です。)
K/Lレンズでも性能の割には比較的安価で入手可能なのですが、140mmのマクロレンズと、
360mmのF6.0(Sekor C まではF6.3でした。)はレアと云うほどでは有りませんが、見つけ辛いです。
ちなみに、350mm前後のレンズでは、L APOレンズは350mmなのに、他のレンズは360mmなのです。


1群2枚の単玉レンズ。
ペンタックス67に専用ヘリコイドで供給されたのでご存じの方も多いでしょう。
RB67用は、純正かどうか微妙な所ですが、Zork(ゾーゲンドルフという表記もあるよう)が鏡胴を製作し、レンズヘッドはペンタックス用のヘッドとおなじもののようです。
RBはボディに蛇腹ラックピニオンの繰り出し装置を内蔵していますので、鏡胴はただの筒です。
ただしRBはレンズにシャッターが必要なので、純正180mmレンズの鏡胴からレンズエレメントを外して、かわりにイマゴン鏡胴を前にネジ込んであります。つまりビハインドシャッターです。焦点距離200mmの狭画角ですから蹴られはないようです。
絞りは虹彩絞りではなく、レンズ前部にレンコン状の絞りを取り付けるようになっていますが、購入時は失われており(だから安価だった)、10年以上探していますが、入手できません。
レンコン絞りの一番明るい分を付けるとH5.5(運用上Fと同じ)ですが、絞りがないのでf3.5くらいの明るさで、人物を撮影するにはふわふわすぎます。
花を撮影するならここまでふわふわでも、まあ使える絵になることもありますね。
カノコユリ、めしべの右側にスズメガがホバリング吸蜜してますが、ソフトすぎて曖昧ですね。
RB67proS、中間リング、Imagon200mm、Pro160、6x8電動ホルダー


ダブルレリーズで本体はバルブでしょうか。チャンスをつかむのが難しそうです。
RB67にも150mmのソフトレンズが用意されていましたね。RZには180mmでした。
RBの150mmを久しぶりに使ってみようかと思いました。


リンホフテヒニカボードアダプターでは、ボディとシャッターは独立していますので、
1,レンズ側プレス開放(またはタイム)して焦点合わせ、カメラ固定
2,レンズ絞り込み
3,レンズのシャッター閉、チャージ
4,RB67レリーズ、ホールドして遮光板が降りないように
5,レンズシャッターレリーズ
6,RB67レリーズオフ、遮光板閉
7,RB67チャージ、
1に戻る という、まあ気が滅入るような作業が必要です。
このイマゴン200は、初期RB用セコール180のシャッター鏡胴を流用し、シャッター作動は純正レンズと同じくボディ連動しており便利です。
でないと、手持ちで飛行する蛾を捉えることは到底できません。
レンズ側虹彩絞りを作動させることも可能ですが、ビハインドなので常に開放で使用しないと蹴られてしまいます。


6x6用の30mmf3.5でよい感触を得ました。
ただ建築など風景はフォーマットが大きければ大きいほど精細描写が得られますから、
ペンタックス67用の35mmf3.5と、このマミヤセコール37mmf4.5を検討しました。
幸い2000-2010年前後は中判カメラ投げ売り時代、現役時代の超高級機が嘘のような価格で並んでいます。
セコールフィッシュアイ はペンタックスより少し焦点距離が長い37mm、包括角度は同じ180度を標榜しています。
基本的に6x7用なのですが、RB67proSD用の6x8電動ホルダーを使うと、6x8フォーマットの隅までカバーしていることがわかりました。
これより大きなフォーマット用の魚眼レンズは、知る限りありません。(コンバーターをつける手はありますが)
性能は、画面隅々まで解像しており優秀です。
暗い室内を撮影するため、6x6用30mmより一絞り暗いのはデメリットで、高感度フィルムでカバーするにしても、画質を落とすことになるためせっかくの大フォーマットの効果が相殺され悩ましいところです。
さて今RB67と37mmをもって旅行に出るかを考えると、6x6との競合に加えて優秀な高画素デジタルとの競合を迫られます。対抗機は感度可変でフィルムでは及ばない感度が出せます。悩ましいことです。


一時期、やはりフルサイズのDSLRを持って出かけていたのですが、帰ってから落ち着くとやはり中判を
持っていけば良かったと思う事が何度もありました。数は撮れないし、重量は重いし、なんでかなぁとは思いました。
中判カメラの魚眼レンズはとても高価でしたね。一時期おっしゃる通り価格は下がりましたが
それでも手が出ませんでした。


Polaroid 600SE
製造:マミヤ光学
製造年:1970-90(?) 参考:マミヤユニバーサルプレス(1969)
形式:ポラロイドType 100判(3.25x4.25in:72x93mm) 距離計連動,ブローニーフィルムバックアダプタ(マミヤプレス用)あり。
標準レンズ:Mamiya 127mm f4.7 (Sekorの名称はつかない)
交換レンズ:Mamiya 75mm f5.6, Mamiya 150mm f5.6
シャッター:Seiko #0 1/500-1,B
サイズ重量:(127mm,ポラロイドホルダーつき)2.2kg,ボディ1.3kg,ポラホルダー400g,127mm500g,75mm600g
ポラロイド社のインスタント写真撮影機材の中で最高峰といわれる距離計連動レンズ交換式カメラ。
1960年にマミヤプレスが発売され、発展し1969年にポラロイドタイプ100フルフォーマットが使えるユニバーサルプレスが発売された。
ほぼ同時に、それを基本にしてポラロイド社から専用カメラとして登場したのがポラロイド600SEである。
SEは上記三本のレンズを交換できるが、海外では127mmレンズが固定されたポラロイド600も販売された。


ただし、視野はマミヤプレス用のピントグラスフードで後方から確認する必要がある。


ここでロールホルダー用ピントグラス(左)とは違って,ポラホルダーと交換するためフード側ではなくバック側にピントグラスが固定されている。


ユニバーサルプレスとの違いを説明するとわかりやすい。
マウントはマミヤプレスマウントより大径で、ポラロイド判を余裕でカバーする。ユニバーサルプレスのような基部リング締め付けスピゴットではなく一般的バヨネットで回転して取り付ける。
海外には近接専用ながら4x5が使えるアダプタもあるらしい。


ユニバーサルプレスがちょうど手元になく、スーパー23(クローム,右側)と並べてわかるようにボディの厚みがポラロイド600SE(左側)のほうが1cmほど大きい。つまりレンズのフランジバックがプレスより長い。


その中でポラロイド対応イメージサークルをもち、ユニバーサルプレス発売時に追加されたPマークの127mm、75mmと、元からイメージサークルをカバーする150mmの三本がマウントを600SE用に変更して供給された。
フランジバックが長いため、75mmはレンズ後玉がボディ側に入り込み、後レンズキャップがプレスと共用できない。127と150は共用可能。
マウントとボディ内部が広く、距離計アームと干渉しないため、広角75mm後玉の切り欠きがなくなった。
画像:左ポラロイド600SE用,右マミヤプレス用


これらはスピードグラフィックに装備されたレンズと同スペックで、おそらく絞れば4x5をカバーできると考えられる。
75mmはスーパーアンギュロン型の贅沢な構成で、同スペックの大判レンズを考えても余裕で4x5をカバーできるはずで、実際トヨフィールド45にあてがうと、127と75は開放から4x5をギリギリカバーしていた。150は非常に珍しいので所持していない。
75mm正面の銘板は、ポラロイド用はセコール表記がない。


Welta Perfekta
製造:Welta Kamrawerk
製造年:1934-39
形式:6x6 二眼レフ,クラップ型フォールディング 120フィルム12枚撮り
ビューレンズ:Weltascope 7,5cm f3,8
テイキングレンズ:Xenar 7,5cm f3,8
シャッター:Compur Rapid 1/500-1,B, T
サイズ重量:160x60x63mm, 920g
折りたたみTLRとして有名な機種。
戦前中級のフォールディングカメラを多く供給していたウエルタカメラヴェルク製,(ナースマン様のウエルチニのスレッドをご参照ください)
フォーカシングスクリーン部分の前後長があるため最大幅9cmから6xmと全体としてそれほど薄く畳めるわけではありませんが、ボディの大部分はかなり薄くなります。
ミラーも同時に畳み込まれ、スクリーンも1cmほど前進して、大幅ではないものの収納に寄与しています。
正立位置では強固なXトラス構造で、2つのレンズの平行性や焦点面の精度は優秀です。
興味深いことに、ビューレンズはほとんどがWelta自家ブランドのWeltascope 7x5cm f3.8で、f3,5のトリオプランと組み合わされているものもあり、焦点精度上問題jはないのかと思いますが、一部はビューレンズにもTrioplan 7,5cm f3,5が奢られている個体があり、ファインダーの見えにも影響するのではないかと思われます。
ファインダーレンズをf3.8に抑えたのは、ローライがテイキングレンズよりも明るいファインダーレンズを使う特許を押さえていたためだと考えられますが、一度画像で見たことがあるテッサーf4,5つきのファインダーはf3,8だったので、それはいいのか?と思いました。まあファインダーレンズがf4,5:というカメラはまた見たことがありませんが。


チャージは手動、レリーズも直接シャッターのレバーを押します。
折りたたみのため、フィルムホルダーとシャッター周りに何も連携はなく、二重露出防止もありません。
絞り値表示はテイキングレンズの先端にあります。
またシャッター速度はシャッター外周、上から見ることができます。
フォーカシングは左手側のヘリコイドノブを120度ほど回転させます。最短は1.5mと、フォールディングカメラとしては標準的ですがTLRではかなり遠い部類。近接撮影アクセサリは見たことがありません。
距離指標は、Perfekta銘板のところに上から見るようになっていて、フィルムカウンター窓も上にあるため撮影情報は上からすべて確認できます。


巻き上げは6x9窓に1を出し、カウンターセット後は6cmずつ進み、12枚取り切るとカウンターリセットされます。(カウンターダイヤルA空送り;Eカウント開始)
フィルム給走側直後にローラーがあり、フィルム進行を検知しカウンターを回します。
私の個体はこのカウンター/巻き止め歯車部品が取り除かれており、ジャンクでした。
ローライスタンダード初期型は120フィルムで1を出すための6x9用赤窓に加えて、116フィルム用の6x6窓があるため現代の120フィルムなら赤窓でフィルム送りができますが、ペルフェクタは120専用で116フィルムを考慮していないため、6x9窓しかありません。
裏紙印刷ナンバーを確認してみましたところ、そのまま赤窓で12枚撮影することは不可能とわかりましたので、裏紙に6x6用ナンバーを書き直して12枚撮影可能にしましたが、いちいち巻き替える必要があるのでちょっと手間です。


さらに、巻き上げ側がミラーを避けるためすこし背面に湾曲しており、優秀な平面性で有名なマミヤプレス用フィルムホルダとはからずも似た形状で、期待できそうです。


シャッターは変にリンクを介さず直接操作するため軽くレリーズでき、故障も少ないと思いますが、チャージレバーの位置がビューレンズに近いため指が邪魔され、丁寧に押し込まないと失敗しそうです。


畳む時はレンズボード両側の2つの銀ボタンで前板を押し込みます。シャッターチャージ前後、フィルム巻き上げ前後関係なく操作できます。


隙間を手で覆ってもさほど改善しないのは、元々暗いスクリーン、反射率が落ちたミラー、閉鎖されないルーペという、戦前TLRに共通する弱点をもっているからでしょう。
特に周辺像が確認しづらい場合があります。全く使えないというほどでもないので、取り合えず楽しんでみます。
さて戦後ラインメタル社から同名のPerfektaというベークライト簡易135カメラが出ています。検索で混同するかと思ったら、そっちはほぼ検索に掛かりません.




f8,1/100
イルフォードパンF+、EI50、D76(1:0)25度5分、
開放からf8くらいまで画面下1/3くらいが甘い、アウトフォーカスのよう。開放では上1/6くらいも少し甘いのはレンズの収差だと思いますが下は平行がとれていないかもしれません。f8では24インチモニタで見てようやく甘さを指摘できる程度に改善する(多分被写界深度で)ので、まあf11から16で撮影すれば問題ないでしょう。
戦前ノンコートレンズですから、逆光では盛大なフレアと、角度によりゴーストが出ます。でも多少コントラストが残っていて表現にもつかえる程度でしょうか。
順光では、クラシックとしては普通のコントラストです。
それと赤窓からの漏光が画面左上隅に出るコマがあり、まめに窓を閉じるか、赤窓に光を当てないよう注意すべきです。
これはテストでわざと厳しい条件でしたから、今後はクラシックを使うにあたって常識的な注意をします。
本来は1を出したら赤窓は蓋をするので、完動品なら問題にはならないでしょう。
本気の撮影には少し考えものですが、操作が楽しいカメラですので欠点をカバーするように使っていきたいと思います。

