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フジフィルム GF670

フジフィルム GF670

形式 6x7cm スプリングカメラ、6x6cmに切り替え可能
会社 フジフィルム
発売 2009年4月-2017年12月、クロームと遅れて発売のブラックがある。海外Voigdlanderブランドは黒のみ。
レンズ EBC Fujinon 80mm f3.5 (4群6枚)
シャッター AE, 1/500-1, B,電子制御、(開放,f4まで最高速1/250.f5.6〜1/500)
フィルム 120,220,スタートマーク式 右手軍艦部ノブ巻き上げ
一眼式距離計連動ファインダー。パララックス自動補正採光式ブライトフレーム、最短撮影距離0.9m
重量:1kg

長所:
1,フォールディングでコンパクトになる。
2,セミオートマット、セルフコッキング、絞り優先AE、距離計連動と、現代の使い勝手。
3,極めて高性能のフジノン80mm3.5、蛇腹の効果もあり逆光に強い。
4.ライカMに匹敵するRF中判屈指の高精度ファインダー。
短所:
1,67スプリングにしては若干大柄。
2,電源CR2x1は、国産の十分に電圧が残っているものでないと動作しない。
3,レバーではなくノブ巻き上げなので6x7を巻くのに回転量が多く速写性がない。
4,シャッター音が極めて小さいのはよいが喧騒の中でシャッターが切れたかどうかわからない。
5,f2.8はほしかった。

コシナと共同開発、おそらく唯一の絞り優先AE蛇腹フォールディングカメラ(シャッター優先AEはスーパーコダック620がある)。ファインダーはベッサRの設計を元にしていると思われる。試作と欧州向け製品はVoigdlander Bessa 667,またはBessa III名であるとおり、デザイン、操作系は往年のBessa IIのオマージュ色が濃い。

れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:16 No.2560 [返信]
Re: フジフィルム GF670
フジノン80mmf3.5はこのスペックにしては贅沢な6枚ガウス型を採用しており、性能については文句のつけようがない。フォーカシングはヘリコイドによる全群繰り出しで、ここはBessa IIではなく前モデルのGS645の方式を踏襲している。80mmと、6x7では準広角を採用しているのは6x6にダウンサイズすることも考慮しているからだが、後発の55mmを装備したGF670Wと組むことを考えると、もう少し長い焦点距離か、Wレンズのほうをさらに広角にしてもよかったのではないか。
私はBessa IIをベルトポーチに入れて大判のサブに持参するが、GF670はファインダーが豪華な分ボディサイズが大きく、ベルトポーチに入らない。逆にBessa IIは本体にストラップが付けられないがGFは縦吊りストラップがあるので提げておいてもいいのだが。さらにGFは自動巻止めセルフコッキング、AE(シャッター半押しでAFロック)と全く撮影に気を使わないので、メインカメラとしてだけでなくサブとしても優秀。ただしフォーマットが6x9ではないので、Bessa IIの出番がなくなるわけではない。
電池は持つ方だが、電圧が落ちたり、安売り海外製CR2では作動しない事があるので、常に国産新品電池を予備に携帯しておくべき。
フジフィルムがGA, GXシリーズで採用したリーダーペーパー上のバーコードによるISO感度とフィルム120/220自動セット機能は搭載されていないのは残念だ。
GF670には接写キットは用意されなかった。

れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:18 No.2561
フジフィルム GF670W
フジフィルム GF670W

形式 6x7cm レンズ固定、6x6cmに切り替え可能
会社 フジフィルム
発売 2011年9月-2015年5月 クロームのみ
レンズ EBC Fujinon 55mm f4.5 (8群10枚)
シャッター AE, 1/500-1, B,電子制御、(f値による制限なし)
フィルム 120,220,スタートマーク式 右手軍艦部ノブ巻き上げ
一眼式距離計連動ファインダー。パララックス自動補正採光式ブライトフレーム、最短撮影距離0.7m
重量:1.1kg

長所:
1,6x7cm判のワイドカメラとしてはコンパクト。
2,セミオートマット、セルフコッキング、絞り優先AE、距離計連動と、現代の使い勝手。
3,極めて高性能のフジノン55mm4.5。
4.ライカMに匹敵するRF中判屈指の高精度ファインダー。
短所:
1,フォールディングカメラではなくなった。
2,電源CR2x1は、国産の十分に電圧が残っているものでないと動作しない。
3,レバーではなくノブ巻き上げなので6x7を巻くのに回転量が多く速写性がない。
4,レンズ固定にするならf3.5はほしかった。
5,個人的にはもう少し広角のほうが好み。

GF670に遅れること2年で登場したワイドカメラ。レンズ固定になった。

れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:19 No.2562
Re: フジフィルム GF670W
同年代ライバルはマミヤ7、ペンタックス67II、フジGSW690あたりだが、旧モデルMakina670Wとは完全に競合し、さらにHorseman SWやクラシックのVeriwide,、Graflex XLSW、Cambo Wide,LinhofのBiogon53mm装備機とも競合する。
レンズスペックは上記のワイドカメラとおおむね共通して、開放f値が特に暗すぎることはない。個人的に90年代-2000年代にかけては低感度フィルムにこだわっていて、少し曇ると開放f値が暗いレンズはシャッター速度が手持ち限界を下回って、携帯重視のフィールドカメラとしては使い勝手が悪いと感じていたが、最近は高感度モノクロ主体なので、思うように絞り込めてストレスを感じない。
設計の進歩でスペックは変わらなくても、往年の有名超広角や一眼レフレンズと比べて著しく小型になっていて、特に同時代のマミヤ7の広角系と比べても小型なのは印象的だが、マミヤ7は交換レンズなので、それほど小型化に拘らなかったのかもしれない。性能も最高クラス。 特に往年の超広角は開放付近で周辺光量低下が大きく,絞り込み前提と感じるが、このフジノンは開放から十分活用できる。
距離計連動0.7m範囲外にも繰り出せればよかったと思うが、この辺はメーカーの姿勢によるだろう。
デジタルが隆盛の時代で生産期間が短く、あまり市場で見かけないのが一番残念。

れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:20 No.2563
Re: フジフィルム GF670
GF670Wは2010年ごろ、皆がデジ高級機に群がりフィルムカメラの人気が落ちてきて、手頃な出物があった時、ディスコンになって値上がりするのが見えるようでしたので、抑えていました。店主もなかなか売れなかったのか、だいぶおまけしてもらいました。
大変高性能でしたが、メカニカルカメラのほうが使っていて楽しい(贅沢ですね)のでついベンチを温めることが多くなっていました。

GF670については、正直6x7フォーマットはあまり好みではなく、後回しにしていたところ、予想通り、ちょっと手が届かないレベルに値上がりし、指を咥えていましたが、2年前知人からオファーを受け、逡巡しながら常識的価格だったので蛇腹GF670を引き取りました。
先達の皆様が絶賛される通り、写りについては全く文句がありません。安心してどの光線状態にも対応できます。
最近モノクロ自家現像が主体になり、これらの機種が得意とするカラー写真とはずれてる気もしますが、沢山連れ出しています。高精度AEを備え、220も対応できるので、家の冷凍ストックRDPを消費してもいいかもしれません。

今年別の友人からいくつか中判を放出すると聞いて、小遣いでやりくりできる価格にしていただいたマキナ67を引き取るなど節操がありませんが、中判に囲まれて幸せです。
れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:37 No.2564
Re: フジフィルム GF670
れんずまにあ様
垂涎の機種、しかもワイドもお揃いで羨ましい限りです。お話によればマキナ6×7も。
中判ファンとしては、ときめくお話です。先日、日暮里のお店にGF670の極上品の売物がこなれた価格で出て、逡巡していたところ、あっという間に売約。まだ悔しく思っています。欧州版もものすごい価格ですね。
ベッサU,スーパーイコンタ6×9もレーダー探知していますが未だ入手出来ません。
追加の作例も宜しかったらお願いしたく思っています。
ブローニーフィルムっていいですね。よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/08/25(Sun) 02:03 No.2582
Re: フジフィルム GF670
フィルム大好き様、ご評価誠にありがとうございます。
この機種は、フィルム機としては最も後発の部類だけに、言うまでもなく文句のつけようがない性能なのはみなさまご承知です。
現在の中古価格がいささか非現実的なので、今から手に入れるのはハードルが高いですが、これから値崩れするかもしれませんので気長に構えるしかないかと思います。
もっとも優れた特徴は、やはり携帯性でしょう。2台持ってもテヒニカ70より軽量で、旅行に携えても良いと思えるくらいです。
最近は、モノクロームフィルムを積めることが多くなり、フジが本領を発揮するカラーの画像はわずかで恐縮です。

五百羅漢.フジフィルムGF670W, フジカラー160NS, AE

れんずまにあ 2024/08/31(Sat) 16:57 No.2585
Re: フジフィルム GF670
れんずまにあ様
早速に作例をご投稿いただきありがとうございました。
いやー、参りますね。軽快にしかもAEで気軽に捌いてこのクオリティ。
熱い状態で捜索行動しますと、出費が嵩むのは目に見えていますので
、表面つら、冷静を保ったまま時間をかけて探してみるつもりです。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/09/01(Sun) 12:54 No.2589
リンホフ テヒニカ70

Linhof Technica 70

1962-79年製造
6x7cm判、主にブローニーフィルムを使用する合金製テクニカルカメラ。距離計連動1眼式ビューファインダー、セレン単独露出計つき。
重量2230g(ボディのみ)

日本国内価格:351000円(70年,ボディのみ),398000円(73年,ボディのみ)(エキスパート70は253000円)
ムーブメント:フロント光軸ティルト上下それぞれ15度、シフト左右25mm、ライズ(ギア)32mm、フォール(15度ドロップベッド併用)34mm、スイングなし、後部スイング/ティルト15度(引き出しロッド長20mm)、
フォーカシング:ラックアンドピニオン(ブレーキあり)、レール二段伸ばし、ベローズ延長310mm
基本構造、レンズボード、回転カムなどアクセサリーはスーパーテヒニカ23Vと共通。

画像:ベッド収納状態の全体像、入射光アダプタ、アナトミカルグリップつき。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:17 No.1574 [返信]
ファインダー
ファインダー:採光式ブライトフレーム等倍、実像式距離計連動。広角標準は4ft(1.2m)まで、望遠180mmは6.5ft(2m)までパララックス自動補正しながら距離計連動する。基線長は93.5mmと、中判RF機では最も長いものの一つであり、焦点距離240mmレンズを中距離まで連動できる精度がある。また無限遠と600ft(180m)の距離の違いを識別できる。
参考:*https://www.shutterbug.com/content/classic-camerasbrthe-linhof-technika-70

画像:ファインダーとフレーム切替 広角・標準枠は常時表示、望遠枠を出すか消すかをダイヤルで切り替える。ダイヤル下方に距離表示。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:20 No.1575
ファインダーフレーム
ファインダーフレームは交換レンズにあわせてタイプ1:65/100/180、タイプ2:53/80/180、タイプ3:53/100/180 があり、購入時に選択し、少なくとも現在においては変更できない。
広角・標準が常時表示され、後部ダイヤルで180枠を追加する。このファインダーはライツ製という話を聞く。実際見え味はM3に匹敵する。
さらにヘリコイドレンズ交換のプレス70はフレーム自動切替であり完全にライカMの機能を備えている。(訂正:2022年に改めてプレス70の実機を確認したら、テヒニカ70と同じく53/80と+180の手動ダイヤル切り替えでした。大昔の店舗で見た記憶だけでしたのでお詫びします。)

追記:ファインダー視野上端中央に上下の三角指標が見えます。これは水準器で、指標を合致させるとローリングとヨーイング両方で水平になります。外部からは水準器は見えません。ただし縦位置(テヒニカ70を普通に保持した時)専用で、カメラを横倒しにすると水準を取ることはできません。

画像:180mm枠を表示したタイプ1ファインダー 中央の距離計は枠が縦位置のとき左右に像が動く。ライカMと同じく実像式で上下像合致も可能。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:21 No.1576
内蔵露出計
向かって右の距離計窓周囲にゴッセンのセレン露出計が配置され、左のファインダー窓とデザイン上のバランスを取っている。同時期の他社カメラにも見られるように、入射光測定用のカバーが装着出来、カバーを外せば一般的な反射光測定になる。測定値は軍艦部上面のメーター窓周辺のダイヤルで追針しシャッター速度と絞りの組み合わせを読み取る。

画像:ボディ上面にある露出計表示部

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:22 No.1577
日本での価格
1970年5月「フォトアート特集大型カメラ70台」によると、ハッセルブラッドを輸入していたシュリロ貿易が代理店であった。

リンホフのプレスカメラは、スーパーテヒニカV4x5、5x7、テヒニカ5x7、リンホフ・テヒニカ70、エキスパート70、リンホフ・プレス70、エアロプレステヒニカ70、エアロテヒニカ4x5が紹介されていた。エキスパートとは、テヒニカ70の露出計・距離計ファインダーを省略したホースマンVHのような軽量化機種である。
日本国内価格:351000円(70年,ボディのみ)(エキスパート70は253000円)

1973年「フォトアート特集大型・中型カメラの選び方使い方」では、エキスパートが消えたかわりにスーパーテヒニカV23が導入された。プレスとエアロテヒニカは明確に6x7と記載があるが、テヒニカ70は6.5x9とされている。
日本国内価格:398000円(73年,ボディのみ)

1979年に70は終了し、以後はリンホフの中判テクニカルカメラはスーパーテヒニカV23単独になった。

ところが、ウェブ画像検索すると、エキスパート70とスーパーテヒニカVが同じ説明書に掲載されているものがある。
そこでは、Super Technika V(大書されこちらがメイン)連動距離計つき、Expert 70(小さめ)距離計なし、となっている。
日本への供給が止まっても、ある程度Vと併売された(売れ残り?)と見える。

Expert 70は英語圏向けの名称で、ドイツ語圏は「Studienkamera 70」研究/調査カメラという呼称のようだ。

画像:エキスパート70(フォトアート1970,5月より)

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:25 No.1578
アオリ機構について。他機種との比較
大型のアナトミカルグリップが装着でき、距離計連動手持ち撮影を重視しているが、カメラ固定しフォーカシングスクリーンを使ってパースペクティブコントロールや、超近接(100mmで3倍まで)、レボルビング縦横切替撮影ができる万能性を併せ持っている。

それに対して距離計連動撮影に特化したプレス70は、上記のようにボディクランクによるフィルム巻き上げ連動セルフコッキングという、35mmカメラ並の操作自動化がなされたかわりに、プレス専用スーパーローレックスとボディの間にギアカップリングがあり、レボルビングとバックアオリはできない。フォーカシングはヘリコイドなので最短撮影距離が遠く、テヒニカ70のような万能性はない。(フォーカシングスクリーンバックは縦位置装着可能でバルブ開放下で焦点合わせできる。)

アオリ操作は後のスーパーテヒニカ23Vと共通で、IVと較べ左右のスライド追加、及びティルト軸がベースからボード中心に変更され、後傾に加え前傾もできる。ただし23Vまでフロントスイングは付かなかった。またベッドダウンを併用しなければフォールができない(これはテクニカル全般がそうであろう)。いずれにせよフロントムーブメントは十分すぎるほど充実しており、特にもっとも頻用するライズはギアで微調整が効く。

余談ながらホースマンは985以後フロントスイングを装備したが、985はレボルビングできない。それに対して、元からレボルビング可能なリンホフはカメラを横倒ししティルトすればスイングと同じになるから敢えて装備しなかったと考えられる。ホースマンはVH以後レボルビングできるようになったが、スイングはそのまま継承された。
バックアオリは4隅のロックノブを緩めてロッドを引き出す方式で、ホースマンやマミヤプレス23に模倣された馴染みがある形式である。ただしマミヤプレスはロックが華奢で、シートホルダーはともかく重いロールホルダーでは実用性が低いが、リンホフはノブを締めるとビクともせず、最も重量級のスーパーローレックスでも構図がずれることはない。

リンホフ70はスーパーテヒニカ23Vに準じる、(唯一ライズ時は上面フラップがないためライズ量が制限される)最高レベルのアオリ機能を持っている。
ただしテクニカルカメラである限界で、ビューカメラの簡単明快なアオリ作業と較べると、操作に癖があり、熟練と洞察が必要である。それは我々アマチュアにとって使いこなす楽しみでもあるが、煩雑であることは否定できない。
しかしリンホフカラー45という、前後のアオリが全くマスターテヒニカ45と同じ操作系をもつモノレールビューカメラが存在しており、積極的にテヒニカの操作系を好む層もあったと考えられる。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:27 No.1579
交換レンズ1
交換レンズラインは、機種別画像掲示板 リンホフテヒニカ23(6x9)狸おやじ様の純正レンズ一覧表を参照ください。

私は自分で経験したレンズ寸評をします。単体レンズは他機種での経験も含みます。

標準
80mmはプラナーf2.8がラインアップされました。開放から6x7をカバー、f11から6x9を十分カバーします。おそらくRolleiflexに装備されたものと同じではないかと思いますが、6x7では準広角、絞れば6x9の広角として使用出来る、明るく信頼できる優秀レンズです。グラフレックスXLにはヘリゴン80/2.8がありますが、リンホフにも供給されたのでしょうか?
100mmクラスは、105/3.5テッサー、105/4.5アポランサー、100/2.8プラナー、100/2.8クセノターと、少数の90/2.8、90/3.2ヘリゴン、100/4クセノターがあります。V型ボード付きジンマーS100/5.6もありますが23V時代でしょう。
100mmは開放から6x9をカバーし、何れも優秀です。90は基本6x7用で絞れば69をカバーするとされていますが、開放でも69カバーするのではないか?と思っています。また100/4クセノターは実焦点距離が95mmで67用とされ、存在意義がよくわからないレンズです。
この中では最高画質はジンマー、明るい開放から実用的ピントをご希望ならプラナーとクセノターf2.8がお勧めでしょう。
アポランサーはトリプレット発展3群5枚なのでイメージサークルは狭いのですが、画質はジンマーに匹敵します。また開放が暗めで元々製版レンズだっただけに近接は得意です。私はボケはあまり気にしないのですが、構成上良いボケは期待できないかもしれません。
テッサーは他機種の経験で、写りは及第点ですがアポランサーほどシャープでなく、イメージサークルが狭いので、わざわざテクニカルカメラで使うには不満が出るかも。
ヘリゴン2.8はリンホフでは経験ありませんが、多分グラフレックスXLの95mmと実焦点距離は同じかと思います。XLでポジ撮影した時は非常に良い印象でしたが、ぺんこたん様がリンホフ23IVで試され周辺画質が不満足であったそうです。
ジンマーは前玉外しで176mmf11になる元祖ジンマーと、二焦点ではないジンマーSがありますが、元祖はリンホフでは経験ありません。6x9範囲では100mmとしては非常に高性能で、現代に通じる規範となる画質です。ジンマーSは周辺の非点収差を改善したとされ、ディスプレースメントの自由度が拡大したと考えられます。

画像:前列左からXenotar100/4、Xenotar100/2.8、Symmer-S100/5.6、後列左からSuper-Angulon 65/8、Tele-Arton180/5.5、Apo-Lanther105/5.6

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:29 No.1580
交換レンズ2
95-100mmf2.8クラスが別ボディながら4機種揃いましたので全比較しました。

私が高く評価するマミヤプレス用セコール100mmf2.8は、海外ブランドに伍して今回も良好な結果でした。

100mmf2.8のプラナーとクセノターは、どちらも無限遠では開放から全画面優秀、少し絞ると画質が締まります。近接1mではクセノターのほうが像面湾曲が強く、周辺は焦点面が手前側に倒れています。6枚玉に匹敵する5枚玉といえど、1枚落ちで大口径と近接収差の両立は難しかったのかも。プラナーは1mでの像面湾曲は多少ましで、さすが構成が1枚多く平坦を売りにしているだけのことはあります。

こちらに画像を出していませんが、クセノター100mmf4は、f2.8ほど近接で像面湾曲は見られません。無限遠画質は同絞りのf2.8と同レベル、近接もマクロと言えるほど突出して尖鋭でなく、さりとてイメージサークルが特に広いわけではない。このように存在意義を疑っていましたが、像面含めバランスがよい所にメリットがあるのかもしれません。

ヘリゴン95/2.8(グラフレックスXL)は開放から四隅まで非常に端正で、やはり私の個体は当たりだったと再確認しました。

画像:左上Sekor 100/2.8(Mamiya Press)、左下Heligon 95/2.8(Graflex XLS)、右上Planar 100/2.8(Century Grafic)、右下Xenotar 100/2.8(Linhof Techinica70)

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:30 No.1581
交換レンズ3
広角
45mmf4.5Biogonを海外サイトで見掛けますが現物を見たことはありません。恐ろしく少数なのでしょう。6x7用とされています。
47mmが使えるのを、前の一覧で初めて知りました。大変興味深いです。ネット通販で、テヒニカ23レンズボードにヘリコイドを内蔵した47/8を見たことがあり、あるいはそれを使うのでしょうか。いずれにせよSuperangulon(SA)47mmはf8,f5.6,MCf5.6共に大変素晴らしく良く写るレンズです。その中でMCは鮮やかで明快、f8は超小型軽量で、中心は開放から超繊細、周辺はf16より絞ると6x9周辺画質がかなり向上します。ところで47mmフランジ位置はボディ内部に沈み込むためアオリはほぼ不可能。ベッド写り込みも懸念され、縦位置可能なのか疑念があります。ファインダーも外付け(縦位置困難)となり、リンホフ70で使うメリットを感じられません。47mm以下は単能の広角専用機のほうが機能的ではないかと思っています。ただ、何しろ重いシステムですから他にもう一台はきついので、鞄に一本放り込んでおけば活躍するかもしれません。
53mmクラスは絶品であるBiogonf4.5と、SuperAngulonf4があります。友人がSAを持っていますが、かれはBiogonのほうが好みのよう。ただBiogonは大変大きく重く、SAは細身です。グラフレックスXL改造品のBiogonで、後玉スリーブの4突起の角度が悪く6x9端が蹴られたことがあり、スリーブを回転させ突起位置を調整し解決しました。ご注意を。リンホフ70でベッドダウンが必要かどうかは存じません。ネット画像ではテヒニカIV装着でドロップベッドしていないようですが、巨大で前玉が出ているのでベッドでけられないのでしょうか。
58mmGrandagonf5.6もラインにあるようですが、58mm用ファインダー視野枠はありません。グラフレックスXLの経験ではたいへん優れた広角です。
65mmはSuperangulonf8とf5.6です。47mmf8では6x9の周辺画質が若干甘く感じることがありますが、65mmは4x5をカバーできるイメージサークルの中央を使うため、開放から6x7-6x9全画面にわたって高画質です。余談ですが、リンホフ4x5ボードに65/8とヘリコイドが組み込まれたものも存在します。後にシュナイダーが供給したヘリコイドと違ってボードから突出しない薄型で、広角用フォーカシングデバイスを必要としない優れものでしたが、一般的ではなさそうで残念です。またIII-IV廉価版セット(Tessar100/3.5、Angulon65/6.8、Tele-Xenar180/5.5)に含まれる広角アンギュロン65mmf6.8もあり得ますが、III-IV型凹ボードセットのみでV型ボード組は未見です。

65/8は開放から画面隅々まですばらしい解像とコントラストで、暗いけれど十分実用的です。

画像:スーパーアンギュロン65mmf8 ベッドダウン、前板アップティルトしています。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:33 No.1582
交換レンズ4
望遠は,180mmが主流です。
私の70付属はテレアートンf5.5でした。ボードに隠れる後玉は大きいのですが、シャッターより前は標準並みに小型。Tele-Artonはf4.5も存在しゾナーなみの巨大な前玉ですが未経験です。
他にコンパクトな望遠は、ロテラーf5.5、テロマーf5.5いずれも端正な画質で信頼できます。
またIII-IV時代から最高級セットにはゾナーf4.8が組み合わされていました。ビオゴン53と違ってゾナーはグラフレックスXLにも供給されたため数が多く、価格的にこなれています。

個人的にはゾナーとテロマーが最もシャープ、ロテラーは柔らかく諧調にすぐれ、テレアートンは中庸で端正です。
III-IVの廉価セットにはテレクセナーf5.5が組まれていました。Tele-Xenar180は3本試して良くないものもありましたが、最近入手した1本は良好で、本来はよく写るはずです。イメージサークルが上記4機種に較べ狭い(35° vs 41°)分安価で、サイズが小型なのはメリットです。

1980年代には中判テクニカル用テレタイプが絶滅したため、23V用望遠にはジンマーS180/5.6が供給されていました。リンホフは前述のようにレールが二段伸ばしで伸長に余裕があるため、対称型長焦点でも実用的な距離まで焦点が合うのが利点です。

240mmまで距離計連動可能ですが、1つのディスクカムには3焦点距離しか対応できないので、240には別ディスクを用意するか、広角,標準,中望遠のどれかのかわりに240対応するしかありません。私は未経験です。
距離計連動しないでよい場合は、レール伸長が310mmありますから、対称型300mm、テレタイプ400mm程度まで無限遠が出るでしょう。後玉径62mm以下、シャッター最大径80mm以下なら装着可能です。
リンホフはレールが二段のため1段のホースマンやグラフィックより長焦点に強く、応用範囲が広くなります。

画像:テレアートン180/5.5

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:36 No.1583
ピントグラスバック
70シリーズの特徴は、ファインダーが縦位置専用であることです。フィルムホルダーを縦位置装着しないと大変な目に。レンジファインダー撮影での横位置は、レボルビングせずにカメラを横倒しです。

テヒニカ70はレボルビング横位置も可能ですが、ファインダーは追随しませんので、視野を確認するにはじっくり焦点板を使のが基本、もしくは外付ファインダー、あるいは山勘撮影を強行するしかありません。等倍ファインダーなので山勘もそう捨てた物ではありませんが、ブライトフレームがよくできていますから、つい横にしたのを忘れてふらふらフレームで作画しかねず危険きわまりない。(もしかして、広角フレームの左右は標準レンズの長辺相当と見当付けて使える?)

もうひとつ、ファインダーフレームのプロポーションは6x7(56x72、国産と較べ少し横長)です。フレーム外が大きく写り込む大雑把なグラフレックスXLと違い、リンホフ70ではライカM3なみに厳密なファインダーフレームなので、56x84mmの6x9バックを付けたときは脳内で範囲を換算しないと意図せず長辺が余計に写ることになります。他社6x7ホルダー、例えば実画面56x68mmのホースマン10EXやグラフレックスホルダーRH10を装着するときは、逆に長辺がフレームより僅かに短く写ることになるでしょう。

さて、私の70に付属してきたピントグラスバックは、貼革の色合いからリンホフ23IV用とのフルーツポンチじゃないかなと思うのですが、如何にも縦位置専用の被写界深度表を見ると果たしてそうなのか確証が持てません。
ジャンク70(?)付属のピントグラスバックが本来のセットなのかもしれませんが、スクリーンは交換できますから今となっては不明。

(追記:2022年にプレス70ボディを確認したら、上記テヒニカ70に付属していたものと同じ貼革色調のピントグラスバックが付いていました。プレス本体はテヒニカ70ボディと同じ色ですから、これで正規のセットである可能性が高い。プレスもポンチを否定できませんが。ではジャンク70ボディに付属していたピントグラスバックは一体何? 余談ですがプレス70のピントグラスはグリップと干渉してレボルビングできないようになっています。強引な気がしますが、プレス70は縦位置専用カメラなので合理的です。取り外して横装着することは可能ながら、普通しないと思います。)

画像:ピントグラス2種、左:Technica70付属、スクリーンに56x72表示,右:ファインダー外れジャンク付属,56x72と2-1/4x3-3-1/4の二重表示

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:38 No.1584
グラフロックアダプター
さて、リンホフ70は蛇腹後端の開口部が79x79mmしかない(二個体で確認)ため、6x9フルフレームが写らない6x7専用機と以前記載しましたが、誤りを訂正します。
ホースマン8EXホルダーで実写すると、縦横位置ともに、少なくとも100mm標準レンズでは56x84mmをカバーしています。蛇腹を伸ばすと、けられないようです。お詫びして訂正致します。

画像:ミズタニアダプター

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:39 No.1585
ファインダーなしボディ
これはジャンク箱で見付けたファインダーブロックが外されたボディ。色合いが私の個体と違うので果たして70かどうか確証はありませんが、距離計連動アームが残っていて、Vボードなのは70としか思えません。見てくれは不良ながら、機能的には(ナンチャッテ)エキスパート70です。ファインダーがないと非常に小型で軽量になり、出撃の敷居が低くなります。リンホフ70と違って横位置を主体にしています。すると65mmでもベッドダウンが必要でなくなり、レンズ交換が楽です。言うまでもなく焦点板専用。

画像:「ソードオフ70」フジノンA180/9つき、フロントライズしています。蛇腹表面ひび割れてますが漏光はない模様。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:42 No.1586
ファインダーなしボディ2
撮影は、純正焦点板とスーパーローレックスのペアでよいのですが、ミズタニのリンホフ23ーグラフロックアダプターとホースマンロールホルダー(後期,プラスチック製)を組み合わせれば圧倒的に軽量です。

ミズタニのアダプターは精度に問題がある個体があり、私の2個のうち1個はリンホフとフランジバックがずれていて、リンホフのスプリングバックと互換性がありません。しかし、ホースマンのピントグラス、またはアングルファインダーを使えば、グラフロックのフランジが一致するため全く問題ありません。

難を言えば、リンホフのバックはワンタッチで脱着できるのに、グラフロックは2カ所のロックなので煩雑になる所。ところが私のような粗忽者はリンホフバックの焦点板を縦位置で構図決めたのに、頻繁にスーパーローレックスで横位置撮影するものですから、ミズタニのほうが失敗防止できてまさに「フール・プルーフ」だったりするのです。

画像:「ソードオフ70」ミズタニアダプター+ホースマンアングルファインダー、バックのティルトをかけています。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:44 No.1587
スーパーアンギュロン65mm使用法
広角65mm使用法 *狸親父様のリンホフ23のスレッドもご参照ください。

1,ベッドを90度に起こし、ベッドの向かって左側にある、ディスクカム切替レバー(→)を押し込んでカムを「65」指標に合わせる。レバーがロックされている場合は銀のロック解除ボタンを押しながら操作する。
2,1段目(外側)レールを伸ばすと、ベッド基部のディスクカム(→)に黒点と65数字が見える。
3,ベッドレールをもっとも引っ込んだ位置に戻し、レール両側にある前板ストッパー(→,65mmは黒)を立ち上げ、前板をストッパー位置まで引き出す。65mmレンズボードを装着する(これは最後でも良い)。
4,ベッド向かって右側の、2段目(内側)レールストッパータブ2個のうち、先端側のタブ(→)を押さえてストッパー解除しながら、
5,内側レールを奥にずらせる。ベッド90度ではタブが噛み合う位置まではいかないので、操作6にうつる。
6,ベッドを畳むときと同様に両側のタスキを押さえ、ベッドを下に15度ダウンした後、内側レールを奥側のストッパータブ(→)がカチッと噛み合うところまで奥に押し込む。
7,前板向かって左のティルト固定用ダイヤルノブ(→)を緩め、中心を押し込むと前板ティルトロックが外れ前板が可動になる。
8,前板をいっぱいまでアップティルトする(→)と、ベッドダウン状態で前板がフィルム面と平行になる。

画像:SA65使用法

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:46 No.1588
65mm画像
Super-Angulon 65/8,f16,1sec, Fuji160NS, 三脚,距離計による撮影。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 15:29 No.1589
105mm画像
Apo-Lanther105/4.5,f16,1/15,三脚,ピントグラスによる撮影。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 15:31 No.1590
システム重量
狸おやじ様に倣って、システム重量を測定しました。

テヒニカ70ボディ(ピントグラス,レンズなし)         1900g
        (ピントグラスバックつき)          2270g
        (Apo-Lanthar105、ピントグラスバックつき) 2550g
        (AL105+ローレックスつき)         2950g
        (AL105+ローレックス+グリップ)      3250g

テヒニカ70ボディ(ファインダーなしジャンク)         1340g
        (ジャンク+リンホフピントグラス)      1700g
        (ジャンク+ミズタニ+ホースマンピントグラス)1620g
        (Apo-Lanthar105+ホースマン8EX+ミズタニ)2150g

ボード付きレンズ
Xenotar100/2.8                        390g
Xenotar100/4                         280g
Apo-Lanthar105/4.5                      220g
Symmar-S100/5.6                       200g
Super-Angulon65/8                      330g
Tele-Arton180/5.5                       310g

パーツ
スーパーローレックス56x72                   820g
ホースマン8EXP                        420g
        (+ミズタニG-Lアダプタ)           600g
アナトミカルグリップ+レリーズ                 290g
ピントグラスバック                       370g
ホースマンピントグラス(フードなし)               95g
           (アングルファインダーつき)       310g
ミズタニG-Lアダプタ                      180g

テヒニカ70(ピントグラス、グリップ)、105、65、180、ローレックス 4710g
ファインダーなし70、105、65、180(フジノン)、ミズタニ、ホースマンピントグラス、8EX 2795g

画像:「ソードオフ70」+ミズタニGraflock-Linhofアダプター+ホースマン8EXP-120ホルダ

れんずまにあ 2019/09/19(Thu) 20:23 No.1595
Re: リンホフ テヒニカ70
素晴しいスレッドと詳細な情報をどうもありがとうございます。
テヒニカ70は憧れのカメラですが,これまで手に持って操作したことが無いのでとても参考になります。

れんずまにあ様のカメラセットは,やはりレンズが最高ですね。
Heligon95mmやApo-Lanthar105mmは,私にとって憧れのレンズです。特に,Apo-Lantharは黄ばみも無くきれいな状態に見えます。撮影結果も素晴しく魅力的です。ボケも綺麗に見えます。私の予想ですが,Tronnierが設計したApo-LantharはHeliarのアポクロマート改良型で,同氏のTelomarと同様に絞りを開けるととても綺麗な(トロけるような)後ボケをするのではないか思われます。私もいつか手に入れて撮影してみたい幻のレンズですが,最近はE-Bayでも20万円を越える高値になってしまい全く手がだせません。

狸爺はとても羨ましく思っております。
狸おやじ 2019/09/19(Thu) 21:49 No.1596
Re: リンホフ テヒニカ70
ご評価賜り恐縮です。

この3本セットは以前申し上げた通りレンズ名記載がないままセット999ドルで出ていた代物で、今でもKEHのout of stockで画像を見ることができます。円高も尻を押してくれたものの全くの博打でした。
内容が謎なので、みんな怖がって手を出さなかったのでしょう。幸運でしたが、いつもそうとは限りません。

Apo-Lantharは元々製版レンズ設計の流用だそうで、ボケがどうか検討していません。大変尖鋭なのは確かに仰る通り、開放f4.5でも四隅まで整った画質で手持ちの範囲を広げてくれます。
トリウム含有高屈折ガラスのため黄変している個体も多く、センチュリーに入れている新コンパー100/4.5はかなり黄色いですが、このリンホフコンパー105は比較的クリアなようです。

Ebayでそんなに高騰しているとは驚きです。これもf4.5だからもしかして、と飛び込んだのが幸運でした。
一方、100mmは30年前店舗で16万円も出しました。初心だったし、独身時代だから飛び込めたのです。
れんずまにあ 2019/09/20(Fri) 20:41 No.1597
Re: リンホフ テヒニカ70
テヒニカ70とApo-Lantharの3本セットで$999は破格値ですね。
今ならレンズだけで2倍の値段になりそうです。

不思議なことに,最近は大判用のレンズより中判用のレンズの方が値段が高い。Apo-Lantharも中判用の105mmの方が大判用の150mmより値段が高い。私の想像ですが,デジタルへの移行でプロやハイアマチュアの方々が使っていた大判カメラが中古市場に供給され,大判のテヒニカ45やそのレンズ周辺の値崩れが起きている。中判も一眼レフフォーカルプレーン系やレンジファインダー系は値段がかなり下がった。でも,なぜか中判テクニカルカメラやボードレンズは値段があまり下がらない。

もともと個数が少ない為か,物好きな変人がしぶとく使っている為か,はたまた何か別の理由か...?

中判テクニカル使い(変人)には,なんとも悩ましい状況です。
狸おやじ 2019/09/21(Sat) 10:51 No.1598
テヒニコン
狸おやじ様のリンホフ23スレッドに続けようかと思いましたが、一応カタログでは70時代のラインなので。

リンホフテヒニカのレンズには自社ブランドのTechnikon(70他用交換レンズ)とTechnikar(Linhof 220固定)がありました。
いずれもローデンシュトックのOEMと言われています。
さて自社ブランドといってもスペックは高く,Linhof70とStudienkamera70(距離計なし70: 英語圏ではExpert 70)用のテヒニコンには、
Technikon 100mmf2.8、Weitwinkel-Technikon 58mmf5.6, Tele-Technikon 180mmf4.5と、高級スペックになっています。
それぞれHeligon, Grandagon, Rotelarに対応しています。

グラフレックスXLや、リンホフ23系に供給されたヘリゴンは95mmf2.8ですが、テヒニコン 100mmf2.8(訂正しました)の現物を手にするまで実焦点距離95mmをサバ読んでいるのかと想像していましたが、どうも本当に100mmあるような雰囲気です。
画角はXenotar100mmf2.8と同様で、距離計に対しても105mm用カムで1mで1cmも違わない連動ができています。

実焦点距離が95mmのXenotar100mmf4は、Xenotar100mmf2.8より画角が広く、105カムによる距離計は2-3mでも誤差が大きいので、このTechnikonは100mm確かにあると思います。

OEM元のヘリゴンは同じ焦点距離のプラナーやクセノターとくらべて一回り小型になり、この100mmも大手2種と比べて随分小型ですが、シャッター径は大手同様コンパー#1が使われています。

上の投稿で、リンホフヘリゴン95mmf2.8ユーザーが、周辺画質が思わしくない旨話されていましたが、幸いこの個体は、
6x7cmの範囲は絞り開放からまず良好な画質です。(撮影距離1m新聞見開き株式欄の小さい文字が開放中間画角まで読めるが周辺でギリギリ読めない程度、Xenotar100mmと同レベル、f5.6で全画面読めるようになる)。

ただし、この辺りのレンズは経年変化による個体差が無視できず、例えばXenotarは結局3本試して1本残したほどで、なかなか評価は難しいところです。

ところで、綴りを見ているとどうしても下5文字が気になってしかたありません。Zeiss Ikonや、NIKONは文句言わなかった、のかな?

れんずまにあ 2022/01/01(Sat) 16:38 No.1927
Re: テヒニコン
おお,テヒニコン100mmですね。
このレンズは私も以前から興味を持っておりました。

昔外国のサイトで,シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂を読んだことがあります。でも,ローデンシュトックのOEMで,ヘリゴンだったようですね。テヒニカ用にヘリゴン100mmが供給されていたとは知りませんでした。ヘリゴンの90や95mmはとても優秀で愛用者の多いレンズなので,テヒニコン100mmも非常に優秀そうです。コーティングも綺麗で発色も良さそう(この時期に既にMC?)。ツァイスやシュナイダーの100mm/2.8より軽量コンパクトなら,色々な場面で活躍しそうで楽しみです。
狸おやじ 2022/01/02(Sun) 09:14 No.1928
Re: テヒニコン
狸おやじ様、コメントありがとうございます。

>シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂

確かに。出所不明のレンズでありましたが、海外サイトや形状などを見るとローデンシュトックのように見えます。
心情的にはジンマーなどにLinhof名を打刻し検査済みを保証するくらいのメーカーが、余りレンズを使うかななどと懐疑的です。
まあローデン側の事情というのもありえますね。例えばグラフレックスが急にXLやめちゃったとか。
ただそれならわざわざ100mmを作るかなとも。もちろん製作誤差で95よりも100に近いのを集めてきたという、穿った見方もできますが。

Xenotar100mmを思わせる形状のTechnikonは見たことがなく、本当にSchneiderのTechnikonがあれば見てみたいところです。

余談ながら、NovoflexがOEM受けた時は、Schneider Xenarの場合Noflexer-S,RodenのYsarexの場合は-Rとわかるようになっています。Linhofにはそんな刻印はないなあ...

>テヒニカ用にヘリゴン100mmが供給されていたとは知りませんでした。

失礼しました。勘違いでHeligon 100は存在しません。

>ヘリゴンの90や95mmはとても優秀で愛用者の多いレンズなので,テヒニコン100mmも非常に優秀そうです。

たまにテヒニカIII用ヘリゴン90や95を見ますね。リンホフプレス23にも採用されているくらいで高く評価されているのは間違いないでしょう。
90mmf3.2もあるようで。
私は大判ヘリゴンはグラフレックスXLでしか経験がなく、大変高性能なのでリンホフでも使えたらなと思っていました。

>コーティングも綺麗で発色も良さそう(この時期に既にMC?)。ツァイスやシュナイダーの100mm/2.8より軽量コンパクトなら,色々な場面で活躍しそうで楽しみです。

どうなんでしょうね。深い色味ではありますが。
確かにレンズ部分はコンパクトですが、(Xenotar100: φ58mm vs Technikon 100: 49mm)どちらもベッドを閉じられますし、シャッターサイズが同じなのでそれほど軽量化されません。
80mmプラナーとヘリゴンではシャッターが#1と0なので大違いなのですが...

悩みは、無限遠位置が、標準セットの105/4.5に合っているストッパー位置と1mmくらいのズレがあり、Xenotarとも違うことです。
現在のストッパーセッティングを変えるつもりはありませんので、RFで使うとすれば一回調整した後はベッドを閉じられません。
そのレンズ専用にしてしまうしかないのです。なので明るいレンズなのに、三脚ピントグラス使いをしています...

れんずまにあ 2022/01/02(Sun) 12:36 No.1929
Re: テヒニコン
れんずまにあ様

>>シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂
>確かに。出所不明のレンズでありましたが、海外サイトや形状などを見るとローデンシュトックのように見えます。心情的にはジンマーなどにLinhof名を打刻し検査済みを保証するくらいのメーカーが、余りレンズを使うかななどと懐疑的です。

済みません。ネットで調べた所,私が以前読んだ情報は,”Large Format Photography Forum"でした:
https://www.largeformatphotography.info/forum/showthread.php?112874-Linhof-Technikon-100-2-8

いろいろ書いてありますが,彼らの結論もローデンシュトックのOEMレンズです(リンホフの輸出責任者の説明)。
また,ヘリゴン100mm/f2.8(イメージサークル115mm, フィルター径58mm,Compur 1)が1976年のリンホフのカタログにあるが,これは多分ミスプリ(クセノター100mm/f2.8の間違い)で,同年の別のカタログにはない。テヒニコン100mm/f2.8(イメージサークル135mm, フィルター径49mm,Compur 1)の情報があり,これがれんずまにあ様のレンズと思われます。ローデンシュトックのカタログには,ヘリゴン95mm/f2.8(フィルター径49mm),6枚構成(ダブル)ガウス型,包括角60°の準広角レンズの記載があり,これを元に(再設計して?)テヒニカ用にOEMで供給されたのが,テヒニコン100mmの様です。ヘリゴン95mmをベースにしているので,クセノターよりイメージサークルが広く,前口径の小さい優れたレンズの様です。

>私は大判ヘリゴンはグラフレックスXLでしか経験がなく、大変高性能なのでリンホフでも使えたらなと思っていました。

ヘリゴンの最終型がテヒニコン100mmの様ですね。私も欲しいなあ。

>悩みは、無限遠位置が、標準セットの105/4.5に合っているストッパー位置と1mmくらいのズレがあり、Xenotarとも違うことです。... なので明るいレンズなのに、三脚ピントグラス使いをしています...

この辺が,テヒニカを距離計連動で使う時の限界もしれません。私もテヒニカ23を距離計で手持撮影することが多かったのですが,最近はレトロレンズや望遠レンズを使う機会が多く,三脚+ピントグラス撮影がほとんどになりました。ピントグラス撮影は機材が重く時間もかかりますが,その分「画を作る」作業を楽しめる。手軽なスナップ写真はスマホ(iPhone)に任せ,ここぞという時だけテヒニカを取り出し,ピントグラスで(アオリを効かせて)じっくり撮るようになりました。フィルムの値段が高騰し,無闇にシャッターを切れないという経済的理由もありますが...
狸おやじ 2022/01/03(Mon) 11:55 No.1930
Re: テヒニコン100
狸おやじ様わざわざご調査いただきありがとうございます

<”Large Format Photography Forum"でした:

ここ時々覗いていますが面白いですね.海外の方々も私たちとおなじような疑問を持っていることがわかります。

< ローデンシュトックのOEMレンズです(リンホフの輸出責任者の説明)。

内部情報とはすばらしい.

昭和46年フォトアート中型・大型カメラではヘリゴン95とクセノター100の画角は60度と同じですが(イメージサークルはXが117mm、Hは記載なし、絞り条件記載なし多分16くらい)、
4x5ピントグラスではX100は直径4インチ強(110mmくらい)程度に対して、H95mmは4x4インチをカバーしそうな広さで、実際の包括角度は非常に広いことがわかります。
4x4対角線はおよそ140mmなので、ご紹介のデータに裏付けられました。
しかも、単に光の輪が大きいだけではなく、その周辺部までちゃんと解像しているところが素晴らしい。(ピントグラスをルーペで見ただけですが)これぞ真のイメージサークルだと思います。

ローデンが準広角と位置付けるのも納得です。
これも余談ですが、ローデンシュトックはライカM39用にヘリゴン35mmf2.8を出しています。画角に自信があったのですね。

このテヒニコン100はまだ4x5につけて覗いていませんが、楽しみになりました。

>私もテヒニカ23を距離計で手持撮影することが多かったのですが,最近はレトロレンズや望遠レンズを使う機会が多く,三脚+ピントグラス撮影がほとんどになりました。

23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?アドバンテージですね。
70はファインダーが縦位置専門なので、三脚固定する際にファインダーを使いながら横位置にするにはカメラを倒す必要が。
せっかく70もレボルビングできるのだから...すると三脚横位置はファインダーを使わないでピントグラスになる。
最終的には狸おやじ様と同じ使い方になるのです。

ファインダーが無駄かというと、そりゃ悲しすぎますので(w、いざ鎌倉、咄嗟の手持ち撮影に備えています。その際は純正標準で対応します。
れんずまにあ 2022/01/03(Mon) 15:11 No.1931
Re: テヒニコン
>このテヒニコン100はまだ4x5につけて覗いていませんが、楽しみになりました。

これはとても楽しみですね。
テヒニコン100mm以降,F2.8級の中判(6x9)用レンズが途絶えています。(シュナイダーはジンマーF5.6,ローデンシュトックはシロナーF5.6に軸足を移し,ツァイスがプラナーF2.8の製造を止めたので。)私は無理にF値を小さくした大口径レンズはあまり好きでないのですが,画角や画質に余裕のある設計の明るいレンズには興味を持っています。テヒニコン100mm/F2.8は,古き良き「大口径時代」最後の高性能中判レンズと思います。

>23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?

一応対応しますが,ファインダー前面のマスクの向きを90°変えるだけです。
向きを変えて「縦位置撮影」したつもりが,フィルムが横位置だった事に後で気付いて愕然としたことがあります。それ以降,フロントマスクの向きとフィルムバックの向きを撮影前に確認する様になりました。テヒニカ23III-IVは,レンズやフォーマットに合わせてマスクを取り替える必要もあって面倒です。マスクを失くす人も多いようで,中古市場に様々なサイズのマスクが(高値で)出回ってます。

将来的にデジタルバックに移行すれば,これらの面倒から解放されるかな(?)と少しだけ期待してますが...
狸おやじ 2022/01/05(Wed) 20:40 No.1932
Re: テヒニコン
狸おやじ様、コメントをありがとうございます。

>テヒニコン100mm以降,F2.8級の中判(6x9)用レンズが途絶えています。

言われてみればおっしゃる通りですね。リンホフの大口径としては末裔です。
日本でもマミヤプレスの100mmが途絶えてからは6x7にマキナ、ペンタックス、RZがあるのみ。

確かにテクニカルカメラとしての使い勝手はイメージサークルが広く、解像力が高いが暗いオルソメターが主流になるのはやむを得なかったけども、
ISO400で手持ち夜景、または固定しても蛍の軌跡を捉えられる最低ラインがf2.8なので、重視しています。

>>23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?
>一応対応しますが,ファインダー前面のマスクの向きを90°変えるだけです。
>向きを変えて「縦位置撮影」したつもりが,フィルムが横位置だった事に後で気付いて愕然としたことがあります。

これは、全く同じ経験をしました。
バック交換とレボルビングが同じ場所で行われるリンホフならではのあるあるです。
せっかく縦位置でピントグラス構図決めして、ホルダーは横向きに。
現像が上がってから目を剥きました。

>テヒニカ23III-IVは,レンズやフォーマットに合わせてマスクを取り替える必要もあって面倒です。
>マスクを失くす人も多いようで,中古市場に様々なサイズのマスクが(高値で)出回ってます。

昔はマスクはジャンクボックスの住人だったのですが、需要が増えているのですね....
でも根強いユーザーがいる証拠でもあり、頼もしいです。

しかしいろんな焦点距離を集めるのもよいですが、ロータリーカムが入手できないのが寂しいです。4x5のカムはまだ出てきますが...

>将来的にデジタルバックに移行すれば,これらの面倒から解放されるかな(?)と少しだけ期待してますが...

リーズナブルで実用的な6x9カバーのバックが出てきたら嬉しいですね。
でも斜め入射の広角は難しいかもしれません。
れんずまにあ 2022/01/05(Wed) 22:04 No.1933
Re: テヒニコン
れんずまにあ様

>日本でもマミヤプレスの100mmが途絶えてからは6x7にマキナ、ペンタックス、RZがあるのみ。

そうか,マミヤセコール100mm/2.8がありましたね。ご指摘ありがとうございます。

>リーズナブルで実用的な6x9カバーのバックが出てきたら嬉しいですね。

私もそう思います。
値段はまだ高いですが,昨年ハッセルブラッドのCFVII-50C(44x33mm)が出てから少し期待して見ています。Phase OneのP45(49x37mm)も,中古で20万円程で出てきていて,あと一息かな(?)と思います。

>でも斜め入射の広角は難しいかもしれません。

これは,もしかすると案外大丈夫かも知れません。
フォーマットの小さいAPS-Cやライカ判(35mm)のセンサーで解像度を上げようとすると,一つの画素サイズを小さくする必要があり,周辺光が斜めに入射する場合の受光感度に限界が出易いと思います。中判センサーの場合,元々のフォーマットが大きい為,画素サイズをそれ程小さくする必要がない。例えばハッセルのCFVII-50Cは,画素サイズが5.3x5.3μmと比較的大きい為,受光感度が高くダイナミックレンジも広いようです。

中判センサーが6x9cmになるのも時間がかかりそうで,当面は44x33か49x37,あるいは54x40mm辺りからスタートすると思います。その場合,テレセントリック性の良い中心付近を画素サイズの大きいセンサーで受光することになり,広角47mm位でも周辺の斜め入射はそれ程大きな問題にならないような(?)気がします。(本当は周辺までバッチリ撮りたい所ですが,それにはまだ時間がかかりそうなので...)
狸おやじ 2022/01/07(Fri) 21:24 No.1934
リンホフ プレス70
Linhof Press 70

憧れの機種を、ご縁でハードユーザーから譲渡頂きました。フルセットがMakina670に満たない破格で感謝の言葉もありません。

1963年販売(期間不明)代理店:シュリロ貿易
6x7cm判、ブローニーフィルム(120,220),70mmフィルムを使用する合金製プレスカメラ。距離計連動1眼式ビューファインダー、セレン単独露出計つき。
重量1,650g(ボディのみ;グリップ固定),3,290g(80mm,スーパーローレックスつき)
日本国内価格:377,000円(1970年5月「フォトアート特集大型カメラ70台」,ボディ+グリップのみ),455,000円(1973年「フォトアート特集大型・中型カメラの選び方使い方」,ボディ+グリップのみ)
ほとんどの個体は画像に示すようなタン色だが最終付近は黒もあるようだ。

フォーカシング:レンズに付属するヘリコイド、カムで距離計に連動するためカム切り替えは不要。
ゴッセン製セレン単独露出計が距離計窓周囲に設置され、軍艦部で指針を読み取る。
巻き上げはボディ側面右手側のクランクを180度1作動(往路180度でシャッターセット、復路180度でフィルムアドバンス)セルフコッキングが行われ速射性が高い。
テヒニカでは着脱可能だった左手側のアナトミカルグリップはボディに固定されている。(それに支えてピントグラスをレボルビングできない。意図的か)
シャッターはレンズ鏡胴に内蔵されているので外部から単独操作できないが、ピントグラス撮影にはバルブ開放が必要。その際グリップレリーズロックして開放する。
レリーズはボディ前面右手側のボタンでも行うことができる。

レンズはRFなし、スポーツファインダー固定のエアロテヒニカとも共通。
プレス70の特別モデル「スペシャル70」にはエアロテヒニカと同じく右手側にもグリップがあり、それを回転して巻き上げとチャージを行う(70年:価格424,000円)が、故障が多いと言われる。

画像:80mmf2.8、アナトミカルグリップ固定。

 ストラップラグの位置は、テヒニカVやテヒニカ70のメインボディ上部から、プレス70はファインダーカバー上部に変更されているのがわかります。ラグは、Op-TechのAタイプ(ハッセルブラッド 用)が流用装着できます。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:05 No.2030
Re: リンホフ プレス70
ファインダー:採光式ブライトフレーム等倍、実像式距離計連動。
広角標準は4ft(1.2m)まで、望遠180mmは6.5ft(2m)までパララックス自動補正しながら距離計連動する。
基線長は93.5mmと、中判RF機では最も長いものの一つであり、無限遠と600ft(180m)の距離の違いを識別できる。
ファインダーフレームは縦位置が標準。テヒニカ70におけるタイプ2:53/80/180のみと思われる。
 (フォトアートの一覧では標準プラナー100mmf3.5と記載されているが、検索しても全く出てこないので誤記か?)
広角・標準枠が常時表示され、後部ダイヤルで180枠を追加する。

標準
80mmはプラナーf2.8とクセノターf2.8があり、6x7なので80mmでも開放から問題なく全画面カバー。
ヘリコイド鏡胴なので大変高精度。テヒニカ70のプラナー80/2.8は#1シャッターのため最高速1/400だが、プレス70用は1/500になっている。
広角
53mmf4.5 ビオゴンまたは 53mmf4 スーパーアンギュロンがラインアップされている。シャッターB, 1〜1/500
望遠
180mmf4.8 ゾナー または180mmf4.5 テレアートンが用意された。望遠は最短2m。
連動距離計の精度が非常に高いので、180mm開放でも十分に距離計での焦点合わせが信頼できる。
ツァイスがほとんどで、シュナイダーのラインは比較的珍しい。
シャッターB, 1〜1/500

画像:ビオゴン53mmf4.5

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:06 No.2031
リンホフ プレス70
リンホフ70シリーズに共通して、ファインダーは縦位置専用。テヒニカ70はピントグラスを使えば横位置装着可能だが、プレス70のギアつき純正スーパーローレックスはギアのため横位置に装着できない。
ギア溝を避けるため4箇所の固定カムの位相は従来型の90度毎から少し狭角に変えてあるのと同時に、ロックレバーも右下隅から左下隅に変更されている。使い慣れた場所にないので空振りしてしまった。
手動巻き上げでよければプレス70にもテヒニカ70やスーパーテヒニカV用の従来型スーパーローレックスを装着可能で、フォーカシングスクリーンバックを併用すれば横位置装着も可能に見えるが、ボディの暗箱部分には縦位置ぎりぎりに遮光板が付けてあるため、実質横位置は不可能。(図)

プレス70に付属のピントグラスバックは、テヒニカ70付属バックと同じもの、2x3と56x72表示。

画像:プレス70付属フォーカシングスクリーンバック(100mmの表示もあるが、存在するのか?)

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:09 No.2032
リンホフ プレス70
スーパーローレックス

プレス70専用スーパーローレックスは、一般のスーパーローレックスとは多くの点で異なる特殊なホルダーになっている。

一般用ローレックスとの相違点。プレス70専用は、
1:外部の巻き上げレバーがない。巻き上げはボディクランクでギアを介して行う。
2:そのため、フィルムチャージ時のため内部にレバーがある.
3:ローレックス側から巻き上げギアが飛び出している。(図)テヒニカには使えない。また横位置装着はボディにギア溝がないためできない。
4:一般用にある巻止解除ボタンは不必要なので穴が塞がれた。
5:スタートマークを出す穴は、一般用が中央、プレス70用はその横を使う。ローレックスには赤矢印でスタートマーク位置が示されている。
6:一般用ローレックスをプレスに装着する場合は、テヒニカ同様マニュアル操作となる。横位置装着も可能だが、暗箱内部形状から横位置で6x7撮影はできないため縦位置のみ。

画像:左 一般用(従来型)、右 プレス専用

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:13 No.2033
スーパーローレックス
右側のプレス専用左上面にギアが突出しているのが見える。
このためテヒニカに装着はできないし、プレスでも横位置に装着できない。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:16 No.2034
スーパーローレックス
左下側 従来型、スタートマーク位置は中央(赤矢印)。
右上側 プレス専用、スタートマーク位置は従来型より左側にずれている(赤矢印)。外面に巻き上げレバーがないかわり、頭出し用に内部にレバーがある。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:19 No.2035
Re: リンホフ プレス70
ローレックス装着面の違い
左側プレス70。
右側テヒニカ70改造機、

プレスボディは、スーパーローレックスのギアを避けるため4箇所の固定カムの位相は従来型の90度毎から少し狭角に変えてあるのと同時に、ロックレバーも右下隅から左下隅に変更されている。

テヒニカの暗箱部分は正方形の蛇腹が見えており、縦横変換に対応しているが、プレスの暗箱部分は、6x7縦位置にあわせた形状であることがわかる。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:22 No.2036
スーパーローレックス
中枠の圧板とスタートマーク確認窓
左 従来型、右 プレス専用。プレス専用は、120フィルムの場合、少し手前でスタートする。中央の穴は使わない。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:26 No.2037
Re: リンホフ テヒニカ70
プレス70のシステム重量を測定した。

プレス70ボディ(ピントグラスなし,レンズなし、グリップ固定)   1,650g
        (ピントグラスバックつき)            2,040g
        (Planar80mm、ピントグラスバックつき)     2,880g
        (P80+ローレックスつき)            3,290g
        
ヘリコイド+レンズ
Planar80/2.8                          840g
Biogon53/4.5                          980g
Sonnar180/4.8                        1,400g

パーツ
スーパーローレックス56x72(プレス専用)             800g
ピントグラスバック                        390g

プレス70(ピントグラス、グリップ)、80、53、180、ローレックスx1 6,060g

標準付きボディはテヒニカ70と大差ない重量だが、レンズが重いため3本アウトフィットの重量はテヒニカ70より随分重くなる。
迅速なレンズ交換およびクランク1作動セルフコッキングの速写性とのトレードオフと考えるしかない。特に広角レンズ使用の迅速簡便さは段違い。
れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:34 No.2038
Re: リンホフ プレス70
れんずまにあ様

素晴らしい解説をありがとうございます。
プレス70は,美しい鏡胴とコンパクトなボディーが魅力的です。6x7を距離計連動で撮るには最適のカメラですね。専用レンズも魅力的です。

惜しむらくはフィルムバックの使い勝手の悪さでしょうか。れんずまにあ様の解説の通り,ロータリー式なのに回転や横位置ができない。これなら,リンホフ220の様なバック固定式の方が良かった。ピントグラスやカットフィルムホルダーを省略し,ロールフィルム(120, 220)専用の軽快な「中判のライカ」を目指していたらもっと成功したかも知れません。リンホフの誤算は,70mmフィルムに拘り過ぎたことでしょうね。
狸おやじ 2022/08/06(Sat) 14:25 No.2039
Re: リンホフ プレス70
狸おやじ様、早速のコメントありがとうございます。

私は箱好きでありますので、かなり特殊化された機構に興味津々で弄り回しています。
当時の価格表を見ると、マミヤスーパー23の8倍、RB67やペンタックス67の4ー5倍であり、為替相場を考慮しても非現実的な選択肢であったことでしょう。
確かに使ってみると優秀なレンズ、見事な精度は文句がないところですが、P67やRB67と変わらない現在の中古価格はものの価値を正確に反映しているかもしれないなと思いました。
お話に取り上げられているリンホフ220が、レンズ交換RF機だったらどれだけよかったでしょうか。まああれでペンタックス67の倍価格ですから、売れたとは思えませんが(笑

リンホフ が当時70mmに拘ったため要らない機構を抱え込んでしまったとのご指摘は全く的を射たご意見で私も全く同意です。
目論見が外れて70mmは全く主流になり得なかったのは不幸な限りです。
何故か拙宅にも他社の70mmマガジンが2個ほど転がっています。1990年頃まだ70mmが入手可能だったので、出張にノーチェンジで行けるかななどと妄想し、結局220で十分だったのですが...
あれは現像などのインフラが全く整っていなかったのが敗因ですかしら。
れんずまにあ 2022/08/06(Sat) 16:14 No.2040
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様

>リンホフ220が、レンズ交換RF機だったらどれだけよかったでしょうか。

そうですね。
理想的には,プレス70とリンホフ220がレンズマウントを共有し,レンズ交換式RF中判カメラだったら良かった。そしてマウントのスペックが公開され,他社(ローデンシュトック,フォクトレンダー等)からもレンズが供給されていたら,もっと成功したと思うのだが...

>何故か拙宅にも他社の70mmマガジンが2個ほど転がっています。1990年頃まだ70mmが入手可能だったので、出張にノーチェンジで行けるかななどと妄想し、結局220で十分だったのですが...
>あれは現像などのインフラが全く整っていなかったのが敗因ですかしら。

リンホフの70mm路線は失敗と考えていたのですが,220は既にほぼ絶滅し,120も先行きが怪しい状況です。
もしかすると最後まで生き残るのは,35/70mmの長尺(映画フィルムの流用品)かもしれません。(ローライは今でもモノクロの70mm長尺を販売しているようです。)私も将来に備えて,70mmのシネローレックスを用意しておこうかしら。
狸おやじ 2022/08/10(Wed) 23:39 No.2041
Re: リンホフ テヒニカ70
以前から時折こちらの掲示板を参考にさせていただいていました。
リンホフプレス70が大好きでよく使っています。
私はシュナイダーのレンズを主に使用していて、僭越ながら情報を投稿させてください。

シュナイダーのレンズは以下の4種類があったようです。

・Xenotar80/2.8
・Super-Angulon53/4
・Tele-Arton180/4
・Xenotar100/4

このうち私は100/4以外を所持しています。いずれのレンズもツァイスの同スペックより軽量コンパクトにまとめられているようです。全長もそれぞれ数cm短く、重さは測れていませんがそれぞれある程度軽いです。広角と望遠はツァイスのものよりF値が明るいにも関わらず小さいために、描写では一歩譲るというのが素直な印象です。外観上の特徴として、180/4には鏡筒とヘリコイドにそれぞれ2本ラインが入っています。気になるのは100/4で、エアロプレス向けにラインナップされていたようですが、オークションなどでも殆ど見たことがありません。また、初期の資料上ではローデンシュトックのロテラー(テヒニカプレスにあったのと同スペック)も見られますが、カタログに載っているのを見たことがないため実在性は不明です。

ファインダーのスペックについてですが、リンホフは公式に「ほぼ等倍」と言っていますが、個人的にこれは等倍なのかよく分かりません。0.7倍くらいな気もしますが、アイポイントが高いので見やすいファインダーだと思います。またフィルムバックのロック位置ですが、初期は右下で後期は左下になるようです。(初期と後期の個体を持っていますがそうなっています。)これはなんで変えたのかよく分かりませんが....。

このカメラ、何台製造されたのか分からない程度には見かけないものですが、日本では注目度が低いためか、結構安価で手に入るのが嬉しいです...。最後の方は感想になってしまいましたが、今後も情報が増えることを楽しみにしております。長文失礼いたしました。
名無し 2022/11/26(Sat) 20:07 No.2085
Re: リンホフ プレス70
名無し様、貴重なコメントをありがとうございます。

もしかして、ブログでシュナイダーラインを装備したプレス70のご紹介をなさっておられますでしょうか。
そうだとしたら、こちらこそ深く参考にさせていただいてます。御礼申し上げます。
おまけにTele-Arton180mmをf4ではなくf4.5と誤記してしまい、赤面の至りです。

プレス70は重量はありますが、それに余りある高精度で、撮影結果の信頼性がきわめて高い印象を受けています。(精度に不安を抱きながら撮影する、軽いグラフレックスXLとは正反対)
ようやくOp-Teckのストラップも使用可能になり、拙宅の機材も今後実働が増えると期待しています。

ご指摘のXenotar 100/4ですが、青い箱入りの単体レンズとして1999年にドイツから買っています。
実焦点距離95mm、イメージサークル110mm(f2.8は117mm)で65x72対応とカタログデータ記載されています。6x7カメラに適合するのですね。
それを23ボードにマウントして、こちらのLinhof Technica 70スレッドのNo.1580に画像を上げていますが、確かにプレス用のヘリコイドに装備された画像は、私も見た覚えがありません。

Rotelarについても、大変興味深いお話ですが私も70用は見た記憶がなく、Press23の270mmを見たことがあるような。

それと、100mmに対応したファインダーフレームがあったのか、まったくわかりません。
今後画像が出てくることを期待して。

私の個体のファインダー倍率は目視と定規で計算したところ75%前後でした。

さて、私もシュナイダーレンズは大変好きで、Zと並んでいたらSを取りたいほうですが、Press70についてはアウトフィットに遭遇すること自体が幸運なので選り好みする余裕はありませんでした。
色々とご教授いただければありがたく存じます。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

Linhof Press 70, Planar 2,8/80mm, f8, 1/125, Across(EI100), Microfine

れんずまにあ 2022/11/27(Sun) 14:24 No.2086
Re: リンホフ テヒニカ70
名無し様,れんずまにあ様

プレス70は堅牢な作りと美しい鏡胴のレンズ群が魅力です。
掲載された作品のプラナー80mm/2,8の精緻で豊かな描写力にも惹かれます。

ロテラーですが,プレス70の取説を見ると確かに"270mm/5.6"が「準備中」と書かれています。これは元々大判用のテレフォトレンズですが,(グラフレックスXLの様に)プレス70にも供給されたかどうか...。私は縮小判の180mm/4.5をテヒニカ23で使っていますが,控え目のコントラストと繊細な描写,背景の綺麗なボケが気に入っています。
狸おやじ 2022/12/04(Sun) 11:44 No.2091
テヒニカ70でSA65を使う
Superangulon 65mmf8

定番のコンパクトな超広角。6x9では35mmカメラの28mm相当画角で、イメージサークルはf16で4x5カバーできるほど大きな余裕がありますが、ボディ構造に限界があるためスライド移動量は規制されてしまいます。
70の距離計連動にはベッドダウンー内レールを1クリック後退ーティルトアップの3ステップ、ファインダーが縦位置専用であるため、長辺の画角がベッドで蹴られないためにはこの操作が必要です。しかし距離計撮影を考えず、フォーカシングスクリーンで焦点合わせし横位置撮影に限定するなら、ベッドダウンしなくても無限遠から焦点は合います。内レールを少しだけ後退させる必要はありますが、比較的迅速にレンズ交換撮影ができます。ただし横位置のためファインダーは利用できないので、三脚固定が望ましく、簡便になるといっても功罪相半ばかもしれません。
ファインダーを外された個体で65を簡便に使えないかと試してみました。前述のようにベッドダウンしないで縦にするとベッドでけられるのですが、ピントグラス上で6x9なら1mm、6x7ならまったく蹴られはありません。また前板はボディ内なのでライズ量は10mm程度とはいえ、わずかにライズすればけられを回避できます。図らずも65mmでベッドダウンしないホースマンVHで、縦位置レボルビングしたときに数ミリライズすることと同じであることに気づきました。テクニカルの縦位置は極論すればライズ目的なので、レボルビング機構が有効になり大変嬉しいことです。
広角はテクニカルカメラよりも広角専用機を別に持つほうが速写性に優れていますが、ある程度テヒニカ70の活用に目処がたちました。

れんずまにあ 2023/08/27(Sun) 22:31 No.2317
Tele-Xenar とTele-Arton 180/5.5
Tele-XenarとTele-Arton180mmf5.5
スペックは同様ですがサイズの点で、テレクセナーはコンパクト、テレアートンは長くおおらかです。重量は250g vs 300gで、そう変わりません。手持ち撮影では開放画質が高いテレアートン、携帯性はテレクセナーが有利です。ファインダー撮影にはテレアートン、ファインダー無しボディにはテレクセナーを配備することにします。

れんずまにあ 2023/08/28(Mon) 08:11 No.2318
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつも、深いご投稿ありがとうございます。実は、拝読しているうちに、70の工業芸術品と思えるメカニズムに打たれ色々探していましたが満足するレベルには程遠く、半ば諦めていました。先日、アメリカのサイトで65f8.100f2.8.180f4.8のシリアルナンバーがカム一致のアウトフィットを見つけて、相当悩みましたが、思い切って落札しました。もうすぐ到着の予定です。到着したら色々伺いたく存じます。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/09/02(Sat) 19:34 No.2323
リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様
これはリンホフセレクトのプラナーゾナーSAの最高級セット!しかもリンホフ撮り枠が4枚も付いて,もちろんスーパーローレックスも,完璧究極のアウトフィットです。
入射光用のディフューザが付属してる(紛失していない)のもポイント高いです。
一期一会ですから、よく思い切られました。
多分テヒニカVにも流用できるのでは。
まずはお喜び申し上げます。
到着が待ち遠しいですね。
れんずまにあ 2023/09/02(Sat) 22:58 No.2324
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもご指導有難うございます。70のアウトフィットが届きました。何と、ブックレットが揃っていて、1964年8月24日に販売された様です。問題は無い様ですが細部点検して持ち出すつもりです。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2023/09/14(Thu) 21:22 No.2340
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、品物が無事到着されたようで良かったですね。
しかも貴重な当時の説明書付き。
リンホフフードの説明書など見たこともありません。
シュナイダーのラインアップなども興味深いものです。
今後ご活用が期待されます。
撮影が楽しみですね。
れんずまにあ 2023/09/14(Thu) 23:14 No.2341
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつも有難うございます。珍しいシュナイダーレンズのリーフレットの写真を添付致します。ご参考になれば嬉しいです。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/09/16(Sat) 00:36 No.2343
Re: リンホフ テヒニカ70
フイルム大好き様

テヒニカ70の素晴らしいセットですね。広角はビオゴンではありませんが,携帯性と描写のバランスを考えての選択かもしれません。距離計連動カムは,れんずまにあ様のご指摘の様にテヒニカV23でも使えるかもしれません。撮影が楽しみですね。

シュナイダーのレンズリストも興味深い。当時のシュナイダーは,ツァイスをかなり意識していたと思います。テヒニカVの発売(1963年)に合わせて標準レンズの焦点距離を105mmから100mmに変更したようですが,先行するプラナー100mmの存在も大きかったと思います。もしかするとテヒニカの焦点距離の変更もツァイスの提案かもしれません。スーパーアンギュロン53/4とテレアートン180/4という特殊なレンズも,ビオゴン53/4.5とゾナー180/4.8に対抗するという意図を感じます。この時代のドイツの企業(ツァイス,シュナイダー,フォクトレンダー...)の切磋琢磨が,現在の中判~大判カメラ/レンズの基礎を作ったのだと思います。古き良き時代ですね。
狸おやじ 2023/09/16(Sat) 12:03 No.2344
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
れんずまにあ様
お褒め頂きありがとうございます。このモデルが欲しくなった一因がカム切替レバーの存在です。3種の距離切替がこのレバー操作で完結する点に取り憑かれてしまいました。実際の操作で機械式に動作を見てみて感動してしまいました。こんな精密機械が60年も前に完成している事に驚きです。コートのポケットに交換レンズ一つ、歩きながらレンズ交換が可能とは。ただ一つ、人目が気になりますね。拙文失礼致しました。

フイルム大好き 2023/09/16(Sat) 12:44 No.2345
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様 狸おやじ様
いつも有り難うございます。
ebayで見つけて、こんなモノ、手に入れておきました。70用露出計未使用と 53-80-180用カム。幸い届いた個体の露出系は正確でしたが、よる年並みを考え念の為にスペアをと。カムは偶然見つけまして、何が起こるかわからないと、、、。かなり以前ローライ2.8fを愛用していた時少し甘い数値で手放してしまった後悔から生涯の友用と。まるで予防薬揃えている病人状況の報告です。失礼いたしました。

フイルム大好き 2023/09/17(Sun) 23:06 No.2346
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、ますますご精進のことお喜び申し上げます。
露出系ユニットのスペアはなかなか得難いものです。
当時は最先端のありがたい機能だったでしょうし、今でも重宝ですね。

カム切り替えのレバーは大変機能的ですね。他社やテヒニカ45が一々交換作業を要するのと比べて迅速確実。ちゃんと指標のところで止められるかはちょっと曖昧なところもありますが...
そしてタイプ2(53-80-180)の交換カムも大変貴重です。
ご確保おめでとうございます。プラナー80とビオゴンあるいはスーパーアンギュロン53確保の夢が広がります。
ただファインダーもタイプ2である必要があり、53は視野全体と大雑把に考えればいけますが、80は辛いかな?

さてそのビオゴン53ですが、ベッドダウンなしで使うものなのか、あるいは65と同じようにベッドダウン+レール引込+ティルトアップが必要なのか、ずっと疑問に思ってきました。
53mmはどちらのレンズもかなり前玉が前方にあり、画角は65より広いもののベッド先端でけられる心配はない可能性があります。
すると手間がかかるベッドダウンを行わず距離計連動できるなら、かなり迅速なレンズ交換が可能になるはずです。
しかし画像検索を掛けても、テヒニカ23を含めても全く53mm装着状態の画像が出てこない。
ユーザーは集めるだけで満足して実際に使っていないのではないか?

フィルム大好き様が53をご確保になった暁には、ぜひご教授ください。

距離計について素人なりの感想を。
現在65-105-180のタイプ1ですが、クセノター100/2.8やテヒニコン100/2.8でも、2mくらいまで開放で合焦連動しているように思います。さすがに1mでは若干焦点がズレる気がしますが、ほぼ一般的な撮影では連動している印象。
流石に実焦点距離95mmのクセノター100/4は室内ではずれている模様。
高精度の距離計ですが、わずかな焦点距離の差は許容範囲なのではないかと。もちろんご自身で確認されてから実用されるのは言うまでもありません。
れんずまにあ 2023/09/18(Mon) 00:04 No.2347
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
貴重なインプレッションありがとうございます。コレぞこのサイトの面目躍如のご意見と賜ります。そもそも、れんずまにあ様のご指摘、「絶品」 53ミリのご評価が頭に残っています。私はハッセルSWCビオゴンが広角の王者と今でも思っていましたが、この殺し文句は気になりまして、、いつか比べてみたいと。それと室内で100mmの距離計とピントグラスの誤差は気が付いていました。ある程度の距離がいるかなとあまり気になりませんでした。この点、我が意を得たりでございます。流石のご賢察に感服いたしました。
改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/09/18(Mon) 00:45 No.2348
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。さて、面白いサイトを見つけましたのでご報告します。一切の転載、コピーが禁止されている様ですので、アドレスを。
nocsensei.comイタリア語のサイトですが右中段に言語切替で日本語選択、上のジャンル左端の部屋から、マルコ カビナさん選択。クラシックレンズのリポートが沢山出ています。リンホフ向けツァイスも詳細が、他にビオター、ウルトロン、グラフレックス向けレンズ、ローライ、ハッセルからコニカ、ニコン、ペンタックスと様々です。
暫く楽しめそうなサイトです。転載厳禁の様ですのでご注意くださいませ。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/09/22(Fri) 14:10 No.2349
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
お世話になります。手元に届いた70の稼働部グリス入替並びに各部チェックと、割ってしまったグランドグラス入替を代理店サービスに持ち込み、お墨付きをいただき引き取ってきました。帰路、軽量のジンマーをセットして近くの谷中界隈をベルビアを入れて、手持ち撮影デビューしてきました。ハッセルのストラップを付け首からリンホフ、慣れないスタートはマガジンスライド引忘れ。撮り直して何か変な露出にメーターの指針合わせ忘れ。無事に撮れたなと思ったら、ケーブルレリーズがレンズ横切っていたり、、手順の慣れが必要とつくづく思いました。メンテ持込時のジュラルミンケースさえなければ快適に行けそうです。最新デジタルカメラを持った外国人観光客がことのほか興味と驚きの視線を投げかけていました。先ずはご報告申し上げます。

フイルム大好き 2023/09/25(Mon) 16:20 No.2350
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、70が稼働状態になりお祝い申し上げます。
確かにジンマーSで高画質かつ軽快に行くのもいけますね。海外旅行者に見せつけるのも楽しみです。
私は全くオーバーホールせずに使っていますので、機材に優しくないと反省しました。
気候も多少マシになってきますのでそろそろ活用を画策しています。それに先日6x9黒スーパーローレックスを確保し、これまで純正ホルダーをつけたことがなかった機材に嵌め込んで出撃待ちしています。

nocsensei.comご紹介ありがとうございます。とても濃い内容で、散文的にちらばっている記事を散策しています。取り敢えずタムロンのソフトズーム項目を読み耽りました。
網羅するにはいつまで掛かるかわかりませんが夜長に更してしまいそう。

それにしてもこのスレッドがこんなに伸びるなんて当初全く想像もしておりませんでした。皆様のおかげです。全く知らなかったことも沢山ご教授いただき感謝感激です。
れんずまにあ 2023/09/28(Thu) 00:18 No.2352
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
お騒がせ致しております。手持ち撮影のポジが上がってきました。レンズは、ジンマーS100ミリです。どうも重さからかなんなのか、ピントが手前で見苦しい写真で申し訳ございません。グリス入替でストッパーが微妙にズレたのかも。今度チェックしてみるつもりです。ただ、色が良いのでご報告の一枚と致します。よろしくお願いします。

追伸
当初セットのレンズでは、それぞれ無限はピタリでしたが、手持ちの他のレンズではそれぞれ調整が必要と判明しました。お騒がせいたしました。
レンズデータを調べまして、フランジバックの差なんですね。
赤面者で大変恥ずかしく思っています。

フイルム大好き 2023/09/30(Sat) 21:10 No.2357
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。

さて、過日の手持ち撮影失敗のリベンジにて、SA65をセット、下町手持ち撮影に出向きましたが、徒歩の散策には、重さが応え腰痛が復活してしまいました。やはり三脚かと。
偶然にも、白リンホフ三脚の格安品が有り入手して、セットしてみましたら、時代考証ピッタリ。3段1.9キロなら許容範囲です。この時代のカメラと歩むのは大変ですね。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/11/06(Mon) 17:39 No.2407
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
先日の手持ち撮影再トライ。首から下げた70に上レールセットパックを忘れてしまい、前半5枚はピンボケ。気がつき後半なんとかなりました。最後、前回失敗の同じ場所から逆光の中、露出計指示通りの一枚です。手持ちは難しいですね。よろしくお願いします。
SA 65mmf8 1/250f8 ISO100 ベルビア

フイルム大好き 2023/11/09(Thu) 15:47 No.2412
Re: SA65+Velvia100
フィルム大好き様、着々と機材を活用されていますね。
SA65の見事な精細度。
ベルビアカラーのこってり感。コントラストが強いSAと組むと特に顕著ですね。

ベルビアは50を愛用しました。
テスト撮影には感度が低いとシャッター速度が1/500止まりでも開放近くまでフィルターなしで撮影できますので。
一方実写には100の高感度にアドバンテージがありますね。

テクニカルカメラで、ベッドオープンした時の繰り出しは常に注意せねばなりません。
私もRFなしセンチュリーグラフィックでよく失敗しました。
テヒニカ70なら、距離計を確認すれば大丈夫ですね。

私もそろそろ出撃させねばせっかくの機材が持ち腐れです...
田舎に住む者には、紅葉が数少ないカラー写真の出番なのですが、今年はどちらも紅葉は遅れているようです。緑のまま枯れてしまうことがないよう願います。
れんずまにあ 2023/11/09(Thu) 20:28 No.2413
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
常日頃のご指導に感謝申し上げます。
早速に、拙作にお褒めを頂き大変恐縮しております。ありがとうございます。
上がってきたポジの前半5枚は盛大にピンボケしておりました。腰の状態の様子を見ながら三度目のトライを画策中です。手持ち撮影に少し慣れては来ましたが、重さとシャッターストロークの長さから手ブレの感触もあり筋力の衰えを自覚しております。
紅葉の被写体、景色はまさに理想です。
ご投稿、心よりお待ちしています。
よろしくお願い申し上げます。

追伸
先日、日暮里の代理店のご好意で、店頭の70ファインダー部を取り外した内部を拝見する機会を得ました。
実は、自身の70のファインダー内側をクリーニングできるか相談しましたところ、店頭在庫の同モデルで試験して、組み上げにギブアップ。元々程度が悪く展示に回すつもりだそうです。内部は、驚愕のメカニズム。後部距離目盛りの作動状況には、店主共々感嘆の声が出てしまいました。もう80歳になられる元シユリロの70を完全分解出来る技術者の方曰く、もう私は出来ない。分解はしないように、、とのことでした。
長々と失礼致しました。
フイルム大好き 2023/11/09(Thu) 23:22 No.2415
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。気がつくともう、今年も僅か。時間の早さがつらく思う歳です。さて、70の持ち歩きにカメラバッグに不便を感じていましたが、直感で直販サイトにオーダーしてみました。ビリンガム ハドレービッグ。グリップ付の70がスッポリ。まだ余裕があります。これ以上の重さを覚悟すればフロントポケットに、スーパーロレックスも余裕でした。年の瀬と新年の街歩きに活躍しそうです。何かと、手持ちでリンホフはハードルがございますが、ひとつ、解決した気が致します。
よろしくお願いします。諸先輩の方々、今年一年ありがとうございました。良いお年をお迎えください。そして来年も宜しくご指導賜りたく存じます。

フイルム大好き 2023/12/22(Fri) 17:31 No.2446
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様諸先輩の皆様
あけましておめでとう御座います。本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、本日、日暮里の代理店様のご厚意で、リンホフ70のファインダー内部の作動状況を動画に撮らせていただきました。動画の容量が大きく添付できませんでしたので、距離ゲージの構造部分の写真を添付にてお知らせいたします。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/05(Fri) 17:31 No.2466
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。
先日、代理店訪問時、かねてよりの疑問を代表に質問しました。
リンホフ三脚の脚の一本にあるボルト穴です。
明快即答曰く、雲台セット用です。ローアングル撮影の為ですと。

帰宅後セットしてみて、ここまでかんがえていたんだと、しばし感心しました。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/08(Mon) 00:27 No.2467
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
過日、上野の国立博物館の展覧会にリンホフ70持参で行ってまいりました。拝観後敷地内散策、手持ちにて撮影してみました。フイルムはベルビア100。プラナー 100mmをf5.6 1/50でした。6×7サイズです。手持ち撮影に随分と慣れてきて横画面撮影とかもチャレンジしました。重かったですが結果に満足です。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/02/22(Thu) 16:00 No.2486
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、すばらしくシャープで驚きました。
やはりこの機種は手持ちを強く意識して作られていると思えますが、重量は日本人にはなかなかキツイものがあります。
ここまで使いこなされたら、出番が増えそうですね。
横も期待しております。
れんずまにあ 2024/02/22(Thu) 16:43 No.2487
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
早速にお褒めいただき、ありがとうございます。構内では好奇の目で見られましたが全く気になりませんでした。横画面も追加投稿させていただきます。構図とかご勘弁くださいませ。何せ、ピント合わせ保持はキツイですので。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/02/22(Thu) 16:55 No.2488
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
このところ、家内が介護出動による留守番が多く、自宅でカメラを弄ることが多くなつておりまして、、
三脚にリンホフ70、ゾナー180mmをセット。デジタルバックはGFX50SUとしてみましたが不恰好でカメラが文句を言っている様です。
手持ちスタイルでスーパーロレックス装着が一番ですね。タングステンライト下、ASA1600 f4.8開放 1/250です。鼻先下の紫はテレビ画面の影響です。いつも、拙作で申し訳ございません。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/04/20(Sat) 18:44 No.2526
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
先日の、たぬきおやじ様のご指導にてスイングバック作動を確かめて、70を三脚にセットしてトライしました。収納で問題が、、スイングバックロックフックが上下に、2箇所あり、下のフックがリリーススライドに反応しません。仕方無く隙間から爪で押し込んでやっとバチンと入りました。
この点、代理店に問い合わせ致しまして、得られた回答は、70の唯一の欠点で、下部フックは外す(工賃発生)、か割ってしまう。かどちらかとの事でした。
折角の装備を壊す様な勇気も無く、又工賃支払うのもなんだかと、手持ち中心で行く事にしました。
凝った作りと精密性が逆に仇となっている様です。
又、勉強になりました。よろしくお願いします。

追記
れんずまにあ様
前期型、バックドア取外し不可モデルは、交換パーツ払底で入手は中古品転用以外不可能との事です。大切になさってくださいませ。

フイルム大好き 2024/04/22(Mon) 17:13 No.2530
Re: スイングバックロック
フィルム大好き様、大変重要なご指摘をいただきありがとうございます.

思い出すに、私は完品のテヒニカ70ではバックアオリをつかったことがなく、購入後の作動チェックしかしていないのでロックがどうだったか思い出せません.
心配になり今見直すと,一応スライドは左右とも働いてロック解除できるようでしたが、若干渋い感じはあります。そして引き出した後、正位置に戻す際には左右を揃えて垂直に差し込まないと、片方をロックした後もう片方を斜めから入れ難く、無理をすると爪を破損してしまいそうでした。

先日ファインダーなし70で軽く撮影したときには気づきませんでしたが、ジャンク品のほうはロック爪を除去してあり、固定スクリューを緩めるとただちに引き出せました。
ロックがかかるか掛からないかの微妙な位置は、このようにロックがないほうが調整しやすく、引き出すためにアクションが要らないため、アオリだけを考えればロック除去もアリかなと思いました。
ただし私の個体もよく見たら前回きっちり正位置にもどしておらずバックが少し浮いた状態になっており、ピントグラスなら問題ないけど距離計連動撮影を行う時は、ロックがないのは危険かと思われます。

余談ですが、まだ23シートホルダーが十分揃っておらず、今回はラピッドロレックス67を使いました。
ピントグラス撮影には良いのですが、テヒニカのスプリングバックはかなり強く、ホルダを押し込むとプアな三脚やクイックシューはずれてしまいがちでした。
さりとてゆるく押し込むと、十分な位置まで押し込めず隙間が空いて漏光、焦点面ズレでピンボケしてしまいました。
しっかりした三脚が用意できなければ、後期型のスプリングをレバーで開放するバックを装着すべきかなと思いました。

れんずまにあ 2024/04/22(Mon) 20:58 No.2531
Re: スプリングバック
拙宅にはテクニカルダン購入時のレバーつきバックがありますので,これと70のバックを交換しようと考えました。
テクニカルダンはスーパーローレックスを使うのでレバーはさしあたって必要ないのです。
あ、久しぶり引っ張り出したら、水準器が3個蒸発していた...買わなくては.

れんずまにあ 2024/04/29(Mon) 20:16 No.2532
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
暑中お見舞い申し上げます。
酷暑の中、linhof70にゾナー180ミリセットで手持ち撮影行を上野不忍池にて決行してまいりました。重い、暑いの二重苦も不思議にこなせて、ついでに持参したGFXも携行しました。やはり、ピント合わせは、事前にヤマカンで最後ファインダーで追い込むパターンでないとキツイですね。蓮の花の撮影を昼前に無事終了出来ました。
結果は、後日報告申し上げます。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/02(Fri) 18:16 No.2552
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日の不忍池 蓮の花の撮影、現像が上がってきました。何せ重いレンズで、近隣のテストに三脚使用しか持ち出したことがなく、手持ちでトライしての結果は大満足です。機材の扱いも慣れまして、ダークスライド引忘れ、二重露光無しで無事に6×7 10枚露出揃いで、改めて60年前の機材の良さに感激いたしましたので、一枚添付させていただきました。

使用機材は
テヒニカ70
ゾナー180mm
撮影データは
f11 1/100sec VELVIA100
スキャンデータ
EPSON GTX980
純正ネガキャリア
ソフトsilverfast9
1600ppi
以上、宜しくお願いいたします。

フイルム大好き 2024/08/08(Thu) 17:05 No.2557
Re: リンホフ テヒニカ70
フイルム大好き様

素晴らしい蓮の花の写真ですね。感動致しました。

特にピンクの花びらの描写とその後ろの大葉の立体感が印象的です。
背景のボケも美しく,流石にSonnar 180 mmですね。F11でここまで綺麗なボケが出るのは,やはり中判用長焦点レンズの特権と思います(日浦様の解説を頭の中で想起しつつ...)。
素晴らしい作品を見せていただき有り難うございました。
狸おやじ 2024/08/08(Thu) 19:50 No.2558
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
早速にお褒めいただき、恐縮です。
ありがとうございます。
このレンズ、持ち歩いて気がつきました。
シャッタースピード1/100の次は1/250になっていまして、f8での露出系の出た目のセッティングが無く、熱中症になりそうな中、迷いながらシャッター切りました。
安易なデジタルを使っていますと、写真感覚が退化している様な気がいたしました。
いずれにしても、楽しいですね。
お陰様でで、ポジアルバムのページが増えてきました。
もう一枚、何気に撮った弁天堂の相輪の写真も添付させていただきました。
こちらは、1/250 F11です。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/08(Thu) 20:43 No.2559
Re: リンホフ テヒニカ70
ふぃるむ大好き様、酷暑の最中、すばらしい作品をお取りでなによりです。
やはり大フォーマットのフィルム画像はデジタルにない感性に訴えるなめらかさというか立体感というか、サムシングがあるように思います。
それが好きでフィルム撮影、特に大フォーマットを続けています。もう一つは、カメラ操作が大好きで、殺絵行為そのもので幸せになっているのですが。
私も負けずにリンホフを使ってあげたいと思いました。
れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:46 No.2565
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
Linhof Technika70のゾナー180mmでの手持ち撮影時、レンズフードが無く直射日光下に不安を覚えました。古いレンズには過酷ではないかと、、。仕上がりのポジには満足いたしましたが、Amazonで口径が合っていそうなのが格安800円位で有りまして、クリックしてみましたら、案の定、中国から、、、
期待せずにしていまして、到着。フルメタル製でなかなかのモノでございます。
しかしながら、ただでさえ大きな本体の上、無限位置でここまで出っ張ります。
既に、人目は気にしない境地に達しておりますので、再出撃してみようと思っています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/28(Wed) 19:24 No.2583
Re: レンズシェード
フィルム大好き様、着々と充実されていますね。
仰る通り、旧機種にはシェードがあるほうがよく、80-90年台の製品でも、逆光でシェードを付けると露出計表示がわずかに暗くなり、やはりグレアが生じているのだなと思い知りました。
コンパクトで、逆向き収納もできぞうなシェードですね。
私4x5にはこのようなバネでレンズを挟み込むパーンドア型シェードを簡易的に使っています。ジャンクボックスでよくころがっています。

れんずまにあ 2024/08/31(Sat) 17:07 No.2586
中判シートフィルム

中判シートフィルム(大名刺判,小名刺判)の情報を「リンホフテヒニカ23」のサイトに書いた所,れんずまにあ様とフイルム大好き様から沢山のご意見とコメントをいただきました(No. 2063-2065, 2070-2072, 2112-2115, 2163-2165)。シートフィルムの情報は機種に依存せず,もしかすると中判フィルムカメラをご使用の方々一般にも興味があるかも知れません。そこで,このサイトをお借りして,これまでに集めた中判シートフィルムの情報をご紹介します。

中判カメラ用のシート(カット)フィルムは,アトム判から大名刺判まであり,昔の蛇腹式ハンドカメラやプレスカメラでは標準的な感光材だったようだ。しかし,後にコストの安い120("ブローニー")フィルムが普及し,シートフィルム/乾板がロールフィルムに置き換わる中で利用者が減り,フィルムの生産や販売が打ち切られるという悪循環が続いた。その結果,現在の中判シートフィルムは,120フィルムで代替できない大判フィルム(4x5, 5x7インチ等)と異なり,絶滅寸前の状況にある。

シートフィルムは,ロールフィルムより速写性で劣るが,平面性の良さと独立現像のメリットがある。(同露出で2枚撮り,1枚目の現像結果を見てから2枚目の増減感調整が可能。)また,テクニカル/ビューカメラの場合,ピントグラスで構図を決めた後,フィルムホルダーをカメラバックに直接差し込んで撮影できる(カメラバックを取り替える必要がない)という利点もある。120フィルムの値段が高騰している現在,一枚一枚じっくり撮るシートフィルムは,むしろ魅力的かも知れない。

このサイトが契機になり,もし中判シートフィルム市場が少しでも盛況になれば幸いです。

狸おやじ 2023/02/11(Sat) 21:51 No.2168 [返信]
Re: 中判シートフィルム
現在入手できる中判カメラ用のシートフィルムは,主に2種類:
・ 大名刺判: 6.5×9 cm; 2.5×3.5 in. (実寸: 63x88 mm),ヨーロッパ規格
・ 小名刺判: 6x8.5 cm; 2.25×3.25 in. (実寸: 57×83 mm),アメリカ規格

この他に,アトム判(4.5x6 cm,大名刺判の半分)のシートフィルムが主にヨーロッパで使われたようだが,現行の製品は確認できていない。大名刺判もヨーロッパ規格で,大手札判(9x12 cm)と共に広く使われた。一方の小名刺判はアメリカ規格で,手札判(3.25x4.25 in.)やシノゴ判(4x5 in.)と共に北米で使われていた。日本では,第二次大戦前はヨーロッパ規格,戦後はアメリカ規格に合わせたカメラ/ホルダーが多いようだ。

これら2種類のフィルムには互換性が無く,それぞれのフィルムに合ったホルダーを入手して使う必要がある。因みに,リンホフのテヒニカI~IIはヨーロッパ規格のみだが,戦後のテヒニカIII~Vは両方の規格に対応し,テヒニカ23は大名刺判と小名刺判,テヒニカ45は大手札判とシノゴ判のフィルムホルダーが利用できる(参照:No.2063)。

大名刺判シートフィルムは,国内では富士フイルムがモノクローム(ネオパン100 ACROS)を2010年頃まで販売していたが,現在は製造中止。一方海外では,種類は少ないが現在でもモノクロシートフィルムの製造と販売が続いている。


写真:リンホフ テヒニカ23用のシートフィルムホルダー(大名刺判).

狸おやじ 2023/02/11(Sat) 22:03 No.2169
Re: 中判シートフィルム
現在海外で販売されている(又は最近まで販売されていた)モノクロームの中判シートフィルムは,私が調べた範囲では:

大名刺判(6.5x9 cm)
・ Adox CHS 100 II, 6.5x9 cm, 25 sheets.
・ Agfa APX 100, glass plate, 65x90x1.5 mm, 10 pieces.
・ Foma Fomapan 100, 6.4x8.9 cm, 50 sheets.
・ Ilford FP4 Plus, 2.5x3.5 in., 25 sheets.
・ Shanghai GP3 100, 6x9(62x89 mm), 50/100 sheets.

小名刺判(2.25x3.25 in.)
・ Adox CHS 100 II, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Arista EDU Ultra ISO 100, 2.25x3.25 in., 50 sheets.
・ Arista EDU Ultra ISO 400, 2.25x3.25 in., 50 sheets.
・ Ilford FP4 Plus, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Ilford HP5 Plus, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Shanghai GP3 100, 6x9(57x83 mm), 50/100 sheets.

値段は通販サイトによってバラバラだが,大体50枚で30~80ユーロ/ドル程度。
安い順に,Foma < Shanghai < Arista < Adox << Ilford。AristaはFomaのフィルムを仕入れて教育用に販売しているアメリカの会社で,小名刺判だがISO400があるようだ。Agfaはガラス乾板を販売中で,10枚入で119ユーロ(Macodirect)。フイルム大好き様によると,ガラス乾板撮影は五反田の写真館でワンショット5万円(!)との事。

ご参考になれば幸い。
狸おやじ 2023/02/11(Sat) 22:46 No.2170
Re: 中判シートフィルム
国内では,私が確認した範囲では,「みらいフィルムズ」と「かわうそ商店」がフォマパン100(大名刺判)を販売しているようだ。
詳しくは,販売店のオンラインサイトで各自ご確認下さい:
http://miraifilms.jp/?pid=171792675
http://kawauso.biz/products/list.php?%20transactionid=50414011ac6ee099aab878a36f671ccb09ff7522&mode=search&category_id=188&name=&search.x=88&search.y=19

以下は,海外のオンラインショップでの販売情報 (L: 大名刺判, S: 小名刺判)。
・ ドイツ Macodirectは,Fomapan 100(L), Adox CHS 100(L,*), Agfa APX 100(ガラス乾板, L)を販売中:
https://www.macodirect.de/en/film/?p=1&o=1&n=36&f=175%7C1394%7C1406%7C262
https://www.macodirect.de/en/rarities/1092/agfa-apx-100-glass-plates-exp.-date-02/2024

・ アメリカ B&H は,Arista EDU 400(S), Adox CHS 100(S,*)を販売中:
https://www.bhphotovideo.com/c/products/Sheet-Film/ci/335/N/4093113314?filters=fct_sheet-size_3122%3A2.25x3.25in%7C2.5x2.5in

・ アメリカ Freestyle は,Arista EDU 100(S), 400(S), Ilford FP4(S), HP5(S)を販売中:
https://www.freestylephoto.com/category/2-Film/Black-and-White-Film?stock=0&attr%5B%5D=1-50&q=

・ アメリカ View Camera Store は,Ilford FP4(L, S), Ilford HP5(S)を販売中:
https://viewcamerastore.com/collections/black-white-photographic-film?sort_by=price-ascending

・ カナダ The Camera Store は,Ilford FP4(L, S), Ilford HP5(S)を販売中:
https://thecamerastore.com/collections/film-darkroom?sort_by=best-selling&filter.v.price.gte=&filter.v.price.lte=&filter.p.m.search_filters.film_size=Large+Format&filter.p.m.search_filters.film_type=Black+%26+White&page=1

・ 中国 SHJC は,Shanghai GP3(L, S, リンホフ判,*)を販売中:
https://shop.shjcfilm.com/products/shanghai-gp3-100-black-and-white-negative-film-6x9-sheet-film?variant=40296996372659

他のシートフィルムについても,新しい情報が得られたら,情報を更新しながら紹介する予定です。

*) 現在欠品中
(最終更新日:2024年7月14日)
狸おやじ 2023/02/12(Sun) 10:43 No.2171
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
拝読致しました。楽しい世界ですね。ガラス乾板、ホルダーごと持ち込んで現像受付可能かどうか、プロラボに問い合わせ致して1件はダメでした。週明けもう一件当たってみます。問題は現像ですね。全部自家現像がベストとは思いますが。可能な限り色々チャレンジしてみるつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/12(Sun) 17:51 No.2173
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも、詳細情報のご案内、ありがとうございます。
周辺環境、外堀埋めるつもりで都内大手のプロラボにガラス乾板現像問い合わせ致しました。ホルダー毎に受付可能かと。結果は、やはりダメでした。あとは、環境恵まれた知人に打診してみます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/13(Mon) 12:32 No.2174
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ガラス乾板は現像が難しそうですね。どこかプロラボで受け付けてくれるといいのですが。
暗室があれば,バットやビーカーで現像できるかも知れません。大都市(東京?)にお住まいなら貸暗室もあると思います。

私は取り敢えず値段の安いシートフィルムで楽しむ予定です。(Fomapanを注文をしていて納品待ちです。)
今はフィルムの現像環境もないので,タンクやリールを思案中です。シートフィルム用のリールもありますが値段が高くて...。現像の道具や使い勝手等もその内にご紹介できればと考えています。
狸おやじ 2023/02/13(Mon) 21:57 No.2175
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ありがとうございます。
自身、凝り性で午年のせいか、ゲートが開くと突っ走る悪癖を自覚しています。ライカ、ローライ、ハッセル、ニコンSいずれもいい思い出ですが、リンホフを初めて手にして写真の原点に帰る事ができるんじゃ無いかと、このサイトのお陰でハナシには聞いていたガラス乾板が半透明のカーテンの向こうに見え始めています。手綱を引きながら、歳相応に、慎重に落城目指して頑張る所存です。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/02/14(Tue) 00:49 No.2176
Re: 中判シートフィルム
狸おやじさま、スレッド構成まことにありがとうございます。
これほどの情報を日本語でまとめて得られるのはすばらしいことです。

スプリングバックで撮影する際には、ロールホルダーよりもはるかに使いやすい。
昨今のフィルムコスト高騰の折、ロールでバンバンコマ数を流すスタイルではなく、1枚1枚丁寧に撮影するスタイルに移行すべきなのかもしれませんね。
シートフィルムは平面性メリットもあり、何より操作が楽しい!

さて出来る限り大きなフォーマットはメリットがありますし、日本での入手の容易さ(50歩100歩とも言いますが)から出来れば大名刺を確保したいのですが、全然ホルダー数がない!おまけにヤフオクは高い!なんで??そんなに人気あるの?

近所の店舗には、米国からの輸入が多かったのか、在庫は全部小名刺なのです。
ホルダのアパーチャーを見ると、小さいですね。印象としては6x7を1コマ分くらい。数字的には6.5x9とほとんど変わらないのですけども。
まあ大きな問題じゃないですね。

小名刺フィルムは米国に発注しないといけない...
まあ5x7をカットする手もありますね。

カットするにしても、専用カッターは入手困難なので、暗室でロータリーカッター。
そこで以前から凄く悩んでますのは、裏表をどう判断できるかです。
既製品シートフィルムは膜面を表向けにした時、右上にコードがカットされていますので、暗黒でも手触りで表裏がわかります。
1/4カットしたら、1枚はコードが残りますが他の3枚はどうしましょう。何かコードカット出来る物がないか、文具店で物色しグリーティングカードの端を凹凸にするミニカッターを買ってきましたが若干大袈裟なような。
ただしカットの最大のメリットは、カラーフィルムが作れるということ。現像さえ受け付けてくれれば夢は広がります。

現像はもう一方の問題です。
私は目下モノクロしか想定しておりませんが、4x5はパターソンに6枚セットできるアダプター(MOD54 Mk27)で現像しております。非常に簡便で効率的。
しかしMOD54は少なくとも4インチないとセットできません。

4x5アダプターにはLPL製で4枚セットできるアダプタがありますね。これなら2x3いけるのかも。
私はMOD54と同様の構造で2x3がセットできるホルダーをプラスチック板で自作できないか、あるいはパターソンリールにシートをセットできないか、漠然と考えています。
れんずまにあ 2023/02/15(Wed) 22:45 No.2177
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
御指南、ありがとうございます。ロータリーカッター?パターソン?道の固有名詞です。如何にフイルム道を怠けていたか反省してます。この辺からしっかり、勉強した上でガラス乾板に行かないといけないと考えております。失われた10年,じっくり取り返すつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/16(Thu) 00:30 No.2178
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。
大名刺判のホルダーは確かに少ないですね。eBayも安価なホルダーは小名刺判が多い。でも,ヤフオクは気長に待っているとたまに出ることがあり,私は昨年秋に偶然見つけました(2個x1200円)。状態の良いホルダーが見つかるといいですね。

現像も難題です。MOD54の縮小版があればベストですが,残念ながら無さそう。ヤフオクのLPLのホルダー(4x5"x4枚用)も良さそうですが,6x9で使えるかなあ。今私が考えている候補は,QL69-P(20th Century Camera*, $55)です。パターソンの現像タンク(PTP115以上)で使え,大名刺判を6枚セットできるみたい。でも日本への送料込で1万円以上は高いなあ。スパイラル式も少し面倒かも。

*) 2023年2月に火災で店舗が消失し営業停止中。現在再開に向けて準備中とのこと。
https://20thcenturycamera.com


QL69-P (検討中).

狸おやじ 2023/02/16(Thu) 23:39 No.2179
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
たぬきおやじ様
ご指導、感謝です。もう10年以上前、実家の和室と風呂場で末弟と6×6,35mmのプリントを楽しみました。ハイ、ズルして現像はラボです。イルフォードのバライタにプリントした写真は今だに大切にしています。デジタルからプリンターに出力したプリント、和紙とか色々試しましたが敵いません。兎に角、リンホフ周辺機器が高い価格ですからゆっくりと楽しんで行くつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/17(Fri) 01:51 No.2180
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも、ビギナーへの懇切丁寧なご指導ありがとうございます。ガラス乾板などと生意気なことを言う前に、まず現像とまたも検索して、イギリスのlinhof studioと言うサイトで、パターソンのキットが45ポンドで出ていましたので注文しました。到着迄、現像液研究してみます。コレも色々ありますね。何せ、120モノクロ一本現像に出して今回、上りまで2週間!さすがに、決心致しました。

フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 18:56 No.2190
Re: パターソン
フィルム大好き様、フィルム現像キットご確保おめでとうございます。
パターソンは失敗が少ない優れたリールだと思います。
ナイコール型(ステンレスタンク)より液量が多く必要ですが,裏返すと温度が安定します。
昔は褐色の専用現像液ボトルを使っていました。ただ酸化が早く、現像頻度が少ないと劣化で勿体無いことになりがちです。
私は最近ペットボトルを使い始め、空気をほとんど追い出した状態でキャップすると、溶かした原液なら半年でも1年でもちゃんと現像できてますし、全く変色も見られません。
遮光したほうが良さそうですが、もともと冷暗所保管、というか車のトランクですので。
私は泊まりがけで仕事に行くので、出先で現像しているのです。持ち出してもこぼれないようペットボトルを採用したら、思わぬ保存効果に驚いています。

現像液は昔と違って大変選択肢が広く、どれで現像するかがまた楽しみです。色々お試しください。
ちなみに今愛用しているのは、20年前に購入したミクロファインやフジドールだったりします。私の目が節穴なせいもありますが、現像結果には満足しています...
れんずまにあ 2023/02/28(Tue) 19:15 No.2191
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のご指南、感謝です!そうか!ペットボトル!褐色の保存ボトル検索中止!です。ありがとうございます。モノクロはイルフオード使っていますが、tri-xもやってみたいです。ミクロファインですか。濃いめの写真が好きなもんで、色々トライですね。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 19:29 No.2192
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,貴重な情報をありがとうございます。
Linhof studioを見ましたが,パターソンの現像キット(PTP573)が45ポンドはお買い得ですね。私もパターソンのPTP115かPTP116(送料込6-7千円?)を考えていました。道具の揃った115のキットが送料込70ポンドは魅力的です。パターソンはQL69-Pが使えるのもメリットと思います。

れんずまにあ様,保存用のペットボトルは名案ですね。
これは現像を活発に実践されている方のみが知る貴重な情報で感謝いたします。現像液についてもまたノウハウ等お教えいただけたら幸いです。
狸おやじ 2023/02/28(Tue) 23:13 No.2193
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
少し、お役に立てて嬉しいです。ライトアングルファインダーを探していた時、新品が
リストアップされていて価格から断念していました。シュナイダーレンズキャップも新品で勢揃いなのには驚きました。楽しいサイトですね。
フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 23:46 No.2194
Re: 中判シートフィルム
シートフィルムをホルダーや現像タンクに装填する際は「暗闇」が必要になる。
暗室がない場合,ダークバッグの利用が一般的だが,布袋の中の作業は面倒で,フィルムに埃が付く可能性もある。何かもっと便利で快適な方法がないかと考えていた。

ポップアップ式の"Film Changing Room"が,アメリカのPhotoflexから販売されている。
これは周囲に金属フレームが入った組立式の「暗箱」で,袋から出して引き手を引くと自立する。海辺で見るポップアップテントの暗箱版で,ポール式より組み立てが簡単。Adoramaも同様の商品を出している(*)。どちらも国内での販売は無いが,eBayで中古($20)を見つけたので購入してみた。

使い勝手はなかなか良い。生地は2重で開口部は2重のファスナーで遮光されている。
両側の袖から手を入れて操作するのはダークバッグと同じだが,自立式なので作業用の空間が確保できる。大きさは40x55x40cmで,中判から大判のシートフィルムの操作が可能。畳むと厚さ4cm,重さは600gで携帯にも便利。シートフィルムのホルダーへの装填に重宝している。

*) 2023年12月8日追記
Adoramaは日本への通販を始めたようだ。詳しくは
https://www.adorama.com/adpfcr.html


写真:ポップアップ式暗箱 (Film Changing Room, Photoflex).

狸おやじ 2023/03/04(Sat) 17:48 No.2196
Re: 中判シートフィルム
たぬき親父様
れんずまにあ様
パターソンキット5日で届きました。さあ!と思い、ダークバックもと、思っている所、ご投稿見て夜中検索しています。それにしても、現像液。家人からは匂わない様にと。釘を刺されまして、、、ヨドバシの売り場でも行って相談してみます。

フイルム大好き 2023/03/06(Mon) 01:10 No.2197
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
パターソンの現像キットが届いて良かったですね。おめでとうございます。
ポップアップ式暗箱は,フィルムをホルダーへ装填する時は,埃防止に役立つと思いますが,現像タンクに装填する時は(埃が現像液で流れるので)ダークバッグで大丈夫と思います。

私の記憶では現像液はそれ程匂わなかった(?)と思います。ただ,停止液の酢酸は匂いますね。気になる場合,クエン酸を使うのも良いかも知れません。私は水で代用することもあります(これはあまりお勧めしませんが)。
狸おやじ 2023/03/06(Mon) 20:18 No.2198
Re: 現像液
私は出先で現像しておりますが現像液はさほど匂いませんので出先に迷惑はかかっていないと信じています.
定着液は鼻を近づけると酸臭がしますがこれも大したことありません.
私はモノクロ現像再開してからストップバスに酢酸は使わず水で3回洗浄して定着を入れます.
一応定着液は所定の本数以上使えているので,それほど劣化は起こっていないようですが,本当は狸おやじ様の仰るように,酸性ストップが望ましいとは思います.
最近は海外製の匂わない停止液が通販に出ていますね.
内容はクエン酸なのでしょうか.クエン酸は単独でも購入できますし,いいかもしれませんね.
れんずまにあ 2023/03/06(Mon) 22:00 No.2199
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
早速のご指導、感謝致します。ありがとうございます。クエン酸なるほど。水洗で済ませればいうことないですね。色々試してみます。まずは、ダークバッグ頼みました。現像は人それぞれですね。レシピとは言い得てますね。まずは撮影ですね。
フイルム大好き 2023/03/06(Mon) 22:20 No.2200
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
6×9シートフィルム現像リール発見しました。6枚現像出来るとなっています。パターソンリール試して、ダメなら検討してみようと思います。

フイルム大好き 2023/04/26(Wed) 23:54 No.2227
Re: JOBO 2509n
フィルム大好き様、これはすばらしい情報ですね!喜ばれる方も多いのではないでしょうか。
画像を見ると6x9てか2x3でなく9x12cmと4x5しか写っていないようで若干の不安が...
私はまだホルダー捜索中です。
リンホフの大名刺を1個だけ確保しましたが、裏表2枚だけではなんとも心細い。せめて5個ホルダが揃わないと出撃を躊躇してしまいます。
フィルムと現像装置を揃えるのはその後にしようと目論んでいます。

B&Hでは64ドルですが送料と為替を加味すると微妙なところですね。それでもタンク込みだと海外の方が安いかも。
https://www.bhphotovideo.com/c/product/25534-REG/Jobo_J2509N_4x5_Sheet_Film_Reel.html
れんずまにあ 2023/04/27(Thu) 00:48 No.2228
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
さすがの情報収集力恐れ入りました。B&H安いですね。でも送料が、、。コレはドイツ製ですか。フィルム愛好者は環境厳しいですね。
フイルム大好き 2023/04/27(Thu) 01:32 No.2229
Re: JOBO 2509n
フイルム大好き様
れんずまにあ様
貴重な情報をありがとうございます。

Joboのリール2509nは汎用型で,6x9cm~4x5in.まで対応するのが良いですね。
ただ,2520以上の大型タンク(横回転式?)が必要で値段もやや高目。使い勝手は分かりませんが,動画を見た感じだとQL69-Pよりフィルムの装填が難しそう。今は20th Century Cameraが火事で販売停止中なので,貴重な代替候補と思います。
狸おやじ 2023/04/27(Thu) 20:50 No.2230
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。
こんな物はあるんですね。ヨドバシで売っていました。肝心の中身も充実して欲しいものですね。

フイルム大好き 2023/04/28(Fri) 18:19 No.2231
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
HCLのフォトスリーブですね。6x9用は初めて見ました。貴重な情報をありがとうございます。

120フィルムの保管には,私も苦労してきました。
基本的にはポジフィルムのスリーブを透明シートに入れてバインダー式のフォトファイルに入れてきました。ハクバのフィルムファイル(SF-4),富士のリバーサルファイル,コクヨのフォトファイル(ア-M160)を使ってきましたが,どれも6x9を2枚づつ4段入れるなら問題ないが,6x7だと上手く収まらない。6x9シートフィルムを入れるならポケット式の透明シートが欲しいが,4x5用しかない。もう少し調べて何か良い情報があればご報告します。
狸おやじ 2023/04/29(Sat) 11:25 No.2232
Re: 6x7収納
私お6x7の収納には困っています。
6x9用4段だと、6x6は3コマいけますが、6x7はもう1段必要。6x8もそうなんですけど。
それと6x12も困ります。6x17なら大丈夫なんですが。
ネットで縦に6x12を2コマx3列収納できるネガポケットを、4x5を4枚収納できるものと一緒に取り寄せました。
これでも6x7なら3-3-3ー1と1コマあまっちゃうんですよね....
れんずまにあ 2023/04/29(Sat) 15:27 No.2233
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
諸先輩皆様、隠れたご苦労がございますね。6×12のネガ、ポジ、綺麗でしょうね。デジタルファイルはモニター画面であまり感動がございません。スリーブをライトボックスに置く時が何より傍らの水割りが、より美味しくなります。それにしても6×9シートフィルムがモノクロオンリーとは。れんずまにあ様のご投稿の5×7のポジをカット、、を考えてしまう様です。カットホルダーが手元に届くまで、あれこれ考えております。
フイルム大好き 2023/04/29(Sat) 18:41 No.2234
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。確かに6x7は中途半場な大きさで困りますね。教えていただいた6x12用のシートに6x7をペアで入れるのは上手い方法なので検討してみます。ありがとうございました。

大名刺判シートフィルムの方は,コレクトのA4ポケットリーフ(S-4240)が使えるかもしれません:
https://www.amazon.co.jp/dp/B00777RJ62?th=1

この8ポケット(73x109mm)か,9ポケット(72x99mm)なら上手く収まりそうです。8ポケットが横,9ポケットが縦で,どちらも上から差し入れる方式で,保管中に飛び出すこともなさそう。私は8ポケットを注文して試してみる予定です。

フイルム大好き様
大名刺判のカラーポジが無いのはとても残念ですね。
5x7in.をカットする手はありますが,現像してくれるラボが見つかるかどうか。特殊なサイズなのでガラス乾板と同じ困難があります。せめてモノクロポジがあれば楽しめそうですが,今は120も無い様です。一部のモノクロネガはポジ現像もできるようで,少し調べたことがあります。でも,かなり複雑な行程の様で手を出しかねています。
狸おやじ 2023/04/29(Sat) 21:38 No.2235
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも、御指南ありがとうございます。FOMA6×9シートフィルムが届きまして、懸案のパターソンリールに巻き込み出来るか一枚取り出してテスト致しました。フィルム幅が3ミリほど大きく、手先で引っ張って一枚だけはなんとか。送り込み作動させると外れてしまいました。専用リールか、暗室でのバット現像のどちらかですね。リバーサルは諦めました。120で我慢です。カットホルダーが届きましたら、セットと取り出しの練習致します。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/05/01(Mon) 16:28 No.2236
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
大名刺判シートフィルム(フォマパン100)をご紹介いただきありがとうございます。
こちらにも今日同じフィルムが到着しました。恐らく日本に入荷した最初のロットと思います。大事に使いましょう。

手持ちのフィルムホルダー(リンホフカットフィルムホルダー)に装填してみました。公称サイズは64x89mm(実寸: 63.5x88.5mm),厚さは0.2mm程。手元にあるサンプル(ネオパン100アクロス?)と同じ厚さで,平面性は良さそう。装填はノッチの位置が左下になる向きでフィルムを引き蓋の一段下の隙間に挿入する。慣れれば簡単だが,確実に装填するには少し練習が必要かも。

当面の現像は「プロラボサービスnet」に依頼する予定ですが,将来は自家現像に切り替えたい。フイルム大好き様の検証によりロールフィルム用リールには装填できないので,専用リール(QL69-P, No.2179)を考えていますが,販売元が火事で営業停止中。代替品としてJobo 2509nを検討しています。

写真: Fomapan 100(左上)とフィルムホルダー。

狸おやじ 2023/05/02(Tue) 00:00 No.2237
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
フィルムをホルダーに装填する際の心得、ご指導ありがとうございまず。ノッチは上にして装填するつもりでした。危なかったです。それにしても3ミリの差でリール装填不可は、何とも諦めつかず、リール弄りまわしましたが、どうしようもありません。メーカー、作ってくれれば良いのですが、、。ホルダーもうすぐ届くと思いますので楽しみです。届いたら、練習して、試してみるつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/05/02(Tue) 22:28 No.2238
Re: 中判シートフィルム
レンズマニア様
狸おやじ様
いつも有難うございます。ダブルカットホルダーだと思って注文して手元に届きましたら、スーパーカットホルダーでした。箱が綺麗で中身が出ていないサイトでしたので安いしイイやと。何と近所のラボがホルダーごと持っておいで、と快く現像引き受けてくれました。
まてよ、、
ならガラス乾板も、と欲が、、
以下、五反田の写真館主人がHPに書いている文言、コピペします。

曰く、
デジタルカメラも敵わない精細描写

ガラス乾板は、昭和30年代まで使われていたといいます。最大の欠点は落とすと割れることですが、撮ったものは耐久性、保存性、クオリティーに優れ、色褪せることがありません。

「ガラスのあと、薄いフィルムが登場しました。ネガフィルム、ポジフィルムなどがあります。フィルムは薄く軽く、携帯性に優れていて、24枚撮り、36枚撮りなどがあり連写も容易です。それに比べて、ガラス乾板は1枚ずつ撮る一発勝負。現像も大変です。ですが、保存性や耐久性は唯一無二で、デジタルではこれに敵う精度の表現ができません。解像度でいえば、画素数に換算できないぐらいの高精度の描写が可能です。ピントがぴったり合ったガラス乾板の写真は、どんな高性能の大判カメラにも敵いません。だから、天体写真などで長く使われてきたのです。ベテランの天体写真家の中には、ガラス乾板写真をやっていた方もいらっしゃいます」。


デジタルも敵わないと、殺し文句が、、
相談してみようと思いました。
失礼致しました。
フイルム大好き 2023/05/12(Fri) 18:29 No.2239
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。
中判シートフィルムを現像してくれるプロラボが見つかって良かったですね。特殊なサイズだと断られたり,時間や料金が余計にかかる事が多いので,好意的に引き受けてくれるラボは貴重です。

ガラス乾板は平面性と保存性が最高と思います。アグファ(ベルギー?)は,少ないニーズに応えて今でも中判(大名刺判)や大判(4x5, 5x7 in.等)のガラス乾板を提供しているようです。でも,現像の問題とモノクロネガのみの現状から,私は少し躊躇してます。モノクロポジが販売されるか,ポジ現像の簡単な方法が開発されたら検討してみたいと思います。
狸おやじ 2023/05/16(Tue) 21:39 No.2243
Re: 中判シートフィルム
大名刺判を調べていたらここに流れ着いたので、試しにコメントしたいと思います。

使用機材はマミヤプレス・スーパー23。
元々チェキバック用の実験体だったんですが、後部アオリのせいでかなり面倒な事が判明し普通に撮影に使ってたんですが、たまたまジャンク箱からシートフィルムホルダーを救出できたので、中判シートフィルム運用できるようにしてみました。

先日大名刺判のFomapan100を手に入れ、本日テスト撮影・現像までやってみました。
1枚は引き蓋が移動中にズレてガッツリ露光してましたが、2枚はとりあえず像が出てくれました。

また後日、うちでの現像方法なんかもコメントできたらと思っております。
その際はよろしくお願いします。

らいむら 2023/05/20(Sat) 22:20 No.2244
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,ようこそいらっしゃいませ。
貴重な情報をご投稿いただきありがとうございます。マミヤプレススーパー23は,れんずまにあ様の詳しい解説「マミヤプレス」が機種別画像掲示板にあり,私も興味を持っておりました。今後ともよろしくお願いいたします。

大名刺判シートフィルム(Fomapan 100)の撮影と現像をされたのですね。素晴らしいです。写真を拝見するとマミヤの乾板用ホルダー(Type J?)をお使いと思いますが,大名刺判のフィルムが装着できるのですね。これはマミヤのホルダーをお持ちの方々に貴重な情報と思います。シートフィルムの現像法についても,お時間のご都合の良い時にお使いの方法やノウハウを教えていただけたら有難いです。よろしくお願いいたします。
狸おやじ 2023/05/20(Sat) 23:47 No.2245
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。foma pan100のシートフィルムとりあえず2枚テスト現像上がってきました。スキャンしてみまして満足しています、、が現像料2枚で2400円。20世紀センチュリーの復活が近いので、リールを注文するつもりです。モノクロ楽しいですね。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/05/24(Wed) 20:22 No.2248
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,ご投稿ありがとうございます。

現像が綺麗にできて良かったですね。
一枚1200円は高いですが,大名刺判は特殊なサイズなので割高になります。私が調べた範囲では「プロラボサービスnet」が一番安く,一枚580円程(4x5"判の1割増,税込)とのこと。東京の中野近くにお住まいならお勧めです。私はモノクロネガのポジ(反転)現像を将来的に考えていて,それには専用リールも必要なので,20th Century Camaraの復活を待ってます。皿現像という手もありますが。
狸おやじ 2023/05/24(Wed) 23:54 No.2249
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
貴重な情報、ありがとうございます。
フィルムファンは苦労の連続です。それでも、じつくりと向き合う時間はデジタルにない世界ですね。双方、いいところを楽しみながら行きたいと思います。
これからも、宜しくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/05/25(Thu) 17:27 No.2250
現像の提案
もしかしたらKINGの120用ベルト式現像タンクでいけるのでは、とふと思いました。
拙宅にはいくらか転がっています。
でも大名刺シートフィルムがないので検証できない。
フィルムがあってもシートフィルムホルダがないので撮影もできない.
れんずまにあ 2023/06/01(Thu) 20:21 No.2252
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
ヤフオクでパターソンタンク用4×5シートフィルムホルダーを、3Dプリンターで作成して出品している方がいらっしゃいまして、試しに6×9シートフィルムホルダー作成は如何と質問しましたところ、落札の上寸法を指示して下さいと。価2700円。ただ、4×5は湾曲余裕ありますが、6×9はどうなんだろう。少し考えてみます。
フイルム大好き 2023/06/01(Thu) 22:48 No.2253
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
なるほど。Kingの120用ベルトには入るかもしれないですね(フィルムの幅は63.5 mmです)。
試してみたい所ですが,私の手元にはKingのベルト式が無く,ヤフオクにも今は出ていないようです。

フイルム大好き様
ヤフオクの商品は,パターソン用の4x5スペーサー(4枚用)でしょうか。もし大名刺判のサイズで作ってもらえるなら好都合です。もし特注できるようでしたら是非お教えください。
狸おやじ 2023/06/02(Fri) 00:00 No.2254
自家現像法
現在、うちで大名刺判を自家現像する時の方法ですが、
必要な道具としては、
・現像タンク(120フィルム対応)
・輪ゴム(#14、折径約50mm)
・定着用バット
となります。

まず、タンクへの装填ですが当然暗室下で行います。
ホルダーからフィルムを取り出したら、膜面を内側にして長辺方向に輪ゴムをかけます。
輪ゴムをかけたら、現像タンクへ立てて投入。恐らく3〜4枚が限度です。

後は、各種薬品使って現像処理します。
当然反転撹拌はできないので揺らして撹拌させます。

また、輪ゴムをかけたまま定着させると跡が残るので(1敗)
停止まで終わったら輪ゴムを外しバット内で定着させます。
停止が完全にできてたら明光下で定着しても大丈夫です。

大分原始的ではありますが4×5とかでもやっている人はいますし、
ちゃんと膜面を内側にして輪ゴムをかければ傷が入ったりはしません。

らいむら 2023/06/02(Fri) 23:00 No.2255
Re: 中判シートフィルム
らいむら様
はじめまして、宜しくお願いします。
ご投稿、拝読致しました。まさに、目から鱗の気持ちです。貴重なお知恵をいただき感謝です。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/06/02(Fri) 23:34 No.2256
Re: 中判シートフィルム
らいむら様
大名刺判シートフィルムの現像法を教えていただきありがとうございます。
輪ゴムを使う手があるのですね。便利な方法でとても参考になります。貴重な情報と写真をありがとうございました。

私はどうするかまだ思案中ですが,専用リール (20th Century Camera, No.2179) の再販が遅れる場合,ステンレスの薄板でホルダーを作る方法も考えています。考案者は「こぼうし」さんです:
https://koboshi.tokyo/2022/05/14/ptp116/

大名刺判なら横向きに3枚入り,液量も少なくて済む(?)かも。
狸おやじ 2023/06/03(Sat) 09:36 No.2257
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
先輩諸兄各位
ラボに、現像依頼故に達成感50%ですがFoma pan100の6×9シートフィルムテストです。拙宅の愛犬を撮ってみました。レンズは、テヒニコン180ミリ解放です。スキャナーのフィルムホルダーは、AZTEKのウエットスキャンです。やはり凝るなら、自家現像の上、暗室プリント作業したいとつくづく思いました。宜しくお願いします。

フイルム大好き 2023/06/10(Sat) 19:05 No.2263
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。

ロテラーらしい滑らかな階調と穏やかなコントラストで,ご愛犬の表情が豊かに表現されていると思います。
フォマパン100は,私はあまり期待していなかったのですが,この描写なら主力のモノクロフィルムとして使えそうです。貴重な情報を送っていただきありがとうございました。

Aztekのウェットスキャンは全く知りませんでした。
これはEpson等のフラットベッドスキャナーのガラス面に,特殊な(揮発性?)液体でフィルムを貼り付けてスキャンをする方法の様ですね。これならフィルムとの間の隙間やホコリによる散乱,ニュートンリング等を防いで綺麗にスキャンできそうです。専用のホルダーと液体(SMF2001)で$254は高価ですが,その価値はありそうです。これについても使い勝手やノウハウ,注意点等があればお時間のある時に是非お教え下さい。どうぞよろしくお願いします。
狸おやじ 2023/06/11(Sun) 10:03 No.2264
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
下手な写真をお褒めいただき、赤面の限りです。AZTEKですがEPSONマウントトレイ(何と日本製)69ドル、AZマイラーシート100枚セット84ドル送料91ドルでした。KAMIリキッドは危険物で航空便禁止物。成分調べましたら、イソプロビルアルコール、ナフサのようです。youtubeでZippoオイルを使っている外人を真似て、メーカーはダメと言っていましたが問題無くスキャン出来ました。まず、ジッポオイルをトレイにたらして、フイルムを置き又上からオイルを垂らしマイラーシートを被せて中の空気を抜き、ティッシュなどではみ出たオイルを拭き取ります。密着を確認してスキャナーにセットします。火気厳禁換気は、大事です。ネガもポジも大丈夫でしたが、自己責任です。国内でドラムスキャンしている会社に聞いてみようと思っていますがそのままです。シートフィルムは、カールしていないのでそのまま、スキャナーガラス面に位置決めして試してみましたら、結果は良かったです。元々ブローニーのスキャンに不満があり入手しましたが、エプソンのスキャナードライバーソフトにも不満があり、SilverFastというソフトで満足な結果を得る事が出来ました。何といっても、避けられないホコリの映り込みがクリックひとつで処理出来て驚きました。
何故エプソンが、このトレイを国内で販売しないのか、理由はわかりません。
あまり、お役に立てられない返信で恐縮しています。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/06/11(Sun) 17:02 No.2265
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
貴重な情報をありがとうございます。

そうですか,KAMIリキッド(SMF2001)は危険物なので航空便で個人注文ができないのですね。
試しに1本($50, 1L)購入したいと考えていたので残念です。イソプロピルアルコールは,試薬(99.9%, 1L)がアマゾンで1000~1500円で販売されてますが,残存物の影響を考えると少し心配です。どこか日本の業者がこのKAMIリキッドを輸入するか製造してくれるといいのですが...

マウントホルダーのエプソン製にも驚きました。エプソンは国内販売に手を抜かず,国内でもホルダーを販売して欲しいですね。私は120フィルムは主にカメラ店の専用スキャナーでスキャンしてもらってますが,高性能のホルダーが手に入るなら自前も検討したいと思います。いろいろ教えていただき感謝いたします。
狸おやじ 2023/06/11(Sun) 21:12 No.2266
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。6×9シートフィルムの板の投稿からは、少し外れてしまいますが、フイルムドラムスキャンを受け付けているラボから以下の回答を得られました。
リキッドは、液体パラフィン(下剤)、薬局で手軽に入手できるそうです。下剤故、無害。揮発性も無いため、スキャン後は無水アルコールで清掃。
との事でした。近いうち試してみようと思います。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/06/14(Wed) 12:26 No.2268
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
貴重な情報をありがとうございます。

ドラムスキャナーでは液体パラフィンを使うのですね。流動パラフィンは屈折率がフィルムベースと近くて良さそうです。でも洗浄が必要ですね。無水エタノールをスキャンに使う手もあるかも。KAMIリキッドの代替品が見つかると良いですね。
狸おやじ 2023/06/15(Thu) 21:29 No.2269
Re: 中判シートフィルム
私の拙宅にもようやく現像タンク他の道具が届き,モノクロフィルム現像用の環境が整いつつある。
しかし,アメリカの20th Century Cameraが2月の火事で営業停止した為,大名刺判シートフィルム用リール(No.2179)の供給がいつ再開されるか,目処が全く立っていない。

そこで,休日を利用して,シートフィルムを固定するためのホルダーを試作してみた。
これは以前(No.2257)紹介した「こぼうし」様が考案された4x5インチ用のステンレス製のホルダーで,パターソンの現像タンク(PTP115)に装着して使用する:
https://koboshi.tokyo/2022/05/14/ptp116/

上の図面をお借りして,大名刺判に合わせ0.67倍にスケールダウンしたホルダーを3つ作成した(図面)。シノゴ判は横向きに2枚入るので,大名刺判だと2/0.67=3枚入る。高さは7cm程で液量も少ない。ホルダーの配置と全体のイメージは,らいむら様の記事と写真(No.2255)を参考にさせていただきました。こぼうし様とらいむら様に感謝いたします。


図面:パターソンPTP115用の大名刺判シートフィルムホルダー.

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 16:54 No.2270
Re: 中判シートフィルム
ステンレス板は,厚さ0.1mmのものをホームセンターで購入し,金切鋏で加工した。
0.1mmはシノゴ用の0.15mmより薄いが,ホルダーが小さいので強度は十分。これより厚いと加工が困難と思う。加工は結構難しいが,定規2つを使って折曲げ,直径2cmの丸棒で曲面を出した。切り口はサンドペーパー(#400)でバリを取り,ステンレス磨きで仕上げた。


写真:試作したステンレスホルダー

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 17:04 No.2271
Re: 中判シートフィルム
フィルムホルダーをパターソンの現像タンクに装着した感じは,まあまあと思う。

フィルムはホルダーに装填してからタンクに入れても良いし,タンクにホルダーをセットした状態で装填しても良いが,手探りで操作する場合,後者の方が楽と思う。フィルムはホルダーにしっかり固定されていて揺すっても外れないが,ホルダー全体は3つのパーツの反発力で支えられているので,逆さにして強く振ると(内径がテーパー状なので)落ちてくる事がある。回転攪拌なら問題ないが,倒立攪拌をする場合,ホルダー上部にリング状のストッパーを入れると良いかも知れない(今検討中)。


写真:フィルムホルダーとパターソンPTP115.

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 18:09 No.2272
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ご投稿、拝見致しました。驚きました。不器用な私にはとても無理な世界です。多分、指先怪我してしまうと思います。20thカメラの再開を待つつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/06/27(Tue) 22:10 No.2273
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。
確かにホルダーの工作は面倒で,あまりお勧めできません。私も専用リール(QL69-P)を購入するまでの「繋ぎ」と考えています。(液量はどちらも500ml必要なので,6枚現像できるリールの方がメリットが多い。)

倒立攪拌時にホルダーを保持する「円環状ストッパー」をステンレス板(幅29x300mm)で試作しました。アクリル製のビスを3箇所付けて,筒との間隔を5mm程空けるスペーサーにしてます。これでホルダーの脱落は防げますが,あまりスマートではないですね。


写真:ステンレス製の円環状ストッパー.

狸おやじ 2023/06/30(Fri) 22:50 No.2274
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様

ストッパーなんですが、リールの軸と密着する方だけを使って簡易的にストッパーとするのはいかがでしょう。リールの外径で足りるかは寸法が取れないので、実際できるかどうかわからないんですがいかがでしょう?
らいむら 2023/07/01(Sat) 10:41 No.2275
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,貴重なアドバイスをありがとうございます。

早速試してみると,ご指摘の通りで,軸に圧着する側のリール(片側)を接合部を下向きに取り付けると,ホルダーのストッパーとして上手く機能します。逆さにして振ってもホルダー(フィルム)が落ちなくなり,自作のストッパーよりスマートで安定感があります。軸の付け忘れ(露光)の心配もなくなり,一石三鳥のアイディアです。セッティングの様子を写真で示します。

素晴らしいアイディアをありがとうございました。


写真:リール(片側)をストッパーにしたセッティング.

狸おやじ 2023/07/01(Sat) 11:29 No.2276
Re: ベルト式リールはダメ
以前2Bのベルト式現像タンクで大名刺現像できないかと発言しましたが、無理です。
現物合わせしてみると、ベルト幅がフィルムに対して狭く,アパーチャーの中までベルトの凹凸が入ってくるため、画面にベルト式の特徴の未現像スポットが入ってくることになります。
あるいは小名刺ならいけるのかもしれませんが、大名刺のフォーマットサイズが120にくらべてかなり幅広なことがよくわかりました。
れんずまにあ 2023/07/01(Sat) 12:21 No.2277
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご連絡いただきありがとうございます。

そうですか。キング現像タンクの120用ベルトは,大名刺判には幅が足りないのですね。残念です。大名刺判は幅が63-64mmなので,120より2-3mm広いのが原因と思います。貴重な情報をありがとうございました。

今の所,中判シートフィルムが装着できるリールは,2つ選択肢があるようです:
1. Jobo 2509n(6x9cm~4x5in.対応,6枚装填,現像タンク2520以上)
2. 20th Century Camera QL69-P, QL23-P
(69は大名刺判,23は小名刺判,6枚装填,現像タンクPaterson PTP 115以上)

Joboの2509nは汎用型で良さそうですが,2500シリーズの大型タンクが必要。20th Century Cameraは火事で営業停止中。再開がいつになるか分かりません。
なかなか上手く行かないですね。
狸おやじ 2023/07/02(Sun) 10:00 No.2278
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有難う御座います。諸先輩の智恵と工夫、実践に対して頭が下がります。不器用自覚の自身に、いつも付きまとう、ガラス乾板の現像方法。プラ枠でパチンとハマリ、タンクで行ければいーなと、朧げながらイメージしていました。そうか、ステンレス枠でスッとセットできればと、、いずれ、現物手配できたら考えてみようと思うに至りました。無いものに対する克服意欲が湧いてきました。まだまだ道のりは向こう千里ですが、ゆっくり楽しむつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/07/02(Sun) 17:25 No.2279
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,ご投稿ありがとうございます。

確かに,ガラス乾板(6.5x9 cm)の固定にステンレス製のホルダーが使えるかもしれません。ただしPTP115の場合,横向きだと2枚しか入らない。3枚以上セットするなら縦位置が良さそうです。ガラス乾板の重さを考えるとステンレス板は0.2mm以上の厚さが必要と思います。どこか板金加工してくれる所が見つかると良いですね。
狸おやじ 2023/07/04(Tue) 20:35 No.2280
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様

うまく行ったようで何よりです>リールでストッパー

リールを大名刺判の幅まで拡張できるように改造するのも考えたのですが、
リールの気泡抜きの隙間にフィルムが引っかかって、複数枚入れるの結構面倒だなと思って諦めました。


後、小名刺判〜4×5まで対応の現像タンクを見つけたんですが、
(https://www.bhphotovideo.com/c/product/63620-REG/Yankee_YACF45_Cut_Film_Daylight_Developing.html)
大名刺判でも32oz(約950ml)の液量が必要なのと、純粋に作りや品質が大分雑とのレビューがあるので中々手を出しづらいですね……
1回で12枚現像できてこの値段という意味では、コスパはいいんですけどね。
らいむら 2023/07/07(Fri) 09:08 No.2281
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,ご投稿と貴重な情報をありがとうございます。

ご紹介いただいた現像タンクは,シートフィルムを12枚まで現像できるのでコスパが良いですね。4x5"判の場合,MOD54もQL45-Pも6枚上限で液量が約1Lなのでメリットがあります。ただ,大名刺判にはもう少し小型の物,例えばSP-445の縮小版があると良いですね。No.2270でご紹介したこぼうしさんは,4x5”判の500ml現像タンクを自作される計画のようで,色々工夫される方が多いようです。

貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2023/07/08(Sat) 10:42 No.2282
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
真摯なご投稿、感謝しています。ど素人からの質問です。3Dプリンタで作成できないものか、3Dプリンターがどのようなものか知らずに考えてしまいました。6×9フィルム ガラス乾板ホルダー並びにタンクとか、どうなんでしょうか?フィルム砂漠彷徨ううちに陽炎の様に浮かび上がってしまいました。どなたか、この辺のエキスパートがいらっしゃったら、ご意見いただければ幸いです。失礼致しました。
フイルム大好き 2023/07/08(Sat) 22:10 No.2284
Re: 中判シートフィルム
呼ばれた気がしまして出てまいりました。3Dプリンタは割にエキスパートです。

一般家庭用の3Dプリンタは細いフィラメントを積み上げて造形しますが、層の間に隙間が出がちで、液体が間から漏れます。ですので、タンクの外側を作るのは難しいと思います。造形の形状の自由度もさほど高くない(オーバーハングとか作りにくい)という問題もあります。

作るとすればSLS方式という、ナイロンの粉末をレーザーで焼結しながら造形するタイプのものがいいと思います。500万円ほどからですので個人で購入するのは難しいですが、出力サービスではメジャーな方法です。ナイロンのため化学的にも安定感が高いということもあります。ただ、表面がザラッと仕上がるので、蓋と組み合わせる部分で水密性が出せるかというのは問題になりそうです。硬さと柔軟性のバランスも良くて使いやすいのですが。

液体が出し入れできて、漏れにくく、でも光は入らない、という条件の造形が難しいため、できればタンク本体は既存品を使い、中子だけを3Dプリンタというのがいいかなと思います。細部や強度がちゃんとした成形品より劣るのですが、あまり密度や枚数を欲張らなければ作れるんじゃないでしょうか。
ひうら 2023/07/09(Sun) 00:40 No.2285
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,日浦様
ご投稿と貴重な情報をありがとうございます。

3Dプリンターは魅力的です。6x9用のレンズボードも,eBayに3Dプリンター製が20ドル程で出ていて興味を持っていました。日浦様が仰るように,精度や漏水等を考えると固定用のホルダーを検討するのが良いと思います。ヤフオクに出ている「シノゴ現像用スペーサー」(4枚用)も3Dプリンター製のようです:
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h1094533217

このスペーサーの縮小版(大名刺/小名刺判)が作れないかと,出品者に打診したことがありますが,返事がありませんでした。やはり数が揃わないと販売側の魅力が少なくて難しそうです。マイナーな規格の場合,使う側が自分で作るしかないですね。
狸おやじ 2023/07/09(Sun) 13:00 No.2286
Re: 中判シートフィルム
日浦様
狸おやじ様
日浦様、はじめまして、宜しくお願い申し上げます。
早速に、ご指南をいただき有難うございました。確か、ニッコール21ミリレンズ用リアキャップ3Dプリンター製の販売サイトを何処かで拝見し、もしやと思っていました。
そうだったんですね。父の形見のS3に21ミリと考えて頓挫したままです。タンクは無理そうですが、ホルダーがあれば是非欲しいと思います。ご検討いただければ幸いです。
失礼致しました。
フイルム大好き 2023/07/10(Mon) 11:15 No.2287
ロジナールの「輝き」
私は中判モノクロフィルムの自家現像を再開するにあたり,外注やデジタルでは出来ない技法を試したいと考えていた。
その1つは,古典的現像液(ロジナール等)を高希釈して攪拌を制限して現像することで画像のシャープネスを上げる技法である。

この技法には,「東京オルタナ写真部」や写真用品販売店「Silversalt」のサイトを見てから興味を持っていた。しかし,その理屈が私には理解できていなかった。最近イギリスのJohn FinchさんのYouTube動画を見て,これが化学反応物質の遅延拡散により画像の濃淡の境界(エッジ)を強調する技法と理解したので,その概要を紹介したい。(これは既に写真現像の専門家の間ではよく知られている常識かもしれません。その場合ご遠慮なくご指摘ください。)

YouTubの動画(Mr. John Finch, Pictorial Planet):
https://www.youtube.com/watch?v=Bu3jUchq7u0&t=844s

ロジナールを使った静止現像画像の例(都丸修さん,OPA 312):
https://opa312rei.exblog.jp/26548094/
狸おやじ 2023/07/16(Sun) 11:06 No.2288
ロジナールの「輝き」
モノクロフィルムの現像液は,画像粒子を出来るだけ細かくし,大伸ばしに耐える高解像度のネガ画像を作る方向に改良が進められてきた。
この傾向は,大判や中判よりフォーマットの小さいライカ判(35mm)フィルムカメラの普及に伴ってより顕著になった。コダックのD-76,富士フイルムのミクロファイン ,アドックスのアトマル49等はその代表的な例と思う。これらの現像液は,フィルムの露光状態を忠実に再現した精細なネガ画像を出力する。しかし,モノクロで色彩を失ったこれらの画像は,ともすると眠たげでインパクトに欠けた画像と感じられることも多い。

一方,アグファが1888年に発売したロジナール(ロディナル,Rodinal)は,粒状性の荒い古典的な現像液で,作り出されるネガ画像は大伸ばしに耐えない。しかし,ロジナール特有のキレがあるシャープな画像は昔から定評があり,名前や商標を変えながら100年以上も作り続けられてきた(Rodinal -> Adonal, APH09, R09)。ロジナールは,画像全体の平均コントラストを下げる「イコライジング」の効果に加え,局所的な濃淡の境界(エッジ)のシャープネスを上げる効果を持つ。これら2つの効果は,現像液に含まれる化学反応物質(現像主薬)の濃度が低い程,拡散係数が小さい程,温度が低い程,現像液の攪拌を抑える程,顕著になる。これは,現像中のフィルムの露光部(明部)の上層に化学反応物質が枯渇した「拡散境界層」が形成される為で,露光部上にある程度の厚さの「拡散境界層」ができることで露光部の現像速度が抑えられ「イコライジング」の効果が働く。一方,未露光部(暗部)には拡散境界層ができない為,明部と暗部の境界(エッジ)には拡散境界層が急減する領域ができ,暗部から明部へ向けた化学反応物質の拡散が生じる。この水平方向の濃度拡散(*)が,局所的な濃淡のコントラスト(シャープネス)を増加させる。この局所的なシャープネスの増加は,拡散境界層が厚い程顕著になる。ロジナールのように分子量が大きく拡散係数が小さい現像主薬(p-アミノフェノール)を高希釈し,低温度で長時間かけて無攪拌で現像する事で,露光部上層に十分な厚さの拡散境界層が形成され,その結果,濃淡の境界のシャープネスが増加する。しかし,拡散境界層が極端に厚くなり,その厚さが濃淡の空間的スケールよりも長くなると,局所的なシャープネスを上げる効果は消滅する。

ロジナールでの推定はまだ試みていないが,ロジナールを50~100倍に希釈して長時間かけて静止現像すると,数ミリ程度の拡散境界層が形成され,そのスケールと同等かそれ以上の波長(空間的周期)をもつ明暗のコントラストが強調されると予想される。このような局所的なコントラストの強調は,露光状態の忠実な再現(画像化)という意味では好ましくない。また,ネガ原画でのシャープネスの強調を印画紙の現像過程で繰り返すと,シャープネスは逆に(エッジが分離する為)低下する可能性がある。しかし,明部と暗部の境界を強調して認識する性質は,我々の目の網膜の色覚細胞にも(その非線形的応答特性から)あると予想され,適度のシャープネスの強調は我々の心理的な画像認識と一致する。上の都丸さんの画像描写に心を打たれるのは,そこに原因があると私には思われる。この局所的なシャープネスの増加による明部輪郭の強調は,上の動画のFinchさんによれば,"Rodinal glow"(ロジナールの輝き)と呼ばれている。

*) ここでは,還元効果のある「フレッシュ」な現像主薬の濃度拡散を考えている。臭化銀を還元させることで還元効果を失い「疲弊」した現像主薬は,ロジナールでは回復させる薬剤が含まれない為,その挙動は現像に影響しない。
狸おやじ 2023/07/16(Sun) 17:51 No.2289
ロジナールの「輝き」
ロジナールを使って局所的なシャープネスを上げる技法には,主に2つの問題が考えられる。

まず,分子量が大きく拡散係数の小さい現像主薬を使う必要があり,その為に画像の粒状性が悪化する。これを防ぐには,反応速度を減らすように高希釈で低温度で現像を行う方法があるが,その効果は限定的と思われる。より簡単な解決法は,35mmより大きいフォーマットのフィルムを使って最終画像への拡大率を下げることで,その意味で中判~大判のフィルムは最適と思われる。

もう1つの問題は,上に書いたように,局所的なシャープネスを上げる為に拡散境界層の厚さを極端に厚くすると,その厚さより小さなスケールの明暗を強調できなくなり,逆に強調効果が減少すること。これについては,フィルムや現像の専門家が多くの現像データを集めて解析する中から,希釈率や現像時間の最適条件と攪拌の時間間隔を提案している。しかし,この条件もフィルムのサイズに依存する。大きいフォーマットのフィルム(印画紙)になる程,厚い拡散境界層でも明暗のコントラストを強調したシャープな画像を(相対的に)細かいスケールで作り出せる可能性がある(*)。

つまり,ロジナール等の古典的現像液を使って画像のシャープネスを上げる技法(Rodinal glow)は,35mmより大きなフォーマットのフィルムに適していて,より広い範囲で活用できる可能性がある。私がこの技法を,中判モノクロフィルムで試したい理由はここにある。エルンスト・ライツが創始し普及させた35mm写真フォーマットの呪縛に対する「アンチテーゼ」としたい。

*) 局所的なシャープネス(アキュータンス)を上げる技法として,「アンシャープマスク」(ボケ画像)を使う方法が知られている。この技法は,原画に対して,ある特定の波長(標準偏差)のガウス誤差(ボケ)を含む画像(アンシャープマスク)を人工的(アナログ又はデジタル的)に作り,その画像を原画から差し引く事で画像全体のダイナミックレンジを下げ,ある特定の波長の成分の濃淡を相対的に強調する。この技法と化学反応を使った希釈現像との違いは,前者はある特定の波長成分を強調するのに対し,後者は拡散境界層の厚さを制御することで,強調するスケールとその範囲を連続的に調整できる点にあると思われる。

写真:古典的現像液: Adox Adonal (Rodinal), Spur Silversalt.

狸おやじ 2023/07/16(Sun) 21:13 No.2290
Re: ロジナールの輝き
狸おやじさま、今回も大変勉強になるお話をまとめてくださり深く感謝しています。

大フォーマットのシートフィルムから外れてしまいますが、私もロジナール高希釈を数年前から使用しています。
確かにロジナールは粗粒子になりますが、コピーフィルム超軟調現像で一般使用する目的で高希釈(目下416倍)24度45分(攪拌10分おき)を行っています。
その現像条件で、フジミニコピーHR2での感度はEI12-20程度。

作例:コンタックス167,18mmf4, f8,AE,EI12

コピーフィルムは元々粒状性に優れているため、多少粗粒子になっても十分良好なプリントが得られます。HR2の場合、引き伸ばしフォーカススコープで、全紙伸ばしでも粒状が見えないので、黒白のエッジ部分で商店合わせせねばならないほど。

軟調の度合いにおいては、昨今の軟調専用現像液のほうがより一般フィルムに近いガンマと、実用的な感度を出せますが、価格と手軽さの点で結構ロジナール(私は主にR09)を使うことが多いのです。

ロジナールを含め希釈現像液のエッジ効果について、理論的に解説していただき、なるほどそういうメカニズムで現像が進行しているのだなと得心がいきました。

狸おやじ様のご指摘の通り、大面積のシートフィルムで、粒状性の心配をせずに画面全体の、生理的に心地よいイメージングを目指すためにロジナールを使うのは大変理にかなっていると思いました。
なにより高希釈のため現像液のコストがたいへん節約できます。(最近入手が難しいのが問題ですが)

ただし、私はシートフィルムをとりあえず皿現像(手で)で行おうとしていて、45分とか1時間の現像時間は耐えられません。これはタンク現像に限って可能ではないかと。
何枚か現像成功したら、タンクでもできるように考えています。

れんずまにあ 2023/07/18(Tue) 00:44 No.2291
Re: ロジナールの輝き
れんずまにあ様,貴重なコメントと美しい写真をありがとうございます。

ロジナール416倍の高希釈現像には驚きました。
確かに超微粒子で高硬調のコピーフィルムを,ロジナールの高希釈溶液で現像すれば,全体は標準的な軟度になり,細部はエッジの立ったシャープな画像になり,しかも粒状性は最小限に抑えられます。これは1石3鳥の素晴らしい方法で,しかも経済的ですね。ご投稿の写真を拝見すると,落ち葉のシャープな輪郭に加え,葉全体や枝が輝くような描写もあり,正に「ロジナールの輝き」と思います。木の背景の木漏れ日の描写も素晴らしく,見ているだけでワクワクします。画面全体のバランスも良好で,これは10分毎の攪拌が効果的なのかなと考えています。

私の素朴な予想では,ロジナールで超高希釈現像をする場合,数10分で拡散境界層の厚さが10mmを超えそうで,35mmフィルムには不向きかと考えていました。しかし,強制攪拌により境界層の厚さが1ミリ程度に減らされるので,攪拌を10分間隔で繰り返すことで,境界層の発達を抑制して細かいスケールに適度のシャープネスが作られているように思います。つまり,フィルムサイズや希望のシャープネスのスケールに合わせて攪拌間隔を調整することで,好みの結果を出せそうな気がします。

富士のミニコピーHR2は懐かしいですね。もう入手できないのが残念です。少し調べると,アドックス CMS 20 IIもコピーフィルムの様です。120フィルムもあるようなので,購入ルートを探しています。
狸おやじ 2023/07/18(Tue) 20:50 No.2293
Re: 中判シートフィルム
貰い物のNeopan100 大名刺、2001年期限.
ようやく集めた2 1/2 x 3 1/2ホルダー、左ホースマン1枚入り、右リンホフ2枚、外側はストッパーつき。
とりあえず試写してみます。

れんずまにあ 2023/08/03(Thu) 18:54 No.2295
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
ご投稿ありがとうございます。

ネオパン100の大名刺判を初めて見ました。フィルムホルダーも集まって試写が楽しみですね。リンホフテヒニカ23/70のピントグラスバックは,グラフレックスの23ホルダーと互換という情報があり,ホースマンやマミヤプレスのホルダーが使えるかもしれません。その辺も何か分かりましたらお教えください。
狸おやじ 2023/08/04(Fri) 21:39 No.2297
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様の画像に触発され,アドックスのコピーフィルム(CMS 20 II)を探したが,120は何処にも在庫が無く,35mmも品薄状態。CMS 20にはアドックスから専用現像液(軟調現像用)も提供されていて,モノクロ写真ファンに根強い人気があるようだ。

で,取り敢えず35mmを試したいと思い,20年振りに35mmフィルムを購入してみた。
カメラは昔のコンタックスG1と,ビオゴン28mmとゾナー90mmを防湿箱から復活させた。ビオゴンは高解像度の優れたレンズだが,コントラストが強すぎてカラーポジでは使い難い。モノクロの軟調現像ならベストフィットだろう。現像はロジナールの高希釈(x200)を考えているので,実効感度はISO10程。この感度だと中判は少し厳しいが,明るいレンズ付きのコンタックスなら手持ちで軽快に楽しめそう。

写真:Adox CMS 20 II Pro, Contax G1.

狸おやじ 2023/08/07(Mon) 23:15 No.2298
Re:ADOX CMS20
狸おやじ様、早速コピー系フィルムをお試しですね。
私はCMS20IIと専用現像液はストックしていますがまだ露光していません。
他サイトで使った作例を拝見すると、専用現像液AdtachIVの1:14,EI20でもかなりガンマが高く、使い方が難しそうでした。
私が頻用するMinicopy HRII + R09x416でも若干ガンマが高すぎます。これを200倍程度にするとさらにガンマが高くがちがちになってしまいます。また500倍以上だと現像時間を1時間以上延長しても十分な濃度が出ないため、x416(0.6ml+250ml水)EI12-20におちついたところです。
CMSは多少柔らかいのかもしれませんが,x200でどこまで出るか、ですね。
昨今の新しい軟調現像液はさすがに優秀で、Rollei RLCではHRIIでもEI25くらい出ますし、
Kodak Technical Pan+Rollei Low contrast現像液ではほぼ一般フィルム同等のガンマとEI40-50の高感度が可能でした。

とはいえ手軽で安価なRodinalの結果を大変期待しています。
れんずまにあ 2023/08/08(Tue) 17:22 No.2299
Re: ADOX CMS20
れんずまにあ様,貴重なコメントをありがとうございます。

コピーフィルムは,専用軟調現像液(アドテックIV)でもコントラストが出過ぎる事があるのですね。とすると,CMS 20 IIとContax/Biogonの組み合わせは適当でないかもしれません。

私が参考にしたのは,Digital truth photoの現像データです:
https://www.digitaltruth.com/devchart.php?Film=Adox+CMS+20%25&Developer=&mdc=Search&TempUnits=C&TimeUnits=D

このロジナールの欄を見ると,200倍高希釈の注釈には「連続トーン」とありますが,100倍には注釈がありません。なので,200倍なら良いかと考えました。私の予想では,高希釈にして攪拌を抑える程「拡散境界層」が発達し,イコライジング効果が効いて全体のコントラストが抑えられると思います。ただし,その分実効感度(EI)は下がる。本当は,好みのガンマやコントラスト,シャープネスに合わせて希釈率や現像時間,露出量,攪拌頻度等を調整すべきかもしれません。モノクロ現像は奥が深いですね。
狸おやじ 2023/08/09(Wed) 20:19 No.2300
Re: CMS20II
シートフィルムスレッドであまりひっぱるのもと思いましたが、好きな話題ですので...
他サイト投稿では、当初Cafferolをお使いになっていて2トーンに近いほどガチガチでした。
その方は一般フィルムをCafferolで現像されていて、当初Adtechが品切れだったので使われたようでしたが、degitaltruthのサイトにCafferolのチャートも載っていたので多分参考にされたと思います。(私も愛用しているサイトです)
つまりdegitaltruthのデータは、クリティカルなところでは鵜呑みにできないのではないかと思っています。もちろん初めての組み合わせでは出発点にするのではありますが。
手前味噌ながら私は初めての特殊現像ではハーフサイズカメラ(ニコンFM10ハーフ+Aiニッコール50mmf1.4)で室内コントラストチャートを段階露光し、途中切り出しで現像、ゾーンがすべて再現された条件を基準に、屋外撮影で輝度差が大きな被写体を検証し、最終的な現像条件にしています。(テストにあまりたくさんフィルムを使いたくないところ、ハーフならかなり大胆にコマを使えますので)
コピーフィルム軟調現像では、結構チャートより実写の方がシビアになる印象を受けています。
れんずまにあ 2023/08/10(Thu) 00:35 No.2301
Re: CMS20II
れんずまにあ様,貴重なコメントをいただきありがとうございます。

確かにDigitaltruthphotoの現像チャートは,不正確なデータを含んでいると思います。
投稿データを集計して作られたデータベースの為,投稿者がフィルムの軟調/硬調現像を理解していない場合もありますし,検証が不十分の可能性もあります。SilversaltのTim Moogさんは正確なフィルムテストに基づいた現像データを公開していますが,ロジナールの高希釈現像のデータは少ない。本当は,れんずまにあ様のようにコントラストチャートの段階露光から最適解を見つけたい所ですが,今の私はそこまで余力がありません。

取りあえずCMS 20 II(35mm)を使い,状況に応じて±0.5~1EVで試写しています(EI=10)。Contaxはオートブラケティング機能付なので,こういう時は便利です。
狸おやじ 2023/08/11(Fri) 09:58 No.2302
Re: 中判シートフィルム
本来のシートフィルム話題で。
ようやくホルダーに装填しました。
ホースマンの1枚入りはモルトが粉々に劣化しており、1つは使われた形跡がない状態にも関わらず、モルト貼り替えしないと使えません。追々やります。
リンホフ2枚入りはどちらもモルトに頼らない構造でありがたい。
単純な方はリスコやフィデリティと同じ構造なのでスムーズにシートが入りました。
もう一つの開閉ロックつきは非常に凝った作りでさすがリンホフと感心しましたが,ダークバッグの中で全然シートが入らないので焦りました。
かなり苦しんだ挙句、スプリングで圧迫されているプレッシャープレートを指で押さえながらシートを入れることに成功。なるほどそうなってるのか。
正しい方法かどうかわ断言できませんが、苦しまれる方がおられたらTIPsとして報告します。
まずは焦点位置がリンホフのピンとグラスと一致しているかテストしました。
れんずまにあ 2023/08/11(Fri) 22:22 No.2304
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご投稿ありがとうございます。

リンホフのフィルムホルダーや本体は,モルトプレーンが使われていないのが良いですね。
耐久性のない素材は一切使わないというリンホフの姿勢は,やはり偉大だと思う。(京セラContaxにもモルトが使われていて酷い目に遭いました。)

確かにリンホフの初期型のダブルホルダーは,フィルム装填が少し難しい。引き蓋を引くとロックが外れてフラップが(新品なら自動で)開き,ガラス乾板でも装填できるのは良いが,圧板がバネで押し付けられているので,圧板を指で押さないとスムーズに着脱できない。その分,サイドにはフィルム取り出し用のレバーがあり,フィルム(乾板)を取り出す時に便利で,フラップを閉めた状態なら,レバー操作で中にフィルムがあるかどうかを確認できる(リンホフテヒニカ23,No.2064)。凝った作りのホルダーですが,ガラス乾板の需要が減る中で,圧板とイジェクトレバーを省略したタイプ(リスコやフィデリティーと同仕様のスーパーカットフィルムホルダー)に代わっていったようです。
狸おやじ 2023/08/12(Sat) 17:25 No.2306
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様 狸おやじ様
いつも有難うございます。今日、新宿ヨドバシフイルム館でこんな品見つけました
。6/6、6/7、6/9兼用ガラスネガキャリア。550円でした。プリント用デスとは店員言いましたが、購入。早速ポジを挟んでスキャナーでテストしてみました。EPSONのホルダーに満足せずあれこれ試して、何とコレが良かったです。ライトボックスに置くにも気軽です。とりあえず、小さな事で申し訳ありません。

フイルム大好き 2023/08/30(Wed) 17:17 No.2322
Re: ガラスネガキャリア
フィルム大好き様、近年にしては珍しい製品ですね。
中判大判は平面性に悩むこともありますから、貴重な一品です。
ニュートンリングはいかがですか。
4x5以上の大判シートフィルムのスキャンに少し悩んでいまして、その辺の製品もあればいいなと思っています。
れんずまにあ 2023/09/02(Sat) 23:01 No.2325
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
ありがとうございます。ニュートンリングについては、心配していましたが、なんと無事にスキャン出来ました。価格を考えると驚きです。引き伸ばし機用ネガキャリアですからそうなのかなと思いました。4/5用は有りませんでしたが、35用も有りました。ネット通販ても同価格でした。先ず報告申し上げます。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/09/03(Sun) 09:12 No.2326
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
たぬきおやじ様
いつも有難うございます。最近、耳にした話を一つ。コンパーシャッターのオーバーホールで、東京九段下のToyoの社長にお世話になっています。2/3なんか使う人います?と伺い驚きました。プロが何人か。と、、4/5も。アサイメントは、デジタルバックで済ませ展覧会用、作品としては、フィルムだそうです。やはり、と思いました。失礼いたしました。
フイルム大好き 2023/09/03(Sun) 17:00 No.2327
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ガラスキャリアーとオーバーホールの情報をありがとうございます。

Toyoカメラサービスの儀同さんには私もお世話になっています。
古いコンパーシャッターを修理してもらったのですが,修理に加えて(無料で)シャッター速度を計測してくれました。古いレンズやシャッターを使う者には有難いサービスです。
狸おやじ 2023/09/05(Tue) 19:36 No.2328
QL69-JP
パターソンの現像タンクに,シートフィルムを装填する為のリールを入手したいと考えていた。
アメリカの20th Century Cameraが製造しているQL69が候補の一つだが,今年2月に起きた火災で営業停止中で,いつ販売が再開されるか見通しがつかない(No.2179)。この製品を扱っている店をネットで探した所,ドイツのSchwarzweiss Fotolaborに若干の在庫があるようだ(*)。ここはモノクロ専門のプロラボだが,若い写真家の育成もしていて,20th Centuryの販売代理店でもある。担当のThomas Ochsさんに問い合わせた所,今は日本への販売をしていないとの事。そこを何とかとお願いした所,手数料と送料(25ユーロ)で発送してくれるとの返事。製品価格(54.74ユーロ)と合わせても妥当な金額なので試しに注文してみた。(オンラインサイトでは日本への発送オプションをサポートしていないので,興味のある人は各自直接お問い合わせください。)

*) https://schwarzweiss-fotolabor.de/en/produkt/ql69-p-6-5x9cm-2%C2%BDx3%C2%BD-quick-load-6-sheet-film-reel/


写真:Quick Load Film Developing Reel, QL69-JP.

狸おやじ 2023/09/05(Tue) 20:48 No.2329
QL69-JP
QL69-JPには,大名刺判シートフィルムを6枚装填できる。リールは6角スパイラル状で,番号とノッチが刻まれたスロットにシートフィルムを薬剤面を内側にして横向きに差し込む。フィルムを奥まで差し込み,スパイラル先端のカギ状ストッパーで固定する。装填にはコツが必要だが,慣れると1枚当たり数秒程。素材の剛性が高いので,上で自作したホルダー(No.2271)より確実に装填できる。パターソンのセンターカラムと回転棒を差し込みタンクに収納すると,倒立攪拌や回転攪拌が可能。JPは従来のP (Paterson Super System 4, PTP115~118) に加え,J (Jobo 1500, 2500) に対応し,色が黄色から赤に変更された。Joboで使用する場合,付属の2つのO-リングをセンターカラムに取り付けるようだ(写真)。

フィルムは,約10 mmの間隔でラセン状に装填される。等間隔で10 mmの余裕があるので高希釈の静止現像にも向くと思う。一回の現像に必要な液量は約500 ml。一枚当たりの液量は80 mlで,薬剤の利用効率も高い。超高希釈現像(200~400倍以上)の場合,現像液の最低使用量を満たさない事があるが,フィルムの数を減らせば対応できる。その意味で,ロールフィルム(120/135)より現像条件の自由度が大きい。


写真:シートフィルムの装填状況 (下はJobo用のO-ring).

狸おやじ 2023/09/05(Tue) 21:05 No.2330
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。到着したのですね。そうですか、基本日本には非対応の中、お見事です。ホルダーをラボに出せば2枚現像て2400円取られることを考えると大活躍しそうですね。道筋を作ってくださり感謝です。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/09/06(Wed) 08:11 No.2331
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。

Schwarzweiss Fotolaborには,ウェブサイト下の"Contact"から連絡できます。担当者(オーナー)のThomas Ochsさんは気さくな人なので,多少の融通は利くと思います。もし相談される場合,日本の知人から情報を聞いたと書いていただいて構いません。
狸おやじ 2023/09/08(Fri) 20:36 No.2333
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつもお世話になります。ql69の貴重な情報を頂き、早速contact欄から問い合わせを致しました。日本の知人からも紹介をいただいた旨を書いたつもりですが、返答無し。因みにカートに入れチェックアウト迄は行けましたが送料が対応していなくダメでした。もう少し待ってみようと思います。まずは、途中経過報告です。
フイルム大好き 2023/09/28(Thu) 15:19 No.2353
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お世話になります。
お陰様で返信が来まして、無事に完了出来ました。ありがとうございました。
なんでも、在庫が最後の一つとか。危なかったです。到着が楽しみです。
フイルム大好き 2023/09/28(Thu) 23:44 No.2354
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
QL69-JPの注文ができて良かったですね。到着が楽しみです。
Thomas Ochsさんも,日本から新しい注文が来て喜んでいると思います。恐らく現在世界に数個しかないQL69-JPの内の2つが日本に集まりつつある様です。大事に使いましょう。
狸おやじ 2023/09/29(Fri) 20:23 No.2355
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お世話になります。お陰様で、9月28日に発注した、20thーcenturyのリールが届きました。まさか、手に入るとは。試しにフイルムをセットしてみましたが、スムーズに出来ました。大感謝です。ありがとうございました。

フイルム大好き 2023/10/16(Mon) 16:08 No.2380
ロジナールの輝き(実践編)
先週末に時間ができたので,20年振りにモノクロフィルムの現像を試みた。

取りあえず,撮り終えていた120フィルム(Rollei Retro 80S)2本をロジナールで現像。『ロジナールの輝き』(No.2288-2293)を期待して,Digital truth photoのデータ(No.2300)を参考に,100倍の高希釈で20°C,60分間の準静止現像(10分毎に1~2回の倒立攪拌)を試みた。

結果は初めての高希釈現像にしては良い方と思う。サンプル画像を添付します。春の終わりの茅葺き民家で,手前は生活感満載の駄作だが,屋根の茅の一本一本が非常にシャープに表現されていて迫力がある。全体のコントラストは控え目で,陰の部分の黒つぶれも少ない。同じ場所でベルビア100でも撮影したが,白飛びと黒潰れが酷く,細部のシャープネスもモノクロームに負けていた。機材はテヒニカ23IV,レンズはHeliar 105mm/F4.5,f11,SS=1/50。フォーマットは6x7 cm。

今大名刺判のFomapan 100も撮り進めていて,高希釈現像の比較結果が出たら報告します。


写真:A traditional thatched house (Heliar 105 mm, Rollei Retro 80S, Rodinal 1:100).

狸おやじ 2023/11/01(Wed) 22:43 No.2392
ロジナールの輝き(実践編)
比較の為,カラーポジ(ベルビア100,RVP)で撮影したサンプルも添付する。セッティングとf値,SSは同じ。フォーマットは6x9 cm。ベルビアは高解像度で粒状性も良いフィルムだが,コントラストが高い為,ハイライトが滲んで屋根の細部の描写が崩れている。陰の部分も黒潰れが起きて細部の描写が消えている。どちらを選ぶかは好みの問題だが,この被写体なら,私はモノクロ(高希釈現像)の描写を選ぶ。

因みに,ベルビアはプロラボに現像を依頼し,業務用スキャナ(ノーリツプレシジョン)でスキャンされた画像の画素数を1/4程に落として出力。モノクロは,エプソンGT-X970に自作ホルダーとSilverFast9で,3200 ppiで読み込んだ画像から同様の画素数で出力。どちらもソフトウェア上で画像修正を加えていない。


写真:Same as above, but shot with Velvia 100 (RVP).

狸おやじ 2023/11/02(Thu) 20:15 No.2394
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
素晴らしい作例、ありがとうございます。特にモノクロの作品には仰天しました。仰るほど、ベルビアの方もいいじゃないかと。未だT-maxデベロッパーの封を切らない初心者にはまさに迷宮の入り口に立たされているようです。何はともあれ、自家現像試さなければと思っています。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/11/06(Mon) 01:28 No.2406
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。

モノクロとカラーは人により好みが分かれると思います。私は昔からモノクロ写真が嫌いで,これは高校時代に体験したネオパンSSの「眠たげな」画質が原因です。その後,カラーポジ(コダクローム,エクタクローム,フジクローム等)のシャープで濃厚な描写が気に入り,40年近く使ってきました。今もフィルムのメインはベルビア/プロビアです。

しかし,数年前に「東京オルタナ写真部」のサイト(*)を見てから考えが変わり,今はモノクロ写真の絵画的(ピクトリアル)な表現にも興味があります。今後中判や大判もデジタル化していく中で,モノクロ(フィルム)の存在価値は,化学物質の拡散過程を制御して自由な表現を実現する所にあると考えています。私が好きな写真家ウジェーヌ・アジェも静止現像の先駆者の一人です。ともあれフィルム写真は自分の趣味なので,肩肘張らずに楽しみたいですね。

*) https://tokyoaltphoto.com
狸おやじ 2023/11/06(Mon) 20:35 No.2408
Re: 中判シートフィルム
中判シートフィルム (大名刺判,小名刺判)が使えるカメラのリストを作ろうと思う。
戦前の中型の乾板式蛇腹カメラ(ハンドカメラ)は,ほぼ全てシートフィルムが使えるはずだが,情報が少なく確認も難しい。そこで,現在でも入手が可能と思われる戦後のテクニカル(プレス)カメラとシートフィルムホルダーの情報を掲示します。
(他にも情報があればお教えください。新情報が入り次第,情報を更新します。)

・ リンホフ テヒニカ23(III-V),テヒニカ70,テヒニカプレス23,テクニカルダンS23
これらの4機種には専用ホルダー(ダブルホルダー/スーパーカットフィルムホルダー,大/小名刺判)が使用可能。
ダブルホルダーはシートフィルムかガラス乾板が装填でき,スーパーカットフィルムホルダーはシートフィルムのみ装填可能。
未確認だが,グラフィック規格のフィルムホルダー(小名刺判?)が使えるとの説明が取扱説明書にある。

・ マミヤ マミヤプレス G/S/スタンダード/スーパー23/ユニバーサルプレス
専用のカットフィルム/乾板ホルダー(J型: 大名刺判,A型: 小名刺判)が使用可能。
どちらもガラス乾板(大名刺判)が装填できる(FOV様: No. 2416, らいむら様: No.2244の情報)。

・ トプコン ホースマン VH/VH-R
専用のシートフィルムホルダー(大名刺判),リスコリーガル製のホルダー(小名刺判)が使用可能。

・ グラフレックス センチュリーグラフィック23,グラフレックスXL,クラウングラフィック23等
これらの機種には,グラフィック規格のフィルムホルダー(小名刺判?)が使用可能と思われる(現時点で未確認)。

私の手許にある「中判・大判カメラ入門」(日本カメラ社,1993年)には,ローライフレックスSL66SEとマミヤRB67プロSDに,専用のカットフィルム用ホルダーが提供されていると記載がある。れんずまにあ様によると,ハッセルブラッドSLR,ローライTLR,マミヤCにも専用フィルムホルダーが提供されている(No.2411)。また,ビューカメラのアルカスイス6x9M/F,トヨビュー23G,エボニー23S/SV23/SW23/GP69F等のカメラバックは「6x9判グラフィック規格」と説明があるので,グラフィック規格のホルダー(小名刺判?)が使える可能性がある。

ご参考までに。
狸おやじ 2023/11/08(Wed) 20:13 No.2409
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様、シートフィルムを使えるリスト、大変期待しています。

目下興味があるのは、戦前プレートカメラ用金属製撮り枠にシートを入れることで、後ろに板バネがはいっているものは、多分ガラスプレートまたはアクリル板を後ろに入れておく必要がありそうなこと。またシート用と思われる枠でも、後ろに金属板をいれるものがあります。

戦後SLRやTLRにも1枚撮りアダプタをもつ機種がありますね。
ご指摘のSL66もそうですね。ローライTLR用も存在します。
マミヤC用のを持っていた(使ったことがない)はず。また、ハッセルブラッド用の1枚撮り枠ホルダーをコレクターから頂戴しました。今どこに置いたかな...

グラフレックス23用は、近所の店舗に小名刺リスコ2枚入が沢山と同じく小名刺判の6枚チェンジャーがありました。フィルムが潤沢なら確保してもいいかなあ。

国産の戦後モデルはモルトプレンが使われていて、根本的に掃除しないと使えないものが多いです。
情報集まりましたら報告します。
れんずまにあ 2023/11/08(Wed) 23:01 No.2411
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご投稿とコメントをいただきありがとうございます。

ご指摘の様に,ハッセルブラッドSLRにも専用のシートフィルムホルダー(+フィルムカッター?)があるようですね。ローライTLRやマミヤCにも専用ホルダーがあるのを知りませんでした。貴重な情報をありがとうございます。上の説明を補足修正しました。

グラフィック規格(6x9判)のシートフィルムホルダーは,1950~1980年頃の中判テクニカル/ビューカメラに広く採用されていたかも知れません。グラフロックバックの120ホルダーは機種により相性がある様ですが,シートフィルムホルダーは使い回しができるかも。とすると,リスコリーガルのフィルムホルダー(小名刺判)がテヒニカ23/70で使えたり,リンホフのダブルホルダー(大名刺判)がセンチュリーグラフィックで使えたりと面白そうです。精度は問題かも知れませんが...
狸おやじ 2023/11/09(Thu) 20:34 No.2414
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
1975年購入のマミヤユニバーサルプレスの使用説明書29ページ 
カットフィルム/乾板ホルダーJ型(JIS規格)
・乾板(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けは使用しません。
・カットフィルム(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けの平らな面か不要の乾板をあてがいます。
・4+3/4X6+1/2インチ、カビネ判のカットフィルムを四等分にカットして使用する場合
 フィルム受けの4か所のつめに差し込みホルダーに入れます。
 カラーフィルムをカットすると現像所で現像できない場合があるので、2+1/2X3+1/2インチ判を使用します。

30ページカットフィルム/乾板ホルダーA型(アメリカ標準規格)
・乾板(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けは使用しません。
・カットフィルム(2+1/4X3+1/4インチ判)を使用する場合
 フィルムをフィルム受けのみぞに差し入れて使用します。
フィルムパック・アダプター
 J520(6.5X9cm)のフィルムパックが使用できます。
との説明(簡略化しました)があります。

カットフィルム/乾板ホルダーA型を入手しましたが、使用の機会を逸してしまいました。ホルダーに同梱の説明書には「メモ板に書き込んだ文字は、指か布でこすれば消して書き直せます。」の説明のみです。

ポラロイドランドパックフィルム・ホルダー2型はFP-100Cが製造中止後使っていません。LomoGraflok 4×5 インスタントバックのマミヤプレス版は発売されそうもありません。
FOV 2023/11/10(Fri) 00:46 No.2416
Re: 中判シートフィルム
FOV様,ようこそお越し下さいました。
マミヤユニバーサルプレスのフィルムホルダーについて,貴重な情報をありがとうございます。

マミヤのホルダーは,J型(JIS規格)とA型(アメリカ規格)があるのですね。れんずまにあ様から教えていただいた初代マミヤプレスの取扱説明書には「乾板用取りわく」(大名刺判)の説明がありますが,フィルムを使う時は,不要の乾板を背面に入れると書かれています(リンホフテヒニカ23,No.2114-2115)。この「乾板用取りわく」が改良されてJ型のホルダーになり,小名刺判のA型が追加されたようですね。製品の流れが良くわかりました。感謝いたします。上の説明を新しい情報で修正しました。

LomoGraflokインスタントバックは,4x5判グラフロック用で,6x9判に使えないのが残念ですね。ポラロイドのフィルムホルダーをお持ちでしたら,インポッシブル社がフィルムを再販しているので利用できると思います。
狸おやじ 2023/11/10(Fri) 21:23 No.2417
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
インポッシブル社のピールアパートインスタントフィルムの情報をいただきありがとうございます。マミヤユニバーサルプレスのホルダーの件、お役に立てて何よりです。

1999年7月に購入したinstax500 AF用フィルムなどは、撮影後の写真が一点物扱いで人気があり入手困難です。生産量は2025年度には2021年度の4割増しになるそうです。
FOV 2023/11/11(Sat) 11:18 No.2418
Re: 中判シートフィルム
FOV様

私はインスタント写真にあまり興味がありませんが,富士フイルムがinstaxで収益を上げてフィルム事業を継続できるなら有難い。これを機に,120/135やシートフィルムにもinstaxの技術を使って新しい製品を出して欲しいですね。ポラロイドやフォトラマもそうですが,化学反応を駆使することで画像の粒状性とシャープネスを同時に上げることができ,これは現在のデジタル技術ではできない魅力と思います。私としては,透過型のポジ原稿になるインスタントカラーフィルムを作ってくれたら嬉しいですが...
狸おやじ 2023/11/12(Sun) 11:59 No.2419
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ポラロイド社は、35ミリ判カラースライドフィルムPolachrome CS(36枚撮り 12枚撮り 現像時間60秒 日本ではポラカラーCS 1983年~2002年頃)を発売しました。手動、電動現像器、スライドマウンターなどシステム化されましたが、いずれの製品も一般のカラーリバーサルフィルムに比べ高価で利用できませんでした。

最初に使用したコダクロームは、コダクロームXでした。一度だけプロセスE3でエクタクロームの現像をしたこともありました。
コダクロームからチバクロームプリント、カラーポジのデュープを除いて、カラープリントの焼き増しとモノクロームの引き伸ばしはネガフィルムを使用し、9割はリバーサルフィルム(ハーフ判 35ミリ判 6x7判 6x9判)でした。
FOV 2023/11/13(Mon) 20:38 No.2420
Re: ポラクローム
FOV様、狸おやじ様、脱線をお許しください。
1989-94ごろ仕事でポラクロームを使いました。
特急仕上げでも間に合わないプレゼンテーション、資料があがるのが当日明け方という時のお助けグッズなのです。
フィルム自体は普通のパトローネに入っていて普通に撮影し、専用のプロセッサーを用いて即時に現像します。

構造は非常に特殊で、ちょうどブラウン管の拡大のように規則正しくRGB色素が並んだもので、粒子そのものは当時のベルビアやコダクローム64などと比べて粗大なもので,また黒の締まりもよくありませんので、作品に使えるようなものではなかったと思います。

その後デジタルが主流となって、スライド映写は廃れてしまい、余った何本かは捨てられるところを持ち帰りました。その後使っておりません。
れんずまにあ 2023/11/13(Mon) 22:55 No.2422
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
貴重な情報をいただきありがとうございます。
業務で使用されていたのですね。

写真技法と保存の知識 デジタル以前の写真―その誕生からカラーフィルムまで 青幻舎(2017) 97ページにパッケージと3色ストライプフィルターの写真。

Timeline of Historical Film Colors(filmcolors.org)のPolachromeの項にサンプル写真と1977年発売のインスタントカラー8ミリムービーフィルムPolavisionとのストライプフィルターの比較写真があります。
FOV 2023/11/14(Tue) 07:54 No.2423
Re: 中判シートフィルム
FOV様,れんずまにあ様
Polachrome CSというインスタントカラースライドフィルムが既にあったのですね。
全く知らずに,迂闊なことを書いてしまいました。Filmcolors.orgのサンプル画像を見ると,色味は独特で深みがありますが,解像度が低いので35mm判だと厳しそうです。

そう言えば,昔「パナコピー」というインスタントモノクロスライド作成機を使ったことがあります。私は,仕事ではOHPシートがほとんどでしたが,パナコピーも必要に迫られて何回か使いました。書類用の「コピー」フィルムなのでコントラストが強く,普通の写真には不向きでした。その後,発表用の素材のほぼ全てがパワーポイント(電子情報)に移行してしまい,何だか味気なく感じています。
狸おやじ 2023/11/14(Tue) 21:24 No.2424
ロジナールの輝き(実践編,その2)
今回は,大名刺判のフォマパン100をロジナールで高希釈現像した結果を紹介します。
撮影条件は快晴,弱い逆光。高台から望む入江と内海と島の風景。機材はTechnika 23IV,レンズはRodenstock Rotelar 180 mm/F4.5, f16, SS=1/60。フォーマットは6.5x9 cm。

1枚目は,1:100の高希釈で18分 (20°C) 現像した結果 (8分間隔で1~2回の倒立攪拌)。現像条件は,Digital Truth Photo (No.2300) を参考にした。高希釈なのでコントラストが弱められているが,それでも水面は露出オーバー気味で遠景にフレアが掛かり,良く言うと幻想的,悪く言えばメリハリに欠ける印象。


写真:Sample No. 1 (Fomapan 100, Rodinal 1:100).

狸おやじ 2023/12/20(Wed) 20:57 No.2442
ロジナールの輝き(実践編,その2)
2枚目は,1:200の高希釈で30分 (20°C) 準静止現像した結果 (10分間隔で1~2回の倒立攪拌)。
1枚目より高希釈の為,水面のハイライトが抑えられ,手前の木々も黒々と生き生きと見える。木々の輪郭や遠景の島の輪郭も適度に強調され,高シャープネスのロジナールの特徴が感じられる。しかし,背景のグレー部分を大きく拡大した時の粒子の荒れは,2枚目の方が大きい。Rollei Retro 80S (No.2392)では粒子の荒れがほとんど見られないので,これはフォマパン100の特徴だと思う。中判以上なら問題ないが,小フォーマット(35mm等)の大伸ばしには向かないかも知れない。


写真:Sample No. 2 (Fomapan 100, Rodinal 1:200).

狸おやじ 2023/12/20(Wed) 21:15 No.2443
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様早速現像結果をご提示いただきありがとうございます、超希釈でも十分現像できていますね。
大判のフォマを未経験なのでこの粒状が普通なのかどうかわかりませんが、1:200では大名詞でもここまで粒が大きくなるのですね。
ちょっと不思議だったのは1:200の右下と両方の左右端が少し過現像なのかかぶっているのか反転濃度が薄くなっていることと、1/100の右上の茂みに点々と白い高輝度が見えるところで、もしかしたら白鷺の群れかなとも思いましたが。
大きなフォーマットで静止現像はやったことがないので興味深く拝見しています。
よい条件が煮詰まるとよろしいですね。
れんずまにあ 2023/12/21(Thu) 16:51 No.2444
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のコメントをありがとうございます。

フォマパンの粒状性は,120フィルムであまり良い印象がなかったのですが,今回も少し不満が残りました。ローライレトロ80Sと比べると粒状性が劣ると思います。ただこれは被写体や現像液との相性もあるので,今後色々な被写体や現像条件で試してみようと思います。同じ場所でベルビア100でも撮っているので,現像ができたらまたご報告します。

>ちょっと不思議だったのは1:200の右下と両方の左右端が少し過現像なのかかぶっているのか反転濃度が薄くなっていること

流石に鋭いご指摘ですね。実は,2回目の準静止現像では,20°Cの液温で現像を始めたのですが,室温が少し低かった為,25分経過した時に18.5°Cまで液温が下がってきました。そのまま30分まで待って終了すれば良かったのですが,その時は魔が差して25°Cで湯煎して液温を約1度上げてみたのでした。すると,静止現像ですので周囲の温度が数度上がり,僅か2~3分でもその影響が出て,タンク底部の周辺(フィルムでは右下)が過現像(ネガは黒が強目)になったようです。ロジナールの高希釈現像は,温度管理を厳重にする必要性を痛感しました。次回は20°Cの水を満たした断熱箱の中で現像するつもりです。

1:100の木々の中の白い斑点(右隅と右下)は確かに謎ですね。理由は良くわかりません。1:200の画像を見ると微かに白い部分があるようですが,それが何かの条件で「成長」したのかも。高希釈現像は,本来見えないものも見えるようにする強調効果があるので,何かの条件(波長vs濃度拡散場?)で擬像を作り出すのかも。ベルビア100の結果が出たら,比較しながら考えてみたいと思います。
狸おやじ 2023/12/21(Thu) 22:21 No.2445
Re: 中判シートフィルム
今回はホルダー5個分,フィルム10枚を現像した。各ホルダーの表裏(2枚)は同条件で撮影し,半分(奇数番)を1:100の希釈率,残り(偶数番)を1:200の希釈率で現像した。

シートフィルムは各フィルムの現像条件を変えられるので,条件を変えて現像したい時に便利だ。しかし,ロールフィルムと異なり,フィルムに番号が無いので,フィルムの順番を特定する作業(番記)が必要になる。20th Century Cameraのリールには,各スロットに番号(1~6)を示す「ノッチ」があり暗闇でも位置を確認できる(No.2329の写真)。しかし,水洗後にフィルムの一部を混ぜてしまい,特定に苦労した。フィルムの数が多い時は注意が必要だろう。

水洗後は,ドライウェル溶液に浸してからフィルムの縁を目玉クリップで摘み,スポンジで水滴を拭ってから小物干しに吊るして乾燥させた。何か靴下でも乾かしてる感じです。


写真:乾燥風景.

狸おやじ 2023/12/23(Sat) 15:24 No.2448
Re: 中判シートフィルム
中判フィルムの収納と保管方法について,れんずまにあ様とフイルム大好き様と以前ご相談しました(No.2231-2235)。今日は私の方法をご紹介します。

大名刺判のシートフィルムは,コレクトのA4透明ポケットリーフ(8ポケット,S-4240)に収納している(*)。この透明リーフには大名刺判が横向きに2枚x4段,8枚入る。ポケットサイズは73x109 mmなので,かなり余裕がある。私は右余白に小さいタックシールを貼り,フィルム番号や撮影情報をメモしている。

この透明リーフを,コクヨのA4フォトファイル(30穴,ア-M160)に綴じている。このフォトファイルには,コクヨのフィルム用ポケットシート(A4,6x6~6x9,ア-M923)も入れていて,6x9判120ポジフィルムを収納して便利に使っている。

厄介なのは6x7判で,普通のポケットシートは2コマx4段なので,120フィルム一本が納まらない(No.2233)。そこで,コレクトの透明ポケットリーフ(6ポケット,S-4320)を使っている。これは縦向きに6ポケットあり,サイズが72x150 mmなので,2コマがギリギリ納まる。リンホフの6x7判(56x72 mm)は大きいので,コマによっては1 mm程出てしまうが,何とか収納可能。最適ではないが許容範囲です。

*) https://www.amazon.co.jp/dp/B00777RJ62?th=1


写真:コレクト透明ポケットリーフ (下:S-4240, 上:S-4320).

狸おやじ 2023/12/27(Wed) 22:04 No.2452
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
貴重なご指導、感謝しています。
アルバム開いて、考えていたところです。出来るだけ大切に保存したいですね。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/12/29(Fri) 18:36 No.2462
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
早速のコメントをありがとうございます。上の情報が少しでもお役に立てば幸いです。

これまで中判シートフィルムについて,種類や購入方法から現像や保管方法まで,私が把握している情報の概要をご紹介しました。少し省略したのは,ホルダーへの装填と撮影時の操作方法です。これらについては機種依存性があるので,各カメラ(ホルダー)の機種別サイトでご確認いただけたらと思います。

後は,フィルムのデジタルスキャンとプリントですね。これらは,私自身の最終工程(印画紙のアナログ現像に進むか,デジタル画像のプリンター出力でよしとするか)が未確定なので,これから考えたいと思います。その前に,中判フィルム用の専用スキャナーを手に入れたい。今使っているフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)は,自分のフィルム用の専用スキャナー(Nikon Super Coolscan 5000ED等)と比べて明らかに性能が劣る。5000EDは135フィルム専用なので,中判以上で使えない。9000EDが欲しいが,中古市場にもほとんど出ない。フレックスタイト(ハッセルブラッド)も高性能だが,高価過ぎて私には手が出ない。今の候補はPlustekのOpticFilm 120 Proだが,性能や操作性等の情報がほとんどない(日本で販売されているのだろうか...?)。

フィルムスキャンとデジタル印刷のスレッドも,詳しい方に立てていただけると有り難いです。
狸おやじ 2023/12/30(Sat) 11:59 No.2463
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有り難うございます。
狸おやじ様と同様にフイルムスキャンに随分悩みました。私は、Canon9900からEPSON GT-X980に入替、エンジンはSilverFast9、仕上げをLrcで調整しています。
フイルムホルダーはEPSON付属で満足出来ず、AZTECウエットスキャンを試し、ヨドバシで見つけた500円のネガホルダー直置きに落ち着きました。アンチニュートンリングも出ません。後始末が簡単でつい。

さて、ニコンのスキャナー良さそうですね。製造終了が残念です。フレックスタイトも原宿の旗艦店に置いてあったのを思い出しデモしてもらおうかと思いましたが、修理預り品で新しいのに、不安を覚えました。

SilverFastにHDRという別オプション、99ドルでありまして、無料トライで試しました。48bitRawでスキャン後ワンクリックで満足な仕上がりでしたが、Lrcで充分と思い、見合わせました。
モノクロ、カラーポジともこの辺で落ち着いて、いよいよ自家現像と思っていますが、
狸おやじ様のご投稿を拝読後、まだまだ、精進足らずを自覚いたしました。
フイルム高騰、注文ポラフイルム未だ届かずですが、来年も色々試して楽しみたいと思っています。
諸先輩の皆様、宜しくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えくださいませ。
フイルム大好き 2023/12/31(Sun) 14:00 No.2464
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
コメントありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
ガラスネガキャリアーが上手く機能して良かったですね。ニュートンリングが出ないのも朗報です。
ただ,アンチニュートンリング加工が無い場合,ガラスとフィルムの間隙で波長の干渉条件が合えばリングが出る可能性があると思います。リングを避けるならアンチニュートンガラスが要りますが,擦りガラス状の加工なので画像が荒れる。ガラス(空気)界面の埃の吸着もあり,私はガラスの使用を諦めています。でも,リングが出ないなら問題ないですね。

私が使っているエプソンのGT-X970にはいろいろ問題がありますが,書き出すと長くなるのと,中判シートフィルムと直接関係が無いので,別の機会(別スレッド?)にと考えています。
狸おやじ 2024/01/03(Wed) 20:24 No.2465
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。
深いご指導、大感謝です。
ご指摘のアンチニュートンリングガラスですが、実は、ガラス専門店にサイズ指定で昨年注文してみました。結果は、EPSONのアンチニュートンフィルター付のホルダーとあまり変わりませんでした。
結果、気合い入れて仕上げたい時は、ウェットスキャン。そこそこならと言えば、ヨドバシネガキャリアに落ち着いています。ニコン9000のスキャナー、ヤフオクに出ていますね。高いですね。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/01/08(Mon) 18:38 No.2468
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
情報をありがとうございます。

確かにヤフオクにニコンSuper CoolScan 9000 EDが出ていました。でも,10年以上前の中古品が33万円の落札で,新品時とほぼ同価格です。余程欲しい人が多いのでしょう。この製品の問題はインターフェイスで,FireWire 400しかない(5000 EDはUSBがある)。変換アダプターやボードを使う方法もあるが(*),将来的に安定して使えるかどうか。私はOpticFilm 120 Proが発売されるのを待ち,それまではGT-X970で我慢しようかと考えてます。X970は透過光センサーのピント位置がフィルム面からズレているという問題があり,自作のホルダーでフィルム位置を調整してます。これについては後日また紹介する予定です。

*) https://tokyoaltphoto.com/2020/08/save-your-nikon-super-coolscan-9000-ed-2/
狸おやじ 2024/01/10(Wed) 20:54 No.2469
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。
GT-X980を使用にあたり、ウエットスキャンする前は、トレイの四隅のピント調整スライドを色々試し、結果には満足できず、Lrcにて少しシャープネスを調整しています。ネガ、ポジをルーペで見れば解像しているのにと思いますが、この辺でと思っています。
作例は、ハッセル500C/Mプラナー80mm、ベルビア100で撮影現像後、モノクロ変換しました。
丸の内の明治安田ビルを撮影したものです。宜しくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 11:30 No.2470
Re: 中判シートフィルム
No. 2465と2469に書いた様に,私が中判フィルムのスキャン用に使っているフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)にはいくつか問題がある。一番の問題は透過光センサーのピント位置とフィルム面がズレている事で,私の個体の場合,ガラス面から4.5 mm離さないとピントがきちんと合わない。付属のフィルムホルダーには,フィルム位置を2.5~3.5 mmの範囲で調整するスペーサーが付いているが役に立たない。エプソンのサポートに連絡してこの問題の改善を求めたが,取り合ってくれなかった。担当者の話では,元々この製品は書類(反射原稿)用で,フィルムスキャンは付加機能で透過光センサーもその程度の焦点精度とのこと。フィルム専用スキャナー(Nikon Super CoolScan ED等)にはフィルム面に自動で焦点を合わせる機能があり,取り込んだ画像のダイナミックレンジも格段に広い。値段相応とも言えそうだが,エプソンGT-X970には不満を感じる。

仕方が無いので,こぼうしさんのサイト(*)を参考にしてマグネットシートを2枚使ったホルダーを作製した。まず,黒色の発泡PPシート(3x100x285 mm)にフィルム大の穴を2つ開け,マグネットシートを重ねて高さが4.5 mmになるように調節した。極性を合わせたマグネットシートをその上に重ね,フィルムの周囲を固定/解放できるようにした。このホルダーを使うと純正ホルダーと比べて画像の鮮鋭度が向上する。SilverFast等の取り込み用ソフトウェアを使えば,何とか実用になる。フィルム専用スキャナー程の性能は出ないので,あくまで繋ぎと考えている。参考の為,私が自作したホルダー(大名刺判,6x9判)の写真を掲示します。

*) https://koboshi.tokyo/2023/09/08/gt-x970_holder/


写真:自作ホルダー (上:大名刺判, 下:6x9判).

狸おやじ 2024/01/13(Sat) 11:33 No.2471
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
流石のご投稿を早速ありがとうございます。拝読致しまして、アバウトな自身を恥じるとともに反省しきりです。
ピント面迄4.5ミリとの事でウエットスキャントレイのガラス面迄ノギスで測ってみました。裏面迄2.5ミリ。ガラスの厚さが約1.5ミリ。そこでヨドバシのキャリアにフイルムにセットしてトレイの指標に合わせてスキャンしてみました。なんと、ピント合っています。ありがとうございました。
左は、ガラス専門店に切り出してもらったアンチニュートンガラスです。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 13:05 No.2472
Re: 中判シートフィルム
ご無沙汰しています。

GT-X970ですが、おっしゃるように透過原稿のピント面はガラスからかなり離れていますが、フィルムホルダーの構造や、ガラス面のホコリの影響を減じるためか、設計上、意図的にそのようになっていると思われます。しかし、ホルダの調整範囲に収まっていないのは良くないですね。

確かにピントの問題は大きく、これには大いにフィルムホルダの精度や作りが影響していると思います。純正品のホルダにもピント調整の機能がありますが、非常にできが悪いです。しかし、コストを考えるとやむを得ないのでしょう。スキャナそのものの素子や光学系(スキャンレンズ)は、そんなに悪くないものと思います。これを言い換えると「ユーザのカスタマイズや工夫で凌げる部分は手を抜き、どうにもならないところだけはちゃんとできている」とも言えると思います。

で、私はBetterScanningのフィルムホルダを使っています。
http://www.betterscanning.com/scanning/vseries.html
中判フィルム用のみ(フィルムを2つ載せられるもの)に、アンチニュートンガラスのオプションを購入して使っています。コマ間につけられるt-lockは使用していません。

純正のホルダに比べると遥かに剛性が高いことや、フィルムを(膜面を下にして)置き、上からアンチニュートンガラスを載せるだけでセットが完了することなど、使い勝手がいいのが最大のメリットですが、ピント合わせも、ホルダのあちこちにつけられたイモネジの出し入れで精密に行うことができるので良好です。純正ホルダは押さえのガラスがないので、どうしてもフィルムのカール状態や取り付け状況によってピント位置がその時々で違い、ピントが合いませんが、カールした中判フィルムをアンチニュートンガラスで抑える方法はフィルム位置が安定するので、チューニングをやるだけの価値はありました。

アンチニュートンガラスの面の粗さの影響が心配でしたが、影響はとくに内容に感じています。当然フィルムよりも光源側であることに加え、フィルム面を下にして取り込んでいること(フィルム面とアンチニュートンガラスの荒れた面が少し離れる)、フィルム面から見た光源の立体角が大きいことがあると思います。

難点は、このホルダが結構お高いことですが、数が出る商品ではないと思うので、やむを得ないと思っています。
日浦 2024/01/13(Sat) 14:18 No.2473
Re: 中判シートフィルム
日浦様
初心者者ですがよろしくお願いします。
実は、このBetterScanningがベストと2年程前に辿り着き、このサイトからオーダーしてみましたが、方法間違いなのかどうにも注文が完結できませんで諦めた経緯があります。実際にご所有とは、羨ましく思います。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 15:42 No.2474
Re: 中判シートフィルム
日浦様
コメントと貴重な情報をありがとうございます。

BetterScanningは使い勝手と性能が良さそうですね。私も以前,日浦様からこの製品をお聞きして,購入しようと考えていました。しかし,エプソンがアンチニュートンリング(ANR)ガラスを使った新型ホルダーを開発し,それを搭載した新製品を出すという噂を聞いたので,それを待つことにしました。実際に出たのはガラスではなくアクリル樹脂製ホルダー付のGT-X980で,利用者の情報ではANRアクリルホルダーの評判があまり良くない。で,フラットベッドスキャナーに愛想が尽きかけていたこともあり,こぼうしさんの「マグネット懸架式」ホルダーを暫定的に使うことにしました。このホルダーは平面性では劣ると思いますが,構造がシンプルで埃や塵の心配が少ない点と,フィルムサイズを比較的自由に変更できる点がメリットです(6x7判や4x5判も作ろうかと考えてます)。あとは,Plustekのフィルム専用スキャナー(OpticFilm 120 Pro)の国内販売がどうなるか様子を見ながら考えようと思います。

> フィルムを(膜面を下にして)置き、
なる程,これは良い方法ですね。
この置き方は,膜面の画像情報を正確に(フィルムベースの凸凹や不純物の影響を受けずに)読み取るには最適ですが,一般的なマニュアルの説明とは逆で,スキャン画像が逆像になる。しかし,ソフトウェア上で反転すれば全く問題なく,より精細な正像が得られる。この方法は活用させていただきます。貴重な情報をありがとうございました。

フイルム大好き様
ピントが合う位置はスキャナーによって異なります。
Epson GT-X970の場合,ガラス面から3.5~4.7 mmが多いようですが,個体によってバラバラです。GT-X980については情報を集めていないので分かりませんが,気になるようでしたら,一度ピント位置を確認されると良いと思います。
狸おやじ 2024/01/13(Sat) 19:19 No.2475
フィルムホルダー用のポーチ
拙宅には大名刺(6.5x9 cm)のシートフィルムホルダーが9枚ある。
どれもリンホフの純正ホルダーで,その内6枚は「スーパーカットフィルムホルダー23」という両面フィルムホルダーで,3枚は「ダブルホルダー23」という古いガラス乾板兼用タイプ。国内外のネットオークションで探して,一枚1~3千円程で集めた。ダブルホルダーは古風で格好良いが,圧板の力が強く,シートフィルムの着脱に時間がかかる(参照: No.2306)。古いダブルホルダーには引き蓋のスリットから光漏れするものもあり,余り安心して使えない。今主に使っているのはカットフィルムホルダーの方で,合計で6x2=12枚撮れる。12枚撮り終えてからパターソンタンクと6枚用リール(QL69-JP, No.2329)で現像している。撮影はほぼ同条件で表裏を撮る為,まず表側の6枚を現像し,その結果を見てから条件を変えて裏側の6枚を現像している。

フィルムホルダーを野外で使う時に収納するポーチを探していた。シノゴ用のホルダーケースやバッグは沢山売られているが,大名刺用は無いので代用品を探すしかない。いろいろ調べた中で,エツミ/Colemanのショルダーポーチ(VCO-8771)が使えそうなので購入してみた(*)。値段はアマゾンで2~3千円程。

*) https://www.amazon.co.jp/VCO-8771/dp/B0BZR11F4J
狸おやじ 2024/02/17(Sat) 18:59 No.2482
フィルムホルダー用のポーチ
Colemanのショルダーポーチの使い勝手はまずまずです。

ポーチには「スーパーカットフィルムホルダー23」が3枚,「ダブルホルダー23」が2枚収納できる。底と周囲に薄いパッドが入っているので保護効果は高い。上部には取り外し可能なショルダーベルトがあり,裏面にベルトループやナスカン(小カラビナ)も付いているので肩掛けだけでなくベルト/バッグにも取り付けられる。サイズは横幅はピッタリで,縦は少し余裕がある。私は2-3枚のホルダーを埃除け用のチャック付ビニール袋に入れて収納している。メインは120カラーポジと120モノクロ(スーパーローレックスx2台)なので,比較撮影/予備用にシートフィルムを4-6枚携行する時に重宝している。


写真:ショルダーポーチとフィルムホルダー(左:撮影前,右:撮影済)

狸おやじ 2024/02/17(Sat) 19:21 No.2483
Re: 中判シートフィルム
中判シートフィルム用のリールについて新しい情報です。
私は,昨年夏にパターソンの現像タンクで使う大名刺用リール(QL69-JP)を購入した(No.2329-2380)。しかし,フィルムホルダーが増えたのでもう1つ買い足したいが,製造元の20th Century Camaraに営業再開の兆しは見えない。以前紹介したSchwarzweiss Fotolaborの在庫も切れてしまい,現在このリールは世界中で枯渇しているようだ。そこで代替になるリールをインターネットで探した所,アメリカに住むフランス人写真家Benoit Barbeさんのサイトを見つけた(*)。

Benoitさんはプロの写真家として写真を撮るのに加え,アナログ写真現像用の道具を作りネットショップで販売している。パターソンタンク用のシートフィルムリールも作っていて,2.25x3.25, 4x5, 5x7 in., 9x12 cmの4種類が販売されている。リールの構造は20th Century Cameraのスパリラルリールと似ているが,周囲は円筒で内側はスパイラル状に仕切られ,上部に空いた6つの穴にフィルムを差し込む方式。材質はABS樹脂で3Dプリンターで作られている。周囲が円筒形なので強度があり,市販の食器洗い機でも洗えるようだが,薬剤の攪拌効率は落ちるかもしれない(静止現像に向く?)。小名刺用(2.25x3.25 in.)は販売されているが,大名刺用(6.5x9 cm)が無いのでBenoitさんに問い合わせた所,検討してくれるとの事。新しい情報が得られたらまた報告します。

*) https://www.bounetphoto.com/bounet-shop/bs-developing-reel-225x325


写真:B's 2.25x3.25 developing reel set MK 2.

狸おやじ 2024/02/24(Sat) 17:35 No.2491
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様、これはすごいものをお見つけですね。おっしゃる通り液のまわりが若干滞りそうな構造に見えますが、攪拌回数を増やすか、希釈して静止に近い条件をやるか。
でもこのサイト主はE6を行なっているようで、結構信頼できるのかもしれません。動画では倒立攪拌のようですね。
大名刺が出たら検討したいところです。情報ありがとうございます。
れんずまにあ 2024/02/26(Mon) 17:53 No.2492
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
凄い情報ありがとうございます。
このところ、ポジ撮影が多くシートフイルム撮影がストップしたままでスリーブに入れていたネガの行き場所を探していました。
ヨドバシでCHARON、カロンというアルバムを見つけて価格も安いので取り寄せてみました。カバー付きで2千円未満。スリーブの端を鋏でカットするとスリーブごと入れられます。これでシートフイルム撮影も弾みがつきそうです。
よろしくお願いします。

追記
正確な品番を調べる為 再度ヨドバシから検索いたしましたら、何と販売終了となっていました。どうやら最後の在庫を買ってしまった様です。品番FB-69-10 6×7 6×9 60p\sでした
大変失礼致しました。

フイルム大好き 2024/02/26(Mon) 21:47 No.2493
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも詳しいご指導、ありがとうございます。
さて、程度の良いリンホフ カットフイルムホルダーが日暮里の代理店オンライン在庫に2セット眠っているのを見つけて注文致しました。これでやっと4セットとなり、立ち止まったままのシートフイルム撮影自家現像のアイドリング状態になって来ました。

そこで諸先生方々に質問がございまして、恥を忍んで投稿致します。
幸い、未開封のT-Maxデベロッパーが有りますので当面心配はありませんが、いずれ
RODINALにも挑戦してみようと思っています。この現像液は、使い捨てなのでしょうか?また、そうだとしたら廃棄処分はどの様にされているか注意点を伺いたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/02/29(Thu) 18:42 No.2495
Re: 中判シートフィルム
私はロジナールを超希釈(416倍)で使い捨てていますので,そのまま流しています.非常用には100倍で使うこともあります.あまり誇って言えることではありませんが...
蛇足ながら,T-MAX現像液は開封したら直ちに200mlずつスムージー用パウチに密封し、使用時は1:4希釈し1Lのペットボトルに空気をできるだけ追い出してキャップしています。これで10本現像まで反復、希釈後1年経っても現像はできているようです。
れんずまにあ 2024/02/29(Thu) 21:40 No.2496
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のご指導ありがとうございます。
諸先生方々のご投稿を拝読して、少し慣れてきたら挑戦してみようかと思いました。ドイツのPhotoImpexのサイトを覗いてみましたら簡単にRODINALが手に入る様で、試しにカートに入れて購入手続きに進み発送先を日本にしても大丈夫でした。価格は日本の代理店より格安、しかし送料はそれなりでした。後日、注文は、手慣れてきた時のお楽しみにしておきます。

T-Maxデベロッパーの使用注意も頂き大感謝申し上げます。小分けと空気になるべく触れない様に。こんなご注意、どのサイトにも出ていません。
大変心強いサポートに重ねて感謝致します。
少しずつ精進してゆく所存です。これからもよろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/02/29(Thu) 22:08 No.2497
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
フイルム大好き様
コメントいただきありがとうございます。

B'リールについて,その後連絡はありません。
Benoitさんは,B'sプロセッサー(現像タンクの回転装置)も作られていて,そちらに忙しいのかも。でも,大名刺サイズフィルムを4x5から切り出して新リールの構想を考えているそうなので,何か連絡があればまたご報告します。

フィルムホルダーが4セットになって良かったですね。フィルムが8枚あると余裕があります。
シートフィルムホルダーをテヒニカで使う場合,カメラ全体が小さく軽くなり,手持ち撮影も軽快になります。重く嵩張るロールフィルムホルダー(Super Rollex)が不要になる為ですが,実は操作性も向上します。リンホフは戦後のIII型から,アメリカのスピードグラフィックを意識して,シートフィルムで手持ち撮影する「プレスカメラ」としてテヒニカを位置付けたようです。連動距離計や大型左手グリップは,普通のビューカメラには不要ですが,手持ちでシートフィルム撮影する時は便利です。操作法の例を「リンホフテヒニカ23」No. 2064に書きました。これは,20年程前に地方のカメラ店の店主(ホースマン45を長く使われていた方)から教えていただいた方法です。

あと,Rodinalが品薄のようですが,アグファR09(ワンショット)の在庫がみらいフィルムズにあるようです。ご参考までに。


写真:テヒニカ23とシートフィルムホルダー (右は露出測定用の携帯ホルダー).

狸おやじ 2024/03/02(Sat) 11:42 No.2499
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
最新の情報のご提供、ありがとうございました。まずは、初心者コースをクリアしたら挑戦することにいたします。
御愛機の写真、いいですね。撮る前からベストショットの予感が感じられます。スマホホルダーも便利そうですね。貴殿のlinhof2×3のご投稿No:1643から、ギア雲台を手に入れて水平出しが簡単ですっかり気に入りました。三脚持参、フイルムホルダーとロレックス持参の大所帯出陣の後押しになります。
やっと揃ったホルダーに白エナメルで文字入れして満足です。
あとは
結果の報告、よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/03/06(Wed) 18:13 No.2502
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ホルダーのLinhofの白い文字が格好良いですね。撮影が楽しみです。

ギア雲台の情報が役立って何よりです。SWfoto GH-Proは,アルカスイスD4のコピーの様ですが,機能と重さのバランスが良く,野外の撮影で重宝します。携帯ホルダーはフリクションアーム(Manfrotto, 244 Micro)で三脚に取り付け,iPhone(覚える露出計)で測光と設定条件での画像確認に使ってます。ストーンバッグ(Vanguard)は小物入れとしても便利で,上ではスーパーローレックスが重石代り(?)です。

冬は撮影の機会が少ないけど,来週は娘の卒業式があり,テヒニカで日中シンクロ撮影を考えてます。桜には少し早いが,「袴レンタル着付け写真パック」より魅力的な写真を撮りたいと,ロケーションを調査中...
狸おやじ 2024/03/09(Sat) 09:51 No.2503
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有難うございます。
何気に、JOBOタンクのリストを見ていて気がつきました。
回転現像の場合、現像液は140mlとか170mlになっている事を。少なく済めばそれに越したことはないなあと。無論、ローラーとか必要かも知れませんが、ご存知の方がいらっしゃれば、お話しを伺いたく存じます。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/03/09(Sat) 21:46 No.2504
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
私は回転現像の経験がないので,残念ながら詳しい事は分かりません。
しかし,私が使っているフィルム現像の解説書(*)は,Joboの回転現像に否定的で,一般のアマチュア写真家に勧めていません。否定的な理由は,フィルムの現像過程で画像のシャープネスを上げエッジを強調する効果(No.2288-2293)に着目した解説書だからかも知れません。参考までに,関連する部分(43, 105ページ*)を要訳すると,

「多くの写真家は,Joboの回転現像装置を使った簡便な連続攪拌を好む。しかし,連続攪拌は画像のシャープネスを強調するエッジ効果を抑制する。この抑制は,特に35 mmのネガフィルムを11x14インチ以上に拡大する場合に明瞭になる。一方,4x5インチのネガを10倍以下に拡大する場合はそれ程目立たない。また,連続攪拌は明部の現像を過剰にし,暗部の現像を抑制する為,中間の階調(トーンスケール)を狭くする。この影響を緩和するには,高希釈現像液を使う方法がある。現像液の種類によらず,希釈率を30%以上に高め現像時間を延長する。Joboの回転現像のもう一つの問題点は,現像中のフィルムが空気中に長時間露出することである。その結果,現像液が空気に触れて酸化するが,この影響はパイロや染色系(タンニング)現像液で顕著になる。この場合,現像液の強化が必要になる。一つの方法は,現像液量を規定量より30%以上増やすことだが,それに合わせて現像時間の調整も必要になる。つまり回転現像は,高希釈や繊細(fragile)な染色系現像液を使う場合,あまり理想的な現像方法とは言えない。」

*) Bill Troop and Steve Anchell, The Film Developing Cookbook, 2nd Ed., Routledge, 2020.
狸おやじ 2024/03/12(Tue) 20:48 No.2506
Re: JOBO回転現像タンク
狸おやじ様、フィルム大好き様、いつも高度な書き込みをありがたく拝読しています。
以前参加していた大判フィルム撮影のグループ主催者が、JOBO回転現像をしている参加者に、トーンが出ないため良くないと評価していて、何故なのか疑問に思っていました。
主催者も経験上の評価で、確固たる理論は持っていなかった(理論的説明をしていなかった)と思います。
なるほど、連続撹拌ではそのような化学変化が起こっているのですね。
その当時は回転現像タンクを所持しておらず、8x10は主催者が勧める暗室皿現像しかできませんでしたのでそれ以上追求しませんでしたが、先日放出物のLPL回転タンクを購入したので、あわよくば8x10ネガ現像を明室で行えるかなと思っていましたが、やはりプリミティブな皿現像が良さそうです。
回転現像タンクは、元々印画紙用なので、印画紙にはそれほど問題ないのかなと思いました。
れんずまにあ 2024/03/12(Tue) 21:09 No.2507
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様

早速に、御見解を頂き恐縮しております。ありがとうございます。
ロクな実績経験も無いくせに、情報収集に走りがちな自身の行動を恥じております。
まずは、基本の積み重ねですね。
現像周辺商品のオンラインサイトを覗いてみると、確かに迷いましたが、諸先輩各位のご指導方法を忠実にトレースしてゆくつもりです。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/03/12(Tue) 22:08 No.2508
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お騒がせ致します。いつもありがとうございます。
久しぶりに、ポジをスキャンして、ピントの甘さに不満を覚え、再度フィルムをライトボックスに載せルーペで再確認、デジタルかと見紛う精細度にあれこれ奮戦が始まってしまいました。
どうも、狸おやじ様の仰せの通り、Epsonのネガキャリアの問題かと、面倒覚悟でウエットスキャンにてやり直し。結果はまあまあですか、何せ面倒なんです。ポジの清掃に気を遣いますし、、
まあ、解決一発のデジタルより、悩みどころがかるのが楽しいのですが。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/08/16(Fri) 16:59 No.2575
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様

私もフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)のフィルムスキャン性能に不満を感じています。以前(No.2471)書いた様に,ピント位置がズレていることがその一因ですが,より大きな問題は光源の出力が弱い為,取り込み画像のダイナミックレンジが狭い事です。カラーポジは暗部に情報量が多いので,後者の問題が顕著に結果に現れます。ですので,私はポジのスキャンではフラットベッドを諦め,専用のフィルムスキャナーを使っています。35mmポジはニコンのCoolScan 5000ED,120ポジは専用機がないので外注しています。一般の写真店にある業務用スキャナー(ノーリツプレシジョン製スキャナー/印刷機)でも,高解像度(64 Base)でスキャンして貰えば,ほぼ満足できる結果が得られます(比較すれば一目瞭然で,私はフラットベッドを使いたいと思わなくなりました)。ウェットスキャンの場合,フィルム面での光散乱/反射が抑えられるのでダイナミックレンジが若干改善すると思います。しかし専用のフィルムスキャナーと同等になるかは分かりません。

本当は中判(120, 大名刺)用のフィルムスキャナーが欲しいところですが,ニコンの9000EDやハッセルブラッドのFlextightは中古でもプレミアム価格です。Plustek(台湾)のOpticfilm 120 Proが日本で再販されないか少し期待して待っているところです。
狸おやじ 2024/08/17(Sat) 11:25 No.2576
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
詳細のご説明ありがとうございました。
中判シートフィルムの主題から外れ、申し訳ございません。
ただ、フイルムとは言っても、コストがかかりますね。フレックスタイトのあるスタジオ調べて、いずれポジ持参の上、時間割のレンタルしてみようと思っています。

どこかのスタジオで減価償却済みの機材、格安で売りに出さないかなあ、と、虫の良い事考えてしまいます。
水道温度が20度くらいになったら、シートフィルム挑戦したく思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/08/17(Sat) 11:37 No.2577
Re: 中判シートフィルム
スキャニングは本当に悩ましいですね。僕は主にモノクロネガなので、16bitで取り込んでからトーンカーブで調整すれば暗部もなんとかなるため、中判はGT-X970+BetterScanningで一旦落ち着いていますが、35mmネガでは(BetterScanningのホルダーを持っていないこともあって)最近いろいろ工夫しています。

GT-X970は最大6400dpiですが、その実力がないと思うので、3200dpiで取り込むことが多いのですが、それだと35mmでは画面の短辺が3000画素ぐらいになってしまいます。それなら最近のデジタルカメラで撮ったほうが高解像度になる、ということで、デジカメでの撮影に乗り換えました。ちょうど、今日 Ver.2 を公開したのですが、
https://www.youtube.com/watch?v=rpbFPXMqdCE
にあるようにフィルムをホルダーに挟んで、マクロレンズで直接撮影しています。Nikon Z7(4500万画素)を使うと、5000dpi相当で取り込みができます。ただ、マクロレンズと言えどなかなか満足いく解像度にならず、開放だと隅が甘く、絞ると回折で解像度低下する、といった具合で、Ai Micro-Nikkor 55mm F2.8S ではだめだったので、シグマの150mmマクロを使うようにしました。この方法は何より取り込みが素早く、ダイナミックレンジも十分取れるのが美点です。

35mmに話がそれてしまって申し訳ありません。で、本題の中判をどうするか・・ですが、同じシステムで中判を取り込もうとすると、2400dpi程度になってしまいます。また、レンズからフィルムまでが離れるので、アダプターのサイズも過大になってしまいます。そういうわけで、原状としては、中判はデジカメには移行していません。

既存のフィルムスキャナを入手するのもよいのですが、問題は、それらがソフトウェア的にどれだけ使えるのか・・です。古いPCを専用に確保しておけばいいのかもですが。。ノーリツのスキャナは公式にWindows11対応されていますが
https://www.noritsu.info/important_info/20220324/
次がどうかわからないし、そもそもHS1800はebayでも200万円ぐらいで取引されていて、とんでもない値段です。それでも需要があるのでしょうね。

デジタルカメラでデュープをしていて感じたのは、光源、フィルムの平面性、レンズ性能、これらをハイレベルで揃えるのは難しいということでした。当然、良いレンズが付いたカメラの像を余すことなく取り込むには、それ以上のレンズが必要ですが、これが難しい。GT-X970などは広い範囲を1つのレンズで賄っていますので、そもそも結構無理があります(その割には高性能だと思っています)。モノクロの粒子を取り込むには、F11より絞るとダメになるし、絞りを開くと周辺が甘い。F11で等倍の被写界深度は、5000dpiだと±0.05mmですが、フィルムを空中に置いてその範囲に収めるのは困難です。

ラインセンサ型のスキャナは、1ラインごとに露光するので、どうしても1ラインの露光時間が短くなり(スキャン速度に直接響く)、光源は面的でなくスリット状で良いとはいいながら、かなり光源が明るくないといけません。レンズのF値をカバーする広さも必要(レーザースリットのような光だと回折が起こる)。さらにベッドのガラス板の悪影響もあります(暗部に反射像が乗るなど)。

そういう要素を考えると、flextightのように柔軟なホルダーでフィルムを曲げて撮るのがベストなのは明らかなのですが、需要がない今、ソフト(最新OS対応)、値段、性能を兼ね備えたものの登場は期待するのは難しいのかもしれません。次善の策としては、良いマクロレンズと、センサシフト式の超解像ができるデジカメの組み合わせでのデュープでしょうか。

もっとも、そういう高解像度の画像を取り込んでネットで公開しても、なかなかそこまで見る人もおりませんし、自宅で見るだけならルーペで直接見るほうが良いのですが。なお自宅には8K TVがあるので、全体表示で楽しむことは可能ですが、4Kとの違いは、よっぽど近づかないとわかりません。
日浦 2024/08/17(Sat) 13:55 No.2578
Re: 中判シートフィルム
日浦様
まさか、日浦様よりご指導いただけるとは、大変恐縮しております。ありがとうございます。
迷路に迷い込んだ初心者としてこの数日は、明けても暮れてもこの事ばかり考えておりました。
デジタル時代を迎え、精細度の再現が叶うとアナログにそれを求めてしまう無理があるのかと半ば諦めの境地でございます。
フィルム上に再現されていれば良しとして、自分でまあまあかなレベルで止めておこうと思います。
Lr等のソフトも少し役に立ちますので。トライ&エラーを繰り返しているうちに何かの答えを得られればと思います。
この度は懇切丁寧なご指導を頂き感謝申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/08/17(Sat) 16:24 No.2579
Re: 中判シートフィルム
日浦様
狸おやじ様
夜分、失礼致します。寝られなくなってしまって、、、
以前、モノクロで撮影した今は無き二世代前の愛犬のカットです。EPSON購入前のCANONのフラットベッドスキャナーでした。機材はハッセルブラッド500CM プラナーCF80mmです。
現像はラボに依頼しました。
このサイトから外れまくって申し訳ございません。
このレベルで満足する様に致します。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/18(Sun) 01:31 No.2580
Re: 中判シートフィルム
日浦様
コメントと貴重な情報をありがとうございます。
35mmフィルムは私もデジタルカメラで複写しようと考えて,道具(Nikon スライドコピーアダプターES-1,BR-5リング等)を揃えたことがあります。フィルムスキャナー(Nikon CoolScan 5000ED)での取り込みに時間がかかる事と,ソフトウェアとドライバーが古くなり動作に不具合が出た事が理由です。ソフトについては,その後SilverFast(LaserSoft Imaging)が古いスキャナーを網羅的にサポートして動作保証もしていると知り乗り換えました。これは新旧のOS(Mac/Windows)にも対応していて,Epson GT-X970もほぼ同じ環境で使えるので便利です。取り込みには時間がかかりますが,ピント調整やコマ送りが自動なのでトレードオフかなと考えています。

中判120フィルムのスキャンは困りますね。私もモノクロはGT-X970と自作ホルダー(No.2471)で凌いでいますが,カラーポジは画質に満足できず外注しています。ノーリツのHS1800は魅力的ですが,200万円では全く手が出ません。どこかの企業が,安価で高性能の中判フィルムスキャナーを作ってくれないかと期待してます。(単なる夢物語ですが,勝手な希望でもいろいろな所で書いていると,本当に外光オートストロボが発売されることもあるので全く無意味でも無いようです:リンホフテヒニカ23, No.2556)

フイルム大好き様
素敵な写真を見せていただきありがとうございます。
ハッセルのプラナーCF 80mmの描写は素晴らしいですね。中判モノクロ特有のなだらかなトーンと繊細な描写が印象的です。ハッセルのプラナーには詳しくありませんが,後期型(CFi?)よりもすっきりした描写のように見受けられます。テヒニカ23用のプラナー100mm(4群5枚)とはレンズ構成が異なると思いますが,私もプラナーを使ってみたくなりました。
狸おやじ 2024/08/18(Sun) 10:36 No.2581
ノリタ66について

この度イレギュラーで入手出来ました。オーバーホール済みなので安心してますが、フィルムを通すまでドキドキです。

ウェストレベルファインダーが欲しいと思ってますが、出物がなかなか無いようです。

うーん改造するか?

連豆 2017/10/13(Fri) 18:21 Home No.985 [返信]
Re: ノリタ66について
TTLファインダー付ですね。

ウエストレヴェルに交換される際はシャッターダイアルのオフセットパーツが貴重なので(海外では高価なパーツですね。)無くさない様ご注意ください。
尚、ぶつけるとダメージが大きいと聞いたことが有ります。

是非、インプレをお願い致します。
 
efunon 2017/10/21(Sat) 10:57 No.992
Re: ノリタ66について
まだ、1回だけ持ちだした印象のみですが、首からかけ歩いた感じではさほど重さも感じず意外でした。

ピント合わせの時、ピントの山が掴みにくい印象です。但し、老眼の影響があるかも知れません(苦笑)

それと2回巻き上げは慣れないと、シャッターが切れず慌てます。ブローニーなのでやや力がいる感じです。

シャッターショックは弱くぶれる感じはしませんでした。

noritar 80mmは最短が85cmなので花を撮る時は、寄れません。むしろスナップ撮影向きのレンズかと思います。

また、1ヶ月後ぐらいに使用感など追記します。

連豆 2017/10/22(Sun) 05:39 Home No.997
Re: ノリタ66について
ノリタ-ライカMアダプターの試作品完成!

思ったよりうまくいきました。まだ仮組なので微調整が必要です。
techartに繋げてオートフォーカス化が出来ます。

連豆 2017/10/27(Fri) 20:22 Home No.1006
ノリタール40mmf4
ノリタエキスパートの友人から、これは押さえておいたほうが良いですよと格安の40mmを紹介され、思わず確保したのは良いけれど、一切のシステムを所持していなかったし、他に物入りが続いたことによりボディ確保に至らず、見かねた件の友人がグラフレックスノリタのボディと標準を貸与してくれました。感謝感謝です。
只今試写中。
80mmf2はなかなか見られないスペック。6x6では国産で最も明るい1本でしょう。
リトレック66時代のリトロン80mmf2から名称変更で引き継がれたもの。
性能について興味津々なところです。

れんずまにあ 2023/03/04(Sat) 15:45 No.2195
ノリタ66用キルフィットアダプター
30年ほど前、海外通販でこのようなレンズを購入しました。
キルフィット マクロキラー,ブロニカ用という解説で。
到着してみると、キルフィットがズーマーであったことは問題ないのですが、
ブロニカとは似ても似つかないアダプタが付いていました。
正体が分かったのはそれから25年後くらい。

れんずまにあ 2023/03/11(Sat) 23:08 No.2202
Re: キルフィット ノリタ66アダプター
名称「WERI」のWEは、キルフィットのWEマウントシリーズであることは、雑誌で知っていました。
RI はRittreckのRI、リトレック66用マウントです。つまり後にノリタ66に受け継がれたもの。
ノリタ66に対応したレンズメーカーは、キルフィットだけではないでしょうか。

他に中判用WEマウントは,ハッセルブラッド1000F、ペンタコンシックスを持っています。そういう年代の製品なのですね。

れんずまにあ 2023/03/11(Sat) 23:10 No.2203
Re: ノリタ66について
キルフィット/ズーマーのWEマウントレンズ、パンテレキラー300mmf4。
ラックピニオンとヘリコイドを併用し、300mmにも関わらず、1:3を超える拡大率を達成している。
パンテレキラー300mmは1957年M39のANマウントで発売、1971年にZoomar co.がKilfittを買収した後はスクリュースピゴットのWEマウントに統一されている。
またKilfitt時代は赤青緑の3丸(アポクロマート補正?)が刻印されているが、Zoomar時代には省略された。
大変シャープな優等生レンズで、信頼性が高い。
絞りはプリセット。
私の個体はアリフレックスマウントで海外放出物。トランクにTV局の名前が入っている。

れんずまにあ 2023/03/15(Wed) 22:31 No.2204
ノリタール70mmf3.5レンズシャッター
ノリタ66はフォーカルプレーン一眼レフなので、ストロボシンクロ速度が遅くなり日中シンクロに不利です。
これは各社対応に迫られ、レンズシャッターを内蔵したレンズが供給されました。
ノリタは若干広角気味な70mmf3.5に、1/500-1/2までのレンズシャッターを内蔵しました。
最短距離は,0.8m。
他社の同クラスと比べても大きく太いレンズです。キャップは77mm用の被せ、フィルターは67mmです。

操作
シャッターチャージ前はレンズシャッターが閉じているのでファインダー視野は真っ暗です。
シャッターチャージレバーを回すと、シャッターが開いてファインダー画像が見られるようになります。
レンズシャッター速度を決めます。
ボディ側シャッターは必ずバルブ解放。可能ならレリーズでロックしたほうがいいでしょう。
シャッターボタンを押してから少し間を置いてレンズシャッターが作動するため速写性はありません。
レンズシャッターが作動したのを確認してバルブシャッターを閉じます。

れんずまにあ 2024/06/06(Thu) 17:32 No.2539
エクステンションチューブ
エクステンションチューブNo.1, 2, 3

このセットで販売された。
ノリタ66にはベローズがないので、高倍率接写にはチューブを使うことになる。
他に55mm-160mmまでフィルター径62mmのクローズアップレンズを使うことができる。

チューブは個々にスピゴットマウントと、自動絞りピンを備えて,全部接続しても自動絞りは軽快に作動し、非常に快適に撮影できる。
1968ー72年同時代のフォーカルプレーン66カメラでクリックリターンと自動絞り連動を備えたエクステンションチューブは存在せず、77年ハッセルブラッド2000FCが追いつき、他社後続はなかった(66レンズシャッターSLRはいくつかある。)
ただしどちらも古典的システムなので、チューブに露出計連動機能は備わっていない。

80mmf2標準レンズに単体で組み合わせた時の撮影距離は以下の通り。
レンズ単体では最短距離0.85mのところ、
No.1: 40-55cm
No.2: 32-35cm
No.3: 29cm
全部接続すると、80mmで約1.5倍まで拡大でき、ワーキングディスタンスは5cmほどになる。

ノリタール80mmf2は35mmカメラ換算50mmf1.2に匹敵する被写界深度と収差補正なので、近接すると球面収差が大変増えてしまい、ボケボケの画像になると想像されるかもしれないが、元の性能が優秀なので焦点合わせに苦慮するほどではなく、絞り込めば十分にシャープな画像が得られる。

チューブにボディキャップが付属しており、穴を開ければM39など他社の近接設計レンズや、リバースマウントが制作できるかもしれないと一瞬浮かんだが、それはノリタでやらねばならないことはなくブロニカSやSL66で行えばよい。貴重な純正キャップを汚損するのは良いことに思えない。ノリタはノリタレンズを楽しむために持っている純正セットで使おうと思う。

れんずまにあ 2024/06/27(Thu) 14:24 No.2542
エクステンションチューブ
ガクアジサイ
ノリタール80mmf2開放、エクステンションチューブ3,1/500,コダックポートラ400

れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 22:05 No.2568
ブロニカ レンズシャッター系

ブロニカが開発したレンズシャッター式一眼レフカメラシリーズは
・ETRシリーズ 6×4.5(セミ判)
・SQシリーズ 6×6
・GS(1機種) 6×7
が有ります。

ETRシリーズ
 セイコー製の#0電子制御リーフシャッターをレンズに組込んだ一眼レフカメラです。1976年に初代が発表されました。
 シャッターは単体で作動させると1/500が切れ、ボディー側の制御で閉じ信号のディレーをかける秒時制御システムです。
ブロニカのレンズシャッター機のシステム基盤を確立した機種です。
 先行していたEC-TLとは異なり、ボディー側には
露出計は搭載されていず、交換ファインダー選ぶことで、AE(オートマチック・エキスポージャー)が選択できます。
 カメラデザインにS社系のデザイン事務所が加わり、これまでのブロニカの印象とは一線を画すフォルムとなっています。
6×4.5のもう一方の雄、マミヤ645シリーズはフォーカルプレーンシャッター(当初最高速が1/500でしたが、ETR発売後に
1/1000の1000S発表されました。)が、フィルムバック固定(後に交換式)、クイックリターンなので明確な住み分けが有りました。

 レンズは#0のシャッター径に合わせて特筆される様な大口径レンズは有りません。
 初期のレンズはEC系のレンズと構成が同じものが有りましたが、徐々に新タイプに変更されていきました。
このため新旧E、EU、PEとバリエーションが豊富です。MC表記が有ったり無かったり、またグリーンの帯が入ったタイプも
有りますが、レンズ名に”E”が含まれていればETRシリーズ用です。
(この辺りはWiki等をご参考に。)

 アクセサリーも豊富とは云えないまでもファインダー含めて色々と用意されていました。巻き上げを135SLRと
同様な感触で行えるスピードグリップなど、他機種に影響を与えたモノも発表されました。
 AF化の時勢には乗れず、2004年に生産期間28年でディスコンになりました。

ETR  :この機種にはブラックとクロームフィニッシュの2機種が有ります。以後は基本的にブラックのみとなります。

ETR-C :ETRベースのフィルムバック固定型。6×6のCシリーズと同様です。このRとCの間に有る”-”が特徴です。(後にETRCが出ます。)

ETRS :ETRのブラッシュアップ機で、信頼性や操作性の向上が図られました。薄いサンドベージュのサファリタイプSF
も有ります。この機種にもバック固定式”ETRC”が出ます。

ETRSi:ETRシリーズの機構的な最終形態です。メッツやサンパックのフラッシュシステムに対応したTTLダイレクト自動調
光用のフィルム面照度測定センサーを搭載し、シャッターにはそれ以前のTに加えてバルブ制御(B)が加わりました。
機構的にも変更されミラーアップが可能となりました。


SQシリーズ
 6×6cm判のレンズシャッター式一眼レフカメラで、ETRシリーズから発展したハッセルVシリーズとバッティ
ングする機種になりました。
 重く大きいというそれまでのゼンザブロニカの評価を翻した機種ですが、フォーカルプレーンシャッター機との
互換性は失われ、賛否両論の中に生まれました。
ダイキャストボディーに樹脂外装と云う近代的な構造になりました。
 フォーカル機に比べて押しが弱い部分や、システム的に未消化な部分が多いのも事実で、最終的にはとても便利
にはなったのですが、時すでに遅しで2003年に22年間の生産を終了しました。

SQ:ETRSをベースに、6×6の”スクエア(Square)”ーフォーマットにブローアップした機種です。
留意しなくてはいけないのは、ETRシリーズとも互換性が有りません。
もう一つ重要な点は、AEファインダーを載せてもAEにはなりません。ただしマニュアル露出になりますがMEファ
インダーSが用意されていました。このファインダーなら1/2よりも高速側は1/2EV毎の制御が可能です。
 軽量で操作感も大変軽く、またアクセサリーも豊富です。レンズシャッターシリーズに共通するのですが、
メカニカルガバナーが有りません。このために巻き上げが軽トルクなので、スピードグリップの様な可動軸
が直交するギアトレインを組んでもさほど負荷増にはならず、力の弱い方でも無理なく扱えます。
 使用レンズには初期のオレンジの帯が有るタイプから評価の高いPSシリーズまで、レンズ銘に”S”という文字が含まれています。
 
SQ-A:SQベースのAE対応+ミラーアップ可能な機種で、このSQ-Aでシステムの基礎ができました。

SQ-Am:SQ-Aベースにモータードライブを固定装着した専用機で、ハッセルのELシリーズに相当します。但し、
バッテリーはレンズ秒時制御と巻き上げ用が独立していて、グリップ内のAAAバッテリーホルダーを抜くと、シャッター用の6V電池
BOXが現れるという変則的な構造になっています。

SQ-Ai:645のETR-Siに相当する機種でフラッシュのTTL制御に対応しました。国産6×6機の最高峰かつ最終機です。
サファリモデルやイヤーモデルも存在しました。
 それまでのモデルとは電源も異なります。バッテリーは専用のカートリッジに入れた後に本体に装着します。
モーターワインダーを付けると、ワインダー側から給電も可能になりました。

SQ-B:高位のSQ-Aiからフラッシュの ダイレクト測光、モータードライブ連動などの機構を省略下普及機の
位置付で発表された機種です。


GS-1
 SQベースの6×7cm判レンズシャッター式一眼レフカメラです。先行するペンタックスやマミヤの67機種との
差別化は軽量と操作感の低減にあります。ウエストレヴェルのファインダーが基本なのですが、アイレベル含め
交換ファインダーは豊富です。またブロニカレンズシャッター機の中で随一のフイルムバック種を誇っています。

 SQベースとは云えフィルムの走行方向が水平方向なので、他のシリーズとは機構がそのまま同じでは有りません。
ミラーアップ機構も、フォーカルプレーンシリーズではプレビューボタンの有った場所に移りました。

 6×7サイズなのでETR同様にタテヨコの切り替えが必要ですが、リンク機構を使ったユニークなレボルビング
トライポッドヘッドや、レボルビングトライポッドアダプターGホルダー、アイピース部が回転可能なロータリー
ファインダーGも揃っていました。

 流石にこの大きさでマクワウリスタイルだと、アイレベルファインダーを載せた場合のハンドリングは
難しく、ブロニカレンズシャッターシリーズの出色なアクセサリー スピードグリップGも用意されていました。

これも他の機種とは異なりレリーズへのリンクは電子式です。駆動軸とのカップリングも巻き上げクランクを
外すタイプから専用のカプラー方式に変更になっています。

 シャッターは他のシリーズ共通のセイコー製#0です。従って1/500まであり、マミヤRBの#1の1/400と差別化が図られています。
ただしレンズ設計上の制約となるシャッター内径がφ25の#0とφ27の#1ではビネッティング等に意外に
大きな差になっています。

GS-1のレンズには”PG”銘が入っています。

 ブロニカのレンズシャッター一眼レフはどの機種も小型軽量で、操作に必要な力も少なくとても使ってみると
楽な機械です。ストロボも全速同調なので光が足りない時や日中シンクロなどに重宝します。
ただ外装が樹脂化されていたりして実質よりも華奢な印象を与えてしまいます。でも国産の中判カメラ市場を支
えていた機種の称号は伊達では有りません。レンズもヌケの良さは特筆されても良いと思っています。

efunon 2017/05/14(Sun) 13:48 No.796 [返信]
ゼンザノン S 40mm F4
ゼンザノン S 40mm F4 は後期のPSと構成は同じですが、コーティングや鏡筒内部の処理が異なります。

 と聞いていたのですが、ちょっと前にいくつかの40mmを持ち寄って比べる機会が有ったのですが、全部見た目は異なっていました。

 もちろん、製造後何年も経っていますのでコンディションはマチマチでしたが、どれが正解という事も無さそうです。
 画像は S 40mm です。2枚目は画像以上の逆光で、押さえにストロボを使っていますが、フレアも感じずにちゃんと撮れていました。

efunon 2017/05/14(Sun) 22:57 No.797
ETR用ズーム、マクロ、ベローズ
タムロンがブロニカを合併し、優秀なズームレンズがETRSiとSQ−Aiに供給されました。
それまではシュナイダーからバリオゴンの供給を受けていましたが、標準から望遠側をカバーするのみで広角ズームは存在していませんでした。

他方、ペンタックス645は45-85mmという本格的広角ズームで先行しており、マミヤとブロニカは後塵を拝していました。そこに投入されたゼンザノンPE45-90mmf4-5.6とPE100-220mmf4.8は歓迎されましたが、既にフィルムカメラはかげりが見えていました。

当時ズームレンズは35mmフォーマットでは既に熟成の域にあり、画質的には単焦点に勝るとも劣らない機種も現れていました。このゼンザノン2本も非球面レンズを含む最先端の技術を取り入れており、大変優れた画質と、非常識ではない程度の小型軽量化がなされています。

PE45-90mmf4-5.6はズーミングでf値が1絞り分変化しますが、その分広角側では競合他社より半絞り明るく、最短撮影距離は全焦点距離で50cmと単焦点に次ぐ近接能力があり、フィルター径95mmと多少大柄であることを容認できるなら常用レンズとして用いることが出来るでしょう。花型プラスチックフードが付属します。他社より逆光に強く、大柄な利点を生かしているのかもしれません。

PE100-220mmf4.8はf値が不変です。45-90同様フィルター径95mm、大きく重いけれど、これをセットしたETRSiが、望遠ズームつき35mmカメラ用ケースに入ってしまう程度で携帯可能です。回転式三脚座が固定されていて三脚前提ですが手持ちでも十分撮影出来ています。最短1mは咄嗟にマクロに付け替えずにかなりのクローズアップが可能で機動力があります。フードは引き出し式。少し短めなので黒画用紙を巻いて長さを足すとよいでしょうが、逆光には強い方です。

右は旧型ベローズに、タムロン時代の等倍マクロPE105mmf4.5です。他社等倍マクロが120mmばかりに対し、ゼンザノンは105。ややワーキングディスタンスが短いけれど取り回しは良いですね。カタログに載っていた宝飾品の接写は素晴らしく、良いイメージを持っています。PEレンズは40mmから250mmまでフィルター径62mmで統一されていましたが、この等倍マクロだけは67mmとSQ規格を採用、フードもSQ用を使います。

ベローズはこの後モノレールタイプになり、モードラやワインダーグリップを付けても操作性が変化しなくなりますが、この旧型は巻き上げ補助装置を付けるとベローズに支えてボディを前進できなくなります。その分軽く高さが低く、フィールドではコンパクトに取り回せます。
レンズシャッターのブロニカは、ベローズを付けてもボディからアクチュエータを介してレンズを制御するため使い勝手が普段と何ら変わりません。その代わりレンズを逆付け出来ない欠点もあります。

れんずまにあ 2017/05/18(Thu) 21:22 No.798
Re: ETR用ズーム、マクロ、ベローズ
れんずまにあ様 コメントありがとうございます。

>等倍マクロPE105mmf4.5

 なぜSQ用に110mm F4.5 を開発し、ETR用にも105mmf4.5 にしたのでしょうね?フィルム上の像倍率は同じなのに。
元々市場規模の小さい中判用レンズで不思議でした。

 サファリタイプのボディーは綺麗ですね。SQにも100台位作ったと聞いたことが有りますが、見た事は有りません。
efunon 2017/05/20(Sat) 19:43 No.799
SQ-A SF
それでは...
レンズ無しボディとレンズのみを別々の店舗で求めたため、普通のSQ-Aより安価なくらいでした。
昔は方々の店舗でS50mmとS500mmを見たことがありましたが、最近は全く見ませんね。

スピードグリップとウエストレベルファインダーのサファリカラーは有っても非常に高価なので、
もはや購入は困難でしょうから、塗装してしまいました。
タミヤカラーのオリーブドラブと、ナトーグリーンが近いのですが微妙に違う。でもぱっと見いい雰囲気です。
オリジナルはシャッターボタンとホットシュー 、ワインディングレバーが黒なので、見る人が見たら後塗りとすぐわかるようにしました。

れんずまにあ 2017/05/20(Sat) 20:17 No.800
Re: ブロニカ マクロレンズ
PE105mmf4.5はいわれてみればそうですね。
他社120mmに合わせれば110mmにしてしまえばよかったのかも。

でもSQ用の等倍110mmは、ETRに不釣り合いな大型サイズでもあります。
レンズ部分はそれほど巨大でないから、鏡胴を細身に再設計してもよかったのかもしれませんが。

フォーカルプレーン時代は近接設計レンズはラインにありませんでしたが、通常レンズを絞り込むことである程度可能で、栗林慧氏の作品を見たことがあります。
ETR時代、近接設計と公表されたゼンザノンE105mmf3.5が登場、単体での近接能力はなかったためかマクロ名称はないけれど、エクステンションチューブやベローズ併用時に推奨されていました。SQ登場時もマクロ表示なし近接設計レンズ、ゼンザノンS105mmf3.5が供給されました。共用設計かどうかは不明です。
その後、PEになる直前のゼンザノンE時代、初のマクロ表記 Macro Zenzanon E 100mmf4が供給されました。最短撮影距離0.6mなのでレンズ単体では1:4の拡大率になります。

PE,PS時代は揃ってMacro Zenzanonと銘打ったPE100mmf4、PS110mmf4が登場、単体では1/4倍までの直進繰り出しとコンベンショナルなスペックで、高倍率には別アクセサリーが必要でした。私見ですがE, S時代より外観、操作感触は重厚になりました。
PS110/4は恐らくGS-1用PG110/4と共通設計で、GS用をそのまま流用したと想像しています。
PG110/4は素晴らしい性能のレンズで、標準100/3.5と近似したスペックなので標準代わりにしていた方が多いようです。

その後ブロニカはタムロンと合併、ほどなくフローティング等倍Macro Zenzanon PE105mmf4.5[1:1]、PS110mmf4.5[1:1]が登場、従来型の100/4,110/4と併売されました。

等倍以上のベローズ高倍率時にはフローティングが却って不利ではないかとPS110/4とPS110/4.5[1:1]を2倍で比較したところ、ほとんど画質は変わらないように思いましたので、どちらを選択するかは好き好きでしょう。

ところでブロニカのシステムフローチャートでは、ベローズの倍率表で最も拡大率が高いのは焦点距離が短い広角レンズです。
通常レトロフォーカス広角を拡大接写に使う際には、正向きでは画質に問題が出やすいためリバースマウントが有利ですが、メカニカル駆動のレンズシャッターカメラはリバースマウント困難です。
やむを得ず正向きにしているわけですが、性能はどうなのでしょう。

写真: 左:マクロゼンザノンPS110/4.5[1:1], 右:マクロゼンザノンPS110/4
 最短の繰り出し量が随分違い、PS110/4.5[1:1]は単体で大きく繰り出される。ただし110/4のほうを等倍にしようと中間リングやベローズを使うと[1:1]を遙かに上回る繰り出し量になる。
 [1:1]はフローティング繰り出しに伴い焦点距離が短縮し、等倍時には80mmに近いほどになる。等倍時のワーキングディスタンスは、焦点距離が変わらない110/4のほうが長い。

れんずまにあ 2017/05/20(Sat) 21:17 No.801
SQのズームレンズ
SQにもシュナイダーバリオゴンが供給されていましたが、私は経験がありません。
SQ-Aiモデル末期に広角ズームPS50-100mmf4-5.6アスフェリカルが発売されました。
ETR用PE45-90mmの相似拡大判です。
バリオゴンは広角をカバーしていないためブロニカ初の6x6用広角ズームである以上に、世界を見ても6x6用唯一の50mmからスタートし100mmまでカバーする本格的広角ズームで、ハッセルブラッド用60-120mmを凌駕する存在です。

口径は95mm、プラスチック花型フードが付属します。
描写は単焦点に勝るとは言いませんが周辺まで乱れない端正な画質で逆光にもまず強く、立ち位置が自由にならない風景では有効活用できるでしょう。

ただし常用レンズとしては最短1.5mは大変困った問題です。PEのように50cmにできなかったのは何故でしょうか。

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 09:13 No.802
Re: SQ-A SF
Oh! SQ-A SF はOD色なんですね。思い出しました。

てっきりSFはサンドベージュだとばかりと思っていました。
OD色も貴重です。特注で他のレンズも塗装に対応していたと聞いた事が有ります。
ETRのサンドベージュは大変美しいと思っていました。

ありがとうございます。

 PSの110mmF4.5とPEの105mmF4.5 は途中の焦点距離(107.5mm)を使うとJIS表記では実質同じ焦点距離で、110mmと105mmと表示しても良いんです。
どこかにレンズセクションが有ればと思って古いカタログを探してみたのですが、まだ見つかっていません。

 ETRのシュナイダーは見せてもらった程度でインプレが出来るレベルでは有りませんが、しっかりとした作りで高級感が有りました。(マミヤの初期105-210と比較して。)
 高額でしたし、市場にも潤沢に有るとは到底思えません。

れんずまにあ様ご所有のTAMRONN傘下になってからのズームの方が凡そ実用的ではないかと思います。
efunon 2017/05/21(Sun) 12:15 No.808
ETRSi 40th Anniversary Limited
ニッケルシルバーのような金色混じりの銀メタリックですね。
これもレンズがなかったので高価ではありませんでしたが、流石にレンズ単体はなかなか出てこないため、今もって首無しです。
TTL自動調光フラッシュ対応なので探していて、まあ丁度良いかと求めました。当家のETRはこれ1台です。

30万台記念モデルは現物を見たことがありませんが、1号機であるETRの雰囲気のようで、愛好家には郷愁を誘います。
40周年モデルは、流石に交換レンズの特殊塗装まではオーダーできなかったようです。

ETRSi、PE100-220,220位置、135Wバック 高山植物園コマクサ

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 13:40 No.812
ゼンザノンS
PSになる前のSレンズは随分お手頃価格なので、つい買い込んでしまったものが3本、SQ-A SF用のS80と合わせて4本手元にあります。

PSと焦点距離がダブらないので、比較をしたことがなく、正直描写を云々できません。
唯一S105mmf3.5はSQ, SQ-A時代の貴重な近接設計レンズで、PS110/4と4.5を対比させたことがあります。
S105は明るい分少し開放滲みが大きく、f4付近のマクロ域性能も110コンビに一歩譲るように感じましたが、絞り込むと十分尖鋭で、また明るいため一般レンズとして汎用性が高く、持っていてもよいと思いました。

Sレンズ全般に、十分にハレ切りをしたほうがよいが、ハッセルブラッドCレンズよりましかもしれない、どのレンズも少し絞れば大変満足すべき結果が得られる,PSより随分小型で携帯性が良いことを実感します。外観は統一性が良すぎて、レンズキャップをしてしまうと鏡胴側面の焦点距離表示を見なければ見分けがつきません。

手前Zenzanon S105/3.5, 後左S150/3.5, 後右S50/3.5

れんずまにあ 2017/05/26(Fri) 17:10 No.816
PE105/4.5[1:1]は本当に105mmなのか
ETRSiとSQAiの最後のカタログを確認しましたが構成図は掲載されていません。
多分構成図があっても相似形なら見ても違いがあるかどうかわからないでしょう。構成はどちらも8-9です。

スペック表では、PE105画角38.9度,最短0.35m,
        PS110画角39.8度,最短0.37m

およその6x4.5の対角線7.5cmとすると,6x6は8.5cm,20%以上小さいのに画角が1度しか狭くならないのは,同じ焦点距離ではおかしいはず。
関数電卓が無くて焦点距離、対角線、画角の正確な関係を出せませんが。
それと等倍時の最短撮影距離が違うのも、焦点距離が本当に違う傍証ではないでしょうか。

おそらくPEとPSで共通のレンズエレメントを使うであろう、135mmと180mmでは最短は同じで画角はそれなりに狭まった表示されています。

大変手間の掛かることをしていることになりますが、PEとPSで相似形の異なる焦点距離を供給したのではないかと思います。
魚眼PE30/3.5とPS35/3.5も同じように正直な焦点距離かと思っています。
れんずまにあ 2017/05/30(Tue) 01:06 No.818
PEx2テレコンバーター
ETRSi時代のテレコンバーター
テレコンは画質低下を危惧されるかもしれませんが、比較的優秀なアクセサリだと思います。

さてハッセルブラッドは中間リングやMutarをまずボディに付けて、さらにレンズをはめる。外す時も先端から外していく必要があります。レンズにリングをつけたまま外して、その後分離するとシャッターが切れてしまい、キーをマウント後からドライバで回してチャージしないとボディ取付できなくなる等ややこしいので。

ブロニカは逆で、先にアクセサリをボディに付けるとレンズが付けられません。まずレンズとテレコン、中間リングを両方ともチャージ状態でカップリングさせた後にボディにつけます。分離もまずテレコンをレンズに付けたままボディから外します。

ここで初めての方は焦るはずです。
テレコン外部にはレンズロック解除ボタンが見えないのです。外しようがない。
ハッセルレンズをシャッター切れたままボディに嵌めて外れなくなる話、有名ですよね。
ぞっとして冷や汗かくこと請け合いです。

実はレンズロックボタンは、テレコンのマウント後面に、何の表示もなくあります。それを光軸方向に押しながら回すと外れます。ああよかった。

GS-1のテレコンは外部にロックノブがありますので、初めて使ったときはPEテレコンはノブが外れていて地獄嵌めに陥ったかと余計に焦りました。

れんずまにあ 2017/06/01(Thu) 00:08 No.823
フィッシュアイゼンザノン
ブロニカシステムには最後期までは魚眼レンズが用意されていませんでした。
ハッセルブラッドC、ローライSL66とSLX、Kiev88、ペンタックス67、マミヤRB、M645にはそれぞれ魚眼が用意されていて、本当に必要かどうかは別としてシステムが見劣りするのも事実でしたので、SQとETRモデル末期にフィッシュアイゼンザノンPE30mmf3.5、PS35mmf3.5が供給されました。

発売はタムロン合併前でしたので、ブロニカ社内の設計と想像します。
何れも対角線画角は180度でしたが、他社645は24mm(マミヤM645)、66は30mm(ツァイス、リトカリノ)、6x7は35mm(P67)37mm(RB)で、ゼンザノンはやや焦点距離が長いようです。
それが写りにどう影響するかはよくわかりません。

中判用魚眼レンズとしては最後発だけあってその性能は素晴らしいものがあります。

私はリアフィルター欠品のPS35mmの投げ売り品を求めましたが、考えがきわめて甘かったことは直ぐにわかりました。タムロンは在庫払底再生産なし。どこの店舗も在庫払底。安いわけです。およそ3年塩漬け状態、いっそPE30mm(多分共通)を買ってきて使い回そうかと思った矢先、へっぽこ親爺様サイトに集う方から確保分を領付して頂けることになり、素晴らしい幸運とご親切に感謝しました。

ところでフォーカルプレーンブロニカに、Kiev88/6用Zodiac/Arsat30/3.5を改造して装着されている例を見たことがあります。凄い改造技術です。これウクライナが企業化したら、絶対買いますね。

左:PE80/2.8ヘリコイド改造品Imagon 120mmH.4.5、右:Fisheye Zenzanon PE35/3.5

れんずまにあ 2017/06/01(Thu) 19:50 No.827
Re: フィッシュアイゼンザノン
>フォーカルプレーンブロニカに、Kiev88/6用Zodiac/Arsat30/3.5を改造して装着されている例を見たことがあります。凄い改造技術です。これウクライナが企業化したら、絶対買いますね。

これ、フリッカーで探すとサンプルと共に出てきた記憶が有ります。
フィッシュアイは135も含めて1本も持っていないのですが(多分、私には手に余ってしまうと思います。)、RB用も確か高価に取引されていますね。

 テレコンの外し方は、こちらのHPの機能に合致した素晴らしいものだと思います。
レンズ交換式リーフシャッター機のリヤコンバーターやEXTチューブはどこでお世話になるかも知れないアクセサリーで、
咄嗟の場合に大変焦りまくるモノです。冷たい汗が出ます。
efunon 2017/06/03(Sat) 19:04 No.830
SQ用プリズムファインダー
先日のオフラインミーティングに持参したSQ用のプリズムファインダーです。

1枚目は、45°プリズムファインダーで、本名 ”Bronica Prism Finder 45D S”といいます。

・ファインダー倍率 ×0.74
・視野率:94×94% (52.3×52.3 mm)
この視野率は面積率表示だと88.4% アレ?ペンタックス67と同じくらい? (…ちょっと小さい。)
 このファインダーはスピードグリップと組み合わせるととても使い易くなります。
 アイピースゴムが2種有って、右目専用?の(A)と左右対称の(B) タイプが用意されていました。

2枚目はアクションプリズムファインダーです。
見た目は巨大ですが、他のプリズムファインダーと違ったとても開放感が有って気に入っています。

efunon 2017/06/03(Sat) 19:22 No.831
Action Prism Finder E
ブロニカSQをはじめ、中判カメラは単能機が多いので、アクセサリーを追加してカスタマイズする事になります。
SQ用のアクセサリーは、あまり種類が多くはないのですが、現在のDSLRには用意されていない(用意しなくても良い?)アクセサリーが有ります。

ブロニカ アクション プリズム ファインダー。

 ニコンやキャノン、ペンタックス等の一眼レフにはスポーツ撮影に適したアクションファインダーというアイポイントの長い
ファインダーが用意されていました。
 アイポイントが長いというのは接眼レンズの口径が大きく、瞳が少しぐらい動いても、ファインダー画面の隅から来る光がちゃんと瞳に入る様に設計されたファインダーです。

 この種のファインダーを持つ中判カメラはブロニカETRくらいしか知りません。

 御覧いただいているファインダーは元々はETR用に用意されたファインダーで、”Action Prism Finder E”といいます。

先のページでSQに装着した画像をアップしましたが、本来はETR用です。これに、”A.P Adapter S”を装着するとSQにも取り付けが可能になります。

カタログスペックはETR装着時
・倍率:×0.65
・視野率:94×94% (面積率 88.4%)
・アイポイント長:120mm

これが先のアダプターを付けると
・視野率:垂直 81% 水平 94%

となります。垂直方向は6×6 → 4.5×6 になってしまいます。
これを無理して 6×6 サイズにするとさらに背が高くなってしまいます。

 何のために作ったのか良く知りませんでしたが、先日のオフ会で教えて頂いたのはどうも、航空撮影用ではなかったのか?という事です。 US NAVY ご用達だったのかも知れません。

…でもちょっと軟な感じがします。

efunon 2017/06/03(Sat) 19:59 No.832
Re: ファインダー
SQのアクションファインダーにはまったく驚かされました。Eからの転用でしたか。しかしメーカー改修品なのですね。なんと深いこと。オーナーは只者ではない。

この手のファインダーは撮影姿勢に自由度が大きい反面倍率が低くなるので用途を限定すると思っていますが、他に例を見ないシステムアクセサリなので魅力はあります。
ETR用を目撃したとき、まだETRオーナーではなかったけど手を出さなかったのは失敗だったか(笑

その対極、45度プリズム。90度よりアイポイントは長く、倍率は高く、覗く姿勢も中判SLRには適当かと思います。
拙宅には何故か45度プリズムはほとんどなくて唯一SL66用だけです。他は腰高か90度ばかり。何故なんだろう...?縁としか..

ただし私は、腰高と90度は併用可能ですが45度あるいは正立正像のアングルファインダーと腰高は左右が激しく混乱するので併用不可です。

腰高は倍率が高く、収納性がよいので個人的に最も多用していて、ETR, SQ, GS共に揃えています。
GSで旅した時は横位置を諦めて腰高で通しました。
ただレンズシャッターブロニカのAEはプリズム(ロータリー含む)しか出来ないので、一応90度は揃えています。

腰高よりさらに倍率が高く視度調整も標準の高倍率ファインダーも好みです。SQ用はマニュアル露出計が連動します。ただ折り畳みできないので携帯性は少し劣るのは仕方ないところ。旅行に連れ出すかどうかは撮影の比重をどれだけ掛けられるかに依るでしょう。
れんずまにあ 2017/06/03(Sat) 22:45 No.835
Re: Action Prism Finder E
れんずまにあ様
 コメントありがとうございます。
 Action Prism Finder E 自体は何度か見かけた事が有ったのですが、”A.P Adapter S ” がまず見つかりません。
 一度e-bayで見た事は有ったのですが、その時はプリズムファインダー自体が有りませんでした。

 今回アメリカから購入したのですが、購入先に問い合わせてもETR用だと云っていましたので、認知度はかなり低い様です。
 もし購入される際はアダプター付をオススメします。

 ファインダーの使用感は”覗く”イメージよりも、両目で観て利き目に集中する様な感じです。
 Nikon F2、4用のアクションファインダーを凌ぐアイピースレンズの大きさはちょっと驚きでした。
efunon 2017/06/04(Sun) 00:24 No.839
ETR 135Wフィルムバック
SQとETRには135フィルムを使用するフィルムバックが用意されました。
24x36フォーマットの135バックと、24x54フォーマットの135Wバックです。
パノラマフォーマットはフィルム横幅一杯が限界なので、6x6のSQと6x4.5のETRでも同じサイズになります。
6x7のGS-1にも発売予定になっていて、横7cmの本格的パノラマが期待されましたが、とうとう発売されませんでした。

さてETR用ですがフィルム装填方法を認識していないと失敗します。私は最初ブローニーと同じ入れ方をして大失敗しました。

1,120用と同じように普通にフィルムバックを開きます。裏蓋を開いたら巻き戻しクランクを引き出します。
2,すると中枠が取り出せます。
3,フィルムは中枠アパーチャーのスリットを通します。120と大いに異なります。私はこれをやらずに1本ダメにしました。
4,長巻裁断フィルムは角を丸めないと巧くスリットを通せませんでした。
5,フィルムを巻き取りスプールに巻き付けます。フィルムのベロを市販品のように切り出さないと引っかかりませんでした。
6,中枠をバックに装填しクランクを押し込み、横に付いているアドバンスダイヤルで巻き付きを確認し蓋を閉じます。このまま巻き付けるのはかったるくて無理。ボディに取り付けてボディのクランク操作で1を出しましょう。(もしかしたらマガジンのノブでは1が出ないかも)

フィルム終了後マガジン下面の巻き戻しボタンを押して、クランクでフィルムをパトローネに巻き取ります。
現像所に出す際は特殊フォーマットである旨伝えておかないと変な裁断されるおそれがあり,また切れないとロールで返されることもあります。

フォーカシングスクリーンには135,135W用の枠線が刻んであるものを使用しますが、普通のスクリーンでも見当を付けることは容易でしょう。

れんずまにあ 2017/06/04(Sun) 21:58 No.842
Re: SQのズームレンズ
昨日、他の用事でたまたま立ち寄ったカメラ屋で見つけました。
ズームゼンザノンSバリオゴン 140-280/5.6

一瞬硬直しましたが、迷わすもって帰る事になりました。
しかし、使った形跡が無い、三脚座も傷一つ無い。
もったいなくて使えないかも?

ゆうれい 2017/06/05(Mon) 01:52 No.846
SQ改造レンズ
以前他の掲示板で書き込みが有りましたが、残念ながら今は閲覧できませんので
改めてこちらに投稿します。

レンズシャッター機では、改造レンズの装着は困難なのですが
ひょんな事から、こんな改造レンズができました。

XENOTAR MF 80mm F2.8です。
右側 元のEXAKTA-66用の標準レンズ
左側 S-ZENZANON 80mm F2.8の鏡胴に組込んだものです。

改造は至って簡単で、レンズシャッターを挟んで前群と後群のユニットを捩じって外し
取り替えるだけでした。
基本的にはこれだけですが、XENOTAR銘板を付けると前玉との間に若干の隙間ができますので
発砲ウレタンのマットをドーナツ状に切り出して隙間を埋めています。
若干オーバーインフとなりますが元のS-ZENZANONと全く同じ使い勝手なので
改造品である事を意識せずに使えます。

私はやってませんがCURTAGON 60mm F3.5でも同じ改造ができるそうです。
ちなみに、作例ではS-ZENZANONのオレンジ帯にシュナイダーカラーの青帯をカッティングシートで再現しています。

ゆうれい 2017/06/05(Mon) 01:56 No.847
シュナイダーレンズ
ゆうれい様、バリオゴンご確保おめでとうございます!

高い評価をよく伺います。
大昔舶来店舗で、単焦点を上回る画質だと聞かされ、調子の良いことを..等と買えないやっかみ半分思っていました。
もしご試写の結果が出ましたら是非ご教授ください。

そしてSQ用Xenotarは流石です。仕上げにも気を配られているのがまた素晴らしい。
今のデジは存じませんが、SLR用Xenotar80/2.8は個人的には最高最強の6x6標準だと思っており、ただ使えるボディがRollei6000かExakta66という不安を誘うものしかなく、SQで使えるとなると信頼性は比較にならないほど向上したことに。

Ex66が死に絶えたら、Cultagonもいけるとのことですから多少安心ですね。

Ex66とSQとはレンズフードバヨネット共通、フード共用、ベローズOEMとかなり繋がりがあるようで、興味深いです。
れんずまにあ 2017/06/05(Mon) 23:42 No.848
Re: シュナイダーレンズ
れんずまにあ様 コメント有難う御座います。
優秀だと良いのですが、一つ気になるのがレンズ中玉の中心付近がなんだかモヤモヤしています。
結露?の様な状態です。

只今防湿庫に入れて様子を見ております。
同じ様な症状のレンズを防湿庫で放置していたらきれいさっぱりモヤモヤが消えておりましたので
今回もそれに期待しています。
ゆうれい 2017/06/06(Tue) 20:50 No.849
Re: ETR 135Wフィルムバック
れんずまにあ様

 135Wフィルムバックの内部をはじめて拝見しました。
トンネル式に装填して中枠がセットされるとプレッシャープレートが効く構造でしょうか。
それと巻き戻し用のクラッチ解除ボタンはどこに有るのでしょう。

 私だと巻き戻しを忘れてしまいそうです。
efunon 2017/06/10(Sat) 08:53 No.852
Re: SQのズームレンズ
ゆうれい様 見逃していました。

 Variogon 140-280/5.6、Xenotar80/2.8、CURTAGON 60/3.5、と垂涎のレンズが見られてクラクラします。

 最近、とても久しぶりに都内で Variogon 140-280/5.6見かけたのですが、SQ用なら安定していると思い購入しかけました。
 
このレンズをお持ちの方がとても希少です。是非インプレ等お聞かせ下さい。撮り比べてみたいです。
efunon 2017/06/10(Sat) 08:57 No.853
レンズシャッター機用レンズ
れんずまにあ様

 お時間の有る時で結構なので、SQ用のレンズの総論をお願いできませんでしょうか。

 どのレンズがどんな感じで、入手性等についてもご教示ください。
efunon 2017/06/10(Sat) 12:41 No.854
SQレンズ総論
ブロニカSQシリーズは、ゼンザノンS(初期)、ゼンザノンPS(後期)レンズがすべて共通に使用出来ます。

全て個々のレンズにセイコー#0電子制御シャッターを内蔵しており、秒時1/500〜8秒,B(タイム露光可能)が正確にできます。
efunon様が述べておられるように、メカニカルガバナーがないためチャージと作動に力が要らず、きわめて滑らかな操作感と静粛性を実現しています。
シャッターはボディや露出計ファインダーから制御され、AEファインダー対応機(SQ-A, SQ-AM, SQ-Ai)では絞り優先AE可能です。

(レンズとは関係ありませんが、当初SQはウエストレベルファインダー、マニュアル露光を基本に想定していたため、腰高に構えた上からの視認性を重視し、前期型のフィルムマガジンのフィルム感度ダイヤルは上面に付いていました。ところがAEプリズムファインダーが主流となると接眼部がマガジン上面を覆ってしまい、マガジンを外さないと表示が見えませんし感度を変更し露出補正することもできません。GS-1は当初からマガジン背面に感度ダイヤルを設置しており、好評だったためかSQ-Ai登場と同時にSQマガジンも背面ダイヤルに改められました。しかし、これを腰高で使うといちいち後部を見なければなりません。AEプリズムを常用される方、主に腰高で使われる方、マガジンのバージョンにもご留意ください。

SQはETRより後発ですから、ゼンザノンSの設計はETR第二世代レンズと同時代から出発しています。
そのため、初期ETR用レンズのように、フォーカルプレーン機S2/ECTLと共通設計のレンズはなく、同スペックでも設計は刷新されています。

6x7機GS-1、PGレンズの発表を機に、ゼンザノンはPSレンズに更新されました。PSはゼンザノンSと較べて鏡胴が大型化、フォーカスリング幅広化、またf3.5からf4に開放口径を落としたものが増え、そのかわりに開放から実用可能な性能向上がはかられています。タイム露光の手間や、絞り込みボタンがスライドレバーになるなど使い勝手も改善されました。Sレンズの特徴だったレンズ先端のオレンジ色クレストは廃止されました。

セイコー#0シャッターの内径に制約を受けるため、レンズの口径は80mmf2.8を除いて、他の焦点距離はf3.5が最大で、控えめなスペックです。
中判レンズは焦点距離が長いため被写界深度が十分に浅く、実用的にはぼかせなくて困ることはありませんが、華がないとも言えます。SレンズよりPSレンズはさらに口径が小さくなる傾向があり、よく言えば通好みなのですが、1970-80年代は6x6というフォーマットが古くさく受け取られていた時代背景もあって、アマチュアユーザーへの訴求力が強いとは言いにくいでしょう。ただし仕事の機材として見れば信頼性は素晴らしく、プロ志向なのだろうと思います。

大まかに性能を評するなら、Sレンズは好評だったETR用レンズをもとに発展し、小型軽量化に留意され、制約の中で大口径も追求されています。その分開放ハロが若干目立つことがありますが、個性の一つと考えることもでき、また少し絞り込むことで非常に優れた性能を引き出せます。フォーカルプレーンブロニカのように後退ミラーではなくオーソドックスな跳ね上げミラーを採用しているため、フォーカル用レンズよりもバックフォーカスを長く設計する必要がありました。そのような制約が多い中で最初の製品として健闘したのではないかと思います。
次に登場したゼンザノンPSレンズはGS-1用のPGレンズラインと平行して設計され、さらなる性能向上を主眼とされました。全レンズが開放から十分にシャープで、仕事をするならPSではないでしょうか。一部はETR用ゼンザノンPE、PGと構成を共有しマウント違いだけの機種もあります。

レンズライン概要:主観で書いています。皆様のご意見次第で訂正致しますのでよろしくお願いします。
経験がないレンズは類推で評価していることをお許しください。○経験あり、X経験なし。
レアリティ(国内海外オークションや店舗情報):☆常時安価に入手可、☆☆潤沢だが価格は並、☆☆☆年に数回出るが価格は並、4★年に1-2回出現レア、5★ほとんど出てこない

ゼンザノンS
○☆80mmf2.8:看板レンズだけに優秀。
X☆☆40mmf4:優秀(efunon様)
○☆50mmf3.5:開放まずまず、絞れば向上。十分実用的。
○☆105mmf3.5:近接基準設計だが、明るく無限遠もいける。開放柔らかめ、絞るとシャープ。
○☆150mmf3.5:エルノスター構成。小型で携帯に有利。開放柔らかくポートレートにお勧め。絞れば十分良好。
X☆200mmf4.5:
X☆250mmf5.6:
X☆☆☆500mmf8:細身で比較的軽量の超望遠。実用的。
X4★バリオゴン75-150:
X4★バリオゴン140-280:

ゼンザノンPS
X☆80mmf2.8:Sよりも開放コマが改善し画質向上したらしい。
○4★35mmf3.5フィッシュアイ:6x6用魚眼で最優秀(コーワ19mmは経験ないが)
X☆☆40mmf4:Sと構成同じらしい。コーティングなど向上(efunon様)
X☆50mmf3.5:Sと同じ構成?フィルター径は67→77に拡大。
X☆☆65mmf4:PGと共通。PGは非常に優秀なのでこれも安心だろう。
○☆110mmf4マクロ:PGと共通。開放から極めて端正な画質。マクロ銘のわりに単体では寄れない。
○☆☆☆110mmf4.5マクロ[1:1]:単体で等倍まで連続的に倍率変更可。優秀レンズ。          *
X☆☆☆135mmf4:ガウス型。150より重く、これを選ぶのは通。f3.5〜2.8にすれば華があったのに。
X☆150mmf4:ガウス型長焦点。Sより暗くなった分開放性能はアップ。
○☆☆☆180mmf4.5:近距離補正テレマクロのようなガウス+コンバータの凝った構成。200より重いが最短1m。
X☆☆200mmf4.5:小型軽量望遠。180より携帯に有利。
○☆250mmf5.6:定番の軽量望遠。一般的に携帯できる最長焦点。そつがない性能。
○5★500mmf8:EDレンズ使用巨大レンズ。PG,PS,PE共通構成。画質優秀だが携帯性はSより悪い。
○4★50-100mmf4.5-5.6:貴重な非球面広角ズーム。絞れば単焦点並の画質。

*ご指摘を受け訂正致しました。ありがとうございます。
れんずまにあ 2017/06/13(Tue) 08:42 No.856
Re: SQレンズ総論
れんずまにあ様

 これです!。これがなくてはこのスレッドの価値が半減です。

お手数おかけしました。ありがとうございます。

あッ PS 110mmf4マクロ[1:1]は確かF4.5です。
efunon 2017/06/13(Tue) 22:39 No.857
ZENZANON S40
ブロニカオフ会が開かれた日は快晴でした。

 せっかく名古屋に来たので、在りし日の水冷エンジンにも名前を冠した熱田神宮に行ってきました。

 ゼンザノンS40は、ヌケの良い蒸留水の様な画像が得られるレンズだと思います。

ZENZANON S 40mm F4.0 NPS160

efunon 2017/06/26(Mon) 22:42 No.863
ZENZANON S40 その2
 ゼンザノンS40は逆光で撮影すると、時々驚くほどのブルーカブリが発生します。

 ファインダーで良く確認しながら撮影するのが肝要だと思います。
 この辺りはPS40では改善されているのかも知れません。

ZENZANON S 40mm F4.0 NPS160

efunon 2017/06/26(Mon) 22:47 No.864
ZENZANON S500
ZENZANON S 500mm F8.0 を持ち出して滑空場に行ってきました。

 すでに着陸体勢に移った機体です。

スポイラーを出して、減速しながらランディングします。

 このとき、風を切る良い音がします。


ZENZANON S 500mm F8.0 NPS160

efunon 2017/06/26(Mon) 22:54 No.865
ZENZANON S500 その2
ZENZANON S 500mm F8.0 の無限遠 開放です。

 S 500 の後に PS 500 という白鏡胴のレンズが発売されました。

とても高性能と聞いていますが、使用した事は有りません。

ZENZANON S 500mm F8.0 NPS160

efunon 2017/06/26(Mon) 23:00 No.866
DSLRとSQで撮ってみました。その1
ブロニカOFF会の日は記録用にとEOS KISS X とSQを持って行ったのですが、帰宅してから画像を見ると、
良く似た構図の画像が有りました。

 比較という訳では有りませんが、御笑覧頂いて何かのご参考になれば。
EOSはキットレンズ、SQはS40mmです。
(その1、その2とも左がEOS,右がSQです。)

efunon 2017/07/02(Sun) 22:36 No.882
Re: DSLRとSQで撮ってみました。その2
初めから比較する気持ちも無かったので、構図もいい加減です。

尖鋭なのはEOS、何となく立体的に見えるのはSQかしら?。どっちも変わらないと云えば変わらない感じもします。

 ブロニカSQの方はエプソンの安いスキャナーで1200DPI程度のレゾリューション設定で走査しました。

 この画像で違いが云々なんて云えません。せいぜいブログに使う程度ならどちらでも好きな方を選んで頂いても”あまり変わりません”程度でしょうか。

efunon 2017/07/02(Sun) 22:47 No.883
Re: デジタルとSQの比較
もちろんこの画像だけを見比べて、ですが、SQはやわらかく情報量が多い、包容力があるというか、中判らしい画像で、EOSはスモールフォーマットに共通するエッジが立って一見して印象的な画像という印象です。
まあ、どちらも画像処理次第ではあるのでしょう。
EOSのほうはフィルム24x36画像の延長線上にある画造りかと思いますが、HDRなどで中判の印象に近づけることは可能かもしれません。

S500mmでの動体撮影はすごいですね。プリズムファインダーをお使いですか?PS500と較べて圧倒的に軽量とはいえ、振り回すのはなかなか大変だと思います。一脚や三脚は、水平の動きには円滑に対応出来ても上下の追随は難しく、追随できても焦点合わせがまた...
手持ちでお撮りになったのかなと想像しましたが、毎回この手の被写体を中判で狙う超絶さに言葉を失っています。
れんずまにあ 2017/07/09(Sun) 21:09 No.896
Re: ZENZANON S500
れんずまにあ様 コメントありがとうございます。

 グライダーの撮影は、直上を飛行するコース上が撮りやすいので(向かってきますので、ブレにくいのです。)、45°のプリズムファインダーが便利です。
 三脚と雲台ですが、私の場合、三脚はジッツオかマンフロットの大型で重いもの。雲台は自由雲台のボールヘッドを横に倒してユルユルにして撮ります。(ボールヘッドの首の部分にグリスを塗ってあります。)対空双眼鏡のジンバル雲台が欲しいです。
 グライダーとはいえ近くでは角速度が大きいので、そうしないと追いきれません。

 ゼンザノンS500はとてもバランスが良いので撮りやすいのですが、三脚座が華奢です。
efunon 2017/07/11(Tue) 20:44 No.897
GS-1レンズ総論
ブロニカ6x7cm判カメラGS-1は、多機種存在する645のETR系、66のSQ系と異なり、モデルチェンジされず単一機種で終わりました。

そのレンズも、ゼンザノンPGの単一銘柄で、発売当初の50mmから250mmまでのラインに加え、後日80mmf3.5と500mmf8が追加されました。
PGラインはETRさらにSQで経験を積んだブロニカがよく練って出しただけに、レンズシャッターSLR用の決定版といえる高性能レンズシリーズです。
セイコー#0を使ったため最高速が1/500と速く、また6x7とは思えないほど小型軽量化が成し遂げられた反面、内径が制約され、最大口径が100mmと80mmのf3.5にとどまりました。
これはGS-1の性格を携帯重視のフィールドカメラに向けることになります。

6x7cm判ですので焦点距離を2で割れば35mmカメラにほぼ換算できイメージしやすいでしょう。

レンズライン概要:主観で書いています。皆様のご意見次第で訂正致しますのでよろしくお願いします。
経験がないレンズは類推で評価していることをお許しください。○経験あり、X経験なし。
レアリティ(国内海外オークションや店舗情報):☆常時安価に入手可、☆☆潤沢だが価格は並、☆☆☆年に数回出るが価格は並、4★年に1-2回出現レア、5★ほとんど出てこない

ゼンザノンPG
×☆100mmf3.5:標準レンズ。当時の雑誌テストで極めて優秀と評価されていた。
○☆50mmf4.5:最も広角。開放で周辺が甘いが絞れば良好。フィルター径φ95mmでフードは純正蛇腹のみ。ゴーストに注意。色彩は鮮やか。
○☆65mmf4:開放から良好で、絞ればさらに締まる。逆光にも強いがフードを使うほうがよい。
○☆☆☆80mmf3.5:645や66cmバックでの標準。レトロフォーカス。開放から四隅まで良好。
○☆110mmf4:近接基準設計だが、無限遠も高性能。開放から四隅まで極めてシャープで歪曲がない。単体では1/4倍まで。
○☆150mmf4:標準と同程度に小型のガウス型長焦点。開放から尖鋭。小口径だがよくぼけるのでポートレートに十分使える。
○☆200mmf4.5:小柄なエルノスター型望遠。非常に尖鋭。
○☆☆250mmf5.6:実用的には最も長焦点。PSとスペックは同じだが太く大きい別物。携帯性は200のほうが段違いに良いが250が必要なこともある。x2テレコンとの相性良。
×5★500mmf8:EDレンズ使用超望遠。白塗り大口径φ112mm。エレメントはPE, PS共通。PSの経験では望遠としてきわめてシャープだが重量が過大なので状況を選ぶし、これだけのサイズで35mm判250mm相当に過ぎないのも持ち出しづらいところ。

テレコンバーターPGx2,PGx1.4があり、すべてのPGレンズに使用出来る。
れんずまにあ 2017/08/29(Tue) 00:15 No.955
GS-1レンズ余談
私は95年頃、行きつけの中古店舗で50,110,200とボディ、AEプリズム、ウエスト、120-66、220-66、スピードグリップ、フラッシュのセットが出た時にブロニカS2セットを転売し乗り換えました。最近はかわいそうな価格ですね。撮影の簡便さと結果を重視するならお勧めできるシステムです。
唯一残念に思うのは、せめてf2.8のレンズを一本加えて欲しかった。随分活用範囲が広がったことでしょう。f3.5と半段しか違わないのですが、暗所で手持ち限界の分かれ目なのです。

100/3.5は明るく評判が良いため欲しいのですが、110mmf4マクロと開放f値がいくらも違わず、110で代用してしまう方が多かったことが市場からもわかります。結局入手機会がありませんでした。明るさでは80/3.5もありますし。

購入当時、店舗にお願いしてリンホフプレス23と比較試写させて頂きました。
Planar100mmf2.8 vs PG110mmf4:f4〜8ではPG110の圧勝。コントラスト、解像力、歪曲、四隅までの均一性、どの項目もPGが優秀。P100/2.8は6x9カバーしf2.8から実用的な画質なので比較するのはどうかと思いますが。f11以降は同等になります。
Biogon53mmf4.5 vs PG50mmf4.5:PG惨敗。開放画質は中心は伍するものの周辺は話にならない。ただしf11まで絞れば差はなくなり、ゴーストやフレアが目視確認できるSLRの有利さもあるので実用的には優劣を付けられない。
Sonnar180mmf4.8 vs PG200mmf4.5:互角。重量を考慮すると圧倒的にPGのほうが軽い。

グラフレックスXLRFとGS-1、どちらを出張に持ち出すか悩んだこともありました。
レンズの性能は、リンホフプレス同様GS-1は標準有利、広角不利で望遠互角です。GS-1に腰高をセットし全体の重量を測定すると、ほぼ同じ。XLて軽くない!
すると明るい標準を擁し69が撮れるが近接できないシステムか、寄れて焦点精度が良いが67止まりで縦位置困難か、で結局GS-1にして高画質を堪能しました。多分XLで行ってもよい写真は撮れたとは思いますが、失敗も増えたことでしょう。
れんずまにあ 2017/08/29(Tue) 00:21 No.957
Re:GS-1レンズ余談
貴重な情報ありがとうございます。

以前、他の67機との比較ポジを見せて頂いた事が有ります。
GS-1のポジはどれもとてもヌケが良いので、感心した覚えが有ります。
タムロンに吸収された真骨頂かなと思いました。

 No0シャッターの1/500はNo1の1/400に実質的な差は少ないのですが、何か安心感が有ります。
efunon 2017/09/02(Sat) 14:02 No.958
ETRS SF
ブロニカETRS SF
1978−88年にかけ販売されたETRS外装をオリーブ色塗装した特別モデル。記憶によるとETRSモデル末期と思うが正確な資料を探せていない。同時にSQ-AにもSFが存在する。

標準セットとしてAEファインダーEII, 120ホルダーE、スピードグリップE、ゼンザノンEII75mmf2.8、ウエストレベルファインダーE、巻き上げクランク、プロフェッショナルフードE(蛇腹)、スクエアフード75mm用、がオリーブ色で供給された。
交換レンズはサファリセットとしてゼンザノンE500mmf8が組み合わされたので、オリーブの500mmは珍しくない。また持ち込みでオリーブ塗装を受託しており、50of2.8は見かけたことがある。

れんずまにあ 2019/10/19(Sat) 22:43 No.1615
ETR SF AEファインダー
AEファインダーEIIは左右に受光素子を配した中央部重点測光。絞り優先AEと適正シャッター速度表示によるマニュアルが選択できる。ファインダー左側面にプラスマイナス1EV露出補正機構つきフィルム感度ダイヤル、右側面にA、●、M切り替えダイヤルが配置されている。シャッター半押し時のみファインダー下部にシャッター速度が表示される。Aポジションでは絞り操作に連動したシャッター速度が点灯し、シャッターダイヤル位置にかかわらず自動露光される。Mポジションでは適正露光シャッター速度が点滅、それを参考にシャッターダイヤルを操作して好みの値に設定する。●はメーターオフでダイヤル位置に関わらず1/500のみ作動する。電池なしでも1/500で作動し、明るい条件や、フラッシュ撮影はできる。

れんずまにあ 2019/10/19(Sat) 22:46 No.1616
ETR SF ウエストレベルファインダー
ウエストレベルファインダーに交換すると、露出計機能はなくなりフルマニュアルカメラになるが、クランク巻き上げにすれば非常に小型軽量になり、携帯に有利。もともとETRSは645一眼レフの中で最小サイズであり、カメラ容積は6x6のSQと比べてほぼ半分になるが、プリント有効面積は6x6と変わらない。

ウエストレベルはアイレベルよりファインダー倍率が高く焦点合わせ精度がよくなる。ただし縦位置撮影は、上下左右逆像になってしまう。腰高撮影で縦位置を重視する場合は、SF色ではないがロータリーファインダーEという選択もある。

れんずまにあ 2019/10/19(Sat) 22:47 No.1617
ETR SF その他アクセサリー
120ホルダーEはノブ巻き上げ、スタートマーク式オートストップ。巻き上げチャージ状態でダークスライドを入れると随時交換できる。ETRSi時代のマガジンEiはクランク巻き上げだが、ホルダーEはノブしかも指掛かりが小さく操作が重いためカウンター1を出すのが煩雑でボディ側のクランクを使うほうが簡便。ETR系マガジンは感度情報伝達しないため、感度はAEファインダーに設定する。異なる感度のフィルムを入れたホルダーを交換する際にはAEファインダーに設定しなおす必要がある。645一眼レフのパイオニア二機種、ブロニカETRとマミヤM645はいずれも15枚撮りで、従来スプリングカメラやブロニカS2, ECで16枚撮影可能に比べ1枚少ない。これはシグマ巻き上げに伴う平面性の問題でそうせざるを得なかったためと釈明されていた。

スピードグリップEは、保持した右手親指で巻き上げレバーを操作する、35mmカメラ同様の操作性になるアクセサリー。グリップ上端にホットシューが設置されている。電子シャッターでガバナーを要しないためか非常に巻き上げが軽く、親指だけで軽く動作する。

れんずまにあ 2019/10/19(Sat) 22:50 No.1618
ETRS SF
私のSFはレンズが付属しないいわゆる「首無し」個体で、普通のETRSと大して変わらない価格でした。丁度ETRSiのボディを探していたので、偶然遭遇したとき目標変更し捕獲しました。程よく手ずれがあり、気兼ねなく使えます。緑の交換レンズ単体は、500以外はめったになく、気長に待つことにします。40thETRSiはズームと等倍マクロの重厚長大セットで使っているので、SFは単体レンズとの小型軽量組を考えています。

れんずまにあ 2019/10/19(Sat) 22:52 No.1619
Zenzanon MC 105/3.5
Zenzanon-E MC 105mmf3.5

ブロニカはフォーカル時代からリーフシャッター初期まで、マクロと名がつくレンズをラインアップしませんでした。中判マイクロニッコールを見てみたかったですね。
ETRとSQには、ゼンザノンEおよびS105mmf3.5が近距離設計で供給されました。ところがあまり積極的には宣伝されていなかったようで、スペックは最短0.9m、口径比f3.5とマクロらしくないので、マクロの名前がないとだれも認識できないでしょう。
私も近年になるまで私は近接設計とは全く知らず、単に長めの標準バリエーションの一つだと思っていました。当時からそれを知っていれば、フラッシュ接写を主体にしていた私はETRSユーザーになっていたかもしれません。

ゼンザノンE末期にマクロゼンザノン100mmf4が登場、最短0.6m、単体で1:4と、やや寄れるようになり、開放f値が少し暗く特殊レンズっぽくなりました。ETRSi時代にPE仕様に継承され、後述の等倍モデルと併売されました。
タムロン合併後にマクロゼンザノンPE105mmf4.5が登場、フローティングで0.36m、単体で等倍まで近接できます。タムロンSP90mmの設計を汲む貴重な中判マクロです。

この3機種を比較すると、設計思想の変遷が見えるようです。

E105/3.5は普段使いを重視し、開放f値が明るく、単体倍率は低いかわり小型軽量です。エクステンションチューブ併用で倍率を出す設定でしょう。1:2から1:1近接域では開放画質は甘く、絞り込まないと均一な画質になりません。あくまでマクロは従という印象です。

E100/4は、一転してマクロを前面に押し出したモデルです。単体で1:4までなのは35mm用マクロを使い慣れていると物足りませんが、直進繰り出しでこれ以上寄るならヘリコイドサイズが非現実的、あるいは自動絞りシャッター連動が困難になると判断したのでしょう。開放f値を抑え、1:2〜1:1でも開放から高いコントラストと均一性があります。無限遠画質は二の次ですが、実用上十分以上の性能で、シャープネス偏重なら標準替わりにするのもアリです。

PE105/4.5はひとまわり大きなヘリコイドを備えていますが、操り出し量は等倍にしては短く、フローティング効果で繰り出しに応じて焦点距離が短縮し、繰り出し量が節約されています。おそらく等倍では焦点距離が80mm近くになっていると思われます。その分小型なのでしょう。フローティングは収差補正が主目的で、どの撮影距離でも優秀な画質です。

フィールドでマクロ撮影するならPE105等倍がおすすめです。機動力はすばらしく、∞から等倍までシームレスに撮影できます。
自宅でスタンドに固定し、ライティングに凝りながら静物撮影するならE, PE100/4でしょうか。倍率はあらかじめ予測でき、シンプルなガウス構成のレンズを絞り込んで高いシャープネスが期待できます。

では最初期E105/3.5はと考えると、若干癖があるレンズを使いこなす楽しみかな、と思います。決して写りが悪いレンズではありませんが、何も考えずに安定した結果が得られるわけではなく、能動的に性能を引き出すべき多面性を持つため、かえって楽しむ余地が広いと思います。

れんずまにあ 2019/10/19(Sat) 22:56 No.1620
MC105/3.5
MC105は比較的明るいのでポートレートにも使えるでしょうが、折角近接設計されているそうなのでマクロを試しています。
といってもベローズでは携帯が大層。
軽快な中間リングはベローズがあるので入手を後回しにしていたので只今捜索中。

そこで、手持ちのフィルター径が62mmのケンコーACクローズアップNo2を使います。62mmはニコン用に持っていました。

MC105の最短は0.9m、No2は無限位置で0.5mになるので撮影出来ないギャップができますが、最大1:3程度とマクロっぽい所まで寄れます。
ACは二枚構成なので色収差については有利ながら、球面収差はそれなりに出ますので、尖鋭にするには絞る必要があります。
クローズアップレンズは嵩が少なく気軽に使えるのがよいですね。

ETRSiはメッツのデディケーテッドストロボを使うとTTL自動調光ができますが、ETRSは旧型ですのでストロボ撮影にはナショナル/パナソニックのマクロ外光オート機が便利です。
PE28SとこのPE36Sは、マクロ専用の受光部を持っており、単体でマクロに対応します。直射ではなく拡散キャップを被せて少し光を和らげるように気をつけました。

Bronica ETRS SF, MC Zenzanon 105/3.5, f11, 1/250, Acros, Panasnonic PE36S

れんずまにあ 2019/11/03(Sun) 19:12 No.1630
マクロシステム
ETRSの中間リング,「オートマチック エクステンションチューブE」2種,E-28とE-42を確保しました。
また以前から持っていたφ62mmのクローズアップレンズも組み合わせて、ベローズEよりも軽快な接写システムを構築しました。

フラッシュは、ナショナル/パナソニックのマクロ機能をもつストロボを使っていましたが、LED定常光のリングライトが最近安価なので試してみました。
NEEWERという中国の製品でLED48灯です。カラーフィルターや、49から77mmまでのアダプターリングが完備して至れり尽くせり、説明を読むとGN15相当の瞬間光も選択出来るそうです。
実際テストしてみると、まずGN15は確実に出ていない。GN8も怪しい。というのはクセノン管とコンデンサーによる大光量ではなく、単にLEDをカメラ側のシンクロ接点で瞬間に光らせているだけのようですね。
まあ連続点灯しないほうがよい被写体もあるでしょうから瞬間点灯というのもあってわるくありませんが、余程近くを、余程高感度か絞りを開いて撮影しないとまともに写りません。
LED連続点灯のほうも、あまり大光量ではなく、ISO100では1:1くらいに寄ってもf11-1/30と、手ぶれしてしまいそうな条件になり、ISO3200が平然と使えるデジカメなら問題無いでしょうが、銀塩中判にはあまり向いていないようです。

少しテストしただけながら、LEDなので電池の持ちはよいのでは。

れんずまにあ 2019/11/07(Thu) 00:14 No.1631
ETR用中間リング
ところで、レンズシャッターブロニカは、中間リングを複数組み合わせることを奨めていません。
GS-1では連結して嵌められるので、無視して使っていましたが、ETR用はどうも連結できないようです。

105mmでの倍率は、
ケンコーAC No2<ニコン5T<ニコン6T=エクステンションチューブE-28<E-42という順になります。

左端はチューブE-42のメス側、中央チューブE-28オス側、右PE60mmf2.8オス側で、すべて下6時方向に接続指標がくるように並べています。

中央E-28マウント内部の黄色矢印部分に固定ロッドがあり、これはボディマウントはクリアしますがE-42メスマウントに衝突して装着できないようになっています。
E-42オスマウントにも同様のロッドがあり、E-28とE-42のどちらを先にしても互いに装着不可能です。
右PE60mmに代表させた、レンズにはこのロッドはありません。
テレコンバーターEにもこのロッドがあり、テレコンとエクステンションチューブの重連もできないようになっています。

残念ですが、E-42単体以上の倍率は、ベローズEか、クローズアップレンズを追加するしかありません。

れんずまにあ 2019/11/07(Thu) 00:25 No.1632
ツインフラッシュ
サンパックB3000Sを利用した改造品で、TECHNOというブランドである。
本来の発光部を切り離し、コイルコードで本体から発光部を離し、2灯同時発光させる。
左右の区別はなく、GNも等しい。
全体のパワーコントロール機能があり、マニュアルでx1から1/128まで8段階出力調整できる。

レンズ先端に付けるTECHNOのオリジナル フラッシュシューは、レンズ取付径62mm、メスマウントは62mmからステップダウンリングで58mmに絞ってあり、無銘だがφ58のケンコーAC3相当の色消しクローズアップレンズが付属している。
ネジを緩めるとフラッシュの位相と取付角が調整できる。現在は180度位置で、少し内向きにしている。

アタッチメントサイズφ62は恐らくElicar VHQ90mmあたりの中望遠マクロと接続する目的だったと想像出来るが、ブロニカETRレンズの標準アタッチメントサイズなので丁度良く利用している。

目下ゼンザノンMC105/3.5, チューブE42と組むとおよそ1:3、さらにTECHNO付属φ58クローズアップレンズを加えてほぼ等倍の近接が可能で、ツインフラッシュは有効だ。
ISO100だとパワー1/128でf8〜16(周囲の反射率による)に絞り込める。

フラッシュ接写について、以前はマニュアルストロボではフィルムを消費する綿密なテストが必要であったが、ミラーレスデジカメがあればフィルムのかわりに簡便迅速に露出データが出せるため、TTL自動調光ストロボの必要性が薄れ、積極的にマニュアルストロボや外光オートで接写を行うようになった。
ETRSでも、ウエストレベルでローアングル撮影がマニュアルストロボで自在に出来るので有り難い。

れんずまにあ 2019/12/26(Thu) 20:06 No.1640
GS-1
ブロニカ初の6x7cm判カメラ

1983年発売。
ETRSやSQをブロウアップした形式だが、フィルム給走が初めて横送りになったため若干の変更はあるはず。
マルチフォーマットカメラを謳っていて、6x4.5、6x6、6x7フォーマットそれぞれ120と220用マガジンが供給された。
またブロニカで初めてフラッシュTTL自動調光が採用された。そのため6x7以外のマガジンのマスク部分はグレーに塗装されている。
外装にプラスチックを使って当時最も軽量な6x7一眼レフ。フィールドを意識している。
操作はSQ譲りで大変スムーズで確実。

写真はウエストレベルファインダー、マクロゼンザノンPG110mmf4、120-6x7マガジン。

れんずまにあ 2020/06/14(Sun) 02:16 No.1695
GS-1 AEプリズムファインダー
ファインダーは4種類供給された。
ウエストレベル
プリズムファインダー
AEプリズムファインダー
AEロータリーファインダー

ウエストレベルの折りたたみ式が最も軽量だが、ご存知の通り縦位置にすると使いづらい。軽量化最優先では貴重な存在で、6x6マガジンには似合う。

プリズムはアイレベル90度で、露出計が入っていないものと、絞り優先AE機能つき露出計が付加されたものがある。AEプリズムは側面にAEロックスイッチをもち、ファインダー内下辺にデジタルでシャッター速度が表示される。

AEロータリーファインダーはプリズムを左右90度回転でき、ウエストレベルで縦横変換時に上下逆転することがない。

れんずまにあ 2020/06/14(Sun) 02:36 No.1696
Re: GS-1 AEロータリーファインダー
AEロータリーファインダーは、ウエストレベルのまま縦横変換時に上下逆像にならないようプリズムを回転することができる。

縦横切り替え機構がないGS-1とETRSのために、切り替え時に光軸が変わらないレボルビング雲台が供給され、それとの組み合わせが有用。
ただレボ雲台は頑丈で重いため、RB67より重くなってしまう。

れんずまにあ 2020/06/14(Sun) 02:42 No.1697
Re: GS-1 広角レンズ
GS-1発売と同時にラインアップされたゼンザノンPGレンズは、従来のE, S系と異なる新たな設計基準で製作された、性能を一新されたラインで、GS後は6x4.5用PE、6x6用PSレンズに更新された。

標準は100mmf3.5、
それより短焦点は50mmf4.5(左)が最も広角、65mmf4(右)がある。
モデル末期に80mmf3.5も追加された。6x6や6z4.5使用時の標準レンズ。(後述)

れんずまにあ 2020/06/14(Sun) 02:51 No.1698
Re: GS-1 望遠
PG望遠レンズは、左から150/4,200/4.5,250/5.6、さらにEDレンズ使用の500mmf8があった。

150/4は手頃な中望遠、開放f4は明るくないが、焦点距離が長いのでポートレート距離では背景が結構ボケてくれて悪くないと思います。セイコー#0の最高速1/500ではあまり明るくしても日中使えないことになりますので、ちょうど良いのでは。

200/4.5はコンパクトですが、この画角あたりから視覚的に望遠効果が出せる焦点距離でしょう。大変高画質です。250とのサイズの差は歴然としています。

250/5.6はPSより光学系がかなり大きく重く、望遠効果は200と大きく変わらないので、フィールドでの出番は少ないですが、PGテレコンと組むと効果が大きい。500mmは当時100万円していたので現実的な選択として250x2は考慮できたでしょう。

れんずまにあ 2020/06/14(Sun) 03:00 No.1699
Re: GS-1
れんずまにあ様。

 日本カメラのムックくらいしか情報が殆ど無い機種でした。
とても軽量で、スピードグリップGを付けるとペンタックス67と変わらない位に即写性が有る中判カメラでした。

 もう少し発展するかなぁと思っていましたが、少し登場が遅かったのかもしれません。
efunon 2020/06/14(Sun) 08:32 No.1700
Re: GS-1
efunon様。コメントをありがとうございます。

1996年から2000年にかけて最優先で使いました。初めての6x7SLRでした。
確かに登場時期は他社67に比較し遅いし、コンセプトも小型軽量だけで少し弱いので、市場占有率は高くありませんが、
当初からシステムは完成した形で出ていますので、発展する余地はそう広くなかったでしょう。

不満があるとすれば、
1,機構状#0シャッター口径の制約から大口径レンズがシステムにないこと。
2,TTLフラッシュの接点が独自のもので、後続のETRSiとSQAiに採用されたSCAシステムと互換性がないこと。
3,望遠側が500mm止まりなのは仕方がないが、広角側が50mmで終わってしまった。20mm相当は欲しかった。
4,プランにあった24x70mmパノラママガジンが発売されなかった。

いずれにせよ独自の地位を築いていたと思います。
そういえば、キヤノンFDの印象が強い写真家、竹内敏信氏も6x7はGS-1をお使いでしたね。

ブロニカも可能ならもっと長く供給したかったでしょうが、他社と同様レンズシャッターが生産中止されると継続しようがありません。
れんずまにあ 2020/06/14(Sun) 09:28 No.1701
GS-1スピードグリップ
35mmカメラの様にグリップを握った右手親指レバーでフィルム送りを行うアクセサリー。
既にETRSやSQで導入されたシステムですが、その2機種ではワインディングクランクを外した巻き上げ軸にグリップの回転ラグを噛ませる必要がありました。
GS-1はカメラ底部にワインディング軸が別に設置され、クランクは外さないで装着できます。
現在ETR系中古品はグリップとセットでクランクが紛失されている個体が多く、GS-1はそういったことが起こらなくなりました。

れんずまにあ 2020/06/18(Thu) 23:25 No.1702
Re: スピードグリップ
GS-1の巻き上げ装置はクランクとスピードグリップだけで、ETRSやSQに用意された電動巻き上げ装置は用意されませんでした。
しかしスピードグリップは軽量で、またハンドリングが大変向上しますのでお勧めのアクセサリーです。
また従来機種がレリーズは機械的に本体に連動しているのと違い、GS-1は電子接点でレリーズ信号を伝達するため、グリップのシャッターは極めて軽く歯切れが良いものです(ETRSやSQのグリップシャッターも十分軽く良いですがストロークが大きい)

さらに、GS-1専用のTTLフラッシュは、このグリップにとりつけるようになっています。

れんずまにあ 2020/06/18(Thu) 23:33 No.1703
スピードライトG1
ブロニカGS-1はブロニカではじめてフラッシュTTL自動調光を採用した機種です。
専用スピードライトG1はGN32のオーソドックスな形状のフラッシュ。上に90度までバウンス可能。単3x4使用、サイズはナショナルPE320と同等です。
GS-1だけで使えるTTL自動調光の他に、4つの絞り値に対応する外部自動調光、フルから1/8まで4段階に調整できるマニュアル発光が可能で、他機種でも使える汎用性を持っています。

れんずまにあ 2020/06/18(Thu) 23:53 No.1704
Re: スピードライトG1
GS-1専用なのは、回路もそうでしょうが、ホットシュー接点が特殊なのです。
延長コードが供給されなかったので、リモート発光目的で他社製品を流用しようとしても、TTL信号は接続できません。
中心部のトリガー接点は他機種共通なので発光には問題ありません。

GS-1後の機種:ETRSi, SQ-AiはメッツのSCAシステムを採用し、またサンパックもデディケーテッドシューを供給しましたので利用できる種類が豊富なのですが、GS-1のみ袋小路のようなフラッシュシステムになってしまいました。

れんずまにあ 2020/06/19(Fri) 00:07 No.1705
ベローズGS
モノレールビュー型のベローズ。延長距離は10cm。レールと並行に走るアクチュエーターロッドの回転により、ボディとレンズ間の機械連動は標準セットと同様。また電子接点も接続されるのでAE電子シャッター作動も問題ない。
GS-1はETRSと違ってエクステンションチューブの重連ができるので、フィールドではベローズより軽快になるため、ベローズは主に三脚固定で使われるだろう。

リーフシャッターSLRの常としてレンズのレトロマウントは不可能、さらに純正以外の光学系をつけることもできないため、最大倍率を得られるのは広角50mmです。画質的にはマクロ設計レンズより不利だと思いますが、絞ればそれなりに写ります。

れんずまにあ 2020/06/19(Fri) 00:12 No.1706
標準レンズ系
ゼンザノンPG80mmf3.5

登場が遅かったGSシステムでは最も明るい準広角レンズ。レトロフォーカスタイプ。
100mmf3.5があるので若干中途半端な焦点距離だが、ブロニカGS-1はマルチフォーマットを掲げており、645や66マガジンを用意していたため、それらを使うときに標準画角になる意図で供給されたと想像している。
といっても6x7画面全体にわたって高画質。

私は標準に110/4マクロを選んだため、これまで標準とされる100/3.5入手機会がなく、拙宅のGSシステムの中では80/3.5が一半明るいレンズです。

れんずまにあ 2020/06/19(Fri) 00:18 No.1707
SCA386
ブロニカSQAiとETRSiは、メッツ などのSCA対応フラッシュでフィルム面測光TTL調光ができます。
対応アダプターはSCA386。
スパイラルコード被覆が加水分解して、ぼろぼろになっています。
断線はしていませんが、困ったことです。

サンパックも、専用デディケーテッドシューを出しています。コードの崩壊は50歩100歩。

れんずまにあ 2020/07/05(Sun) 10:48 No.1710
SQAiとタムロン設計新レンズ
Bronica一眼レフの掉尾を飾るカメラ。
1990年発売。続けて1996年追加されたマニュアル専用SQ-Bとともに2003年に生産が終了した。

前機種SQ-Aの機能を受け継いで、さらに小型の電動ワインダーSQ-i装着可能、SCAシステムTTLフラッシュ自動調光、シャッターダイヤルにBポジションが設けられたなど、使いやすい改良を受けた。
電源には従来機が4SR44であったのに対し、電池ケースに並べたSR44x4個で入手しやすくなった。
重量は変わらないが,プラスチックの比率が高まり、動作音や感触が安っぽくなったという評価もある。

1998年にブロニカはタムロンと合併したが、それ以前の1996-7年ごろからタムロン設計とみられるズームレンズや等倍マクロレンズがラインに加わりはじめた。
110mmf4.5(1:1)はフローティング機構入り等倍マクロである。
ズームはETRSi用から始まったが、SQマウント用はモデル末期に50-100mmf4-5.6のみで、ETRSに用意された望遠ズームは6x6には登場しなかった。

れんずまにあ 2020/07/05(Sun) 15:00 No.1711
Re: SCA386
れんずまにあ様

 SCA386の被覆劣化はヒドイですね。
最初は少しずつ補修をしていたのですが、補修した境からまたポロポロと剥がれてきました。

何か良い方法が無いかと思います。
efunon 2020/07/11(Sat) 08:46 No.1712
Re: SC386の劣化対策
手をつけられないというのが正直なところです。
バラバラ破片が散るのを無視して使うこともできますが...

全部剥いて絶縁テープを巻く。
幸いコードが色分けされているのでちょん切って新しいコードに繋ぎ直す。

など、素人考えをしています。
高電圧が掛かるわけではありませんが、
電気に強い方なら、どうなさるかアドバイスをお聞きしたいところです。
れんずまにあ 2020/07/12(Sun) 23:12 No.1713
ETRシリーズ用レンズ
ETRシリーズ用レンズは,私が注目するのが遅かったのと,逆に発売開始はブロニカ ECTLIIと同時期という早期で,種類が膨大なために,所持しているレンズラインは別にして,SQやGS-1でまとめたような系統だった網羅評価は私には困難です。
それでも敢えて俯瞰するならば、

ETR発売76年から79年ごろまでは初代ゼンザノンEレンズ,一部ECTL用ゼンザノンMCレンズと設計が共通と言われています.ETRSが出た78年から80年前後に設計変更されたゼンザノンEに置き換えられ,のちに標準レンズ75mmはEIIになりました.シュナイダーからバリオゴンズームとPCSスーパーアンギュロン55mmが供給されました.最後に88年のETRSiと同時期に全て設計が練り直されてPEレンズに更新されました.またタムロンと合併する98年以前のPE後期からタムロン設計と思われるモデルが追加されています.ズームはシュナイダーではなくタムロンから広角系と望遠系の2本が供給されています.
全てのレンズは,ボディ全ての機種に共通で使うことができます.
基本フィルター径は初期から62mmですが,最初の75mmだけは58mmです.

画像:ETRS,ゼンザノンPE60mmf2.8

れんずまにあ 2020/10/18(Sun) 16:00 No.1757
Re: ETR用レンズ:広角ー標準
広角,標準レンズ
実用を重視したため最終モデルのPEレンズを主にラインを組み立てました.
当初ズーム45-90に任せ切る予定だったので,ラインは歯抜け状態で,対角魚眼30mmf3.5,28mm相当のPE50/2.8は入手していません.

左からPE40mmf4, PE60mmf2.8, PE75mmf2.8
キャップをした状態では外見から区別するのは困難なほどデザインが統一化されています.

40/4:ETRシステムでは魚眼を除いてもっとも画角が広いが,35mmカメラでは24mmレンズに相当する.開放f値を押さえコンパクトで持ち出しやすい.画質は開放から端正.24x56mmパノラママガジンを使う際に頻用する.8群9枚,最短0.35m,510g,106,000円,ベローズ最大倍率4.13倍*
60/2.8:PEで初めて登場した焦点距離.スナップに使いやすく標準並みに明るい準広角.7群7枚,最短0.42m,520g,97,000円,ベローズ最大倍率2.85倍**
75/2.8:標準レンズで万能に使える.PEはEよりコントラストと非点収差が改善された.5群6枚,最短0.6m,440g,65,000円,ベローズ最大倍率2.28倍,接写でも高画質.***

*ベローズ最大繰り出しに達する前にレンズ先端が被写体に迫り,ライティング不可能距離になるため,現実的には実測1.8倍(横3.1cm)が精々.4倍は透過光照明に限られる.また拡大倍率では,かなり糸巻き型歪曲が強くなる.

**60mmはベローズ最大繰り出しでワーキングディスタンス3.3cm確保でき,最大倍率は掛け値なし2.8倍(横2.0cm).40mmより実際の倍率は高い.

***75mmは上の条件でワーキングディスタンス6cm,最大倍率2.24倍(横2.5cm),開放では周辺が甘いが,f8以上の絞りではマクロ同等の先鋭度.

れんずまにあ 2020/10/18(Sun) 16:02 No.1758
Re: ETR用レンズ:望遠
望遠レンズ
これもズーム100-220に任せ切る予定だったのですが,ズームが激重なのと,従来のエルノスター型望遠とは異なる構成で近接できるラインに興味が出たので入手しました.従来型と500mmは未入手.
左からPE75mmf2.8(比較のため),PE135mmf4,PE180mmf4.5 すべて最短位置

PE135/4:135と180の2本はPEになって初めてラインアップされた.135はガウス型でボケ味を重視した設計.ポートレートを意識した焦点距離だと思うが,開放f値が4と地味すぎる.重量はPE150/4より100g近く重い,贅沢すぎるスペックで大変性能が高い.4群6枚,最短1m,750g,94,000円,ベローズ最大倍率1.36倍*

PE180/4.5:ガウス+コンバーターというタムロンSP90mmに似た構成で,軽量小型な150/4や200/4.5より大きく重く近接できる,まったく異なるコンセプト.後群は固定で前部のみ繰り出され,135mmと同じ最短1mなのに,繰り出し量が135と同じしかなく,135にテレコンを装着したような構成に見える.遠距離から近接まで性能は高い.8群9枚,最短1m,840g,126,000円,ベローズ最大倍率1.27倍

他にPE望遠は、前述の小型ラインとして150/4,200/4.5,本格的望遠250/5.6,EDレンズを使った大型の望遠500/8(GS-1やSQと共通設計マウント違い)がありました.150と250は人気があり潤沢ですが,隙間の200は珍しく,500/8は百万円したためほとんど出回っていないでしょう.

*135mmはベローズ最大伸ばし(15.5cm+ヘリコイド最短)でワーキングディスタンス19cm,最大倍率1.47倍(横3.8cm,カタログはヘリコイドを伸ばしていないデータと思われる).予想通り開放絞りから四隅まで先鋭度が高く,歪曲は認められない.暗いガウスは接写に強いセオリーが裏付けられた.135は素晴らしいマクロでもあると思う.
180以上はあまりベローズ接写を想定できないので,テストしなかった.むしろクローズアップレンズとの組み合わせが実用に即していると思う.

れんずまにあ 2020/10/18(Sun) 16:04 No.1759
Re: ETR用レンズーマクロ系
マクロレンズ
左からゼンザノン-E105mmf3.5,マクロゼンザノン-E100mmf4,ゼンザノン-PE105mmf4.5,最短位置

ETR発売当初のラインは40/4,50/2.8,75/2.8,150/4までで, 250/5.6は発売予定だった.79年白書までは40,50,75,150,250にとどまったが,80年白書に初めて近距離設計レンズ ゼンザノンE105mmf3.5が登場した.マクロ表記はなく,明るく小型だが最短90cmと,接写には中間リングかベローズを必要とする.4群6枚,最短0.9m,570g,61,000円,近距離設計だが開放ではハロが多く柔らかい描写で,ポートレートにも使える二面性がある.近接では二絞り以上絞らないと先鋭度は満足できない.

E末期にはマクロゼンザノンE100mmf4が登場し,PE初期に同設計で継続,末期にPE105/4.5と交代した.フローティングはない単純繰り出しで0,61m,1/4倍まで近接できる.重量・価格調査中.単純繰り出しのため接写リングとベローズとの相性が良く,またワーキングディスタンスがPE105より長く取れる.

ゼンザノン-PE105/4.5マクロ1:1:タムロン設計のフローティングと長いヘリコイドリングにより等倍接写が可能な本格的マクロレンズ.これ一本でベローズが要らないほど便利.フィルター径67mmでSQ用105-110mm用フードを使う.詳細は以前のETRsi+105mm,SQ用110mmf4.5の投稿と重複するので割愛.8群9枚,最短0.35m,920g,126,000円.

れんずまにあ 2020/10/18(Sun) 16:07 No.1760
Re: ETR用レンズーズーム
ズームレンズ
従来のシュナイダーバリオゴンは75-140mmf4.5,125-250mmf5.6と,標準より長い範囲であったが,PE時代後期に,新たにタムロン設計のズーム2本で広角から望遠までカバーできるようになった.1990年代のかなり熟成された設計なので先鋭度は十分高く,最短撮影距離や歪曲など不満も少ない.

左から ゼンザノンPE45-90mmf4.5-5.6,PE100-220mmf4.8[IF]

PE45-90mmf4-5.6アスフェリカル:複合非球面レンズ2枚を使っている.他社同クラスに比較して広角側で半絞り明るく,逆光に強い.10群11枚,最短1m(45mm)0.5m(45mm以外),フィルター径95mm,1015g,160,000円
PE100-220mmf4.8アスフェリカル[IF]:複合非球面レンズ1枚,内焦方式でフォーカシングやズーミングで全長が変化しない.重量があるので三脚固定が基本だが手持ちも可能.13群14枚,最短1m,フィルター径95mm,2175g,198,000円

れんずまにあ 2020/10/18(Sun) 16:10 No.1761
Re: ETR用レンズ
当時の定価を調べていて,改めて中判レンズは高価格であったことを実感しました.数が出ないので35mm判レンズよりスペックが随分大人しくても割高なのは当然なのですが,ここまで高かったとは忘れていました.
2010年ごろの不人気は驚くほどで,15万20万定価のレンズが1万円切っていたりしましたから.
最近また中古価格が戻してきたようですが,底値の時に海外,特に大陸やオーストラリアに多数流出し著しく数が減っていて,さらに程度も悪い傾向があり,これから求めようとすると結構大変かなと悲しく思います.
レンズシャッターブロニカレンズには,対応できるデジタルカメラがごくマイナーなので,フィルムで使ってあげるのが一番かと思います.
それでいてフィルム環境は厳しくなる一方ですが,やりくりして楽しんでいきたいところです.

もうひとつ,マミヤ645と比べ,両者の性格の違いが感じられます.
M645は当初フィルムバック非交換式で出発し,ボディはブロニカ ETRより若干小型,f2.8級標準レンズも軽量なので,ベーシックなセットではETRよりやや小さくなります.
フォーカルプレーンを採用し光学設計の余裕があり,1/1000があるために,大口径が可能になりました.そのため交換レンズはいずれもブロニカ より口径もサイズも大きい傾向です,システム全体を見渡すと,クイックリターンミラーを含めて35mmSLRと同じ使用方法を指向している印象です.

それに対してETRは,フォーカルブロニカ の反省からか,リーフシャッターでストロボ全速同調,交換バック,巻き上げまで復元しないミラーなど,小型のハッセルブラッドのニッチを狙う,スタジオ指向を感じさせます.リーフシャッターの制約で大口径レンズはありませんが,どうせ三脚固定してフラッシュを使うから絞り込んでしまうので,大口径である必要はないのです.結果M645用より常用交換レンズは小型の傾向があります.

M645, ETRレンズに共通して,ある程度絞り込んだ時に最高の先鋭度になる性質が,35mmカメラよりさらに明確な気がします.それに加えて中判は被写界深度が浅いため,精細描写には絞る必要がある.そこで敢えて大口径高速シャッターを使う表現ができるM645を選ぶか,明るい絞りは使わないと割り切るか,自分の撮影スタイルを見定めて機種を選ぶ必要があります.
もちろん,どちらもお互いを意識し,不得手を補う発展をしていて,全くできない機能はないのですが,そういう印象を受けます.
れんずまにあ 2020/10/18(Sun) 16:18 No.1762
ETR ベローズ(1型)
ETR用ベローズは、初期には2本の丸棒レールで全高が低いもの、後期にはSQやGS-1と同じ形式の角形モノレールタイプになりました。
初期を1型、モノレールを2型と仮称します。

1型は全高が低くコンパクトなため、フィールドで使うには2型より軽快です。というか2型はフィールド使用は無理では。
そのかわり、リアスタンダードはボデイ単体でないと前進できず、グリップやモータードライブと併用すると支えてリアを前進できません。
フロントで調整すれば良いためそれほど問題にはなりませんが。

ブロニカ ETRベローズでカタログ上の最大倍率を出せるレンズは40mmf4です。
しかしご覧のように蛇腹を加減してこのくらいに縮めてワーキングディスタンスはようやく7mmほど確保できます。
実用上の最大倍率は、広角レンズ紹介の項で前述したように1.8倍です。

これ以上近づけば横からのライティングは不可能で、透過光撮影でしか最大倍率は達成できないでしょう。
レトロフォーカスレンズなので延長すると開放付近での周辺画質は期待できず、歪曲も気になるところです。

現実的には最大倍率は60mmf2.8の方が高くなります。
60ならばベローズ最大繰り出しで2.8倍、ワーキングディスタンスが3.3cm確保できます。

れんずまにあ 2021/04/11(Sun) 21:28 No.1841
ETRS
大きなレンズで気合を入れて撮影するのもよいですが,最小限の組み合わせで街に出てスナップするのも楽しいのを,最近モノクロに重点を置き出して初めて実感しています.
このセットは645SLRでは最小の一つでしょう.
クランクとウエストレベルファインダーが最近異様に高騰していて愕然としました.
以前は海外通販でクランク5ドル,ファインダー30ドルくらいで確保していました,
さらに国内ではボディ込みでもっと安価なものもあり得ましたのに.小型の中判が人気を吹き返しているのでしょうか.

ETRS, PE60/2.8, 120ホルダー,ウエストレベル,クランク

れんずまにあ 2021/04/25(Sun) 01:02 No.1858
Re: ETR(S)
れんずまにあ様

 ETR(S)は日本を代表するメーカー系のデザイナーが入った外観で、ポルシェデザインとは違った
意味での日本的な洗練したスタイルを持つカメラだと思います。特にシルバーの限定モデルは
ある種工芸品の様でした。

 シャッターメーカーが供給を止めてしまいましたので、命脈が絶たれてしまった国産レンズ
シャッター機ですが、もう生産されない事を考えると何とか可動状態で使い続けてほしいです。


 
 
efunon 2021/04/25(Sun) 07:41 No.1860
ソフトフォーカスフィルター
ブロニカ には,レンズシャッター機もフォーカル機も,純正ソフトフォーカスレンズはありません.
改造モデルは以前ご紹介したイマゴン120mmがありますが...

そこでアタッチメントを活用することになります.
ソフトフォーカスフィルターです.

一番普及しているのはケンコーのラインアップでしょう.フィルターガラス表面に同心円がエッチングされた「デュート」,すりガラス状の「フォギー」と並び,ソフトン1,2という,2の方が効果が強いソフトフィルターが一般的です.ソフトンはプラスチック表面に小さなディンプル状の凹面を多数散在させた構造で,元々ツァイスソフターが採用した方式です.ソフターはケンコーソフトンよりディンプルの径が小さいようです.

これらは,絞り込むと凹凸が映り込むことがあるようで,使用絞りに注意が必要といわれています.

ところで,ETRレンズのフィルター径は初期の標準75/2.8の58mm径を除いて,40mmから250mmまで62mmが採用されています.
基本フィルター径に62mmを採用している会社は珍しいのですが,その中にニコンも含まれます.
ニコンブランドのフィルターは割高ですが,品質は高く,特殊な拘りを感じるラインが魅力的です.

ニコンソフト1,2は既存機種と全く異なり,特殊な光学ガラスの成分を化学修飾し,ガラス内部の屈折率を不均等に変化させるという如何にも品質管理が大変そうな,自前のガラスを持っている会社ならではの特殊製品で,凹凸構造がないため絞りの制約は受けず均一なフレアを生じるそうです.
私は無知で,ニッコール千夜一夜物語の第51夜で詳細を紹介されるまで,他社の軟調フィルターと同じかと誤解して無視していました.日本カメラに転記された上記の記事を読んで初めて,使ってこなかったことを悔いました.
残念なことに,エコガラス切り替えのため特殊ガラス生産が終了してしまい,今入手できるのは中古品だけになります.代替えとしてニコンニューソフトという極微細なディンプルを使って絞り制約を極力解決した製品が現行品になっています.

画像:ETRS, PE135/4, ニコンソフト1

れんずまにあ 2021/07/26(Mon) 22:04 No.1890
Re: ニコンソフト1
上記にあげた組み合わせで撮影しました.大変上品で均質なフレアが得られます.フィルム:T-MAX100

れんずまにあ 2021/07/26(Mon) 22:08 No.1891
Re: ブロニカ ソフトエフェクト
ブロニカ純正ソフトフィルター「Bronica Soft Effect」も別の意味で大変特殊,米国性で,国内では類を見ない製品です.

細かい白または黒の細かい蜂巣状の網目をガラスで挟んだ構造で,いわゆる紗,あるいはストッキングをかぶせるテクニックと共通しており,これはこれで面白い.White, Blackのそれぞれに粗い1,細かい2があります.

米国には豊富なスタジオ用品があり,シェードで有名なニードなど多様なメーカーがありましたので,その一つからOEMを受けたと考えられます.

この67mmしか見ていないのですが,いつの時代でしょうか.O文字に星が入っていないので,SQ用だと思いますが.
効果は,まだ試していません.

奥左 ソフトエフェクト1 ホワイト 右 ソフトエフェクト2 ホワイト
手前左 同1 ブラック,右 同2 ブラック

れんずまにあ 2021/07/26(Mon) 22:11 No.1892
Re: ブロニカ ソフトエフェクト
れんずまにあ様

 これはこれで使い方の難しそうなフィルターですね。
どんな風に撮れるのか興味が有ります。

CONTAX用に用意されたソフトフィルターを、暫く使っていなかったので、ある日取り出してみたら、
一面に細かなヒビが入っていたことが有りました。修理に出したらメーカーも原因不明で戻って来ました。
efunon 2021/08/07(Sat) 08:36 No.1897
Re:ソフトフォーカスフィルター
efunon様コメントありがとうございます。

ソフトフォーカスレンズの比較はしたことがありますが、フィルターは比較したことがなく、同一条件で撮影してみました。

昨今ブローニーのカラーを使うとお金がいくらあっても足りませんので、まずはデジで御座敷比較。被写体はクロームのスクリューマウントライカ。

レンズはMCバリソフトロッコール85mmf2.8開放、ソフト量0位置で、ブロニカのブラック1,2、ホワイト1,2。ニコンソフト1,2。ケンコーソフトンIIA(弱い方)、ツァイスソフターII。
カメラはα7R、評価は24インチのEIZOで行いました。

バリソフトロッコールと比べるとフィルター類はすべてフレア量が少なく、レンズのソフト1と,フィルターのニコンソフト2、ブロニカ黒白2、ソフトンとソフターが強いて言えば似たフレア量になります。
しかし低倍率ではフィルターで解像力が高いため、効果が大画面よりさらに弱く感じられます。

あまり多くても煩雑なので、掲示板にはレンズ単独、ソフト1、ブロニカ紗の黒2、白2を1枚横1500Pixel,4枚組横3000Pixelに縮小して,提示します。

ブロニカの紗は、レンズの解像が残ったままハイライトが少し滲み、シャドーにフレアが被りコントラストが低下します。試しに1+2を重ねると、クモリレンズのような個人的には好ましくないヘイズの乗り方になりました。
黒と白は、わずかに白の方がフレアが多く黒の締まりがなくなり、またフレアに光源の色が乗るようです。黒髪の日本人には黒のほうが適しているのかと思いました。

前オーナーも黒1が一番スレッドと銘柄プリントがすり減って愛用していたことを思わせます。逆に白は新品同様です。

れんずまにあ 2021/08/14(Sat) 23:04 No.1898
ソフトフィルター 補足
ニコンソフト,ブロニカソフトエフェクト黒白とも、1と2との差は微妙で、画像を並べてもはっきりせず、切り替えて動画のように比べて初めて認識できる程度しか変わりません。これは別の被写体だと顕著なのかもしれません。
ソフトレンズとソフトフィルターの効果は似て非なるものと再認識しました。球面収差由来のバリソフトの効果は解像力がゆるやかに落ちて、ハイライトの滲みがきわめて滑らかです。レンズの価値はあると思います。
今回バリソフトロッコール85mmのフレア量は、1でも強すぎて、0.5くらいで使う方がよいのではないかと感じました。

今回フィルターでもっともソフトレンズに近い効果を感じたのはニコンソフトでした。ソフトンIIAとソフターIIは、同じ製作所じゃないかというほど似た構造で、効果もほぼ同じです。ケンコーはさらに強いソフトンIIB、ツァイスはさらに弱いソフターIを用意しているところが異なります。

さらに驚いたことは、ソフトンIIで絞ると水滴模様が出るか試したところ、f2.8とf22では、フィルターでもソフト量が変わるということです。絞るとフレアが減るのです。これまでフィルターは全ての絞りで効果が変わらないと思っていたところ、意外な結果でした。ソフトンとソフターは微細なディンプルがレンズ効果をもたらすため、絞りに影響されたかもしれません。

ブロニカ紗は絞りの影響は受けない可能性があります。またニコンソフトは全く考え方が違うので絞り効果があるか試さないとわかりません。

画像:ニコンソフト2(バリソフトロッコール,ソフト0)

れんずまにあ 2021/08/19(Thu) 18:55 No.1900
レンズシャッターブロニカ で高倍率マクロ撮影
レンズシャッター一眼レフは、原則として純正レンズしか使えないため、拡大専用レンズのラインアップがない場合は高倍率マクロは困難と認識されています。
そこでこのような技を提案します。

フィルタースレッドに、オスーオス アダプターリングを介して、写真レンズを逆付けするのです。
合成焦点距離は以下のように算出できます。

合成焦点距離の式
合成焦点距離fl
マスターレンズ焦点距離fm(mm)
アタッチメントレンズ焦点距離fi(mm)
レンズ間距離e(mm)
fl=fmxfi/fm+fi-e

例えばケンコーAC No2:焦点距離500mmを50mm標準に装着した例にすれば、
fl=50x500/50+500-10 = 46.3mm

それに対し50mmレンズを50mmレンズに装着しレンズ間隔が10mmの場合
fl=50x50/50+50-10 = 27.777=28mm

ただしマスターレンズの画角がある程度狭くないと蹴られが生じますので、35mmSLRでは135mm以上、645では200-250mmが適当です。

マスターレンズ200mm、アタッチメントレンズ50mmとすると、
fl=200x50/ 200+50-10 = 42mm

実例としてPE200mmf4.5 + Rodagon 50mmf4 を、62/55アダプタ+ステップアップ55/40.5でとりつけたものを示します。
倍率は、約2cmの被写体が画面いっぱいになるのでおおむね3倍出ています。

れんずまにあ 2022/02/26(Sat) 23:23 No.1967
オートマチックベローズアタッチメントE
ETR系には旧型のベローズを使っていましたが、前述したようにワインダーグリップや、オートワインダーEを装着すると、リアスタンダードが前進できなくなり、短焦点レンズでの倍率変更の自由度が狭まることが不満でした。

この度モノレールタイプになった後期型のベローズを入手したので検証します。
基本構造はベローズSやGと共通で、レンズとボディを接続する部分だけが異なります。
伸長は10cmと、645から66,67までこれも同じ。
旧型ベローズともストロークは同じでした。

予想通り、ワインダーグリップを装着しても衝突することなくリアスタンダードを前進させることができます。
モーターワインダーは後期のSiモデルでないと前進できません。前期型は単3バッテリーが場所を食って大型なので。

後期型ベローズは、モノレールで精度が良い反面、大型で重心が高く、手持ち撮影には向いていません。
コンパクトでどちらかといえばフィールド向きの前期型と使い分けて行くものでしょう。

れんずまにあ 2023/01/23(Mon) 23:33 No.2133
ゼンザノンE-IIレンズ
ETR系の標準レンズ,75mmf2.8は3回モデルチェンジしており、最初期はETR(1976)に合わせて出たMC ゼンザノン75/2.8, クセノター型4群5枚、次にETRS(1978)に合わせてゼンザノン-E,構成は同一。
3番目に、構成をダブルガウス4群6枚にしたゼンザノンEII これはレンズ前方に緑のクレストがつくものと、全面ブラックのものがあり、生産時期の前後関係はわかりません。ETRSはシャッターダイヤル外観が1度変更されるマイナーチェンジがありますが、それと一致しているかどうかもわかりませんが、SQ(1980)のゼンザノン-Sにはオレンジのクレストが入りますから、それと同時期に緑クレストを入れて一眼で区別できるよう配慮したかもしれません。
最後に、ETRSi(1988)と合わせて出たゼンザノン-PE・4群6枚で、従来レンズよりも非点収差が改善されていると言われます。

EIIはよく見かけるレンズで、PEと同一設計なのか、変更があるのかはよくわかりません。性能は良好で、ETR系では最も明るいレンズですが、ベローズ接写でも少し絞るだけで大変先鋭な画質で万能に使える標準レンズだと思います。

緑クレストのZenzanon-EII 75\2.8, Zenza Bronica ETRS, 横はMC Zenzanon 105/3.5

れんずまにあ 2024/07/03(Wed) 21:20 No.2544
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