ゾルキー4の連動カムとfedインダスター10の後端カムが上手く接触せず連動が上手くいきません。ゾルキー4のカムの位置が高く、レンズの後端カムより上に行ってしまい連動が上手くいっていないと思われます。ピンセットで少し押し下げ一時的に連動させることはできるのですがすぐに元に戻ってしまいます。
これの解決策はありますか?
135フィルムパトローネを使うフォールディングカメラのカテゴリを提案します。
このジャンルは広大で、こちらには第一人者のナースマン様がおられますので僭越ですが...
そして従来から、レチナ同盟様や、Jewels of Nostalgia様のような素晴らしいウェブサイトがありますので、詳細はそちらを参照すれば足りるのでしょう。
ただ皆様の目から見てのご感想やアドバイスを伺えれば、情報が豊かになることでしょう
その意味で、同じ機種を重複して投稿頂くのがよいかなと思いました。
折りたたみ方法は、スプリング形式以外にも、ハンドカメラのようなレールを引き出すもの(例を知りませんが)、ストラット(ベベやリリプトなど,35mmは知らない)、Xトラス(カラートなど)、沈胴(コンドールIIやコニカ初期)など様々です。
距離計連動の高級機もあれば、単独距離計内蔵、目測機があります。
「追記:日浦様のご指摘とご提言を考慮し、曖昧だったカテゴリを整理します。
1,135フィルムを使うカメラ。(フォーマットサイズは問わない。)
2,レンズ交換はできない。(例外的に前玉交換のレチナIIc,IIIcは認める。)
3,電動ではなく手動(スプリングは含める)で撮影状態と収納状態を切り替える。(Contax TVSシリーズは手動だが4.に抵触する。どうします?)
4,オートフォーカスカメラ(電動焦点合わせ。戦前に言われたオートフォーカス(距離計連動)はOK)は含めない。
今後ご指摘によってはカテゴリは変更するかもしれません。」
さて、スプリングカメラ形式をとるものは、1934年のドイツコダック レチナ117を元祖とします。(例えばPeggyは1930年ですがパトローネ規格ではない)
精密35mmフィルムカメラはライカが先鞭を付けましたが、普及のためにはレチナのような比較的求めやすい撮影機材と、コダックの簡便なパトローネが必要でした。
Kodak Retina I (model#118) 1935年
レチナ二番目のモデル。きわめてシンプルな構造と操作性、高性能レンズ故に、最初期モデルでも十分以上に現在でも実用的です。
初期ライカは小型軽量ですが、このレチナと並べると、なんとも大きく感じてしまいます。
ましてコンタックスとは全く比較にならない小型軽量さに驚きます。
作りは精密で、畳むと手のひらサイズになり、携帯性抜群です。
最もありふれたクセナーですが、素晴らしい描写力だと思います。
レンズ:シュナイダー Xenar 5cmf3,5
シャッター:コンパー 1/300-1秒,B, T
1937年モデル#141からボディシャッターになりますが、117,118,119,126までは直接コンパーのレリーズを押します。
焦点合わせ:ヘリコイド,最短1m、距離目測
巻き上げはノブ,自動巻止め。巻き止め解除はファインダー背面小レバー。丁度グラフレックスロールホルダーのような要領で解除する.二重露出防止機構は入っていない、大半の古典的中判スプリングカメラと同様の操作性。
イコンタ35と同様の横型スプリングカメラ。
レンズのスペックは良く、シャッターは落ちる、東独によくあるパターン。
このモデルはアクセサリーシューを持たないが、後に折りたたみファインダーから固定ファインダーに変更され、その頂上にアクセサリーシューがついた。
1stクオリティマークつき明るいテッサー5cmf2,8が最大の売り。
シャッターは1/200までの普及型。
焦点合わせはレチナ同様ヘリコイドで、前玉回転ではない。
ツェルトシックスを比例縮小したようなモデル。
目測レチナやイコンタ35と比較して少しゆったりしたサイズのボディ。
裏蓋は取り外し式でうっかりすると取り落としそうになる。
スプロケットを持たず、細かいギザつきのロッドでフィルム走行を感知し自動巻止めされる。
操作性は特に困ったところはないが、ボディシャッターのリンクが曲がりやすく、作動不良の温床。
そこかしこに東独製の節約ムードが感じられる造り。


135スプリング。34年レチナ117が元祖ですが、ツアイスにもある。
スプリングの元祖ツアイス。おなじ34年スーパーネッテル536/24。
RFコンタックスの普及品。と言っても、レンズ交換できないだけの高級品。テッサーレンズ、フォーカルシャッター、ドレイカイル距離計付。36年クロームメッキの後期型537/24、38年迄。
戦後は49年単独ファインダーのイコンタ35、522/24。52年単独距離計のコンチナ523/24。50年コンテッサ533/24ドレイカイル距離計、セレン露出計付。55年迄。以降、固定鏡胴へ。
スプリングカメラの老舗。他にホクトレンダー、ウエルタ、バルダ等がある。
ウエルタはウエルチニの項に記載。35年単独ファインダーのウエルチ。37年1眼RFのウエルチニ。38年流線形の後期型。41年迄。
エルマー付きウエルチニ後期型。現在OH中。
同時代レチナ119〜148にエクター付きが有るが(これはシュナイダー製造品と言われている)これに対抗した物?
戦後、ウエルタは東独へ。ウエルチの再生産品が中心。ウエルチニは再生産されていない。スーパーネッテルと共に、戦前の最高級品。
バルダ。35年バルデナ。単独ファインダー縦開き。36年バルデネッテ。単独ファインダー横開き、アクセサリーシュー付き。
37年スーパーバルデナ、RF付。バルダ社は本体がメイン。レンズ、シャッターの組み合わせは、様々。F2,8テッサー付きは、此れも戦前の高級品。
戦後バルダ社は東西に分割。西独バルダ。50年バルデネッテ。ファインダーが軍艦部一体に。スーパーバルデナ。此方も軍艦部一体に。
東独ペルカ社。ペルデカ、バルデナの再生産品。れんずまにあ様の個体は、これの後期品。
フォクトレンダー。案外少ない。39年ビトーT。F3,5スコパー、コンパーラビット付。戦前は此れのみ。
戦後は、50年ビトーU。51年ビトーUa。コート付カラースコパーへ。
51年ビトーV。レンズ交換品のプロミネント普及品。F2ウルトロン付き、縦開き。
50年ビテッサ此方もF2ウルトロン付。お馴染み、ビテッサの煙突。プランジャーによる巻き上げ、シャッターチャージ。54年固定鏡胴に。
レバー巻き上げのレチナUaの対抗品?
私のコレクション。レチナ148、、エクターアナスチグマット付。
レチナUa。F2クセノン付。コンテッサ533/24、F2,8、Tコートオプトンテッサー付。ウエルチウエルチニ後期型F3,5エルマー付き。
これ等、長野様の所で、OHしているので、最後まで使うスプリングカメラだと思っています。


そうか、スーパーネッテルもこの仲間なんだ。
普及スペックなのはレンズだけで、ボディはコンタックスIIだから全く節約になっていない。ツァイスイコン商売下手。でも使ってみたい憧れの機種。ContaxIIを持っていたら要らないといえばそうなんだけど。
当時ツァイスイコンは35mmフィルムを一般ユーザーが使うには懐疑的だったと思えます。35mmは撮影枚数が多すぎるし、パトローネ出現前は自分で長巻からマガジンに切り出す必要がある。(1ロール分銀紙に巻いて小売りはしていたらしいが)一般には127フィルムベスト半裁16枚も撮れれば事足りるし、ベビーイコンタ赤窓ならカウンター不要で安く上がる。
その後もテナックスなどに回り道してイコンタ35を1948年ようやく出す。
二眼レフに対する対応と似たものを感じます。
ようやく出したと申し上げましたが、イコンタ35は素晴らしいカメラです。
イコンタのスレッドでも出しましたが、再掲します。
私の個体は1950年から供給されたイコンタ35IIとよばれているもので、基本ボディはコンテッサと共通で、操作性も一貫性があります。
底部の大径ノブ巻き上げは軽く、保持した手をほとんど持ち替えずに巻き上げできるのは底面レバーよりもよい操作性です。
シャッターチャージは手動で行う必要がありますが、二重露出防止機構が的確で、レバーによるレリーズは軽く、リズム良く撮影ができます。
造りは高級機コンテッサに通じ、この手のカメラとしては最高級で安っぽいところが全くありません。
レンズは3枚玉Novar2,8/45が主体ながら、人気でNovarの供給が追いつかなかったため同スペックのXenarも併売され、Tessarつきもあります。
Xenarつきはそれほど珍しいわけではないようです。
スプリング形式の35mmカメラには珍しく、45mmと準広角が付いていて差別化されています。
この焦点距離は好き好きですが明るく貴重なスペックです。
私は望遠的にも使える5cmが好きです。(Retinaは5cm表記でも実焦点距離47mm程度とも聞きましたが)


あまり集めるつもりはなかったのですが、良く写るのに滅法安いのでつい手元に。
最初に手にしたレチナは、エクターつきの戦後直後モデル010でした。
まだシャッターチャージは手動ですが、二重露光防止のボディレリーズは便利で、巻き止め解除操作がいらない分、大変スムーズに撮影をすすめることができます。
ストラップアイレットがないため持ち運びにはストラップつきケースが必需品ですが、畳んだサイズは117から戦後010まで変わらず、ケースを使い回しできます。
エクターにはkodak anastigmat ektar表記の、実際にはXenarといわれるものと、本国Kodakが製造したいわゆるUSエクターがあります。
USにはコダック特有のCAMEROSITY製造番号が入っていて、私の010にはEOすなわち1946年製造が、015にはES:47年製造がついています。
私の節穴ではエクター特有の良さがわかりませんが、素晴らしく良く写ることは保証します。


同機能の010が重複してもしかたないのですが、ローデンシュトック・イザール5cmf3.5付きを友人が手放すので引き取りました。
イザールもUSエクターも、同じテッサー型です。イザールは戦前在庫だったのかは知りませんがノンコート。
ベルビア100でテスト撮影した結果では、イザールとUSエクターの写りの差は私には認識できませんでした。どちらもf3.5の開放から大変シャープで端正な優秀レンズです。
010の中でも主流のシュナイダークセナーと、名称違いのコダックアナスチグマートエクターは50mmf2.8でした。
日中屋外や明るい室内で使用する分には、ISO400ネガを入れておけばf3.5で十分撮影はできます。
それでもf2.8が必要なかたもおられるでしょうから、選択肢が多いのはよいことです。
レチナ含めヘリコイド焦点調節のスプリングカメラは、ベッドを折りたたむ時ヘリコイドを無限に戻しておく必要があります。
ベッドを開いて即座に撮影すると無限遠なので、スナップにはもう一手間近距離への焦点調整が必要です。
それがイコンタ35のような前玉回転機なら、焦点位置を常焦点にしておけば開いて直ぐにスナップ可能なので、一概にヘリコイドが優れているとは言えません。
私は普段シャッターチャージは撮影直前に行うので、そんなに即応性に拘ってはいないのですが。


ボディサイズは117-010と同じで、極めて小型ですが機能追加に応じ、少しだけ重く、010よりもベッドの厚みが増していて、大きなレンズにも対応できるようになっています。
この個体はUSエクター50mmf3.5なので、薄くてもよかったのにと思いますが。
Iaは前述した操作性の改良で、速写性はすばらしく増しました。
その後、Ibから巻き上げレバーが軍艦部上面から下部に移動し、少し操作性が低下したかと個人的に思います。


私も自分のHPにもいくつかお気に入りを載せてますが,やはり中ではレチナIIa #016 が好きです.ありふれていて通好みではないですが,やっぱり使いやすいし,なにかと過不足ありません.また他の同等のものより比較的小さくて頑丈.蛇腹も丈夫で指などで触れにくく,なんというか文句がありません.強いて言うなら視度でしょうか.レチナは他にもIIIc #021/1のなぜか黒い奴と,IIIC#028大窓,IIC#029大窓も持っています.このCのついたシリーズでは(個人的にこの手の内蔵露出計はほとんど使わないので)IICが好きかも.タスキ構造じゃなくなりましたが頑丈ですので,人に勧めるならIIIC系列もいいなあと思います。他にUS Ektar のついた #010 も持ってます.他にもあったかも・・レチナIIaは前玉回転式ではないので,オートアップと相性が良いのもいいところです.
ヴィテッサやアルコ35オートマットDもHPで紹介していますが,これらもよく写りました.レンズがいいカメラという印象です.アルコは特に近接ができるのが印象的.フォクトレンダーでは VITO II も持っていますが,作りの良さに感心します.
これらの1950年代のカメラとはちょっと違いますが,実は35mmフォールディングカメラの仲間に入れてもいいのかなと思うものが,初代CONTAX Tです.ちょっと小さすぎて操作性はよくないですが,小さいだけでなく,圧倒的に軽い(レチナの半分ぐらい)なのがよい.海外出張時にできるだけ荷物を減らしたいが,海外の風景をフィルムにおさめたい・・というときには,レチナIIaかCONTAX Tに食指が伸びるときが多かったです.そういいながらも,もうちょっと頑張って中判を持っていっていますが・・他に MINOX 35シリーズやRICOH FF-1もありますね.沈胴を入れるとローライ35も入ってきますが、一応「蓋がある」という縛りで考えてみました.
距離計連動にほぼ限定されていますが,以下に個人的な好みも交えていろいろ書いております.
http://nikomat.org/priv/camera/35mm/index.html


イコンタ系はどれも最高ですね。特に戦前、36〜38年(戦前のドイツがの栄えていた頃)良質なモロッコ革、ミンクオイルで磨けば、今でも艶が出ます。メッキも厚い。ネッター系は、革質が、少し劣る。戦後の物は、戦前イコンタとネッターの中間ですね。
ホクトレンダー。此れも革、メッキ共素晴らしい。錆びたもの見たことない。ウエルタ。此方も素晴らしい。御三家である。
バルダ。此方は劣る。明らかに普及品。但し、スプリングの老舗。作り慣れている。革の劣化、錆が有るが、光漏れ、作動不良はない。
レチナ。バルダよりまし。但し、イコンタには劣る。本体から痘痕。
148、戦前最後の物。痘痕は有るが、張革、メッキの擦れはない。
010、戦後直ぐの物(ほぼ148の再生産品)此方はやはり質が?
国産品だと、小西六。結構質が良い。ネッター並み。ミノルタは小西六に劣る。戦前のオートセミミノルタ。ほぼウエルタウエルトアのコピー。内部のギアを含め、張革、蛇腹、メッキ共に、本家に劣る。
使い勝手。ドイツの製品、右利き用、左利き用がある。イコンタだと、スーパー69は左利き用。スーパー6だと右利き用。コンテッサ系は右利き用です。
ウエルチニは、完全に左利き用。ファインダー、フォーカス、シャッター、全てコンテッサとは逆。右利きの私。コンテッサの方が使いやすい(先日の試写。コンテッサと併用、ウエルチニに手振れが)
レチナは右利き用。レチナUa。RF、レバー巻き上げ、セルフコッキング、サイズを考えても、最も使いやすいスプリングカメラだと思う。
F2のクセノンも素晴らし。底面巻き上げのUcは使い勝手が劣る。
セレン露出計付のV(コンテッサを含め)今と成っては、セレンが生きているものが少ない。
ツアイススーパーネッテル。以前F3,5トリオター付。手を伸ばしかけたことが。塗りの黒。艶のあるすばらしさ。張革と共に、ライカ以上。ファインダーはライカ型の2眼RF。但し、ドレイカイル、プリズムなので、見え、使いやすさ、共にライカ以上。
シャッター。コンタックスと同じ鎧型ホーカル。音も同じ。
当時、テッサー付きで12万、トリオター付でも8万程。
私、基本的に、コンタックスのシャッター、信頼が?加えて価格。手を出さなかった。


戦前#150を戦後小変更し継続。
軍艦部巻き上げノブ、マニュアルシャッターセット、ボディレリーズ、巻き止めはレリーズで自動解除。1眼式連動距離計。
レンズは距離計連動に相応しいf2クラスのXenon5cm、Heligon5cm, USエクター47mmがあります。
エクターはカードンに供給されたものと同じエレメントと言われています。
エクターは他の2種とずいぶん異なる描写で、開放ハロが大きく非常に柔らかいが解像力は高く、2段絞るとハロが晴れて繊細な画質になります。
現代レンズと比較するとXenonであっても開放ハロ、コマは残っていますが、エクターほど絞りによる描写の差はありません。
大変優れた操作性のカメラですが、距離計ファインダーの倍率が小さく0.6倍くらいなので、有効基線長が短くなってしまいます。
その分開放では慎重に距離計を合わせるように心がけています。
このモデルもボディにストラップアイレットが装備されていないので、ストラップつきの専用革製速写ケースがあったほうがよいですが、畳むと蓋されるレチナに速写ケースは屋上屋を重ねる感があり、底三脚穴にハンドストラップをネジ込むほうが使い勝手がよいこともあります。


意識しておりませんでしたが、Contax TやMinox 35の仲間達もそういえばフォールディングカメラですね。すると末裔TVS3までありますね。
凄くチープ(パカパカのプラ製、固定焦点38mmf4、プログラム)なので紹介を躊躇しますが、京セラのヤシカパートナーというのもあります。(
画像)
自動的に蓋がされる縛りにすると、アグファカラート36が抜けてしまうので少し悩みます。
ナースマン様、今後各論でコレクションをご紹介頂ければこんなに有り難いことはございません。ナースマン様のご評価は、まさに生きた情報ですから。
レチナIIaは露出計なしのレチナとして完成型、究極の操作性でしょう。個人的には底部レバーより軍艦部レバーのほうが持ち手に無理が掛からず望ましいと思っています。勿論底部もそれなりに便利で、使えないと非難するわけではありませんが。
装備の戦後クセノン5cmf2は、恐らく同クラスの5cmの中では最高にシャープな一本かと思います。開放近くではL39のズミクロンやニッコールより上かもしれません。


個人的には、AFは除きたい気がします。歴史的には、中判のフォールディングカメラを引き継ぐ形で35mmでも折り畳みや沈胴があたりまえだったところ、キヤノネットやハイマチックの時代にはレンズの大口径化・AE化とコストダウンの要請によって、いったん変形しないカメラが当たり前になりました。その後AFコンパクトカメラの時代になってまた、沈胴が復活してコンパクトデジカメへ繋がっている気がします。
もう1つは、レンズを沈めたり畳んだりする操作が手動か、電動か、という分け方もあるかもしれません。それですとTVS3は仲間に入ることになりますね。
そう考えると蓋の有無はあんまり本質でない気がします。さきほどは蓋の有無の縛りと書きましたが、内心は、手動か自動かで考えていたような気がします。


私は、016、Ua最高のスプリングカメラだと思います。
F2クラスのレンズ、コンパクトなサイズ、使い勝手、全て良い。
然し、セルフコッキングを可能にするため、1つ構造上の欠点がある。レチナ同盟でも、この点の質問が多かった。
1つ前の011、U。ノブ巻き上げで、背面に巻き替え装置が付く。
これをレバーにするに当たり、連動部分に、のこぎり型のギアを使っている。この部分に負担が掛かる。経年劣化で、摩耗。連動不調に。
巻き上げは、力を加えず焦らない。フイルム表示、構造上、残数表示。忘れて、0に合わせると、いきなり停止。その場合、シャッターボタンの手前にあるフイルムレリーズボタンを使う。
この欠点を、分割作動にすることで、負担を減らすため、底面巻き上げに?これが020、Uc。但し、上部レバーが有った所、初めから露出計内蔵を考え、1回り大きくなっている。
Ucはレンズ交換可能。レンズはクセノンとヘリゴンがある。其々、前玉のみ交換、これで、35mm、80mmとなる。なので、交換レンズも専用。ヘリゴンとクセノン混用はできない。
TB,VCこの辺りも、人気のレチナ。但し、経年変化でセレンが死んでいるものが多い。
011、U。れんずまにあ様が記載している、カードン用47mmエクター付きが有る。見つけるとお勧め。
47mmエクター付。Uで使用するときは、RFで。鏡胴側の距離目織は、他の50mm用と共用している。目測だとずれる?
エクター人気で、010も人気が有る。然し、先にも述べて様に、戦後直ぐの製品。戦前の残り部品で組み立てている。
レ千ネッテと部品共用している物も有る(ツアイスでも戦後直ぐのイコンタ。ネッターの襷使っている物も有る)
アクセサリーシューも付いている物、付いてない物、どちらも有る。
レンズも手に入る物を使っている。その意味でも、レチナでローデンシュトック、イザール付は、010のみ。
本家エクター付と言い、イザール付と言い、れんずまにあ様も中々の珍品コレクター?
レンズに拘らなけれは、戦前最後の148の方が遥かに質は良い。
アクセサリーシュー。私の148には付いていない。
ps)分類に関して。私的には、電池仕様か否かで、分類を2つに分けてはと思います。手動時代はスプリングがメイン、精々ロライ35等の沈胴迄。光学ガラスレンズ、機械式シャッター使用。露光、ピントが人間側の物。
電池時代の物は、露光、ピント共カメラサイドの設定がメインとなる。レンズ其の物も、コンピューター設計、光学プラスチック使用等、手動時代とは全く別の物だと思います。


スレッドタイトルも、「35mmスプリングカメラ」「35mmビューファインダーカメラ」など、どの機種を含むかで随分変わってきます。
ローライ35を加えるかどうかも思考しましたが、単独スレッドに相応しい独自性と人気を備えたシリーズですので、心配せずとも自動的に除外されるかなと。
意識の外でしたが、確かにAFコンパクトには多くの自動沈胴機が含まれていますね。私もAFコンパクトはこのスレッドの対象には考えていませんでした。
日浦様がご考察の通り、沈胴折りたたみ操作を手動で行うか、電動で自動的に行うかは、一つの解かと思いました。foldingには、自らの意志で折りたたみ操作を行う能動的な意味合いも包含されているということで。
ナースマン様
IIaは友人のをしばらく借用したのみの経験で、そのような弱点があるとは存じませんでした。よい調子の個体を確認する注意が必要ですね。
私のIaも、注意して使おうと思いました。
011のエクター47mmの距離目盛りが他の5cm機と同じ件、まったく存じませんでした。
ただし、他のXenonやHeligon5cmをライカマウントに転用した友人の話では、実焦点距離は少なくともライカの51.6よりも短く、47mmなのではないかと聞いたことがあります。


Retina IIIc(スモールC)
底面レバー巻き上げになった。
それまでの8角形から、角を落としたデザインに変更。
前玉交換で、標準5cmf2から、35mmf5.6,またはf4、80mmf4に交換できる。ただし距離計は交換レンズには連動していないため、測距した距離指標を交換レンズのヘリコイドに移し換える必要がある。
ファインダーは50mm標準専用で、交換レンズには外付け専用ファインダー(35,50,80切替)が必要。
セレン単独露出計つき、カバーを跳ね上げると低照度用。
この次のモデル、IIIC(ラージC)がフォールディングレチナの最終機となり、その後は固定鏡胴機に移行する。
IIICは交換レンズに合わせて大きなファインダーに広角・標準・望遠のフレームが全表示される。
友人のIIICアウトフィットを借用した時、メカとしての魅力は大きいのですが、
交換レンズがさすがに使いにくい、一々距離を移し換えていたら間違う。
ファインダー倍率は高く見やすいが、フレームが全部出ていると煩く感じられる。
と思いました。
標準しか使わないと割切れば、随分価格差がありますし、IIIcでよいのです。
ところで私のIIIcはボディ完動でしたが前玉クモリジャンクで随分安価でした。気楽に考えていたものの、結局前玉はどうしようもなく、お蔵入り。
年月が経ち、偶然クリアな前玉だけを見付け、取り付けて見ると、隅々まで全く画質が乱れていません。
普通は前後のレンズは個々に調整されていて本来の組でないと性能が出ないものだと思っていましたが、前玉交換レチナは恐るべき品質管理で、どこからレンズを引っ張ってきても合う精度が確保されているのだなあと驚愕しました。


私、戦前バージョンの148を記載します。
先に述べたように、010は、戦前の148の残り部品を使って組み上げた物です。その為、一部レ千ネッテの部品、張革など使っています。
148は39〜40年の製品。メッキ、張革共に戦後のUa以上です。
シャッターはコンパー、コンパーラビット(私の個体は300sのコンパー)レンズはF3,5アナスチグマットエクター付き。
このエクターは、クセナーだと言われている。然し、148には、クセナー表示の物も有る。販売地域によって使い分けた?
又は、シュナイダーが自社で組んだエクター?
同時期発売のレチナ、149が存在。こちらはボデーのトリムが、メッキでなく、黒塗り、コンパーシャッター、クセナーレンズのみ。
149が普及品とするなら、シュナイダー製のエクターが存在する?
因みに、39年のレ千ネッテ160には、F3,5コダックアナスチグマット、コンパーの組み合わせである。
使い勝手は、初期のレチナと同じ。但し、シャッターはボデーレリース。目測ですが、距離目盛がFeet。戸惑う。
ファインダーは、枠無し0,5倍(初代117〜010まで同じ)
Uaは0,7倍。比べると、やはり小さい。
私の個体、アクセサリーシューは付いてない。その部分、ねじ止めに成っている。ついている個体も有る。基本的にオプションかも?
画像は、コンテッサとの比較。JR加茂駅展示のC57。
一応、二重露出防止装置が付いているが、簡単な構造。レンズ側使えば、こんな画像も簡単。


先ず、49年の522/24イコンタ35。れんずまにあ様が、記載。
52年、523/24コンチナ。ドレイカイルでない単独距離計付。
45mm、F3,5ノバー、300sプロンター付と、F2,8テッサー、500sシンクロコンパー付。
イコンタ35と同様、後期型524/24コンチナUがある。
50年、533/24コンテッサ。ドレイカイル距離計付RF、F2,8テッサー、500sコンパーラビット付。53年から後期型に当たる、シンクロコンパー付、55年に固定鏡胴となる。尚、55年時点でイコンタ35、コンチナは生産終了している。
コンテッサ3姉妹と言うが、イコンタ35が長女、コンテッサが次女、コンチナが3女。コンチナはメスイコンタの小型版。
私の個体。Tコート付オプトンテッサー、シンクロコンパー付(53年私の生まれ年製)
3姉妹共、巻き上げ、巻き戻しが、底面ノブ。巻き上げは、2つのギアで、パーフォレーション部を動かす(このギアを動かさないと、空シャッターは切れない)ノブが底面にあるため、開いた状態で展示するには、裏蓋にある、ベロを出す。
向かって右がファインダー、ドレイカイルがレンズの上、左にセレン受光部の、左右対称形。左手ピント、右手シャッター。右利き用。
ファインダーは0,7倍。ドレイカイルは流石に分離も良い。
イコンタシリーズの集大成であるが、同年代のレチナUaに比べれば劣る。ブローニー版のイコンタ(スーパー6)を小型にして、巻き取り可能にした感じ。
単独セレン露出計はレチナUaを超えているが、現代と成っては、私の個体を含め、セレンが死んでいる。
私の個体。手に入れた時、ピントが出なかった。長野様の所でOH。
前の人が弄った様子で、中玉が固定されていなかった。
先日手に入れたウエルチニもほぼワシャー1枚分ピントがずれていた。
最近のジャンク(自身の技術を過信、変に弄って、手に負えなくなった物)がある、困ったことである。


手元010のイザールはノンコートなので,あるいは戦前モデルなのかとも考えましたが、148にはローデンシュトック付きはないようで、やはり010なのでしょう。戦前在庫のレンズなのか、まだローデンシュトックはコーティングができなかったのか、興味深い所です。
勿論写りではコーティングの差はわかりません。多分テッサー型の反射面数程度では私には認識できないと思います。
その後015は便利になったものの前蓋の突出が大きく、微妙な差ではありますがオリジナルから010以前の畳んだとき平坦に近くなる外観は大変好ましく思います。
コンテッサ3姉妹は、イコンタが長女でコンティナが末娘なのですね。単にグレード順にコンテッサが長女かと思っていました。
恥を承知で知った風なことを書きますがツァイスイコンは大口径フォールディング、コンパクトに消極的で、最上位機種のコンテッサでも2,8のテッサーです。(ビオター付のコリブリも存在しますが)
畳み込み時の平坦さには寄与しますが、コンテッサは前蓋結構突出してるんで意味あるのかな(笑
なので商品の押しの強さは、特に高感度フィルムの性能が期待できなかった当時ではf2のレチナに負けてしまうのだろうなと思います。
でも確かにコンテッサの写りは、「ガウス大口径なんて要るの?」と言うほどの尖鋭さで納得させられてしまいます。そのへんは購入してみないとわからない所が気の毒。
イコンタ35もコンテッサも、固定鏡胴になるまでセルフコッキングは実現しませんでしたが、そのかわりシャッターレリーズの感触がダイレクトで軽く切れが良い。ちょっとストロークは長目ながら、落ちるタイミングはとりやすく私は好みです。


148の頃。ドイツが豊かな時代。ドイツコダックも部品供給に問題が無い。自社製の本体に、基本シュナイダーのレンズ使っていた。
149は、黒塗り。レ千ネッテは、黒塗り、トリプレットの普及品。
レチナの黒塗り、イコンタほど艶が無い。張革もネッターに劣る。
戦後、ドイツコダックは困窮。010。戦前の残り部品を組み立て。
本体側。149、レ千ネッテの黒塗りを使った物も。メッキも148に劣る。
自社でレンズ作ってない。取り合えず、手に入る物を組み込む。
本家ロチェスターのエクターを輸入。クセナー、イザールも戦前の物を使ったと思う。
スプリングカメラ。ツアイスが生み出したイコンタが最初。
普及品がネッター。トリプレットのネッター、ノバーレンズ。
高級品。テッサーレンズ、ドレイカイル距離計付。
ツアイスはテッサーレンズに絶対の自信を持っていた。
スプリングカメラをRFにするため考えたのがドレイカイル距離計。
テッサーレンズ、前玉回転でも、問題ないと考えていた。
例えばF2ゾナー。此方は全群移動が前提。基本レンズ交換用。
これをスプリングに組み込むと、一般の距離計が必要。レンズボードもでかくなる。69イコンタ並みに成ると思う。
コンテッサ3姉妹。戦後の製品。イコンタを凝縮した集大成。
普及品ネッターに当たるのがイコンタ35。高級品がコンテッサ。
単独距離計のコンチナ。此方は戦後のメスイコンタ。別系統。
イコンタ35を含め、本体、メッキ、張革は3姉妹とも同じ。
戦後でも、テッサーレンズ、ドレイカイル距離計、絶対の自信が。
ツアイス、F2クラスは、レンズ交換のコンタックス用と考えていた。
F2クラスを組み込んだ、レチナUa。連動ピンを使い、良く出来ている。よくこのサイズに出来たものだと感心。
戦前にF2クラスを使ったウエルチナ。戦後のビトーV。どちらも大きく重い。
追伸)ウエルチニOH上がりました。此方でも良いのですが、別項目挙げているので、其方へ掲載します。


Vitessa Lは元祖Vitessaのシンプルで滑らかな外観に、時代の欲求なのか固定アクセサリーシュー、正面セレン受光窓、軍艦部上面にメーター部を増設しちょっぴり醜くなってしまった後継機です。
といっても当時の他社製品と較べると随分洗練された外観ではありますが。
ところでボディのどこにもLって書いてないので、ちょっと迷いました。ネットで画像を確認し納得。
これはVersion 4または5の50mmf2.8付きです。Lは1954-57の生産ですがバーション毎の生産年はよくわかりません。いずれにせよ結構生産期間は短いのですね。57年からレンズ交換固定鏡胴モデルのVitessa T、1958年からはVitoを距離計連動化したコンサーバティブな機構をもつVitomaticシリーズに交代してしまいます。
レンズはテッサー型のカラースコパー50mmf2.8で、伝説的なウルトロン50mmf2.0にくらべて一段廉価版になっています。この後のレンズ交換機ではウルトロンを選択出来ないのでこのカラスコが表看板になり、それに相応しい開放からシャープなレンズです。
持ってみると密度が高いカメラです。
日浦様も触れておられますが、カメラの材質としては非常に珍しい鉄が外郭に使われており、特にフィルム装填交換時に外郭を外した際、その硬質な感触と造りの薄さが普段触るカメラたちとあまりにも異質なので驚いてしまいます。
5cm固定装着のリーフシャッターカメラとしてはかなり横長で、持つときに引っかかるところがないので革ケースに入れています。
ファインダー窓が右手側(プロミネントもそう)、右手親指フォーカシング、左手巻き上げプランジャーと独特の操作系で最初は戸惑います。数枚撮ると慣れてきてテンポ良く撮影できますけれど、しばらく使わないとまた戸惑います(笑
さてCLPO様のモデルは無限遠だとプランジャーが飛び出してこないそうですが、このLは無限遠でもお構いなしにレンズカバーが開くと同時に飛び出してきます。元来勢いよく飛び出しても大丈夫な強度は確保されているはずですが、まあ長持ちさせたいなら軟着陸する方がいいという意見が多いですね。
ポジをメインにしていた昔はセレン平均測光など全く当てにならないので付いているだけ無駄のように思っていましたが、最近ネガが主体なので、セレンメーターが結構好きになってます。勿論暗い所では役に立たないんですが。


あがりをみたとたんに目を見張りました。
開放遠景では隅々まで均一に解像しており、今のSkoparを名乗る製品とは雲泥の差です。
なによりコントラストが高く尖鋭度が凄い。目に刺さるよう。
諸事情あるでしょうが、ウルトロンやめちゃってもこれなら十分と思わせるだけのものはあります。(勿論明るさでは代わるものではありませんが)
試写画像は私的なものが多くて上げにくいのが残念。Vitessa L, Skopar 50/2.8, 開放、1/30、TMY


大きい方、ヘリア、アポランサーと同系列。尖鋭なのに柔らかい。
私の好きな画像。こんなの見たら、ビトー当たり欲しくなりますね。
私の知っているのは、90年代の、Lマウント国産ホクトレンダー。
模倣のうまい日本人が、新種ガラスでコンピューター設計。ホクトレンダー風に作った?
本家の物は、50年代に完成していた?これ以上必要ない。素晴らしい。


テッサー型は暗い方が良く写る、f2.8は欲張りすぎで開放は今ひとつ、と、ずっと思っていました。
VitessaLのColor-Skoparは完全にそれが誤解だと思い知らせてくれました。
ナースマン様ご指摘のように、Vitoのほうが軽く小さく使いやすいのは間違いありません。
Vitessaボディは、5cmf2.8にはあまりに重厚すぎるのです。Vitomaticを思わず探し始めたくらいですので...
ただ、蛇腹折りたたみVitoは、確かf3.5だけだったかしら?
現代のカラースコパー含めV....製品は、今の設計、今の材料を使っていますので、昔とは比べものにならないほど凄い性能を期待してしまいます。
また、写りは素晴らしい、現代の性能、写りすぎて面白くない、などという評価もよく伺います。
しかし、私は当たり所が悪いのか、全然そうは思えないのです。
周辺画質が落ちすぎます。1機種だけならまだしも、私が試させて頂いたほとんどの機種がそうなのです。
そういう設計方針なのかもしれませんが、1950年代より周辺が悪いレンズを私は期待しておりません。
今回のColor-Skoparの高性能を見て、つい愚痴ってしまいました。


1950年 バルダカメラヴェルク製フォールディングカメラ
この個体はプロンターSシャッター:1/300-1,スタインハイル カッサー50mmf2.8(トリプレット)つき.他にラジオナー50/2.9や同スペックのバルダナー、ハポナー、または50/3.5ラジオナー、バルダナーつきがあるが大概3枚玉で廉価版に徹している。
3枚玉f2.9は如何にも欲張りすぎに感じられ、全く期待していなかったが流石はスタインハイル、後ボケを除けばなかなかすばらしい写りで、特に色彩の鮮明さに驚かされました。
操作性は大きな巻き上げノブが特長で、特に変わったことはありません。


戦前のヴィトーを戦後に再生産したモデル。
戦前のノンコート スコパー(テッサー型),コンパーラピードから、コートつきカラースコパー5cmf3.5,シンクロコンパーに進化した。
角形のレチナと対比し、曲面で構成され優美な外観。
巻き上げ、巻き戻しノブは左右対象に配置され操作性はよい。
機能的にはセルフコッキングがつかないレチナIと同様だが、前玉回転。
レンズの高性能には定評がある。
ベッド部分にシャッターが配置されているのはベッサIIと似ている。
バルディネッテと同じく、今は転売してしまい手元にない機種で恐縮です。
画像も、ベスト判のVirtusと並んだものしかありませんでした。
(ちなみにこのVirtus, レンズの焦点が全く来ない、何か組み間違いが想像される品物)


チャートや定点テストで成功したと思っても実写では惨憺たるもので、試行錯誤中ですが、粒状性と解像度だけはすばらしいものです。
その高解像力についてこれるカメラは限られます。
USエクター50mmf3.5はf8付近で申し分ない高解像力を発揮します。
ただ、近距離での目測ミス、手ぶれがたいへん多く、落ち込んでいます。
Retina 1a, Kodak Ektar 50mmf3.5, f8, 1/60, Fuji minicopy HRII, Rodinal R9 x500, 25度30分


スプリングカメラのように前蓋を起こすと沈胴レンズが立ち上がる。内部の遮光には布を使っていて蛇腹カメラといえなくもない。
サイズ100x61x34mm,190g(前蓋が丸く盛り上がって2mmだけ前モデルより厚みが増した)
電源:CR1/3x2個(SR44またはLR44x4でも作動します)
露出:絞り優先AE, CdS(f2.8〜f16、Iso100/EV0-17、無段階電子シャッター1/500-8秒、フラッシュをホットシューにマウントすると1/125固定)、x2露出補正つき、電子セルフタイマー
感度設定:ISO25〜1600 (x2補正併用するとISO12可能)
レンズ:Color-Minotar35/2.8(3群4枚テッサー型+スカイライトフィルター固定、マルチコート)
最短撮影距離:前玉回転式 0.7m、目測
フィルム巻き上げ:レバー2作動、分割可能。
ファインダー表示:倍率0.5倍程度、アルバダ式ブライトフレーム、シャッター速度指針表示1/500、1/125、1/30。指針が表示外を指す時は高速範囲外、手ぶれ警告になる。
当時の販売価格:93,000円(エルモ扱い)レモン社の並行輸入では半額くらいという話も。
ローライ35が先鞭を付けた超小型35mmカメラ、ミノックスの回答が、プラスチック外装で非常に軽量で薄型のMinox35EL。そのシリーズの発展型。最初のモデルから外観や基本スペックはほとんど変わらないが、地道な改良が行われている。
最短撮影距離0.7m 前モデルの最短距離0.9mと較べ20cm短縮された。
使用電池が5.6VのPX27から一般的なCR1/3N 2個に変更
スカイライトフィルター別売だったものが、固定になった(そのためか前蓋が2mm突出した)
感度設定高感度側が800から1600へ拡張。
フィルム装填時に先端に食い付くクイックローディングのようなプラスチック構造がスプールに増設された。
他に、デートバック、小型化された専用オートストロボ
使い勝手:薄型で非常に軽量なので携帯がもっとも苦にならないカメラのひとつ。
巻き上げは重い。2回巻かないといけないが,固いので巻き不足になりやすい。しっかり巻く必要がある。
シャッターレリーズは軽すぎるくらいに軽い。誤って指を乗せただけで切れる。手ぶれ防止に有効。
距離リングはレンズ先端にあり軽く回る。誤操作するほどではない。
絞り変更は少しやりにくく指が太いと回しにくい。
近接は35mm広角といえど目測で測定するのはかなり厳しい。しかし私は左手を伸ばした先端が70cmなので、0.9mよりもむしろ精度良く近接出来ると思った。目測カメラは体や歩幅など補助スケールを沢山持っていると有利である。ただ前玉回転で近接すると画質は低下するはずだが楽しさ優先と割切るべき。
ストラップアイレットはないので両吊りストラップつき専用ケースに入れるか、底部三脚穴にハンドストラップをネジ込むしかない。後者が一般的だったと思う。昔旧型のGTをストラップ無し(ベルトクリップをアルミで自作して)で使っていたら何度も落として傷ヒビだらけになったので、ストラップはお勧め。ところで裏蓋は下に引き抜くのですが三脚穴にネジ込まれてると外れない。
レンズ性能はかなり良いのだが、アサヒカメラの解像力テストでローライ35より少し低い値で、リコーFF-1より高値。
最近低感度フィルムをよく使うため、ISO25設定はありがたい。さらにx2補正でISO12まで落とせるのはコンパクトカメラとして希有な利点。高級SLRでも最低感度と最高感度では露出補正が効かない機種もあるため、このx2補正は本物だ。


ご参照:ttp://www.submin.com/35mm/collection/minox/35mm_variations.htm
MLはファインダー上部にシャッター速度表示がありLED点灯します.
その他の機種は視野右端1/500,1/125,1/30表示の間を指針が動き,その外を指すとオーバーと低速警告を意味します。大雑把ですがこの規模のカメラとしては非常に明快で安心出来ます。
シャッターボタン 軍艦部ボタン 電池 巻き上げ 備考
Minox 35EL (1974) 赤,中央にレリーズネジ バッテリーチェック(BC) ValtaPX27 レバー2回* Color-Minotar35/2.8,
絞り優先,感度25-800,最短0.9m
Minox 35GL (1979) オレンジ,中央ネジ BC, x2補正 同上 レバー2回 同上
Minox 35GT (1981) 黄,ボタン横ボディにネジ BC, x2補正,セルフ 同上 同上 同上
Minox 35ML (1985) 黄,同上 同上 同上 同上 絞り優先+プログラム,
軍艦部平坦,速度表示LED,感度25-1600
Minox 35AL (1987) オレンジ,同上 BC, セルフ 同上 同上 Color-Minor 35/4固定焦点
プログラム露出のみ,感度設定なし
Minox 35GT-E(1988) 赤,同上 BC, x2補正,セルフ CR1/3x2個 同上 Color-Minoxar35/2.8
マルチコート+SLフィルター固定,
感度25-1600,イージーロード,最短0.7m
*ELがギア巻き上げという引用元の記載ですが、現物を確認(1台のみ)したところ、GL以降より指掛かりが非常に小さいながらレバーといってよい突起が備わっています。使い勝手はGL以降と同じ二回巻き上げ(小刻み可能)で、決してオリンパスXAのようなギアではありません。これをギアと言うなら最終機種GT-Eまでずべてギアでしょう。或いは極初期ギアのみだった可能性はあります。


持ってはいないのですが、観音開きのレンズカバーが印象的でした。全体がプラスチッキーなのですが、今となっては個性的なカメラでした。


ミノックス35は厳密には前カバーと連動した沈胴ですが、同系のコンタックスT、ヤシカパートナーと共に、
レンズを起立させるのが電動ではないということでフォールディングとしてお許し頂けるかと。
所でagfa compactとRolleimaticはいつか使ってみたいです。


手元にミニコピーHRIIが豊富にあるので目下もっとも使っています。コダックテクニカルパンもあります(他の用途に使いたいので高解像力には控えています)
最近はATP1.1, Adox CMSなどが登場、軟調現像液の種類も1980-2000年代に較べてむしろ選択肢は豊富になっています。
撮影側は、おそらく一眼レフのレンズを絞って使えばかなりのところかと思いますが、常時携帯できるコンパクトカメラで凄い画質が得られたら痛快です。
Contax Tは日浦様のご解説がありますので重複は避けますが、T2以後自動焦点の後継機と比較し大変小型です。
同一サイズまたはそれ以下のカメラは既に存在していました。しかし、レンズに掛けた比重が空前のものでした。
コピーフィルムでは、何処まで拡大しても果てしなく解像しています。
低倍率で全体像


ゾナー38mmf2.8は、一眼レフ用ディスタゴン35/2.8と較べて開放では四隅の画質がすこし甘いのですが、圧倒的に小型で、f8に絞ると四隅の画質も均一で文句ありません。


フィルムはトライXで、試しにロジナール100倍希釈で現像してみたので全く粒状性が違い比較はできませんが、高速シャッターの分手持ちでのシャープネスはいい線いっているように見えます。
ContaxTは何か支持具を使って再検してみたいです。


他機種ではあまりみられない、少し広角で明るいレンズ。
今までトライXやカラーネガなどISO400フィルムで撮っていたところ、開放から十分に尖鋭で、絞り込むとさらに良くなる、出来がよいモダンクラシックのテッサー型に共通する性能と思っていました。
ミニコピーのような超高解像度フィルムでは、開放からf4くらいまでハロが目立ち、周辺画質がトロンと溶けたような少し甘い印象でした。
f8から締まりが改善し、f11でかなりよく見えますが、コンタックスTのゾナーやローライ35Bのトリオターよりも少し尖鋭度が劣るようです。
絞りを開けると画面上1/3の解像力が特に甘くなるので、フロントスタンダードの平行が少しずれているのかと思いました。
このカメラは厳密に言えばミニコピーには合わない、敢えて言えばもっと高感度で絞り込み気楽にスナップするのに適しているかなと思いました。
作品:「立ち呑み所」イコンタ35,クセナー45mmf2.8、Y2フィルター、f5.6、1/30、ミニコピーHRII(EI50)Photographer's formulary modified POTA, 20dig、15min


先に紹介した35GT-Eの基礎となったモデル。
レンズはカラーミノター35mmf2.8、3群4枚テッサー型。フィルターネジはないが別売かぶせフードはスカイライトフィルターと一体になっている。
その他スペックは変わらないが、この個体はISO感度が25-1600となっており、先に記載した一覧表800までと違う。製作年代によって1600になったものがあったのか?
1984年頃使っていた個体が2年で故障友人にあげてしまったが、最近タダみたいなので買い直しました。
その当時から開放画質は芳しくなく思っていました。今度の個体も開放はぼってりした描写で鋭さがなく、開放からかなり尖鋭なGT-Eとは歴然と違う画質です。個体差なのか、無限が合っていないのか、また私が焦点合わせをミスしたのか、もう少しテストしてみます。
絞るとこのミニカメラで撮影したとは思えない尖鋭な画質になります。
追記:電源は、手元のPX27が全滅していて頭抱えましたが、LR44x4個をパーマセルで直列連結したら立派に作動しています。電圧が標準より高めなので心持ちアンダー露光のような気もしますが、ネガならほぼ誤差です。


レチナは主にヨーロッパ向けにローデンシュトックのレンズがついたモデルを当てていたと聞きますが、距離表示はメトリックとフィートが両方混在し、綺麗に分かれるわけではないようです。
標準ヘリゴン50mmf2.0(IIcには50mmf2.8もあります),同じく広角35mmf5.6、望遠80mmf4を、後群を残してバヨネットで前群交換します。
ラージCは大きなファインダー窓に、3種のブライトフレームが浮かぶため、そのまま使えます(そのかわり3種フレーム出っ放し)が、スモールcはボディのフレームは50mmしかありませんので、専用外付けファインダーをクリップオンします。
前玉交換レンズをテストしてみると意外に結構解像力が高く、なかなか悪くありません。
ただし、皆様よくご存知の通り、蛇腹レチナの交換レンズは、ファインダー距離計を単独距離計として使い、標準レンズ用の距離指標を読んで、望遠広角用の距離指標に移し替える大変煩雑な距離合わせになり、じっくり合わせれば精度はちゃんと出ていますが、実際出先でそんなことやってられるかと。
80は無限遠に限定し、35はf値が暗いので、距離計を使わず指標で目測すると実用的に感じます。
ただし、標準以外ではベッドを畳めないので、なんとも微妙な出で立ちになりますね。
この前玉交換レンズは、レチナレフレックスCに装着すると、直接ファインダー内で焦点合わせできるので、大変使いやすくなります。
(もちろん、クセノン交換レンズはクセノン付きボディ、ヘリゴンも対応ボディでないと、バヨネットが違うので相互に装着できません。)
50mmレンズの先鋭度は、シュナイダークセノンのほうが若干鋭く感じますが、ヘリゴンも大変ハイレベルで、実用的には差はないと思います。


これも仲間に入れてもらってよろしいのかな・・既に平成の年号となってからのカメラなので、「趣旨に合わない」とご指摘がございましたら引っ込めます。
無塗装と思われるチープなカメラですが、跳ね上げ式の前扉を開くとフラッシュが現れ、レンズ鏡胴がせり出します。
隣のOLYMPUSμは本体の大きさが分かりやすい様にと置きました。
1990年代前半?に発売されたKODAKのコンパクトカメラです。重量は140g。
フォーカスフリーのレンズは34mmF5.6で機械式シャッターは1/125単速です。背面のノブで巻上げ、巻き戻しレバーは小さく2段階に折り畳まれています。
レンズ脇のフィルム感度切替レバーによって絞りがF8・F11位に変化します。フラッシュ使用時に絞り開放となります。
単4型電池2ケを使用しますが、これはフラッシュ使用に必要なだけで電池無しでの撮影が可能です。重さはたったの140g。
このCAMEOにはフォーカスフリーでモーター巻上の機種とAF機能が追加された機種も存在しました。
フラッシュを跳ね上げて(レンズから距離を取って)作動させるデザインは1980年代からKODAK製カメラに幾つか見られます。フラッシュの調光機能が一般化する以前には有効な手段だったのでしょうか。
オリンパスXA1でフォーカスフリーカメラの(時と場合により)素晴らしいのを知ってからは、ちょくちょく本機のようなお手軽カメラにも目を向け手に入れるようになりました。明るい日中であればパッと見には良い結果が得られることが多いです。
レンズが手動で沈胴位置から撮影状態に組み上がる、手動巻き上げカメラというのがこちらのカテゴリですので、立派に合致していると私は思います。
確かに固定焦点を彼方はフォーカスフリーと言いますね。なんとなくカッコよくなった気がいたします。
400や800のフィルムが微粒子化して常用されるようになった時期のカメラでしょうから、34mmf5.6なら、拡大しなければ1mから無限まで問題ないでしょうね。
でもライカだって広角は絞り込んで3mくらいにセットしパンフォーカスで使うことが多いし、暗ければフラッシュ常備で準備万端ですね。
34mmというのがいかにも彼方様らしい。1mmでも売れるスペック差をつけようと。
XA1は私も愛用しています。電池がいらないのでいつでも即応。スナップではライカ以上の写りだと思います。
他の私の固定焦点カメラはヤシカパートナーを楽しんでいますが、XA1の写りは頭ひとつ以上抜けています。


元々ケースレスカメラなのでわざわざ一緒に持って行くのも面倒ですが、畳めるのでポケットの隙間に入れても邪魔になりません。
フィルターが固定されているのが特徴で、UV, スカイライト、ND(4?)があります。
GT-EからはUVフィルターが内蔵されたためか、フィルター無しフードのみになりました。


私もれんずまにあ様と同仕様のレチナIa #015を持っていて疑問に思っていることがあります。
レチナIaのコンパーラピッド搭載機は1951年の発売初期のみと何処かで読んだ気がします。それなのにレンズがESで始まる1947年のレンズが付いていて、本体と年式が合いません。私はてっきりニコイチなどの改造品と思い、使うのを躊躇っておりました。
こうしたレンズとカメラ本体の年式が合わないことって良くあることなのでしょうか。
私はレチナに関してはファンであっても門外漢なので、直接のご返答は到底できかねますが、想像をお許しください。
おそらく貴兄もそう考えておられると思いますが、レンズや部品の在庫を使用して処分することはよくあったのではないかと。
戦後すぐの010は戦前のストックを使っていますし、どう見てもローデンのYsarはノンコートでチグハグです。
Iaはだいぶ後の製品なので同一視はできませんが、前蓋がもっと大きなレンズ用にしか見えず、Ektarf3.5にはもっと薄くできたんじゃないか、ひいてはEktarって在庫処分じゃないかと思ってしまいます。
そのあたりは立派な資料があるのかもしれませんが、素人の邪推でお許しください。


ご返答ありがとうございます。なるほど、コダックにも色々と事情があったのでしょう。
販売当時はドイツ製レンズの方が人気が高かったのかも知れませんね。他の個体は良く見ていませんでしたが、ESのレンズを載せた個体が沢山出てきたりして・・
ピントを調べても1m、無限遠とも問題無いようなので、このまま撮ってみます。疑問が解けてスッキリしました。
前蓋の件はずっと気にしていませんでしたが、確かに大きいですね。日浦様もコンテンツ内で書かれていたように、畳む時にシャッターチャージ部分辺りから金属棒が現れて来ますので、これを避ける必要があったのかと思います。わたしの1b(小文字)の方はこの金属棒は出て来ませんでした。よって前蓋をスムーズな形状に変更出来たと想像します。
1980年発売の35mmフォールディングカメラ
レンズはカラーチノネクス35mmF2.8(3群4枚)距離は目測で 1m〜∞
シャッターは電子式プログラムシャッター 1/8〜1/1000sec
定価は外付けストロボ付きで¥32,800
重量は225g(本体のみ・実測) 電源はLR(SR)44ボタン電池を2ケ使用
非常に軽量かつコンパクトにまとめられたカメラですが、要所には金属が使われていて安っぽさや弱さは感じられません。
観音開きの前蓋開閉は巻上レバーを一段起こす・戻すの動作にて行われ、これも弱さはありません。ただし、前蓋左右の装飾パネルが接着剤の劣化で失われている個体が多いです。沈胴する鏡胴後ろには小さな蛇腹があります。
絞りとシャッターについてはプログラム任せですが、1/250までは絞り開放のプログラムだと言われています。
写りはビビッドな色合いで高コントラスト、そこそこシャープに見えます。
小さいながらも蛇腹が写りに貢献しているのかも知れません。機体の写真にも写っていますがこれ、電池蓋が失わわれたジャンク品です。無様にもプラバンと金属板で電池を留め、メンディングテープで隠しています(笑)
1978年発売の35mmフォールディングカメラ。
レンズはカラーリケノン35mmF2.8(3群4枚)距離は目測
シャッターはCDSによる自動露出電子式のコパルで2〜1/500sec セルフタイマーは無し フィルム感度はASA25〜400
電池はLR44またはSR44を2ヶ使用 アイレットは片耳
MINOX35シリーズに触発された?かどうかは定かではありませんがサイズも近いものがあります。MINOX35ELの幅100mm×高さ61mm×奥行31mm重量182gに対しFF-1は107mm×64.6mm×30.4mmで218gと外装には金属部分が多いにも関わらずかなり頑張って小型化しているのが分かります。並べて見ると・・やっぱりよく似ていますね。
前蓋裏蓋ともMINOXと比べガッチリしているので、さほど扱いに気を遣う必要がありません。裏蓋はヒンジ式、巻き上げも通常通りの1回巻上げ。前蓋の開閉にて電源が入るのは同じで、低輝度時にはファインダー内に赤LEDが点灯します。距離環にはリコーのカメラでお馴染みのグリーンの二重丸(スナップショット位置)がプリントされています。
フォーカス以外は全自動なのでMINOX35のように絵作りする用途には向きませんが、割合小気味よく使えて写りも価格差を考えればまあまあシャープと言えます。
この機種の多くは経年でファインダーが曇っています。清掃するには細かい場所での半田付けにスキルが要求されます。
この機体色とは別にトップカバーをシルバー塗装にしたモデルが存在しますが私は見たことがありません。1980年には改良型のFF-1sが発売されました。
ベラミは使う友人がいませんでしたが、FFー1は学生時代、恩師がクラブの旅行引率にご持参で、重量級機材を持ち込む学生を横目に飄々とご撮影されていました。
プログラム露出専用ですが、のちに拝見した画像では、暗めの条件でもかなりシャープな画質でしたので、開放近くでも優秀なレンズなのでしょう。
当時はミノックスGTユーザーでしたのでFF-1に手を出さず、最近気になってもオークションでは結構な価格でまた気楽には手が出せません。
ベラミもプログラム専用ですが、FFー1同様にレンズの性能は定評がありますね。
FF-1Sは確かレンズがマルチコートになったのでしたっけ。


私の中ではなぜかリコーのレンズでは失敗が少ない気がします。相性が良いというのでしょう。写真のリコーオートハーフも真面目に掃除したらとても良く写るようになりました。
リコーのフィルム末期に販売されていた3枚玉の廉価なAF/MFコンパクトカメラ、MF-1、RX-60など(どちらも30mmF3.9の3枚玉)も良く持ち出しています。
さて、FF-1sなんですがレンズもマルチコートに変更されたというのは初耳でした!欲しくなっちゃいますねぇ・・なにしろ販売されていた頃は私はあまりカメラに興味が無かった頃でして、メーカーサイト内の情報(電池消耗時にシャッターが開かずに切れてしまう現象を電子レリーズにすることで改善、セルフタイマーを追加、ファインダー周辺のデザインを変更)くらいしか知りませんでした。れんずまにあ様の情報に感謝いたします。
RetinaのKodak-Anastigmatについて以前から疑問があり投稿します。
Ektarが付かないKodak-Anastigmatは廉価版でトリプレットだという情報があるのですが、手元にあるKodak‐Anastigmat (Type 119)、U.S.A Kodak Ektar (Type 010)、Xenar (Type 118)の後群は同じ2枚張り合わせで3群4枚のテッサータイプに見えます。
Kodak Catalog Projectの1935−38年のUSA Printed カタログを見るとXenarがanastigmat lens と表記され、Kodak-Anastigmat Ektarはそのまま表記されています。
1935−38年の複数のカタログでType 119 (黒塗り)は掲載されず、117 anastigmat lens (写真はXenar) と126 Kodak-Anastigmat Ektar以外のレンズの記載はありません。
いずれも$57.50 1種です。
私はKodak-Anastigmat Ektarを持っていないのですが、Xenar、Kodak‐Anastigmat、Kodak-Anastigmat Ektar、U.S.A Kodak Ektarは3群4枚のテッサータイプなのでしょうか?
U.S.A Kodak Ektar付きの Type 016 IIaがあるのですが、Compur-Rapidが付いているのにシャッターチャージギアカバーにSynchro Compur用のM、X表記があるので、さすがにこれはType 015 Iaのレンズを移植したものだと思うのですが、あってもおかしくはないような気もしています。


US Ektar 50/3.5つきのIIaは貴重ですね。私は初めて拝見しました。
私もKodak Anastigmat Ektarを持っておりませんので反射光など調べることはできません。
今直ちに証拠資料を提示できませんが、今までの知識では、Kodak Anastigmat Ektarは、Schneider XenarのOEMと聞いています。
Xenar、Kodak-Anastigmat Ektarは同一として、3群4枚構成のテッサーです。
U.S.A Kodak Ektar は確かな構成図が出てきませんが、Ektraの50/3.5や、Signetの44/3.5の構成図は3-4の3群目張り合わせ局面の向きがTessarと逆の画像が検索されます。
Retina 010のUSEktarはテッサーかもしれませんが、いずれにせよテッサー系統とみてよさそうです。
Kodak‐Anastigmatはちょっとわかりません。Reomarなどトリプレットもありますね、でも3枚構成はRetinaでなくRetinetteというジュニアブランドに装着されてますから、Retinaに3枚玉が装備されたとは考えにくいのではないでしょうか。


実は少し前にRetinaのKodak-AnastigmatについてChatGPTが、
「Type119 RetinaのKodak-Anastigmatはトリプレットで廉価版として作られた」と回答しました。
前提となる条件や情報を何度か追加して質問しての回答でした。
ChatGPTはネット上の情報を元にしているのでそういう情報がどこかにあるのか?と思いました。
戦前のKodak-Anastigmat付きはRetinette Type160改のRetina I Type167がありますが、この前玉回転トリプレットの情報から、メッキなし黒塗りのType119 RetinaにKodak-Anastigmatが付いたものが同様の廉価版だという情報があるのかもしれません。
Kodak-Anastigmat付きと記載のあるRetina Type010は戦後すぐに戦前のレンズ在庫を使って作られたようですから、もしかするとType119(1936−38)の後の黒塗りのType 143(1938−39)、Type149(1939−1941)にもKodak-Anastigmat付きがあるのかもしれないと思って色々検索しているのですが、見つかりません。
後群の反射からテッサータイプであるのは間違いないと思うのですが、もやもやしています。


今後とも何卒よろしくお願いします。
こちらも気をつけておきますが、新たな情報を発見されましたら、ぜひご提示ください。


https://shiura.com/camera/autographic/index.html
に載せているレンズは Ektar と書かれていない(このころはまだ Ektar というブランドがなかったのかも)のですが、レンズ記載の特許情報からわかるように正真正銘の Tessar です。
Retina の Kodak のレンズは、Ektar に関する情報は多いですが、Ektar の記載がないものについては情報が乏しいかもですね。私も、よくわかりません。。
なお一般論として、ChatGPT 等の回答は誤りを含むことが非常に多いです。確かに、ネット上の情報をもとに学習していますが、ある特定の情報を勝手に一般化したりします。質問してから調べるわけではないので、人間で言えば「昔、・・・という話を聞いた気がする」みたいなぼんやりした記憶から答えるような感じです。
今回の場合では、例えば、他の米国製の廉価なカメラに搭載されている Kodak Anastigmat が3枚玉だ、というような情報があれば、それを勝手に一般化した可能性もあります。言語運用能力は非常に高いので、こちらからすべての情報を与えて要約させたりすると高性能ですが、事実の記憶という点ではまったく容量が足りず、事実関係の確認(ChatGPTそのものから知識を引き出す)は避けたほうがいい、ということが言われております(当方、情報科学系の研究者です)。
ChatGPT にも Deep Research という機能があり、これは質問に対して ChatGPT が自ら Web検索しながら答えを探していく仕組みになっていて、回答の信頼度が向上しています(もちろん完全ではありません)。その過程で参照したURLも表示されるので、合っているかどうか自分で確認することも出来ます。


https://chatgpt.com/share/67e8bd25-ec28-8008-b756-2780e420c1e7
deep research が出した結論としては、F4.5がトリプレット、F3.5がテッサー型、というものです。情報が少ない分野のため、正しいかどうかはわかりませんが、いろいろな情報源を収集できるだけでも有用なように思えます。当方の画面では思考?(集まる情報に対し、次はこのキーワードで検索して、・・という経緯)が表示され、それもなかなかに面白いものでした。
ps. これだけのことが、質問を投げて10数分待てばできるので、まさに、驚異、脅威・・です。
Type119も含めて戦前RetinaにはEktarなしのKodak Anastigmatがあったのですね。
戦前Retinaの情報はアメリカコダックの情報だけで、ドイツ製造の情報は殆ど見つけることができませんでした。
ChatGPTの検索能力の方が優れていると認めるのはちょっと悔しい気がします。
The Retina I’s lens/shutter options list explicitly includes a “Kodak Anastigmat 1:3.5 f=5cm (French-made lens
フランスレンズが大好きなので、これは魅力的ですね。


ちょっと気になったのですが。
私の所にあるKODAK35はanastigmat4.5ですが、上位機種には4枚構成で3.5のanastigmt-specialが付いている、となっていますがこコレって関係ありますかね?
Retinetteも1939年から製造されているはずですが、アメリカKodakのカタログには載っていません。
Kodak35は米国製造だと思います。
不思議なことに1939年3月のカタログに乗っているKodak35 Kodak Anastigmat Special の写真ではレンズ銘がf:3.5 51mmで、10月号ではf:3.5 50mmとなっています。
同年にはKodak Bantam Specialも発売されいています。
1939年3月号にはType141 Retinaも載っていますが、10月号以降Retinaは載っていません。
ドイツRetinaの製造情報が戦禍で失われて詳細が分からないようなのですが、ドイツ語で検索すると情報があるのかもしれませんね。


もう既にKODAK35に関してもお調べになっていたのですね。大変失礼いたしました。
自分のKODAK35をトピックに投稿しようと以前からあちこち調べておりました。その際に、「戦禍が近づいてRetinaの輸入に頼ることが出来なくなる」ことからKODAK35が開発された、とする記事を読んでいたのでひょっとしてRetinaとKODAK35の部品にある程度共通する部分があったのではないかと考えた次第です。フランジバックも近いように見えます。
※ウチのKODAK35(初期型)のANASTIGMAT4.5レンズも51mmでした。
51mmのKODAK35が実際にあるのですね。
調べている途中でKODAK35のKodak Anastigmatが51mmという記述はあったのですが、写真は50mmばかりでした。
添付画像は1938年10月のUSコダックのカタログで11月に発売予定となっています。
このf3.5 51mmレンズのシリアルNO.は87AT、左側のf.5.6 50mmは136M2と読めます。
1939年3月の発売後のカタログでも同じ画像が使われています。
しかし添付画像右側の1939年10月のカタログでは、f3.5 50mm NO.978、f5.6 50mmはNOなしになっています。
51mmレンズは販売前の量産試作機かなにかでカタログには載っているけれども実際に市販はされなったんじゃないかと思っていました。
取り敢えず撮ってから様のレンズのシリアルNOはいかがですか?
市販されていたとすると、実際に焦点距離が51mmと50mmで異なっている可能性もありますね。
f3.5 Kodak Anastigmat Special 51mm、f4.5 Kodak Anastigmat 51mm、f5.6 Kodak Anastigmat 50mmって、どうしてそうなったんでしょう?


Agfa Super Solinette
デザインは好きなのですが、きれいな円形絞りなのにレンズがSolinar f3.5だったりノブ巻き上げシャッターチャージ非連動とか中途半端な感じです。
フォールディングカメラとしてはとても薄くフラットなのですが、なかなか撮影に持ち出す機会がないです。
Rollei Rolleimatic
これもデザインはとても好きなのですがEEが凡庸でf2.8のレンズを活かせない感じです。
EEもデザイン並みに攻めてPetri Computer 35とかのように絞り開ける設定にしてほしかった。


ペトリカメラ1968年発売
これも35mmフォールディングカメラという認識で宜しいでしょうか。
レンズが沈胴する連動露出計つき35mmコンパクトカメラ。距離計は無し。
レンズはCCペトリ40mmF2.8(3群4枚)撮影距離は1m〜∞沈胴量は約11mm
シャッターはペトリMS機械式(B・1/15〜1/250)セルフタイマー無しフィルム感度ASA25〜800
重量は実測395g 電池は1.35V水銀電池1ケ(LR/SR44電池で代用可)カウンターは自動リセット・順算式
シャッター速度と絞りを軍艦部のダイヤルで、フォーカシングを背面のダイヤルで行う独創的な操作体系。カメラを左手で保持したまま、巻上レバーを含め全て右手人差し指と親指だけで操作できます。ファインダー内に露出計の針合わせとフォーカス距m表示・アイコン有り。レンズを繰り出すと露出計の電源ON、沈胴するとOFF、またシャッターチャージでON、レリーズ後にOFFとなります。沈胴状態から撮影可能な所(∞位置)まで繰り出すのに3回転半くらい回す必要があります。これは少々面倒かと。最短距離までは更に3/4回転くらい。鏡胴まわりのダイヤルはフィルム感度設定用です。
レリーズボタンはシャッターダイヤルの中心にあり、ストロークも短くキレる感覚も軽いので重量の割にはブレ難いです。電池が無くとも運用できるところも好ましいです。
レンズは四隅はシャープではないものの、コントラストが良く見栄えのする写真が撮れます。
EASTMAN KODAK
1950年発売の沈胴するレンズ固定式35mmカメラ
レンズはKODAK Anaston51mmF4.5(3群3枚)距離は2.5ft〜∞
シャッターは自社製FLASH200でB・1/25〜1/200sec セルフコッキング無 セルフタイマー無
カウンターは手動セット・減算式 重量は450g(実測)
828フィルムを使用するPONY828の翌年に発売されました。販売期間は828モデルの方が長かったようです。軍艦部も含めベークライト製ボディに貼革風の表面仕上げですが、シャーシ内部は金属製です。鏡胴はローライ35のような動きで、約12mm沈胴した状態はグラグラですが、展張した時の手応えはしっかりしています。
レリーズボタンは軍艦部上にあり、巻止め解除は背面。巻き戻しスイッチも背面です。裏蓋は取外し式で、フィルム圧板はピカピカのメッキ仕様です。
子供や初心者向けのカメラと思われますが、そこそこ鮮明に撮れます。このレンズはKODAK35の物と同じなのかなぁ・・名称は違えど51mmF4.5は同スペック。
コダックのレンズに詳しいBrianWallen氏のサイトを見ても良く分かりませんでした。
小西六写真工業1957年発売
専用パトローネ(12枚撮り)を使用する35mmフォールディングカメラ
距離計・露出計無し(59年発売のコニレットIIMは露出計つき)
レンズはコニター50mmF4.5(3群3枚)撮影距離は1m弱〜∞
シャッターはコパル(B・1/25〜1/200)セルフタイマー無し
重量は実測300g 大きさはパールの2/3くらい。 カウンターは手動リセット・順算式 アパーチュアサイズは30×36mm。
フジペットのように子供向けに売られたそうですが、どっこい造りは良いです。前蓋やタスキにもしっかりとした剛性があり、蛇腹も粗末なものではありません。ですが、本体はベークライト製なのでストラップ用の穴や裏蓋留め具付近が破損している個体も見受けられます。
巻止め解除は右手背面のノッチをスライド、これは巻き戻し時も使います。カウンターは巻上パトローネの回転角で進むので巻き太りで間隔が開いていきます
本来は幅は35mmながら12枚撮り無孔フィルムを使用するカメラですが、パトローネに詰め替えしてマスクを入れることで通常の35mmフィルムも使えるように考慮されていたようです。現在はパトローネもマスクもまず見つかりません。
撮りっきりコニカの一部に入っている小型パトローネの大きさがオリジナルの物に近く、カメラ内部を少し削ることで使用が可能になります。が、巻き戻しは出来ません。
多種多様なソビエトカメラ。
一家言お持ちの方が大勢居られるなか、不肖ながら先陣を切らせて頂きます。
ゼニット3M
初期はM39マウントで出発。ほぼプラクチカと同じフランジバックで(微妙に短い)、レンズをマウントアダプタでM42変換してお使いの方も多いでしょう。
それに対しカメラのほうはあまり使う人はいません。
ネットでは素晴らしいサイト「ZENITの系譜と種類」を検索されるととてもよくわかります。
3MはM39マウントゼニットの最終期で随分モダンな外観/操作系になっていますが、
基本的にはスクリューマウントライカコピーのゾルキーにミラーボックスを追加したもので、マウントはライカ同様レンズとの間に何の連動もありません。
私の個体は10月革命50周年記念モデルなのでしょう。1917年10月革命の契機となったアウローラ号と、クレムリンの星、それに何か宇宙ロケットが刻印されています。1957年にはガガーリンの初飛行があるのですが、1967年は検索してもあまり華々しい宇宙開発ニュースを見付けられません。技術的には無人ランデブー/ドッキングとか凄いことをやっていますが。
それはそれとして、3Mは流麗なデザインで、レンズも良く、使って楽しいカメラです。
ミラーが小さいので視野率が低く、初期SLRの常でシャッターを切るとミラーは戻りません。裏蓋が開くのはスクリューライカ基本としてはよくやったと言えましょう。
シャッター系は、ゾルキーそのもの、回転シャッターダイヤルが趣がありますね。
ガバナーを使う低速は、ばっさり省略されています。
また結構バックフォーカスが短いレンズが多く、ミラーに衝突するのは茶飯事、私はシグマSD14のIR/ローパスフィルタをガリッと逝っちゃいました。ご注意を。
レンズの素性は良いものが多く、ビオターコピーといわれるヘリオス-44 58mmf2、フレクトゴンを基にしたといわれるMir-1 37mmf2.8、コンタックス用ゾナーと同じJupiter-11 135mmf4を使っています。
他にも50mmf3.5,85mmf2,180mmf2.8などを見かけます。300/4もチラ見したことあるかも。
左Mir-1 37/2.8,右Jupiter-11 135/4
特に135は素晴らしい写り。ゾナーそのものだから当然か。
58mmf2と37mmf2.8は当時としては優れたスペックと思いますし、開放付近はフレアっぽくてコントラストが低いですが、少し絞るとかなり性能が出ます。


ゾルキー4です。ソビエトカメラでは比較的数少ない1/1000を備えた1眼式のファインダーを持つ距離計機です。
製造番号から見ると1956〜1973の永きに渡って製造された機種です。
宇宙開発で先頭を切っていた国力充実の頃の個体は一般的なソビエトカメラの常識を覆すと思います。
シャッターは一軸回転式で初期は大陸系列、後期は倍数系列で1〜1/1000のレンジを持っています。ただその配列は順は一様では有りませんのでご注意下さい。
シャッター速度目盛は初期はエンゲローブですが、後期はプリントになり、消えてしまう恐れが有ります。
あまり知られていませんが、シャッター目盛基部はシンクロタイミングの変更ダイヤルになっています。
セルフタイマーはスタートスイッチ式です。このタイマーは必ず180度回転させて下さい。途中からだと動作しない事が有ります。
一眼式のファインダーは一般的な形式ですが、巻き戻しノブ基部に強力な視度補正レバーが有り、大変融通の利くファインダーとなっています。距離計は狂い易いと云われていますが、個体差が有る様です。
さて問題の距離計ですが、距離計コロの代わりにクロームメッキの円弧カムが付いています。グリスが切れなければある意味コロよりエラーは少ないかも知れません。非常に軽く動作します。
ボディーは初期はダイキャストに肉厚の塗装、後期は合成皮革貼です、初期の塗装タイプは文字で書くよりも実際に持ってみると大変良い感触です。
ボディー構造はコンタックスやニコンSタイプの裏蓋分離式です。集めのダイキャストでがっしりとして少し重めですが、その分信頼感は十分です。
各部ノブのローレットも大変気を使って加工してあるのが判ります。
操作しづらいシャッタースピード変更さえ克服すれば、さほど使用に問題は感じません。
私のゾルキーにはゾナータイプの1959年製のジュピター8(50mmF2.0)を付けています。白鏡胴から黒鏡胴、ピントノブ付からノブ無し(ピントノブには無限遠ロック機能は有りません。)とバリエーションは様々です。
Lマウントのゾナータイプですが、その描写は大変”普通”に写ります。変な甘さも有りません。拍子抜けする位”普通”です。
ゾルキー4はその後4Kになり高画質になりました。…ウソです。巻き上げがレバー式になりました。
国産機でもそうですが、ノブ式からレバー巻き上げに変わった頃の製品は一種独特な雰囲気を持っています。
1960年頃のゾルキー4からソビエトカメラに入門した方は比較的幸運かも知れません。その後が大変…。


フェドの方が一般的で発展したのかと思っていましたが、正直ゾルキー4がそこまで良いとは知りませんでした。裏蓋分離はいいですね。
スクリューライカの所有経験ありませんので比較も出来ませんが、とびきり安いゾルキー4を見たらこらえきれないかも。
L39ソビエトレンズ、アルミ地J12とJ11が手元にあるので、悩ましいです。
でもこの辺のカメラは標準50mmがもっとも使いやすく、交換レンズは色々と不便を強いられますので、J8を我慢したら、我慢できるのかな(笑


ボディ基礎はRFコンタックスそのもの。
その上に、採光式ブライトフレームファインダーと単独露出計を違法増築したような構成。
巻き上げはレバー、巻き戻しクランクはギアで横向きに設置された。
ただ巻き戻し解除は底のボタンを押し続ける形式。
バージョンによりブライトフレームは50mm単独と50,85両方が表示されたものがある。また視野全体で35mmを使える。
マウントはコンタックス外バヨネットのみ、標準50mmはこれ専用の外バヨネット仕様のJupiter-8 50mmf2、または後にHelios94 50mmf1.8が適合し、従来の内爪バヨネットは装着出来ない。さらにJ-8には外観に2バージョンある。
交換レンズは外バヨネットのものが使えるが、ソビエト製の初期、例えばZK(ゾナークラスノゴルスク)BK(ビオゴンクラスノゴルスク)など、または50年代のアルミ地レンズとマウント基部が接触して塗装を傷つけることがあり注意が必要。(これらは黒Contaxも傷つける)
70年代以降の黒塗装レンズなら問題なく装着できる。
またドイツ製コンタックスレンズも装着に問題ない。


レバー操作を後付けしたので、巻き上げは大変ぎこちないもの。
でも確かに速写性は増しました。
ライカMには全く及びませんし、見え味ではニコンS3やキヤノンPにも負けますが、使い勝手は同じようなものです。
交換レンズのジュピター12 35/2.8やジュピター9 85/2を付けてスナップすると、一眼式RFのありがたみが実感できます。
標準ジュピター8も、無限ロックがなくなり、ヘリコイドを直接操作する感触は好ましいものです。
夜景はすべて開放、1/30で撮影、コマ収差はあるものの、焦点があった部分は周辺までとてもよく質感が再現されています。
上ジュピター8、下ジュピター9


軽微な糸巻型の歪曲が有りますね。
ポジで撮るとなにせ60年近く前のレンズです。発色は地味ですね。それに私のレンズは少し片ボケ気味です。
キエフ4のジュピターもそうでしたが、もろ手を挙げて称賛するモノではないと思います。
現在のレンズと比較すれば欠点が多いレンズ。清濁飲み込んで使うレンズです。


コロコロと愛らし外見と、そのコンパクトなところが大変お気に入りです。
・非常にコンパクト、OM-2と並べたらちょっとペンタカバーがOMよりも背が高かった。
・ファインダー像が大きい、接眼部の光学系のおかげかもしれませんが、接眼部までの経路が短いから?
・ペンタプリズムは小さい、分解してみると驚きますが、無理して突っ込んだせいでしょうか
こんなに小さくていいのだろか?
・遮光不足が有ります。
ミラーが跳ね上がった状態でも、アイピース側からの逆入光が閉じたミラーの隙間から漏れます。
隙間に薄いモルトを貼り付けて対処しました。
・個体差ですが、私の愛用している1号機では、フィルムの巻き上げが渋いのか
巻き上げ時にフィルムを千切ってしまいます。
ポジフィルムなら問題有りませんので、カラーリバーサル専用機に成っています。
ネガとポジではフィルムベースの素材が違うと何かで読んだ気がします。
確かネガがセルロール・・・??系 ポジはPET樹脂だったか・・・(うる覚え)
ちなみにM39のZENITシステムは、アダプター経由でレンズを使われる方はいらっしゃるでしょうが
ボディ側を積極的に使われている方はいらっしゃるでしょうか?
私の場合はボディ側を積極的に使っております。
むしろ、35mmSLRでは、ZENIT Cしか使っていません。
その代り恒例の改造が施されております。
・M42マウント化
ジャンクのペンタックスからマウントを移植しました。
これでレンズの選択肢は大幅に増えます。
ただし、M42レンズを殆ど持ち合わせて居ない為、コシナULTRON 40mm を付けっぱなしです。
・スクリーン交換
オリジナルは、ペンタプリズムの下にごついコンデンサーレンズが配置されています。
コンデンサーレンズの下面が磨りガラスと成っております。
その為か、ファインダー像がタル型に歪みます。
磨りガラスも結構汚れていたりすると像面が黒ずんで気になります。
ところがこのコンダンサーレンズは、中々取り外せなくて難儀しました。
最終的にはFM3-Aの全面マットスクリーンをカットして移植しました。
明るくて、ピントの山も非常に判り易く良いスクリーンです。(安いし)
尚、写真の右側がM42改造機です。
この写真ではM42 Flektogon 35mmが付いております。


ZENIT Cの画像を拝見して、巻き上げノブとレリーズボタンの位置やその意匠周りはゾルキー4と共通品の様ですね。
ちょうど製造時期が重なっているので、今まで気付かなかった事が判りました。


Zenit-3mのサイズは、当時は小型だったでしょうが今となっては常識的なもので面白みはありません。
ZenitCはゾルキーサイズ、ペンタプリズム装備の一眼レフとしては驚異的で、魅力的です。
どうせ操作性は、レバー巻きと裏蓋以外は3mと変わらないし。
M39レンズが手元にあるので購入の敷居が低くなりますが、CにはHeliosよりもIndustarのほうがきっと似合いますね。


なるほど、共通に使われているパーツ類など研究課題として面白そうですね。
手持ちのIndustarは残念ながらコンディションが今一で薄ぼんやりした画像となってしまっております。


Jupiter-11なども含めて外装はメカメカしくてうっとりします。
解放付近でのグルグルボケも面白いのですがF5.6位からはぐっと画質が改善されます。
ヤシコンPlanar 85mm F1.4と撮り比べた事がありますが、敵わないのは仕方がないとしても
決して負けてはいない写りでした。
中にはどちらで撮ったか判らなくなった絵も有りました。
Helios 40はシグマSAマウントに改造してありますが
ビスを外せばすぐにM39に復帰可能Sにしております。
フェド、ゾルキー、(ドリューグやレニングラードもそうでしょうが)などソビエトM39カメラの距離計は、基準焦点距離がライカの51.6mmではなくコンタックスRFの52.0mmに合っているのではないか?
ソビエトL39レンズ、ジュピター9 2/8,5cm黒(KMZ, 確か79年頃製造)をライツミノルタCLに付けて演劇撮影をしていたとき、最短近くでは後ピンになるのに気付き、もっと基線長が長いM3で確認、さらに後日友人のRD-1で再確認しました。
最近買い直したアルミ58年KMZも同傾向でした。
コンタックスマウントのJ9ではコンタックス(キエフ)ボディで最短まで精度良く連動します。
またL39のJupiter-3 1,5/5cmをテストしたときも最短で後ピンだったので、ソビエトレンズはコンタックスマウントの基準焦点距離をそのままに製作され、ダブルヘリコイドでそれを吸収していないのではないかと想像しています。
そうすると、逆にM39カメラはコンタックスの基準焦点距離ではないかと思われ、ライツL39レンズを付けると前ピンになるのでは?
フェドやゾルキーを所持したことが無く、わかりません。
さて、L39カメラで最も汎用性が高そうで、価格こなれているキヤノン7。
露出計が動かなければ数野口さんで買えてしまうのが吃驚です。
初めてソビエトレンズを付けてみました。
Jupiter-11 4/13,5(KOMZ:カザン,71年)はねじ込みが非常に渋い。マウントはアルミなので削りそうで怖い。
Jupiter-9 2/8,5cm(KMZ: クラスノゴルスク,58年)も渋いけど、削れるほどではない。
Jupiter-12 2,8/3,5cm(LZOS:リュトカリノ,59年)はキヤノン純正なみにスムーズ。
何れのレンズもライツLMアダプタにはスムーズにネジ込まれますので、ライカ規格にはちゃんと合っていると思います。
逆にライツL39レンズをキヤノン7にネジ込むのもスムーズです。
ライカスクリューマウントはインチ規格ですが、キヤノンはメートル規格だそうで、極めて微妙な差があって、ソ連レンズの一部はキヤノンにはきついのかなと。


51.6mmならINF〜1m 約2.80mm
52.0mmならINF〜1m 約2.86mm
52.3mmならINF〜1m 約2.88mm
もしくはキャノンの50mmとJupiter-3 5cmでINF〜1mの操出量で比較できるかも知れません。本来なら同じ量のはずです。


標準系はコンタックスマウントInduster-28と、キエフ5のJ-8しかないので...


なんてのも楽しいです。
まだまだ謎の尽きないソビエトカメラです。




中央のヘリオスはソ連製で2種類だけのMマウントレンズの1つです。
もう一つはKaleinar-5N 100 mm f/2.8で、こちらは購入機会を逃してしまいました。
母体になるカメラはどうも存在しないらしく、西側Mマウントカメラ用との話ですが、焦点距離の選択が解せません。
画像にみてとれるように、モデルになったのはCL用ではなくCLE用ですね。
FEDには6TTLというM39モデルがあり、CLと同様の腕木露出計を備えています。
絶対Jupiter-12は装着出来ないでしょう。
Mマウントではないので母ボディではありませんが、その延長で試作されていたかも?と勘ぐっています。


どんな感じですか?興味津々です。
かなり寒色系と聞いた事が有りますがいかがでしょうか。


流石ですね。ご存じとは!以前某SNSで話題を振ったときは誰一人食い付きませんでした。
ソ連崩壊直後にご縁があり当家にお輿入れしましたが、当初私も何か全くわかりませんでした。
オリジナルではフランジバックがライカMより短く、あっと驚く前ピンでした。幸いシムを挟んで調整できましたが、M-Rokkorに較べて間延びしているのはシムの厚みのためです。
どうも増加試作の域を出ていない製品のようで、これで画質を云々できないのですが、取り敢えず非常に過剰補正気味で開放はふわふわですが、解像力は周辺までしっかりしていてM-RokKor40に劣りません。
ただ内面反射なのかコントラストが低く、逆光では画面全体にグレアが乗ります。同条件でM-Rokkorは大きなゴーストがでますので、ちょっと厳しすぎたかなとも。
確かにM-Rokkorよりも青いようですが軽微です。
試作に近いと感じるのは、シリアルがソ連レンズ共通の頭2桁が製作年号ではなく通し番号、フィルタースレッドが刻んでいない、レンズマウント後部がアルミ無垢で全く反射防止処理されていない、という点です。
マウント後部は反射が酷すぎるので、気が引けますがテテナル黒艶消しで処理してちょっとコントラストが改善しました。が、五十歩百歩です。
CL用のような傾斜カムでなく、ちゃんとダブルヘリコイド平面カムで、フォーカシングノブやレンズ先端の形状も含め、CLE用を手本にしているのは明らかです。
それでは、CLE専用のサードパーティレンズとして出す気だったのか、じゃあ100mmはフレーム出ないし、だいたいそんなニッチな製品誰が買うんだ?という感じですね。専用ボディの計画がないとは考えにくいです。


何台かのレンジファインダーキャノンのメンテが終わって帰ってきたので、ライカも含めてジュピター8を装着してみました。
・軽く入るもの1台。(勿論ゾルキー4)
・ちょっと引っかかるがなんとか危なげなく入るものが2台
・ちょっとやめといた方が良いのが2台
でした。
マウントの方もそれなりにヤレているので、コンディションとしてはバラつきが有ります。どちらかといえばルーズフィットなはずです。
なんとか入るものは途中までは比較的簡単に入るので、思うにネジピッチが少し違う感じがします。


マウントはアルミより真鍮の方が怖さが少ないのですけども...


Lマウント、フルコート、近接70mm、真鍮鏡胴。
ゼニットが製造、ロモが販売。
同じ組み合わせで、ルサールも復刻しているようです。
ルサール74800円、ジュピター69800円、びっくりします。
オリジナルより、Lマウントとの相性は良いと思いますが。
復刻版が出ると、セコは価格が下がるはず。いえ、復刻版が、びっくりする価格なので、逆に値上がり?本家ゾナーのセコ並みに。いっそ本家ゾナーの復刻版でないかなあ。
それにしても、今頃こんなレンズ売れているのかなあ?


リーフシャッターSLR
標準レンズ:ヴェガ−3 50mmf2.8 フィルター径40.5 最短0.9m
シャッター:1/500ー1秒、自動絞り、シャッターレリーズでブラックアウト、巻き上げで復帰。
巻き上げレバー1作動,巻き戻しクランク横向き。カウンター順算自動復帰。
セレン露出計にシャッター、絞りとも連動します(私の個体は連動指針が動きませんが)
ベッサマチックのコピーと言われています。多分本家より大きい。
マウントはシンクロコンパーインターチェンジャブルと同じ寸法で、0.3mmだけ長いフランジバックのゼニット4マウント?
交換レンズは、ズーマーのコピーと言われるRubin-1 38-80/2.8という驚くスペックのズーム、それ一本だけです。
重い、操作も重い、50mmf2.8のために何故こんなでかい重いカメラを使わないといけないのか...
交換出来るのにレンズの種類が少ない。
レチナやベッサマチックのレンズが流用できればまた変わってくるのでしょうが、変なところで規格を変えて放置...
優秀な(?)フォーカルプレーンゼニットがあるのにどうしてレンズシャッター...
このカメラが欲しくて買ったわけじゃなく、欲しい機材についてきたのですが,奇跡的に動作していたので使い始めました。自虐的に楽しいですね。


フェドは、1932年、戦災孤児のための職業訓練校で作られた。ライカUを分解、ほぼフルコピーした物(量産化してフェドTとなる)
フェドTには、a〜gのタイプがある。
a。No31〜6000、34〜35年。軍艦部キリル文字、アクセサリーシューが無い。
b。6000〜55000、35〜37年。アクセサリーシューが付く。
c。55000〜125000、37〜39年。キリル文字表示が違う。
d。125000〜174000、39〜41年。ドイツの進行に伴い、フェドはKMZに疎開。42〜45年の物は、疎開先で生産。
e。174000〜180000、46年。此れも、KMZ製。
f。201800〜400000、49〜53年。戦後の物。楕円形のフェドマーク。
g。400000〜800000、53〜55年。フェドT最終品。
フェドT。ライカUのフルコピー。違いは、ファインダー窓が角(ライカは流窓)連動ピンが楔形(ライカは丸形コロ)
フラジンがライカより短い。と言うより、個体合わせ。レンズ、外れるが交換はできない(ピッチも少し違う、この辺、手作り感)
e型の途中から、ライカに合わせる。
レンズ。Fed表示。エルマーのコピー。ソビエト製光学ガラス(フラジンが短いのは、光学ガラスの差?)
インダスター10。KMZ時代の物。ツアイスから接収した光学ガラスを使った、エルマーコピー。途中からライカのフラジン(L39)
インダスター22。此方はテッサーコピー。基本ゾルキーT用であるが、L39に統一したフェドにも使える。
ゾルキー。フェドeの頃、疎開先のKMZで、KMZの職人が、フェド技術者の指導で作り上げたのが、フェドゾルキー。ほぼフェドe。
個体合わせの物と、後期型は、L39の両方ある。
ゾルキーT。49〜56年。フェドTのコピーであるが、本体をダイキャスト化。フラジンも統一して、L39 になる。
量産化を目指したもであるが、初期の物は、不慣れの為、組上げが悪い。
ゾルキーU。54〜56年。ゾルキーTにセルフタイマーと、アイトレットを組み込んだ物。
54年以降のゾルキーは、生産が安定。組み上げも良い。
私の個体。9万代のフェドTc。ソビエト時代にOH。フーカル幕、張革交換されている。OHしてないライカUと比べても作動感、写り共問題ない。因みに、エルマー付きライカUより、50g程重い。
雑誌に、Vfよりシャッター音、振動が大きいとあったが、此れは、ダンパーが違うので当然。本来Uと比較すべきもの。
偽ライカ。金色、ハーケンクロイツ。これらは、フェド、ゾルキーの加工品。偽造段階でばらしているので、撮影は?
戦前のフェド本体、レンズ、戦後のゾルキー、インダスターレンズが、アトランダムに組み合わされている。
此れは、偽造品でなくてもおなじ。フェド、ゾルキー。ピントが来ないと言われるのも、レンズと本体の混用。作動感が悪いと言われるのは、初期のゾルキーのせい。
ノブが大型のフェドシベリア。レッドスター表示。此れも多分ソビエト崩壊時の改造品。
レッドフラッグ。48年、200000〜201800。此れは本物。フェドの限定品。この中に、将軍様のフェドと呼ばれるものが有る。
フェドをダイキャスト化。キエフマウントにして、キエフレンズを付けた物。但し、中マウントのみで、レンズ交換はできない。
今回のレポート。少し長いが、過去に他のサイトに掲示したダイジェスト版です。


私も、4、4K持っているので、レポートします。
最初手に入れたのは78年の4Kです。次が67年の4です。
ゾルキー4系の生産年代。個体Noの最初の2桁、生産年です。
4Kは、インダスター50付、4はジュピター3付でした。
別にゾルキー用のターレットファインダー持っているので、ジュピター9、12使います。
ターレットファインダー。本来キエフ用ですが、ゾルキー用はキエフ用とは傾きが逆です。28、35、50、85、135mm用です。
最初の4K。シャッター幕が一部簾に成り、光漏れ。
修理するより、買い替えた方が。でもって4手に入れました。
4は軍艦部に、ソビエト共産党50年記念の鎌トンカチが。
フェド1、ゾルキー1の記念品。将軍様のフェドと、一部のフェドシベリアを除いて、ほぼ後代のねつ造品。
フェドシベリア。実物が有った様だが、外部部品だけの改造なので、現存している物は、ほぼねつ造品。
それに比べ、ゾルキー4には記念品が多い。加えて、製造年が明確なので、ほぼ本物。
4はキリル文字、4Kはアルファベット表記です。
どちらも印刷。特にシャッター速度表示も同様。共に低速部が消えています。
作動感は共に少し重いですが、問題ありません。但しシャッターの音、衝撃は大きい。
ゾルキー1と同じシャッターに1000s付けた感じ。ショックが大きい。
ライカの場合、Vから、ダンパーを付けているが、ゾルキーには無い。
シャッター幕が簾に成ったのも、これが原因?テンションが強すぎるのかも?
バルナックライカ系とは言え、キエフ(コンタックス)同様、裏蓋が外れる、フイルム装填は、ライカより簡単(切り込みが必要ない)
加えて、シャッター幕が出てくる。簾に成った4K。シャッター幕に、黒のコーキングと、フッ素系の黒塗装。
取り合えず、光漏れも収まった(多分1000sは出なくなった)
4と4K。裏蓋交換しても、使用可能。多分巻き上げレバーも交換可能?
この時期のゾルキー。一番良く出来ている、ロシアンバルナックだと思う。
ロシアンバルナック使用の留意点。フェドも、ゾルキーも距離連動部分が三角錐。レンズ側が、全周連動型の物は使用可能。
キャノンの望遠レンズ等、連動部が、一部切込み型は、使用不可。
無理に捻じ込むと、外れなくなる。


私の個体。79年製。ソビエト崩壊後、ウクライナ内戦時代の物。
一応新品。箱一式付、ミント状態。但し、売れ残りの2台。1つはシャッターの動きが悪い。もう1つは、レンズヘリコイドと、巻き上げにがた。
フェドの保証書は有るが、販売店の保証無し5000円。ロシアンルーレット状態。
私が手にしたのは、がたがある方。新品ではあるが、ばらしてみた。
すると、ヘリコイド、巻き上げギアに、金属の削り粕。
何という状態でしょう。国が乱れると、こんなことになる。
一度清掃して注油しなおした。此れで動きもスムーズになった。
5Bは、ゾルキー4Kとほぼ同じ。裏蓋は、キエフと同じように外れる。巻き上げはレバー、巻き戻しはクランク。巻き戻しは、レバーではなく、シャッターボタンの外周を押し下げる。
視度調節できるが、ゾルキー4と異なり、接眼部の周囲を回す。
サイズはゾルキー4とほぼ同じ。高さが、ゾルキーより高い。
シャッターは500s迄。ほぼフェド1と同じ。ゾルキー4の様に、1000sはない。ホットシュー付。
シャッターダイアルは、ゾルキー4同様、重く硬い。音、ショックも大きい。
この辺り、戦前のフェド1の方がスムーズ。音は、フェド1、ゾルキー4
より、こもった音。
質感で言うと、フェドT=ゾルキー4>ゾルキー4K>フェド5=ゾルキー6。
裏蓋、ゾルキー4と同じサイズ、構造だが、交換はできない。
レンズ。55mmF2,8、黒鏡胴のインダスター61。着脱とピント、ヘリコイドが一体となっている。
このレンズ。安物の割には、素晴らしい。いかにもインダスター、いやテッサーと言う感じ。
お安く、普通にロシアカメラ、レンズ使ってみるなら、フェド5、ゾルキー6とインダスター50、61の組み合わせ、お勧めです。
フェド5、セレン露出計付。フェド5C、視度調節装置無し。


偶発的に始めましたのでちょっと低レベルなので、自分でこんな感じかと思っていたのですが何かのご参考になればと思います。
・インダスター50-2 50mm F3.5はパンケーキタイプのM42レンズで、テッサータイプと云われています。黒鏡胴のかわいらしい外観のレンズです。
開放では周辺減光が気になりますが、これは使用したα7の特性も有りますので、フィルムではもう少し良化します。
F8では解像感は十分な性能になりますが、ヌケはちょっと悪い感じでした。
・ジュピター8 50mm F2.0 使用したのはLマウントのレンズです。アルミの透明アルマイト仕上げで、これはこれで美しいレンズです。
定評通りに良く写るレンズです。私のものは少し偏芯気味ですが、周辺部はちょっとアヤシイ感じですが、個体差レベルとも思います。テッサーと比較すると僅かにコントラストが低めでした。
・テッサー 50mm F2.8 これはエクサ用のエキザクタマウントの50mmで、とても小さなコロッとしたレンズです。比較用に持って行きました。
さすがに開放では若干コントラストが低めですが、F8では素晴らしい描写です。最新のレンズの中に入れても判らない位だと思います(もっとも最新のレンズは持っておりませんが。…)
インダスターもジュピターも現在の高感度フィルムやセンサーでは、特殊な場合以外は絞り込んで使う場面が多いと思いますが、夕暮れ時の儚げな雰囲気なら開放で!が楽しめるレンズだと思います。


でも焦点は開放で合わせる方がいいと思います。焦点移動は否定しませんが。
f8〜11では素晴らしいとしか言えません。
フィルムでも、Iso800を入れて絞り込んだら普段からいい感じで使えるかもしれません。
ソビエトレンズはかつての高級構成でも安価なのが利点で、確かにSonnar50/2同一構成は高級品に違いありませんが信じられない価格です。
フィルムなら見えない瑕疵がデジタルで見えてしまうのは不幸かも。
私が物心ついた頃は、テッサーは安物二級品のイメージでした。
それはプラクチカLTLあたりの東独ボディと組合わさった風評でもありました。
その後中古中判を主力にし出して、高級品としてのテッサーも経験しました。
虚心坦懐で実製品に触れ、今は純粋に楽しむ気持ちになれました。


硬さ、柔らかさ、ささくれ、弱光の弱さ、それも好きな点です。
現代のレンズの精密さは有りません。デジタル化すると粗が目立つ。然し、そこが好きなんです。
私、戦前のイコンタ使うと、戦前の奈良が撮れると思っています。
残念ながら、イコンタにはゾナー付きが有りません。
RFコンタックス、私にとって、これは?です。私、RFは基本ライカ、キャノンなので。
そうだソビエト玉があった。インダスター、ジュピター共、L39がある。
光学ガラス、精度には差が有る。でもほぼテッサー、ゾナーのコピー。コストを考えれば素晴らしい。
但し、ロシアンルーレットの世界。個体差がある。
私的には、インダスター22、61。ジュピター3、9、加えて戦前フェドTのフェド3,5(厳密にはL39ではない、エルマーコピー)が好きです。


良く背景がグルグル回るレンズと云われますが、意外にこの回転を作るのは難しいです。
元々が暗いレンズなので、ビネッティングも非点収差も少し絞れば良化します。開放と背景を選ぶ必要が有ります。
画像は開放で、中心部までは2mくらいです。


1962年から1964年までMMZ-BelOMOが若年層向け製造したシンプルなコンパクトカメラです。機種名の「Весна」(ロシア語で春の意)は英語では「VESNA」と表記されるようです。
レンズは40mmF4.5のトリプレットT-22で、シャッターはB・1/8から1/250の6速です。巻上とシャッターチャージが別なのはスメナシリーズでおなじみですね。
ごく初期のスメナと同様に巻き戻し機能は無く、逆向きのパトローネ巻き取って行く方式です。本体はレンズとシャッター部分を除きとても少ない部品点数で構成されていますが、二重写し防止機能を単純な仕組みで実現していて良く考えられているなと感心します。
このカメラの特異な点は、撮影フォーマットにニホン判と同じ24mm×32mmを採用している点です。そのためフィルムカウンターは40枚分以上あります。
撮影枚数の増加を狙ったと思われるこのフォーマットですが定着しなかったようで、ほぼ同仕様のヴェスナ2を最後に1966年でシリーズは終了しています。
全く知らないカメラです。
普及仕様の単純カメラのようですが、シャッター速度も豊富で重要な機能はちゃんとしていますし、デザインもこじゃれています。形状的にはコダックシグネットと似てるなと感じましたが、他人の空似でしょうね。
写りも期待できそうですね。
ライカ版の横長は無駄と考える方は世界共通で、英国のWrayflex Iや、Minolta 35なども採用してますが、デファクトスタンダードの壁で、米国輸出で挫折している。
ソ連には自動マウンターがあったとは考えにくいのですが、どこも挫折しているとは興味深いです。
個人的には、A4ネガケースへの収まりが問題に感じています。
ダブルマガジン方式も、長続きしないですね。巻き戻し不要の優れたシステムだとおもうんですが...
RFのコンタックスなど、巻き戻し可能ではありますが操作性が苦痛で、ダブルマガジン前提の設計だろうなと思ってしまいます。イタリアのガンマなんか巻き戻しもできません。でも今となっては、適切な巻き取り側のマガジンが入手難なのです。
大変造詣が深くていらっしゃいます。ご投稿を楽しみにしています。


レンズ交換式カメラは嵌まる沼の深さを恐れて手を出せません。ですので、私のコレクションの殆どはレンズ固定式カメラなんです。
ヴェスナを投稿したのはちょいと箸休めに御覧いただければ、と思った次第でして・・。
ご批判覚悟での投稿でしたが、これからも時々お邪魔させていただきます。
FED MICRON 1968年発売 Helios-89 30mmF1.9 B・1/30〜1/800プログラムシャッター
コニカEYE 1964年発売 HEXANON 30mmF1.9 B・1/30〜1/800プログラムシャッター
FED MICRONはコニカEYEをコピーして生まれたウクライナFED製のハーフフレームカメラです。
どちらもセレン電池による自動露出の目測カメラ。外観はあまり似ていませんが、このMICRONは後期型で初期型はもう少し丸みを帯びた軍艦部を持ち、EYEと似ていたようです。
低輝度時に赤ベロが出てシャッターロックが掛かるのも一緒。ファインダー内のゾーンフォーカス/速度表示も同じ(写真をご覧ください)内部構造もネジやアーム位置に至るまでほぼ完璧にコピーされています。裏蓋開閉ボタンも同じ位置にありますが、MICRONは裏蓋ごと外れる仕様です。フィルム感度設定ダイアルはGOST(16〜180)表示のみ。
私の所へやって来たこの2台、どちらもヘリコイドグリスの浸潤で絞り兼用シャッター羽が動かなかったのも偶然とは言えないかも?知れません。
写りは同じソ連のAGAT18Kにも似てカッチリとしていて、コントラストも(逆光でない限りは)良好。中心部の解像感はEYEの方に分があるようにに見えますが、ハーフとしては十分なものだと思います。
FED MICRONは1985年まで販売され、後継のMICRON2(発売は1978年)ではハーフからフルフレームに変更されて1987年で名称は終了しました。その後はコニカC35の大きさに寄せたFED35・FED50に進化して行きました。
1964年発売(1978年まで販売)レンズ固定式・距離計連動・セレン電池による自動露出カメラ
レンズはIndustar63 45mmF2.8(3群4枚)最短撮影距離1.5m
シャッターはセレン電池連動プログラムシャッターでB・1/30〜1/250
フィルム感度設定はASA20〜320 GOST表示はありません
重量は670g カウンターは自動リセット・減算式 露出計の指針はファインダー内に投影されます。
本機は1961年発売のリコーマチック35(輸出専用)のコピーです。後ろの写真はレンジファインダーを省いて国内販売されたリコーオート35Vです。全体的なデザインやレリーズレバーの位置、底面に設けたは前方にスィングする巻上レバーなどが同じですが、分解はしていませんので内部がどの程度コピーされているかは不明です。見た目と持った時の高級感はZORKI10が断然上です。
1965年のライプツィヒ世界博覧会のカメラ部門で金賞を受賞したとのことですが、ZORKI10のデザイナーは複雑な気持ちだったのではないでしょうか。
ZORKIと言えばライカコピー機から始まり、独自の進化を遂げたレンジファインダーシリーズですが、最終形態はこんなになってしまいました。ZORKI6までのL39レンズ交換式メカニカル機を知る世代にはさぞかし不評だったのではないでしょうか。ただ簡単に良く写る、という面では進化したと言えるのかも知れませんね。
ZORKI11は10からレンジファインダーを省いた廉価版、ZORKI12は10のイメージでデザインされたAGFAラピッドカセットフィルムを使用するハーフフレームカメラでした。
本機は自動露出カメラとしては大型かつ堅牢、アイレットを持たないツルリとした厚いメッキを施されたボディはグリップし辛いです。ただ距離は寄れないものの写りは良く、不思議な魅力があります。
1971年発売
Agat-18KでおなじみベラルーシのMMZ-BeLOMOが発売した35mmハーフフレームカメラ。非連動の針合わせ式露出計搭載機。
レンズはIndustar-69で28mmF2.8(3群4枚)撮影距離は0.8m〜∞
シャッターは1/30〜1/250secの4速でBは無しフィルム感度はGOSTのみで16〜500
ファインダーにブライトフレームあり 重量はやや重く450g
レリーズボタンは前板にあり、手前に押し込むような形状。
レンズの絞りダイヤルは鏡胴先端にあり、SSの切替はトップカバーの露出計計算板と同軸に設置されています。
巻上げレバー巻き戻しノブは底面にあり、出来れば吊り下げて使いたいところ。ストラップ穴はAgat18のように三脚座兼用。巻き上げレバーとフィルムカウンターは底面にあり、カウンターは自動リセット・順算式。
初代のChaikaは1965年、ChaikaIIが1967年、Chaika3が1971年、Chaika2Mは1972年に発売されました。3のみ非連動露出計搭載でシャッター速度にBがありません。
II以降は何故かレンズ鏡胴が39mmネジのマウントで取付けられていますが、交換レンズも無くフランジバックが他のカメラに共通することもありませんでした。
Chaikaシリーズ4機種の累計販売台数は200万台以上と言われています。
写りはロシアレンズらしく繊細に良く写りますが、ボディが数字以上に重く感じ、他のハーフカメラと比べ持ち出す機会は少ないです。
コニカアイ、アイ2は手元にあり、しばらく撮影しましたが、少々放置していたらやはりシャッター粘りが出てきて整備するまでは使えない状態になっています。
ミクロンは入手機会があったものの、コニカアイがそういうことになった上に、材質的に懸念を感じて手を出しませんでした.今となったら買っておけばよかったかも。
フェドは、ステレオカメラを買って、半年くらいで不動になってしまい、これもソ連の電気カメラはなあ..とその後の購入意欲に悪影響を及ぼしてしまいました。
リコーは欧州の認知度がなかったのでしょうね...
チャイカは2を持っていますが早々にシャッターがスタックしてしまいました。
機械仕掛けなので直せる方は直せるんでしょうけども...
28mmレンズはM39マウントで脱着できるのが有名ですね。
ライカよりフランジバックが短いので、知人は、中間リングを加工して、インダスター50mmをつけて望遠にしておりました。
これがなぜM39で分離できるのか色々説を聞きましたが、ある方はハーフサイズの引き伸ばしに使えるとおっしゃり、他にはハーフ用交換レンズが用意される予定だったとも。
真相はいかに...


おはようございます。れんずまにあ様の守備範囲の広さは凄いですねぇ!
35mmハーフから大判まで、造詣の深さに驚かされるばかりです。
旧ソ連・東欧のカメラは期待して撮るとダメ、期待していない時にビックリするほどキレイに撮れるという謎の機能が隠れているようです(動けば、ですが)。そこがまた好きなのです、
GOMZ-LOMO 1966年発売
SS優先オート・マニュアル両用の連動距離計搭載35mmカメラ。
レンズはIndustar70 50mmF2.8(3群4枚) 撮影距離0.8m〜∞
シャッターは(ソ連製)「コパルマジック」タイプFZ14で B・1/30〜1/500 セルフタイマー無し フィルム感度ASA20〜320
重量は実測780g パララクス自動補正有り カウンターは底面で自動リセット・順算式。オート機能にはH-Dボタン電池1ケ使用。
※本機はシリアルナンバーから1977年製
1962年に日本でフジカ35オートMに搭載されていたコパルマジックシャッターの技術が旧ソ連に輸出されて誕生したカメラです。SOKOLは1966年から1978年まで販売され、輸出を含めると40万台以上生産されたようです。
ソ連では高級カメラとして販売され、一眼レフよりも高価だったため国内ではそれほど売れなかったようです。
「コパルマジック」は日本国内では1機種にしか搭載されず、ソ連の技術使節団とコパルとの契約により1964年技術輸出されました。
SOKOLに搭載するにあたり、フジカがセレン電池使用だったのに対し、H-Dボタン電池に変更(オート機能制御露出計用)フジカには無かったファインダー内のSS・絞り数値を表示する機能がカメラ内部に付加されました。
使用感はボディがガッチリとしていて重量もほどほど、コパルマジックも健在でとても良いです。写りもシャープで信頼がおけます。
※フジカ35オートMについては35mm固定鏡胴カメラのスレッドに投稿しました。
こんなカメラがあったとは。マーケティングなんてしてないんでしょうね。でもすごい。
FEDー6TTLや、ゼニット4で驚いている場合ではありません。
日本では、機能は凄くても、大きく重く、レンズが暗い(おまけにフジカ)と高級機と認めてくれないんでようね。
ソビエトでは気にしないんでしょうか。
カメラの話じゃないですが、ゾコルというのは昔読んだWWIもので、ロシアの旧式大砲の名前だったかと。それを鹵獲した帝政ドイツがA7Vという戦車に積んだ..ような記憶。
調べると、鷹の意味でいろんな製品に使われてますね。
余談です。


「コパル マジック」シャッターを搭載したSOKOL AUTOMATとFIJICA35 AUTO-Mですが、ここにひとつ疑問が。
この2台のカメラが構造的にそっくりさんだということ。
2台の外観上の相違点は
・デザインがSOKOLは直線基調、FUJICAはやや曲線が多い
・受光素子の位置 SOKOLは鏡胴のCDS、FUJICAは前面のセレン電池
・レリーズの位置 SOKOLは前面、FUJICAは天板、ただしSOKOLは天板にケーブルレリーズ用の穴がある
・巻上位置 SOKOLは背面、FUJICAは底面
・天板のダイヤル SOKOLは電池蓋兼フィルムメモ FUJICAは露出補正兼フィルム感度設定
くらいですが、フィルムカウンターの位置、巻き戻しクランクの位置、距離計の位置と間隔(約70mm)、フラッシュ端子の位置など、FIJICA35の個性的とも言えるパーツの配置が全く同じです。
旧ソ連のカメラ産業では他国のコピー機種を臆面も無く製造販売するのが当たり前、と思っていましたのでこれは少々不思議です。何故SOKOLは内部構造が似ているにも関わらず外見を大きく変更したのでしょうか?
なにやら長い名前になってしまいましたが、電池が無くても写真を撮る上で支障のない一眼レフと御理解下さい。
基本的に、
・全速機械制御シャッター搭載の一眼レフであること。もちろんコパルスクエアーも可です。
・クイック(インスタント)リターンミラーを持っていること。
・完全自動絞りであること。
・電池は露出計のみに使用されていること。
・レンズの入手が容易なもの。(マウントがM42,エキザクタ、F、FL/FD、SRとペトリぐらいですかね。)
最近ではほぼ価値の無い製品とされて、ジャンク棚に置かれているものも多いですね。なるべく入手に価格的な障害がない、
1万円くらいまでで標準レンズ付きが購入できるものが良いと思います。
具体的には国産で云えば(外国製品は良く知りませんので。)
・ペンタックス S3以降
・オリンパス FTL以降
・キャノン FX以降
・ニコン F以降
・ペトリ ペンタV以降
・ミノルタ SR-3以降(途中から?)
クラスが主になるでしょうか。もちろん他にも ヤシカ、リコー、フジカ、マミヤ等々が有りますが、どうぞ教えて下さい。
いまだTTLになっていない一眼レフで、肩の部分にCdsの受光部を配置したカメラです。
ミノルタの初期一眼レフは、かなり大胆な形状変更を行っても名前を変えないという戦略をとっていました。
従って、前期型と後期型で外観や操作性に変化が有ります。
ファインダーの中には何の情報も有りません。スクリーンにはマイクロプリズムが成形されていますが、
あまりマット面との違和感は有りません。
露出計の指針は軍幹部左側に見えます。感度の切り替えスイッチがエプロン部側面に有ります。
感度の切り替えはCds受光部全面に配置されている絞り板の切り替えで行われます。電気的な回路切り替えが有るかは判りません。
比較的、長目の巻き上げレバーは分割巻き上げも可能です。後のSRTシリーズに付いていたプレビューボタンは有りませんが、
ミラーアップ機構が装着されています。
画像の矢印部が感度切り替えスイッチです。


パール以来のコニカファン。ヘキサノンが使える、1眼レフです。
オートレックスは、65年にコニカが発売した、EE1眼レフ。
機械的に、露出連動しているので、シャッターが深く、重さが変わる。違和感がある。
66年P発売。此方は、オートレックスから、EE系を外した物。
完全マニュアルなので、シャッターの違和感もない。
このシリーズ、もう1つの特徴。フル、ハーフ切り替え。ペンタ横のレバーで切り替えができる。
フル>ハーフ、巻き上げ後。ハーフ>フル、巻き上げ前、何とフイルム途中でもできる。
と言っても、途中切り替えすると、自動焼き付けできない。
基本的に、ライカ版1眼レフ。気が向けばハーフ版1眼レフ。
何せ、ヘキサノンの中心部だけ使ったハーフ。画像は素晴らしい。
多分、最大にして最高のハーフ版カメラ?
ファインダー。オートレックスの方は、ファインダー内にメーター。
Pの方は、メーターが無いすっきりした物。真ん中がマイクロプリズム。左右にハーフ用のライン。
セミ判共用のスーパーイコンタ69のファインダーとほぼ同じ。
サイズはほぼフルサイズ1眼レフ。ニコンFより少し小さい。
ニコマートクラスの対抗品?コニカの仕上げ、作動感は素晴らしい。
シャッターは1000sコパル。ペンFを意識してか、シャッターダイアルは、正面左、レンズの横。
ペンFと同様に、ここに、オプションの露出計が付く。
構造は同じですが、サイズが違うので、オリンパスの物は付かない。
普段RF使っていると、シャッター音と振動にびっくりする。
この点は、ペンFに劣る(当時の普通の1眼レフと同じ)
基本、アクセサリーシューが無い。私の個体はオプション品が付いている。
52mmF1,8付で、ほぼジャンク価格。ハーフ兼用なので、」少し高い。但し、Pの方は、ほぼ珍品。数はない。
別に買った、28、35、85、135の方が、よほど高かった。
基本コニカARマウント。ペンタ、ニコンなどで使えるアダプターが有った様です(私、他の1眼レフ使わないので、持っていませんが)
御祭り、お渡り。250sF8。ヘキサノン35mmF2,8で撮影したものの中央部(ハーフ版撮影、こんな感じ)


1967年発売
ニューSR-1の最高シャッター速度を1/500から1/1000に改良したモデル。
ミノルタのメカニカルシャッターSLRのなかではシンプルで軽量。
シャッター速度に連動する別売露出計が前面にクリップオンされる。
ミラーアップ機構があり、対称型広角SWロッコール21mmf4.5とf4が装着出来る。
初期SRシリーズはこの矢印部分のビス頭がMDレンズの最小絞り検知カプラーに衝突して最小絞りが使えない。
これに対して平頭ビスに交換するサービスが、MDレンズ発売後受付された。
いまとなってはどうしようもないが、標準MD50/1.7ならf22が使えなくなるだけで実用上はさほど支障無いし、MC以前のレンズなら何も問題無い。


シャッター速度の最速は1/500 ボディーのアチコチに意匠的な段差が有ります。
まだ、真鍮叩き出しのボディーエッジは何となくぬるい感じで、それがそこはかとなくレトロ一眼レフ感を醸し出しています。
とはいえ、分割巻き上げ可能なボディーとまっさらなファインダーは距離計機と併用しても然程違和感はないと思います。
SR-1は同じ名称で何種類かのボディーが有ります。そんな処を研究されている方もいらっしゃいます。
露出計はセレンとCdsの2種。実はもう一種類Cdsの外付けファインダーが有りますが、インターフェースが違っていて
このSR-1には装着できません。
露出計が無くても全ての機能(極初期のSR-1は違う様です。)が働きますので、写真を撮る分には不自由しません。
(あッ プレビュー機構は有りませんね。)


ニコンFに遅れること1年、1960年、ヤシカがリリースした一眼レフ、初号機ペンタマチックはクイックリターンミラーとペンタプリズムを装備、レバー巻き上げクランク巻き戻し、裏蓋開閉式と近代一眼レフの条件を満たしている。
ただしシャッターで自動的に絞り込まれるが、ミラー復帰で開放絞りに戻らず巻き上げで開放に戻るセミ自動絞りであった。
1961年、このペンタマチックIIでミラーのクイックリターンに連動し開放絞りに復帰する完全自動絞りに改良された。
専用露出計はなく、見ていないが外部露出計はこの後のペンタマチックSから対応する。
専用バヨネットマウントは大口径でフランジバックが短く、当時のたいていのマウントを流用できるポテンシャルがあったが、M42とExakta用しかアダプタは出なかった。但し不人気機種なのでアクセサリーはほとんど入手できない。
動作は如何にも洗練されておらず、ペンタマチック時代からシャッターは二段落ち(ゆっくり押し込んでいくとまず自動絞りが作動し、間を置いてミラーアップ/シャッター走行する)。IIになって改良されたかと思ったら、同じだった。
また巻き戻しには面白いカラクリがあるが、私は慣れずにフィルムを切ってしまった。
自動絞りを装備したのはよいが、知る限り標準レンズしか自動絞りに対応していない。(初期55mmf1.8、後期58mmf1.7のみ)。
ペンタマチックマウントの35/2.8,100/2.8,250/4を入手し、重厚長大な250はしかたないとして、頻用されるはずの35と100さえも全部プリセットなのに驚愕しました。おそらく135/3.5もそうなのでしょう。
折角自動絞りマウントを採用したにも関わらず、レンズシステム構築まで手が回らなかったのか、不可思議なカメラです。
ペンタマチックSの後、ヤシカSLRはM42自動絞りのペンタJにマウント変更し、同時に電子化、AE化に進んでいきます。


今度こそ。フジカAXマウントです。(これも今は容易とは言えないか?)
M42メカニカルシャッターSLRのST605をAXマウント化した普及機。
特徴はシャッター最高速1/700!
主に海外向けだったそうですが、如何な普及機であっても価格的競合機であるプラクチカLTLの1/500を上回る必要があったのではないかなと。
縦が高いので小型という印象はありませんが、横幅はOM-1やペンタMXより小さいほどの立派な小型軽量機です。
なんと言っても電池機揃いの、しかも4SR44専用のAXシリーズにおいて、何の下準備もなくひっつかんで出撃できるメカニカル機なのが最高です。
M42のフジノンは結構高価になってしまいましたが、AXマウントは不人気なので同じ構成のフジノンを安価に使えます。
フジカAX系はM42自動絞り連動アダプターX-Sがあり、ほぼM42機(絞り込み測光機)と同じ使い勝手になります。
X-Sは単に自動絞りレバーが動作するのみ。測光は絞り込み(AE機で絞り込み実絞りAEになると思いますがやったことない)
参考にX-Dは、AX-5専用で、開放f値をアダプターにセットすることにより瞬間絞り込み測光でM42開放測光シャッター優先AEとプログラムAEが可能になります。ただし今どのシャッター速度で切れているか表示は出ません。
私のSTX-1は露出計故障してますので単独露出計か山勘ですが、X-Sで自動絞りになると快適ですねえ。
でもM42レンズはM42機で使えば良いんですけども....


フジがほとんどなかった事にしたいAXシリーズのマニュアル機ですね。
当時、メーカーがレンズマウントを決める時は、ユーザーの事を考えて長く続けて欲しいと思いました。
最後の頃には、タムロンのアダプトールの使用を推奨していたのには何だかなぁと感じていました。
ST-605シリーズは意外に長い歴史が有って、10年選手なんです。最高速の1/700にかなり拘る方
も多く、1/500にしちゃった方が良いなんていわれていました。
小型で決して悪くは無いのですが、同時期の他社製品と比べて競争力は足りなかったのかもです。…(個人的な感想です。)
>AXマウントは不人気なので同じ構成のフジノンを安価に使えます。
そうなのですが、見つけるのが少々大変かもしれません。標準以外があまり見つかりません。
やはりアダプトールか〜。
フジはかなり早くから標準ズームのセット(当時43-75)を提唱していて、AXシリーズにもXフジノンZDM 43-75mm F3.5-4.5 が用意されていましたね。


・完全自動絞り
・等比等間隔シャッターダイヤル
・フィルムカウンターの自動リセット
・外部露出計の対応
・それに何と言ってもセルフタイマーの装着(家族写真はコレがないと始まりません。)
セルフタイマーは一般的な場所ではなく、御覧の様に巻き戻しクランクの基部にセットリングが有ります。
そのセットリングには誇らしげに”V”(Vorlaufwerk:事前に作動する時計機構)の文字が刻印して有ります。
操作感は前述のミノルタSR系よりも少し巻き上げが重い感じがします。(以前使っていたSPUも同じ感じがしました。)一日中使っていると、少し指が痛くなります。
ファインダーはザラツキが有りますが、当時としては標準的でピントのピークが見易いファインダーです。
高精度とはトレードオフなのですが、マイクロプリズムの稜角がきついのか、少し暗めのレンズを付けると陰り易くなります。
名機SPの陰に隠れてしまって、ジャンクBoxで見かける事も多い機種で、満身創痍になっているものが多く、
逆にキレイな個体を探すのが大変なほどです。
エプロン部の意匠がクラシカルな雰囲気を漂わせていますので、雰囲気を楽しまれるのも良いと思います。
レンズはM42なので色々なモノを選べますが、逆に新しいレンズは探すのが難しく感じます。


この黒はアクセサリーシューとボディがあまり変わらない価格でした(笑
最近はSPでも全く電池を入れませんので、このSVやSLといった露出計非内蔵機に食指が動いてしまいます。
特にSVはSPより少し小柄で(気のせいかもしれませんが)手に馴染み、フラッシュ接写で活躍しています。
しかし外部露出計も時代が二回りほど廻って、格好いいと思えるようになりました。
M42はやはりタクマーが豊富で、特にSMC以後は信頼できる性能です。
オートタクマー時代はSMCと較べて解像力は比肩できるものの逆光耐性が明らかに劣ることをよく経験します。
これは多層膜コーティングだけではなく鏡胴が大型化し懐が深くなったことや、内部の迷光処理が良くなったのだろうと思います。
でもコンパクトなプリセットやセミオートのタクマーも魅力的です。エクサ辺りに付けると似合うのです。
標準は最もポピュラーなSMC55/1.8、大変よく写りますね。世界に誇れたと思いますし、これで十分という気もしますが、トリウムたっぷり豪華な50/1.4も優秀。マクロタクマー50/4も極めてシャープで軽量。スーパータクマー55/2も悪くない。友人に譲渡したゾナー型という58/2は癖がある面白い描写でした。
あとは手元にK3があるけど、シャッター走行不良でお蔵入りしています。スキルが付いたら直してあげたいのだけど...
メカニカル機は死蔵すると調子を崩しますが、酷使しても突然破損するので気が抜けませんね。


フルサイズとハーフの途中切替が出来るので利用範囲が広い。
昔拙宅にもPがありましたが、不調になってしまい、修理技術がある友人に贈与してしまいました。
ARレンズ何本かが宙に浮いたので、Acom-1を充てています。シャッター優先AE機ですが電池無しで機械シャッター機として使っています。
ハーフで使うには望遠側は便利ですが、広角側が物足りなくなり、海外からニコンアダプタを求めました。私は元々マニュアルフォーカスニコンなので。
でもアダプタは普通絞りになってしまうので、AR純正には敵いません。
シャッター優先AEのオートレックスはシャッターストロークが長く、感触も重く私はPの軽く切れがよいシャッターを評価します。
ハーフとしては大きく重いけど、しっかり掴めて撮影結果もよいカメラですね。


コニカの機械式一眼レフでオススメは何でしょう。
ARレンズも程度が良いのに廉価で、使ってみたいとは思うのですが、何が良いのか今一つです。
ナースマン様のオートレックスPは良いお値段なので、出来ればもう少し安く入手出来ればと思います。


AR前のコニカF系マウントは興味深いのですが交換レンズ探しが大変なので当然考えないとして。
オートレックス(Pじゃないほう)は個人的にはシャッター感触が少し気に入りません。かなり重いので覚悟が要ります。
FTAはそのシャッターが少し軽くなりました。ストロークは長いので好き好きです。ボディが重いのは変わりません。
オートレックスT3は常識的なシャッターストロークに改良されています.所持したことがなく,触った記憶が曖昧でなんとも言えませんが.
Acom-1は軽くて安くて私は好きです。チープでスローがが1/8までですが私はスローをほとんど使わないので。
FC-1は電池カメラになってしまいました。
TC-XはAcom-1よりさらに小さく軽くチープ。スペックも同様に1/8まで。この軽さが40mmf1.8や50mmf1.8、後期35-70や28mmによく似合います。
実はFT-1がお勧めと言いたい所ですが電池カメラなので、個人的には軽さ、価格、入手しやすさでAcom-1、次ぎにTC-Xを推します。


本体側P。右のアイトレット部に当たり。へこみ、ゆるみ。ジャンクで1万程(ジャンクにしては高かった)
軍艦部を外し、中からたたき出し、カシメた。序に、注油、掃除。
ヘキサノンレンズ。大阪駅のYカメラ。T3と共にまとめて出ていた物。50mmF1,4と200mm外して購入。1つ1〜2万程。
Pに200付けると、流石にでかく重い。シャッターの振動もあり、手持ちだとぶれそう。銀塩が現役だった頃です。
28、35素晴らしい。隅まで十分でカラーにも強い。
普段RF使っていると、28が普通に使えるのは、有難い。
85mmF1,8も良い(私85が好き。ほぼ標準で、色々な組み合わせで使っている)
但し、やはりでかく重い。M3にニコンより重い。キャノン7にジュピター9当たりがちょうどよい。
後、持っていませんが、FS1の標準。40mmF1,8.このパンケーキ良さそう。ヘキサノンAR、1つ持つならこれが良いかも。
T3。現役の頃、友人が持っていた。私当時、ペンタSP、ロライ35SL持っていた。メーターが、どっこいしょな動き。遥かにT3の方が、反応が早い。
ヘキサノンの良さも有り、半分手が伸びていた(それで後に、P手に入れた)
電池を入れなければ、どれも同じですが、それでも、T3の作動感は良いと思う。
因みにT3の正式名称は、コニカオートレフレックスT3です。


大変薄く軽いですが、他社の「パンケーキ」と違いf1.8の明るさ、最短撮影距離が60cmではなく45cmと、小型化されても使い勝手が犠牲になっていません。
描写は、開放からf2まではハロが多く、Mロッコール40やコシナウルトロン40よりコントラストが低いですが解像力はまずまず良く、f2.8からハロが消えてシャープになります。f5.6から四隅も均一になりよい像です。
このクラスでは設計が新しいウルトロンが最も高コントラストで他社より一絞り分画質飽和が早いですが、少し大きいのがマイナスです。
AR40は付けていることを忘れさせるコンパクトさがいいですね。
最後期の50mmf1.8は40ほどではないものの小型ですが経験がありません。
AR50/1.7は無理な小型化をされていないからか、他社同クラスと同様によい性能です。


ある年齢以上の方ならご存知かも知れませんが、普及価格の一眼レフを供給していたメーカーでした。
このFTEは、EEレンズを装着すればシャッター速度優先のEE(AE)一眼レフとなります。
(このEEレンズがなかなか見つかりませんと云うより、オークションではよくEE以外のレンズとは区別されずに出品されていますのでもし御入用でしたら探されてはいかがでしょうか。)
このEE機構は、マウントから突出した細いロッドがボディー側から押されて、その押し込み量で絞りの固定値を変更させるとても華奢な構造です。
故障し易いと云われているペトリにさらに故障しやすい構造を二階建てに増築した様になっています。私のレンズも最初EEが働かず、このロッドの曲がりを直してやっと正常動作になりました。
ペトリの一眼レフは、カメラ底部に通った1本のシャフトの回転でミラーの動作タイミング等を取る構造が有名でしたが、FTEは違う板状のリンク構造になっているそうで、少しだけ一般的なカメラに近づいている様です。但し、最初の一台としてはオススメできませんが、標準レンズの55mmは優秀です。


私もタムロン愛用者です。
さてコニカARマウントのアダプトール2マウントは、予めレンズの開放f値を交換マウントにセットしておけばAE機構に連動します。マニュアルで使う分には不要かもしれませんが。
ただし、海外サイトに気になる情報があります。
http://www.buhla.de/Foto/Konica/eFS-1Haupt.html
FS-1以降ボディにアダプトール2を装着すると絞り連動機構を破損するかもしれないと。
それ以前のメカニカルシャッター機は問題無いようです。
アダプトール2のARは持っていますが、2-3度作動確認しただけなので、実際に破損した経験はありませんが、常用は少し敬遠してしまいます。


ニコンFM
1977年発売。ニコンの機械制御シャッター露出計連動中級機ニコマートFTを小型軽量化し、レンズとボディの露出計連動カップリングを簡便化したAi方式を採用した。
当時小型軽量が流行しておりニコンがそれに対応した形だが、OM1やペンタMXのような極限の小型化はせず、取り回しの良い中庸なサイズにとどまっている。
2ヶ月前にAi方式のニコマートFT3が出ており、しばらくFMと併売された。ニコンとしてはF2を出した時Fの方が売れ行きがよかったという経験から旧機種改良型も併売したと思われるが、結果的にFT3を選ぶユーザーは少なくFMは好評で迎えられた。
FMは露出計オンオフを巻き上げレバー予備角で行う。
私はFE育ちなので撮影終了後レバー収納位置に戻し、撮影前に予備角に引き出すのは習慣になっているが、当時からレバーを予備角にしないとシャッターが切れずチャンスを逃す、予備角のままバッグに収納すると電池が消耗してしまう等の不評があったため、後継機のFM2ではシャッターボタン半押しで露出計オン、一定時間で自動的にオフに改良された。
FMはオーソドックスな縦走りメタルフォーカルプレーン、1〜1/1000、Bでフラッシュ同調1/125。シンクロはXのみFPなし。シャッター音は少し甲高い。
シャッターボタンは一般的な中心レリーズネジと、スクリューライカ用レリーズの外ネジが共用できる初期ニコン共通の独特な形状。外ネジを利用しソフトシャッターレリーズAR-1が装着出来る。レリーズの押し心地は適度に軽く、中級機クラスでは最速のタイムラグ性能を持っている。(キヤノンAE-1やA-1は非常に遅く、ヤシカコンタックスも意外に遅い)
露出計表示はファインダー内のみ。左側にシャッター速度が回転板で表示、右側に+◎ー赤LED。上部にプリズムでAiニッコールの絞り値が光学的に導かれる。
巻き戻しクランク周辺は何もなくシンプル。シャッターダイヤルに感度調整部がある。
発売当時のセットレンズはAiニッコール50mmf2。翌年FE登場と同時に出たAi50/1.8(Big型)と交代したので数は少ないが、構成は以前のモデルを踏襲している。物凄く高性能とは言えないが手堅い写り。


1979年発売、
外装プラスチックで大変軽量。
シャッター1/1000〜1,B、機械式セルフタイマー
露出計連動+◎−LED表示。SR44x2仕様。
過不足ない機能をもった普及機。コンタックスと同じミラー垂れ下がり現象が起こりやすく、ジャンク多し。
1985年京セラから出たシャッター1/2000に引き上げたヤシカFX-3スーパーに交代。
海外ではヤシカブランドが通っていたのでそのままヤシカ銘で通し、1993年FX-3スーパー2000に。
その後中国企業がヤシカブランドを引き継ぎ新品が出回っているとか。
私のFX-3は初代と2000なのですが両方ともミラー下がりを起こし、シャッターが死亡しています。
どちらもジャンク箱1000円救出組で、フィルム数本通したからいいのですが、もう次を買う気力はないですし、最近はジャンク箱にマニュアル一眼レフが入ることも無くなりました。
ヤシカコンタックスのレンズは、ずっと日本製ツァイス35mmf2.8一本だけ167で使ってきました。その後暗い廉価なラインを幾つか買い足しましたが、どれも抜群によく写ります。最近α7で検証していますが、同スペックの他社製品と較べて価格をあまり考慮せずに全力投球で製作されている印象を受けます。手頃な価格で遭遇したらお勧めします。
で、ボディは何を勧めるか、ですが、もう高級ラインのコンタックスボディでも十分安価なんです。電池排除ならFX-3しかないけど、(コンタックスS2はまだ高価)ちょっと信頼性耐久性が疑問符なので、単4我慢できれば167MTか137MAは如何でしょうか。目◎鼻◎とも言いますが....


FやF2とは違った軽快な操作感は、最初は華奢な感じを受けましたが、ファインダーの見易さと
シャキッ!としたタイムラグの少ないレリーズは軽快そのものでした。
ニコンとしては、初めて成功したタイプの軽量機ではないかと思います。それまでのニコマー
ト銘のクラスだと思いますが、マーケッティングをし直したのではと感じていました。


F2, ニコマートEL, FM, ニコマートFT3が並んだ当時の広告を思い出しました。
日本光学としても本腰を入れた機種だったと想像します。
翌年発売の絞り優先AEを入れたFEはキヤノンA-1と同時期で、この頃のニコンは新機能を押さえた手堅い展開をしていました。FMも他社に随分遅れた小型化でした。但し、操作性は十分以上に練られていると感じます。
カタログには出ないけど巻き上げが大変軽くスムーズで、操作するのが楽しいですね。オリンパスやキヤノンは結構ゴリゴリです。OMは部品焼き入れの結果そうなると反論してましたが。
レリーズ感触は、1970年代後半の製品ならだいたい完成域と言え、快適なものが多いと思います。その中でもFM, FEは落ちるタイミングが取りやすく、よい印象です。この後は電磁レリーズが主流になっていきます。
FM2のシャッター作動音が大きく感じられたので、きっとバネが弱いFMのほうが静かだろうと思っていたら全然かわらなかった。
個人的にはこのカメラの用途に超高速シャッターはいらないので、1/1000までのFMで十分です。
ユーザーにはカタログデータ以上の意味はありませんが、測光素子にシリコンフォトダイオード:SPDではなくガリウム:GPDを使っています。シリコンより肉眼に近い色感受性を持っているのでSPDに必要な色フィルターが要らないと書かれていましたが、その後FEからSPDになりGPDは使われませんでした。
実はFM歴は数年と短いのです。プリズムカバーに打痕があるので大変安価でした。
この頃プラスチック黒ボディが巷に溢れていたので無性にクロームボディが欲しくなり、これを選びました。最近は黒ペイントボディが好きになっています。そんな選り好みが出来るほど昨今のフィルムカメラ価格は下落してますね。


あ〜ダメです。こんな事を書いては!
また値段が上がってしまいます。と云いつつ、確保してきたペンタックスSPのブラックボディーのミラーアップを修理中です。
>そんな選り好みが出来るほど昨今のフィルムカメラ価格は下落してますね。
自分で巻き上げて、自分でピントを合わせて、自分で露出を決める。 何て事はない事がとても素敵に感じられる様になりました。
もう商品価値は無いと判断された機械がジャンクBoxに入っていると、このまま朽ちさせ
てはいけないと思う様になって、現在、メカニカルシャッターのクロームボディーがパンデミック状態です。


1985年海外販売。海外通販で購入。
AXマウント。
機械式シャッター露出計連動マニュアル露出一眼レフ
STX-1(1979年)からの変更点
ブランド銘がFujicaからFUJIに。
金属外装からプラスチック外装へ。
電池ボックスを軍艦部背面から上面に。
シャッター最高速1/700を1/1000に。
元々小型軽量のSTX-1をさらに軽量化。
シャッターダイヤルの高さが低くなり操作性が低下した。
ファインダー視野左にシャッター速度表示、機械連動指針表示、視野右+◎ー表示にLEDランプ点灯。
セットになるレンズはX-フジノン55mmf2.2またはX-フジノンFM50mmf1.9が多いが、勿論すべてのX-フジノンが装着可能。
さてX-フジノン55mmf2.2だが,かなり明るいにも関わらず4群4枚と現代レンズとしては極限の簡単構成。
それで性能は,といえば近年まれに見る収差の嵐で、個性的と言えばこんなに偏った近代レンズを知らない。
Lomoとか安原みたいに狙って設計したのではなく、真剣に標準レンズとして作っているだろうところが凄い。
最短60cmは、上級50/1.9や50/1.6もそうなので特に手抜きされているとは言えない。どちらかと言えば全部廉価版なのだから。


>あ〜ダメです。こんな事を書いては!また値段が上がってしまいます。
かはは。
元々ガラス越しの撮影を主にしていたので、ボディは黒が必要でした。
レンズ穴開けた黒ボードを付けても良いのですけど、一々大層ですからね。
クロームの美しさも認めます。
でも1970年代以前の日本製クロームは、そんなに綺麗じゃありません。
昔はブラックといえばペイントです。
ライカにはブラッククロームてのがありましたが、日本製は覚えがあまりない。ミノルタXEとXDくらい?
ペイントにも質があるらしく、ペンタックスSP以前やライカM3などは品質が不良でブツブツが湧いてくるそうです。
ライカはちょっと価格に見合わないですが、ペンタは湧いていても気にしません。塗りが剥げた真鍮地を尊ぶ向きもあるそうですが、私は別にどっちでもいい派です。
> 自分で巻き上げて、自分でピントを合わせて、自分で露出を決める。 何て事はない事がとても素敵に感じられる様になりました。
本当に楽しいです。昨今最先端の動画からの切り出しとは対極の撮影行為です。
連写の有用性は否定しませんが、ワンショットの楽しみは強調しておきたい。
> もう商品価値は無いと判断された機械がジャンクBoxに入っていると、このまま朽ちさせ
てはいけないと思う様になって、
そうなんですよね。私は成り行きでアンチFD派だったのが早々に落ちて、FTb黒に始まりF1も手にしています。
FD辞めた友人の放出レンズ群が原因ですけど。
同様に、ジャンク箱から拾い上げた不動状態の機械が積み上がっています。


1972年発売のM-1を1973年名称変更。
追針式連動露出計つき機械シャッターカメラ。
発売当時35mm一眼レフで最小最軽量。(EXAのほうが小さいのでは?)
操作性はニコンやキヤノンなどと少し異なるが、慣れれば問題無い。
ファインダーアイポイントが短いかわりに視野角が広く倍率が高い。
わたしは裸眼なのでOMのファインダーは好みです。
この個体はMDマークは入っていませんが底蓋はモータードライブのカップリングができるものに交換されていました。
我が家で初の35mmフルサイズSLRとして父がニコンを購入したため、学生時代はニコンを使っていましたが、フラッシュ接写に強いOMシリーズにずっと憧れていて、就職を機にOM4Tiにシフトしました。
そのサブにと、88年にOM1を求めました。まだ持病のプリズム蒸着剥がれはないようです。
オマケについてきた初期型50/1.8の描写はあっさりしていて、あまり好みではありませんが十分よく写ります。


ブロニカS2も。
ステンレスの黒着色は結構難しく、出来るメーカーは限られていました。


70年にロライが最初に作った、1眼レフです。
ペンタSPより1回り小さいですが、未だ絞り込み測光です。
74年開放測光のSL350が出た時バーゲンで購入。
50mmプラナーF1,4、85mmゾナーF2,8、M42アダプター付きで、10万程でした。レンズ共、ロライシンガポール工場製造です。
どっこいしょと動く露出計を除き、作動感は良かった。
当時ペンタSP持っていた。比べると、使い勝手は、ペンタの方が良かった。私、1眼レフはほとんど使わないので、妹の所へ嫁に出す。
妹は美術科を卒業、若いころは宝飾会社で、金細工していた。
作画、造形は、専門家。SL35を20年使い続けた。
妹がルミックスに変えたので、出戻りした。妹に寄れば、レンズがカビ。カビ取りに出したとの事。
40年して、ケース、ストラップはボロボロ。
でも本体に剥がれも無い。レンズのカビ以外、故障もない。
基本的に丈夫な作りです。
74年当時、ロライはフォクトレンダーを傘下にしていた。
フォクトレンダーVSL1。此方は、開放測光。Pマウント。
ツアイスイコンが最後に設計した1眼レフを、フォクトレンダー銘で、ロライが製造した物。
ウルトロン、ダイナレックスなどのレンズが使える。
どちらも、今見つけると珍品だと思うが。
画像は、当時のパンフレットです。


いつも気になっているカメラです。
新品でお買いになったいわゆるワンオーナーに遭遇したのは初めてです。
SL350が結構故障しやすいという噂があり、逆にSL35の評判が上がったと聞きます。
最近露出計を使わずに撮影する事が多く、絞り込み測光機でもあまり不便ではありませんが、なかなか良い位置に絞り込みボタンが付いている気がします。
ペンタックスSPとどちらが使いやすいか、興味ありましたが、SPに軍配が上がりますか。
ゾナー85/2.8とは粋な選択ですね。評判が良いレンズだったかと。
拙宅のQBM機は友人からのVSL3-Eで、M42のVSL-1と違って完全にSL35Eのガワだけ変更です。確かにM42のフォクトレンデル(確か70年代の雑誌はこの表記)レンズは今珍品でしょう。


コシナOEMと言われ、プラスチック多用でニコン製より随分安っぽいがマニュアルフォーカスニコンでは最軽量の420g。
ニコン製のFM590g、EM460g。
ニッコールは重いものが多いので、それほど恩恵とも言えないが。
伝統的ニコンの操作系である巻き上げレバー予備角起こしでシャッターロックが解除される。
プレビューボタン、機械式セルフタイマー、多重露光レバーなど、当時のマニュアルフォーカスSLRに望ましい装備は網羅されている。
出来ないのはスクリーン交換、データバック、モータードライブ接続程度。
3点LEDによるTTL露出計、スイッチはシャッターボタン半押し中のみオンになるため、シャッターダイヤル操作中はオフになり、シャッターを先に決め絞りで露光調整する伝統的操作法になる。
私の個体は2000年頃Professional Photographic Repairでハーフフレーム改造してもらいました。
その頃、ハーフフレームでないと出来ない用事があったため。(penFでも良いのですがTTL露出計の精度が低く耐久性が華奢で)
用事が済んでお蔵入りしていたものを最近再使用しています。特殊フィルムの現像条件設定中、ハーフフレームの多数コマが役に立っています。


ワンオーナーと言っても、使ったのは2年ほど。使い続けたのは妹です。
ペンタSPとの比較と言うより、使い慣れたM3との比較が正しいかも?
ペンタの交換レンズも、妹の所に行き、私の所に残ったのは、標準付きSPのみ。此れもほとんど使ってません。
先に述べたように、ヘキサノンが使いたくて買ったオートレックスP。1眼レフは、ほぼこれ1台でした。
シャッター音、ミラーショックを比べると、オートレックス>ペンタ>SL35の順ですね。
水銀電池が無くなってから、妹もほぼ感で撮影していたようです。
久しぶりで、カビ取りしたゾナー使ってみようかな。
このゾナー。明るさを抑えた分、小型。ほぼ標準並み。
オートレックスに、85mmF1,8付けた時の様な仰々しさが無い。
SL35のレンズ。プラナーF1,4はHFTコート。此れはロライ製のレンズ。プラナーF1,8とゾナーF2,8はHFTコートでなく、ツアイス製。私のゾナーはツアイス製の物です。
奈良も雪が降りました。ゾナー85mm。125sF3,5


こちらに集われる皆様はご存知かも知れませんが、
現在に続く”P”モデルの機械式一眼レフです。
キャノンの資料にも書かれていますが。連動距離計機の名器、Canon P の姉妹機です。
色々と書かなければいけない所が有りますが、まず一般的なカタログデータは1970年
頃のシャッタースピードが最高速 1/1000 クラスの機械です。
アルミダイキャストの骨格をブラスクロームのカバーで包んだ一般的な構造ですね。
ファインダー視野率は 水平94% 垂直92%です。全面マットで露出情報等は何も有りま
せんので、スッキリとしたものです。
一般的なアクセサリーシューは無く、キャノン後期の連動距離計機と同じ側面のター
ミナルにアクセサリーを取付ける構造です。
と、一般的な部分はここまでで、まず特徴的なのは巻き上げ方式です。これが、ちょう
ど初代キャノネットと同じ底部の回転レバー巻き上げです。
使い易いかと聞かれると慣れればどうという事も有りませんが、上部レバー巻き上げが
多い中では逆に新鮮です。
色々と書かれる事も多い機構ですが、一般的に使用する分には楽しいと思います。
シャッターダイヤルの基部に平目ローレットの様に見えるのは、外部露出計との連動ギ
アーで、Canon PやY型の外部露出計を水平断面がより正方形に近い感じに圧縮された様
な形をしています。
レンズはSuper canomatic R レンズを装着します。
Rレンズは絞りの動作をレンズ内部のスプリングで行います。レンズマウントに見えるレバ
ーはそのスプリングのチャージする為のボディーとの連動用レバーです。
巻き上げを行うと、まずこのレバーが往復して絞りスプリングをチャージします。次にレ
リーズすると、レバー近傍のスイッチがボディーから押され、露光完了後にスイッチが戻っ
て開放に戻ります。
絞りリングとは別に絞り込みリングが用意されていて、ちょっと設計が袋小路に入ってし
まった様な構造となっています。この辺りは故障が多い様です。
FLレンズも使用可能ですが普通絞りになります。
Rレンズは、58mm F1.2やラックピニオン式の望遠レンズ等が有って、興味深いです。
58mm F1.2 レンズは、キャノンの標準F1.2レンズの中では最も廉価に入手できるレンズです。
やはりカメラは黎明期が面白いですね。内部的には前期種からどんどんと改良されていて
キャノンフレックスの中では安定して使用できる機種だと思います。


エクサクタもですが..
ハマると沼に落ちてしまいそうで...非常に複雑な自動絞り動作をするとだけ認識していました。ユーザーの話では大変ジェントルな作動をするとか。
ただし関西では、ほとんど出物を見たことがなく、交換レンズも滅多に出ず、状態が良いものはさらに少ない。
FLが一応装着可能なのですね。詳しくは全く知りませんでした。
今近所にRMが置いてあり、沼にはまらぬよう踏みとどまっています。


あの肩部に内蔵された巻き上げレバーになんとなく抵抗が有って、私はRPにしました。
なぜ、頑なに普通の巻き上げレバータイプにしなかったのかなと興味が尽きません。
Canon Flex にFLレンズは使用可能と云うのは、単に”普通絞りのレンズが使えるから”です。
やはりリスクは覚悟でRレンズを使用されるのが良いです。私が購入したきっかけは、
海外のインスタグラムで、カメラマンがRPを使用している動画を見て!という多分に
ミーハーな動機で入手しました。その時の少しくぐもった様なレリーズ音が良い感じでした。
操作感は意外に硬派ですね。何を動かしても”カチッ”としています。
あと、レンズについての記事が、”特殊なのでキャノンフレックス専用”と書かれているので、
その意味が知りたかった事も要因でした。
意外に、レンズの価格も魅力的です。標準のF1.2が数千円で入手できました。
距離計機と殆ど差が無いレンズ構成は、キャノンのV型以降をお使いの方には、何の違和感も
なくご使用出来ると思います。殆どの望遠レンズが距離計機のままです。
やはりカメラは黎明期に限ります


東京光学製
REスーパーの廉価版の手堅い中級機として,1965年に発売.
定価 58mmf1.8つき,39,800円,ケース2000円
ファインダー固定式.
縦走り金属膜のコパルスクエアSシャッターのため,X接点1/125と上級機REスーパーよりストロボ撮影に有利.
そのためシャッターダイヤルがカメラ前面に来ている.
CdSミラーメーターはREスーパーと同様.
ファインダースクリーン補助合焦装置は初期はスプリットマット,後にマイクロマットがある.これはマイクロマット.フレネルのピッチが細かいトーコーブライト.
トプコンSLRの中ではこの下にレンズシャッターのユニシリーズがあるので中級機ですが,REレンズシステムとしてはREスーパー/スーパーDの下に位置します.この後、RE200, 300という普及機が出て,RE-2は役目を終えましたが,上級機にひけをとらない作りの,硬派なカメラです.
コパルスクエアSはシャッター調節機構がシャッター走行と並行なので,採用したコニカオートレックスや,リコー シングレックスと同様にカメラ前面にシャッターダイヤルがついていて,操作上の特長になっています.逆にREスーパーでカメラ前面にあったシャッターレリーズボタンは標準的な軍艦部に移動しました.


東京光学製,1963年発売.このモデルは「前期型」1965年ごろ.
定価 58mmf1.8つき 54000円,ケース2000円
58mmf1.4つき 61000円,ケース2500円
ファインダー交換式
横走り布幕フォーカルプレーンシャッター,1/1000-1秒,B
CdSミラーメーター
1作動180度巻き上げレバー,クランク巻き戻し
エクサクタマウントに自動絞り,開放測光用のピンを備えるREマウント
キヤノンフレックス,ニコンFと並び立つ重厚な最高級機.
ファインダーとフォーカシングスクリーンが交換可能.
世界初のレンズ後方から測光するシステム,しかも完全自動絞り,シャッターと絞りに連動する開放測光であり,現代にあってもなんら使い勝手に遜色がない.
交換レンズや,接写システムも必要十分に備わり,何故日本で主流になれなかったか不思議なほど.
(多分高価であったこと,報道に食い込めなかったこと,自動露出対応が遅れたこと,エクサクタマウントの限界など複数の要因だったのでしょう)
私はエクサクタには手を出さない方針で,トプコンも遠ざけていましたが,1981年カメラレビューの接写特集でトプコンのマクロレンズ系が好意的に紹介されていたことが常に気になっていたところに,トプコン専門の友人からの斡旋もあり,にわかオーナーになりました.


先代のRに対して自動絞りとなり、プレビューレバーとセルフタイマー
を組み込んだ大型の一眼レフです。
れんずまにあ様がご紹介されているREスーパーの2世代前にあたります。
ですが、ボディーのどこにもどこにもRUとは入っていません。
シャッターのスペックは、B〜1/1000 低速側優先の1軸式回転シャッター
です。
巻き上げ前後でも設定シャッタースピードが判る同軸の矢印は、ちょう
どキャノンWSb改の様です。
使用してみると、1/1000の場合は他の多くの距離計機と同様に、ダイアル
がちょっと持ち上がった状態で固定されます。
この辺りの指標間隔は狭くて、次のRVの一軸不回転シャッターでの改良
を待たなくていけませんが、過渡期の製品特有の楽しさです。
低速優先なので、高速側のシャッターダイアルが何処に有っても、低速
側が黄色い1/30を外れていると低速シャッターになります。
ファインダーはスリットの入ったREスーパーよりもスッキリとしていま
す。視野はトプコンご自慢の”トーコーブライト”をベースにスプリット
イメージと、それを取り囲むマット面が有りピント合わせは容易です。
インストマニュアルには標準の5.8cmを装着すると等倍(ライフサイズ)
となっていますが、実際には0.8倍位ではないかと思います。
ファインダーを外すと、アイピースレンズの回転止めのセットビスが有り
ます。アイピース部のリングを外すと、アイピースレンズのブロックを回
転させるスリワリが有り、セットビスを緩めてレンズブロックを回転させ
ると、狭いながらも視度調節が可能です。
カウンターは、巻き上げレバーと同軸で、手動セット式の”減算型”カウ
ンターです。暫く使っていないと”0”に合わせてしまい、面喰います。
巻き戻しクランクの基部は、フィルム種のインジケーターになっています。
この基部とボディーの間に狭い間隙が有ります。
ここには、アクセサリーシュー(ホットシューとはなっていません。)を
差し込む事が可能です。(私は持っておりませんが…。)
大型で重量の有る一眼レフではありますが、各部の操作感はやはり一級だと
思います、


ボディー上面から露出調整が出来るのはとても便利でした。
それと。トリプレットの135mmマクロレンズが有りました。鏡胴のスイッチを押すと絞り込まれる
面白いギミックが装備されていました。


トプコンはマクロにも力を入れており,一般市販品としてはじめての拡大専用レンズ30mmf3.5や,ベローズやヘリコイドリングと組み合わせて使うプリセット58mmf3.5(のちにヘリコイドつき自動絞りレンズになった),そしてefunon様がご紹介のプリセット135mmf4も供給された.
マクロトプコール2種のプリセットは,スプリングチャージしておくと鏡胴のボタンまたはレリーズによって瞬時に絞られる.そのため自動絞りでなくても,どんなベローズやリングでも,たとえ他社のボディと組み合わせても,使い勝手が変わらない.
Macro Topcor 135/4, compact bellows, Topcon RE2
トリプレット構成の短鏡胴マクロレンズ.プリセット絞り.ヘリコイドエクステンションチューブに装着すると無限遠から約80cmまで,このベローズ1型の場合は最遠距離4mから等倍まで焦点が合う.


製造:東京光学
製造年:1973年
標準レンズ:REGNトプコール50mmf1.4またはf1.8
マウント:トプコンREマウント(エクサクタマウントに自動絞りと露出計連動を追加)
シャッター:横走り布幕 1/1000-1,B
トプコンREスーパーの発展型最終機。
ファインダー交換式、ブラックボディのみ。
標準ファインダーでは絞り値がファインダー内でも視認できる。
オートワインダーが装着できるようになった。
伝統的トプコンカメラのフラッグシップだけに大変しっかりした動作で、信頼性が高い。




1968年発売、SP(1964)の露出計と絞り込み測光レバー、底部の電池室を省略した「酷使に耐える」普及機。ボデイのみ27,000円,ブラックは1000円高。標準レンズはSMCタクマー55mmf1.8
重量595g(SPは621g)
基本性能はSPと同様。それでも露出計が必要なら外部測光のペンタックスメーターSLをペンタプリズム上に乗せてシャッターダイヤルにカップリングする。
ES, SPFやSPIIからホットシューがついたが,SLはSP同様脱着式のコールドシュー。


キヤノンFX 1964年
FLマウント 機械シャッター、自動絞り。
FXは左肩にCdS受光部をもつ外部測光。軍艦部上面にシャッター速度に連動する指針が、感度に応じた絞り値を指します。
FTはTTL絞り込み測光、ファインダー内に定点合致指針表示。コンデンサーレンズを斜め45度に分割しそれをプリズム反射面にして光の一部を受光素子に導く、のちのF1の測光システムに受け継がれた測光機構。
FLレンズマウントは、R, FDと同じ機械接続面を持ち,定位置にレンズを押し付けて締め付けリングを回す旧FDと同じスピゴットマウントだが、他システムに使いたい場合は互換性についてよく調べてからにすべき。
FTbとEFなど初期FDカメラはFLレンズを絞り込み測光で使用可能らしいが、自己責任で。


といっても一部の大口径や超広角などの人気があるレンズは高価ですし、なにぶん古いシステムなので、特に広角系はサイズや性能に若干不満が出るかもしれません。
この中で58mmf1.2は最近値上がり傾向かも。昔はとても安価だったのですが。
それとFL28mmf3.5は、FLボディが増える前に売ってしまい、写真に残していません。
気合を入れてカラー撮影するときには新しめのFDで行きますが、散歩にはFL楽しめます。


テッサー型マクロは、他にヘキサノンARや、ペトリ、タクマー、マクロキラーなどがあり、明るさを欲張らなければ、焦点面は大変シャープです。
FL50/3.5は単体では1:2倍までのヘリコイドを持ち、自動絞り、絞り込み測光です。
面白いことに、マイクロニッコール55mm初期型や、コンタレックス用プラナー50/2クロームと同じく、繰出によって絞りが開いていく、露出倍数自動補正機構をもっています。
前述2機種と同様に、絞り開放ではそれ以上開かないのですが、1段階、f4.5に絞ると、最短までの繰り出しで開放まで開いていきます。つまりf4.5より小絞りでは露出やフラッシュの補正をする必要がないのです。
露出はTTL絞り込み測光なので、実絞りの値が得られます。その場合ファインダー逆入射光が問題になりますが、上記のコンデンサープリズムの効果で、その問題も解決されていると考えられます。
これが開放測光のFD時代になると、機構と合わないので他社も早々にやめてしまったのですが、オールマニュアル、必要に応じて単体露出系というスタイルだと、結構ありがたい機構だったりします。
もう一つ特徴的な機構があります。
等倍にするにはライフサイズアダプターという自動絞り連動の中間リングを使用します。これはマスターレンズの表裏を逆に装着するようになっていて、裏側(下面)の、延長した時の露出倍数を加味した絞り値(開放はf5になる)と、撮影倍率が表示されるようになっていて一目瞭然です。
マイクロニッコールはレンズ上にレンズ単体と、接写リング併用時の目盛が左右に割り振られて煩雑です。
このような機構はコニカARマクロ55mmのエクステンションチューブでも採用されています。


FD後デザインを変えて受け継がれたものもあります。
これはFLマクロフォトカプラー、ヘリコイドリングの先端はフィルタースレッドになっていて、これだけでリバースマウントができるものです。フィルター径が違うレンズのためにステップアップリングも用意されていました。


キヤノンF-1同年の1971年に、Fー1で採用された完全自動絞り、開放測光機能を持ったFDレンズに対応した普及機として、66年発売のキヤノンFTQLをFDレンズに対応させたキヤノンFTbが発売された。
FTbは、それまで販売されていたFLレンズの絞り込み測光、定点合わせメーターと同じ操作でFLレンズが使用できるように、大型の絞り込みレバー(セルフタイマーレバーと兼用)を採用していた。
分割コンデンサーに蒸着を施し、中心12%部分測光を行うのもFTと同様。
FTbーNは、セルフタイマー/絞り込みレバーが小型化され、一般的開放測光機と同様の外観になった。
他にファインダー内シャッター速度表示
シャッターボタンの変更
巻き上げレバーにプラスチック指当てがつけられた
などの小改良が施されている。
外観からは、ーNとは記入されておらず、FTbとだけ刻印されている。
この機種が、キヤノン最後のメカニカルシャッター普及機になった。この後は、ニューF1の、電池を外した時に緊急で動作するシャッターと、EFの高速側しかメカシャッター機は存在しない。
Fー1に及ばない機能は最高速度が1/1000まで、ファインダー交換ができない、程度で、アマチュアにはこちらの方が売れ筋である。
最近の価格は低迷しており、FT、FX、FTbQLとあまりかわらない低価格で並んでいる。程度は玉石混交で、その場で判断するしかない。
FT系の持病として、ペンタプリズムを抑えるモルトの腐食によりファインダー視野が汚れて見えることが頻発している。
焦点合わせは大きく障害されないが、購入時は注意すべき。


バヨネットKマウントのカメラ:K2, KX, KMの3機種が同時に発売されました。
まだこの時期までは、アサヒペンタックスです。
K2は、縦走り電子メタルフォーカルプレーンシャッター装備の開放測光絞り優先AE機。
KXは後述のKMと機能が被りますが、横走り布幕メカニカルフォーカルプレーンシャッター、分割巻き上げ可能。SPD素子によるTTL中央重点開放測光。露出計表示は追針式、レンズ絞り値をファインダーに導くサブプリズムがありファインダー内で露出情報を全て確認できます。マニュアル機としては充実しています。
KMはKシリーズのボトムラインで、機械部分はKXと同じですが、CdS素子、平均測光、定点合致式。絞り表示プリズムはありません。中身はSPFがそのまま入っているといわれています。動作音などもSPと同じように感じられます。
ファインダー視野率はK2のみ95%、KXとKMは93%でSPと同じ。55mmレンズでは等倍になります。
KMは大変シンプルな、枯れた技術でまとめられ、故障は少なかったといいます。
露出計にはSR44x2が必要ですが、なくても機械的には動作しますし、液漏れで電気がダウンしているジャンクは驚くほど安価です。私もそのような個体を楽しんでいます。
この後わずか1年で、オリンパスOMに対抗したMX, MEが登場し、KシリーズはMシリーズに置き換わっていきます。K2は改良型K2DMDがしばらくフラグシップとしてM系と併売されますが、KX, KMは国内では早々に消えることになります。それにしては中古を結構見かけるのは、それだけ人気があったためでしょうか。
KMはセルフタイマーやプレビューボタンを省略した海外輸出モデルK1000に根強い人気があり輸出は続き、のちに写真学生やシンプルな機械式カメラを好むユーザー向けに、国内販売もされています。外国人にはMシリーズは小さすぎて不評で、Kシリーズに需要があったという話もあります。
さてネットでは、KマウントM42アダプターで互換性を良好に確保したと書かれていますが、他社たとえばローライSL35、フジカX、マミヤNC、プラクチカBのように自動絞り連動アダプタならまだしも、Kは手動絞りで、しかもカメラ側にアダプタが残り、KマウントカメラがM42カメラになる仕様。M42資産を多数維持し、Kマウントレンズは使わないならそれもありですが、互換性という点では私はあまり評価していません。もちろん使えるだけでも十分だということもできますが。
KM+SMCペンタックスMマクロ50mmf4。テッサー型で小口径、安価ですが焦点面は大変シャープ。


東京光学機械
1969年発売のレンズシャッター式35mm一眼レフカメラです
ちょっと交換レンズが手に入り難いかも知れませんが、標準レンズと本体に135mmレンズを買い足ししてもネガフィルム1本位の金額で済んだので参加します。
シャッターはセイコーシャSVLでB・1〜1/500secセルフタイマー有り
標準レンズはUVトプコール50mmF2.0(4群6枚)最短距離は0.6m〜∞
中望遠レンズはUVトプコール135mmF4.0(3群4枚)最短距離は1.8m(!)〜∞
重量は実測675g(本体のみ)
東京光学製カメラの廉価版ライン、トプコンUVマウントを用いたレンズシャッター式一眼レフカメラ。ウィンクミラーSから始まったシリーズの3代目で事実上の最終機です。
28mm・35mm〜200mmまでのレンズラインナップを持ち、TTLスポット・平均測光が切替可能。
ただしSSの最速が1/500であること、マウント口径の制約から明るいレンズを供給できないことなどで購買層が限られていたかも知れません。後にセイコーSLVの生産が打ち切りになり、レンズシャッター機は終了。UVマウントのレンズ資産が生かせるIC-1オートがフォーカルプレーンシャッター機となって発売されました。
レンズシャッターの動きなんですが、レリーズした瞬間にシャッターが開いた状態から一旦閉、ミラーが上がると開いて露光→閉じる→ミラーが下りる→開、という順番になるのでしょうか?結構複雑で、動作部分にストレスが掛かる構造のように思えます。
本機はミラーとプリズム後部にCDSを内蔵しています。ミラー中心部に透過スリットが入っていて、やや暗いのは残念。Rシリーズなどと違いペンタ部が細身でトプコンらしさは感じられませんが、姿の整ったカメラとして気に入っています。
フォーカル機に迫る豊富な交換レンズシステムもさることながら、操作性と作動が、フォーカル機に遜色がないほどに洗練されていて、全く違和感を感じないところが素晴らしい。重量サイズは当時のフォーカル機よりも、現代の目で見てもコンパクトですし。
友人に勧められてオーナーになりました。
シャッター径による制約と、上級機REシリーズとの差別化もあって、暗めのレンズラインですが、その分コンパクトで割り切れたら持ち出しやすい。
その中で標準は、一応暗所撮影でも行えるf2.0が確保されてる。なかなかのシステムです。
マクロ好きな私としては、近接レンズが用意されていないのが残念ですが、それはREで行えということでしょう。今となっては入手困難ですがREシステムに接続できるアダプターもあったようですし。
とりあえず撮ってから様御入手の135/4は、画質が向上したと評価が高い後期型ですね。


コメントありがとうございます。ユニレックスもお持ちだったのですね。しかもレアと言われるブラックでケースまで揃っているとは!
ユニレックスはブラックボディの標準レンズがわざわざ黒色に塗装されているとは聞いていましたが、本当だったのですね!
135mmレンズは前期型の方が前玉が大きくて立派でしたが、そうですか、画質が良くなったのですね。実はまだ実写していないので期待しちゃいます。
旭光学工業
1976年発売の35mm機械式シャッター一眼レフカメラ
シャッターは布幕横走行式(B・1〜1/1000sec)
ファインダーは倍率0.97倍・視野率95% フィルム感度はASA32〜1600
重量はボディのみ実測500g セルフタイマー有り 露出計用にLR(SR)44電池2ケ使用
言わずと知れた小型軽量の機械式一眼レフのMXです。オリンパスOM-1に対抗するためKシリーズからひと回り小さく軽くなりました。
操作感・感触はやや安っぽいと感じますが、ファインダーは見易く取り回しは良い、大きさとトレードオフかと。装着レンズは安価モデル用標準のSMC PENTAX-M50mmF2ですが私は元々付いていたM50mmF1.4よりもこちらが好み。シャープさはあまり違いが分からず軽量だから。
購入費は2016年当時F1.4レンズ付きで千円。ペンタックスは何時の時代もお財布に優しいです。
MXはマニュアル操作する楽しさを教えてくれた師匠、フィルムカメラの魅力に引きずり込んだ悪友でもあります。
大変メジャーな名機ですから、どなたか素晴らしい投稿をしていただけるかと後回しにしていたのか忘れちゃいましたが、素晴らしい投稿をしていただきありがとうございます。
安い中古ばかり入手しているので、不調になっても文句を言えた義理はないのですが、3台入手して2台再起不能になり、最後に入手した個体を大事にしています。
シャッターが走行終末で閉まりきれず、結果ミラーも上がったまま、少し幕をアシストすると動作完了する症状が出やすく、底蓋を開けて最初は少し潤滑、それで対処できなくなれば後幕テンションを上げて取り繕うんですが、これも何度もやると限界で私程度のスキルでは再起不能まで至り、懇意の修理店に部品どりにと上げてしまう繰り返しで。
OM1と同クラスですが、練りに練られて出てきたOMと比べて故障率が高い印象で、拙速の悪影響なのかな。
もちろん発売から50年が過ぎようとしている耐久消費財にそれを求めるのは筋違いとわかってはいますが、なまじ操作性や携帯性に秀でていますから、酷使される分厳しく評価されるのかと。
さて動いている限りは素晴らしいカメラと思います。小型軽量のMシリーズレンズとの組みは、本当に気軽に持ち出せて、目下一番スナップ撮影に持ち出すカメラだったりします。
明るい屋外条件では50mmf2、35mmf2.8、100mmf2.8
屋内やアーケード、夜のスナップでは50/1.4、K35/2、85/2
最近小型のM24-35ズームを買ったので、それ一本でも楽しんでいます。


いやー、もう投稿ネタが尽きかけていたところ、MXが投稿されてないのに気付いて思わずニヤリとしてしまいました。
元々私はKマウントのデジイチをキットズームレンズで使っていて、それに飽き足らずMFレンズを探して中古カメラ店に出入りしていたんです。そのうちにフィルムカメラにのめり込むことになってしまいデジイチは休眠中(笑)・・。
私も安価なMXを複数台所有していて、1台は既にれんずまにあ様と同じ症状でパーツ取りと化しています。
KOWA Six シリーズ
興和の電気光学事業部が1968年に発表した6×6サイズのレンズシャッター式一眼レフ。
●ボディー
4種の代表的な機種が有ります。
・Kowa Six
:スピゴットマウントを採用した小型軽量の1眼レフ。クロームのボディーと白鏡胴のレンズで登場しました。
スクリーン上部に大きめのコンデンサーレンズを配置した非常に明るいファインダーを持っています。
機構が単純な分、シリーズの中では最も軽快に扱えるカメラです。
・Kowa Six MM
:ボディー上部側面にクラッチを設け、多重露光が可能になりました。さらに巻き上げノブ下部にミラーアップ用
スイッチを配置してレリーズボタンとの併用でミラーアップが可能がなりました。
交換バック以外は充実した内容となり、この頃55mm、150mmが新設計になったと思います。
・Kowa SixU
:機構を見直しダークスライド不要のL字型交換式フイルムバックを装備しました。ミラーのエアーダンパー等
改良が図られましたが、全体的に大型化しました。レンズ固定が光軸中心に若干回転して固定されます。
アクセサリーレール側にミラーアップクラッチレバーが有るところと銘版がSuper66とは異なっています。
・Kowa Super 66
:プロユースのノウハウから操作性面の見直しを行い、ファインダー視野率の向上とフイルムバックのロック機構
を簡略化し、さらに不安定要素だったU型に有ったミラーアップを廃止しました。
一般的にはブラックのボディーを見かける事が多いのですが、クロームボディーも用意されていました。
初期のコーワシックスの特徴として小型軽量があげられます。特徴的なハンドルグリップも数種用意されています。
ただ三脚に取り付けたままだとフイルムの交換ができない点は最後まで残ってしまいました。
(このため三脚用のブラケットが別売されましたが三脚座そのものが小さいので丁寧に扱う必要が有ります。)
フイルム巻き上げが完了すると巻き上げノブのクラッチが切り離され、ノブが空転するのは
他機種を使っていると驚かされます。
巻き上げ部のラチェット機構を見るとクランクでの操作は避けた方が良いと思います。
リンク機構には真鍮が多用され、材質的に脆弱な部分が多い点は否めないと思います。
フォーカルプレーンシャッターのブロニカに対し、レンズシャッターのコーワシックスはストロボの全速シンクロが特徴で、
超高嶺の花だった北欧の機械の代わりに実用的な国産機の地位を確保していました。
レンズシステム
殆どのレンズはプロミナーの血統を継ぐ優秀なレンズで、ビトゥイン型の#0セイコーSLVを搭載し、
初期はシルバーフィニッシュ。後期はブラックアルマイトになりました。
(レンズはSタイプとなって小型化されましたが、この時期はシルバーとブラックが混在)です。
シャッターにSLVの名が示す様にセルフタイマーも付いています。
プレビューもレンズ側で備えています(プレビューのレバーはスプリングで戻されますが、ゆっくり戻さないと
スプリングが外れる事が有りますのでご注意下さい。)
●レンズ
用意されたレンズは以下の13種。正直玉石混合だと思います。
レンズ銘 最短撮影距離 フィルターネジ
・19mm F4.5 0.4m フィッシュアイ
・35mm F4.5 0.4m φ95mm (レンズ後端にゼラチンフィルターホルダー)
・40mm F4.0 0.4m φ95mm (レンズ後端にゼラチンフィルターホルダー)
・55mm F3.5 前期 0.5m φ86mm
・55mm F3.5 後期 0.5m φ67mm
・85mm F2.8 0.8m φ67mm
・85mm F2.8 0.8m φ67mm
・110mm F5.6 0.8m φ67mm マクロ
・150mm F3.5 前期 1.5m φ77mm
・150mm F3.5 後期 1.5m φ67mm
・200mm F4.5 2.5m φ67mm
・250mm F5.6 4m φ67mm
・500mm F8.0 8m φ95mm
55mmと150mmは途中で設計変更が入り、ずいぶんと小型化されました。
ボディー側の三脚座が小さいので19mm、250mm、500mmにはレンズサポートが用意されていました。
システムカメラなので交換ファインダーも各種用意されていました。
・W/Lファインダー
・高倍率ファインダー
・水平/45°アイレベルファインダー
・チムニー/45°露出計付ファインダー
・フレームファインダー
その他、特徴的なハンドルもサイドグリップが二種、ピストルグリップが一種用意されました。
他にも製薬部門も持つグループだっただけに中判カメラでは珍しい顕微鏡アタッチメント等も有りました。
66判一眼レフではポピュラーな標準80mmに対し,ブロニカが75mmと短いところ,コーワは 85mm と少し長く,全速シンクロするレンズシャッターと相まってポートレート派にはよさそうですね.またブロニカでは,魚眼レンズは試作機どまりで発売されなかったようですが,コーワには(珍品ですが)全周魚眼があるのが羨ましく思います.もっとも,レンズシステムを一通り収集しようとすると,35mm ともども,苦労しそうですが..
特筆すべきは極めて低ショックなことで、手に伝わる感触がブロニカS2は勿論ハッセルブラッド501CXとも段違いのジェントルさです。
ブロニカS系はミラーが戻る際に衝撃が生じるので、よく知らない人々が言うほどぶれませんが、クイックリターンでないカメラの中でもコーワは優しい感触でしょう。
三脚セットのままフィルム交換出来ないのは裏蓋側に三脚座を持つ大方のTLRと同じですが、暗がりで三脚穴がなかなか探せなくて非常に困ったことがあります。
氷点下で同時に12-24切替しようとしたので手袋では結局出来ず車に戻ってフィルム交換やりました。
後に出た三脚アダプタはグリップと共用出来ず、アクセサリで対応するには限界がありますね。
クイックシューは解決策で、接触面積が小さい製品なら裏蓋開閉ノブに干渉せずに設置できます。
顕微鏡アダプタはレンズなしのシャッターユニットで、接眼スリーブに被せる構造です。ヘリコイドがあるのは顕微鏡との接続を微調整するためでしょうか。
引き伸ばしレンズなどを接続できるかと思いましたが、オリジナルでは顕微鏡専用ですね。
接写システムには問題があります。
SixとMMは、レンズマウント開口部が異様に小さいのです。
接写リングを長めに挟むと容易に四隅が蹴られてしまいます。
66ノートリミングで作画する風潮は最近のものでしょうから、販売当時は問題にしていなかったのでしょうか。
恐らく長焦点レンズ設計にも大きな制約であったことでしょう。250と500mmはレンズ構成に気を遣っていることが見えます。
レンズマウント位置に環状のレンズ駆動部を設けたおそらくキルフィットの元設計からこの問題はあったのでしょう。
マクロキラー90mmのように主点がはるか前方に行ってしまう設計では蹴られは苦しかったのではと想像します。
Super66になってからマウント開口部が少し矩形になり拡大しました。
レンズ駆動部を避けるため、レンズ装着の位相が斜めになりました。
それで蹴られは解決したかというと、多少マシになった程度です。それでも進歩だとは思いますが...
今度は接写リングの開口部でも蹴られてしまうようです。条件など詳細はへっぽこ親爺様の掲示板が現在見られませんのでお許しください。
35mmは類を見ない野心的画角ですが、それにしては小型で、大変高性能ですね。
ビオゴン38mm並とは申しませんが、40/4より設計が新しい分、写りも現代的に思います。
110/5.6マクロは、実際の開放f値はf3.5くらいありますが、撮影時にはf5.6まで絞り込まれるようになっています。焦点合わせのためでしょう。
オリンパスOMマクロ135/4.5もそのような機構ですね。
110はリーフシャッターSLR用マクロの例に漏れず、単体では近接能力が高くなく、どうしても接写リングのお世話になりますので、蹴られ問題は深刻です。
ベローズもありますが、蹴られはどうなっていたのでしょうか。
19と500は経験がありません。500は現物を見ましたが入手断念する価格でした。
友人がテレコンを入手しました。とても珍品です。最近フラッシュ接写でテレコンを見直していますので、羨ましいです。
写真>Kowa 6MM, 110/5.6, ext.tube#1+2, 霜柱,絞り開放,1/60,Reala120,手持ち


110mmでもケラレますか。EXTチューブはダメだろうなと思っていたのですが。
何かメーカーからのコメントでも残っていれば良かったのですが…。
私は40mmを使っていますがかなり着色のひどい状況です。ポジでは使えません。それでも6×6の40mmは使い易いです。


40は黄変していますか。当家の40は全く着色がないとは言いませんが、ポジで支えないほどの黄変はありません。
個体差なのでしょうか。
110は単体ではけられません。一番長いNo1でヘリコイドを伸ばしきると蹴られが出てくるようです。
折角のマクロ、倍率を上げたいのですが、困りますね。
ベローズは現物を見たことがありませんが、構造に興味があります。
写真>Kowa Super66, 110/5.6開放,等倍(Ext.tube3+2だったかな?
66-67のマクロを一堂にテストしたときはここまで蹴られたレンズは皆無でした。


そんな時にレバーにかかっているスプリングが外れた事が有ります。ご注意下さい。


ストロボを使用するとブレはかなり解決します。特に小絞りを多用し、ぶれやすい接写ではストロボは大変便利です。
ところでストロボシンクロにはレンズシャッター(リーフシャッター)が有利です。
フォーカルプレーンのブロニカはシンクロ速度が1/30〜1/40と低速で、絞り選択の自由度が制限されます。
コーワ6シリーズはリーフシャッターなので最高速1/500から全速ストロボ同調するため、背景光とのバランスをとりながら、撮影距離や絞りを最適に調整できます。
ところでフラッシュは色々あれど、コーワ6のようなマニュアルカメラでも自在に接写自動調光できるのはナショナル(パナソニック)です。
マクロフラッシュセンサという光ファイバーを、ストロボのセンサーに接続し、レンズ先端にクリップします。
いくらか補正をする場合もありますが、一度調整するとリニアリティがあり、適正露光が一発で得られて非常に便利です。
ナショナル時代の末期モデル、パラメータを広範囲に選択出来る「ストロボット」シリーズは特に自由度が高く高性能です。
こちらの例は、コーワスーパー66,110mmマクロ、T1,2,3リング、
ナショナルPE-381SG、リモートセンサPW15、マクロフラッシュセンサ


何となく自作も出来そうですね。
私は接写をあまり行ないのですが、リーフシャッター機にサンパックの小型外部調光ストロボを良く使います。
ストロボのISO感度を+2EVになる様にセットして、ポジでパカパカあまり考えずに写しています。
れんずまにあ様 どうも”カメラのナニワ ¥1000”が気になってしまって。


最近完動品でもそういう価格なんですよね。この380SGは電池室腐食がありましたが、それがなくても同様でしょう。
ナショナルの高級クリップオンタイプは300円くらいからありますしね。
改造も、惜しげもなく可能です。
確かに光ファイバーを外部調光センサー窓に接続すれば自作は十分可能だと思います。
センサーサイズに対してファイバー径が小さくなるのでF値は補正を要するでしょう。
純正マクロフラッシュセンサのキモはレンズ先端に止めるクリップです。
フィルタースレッドに咬み込む凹凸とアールが付けてあり、被写体に向ける角度を調整するフリクションが適切です。
この使い勝手を自作で出すのはなかなか大変かなと。
ナショナルの対応機種の外部調光センサー窓にはファイバーを接続するソケットがあり、ファイバー側の一端にはプラグがあります。
ソケットがない機種のために1本プラグを削り落としてホットグルーで貼り付けましたが、ちゃんと動作しています。
マクロフラッシュセンサは中古500円くらいから見ますので、光ファイバーを買うより安く付くかもしれません。
画像ぶれてしまってすみません。
上:ナショナルPE3057(クリップオンタイプ)の外光センサー窓部ソケットと、マクロフラッシュセンサ先端クリップ部、末尾プラグ部
下:マクロフラッシュセンサのプラグ部を削り落としてリモートセンサ2型に接着。ネジで補強しているが不要かも。


この様な撮影は500mm位有れば良いのですが、250mmです。
リヤコンが欲しいなぁと思いました。
Kowa Super66 250mm F5.6 NPS 160




ちょっとした勘違いで時間を逃してしまいました。
残照を背景にした江の島です。もう少し経つと灯台に灯が灯ります。
Kowa Super66 250mm F5.6 NPS 160


KowaSix 用の40mmは設計が古い事も有って巨大です。
正直、ツアイスやニッコールの中判カメラ用の40mmと比較すると、一歩譲るかもしれませんが、それは味として楽しんでいます。
こんな感じで、江の島灯台はライトアップされます。
Kowa Super66 40mm F4.0 NPS 160


常用レンズの口径が67mmに統一されたMM時代に登場した。
サイズは標準レンズ85/2.8に次いで小型。
完全自動絞りで、ピント合わせ時には口径比がおそらくf3.5くらいに大きいが、撮影時に最大絞りがf5.6まで絞り込まれる。
収差や口径食が減少する効果と、ピント合わせの容易さ、スプリットイメージをかげらさない効果を両立させている。
最短撮影距離は0.8mで、単体では85mmより拡大率は高いがそれほど高倍率にできるわけではない。
近接には適宜ベローズや、エクステンションチューブを併用することになる。
このときネックなのが蹴られ問題。
SIXとSIX MMはマウント開口部が小さいため、3種チューブで最長のT-1で110のヘリコイドを伸ばしきると四隅が蹴られる。
T-1,2,3を重ねて撮影も可能だが、相当けられることを覚悟せねばならない。
Super66は、マウント開口部が拡大され、T-1単体では蹴られなくなった。しかしT-1,2を重ねてヘリコイドを伸ばすと蹴られが出てくる。
蹴られは、66フルフォーマットで作画する場合気になるが、中心部のみや、645にトリミング前提なら構図に影響しない。ものはつかいようだと思う。
性能は、素晴らしいと思う。




普通に店頭で購入できる望遠。
ほとんど同じ画角だが、200のほうがかなり小さく、少し明るい。
200のほうが後で出たからか数が少ない。
250 はクローム仕上げもある。200のクロームは見たことがないが、黒のみ?
これ以上は、500mmが存在するがめったにお目にかかれないし、テレコンバーターx2も非常に珍品で入手困難。


定番の交換レンズ。
どちらも非常に評価が高い。
前期型は55mmも150mmも大柄で、後期になって劇的に小型軽量化された。
こちらは後期型で、55mmから250mmまでφ67mmフィルターサイズ。


少し周辺減光が大きいレンズです。いまだ発展途上に有ったレンズタイプの超広角レンズなので、
素晴らしい性能とは言えないと思いますが、中判一眼レフで40mmが使えるのは福音です。
ディスタゴンの初期タイプよりも一回り小さいのですが、ニッコールやゼンザノンと比較すると大型です。


110mmは殆ど見た事が有りません。Super66はケラレを改善するために、レンズマウントを傾けてスペースを作ったのですが、やはりケラレるんですね。


他社の優秀40と同時試写はまだしておりませんが、モノクロームではそれほど瑕疵が見えず、なかなか良好に感じました。
昨今は、昔のように気軽にポジ試写ができない実情です..
画像は同じ立ち位置から、35mmf4.5(左)と40mmf4(右)を開放試写したものです。厳密な比較とは言い難いのでご参考まで。
新たに導入したボディで、ネガがキズキズになってしまいました。これから原因究明します。
Kowa Super66 chrome, T-Max400, スーパープロドール3分
エクステンションチューブの蹴られ問題は悩んでいます。
SixMMでの蹴られはボディ開口部によると思われますが、Super66ではチューブの後端で蹴られているように見えます。
Super66に合わせてチューブ後端を切り取れば効果がある可能性がありますが、踏ん切りがついていません。


並べると、フィルターサイズが同じ95mmなのでそれほど差を感じませんが、ボディに付けると重量、前後長がかなり違って感じられます。
35mmのコンパクトさが際立っています。
拙宅の35mmは後玉バル切れ、商品としては表にだせないものだったようです。
今のところ写りには大きく問題はないように思います。


6×6サイズで35o。魚眼レンズでは無いタイプはとても珍しいですね。
流石に極周辺は流れてしまう様ですが、立派なものだと思います。
ケラレはその手の撮影が多い方には深刻ですね。リヤコンが有れば良いのかも知れませんね。


屋外マクロ撮影していて、どうしても光量不足で絞りきれないことが多く、フラッシュ接続を考えました。
従来型のグリップフラッシュ(投稿No576)ならオートも効くのですが、若干嵩張ります。
そこで、最近サンパックのマニュアルリングフラッシュGX8Rが非常に安いです。
そればかりか、ジャンク箱に発光部だけ1コインで転がっていて、即座に改造を思いつきました。
元々最大口径φ58mm用なんですが、発光管は巧く行けば中判でもクリアしてくれるはず。
スクリューマウント部を外し、ケンコースクエアフィルター用φ67mmアダプターにホットグルーで貼り付けました。回転は出来ないけど、できるだけレンズ側に近づけないと蹴られが心配です。
カメラ側もフラッシュ側もマニュアルなので、昔であれば気が遠くなる試写を繰り返しデータを取る必要があったはずです。
でも最近はデジカメがあります。
カメラ裏蓋を外し、アパーチャー部分にレンズを外したソニーNEX5を置き、周囲を暗黒にした後で1秒露光中に、コーワ側のシャッターを切ってフラッシュシンクロさせます。
ちゃんとレンズがシンクロするかテストにもなりますね。
NEX5側からみればオープンフラッシュです。もたもたしてるとNEX-5側が先に閉じちゃいます(笑)かといってあまり長時間露光にしたら、暗室じゃないから定常光の比率が無視できなくなる。手早くやるしかありません。
これで距離に応じた絞りと発光亮(フル、1/2、1/4がある)との関係を記録し、フラッシュに貼り付けます。
110mmf5.6最短とT1の組み合わせでは、フル発光f32が適正でした。後にフィルムで実写してこのチャートが適正であることを確認しました。


見事に昆虫が静止して写し止められました。
ところが、予期しない漏光が露見しました。多分マガジンのどっかから漏れてるんだろうなあ...
それと、フル発光f32は絞りすぎてティテールが回折で甘くなってしまいました。1/4発光f16がよいのかなあと思いました。
Kowa Super66, 110/5.6, T-1 tube, f32, 1/500, ACROS(EI100), GX8R

