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ブリッジカメラは?

最近、銀塩カメラが少しづつ値上がりしているような感じがしますが
気のせいでしょうか?以前はフィルムカメラ イコール ゴミみたいな感じでしたが。そんな中で一時期脚光を浴びて消えて?行ったブリッジカメラについて語りたいと思います。
記憶にあるのはリコーミライ、チノンジェネシス、オリンパス Lシリーズ、キヤノン オトートボーイJETあたりですが。

ケムンパス 2018/08/16(Thu) 12:36 No.1322 [返信]
Re: ブリッジカメラは?
ケムンパスさん こんにちは。

是非、ズームカルディア3000も仲間に入れて下さい。
efunon 2018/08/17(Fri) 22:02 No.1325
Re: ブリッジカメラは?
efunonさん、はじめまして。
ズームカルディア3000ですか。これは凄いデザインでしたね。
実際、1回しか物は見た事ありません。使っている人も見たこと無いですね。中古やジャンクも見たこと無いし。
どの位売れたんでしょう?
ケムンパス 2018/08/17(Fri) 22:39 No.1327
Re: ブリッジカメラは?
京セラ、サムライは、如何ですか?87年〜の、ズーム付きのハーフ。
写真機と言うより、ムービー型のハーフ。確か、25〜75の3倍と25〜100の4倍ズームが有った。更に、右利き用と左利き用が有った。
正に、未来形。デジで再生しても不思議でないデザイン。但し、現物はハーフとしては、大型でしたね。
ナースマン 2018/08/17(Fri) 22:50 No.1328
Re: ブリッジカメラは?
>どの位売れたんでしょう?

 コレは難しい質問ですね。
ブリッジカメラ自体、AF一眼レフ黎明期のあだ花みたいなところがあります。

 各社ともに苦しかったのではと思います。それでもLシリーズや京セラ サムライは比較的良かったのではと思います。
efunon 2018/08/17(Fri) 22:57 No.1329
Re: ブリッジカメラは?
ナースマンさん、はじめまして。
京セラのサムライ、これ売れていましたね。
結構高かった記憶があります。私は間違えて左利き用を買った記憶があります。おかげで使いにくかった。
サムライはデジカメ版があったような記憶があるのですが・・・
ハーフはもっぱらキヤノンダイヤルを使っています。
ケムンパス 2018/08/17(Fri) 23:13 No.1330
Re: ブリッジカメラは?
デジタルと言えば、コダックDC40があった。多分95年頃、コダック初期のデジカメ。デジカメと言っても、現代の物とは、形も機能も違う。
正にブリッジ型。単焦点レンズと透視ファインダーが横に並ぶ。
上級機にDC120があり、此方はズーム、液晶ファインダー付。CCDは多分38万画素?
コダックに出せば、プリクラ並みのプリントができた。TVにつなげば画像確認できたが、ソフトが合わず、PCにうまく取り込めない。
基本マック用。ウインドーズは95対応?画像の容量で、サイズが変わる。
取り込みに時間がかかるのに、ファインダーは、アナログのまま。動くものは撮れない。
発売当時10万程した。私は、97年頃、ソフマップで箱付きミント状態を、1万程で購入。
デジのお勉強と思ったが、こんなもの使い物にならない。
何せ、弁当箱で、ミノックス画像。其の儘お蔵入り。
ルミックスが出て、やっとデジ手に入れた。
探せば、今もどこかにあると思うが、覚えてない。
Nt検索しても、詳細、良く分からない。出てくれば珍品かも?
ナースマン 2018/08/18(Sat) 05:54 No.1331
Re: ブリッジカメラは?
コダックDC40は見た記憶があります。ブリッジカメラそのままという感じです。秋葉だと思いますが結構高かったような。デジカメはスマメ時代のフジのコンパクトに始まりDigitaというOSを搭載したコダックのコンパクトも使いました。当時のデジカメは電池が大食いで閉口しました。
メディアも高かったし。トータルで考えるとフィルムの方がまだ安かった時代です。
ケムンパス 2018/08/18(Sat) 14:30 No.1332
Re: ブリッジカメラは?
ブリッジカメラのカテゴリに入るカメラは触ったことがないのですが、ミノルタのAPEX105はジャンクで出てるときに押さえておけば良かったなと思います。
れんずまにあ 2018/08/18(Sat) 18:55 No.1333
Re: ブリッジカメラは?
ミノルタのAPEX105は一時期結構見ました。白が多かった気がします。ジャンク箱のなかで1台は見たので、そこそこ売れたんでしょうね。私も1台くらい押さえておけば良かったと思っています。車でもカメラでも、ある時期過ぎると急に見なくなりますね。
ケムンパス 2018/08/18(Sat) 22:20 No.1334
Re: ブリッジカメラは?
私も白が印象に残っていますが、今ネットで探しても黒ばかりですね。確か白はα8700iミールと同時期の記念モデルだったかなと。それを思うと余計に見たら押さえておけば良かった。ただし実用性には疑問符が並びますが。ただしα8700はストレス無く合焦するカメラなので、案外いけるかも。
れんずまにあ 2018/08/19(Sun) 08:49 No.1335
Re: ブリッジカメラは?
コニカからアイボーグという凄い形のカメラがありましたね。
これもブリッジカメラだったんでしょうか?
当時から台数も少なく、ジャンクでも結構高かった記憶があります。
ケムンパス 2018/08/19(Sun) 14:31 No.1336
Re: ブリッジカメラは?
アイボーグ。情報交換の方へも投稿したのですが、アイボーグは、フジワークレコードと同じジャンルのカメラ。現場監督ズームの発展形だと思います。
本来現場監督のレンズなので、ズームでも、隅まで歪の無い素晴らしいレンズだと思います。
ワークレコード共々、銀塩カメラの、一種究極の形かも。
ナースマン 2018/08/19(Sun) 15:07 No.1337
Re: ブリッジカメラは?
なるほど、アイボーグは現場監督の発展形でしたか。現場監督は写りが良かった記憶があります。
ケムンパス 2018/08/19(Sun) 16:34 No.1338
Re: ブリッジカメラは?
110カメラのフィルムは最近入手できるようになったそうですね。詳細は分かりませんが。完全消滅したAPSフィルムよりは
救われたのかもしれません。
ケムンパス 2018/08/24(Fri) 22:08 No.1340
Re: ブリッジカメラは?
ミノックス版フィルムも販売が終わったようですね。
どんどんフィルムが消えて行くような・・・
ケムンパス 2018/08/25(Sat) 14:06 No.1342
Re: ブリッジカメラは?
まずブリッジカメラとはどういう定義なんでしょうか。
私は漠然と、一眼レフとコンパクトカメラを橋渡しする、ズームレンズ固定で主に電動巻き上げオートフォーカスの135mmフィルムを使うカメラと思っていました。

例外的に、110判のミノルタ110ズーム2機種は110,手動巻き上げでもカテゴリに入るかもしれませんが、例えばニコレックスズーム35やフラッシュフジカズームデートは入らないように思いますし、いわゆる「暗黒ズーム」コンパクトカメラも入らないような。

なのでミノックスや16mmカメラはブリッジと言えるかは、私はそうは思っていません。

さてミノックスフィルム生産中止とのこと、どのフィルムでしょう。
ミノックス本社が出していたMinopanとかMinocolorですか?
Kingが出していたフジカラーを入れたヤツ? レモン社さんには詰め替え品が置いてあったと思いましたが...それもですか。
それともミノックスカートリッジそのものが中止?
いちおう今でもかわうそ商店さんには、詰め替え品だと思いますが今でも供給されています。

知人達はフィルムスリッターで35mmから裁断して使用されています。本来はそういう使い方が正当派なのでしょう。
れんずまにあ 2018/08/26(Sun) 00:29 No.1345
Re: ブリッジカメラは?
定義を少し広く考えていたようです。私、ファインダー、レンズ、シャッター、フイルム、露出計、巻き上げ機構を左右、又は上下に並列した物。と思っていました。
本来は、れんずまにあ様の定義の範囲にしなければ、際限なくなってしまう。
私、ブリッジの意味を、拡大解釈していたようです。本来、110、16mm、ミノックス等、別項にすべきものでした。
ケムンパス様には申し訳ありませんが、3機種削除致します。
ナースマン 2018/08/26(Sun) 05:46 No.1347
Re: 注意喚起
ナースマン様、失礼しました。
私がスレッドもとではないので、スレッド主が想定している正確な定義はわかりかねますが、多分2000年頃に湧いた一群のAFカメラのことを指していると思います。
私は全然触ったことがないので...

110やミニカメラについては別項目でよろしいかと思います。私は経験が浅いのですが、楽しいスレッドになればいいですね。

さて、このスレッドですが、どちらかといえば談話室で行うような内容で、機種別画像掲示板にあげるには異例の状態です。
 ほりさげたスペックやレポートがない。
 画像(必須ではないものの)や使用経験などがない。
 スレッド主が積極的に上記の情報をあげず、他メンバーに情報紹介を要望している。

個人的には望ましくないスレッドかと当初から思っていましたが、意外と皆さん食い付いてコメントが伸びていたので、様子を見ていました。

この形式がいけるのなら、京セラNのスレッドも容認されることになり、ここいらで注意喚起をせねばならないと思いました。
ケムンパス様には恐縮ですが、本来の機種別掲示板の形に修正して頂ければと思っています。
皆様のご意見は如何でしょうか。
れんずまにあ 2018/08/26(Sun) 09:17 No.1348
Re: ブリッジカメラは?
此方の項目に関して、私が思う事。
<私、こんな機種使ってます。使ってみてこう感じましたが、皆様如何ですか?>
<又、他機種使っている方は如何ですか?使用感教えて下さい。>
此れが、私の立ち位置です。時には系列機種を検索して、記載もします。
<?>付の項目では、私の様に拡大解釈することになると思います。
今後とも宜しく。
ナースマン 2018/08/26(Sun) 10:43 No.1350
Re: 注意喚起
画像が掲載できる様になるのは一つの夢でしたね。失礼しました。

いかがでしょう。ケムンパスさんのお持ちの機種をスレッド冒頭に掲載される様に修正されてはと思います。

まずは隗より始めよですね。でないと他所での掲示板と変わらなくなってしまいます。

 と云いながら、私はこの手の機種を持っておりません。
efunon 2018/08/30(Thu) 20:52 No.1361
Re: 注意喚起
efunonさま、貴重なご提言を誠にありがとうございます。私も賛同致します。

冒頭No1322に対して、スレッド下の修正ボタンで入って、画像を加えて詳細紹介文を付けて上げ直して頂ければ、標準的な投稿スタイルに戻るでしょう。
その下に伸びる雑談は、タイトルに関連があれば問題がないと思います。

また、詳細情報も画像もない話題や、特に残しておく価値が少ない話題、初回からの質問は、談話室に上げて頂ければよろしいかと思います。

そして、スレッド毎にハンドルネーム(HN)を変えることなく、HNを一貫して頂ければ、会話の為にもお互いに認識しやすいためお勧めします。固定HNでないといけない規則はありませんが、個人を認識できないと会話になりにくいと考えますので。

この掲示板はサイトオーナーである日浦様の寛大な広場ご提供のもとで、他利的な献身と、少々の自己顕示で成り立っています。皆が役立つ情報が集積できればよいですね。
れんずまにあ 2018/08/30(Thu) 21:27 No.1362
Re: ブリッジカメラは?
皆さま、どうもすみません。私が良く知らないで掲示板に書き込んでしまい多大なご迷惑をおかけしたようです。
フィルムカメラはもう5年以上前に全て処分しており手元には
ありません。オリンパスのL1は所有していました。たまたま立ち寄ったここで懐かしさのあまりに書き込んでしまいました。申し訳ありませんでした。
ケムンパス 2018/09/01(Sat) 00:46 No.1364
Re: 注意喚起
ケムンパス様、ご返答ありがとうございます。
画像がお手元にないのは大変残念でした。

私が探せていないだけかもしれませんが、投稿規定は特に掲載されていませんのでこれは絶対ダメというものでもありませんが、
従来から暗黙の了解のようなものがありまして、

こちらは、機種別画像掲示板とされているので、基本的にはカメラ本体の画像を掲載しつつ、トピック主がその機種の解説をあげて皆に紹介する。
そののち、その機種に関連する話題や、撮影画像を上げて紹介の幅を広げていく。
結果として検索でやってこられた方に有益な情報を集積する。

という大筋で成り立っていることは、従来のスレッドをご覧になればおわかりになるかと思います。

もっと言えば、CameraGraphic本館で日浦様が「クラシックカメラ紹介」でおやりになっていることを、皆で真似して盛り上げていこうという主旨かと思います。

雑談はぜひ談話室の方でもりあがっていこうと思いますので、今後ともなにとぞよろしくお願い申し上げます。
れんずまにあ 2018/09/01(Sat) 22:58 No.1371
Re: ブリッジカメラは?
ケムンパス様。以前オリンパスL1所有していらしたのでしたら、その思い出を投稿して下さったら如何ですか?
私も、サムライは既に手元にはありません。
銀塩カメラ手放したとの事。まだ、120、135フイルムは手に入る。此方の投稿を参考に、興味ある銀塩カメラを再度手にして下さってば如何ですか。
銀塩カメラを使える最後の時代かも?
でもって使用感を、報告してください。
画像は2の次。私なんぞ、当時の広告、取説を掲載したり、もう手元には無い機種を掲示したり。銀塩カメラの思い出を掲載しています。
ナースマン 2018/09/02(Sun) 16:30 No.1372
Re: L-1
ナースマンさま、ご意見ありがとうございます。

勿論画像なしでも、ナースマン様やefunon様のご投稿のように資料性が高く、またご自分で使ってこられた生きた情報が満載されていれば、公益性が高いのは間違いありません。

私が個人的にふと思っているのは、かつては「カメラコレクターズニュース」や商業誌ではカメラレビューなどにご執筆、ご投稿されていた先達達が発表の場を失っているのではないかという危惧です。
多くの方はネット環境に移行されたかもしれませんが、撮り残されたアナログ情報の中に、私などは足元にも及ばない豊富な知識と経験をもつ大コレクター様、あるいは設計生産現場におられた当事者様たちの情報が埋もれてしまうのは大きな損失です。

また大規模でなくても、それが個人的なほんの小さなご経験でも、大コレクター情報と価値は同じだと思います。

画像が無くても、ご自身でウェブサイトを立ち上げる機会がない方の受け皿になればよいなあと、ふと思いました。
私も自前のサイトを持たない身ですので、このような発表の機会をいただけて感謝の言葉もありません。
れんずまにあ 2018/09/02(Sun) 22:38 No.1376
ブリッジカメラは
チノン スーパージェネシス

1990年発売
所謂ブリッジカメラと呼ばれる物です。ネーミングに"スーパー"が付いた本機は電動ズームレンズとなり、フォーカルプレーンシャッターを搭載。デザインも曲線曲面が多くなり、先代より洗練された印象。
TTL測光で赤外線アクティブ・TTLパッシブオートフォーカスのマルチAF。レンズは38〜110mm11群12枚(F4.4〜5.6)シャッターは低速は分かりませんが高速側は1/1000迄有るようです。
AEはプログラム・シーンモード2種。他に人工知能によるプログラムズーム機能が用意されていました。
+/−2段まで0.5段ずつ露出補正可 フィルターネジは58mm セルフタイマー有り 連射機能有り デート機能有り(2019年迄)
電池は2CR5リチウム電池を1ケ使用 重量は720g 定価¥64,800

「被写体を人工知能が瞬時に判断し、マルチプログラムが最適なズームを操作を行う」機能が有るらしいですが、この機能はボタン一つで解除できるので使ったことがありません。フィルム代金と時間に余裕があれば試してみたいものです。
"スーパー"の付かない先代ジェネシスでは手動ズームレバーにマクロ位置があり、50センチ程度まで寄れましたが、本機は80センチ位までしか寄れません。

TTLファインダーはやや暗めなものの、通常のズームコンパクトカメラの小さなそれよりは遥かに見易く信頼出来ます。ボディ右手側が水平にグリップ形状になっていて、安定してホールドできます。操作に対するレスポンスも良いので、大きさえ気にならなければ案外使いやすいです。

取り敢えず撮ってから 2025/02/07(Fri) 18:03 No.2717
Re: ブリッジカメラは?
ミノルタ APEX105

1990年発売
3倍ズームレンズを搭載したレンズシャッター式のブリッジカメラ。レンズは電動ズームの35〜105mmF4〜6.7 (3群12枚) 最短撮影距離70cm シャッター速度は1/2〜1/500
TTL測光・TTL位相差検出AF 実像式ズームファインダー。

電池は2CR5リチウム電池1ケとデート機能用にCR2025ボタン電池使用 
重量は560g 定価¥62,000 セルフタイマー有り。デート機能有り(2019年迄)。露出補正無し、その他撮影者が調整できる機能は殆ど無し。

フィルム室のフォーカルプレーンシャッターのように見える幕は単なる遮光板です。
撮影操作時に入る時には@常時レンズシャッターが全開で遮光板が閉じていて、光路にはミラーが降りているAシャッターボタン半押しでTTL測光・測距を行う、Bシャッターボタンが押されるとレンズシャッターが閉じ、ミラーが格納され、C直後に遮光版が開いてレンズシャッターが開閉して撮影、D遮光板が閉じ、レンズシャッターが開き、光路にミラーが降りる
という実に複雑な動きをします。ただ動作は瞬時に行われるため、タイムラグは殆ど感じさせません。横長のボディは双眼鏡を覗くように保持しますが、良い位置に窪みがある為しっかりと握ることが出来、ぶれ難いです。

このカメラが発売された頃のミノルタは、写真撮影の高度な自動化に熱心でした。本機も電源ON時にファインダーに目を近づけると測光と測距を始めるアイスタート機能を持ち、被写体をカメラが判断してズーム動作をするAPZ(Advanced Program Zoom)も搭載しています。このややお節介なAPZはズームボタン2つを押しながら電源ONすることにより解除が出来ますが、電源を落とすと保持されません。

取り敢えず撮ってから 2025/02/14(Fri) 18:02 No.2734
Re: ブリッジカメラは?
リコー ミライ

1988年発売
約3.8倍のズームレンズを搭載したブリッジカメラ
レンズは 35-135mmF4.2-5.6 TTL測光・TTL位相差検出AF
シャッターは金属製縦走りフォーカルプレーン、B・32〜1〜1/2000
最短撮影距離1.2m(マクロモード時0.49m)
重量1030g(実測)
露出補正、セルフタイマーあり、連射可能、日付機能は2019年迄
電池CRP2 リチウム電池1ケ又は単4型アルカリ電池4ケ

ブリッジカメラの中で最も一眼寄りのカメラと言えるのがこの機種ではないかと。
ペンタプリズムを備え、TTLファインダー下部には絞り・スピードが表示され、プログラム方式の露出は矢印ボタンでシフトが可能です。露出補正も±4段まであり、モーター式ですが、MFも可能。マクロ使用時は100mm固定のMFのみですが、フォーカスエイドが使えます。6段階で角度調節の出来るグリップもあります。
但し重量は1Kgを超えてしまいました。ファインダー面は中央にAFエリアが表示されるだけで、スプリットイメージなどはありません。当然絞込みボタンも無し。ファインダー内ではなくボディ上面の液晶に表示されるAF測距値。ボタンとスイッチの数が多く、ばらばらに配置されている所などなど・・せっかくの多機能が操作の難しさで空振りしている感があります。

そんなふうですので使い心地は見た目通りと言うか、扱い難い訳です。操作系のスイッチ類をもう少しまとめるなどすれば、一眼の代わりに手にする人も多少増えたかも知れませんね。私がこれを持ち出すことが少ないのは、触れる楽しみはあるけれど、それだけの為にはボディが重すぎるところです。

このカメラはオリンパスからもIZM400として販売されていました。スポット測光の有無など機能面では少し違いがあり、映画「バットマン」にも登場していました。

取り敢えず撮ってから 2025/03/07(Fri) 18:53 No.2753
Re: MINOLTA APEX105
APEX105持っています。
このカテゴリのカメラの中では最も洗練されたデザインではないでしょうか。
あとは京セラサムライIIかな。
ちょうどミノルタアルファでは、ミールで宇宙に行った8700iと同世代かと。
その記念でパールホワイトの8700iと同時に、APEX105もホワイトモデルがありました。
一時期ジャンクボックスでよく見かけた白、買っておけばよかったなあ。
これは白がもう見かけなくなった頃、同じくジャンク箱で千円ほどで確保。
フルオートで使う分には問題ありませんが、ちょっと撮影に意思を入れようとすると大変ストレスを感じることになります。
おおらかな心で撮影すべきなのでしょう。

れんずまにあ 2025/03/15(Sat) 19:07 No.2763
Re: MINOLTA APEX105
ズーム105mmf6.7位置
当時はAFコンパクトカメラもズームレンズが主流でした。
運動会で子供を撮るなどの用途で、どんどん望遠側が伸びましたが、レンズのサイズに限界があり、望遠端はf16を超えるものもザラ。
知人は「暗黒ズーム」と命名していました。
f6.7は十分に明るいのです。

れんずまにあ 2025/03/15(Sat) 19:31 No.2764
Minolta APEX105
れんずまにあ様、
白ボディ、有りましたねぇ。私が黒の本機を購入した4年ほど前はすでに白はレアとされ、高価だったと思います。APEX105は同クラスの他機種よりはAFがあてになり、合焦も早かったように思います。ミノルタもAF・AEに自信を持っていたから、「どんな被写体もカメラに任せとけ!」というスタンスだったのでしょう。一時期はAF一眼レフでも(キヤノン含め)フルオート専用みたいな機種もありましたね。

取り敢えず撮ってから 2025/03/17(Mon) 17:57 No.2765
Minolta APEX105
れんずまにあ様、
確かに今思うと、あの暗黒ズームは誰の為だったのでしょうか。
私の所にもニョキニョキ伸びるズームコンパクトが有りました。プラAFカメラが底値の頃に100円で手に入れたエスピオEW(24〜110mmF4.9〜12.5)です。ちなみに望遠域は使いません。コンパクトで24mmという画角に興味があっただけです。

取り敢えず撮ってから 2025/03/17(Mon) 17:58 No.2766
中判シートフィルム

中判シートフィルム(大名刺判,小名刺判)の情報を「リンホフテヒニカ23」のサイトに書いた所,れんずまにあ様とフイルム大好き様から沢山のご意見とコメントをいただきました(No. 2063-2065, 2070-2072, 2112-2115, 2163-2165)。シートフィルムの情報は機種に依存せず,もしかすると中判フィルムカメラをご使用の方々一般にも興味があるかも知れません。そこで,このサイトをお借りして,これまでに集めた中判シートフィルムの情報をご紹介します。

中判カメラ用のシート(カット)フィルムは,アトム判から大名刺判まであり,昔の蛇腹式ハンドカメラやプレスカメラでは標準的な感光材だったようだ。しかし,後にコストの安い120("ブローニー")フィルムが普及し,シートフィルム/乾板がロールフィルムに置き換わる中で利用者が減り,フィルムの生産や販売が打ち切られるという悪循環が続いた。その結果,現在の中判シートフィルムは,120フィルムで代替できない大判フィルム(4x5, 5x7インチ等)と異なり,絶滅寸前の状況にある。

シートフィルムは,ロールフィルムより速写性で劣るが,平面性の良さと独立現像のメリットがある。(同露出で2枚撮り,1枚目の現像結果を見てから2枚目の増減感調整が可能。)また,テクニカル/ビューカメラの場合,ピントグラスで構図を決めた後,フィルムホルダーをカメラバックに直接差し込んで撮影できる(カメラバックを取り替える必要がない)という利点もある。120フィルムの値段が高騰している現在,一枚一枚じっくり撮るシートフィルムは,むしろ魅力的かも知れない。

このサイトが契機になり,もし中判シートフィルム市場が少しでも盛況になれば幸いです。

狸おやじ 2023/02/11(Sat) 21:51 No.2168 [返信]
Re: 中判シートフィルム
現在入手できる中判カメラ用のシートフィルムは,主に2種類:
・ 大名刺判: 6.5×9 cm; 2.5×3.5 in. (実寸: 63x88 mm),ヨーロッパ規格
・ 小名刺判: 6x8.5 cm; 2.25×3.25 in. (実寸: 57×83 mm),アメリカ規格

この他に,アトム判(4.5x6 cm,大名刺判の半分)のシートフィルムが主にヨーロッパで使われたようだが,現行の製品は確認できていない。大名刺判もヨーロッパ規格で,大手札判(9x12 cm)と共に広く使われた。一方の小名刺判はアメリカ規格で,手札判(3.25x4.25 in.)やシノゴ判(4x5 in.)と共に北米で使われていた。日本では,第二次大戦前はヨーロッパ規格,戦後はアメリカ規格に合わせたカメラ/ホルダーが多いようだ。

これら2種類のフィルムには互換性が無く,それぞれのフィルムに合ったホルダーを入手して使う必要がある。因みに,リンホフのテヒニカI~IIはヨーロッパ規格のみだが,戦後のテヒニカIII~Vは両方の規格に対応し,テヒニカ23は大名刺判と小名刺判,テヒニカ45は大手札判とシノゴ判のフィルムホルダーが利用できる(参照:No.2063)。

大名刺判シートフィルムは,国内では富士フイルムがモノクローム(ネオパン100 ACROS)を2010年頃まで販売していたが,現在は製造中止。一方海外では,種類は少ないが現在でもモノクロシートフィルムの製造と販売が続いている。


写真:リンホフ テヒニカ23用のシートフィルムホルダー(大名刺判).

狸おやじ 2023/02/11(Sat) 22:03 No.2169
Re: 中判シートフィルム
現在海外で販売されている(又は最近まで販売されていた)モノクロームの中判シートフィルムは,私が調べた範囲では:

大名刺判(6.5x9 cm)
・ Adox CHS 100 II, 6.5x9 cm, 25 sheets.
・ Agfa APX 100, glass plate, 65x90x1.5 mm, 10 pieces.
・ Foma Fomapan 100, 6.4x8.9 cm, 50 sheets.
・ Ilford FP4 Plus, 2.5x3.5 in., 25 sheets.
・ Shanghai GP3 100, 6x9(62x89 mm), 50/100 sheets.

小名刺判(2.25x3.25 in.)
・ Adox CHS 100 II, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Arista EDU Ultra ISO 100, 2.25x3.25 in., 50 sheets.
・ Arista EDU Ultra ISO 400, 2.25x3.25 in., 50 sheets.
・ Ilford FP4 Plus, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Ilford HP5 Plus, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Shanghai GP3 100, 6x9(57x83 mm), 50/100 sheets.

値段は通販サイトによってバラバラだが,大体50枚で30~80ユーロ/ドル程度。
安い順に,Foma < Shanghai < Arista < Adox << Ilford。AristaはFomaのフィルムを仕入れて教育用に販売しているアメリカの会社で,小名刺判だがISO400があるようだ。Agfaはガラス乾板を販売中で,10枚入で119ユーロ(Macodirect)。フイルム大好き様によると,ガラス乾板撮影は五反田の写真館でワンショット5万円(!)との事。

ご参考になれば幸い。
狸おやじ 2023/02/11(Sat) 22:46 No.2170
Re: 中判シートフィルム
国内では,私が確認した範囲では,「みらいフィルムズ」と「かわうそ商店」がフォマパン100(大名刺判)を販売しているようだ。
詳しくは,販売店のオンラインサイトで各自ご確認下さい:
http://miraifilms.jp/?pid=171792675
http://kawauso.biz/products/list.php?%20transactionid=50414011ac6ee099aab878a36f671ccb09ff7522&mode=search&category_id=188&name=&search.x=88&search.y=19

以下は,海外のオンラインショップでの販売情報 (L: 大名刺判, S: 小名刺判)。
・ ドイツ Macodirectは,Fomapan 100(L), Adox CHS 100(L,*), Agfa APX 100(ガラス乾板, L)を販売中:
https://www.macodirect.de/en/film/?p=1&o=1&n=36&f=175%7C1394%7C1406%7C262

・ アメリカ B&H は,Arista EDU 400(S), Adox CHS 100(S,*)を販売中:
https://www.bhphotovideo.com/c/products/Sheet-Film/ci/335/N/4093113314?filters=fct_sheet-size_3122%3A2.25x3.25in%7C2.5x2.5in

・ アメリカ Freestyle は,Arista EDU 100(S), 400(S), Ilford FP4(S), HP5(S)を販売中:
https://www.freestylephoto.com/category/2-Film/Black-and-White-Film?stock=0&attr%5B%5D=1-50&q=

・ アメリカ View Camera Store は,Ilford FP4(L, S), Ilford HP5(S)を販売中:
https://viewcamerastore.com/collections/black-white-photographic-film?sort_by=price-ascending

・ カナダ The Camera Store は,Ilford FP4(L, S), Ilford HP5(S)を販売中:
https://thecamerastore.com/collections/film-darkroom?sort_by=best-selling&filter.v.price.gte=&filter.v.price.lte=&filter.p.m.search_filters.film_size=Large+Format&filter.p.m.search_filters.film_type=Black+%26+White&page=1

・ 中国 SHJC は,Shanghai GP3(L, S, リンホフ判)を販売中:
https://shop.shjcfilm.com/products/shanghai-gp3-100-black-and-white-negative-film-6x9-sheet-film?variant=40296996372659

他のシートフィルムについても,新しい情報が得られたら,情報を更新しながら紹介する予定です。

*) 現在欠品中
(最終更新日:2024年7月14日)
狸おやじ 2023/02/12(Sun) 10:43 No.2171
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
拝読致しました。楽しい世界ですね。ガラス乾板、ホルダーごと持ち込んで現像受付可能かどうか、プロラボに問い合わせ致して1件はダメでした。週明けもう一件当たってみます。問題は現像ですね。全部自家現像がベストとは思いますが。可能な限り色々チャレンジしてみるつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/12(Sun) 17:51 No.2173
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも、詳細情報のご案内、ありがとうございます。
周辺環境、外堀埋めるつもりで都内大手のプロラボにガラス乾板現像問い合わせ致しました。ホルダー毎に受付可能かと。結果は、やはりダメでした。あとは、環境恵まれた知人に打診してみます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/13(Mon) 12:32 No.2174
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ガラス乾板は現像が難しそうですね。どこかプロラボで受け付けてくれるといいのですが。
暗室があれば,バットやビーカーで現像できるかも知れません。大都市(東京?)にお住まいなら貸暗室もあると思います。

私は取り敢えず値段の安いシートフィルムで楽しむ予定です。(Fomapanを注文をしていて納品待ちです。)
今はフィルムの現像環境もないので,タンクやリールを思案中です。シートフィルム用のリールもありますが値段が高くて...。現像の道具や使い勝手等もその内にご紹介できればと考えています。
狸おやじ 2023/02/13(Mon) 21:57 No.2175
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ありがとうございます。
自身、凝り性で午年のせいか、ゲートが開くと突っ走る悪癖を自覚しています。ライカ、ローライ、ハッセル、ニコンSいずれもいい思い出ですが、リンホフを初めて手にして写真の原点に帰る事ができるんじゃ無いかと、このサイトのお陰でハナシには聞いていたガラス乾板が半透明のカーテンの向こうに見え始めています。手綱を引きながら、歳相応に、慎重に落城目指して頑張る所存です。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/02/14(Tue) 00:49 No.2176
Re: 中判シートフィルム
狸おやじさま、スレッド構成まことにありがとうございます。
これほどの情報を日本語でまとめて得られるのはすばらしいことです。

スプリングバックで撮影する際には、ロールホルダーよりもはるかに使いやすい。
昨今のフィルムコスト高騰の折、ロールでバンバンコマ数を流すスタイルではなく、1枚1枚丁寧に撮影するスタイルに移行すべきなのかもしれませんね。
シートフィルムは平面性メリットもあり、何より操作が楽しい!

さて出来る限り大きなフォーマットはメリットがありますし、日本での入手の容易さ(50歩100歩とも言いますが)から出来れば大名刺を確保したいのですが、全然ホルダー数がない!おまけにヤフオクは高い!なんで??そんなに人気あるの?

近所の店舗には、米国からの輸入が多かったのか、在庫は全部小名刺なのです。
ホルダのアパーチャーを見ると、小さいですね。印象としては6x7を1コマ分くらい。数字的には6.5x9とほとんど変わらないのですけども。
まあ大きな問題じゃないですね。

小名刺フィルムは米国に発注しないといけない...
まあ5x7をカットする手もありますね。

カットするにしても、専用カッターは入手困難なので、暗室でロータリーカッター。
そこで以前から凄く悩んでますのは、裏表をどう判断できるかです。
既製品シートフィルムは膜面を表向けにした時、右上にコードがカットされていますので、暗黒でも手触りで表裏がわかります。
1/4カットしたら、1枚はコードが残りますが他の3枚はどうしましょう。何かコードカット出来る物がないか、文具店で物色しグリーティングカードの端を凹凸にするミニカッターを買ってきましたが若干大袈裟なような。
ただしカットの最大のメリットは、カラーフィルムが作れるということ。現像さえ受け付けてくれれば夢は広がります。

現像はもう一方の問題です。
私は目下モノクロしか想定しておりませんが、4x5はパターソンに6枚セットできるアダプター(MOD54 Mk27)で現像しております。非常に簡便で効率的。
しかしMOD54は少なくとも4インチないとセットできません。

4x5アダプターにはLPL製で4枚セットできるアダプタがありますね。これなら2x3いけるのかも。
私はMOD54と同様の構造で2x3がセットできるホルダーをプラスチック板で自作できないか、あるいはパターソンリールにシートをセットできないか、漠然と考えています。
れんずまにあ 2023/02/15(Wed) 22:45 No.2177
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
御指南、ありがとうございます。ロータリーカッター?パターソン?道の固有名詞です。如何にフイルム道を怠けていたか反省してます。この辺からしっかり、勉強した上でガラス乾板に行かないといけないと考えております。失われた10年,じっくり取り返すつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/16(Thu) 00:30 No.2178
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。
大名刺判のホルダーは確かに少ないですね。eBayも安価なホルダーは小名刺判が多い。でも,ヤフオクは気長に待っているとたまに出ることがあり,私は昨年秋に偶然見つけました(2個x1200円)。状態の良いホルダーが見つかるといいですね。

現像も難題です。MOD54の縮小版があればベストですが,残念ながら無さそう。ヤフオクのLPLのホルダー(4x5"x4枚用)も良さそうですが,6x9で使えるかなあ。今私が考えている候補は,QL69-P(20th Century Camera*, $55)です。パターソンの現像タンク(PTP115以上)で使え,大名刺判を6枚セットできるみたい。でも日本への送料込で1万円以上は高いなあ。スパイラル式も少し面倒かも。

*) 2023年2月に火災で店舗が消失し営業停止中。現在再開に向けて準備中とのこと。
https://20thcenturycamera.com


QL69-P (検討中).

狸おやじ 2023/02/16(Thu) 23:39 No.2179
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
たぬきおやじ様
ご指導、感謝です。もう10年以上前、実家の和室と風呂場で末弟と6×6,35mmのプリントを楽しみました。ハイ、ズルして現像はラボです。イルフォードのバライタにプリントした写真は今だに大切にしています。デジタルからプリンターに出力したプリント、和紙とか色々試しましたが敵いません。兎に角、リンホフ周辺機器が高い価格ですからゆっくりと楽しんで行くつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/17(Fri) 01:51 No.2180
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも、ビギナーへの懇切丁寧なご指導ありがとうございます。ガラス乾板などと生意気なことを言う前に、まず現像とまたも検索して、イギリスのlinhof studioと言うサイトで、パターソンのキットが45ポンドで出ていましたので注文しました。到着迄、現像液研究してみます。コレも色々ありますね。何せ、120モノクロ一本現像に出して今回、上りまで2週間!さすがに、決心致しました。

フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 18:56 No.2190
Re: パターソン
フィルム大好き様、フィルム現像キットご確保おめでとうございます。
パターソンは失敗が少ない優れたリールだと思います。
ナイコール型(ステンレスタンク)より液量が多く必要ですが,裏返すと温度が安定します。
昔は褐色の専用現像液ボトルを使っていました。ただ酸化が早く、現像頻度が少ないと劣化で勿体無いことになりがちです。
私は最近ペットボトルを使い始め、空気をほとんど追い出した状態でキャップすると、溶かした原液なら半年でも1年でもちゃんと現像できてますし、全く変色も見られません。
遮光したほうが良さそうですが、もともと冷暗所保管、というか車のトランクですので。
私は泊まりがけで仕事に行くので、出先で現像しているのです。持ち出してもこぼれないようペットボトルを採用したら、思わぬ保存効果に驚いています。

現像液は昔と違って大変選択肢が広く、どれで現像するかがまた楽しみです。色々お試しください。
ちなみに今愛用しているのは、20年前に購入したミクロファインやフジドールだったりします。私の目が節穴なせいもありますが、現像結果には満足しています...
れんずまにあ 2023/02/28(Tue) 19:15 No.2191
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のご指南、感謝です!そうか!ペットボトル!褐色の保存ボトル検索中止!です。ありがとうございます。モノクロはイルフオード使っていますが、tri-xもやってみたいです。ミクロファインですか。濃いめの写真が好きなもんで、色々トライですね。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 19:29 No.2192
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,貴重な情報をありがとうございます。
Linhof studioを見ましたが,パターソンの現像キット(PTP573)が45ポンドはお買い得ですね。私もパターソンのPTP115かPTP116(送料込6-7千円?)を考えていました。道具の揃った115のキットが送料込70ポンドは魅力的です。パターソンはQL69-Pが使えるのもメリットと思います。

れんずまにあ様,保存用のペットボトルは名案ですね。
これは現像を活発に実践されている方のみが知る貴重な情報で感謝いたします。現像液についてもまたノウハウ等お教えいただけたら幸いです。
狸おやじ 2023/02/28(Tue) 23:13 No.2193
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
少し、お役に立てて嬉しいです。ライトアングルファインダーを探していた時、新品が
リストアップされていて価格から断念していました。シュナイダーレンズキャップも新品で勢揃いなのには驚きました。楽しいサイトですね。
フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 23:46 No.2194
Re: 中判シートフィルム
シートフィルムをホルダーや現像タンクに装填する際は「暗闇」が必要になる。
暗室がない場合,ダークバッグの利用が一般的だが,布袋の中の作業は面倒で,塵や埃がフィルムに付く可能性もある。何かもっと便利で快適な方法がないかと考えていた。

ポップアップ式の"Film Changing Room"が,アメリカのPhotoflexから販売されている。
これは周囲に金属フレームが入った組立式の「暗箱」で,袋から出して引き手を引くと自立する。海辺で見るポップアップテントの暗箱版で,ポール式より組み立てが簡単。Adoramaも同様の商品を出している(*)。どちらも国内での販売は無いが,eBayで中古($20)を見つけたので購入してみた。

使い勝手はなかなか良い。生地は2重で開口部は2重のファスナーで遮光されている。
両側の袖から手を入れて操作するのはダークバッグと同じだが,自立式なので作業用の空間が確保できる。大きさは40x55x40cmで,中判から大判のシートフィルムの操作が可能。畳むと厚さ4cm,重さは600gで携帯にも便利。シートフィルムのホルダーへの装填に重宝している。

*) 2023年12月8日追記
Adoramaは日本への通販を始めたようだ。詳しくは
https://www.adorama.com/adpfcr.html


写真:ポップアップ式暗箱 (Film Changing Room, Photoflex).

狸おやじ 2023/03/04(Sat) 17:48 No.2196
Re: 中判シートフィルム
たぬき親父様
れんずまにあ様
パターソンキット5日で届きました。さあ!と思い、ダークバックもと、思っている所、ご投稿見て夜中検索しています。それにしても、現像液。家人からは匂わない様にと。釘を刺されまして、、、ヨドバシの売り場でも行って相談してみます。

フイルム大好き 2023/03/06(Mon) 01:10 No.2197
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
パターソンの現像キットが届いて良かったですね。おめでとうございます。
ポップアップ式暗箱は,フィルムをホルダーへ装填する時は,埃防止に役立つと思いますが,現像タンクに装填する時は(埃が現像液で流れるので)ダークバッグで大丈夫と思います。

私の記憶では現像液はそれ程匂わなかった(?)と思います。ただ,停止液の酢酸は匂いますね。気になる場合,クエン酸を使うのも良いかも知れません。私は水で代用することもあります(これはあまりお勧めしませんが)。
狸おやじ 2023/03/06(Mon) 20:18 No.2198
Re: 現像液
私は出先で現像しておりますが現像液はさほど匂いませんので出先に迷惑はかかっていないと信じています.
定着液は鼻を近づけると酸臭がしますがこれも大したことありません.
私はモノクロ現像再開してからストップバスに酢酸は使わず水で3回洗浄して定着を入れます.
一応定着液は所定の本数以上使えているので,それほど劣化は起こっていないようですが,本当は狸おやじ様の仰るように,酸性ストップが望ましいとは思います.
最近は海外製の匂わない停止液が通販に出ていますね.
内容はクエン酸なのでしょうか.クエン酸は単独でも購入できますし,いいかもしれませんね.
れんずまにあ 2023/03/06(Mon) 22:00 No.2199
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
早速のご指導、感謝致します。ありがとうございます。クエン酸なるほど。水洗で済ませればいうことないですね。色々試してみます。まずは、ダークバッグ頼みました。現像は人それぞれですね。レシピとは言い得てますね。まずは撮影ですね。
フイルム大好き 2023/03/06(Mon) 22:20 No.2200
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
6×9シートフィルム現像リール発見しました。6枚現像出来るとなっています。パターソンリール試して、ダメなら検討してみようと思います。

フイルム大好き 2023/04/26(Wed) 23:54 No.2227
Re: JOBO 2509n
フィルム大好き様、これはすばらしい情報ですね!喜ばれる方も多いのではないでしょうか。
画像を見ると6x9てか2x3でなく9x12cmと4x5しか写っていないようで若干の不安が...
私はまだホルダー捜索中です。
リンホフの大名刺を1個だけ確保しましたが、裏表2枚だけではなんとも心細い。せめて5個ホルダが揃わないと出撃を躊躇してしまいます。
フィルムと現像装置を揃えるのはその後にしようと目論んでいます。

B&Hでは64ドルですが送料と為替を加味すると微妙なところですね。それでもタンク込みだと海外の方が安いかも。
https://www.bhphotovideo.com/c/product/25534-REG/Jobo_J2509N_4x5_Sheet_Film_Reel.html
れんずまにあ 2023/04/27(Thu) 00:48 No.2228
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
さすがの情報収集力恐れ入りました。B&H安いですね。でも送料が、、。コレはドイツ製ですか。フィルム愛好者は環境厳しいですね。
フイルム大好き 2023/04/27(Thu) 01:32 No.2229
Re: JOBO 2509n
フイルム大好き様
れんずまにあ様
貴重な情報をありがとうございます。

Joboのリール2509nは汎用型で,6x9cm~4x5in.まで対応するのが良いですね。
ただ,2520以上の大型タンク(横回転式?)が必要で値段もやや高目。使い勝手は分かりませんが,動画を見た感じだとQL69-Pよりフィルムの装填が難しそう。今は20th Century Cameraが火事で販売停止中なので,貴重な代替候補と思います。
狸おやじ 2023/04/27(Thu) 20:50 No.2230
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。
こんな物はあるんですね。ヨドバシで売っていました。肝心の中身も充実して欲しいものですね。

フイルム大好き 2023/04/28(Fri) 18:19 No.2231
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
HCLのフォトスリーブですね。6x9用は初めて見ました。貴重な情報をありがとうございます。

120フィルムの保管には,私も苦労してきました。
基本的にはポジフィルムのスリーブを透明シートに入れてバインダー式のフォトファイルに入れてきました。ハクバのフィルムファイル(SF-4),富士のリバーサルファイル,コクヨのフォトファイル(ア-M160)を使ってきましたが,どれも6x9を2枚づつ4段入れるなら問題ないが,6x7だと上手く収まらない。6x9シートフィルムを入れるならポケット式の透明シートが欲しいが,4x5用しかない。もう少し調べて何か良い情報があればご報告します。
狸おやじ 2023/04/29(Sat) 11:25 No.2232
Re: 6x7収納
私お6x7の収納には困っています。
6x9用4段だと、6x6は3コマいけますが、6x7はもう1段必要。6x8もそうなんですけど。
それと6x12も困ります。6x17なら大丈夫なんですが。
ネットで縦に6x12を2コマx3列収納できるネガポケットを、4x5を4枚収納できるものと一緒に取り寄せました。
これでも6x7なら3-3-3ー1と1コマあまっちゃうんですよね....
れんずまにあ 2023/04/29(Sat) 15:27 No.2233
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
諸先輩皆様、隠れたご苦労がございますね。6×12のネガ、ポジ、綺麗でしょうね。デジタルファイルはモニター画面であまり感動がございません。スリーブをライトボックスに置く時が何より傍らの水割りが、より美味しくなります。それにしても6×9シートフィルムがモノクロオンリーとは。れんずまにあ様のご投稿の5×7のポジをカット、、を考えてしまう様です。カットホルダーが手元に届くまで、あれこれ考えております。
フイルム大好き 2023/04/29(Sat) 18:41 No.2234
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。確かに6x7は中途半場な大きさで困りますね。教えていただいた6x12用のシートに6x7をペアで入れるのは上手い方法なので検討してみます。ありがとうございました。

大名刺判シートフィルムの方は,コレクトのA4ポケットリーフ(S-4240)が使えるかもしれません:
https://www.amazon.co.jp/dp/B00777RJ62?th=1

この8ポケット(73x109mm)か,9ポケット(72x99mm)なら上手く収まりそうです。8ポケットが横,9ポケットが縦で,どちらも上から差し入れる方式で,保管中に飛び出すこともなさそう。私は8ポケットを注文して試してみる予定です。

フイルム大好き様
大名刺判のカラーポジが無いのはとても残念ですね。
5x7in.をカットする手はありますが,現像してくれるラボが見つかるかどうか。特殊なサイズなのでガラス乾板と同じ困難があります。せめてモノクロポジがあれば楽しめそうですが,今は120も無い様です。一部のモノクロネガはポジ現像もできるようで,少し調べたことがあります。でも,かなり複雑な行程の様で手を出しかねています。
狸おやじ 2023/04/29(Sat) 21:38 No.2235
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも、御指南ありがとうございます。FOMA6×9シートフィルムが届きまして、懸案のパターソンリールに巻き込み出来るか一枚取り出してテスト致しました。フィルム幅が3ミリほど大きく、手先で引っ張って一枚だけはなんとか。送り込み作動させると外れてしまいました。専用リールか、暗室でのバット現像のどちらかですね。リバーサルは諦めました。120で我慢です。カットホルダーが届きましたら、セットと取り出しの練習致します。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/05/01(Mon) 16:28 No.2236
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
大名刺判シートフィルム(フォマパン100)をご紹介いただきありがとうございます。
こちらにも今日同じフィルムが到着しました。恐らく日本に入荷した最初のロットと思います。大事に使いましょう。

手持ちのフィルムホルダー(リンホフカットフィルムホルダー)に装填してみました。公称サイズは64x89mm(実寸: 63.5x88.5mm),厚さは0.2mm程。手元にあるサンプル(ネオパン100アクロス?)と同じ厚さで,平面性は良さそう。装填はノッチの位置が左下になる向きでフィルムを引き蓋の一段下の隙間に挿入する。慣れれば簡単だが,確実に装填するには少し練習が必要かも。

当面の現像は「プロラボサービスnet」に依頼する予定ですが,将来は自家現像に切り替えたい。フイルム大好き様の検証によりロールフィルム用リールには装填できないので,専用リール(QL69-P, No.2179)を考えていますが,販売元が火事で営業停止中。代替品としてJobo 2509nを検討しています。

写真: Fomapan 100(左上)とフィルムホルダー。

狸おやじ 2023/05/02(Tue) 00:00 No.2237
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
フィルムをホルダーに装填する際の心得、ご指導ありがとうございまず。ノッチは上にして装填するつもりでした。危なかったです。それにしても3ミリの差でリール装填不可は、何とも諦めつかず、リール弄りまわしましたが、どうしようもありません。メーカー、作ってくれれば良いのですが、、。ホルダーもうすぐ届くと思いますので楽しみです。届いたら、練習して、試してみるつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/05/02(Tue) 22:28 No.2238
Re: 中判シートフィルム
レンズマニア様
狸おやじ様
いつも有難うございます。ダブルカットホルダーだと思って注文して手元に届きましたら、スーパーカットホルダーでした。箱が綺麗で中身が出ていないサイトでしたので安いしイイやと。何と近所のラボがホルダーごと持っておいで、と快く現像引き受けてくれました。
まてよ、、
ならガラス乾板も、と欲が、、
以下、五反田の写真館主人がHPに書いている文言、コピペします。

曰く、
デジタルカメラも敵わない精細描写

ガラス乾板は、昭和30年代まで使われていたといいます。最大の欠点は落とすと割れることですが、撮ったものは耐久性、保存性、クオリティーに優れ、色褪せることがありません。

「ガラスのあと、薄いフィルムが登場しました。ネガフィルム、ポジフィルムなどがあります。フィルムは薄く軽く、携帯性に優れていて、24枚撮り、36枚撮りなどがあり連写も容易です。それに比べて、ガラス乾板は1枚ずつ撮る一発勝負。現像も大変です。ですが、保存性や耐久性は唯一無二で、デジタルではこれに敵う精度の表現ができません。解像度でいえば、画素数に換算できないぐらいの高精度の描写が可能です。ピントがぴったり合ったガラス乾板の写真は、どんな高性能の大判カメラにも敵いません。だから、天体写真などで長く使われてきたのです。ベテランの天体写真家の中には、ガラス乾板写真をやっていた方もいらっしゃいます」。


デジタルも敵わないと、殺し文句が、、
相談してみようと思いました。
失礼致しました。
フイルム大好き 2023/05/12(Fri) 18:29 No.2239
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。
中判シートフィルムを現像してくれるプロラボが見つかって良かったですね。特殊なサイズだと断られたり,時間や料金が余計にかかる事が多いので,好意的に引き受けてくれるラボは貴重です。

ガラス乾板は平面性と保存性が最高と思います。アグファ(ベルギー?)は,少ないニーズに応えて今でも中判(大名刺判)や大判(4x5, 5x7 in.等)のガラス乾板を提供しているようです。でも,現像の問題とモノクロネガのみの現状から,私は少し躊躇してます。モノクロポジが販売されるか,ポジ現像の簡単な方法が開発されたら検討してみたいと思います。
狸おやじ 2023/05/16(Tue) 21:39 No.2243
Re: 中判シートフィルム
大名刺判を調べていたらここに流れ着いたので、試しにコメントしたいと思います。

使用機材はマミヤプレス・スーパー23。
元々チェキバック用の実験体だったんですが、後部アオリのせいでかなり面倒な事が判明し普通に撮影に使ってたんですが、たまたまジャンク箱からシートフィルムホルダーを救出できたので、中判シートフィルム運用できるようにしてみました。

先日大名刺判のFomapan100を手に入れ、本日テスト撮影・現像までやってみました。
1枚は引き蓋が移動中にズレてガッツリ露光してましたが、2枚はとりあえず像が出てくれました。

また後日、うちでの現像方法なんかもコメントできたらと思っております。
その際はよろしくお願いします。

らいむら 2023/05/20(Sat) 22:20 No.2244
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,ようこそいらっしゃいませ。
貴重な情報をご投稿いただきありがとうございます。マミヤプレススーパー23は,れんずまにあ様の詳しい解説「マミヤプレス」が機種別画像掲示板にあり,私も興味を持っておりました。今後ともよろしくお願いいたします。

大名刺判シートフィルム(Fomapan 100)の撮影と現像をされたのですね。素晴らしいです。写真を拝見するとマミヤの乾板用ホルダー(Type J?)をお使いと思いますが,大名刺判のフィルムが装着できるのですね。これはマミヤのホルダーをお持ちの方々に貴重な情報と思います。シートフィルムの現像法についても,お時間のご都合の良い時にお使いの方法やノウハウを教えていただけたら有難いです。よろしくお願いいたします。
狸おやじ 2023/05/20(Sat) 23:47 No.2245
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。foma pan100のシートフィルムとりあえず2枚テスト現像上がってきました。スキャンしてみまして満足しています、、が現像料2枚で2400円。20世紀センチュリーの復活が近いので、リールを注文するつもりです。モノクロ楽しいですね。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/05/24(Wed) 20:22 No.2248
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,ご投稿ありがとうございます。

現像が綺麗にできて良かったですね。
一枚1200円は高いですが,大名刺判は特殊なサイズなので割高になります。私が調べた範囲では「プロラボサービスnet」が一番安く,一枚580円程(4x5"判の1割増,税込)とのこと。東京の中野近くにお住まいならお勧めです。私はモノクロネガのポジ(反転)現像を将来的に考えていて,それには専用リールも必要なので,20th Century Camaraの復活を待ってます。皿現像という手もありますが。
狸おやじ 2023/05/24(Wed) 23:54 No.2249
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
貴重な情報、ありがとうございます。
フィルムファンは苦労の連続です。それでも、じつくりと向き合う時間はデジタルにない世界ですね。双方、いいところを楽しみながら行きたいと思います。
これからも、宜しくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/05/25(Thu) 17:27 No.2250
現像の提案
もしかしたらKINGの120用ベルト式現像タンクでいけるのでは、とふと思いました。
拙宅にはいくらか転がっています。
でも大名刺シートフィルムがないので検証できない。
フィルムがあってもシートフィルムホルダがないので撮影もできない.
れんずまにあ 2023/06/01(Thu) 20:21 No.2252
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
ヤフオクでパターソンタンク用4×5シートフィルムホルダーを、3Dプリンターで作成して出品している方がいらっしゃいまして、試しに6×9シートフィルムホルダー作成は如何と質問しましたところ、落札の上寸法を指示して下さいと。価2700円。ただ、4×5は湾曲余裕ありますが、6×9はどうなんだろう。少し考えてみます。
フイルム大好き 2023/06/01(Thu) 22:48 No.2253
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
なるほど。Kingの120用ベルトには入るかもしれないですね(フィルムの幅は63.5 mmです)。
試してみたい所ですが,私の手元にはKingのベルト式が無く,ヤフオクにも今は出ていないようです。

フイルム大好き様
ヤフオクの商品は,パターソン用の4x5スペーサー(4枚用)でしょうか。もし大名刺判のサイズで作ってもらえるなら好都合です。もし特注できるようでしたら是非お教えください。
狸おやじ 2023/06/02(Fri) 00:00 No.2254
自家現像法
現在、うちで大名刺判を自家現像する時の方法ですが、
必要な道具としては、
・現像タンク(120フィルム対応)
・輪ゴム(#14、折径約50mm)
・定着用バット
となります。

まず、タンクへの装填ですが当然暗室下で行います。
ホルダーからフィルムを取り出したら、膜面を内側にして長辺方向に輪ゴムをかけます。
輪ゴムをかけたら、現像タンクへ立てて投入。恐らく3〜4枚が限度です。

後は、各種薬品使って現像処理します。
当然反転撹拌はできないので揺らして撹拌させます。

また、輪ゴムをかけたまま定着させると跡が残るので(1敗)
停止まで終わったら輪ゴムを外しバット内で定着させます。
停止が完全にできてたら明光下で定着しても大丈夫です。

大分原始的ではありますが4×5とかでもやっている人はいますし、
ちゃんと膜面を内側にして輪ゴムをかければ傷が入ったりはしません。

らいむら 2023/06/02(Fri) 23:00 No.2255
Re: 中判シートフィルム
らいむら様
はじめまして、宜しくお願いします。
ご投稿、拝読致しました。まさに、目から鱗の気持ちです。貴重なお知恵をいただき感謝です。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/06/02(Fri) 23:34 No.2256
Re: 中判シートフィルム
らいむら様
大名刺判シートフィルムの現像法を教えていただきありがとうございます。
輪ゴムを使う手があるのですね。便利な方法でとても参考になります。貴重な情報と写真をありがとうございました。

私はどうするかまだ思案中ですが,専用リール (20th Century Camera, No.2179) の再販が遅れる場合,ステンレスの薄板でホルダーを作る方法も考えています。考案者は「こぼうし」さんです:
https://koboshi.tokyo/2022/05/14/ptp116/

大名刺判なら横向きに3枚入り,液量も少なくて済む(?)かも。
狸おやじ 2023/06/03(Sat) 09:36 No.2257
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
先輩諸兄各位
ラボに、現像依頼故に達成感50%ですがFoma pan100の6×9シートフィルムテストです。拙宅の愛犬を撮ってみました。レンズは、テヒニコン180ミリ解放です。スキャナーのフィルムホルダーは、AZTEKのウエットスキャンです。やはり凝るなら、自家現像の上、暗室プリント作業したいとつくづく思いました。宜しくお願いします。

フイルム大好き 2023/06/10(Sat) 19:05 No.2263
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。

ロテラーらしい滑らかな階調と穏やかなコントラストで,ご愛犬の表情が豊かに表現されていると思います。
フォマパン100は,私はあまり期待していなかったのですが,この描写なら主力のモノクロフィルムとして使えそうです。貴重な情報を送っていただきありがとうございました。

Aztekのウェットスキャンは全く知りませんでした。
これはEpson等のフラットベッドスキャナーのガラス面に,特殊な(揮発性?)液体でフィルムを貼り付けてスキャンをする方法の様ですね。これならフィルムとの間の隙間やホコリによる散乱,ニュートンリング等を防いで綺麗にスキャンできそうです。専用のホルダーと液体(SMF2001)で$254は高価ですが,その価値はありそうです。これについても使い勝手やノウハウ,注意点等があればお時間のある時に是非お教え下さい。どうぞよろしくお願いします。
狸おやじ 2023/06/11(Sun) 10:03 No.2264
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
下手な写真をお褒めいただき、赤面の限りです。AZTEKですがEPSONマウントトレイ(何と日本製)69ドル、AZマイラーシート100枚セット84ドル送料91ドルでした。KAMIリキッドは危険物で航空便禁止物。成分調べましたら、イソプロビルアルコール、ナフサのようです。youtubeでZippoオイルを使っている外人を真似て、メーカーはダメと言っていましたが問題無くスキャン出来ました。まず、ジッポオイルをトレイにたらして、フイルムを置き又上からオイルを垂らしマイラーシートを被せて中の空気を抜き、ティッシュなどではみ出たオイルを拭き取ります。密着を確認してスキャナーにセットします。火気厳禁換気は、大事です。ネガもポジも大丈夫でしたが、自己責任です。国内でドラムスキャンしている会社に聞いてみようと思っていますがそのままです。シートフィルムは、カールしていないのでそのまま、スキャナーガラス面に位置決めして試してみましたら、結果は良かったです。元々ブローニーのスキャンに不満があり入手しましたが、エプソンのスキャナードライバーソフトにも不満があり、SilverFastというソフトで満足な結果を得る事が出来ました。何といっても、避けられないホコリの映り込みがクリックひとつで処理出来て驚きました。
何故エプソンが、このトレイを国内で販売しないのか、理由はわかりません。
あまり、お役に立てられない返信で恐縮しています。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/06/11(Sun) 17:02 No.2265
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
貴重な情報をありがとうございます。

そうですか,KAMIリキッド(SMF2001)は危険物なので航空便で個人注文ができないのですね。
試しに1本($50, 1L)購入したいと考えていたので残念です。イソプロピルアルコールは,試薬(99.9%, 1L)がアマゾンで1000~1500円で販売されてますが,残存物の影響を考えると少し心配です。どこか日本の業者がこのKAMIリキッドを輸入するか製造してくれるといいのですが...

マウントホルダーのエプソン製にも驚きました。エプソンは国内販売に手を抜かず,国内でもホルダーを販売して欲しいですね。私は120フィルムは主にカメラ店の専用スキャナーでスキャンしてもらってますが,高性能のホルダーが手に入るなら自前も検討したいと思います。いろいろ教えていただき感謝いたします。
狸おやじ 2023/06/11(Sun) 21:12 No.2266
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。6×9シートフィルムの板の投稿からは、少し外れてしまいますが、フイルムドラムスキャンを受け付けているラボから以下の回答を得られました。
リキッドは、液体パラフィン(下剤)、薬局で手軽に入手できるそうです。下剤故、無害。揮発性も無いため、スキャン後は無水アルコールで清掃。
との事でした。近いうち試してみようと思います。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/06/14(Wed) 12:26 No.2268
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
貴重な情報をありがとうございます。

ドラムスキャナーでは液体パラフィンを使うのですね。流動パラフィンは屈折率がフィルムベースと近くて良さそうです。でも洗浄が必要ですね。無水エタノールをスキャンに使う手もあるかも。KAMIリキッドの代替品が見つかると良いですね。
狸おやじ 2023/06/15(Thu) 21:29 No.2269
Re: 中判シートフィルム
私の拙宅にもようやく現像タンク他の道具が届き,モノクロフィルム現像用の環境が整いつつある。
しかし,アメリカの20th Century Cameraが2月の火事で営業停止した為,大名刺判シートフィルム用リール(No.2179)の供給がいつ再開されるか,目処が全く立っていない。

そこで,休日を利用して,シートフィルムを固定するためのホルダーを試作してみた。
これは以前(No.2257)紹介した「こぼうし」様が考案された4x5インチ用のステンレス製のホルダーで,パターソンの現像タンク(PTP115)に装着して使用する:
https://koboshi.tokyo/2022/05/14/ptp116/

上の図面をお借りして,大名刺判に合わせ0.67倍にスケールダウンしたホルダーを3つ作成した(図面)。シノゴ判は横向きに2枚入るので,大名刺判だと2/0.67=3枚入る。高さは7cm程で液量も少ない。ホルダーの配置と全体のイメージは,らいむら様の記事と写真(No.2255)を参考にさせていただきました。こぼうし様とらいむら様に感謝いたします。


図面:パターソンPTP115用の大名刺判シートフィルムホルダー.

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 16:54 No.2270
Re: 中判シートフィルム
ステンレス板は,厚さ0.1mmのものをホームセンターで購入し,金切鋏で加工した。
0.1mmはシノゴ用の0.15mmより薄いが,ホルダーが小さいので強度は十分。これより厚いと加工が困難と思う。加工は結構難しいが,定規2つを使って折曲げ,直径2cmの丸棒で曲面を出した。切り口はサンドペーパー(#400)でバリを取り,ステンレス磨きで仕上げた。


写真:試作したステンレスホルダー

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 17:04 No.2271
Re: 中判シートフィルム
フィルムホルダーをパターソンの現像タンクに装着した感じは,まあまあと思う。

フィルムはホルダーに装填してからタンクに入れても良いし,タンクにホルダーをセットした状態で装填しても良いが,手探りで操作する場合,後者の方が楽と思う。フィルムはホルダーにしっかり固定されていて揺すっても外れないが,ホルダー全体は3つのパーツの反発力で支えられているので,逆さにして強く振ると(内径がテーパー状なので)落ちてくる事がある。回転攪拌なら問題ないが,倒立攪拌をする場合,ホルダー上部にリング状のストッパーを入れると良いかも知れない(今検討中)。


写真:フィルムホルダーとパターソンPTP115.

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 18:09 No.2272
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ご投稿、拝見致しました。驚きました。不器用な私にはとても無理な世界です。多分、指先怪我してしまうと思います。20thカメラの再開を待つつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/06/27(Tue) 22:10 No.2273
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。
確かにホルダーの工作は面倒で,あまりお勧めできません。私も専用リール(QL69-P)を購入するまでの「繋ぎ」と考えています。(液量はどちらも500ml必要なので,6枚現像できるリールの方がメリットが多い。)

倒立攪拌時にホルダーを保持する「円環状ストッパー」をステンレス板(幅29x300mm)で試作しました。アクリル製のビスを3箇所付けて,筒との間隔を5mm程空けるスペーサーにしてます。これでホルダーの脱落は防げますが,あまりスマートではないですね。


写真:ステンレス製の円環状ストッパー.

狸おやじ 2023/06/30(Fri) 22:50 No.2274
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様

ストッパーなんですが、リールの軸と密着する方だけを使って簡易的にストッパーとするのはいかがでしょう。リールの外径で足りるかは寸法が取れないので、実際できるかどうかわからないんですがいかがでしょう?
らいむら 2023/07/01(Sat) 10:41 No.2275
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,貴重なアドバイスをありがとうございます。

早速試してみると,ご指摘の通りで,軸に圧着する側のリール(片側)を接合部を下向きに取り付けると,ホルダーのストッパーとして上手く機能します。逆さにして振ってもホルダー(フィルム)が落ちなくなり,自作のストッパーよりスマートで安定感があります。軸の付け忘れ(露光)の心配もなくなり,一石三鳥のアイディアです。セッティングの様子を写真で示します。

素晴らしいアイディアをありがとうございました。


写真:リール(片側)をストッパーにしたセッティング.

狸おやじ 2023/07/01(Sat) 11:29 No.2276
Re: ベルト式リールはダメ
以前2Bのベルト式現像タンクで大名刺現像できないかと発言しましたが、無理です。
現物合わせしてみると、ベルト幅がフィルムに対して狭く,アパーチャーの中までベルトの凹凸が入ってくるため、画面にベルト式の特徴の未現像スポットが入ってくることになります。
あるいは小名刺ならいけるのかもしれませんが、大名刺のフォーマットサイズが120にくらべてかなり幅広なことがよくわかりました。
れんずまにあ 2023/07/01(Sat) 12:21 No.2277
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご連絡いただきありがとうございます。

そうですか。キング現像タンクの120用ベルトは,大名刺判には幅が足りないのですね。残念です。大名刺判は幅が63-64mmなので,120より2-3mm広いのが原因と思います。貴重な情報をありがとうございました。

今の所,中判シートフィルムが装着できるリールは,2つ選択肢があるようです:
1. Jobo 2509n(6x9cm~4x5in.対応,6枚装填,現像タンク2520以上)
2. 20th Century Camera QL69-P, QL23-P
(69は大名刺判,23は小名刺判,6枚装填,現像タンクPaterson PTP 115以上)

Joboの2509nは汎用型で良さそうですが,2500シリーズの大型タンクが必要。20th Century Cameraは火事で営業停止中。再開がいつになるか分かりません。
なかなか上手く行かないですね。
狸おやじ 2023/07/02(Sun) 10:00 No.2278
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有難う御座います。諸先輩の智恵と工夫、実践に対して頭が下がります。不器用自覚の自身に、いつも付きまとう、ガラス乾板の現像方法。プラ枠でパチンとハマリ、タンクで行ければいーなと、朧げながらイメージしていました。そうか、ステンレス枠でスッとセットできればと、、いずれ、現物手配できたら考えてみようと思うに至りました。無いものに対する克服意欲が湧いてきました。まだまだ道のりは向こう千里ですが、ゆっくり楽しむつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/07/02(Sun) 17:25 No.2279
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,ご投稿ありがとうございます。

確かに,ガラス乾板(6.5x9 cm)の固定にステンレス製のホルダーが使えるかもしれません。ただしPTP115の場合,横向きだと2枚しか入らない。3枚以上セットするなら縦位置が良さそうです。ガラス乾板の重さを考えるとステンレス板は0.2mm以上の厚さが必要と思います。どこか板金加工してくれる所が見つかると良いですね。
狸おやじ 2023/07/04(Tue) 20:35 No.2280
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様

うまく行ったようで何よりです>リールでストッパー

リールを大名刺判の幅まで拡張できるように改造するのも考えたのですが、
リールの気泡抜きの隙間にフィルムが引っかかって、複数枚入れるの結構面倒だなと思って諦めました。


後、小名刺判〜4×5まで対応の現像タンクを見つけたんですが、
(https://www.bhphotovideo.com/c/product/63620-REG/Yankee_YACF45_Cut_Film_Daylight_Developing.html)
大名刺判でも32oz(約950ml)の液量が必要なのと、純粋に作りや品質が大分雑とのレビューがあるので中々手を出しづらいですね……
1回で12枚現像できてこの値段という意味では、コスパはいいんですけどね。
らいむら 2023/07/07(Fri) 09:08 No.2281
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,ご投稿と貴重な情報をありがとうございます。

ご紹介いただいた現像タンクは,シートフィルムを12枚まで現像できるのでコスパが良いですね。4x5"判の場合,MOD54もQL45-Pも6枚上限で液量が約1Lなのでメリットがあります。ただ,大名刺判にはもう少し小型の物,例えばSP-445の縮小版があると良いですね。No.2270でご紹介したこぼうしさんは,4x5”判の500ml現像タンクを自作される計画のようで,色々工夫される方が多いようです。

貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2023/07/08(Sat) 10:42 No.2282
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
真摯なご投稿、感謝しています。ど素人からの質問です。3Dプリンタで作成できないものか、3Dプリンターがどのようなものか知らずに考えてしまいました。6×9フィルム ガラス乾板ホルダー並びにタンクとか、どうなんでしょうか?フィルム砂漠彷徨ううちに陽炎の様に浮かび上がってしまいました。どなたか、この辺のエキスパートがいらっしゃったら、ご意見いただければ幸いです。失礼致しました。
フイルム大好き 2023/07/08(Sat) 22:10 No.2284
Re: 中判シートフィルム
呼ばれた気がしまして出てまいりました。3Dプリンタは割にエキスパートです。

一般家庭用の3Dプリンタは細いフィラメントを積み上げて造形しますが、層の間に隙間が出がちで、液体が間から漏れます。ですので、タンクの外側を作るのは難しいと思います。造形の形状の自由度もさほど高くない(オーバーハングとか作りにくい)という問題もあります。

作るとすればSLS方式という、ナイロンの粉末をレーザーで焼結しながら造形するタイプのものがいいと思います。500万円ほどからですので個人で購入するのは難しいですが、出力サービスではメジャーな方法です。ナイロンのため化学的にも安定感が高いということもあります。ただ、表面がザラッと仕上がるので、蓋と組み合わせる部分で水密性が出せるかというのは問題になりそうです。硬さと柔軟性のバランスも良くて使いやすいのですが。

液体が出し入れできて、漏れにくく、でも光は入らない、という条件の造形が難しいため、できればタンク本体は既存品を使い、中子だけを3Dプリンタというのがいいかなと思います。細部や強度がちゃんとした成形品より劣るのですが、あまり密度や枚数を欲張らなければ作れるんじゃないでしょうか。
ひうら 2023/07/09(Sun) 00:40 No.2285
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,日浦様
ご投稿と貴重な情報をありがとうございます。

3Dプリンターは魅力的です。6x9用のレンズボードも,eBayに3Dプリンター製が20ドル程で出ていて興味を持っていました。日浦様が仰るように,精度や漏水等を考えると固定用のホルダーを検討するのが良いと思います。ヤフオクに出ている「シノゴ現像用スペーサー」(4枚用)も3Dプリンター製のようです:
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h1094533217

このスペーサーの縮小版(大名刺/小名刺判)が作れないかと,出品者に打診したことがありますが,返事がありませんでした。やはり数が揃わないと販売側の魅力が少なくて難しそうです。マイナーな規格の場合,使う側が自分で作るしかないですね。
狸おやじ 2023/07/09(Sun) 13:00 No.2286
Re: 中判シートフィルム
日浦様
狸おやじ様
日浦様、はじめまして、宜しくお願い申し上げます。
早速に、ご指南をいただき有難うございました。確か、ニッコール21ミリレンズ用リアキャップ3Dプリンター製の販売サイトを何処かで拝見し、もしやと思っていました。
そうだったんですね。父の形見のS3に21ミリと考えて頓挫したままです。タンクは無理そうですが、ホルダーがあれば是非欲しいと思います。ご検討いただければ幸いです。
失礼致しました。
フイルム大好き 2023/07/10(Mon) 11:15 No.2287
ロジナールの「輝き」
私は中判モノクロフィルムの自家現像を再開するにあたり,外注やデジタルでは出来ない技法を試したいと考えていた。
その1つは,古典的現像液(ロジナール等)を高希釈して攪拌を制限して現像することで画像のシャープネスを上げる技法である。

この技法には,「東京オルタナ写真部」や写真用品販売店「Silversalt」のサイトを見てから興味を持っていた。しかし,その理屈が私には理解できていなかった。最近イギリスのJohn FinchさんのYouTube動画を見て,これが化学反応物質の遅延拡散により画像の濃淡の境界(エッジ)を強調する技法と理解したので,その概要を紹介したい。(これは既に写真現像の専門家の間ではよく知られている常識かもしれません。その場合ご遠慮なくご指摘ください。)

YouTubの動画(Mr. John Finch, Pictorial Planet):
https://www.youtube.com/watch?v=Bu3jUchq7u0&t=844s

ロジナールを使った静止現像画像の例(都丸修さん,OPA 312):
https://opa312rei.exblog.jp/26548094/
狸おやじ 2023/07/16(Sun) 11:06 No.2288
ロジナールの「輝き」
モノクロフィルムの現像液は,画像粒子を出来るだけ細かくし,大伸ばしに耐える高解像度のネガ画像を作る方向に改良が進められてきた。
この傾向は,大判や中判よりフォーマットの小さいライカ判(35mm)フィルムカメラの普及に伴ってより顕著になった。コダックのD-76,富士フイルムのミクロファイン ,アドックスのアトマル49等はその代表的な例と思う。これらの現像液は,フィルムの露光状態を忠実に再現した精細なネガ画像を出力する。しかし,モノクロで色彩を失ったこれらの画像は,ともすると眠たげでインパクトに欠けた画像と感じられることも多い。

一方,アグファが1888年に発売したロジナール(ロディナル,Rodinal)は,粒状性の荒い古典的な現像液で,作り出されるネガ画像は大伸ばしに耐えない。しかし,ロジナール特有のキレがあるシャープな画像は昔から定評があり,名前や商標を変えながら100年以上も作り続けられてきた(Rodinal -> Adonal, APH09, R09)。ロジナールは,画像全体の平均コントラストを下げる「イコライジング」の効果に加え,局所的な濃淡の境界(エッジ)のシャープネスを上げる効果を持つ。これら2つの効果は,現像液に含まれる化学反応物質(現像主薬)の濃度が低い程,拡散係数が小さい程,温度が低い程,現像液の攪拌を抑える程,顕著になる。これは,現像中のフィルムの露光部(明部)の上層に化学反応物質が枯渇した「拡散境界層」が形成される為で,露光部上にある程度の厚さの「拡散境界層」ができることで露光部の現像速度が抑えられ「イコライジング」の効果が働く。一方,未露光部(暗部)には拡散境界層ができない為,明部と暗部の境界(エッジ)には拡散境界層が急減する領域ができ,暗部から明部へ向けた化学反応物質の拡散が生じる。この水平方向の濃度拡散(*)が,局所的な濃淡のコントラスト(シャープネス)を増加させる。この局所的なシャープネスの増加は,拡散境界層が厚い程顕著になる。ロジナールのように分子量が大きく拡散係数が小さい現像主薬(p-アミノフェノール)を高希釈し,低温度で長時間かけて無攪拌で現像する事で,露光部上層に十分な厚さの拡散境界層が形成され,その結果,濃淡の境界のシャープネスが増加する。しかし,拡散境界層が極端に厚くなり,その厚さが濃淡の空間的スケールよりも長くなると,局所的なシャープネスを上げる効果は消滅する。

ロジナールでの推定はまだ試みていないが,ロジナールを50~100倍に希釈して長時間かけて静止現像すると,数ミリ程度の拡散境界層が形成され,そのスケールと同等かそれ以上の波長(空間的周期)をもつ明暗のコントラストが強調されると予想される。このような局所的なコントラストの強調は,露光状態の忠実な再現(画像化)という意味では好ましくない。また,ネガ原画でのシャープネスの強調を印画紙の現像過程で繰り返すと,シャープネスは逆に(エッジが分離する為)低下する可能性がある。しかし,明部と暗部の境界を強調して認識する性質は,我々の目の網膜の色覚細胞にも(その非線形的応答特性から)あると予想され,適度のシャープネスの強調は我々の心理的な画像認識と一致する。上の都丸さんの画像描写に心を打たれるのは,そこに原因があると私には思われる。この局所的なシャープネスの増加による明部輪郭の強調は,上の動画のFinchさんによれば,"Rodinal glow"(ロジナールの輝き)と呼ばれている。

*) ここでは,還元効果のある「フレッシュ」な現像主薬の濃度拡散を考えている。臭化銀を還元させることで還元効果を失い「疲弊」した現像主薬は,ロジナールでは回復させる薬剤が含まれない為,その挙動は現像に影響しない。
狸おやじ 2023/07/16(Sun) 17:51 No.2289
ロジナールの「輝き」
ロジナールを使って局所的なシャープネスを上げる技法には,主に2つの問題が考えられる。

まず,分子量が大きく拡散係数の小さい現像主薬を使う必要があり,その為に画像の粒状性が悪化する。これを防ぐには,反応速度を減らすように高希釈で低温度で現像を行う方法があるが,その効果は限定的と思われる。より簡単な解決法は,35mmより大きいフォーマットのフィルムを使って最終画像への拡大率を下げることで,その意味で中判~大判のフィルムは最適と思われる。

もう1つの問題は,上に書いたように,局所的なシャープネスを上げる為に拡散境界層の厚さを極端に厚くすると,その厚さより小さなスケールの明暗を強調できなくなり,逆に強調効果が減少すること。これについては,フィルムや現像の専門家が多くの現像データを集めて解析する中から,希釈率や現像時間の最適条件と攪拌の時間間隔を提案している。しかし,この条件もフィルムのサイズに依存する。大きいフォーマットのフィルム(印画紙)になる程,厚い拡散境界層でも明暗のコントラストを強調したシャープな画像を(相対的に)細かいスケールで作り出せる可能性がある(*)。

つまり,ロジナール等の古典的現像液を使って画像のシャープネスを上げる技法(Rodinal glow)は,35mmより大きなフォーマットのフィルムに適していて,より広い範囲で活用できる可能性がある。私がこの技法を,中判モノクロフィルムで試したい理由はここにある。エルンスト・ライツが創始し普及させた35mm写真フォーマットの呪縛に対する「アンチテーゼ」としたい。

*) 局所的なシャープネス(アキュータンス)を上げる技法として,「アンシャープマスク」(ボケ画像)を使う方法が知られている。この技法は,原画に対して,ある特定の波長(標準偏差)のガウス誤差(ボケ)を含む画像(アンシャープマスク)を人工的(アナログ又はデジタル的)に作り,その画像を原画から差し引く事で画像全体のダイナミックレンジを下げ,ある特定の波長の成分の濃淡を相対的に強調する。この技法と化学反応を使った希釈現像との違いは,前者はある特定の波長成分を強調するのに対し,後者は拡散境界層の厚さを制御することで,強調するスケールとその範囲を連続的に調整できる点にある。もう1つの違いは,前者はシャープネスを上げる操作により画像全体のダイナミックレンジ(画像情報)が減少し画質が低下するのに対し,後者は化学反応自体を制御している為,画像全体のダイナミックレンジにほとんど影響を与えない(画質が低下しない)点にある。


写真:古典的現像液: Adox Adonal (Rodinal), Spur Silversalt.

狸おやじ 2023/07/16(Sun) 21:13 No.2290
Re: ロジナールの輝き
狸おやじさま、今回も大変勉強になるお話をまとめてくださり深く感謝しています。

大フォーマットのシートフィルムから外れてしまいますが、私もロジナール高希釈を数年前から使用しています。
確かにロジナールは粗粒子になりますが、コピーフィルム超軟調現像で一般使用する目的で高希釈(目下416倍)24度45分(攪拌10分おき)を行っています。
その現像条件で、フジミニコピーHR2での感度はEI12-20程度。

作例:コンタックス167,18mmf4, f8,AE,EI12

コピーフィルムは元々粒状性に優れているため、多少粗粒子になっても十分良好なプリントが得られます。HR2の場合、引き伸ばしフォーカススコープで、全紙伸ばしでも粒状が見えないので、黒白のエッジ部分で商店合わせせねばならないほど。

軟調の度合いにおいては、昨今の軟調専用現像液のほうがより一般フィルムに近いガンマと、実用的な感度を出せますが、価格と手軽さの点で結構ロジナール(私は主にR09)を使うことが多いのです。

ロジナールを含め希釈現像液のエッジ効果について、理論的に解説していただき、なるほどそういうメカニズムで現像が進行しているのだなと得心がいきました。

狸おやじ様のご指摘の通り、大面積のシートフィルムで、粒状性の心配をせずに画面全体の、生理的に心地よいイメージングを目指すためにロジナールを使うのは大変理にかなっていると思いました。
なにより高希釈のため現像液のコストがたいへん節約できます。(最近入手が難しいのが問題ですが)

ただし、私はシートフィルムをとりあえず皿現像(手で)で行おうとしていて、45分とか1時間の現像時間は耐えられません。これはタンク現像に限って可能ではないかと。
何枚か現像成功したら、タンクでもできるように考えています。

れんずまにあ 2023/07/18(Tue) 00:44 No.2291
Re: ロジナールの輝き
れんずまにあ様,貴重なコメントと美しい写真をありがとうございます。

ロジナール416倍の高希釈現像には驚きました。
確かに超微粒子で高硬調のコピーフィルムを,ロジナールの高希釈溶液で現像すれば,全体は標準的な軟度になり,細部はエッジの立ったシャープな画像になり,しかも粒状性は最小限に抑えられます。これは1石3鳥の素晴らしい方法で,しかも経済的ですね。ご投稿の写真を拝見すると,落ち葉のシャープな輪郭に加え,葉全体や枝が輝くような描写もあり,正に「ロジナールの輝き」と思います。木の背景の木漏れ日の描写も素晴らしく,見ているだけでワクワクします。画面全体のバランスも良好で,これは10分毎の攪拌が効果的なのかなと考えています。

私の素朴な予想では,ロジナールで超高希釈現像をする場合,数10分で拡散境界層の厚さが10mmを超えそうで,35mmフィルムには不向きかと考えていました。しかし,強制攪拌により境界層の厚さが1ミリ程度に減らされるので,攪拌を10分間隔で繰り返すことで,境界層の発達を抑制して細かいスケールに適度のシャープネスが作られているように思います。つまり,フィルムサイズや希望のシャープネスのスケールに合わせて攪拌間隔を調整することで,好みの結果を出せそうな気がします。

富士のミニコピーHR2は懐かしいですね。もう入手できないのが残念です。少し調べると,アドックス CMS 20 IIもコピーフィルムの様です。120フィルムもあるようなので,購入ルートを探しています。
狸おやじ 2023/07/18(Tue) 20:50 No.2293
Re: 中判シートフィルム
貰い物のNeopan100 大名刺、2001年期限.
ようやく集めた2 1/2 x 3 1/2ホルダー、左ホースマン1枚入り、右リンホフ2枚、外側はストッパーつき。
とりあえず試写してみます。

れんずまにあ 2023/08/03(Thu) 18:54 No.2295
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
ご投稿ありがとうございます。

ネオパン100の大名刺判を初めて見ました。フィルムホルダーも集まって試写が楽しみですね。リンホフテヒニカ23/70のピントグラスバックは,グラフレックスの23ホルダーと互換という情報があり,ホースマンやマミヤプレスのホルダーが使えるかもしれません。その辺も何か分かりましたらお教えください。
狸おやじ 2023/08/04(Fri) 21:39 No.2297
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様の画像に触発され,アドックスのコピーフィルム(CMS 20 II)を探したが,120は何処にも在庫が無く,35mmも品薄状態。CMS 20にはアドックスから専用現像液(軟調現像用)も提供されていて,モノクロ写真ファンに根強い人気があるようだ。

で,取り敢えず35mmを試したいと思い,20年振りに35mmフィルムを購入してみた。
カメラは昔のコンタックスG1と,ビオゴン28mmとゾナー90mmを防湿箱から復活させた。ビオゴンは高解像度の優れたレンズだが,コントラストが強すぎてカラーポジでは使い難い。モノクロの軟調現像ならベストフィットだろう。現像はロジナールの高希釈(x200)を考えているので,実効感度はISO10程。この感度だと中判は少し厳しいが,明るいレンズ付きのコンタックスなら手持ちで軽快に楽しめそう。

写真:Adox CMS 20 II Pro, Contax G1.

狸おやじ 2023/08/07(Mon) 23:15 No.2298
Re:ADOX CMS20
狸おやじ様、早速コピー系フィルムをお試しですね。
私はCMS20IIと専用現像液はストックしていますがまだ露光していません。
他サイトで使った作例を拝見すると、専用現像液AdtachIVの1:14,EI20でもかなりガンマが高く、使い方が難しそうでした。
私が頻用するMinicopy HRII + R09x416でも若干ガンマが高すぎます。これを200倍程度にするとさらにガンマが高くがちがちになってしまいます。また500倍以上だと現像時間を1時間以上延長しても十分な濃度が出ないため、x416(0.6ml+250ml水)EI12-20におちついたところです。
CMSは多少柔らかいのかもしれませんが,x200でどこまで出るか、ですね。
昨今の新しい軟調現像液はさすがに優秀で、Rollei RLCではHRIIでもEI25くらい出ますし、
Kodak Technical Pan+Rollei Low contrast現像液ではほぼ一般フィルム同等のガンマとEI40-50の高感度が可能でした。

とはいえ手軽で安価なRodinalの結果を大変期待しています。
れんずまにあ 2023/08/08(Tue) 17:22 No.2299
Re: ADOX CMS20
れんずまにあ様,貴重なコメントをありがとうございます。

コピーフィルムは,専用軟調現像液(アドテックIV)でもコントラストが出過ぎる事があるのですね。とすると,CMS 20 IIとContax/Biogonの組み合わせは適当でないかもしれません。

私が参考にしたのは,Digital truth photoの現像データです:
https://www.digitaltruth.com/devchart.php?Film=Adox+CMS+20%25&Developer=&mdc=Search&TempUnits=C&TimeUnits=D

このロジナールの欄を見ると,200倍高希釈の注釈には「連続トーン」とありますが,100倍には注釈がありません。なので,200倍なら良いかと考えました。私の予想では,高希釈にして攪拌を抑える程「拡散境界層」が発達し,イコライジング効果が効いて全体のコントラストが抑えられると思います。ただし,その分実効感度(EI)は下がる。本当は,好みのガンマやコントラスト,シャープネスに合わせて希釈率や現像時間,露出量,攪拌頻度等を調整すべきかもしれません。モノクロ現像は奥が深いですね。
狸おやじ 2023/08/09(Wed) 20:19 No.2300
Re: CMS20II
シートフィルムスレッドであまりひっぱるのもと思いましたが、好きな話題ですので...
他サイト投稿では、当初Cafferolをお使いになっていて2トーンに近いほどガチガチでした。
その方は一般フィルムをCafferolで現像されていて、当初Adtechが品切れだったので使われたようでしたが、degitaltruthのサイトにCafferolのチャートも載っていたので多分参考にされたと思います。(私も愛用しているサイトです)
つまりdegitaltruthのデータは、クリティカルなところでは鵜呑みにできないのではないかと思っています。もちろん初めての組み合わせでは出発点にするのではありますが。
手前味噌ながら私は初めての特殊現像ではハーフサイズカメラ(ニコンFM10ハーフ+Aiニッコール50mmf1.4)で室内コントラストチャートを段階露光し、途中切り出しで現像、ゾーンがすべて再現された条件を基準に、屋外撮影で輝度差が大きな被写体を検証し、最終的な現像条件にしています。(テストにあまりたくさんフィルムを使いたくないところ、ハーフならかなり大胆にコマを使えますので)
コピーフィルム軟調現像では、結構チャートより実写の方がシビアになる印象を受けています。
れんずまにあ 2023/08/10(Thu) 00:35 No.2301
Re: CMS20II
れんずまにあ様,貴重なコメントをいただきありがとうございます。

確かにDigitaltruthphotoの現像チャートは,不正確なデータを含んでいると思います。
投稿データを集計して作られたデータベースの為,投稿者がフィルムの軟調/硬調現像を理解していない場合もありますし,検証が不十分の可能性もあります。SilversaltのTim Moogさんは正確なフィルムテストに基づいた現像データを公開していますが,ロジナールの高希釈現像のデータは少ない。本当は,れんずまにあ様のようにコントラストチャートの段階露光から最適解を見つけたい所ですが,今の私はそこまで余力がありません。

取りあえずCMS 20 II(35mm)を使い,状況に応じて±0.5~1EVで試写しています(EI=10)。Contaxはオートブラケティング機能付なので,こういう時は便利です。
狸おやじ 2023/08/11(Fri) 09:58 No.2302
Re: 中判シートフィルム
本来のシートフィルム話題で。
ようやくホルダーに装填しました。
ホースマンの1枚入りはモルトが粉々に劣化しており、1つは使われた形跡がない状態にも関わらず、モルト貼り替えしないと使えません。追々やります。
リンホフ2枚入りはどちらもモルトに頼らない構造でありがたい。
単純な方はリスコやフィデリティと同じ構造なのでスムーズにシートが入りました。
もう一つの開閉ロックつきは非常に凝った作りでさすがリンホフと感心しましたが,ダークバッグの中で全然シートが入らないので焦りました。
かなり苦しんだ挙句、スプリングで圧迫されているプレッシャープレートを指で押さえながらシートを入れることに成功。なるほどそうなってるのか。
正しい方法かどうかわ断言できませんが、苦しまれる方がおられたらTIPsとして報告します。
まずは焦点位置がリンホフのピンとグラスと一致しているかテストしました。
れんずまにあ 2023/08/11(Fri) 22:22 No.2304
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご投稿ありがとうございます。

リンホフのフィルムホルダーや本体は,モルトプレーンが使われていないのが良いですね。
耐久性のない素材は一切使わないというリンホフの姿勢は,やはり偉大だと思う。(京セラContaxにもモルトが使われていて酷い目に遭いました。)

確かにリンホフの初期型のダブルホルダーは,フィルム装填が少し難しい。引き蓋を引くとロックが外れてフラップが(新品なら自動で)開き,ガラス乾板でも装填できるのは良いが,圧板がバネで押し付けられているので,圧板を指で押さないとスムーズに着脱できない。その分,サイドにはフィルム取り出し用のレバーがあり,フィルム(乾板)を取り出す時に便利で,フラップを閉めた状態なら,レバー操作で中にフィルムがあるかどうかを確認できる(リンホフテヒニカ23,No.2064)。凝った作りのホルダーですが,ガラス乾板の需要が減る中で,圧板とイジェクトレバーを省略したタイプ(リスコやフィデリティーと同仕様のスーパーカットフィルムホルダー)に代わっていったようです。
狸おやじ 2023/08/12(Sat) 17:25 No.2306
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様 狸おやじ様
いつも有難うございます。今日、新宿ヨドバシフイルム館でこんな品見つけました
。6/6、6/7、6/9兼用ガラスネガキャリア。550円でした。プリント用デスとは店員言いましたが、購入。早速ポジを挟んでスキャナーでテストしてみました。EPSONのホルダーに満足せずあれこれ試して、何とコレが良かったです。ライトボックスに置くにも気軽です。とりあえず、小さな事で申し訳ありません。

フイルム大好き 2023/08/30(Wed) 17:17 No.2322
Re: ガラスネガキャリア
フィルム大好き様、近年にしては珍しい製品ですね。
中判大判は平面性に悩むこともありますから、貴重な一品です。
ニュートンリングはいかがですか。
4x5以上の大判シートフィルムのスキャンに少し悩んでいまして、その辺の製品もあればいいなと思っています。
れんずまにあ 2023/09/02(Sat) 23:01 No.2325
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
ありがとうございます。ニュートンリングについては、心配していましたが、なんと無事にスキャン出来ました。価格を考えると驚きです。引き伸ばし機用ネガキャリアですからそうなのかなと思いました。4/5用は有りませんでしたが、35用も有りました。ネット通販ても同価格でした。先ず報告申し上げます。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/09/03(Sun) 09:12 No.2326
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
たぬきおやじ様
いつも有難うございます。最近、耳にした話を一つ。コンパーシャッターのオーバーホールで、東京九段下のToyoの社長にお世話になっています。2/3なんか使う人います?と伺い驚きました。プロが何人か。と、、4/5も。アサイメントは、デジタルバックで済ませ展覧会用、作品としては、フィルムだそうです。やはり、と思いました。失礼いたしました。
フイルム大好き 2023/09/03(Sun) 17:00 No.2327
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ガラスキャリアーとオーバーホールの情報をありがとうございます。

Toyoカメラサービスの儀同さんには私もお世話になっています。
古いコンパーシャッターを修理してもらったのですが,修理に加えて(無料で)シャッター速度を計測してくれました。古いレンズやシャッターを使う者には有難いサービスです。
狸おやじ 2023/09/05(Tue) 19:36 No.2328
QL69-JP
パターソンの現像タンクに,シートフィルムを装填する為のリールを入手したいと考えていた。
アメリカの20th Century Cameraが製造しているQL69が候補の一つだが,今年2月に起きた火災で営業停止中で,いつ販売が再開されるか見通しがつかない(No.2179)。この製品を扱っている店をネットで探した所,ドイツのSchwarzweiss Fotolaborに若干の在庫があるようだ(*)。ここはモノクロ専門のプロラボだが,若い写真家の育成もしていて,20th Centuryの販売代理店でもある。担当のThomas Ochsさんに問い合わせた所,今は日本への販売をしていないとの事。そこを何とかとお願いした所,手数料と送料(25ユーロ)で発送してくれるとの返事。製品価格(54.74ユーロ)と合わせても妥当な金額なので試しに注文してみた。(オンラインサイトでは日本への発送オプションをサポートしていないので,興味のある人は各自直接お問い合わせください。)

*) https://schwarzweiss-fotolabor.de/en/produkt/ql69-p-6-5x9cm-2%C2%BDx3%C2%BD-quick-load-6-sheet-film-reel/


写真:Quick Load Film Developing Reel, QL69-JP.

狸おやじ 2023/09/05(Tue) 20:48 No.2329
QL69-JP
QL69-JPには,大名刺判シートフィルムを6枚装填できる。リールは6角スパイラル状で,番号とノッチが刻まれたスロットにシートフィルムを薬剤面を内側にして横向きに差し込む。フィルムを奥まで差し込み,スパイラル先端のカギ状ストッパーで固定する。装填にはコツが必要だが,慣れると1枚当たり数秒程。素材の剛性が高いので,上で自作したホルダー(No.2271)より確実に装填できる。パターソンのセンターカラムと回転棒を差し込みタンクに収納すると,倒立攪拌や回転攪拌が可能。JPは従来のP (Paterson Super System 4, PTP115~118) に加え,J (Jobo 1500, 2500) に対応し,色が黄色から赤に変更された。Joboで使用する場合,付属の2つのO-リングをセンターカラムに取り付けるようだ(写真)。

フィルムは,約10 mmの間隔でラセン状に装填される。等間隔で10 mmの余裕があるので高希釈の静止現像にも向くと思う。一回の現像に必要な液量は約500 ml。一枚当たりの液量は80 mlで,薬剤の利用効率も高い。超高希釈現像(200~400倍以上)の場合,現像液の最低使用量を満たさない事があるが,フィルムの数を減らせば対応できる。その意味で,ロールフィルム(120/135)より現像条件の自由度が大きい。


写真:シートフィルムの装填状況 (下はJobo用のO-ring).

狸おやじ 2023/09/05(Tue) 21:05 No.2330
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。到着したのですね。そうですか、基本日本には非対応の中、お見事です。ホルダーをラボに出せば2枚現像て2400円取られることを考えると大活躍しそうですね。道筋を作ってくださり感謝です。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/09/06(Wed) 08:11 No.2331
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。

Schwarzweiss Fotolaborには,ウェブサイト下の"Contact"から連絡できます。担当者(オーナー)のThomas Ochsさんは気さくな人なので,多少の融通は利くと思います。もし相談される場合,日本の知人から情報を聞いたと書いていただいて構いません。
狸おやじ 2023/09/08(Fri) 20:36 No.2333
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつもお世話になります。ql69の貴重な情報を頂き、早速contact欄から問い合わせを致しました。日本の知人からも紹介をいただいた旨を書いたつもりですが、返答無し。因みにカートに入れチェックアウト迄は行けましたが送料が対応していなくダメでした。もう少し待ってみようと思います。まずは、途中経過報告です。
フイルム大好き 2023/09/28(Thu) 15:19 No.2353
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お世話になります。
お陰様で返信が来まして、無事に完了出来ました。ありがとうございました。
なんでも、在庫が最後の一つとか。危なかったです。到着が楽しみです。
フイルム大好き 2023/09/28(Thu) 23:44 No.2354
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
QL69-JPの注文ができて良かったですね。到着が楽しみです。
Thomas Ochsさんも,日本から新しい注文が来て喜んでいると思います。恐らく現在世界に数個しかないQL69-JPの内の2つが日本に集まりつつある様です。大事に使いましょう。
狸おやじ 2023/09/29(Fri) 20:23 No.2355
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お世話になります。お陰様で、9月28日に発注した、20thーcenturyのリールが届きました。まさか、手に入るとは。試しにフイルムをセットしてみましたが、スムーズに出来ました。大感謝です。ありがとうございました。

フイルム大好き 2023/10/16(Mon) 16:08 No.2380
ロジナールの輝き(実践編)
先週末に時間ができたので,20年振りにモノクロフィルムの現像を試みた。

取りあえず,撮り終えていた120フィルム(Rollei Retro 80S)2本をロジナールで現像。『ロジナールの輝き』(No.2288-2293)を期待して,Digital truth photoのデータ(No.2300)を参考に,100倍の高希釈で20°C,60分間の準静止現像(10分毎に1~2回の倒立攪拌)を試みた。

結果は初めての高希釈現像にしては良い方と思う。サンプル画像を添付します。春の終わりの茅葺き民家で,手前は生活感満載の駄作だが,屋根の茅の一本一本が非常にシャープに表現されていて迫力がある。全体のコントラストは控え目で,陰の部分の黒つぶれも少ない。同じ場所でベルビア100でも撮影したが,白飛びと黒潰れが酷く,細部のシャープネスもモノクロームに負けていた。機材はテヒニカ23IV,レンズはHeliar 105mm/F4.5,f11,SS=1/50。フォーマットは6x7 cm。

今大名刺判のFomapan 100も撮り進めていて,高希釈現像の比較結果が出たら報告します。


写真:A traditional thatched house (Heliar 105 mm, Rollei Retro 80S, Rodinal 1:100).

狸おやじ 2023/11/01(Wed) 22:43 No.2392
ロジナールの輝き(実践編)
比較の為,カラーポジ(ベルビア100,RVP)で撮影したサンプルも添付する。セッティングとf値,SSは同じ。フォーマットは6x9 cm。ベルビアは高解像度で粒状性も良いフィルムだが,コントラストが高い為,ハイライトが滲んで屋根の細部の描写が崩れている。陰の部分も黒潰れが起きて細部の描写が消えている。どちらを選ぶかは好みの問題だが,この被写体なら,私はモノクロ(高希釈現像)の描写を選ぶ。

因みに,ベルビアはプロラボに現像を依頼し,業務用スキャナ(ノーリツプレシジョン)でスキャンされた画像の画素数を1/4程に落として出力。モノクロは,エプソンGT-X970に自作ホルダーとSilverFast9で,3200 ppiで読み込んだ画像から同様の画素数で出力。どちらもソフトウェア上で画像修正を加えていない。


写真:Same as above, but shot with Velvia 100 (RVP).

狸おやじ 2023/11/02(Thu) 20:15 No.2394
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
素晴らしい作例、ありがとうございます。特にモノクロの作品には仰天しました。仰るほど、ベルビアの方もいいじゃないかと。未だT-maxデベロッパーの封を切らない初心者にはまさに迷宮の入り口に立たされているようです。何はともあれ、自家現像試さなければと思っています。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/11/06(Mon) 01:28 No.2406
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。

モノクロとカラーは人により好みが分かれると思います。私は昔からモノクロ写真が嫌いで,これは高校時代に体験したネオパンSSの「眠たげな」画質が原因です。その後,カラーポジ(コダクローム,エクタクローム,フジクローム等)のシャープで濃厚な描写が気に入り,40年近く使ってきました。今もフィルムのメインはベルビア/プロビアです。

しかし,数年前に「東京オルタナ写真部」のサイト(*)を見てから考えが変わり,今はモノクロ写真の絵画的(ピクトリアル)な表現にも興味があります。今後中判や大判もデジタル化していく中で,モノクロ(フィルム)の存在価値は,化学物質の拡散過程を制御して自由な表現を実現する所にあると考えています。私が好きな写真家ウジェーヌ・アジェも静止現像の先駆者の一人です。ともあれフィルム写真は自分の趣味なので,肩肘張らずに楽しみたいですね。

*) https://tokyoaltphoto.com
狸おやじ 2023/11/06(Mon) 20:35 No.2408
Re: 中判シートフィルム
中判シートフィルム (大名刺判,小名刺判)が使えるカメラのリストを作ろうと思う。
戦前の中型の乾板式蛇腹カメラ(ハンドカメラ)は,ほぼ全てシートフィルムが使えるはずだが,情報が少なく確認も難しい。そこで,現在でも入手が可能と思われる戦後のテクニカル(プレス)カメラとシートフィルムホルダーの情報を掲示します。
(他にも情報があればお教えください。新情報が入り次第,情報を更新します。)

・ リンホフ テヒニカ23(III-V),テヒニカ70,テヒニカプレス23,テクニカルダンS23
これらの4機種には専用ホルダー(ダブルホルダー/スーパーカットフィルムホルダー,大/小名刺判)が使用可能。
ダブルホルダーはシートフィルムかガラス乾板が装填でき,スーパーカットフィルムホルダーはシートフィルムのみ装填可能。
未確認だが,グラフィック規格のフィルムホルダー(小名刺判?)が使えるとの説明が取扱説明書にある。

・ マミヤ マミヤプレス G/S/スタンダード/スーパー23/ユニバーサルプレス
専用のカットフィルム/乾板ホルダー(J型: 大名刺判,A型: 小名刺判)が使用可能。
どちらもガラス乾板(大名刺判)が装填できる(FOV様: No. 2416, らいむら様: No.2244の情報)。

・ トプコン ホースマン VH/VH-R
専用のシートフィルムホルダー(大名刺判),リスコリーガル製のホルダー(小名刺判)が使用可能。

・ グラフレックス センチュリーグラフィック23,グラフレックスXL,クラウングラフィック23等
これらの機種には,グラフィック規格のフィルムホルダー(小名刺判?)が使用可能と思われる(現時点で未確認)。

私の手許にある「中判・大判カメラ入門」(日本カメラ社,1993年)には,ローライフレックスSL66SEとマミヤRB67プロSDに,専用のカットフィルム用ホルダーが提供されていると記載がある。れんずまにあ様によると,ハッセルブラッドSLR,ローライTLR,マミヤCにも専用フィルムホルダーが提供されている(No.2411)。また,ビューカメラのアルカスイス6x9M/F,トヨビュー23G,エボニー23S/SV23/SW23/GP69F等のカメラバックは「6x9判グラフィック規格」と説明があるので,グラフィック規格のホルダー(小名刺判?)が使える可能性がある。

ご参考までに。
狸おやじ 2023/11/08(Wed) 20:13 No.2409
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様、シートフィルムを使えるリスト、大変期待しています。

目下興味があるのは、戦前プレートカメラ用金属製撮り枠にシートを入れることで、後ろに板バネがはいっているものは、多分ガラスプレートまたはアクリル板を後ろに入れておく必要がありそうなこと。またシート用と思われる枠でも、後ろに金属板をいれるものがあります。

戦後SLRやTLRにも1枚撮りアダプタをもつ機種がありますね。
ご指摘のSL66もそうですね。ローライTLR用も存在します。
マミヤC用のを持っていた(使ったことがない)はず。また、ハッセルブラッド用の1枚撮り枠ホルダーをコレクターから頂戴しました。今どこに置いたかな...

グラフレックス23用は、近所の店舗に小名刺リスコ2枚入が沢山と同じく小名刺判の6枚チェンジャーがありました。フィルムが潤沢なら確保してもいいかなあ。

国産の戦後モデルはモルトプレンが使われていて、根本的に掃除しないと使えないものが多いです。
情報集まりましたら報告します。
れんずまにあ 2023/11/08(Wed) 23:01 No.2411
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご投稿とコメントをいただきありがとうございます。

ご指摘の様に,ハッセルブラッドSLRにも専用のシートフィルムホルダー(+フィルムカッター?)があるようですね。ローライTLRやマミヤCにも専用ホルダーがあるのを知りませんでした。貴重な情報をありがとうございます。上の説明を補足修正しました。

グラフィック規格(6x9判)のシートフィルムホルダーは,1950~1980年頃の中判テクニカル/ビューカメラに広く採用されていたかも知れません。グラフロックバックの120ホルダーは機種により相性がある様ですが,シートフィルムホルダーは使い回しができるかも。とすると,リスコリーガルのフィルムホルダー(小名刺判)がテヒニカ23/70で使えたり,リンホフのダブルホルダー(大名刺判)がセンチュリーグラフィックで使えたりと面白そうです。精度は問題かも知れませんが...
狸おやじ 2023/11/09(Thu) 20:34 No.2414
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
1975年購入のマミヤユニバーサルプレスの使用説明書29ページ 
カットフィルム/乾板ホルダーJ型(JIS規格)
・乾板(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けは使用しません。
・カットフィルム(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けの平らな面か不要の乾板をあてがいます。
・4+3/4X6+1/2インチ、カビネ判のカットフィルムを四等分にカットして使用する場合
 フィルム受けの4か所のつめに差し込みホルダーに入れます。
 カラーフィルムをカットすると現像所で現像できない場合があるので、2+1/2X3+1/2インチ判を使用します。

30ページカットフィルム/乾板ホルダーA型(アメリカ標準規格)
・乾板(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けは使用しません。
・カットフィルム(2+1/4X3+1/4インチ判)を使用する場合
 フィルムをフィルム受けのみぞに差し入れて使用します。
フィルムパック・アダプター
 J520(6.5X9cm)のフィルムパックが使用できます。
との説明(簡略化しました)があります。

カットフィルム/乾板ホルダーA型を入手しましたが、使用の機会を逸してしまいました。ホルダーに同梱の説明書には「メモ板に書き込んだ文字は、指か布でこすれば消して書き直せます。」の説明のみです。

ポラロイドランドパックフィルム・ホルダー2型はFP-100Cが製造中止後使っていません。LomoGraflok 4×5 インスタントバックのマミヤプレス版は発売されそうもありません。
FOV 2023/11/10(Fri) 00:46 No.2416
Re: 中判シートフィルム
FOV様,ようこそお越し下さいました。
マミヤユニバーサルプレスのフィルムホルダーについて,貴重な情報をありがとうございます。

マミヤのホルダーは,J型(JIS規格)とA型(アメリカ規格)があるのですね。れんずまにあ様から教えていただいた初代マミヤプレスの取扱説明書には「乾板用取りわく」(大名刺判)の説明がありますが,フィルムを使う時は,不要の乾板を背面に入れると書かれています(リンホフテヒニカ23,No.2114-2115)。この「乾板用取りわく」が改良されてJ型のホルダーになり,小名刺判のA型が追加されたようですね。製品の流れが良くわかりました。感謝いたします。上の説明を新しい情報で修正しました。

LomoGraflokインスタントバックは,4x5判グラフロック用で,6x9判に使えないのが残念ですね。ポラロイドのフィルムホルダーをお持ちでしたら,インポッシブル社がフィルムを再販しているので利用できると思います。
狸おやじ 2023/11/10(Fri) 21:23 No.2417
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
インポッシブル社のピールアパートインスタントフィルムの情報をいただきありがとうございます。マミヤユニバーサルプレスのホルダーの件、お役に立てて何よりです。

1999年7月に購入したinstax500 AF用フィルムなどは、撮影後の写真が一点物扱いで人気があり入手困難です。生産量は2025年度には2021年度の4割増しになるそうです。
FOV 2023/11/11(Sat) 11:18 No.2418
Re: 中判シートフィルム
FOV様

私はインスタント写真にあまり興味がありませんが,富士フイルムがinstaxで収益を上げてフィルム事業を継続できるなら有難い。これを機に,120/135やシートフィルムにもinstaxの技術を使って新しい製品を出して欲しいですね。ポラロイドやフォトラマもそうですが,化学反応を駆使することで画像の粒状性とシャープネスを同時に上げることができ,これは現在のデジタル技術ではできない魅力と思います。私としては,透過型のポジ原稿になるインスタントカラーフィルムを作ってくれたら嬉しいですが...
狸おやじ 2023/11/12(Sun) 11:59 No.2419
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ポラロイド社は、35ミリ判カラースライドフィルムPolachrome CS(36枚撮り 12枚撮り 現像時間60秒 日本ではポラカラーCS 1983年~2002年頃)を発売しました。手動、電動現像器、スライドマウンターなどシステム化されましたが、いずれの製品も一般のカラーリバーサルフィルムに比べ高価で利用できませんでした。

最初に使用したコダクロームは、コダクロームXでした。一度だけプロセスE3でエクタクロームの現像をしたこともありました。
コダクロームからチバクロームプリント、カラーポジのデュープを除いて、カラープリントの焼き増しとモノクロームの引き伸ばしはネガフィルムを使用し、9割はリバーサルフィルム(ハーフ判 35ミリ判 6x7判 6x9判)でした。
FOV 2023/11/13(Mon) 20:38 No.2420
Re: ポラクローム
FOV様、狸おやじ様、脱線をお許しください。
1989-94ごろ仕事でポラクロームを使いました。
特急仕上げでも間に合わないプレゼンテーション、資料があがるのが当日明け方という時のお助けグッズなのです。
フィルム自体は普通のパトローネに入っていて普通に撮影し、専用のプロセッサーを用いて即時に現像します。

構造は非常に特殊で、ちょうどブラウン管の拡大のように規則正しくRGB色素が並んだもので、粒子そのものは当時のベルビアやコダクローム64などと比べて粗大なもので,また黒の締まりもよくありませんので、作品に使えるようなものではなかったと思います。

その後デジタルが主流となって、スライド映写は廃れてしまい、余った何本かは捨てられるところを持ち帰りました。その後使っておりません。
れんずまにあ 2023/11/13(Mon) 22:55 No.2422
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
貴重な情報をいただきありがとうございます。
業務で使用されていたのですね。

写真技法と保存の知識 デジタル以前の写真―その誕生からカラーフィルムまで 青幻舎(2017) 97ページにパッケージと3色ストライプフィルターの写真。

Timeline of Historical Film Colors(filmcolors.org)のPolachromeの項にサンプル写真と1977年発売のインスタントカラー8ミリムービーフィルムPolavisionとのストライプフィルターの比較写真があります。
FOV 2023/11/14(Tue) 07:54 No.2423
Re: 中判シートフィルム
FOV様,れんずまにあ様
Polachrome CSというインスタントカラースライドフィルムが既にあったのですね。
全く知らずに,迂闊なことを書いてしまいました。Filmcolors.orgのサンプル画像を見ると,色味は独特で深みがありますが,解像度が低いので35mm判だと厳しそうです。

そう言えば,昔「パナコピー」というインスタントモノクロスライド作成機を使ったことがあります。私は,仕事ではOHPシートがほとんどでしたが,パナコピーも必要に迫られて何回か使いました。書類用の「コピー」フィルムなのでコントラストが強く,普通の写真には不向きでした。その後,発表用の素材のほぼ全てがパワーポイント(電子情報)に移行してしまい,何だか味気なく感じています。
狸おやじ 2023/11/14(Tue) 21:24 No.2424
ロジナールの輝き(実践編,その2)
今回は,大名刺判のフォマパン100をロジナールで高希釈現像した結果を紹介します。
撮影条件は快晴,弱い逆光。高台から望む入江と内海と島の風景。機材はTechnika 23IV,レンズはRodenstock Rotelar 180 mm/F4.5, f16, SS=1/60。フォーマットは6.5x9 cm。

1枚目は,1:100の高希釈で18分 (20°C) 現像した結果 (8分間隔で1~2回の倒立攪拌)。現像条件は,Digital Truth Photo (No.2300) を参考にした。高希釈なのでコントラストが弱められているが,それでも水面は露出オーバー気味で遠景にフレアが掛かり,良く言うと幻想的,悪く言えばメリハリに欠ける印象。


写真:Sample No. 1 (Fomapan 100, Rodinal 1:100).

狸おやじ 2023/12/20(Wed) 20:57 No.2442
ロジナールの輝き(実践編,その2)
2枚目は,1:200の高希釈で30分 (20°C) 準静止現像した結果 (10分間隔で1~2回の倒立攪拌)。
1枚目より高希釈の為,水面のハイライトが抑えられ,手前の木々も黒々と生き生きと見える。木々の輪郭や遠景の島の輪郭も適度に強調され,高シャープネスのロジナールの特徴が感じられる。しかし,背景のグレー部分を大きく拡大した時の粒子の荒れは,2枚目の方が大きい。Rollei Retro 80S (No.2392)では粒子の荒れがほとんど見られないので,これはフォマパン100の特徴だと思う。中判以上なら問題ないが,小フォーマット(35mm等)の大伸ばしには向かないかも知れない。


写真:Sample No. 2 (Fomapan 100, Rodinal 1:200).

狸おやじ 2023/12/20(Wed) 21:15 No.2443
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様早速現像結果をご提示いただきありがとうございます、超希釈でも十分現像できていますね。
大判のフォマを未経験なのでこの粒状が普通なのかどうかわかりませんが、1:200では大名詞でもここまで粒が大きくなるのですね。
ちょっと不思議だったのは1:200の右下と両方の左右端が少し過現像なのかかぶっているのか反転濃度が薄くなっていることと、1/100の右上の茂みに点々と白い高輝度が見えるところで、もしかしたら白鷺の群れかなとも思いましたが。
大きなフォーマットで静止現像はやったことがないので興味深く拝見しています。
よい条件が煮詰まるとよろしいですね。
れんずまにあ 2023/12/21(Thu) 16:51 No.2444
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のコメントをありがとうございます。

フォマパンの粒状性は,120フィルムであまり良い印象がなかったのですが,今回も少し不満が残りました。ローライレトロ80Sと比べると粒状性が劣ると思います。ただこれは被写体や現像液との相性もあるので,今後色々な被写体や現像条件で試してみようと思います。同じ場所でベルビア100でも撮っているので,現像ができたらまたご報告します。

>ちょっと不思議だったのは1:200の右下と両方の左右端が少し過現像なのかかぶっているのか反転濃度が薄くなっていること

流石に鋭いご指摘ですね。実は,2回目の準静止現像では,20°Cの液温で現像を始めたのですが,室温が少し低かった為,25分経過した時に18.5°Cまで液温が下がってきました。そのまま30分まで待って終了すれば良かったのですが,その時は魔が差して25°Cで湯煎して液温を約1度上げてみたのでした。すると,静止現像ですので周囲の温度が数度上がり,僅か2~3分でもその影響が出て,タンク底部の周辺(フィルムでは右下)が過現像(ネガは黒が強目)になったようです。ロジナールの高希釈現像は,温度管理を厳重にする必要性を痛感しました。次回は20°Cの水を満たした断熱箱の中で現像するつもりです。

1:100の木々の中の白い斑点(右隅と右下)は確かに謎ですね。理由は良くわかりません。1:200の画像を見ると微かに白い部分があるようですが,それが何かの条件で「成長」したのかも。高希釈現像は,本来見えないものも見えるようにする強調効果があるので,何かの条件(波長vs濃度拡散場?)で擬像を作り出すのかも。ベルビア100の結果が出たら,比較しながら考えてみたいと思います。
狸おやじ 2023/12/21(Thu) 22:21 No.2445
Re: 中判シートフィルム
今回はホルダー5個分,フィルム10枚を現像した。各ホルダーの表裏(2枚)は同条件で撮影し,半分(奇数番)を1:100の希釈率,残り(偶数番)を1:200の希釈率で現像した。

シートフィルムは各フィルムの現像条件を変えられるので,条件を変えて現像したい時に便利だ。しかし,ロールフィルムと異なり,フィルムに番号が無いので,フィルムの順番を特定する作業(番記)が必要になる。20th Century Cameraのリールには,各スロットに番号(1~6)を示す「ノッチ」があり暗闇でも位置を確認できる(No.2329の写真)。しかし,水洗後にフィルムの一部を混ぜてしまい,特定に苦労した。フィルムの数が多い時は注意が必要だろう。

水洗後は,ドライウェル溶液に浸してからフィルムの縁を目玉クリップで摘み,スポンジで水滴を拭ってから小物干しに吊るして乾燥させた。何か靴下でも乾かしてる感じです。


写真:乾燥風景.

狸おやじ 2023/12/23(Sat) 15:24 No.2448
Re: 中判シートフィルム
中判フィルムの収納と保管方法について,れんずまにあ様とフイルム大好き様と以前ご相談しました(No.2231-2235)。今日は私の方法をご紹介します。

大名刺判のシートフィルムは,コレクトのA4透明ポケットリーフ(8ポケット,S-4240)に収納している(*)。この透明リーフには大名刺判が横向きに2枚x4段,8枚入る。ポケットサイズは73x109 mmなので,かなり余裕がある。私は右余白に小さいタックシールを貼り,フィルム番号や撮影情報をメモしている。

この透明リーフを,コクヨのA4フォトファイル(30穴,ア-M160)に綴じている。このフォトファイルには,コクヨのフィルム用ポケットシート(A4,6x6~6x9,ア-M923)も入れていて,6x9判120ポジフィルムを収納して便利に使っている。

厄介なのは6x7判で,普通のポケットシートは2コマx4段なので,120フィルム一本が納まらない(No.2233)。そこで,コレクトの透明ポケットリーフ(6ポケット,S-4320)を使っている。これは縦向きに6ポケットあり,サイズが72x150 mmなので,2コマがギリギリ納まる。リンホフの6x7判(56x72 mm)は大きいので,コマによっては1 mm程出てしまうが,何とか収納可能。最適ではないが許容範囲です。

*) https://www.amazon.co.jp/dp/B00777RJ62?th=1


写真:コレクト透明ポケットリーフ (下:S-4240, 上:S-4320).

狸おやじ 2023/12/27(Wed) 22:04 No.2452
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
貴重なご指導、感謝しています。
アルバム開いて、考えていたところです。出来るだけ大切に保存したいですね。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/12/29(Fri) 18:36 No.2462
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
早速のコメントをありがとうございます。上の情報が少しでもお役に立てば幸いです。

これまで中判シートフィルムについて,種類や購入方法から現像や保管方法まで,私が把握している情報の概要をご紹介しました。少し省略したのは,ホルダーへの装填と撮影時の操作方法です。これらについては機種依存性があるので,各カメラ(ホルダー)の機種別サイトでご確認いただけたらと思います。

後は,フィルムのデジタルスキャンとプリントですね。これらは,私自身の最終工程(印画紙のアナログ現像に進むか,デジタル画像のプリンター出力でよしとするか)が未確定なので,これから考えたいと思います。その前に,中判フィルム用の専用スキャナーを手に入れたい。今使っているフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)は,自分のフィルム用の専用スキャナー(Nikon Super Coolscan 5000ED等)と比べて明らかに性能が劣る。5000EDは135フィルム専用なので,中判以上で使えない。9000EDが欲しいが,中古市場にもほとんど出ない。フレックスタイト(ハッセルブラッド)も高性能だが,高価過ぎて私には手が出ない。今の候補はPlustekのOpticFilm 120 Proだが,性能や操作性等の情報がほとんどない(日本で販売されているのだろうか...?)。

フィルムスキャンとデジタル印刷のスレッドも,詳しい方に立てていただけると有り難いです。
狸おやじ 2023/12/30(Sat) 11:59 No.2463
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有り難うございます。
狸おやじ様と同様にフイルムスキャンに随分悩みました。私は、Canon9900からEPSON GT-X980に入替、エンジンはSilverFast9、仕上げをLrcで調整しています。
フイルムホルダーはEPSON付属で満足出来ず、AZTECウエットスキャンを試し、ヨドバシで見つけた500円のネガホルダー直置きに落ち着きました。アンチニュートンリングも出ません。後始末が簡単でつい。

さて、ニコンのスキャナー良さそうですね。製造終了が残念です。フレックスタイトも原宿の旗艦店に置いてあったのを思い出しデモしてもらおうかと思いましたが、修理預り品で新しいのに、不安を覚えました。

SilverFastにHDRという別オプション、99ドルでありまして、無料トライで試しました。48bitRawでスキャン後ワンクリックで満足な仕上がりでしたが、Lrcで充分と思い、見合わせました。
モノクロ、カラーポジともこの辺で落ち着いて、いよいよ自家現像と思っていますが、
狸おやじ様のご投稿を拝読後、まだまだ、精進足らずを自覚いたしました。
フイルム高騰、注文ポラフイルム未だ届かずですが、来年も色々試して楽しみたいと思っています。
諸先輩の皆様、宜しくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えくださいませ。
フイルム大好き 2023/12/31(Sun) 14:00 No.2464
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
コメントありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
ガラスネガキャリアーが上手く機能して良かったですね。ニュートンリングが出ないのも朗報です。
ただ,アンチニュートンリング加工が無い場合,ガラスとフィルムの間隙で波長の干渉条件が合えばリングが出る可能性があると思います。リングを避けるならアンチニュートンガラスが要りますが,擦りガラス状の加工なので画像が荒れる。ガラス(空気)界面の埃の吸着もあり,私はガラスの使用を諦めています。でも,リングが出ないなら問題ないですね。

私が使っているエプソンのGT-X970にはいろいろ問題がありますが,書き出すと長くなるのと,中判シートフィルムと直接関係が無いので,別の機会(別スレッド?)にと考えています。
狸おやじ 2024/01/03(Wed) 20:24 No.2465
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。
深いご指導、大感謝です。
ご指摘のアンチニュートンリングガラスですが、実は、ガラス専門店にサイズ指定で昨年注文してみました。結果は、EPSONのアンチニュートンフィルター付のホルダーとあまり変わりませんでした。
結果、気合い入れて仕上げたい時は、ウェットスキャン。そこそこならと言えば、ヨドバシネガキャリアに落ち着いています。ニコン9000のスキャナー、ヤフオクに出ていますね。高いですね。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/01/08(Mon) 18:38 No.2468
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
情報をありがとうございます。

確かにヤフオクにニコンSuper CoolScan 9000 EDが出ていました。でも,10年以上前の中古品が33万円の落札で,新品時とほぼ同価格です。余程欲しい人が多いのでしょう。この製品の問題はインターフェイスで,FireWire 400しかない(5000 EDはUSBがある)。変換アダプターやボードを使う方法もあるが(*),将来的に安定して使えるかどうか。私はOpticFilm 120 Proが発売されるのを待ち,それまではGT-X970で我慢しようかと考えてます。X970は透過光センサーのピント位置がフィルム面からズレているという問題があり,自作のホルダーでフィルム位置を調整してます。これについては後日また紹介する予定です。

*) https://tokyoaltphoto.com/2020/08/save-your-nikon-super-coolscan-9000-ed-2/
狸おやじ 2024/01/10(Wed) 20:54 No.2469
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。
GT-X980を使用にあたり、ウエットスキャンする前は、トレイの四隅のピント調整スライドを色々試し、結果には満足できず、Lrcにて少しシャープネスを調整しています。ネガ、ポジをルーペで見れば解像しているのにと思いますが、この辺でと思っています。
作例は、ハッセル500C/Mプラナー80mm、ベルビア100で撮影現像後、モノクロ変換しました。
丸の内の明治安田ビルを撮影したものです。宜しくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 11:30 No.2470
Re: 中判シートフィルム
No. 2465と2469に書いた様に,私が中判フィルムのスキャン用に使っているフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)にはいくつか問題がある。一番の問題は透過光センサーのピント位置とフィルム面がズレている事で,私の個体の場合,ガラス面から4.5 mm離さないとピントがきちんと合わない。付属のフィルムホルダーには,フィルム位置を2.5~3.5 mmの範囲で調整するスペーサーが付いているが役に立たない。エプソンのサポートに連絡してこの問題の改善を求めたが,取り合ってくれなかった。担当者の話では,元々この製品は書類(反射原稿)用で,フィルムスキャンは付加機能で透過光センサーもその程度の焦点精度とのこと。フィルム専用スキャナー(Nikon Super CoolScan ED等)にはフィルム面に自動で焦点を合わせる機能があり,取り込んだ画像のダイナミックレンジも格段に広い。値段相応とも言えそうだが,エプソンGT-X970には不満を感じる。

仕方が無いので,こぼうしさんのサイト(*)を参考にしてマグネットシートを2枚使ったホルダーを作製した。まず,黒色の発泡PPシート(3x100x285 mm)にフィルム大の穴を2つ開け,マグネットシートを重ねて高さが4.5 mmになるように調節した。極性を合わせたマグネットシートをその上に重ね,フィルムの周囲を固定/解放できるようにした。このホルダーを使うと純正ホルダーと比べて画像の鮮鋭度が向上する。SilverFast等の取り込み用ソフトウェアを使えば,何とか実用になる。フィルム専用スキャナー程の性能は出ないので,あくまで繋ぎと考えている。参考の為,私が自作したホルダー(大名刺判,6x9判)の写真を掲示します。

*) https://koboshi.tokyo/2023/09/08/gt-x970_holder/


写真:自作ホルダー (上:大名刺判, 下:6x9判).

狸おやじ 2024/01/13(Sat) 11:33 No.2471
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
流石のご投稿を早速ありがとうございます。拝読致しまして、アバウトな自身を恥じるとともに反省しきりです。
ピント面迄4.5ミリとの事でウエットスキャントレイのガラス面迄ノギスで測ってみました。裏面迄2.5ミリ。ガラスの厚さが約1.5ミリ。そこでヨドバシのキャリアにフイルムにセットしてトレイの指標に合わせてスキャンしてみました。なんと、ピント合っています。ありがとうございました。
左は、ガラス専門店に切り出してもらったアンチニュートンガラスです。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 13:05 No.2472
Re: 中判シートフィルム
ご無沙汰しています。

GT-X970ですが、おっしゃるように透過原稿のピント面はガラスからかなり離れていますが、フィルムホルダーの構造や、ガラス面のホコリの影響を減じるためか、設計上、意図的にそのようになっていると思われます。しかし、ホルダの調整範囲に収まっていないのは良くないですね。

確かにピントの問題は大きく、これには大いにフィルムホルダの精度や作りが影響していると思います。純正品のホルダにもピント調整の機能がありますが、非常にできが悪いです。しかし、コストを考えるとやむを得ないのでしょう。スキャナそのものの素子や光学系(スキャンレンズ)は、そんなに悪くないものと思います。これを言い換えると「ユーザのカスタマイズや工夫で凌げる部分は手を抜き、どうにもならないところだけはちゃんとできている」とも言えると思います。

で、私はBetterScanningのフィルムホルダを使っています。
http://www.betterscanning.com/scanning/vseries.html
中判フィルム用のみ(フィルムを2つ載せられるもの)に、アンチニュートンガラスのオプションを購入して使っています。コマ間につけられるt-lockは使用していません。

純正のホルダに比べると遥かに剛性が高いことや、フィルムを(膜面を下にして)置き、上からアンチニュートンガラスを載せるだけでセットが完了することなど、使い勝手がいいのが最大のメリットですが、ピント合わせも、ホルダのあちこちにつけられたイモネジの出し入れで精密に行うことができるので良好です。純正ホルダは押さえのガラスがないので、どうしてもフィルムのカール状態や取り付け状況によってピント位置がその時々で違い、ピントが合いませんが、カールした中判フィルムをアンチニュートンガラスで抑える方法はフィルム位置が安定するので、チューニングをやるだけの価値はありました。

アンチニュートンガラスの面の粗さの影響が心配でしたが、影響はとくに内容に感じています。当然フィルムよりも光源側であることに加え、フィルム面を下にして取り込んでいること(フィルム面とアンチニュートンガラスの荒れた面が少し離れる)、フィルム面から見た光源の立体角が大きいことがあると思います。

難点は、このホルダが結構お高いことですが、数が出る商品ではないと思うので、やむを得ないと思っています。
日浦 2024/01/13(Sat) 14:18 No.2473
Re: 中判シートフィルム
日浦様
初心者者ですがよろしくお願いします。
実は、このBetterScanningがベストと2年程前に辿り着き、このサイトからオーダーしてみましたが、方法間違いなのかどうにも注文が完結できませんで諦めた経緯があります。実際にご所有とは、羨ましく思います。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 15:42 No.2474
Re: 中判シートフィルム
日浦様
コメントと貴重な情報をありがとうございます。

BetterScanningは使い勝手と性能が良さそうですね。私も以前,日浦様からこの製品をお聞きして,購入しようと考えていました。しかし,エプソンがアンチニュートンリング(ANR)ガラスを使った新型ホルダーを開発し,それを搭載した新製品を出すという噂を聞いたので,それを待つことにしました。実際に出たのはガラスではなくアクリル樹脂製ホルダー付のGT-X980で,利用者の情報ではANRアクリルホルダーの評判があまり良くない。で,フラットベッドスキャナーに愛想が尽きかけていたこともあり,こぼうしさんの「マグネット懸架式」ホルダーを暫定的に使うことにしました。このホルダーは平面性では劣ると思いますが,構造がシンプルで埃や塵の心配が少ない点と,フィルムサイズを比較的自由に変更できる点がメリットです(6x7判や4x5判も作ろうかと考えてます)。あとは,Plustekのフィルム専用スキャナー(OpticFilm 120 Pro)の国内販売がどうなるか様子を見ながら考えようと思います。

> フィルムを(膜面を下にして)置き、
なる程,これは良い方法ですね。
この置き方は,膜面の画像情報を正確に(フィルムベースの凸凹や不純物の影響を受けずに)読み取るには最適ですが,一般的なマニュアルの説明とは逆で,スキャン画像が逆像になる。しかし,ソフトウェア上で反転すれば全く問題なく,より精細な正像が得られる。この方法は活用させていただきます。貴重な情報をありがとうございました。

フイルム大好き様
ピントが合う位置はスキャナーによって異なります。
Epson GT-X970の場合,ガラス面から3.5~4.7 mmが多いようですが,個体によってバラバラです。GT-X980については情報を集めていないので分かりませんが,気になるようでしたら,一度ピント位置を確認されると良いと思います。
狸おやじ 2024/01/13(Sat) 19:19 No.2475
フィルムホルダー用のポーチ
拙宅には大名刺(6.5x9 cm)のシートフィルムホルダーが9枚ある。
どれもリンホフの純正ホルダーで,その内6枚は「スーパーカットフィルムホルダー23」という両面フィルムホルダーで,3枚は「ダブルホルダー23」という古いガラス乾板兼用タイプ。国内外のネットオークションで探して,一枚1~3千円程で集めた。ダブルホルダーは古風で格好良いが,圧板の力が強く,シートフィルムの着脱に時間がかかる(参照: No.2306)。古いダブルホルダーには引き蓋のスリットから光漏れするものもあり,余り安心して使えない。今主に使っているのはカットフィルムホルダーの方で,合計で6x2=12枚撮れる。12枚撮り終えてからパターソンタンクと6枚用リール(QL69-JP, No.2329)で現像している。撮影はほぼ同条件で表裏を撮る為,まず表側の6枚を現像し,その結果を見てから条件を変えて裏側の6枚を現像している。

フィルムホルダーを野外で使う時に収納するポーチを探していた。シノゴ用のホルダーケースやバッグは沢山売られているが,大名刺用は無いので代用品を探すしかない。いろいろ調べた中で,エツミ/Colemanのショルダーポーチ(VCO-8771)が使えそうなので購入してみた(*)。値段はアマゾンで2~3千円程。

*) https://www.amazon.co.jp/VCO-8771/dp/B0BZR11F4J
狸おやじ 2024/02/17(Sat) 18:59 No.2482
フィルムホルダー用のポーチ
Colemanのショルダーポーチの使い勝手はまずまずです。

ポーチには「スーパーカットフィルムホルダー23」が3枚,「ダブルホルダー23」が2枚収納できる。底と周囲に薄いパッドが入っているので保護効果は高い。上部には取り外し可能なショルダーベルトがあり,裏面にベルトループやナスカン(小カラビナ)も付いているので肩掛けだけでなくベルト/バッグにも取り付けられる。サイズは横幅はピッタリで,縦は少し余裕がある。私は2-3枚のホルダーを埃除け用のチャック付ビニール袋に入れて収納している。メインは120カラーポジと120モノクロ(スーパーローレックスx2台)なので,比較撮影/予備用にシートフィルムを4-6枚携行する時に重宝している。


写真:ショルダーポーチとフィルムホルダー(左:撮影前,右:撮影済)

狸おやじ 2024/02/17(Sat) 19:21 No.2483
Re: 中判シートフィルム
中判シートフィルム用のリールについて新しい情報です。
私は,昨年夏にパターソンの現像タンクで使う大名刺用リール(QL69-JP)を購入した(No.2329-2380)。しかし,フィルムホルダーが増えたのでもう1つ買い足したいが,製造元の20th Century Camaraに営業再開の兆しは見えない。以前紹介したSchwarzweiss Fotolaborの在庫も切れてしまい,現在このリールは世界中で枯渇しているようだ。そこで代替になるリールをインターネットで探した所,アメリカに住むフランス人写真家Benoit Barbeさんのサイトを見つけた(*)。

Benoitさんはプロの写真家として写真を撮るのに加え,アナログ写真現像用の道具を作りネットショップで販売している。パターソンタンク用のシートフィルムリールも作っていて,2.25x3.25, 4x5, 5x7 in., 9x12 cmの4種類が販売されている。リールの構造は20th Century Cameraのスパリラルリールと似ているが,周囲は円筒で内側はスパイラル状に仕切られ,上部に空いた6つの穴にフィルムを差し込む方式。材質はABS樹脂で3Dプリンターで作られている。周囲が円筒形なので強度があり,市販の食器洗い機でも洗えるようだが,薬剤の攪拌効率は落ちるかもしれない(静止現像に向く?)。小名刺用(2.25x3.25 in.)は販売されているが,大名刺用(6.5x9 cm)が無いのでBenoitさんに問い合わせた所,検討してくれるとの事。新しい情報が得られたらまた報告します。

*) https://www.bounetphoto.com/bounet-shop/bs-developing-reel-225x325


写真:B's 2.25x3.25 developing reel set MK 2.

狸おやじ 2024/02/24(Sat) 17:35 No.2491
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様、これはすごいものをお見つけですね。おっしゃる通り液のまわりが若干滞りそうな構造に見えますが、攪拌回数を増やすか、希釈して静止に近い条件をやるか。
でもこのサイト主はE6を行なっているようで、結構信頼できるのかもしれません。動画では倒立攪拌のようですね。
大名刺が出たら検討したいところです。情報ありがとうございます。
れんずまにあ 2024/02/26(Mon) 17:53 No.2492
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
凄い情報ありがとうございます。
このところ、ポジ撮影が多くシートフイルム撮影がストップしたままでスリーブに入れていたネガの行き場所を探していました。
ヨドバシでCHARON、カロンというアルバムを見つけて価格も安いので取り寄せてみました。カバー付きで2千円未満。スリーブの端を鋏でカットするとスリーブごと入れられます。これでシートフイルム撮影も弾みがつきそうです。
よろしくお願いします。

追記
正確な品番を調べる為 再度ヨドバシから検索いたしましたら、何と販売終了となっていました。どうやら最後の在庫を買ってしまった様です。品番FB-69-10 6×7 6×9 60p\sでした
大変失礼致しました。

フイルム大好き 2024/02/26(Mon) 21:47 No.2493
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも詳しいご指導、ありがとうございます。
さて、程度の良いリンホフ カットフイルムホルダーが日暮里の代理店オンライン在庫に2セット眠っているのを見つけて注文致しました。これでやっと4セットとなり、立ち止まったままのシートフイルム撮影自家現像のアイドリング状態になって来ました。

そこで諸先生方々に質問がございまして、恥を忍んで投稿致します。
幸い、未開封のT-Maxデベロッパーが有りますので当面心配はありませんが、いずれ
RODINALにも挑戦してみようと思っています。この現像液は、使い捨てなのでしょうか?また、そうだとしたら廃棄処分はどの様にされているか注意点を伺いたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/02/29(Thu) 18:42 No.2495
Re: 中判シートフィルム
私はロジナールを超希釈(416倍)で使い捨てていますので,そのまま流しています.非常用には100倍で使うこともあります.あまり誇って言えることではありませんが...
蛇足ながら,T-MAX現像液は開封したら直ちに200mlずつスムージー用パウチに密封し、使用時は1:4希釈し1Lのペットボトルに空気をできるだけ追い出してキャップしています。これで10本現像まで反復、希釈後1年経っても現像はできているようです。
れんずまにあ 2024/02/29(Thu) 21:40 No.2496
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のご指導ありがとうございます。
諸先生方々のご投稿を拝読して、少し慣れてきたら挑戦してみようかと思いました。ドイツのPhotoImpexのサイトを覗いてみましたら簡単にRODINALが手に入る様で、試しにカートに入れて購入手続きに進み発送先を日本にしても大丈夫でした。価格は日本の代理店より格安、しかし送料はそれなりでした。後日、注文は、手慣れてきた時のお楽しみにしておきます。

T-Maxデベロッパーの使用注意も頂き大感謝申し上げます。小分けと空気になるべく触れない様に。こんなご注意、どのサイトにも出ていません。
大変心強いサポートに重ねて感謝致します。
少しずつ精進してゆく所存です。これからもよろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/02/29(Thu) 22:08 No.2497
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
フイルム大好き様
コメントいただきありがとうございます。

B'リールについて,その後連絡はありません。
Benoitさんは,B'sプロセッサー(現像タンクの回転装置)も作られていて,そちらに忙しいのかも。でも,大名刺サイズフィルムを4x5から切り出して新リールの構想を考えているそうなので,何か連絡があればまたご報告します。

フィルムホルダーが4セットになって良かったですね。フィルムが8枚あると余裕があります。
シートフィルムホルダーをテヒニカで使う場合,カメラ全体が小さく軽くなり,手持ち撮影も軽快になります。重く嵩張るロールフィルムホルダー(Super Rollex)が不要になる為ですが,実は操作性も向上します。リンホフは戦後のIII型から,アメリカのスピードグラフィックを意識して,シートフィルムで手持ち撮影する「プレスカメラ」としてテヒニカを位置付けたようです。連動距離計や大型左手グリップは,普通のビューカメラには不要ですが,手持ちでシートフィルム撮影する時は便利です。操作法の例を「リンホフテヒニカ23」No. 2064に書きました。これは,20年程前に地方のカメラ店の店主(ホースマン45を長く使われていた方)から教えていただいた方法です。

あと,Rodinalが品薄のようですが,アグファR09(ワンショット)の在庫がみらいフィルムズにあるようです。ご参考までに。


写真:テヒニカ23とシートフィルムホルダー (右は露出測定用の携帯ホルダー).

狸おやじ 2024/03/02(Sat) 11:42 No.2499
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
最新の情報のご提供、ありがとうございました。まずは、初心者コースをクリアしたら挑戦することにいたします。
御愛機の写真、いいですね。撮る前からベストショットの予感が感じられます。スマホホルダーも便利そうですね。貴殿のlinhof2×3のご投稿No:1643から、ギア雲台を手に入れて水平出しが簡単ですっかり気に入りました。三脚持参、フイルムホルダーとロレックス持参の大所帯出陣の後押しになります。
やっと揃ったホルダーに白エナメルで文字入れして満足です。
あとは
結果の報告、よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/03/06(Wed) 18:13 No.2502
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ホルダーのLinhofの白い文字が格好良いですね。撮影が楽しみです。

ギア雲台の情報が役立って何よりです。SWfoto GH-Proは,アルカスイスD4のコピーの様ですが,機能と重さのバランスが良く,野外の撮影で重宝します。携帯ホルダーはフリクションアーム(Manfrotto, 244 Micro)で三脚に取り付け,iPhone(覚える露出計)で測光と設定条件での画像確認に使ってます。ストーンバッグ(Vanguard)は小物入れとしても便利で,上ではスーパーローレックスが重石代り(?)です。

冬は撮影の機会が少ないけど,来週は娘の卒業式があり,テヒニカで日中シンクロ撮影を考えてます。桜には少し早いが,「袴レンタル着付け写真パック」より魅力的な写真を撮りたいと,ロケーションを調査中...
狸おやじ 2024/03/09(Sat) 09:51 No.2503
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有難うございます。
何気に、JOBOタンクのリストを見ていて気がつきました。
回転現像の場合、現像液は140mlとか170mlになっている事を。少なく済めばそれに越したことはないなあと。無論、ローラーとか必要かも知れませんが、ご存知の方がいらっしゃれば、お話しを伺いたく存じます。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/03/09(Sat) 21:46 No.2504
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
私は回転現像の経験がないので,残念ながら詳しい事は分かりません。
しかし,私が使っているフィルム現像の解説書(*)は,Joboの回転現像に否定的で,一般のアマチュア写真家に勧めていません。否定的な理由は,フィルムの現像過程で画像のシャープネスを上げエッジを強調する効果(No.2288-2293)に着目した解説書だからかも知れません。参考までに,関連する部分(43, 105ページ*)を要訳すると,

「多くの写真家は,Joboの回転現像装置を使った簡便な連続攪拌を好む。しかし,連続攪拌は画像のシャープネスを強調するエッジ効果を抑制する。この抑制は,特に35 mmのネガフィルムを11x14インチ以上に拡大する場合に明瞭になる。一方,4x5インチのネガを10倍以下に拡大する場合はそれ程目立たない。また,連続攪拌は明部の現像を過剰にし,暗部の現像を抑制する為,中間の階調(トーンスケール)を狭くする。この影響を緩和するには,高希釈現像液を使う方法がある。現像液の種類によらず,希釈率を30%以上に高め現像時間を延長する。Joboの回転現像のもう一つの問題点は,現像中のフィルムが空気中に長時間露出することである。その結果,現像液が空気に触れて酸化するが,この影響はパイロや染色系(タンニング)現像液で顕著になる。この場合,現像液の強化が必要になる。一つの方法は,現像液量を規定量より30%以上増やすことだが,それに合わせて現像時間の調整も必要になる。つまり回転現像は,高希釈や繊細(fragile)な染色系現像液を使う場合,あまり理想的な現像方法とは言えない。」

*) Bill Troop and Steve Anchell, The Film Developing Cookbook, 2nd Ed., Routledge, 2020.
狸おやじ 2024/03/12(Tue) 20:48 No.2506
Re: JOBO回転現像タンク
狸おやじ様、フィルム大好き様、いつも高度な書き込みをありがたく拝読しています。
以前参加していた大判フィルム撮影のグループ主催者が、JOBO回転現像をしている参加者に、トーンが出ないため良くないと評価していて、何故なのか疑問に思っていました。
主催者も経験上の評価で、確固たる理論は持っていなかった(理論的説明をしていなかった)と思います。
なるほど、連続撹拌ではそのような化学変化が起こっているのですね。
その当時は回転現像タンクを所持しておらず、8x10は主催者が勧める暗室皿現像しかできませんでしたのでそれ以上追求しませんでしたが、先日放出物のLPL回転タンクを購入したので、あわよくば8x10ネガ現像を明室で行えるかなと思っていましたが、やはりプリミティブな皿現像が良さそうです。
回転現像タンクは、元々印画紙用なので、印画紙にはそれほど問題ないのかなと思いました。
れんずまにあ 2024/03/12(Tue) 21:09 No.2507
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様

早速に、御見解を頂き恐縮しております。ありがとうございます。
ロクな実績経験も無いくせに、情報収集に走りがちな自身の行動を恥じております。
まずは、基本の積み重ねですね。
現像周辺商品のオンラインサイトを覗いてみると、確かに迷いましたが、諸先輩各位のご指導方法を忠実にトレースしてゆくつもりです。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/03/12(Tue) 22:08 No.2508
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お騒がせ致します。いつもありがとうございます。
久しぶりに、ポジをスキャンして、ピントの甘さに不満を覚え、再度フィルムをライトボックスに載せルーペで再確認、デジタルかと見紛う精細度にあれこれ奮戦が始まってしまいました。
どうも、狸おやじ様の仰せの通り、Epsonのネガキャリアの問題かと、面倒覚悟でウエットスキャンにてやり直し。結果はまあまあですか、何せ面倒なんです。ポジの清掃に気を遣いますし、、
まあ、解決一発のデジタルより、悩みどころがかるのが楽しいのですが。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/08/16(Fri) 16:59 No.2575
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様

私もフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)のフィルムスキャン性能に不満を感じています。以前(No.2471)書いた様に,ピント位置がズレていることがその一因ですが,より大きな問題は光源の出力が弱い為,取り込み画像のダイナミックレンジが狭い事です。カラーポジは暗部に情報量が多いので,後者の問題が顕著に結果に現れます。ですので,私はポジのスキャンではフラットベッドを諦め,専用のフィルムスキャナーを使っています。35mmポジはニコンのCoolScan 5000ED,120ポジは専用機がないので外注しています。一般の写真店にある業務用スキャナー(ノーリツプレシジョン製スキャナー/印刷機)でも,高解像度(64 Base)でスキャンして貰えば,ほぼ満足できる結果が得られます(比較すれば一目瞭然で,私はフラットベッドを使いたいと思わなくなりました)。ウェットスキャンの場合,フィルム面での光散乱/反射が抑えられるのでダイナミックレンジが若干改善すると思います。しかし専用のフィルムスキャナーと同等になるかは分かりません。

本当は中判(120, 大名刺)用のフィルムスキャナーが欲しいところですが,ニコンの9000EDやハッセルブラッドのFlextightは中古でもプレミアム価格です。Plustek(台湾)のOpticfilm 120 Proが日本で再販されないか少し期待して待っているところです。
狸おやじ 2024/08/17(Sat) 11:25 No.2576
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
詳細のご説明ありがとうございました。
中判シートフィルムの主題から外れ、申し訳ございません。
ただ、フイルムとは言っても、コストがかかりますね。フレックスタイトのあるスタジオ調べて、いずれポジ持参の上、時間割のレンタルしてみようと思っています。

どこかのスタジオで減価償却済みの機材、格安で売りに出さないかなあ、と、虫の良い事考えてしまいます。
水道温度が20度くらいになったら、シートフィルム挑戦したく思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/08/17(Sat) 11:37 No.2577
Re: 中判シートフィルム
スキャニングは本当に悩ましいですね。僕は主にモノクロネガなので、16bitで取り込んでからトーンカーブで調整すれば暗部もなんとかなるため、中判はGT-X970+BetterScanningで一旦落ち着いていますが、35mmネガでは(BetterScanningのホルダーを持っていないこともあって)最近いろいろ工夫しています。

GT-X970は最大6400dpiですが、その実力がないと思うので、3200dpiで取り込むことが多いのですが、それだと35mmでは画面の短辺が3000画素ぐらいになってしまいます。それなら最近のデジタルカメラで撮ったほうが高解像度になる、ということで、デジカメでの撮影に乗り換えました。ちょうど、今日 Ver.2 を公開したのですが、
https://www.youtube.com/watch?v=rpbFPXMqdCE
にあるようにフィルムをホルダーに挟んで、マクロレンズで直接撮影しています。Nikon Z7(4500万画素)を使うと、5000dpi相当で取り込みができます。ただ、マクロレンズと言えどなかなか満足いく解像度にならず、開放だと隅が甘く、絞ると回折で解像度低下する、といった具合で、Ai Micro-Nikkor 55mm F2.8S ではだめだったので、シグマの150mmマクロを使うようにしました。この方法は何より取り込みが素早く、ダイナミックレンジも十分取れるのが美点です。

35mmに話がそれてしまって申し訳ありません。で、本題の中判をどうするか・・ですが、同じシステムで中判を取り込もうとすると、2400dpi程度になってしまいます。また、レンズからフィルムまでが離れるので、アダプターのサイズも過大になってしまいます。そういうわけで、原状としては、中判はデジカメには移行していません。

既存のフィルムスキャナを入手するのもよいのですが、問題は、それらがソフトウェア的にどれだけ使えるのか・・です。古いPCを専用に確保しておけばいいのかもですが。。ノーリツのスキャナは公式にWindows11対応されていますが
https://www.noritsu.info/important_info/20220324/
次がどうかわからないし、そもそもHS1800はebayでも200万円ぐらいで取引されていて、とんでもない値段です。それでも需要があるのでしょうね。

デジタルカメラでデュープをしていて感じたのは、光源、フィルムの平面性、レンズ性能、これらをハイレベルで揃えるのは難しいということでした。当然、良いレンズが付いたカメラの像を余すことなく取り込むには、それ以上のレンズが必要ですが、これが難しい。GT-X970などは広い範囲を1つのレンズで賄っていますので、そもそも結構無理があります(その割には高性能だと思っています)。モノクロの粒子を取り込むには、F11より絞るとダメになるし、絞りを開くと周辺が甘い。F11で等倍の被写界深度は、5000dpiだと±0.05mmですが、フィルムを空中に置いてその範囲に収めるのは困難です。

ラインセンサ型のスキャナは、1ラインごとに露光するので、どうしても1ラインの露光時間が短くなり(スキャン速度に直接響く)、光源は面的でなくスリット状で良いとはいいながら、かなり光源が明るくないといけません。レンズのF値をカバーする広さも必要(レーザースリットのような光だと回折が起こる)。さらにベッドのガラス板の悪影響もあります(暗部に反射像が乗るなど)。

そういう要素を考えると、flextightのように柔軟なホルダーでフィルムを曲げて撮るのがベストなのは明らかなのですが、需要がない今、ソフト(最新OS対応)、値段、性能を兼ね備えたものの登場は期待するのは難しいのかもしれません。次善の策としては、良いマクロレンズと、センサシフト式の超解像ができるデジカメの組み合わせでのデュープでしょうか。

もっとも、そういう高解像度の画像を取り込んでネットで公開しても、なかなかそこまで見る人もおりませんし、自宅で見るだけならルーペで直接見るほうが良いのですが。なお自宅には8K TVがあるので、全体表示で楽しむことは可能ですが、4Kとの違いは、よっぽど近づかないとわかりません。
日浦 2024/08/17(Sat) 13:55 No.2578
Re: 中判シートフィルム
日浦様
まさか、日浦様よりご指導いただけるとは、大変恐縮しております。ありがとうございます。
迷路に迷い込んだ初心者としてこの数日は、明けても暮れてもこの事ばかり考えておりました。
デジタル時代を迎え、精細度の再現が叶うとアナログにそれを求めてしまう無理があるのかと半ば諦めの境地でございます。
フィルム上に再現されていれば良しとして、自分でまあまあかなレベルで止めておこうと思います。
Lr等のソフトも少し役に立ちますので。トライ&エラーを繰り返しているうちに何かの答えを得られればと思います。
この度は懇切丁寧なご指導を頂き感謝申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/08/17(Sat) 16:24 No.2579
Re: 中判シートフィルム
日浦様
狸おやじ様
夜分、失礼致します。寝られなくなってしまって、、、
以前、モノクロで撮影した今は無き二世代前の愛犬のカットです。EPSON購入前のCANONのフラットベッドスキャナーでした。機材はハッセルブラッド500CM プラナーCF80mmです。
現像はラボに依頼しました。
このサイトから外れまくって申し訳ございません。
このレベルで満足する様に致します。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/18(Sun) 01:31 No.2580
Re: 中判シートフィルム
日浦様
コメントと貴重な情報をありがとうございます。
35mmフィルムは私もデジタルカメラで複写しようと考えて,道具(Nikon スライドコピーアダプターES-1,BR-5リング等)を揃えたことがあります。フィルムスキャナー(Nikon CoolScan 5000ED)での取り込みに時間がかかる事と,ソフトウェアとドライバーが古くなり動作に不具合が出た事が理由です。ソフトについては,その後SilverFast(LaserSoft Imaging)が古いスキャナーを網羅的にサポートして動作保証もしていると知り乗り換えました。これは新旧のOS(Mac/Windows)にも対応していて,Epson GT-X970もほぼ同じ環境で使えるので便利です。取り込みには時間がかかりますが,ピント調整やコマ送りが自動なのでトレードオフかなと考えています。

中判120フィルムのスキャンは困りますね。私もモノクロはGT-X970と自作ホルダー(No.2471)で凌いでいますが,カラーポジは画質に満足できず外注しています。ノーリツのHS1800は魅力的ですが,200万円では全く手が出ません。どこかの企業が,安価で高性能の中判フィルムスキャナーを作ってくれないかと期待してます。(単なる夢物語ですが,勝手な希望でもいろいろな所で書いていると,本当に外光オートストロボが発売されることもあるので全く無意味でも無いようです:リンホフテヒニカ23, No.2556)

フイルム大好き様
素敵な写真を見せていただきありがとうございます。
ハッセルのプラナーCF 80mmの描写は素晴らしいですね。中判モノクロ特有のなだらかなトーンと繊細な描写が印象的です。ハッセルのプラナーには詳しくありませんが,後期型(CFi?)よりもすっきりした描写のように見受けられます。テヒニカ23用のプラナー100mm(4群5枚)とはレンズ構成が異なると思いますが,私もプラナーを使ってみたくなりました。
狸おやじ 2024/08/18(Sun) 10:36 No.2581
Re: 中判シートフィルム
先日,久し振りに撮り貯めた大名刺判シートフィルム12枚(ホルダー6枚x2)を現像した。
表裏を同条件で撮影し,表側をRodinal(1:100,18分),裏側を高希釈の静止現像(1:200,30分)で現像してみた。結果は良好で,またの機会に報告する予定ですが,ここではフィルム番号の記録(番記)について報告したい。

以前(No.2448)書いたように,私が使っているクイックロードフィルムホルダー(QL69-JP)には番号のノッチ(1~6)があり,暗闇でも番号に合わせてフィルムを装填できる。しかし,水洗いの時にはバラバラになるので,目玉クリップにも番号をつけてフィルムを識別できるようにした。それでも枚数が多いとフィルムの一部が「迷子」になり,困ることがある。

これを避ける方法として,フィルムに直接番号を写し込む方法がある。リンホフのスーパーカットフィルムホルダーにはこの機能があるものがあり,現像後のフィルム左端中程に小さな番号が表示される(写真下)。


写真:大名刺判モノクロネガフィルム(下:番記あり)。

狸おやじ 2025/01/26(Sun) 11:48 No.2699
Re: 中判シートフィルム
フィルム番号を写し込む「番記」の機能は,リンホフ純正のフィルムホルダーの内,引き葢に番号がついたホルダーのみにあるようだ。恐らく購入時のオプションで付けられたものと思う。私のホルダーの中では3枚にあり,各ホルダーの該当部分に小さな番号タグが貼り付けられている(写真下)。便利ではあるが,番号の周辺画像が欠けるので好まない人もいるかも知れない。このタグは接着剤(?)で付けられているようで引き抜くことができる。ただし,一度引き抜くと再装着は難しいと思う。どこかで取り付けるサービス(シュリロかクリック?)や追加購入のパーツがあるかどうかは,(調べていないので)分からない。ご参考までに。


写真:スーパーカットフィルムホルダー23(下:番号タグ付)。

狸おやじ 2025/01/26(Sun) 11:55 No.2700
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
貴重な情報ありがとうございました。
そんな機能があるとは知りませんでした。
ついでに、日暮里の代理店に問い合わせいたしましたが、パーツは過去あったが今は生産終了で在庫も無いとの事です。
まずは、報告申し上げます。
フイルム大好き 2025/01/28(Tue) 14:44 No.2705
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
早速のコメントを有り難うございます。
リンホフの代理店(Clique)に問い合わせていただき感謝します。
やはりパーツ(番号タグ)の在庫は無さそうですね。この「スーパーカットフィルムホルダー23」は,1990年代中頃まで日本でも販売されていたので(1993年頃のシュリロのカタログに出ているが,1997年のリストに無い),その後10年程で番号タグのサポートも終了したのでしょう。中古市場にはタグ付ホルダーがまだあると思うので,ご興味のある方は収集も楽しそう。でも,私は画像が欠けることを考えると,番号タグは必須ではないですね。
狸おやじ 2025/01/28(Tue) 21:28 No.2706
Re: 中判シートフィルム
以前紹介したBounet-PhotographyのBenoitさん(No.2491)から連絡がありました。
大名刺判(6.5x9 cm/2.5x3.5 inch)用の新型リールの試作品が出来たとの事です。プロトタイプの試作品を送ってくれるそうで,有り難い限りです。B's リール(*)に興味を持ち購入を検討される方も居られると思うので,試作品が届いたら,その使用感や使い勝手等を報告する予定です。

*) https://www.bounetphoto.com/bounet-designs-analog-shop
狸おやじ 2025/02/15(Sat) 11:31 No.2735
Re: 中判シートフィルム
Benoitさんから大名刺(6.5x9 cm)用の新型リールの試作品が届きました。
基本的にこれまでのB'sリール(Mk 2)と同じ構造だが,いくつか改良点がある。まず装着したフィルムの背面をスロット内の凸部が支える形になり,フィルムが壁に密着せず溶液の流れがスムーズになった。またフィルムの内側の固定点が軸の外側に移動したので,フィルムの曲率が減り装填が容易になった。この変更で,フィルムサイズの自由度が増え,小名刺用とほぼ同サイズで,大名刺用のリールが作れたようだ。今後4x5"や5x7"のリールも,この新型(Mk 3)に変わっていくと思われる。

本当は今週末に数枚のフィルム撮影をしてテスト現像したかったのだが,雨でタイミングを逃してしまった。来週末位にテストできたらまた報告する予定です。


写真:B's 6.5x9 cm developing reel (Mk 3, prototype).

狸おやじ 2025/03/02(Sun) 22:12 No.2749
Re: 新型大名刺リール
狸おやじ様、試作段階の大変貴重な機材のご紹介を誠にありがとうございます。
今の所私は暗室で皿現像と考えていますが、タンクでできるようになれば、明室で気楽に現像できるようになるので、敷居がずいぶん低くなります。
販売されるようになることを大きく期待しています。
れんずまにあ 2025/03/03(Mon) 00:02 No.2750
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントありがとうございます。Benoitさんの新型リールは,大名刺判等のシートフィルムをタンク現像する時に有力な候補になると思います。

週末に大名刺シートフィルムを8枚撮影し,このリールで4枚x2回の現像を試みました。
使用感はまずまずです。装填はリールの上からフィルムを差し込む方式なので,QL69(No. 2330)より少し時間がかかるが,一度装填すればタイトに固定され回転や倒立攪拌の時でも安心感がある。問題は,フィルムを背面から支える部分(2箇所)に「ハレーション防止層」の色素が「斑点」の形でフィルムに残ってしまう事。水洗いでも対処できそうだが,フィルムを支える凸部の形を工夫すれば改善しそう。改善できそうな点は他にもあったので,Benoitさんに纏めて報告しました。これらの点が改善され,製品版の新型リール(Mk 3)が発売されたら,また紹介する予定です。
狸おやじ 2025/03/09(Sun) 21:26 No.2755
オートアップ

RFカメラの最短撮影距離を補う「オートアップ」
その対応機種は膨大で、到底個人では追い切れません。
普及品珍品取り混ぜて、個人が所有している個体をここで積み重ね、わずかでも全貌に迫ろうという提案を致します。
基本的にはプレザント社製の「Auto-Up」を対象にしますが、同様の構造をもつ他社製品もその発展の参考になると考えますので、例えばLeitzのnooky、ZeissのContatest、VoigdlanderのProximeterなども紹介頂いてもよいのではないでしょうか。

れんずまにあ 2016/05/20(Fri) 18:04 No.229 [返信]
コニカ パールIV専用オートアップ
日浦様がパールの項でご紹介のオートアップ。
パールは従来型とIV型でベッドを開く方向が変更され、従来型用のオートアップでは取付時に干渉します。
日浦様はフィルターを間に挟むことで問題をクリアされました。
専用品も存在します。クランプスクリューヘッドがベッドと反対側に設置され干渉しなくなりました。

No1はフィルターリングが黒く,1mから50cmまで
No2はフィルターリング銀で,60cmから43cmまで対応します。

れんずまにあ 2016/05/20(Fri) 18:14 No.230
コンテッサ用
オートアップは一般的にクローズアップレンズとRF用プリズムがアームで一体化されワンタッチで取り付けられるようになっています。
しかし前玉回転フォーカシングではプリズムも一緒に回転してしまい、焦点合わせ不可能です。
コンテッサ用はセパレート型で、折りたたまれたアームを伸ばしてスクリューで固定したプリズムをアクセサリーシューに前から装着、別パーツのクローズアップレンズをレンズ前に取り付ける構造です。

そのため、往々にしてクローズアップレンズが紛失され、プリズムだけがジャンクで出てくることになります。
どうも完品の写真を見ると、なくさないようコードで繋がっているように見えるのですが...

他方コンテッサには専用クローズアップシステムであるContameterが存在し、50cm、30cm、20cmのクローズアップレンズ「PROXER」があります。
またコンタフレックス用Proxerも装着可能で、これは1m,50cm,30cm,20cmがあります。
レンズ欠品のオートアップを見付けても、Auto-Up1には1m、2には50cmのプロクサーを組み合わせることで容易にシステムを再構築できると考えました。

コンテッサ用のオートアップ1と2の違いは、
対応撮影距離が,1は100-56cm、2は50-33cm
焦点距離によるプリズムの度が違うため1より2の方が分厚くなっていること、
1のほうがプリズムの窓が大きく、窓の端にパララックス補正指標と思われる三角の指示板が出ています。(写真左の端の方)
2は窓が上下に狭く、パララックス補正指標はありません。

コンテッサのファインダーはブライトフレームやパラ補正指標がないので、オートアップ側で対処しているのでしょう。

れんずまにあ 2016/05/20(Fri) 18:44 No.231
ニコンS2用オートアップ
ニコンSシリーズ用のオートアップも、レンズとファインダーアタッチメントが別構成になっています。
これはニコンSシリーズの標準レンズが回転繰り出しだからです。
アタッチメントはアクセサリーシューに装着し、畳まれたプリズムを正位置にネジで固定します。

私はS2を持っていないのでS3で代用しました。両者のファインダー/RF窓位置関係は同じはずです。
しかしファインダー視野下部が少しけられることになりました。これはS2ではちゃんとカバーしているのか、S3と同じ事になるのか不明。
距離計は合います。

れんずまにあ 2016/07/09(Sat) 20:26 No.300
Re: ニコンS2用オートアップ
購入したものはNo1(1m-50cm)、ニッコール5cmf1.4用で、クローズアップレンズは43mm径ねじ込みです。
被せ型よりも光軸は合わせやすいのではないでしょうか。

さて精度ですが、1mと最短でテストしてみました。お恥ずかしいですが画像全体を見せるため散らかった周囲もお見せしています。
上はボディ無限遠、距離1m、下はボディ最短、距離およそ50cmで、チャートの中心、黒白の雲形図形に距離計を合わせています。
1mでは、ニッコールS・C5cmf1.4開放はあまりにボケボケで明瞭な焦点位置が判別不可能なのでf2.8に絞っています。中心に合焦していると思います。
50cmでは明瞭に開放f1.4から中心に合焦しているのがわかります。絞るとどんどんクリアになりますが焦点移動は感じられません。
実用的には充分な精度ではないかと考えます。

れんずまにあ 2016/07/09(Sat) 20:34 No.301
Re2: ニコンS2用オートアップ
ところで、私は5cmf2も持っていて、開放付近のシャープネスはf1.4よりf2のほうが上だし、近接性能もf2の方が優れていると思っていますので、これをf2でも使おうと考えました。
ただしf2はフィルター径40.5mmです。
43-40.5ステップアップリングという手もありますが、手元にあったφ40.5のクローズアップNo1(ケンコー)を試してみました。

見事に外れました。50cmだけお示ししますが1mでも1-2cm後ピンで外れています。
やはり純正の組み合わせのほうが良いのでしょうか。皆様も非純正の組み合わせではまずテストをお勧めします。

れんずまにあ 2016/07/09(Sat) 20:39 No.302
Re: コンテッサ用
元々のテッサー45mmf2.8の性能が非常に高く、少し小絞りにしていますが大変尖鋭度が高い画像が得られました。
オートアップ純正レンズが欠品で、No2にはツァイスイコンのコンタフレックス用0.5を流用しています。
中央部に毛虫が居ます。肉眼では見落としていました。ツノマタタケとよく似た色合いですが菌を食べるのか偶然居合わせただけなのかわかりません。

白いカワラタケと黄色いツノマタタケ
Contessa 35, Tessar 2,8/45mm, f11, 1/250, Auto-up No2, Proxer0.5, Iso100nega

れんずまにあ 2016/07/18(Mon) 23:53 No.303
キヤノンRF後期用オートアップ
キヤノンは社名を入れたオートアップを多数供給しています。
社外品(プレザント)OEMなのか、キヤノン製なのか、どうなんでしょうね。

これはV, VI, L, P, 7などの後期型用、本体のファインダーが大きくなったのでそれをカバーするレンズも大きくなっています。
レンズも後期の寸胴タイプ48mm径のキヤノン50mmf1.4用です。

 左900、右450。焦点距離が名称になっていて、マスターレンズ無限の時フィルム面から上記のミリ数距離に焦点が合います。
(訂正:キヤノンのクローズアップレンズは、フィルム面ではなくレンズ先端からの距離を表示していました。)

900はマスターレンズ最短1mを丁度カバーし、マスターレンズ1mで約50cm程度まで接近でき、日常使用には十分です。
450はマスター1mで20cm近くまで寄れ、RF機には分不相応な拡大になりますが、VIでは距離計の光路が最短で蹴られてしまうようで、若干非実用的という印象です。
(追記:以下ナースマン様からこれはキヤノン7用であるとご指摘を受けました。確かに7なら50/1.4+450最短でも距離計像はけられません)

手軽にRF機でも近くの撮影が可能になるのは面白いですが、SLRが主流になりつつある時期にどのくらい売れたのかなあ..

他にも巨大な50mmf1.2用、一般的な50mmf1.8用、35mmf1.8用を見かけます。

追記)35mmf1.5は専用品ではなく、この900と450を共用します。

れんずまにあ 2017/02/02(Thu) 22:47 No.680
Re: オートアップ
資料を引っ張り出して、7が現役当時のオプションカタログを探しました(P、Y以後の物ですが)
56年のオートアップVに、35mmF1,8の物は有ります。35mmF1,5は58年発売。これ以降の物ですね。
7時代のオートアップはそれまでの物とは別物ですね。
レンズの外径が、42,50,57mmの物があるようです。
ねじ込み固定なので、汎用できるとの記載がある。
但し、あくまでも7用のオートアップ。Yでは、ファインダー位置が合わないかも?
ナースマン 2017/02/03(Fri) 19:02 No.682
Re: オートアップ
ナースマン様、貴重な資料をひもといていただきありがとうございます。
流石にその時代のカタログは見たことがない。これは多分50径のもの。
7用なのですね。では一度450を7に付けてみましょう。
れんずまにあ 2017/02/03(Fri) 22:59 No.683
Re: オートアップ
カタログによると、撮影範囲は450は39〜52cm。900は55〜100cmと成ってます。
もとは、インチ規格(22〜40in)なものを、cm表示しているようです。
ナースマン 2017/02/04(Sat) 07:46 No.687
Re: キヤノン7で450使用
たびたびありがとうございます。上記記事に訂正を入れさせて頂きました。

なるほど900、450ともに前モデルの1型II型と焦点距離は変わらないわけですね。
すると名称はフィルム面からの距離ではなくレンズ先端からの距離と考えた方が良いかもしれません。
(80年の雑誌でキヤノンクローズアップレンズ240と450(一眼レフ用)はレンズ先端から被写体までの距離を表すと記載されていますので、おそらくオートアップの頃からそういう表記になったのでしょう)

キヤノン7+50mmf1.4では450最短でも距離計二重像はきっちり見えました。
VIと窓の位置が違う差が出たようです。

35mmf1.5は、フィルター径48oと50mmf1.4と同じなのでそのまま900,450が装着できました。
7のブライトフレームがオートアップ枠で少し蹴られますが概ね実用可能です。
また35mmはVIでも距離計像が蹴られませんでした。
ちゃんと距離計が合うかどうかテスト中です。

(追記:50/1.4,35/1.5とも開放から非常に精度良く合焦していました。無限,3m,1mでテストして,最短では開放からf2.8で5mm程度ずれることもありますが手持ち撮影の誤差のようです。確実を期すならf8より絞れば確実でしょうが、開放付近で浅い深度を得ることも可能な精度でしょう。)

画像:キヤノンVI, 35mmf1.5、オートアップ450

れんずまにあ 2017/02/05(Sun) 11:47 No.693
マミヤシックス用
マミヤシックス用オートアップは日浦様の本館で詳細にご紹介です。
拙宅にもありますのでちょっとだけ触れます。
オートマットIIにも適合し、大変手軽に接写が楽しめます。
開放でもこのとおり、高精度で信頼できます。

Mamiya6 automat II, Sekor 7.5cmf3.5 開放、1/30,Iso400ネガ(フジプロ400)

れんずまにあ 2017/04/02(Sun) 00:15 No.761
コニカC35用
C35「じゃーに〜コニカ」シリーズの最短撮影距離はいずれも1m前後で、近接には純正オートアップが用意されました。
1mから50cmまでの距離で撮影できます。

こちらに示す49mmはC35FD用、他にC35用46mmがあります。
距離計連動カメラでないと、距離合わせはできません。

この後フラッシュ内蔵C35EF「ピッカリコニカ」は目測機なので、オートアップではなくテレスコピック三脚を内蔵しフラッシュデフューザーつきのクローズアップポッドが供給されました。

余談ですがC35FDはストロボのフットを差し込むとシュー内のピンが押されてフラッシュマチックになります。
距離に応じて絞りが変化し、フラッシュのGNとフィルム感度をセットすると適正露光されます。
C35FDのGN目盛は7から56まであり、プロ用ストロボでも対応するところがたいしたもの(ASA100でGN28のストロボならASA400でGN56になりますが)
多分GN30くらいにセットしておいてGN10くらいのストロボを焚けば、接写でもうまく調光するのではないかと思うのでテストしてみます。

れんずまにあ 2018/01/11(Thu) 18:31 No.1138
ツァイス コンタテスト
Contatest

戦後コンタックスIIa、IIIa用の簡易接写装置。
1mから50cmまでをカバーする。

外バヨネットを利用して、距離計とファインダー窓の前に偏角プリズムを設置する。同時にレンズにプロクサーをネジ込む。
原理はオートアップと同じだが、専用機だけにスマート。
レンズを付けたままでも装着可能。

れんずまにあ 2020/01/23(Thu) 20:01 No.1647
アグファ プロキシメーター
アグファも自社製品に対応する「プロキシメーターI, II」を供給した。
原理はオートアップと同じである。
面白いのはI, IIを重ねて装着出来ることで、Iは1m-50cm,IIは50cm-33cm、I+IIで33-20cmまで接写出来る。

こちらはスーパージレッテに専用品を装着した。右に旧型のカラート用を置いた。
カラートの距離計・ファインダーはジレッテより横長なのでプロキシメーターのサイズも大きい。
スーパージレッテにはカラート用も装着出来る。その逆はできない。

れんずまにあ 2020/01/23(Thu) 20:12 No.1650
Contax IIIa用
コンタックスIIIa用
距離1m-50cm対応

こんなものがあったのですね。使いもしないのに..とお叱り受けそうですが、IIIa持っていて、眼前に2000円で出現したら、手を出さない自信ありますか...

れんずまにあ 2020/01/26(Sun) 21:33 No.1652
Re: オートアップ
コニカC35用オートアップはすでにれんずまにあ氏が報告されているように、C35FD用(フィルタ径49mm)とC35用(46mm径)があり、これはC35用のほうです。プレザントブランドでなくコニカから販売されていたのが、本体の刻印だけでなく、当時の箱や取説、レザー製ケースから伺えます。

そして、このオートアップはリコー500G/GS/GXに流用できるという報告を見かけたので、試してみました。うまく使用できます。レンズ前枠(内径、外径)が同じで、ファインダ・距離計の配置もほぼ同じためです。前から見ると、距離計窓はオートアップの補正レンズの下よりになりますが、蹴られず、問題なく使用できます。リコーエルニカFでも使用できます。

初期のオートアップとは異なり、クローズアップレンズ側にはコーティングが施されています。500G/GS/GXは露出計連動のフルマニュアルカメラとしても使用でき、写りも良好ですが、このアクセサリが使えることで、一気に一軍入りとなりました。

日浦 2024/10/26(Sat) 21:25 No.2621
キヤノンオートアップ
スクリューライカ型のキヤノン用オートアップ。
キヤノン純正箱入り。
口径が異なる50mmf1.8用と,50mmf1.5がある。
焦点距離1mは、レンズ最短距離1m位置で約50cmに近接できる。

れんずまにあ 2025/03/01(Sat) 21:58 No.2747
M42 プラクチカマウントカメラ

 1949年のコンタックスSから始まって(異論は有ると思いますが)2003年のベッサフレックスTMまで綺羅星の如く銘カメラ
が揃っているM42マウントカメラ。
 世界的に名にし負うメーカーが開発/販売していました。
・ZEISS
・Voigtlander
・Pentacon(KW)
・KMZ
・PENTAX
・Olympus
・YASHICA
 …

 こちらに集まれる皆さんも1台位はお持ちではないでしょうか。

efunon 2018/03/17(Sat) 22:12 No.1179 [返信]
プラクチカ FX
Kamerawerkst&#228;tten Guthe & Thorsch GmbH で開発された Praktica FXです。(プラクチカ銘の始祖?)
 発売は1952年、ペンタプリズムは付いていないウエストレヴェル(W/L)ファインダー機です。
(ペンタプリズムはオプションで用意され、W/Lファインダーの上に載せます。ブロニカDXのプリズムファインダーの様に。)

シャッターダイアルは一軸回転式で、中心に高/低速の切り替えノブが有ります。選択できる速度は
B, 1/2, 1/5, 1/10, 1/25, 1/50, 1/100, 1/200,1/500。シャッターは厚めのゴム引き布幕横走りシシャッターです。
ボディー前面には年代によるシンクロ接点のバリエーションが有り、
・旧タイプのX,G,Fの3孔タイプ
・X,F の2個付きドイツ式ターミナル
・X接点のみの1個
が有ります。
 レリーズボタンは向かって右側にレンズ光軸と平行に押すタイプです。

ミラーアクションは巻き上げと同時に降りるタイプで、クイックリターンでは有りません。

 絞りはピン押し込みの機構が無い単純なM42マウントです。そのため、普通絞りかタクマーレンズの様
にM-Aの切り替え機構が必要です。この為、意外と使用可能なレンズが限られてしまいます。

 ちゃんと整備された個体なら単純な分、軽快に作動します。
ペンタプリズムとは違った気分で使うには良いカメラです。

efunon 2018/03/18(Sun) 08:13 No.1182
ペンタックス SV
1962年7月発売のペンタックスSV ペンタックス メーター(2th) 付きです。

 S3の後継にあたる位置付けの機種で、巻き戻しクランクの根本に装備されたセルフタイマーから"SV"と命名されています。

 有名なSPと比較するとデザイン的に初期の機種のイメージが残されています。
スペック的には、ほぼ完成された過不足の無いスペックを持ちます。
・B,1〜1/1000
・ファインダー視野率93% (倍率は55mmで等倍? 未確認)
・ファインダースクリーン マイクロプリズムとマット
・アクセサリーシューはオプション

efunon 2018/03/18(Sun) 08:42 No.1183
Ihagee EXA Ic
エクサクタシリーズの初級機ライン、エクサの末っ子。M42機。

エクサは1951年に始まりました。日浦様のラインメタル・エクサの項もご参照ください。東独カメラの常として時代と共に簡略化されていきます。
Iaではペンタプリズムファインダーを装着するのに無理がないデザインになりました。
そしてこの前のモデルIbから伝統のエクサクタマウントからM42に変更されましたが、シャッターレリーズは相変わらず左手です。M42の自動絞りに対応しシャッター1段目でバネで絞り込み、押し切りでシャッター作動します。
一気に押すと普通に軽くシャッターが切れ、ミラーは上がりきりで巻き上げで復帰します。
さらに金属製のIbボディとフォーカシングフッドをプラスチック製にして大幅に軽量化、廉価にしたのがIcです。

フォーカルプレーンではなくミラーがスリットシャッターを兼ねており、最高速は1/175、他125,60,30,Bの5段階のみの潔さ...フラッシュ全速同調かと思ったのですがどうも1/30がシンクロ速度のようで高速側は蹴られてしまいました。

Icは1985年から87年にかけて販売されましたが、その事実に戦慄します。日本では同じ年にAF新時代を告げるα7000が登場しています。
東独はまだトラバントを作っていた頃でしょうか。
しかし恐らく現在の価格は、α7000よりExa Icのほうが何倍も高価でしょうね。皮肉なものです。

れんずまにあ 2018/03/18(Sun) 12:08 No.1184
Re: Ihagee EXA Ic
我が家にはTaが有ります。
 ミラーシャッターとはいかがなものかと興味が有りました。
今ではM42レンズよりも2〜3割安いエキサクタマウントで楽しんでいます。

 以前は散々な評価なEXAですが、最近のユルフワブームで、周りにも購入されている(Tb)人が増えてきました。

EXAはとても可愛い小さなカメラです。タクマーの28mm前後を付けて高級写ルンですと思えば使い方も容易です。
efunon 2018/03/18(Sun) 15:13 No.1185
Re: EXA
実はIbテッサー50、ウエスト+プリズムつき1万2千円、Icペンタコン30(メーヤー リディトのOEMか)、ウエストつき8千円で触り較べ迷わずIcを選んだ自分の悪趣味は自覚しています。
取り敢えず壊れようがない構造ですね。
初期のセミオートのタクマーが大変細身でよく似合うと思っており、セミオート絞りのスプリングチャージ儀式の後、見えにくい腰高ファインダーと、狙った瞬間にシャッターが落ちないタイムラグを楽しみながら撮影します...

周知の事と思いますが、EXAのようにマウント面にビス穴が開いている機種にSMCタクマーを嵌めてはいけません。
自動絞り切替の時マウント面に突き出すピンが穴に噛んで地獄嵌めに陥ります。
私はうっかり中間リングを介さずにSMC100マクロを取り付けてしまい大汗をかきました。
ピンが突き出てしまうとA/Mレバーが戻らなくなり、地獄嵌め完成です。
最後は力業で外しましたが、マウント面に傷を付けてしまいました...

マウント面にネジを持ってくるのは良くない設計だとは思いますが、SMCタクマーの設計も大概ですね。
れんずまにあ 2018/03/18(Sun) 22:06 No.1186
レビューフレックス3003
REVUEFLEX 3003は、ドイツのカメラチェーン店フォトクウェレで販売されたレビュー(レフュ?)ブランドカメラのひとつで、チノンCX-IIのOEMと書いてあります。

メカニカル制御シャッター1-1/1000、シンプルなマウントで、特別な絞り込みボタンを持たず、シャッターボタンが自動絞りの絞り込みを兼ねており、それで絞り込み測光を行います。
そのためシャッターストロークが長く、若干重い押し味で、途中で絞られるためレリーズ直前は視野が暗くなります。
あらゆるM42レンズで測光が出来る所が長所でしょうか。

漫然と大きく重い、日本では受けそうにない欧米人向け金属製カメラですが、外装は凹みやすく今の個体もべこべこです。
海外通販で10ドルくらいだったから、メインの注文のついでに入手したものの、ペンタックスSVやフジカSTシリーズのような引き締まったカメラを持っていると、ちょっと出番がなさそうな。

れんずまにあ 2018/03/21(Wed) 10:50 No.1187
Re: Pentax SV
私はバヨネットマウントが好きなので、機械式一眼レフのスレッドではM42をあまり出しませんでしたが、何しろ最近MF一眼レフは価格破壊状態ですから幾つかは使っています。
撮影目的が限定されていたらそんなに頻繁にはレンズ交換しませんし、M42も思ったほど苦にならないのがわかりましたので。
本当に咄嗟の場合はカメラ複数台にしたほうがバヨネットより早いです。勿論ズームには敵いませんが。

さてペンタSVですが、最近露出計を使わないのでSPやSPFは電池を抜いたままで、それなら潔いSVを選択することが多くなりました。
デザインが引き締まっており、操作感も洗練されており、シャッターボタンの切れも良い、流石と思わせる機械です。
旭光学のタクマーレンズの優秀さも持ち出す理由ですね。ベーシックなグレードであっても何を撮影しても信頼できる画像が得られ、特にKマウント直前のモデルは非常に現代的な写りです。

私の愛用タクマーは、SMC55/1.8, マクロ50/4(プリセット等倍),SMCマクロ100/4,SMC28/3.5,SMC35/3.5,SMC85/1.8(頻度少なめ) です。
自動絞りチャージ手動の55/1.8、35/3.5、105/2.8、プリセット135/3.5は主にExa Icに組んでいますが、明瞭に逆光耐性がSMCより弱いですね。それも使いこなしです。

れんずまにあ 2018/03/21(Wed) 11:03 No.1188
プラクチカW
 このスレッドの最初にご紹介させて頂いたプラクチカFXの正常進化系のプラクチカWです。
1960年から1964年にかけて製造された、M42自動絞り付きの一眼レフです。

 正確にはプラクチカWのRev2タイプで、ボディー全体がクロームになりました。
 ペンタプリズムを除いては基本的にプラクチカFXに色々なギミックが搭載されたと思って頂いてかまいません。
 大きさの比較のためにペンタックスSVと並べてみました。かなり背が高いので大柄に見えます。

efunon 2018/03/24(Sat) 17:37 No.1190
Re: プラクチカW
プラクチカWは、機構的に珍しいギミックが色々と有ります。

 まず、自動絞りの機構ですが、マウント内部画像の赤いスイッチを横にスライドさせると、自動絞り機構を
解除する事が出来ます。
自動絞りはレリーズボタンを押し込む事で、絞りピンを押し込むので、解除されると幾分操作が軽くなります。

 次は巻き戻しノブです。一見すると普通のノブなのですが、Rev2よりノブ上部が軸外しで回転できる様になりました。
指を掛けて回す事が可能だそうです。(構造が華奢なので使っていません。)

 最後は最も特徴的な部分です。この機種はノブ巻き上げも底部レバーでも巻き上げが出来ます。
このレバーは分割巻き上げが出来れば、それなりに便利なのですが、残念ながらそうはなっていません。
このため。ケースも独特な構造になっています。本体よりもケースを見つけることが難しいかもしれません。

efunon 2018/03/24(Sat) 17:58 No.1191
フジカST701
製造:富士写真フィルム,1970年
M42マウント完全自動絞り、SPDによるTTL絞り込み測光(ファインダー内部定点合致式)
ファインダー倍率0.96倍、視野率90%
シャッター横走り布幕フォーカルプレーン1/1000〜1,B倍数系列、X(1/60)
重量:ボディ618g
サイズ:133x91x49mm

フジフィルムが初めてつくったフォーカルプレーン一眼レフカメラ。1950年以前からの写真機メーカーとしては最も遅く参入した。(輸出専用レンズシャッター一眼レフ:フジカレックスIIが初めての富士フィルム一眼レフ.なぜかIは存在しない)
マウントは自動絞りピン以外の連動機構を持たないシンプルなM42プラクチカマウントで、ボディ前面右手側の絞り込みボタンで測光する。
当時としても絞り込み測光は遅れた仕様ではあったが、ペンタックスSPやキヤノンFTQLがまだ現役であり大きな問題ではなく、またM42絞り込み測光は世界的に普及しているどのようなM42レンズでも測光できるため、海外販路には保守的な機種が求められ戦略的には正しかったと考えられる。

発売時にフジノン35mmf2.8、55mmf1.8、50mmf1.4、135mmf3.5の4本が揃っており、翌71年には28/3.5から200/4.5まで交換レンズが拡充された。
その後フジカSTシリーズは1972年開放測光専用フジノンとST801の組み合わせでTTL開放測光マニュアルが実現し、絞り優先AEの901やAZ-1に発展したが、上記のように絞り込み測光も需要があり、ボトムラインにシャッター速度を1/700から1/2秒,Bに落とした絞り込み測光機ST605を1976年に供給し、オイルショック後の不況に対応している。この低価格機が高級機を狙わない富士フィルム35mmSLRと交換レンズの路線を決めたように思える。

STシリーズはアサヒペンタックスを上回る小型軽量ボディに特徴があり、横幅が特に小さい。縦は割に大きいが、横幅だけならOM-1(136x83x50,490g)より小さい。
ファインダー倍率は標準55mmで計測すると割に大きいが、視野率が90%と小さい。これはアマチュア向けとして容認すべきかもしれないがOM-1は97%もあるのだ。

巻き上げは滑らか。作動音はやや大きく、ジェントルなOM-1やペンタックスSV, SPと較べると荒々しい印象を受ける。

露出計は作動していない個体が多くなったという。私のは液漏れで電池室が酷いことになっている。勿論ジャンクボックス品なので文句は言えない。機械的にはよどみなく作動し、華奢な他社と較べて品質は高いと思う。

純正標準レンズは、ST701時代はまだEBCではないフジノン50mmf1.4と55mmf1.8で、いずれも評判は高い。
画像の個体は、ボディとレンズを個々に求めたのでEBCが付いている。
55mmは特に普及したレンズで、さらに普及したSMCタクマー55/1.8に勝るとも劣らない描写力。

れんずまにあ 2018/10/15(Mon) 23:00 No.1418
ヤシカペンタJ-P
ヤシカのメカニカルシャッターM42カメラ、
1964年発売
重量619g
クイックリターンミラー(という記載がある時代)
横走行布幕フォーカルプレーンシャッター、1/500から1/2秒まで倍数系列+B
FP, Xシンクロ
1作動レバー巻き上げ、クランク巻き戻し。
スプリットイメージ+マイクロプリズム、マット式ファインダースクリーン(と広告されているが手元の個体は中央マイクロとマットのみ)
専用ラグにクリップオンするCdS露出計別売。EV3-17、シャッターダイヤルにカップリングされ絞り値を表示する。
日本では標準レンズとしてオートヤシノンDX f2/50mm、5群6枚、完全自動絞りがセットされていた。海外ではヤシノン55mmf2.8がセットになったものがある。また上位機種J-5にはDX50mmf1.4またはDX55mmf1.8が組み合わされた。

同時発売のボディ内蔵外部露出計つきJ-5の普及機という位置づけで、「ポピュラーな完全自動絞りカメラ」「意のままに駆使できるポピュラー・ペンタ」という広告から、ポピュラーがキャッチフレーズだったと思われる。

デザインは、ヤシカSLR初代機Pentamaticを踏襲したシャープなペンタJから変わって、J-3から角を丸めた無難な、個人的には野暮ったいものになり、その後の機種に続く。
またM42にマウント変更した当初、ペンタJはレンズに開放セットレバーがついた半自動絞り機で、完全自動絞り実現はJ-5からになる。
外部露出計が内蔵されたJ-3からシャッターボタン位置が前面から軍艦部に変更されたが、J-Pは着脱式露出計が軍艦部右手側を覆うためか、シャッターボタンが前面に戻っている。J系最終機J-7も外部測光でTTLには別シリーズを待たねばならない。

れんずまにあ 2019/03/26(Tue) 00:30 No.1515
Re: ヤシカペンタJ-P
さて使った感想です。この時代になると随分標準的な操作に集約され、特に面食らうような操作法はありませんが、操作感触はあちこちぎくしゃくしていて高級感を疎外しています。海外サイトには巻き上げがシルキースムーズなどと書いてあるんですが...特にシャッターボタンの感触が二段落ち、つまり徐々に押し込んでいくと1段目で自動絞りが作動し、2段目でミラーが上がってシャッターが走る。素早く押し込むと2段が一気に作動するのですが、ブレを招きます。前押しのボタン配置は多少ブレに有利とは思いますが。Pentamaticと同様の感触で、まだ直ってなかったのかよと思います。基本構造は多分にPentamaticを引き継いでいるのでしょう。

れんずまにあ 2019/03/26(Tue) 00:32 No.1516
アサヒペンタックスSL
1968年発売。旭光学製。
64年発売のSPから露出計関係装備を除いたマニュアル露出専用機
ボディのみ重量はSPの623gから596g(いずれもカタログ値)に若干軽くなりました。
他の基本はSPと同様。翌年1969年にはペンタックス6x7が発売されています。
SP登場当初はボディ51000円、SLは当初23000円と段違いに安価です。
SPはTTL測光という当時先端技術が売りなので強気ですが、SLは割安です。
1973年、SPがSPFに更新されても、ベーシックなSLは併売されています。SPF(642g)はホットシュー固定ですが、SLは外付けシューのままマイナーチェンジされていません。
SPFは42000円と、SP初期より随分値段が下がっているのは競争が激しかったのでしょう。同時代のSLは27000円と、値上げされています。
1973年にはK2, KX, KMが登場、おそらくしばらく在庫販売されたと思われますが、交代となりました。Kマウントではもはや露出計非搭載のカメラは作られていませんので、ペンタックス最後のメカニカル・フルマニュアルモデルでしょう。
SPシリーズ共通に、ファインダー視野率93%,倍率0.89倍(50mm)等倍(55mm)です。
私はSPでも電池を入れませんので、ファインダー表示がすっきりしているSLは好みです。
外部露出計はペンタプリズム上に被せるタイプで、他社のように固定金具が目立つことはなく、単体のデザインがすっきりして美しいのもよろしいです。

れんずまにあ 2025/01/07(Tue) 23:58 No.2684
Re: M42 プラクチカマウントカメラ
れんずまにあ様
フジカST701のご投稿ありがとうございました。大変懐かしく、残念ながらボディは譲ってしまいましたが、初期型55ミリf1.8のレンズは残してあります。
アダプタ装着の上シグマfpで時々楽しんでいます。
天気が良いので、窓際の愛犬のうたた寝、試し撮りしてみました。
シグマfp fujinon55mm f1.8
ISO400 ss1/60 f11と16の間
イイ色出しますね、改めて感心しました。
カメラボディの板から外れ申し訳ございません。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/01/15(Wed) 12:53 No.2689
Re: フジカST701
フィルム大好き様、拙稿をお読みいただきありがとうございます。
フジカのフォーカルSLR1号機はプリミティブながら気合が入った出来でしたね。
最近のボディ価格は悲惨極まりなく、気軽に購入できるのはありがたいやら悲しいやら。
シグマfpは大変気になる存在です。
私はフルサイズ?ミラーレスを使う目的が機材テストと大判ステッチですのでほぼ三脚固定。小型軽量薄型で、あたかもフィルムバックのように使えるfpは購入候補です。でもソニーでアダプタを揃えてしまったし、α7Rが壊れるまでは乗り換えできないでしょうけども...
ご作品ありがとうございます。この当時の標準レンズの水準が大変高かったことが改めてよくわかります。
れんずまにあ 2025/01/16(Thu) 22:37 No.2690
ペンタックスSP-F
アサヒペンタックスSP-F

1973年発売 製造:旭光学工業
M42マウント完全自動絞り、CdS TTL平均測光(ファインダー内部定点合致式)
電源:1.3V水銀電池H-D1個
ファインダー倍率:55mmで1.0倍、50mmde0.89倍、視野率93%
シャッター:横走り布幕フォーカルプレーン1/1000〜1,B倍数系列、X(1/60)
巻き上げ:レバー1作動、分割巻き上げ可能
重量:ボディ641g
サイズ:143x91x49mm

ベストセラーTTL絞り込み測光一眼レフ、ペンタックスSPの改良型で、他社でも主流になりつつあった開放測光を採用しました。
その他の主な変更点は、アクセサリーシューが固定式のホットシュー(X接点のみ)、露出計スイッチが、左手操作の絞り込みボタン兼用のスイッチから、レンズに光が入ると自動的にメーター作動するフォトスイッチになりました。その代わり撮影終了後はレンズキャップをするか、ケースに入れて暗黒にしないとバッテリーが消耗してしまいます。
右肩正面の機種名は、SPOTMATIC Fになった。SP時代から平均測光なのにスポットの名称だが、試作機が測光時に腕木が出て画面中央を測光する、ライカCLのような機構だったところ、発売モデルはペンタプリズムにCdSを置いて焦点板を平均測光する方式に変更され、名称のみがそのまま使われた経緯のため。
SP譲りの熟成された信頼性が高い機械部分であり、ジャンク箱に打ち捨てられた個体でも、電気回路は故障していてもメカ動作は健在であることが多いようです。

SPは絞り込み測光のため、あらゆるM42マウントのレンズを装着しても測光できましたが、SP-Fの開放測光には、レンズの開放f値情報を伝達するラグを持ったSuper-Multi-Corted TAKUMARの一部と、SMC TAKUMARが必要です。ラグを持たないTakumarや、他社のプラクチカマウントレンズは、SP同様左手側の絞り込みスイッチが残されていますので、絞り込み測光で使用できるように上位互換が保たれています。

れんずまにあ 2025/02/01(Sat) 23:01 No.2712
Re: アサヒペンタックスSP-F
90年頃メカニカルマニュアルSLRは底値で、結構綺麗なSP-F標準レンズ付きが1000-2000円でジャンク箱に入っていました。一方クラブのフレッシュマンの中には自宅にフィルムカメラが1台もない家庭が珍しくない時代に突入しており、彼らの入門用に完動ジャンクカメラを確保していて、この個体はその嫁ぎ遅れの1台です。
当時はペンタックスユーザーではなく、自分用には全く考慮していませんでしたが、嫁ぎ遅れを操作しているうちに沼にどっぷり浸かってしまいました。
アサヒのM42機は操作感や動作音がジェントルで、機構は頑丈。頻繁にレンズ交換しなければ(実際私はバヨネットであってもレンズ交換頻度は少ない)かなり実用的で楽しめます。
また学生時代の友人が、タクマーは甘いと事有るごとに呟いていたのでそんなものかと敬遠していたところ、実際使ってみるとなかなか悪くない感触を得て、今では常用範囲で不足ない程度にレンズを揃えてしまいました。最近はボディは捨て値のまま標準レンズだけがべらぼうに高騰、それに加え、フィルムがボディ価格を大幅に上回る想像を絶する時代になり、もはや初心者に気軽にフィルムカメラを勧めることが困難になりつつあります。せめて所持している者は使ってあげねばと思っています。

SP-F、SMC TAKUMAR 55mmf1.8 ラバー巻き最終型。奥はSP

れんずまにあ 2025/02/01(Sat) 23:04 No.2713
Re: M42 プラクチカマウントカメラ
れんずまにあ様
ご投稿拝読いたしまして、売却してしまった元箱付のST701後悔していまして、ネットで探し始めています。懐古趣味と笑わば笑えです。それほど55mmf1.8は気に入っていまして手放さなくて良かったと思っています。
新型のデジタルミラーレス機のインフォが全く気にならなくなってしまいました。
今が、このあたりの捜索のチャンスかもしれませんね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/02/13(Thu) 18:29 No.2728
Re: M42 プラクチカマウントカメラ
れんずまにあ様
いつもお世話になります。
過去写真から、発掘しました。
返す返す、後悔しています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/02/28(Fri) 17:55 No.2746
ソビエトカメラ

多種多様なソビエトカメラ。
一家言お持ちの方が大勢居られるなか、不肖ながら先陣を切らせて頂きます。

ゼニット3M
初期はM39マウントで出発。ほぼプラクチカと同じフランジバックで(微妙に短い)、レンズをマウントアダプタでM42変換してお使いの方も多いでしょう。
それに対しカメラのほうはあまり使う人はいません。
ネットでは素晴らしいサイト「ZENITの系譜と種類」を検索されるととてもよくわかります。

3MはM39マウントゼニットの最終期で随分モダンな外観/操作系になっていますが、
基本的にはスクリューマウントライカコピーのゾルキーにミラーボックスを追加したもので、マウントはライカ同様レンズとの間に何の連動もありません。
私の個体は10月革命50周年記念モデルなのでしょう。1917年10月革命の契機となったアウローラ号と、クレムリンの星、それに何か宇宙ロケットが刻印されています。1957年にはガガーリンの初飛行があるのですが、1967年は検索してもあまり華々しい宇宙開発ニュースを見付けられません。技術的には無人ランデブー/ドッキングとか凄いことをやっていますが。
それはそれとして、3Mは流麗なデザインで、レンズも良く、使って楽しいカメラです。

ミラーが小さいので視野率が低く、初期SLRの常でシャッターを切るとミラーは戻りません。裏蓋が開くのはスクリューライカ基本としてはよくやったと言えましょう。
シャッター系は、ゾルキーそのもの、回転シャッターダイヤルが趣がありますね。
ガバナーを使う低速は、ばっさり省略されています。

れんずまにあ 2016/09/06(Tue) 21:28 No.350 [返信]
ゼニットM39用レンズ
ゼニットM39は、微妙にM42プラクチカよりフランジバックが短く、M39レンズにフランジを変えないマウントアダプタ(M39-M42リング)を付けてもM42カメラでは無限遠が出ないことが多いようです。

また結構バックフォーカスが短いレンズが多く、ミラーに衝突するのは茶飯事、私はシグマSD14のIR/ローパスフィルタをガリッと逝っちゃいました。ご注意を。

レンズの素性は良いものが多く、ビオターコピーといわれるヘリオス-44 58mmf2、フレクトゴンを基にしたといわれるMir-1 37mmf2.8、コンタックス用ゾナーと同じJupiter-11 135mmf4を使っています。
他にも50mmf3.5,85mmf2,180mmf2.8などを見かけます。300/4もチラ見したことあるかも。

左Mir-1 37/2.8,右Jupiter-11 135/4
特に135は素晴らしい写り。ゾナーそのものだから当然か。
58mmf2と37mmf2.8は当時としては優れたスペックと思いますし、開放付近はフレアっぽくてコントラストが低いですが、少し絞るとかなり性能が出ます。

れんずまにあ 2016/09/06(Tue) 21:44 No.351
ゾルキー4
それでは二番槍は某が。

 ゾルキー4です。ソビエトカメラでは比較的数少ない1/1000を備えた1眼式のファインダーを持つ距離計機です。

 製造番号から見ると1956〜1973の永きに渡って製造された機種です。
 宇宙開発で先頭を切っていた国力充実の頃の個体は一般的なソビエトカメラの常識を覆すと思います。

 シャッターは一軸回転式で初期は大陸系列、後期は倍数系列で1〜1/1000のレンジを持っています。ただその配列は順は一様では有りませんのでご注意下さい。
 シャッター速度目盛は初期はエンゲローブですが、後期はプリントになり、消えてしまう恐れが有ります。
 あまり知られていませんが、シャッター目盛基部はシンクロタイミングの変更ダイヤルになっています。
 セルフタイマーはスタートスイッチ式です。このタイマーは必ず180度回転させて下さい。途中からだと動作しない事が有ります。
 一眼式のファインダーは一般的な形式ですが、巻き戻しノブ基部に強力な視度補正レバーが有り、大変融通の利くファインダーとなっています。距離計は狂い易いと云われていますが、個体差が有る様です。
 さて問題の距離計ですが、距離計コロの代わりにクロームメッキの円弧カムが付いています。グリスが切れなければある意味コロよりエラーは少ないかも知れません。非常に軽く動作します。

 ボディーは初期はダイキャストに肉厚の塗装、後期は合成皮革貼です、初期の塗装タイプは文字で書くよりも実際に持ってみると大変良い感触です。

 ボディー構造はコンタックスやニコンSタイプの裏蓋分離式です。集めのダイキャストでがっしりとして少し重めですが、その分信頼感は十分です。
 各部ノブのローレットも大変気を使って加工してあるのが判ります。

 操作しづらいシャッタースピード変更さえ克服すれば、さほど使用に問題は感じません。

 私のゾルキーにはゾナータイプの1959年製のジュピター8(50mmF2.0)を付けています。白鏡胴から黒鏡胴、ピントノブ付からノブ無し(ピントノブには無限遠ロック機能は有りません。)とバリエーションは様々です。
 Lマウントのゾナータイプですが、その描写は大変”普通”に写ります。変な甘さも有りません。拍子抜けする位”普通”です。

 ゾルキー4はその後4Kになり高画質になりました。…ウソです。巻き上げがレバー式になりました。
 国産機でもそうですが、ノブ式からレバー巻き上げに変わった頃の製品は一種独特な雰囲気を持っています。

 1960年頃のゾルキー4からソビエトカメラに入門した方は比較的幸運かも知れません。その後が大変…。

efunon 2016/09/07(Wed) 21:25 No.354
Re: ゾルキー4
本命ゾルキーの記事、ありがたいです。
フェドの方が一般的で発展したのかと思っていましたが、正直ゾルキー4がそこまで良いとは知りませんでした。裏蓋分離はいいですね。
スクリューライカの所有経験ありませんので比較も出来ませんが、とびきり安いゾルキー4を見たらこらえきれないかも。
L39ソビエトレンズ、アルミ地J12とJ11が手元にあるので、悩ましいです。
でもこの辺のカメラは標準50mmがもっとも使いやすく、交換レンズは色々と不便を強いられますので、J8を我慢したら、我慢できるのかな(笑
れんずまにあ 2016/09/07(Wed) 22:30 No.355
キエフ5
戦前コンタックスの最終発展型、キエフ5

ボディ基礎はRFコンタックスそのもの。
その上に、採光式ブライトフレームファインダーと単独露出計を違法増築したような構成。
巻き上げはレバー、巻き戻しクランクはギアで横向きに設置された。
ただ巻き戻し解除は底のボタンを押し続ける形式。

バージョンによりブライトフレームは50mm単独と50,85両方が表示されたものがある。また視野全体で35mmを使える。
マウントはコンタックス外バヨネットのみ、標準50mmはこれ専用の外バヨネット仕様のJupiter-8 50mmf2、または後にHelios94 50mmf1.8が適合し、従来の内爪バヨネットは装着出来ない。さらにJ-8には外観に2バージョンある。
交換レンズは外バヨネットのものが使えるが、ソビエト製の初期、例えばZK(ゾナークラスノゴルスク)BK(ビオゴンクラスノゴルスク)など、または50年代のアルミ地レンズとマウント基部が接触して塗装を傷つけることがあり注意が必要。(これらは黒Contaxも傷つける)
70年代以降の黒塗装レンズなら問題なく装着できる。
またドイツ製コンタックスレンズも装着に問題ない。

れんずまにあ 2016/09/07(Wed) 22:47 No.356
Re: キエフ5
キエフ5はほぼ近代カメラに近い使い勝手のクラシックカメラです。
レバー操作を後付けしたので、巻き上げは大変ぎこちないもの。
でも確かに速写性は増しました。
ライカMには全く及びませんし、見え味ではニコンS3やキヤノンPにも負けますが、使い勝手は同じようなものです。

交換レンズのジュピター12 35/2.8やジュピター9 85/2を付けてスナップすると、一眼式RFのありがたみが実感できます。
標準ジュピター8も、無限ロックがなくなり、ヘリコイドを直接操作する感触は好ましいものです。
夜景はすべて開放、1/30で撮影、コマ収差はあるものの、焦点があった部分は周辺までとてもよく質感が再現されています。

上ジュピター8、下ジュピター9

れんずまにあ 2016/09/07(Wed) 23:02 No.357
ジュピター8
α7にジュピター8を付けると歪曲が良く判ります。

 軽微な糸巻型の歪曲が有りますね。

 ポジで撮るとなにせ60年近く前のレンズです。発色は地味ですね。それに私のレンズは少し片ボケ気味です。

 キエフ4のジュピターもそうでしたが、もろ手を挙げて称賛するモノではないと思います。
現在のレンズと比較すれば欠点が多いレンズ。清濁飲み込んで使うレンズです。

efunon 2016/09/08(Thu) 21:28 No.358
ZENIT C
今更くどくど書く必要は無いでしょうから、私が使った印象を書きます。

コロコロと愛らし外見と、そのコンパクトなところが大変お気に入りです。

・非常にコンパクト、OM-2と並べたらちょっとペンタカバーがOMよりも背が高かった。
・ファインダー像が大きい、接眼部の光学系のおかげかもしれませんが、接眼部までの経路が短いから?
・ペンタプリズムは小さい、分解してみると驚きますが、無理して突っ込んだせいでしょうか
 こんなに小さくていいのだろか?
・遮光不足が有ります。
 ミラーが跳ね上がった状態でも、アイピース側からの逆入光が閉じたミラーの隙間から漏れます。
 隙間に薄いモルトを貼り付けて対処しました。
・個体差ですが、私の愛用している1号機では、フィルムの巻き上げが渋いのか
 巻き上げ時にフィルムを千切ってしまいます。
 ポジフィルムなら問題有りませんので、カラーリバーサル専用機に成っています。
 ネガとポジではフィルムベースの素材が違うと何かで読んだ気がします。
 確かネガがセルロール・・・??系 ポジはPET樹脂だったか・・・(うる覚え)

ちなみにM39のZENITシステムは、アダプター経由でレンズを使われる方はいらっしゃるでしょうが
ボディ側を積極的に使われている方はいらっしゃるでしょうか?

私の場合はボディ側を積極的に使っております。
むしろ、35mmSLRでは、ZENIT Cしか使っていません。

その代り恒例の改造が施されております。
・M42マウント化
 ジャンクのペンタックスからマウントを移植しました。
 これでレンズの選択肢は大幅に増えます。
 ただし、M42レンズを殆ど持ち合わせて居ない為、コシナULTRON 40mm を付けっぱなしです。

・スクリーン交換
 オリジナルは、ペンタプリズムの下にごついコンデンサーレンズが配置されています。
 コンデンサーレンズの下面が磨りガラスと成っております。
 その為か、ファインダー像がタル型に歪みます。
 磨りガラスも結構汚れていたりすると像面が黒ずんで気になります。
 ところがこのコンダンサーレンズは、中々取り外せなくて難儀しました。
 最終的にはFM3-Aの全面マットスクリーンをカットして移植しました。
 
 明るくて、ピントの山も非常に判り易く良いスクリーンです。(安いし)
 
尚、写真の右側がM42改造機です。
  この写真ではM42 Flektogon 35mmが付いております。

ゆうれい 2016/09/12(Mon) 23:16 No.359
Re: ZENIT C
こんにちは。

 ZENIT Cの画像を拝見して、巻き上げノブとレリーズボタンの位置やその意匠周りはゾルキー4と共通品の様ですね。

 ちょうど製造時期が重なっているので、今まで気付かなかった事が判りました。
efunon 2016/09/13(Tue) 20:24 No.361
Re: ZenitC
大変興味があるカメラのご紹介をありがとうございます。
Zenit-3mのサイズは、当時は小型だったでしょうが今となっては常識的なもので面白みはありません。
ZenitCはゾルキーサイズ、ペンタプリズム装備の一眼レフとしては驚異的で、魅力的です。
どうせ操作性は、レバー巻きと裏蓋以外は3mと変わらないし。
M39レンズが手元にあるので購入の敷居が低くなりますが、CにはHeliosよりもIndustarのほうがきっと似合いますね。
れんずまにあ 2016/09/17(Sat) 00:02 No.369
Re: ソビエトカメラ
efunon様 れんずまにあ様
なるほど、共通に使われているパーツ類など研究課題として面白そうですね。

手持ちのIndustarは残念ながらコンディションが今一で薄ぼんやりした画像となってしまっております。
ゆうれい 2016/09/17(Sat) 13:37 No.373
Helios 40
Helios 40 85mmF1.5
Jupiter-11なども含めて外装はメカメカしくてうっとりします。
解放付近でのグルグルボケも面白いのですがF5.6位からはぐっと画質が改善されます。
ヤシコンPlanar 85mm F1.4と撮り比べた事がありますが、敵わないのは仕方がないとしても
決して負けてはいない写りでした。
中にはどちらで撮ったか判らなくなった絵も有りました。

Helios 40はシグマSAマウントに改造してありますが
ビスを外せばすぐにM39に復帰可能Sにしております。

ゆうれい 2016/09/17(Sat) 13:53 No.374
L39RFカメラの基準焦点距離
以前から疑問があります。
フェド、ゾルキー、(ドリューグやレニングラードもそうでしょうが)などソビエトM39カメラの距離計は、基準焦点距離がライカの51.6mmではなくコンタックスRFの52.0mmに合っているのではないか?

ソビエトL39レンズ、ジュピター9 2/8,5cm黒(KMZ, 確か79年頃製造)をライツミノルタCLに付けて演劇撮影をしていたとき、最短近くでは後ピンになるのに気付き、もっと基線長が長いM3で確認、さらに後日友人のRD-1で再確認しました。
最近買い直したアルミ58年KMZも同傾向でした。
コンタックスマウントのJ9ではコンタックス(キエフ)ボディで最短まで精度良く連動します。

またL39のJupiter-3 1,5/5cmをテストしたときも最短で後ピンだったので、ソビエトレンズはコンタックスマウントの基準焦点距離をそのままに製作され、ダブルヘリコイドでそれを吸収していないのではないかと想像しています。

そうすると、逆にM39カメラはコンタックスの基準焦点距離ではないかと思われ、ライツL39レンズを付けると前ピンになるのでは?
フェドやゾルキーを所持したことが無く、わかりません。

さて、L39カメラで最も汎用性が高そうで、価格こなれているキヤノン7。
露出計が動かなければ数野口さんで買えてしまうのが吃驚です。
初めてソビエトレンズを付けてみました。
Jupiter-11 4/13,5(KOMZ:カザン,71年)はねじ込みが非常に渋い。マウントはアルミなので削りそうで怖い。
Jupiter-9 2/8,5cm(KMZ: クラスノゴルスク,58年)も渋いけど、削れるほどではない。
Jupiter-12 2,8/3,5cm(LZOS:リュトカリノ,59年)はキヤノン純正なみにスムーズ。

何れのレンズもライツLMアダプタにはスムーズにネジ込まれますので、ライカ規格にはちゃんと合っていると思います。
逆にライツL39レンズをキヤノン7にネジ込むのもスムーズです。

ライカスクリューマウントはインチ規格ですが、キヤノンはメートル規格だそうで、極めて微妙な差があって、ソ連レンズの一部はキヤノンにはきついのかなと。

れんずまにあ 2016/09/22(Thu) 11:48 No.506
Re:L39RFカメラの基準焦点距離
インフから1mまでの操出量は計れますか?

51.6mmならINF〜1m 約2.80mm
52.0mmならINF〜1m 約2.86mm
52.3mmならINF〜1m 約2.88mm

もしくはキャノンの50mmとJupiter-3 5cmでINF〜1mの操出量で比較できるかも知れません。本来なら同じ量のはずです。
efunon 2016/09/23(Fri) 23:05 No.508
Re: 基準焦点距離
すみません、L39 のJupiter-3も-8も、手元に残っていませんので検証できないのです。
標準系はコンタックスマウントInduster-28と、キエフ5のJ-8しかないので...
れんずまにあ 2016/09/24(Sat) 18:13 No.509
Re: L39RFカメラの基準焦点距離
まさか、フェドやゾルキーのボディー側距離計アームの扇状カムはその補正の為にコロになっていないのかも!
 なんてのも楽しいです。

まだまだ謎の尽きないソビエトカメラです。
efunon 2016/09/24(Sat) 23:42 No.510
ミノルタCLE
はい、ミノルタCLEです。
とうとう頭がおかしくなったか?
いえ、よくご覧になって下さい。どこか、おかしくありませんか。

れんずまにあ 2016/09/25(Sun) 14:41 No.511
Re: ミノルタCLE
左からCLE用M-Rokkor 40/2, Helios-113 40/1.8, ライツミノルタCL用M-Rokkor 40/2

中央のヘリオスはソ連製で2種類だけのMマウントレンズの1つです。
もう一つはKaleinar-5N 100 mm f/2.8で、こちらは購入機会を逃してしまいました。

母体になるカメラはどうも存在しないらしく、西側Mマウントカメラ用との話ですが、焦点距離の選択が解せません。
画像にみてとれるように、モデルになったのはCL用ではなくCLE用ですね。

FEDには6TTLというM39モデルがあり、CLと同様の腕木露出計を備えています。
絶対Jupiter-12は装着出来ないでしょう。
Mマウントではないので母ボディではありませんが、その延長で試作されていたかも?と勘ぐっています。

れんずまにあ 2016/09/25(Sun) 22:56 No.512
Re: ミノルタCLE
実物を拝見?したのは初めてです。

 どんな感じですか?興味津々です。

かなり寒色系と聞いた事が有りますがいかがでしょうか。
efunon 2016/09/27(Tue) 20:50 No.513
Re: ソビエトカメラ
efunon様コメントありがとうございます。
流石ですね。ご存じとは!以前某SNSで話題を振ったときは誰一人食い付きませんでした。
ソ連崩壊直後にご縁があり当家にお輿入れしましたが、当初私も何か全くわかりませんでした。
オリジナルではフランジバックがライカMより短く、あっと驚く前ピンでした。幸いシムを挟んで調整できましたが、M-Rokkorに較べて間延びしているのはシムの厚みのためです。
どうも増加試作の域を出ていない製品のようで、これで画質を云々できないのですが、取り敢えず非常に過剰補正気味で開放はふわふわですが、解像力は周辺までしっかりしていてM-RokKor40に劣りません。
ただ内面反射なのかコントラストが低く、逆光では画面全体にグレアが乗ります。同条件でM-Rokkorは大きなゴーストがでますので、ちょっと厳しすぎたかなとも。

確かにM-Rokkorよりも青いようですが軽微です。

試作に近いと感じるのは、シリアルがソ連レンズ共通の頭2桁が製作年号ではなく通し番号、フィルタースレッドが刻んでいない、レンズマウント後部がアルミ無垢で全く反射防止処理されていない、という点です。
マウント後部は反射が酷すぎるので、気が引けますがテテナル黒艶消しで処理してちょっとコントラストが改善しました。が、五十歩百歩です。

CL用のような傾斜カムでなく、ちゃんとダブルヘリコイド平面カムで、フォーカシングノブやレンズ先端の形状も含め、CLE用を手本にしているのは明らかです。
それでは、CLE専用のサードパーティレンズとして出す気だったのか、じゃあ100mmはフレーム出ないし、だいたいそんなニッチな製品誰が買うんだ?という感じですね。専用ボディの計画がないとは考えにくいです。

れんずまにあ 2016/09/28(Wed) 23:51 No.514
Re: ソビエトカメラ
ライツミノルタCL ヘリオス40mm 開放 Iso400ネガ

れんずまにあ 2016/09/28(Wed) 23:58 No.515
レンズマウント
掲示板の方で話題になっていたソビエトレンズの装着具合の件です。
 何台かのレンジファインダーキャノンのメンテが終わって帰ってきたので、ライカも含めてジュピター8を装着してみました。

・軽く入るもの1台。(勿論ゾルキー4)
・ちょっと引っかかるがなんとか危なげなく入るものが2台
・ちょっとやめといた方が良いのが2台

でした。
 マウントの方もそれなりにヤレているので、コンディションとしてはバラつきが有ります。どちらかといえばルーズフィットなはずです。
なんとか入るものは途中までは比較的簡単に入るので、思うにネジピッチが少し違う感じがします。
efunon 2016/10/08(Sat) 13:59 No.519
Re: ソビエトレンズとキヤノンマウント
お互いの経年変化と製作誤差と,ソビエトの方も製作工場がまちまちな上、年代もばらばらとなるとものが言いにくいですが,ソビエトレンズをライカにネジ込む時、あるいはライツL39をキヤノンにネジ込む時とは違ったキヤノンボディとソビエトレンズの組み合わせには怖さがあるように感じています.
マウントはアルミより真鍮の方が怖さが少ないのですけども...
れんずまにあ 2016/10/10(Mon) 17:00 No.521
Re: ソビエトカメラ
ジュピター3の開放画像です。
ルミックスに、Mマウントアダプター、MLアダプター使ってます。
F1,5

ナースマン 2017/01/28(Sat) 08:59 No.643
Re: ソビエトカメラ
比較の為、ズマリット開放です。
同じく、ルミックスです。
F1,5

ナースマン 2017/01/28(Sat) 09:03 No.644
Re: ソビエトカメラ
戦前のフェドT開放です。
F3,5
我が家のワイハイルーター交換しました。
テストの画像です。

ナースマン 2017/01/28(Sat) 09:13 No.646
Re: ソビエトカメラ
ジュピター3
F8

ナースマン 2017/01/28(Sat) 09:30 No.647
Re: ソビエトカメラ
ズマリット
F8

ナースマン 2017/01/28(Sat) 09:39 No.648
Re: ソビエトカメラ
フェドT
F8

ナースマン 2017/01/28(Sat) 09:41 No.649
Re: ソビエトカメラ
ジュピター3、昨年復刻版が出たようです。
Lマウント、フルコート、近接70mm、真鍮鏡胴。
ゼニットが製造、ロモが販売。
同じ組み合わせで、ルサールも復刻しているようです。
ルサール74800円、ジュピター69800円、びっくりします。
オリジナルより、Lマウントとの相性は良いと思いますが。
復刻版が出ると、セコは価格が下がるはず。いえ、復刻版が、びっくりする価格なので、逆に値上がり?本家ゾナーのセコ並みに。いっそ本家ゾナーの復刻版でないかなあ。
それにしても、今頃こんなレンズ売れているのかなあ?
ナースマン 2017/02/08(Wed) 21:28 No.705
ゼニット4
Zenit 4 1964-68年
リーフシャッターSLR
標準レンズ:ヴェガ−3 50mmf2.8 フィルター径40.5 最短0.9m
シャッター:1/500ー1秒、自動絞り、シャッターレリーズでブラックアウト、巻き上げで復帰。
巻き上げレバー1作動,巻き戻しクランク横向き。カウンター順算自動復帰。
セレン露出計にシャッター、絞りとも連動します(私の個体は連動指針が動きませんが)

ベッサマチックのコピーと言われています。多分本家より大きい。
マウントはシンクロコンパーインターチェンジャブルと同じ寸法で、0.3mmだけ長いフランジバックのゼニット4マウント?
交換レンズは、ズーマーのコピーと言われるRubin-1 38-80/2.8という驚くスペックのズーム、それ一本だけです。

重い、操作も重い、50mmf2.8のために何故こんなでかい重いカメラを使わないといけないのか...
交換出来るのにレンズの種類が少ない。
レチナやベッサマチックのレンズが流用できればまた変わってくるのでしょうが、変なところで規格を変えて放置...
優秀な(?)フォーカルプレーンゼニットがあるのにどうしてレンズシャッター...

このカメラが欲しくて買ったわけじゃなく、欲しい機材についてきたのですが,奇跡的に動作していたので使い始めました。自虐的に楽しいですね。

れんずまにあ 2018/06/24(Sun) 11:36 No.1263
Re: ソビエトカメラ
フェドとゾルキー。
フェドは、1932年、戦災孤児のための職業訓練校で作られた。ライカUを分解、ほぼフルコピーした物(量産化してフェドTとなる)
フェドTには、a〜gのタイプがある。
a。No31〜6000、34〜35年。軍艦部キリル文字、アクセサリーシューが無い。
b。6000〜55000、35〜37年。アクセサリーシューが付く。
c。55000〜125000、37〜39年。キリル文字表示が違う。
d。125000〜174000、39〜41年。ドイツの進行に伴い、フェドはKMZに疎開。42〜45年の物は、疎開先で生産。
e。174000〜180000、46年。此れも、KMZ製。
f。201800〜400000、49〜53年。戦後の物。楕円形のフェドマーク。
g。400000〜800000、53〜55年。フェドT最終品。
フェドT。ライカUのフルコピー。違いは、ファインダー窓が角(ライカは流窓)連動ピンが楔形(ライカは丸形コロ)
フラジンがライカより短い。と言うより、個体合わせ。レンズ、外れるが交換はできない(ピッチも少し違う、この辺、手作り感)
e型の途中から、ライカに合わせる。
レンズ。Fed表示。エルマーのコピー。ソビエト製光学ガラス(フラジンが短いのは、光学ガラスの差?)
インダスター10。KMZ時代の物。ツアイスから接収した光学ガラスを使った、エルマーコピー。途中からライカのフラジン(L39)
インダスター22。此方はテッサーコピー。基本ゾルキーT用であるが、L39に統一したフェドにも使える。
ゾルキー。フェドeの頃、疎開先のKMZで、KMZの職人が、フェド技術者の指導で作り上げたのが、フェドゾルキー。ほぼフェドe。
個体合わせの物と、後期型は、L39の両方ある。
ゾルキーT。49〜56年。フェドTのコピーであるが、本体をダイキャスト化。フラジンも統一して、L39 になる。
量産化を目指したもであるが、初期の物は、不慣れの為、組上げが悪い。
ゾルキーU。54〜56年。ゾルキーTにセルフタイマーと、アイトレットを組み込んだ物。
54年以降のゾルキーは、生産が安定。組み上げも良い。
私の個体。9万代のフェドTc。ソビエト時代にOH。フーカル幕、張革交換されている。OHしてないライカUと比べても作動感、写り共問題ない。因みに、エルマー付きライカUより、50g程重い。
雑誌に、Vfよりシャッター音、振動が大きいとあったが、此れは、ダンパーが違うので当然。本来Uと比較すべきもの。
偽ライカ。金色、ハーケンクロイツ。これらは、フェド、ゾルキーの加工品。偽造段階でばらしているので、撮影は?
戦前のフェド本体、レンズ、戦後のゾルキー、インダスターレンズが、アトランダムに組み合わされている。
此れは、偽造品でなくてもおなじ。フェド、ゾルキー。ピントが来ないと言われるのも、レンズと本体の混用。作動感が悪いと言われるのは、初期のゾルキーのせい。
ノブが大型のフェドシベリア。レッドスター表示。此れも多分ソビエト崩壊時の改造品。
レッドフラッグ。48年、200000〜201800。此れは本物。フェドの限定品。この中に、将軍様のフェドと呼ばれるものが有る。
フェドをダイキャスト化。キエフマウントにして、キエフレンズを付けた物。但し、中マウントのみで、レンズ交換はできない。
今回のレポート。少し長いが、過去に他のサイトに掲示したダイジェスト版です。
ナースマン 2018/06/27(Wed) 05:52 No.1264
Re: ソビエトカメラ
ゾルキー4と4K。4に関しては、Efunon様がレポート。
私も、4、4K持っているので、レポートします。
最初手に入れたのは78年の4Kです。次が67年の4です。
ゾルキー4系の生産年代。個体Noの最初の2桁、生産年です。
4Kは、インダスター50付、4はジュピター3付でした。
別にゾルキー用のターレットファインダー持っているので、ジュピター9、12使います。
ターレットファインダー。本来キエフ用ですが、ゾルキー用はキエフ用とは傾きが逆です。28、35、50、85、135mm用です。
最初の4K。シャッター幕が一部簾に成り、光漏れ。
修理するより、買い替えた方が。でもって4手に入れました。
4は軍艦部に、ソビエト共産党50年記念の鎌トンカチが。
フェド1、ゾルキー1の記念品。将軍様のフェドと、一部のフェドシベリアを除いて、ほぼ後代のねつ造品。
フェドシベリア。実物が有った様だが、外部部品だけの改造なので、現存している物は、ほぼねつ造品。
それに比べ、ゾルキー4には記念品が多い。加えて、製造年が明確なので、ほぼ本物。
4はキリル文字、4Kはアルファベット表記です。
どちらも印刷。特にシャッター速度表示も同様。共に低速部が消えています。
作動感は共に少し重いですが、問題ありません。但しシャッターの音、衝撃は大きい。
ゾルキー1と同じシャッターに1000s付けた感じ。ショックが大きい。
ライカの場合、Vから、ダンパーを付けているが、ゾルキーには無い。
シャッター幕が簾に成ったのも、これが原因?テンションが強すぎるのかも?
バルナックライカ系とは言え、キエフ(コンタックス)同様、裏蓋が外れる、フイルム装填は、ライカより簡単(切り込みが必要ない)
加えて、シャッター幕が出てくる。簾に成った4K。シャッター幕に、黒のコーキングと、フッ素系の黒塗装。
取り合えず、光漏れも収まった(多分1000sは出なくなった)
4と4K。裏蓋交換しても、使用可能。多分巻き上げレバーも交換可能?
この時期のゾルキー。一番良く出来ている、ロシアンバルナックだと思う。
ロシアンバルナック使用の留意点。フェドも、ゾルキーも距離連動部分が三角錐。レンズ側が、全周連動型の物は使用可能。
キャノンの望遠レンズ等、連動部が、一部切込み型は、使用不可。
無理に捻じ込むと、外れなくなる。
ナースマン 2018/07/20(Fri) 19:04 No.1268
Re: ソビエトカメラ
フェド5B。此れはフェド社、バルナック型最終機。75〜製造。
私の個体。79年製。ソビエト崩壊後、ウクライナ内戦時代の物。
一応新品。箱一式付、ミント状態。但し、売れ残りの2台。1つはシャッターの動きが悪い。もう1つは、レンズヘリコイドと、巻き上げにがた。
フェドの保証書は有るが、販売店の保証無し5000円。ロシアンルーレット状態。
私が手にしたのは、がたがある方。新品ではあるが、ばらしてみた。
すると、ヘリコイド、巻き上げギアに、金属の削り粕。
何という状態でしょう。国が乱れると、こんなことになる。
一度清掃して注油しなおした。此れで動きもスムーズになった。
5Bは、ゾルキー4Kとほぼ同じ。裏蓋は、キエフと同じように外れる。巻き上げはレバー、巻き戻しはクランク。巻き戻しは、レバーではなく、シャッターボタンの外周を押し下げる。
視度調節できるが、ゾルキー4と異なり、接眼部の周囲を回す。
サイズはゾルキー4とほぼ同じ。高さが、ゾルキーより高い。
シャッターは500s迄。ほぼフェド1と同じ。ゾルキー4の様に、1000sはない。ホットシュー付。
シャッターダイアルは、ゾルキー4同様、重く硬い。音、ショックも大きい。
この辺り、戦前のフェド1の方がスムーズ。音は、フェド1、ゾルキー4
より、こもった音。
質感で言うと、フェドT=ゾルキー4>ゾルキー4K>フェド5=ゾルキー6。
裏蓋、ゾルキー4と同じサイズ、構造だが、交換はできない。
レンズ。55mmF2,8、黒鏡胴のインダスター61。着脱とピント、ヘリコイドが一体となっている。
このレンズ。安物の割には、素晴らしい。いかにもインダスター、いやテッサーと言う感じ。
お安く、普通にロシアカメラ、レンズ使ってみるなら、フェド5、ゾルキー6とインダスター50、61の組み合わせ、お勧めです。
フェド5、セレン露出計付。フェド5C、視度調節装置無し。

ナースマン 2018/07/28(Sat) 11:38 No.1281
低価格 標準レンズ
ソビエト製の代表的低価格標準レンズの簡単な比較をしてみました。
偶発的に始めましたのでちょっと低レベルなので、自分でこんな感じかと思っていたのですが何かのご参考になればと思います。

・インダスター50-2 50mm F3.5はパンケーキタイプのM42レンズで、テッサータイプと云われています。黒鏡胴のかわいらしい外観のレンズです。
 開放では周辺減光が気になりますが、これは使用したα7の特性も有りますので、フィルムではもう少し良化します。
F8では解像感は十分な性能になりますが、ヌケはちょっと悪い感じでした。

・ジュピター8 50mm F2.0 使用したのはLマウントのレンズです。アルミの透明アルマイト仕上げで、これはこれで美しいレンズです。
 定評通りに良く写るレンズです。私のものは少し偏芯気味ですが、周辺部はちょっとアヤシイ感じですが、個体差レベルとも思います。テッサーと比較すると僅かにコントラストが低めでした。

・テッサー 50mm F2.8 これはエクサ用のエキザクタマウントの50mmで、とても小さなコロッとしたレンズです。比較用に持って行きました。
 さすがに開放では若干コントラストが低めですが、F8では素晴らしい描写です。最新のレンズの中に入れても判らない位だと思います(もっとも最新のレンズは持っておりませんが。…)

 インダスターもジュピターも現在の高感度フィルムやセンサーでは、特殊な場合以外は絞り込んで使う場面が多いと思いますが、夕暮れ時の儚げな雰囲気なら開放で!が楽しめるレンズだと思います。
 

efunon 2018/08/31(Fri) 22:08 No.1363
Re: 廉価標準レンズ
今年安さに負けてゼニットM39用のインダスター50を買ってきました。プリセットですらない普通絞りですが、もしミラーレスデジタルに付ければモニターはゲインが上がり被写界深度とノイズだけ変わっていくので大きく使い勝手は悪くならないでしょう。
でも焦点は開放で合わせる方がいいと思います。焦点移動は否定しませんが。

f8〜11では素晴らしいとしか言えません。
フィルムでも、Iso800を入れて絞り込んだら普段からいい感じで使えるかもしれません。

ソビエトレンズはかつての高級構成でも安価なのが利点で、確かにSonnar50/2同一構成は高級品に違いありませんが信じられない価格です。
フィルムなら見えない瑕疵がデジタルで見えてしまうのは不幸かも。

私が物心ついた頃は、テッサーは安物二級品のイメージでした。
それはプラクチカLTLあたりの東独ボディと組合わさった風評でもありました。
その後中古中判を主力にし出して、高級品としてのテッサーも経験しました。

虚心坦懐で実製品に触れ、今は純粋に楽しむ気持ちになれました。
れんずまにあ 2018/09/02(Sun) 16:38 No.1373
Re: ソビエトカメラ
私、基本的に本家(ツアイス)のテッサー、ゾナーが好きです。
硬さ、柔らかさ、ささくれ、弱光の弱さ、それも好きな点です。
現代のレンズの精密さは有りません。デジタル化すると粗が目立つ。然し、そこが好きなんです。
私、戦前のイコンタ使うと、戦前の奈良が撮れると思っています。
残念ながら、イコンタにはゾナー付きが有りません。
RFコンタックス、私にとって、これは?です。私、RFは基本ライカ、キャノンなので。
そうだソビエト玉があった。インダスター、ジュピター共、L39がある。
光学ガラス、精度には差が有る。でもほぼテッサー、ゾナーのコピー。コストを考えれば素晴らしい。
但し、ロシアンルーレットの世界。個体差がある。
私的には、インダスター22、61。ジュピター3、9、加えて戦前フェドTのフェド3,5(厳密にはL39ではない、エルマーコピー)が好きです。
ナースマン 2018/09/02(Sun) 17:16 No.1374
インダスター50-2 50mm F3.5
インダスター50-2 50mm F3.5 の開放での描写ですが、中心部は驚くほどシャープです。

 良く背景がグルグル回るレンズと云われますが、意外にこの回転を作るのは難しいです。
元々が暗いレンズなので、ビネッティングも非点収差も少し絞れば良化します。開放と背景を選ぶ必要が有ります。

画像は開放で、中心部までは2mくらいです。

efunon 2018/09/02(Sun) 21:18 No.1375
Re: ソビエトカメラ
MMZ весна(ヴェスナ)

1962年から1964年までMMZ-BelOMOが若年層向け製造したシンプルなコンパクトカメラです。機種名の「Весна」(ロシア語で春の意)は英語では「VESNA」と表記されるようです。
レンズは40mmF4.5のトリプレットT-22で、シャッターはB・1/8から1/250の6速です。巻上とシャッターチャージが別なのはスメナシリーズでおなじみですね。
ごく初期のスメナと同様に巻き戻し機能は無く、逆向きのパトローネ巻き取って行く方式です。本体はレンズとシャッター部分を除きとても少ない部品点数で構成されていますが、二重写し防止機能を単純な仕組みで実現していて良く考えられているなと感心します。
このカメラの特異な点は、撮影フォーマットにニホン判と同じ24mm×32mmを採用している点です。そのためフィルムカウンターは40枚分以上あります。
撮影枚数の増加を狙ったと思われるこのフォーマットですが定着しなかったようで、ほぼ同仕様のヴェスナ2を最後に1966年でシリーズは終了しています。

取り敢えず撮ってから 2024/12/26(Thu) 12:34 No.2679
Re: ヴェスナ
取り敢えず撮ってから 様、ようこそいらっしゃいませ。
全く知らないカメラです。
普及仕様の単純カメラのようですが、シャッター速度も豊富で重要な機能はちゃんとしていますし、デザインもこじゃれています。形状的にはコダックシグネットと似てるなと感じましたが、他人の空似でしょうね。
写りも期待できそうですね。
ライカ版の横長は無駄と考える方は世界共通で、英国のWrayflex Iや、Minolta 35なども採用してますが、デファクトスタンダードの壁で、米国輸出で挫折している。
ソ連には自動マウンターがあったとは考えにくいのですが、どこも挫折しているとは興味深いです。
個人的には、A4ネガケースへの収まりが問題に感じています。

ダブルマガジン方式も、長続きしないですね。巻き戻し不要の優れたシステムだとおもうんですが...
RFのコンタックスなど、巻き戻し可能ではありますが操作性が苦痛で、ダブルマガジン前提の設計だろうなと思ってしまいます。イタリアのガンマなんか巻き戻しもできません。でも今となっては、適切な巻き取り側のマガジンが入手難なのです。

大変造詣が深くていらっしゃいます。ご投稿を楽しみにしています。
れんずまにあ 2024/12/28(Sat) 21:34 No.2680
Re: ヴェスナ
れんずまにあ様、恐縮です。
レンズ交換式カメラは嵌まる沼の深さを恐れて手を出せません。ですので、私のコレクションの殆どはレンズ固定式カメラなんです。
ヴェスナを投稿したのはちょいと箸休めに御覧いただければ、と思った次第でして・・。
ご批判覚悟での投稿でしたが、これからも時々お邪魔させていただきます。

取り敢えず撮ってから 2025/01/06(Mon) 13:47 No.2681
Re: ソビエトカメラ
FED MICRON(コニカEYEと比較して)

FED MICRON 1968年発売 Helios-89 30mmF1.9 B・1/30〜1/800プログラムシャッター
コニカEYE 1964年発売 HEXANON 30mmF1.9 B・1/30〜1/800プログラムシャッター

FED MICRONはコニカEYEをコピーして生まれたウクライナFED製のハーフフレームカメラです。
どちらもセレン電池による自動露出の目測カメラ。外観はあまり似ていませんが、このMICRONは後期型で初期型はもう少し丸みを帯びた軍艦部を持ち、EYEと似ていたようです。
低輝度時に赤ベロが出てシャッターロックが掛かるのも一緒。ファインダー内のゾーンフォーカス/速度表示も同じ(写真をご覧ください)内部構造もネジやアーム位置に至るまでほぼ完璧にコピーされています。裏蓋開閉ボタンも同じ位置にありますが、MICRONは裏蓋ごと外れる仕様です。フィルム感度設定ダイアルはGOST(16〜180)表示のみ。

私の所へやって来たこの2台、どちらもヘリコイドグリスの浸潤で絞り兼用シャッター羽が動かなかったのも偶然とは言えないかも?知れません。
写りは同じソ連のAGAT18Kにも似てカッチリとしていて、コントラストも(逆光でない限りは)良好。中心部の解像感はEYEの方に分があるようにに見えますが、ハーフとしては十分なものだと思います。
FED MICRONは1985年まで販売され、後継のMICRON2(発売は1978年)ではハーフからフルフレームに変更されて1987年で名称は終了しました。その後はコニカC35の大きさに寄せたFED35・FED50に進化して行きました。

取り敢えず撮ってから 2025/01/24(Fri) 18:12 No.2695
Re: ソビエトカメラ
KMZ ZORKI10
1964年発売(1978年まで販売)レンズ固定式・距離計連動・セレン電池による自動露出カメラ
レンズはIndustar63 45mmF2.8(3群4枚)最短撮影距離1.5m
シャッターはセレン電池連動プログラムシャッターでB・1/30〜1/250
フィルム感度設定はASA20〜320 GOST表示はありません
重量は670g カウンターは自動リセット・減算式 露出計の指針はファインダー内に投影されます。

本機は1961年発売のリコーマチック35(輸出専用)のコピーです。後ろの写真はレンジファインダーを省いて国内販売されたリコーオート35Vです。全体的なデザインやレリーズレバーの位置、底面に設けたは前方にスィングする巻上レバーなどが同じですが、分解はしていませんので内部がどの程度コピーされているかは不明です。見た目と持った時の高級感はZORKI10が断然上です。
1965年のライプツィヒ世界博覧会のカメラ部門で金賞を受賞したとのことですが、ZORKI10のデザイナーは複雑な気持ちだったのではないでしょうか。

ZORKIと言えばライカコピー機から始まり、独自の進化を遂げたレンジファインダーシリーズですが、最終形態はこんなになってしまいました。ZORKI6までのL39レンズ交換式メカニカル機を知る世代にはさぞかし不評だったのではないでしょうか。ただ簡単に良く写る、という面では進化したと言えるのかも知れませんね。
ZORKI11は10からレンジファインダーを省いた廉価版、ZORKI12は10のイメージでデザインされたAGFAラピッドカセットフィルムを使用するハーフフレームカメラでした。

本機は自動露出カメラとしては大型かつ堅牢、アイレットを持たないツルリとした厚いメッキを施されたボディはグリップし辛いです。ただ距離は寄れないものの写りは良く、不思議な魅力があります。

取り敢えず撮ってから 2025/02/28(Fri) 17:43 No.2745
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