おなまえ
Eメール
タイトル
コメント
参照URL
添付File
暗証キー (英数字8文字以内)
画像認証 (右画像の数字入力) 投稿キー
文字色
リンホフテヒニカ23(6x9)

初めまして,「狸おやじ」の名で投稿いたします。
誰か投稿していただけないかと待っていましたが,なかなか出ませんので自分の体験を基にご報告したいと思います。25年程使ってきた古い中判カメラの備忘録です。大分昔へっぽこ親爺様のサイトに掲載されたぺんこたん様の名解説を思い出しつつ,私自身の経験も含めて書いてみます。私は写真の専門家ではなく,他社の製品にも詳しくないので,間違いや勘違いもあると思います。その点,ご遠慮なくご指摘ください。

Technika 23は,ドイツのリンホフ社(Linhof Praezisions-Systemtechnik GmbH)が1934年から2003年まで製造販売した中判のテクニカルカメラ(テクニカルフィールドカメラ,プレスカメラ)。大判の(マスター)テヒニカ45より一回り小さい縮小版で,「ベビーテヒニカ」とも呼ばれる。特徴として,レール内蔵の前蓋とレンズ部を箱型の本体に収納して持ち運べる利便性と,レンズボードとカメラバックのフィルム面を独立に動かすムーブメント(アオリ)の機能を併せ持つ。収納式でアオリができる高機能金属製カメラとして,"Technische Kamera = Technika"と名付けられ,テクニカルカメラの嚆矢(原型)となった。総金属製で頑丈に作られ信頼性が高いが,その分他の中判テクニカルカメラ(センチュリーグラフィック,ホースマンVH等)と比べて重量が重い。

画面の基本フォーマットは6x9 cm(2x3インチ)。カメラバックの120フィルムホルダー(Super Rollex 23)を交換することで,6x6と6x7 cmのフォーマットにも対応する。大名刺判(6.5x9 cm)と小名刺判(2.25x3.25インチ)のシートフィルムも利用できるが,現在はフィルムが入手困難(No.2063参照)。

狸おやじ 2019/08/20(Tue) 21:01 No.1556 [返信]
モデル
モデルは販売時期に応じてIからVまで:

・ テヒニカ I 23 (1934-37) :最初のテクニカルカメラ,Ur-Technika(*)。
・ テヒニカ II 23 (1937-45?) :フロントとバックのアオリ機能を強化。
・ スーパー・テヒニカ III 23 (1946-56) :スーパーは2重像合致式連動距離計内蔵型ビューファインダー搭載。黒色合成皮革張。
・ スーパー・テヒニカ IV 23 (1956-64) :バック交換がワンタッチ。ベージュ色合成皮革張。
・ スーパー・テヒニカ V 23 (1963-2003) :前期型はベージュ色,後期型(1972-)は黒色でライズ用のフラップ付。

この内,I-IIは現存する製品が少なく情報も少ない。現在中古で入手できるのは戦後に販売されたIII-Vとそのレンズ周辺が中心になる。IIIとIVはほぼ同じモデル。主な違いは後述するリボルビングバックの脱着で,IIIでは4箇所のラッチの開閉で行なうのに対し,IVはワンタッチのレバー操作が可能。外見上は前者は外側の合成皮革が黒色で,後者はベージュ色,ファインダーカバーにリンホフのマークがある。スーパーテヒニカIIIとIVは二重像合致式連動距離計内蔵型のビューファインダーを搭載するが,Vから距離計が横付になり,上部の別付ファインダーと分離し,大判のテヒニカ45と同じ構造になった。

レンズボードと距離計連動カムはIII-IVとVでは互換性が無い。レンズボード(82x74.5 mm)はテヒニカ23専用で,他の中判テクニカルカメラやテヒニカ45の「標準ボード」とも互換性がない。IIIとIVも完全な互換性はない。(IV型ボードはテヒニカIIIに付くが,III型ボードは下辺中央の凹みが無いのでIVに付かない。)テヒニカ23のボードをテヒニカ45に取り付ける場合,専用アダブターが必要。リボルビングバックも23専用だが,IIIからVまで互換性があり,テヒニカプレス23やテヒニカ70,テクニカルダン23等にも取り付け可能。(れんずまにあ様によると水谷製のアダブター(?)を介してグラフロックバックが装着可能とのこと。各自ご確認下さい。)

リボルビングバックには純正品や他社製品でハッセルブラッドVシステム他用のアダプターも販売されているので,将来的な中判用デジタルバックの普及を見越し,デジタル化を視野に入れたシステムの構築も面白いかもしれない。

以下では,私自身が使っているテヒニカIV23を中心に説明いたします。

*) テヒニカIは,2x3”(6.5x9 cm)判が最初に作られ,後に3x4”(9x12 cm)と4x6”(10x15 cm),5x7”(13x18 cm)判が追加された。4x5”(9x12 cm)判は,戦後のテヒニカIIIからの規格だが,Vの後期(1972年-)から名称が「マスターテヒニカ」に変わり,テヒニカ(I-V)から派生したモデルとして現在も販売が続いている。


写真:テヒニカ IV 23,レンズ: Super-Angulon 65 mm, ベッドダウンし距離計連動状態.

狸おやじ 2019/08/20(Tue) 21:15 No.1557
アオリ
テヒニカIV23は,1950年代から60年代にかけて生産され,テヒニカIV45と共にリンホフの名を世界に広めた中核モデルである。

IIIとIVは,アオリ(ムーブメント)の機能がIIより少し簡略化された。フロントのライズ(0〜50 mm),アップティルト(0〜15°),ベッドダウン(-15°)が可能。アップティルトとベッドダウンを併用することで,-15〜15°の範囲でティルトが可能。また,後部のロータリーバックの固定枠のロックを外し,上下左右に0〜10°まで引き出して四隅のノブで固定すると,バックスウィングとバックティルトができる(*)。このバックのアオリを併用することで,かなり自由なムーブメントが可能になる。シフトは構造上できないが,カメラを三脚上で90度傾けるとライズで代用できる。フィールドカメラとしては十分なアオリが可能と思われる。各固定ノブは強固に作られていて,一度きちんと設定すれば緩むことはほとんど無い。

Vではフロントのティルト(-15〜15°),シフト(-24〜24 mm),バックスウィングとバックティルト(0〜15°)が可能になり,Vの後期型からライズ用のフロントフラップが付けられた。

*) このバックアオリの「可動枠」(Schwenkrahmen)は,リンホフのニコラウス・カルプ(Nikolaus Karpf)が1934年に考案して特許を取り,その後のテヒニカの全モデル(テヒニカI-V,テヒニカプレス23,テヒニカ70,マスターテヒニカ45等)に搭載された。野外でも使い易いコンパクトなバックアオリの搭載が,テヒニカの人気の一因と思われる。


写真:アオリの設定例。テヒニカ IV 23,Symmar 105 mm。

狸おやじ 2019/08/20(Tue) 21:48 No.1558
レンズ
戦後から販売されていたIIIは,その堅牢性と操作性,そして連動距離計内蔵型のビューファインダーの性能に定評があったが,提供される専用レンズ(特に広角系)がやや不十分な状態であった。1956年に発売されたIVには,当時のドイツの光学メーカーが開発した新レンズが一斉に提供された。IVの取扱説明書に掲載された専用レンズは次の通り:

広角
・ Biogon 53 mm, f4.5, Compur 0
・ Angulon 65 mm, f6.8, Compur 00
・ Angulon 90 mm, f6.8, Compur 0
・ Super-Angulon 47 mm, f8, Compur 00
・ Super-Angulon 65 mm, f8, Compur 00
・ Super-Angulon 90 mm, f8, Compur 00

標準
・ Planar 100 mm, f2.8, Compur 1
・ Tessar 105 mm, f3.5, Compur 0
・ Xenar 105 mm, f3.5, Compur 0
・ Xenotar 105 mm, f2.8, Compur 1
・ Apo-Lanthar 105 mm, f4.5, Compur 0
・ Symmar 105 mm, f5.6, Compur 00

望遠
・ Sonnar 180 mm, f4.8, Compur 1
・ Tele-Arton 180 mm, f5.5, Compur 0
・ Tele-Xenar 180 mm, f5.5, Compur 0
・ Telomar 180 mm, f5.5, Compur 0
・ Rotelar 180 mm, f4.5, Compur 0

上記以外の専用レンズ(IIIの取説に記載)
・ Heligon 90 mm, f2.8, Compur 1
・ Heligon 90 mm, f3.2, Compur 0
・ Color-Heliar 105 mm, f3.5, Compur 0
・ Color-Scopar 105 mm, f3.5, Compur 0
・ Tele-Xenar 240 mm, f5.5, Compur 1
・ Telomar 240 mm, f5.5, Compur 1

これら往年の名レンズの内,ビオゴン,スーパーアングロン,プラナー,ジンマー,ゾナー,テレアートン,ロテラーはIVの発売に合わせて開発された新レンズと思われる。アヴスの所で日浦様が指摘されているように,リンホフの依頼で製造された専用レンズと思われる。特にカールツァイスが製造したビオゴン,プラナー,ゾナーの3本セットは当時の最高品質とされ人気があったが,重く高価なレンズでもあった(1956年当時で3本とテヒニカIVのセット価格:$1245)。

これらの専用レンズはリンホフの工場で検査を受け,一定の基準を満たした物だけにリンホフ・テヒニカの刻印が入れられ市場に出荷された。リンホフの刻印の入ったレンズは「リンホフセレクト」と呼ばれ,光学的性能が一般のレンズよりも高いという評判があり,中古市場でも一定の評価を受けている。

********
補足(2023年1月11日追記)

テヒニカ V(1963年~)以降に追加された専用レンズ(Vの取説に記載):
・ Weitwinkel-Technikon 58 mm, f5.6, Compur 00
・ Super-Angulon 53 mm, f4, Compur 0
・ Super-Angulon 65 mm, f5.6, Compur 0
・ Super-Angulon 75 mm, f5.6, Compur 0
・ Super-Angulon 75 mm, f8, Compur 0
・ Technikon 100 mm, f2.8, Compur 1
・ Xenar 100 mm, f3.5, Compur 0
・ Xenotar 100 mm, f2.8, Compur 1
・ Xenotar 100 mm, f4, Compur 0
・ Symmar 100 mm, f5.6, Compur 00/0
・ Symmar-S 100 mm, f5.6, Compur/Copal 0
・ Sironar 100 mm, f5.6, Compur 0
・ Sironar-N 100 mm, f5.6, Compur/Copal 0
・ Apo-Lanthar 100 mm, f4.5, Compur 0
・ Tele-Technikon 180 mm, f4.5, Compur 0
・ Tele-Arton 180 mm, f4, Compur 1
・ Tele-Arton 240 mm, f5.5, Compur 1
・ Tele-Arton 270 mm, f5.5, Compur 1

この内,テヒニコンはローデンシュトックのOEMで,広角(Weitwinkel-)はグランダゴン,望遠(Tele-)はロテラーに対応する。標準のテヒニコン100 mmは,ヘリゴン90 mmの改良型と考えられる(リンホフ テヒニカ70, No.1927参照)。Vの標準の焦点距離変更に伴い,クセナー,クセノター,ジンマー,アポランターの焦点距離が105から100 mmに変更された。尚このリストでは,6x9 cmの画角をカバーしないレンズと,テヒニカ45用のレンズの一部を省略している。
狸おやじ 2019/08/20(Tue) 22:05 No.1559
距離計
上記のレンズは,53 mmの広角から180 mm(特注で240 mm)の望遠レンズまでカメラの距離計に連動させて使うことができた。

距離計に連動させるには,フロントベッド内のトリカムディスクという三角形のディスクを回転させ,使用するレンズの焦点距離の位置に固定する。トリカムディスクは使用するレンズに合わせて予め加工され,それぞれの位置にレンズの焦点距離とシリアル番号が異なる色(広角:黒,標準:赤,望遠:緑)で印字されている。フロントスタンダードをレール上の使用するレンズの「色」で着色された凹みの位置(無限遠)まで移動させ,クリックストップさせる。これで距離計がレンズの位置と連動した状態になり,手持ち撮影が可能になる。

特筆すべきは,大型のビオゴン53 mmとスーパーアングロン90 mmを除くほぼ全ての広角と標準レンズがカメラ本体に収納可能(*)なこと。予め使うレンズを取り付け,ディスクをそのレンズに合わせておけば,カメラを取り出して組み立てるだけで撮影体勢に入れる。これは中判テクニカルカメラとしては,著しい特徴だと思う。撮影が終わりレンズを収納すれば強固なボディーに守られ踏みつけた位では壊れない安心感がある。「融通のきかない過剰なまでの頑強さ」というドイツ製品の気概を感じる。

その分、コノヤロウ的に重いが...。

しかし,残念ながら現在は,レンズとディスク,カメラがバラバラになってしまい,3つが合致したセットを中古で見つけることが難しい。後からトリカムディスクを加工する有料サービスも,1990年代まではシュリロトレーディングやリンホフ本社で受け付けていたが,テヒニカ23のIII~IV型は2000年頃,V型も2021年頃に終了になった(2022年追記)。

中判デジタルバックが普及して距離計がいらなくなる日を気長に待つしかないというのが現状でしょうか。

*) 現在確認中(前口径x全長:52x60〜62x54 mmが収納可能範囲)。
狸おやじ 2019/08/21(Wed) 23:01 No.1560
雑感
私は25年程前に,欧州のスイスで中古のテヒニカIV23のセットを購入しました。

広角のSuper-Angulon(65mm/f8)と標準のSymmar(105mm/f5.6)の2本付でトリカムディスク調整済,ピントグラスバック,スーパーローレックスフィルムバック,グリップ,レンズフード,バッグ付きのフルセットでした。カメラ店の店主の話では,スイス人の所有者が購入後ほとんど使わずに保存していた品が売却されて出てきたとのこと。

スーパーアングロン65は,諧調が広くドラマチックな写りをするが解像度も高く線の細い描写もする魅力的なレンズです。プロの写真家にも愛用者がいるようで一時人気が出たレンズのようです。一方のジンマー105は,とても優秀な標準レンズだがやや面白みにかける。日浦様のアヴスの解説にあるように,00番シャッターで軽量コンパクトの割にイメージサークルが広い。持ち歩くには嬉しいレンズです。

私は,普段スナップを撮る時は広角のSA65をカメラにセットし,SM105はバッグに入れて交換用。余裕がある時は,後で買い足したテレタイプの望遠(180mmか240mm)1本をバッグに追加。ここぞという時だけレンズを交換して撮影するスタイルです。


写真:Matterhorn, Super-Angulon 65/8, f=16.

狸おやじ 2019/08/22(Thu) 20:45 No.1561
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
すばらしいスレッドを本当にありがとうございます。
この機種は憧れながら、なんとなく眺めていただけなので、系統立てて解説して頂くと誠に有り難いです。
戦前タイプは魅せて頂くと大変薄い作りで、戦後型のような投げても踏んでもへっちゃらそうなものではありませんが、これはこれで良さそうに見えます。
ただしアクセサリー入手性や交換レンズの自由度はやはり戦後型が有利です。

拙宅には蛇腹のLinhof70が2台あります。
最初の個体は距離計ファインダー部分が取り外された、ホースマンVHと同じようなジャンク、でも小型軽量でそれなりに面白いです。
2台目は、米国ショップが格安3本セット解説不十分で出していたもので、懸念がありましたが、勘で注文したら、当たりだったラッキーな品です。
レンズボードやグリップなどアクセサリーはVに準じるものです。
スーパーローレックス69で撮影するまで全く意識して居ませんでしたが、蛇腹でアパーチャーが規制され、6x7までしか写らない。これはぺんこたん様が以前ご指摘だった所、熟読していなかった愚か者です。

さて、貴兄の投稿で驚いたのがIVのSuperAngulon65取付方法です。
70も、65にはベッドダウンし内側レールをどん詰まりまで後退させるのですが、さらにバックとの平行をとるためフロントスタンダード内側をアップティルトせねばなりません。
IVでは、フロントスタンダードのフレームごとティルト出来るのですか。すごいことです。

画像:リンホフ70,スーパーアンギュロン65mm,ベッドダウン,アップティルト

れんずまにあ 2019/08/23(Fri) 22:28 No.1562
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
コメントいただきありがとうございます。
れんずまにあ様のご投稿はいつも色々なサイトで拝読し,大変勉強になり参考にさせていただいております。

Linhof Technika70は最高のカメラですね。構造はテヒニカV23とほぼ同じだが小型軽量,それに加えてファインダーのフレーム切り替えやパララックス補正もできて露出計も内蔵(!)された最高級機と記憶しております。くそ重い「金属塊」のIVを何度か山で放り出そうかと考えた腰痛持ちの狸おやじは,とても羨ましく思います。お時間がありましたら,是非専用のスレッドの解説をお願いいたします。

>IVでは、フロントスタンダードのフレームごとティルト出来るのですか。

広角のベッドダウン時に,フィルム面との平行を取るためフロントをアップティルトさせるのはIVも同じです。ただ,III-IVの場合,ティルトの軸がフロントスタンダードの基部にあるので,スタンダード全体が傾いてしまうのです。この場合,ティルトさせた時のピント位置の移動が大きいので少し厄介なのですが,何か構造上(強度?)の理由でこうしているのだと思います。そう言われてみると,ティルトしたIVは何か歪んだような不思議な形に見えますね。

V23からはテヒニカ70やテヒニカ45と同様に,ティルト軸がレンズの中心に移りました。

広角時のカメラの設定方法の説明を忘れていました。数日中にこの件についても投稿できればと思います。

あと,

>スーパーローレックス69で撮影するまで全く意識して居ませんでしたが、蛇腹でアパーチャーが規制され、6x7までしか写らない。

これはもしかしたら,蛇腹の問題(?)の様な気もします。

私の手許にあるTechnika70の使用説明書の表紙には,”Technika70, 6.5x9cm, 2-1/4x3-3-1/4in"と書かれています(*)。中の説明にも6.5x9cmのサイズのカットフィルムで撮影できると記されています。最後の対応レンズ表には,Planar100/2.8やXenotar100/2.8等の6x9cm対応レンズが記載され,例外的にPlanar80とXenotar80には6x7cmの制限がかかると注釈されています。

Linhofが説明書に嘘を書くとは思えません。もしかしたらですが,前所有者によって非純正品,あるいは他の6x7用の蛇腹に付け替えられている可能性があるように(??)思われます。

もし6x9cmで撮影できるようになったら素晴しいですね。

*) 参考資料:
http://www.cameramanuals.org/prof_pdf/linhof_technika_70.pdf
狸おやじ 2019/08/24(Sat) 10:22 No.1563
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
ご評価賜り、ご参考にして頂けるとはこんなに嬉しいことはございませんが、常に誤謬があると思いますので何卒ご容赦くださいますようお願い申し上げます。

Linhof70の件、貴兄に触発され作成を企んでおりますが、23のスレッドの出来が素晴らしすぎて、気を引き締めねばならないと自戒しております。

さて、やはりIVは、フロントスタンダード基部に軸をもつ、いわゆるベースティルトを行っているのですね。
Vや70はご指摘通り、光軸位置をティルト軸にしていますが、この状態でライズしようとするとフロントスタンダード枠が斜め前に出ますので、ピントの修正が必要です。
IVはそのまま平行ライズすれば焦点位置は変化しないと思いますので、利点が十分にあるのではないでしょうか。

テクニカルカメラは、ビュータイプと較べてアオリ操作はカメラの癖を承知の上で撮影者の体を合わせていくものなのでしょう。

ホースマンでは、65mmはベッドダウンしないかわりに、縦位置にするとベッド先端が画角に入ってくるため、5mmほどライズをかける仕様になっています。
三者三様、面白いですね。

> 広角時のカメラの設定方法の説明を忘れていました。数日中にこの件についても投稿できればと思います。

これこそ、皆様が一番知りたい、または想像もしていない所で資料価値が高いかと思います。大いに期待致します。
実は70を入手したときベッドダウンすることを知りませんで、まずディスク65ドットが黒なので黒ストッパーにして無限遠が出ない。内側レールに気付き引っ込めても出ない。こいつ調整おかしい、とストッパー位置を動かそうとドライバー出す前にふと画像検索掛けてみたら,ベッドダウン+内レールということが判明し,(ぺんこたん様から直接ご指導もしていただき)事なきを得た経緯が.
そういう愚か者を出さないためにも、ご説明をよろしくお願いしますm(_ _)m

>> 蛇腹でアパーチャーが規制され、6x7までしか写らない。
> これはもしかしたら,蛇腹の問題(?)の様な気もします。

私の個体は実測で蛇腹後部の開口部が6x7(限りなく6x8に近い)しかないのを確かめています。
弄った形跡は、私の節穴ではわかりませんでしたが、勿論改造という線は否定できません。
でも、ぺんこたん様も70についてはそのようにご解説です。
http://contarex.jugem.jp/?month=201011

1970年フォトアートでは、プレス70は6x7専用と書いてありますが、テヒニカ70はフォーマットが書いていません。
海外のサイトでは、56x72バックがセットであること、ブライトフレームは6x7プロポーションであることは記載されていますが、6x7までしか使えないとの記載は見付けられませんでした。

> 私の手許にあるTechnika70の使用説明書の表紙には,”Technika70, 6.5x9cm, 2-1/4x3-3-1/4in"と書かれています(*)。
> 中の説明にも6.5x9cmのサイズのカットフィルムで撮影できると記されています。
> 最後の対応レンズ表には,Planar100/2.8やXenotar100/2.8等の6x9cm対応レンズが記載され,例外的にPlanar80とXenotar80には6x7cmの制限がかかると注釈されています。

オリジナルの説明書は貴重です。
これについては実家にジャンクの70が仕舞ってありますので、幸いながら別個体を比較することが出来ます。
宿題にさせてください。

>もし6x9cmで撮影できるようになったら素晴しいですね。

はい,私実は6x9大好き、6x7嫌いなんです(笑)
れんずまにあ 2019/08/24(Sat) 23:57 No.1564
広角時の設定法
れんずまにあ様からご指摘のあった件で,広角レンズ使用時の設定法について補足説明をします。

テヒニカIV23では,短焦点の広角レンズ(47〜65mm)を使う場合,ベッドによる画面のケラレを防ぐ為に,ベッドを一段下げた「ベッドダウン」の状態で使用します。同時に短焦点レンズの固定範囲を拡げる為,ベッド上部のレールを本体寄りに一段「スライドバック」させます。この2つの設定を確実に行うには,以下の方法がお勧めです:

1. フロントベッド開放ボタンを押し,ベッドを標準の水平位置まで下ろす。
2. ベッド上のレール左前方にあるボタン(レールロック解除)を押してロックを外し,上部レールを本体方向にスライドさせ,本体のレールの位置まで一段(クリック点まで)押し戻す。
3. レンズスタンダードをレールに沿って引き出し,使用する広角レンズのクリック点(黒色)に固定する。
4. ベッドと本体をつないでいる2箇所の「タスキ」を押してロックをはずし,一段下げた「ベッドダウン」の位置に変更する。
5. レンズスタンダードのティルト調整ネジを全開まで回し,フィルム面とレンズボードを平行にする。

トリカムディスクが加工済みの場合,広角レンズはこの「ベッドダウン」+「スライドバック」の状態でのみ,距離計と連動します。(これを知らない為に,折角調整されたカムを使えないと思って捨ててしまったり,連動を崩してしまう人が結構多い。私は販売店の店員が知らなかったので,リンホフ本社に問い合わせ取扱説明書の写しを送ってもらい理解しました。)

ベッドダウンしてからレンズスタンダードを引き出そうとすると,角度の差があるので上手く移動できず,レールを削ってしまうことがある。上部レールを本体のレールの位置までスライドバックさせからスタンダードを引き出す方法は,広角以外のレンズにも有効で,この方法を知ってから,スタンダードの引き出しが簡単にできるようになりました。

この方法は,へっぽこ親爺様のサイトでぺんこたん様から教わりました。
ぺんこたん様ありがとうございました。
狸おやじ 2019/08/25(Sun) 10:36 No.1565
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
お返事いただきありがとうございます。

> IVはそのまま平行ライズすれば焦点位置は変化しない

そうか。これは確かに大きな利点ですね。今度早速試してみます。
れんずまにあ様の情報はいつもとても役立ちます。有難うございます。

> 私実は6x9大好き、6x7嫌いなんです

私も全く同感です。IV23の初期セットはフィルムバックが6x7で,好きになれませんでした。6x9のスーパーローレックスを別の店で見つけて購入し「世界が広がった」気がしました。

その時も,その店の店員には「このカメラでは6x9は撮れません」と言われました。でも私(狸)は人の話をあまり信じない質なので... 試したら撮れた(!)。
狸おやじ 2019/08/25(Sun) 17:58 No.1566
重量
カメラとレンズの重さを量ってみました:

a. IV23本体(グリップ,バック無し): 1660 g
b. アナトミカルグリップ: 297 g
c. ロールフィルムバック(SR, 6x9): 800 g
d. ピントグラスバック: 392 g

f. スーパーアングロン(65mm/f8): 286 g
g. ジンマー(105mm/f5.6): 143 g
h. ロテラー(180mm/f4.5): 463 g
i. テロマー(240mm/f5.5): 444 g
(レンズはボード込重量)
_______

A. 手持標準セット(a,b,c,g): 2900 g
B. 手持広角セット(a,b,c,f): 3043 g
C. 手持2本セット(a,b,c,f,g): 3186 g

D. 2本フルセット(a,b,c,d,f,g): 3578 g
E. 3本フルセット(a,b,c,d,f,g,h): 4041 g
F. 4本フルセット(a,b,c,d,f,g,h,i): 4485 g


結論から言うと,手持セット(A,B)で2.9〜3kg,4本のフルセット(F)で4.5kg程とかなりの重量です。手持セットで比較すると,同種のホースマン980やセンチュリーグラフィック23より0.4〜1.2kg程重い。軽さで選ぶなら,間違いなくセンチュリーグラフィックでしょう。ではテヒニカ23の利点は何か? 正直な所よくわかりません。私の場合,たまたま住んでいた異国の地で見つけて気に入り,衝動買いしてしまったというのが実状です。

でも,使い込む程愛着がわくカメラです。100年は余裕で使える堅牢性と確実な操作性,そして専用に作られた個性的なレンズ群は,テヒニカ23の魅力だと思います。


写真:交換レンズの例。前列左からSuper-Angulon 65/8, Symmar 105/5.6,
Tele-Technikon (Rotelar) 180/4.5,装着レンズ:Telomar 240/5.5.

狸おやじ 2019/08/26(Mon) 21:25 No.1567
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじさん
すばらしいスレッドをありがとうございます。ただただ感銘して読みふけっておりました。

私自身はというと、やはり何度かテヒニカ23に興味を持ち、あちこち探したり、時には買いかけたりしたのですが、値段または状態などに問題があり、結果、いい縁がないままになっています。やはり使い勝手からするとIVが欲しいのですが、その分やはり高価です。

確かにセンチュリーやホースマンは相対的に軽いですが、リンホフの魅力は(頑強さ、仕上げ、デザイン、レンズの良さ、ブランド力、などいろいろありますが、機能的には)距離計とビューファインダーが一体化されている点が大きいのではないでしょうか。重さを度外視すればレンジファインダーカメラとして違和感なく使え、また、アナトミカルグリップなども含めそういう使い方が相対的に重視されて設計されているのだろうと思います。だからこそリンホフ70のような、よりファインダが強化されたモデルもできたのでしょう。その点ホースマンやセンチュリーは2眼式で、これはホースマンのVH-Rのようなファインダが強化されたモデルでも一切変わりませんでした。

テクニカルビューカメラはどうしても「ピントグラスで丁寧に撮る」のが王道のような言われ方をしているような気がしますが、中判ロールフィルムのカメラはどうしてもピントグラスとロールフィルムバックの交換が面倒ですし、広角だと被写界深度も深いですから、レンジファインダー的に使うのも乙なものだと思います。そのとき、れんずまにあ様がおっしゃるように広角でもピントを保ったままライズができるのは大きなメリットになるのでしょう。
日浦 2019/08/26(Mon) 22:06 No.1568
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
日浦様,コメントをいただきありがとうございます。

長いスレッドを立てさせていただき恐縮しております。将来この古いテヒニカ23に興味をもっていただけそうな方々に,何か少しでもお役に立てる情報があればと,浅学を顧みず投稿させていたただきました。

本来なら自分のサイトを作って情報発信すべき所ですが,知識も経験も不足しておりますので,取りあえず備忘録としての情報を,日浦様のサイトをお借りして投稿させていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。

> リンホフの魅力は(...などいろいろありますが、機能的には)距離計とビューファインダーが一体化されている点が大きいのではないでしょうか。

私もそう思います。IV23(とIII23)はファインダーと距離計が一体の為,速写性という点でとても優れていると感じます。V23では距離計とファインダーが分離してしまい,撮影動作が一つ余計に必要になった。またファインダーも外付けなので,着脱の手間も増えた。私は以前,V23に買い替えようと考えたことが一度ありますが,外付けファインダーが好きになれずに止めました。

V23は内蔵型のファインダーを捨て,テクニカルカメラの機能を強化する方向(ミニV45化)に進み,これはある程度成功したと思いますが,中判のメリットの一つを失ってしまったように感じます。手持でレンジファインダー的に使えるテヒニカはIV23が最後で,その後継はテヒニカ70のように思われます。

> レンジファインダー的に使うのも乙なものだと思います。そのとき、れんずまにあ様がおっしゃるように広角でもピントを保ったままライズができるのは大きなメリットになるのでしょう。

その通りと思います。れんずまにあ様のご指摘で,IIIとIVがベースティルトにしている理由がようやく分かりました。これも日浦様のサイトで情報交換させていただけたお陰で,大変感謝しております。
狸おやじ 2019/08/27(Tue) 21:08 No.1569
参考資料
狸おやじ 2019/08/29(Thu) 20:21 No.1570
6x9の使用について
狸おやじ様にNo1562でコメント致しました、テヒニカ70で6x9が写らない件ですが、ホースマン8exで縦横確認したところ、ちゃんと56x84mmのフルフォーマットが写っていました。
お詫びして訂正致します。

何故そう思ったのかな。以前のネガを掘らないといけませんが、その時は長辺がけられていたように記憶しています。
6x9のスーパーローレックスを友人に返却してしまったので、拙宅には6x7の120と220しかなく、検証困難です。
少なくともXenotar100/2.8, 開放〜f4,無限遠と1mの条件では縦横とも6x9はけられません。

ご指摘まことにありがとうございました。

6x7は、10枚撮れるので、6x9と併用していると結構多数枚に思えて経済的な気がします。
ブローニーフィルムを使っていてケチケチするのは本末転倒と思いますが、ほとんど画質が変わらず、2枚コマに余裕があるのは外で頼もしく思うことも....

その場合でも、スーパーローレックスの56x72という、日本で主流の56x68より横長なプロポーションが良いので,ホースマン67ホルダーで使おうとは思いません。4mmしか違わないのに。
6x8も良いかな?(^_^;)
れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 15:49 No.1591
Re: 6x9の使用について
れんずまにあ様

> テヒニカ70で6x9が写らない件ですが、ホースマン8exで縦横確認したところ、ちゃんと56x84mmのフルフォーマットが写っていました。

これは良かったですね。おめでとうございます。

> 6x7は、10枚撮れるので、6x9と併用していると結構多数枚に思えて経済的な気がします。ブローニーフィルムを使っていてケチケチするのは本末転倒と思いますが、ほとんど画質が変わらず、2枚コマに余裕があるのは外で頼もしく思うことも....

確かにそうですね。6x9だと8枚しか撮れないので「エッもう終わりか...」と思う事も多いです。でもポジの原画を見た時の感動も大きい。

6x6〜6x8なら軽量の中判カメラが沢山あります。あえて重量級のテヒニカを使うなら,やはり「フルサイズ」の6x9が良いかな(?)と私自身は考えています。被写体とその時の気分にもよりますが...。
狸おやじ 2019/09/16(Mon) 10:22 No.1592
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
> 6x6〜6x8なら軽量の中判カメラが沢山あります。あえて重量級のテヒニカを使うなら,
> やはり「フルサイズ」の6x9が良いかな(?)と私自身は考えています。

まったくもって仰る通りです。
この度マミヤプレスとホースマン69ホルダ、それにスーパーローレックス67で試写した時、他を撮り終わっても、あれ?まだ2枚撮れるな、と当たり前ながらちょっと感慨深かったもので。
一時の気の迷いです(笑)

ポジをメインに撮影していた時はフォーマット差は圧倒的でした。最近ネガばかりなのでちょっとありがたみが実感できてません。でも伸ばすとやはり数パーセントの差が効いてきますし、トリミングの余裕はやはり69の威力です。

ホースマンのホルダは一時フジヤカメラで1000-1900円で売ってましたね。少ない撮影枚数はマガジン交換でカバーします。
バック交換出来ない機種は、結構手間取るんです。私の旅行の連れは撮影目的ではないので、フィルム交換待ってくれなくて。
れんずまにあ 2019/09/16(Mon) 18:50 No.1593
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
> ポジをメインに撮影していた時はフォーマット差は圧倒的でした。

確かにそうですね。私は今でも6x9のポジの仕上りを見る時,少しワクワクします。この感動が120フィルムを使い続ける理由の一つですが,デジタルに移行したら過去の遺物ですね。

> ホースマンのホルダは一時フジヤカメラで1000-1900円で売ってましたね。少ない撮影枚数はマガジン交換でカバーします。

そうですか,ホースマンのホルダーは安くて軽くていいですね。リンホフのスーパーローレックスは高くて重い(800g)。フィルムの平坦性は良いのだが...。

狸爺には,予備のローレックスを持ち歩く気力(体力)がありません。撮り切ったら,裏蓋を開けてセコセコ詰め替えてます。
狸おやじ 2019/09/17(Tue) 21:08 No.1594
リボルビングバック用アダプター
中判や大判のカメラは,フィルムバックをデジタルバックに交換すればデジタル化できる。ライブビュー機能付のデジタルバックなら,ピント合わせやアオリの確認もモニター上でできて利点も多い。古いテヒニカ23をデジタル化して,古典的なレンズを装着したアオリ可能な万能カメラとして再生させると面白いかも(?)しれない。

PhaseOneやLeafから販売された中判デジタルバックは,イメージセンサーのサイズが33x44mmから42x56mm程で,6x9サイズをカバーできず,テヒニカ23専用の製品もない。しかし,ハッセルブラッド等に供給されたデジタルバックをアダプターを介して取り付ければ,画角は制限されるが,デジタル撮影が可能になる。

テヒニカ23のリボルビングバックには,ハッセルブラッドVとブロニカGS用の純正アダプターが提供されていた。現在でも,ハッセルブラッドVやH,マミヤMマウント用の純正アダプター(Universal Digi Adapter 6x9)や,他社製品が販売されている。私の手許には,中国Jieying製のハッセルブラッドV用のアダプターがある。固定式なので画像のステッチングはできないが,リボルビングは可能。ロールフィルムバックと比べると軽量コンパクト(189g)。値段は数年前で$135程。

中判デジタルバックがまだ高くて買えないのが残念。中古の値段が下がるのを待ってます。


写真:左からハッセルブラッドV用アダプター,ピントグラスバック,
ロールフィルムバック(スーパーローレックス,6x9)。

狸おやじ 2019/11/10(Sun) 16:10 No.1633
Re: リボルビングバック用アダプター
デジタルバック用アダプタをお持ちとは!すばらしいです。

ハッセルVとM645規格のデジタルバックは目下デファクトスタンダードのようで,ここにハッセルHが残るかどうかですが、少なくとも前2者は相当将来まで残るでしょう。
他方リンホフ23用アダプターはいつまで供給されるか甚だ不安があり、今確保されるのは理に適っていますね。

アダプタにスライド機構がないのは少々残念ながら、いざとなればフロントスライドで対処することになります。
私もハッセルとマミヤのアダプタは持っていませんし、当分買える兆しもありませんが、なくならないうちにアダプタの方は押さえておくべきかもしれません。

知る限り6x9以下のスライドできるバックアダプターは知りません。
23グラフロック用はメーカーが造ろうと思えばできるんじゃないかと期待しています。.

しかし電子接点がないアダプタでもデジタルバックは動作するものでしょうか。シンクロコードを繋ぐものなのか、私は使ったことがないのでまったくわかりません。
れんずまにあ 2019/11/10(Sun) 22:53 No.1634
Re: リボルビングバック用アダプター
> アダプタにスライド機構がないのは少々残念ながら、いざとなればフロントスライドで対処することになります。
> 知る限り6x9以下のスライドできるバックアダプターは知りません。

コメントありがとうございます。スライドできるテヒニカ23バック用のアダプターは,確か "Widepan"の商品名で販売されていると思います。デジタルバックを左右に動かすタイプと,ピントガラスにスライドできるタイプがあると思います。固定式より高目($160~400)ですが,画像のステッチングができるので有利です。私は固定式で物足りなく感じたら,可動式も購入しようかと考えています。どちらもいつまで供給されるか分からないので,今の内に確保しておかれると良いかもしれません。

> しかし電子接点がないアダプタでもデジタルバックは動作するものでしょうか。シンクロコードを繋ぐものなのか、私は使ったことがないのでまったくわかりません。

これは私もよく分かりません。デジタルバックの種類にもよると思いますが,基本的にはシンクロコード接続で良いのではないか(?)と考えています。関連する情報が,次に出ています:
https://blog.goo.ne.jp/camero_sity/e/e17be0d958b5eb88dcc97c183feb0eb0

ただ,ライブビューの時どうするのかよく分かりません。ハッセルブラッドHマウント用のデジタルバックだと電子接続が必要かどうか? この辺は,何か分かったらまた投稿します。
狸おやじ 2019/11/11(Mon) 20:03 No.1636
Re: リボルビングバック用アダプター
ハッセルブラッドストア東京に電話して,デジタルバックと電子接点の件を聞いてみました。

ハッセルの新しいVマウント用デジタルバック(CFV II 50C)は,電子接点による接続がなくても使えるそうです。Vマウントのバックが物理的に付けば,アダプター等でも問題ないそうです。シャッターとの同期はシンクロコードを本体とレンズのシンクロ接点(X)に繋いで行ない,ライブビュー時はシャッターを開放すれば良いとのことです。ちなみにセンサーはソニーの裏面照射型CMOSセンサーで,大きさは33x44mm。価格はまだ未定とのこと。ここはソニーに頑張ってもらい安く出して欲しいですね。
狸おやじ 2019/11/12(Tue) 21:41 No.1637
中判カメラ用のカーボン三脚
重量級のテヒニカ23を野外で使う時,悩ましい問題の一つは三脚だと思う。

これまで徒歩で移動する時は三脚を使用せず,テヒニカの連動距離計を使って広角や標準レンズで写真を撮ってきた。しかし,ピントグラスで構図を決め,アオリを使って写真を撮りたい時もある。長焦点の望遠レンズ(Telomar 240mm)を使う時も三脚が必要。車での移動なら問題ないが,徒歩の場合,フルセットのカメラバッグ(5〜6kg)に加えてGitzoの古い大型アルミ三脚(4.1kg)を担ぐのは,老頭児には一寸辛い。

昨年10月に「カメラ情報交換掲示板」でカーボン三脚と自由雲台の情報を皆様にお聞きした所,日浦様とれんずまにあ様から有益かつ貴重なアドバイスをいただきました(有り難うございました ^^)。いただいたアドバイスを参考にして選んだ三脚セットは:

カーボン三脚:Manfrotto MT190CXPRO3
ボールヘッド:Leofoto LH-40
カメラ用プレート:SmallRig 2146

マンフロットの三脚はバックル式の「クイックロック」が特徴で,ナット式より設置と撤収の時間が早い。3段は4段より縮長が長いが,その分強度があり展開時間も短い。Leofotoのボールヘッドは重心が低く,3kgのテヒニカをしっかり固定する。底面サイズもマンフロットの上部プレート(径60mm)に丁度合う。ボールヘッドの操作には馴れが必要だが,フリクション調節ネジがあるので微調整は比較的簡単。昨年のモデルから固定ネジがレバー型に変更されて操作性も向上した。テクニカルカメラはリボルビングができるので,雲台を90°傾ける必要が無い分,ボールヘッド向きかもしれない。SmallRigのプレートは大ネジ(3/8in)対応のアルカスイス互換プレートの中では軽量コンパクトで,Leofotoのヘッドの固定具(クランプ)との相性も良い。クランプの固定ネジを全開にすれば上から直接着脱できる。合計重量は2.1kgで,Gitzoの大型三脚の約半分。野外で中判カメラを使う時,現時点でお勧めできるベストの軽量三脚セットの一つと思う。

********
2022年10月追記:

上のセットを2年程使ってきたが,ボールヘッド(Leofoto LH-40)は微調整が難しい為,先月からギア雲台(Swfoto GH-PRO)に乗り替えた。ギア雲台は,水平や仰角に僅かな修正を加えたい時にノブの回転で微調整ができるので,テクニカルカメラでの撮影に向く。Swfotoはあまり聞かない名前だが,使ってみると中々使い易い。重量は680 g,大きさはLeofotoのボールヘッドより一回り大きいが,その分強度がある。操作感もまずまずで,これに慣れると自由雲台や3wayには戻れないと感じる。今後の野外撮影では,カーボン三脚(MT190CXPRO3)とギア雲台(GH-PRO)を主に使う予定。


写真:カーボン三脚とギア雲台。Technika IV 23, Heliar 105 mm.

狸おやじ 2020/01/04(Sat) 11:33 No.1643
冠布(ダーククロス)
テヒニカ等のテクニカルカメラでピントグラスを使う時,必要になるのが冠布という被り布。

こんな格好悪いものが使えるかと,昔はピントフードやヤッケ(上着)で代用していた。でも暗いレンズ(f8)でピント合わせをする時はやはり必要。自分が十分に格好悪いジジイ(狸親爺)であることを自覚した頃から周りの目が気にならなくなり,平気で冠布を被って撮影できるようになった。

で,冠布だけど,皆さんはどんなの使ってます?
私は欧州でテヒニカを購入した時,セットで付いてきた中古の古い冠布を使っている。何の変哲もない黒布の筒(37x55cm)だが,片側にゴムが入っていてカメラバックに付け易い。反対側と切り込みの縁に沢山の小さい錘が縫い込まれている(写真)。なので,風があってもほとんど煽られず,野外で使う時に便利。大きさもテヒニカ6x9にピッタリで,もしかすると専用の特注品(?)かもしれない。大分古くなり色褪せたので買い換えたいが,錘入りの冠布は日本ではあまり見ない。穴を繕い,ゴムを交換しながらもう20年以上使っている。

写真:冠布(ゴム,錘付)

狸おやじ 2021/01/31(Sun) 23:03 No.1793
Re: 冠布(ダーククロス)
この冠布の難点は,黒いので夏だと暑いことと少し重いこと(250g)。
銀の裏地の付いたリバーシブルタイプの同様の冠布があれば欲しい。

自作や特注する人の参考になればと,装着時の写真も掲示しました。
(4x5で使うならもう一回りか二回り大きい方が使い易いと思う。)

写真:装着状況
(実際は冠布に首を通し,カメラを覗く時だけバックに付けるのが一般的。)

狸おやじ 2021/01/31(Sun) 23:16 No.1794
Re: 冠布
画像を撮ろう思いましたが時間がかかりそうなので...
6x9は、ビューカメラには一般の1枚もの(四隅が赤い)を使っていましたが、テクニカルにはピントグラスフードの外から見られるロングタイプのルーペを使って冠布をつかわないことも。
超広角の周辺は斜めに見ないといけないため、フードと併用は困難ですが、リンホフはパーンドアでフードを開けるので便利ですし、ショートタイプのルーペも使いやすいですね。
グラフレックスは金属製フードで、爪を外せばフードが取り外せ、リンホフほどではないけど即座にショートルーペが使えます。

8x10は流石にピントフードがつかないし、暗いレンズが多いし、明るいとピントが見えないので大きめの黒布を使いますが、狸おやじ様のような便利な布は持っていません。
布は分厚めで風に煽られにくく、重量でちゃんと止まってくれます。
私は日中あまり撮影しないので暑くて困ったことはないですねそういえば。

4x5-5x7はその中間です。ビューは被りますが、フードがあるテクニカルはめんど臭くて本当に見えない状況じゃないと布をかぶらないかも。
布を忘れることもしばしはで、フィルム装填用のダークバッグを被せたり...
れんずまにあ 2021/02/02(Tue) 22:39 No.1799
Re: 冠布
れんずまにあ様,コメントをいただきありがとうございます。

> 6x9は、ビューカメラには一般の1枚もの(四隅が赤い)を使っていましたが、テクニカルにはピントグラスフードの外から見られるロングタイプのルーペを使って冠布をつかわないことも。

なるほど。ロングタイプは使い易そうですね。ホースマンのロングルーペでしょうか。
私のルーペはローデンストック製(x4)で太く短いのでフードと干渉して使いにくい。
その為,すぐにフードを開放して冠布が必要になり...と悪循環。

ロングルーペはx6でしょうか。使い心地などお教えいただけたら幸いです。

> 超広角の周辺は斜めに見ないといけないため、フードと併用は困難ですが、リンホフはパーンドアでフードを開けるので便利ですし、ショートタイプのルーペも使いやすいですね。
> グラフレックスは金属製フードで、爪を外せばフードが取り外せ、リンホフほどではないけど即座にショートルーペが使えます。

そうですね。私は時々ベンツィンのプリマー(6x9)を使うが,フードが外せないので使い難い。
テヒニカのフードはワンタッチでドア式開閉やフード開閉ができる。値段は高いが良くできていると思う。

> 4x5-5x7はその中間です。ビューは被りますが、フードがあるテクニカルはめんど臭くて本当に見えない状況じゃないと布をかぶらないかも。
> 布を忘れることもしばしはで、フィルム装填用のダークバッグを被せたり...

なるほど。いろいろ工夫や裏技がありますね。とても参考になります。
私はまだ暫く今の古い冠布を使うと思う。色褪せたので黒く染め直したい所です。
狸おやじ 2021/02/04(Thu) 21:10 No.1800
Re: ロングルーペなど
ホースマンのロングルーペ(左から2本め)は頭でっかち大判初心者だった88年頃、手元の6x9フォーカシングスクリーンがフード付きばかりだったので,一本めに新品購入したものです。
八千円くらいしたかしら。

初めての大判レンズは120mmだったので何ヶ月かは支障なかったのですが、2本めが、スーパーアンギュロン47だったので、しょっぱなから大問題に。端のピントが見えないんです。ライズしたら画面のほとんどが見えない。
ここでピントグラスは入射する光の方向を見ないと見えないという基本を知らなかったことが露見。

被り布を使って、ショートルーペで斜めから見て初めてピントが合わせられるように。
ショートルーペの先端を斜めにカットするアドバイスも受けました。
結局やりませんでしたが(笑
あ,ロングルーペでも斜めから見ることは可能です。でも、斜めはすごく持ちにくい。

そしてルーペ倍率も、ホースマンロングはx6、ショートはx7ですが、見た感じ倍率がずいぶん違う。ロングの方が非常に小さく見える。
これは好き好きです。
低倍率が大きく問題になるわけではありません。
ただ、私は超広角やマクロが好きなので、倍率は高い方が好みです。
ピークのx15てのも使います。

逆に、倍率が高いと何を見ているのかわからなくなる。ロングはほどよく部分を拡大するので絵柄をイメージしやすく、好む方もおられるかと。

結構たくさんルーペが集まりました。馬鹿なの?  じゃなく、ジャンク箱に千円以下で見つけたら、ついお持ち帰りしませんか?
ウイスタ のロングは二千円もしましたが。
集合させたのは初めてで、普段はそれぞれカメラバッグに待機しています。セレンメーターと同様、入れ忘れがないように。
実はもうちょっとありますが、機種が同じなので割愛です。

ウイスタ のショートx7(中央)はプラ製で非常に軽く、プラスチックのフレネルを傷つけません。山行きなどに、コンパクトなセンチュリーグラフィックやグラフレックスXLと組みます。
ウイスタ のロング(左端)は、デザインがショートと共通ですがアルミ製でホースマンと同程度の重量。でも倍率は書いていないけどショートと同じです。ホースマンと思想が異なりますね。
ホースマンのショートx7(右から2番め)はピークx7(写真右端)と全く同一、スリーブが黒く、着脱式スケールがついていないだけです。ピーク製なのですね。また同じ形式でホースマン銘がないものを海外通販で買いました。

ロングもショートも、どちらもちゃんと使えて大きな差はないと思います。撮影スタイルと好みです。
標準から望遠であまりスライドせず、フードを立てたまま端はあまりチェックしないならロングが便利。ショートではできない技。
冠布をかぶってアオリ主体なら自在に見られるショート。
4x5なら倍率は低くても問題ないけど、6x9は好み。
重量軽減なら、ロングは3倍以上重くなるからショート、それもプラスチック製のWISTA有利。

れんずまにあ 2021/02/06(Sat) 20:33 No.1801
Re: ロングルーペなど
れんずまにあ様

素晴らしいルーペの解説と写真をありがとうございます。
これほど沢山お持ちとは存じませんでした。脱帽です。

拝読して考えると,ロングルーペも一長一短のようですね。
6x9ならホースマンのロングルーペ(x6)が使いやすそうだけど,あまり重いと躊躇しますね。

要は細身で四隅が見えれば良く,あまり長くなくても良い。
フード越しで端が見える「角形」のスリーブなら理想的。

自分の使い方を考えると,ショートルーペは光軸に向けて傾けたり,拡大したい時に「反対向き」にできるので便利。(無茶苦茶な使い方だが)

6-7倍の細身のショートルーペでスリーブを角形(?)に改造できそうなのを探してみようと思います。

写真は今使っているローデンストックのアスフェリカルルーペ(x4)。
遮光スリーブが邪魔なので取り外し,円筒の内側に帯状の黒いシートを入れて遮光してます。
軽くて(58g)使い易いが少し太い。

狸おやじ 2021/02/07(Sun) 11:39 No.1802
テヒニカ6x9のレンズボード事情
テヒニカ6x9を使っていて困るのは,レンズボードが特殊で高価なこと。

4x5のテヒニカ「標準」ボードより一回り小さく(81x74 mm),しかも型式間(III, IV, V型)の互換性に乏しい。(IV型ボードはIIIに付くが,III型ボードはIVに付かない等。)6x9ボードは出荷数が少なく,中古市場でも高価な状況(5千〜1万円以上)。

どこかで廉価版のボードを作ってないか探していて,中国Luland社のテヒニカ6x9V型ボードを見つけた:
https://www.ebay.com/itm/Luland-Linhof-6-9-compur-copal-00-or-0-or-1-lens-board-81-1-74-2mm/182882865061?hash=item2a94ab0fa5:g:ydUAAOSwHsBZoVHu

サイトの説明と写真を見ると割と良さそう。コンピュータ数値制御でアルミ合金を加工していて,値段も$25と安い。

今はV型ボードだけだが,IVやIII型も作れないかLuland社に打診している。
新しい情報が得られたらまた投稿する予定です。
狸おやじ 2021/02/26(Fri) 22:00 No.1804
Re:テヒニカ23ボード
そうなのです。高いのです。Vボードは、国内で5千円海外でも50ドル以下ではほぼ見たことがない。
4x5はどうかしたら千円切ることもありますから、需要の差としか言えません。
しかも形状が若干複雑なので簡単に自作も困難です。
まだVは見つかりますが、III, IVは限られた専門店以外では入手できないと言ってもいいかと。
なのでボードの面からも旧型機は敬遠してしまいます。
ボード付きレンズは、単体とあまり変わらないのでお得ですね。

まあカム単体でも入手可能な4x5と違って、69は円形カムが特殊なので、当初からセットになっていたレンズ以外は二の足を踏みますし....

ピントグラスでも使いたいレンズや、カムに合うレンズを入手したとしたら、ボードがあると便利ですよね。
躍進著しい中国で安価に生産してもらえるとありがたいですね。
れんずまにあ 2021/02/28(Sun) 19:42 No.1805
堀内カラー(HCL)角形ルーペ
このようなものはいかがでしょう。角形なので焦点板の隅まで見ることができます。
プラスチック製で非常に軽量。ちょうど24x36を1コマ見られるサイズです。
HCLブランドで、遮光タイプもありましたが、よく中古で見かけるのは透明スリーブタイプです。
いざとなればブラックテープで巻いてしまえばいいでしょう。
オリジナルはやはりピークのようです。ピークは両釣ラグがついていますが、HCLは1箇所ランヤードリング付

れんずまにあ 2021/03/29(Mon) 20:58 No.1833
堀内カラー(HCL)角形ルーペ
れんずまにあ様

おお,これは素晴らしい。有難うございます。
これなら四隅がバッチリ見えるし軽くて使い易そう。値段も安い。

調べるとHCL(堀内カラー)はルーペ全体がディスコンの様ですが,オリジナルのピーク8x(No.2018)はまだ販売してるみたい。
早速手配して試してみます。
狸おやじ 2021/03/30(Tue) 20:20 No.1836
オールドレンズの楽しみ
テヒニカには,専用の23ボードに付けばどんな古いレンズでも装着することができる。
狸爺も,遅ればせながらオールドレンズの「沼」に嵌りつつある。最近古いダゴールをeBayで入手したので,ヘリアーとテヒニカ標準のジンマーと比較して撮り比べてみた。

今回試写したレンズは,年代順に
ヘリアー 105mm, F4.5(Voigtländer, Braunschweig)
ダゴール 125mm, F6.8(C.P. Goerz, Berlin)
ジンマー 105mm, F5.6(Schneider, Kreuznach)

ヘリアーはハーティング設計の初期型の3群5枚,1921年頃の製造。ダゴールはフォンフーフの有名な対称型2群6枚,1924年頃の製造。どちらもノンコートタイプ。ジンマーは初期のコンバーティブルタイプ,1960年頃製造のシングルコーティング。テヒニカ23初期セットの標準レンズ。オルソメター型,4群6枚。


写真:左からHeliar 105,Symmar 105,Dagor 125(テヒニカ23ボード付).

狸おやじ 2021/11/21(Sun) 12:29 No.1917
Re: オールドレンズの楽しみ
ヘリアーもダゴールも非常に良く写るレンズで,ほとんどの条件で破綻は少ない。
そこで,今回は太陽の真正面,水面の反射光がダイレクトに入る強い逆光条件でテストしてみた。午後の海岸で天気は晴れ。風と波で水面は複雑に変化する為,正確な比較はできない。レンズの描写の雰囲気の違いを感じ取っていただけたらと思う。フィルムはベルビア100,スキャンは写真店の専用スキャナー。レンズフードはジンマーの専用フード(写真上)のみ,太陽の直接光はハレ切り板(引蓋)で遮光。

最初はヘリアー(F=16,1/250)。
まずまずの描写で水面の反射も綺麗。この例ではヘリアー独特の妖艶な描写はあまり感じられない。手前の反射面の斑点の一部に「星型」の光漏れが確認できる。遠景の解像度も十分で,この時代(100年前)のレンズとしては優秀だと思う。


写真:Heliar 105/4.5, F=16, 1/250.

狸おやじ 2021/11/21(Sun) 13:55 No.1918
Re: オールドレンズの楽しみ
次はダゴール(F=12.5,1/250)。

ダゴールは,ヘリアーとかなり雰囲気が異なる。コントラストが低いので,手前の反射面の白飛びがかなり抑えられている。反射光の斑点に独特の「星型」が見られるが,これはこれで面白い。遠方の反射面の上方にハロ(フレア)が少し出ている。水面の波模様はヘリアーより優雅と感じる。ダゴールは遠景が冴えないと言われるが,遠景の解像度も十分。色味はヘリアーと比べて赤みが少なく彩度が低くクールに見える。個人的な感想だが,ダゴールの描写が人間の目でみた風景に一番近いような(?)気がする。


写真:Dagor 125/6.8, F=12.5, 1/250.

狸おやじ 2021/11/21(Sun) 14:37 No.1919
Re: オールドレンズの楽しみ
最後はジンマー(F=16,1/250)。

流石にジンマーと言うべきか。解像度と描写は,この条件下では一番良いと感じる。反射光の斑点も丸型でハミ出しがほとんどない。これなら強い逆光下でも安心して使えると思う。ただ,ヘリアーやダゴールの様な意外性(面白さ)はあまり感じない。感情のエモーショナルな部分への訴えかけの少ない,優等生的なレンズだと思う。コントラストが強目で白飛びし易く,色味は(ヘリアーと同様)赤が少し強く出るので,自然な描写にはプロビア100F等の方が向くと思う。

悪条件でも順当な結果を出したい時はジンマー,何か独特で特徴的な描写に挑戦する時はヘリアーかダゴールというのが現時点での私の考えです。
皆様のご参考になれば幸いです。


写真:Symmar 105/5.6, F=16, 1/250.

狸おやじ 2021/11/21(Sun) 16:05 No.1920
Re: オールドレンズの楽しみ
前回の投稿で,強い逆光条件でのオールドレンズの試写結果を報告した。
結果は,新しいジンマーが,戦前のヘリアーやダゴールよりも全体的に良く見えるというものでした。M42 Mount Spiralさんからも「ジンマーが一番フツーな感じ」とコメントをいただきました。で,「オールドレンズはやはり駄目だな」と思われた方もおられると思う。

でも意外にそうでないかもしれない。前回は太陽の反射光が正面から入る強い逆光条件(過酷条件)だったので,古いレンズは腰砕けになり,破綻とは言えないまでも細かい問題が生じた。しかし,ノンコートレンズを過酷条件で使うのはそもそも無理な話だし,ジンマーだけがフード付きというのも不公平だ。

オールドレンズが魅力(実力)を発揮するのは,順光かやや弱い逆光の条件だと思う。特にヘリアーは,弱い逆光で驚くほど「妖艶」で生き生きとした描写を示すことがある。逆にダゴールは,端正でシックな描写をする傾向がある。次回は,弱い逆光での試写結果を報告する予定です。
狸おやじ 2021/11/22(Mon) 22:45 No.1921
Re: オールドレンズ
狸おやじ様、大変素敵なご投稿ありがとうございます。
ダイヤルセットコンパーに入ったレンズ群ですので、おそらく大名刺から手札のハンドカメラ由来の古典レンズですね(どこから古典かは諸説あるでしょうけど;へリアやダゴールは近代レンズで,古典といえばペッツバール級かも..)
幅広いレンズをお楽しみで感心しました。
この辺りのレンズの描写をポジ画像で拝見できるとは滅多にないことです。

へリアの105mmは、69では最も使いやすい焦点距離で人気が高く良い程度のものは貴重かと思います。知人のベルクハイルやプロミネントのプリントを見せられたことがあり、今の目では低コントラストですが非常に繊細な画質と感じました。ご作例でも同様の印象ですが、思ったより逆光で破綻していないのはリンホフの蛇腹と懐の深さ、ハレ切りの賜物でしょう。

ダゴールは少し長めで、5x7でもカバーできるレンズの中心部を使っているイメージですね。球面収差が残っている設計で、超広角として使うなら絞り込む必要がありますが、ここまで中心を使うなら開放からかなりの画質が期待できるでしょう。拙宅のは180以上のゲルツアメリカ製ばかりで、ノンコートの画像を見るのは珍しいです。このレンズもここまで逆光なのに見事なコントラストで吃驚しました。

ジンマー二焦点はさすがの描写で横綱相撲です。一番信頼できて失敗できない撮影には欠かせないでしょうが、私は最近そういう撮影が減っていて、遊びの要素が多い個性派レンズの出番が増えていますし、狸おやじ様もご同様ではないかなと(笑
れんずまにあ 2021/11/23(Tue) 09:07 No.1922
Re: オールドレンズの楽しみ
れんずまにあ様,貴重なコメントをいただきありがとうございます。

> へリアやダゴールは近代レンズで,古典といえばペッツバール級かも..

そうですね。古典の例はいろいろあると思いますが,ペッツバールはその一つと思います。
もう一つの例はガウスでしょうか。オリジナルが1817年,クラークのダブルガウスが1888年,ルドルフのプラナーでも1897年ですから非常に古い。これらと比べたらダゴールやヘリアー,テッサー等は,確かに近代レンズと思います。

> 幅広いレンズをお楽しみで感心しました。

いやお恥かしい次第です。大先輩のれんずまにあ様は十分ご承知かつ稚拙な内容と思います。浅学の身を顧みず投稿しておりますが,どうか笑ってお許しいただけたらと思います。

> ダゴールは少し長めで、5x7でもカバーできるレンズの中心部を使っているイメージですね。球面収差が残っている設計で、超広角として使うなら絞り込む必要がありますが、ここまで中心を使うなら開放からかなりの画質が期待できるでしょう。

このダゴール125mmは,eBayで台湾のShueido(集英堂)から100ドルで購入しました。木製のボード付だったので,多分ディアドルフ辺りの大判カメラ(4x5か5x7)用と思います。(同じボード付の広角ダゴールAM.92mmとアポランター150mmが出品中です。)大判用のレンズを6x9で使うのは本意ではないのですが,中心部分の画質の良好な部分が使える点と,6x9のレンズよりコンパクトな点で利点があります。125mmは6x9では長めの標準レンズですが,この辺の焦点距離のレンズが他に無いので重宝しそうです。

> ジンマー二焦点はさすがの描写で横綱相撲です。一番信頼できて失敗できない撮影には欠かせないでしょうが、私は最近そういう撮影が減っていて、遊びの要素が多い個性派レンズの出番が増えています

これは全く同感です。次回もダゴールとヘリアーの画像を投稿しようと思いますが,今気に入っているのは望遠のテロマー240mmです。良いサンプルができましたら,いつか投稿できればと思います。(あ,れんずまにあ様は既に180mmをお持ちですね。)
狸おやじ 2021/11/23(Tue) 12:58 No.1923
Re: オールドレンズの楽しみ
別の日に,山の中の小さな湖で弱い逆光の条件でダゴールとヘリアーの試写をしてみた。
天気は曇り時々晴れ。太陽は右上方。この日も風で波が立ったり凪いだりで,水面は複雑に変化した。フィルムはベルビア100,撮影条件も前回とほぼ同じ。

まずはダゴール。

平凡な写真だが,ダゴールのシックな描写の特徴は出ていると思う。コントラストが低いので,水面がほぼ一様のトーンで描写される。地味だが目で見たような自然な風景。これを背景にして人物を手前に入れ日中シンクロで撮れば,印象的なポートレート写真になると思う。


写真:Dagor 125/6.8, f=12.5, 1/100.

狸おやじ 2021/11/24(Wed) 20:54 No.1924
Re: オールドレンズの楽しみ
次はヘリアー。

ヘリアーは,ダゴールと異なり,水面が浮き立つような生き生きとした描写になる。反射面とハイライトが微かに滲んだ幻想的な風景。人物にライトを当てて撮影すると,ハイライトが立体的に浮き上がり「妖艶」な雰囲気にもなる。昔の写真家がヘリアーを絶賛し,写真館で重用された理由がわかる気がする。同じ場所でジンマーでも撮影したが,コントラストが強すぎて白トビと黒潰れが多く,とてもお見せしたいと思える写真にならなかった。

オールドレンズ「沼」は奥深くて魅惑的。


写真:Heliar 105/4.5, f=8, 1/100.

狸おやじ 2021/11/24(Wed) 21:48 No.1925
中判フィルムカメラの解像力
私が,中判のテヒニカを使い続ける理由の一つは,画像の質が35mm(ライカ判)フィルムやデジタルカメラよりも良いと感じる為だ。これはテヒニカ23を海外で購入し,最初のポジ原稿を見た時(約30年前)から現在まで変わっていない。その後,デジタルが普及し,APS-Cやフルフレームのデジタルカメラ(Leica X,Sony α7等)を購入してから,35mm判フィルムカメラ(Contax G等)は画質と利便性の両面で不利なので使わなくなった。しかし,中判テヒニカの画質は,現在でもデジタルより良いと感じる。逆に言うと,もしデジタルカメラ(又はデジタルバック)の画質が6x9判フィルムを超えれば,デジタルへの移行も吝かではない。

では,6x9判フィルムの画質と解像力は,現行のデジタルカメラ(フルフレーム36x24mm等)より本当に良いのだろうか?
これまでのデジタルとフィルムを比較したチャート撮影テストの結果を見ると,6x7以上のサイズのフィルム(カラーポジ,モノクロ)は,フルフレームのデジタルの解像度を超えているようだ。古い情報だが,例えば
https://www.onlandscape.co.uk/2011/12/large-format-vs-digital/
https://a-graph.jp/2016/08/23/18911

どちらも古いデジタル一眼レフ(Nikon D3X, D800E)との比較で,最新の情報ではなく,解像度はレンズやフィルム,スキャナーの性能にも依存する。しかし,現在のフルフレームセンサーの画素サイズが,感度や光の波動性の影響を受ける限界に達している(?)ことを考えると,上の状況からあまり大きな変化はないと思う。これまでの情報を客観的に纏めると,現時点での画像全体の解像度(可能抽出画素数)は,私の予想では,

大判(4x5in)フィルム > 中判(6x9)フィルム > フルフレーム(35mm)デジタル > 中判(6x4.5)フィルム(?)> APS-Cデジタル > 35mm判フィルム ...

と思われる(もし間違っていたらご指摘下さい)。

今気になっているのは,最近の中判デジタルセンサー(44x33mm)が中判フィルム(6x9)を凌駕するかどうか?
何か新しい情報を見つけたら適宜報告する予定です。
狸おやじ 2022/01/16(Sun) 17:54 No.1939
Re: テヒニカ23ボード(その後)
昨年の2月頃(No. 1854~1855),テヒニカ23ボードの入手先の状況を書きました:
>今はV型ボードだけだが,IVやIII型も作れないかLuland社に打診している。

その時,Luland社(担当:Wendyさん)にIV型ボードの寸法と写真を送って相談した所,「ok,作れる。できたら連絡する」との返事でした。でもその後は音沙汰がなく,半ば諦めてました。

しかし,本当に作ってくれたようです:
https://www.ebay.com/itm/185247286519?hash=item2b219944f7:g:1swAAOSwxPBh2TVv

値段はV型より高め($42)だが,仕上げは綺麗(?)で裏側に円形の凹み加工もある。
孔径は00番〜1番(コパル)。下辺にノッチ(凹み)があるので,テヒニカ23IVで(IIIも?)使えると思う。

私は1~2枚注文して試してみる予定。何か新しい情報が得られたら,また投稿します。
狸おやじ 2022/01/22(Sat) 10:51 No.1940
テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
テヒニカ23は,最終モデルのV型が2003年に販売を終了してから既に20年近くが経過している。
しかし,現在でも,一部のパーツや補修部品,修理のアフターサポートが続いている。現在のサポートのほとんどはV型が対象で,III~IV型はあまり恩恵が得られない。しかし,テヒニカ23のカメラバックは,III~V型まで共通で,現行のテクニカルダンS23(6x9)と互換性があり,新品のロールフィルムバックやデジタルアダプターを購入することもできる(個人輸入や輸入代理店経由)。

そこで,現在提供されている純正パーツやアフターサポートの情報を紹介しようと思う。
リンホフ本社のウェブサイトには,2022年版の販売製品の価格表(*)が掲載されている:
https://linhof.com/wp-content/uploads/2022/05/2022_05_25_Linhof-Preise_Price.pdf

この中から,テヒニカ23(III~V型)と関係しそうな補修部品やパーツの情報を書き出してみる。
(このリストのパーツの多くは,テヒニカ70やテクニカルダンS23でも使えると思う。)

*) この2022年3月の製品価格表に合わせ,以前の記載内容と価格の一部を変更しました(2022年6月追記)。
狸おやじ 2022/02/05(Sat) 14:59 No.1959
Re: テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
1) レンズボード関係
製品番号, 価格(ユーロ), 製品名
001001, 113, Flat lensboard 23 with center hole
001058, 350, Flat lensboard 23 w. tube Compur/Copal/Prontor 3
001070, 351, Technika reducing lensboard adapter 45/23

2) オプティカルビューファインダー
001373, 1205, Multifocus optical viewfinder 23M with mask 6x9 cm
001389, 109, Optical finder mask 23/6x9 cm
001397, 109, Optical finder mask 23/6x7 cm

3) フィルムバック関係
001460, 1436, Super Rollex 6x9/6x7
001462, 967, Insert Super Rollex 220, 6x7
001467, 967, Insert Super Rollex 120, 6x7
001524, 1436, Super Rollex 6x9/6x9
001525, 967, Insert Super Rollex 120/6x9
001566, 890, Rapid Rollex 6x9/6x7
001647, 23, Groundglass mask 23/24x36
001648, 23, Groundglass mask 23/37x37
001649, 23, Groundglass mask 23/4x5 cm
001691, 289, Universal digi adapter 23 for camera adapter plates
001700, 492, Adapter plate for Hasselblad V
001701, 492, Adapter plate for Hasselblad H
001702, 492, Adapter plate for Mamiya 645 AF/AFD/PhaseOne

4) マウントアダプター関係(*)
001726, 486, Fuji GFX G-Mount Adapter for TK/ST 6x9
001727, 486, Hasselblad X1D Mount Adapter for TK/ST 6x9
001728, 486, Sony E-Mount Adapter for TK/ST 6x9
001729, 486, Canon EOS EF-Mount Adapter for TK/ST 6x9
001730, 486, Nikon F-Mount Adapter for TK/ST 6x9

5) その他の付属品
002504, 538, Focusing bellows 23
002512, 400, Anatomical grip 23, left
002629, 490, Right angle reflex attachment 23
021807, 111, Groundglass 23/cm-grid/scoring 6x7 cm
021813, 119, Groundglass 23/cm-grid/scoring 6x7/clear center spot
022610, 62, Camera neck strap 23 for ST V
031882, 25, Infinity stops for Technika, left, standard
031887, 25, Infinity stops for Technika, right, standard
031892, 25, Infinity stops for Technika, left, special
031894, 25, Infinity stops for Technika, right, special
032933, 534, Super Rollex housing 23/6x9
033200, 534, Super Rollex housing 23/6x7
045296, 31, Rapid cable release new
045298, 31, Rapid cable release for flat lensboards, shutter size 0 and 1
狸おやじ 2022/02/05(Sat) 15:12 No.1960
Re: テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
上のリストの内,レンズボート(1)とビューファインダー(2)はV型専用と思われる。
現在,23V型ボードは,フラットボードとチューブボード(3番),テヒニカ45用アダプターが販売中。

フィルムバック関係(3)は,III~V型で共通に使える。
現在,スーパーローレックスは,6x7(001460)と6x9(001524),差込み式のラピッドローレックスは6x7(001566)が提供されている。"Insert Super Rollex"は,スーパーローレックスの内部のパーツ(フィルムを巻く部分)だと思う。これを交換すると220フィルムも使えるようだ。ユニバーサルデジアダプター(001691)は,ハッセルブラッドVとH、マミヤのM規格のバックに対応し,それぞれ専用のアダプタープレートを介して取り付ける。

マウントアダプター関係(4)は,2022年に追加された製品(*)で,各種デジタルカメラのレンズマウント(GFX-G, XD1, E, EF, F)に対応する。GFXやハッセル等の中判デジタルカメラを,テヒニカ23に取り付けて使いたい人には朗報だろう(2022年追記)。

その他の付属品(5)は,ベローズ(蛇腹),ピントグラス,アナトミカルグリップ,無限遠ストッパー,反射式ビューアー等が提供されている。"Super Rollex housing"は,スーパーローレックスの本体("Insert"を入れる本体)と思われる。
狸おやじ 2022/02/05(Sat) 16:37 No.1961
Re: テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
以上の情報が,皆様のお役に立てば幸いです。
もし漏れや間違いがあればご指摘下さい。(2022年の製品価格表(*)に合わせ,内容と価格の一部を変更しました。2022年6月追記。)

結論として,現在テヒニカ23に提供されている純正部品やサポートは,それ程多くない。
しかし,テヒニカIV23の販売が1956~1964年,V23が1963~2003年で,20~60年以上も前のカメラであることを考えると,現在でも部品の供給やサポートが続いている状況は驚異的と言える。ドイツの工業製品の頑丈さと気概を感じる。その分,大きく重く値段も高いが...。
狸おやじ 2022/02/05(Sat) 19:10 No.1962
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様貴重な情報をありがとうございます。
正直まだリンホフが存続しているかどうかさえ危ぶんでいましたが、立派にパーツ類を持続供給しているのは驚きつつ、尊敬いたします。
世界中のファンたちに支えられているのだなあと感心します。

さてスーパーローレックスです。
スーパーテヒニカV23のカタログは実家のどこかに埋蔵されていると思いますが、各パーツの画像のなかに、インサートとハウジングがあったかどうか記憶にありません。
この画像の上左右がインサート、下がハウジングなのでしょうね。
ご指摘の通り、120(右)、220(左)は互換性があり、遠出をして220中心に撮影していた時は、軽量化のため120はインサートだけを持って行ってました。
旅先では220はまず入手できないので、万一フィルムを使い切った時の抑えに。

れんずまにあ 2022/02/10(Thu) 17:42 No.1963
Re: テヒニカ23用の純正パーツとサポート情報
れんずまにあ様,コメントを有り難うございます。

>この画像の上左右がインサート、下がハウジングなのでしょうね。

おお,これですね。220フィルム用「インサート」の写真を見るのは初めてです。6x7フォーマットなので,上のリストの"001462"が該当すると思います。220フィルムはスタートマークの位置が違うので,矢印の向きが違うのでしょうね。貴重な情報と写真を有り難うございます。

>120(右)、220(左)は互換性があり、遠出をして220中心に撮影していた時は、軽量化のため120はインサートだけを持って行ってました。

これはよい方法と思います。もし同じフォーマットのインサートを複数お持ちなら,事前にフィルムをセットしておき,撮り終えたらバックを外さずにインサートを交換すると,連続撮影にも便利かもしれません。

>正直まだリンホフが存続しているかどうかさえ危ぶんでいましたが、立派にパーツ類を持続供給しているのは驚きつつ、尊敬いたします。

そうですね。私も心配でしたが,まだ健在のようです。
テヒニカ23は20年前に販売終了し,テヒニカ45もほとんど出荷していない状況と思いますが,テクニカルダンやテクノ,M679等をデジタル仕様で販売して収益を得ているようです。古いテヒニカ23を使う者としては,今後も長く継続してほしい。

そろそろリンホフも,デジタルを前提とした新しいテクニカルフィールドカメラ"New Technika Digital"を出してほしい。中判デジタルのテクニカルカメラは,アルパ12やホースマンSW-Dがあるが,アオリがライズやシフトに限定されている割に値段が高い。野外で重宝する収納式(フィールドタイプ)のテクニカルカメラは,リンホフがパイオニア。デジタルバックで使い易い収納式のテクニカルカメラの新製品を出せば,ヒットする(?)と思うのだが...
狸おやじ 2022/02/11(Fri) 15:37 No.1964
純正レンズフード
リンホフは,テヒニカのレンズ用に純正のレンズフードを長く提供してきた。

私のテヒニカIV23の交換レンズ(SA65, SM105, RT180, TL240)は,前玉外径が51mmなので,外径51mm(又は内側ネジ径49mm)用のレンズフードが共通で使える。
(SM105の外径は32mmだが,専用フードの外径が51mmなので,51mm用フードが使用可能。)これまでは,Hamaの角型レンズフード(M49)を主に使ってきた。これは小型軽量で,レバー操作の「カブセ式」で脱着が容易。広角対応なのでSA65でも使えて便利。しかし,望遠系(RT180以上)では上下がケラれて使えず,小型で遮光効果が小さい点も気になっていた。

そこで,先日リンホフ純正の角型レンズフード(Universal Sonnenblende, A51)を購入した(eBayでドイツのteam-fotoから,30+送料17.5 = 47.5ユーロ)。
昔は中古で1~2万円だったので,今は半値以下でお買い得。純正の角型フードには2種類(大型:100x100mm,小型:75x75mm)あり,大型は外径42~70mmのレンズで使えるが,小型は42mm専用なので注意が必要。フードの取付部には,対応する外径が"51"や"60"と印字されている。取付部のアダプターは特注で,用途に合わせ様々なタイプがある。使用するレンズの外径が複数の場合,一番大きいレンズが付くフードを選び,減径用の「リデューシングリング」を付けて小さいレンズに合わせる。テヒニカの専用レンズの外径は,42, 51, 60, 70mmが主流で,各径に合わせたフードとアダプター,リングがネット中古市場で売られている。私の場合,全て51mmなので,51mm用の大型フードを選んだ。取付部にはフィルターホルダーがあり,専用フィルター(カラー,偏光,UV等)を差し込める。取付は「カブセ式」で,摘みボタンを押し,リング状のバネを広げて着脱する。


写真:レンズとレンズフード。左上から時計回り: SM105, SA65, RT180, TL240,
カラーフィルター, 純正レンズフード, Hamaレンズフード。外径は全て51mm.

狸おやじ 2022/06/11(Sat) 22:53 No.1992
純正レンズフード
純正のレンズフードはかなり大きく嵩張るが,剛性が高い割に軽量(124g)で使い易い。
標準105mmと望遠180~240mmでは,標準位置ならケラれない。大きくアオると,標準105mmでは周辺が若干ケラれるが望遠系は問題無い。但し,広角スーパーアングロン65mm/f8の場合,標準(ベッドダウン)時でティルトノブと接触して固定できず,標準位置でもケラれるので使えない。仕様説明書にもあるが,標準から望遠用のレンズフードだ。私は広角65mmではHamaのフード,標準から望遠では純正フードを使う予定。

まあ,少し大きく大袈裟なフードだが,カメラも十分に大袈裟だからバランスは悪くない。
逆光に弱い古いレンズをテヒニカで使う時は,あると安心だ。


写真:純正レンズフード。Technika IV 23, Rotelar 180/4.5.

狸おやじ 2022/06/12(Sun) 00:02 No.1993
バックティルトとスウィングの設定法
テクニカルカメラのアオリ(ムーブメント)の内,ライズやフォールによるパースペクティブ(被写体に対する視点)の変更は,ソフトウェアの後処理でもできる。しかし,ピントの合焦面を傾けて広範囲にピントを合わせるティルトやスウィングは,デジタルの後処理ではできない。特に,前景の草花から背景の山までピントを合わせるティルト撮影は,風景写真で魅力的な技法だ。

テヒニカは,カメラバックの取付枠を引き出してバックティルトとスウィングができる(cf. No.1558)。このティルト/スウィングバックは,"Schwenkrahmen"(遊動枠)と呼ばれ,軽量で構造が簡単(4本のネジと支柱で構成)な事と,画像のケラレがほとんど起きない事からフィールドカメラに適している。有効に活用したい機能だが,バックのアオリはフロントと比べて使う人が少なく,解説書やインターネットにも情報が少ない。私自身,これまでバックアオリを試行錯誤で使ってきたが,理屈を正しく理解していなかった。最近,大判写真連盟の資料(*)を読み,ティルト/スウィングバックの合理的な設定法を知ったので,既にご存知の方も多いと思うが,備忘録のメモとして紹介する。

*) 設楽清,もうスイング(ティルト)アオリで迷わない〜リンホフテヒニカを中心に〜,全日本大判写真連盟勉強会資料,2009.3.17.
http://ajlp.llp.justhpbs.jp/Information.html
狸おやじ 2022/06/21(Tue) 21:48 No.2001
バックティルトとスウィングの設定法
近景に花,遠景に山があり,花と山頂部にピントを合わせるティルト撮影を考える(下図)。
シャインプルーク(Scheimpflug)の原理によると,山頂と花を通る面を,カメラのピントグラス面とレンズボード面が交差する軸に一致させれば,山頂と花に同時にピントが合う。この原理は正しいのだが,一体どの様にしてカメラから遠く離れた場所に「仮想的な軸」を作り,その軸を山と花を通る「仮想ピント面」に一致させるのか良く分からない。解説書のイラスト等にある「空中に楼閣を描く作業」と,「現実のカメラ操作」の間にギャップを感じる。結局,風景を見ながら適当にティルト量を決め,ピントとティルトを微調整しながら試行錯誤で設定することになる。設定には手間と時間がかかり,理屈が分からないのでストレスも溜まる。

実は,必要なティルト量は,カメラのピントグラス上の画像情報と,2点(花と山)のピントの位置情報だけから求まる。
ここでは,カメラバックの上部を距離(Z_y)だけ引き出してティルトダウンでピントを合わせる状況を考える。標準位置で,遠景の山頂にピントを合わせた時のレンズの位置と,近景の花にピントを合わせた時の位置の差をz,ピントグラス上での花と山頂の間隔(ティルト軸に直角の高さ方向成分)をyとする。ピントが合う時のティルト角をθ,バックの一辺の長さをLとすると,必要なティルト角の正接は,

   tan θ = z/y = Z_y/(L cos(θ/2)) ≒ Z_y/L         (1)

ここで近似はcos(θ/2)≒1 (θ<<1)。(1)式から,バックの引き出し距離 Z_yは,

   Z_y ≒ (z/y) L.                            (2)

テヒニカ23のバック長は L=123 mm(45はL=156 mm)なので,2点の画像の間隔(y)とピント位置の差(z)から,(2)式でバック上部の引き出し距離 Z_y(mm)が求まる。(2)式は,水平方向のスウィングの場合も成り立つ。その場合,yはスウィング軸に直角の水平方向成分(x)になり,Z_yは,近景側のバック側面の引き出し距離(Z_x)になる。


図:バックティルトの設定法.

狸おやじ 2022/06/21(Tue) 22:00 No.2002
バックティルトとスウィングの設定法
テヒニカのバックやフロントには角度目盛がないので,ティルトやスウィングを距離で設定する(2)式は便利だ。(ビューカメラでは,(1)式の角度を設定する。)
(2)式の距離をカメラに設定すると,結果としてシャインプルークの原理を満たす。ここで求めた条件は,フロントのアオリの情報を含んでいない。つまり,フロントに弱いティルトをかけた場合でも(2)式は成り立ち,必要なティルトの追加量を与える。

バックティルトの場合,近景は拡大され,遠景の山は相対的に縮小されて遠近感が強くなる。これを防ぐには,フロントにライズを加えて遠景を拡大する(その場合,フロントティルトの状況に近づく)。

撮影時は,ピント位置の差(z)と画像上の間隔(y)を精度良く測り,計算値(Z_y)をカメラバックに設定する必要がある。私はピントレールの横に小さなスケールを貼り,百均店で買った透明スケールと小型の簡易ノギスを携行している。


写真:簡易ノギスとスケール.

狸おやじ 2022/06/22(Wed) 20:49 No.2003
バックティルトとスウィングの設
ティルトとスウィングを同時に行う場合も,引き出し量を求めることができる(下図)。

ピントグラス上での2点(山頂と花)の間隔の水平方向成分がx,高さ方向成分がy,2点のピント位置の差がzの場合を考える。この場合,2点を合焦させる「仮想ピント面」は2点を通る軸の周りに無限に存在するが,その中でカメラバックのピントグラスと成す角度が最小の仮想ピント面が最も自然(アオリの調整量が最も少ない)と考える。その場合,遠景(山頂)が一番近いバックの角を支点(ピボット)にして,バックの横辺の引き出し量をZ_x,上辺の引き出し量をZ_yとすると,

     Z_x ≒ (z x/d^2) L                     (3)

     Z_y ≒ (z y/d^2) L                     (4)

ここで,dは2点間の直線距離で,d^2 = x^2+y^2。因みに,水平方向成分がゼロ(x=0)の場合,d=yになり,(4)式は Z_y = (z/y)L,つまり(2)式になる。

私の予想では,アオリ操作に精通したプロの写真家は,遠景と近景が斜めに配置した状況で,この最適な設定(3,4)を無意識(直感的)に行っていると思う。この式の計算は少し面倒だが,プログラムを組んでおけば,iPhone等の携帯でもできる。将来的にデジタルバックとオートフォーカスが普及すれば,合焦させたい2点をモニター上で入力するだけで,最適なアオリ量を計算し,ティルトとスウィングを自動的に設定できる時代が来るかもしれない。

同様に,3点に同時にピントを合わせる場合も,ティルトとスウィング量も求めることができる。
導出は割と簡単だが,出てくる式が少し複雑なので,(現時点では)あまり実用的でないと思う。将来的にデジタル化が進んだ頃(?)に,もしニーズがあれば紹介しようと思う。


図:バックティルトとスウィングの設定法.

狸おやじ 2022/06/22(Wed) 21:18 No.2004
Re: バックティルトとスウィングの設定法
狸おやじ様、すばらしい方法のご教授ありがとうございます。
こんなロジカルな方法があるのですね。

「遊動枠」を採用した(コピーした)カメラはマミヤプレス とホースマン ですが、マミヤプレス は固定が華奢でロールフィルムホルダー向きではなく2x3シートホルダ用と思われます。ホースマン も強力に固定される印象はなく、やはりスーパーローレックスをがっちり支えられるリンホフしか実用的には信頼できないように思っています。

テクニカルダンなどセンターティルトができるモノレールを使うとバックアオリの便利さが実感できますが、「遊動枠」でアオるのは狸おやじ様が最初に述べられた通り見当をつけて試行錯誤しかできていなかったのが実情で、このような厳密な理論があるとは全く意識しておりませんでした。

フロントティルトはシャインプリュークがイメージしやすい反面、少しパースにクセがつくように思えます。
今後テヒニカでバックアオリをもっと活用して行こうと思いました。
れんずまにあ 2022/06/22(Wed) 21:18 No.2005
Re: バックティルトとスウィングの設定法
れんずまにあ様,早速のコメントをいただきありがとうございます。

>こんなロジカルな方法があるのですね。

そうですね,私もつい最近知りました。
元々はジナーの創業者コッホ氏が,4x5のビューカメラで遠点と近点の差が70mmの時のティルト/スウィング角を求める方法として提案した様です。上の(2)式は,日本大判写真連盟の勉強会資料(*)の最後に出ています。多分昔から使われている方法と思います。私は2回程試しましたが,正確にティルトの設定が出来ました。皆様も是非活用していただけたらと思います。

(3,4)式は(今の所)私のオリジナルと思っていますが,既に良く知られているかもしれません。(ご存知の方はお教え下さい。)

>「遊動枠」を採用した(コピーした)カメラはマミヤプレス とホースマン ですが

「遊動枠」は私の拙訳で,あまり適切でないかも。Schwenkは英語のswingで,Rahmenはframe(枠)なので,"swing frame"ですが,ティルトもできる。で,swingが「ブランコ」の意味もあるので,「遊動」としてみましたが,「ユラユラ枠」のイメージです。

>今後テヒニカでバックアオリをもっと活用して行こうと思いました。

テヒニカはネジを緩めるとバックが「グラグラ」になるので,テクニカル系でもダイヤルで設定できるウィスタ等の方が使い易いという人もいます。でも私はテヒニカですね。このグラグラバックを使いこなすのも楽しみで,その時,上の設定法をご活用いただけたら嬉しく思います。
狸おやじ 2022/06/23(Thu) 20:35 No.2006
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
Rodenstock Lens tilt and swing calculatorを入手しました。

https://www.linhofstudio.com/products/Depth-of-Field-Calculator/Depth_of_Field_and_Tilt_Swing_Calculator

40年前に購入したKodak Professional Photoguidには8種の計算盤が付属して、ビューカメラパースペクティブと被写界深度のコントロール、撮影位置によるスタンダードの調整、小型カメラのパースペクティブのコントロールの図解がありましたが、ティルト・スイングの計算盤はありませんでした。
FOV 2022/06/29(Wed) 23:37 No.2011
Re: バックティルトとスウィングの設定法
FOV様,ご投稿と情報をありがとうございます。

この計算盤は,以前リンホフのサイトで見ました。ティルトやスウィング時の被写界深度を手早く計算する道具ですね。使い易さ等がわかりましたら是非お教えください。考案者のWalter E. Schoenさんは,リンホフの大判セミナーの講師をされていたようですが,ローデンシュトック製というのも面白い。

アオリ撮影は自由度が大きいので,試行錯誤の設定は大変です。ローデンシュトックやコダックの計算盤の様に,設定の手助けになる小道具があると便利ですね。私は携帯(iPhone)で,(2-4)式のバックティルトとスウィング量を計算するプログラムを作る予定です。もし上手くできたら,どこかで公開できればと考えています。
狸おやじ 2022/07/01(Fri) 20:38 No.2027
ファインダールーペ
野外でテクニカル(フィールド)カメラを使う時に困るのが,冠布とルーペ。
以前(No.1793~1836)も書いたが,冠布を被って小さいルーペでピントグラスを覗くのは結構面倒で,暑い夏には汗だくになる。ルーペはれんずまにあ様から貴重なアドバイスをいただき,角形のルーペも使ってみたが,四隅は見易いが短いのでピントフードと併用できない。ロングルーペも探したが,気に入ったものはまだ見つからない。何かもっと手軽に遮光しながらピントグラスを見る方法が無いかと考えていた。テヒニカ23には,ピントグラスバックに取付ける「反射型ビューファインダー」の純正品(No.1960, #002629)が販売されているが,高価で使用情報も少ない。ホースマンのアングルファインダー(No.1587)もあるが,取り付けにはアダプターが必要。

最近,デジタルカメラの液晶画面(LCD)を野外で見るためのビューファインダールーペが国内外で販売されている。これは合成樹脂製(又はゴム製)のフード付ルーペで,3~3.2インチのLCDに合わせて作られている。フードの外寸は短辺60x長辺80mm程なので,6x9のピントグラス(56x85mm)で使えそうだ。種類はいろいろあるが,老眼が気になる狸親爺は,視度調整機構付のLCDビューファインダールーペ(Matin, M-6296)を選んだ。値段はアマゾンで7000円程。目に自信がある人には,視度調整無しで3000円位からフード折り畳み式もある。


写真:左:Matinファインダールーペ,右:ローデンシュトックアスフェリカルルーペ.

狸おやじ 2022/09/04(Sun) 19:19 No.2056
ファインダールーペ
Matinのファインダールーペの倍率は2倍で,ローデンシュトックのアスフェリカルルーペ(4倍)と比べて拡大率は小さい。ピント合わせにはローデンの方が向くが,ファインダールーペは画面全体が見えるので,全体の構図を決める時に役立つ。撮影画面の短辺(縦)方向はカバーするが,長辺(横)方向は5mm程欠ける。四隅を確認するにはルーペを5mm程長辺方向に動かす必要がある。視度調整機構は無くてもよいが,老眼気味の私の場合,数ミリ引き出すと見やすい。

付属の紐はルーペの固定に使える。テヒニカIV(III)23の場合,側面にストラップ用のフックとバックアオリの固定ノブがあるので,ルーペの紐をこれらに沿わせて交差させてからルーペに掛けると固定できる(写真)。紐には適度の弾性があり,この状態でもルーペを上下左右に動かせる。紐はフロントの蛇腹やレンズボードに干渉しないので,アオリやピント調整,レンズ交換が可能。両手がフリーになり,ルーペで画像全体を確認しながら両手でアオリやピント調整ができるので便利だ。


写真:ファインダールーペの装着例 (テヒニカ IV 23).

狸おやじ 2022/09/04(Sun) 20:16 No.2057
ホースマン アングルビューファインダー
これはミズタニのリンホフ23ーグラフロックアダプターを介して、ピントグラス付きのホースマンアングルファインダーをとりつけていますが、ピントグラスと分離できますので、ルーペとハウジング部分を何らかの手段でリンホフフォーカシングスクリーンに接続できるかもしれません。

倍率は3倍。視野は6x7が一望できますが、6x9は視点を傾けて端を覗き込むようにしないと見えません。

ご提示のLCD用ルーペはよいご選択です。左右は、少しルーペのフードの左右をカットして別の材料で延長すれば6x9をカバーできるのかも。

れんずまにあ 2022/09/07(Wed) 22:55 No.2058
Re: ホースマン アングルビューファインダー
れんずまにあ様,コメントと写真をありがとうございます。

ホースマンのアングルビューファインダーは使い易そうですね。倍率も3倍で見やすいと思います。私はリンホフの「反射式ビューファインダー」を時々ネットで探していますが,高値だったり状態が悪かったりでまだ入手できていません。

テレセントリック性の低い広角系レンズでは画面の隅が見難いので,フードの中でルーペを動かせると理想的です。(なので,袋蛇腹風の布製フードを自作している方もいます。)LCDルーペをゴム紐で取り付けるのは時間がかかり面倒ですが,ルーペの位置をある程度動かせるので,四隅を確認する時は便利です。


写真:Matinルーぺの装着例 (背面).

狸おやじ 2022/09/09(Fri) 20:31 No.2060
Re: 蛇腹マグニファイア
これはシルベストリの23グラフロックマウント用ベローズマグニファイアです。
Jack Taitの広角シフトカメラに付属していたもので、やはりこのような斜めから覗けるでデバイスでないと端は見えないんですね。
倍率はわかりませんが単玉レンズ。
4x5用のトヨ製は、蛇腹というよりも、やや硬めの可動域が狭いもので、このタイプは皆単玉ですね。
個人的印象ですが、被り布をして複玉のルーペを手で持つ方がよく見える気がします。
でもそれだけ手間が掛かるし、撮影スタイルによるでしょう。正解はないと思います。

れんずまにあ 2022/09/11(Sun) 11:35 No.2061
Re: 蛇腹マグニファイア
れんずまにあ様,コメントとシルベストリの蛇腹ルーペの写真をありがとうございます。
皆様いろいろ工夫されていて脱帽です。

仰る様に,ピントグラスが一番見やすいのは,冠布+複玉のフォーカシングルーペと思います。
私も大事な場面では,古い冠布(No.1783)とローデンの非球面ルーペ(No.1802)を使っています。でも冠布は暑いし面倒なので... フード付LCDルーペも状況に応じて時々使っています。

テヒニカ23には,純正の蛇腹付ルーペが提供されていました。23Vの取説中の製品番号は#002504で,現行品リストの"Focusing bellows 23"と一致します(No.1960)。後者は蛇腹式フードと考えていましたが,ルーペ(拡大レンズ)付かもしれません。何か新しい情報が得られたら,またご報告します。
狸おやじ 2022/09/12(Mon) 21:06 No.2062
シートフィルムホルダー
最初(No.1556)にも書いたが,テヒニカ23は120フィルムバック(スーパーローレックス 23)の他に,シートフィルムホルダーを使って撮影ができる。

テヒニカ23で使えるシートフィルムは2種類あり,ヨーロッパで普及した「大名刺判」(6.5x9 cm: 実寸63x88 mm)と,アメリカで使われた「小名刺判」(2.25x3.25インチ: 実寸57x82 mm?)がある。リンホフは,2つの規格に合わせた専用ホルダーを提供していて,大名刺判には"6 1/2 x 9",小名刺判には"2 1/4 x 3 1/4"とホルダーに表示がある。この2種類のフィルムには互換性がなく,各ホルダーに合うフィルムを入手して使う必要がある。大名刺判は画面が一回り大きいのでお勧めだが,小名刺判は,チェキのインスタントフィルム(Instax mini)が使える(?)という噂がある(No.2065)。

純正のホルダーは,「リンホフダブルホルダー23」と「スーパーカットフィルムホルダー23」があり,前者はシートフィルムかガラス乾板が装着できるが,後者はシートフィルム専用で,その分薄く軽量に作られている。前者はテヒニカIIIの発売(1946年)から提供され,後者はV(1963年)から追加された。どちらも表と裏に2枚のフィルムが装填でき,4x5や5x7インチのホルダーと基本的に同じ構造になっている。(因みに,テヒニカ23は,グラフィック規格のフィルムホルダーが使用できるとIVの取説に説明がある。)

大名刺判のシートフィルムは,国内では10数年前までモノクローム(フジ ネオパン100 ACROS)が販売されていたが,現在は製造中止。一方,海外では種類は少ないがシートフィルムの販売が続いている。最近120フィルムが高騰している事もあり,代替策を考える目的でホルダーを購入してみた。中古のホルダー(大名刺判)は,eBay等で2000~6000円程で,以前と比べて半値位。


写真:リンホフダブルホルダー(左)とスーパーカットフィルムホルダー(右).

狸おやじ 2022/09/25(Sun) 21:31 No.2063
Re: シートフィルムホルダー
リンホフのダブルホルダーの重さは150 g,スーパーカットフィルムホルダーは110 g程で,どちらも軽量に作られている。
大名刺判の画面サイズは58x81 mmで,6x9判のスーパーローレックス23(57x85 mm)より長辺が少し短い。フィルム(乾板)をダブルホルダーに装填するには,引き蓋を引いてロックを外し末端のフラップを開き,圧板と側面のガイドの間に挿入する。ホルダー側面にはイジェクトレバーがあり,レバー操作でフィルム(乾板)を取り出せる。スーパーカットフィルムホルダーも同様だが,フラップの開閉が逆向き(内向き)で,背面とガイドの隙間(0.5 mm程)にフィルムを滑り込ませて装填する(圧板とイジェクトレバーは省かれている)。圧板はフィルム面の正確な位置決めと固定に役立つが,薄いシートフィルムを使う場合,圧板の力が強いので指で押しながら装填する必要がある。シートフィルムだけを使うなら,カットフィルムホルダーの方が装填が楽だと思う。

ホルダーは,ピントグラスバックのスプリングスロットに直接挿入するので,バック全体を交換するフィルムバックより操作が簡単。操作手順は,ピント合わせの後,ホルダーをスロットに挿入して引き蓋を(フィルムが露出するまで)引き撮影。引き蓋を(反転して)戻しホルダーを抜き反転挿入。裏面で同様に撮影してからホルダーを抜く。

ホルダーの着脱は片手でできるので,慣れるとワンアクションでホルダー挿入+引き蓋引き,引き蓋戻し+ホルダー抜きが可能。左手のアナトミカルグリップでカメラを保持しながら,右手でホルダーの着脱と反転を繰り返しながら撮影できる。この辺は流石に「プレスカメラ」で,良く出来ている。操作のコツは,撮影後に引き蓋を反転させて番号面を内側にして「撮影済」のサインにすることと,ホルダーを抜く時に斜め後方に引いてスロットのロックを外し(抵抗を減らし)てから抜くこと。


写真:ダブルホルダーとスーパーテヒニカ IV 23.

狸おやじ 2022/09/25(Sun) 22:00 No.2064
Re: シートフィルムホルダー
報道写真用の「プレスカメラ」は,グラフレックスのスピードグラフィックが有名だが,距離計付のスーパーテヒニカ III(1946年~)やテヒニカプレス23(1956年~)も健闘していた。昔の映画の撮影シーン(ローマの...)等を思い出しながら,ホルダーを操作して撮影すると楽しそうだ。

問題はシートフィルムが入手し難いこと。
現在海外で販売されている大名刺判(6.5x9 cm, 2.5x3.5インチ)のモノクロフィルムは,私が調べた範囲では,

Foma Fomapan 100, 2.5x3.5 inch, 50 sheets, 19.04ユーロ(*)
Adox CHS 100 II, 6.5x9 cm, 25 sheets, 32ユーロ
Ilford FP4 Plus ISO 125, 2.5x3.5 inch, 25 sheets, 64ユーロ
Agfa APX 100, glass plate, 65x90x1.5 mm, 10 pieces, 119ドル
Shanghai GP3 100, 6.2x8.9 cm, 100 sheets, 8196円(**)
...

値段が手頃なのはフォマパンで,一枚0.4ユーロ(60円程)。送料を入れても安そう(*)。
アドックスCHSやイルフォードFP4は画質に定評がある。アグファのガラス乾板(!)も魅力的だが,現像は難しそう。自分でカットする場合,5x7インチフィルムからだと6.5x9 cm(2.5x3.5インチ)が4枚取れるので効率的と思う。

フジのチェキ用のインスタントフィルム(Instax mini, 54x86 mm)が,グラフレックスの小名刺判ホルダー(2.25x3.25インチ)に装着できるという情報が海外のサイトに出ている。フィルムの装填や取出しは暗所で行い,現像(ローラー押出し)にはチェキか専用バックが必要なようだ。(リンホフの小名刺判フィルムホルダーで使えるかどうかは,現時点で未確認。)興味のある人は,例えば,
https://www.youtube.com/watch?v=nxh7jBVvuOg

以上ご参考になれば幸い。

*) フォマパン100は,日本でも販売が開始された。詳しくはNo.2072の追記を参照。
**) 2023年2月2日追加。
狸おやじ 2022/09/25(Sun) 22:33 No.2065
フラッシュブラケットの利用法
テヒニカ23(45,57,70)の右側面には,「フラッシュブラケット」という金具(15.5x57 mm)があり,専用のフラッシュユニット(Linhof Capacitor Flash Gun)や右手のアナトミカルグリップを装着できる。しかし,リンホフの純正フラッシュや右手グリップはあまり数が出なかったようで,現在の中古市場ではほとんど見ない。

このブラケットを活用する方法が無いかと考えていた。理想的には丸いリフレクター付きの古典的なフラッシュガンを取り付けて「プレスカメラ」風(Weegee風?)に楽しみたいが,ブラケットにはいろいろ種類があり,例えば米国のグラフレックスのスピグラ系のブラケットとは形状が異なるようだ。テヒニカのブラケットに付きそうなフラッシュガンは,リンホフ純正か日本のミニカムが1950~60年頃に作っていたようだ。ミニカムのフラッシュガンはeBayにも出品があり,格好が良くて魅力的だが,燃焼型のZrフラッシュなので実用性に乏しい。ミニカムは電子フラッシュ(Twinklite)も出していて使えそうに見える。でも,50年以上前の電気製品(特に高圧電解コンデンサー)は心配だなあ... と手を出しかねていた。

最近,ヤフオクでミニカムの「フラッシュ台」を見つけた。これはTwinkliteの発光部を取り除き,代わりにコールドシューを取り付けたような形状で,文字通りフラッシュ台というか単なるグリップ。でも,側面にテヒニカのブラケットに付きそうな継手がある。謎の商品(改造品?)だし,テヒニカに付くかどうかも分からないが,駄目で元々,2500円なら勉強代と思って落札してみた。

取り付けてみるとピッタリ。やったー。(兵庫県の売主様,ありがとうございました。)


写真:ミニカムの「フラッシュ台」とテヒニカのブラケット。

狸おやじ 2022/11/13(Sun) 15:21 No.2068
Re: フラッシュブラケットの利用法
ミニカムのフラッシュ台は,継手のジョイントをブラケットの下から差し込み,黒いダイヤルを回して締め付けて固定する。ブラケット上部には反り(ストッパー)があり,固定ダイヤルを締めた状態だと数kg重の力に耐える強度がある。フラッシュ台はカメラのグリップとしても使える。

この台に,昔から使っているパナソニックのストロボ(PE-36S)を,エツミのホットシューアダプター(E-519)を介して載せてみた。本来はグリップ型の強力なストロボを使いたい所だが,手持ちのスナップ撮影では軽い外光オートのPE-36Sも重宝する。完全マニュアルのテヒニカで,ストロボを使う時はオートで撮れるのは不思議な(得した?)気がする。ガイドナンバーは36(35mm画角)だが,実は最近のストロボ(例えば,ニッシンMG8やMG80Pro)より大光量。手持ちの直当てはNGなので,バウンスか,白色以外の天井や野外ではバウンス型のディフューザー(LumiQuest LQ-103S)を使う予定。フラッシュ台を外せば手持ち用になり,リモートセンサー(PW-12S)を使ってオフカメラでオート調光もできる。総重量3.6 kgと重いが,両手でグリップを握るなら許容範囲。昔の「プレス風カメラ」は見た目の迫力があり,人の集まる所で使うと楽しそうだ。


写真:ミニカムフラッシュ台(+PE-36S+LQ-103S)とテヒニカIV23。

狸おやじ 2022/11/13(Sun) 16:58 No.2069
Re: シートフィルムホルダー
狸おやじ様、今回もたいへんな労作まことにありがとうございます。

2x3シートはピントグラス撮影での操作性と、フィルム平面性の良さで以前から気になっておりまして、しかしフィルム入手難のためいつも尻込みしていました。
20年ほど前はヨドバシカメラでアクロスがまだ置いていましたね。

さてその中で、大名刺判と小名刺判があり互換性がないことは今回初めて知りました。
6x5x9cmと、2,25x3.25"が違うものだとはまったく考えていませんでしたし、リンホフ がそれぞれに対応したシートホルダーを出していることすら知りませんでした。
まったく不勉強かつ不注意の極みですが、導入する前に情報をいただけたことは何よりです。

私の海外通販先は、米国はフィルムなどを購入することはあっても欧州はカメラ機材だけで、フィルムを注文できる店を知らない始末。
試しに米国B&Hを除くと案の定2.25x3.25しか在庫していませんでした。
日本では以前かわうそ商店さんに6.5x9を置いてたと思ってたら、もうないようで...

まずはホルダーを確保しないと始まりませんし、そのホルダを大小どっちにするかでフィルム注文に至りません。
国内ではマミヤプレス 用が結構ジャンク箱にあったのだけど,コロナ流行ってからジャンク箱覗きにいってないからなあ...もう捨てられてるんじゃ...
れんずまにあ 2022/11/13(Sun) 19:58 No.2070
Re: フラッシュブラケット
ブラケット、とてもよい利用法がみつかりましたね。

グラフレックスのはスターウォーズのライトセーバーに加工される目的で大人気(w
とてもまともな目的で買えません。

PE-36Sはとてもよいフラッシュ。
昨今の特定機種に高度に専用化したフラッシュと真反対に、高度に汎用化した最後の製品かと思います。
すなわちマニュアルカメラに最適。おっしゃる通りフルメカカメラがあっという間に自動露光カメラに変身。
下位機種PE-28Sとともに、マクロ機能が内蔵されているのも私的にはポイント高いです。

最近のフラッシュGNは望遠側に照射角を絞った時の表示が多く、ハイパワーに見えて実はしょぼいものが多いですね。
やっぱりフラッシュは周り全体を如何に明るくできるかで決まります。
GNは35mm角より狭い条件の表示は禁止すべきです(w)またはワット数で表示すべき。
私もルミクエストつけてます。
れんずまにあ 2022/11/13(Sun) 20:11 No.2071
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様

沢山コメントをいただきありがとうございます。

テヒニカ23/70の2種類のフィルム規格(大名刺判:6.5x9cm,小名刺判:2.25x3.25インチ)は,実は私も良く知らなかったのですが,書きながら取説や海外のサイトを調べる中で分かってきたというのが実情です。なので,途中で何度も書き直し,混乱させてしまったかもしれません。上に書いた情報が,少しでもれんずまにあ様や皆様のお役に立てば幸いです。

大名刺判のシートフィルムは私も入手したいと思い,いくつかの店舗に打診していますが,まだ返事がありません(*)。ドイツのMacodirectやスイスのTopfotoには在庫がありそうなので交渉してみて,何か進んだらご報告します。B&Hには1つ(Ilford Delta 100)出ていますが,25枚で173ドルは高すぎですね。

テヒニカ23/70のピントグラスバックは,一般的なグラフレックス23規格(小名刺判?)のフィルムホルダーが使えるかもしれません(IVとVの取説にその旨の記述あり)。マミヤプレスのフィルムホルダーも(グラフレックス23規格なら)使えるかも。

PE-36Sは私も愛用しています。少し古くなり心配なので,予備を1つ中古で購入しました。(PE-36Sの公称出力は60Wsですが,発光効率が高い為か,ニッシンの83Wsの機種より光量が27%程多い。実光量から"実効出力"を計算すると,105Wsになる。)現行の外光オートの汎用ストロボはMecablitz 64だけかと思っていましたが,Godoxが新しい外光オートフラッシュ(Lux Senior)を出したようです。これは復古調の小型フラッシュですが,センサーや制御用チップを用意したはずで,今後他のフラッシュにも外光オート機能が付くかな(?)と少し期待しています。

ルミクエストは使い易いですね。コンパクトに折り畳めるので便利です。拡散部を丸く大きくしてくれるともっと良いのですが,どこか日本のメーカーが作ってくれないかなあ。

*) 追記(2022年12月18日):
大名刺判のシートフィルムについて,「みらいフィルムズ」さんと「かわうそ商店」さんから連絡があり,フォマパン100(6.5x9cm, 2.5x3.5インチ)の販売を開始したそうです:
http://miraifilms.jp/?pid=171792675
http://kawauso.biz/products/list.php?transactionid=50414011ac6ee099aab878a36f671ccb09ff7522&mode=search&category_id=188&name=&search.x=88&search.y=19

50枚入で3300~4600円なのでリーズナブルと思います。
他のフィルム(Adox, Ilford... )についても,情報が入ったらご報告します。

中判シートフィルム市場が盛況になると嬉しいなあ。
狸おやじ 2022/11/14(Mon) 21:27 No.2072
Rotelar 270mmf5.6
昔の広告ですがプレス23用のロテラー270/5.6です。
ボディ不所持で入手の目処もありませんでしたので,興味はあったものの記録だけしていました。
70用は出たのかどうか興味深いです。

れんずまにあ 2022/12/08(Thu) 18:15 No.2093
Re: Rotelar 270mmf5.6
れんずまにあ様
テヒニカプレス用のロテラー270mmは迫力がありますね。プレス70用も出たかどうか...

ロテラーは私も好きなレンズで,180mm(F4.5)を愛用しています。テレフォトレンズは非対称構成の為か,対称型の広角や標準レンズより設計者の思想(収差特性)が画像に出易いと感じます。ロテラーと共に気に入っているのはテロマーで,コントラストは控え目ですが解像度の高いシャープな描写と背景のボケ味が魅力です。
狸おやじ 2023/01/04(Wed) 22:02 No.2111
Re: 2x3シートフィルム
狸おやじ様、情報ありがとうございます。
大名刺の入荷があったとのこと。
慌ててホルダーの捜索に掛かりました。
ホースマン とマミヤは片面で大抵2枚セットで出ていますが、流石に2カットでダークバッグ交換は、肖像写真館でもなければ実用的ではありません。
それに国産は2 1/4なのか2 1/2なのかよくわからない。
海外にリンホフ2 1/2が出てますけど流石にリンホフは高価です。
オクに出品があるフィディリティは2 1/4小名刺のほうですね。裏表2個で4カットなら最低限持ち出せそうですが。
乾板カメラ用のホルダーに入るのなら面白いけれど、そちらも手持ちは数がなく、実用には時間がかかりそうです。
ホルダは探すとして、フィルムから先に抑えるべきかしら。
もうひとつ、現像をどうしようかと。皿現像は不可能じゃないけど、タンクが使える4x5のほうが気軽な現状は本末顛倒な気がします。これは私の環境の問題ですが。
れんずまにあ 2023/01/06(Fri) 21:28 No.2112
Re: 2x3シートフィルム
れんずまにあ様,コメントをいただきありがとうございます。

フォマパン100(大名刺判)は,国内では上の2店舗で販売されています。どちらも在庫はなく注文(+入金確認)後の取り寄せになるそうです。私は,12月にかわうそ商店に一箱注文しました。1-2ヶ月かかるそうで,気長~に待っています。

ホースマンやマミヤの製品には疎いのですが,私の手元にホースマンのカタログ(1996年版)があります。これを見ると,VHの6x9マウント(G)用として,片面シートフィルムホルダー(6x9大名刺判及びキャビネx1/4,No.22481)とリスコリーガルII(2.25x3.25"小名刺判,No.28423)が出ています。なので,恐らく片面ホルダーの2枚セットは大名刺判で,Fedilityがリスコと同じ米国製なら小名刺判(?)と思います。

ガラス乾板用のホルダー(大名刺判,ベンツィンプリマー用)が,私の手元にもあるので試してみました。しかし,背面が板バネなので薄いフィルムは平坦に収まりません。板バネの高さを調整すると何とか収まるのですが,フィルムサイズが微妙に(乾板より?)小さい為か固定が安定しません。平坦性も含めてきちんと装填するには,背面に薄板を入れる等の工夫が必要の様です。もしかするとチェキ(Instax mini)は厚めなので(小名刺判なら?)上手く装填できるかも。

>もうひとつ、現像をどうしようかと。皿現像は不可能じゃないけど、タンクが使える4x5のほうが気軽な現状は本末顛倒な気がします。

そ,そうですね。現像をどうしよう...
ネットを探すと4x5”用の現像タンク用スペーサーがあるのでそれを流用できないか。あるいはステンレス板でホルダーを自作している方もいるようです(4x5”用ですが)。輪ゴムを使うという手もあるかも...

実は私は現像タンクから揃えないとならず,6.5x9シートフィルムの現像ができるタンクを購入しようかと考えています(パターソンPTP-115+QL69-Pかヨーボ2520辺りが候補です)。それまでは,恥ずかしながら外注の予定です。

私が調べた範囲で一番お手頃の価格を提示してくれた現像所は,プロラボサービスネットです。
4x5”の10%増の価格で現像でき,増減感にも対応してくれるそうです。価格表は,
https://www.tac-photo.co.jp/prolab/dev.html
狸おやじ 2023/01/07(Sat) 13:08 No.2113
Re: シートフィルム 現像
狸おやじ様詳細にご説明ありがとうございます。
みらいフィルムズさんはいつも通販しており,オーダーかけてみようと思います。

シートフィルム 現像は、いちいち暗室を作らねばならない皿現像は大変なので、8x10のようなタンク現像が不可能なサイズはやむなくやりますが、大名刺のような小型フォーマットには億劫です。気軽に撮影して、現像大仕事ではちょっと...

10年ほど前新宿ヨドバシでイルフォードMod54 Sheet film Mk27というパターソンタンク用の4x5が6枚セットできるホルダを購入しており、昨年から実用を始めました。
135x2、または120x1用のパターソンにちょうど入ります。
ただ今ヨドバシ通販サイトを確認したら、倍以上に値上がりしていて驚きました...

大名刺にもなにかホルダーがあればよいのですが...Mod54を参考に、自作も可能かもしれませんね。
あるいは、ダークバッグを改造して、明室で手だけ突っ込んで作業できるボックスが作れたらどうかなと妄想しています。
ミニラボで使っていたフィルム巻き込み対策の、両手を入れる小型トランクのようなボックス(フジフィルムの塗装がしてある)を頂いたので,何かできないかなと。
少し悩んでみます。

<追記>
マミヤプレス の説明書https://corect.net/lib/pdf/MAMIYA/MAMIYA_Mamiya_Press.pdf
に、乾板ホルダーの乾板サイズは21/2x31/2であること、
カットフィルムはカビネサイズ(4 3/4 x 6 1/2)を1/4に切って乾板撮り枠(乾板ホルダーのこと)に入れて使うこと(本当にカットするんだ...カッターもマミヤが用意していた模様)
大名刺のカットフィルムが手に入る時は、フィルムの後ろに不要の乾板などをあてがって使用、と書いてあります。
大名刺はやわらかいので平面性が単独では保てないのでしょうか。それならカビネは硬いのか?

私も乾板ホルダーに入れる際にはプラスチックの板などを後ろに設置するか、板に粘着力が弱い何かでフィルムを貼り付けてもいいかなと考えてましたので、ちょうどよかったです.
すると、最悪120を切断して板に貼ってもいいのか?? 悩ましいですね。
れんずまにあ 2023/01/07(Sat) 18:27 No.2114
Re: シートフィルム現像
れんずまにあ様,早速のお返事と貴重な情報をありがとうございます。

Mod54 Mk27 4x5 Film Processorをネットで見ました。フィルムがワンタッチで固定できて使い易そうですね。この2x3"判があればベストですが,残念ながら今は出てないのですね。

ご存知かも知れませんが,"20th Century Camera"が,Paterson用のフィルムホルダー(QL69 (6.5x9cm), QL23 (2.25x3.25"))を販売しています(https://20thcenturycamera.com/collections/film-reels)。6角スパイラル状のリールで,6枚のシートフィルムを装着できるようです。135x2以上の現像タンクで使えるようで,Patersonをお使いなら候補になると思います。JOBOは2509nという汎用型ホルダーを出していて,これは6x9cm~4x5"をカバーするようです。ただ,2520以上の大型タンク(回転式?)が必要で,値段も高いのが難点です。使い勝手も,動画を見る限り少し?です。

マミヤプレスの説明書は大変興味深いです。専用カッターまで売っていて驚きました。ホースマンのカタログにも「キャビネ1/4」とあり,どう1/4にするのか疑問でしたが,昔はカッターを所持して自分で切る人が多かったのでしょうね。(カッターを持ち込む)暗室をどうするとか,手探りで上手く切れるかとか,指を切ったりしないのとか... 考えると色々謎で興味深い。

拙宅にはダークバックもないので,れんずまにあ様のダークボックス(FujiのFDB12L?)が羨ましいです。Fomaのシートフィルムが届いたら,押入れで「ドラエモン」化するしかないか。。。
狸おやじ 2023/01/08(Sun) 11:11 No.2115
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
はじまして、投稿させていただきました。長年、フイルムカメラ愛用、デジタル初期に嫌になってしばしおさらば。ここ2年ほどでいきなり中判デジタルを始めて当初は夢中に、でも待てよと固まったハッセルをオーバーホールして又フイルム回帰しています。6×9に憧れて昔のスプリングカメラ物色しているうちにリンホフ23Vにぶち当たり購入したが最後底なし沼を楽しんでいます。まだレンズはアポジンマー1本ですが思いっきり6×9を楽しむつもりです。ついでにGFXアダプターも注文しました。届いたら二刀流楽しむつもりです。このサイト大変勉強になります。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/01/19(Thu) 23:45 No.2125
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,ようこそいらっしゃいませ。
中判デジタルからハッセルブラッド,リンホフテヒニカ23Vは,珠玉のご選択とお見受けします。こちらこそどうぞよろしくお願いいたします。

テヒニカ23Vは,最終モデルであることに加え,距離計連動機構が規格化された為,互換性と拡張性に優れる最高のカメラと思います。お使いのアポジンマーに加え,広角65mmや望遠180mmも,23V型ボード付きなら,お持ちのカムで距離計に連動するかもしれません。これはVと70の特典で羨ましく思います。(IVまでは個別の調整ですが,Vと70からは標準規格への調整になったようです。)

>ついでにGFXアダプターも注文しました。

これは楽しみですね。届きましたら是非ご使用の感想をお教えください。最近フィルム価格が高騰し,カラーポジ等はいつ廃番になるか分からない状況です。私もデジタル移行に備えてハッセルV用アダプターを用意しましたが,CFVデジタルバックは(予算的に)まだ目処が付きません(No.1633)。フジのGFXは評判が良いので,先ずはGFXを購入しテヒニカ23に付けてみたいとも考えていました。GFXアダプターが上手くフィットして使い易いと良いですね。
狸おやじ 2023/01/20(Fri) 20:39 No.2126
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
心強いお返事、ありがとうございます。何せ、アオリのテクニック知らずのズブの素人が禁断の扉開けてしまいまして、今までのピント合わせからやり直しです。恥を忍んでエキスパートの皆様に質問していくつもりです。大名刺判?やってみたいですねー。フジフイルムにフイルム専門子会社を作ってもらいたいくらいです。デジタルは綺麗ですが、何故か感動しません。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/01/20(Fri) 22:24 No.2127
Re: リンホフテヒニカV23
フィルム大好き様ようこそいらっしゃいませ.
スーパーテヒニカVは機能と強度と優雅なデザインを兼ね備えた憧れの機種でした.
すばらしいカメラを御入手ですね.
アポジンマーは120を使っていますが、目が覚めるほどシャープで、ソニーα7ステッチでも画素に負けない先鋭さです.
落ち着かれたら,ぜひスーパーV23のスレッドを立ててくださいね.
今後ともよろしくお願いします.
れんずまにあ 2023/01/21(Sat) 13:14 No.2128
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様に続き、レンズマニア様と巨匠にコメントいただき大変恐縮しています。35mmをはじめ6×6はもう30年続いて慣れていた所、YouTubeで外人の紳士が6×9フォーマットの素晴らしいサイトを見たのがことの始まり。です。ebay、銀座徘徊、ベッサかイコンタか、、カメラ好きの決まるまでエンドレスの夢遊病の最中、店の店主が、コレも120のブローニーですよと目の前にドンと。憧れはありましたがシートフイルムに自信が無く、見てみぬふりをしてきた舞台にいきなり立ってしまった瞬間でした。重さも快感です。定年後のカラダ鍛えるつもりて是非、よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/01/21(Sat) 16:42 No.2129
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
>アオリのテクニック知らずのズブの素人が禁断の扉開けてしまい

アオリは私も素人で,長くやっている割に確信が持てません。基本を押さえた後はあまり細部にこだわらず,フィーリングに合わせて撮影を楽しまれると良いと思います。倒立像でイメージが湧き難い時は,GFXのプレビューを利用すれば,正立像で確認できて便利と思います。

スーパーテヒニカ23は重量級で持ち運びは大変ですが,その分堅牢な精密機械を操作する楽しさがあります。晴れた週末の午後に郊外にテヒニカを持ち出し,じっくりと構図を決めて美しい風景を撮影する喜びは何物にも代え難いと感じます。テヒニカと充実した時間を楽しみましょう。
狸おやじ 2023/01/22(Sun) 10:53 No.2130
Re: スーパーテヒニカV23(6x9)
フィルム大好き様、
> ベッサかイコンタか、、
私もスプリングカメラから6x9に入ったのでお気持ちよく理解できます。
モノレールをフィールドに持ち込んでた時、セットアップ時間でチャンスを逃しそうになった際にベッサが助けてくれたことは1度や2度ではありません。
しかしスーパーテヒニカV23なら開いて距離計合わせるだけですから、サブカメラを持つ必要はないのですよね。
レンズも最高のものをお揃えですから、これからが楽しみですね。
れんずまにあ 2023/01/22(Sun) 18:08 No.2131
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
ありがとうございます。実は、蛇腹カメラの写りの良さを色々な記事で知り、フォクトレンダーのヴィテッサ ウルトロン付きを手に入れて、散歩カメラで試してみました事があります。モノクロで期待もせず現像上がりを見て、オイオイ、ちょっと待ってよってと、驚いた経験から蛇腹に対して考え改めました。その後しばらく手元にあったローライフレックスも裏から見たら蛇腹構造なんですね。以後蛇腹は絶対感が植え付けられました。いずれも手元から離したのが悔やまれます。
フイルム大好き 2023/01/22(Sun) 19:05 No.2132
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
諸先輩の皆様に質問です。
垂涎物の名玉を、惜しげもなくお使いで羨ましいです。
皆様は、レンズフィルターを使わずに撮影していらっしゃるのですか?
とりあえず、アポジンマー用40.5のフィルター用意してしまいました初心者から、素朴な質問です。
フイルム大好き 2023/01/24(Tue) 18:54 No.2134
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
> 皆様は、レンズフィルターを使わずに撮影していらっしゃるのですか?

そうですね。
私は,特に必要がない場合,フィルターは付けない主義です。それ程高価なレンズを使っていない事もありますが,レンズそのものの描写で撮りたい事と,できる限り反射面を減らしたいというのが理由です。ただ,これは人にはお勧めしていません。その代り,古いレンズの場合,レンズシェード(フード)は付ける様にしています。あまりご参考にならないかもしれませんが。
狸おやじ 2023/01/24(Tue) 20:57 No.2135
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。
以前、レンズに拭き傷付けてしまったトラウマから、恥を忍んで付けていこうと思います。レンズシェード&#10071;&#65039;コレまた沼ですね&#12316;。ゆっくり物色してみます。来月、アダプターが届くと思います。それまで、機材の操作に慣れて準備整いましたらご報告するつもりです。それまでフイルムで楽しんでみます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/01/24(Tue) 21:23 No.2136
Re: フィルターについて
個人的な方針ですが狸おやじ様同様、つけなくてもよい状況ならノーフィルターで撮影しております。
砂塵粉塵環境や雨天,潮風ではプロテクターを考慮しますが、最近の透過率が高いものを選ぶようにしています。
超広角では、ステップアップリングでふたまわりほど大きいサイズを付けます。
また最近モノクロ撮影が多くなりましたので、黄色や緑を集めていますが、まだ本格導入はしていません。

80年以後の製品ならほぼ問題ないと思いますが、旧製品:プラナーやアポランターなどは、レンズ前玉がかなり突出していて、ケンコーなどのガラスに接触し、レンズ先端部分に傷が付いている個体をよく見かけます。
プロショップのアドバイスとして、ティッシュペーパーを挟んで取り付けてみて、接触するようならねじ込み中止するよう助言されました。

また昔のレンズにはアタッチメントスレッドのピッチが今と異なるものがあり、無理にねじ込むとねじ山が削れてしまいます。こちらも慎重にされますよう。

アポジンマーでしたら、何も心配はいりませんね。

シェードはお勧めします。有る無しでGFXで撮り比べてみられたら納得されるかと。
れんずまにあ 2023/01/24(Tue) 22:10 No.2137
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
ありがとうございます。ティッシュ!ですか!あり得ますね!覚えておきます。フィルターホルダーでセットは経験は有りませんがカッコイイですね。
GFXは正直期待半分です。上がりが想像出来てしまいます。本来の目的の6×9ポジアルバム作成が願いです。今も6×6のポジの上がりを待っている所です。この気分もたまりませんですね。ライトボックスに置いて電源を入れた時のトキメキはモニター見るより
はるかに楽しいです。フード物色中です。苦しいですが楽しいです。
フイルム大好き 2023/01/24(Tue) 23:48 No.2138
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
この世界、ド素人からの質問です。広角レンズ好きで、アングロンf8を手に入れました。ボードが凹んでいるのは何故なんでしょうか?また、解放ノブが無いので、ピント合わせはB固定しか方法はないのでしょうか?恥を忍んで質問させてください。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/02/01(Wed) 22:05 No.2142
Re: スーパーテヒニカV23用広角?
スーパーテヒニカV23を持っていないので正確な情報かは自信がありませんが...

>ボードが凹んでいるのは何故なんでしょうか?

大判カメラ用広角によくある凹みボード(Recessed lens board)ですね。
広角レンズはフランジバックが短いため、特にテクニカルカメラではフロントスタンダード位置が奥に入って操作困難だったり、アオリができにくかったりします。そのため少しでもスタンダードの位置を前進させるために凹みボードに装着することがあります。2x3用凹みはとても貴重ですよ。

>解放ノブが無いので、ピント合わせはB固定しか方法はないのでしょうか?

旧型47,65mmは#00シャッターに入っていて、これはタイムやプレスフォーカスレバー(開放レバー)がありませんので、おっしゃる通りBにしてレリーズで固定するしか開放固定できません。操作性は悪いとしか言えません。
グラフレックスXLには外部からバルブ固定できるラッチを持つものもあるんですが...

さて、65mm超広角は、横位置はベッドで蹴られないと思いますが、縦位置では蹴られるでしょう。
そのために、リンホフ70では、ベッドダウンして内レールを一杯に下げ、フロントをアップティルトして取り付けます。(70のスレッドをご参照ください)
多分スーパーテヒニカでも同じ操作になると思うのですが、いかがでしょう。
もし距離計のディスクカムに65mmがあるならば、ベッドダウンで近距離まで連動するか確認されてください。
ベッド90度では距離計連動しない可能性があります。また90度で連動すれば、そういう仕様なのでしょう。

スーパーアンギュロン65mmは素晴らしい画質ですので、どうぞお楽しみください。
れんずまにあ 2023/02/01(Wed) 22:31 No.2143
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
早速にご指導ありがとうございました。
疑問が氷解いたしました。
以前、大分前、ライカM用アングロンに憧れ遂に手に入れることが出来ずそのままライカからはフェードアウト。このレンズを見た時、脳裏のあの姿が蘇ってしまいました。時間をかけて付き合っていくつもりです。このサイトに感謝です。
フイルム大好き 2023/02/01(Wed) 22:44 No.2144
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
素晴らしいレンズをご購入ですね。シュナイダーのスーパーアンギュロンは,ツァイスのビオゴンと共にテヒニカ用の最高の広角レンズと思います。撮影が楽しみですね。

れんずまにあ様のご解説で全て氷解されたと思いますので,若干の補足のみです。
この凹みボードは,テヒニカ23の場合,小径のコンパー#00番シャッターのレンズのみに付きます。れんずまにあ様の仰る通り,凹みボードはアオリの自由度が増えて使い易いですが,#00番シャッターには開放レバーがなく操作性が悪い。私は野外での撮影では,消しゴムの小片や小紙片をシャッターレバーとソケットの間に差し込み,B開放する(レリーズケーブルの代わりにする)こともあります。
狸おやじ 2023/02/02(Thu) 00:01 No.2145
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。思い切って買ってよかったと、デスク上でまずは眺めて、愛でています。(恥ずかしい)何せ、スーパーアングロンに対して30歳台では高値。溜まった資金を懐に銀座に出向くと売約済み。恨みに近い憧れがあったくらいです。あの頃は確か3.4だったかな?引退後の余生にはf8というのが妙に噛み合う気がしています。エキスパートの皆様の応援を受けながら一枚一枚丁寧に撮影したいと思っています。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/02(Thu) 01:02 No.2146
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様、狸おやじ様
実は、65mmのカムは付いていますが、ストッパーとゲージはまだビニール袋です。セット方法はプリントでいただきましたのでマイクロドライバーが届いたらチャレンジしてみようと思っています。何から何まで設定ボタンですっスすっスと進む今のカメラとは大違いで正に私が求めている世界です。フイルムの追いやられている現状に、フジの社長宛直訴状出そうかと、真剣に考えております。夜分に失礼致しました。
フイルム大好き 2023/02/02(Thu) 01:27 No.2147
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
スーパーアンギュロン65mmF8は古いレンズで,コントラストや解像度は後のF5.6やMCと比べて劣ります。
でも,私はこのレンズのコントラスト控え目で繊細な描写が気に入ってます。高コントラストのカラーポジとの相性も良い。ご存知かもしれませんが,このレンズは割と愛用者が多く,写真家の横木安良夫さんや渡部さとるさんの愛用レンズとしても知られています。

例えば,
https://note.com/alao_yokogi/n/nce6ba6606a0a

階調の広い美しい描写をお楽しみください。
狸おやじ 2023/02/04(Sat) 22:21 No.2151
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございました。0.9のマイクロドライバーが届きましたので、65ミリのセッティングにチャレンジしました。カムをセット、ゲージを65用に換えて∞位置でストッパーセット。ベッドダウンはしないでイイと店主の指示に少し迷っています。精密作業に応えるようなクリック音に酔っています。アポジンマーのテストは済ませてポジの上がりを待っています。この様な高揚感は久しぶりです。時あたかも、これからは桜の季節。楽しみです。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/02/05(Sun) 17:50 No.2153
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
リンホフ三脚
度々、失礼致します。
自身、使用の三脚は、古いジッツオのアルミ3型4.1キロ、カーボントラベラーの2型です。3型は、文句ありませんが重い。トラベラーは持ち歩きには文句なしですがリンホフセットするとアタマでっかちの気がして、それならばと、リンホフ三脚ライトウエイトを中古で手に入れました。コレはベストバランスの気がしています。少しメンテしてご機嫌の状態です。知らなかった世界!です。
フイルム大好き 2023/02/06(Mon) 17:46 No.2155
Re: リンホフ三脚
リンホフカメラにはリンホフ三脚、ではありませんが、リンホフのアルミは30年前に小型のステーがない150cmくらいのを使って気に入りまして、10年前にライトウェイトプロ3段を入手しました。いいですね。

直接比較していませんがカーボンなみに軽く、設営撤収は圧倒的に速い。
車に常備して、中型では一番頻用。リンホフ自由雲台にアルカスイス対応のシューを載せて、トヨフィールド45程度まで使います。
他には伸長140cmくらいの小型カーボン(ベルボンカルマーニュ)を一緒に乗せて、ローアングルや小型カメラに。
それとカーボンの小型一脚を載せていて、中判と望遠付き35mmで機動性を重視する時、さらに三脚では振動が取り切れないとき4脚目にします。

ジナーのモノレールや、超望遠、中判2台載せなどではジッツォの大型カーボンを持ち出しますがほとんどはお留守番です。
三脚は中古が大変安くなるので、若い頃憧れた舶来モノが簡単に買えてついつい増えてしまいます...
れんずまにあ 2023/02/06(Mon) 21:32 No.2156
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
リンホフには、ライカ対極の沼が沢山ありますね。少し、怖くなってきました。ただ、入り口の緞帳が開くと未体験の世界が広がり、いつも、写真の世界はコレじゃなくちゃ!と飛び込んでしまいます。もう、新型デジタルカメラに対しては、全く興味が無くなりました。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/02/06(Mon) 22:20 No.2157
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,れんずまにあ様
リンホフの三脚はなかなか使い易そうですね。
私はマンフロットのカーボン(MT190CXPRO3)を野外用に使っていて,これは軽くて丈夫で気に入っています。室内用はジッツォの古いアルミ三脚ですが,これはリンホフに替えたいなあ。

最近私は,ギア雲台(SanwayFoto GH-PRO)を気に入って使っています(No.1643)。
テクニカルカメラでは,あとコンマ数ミリ僅かに傾けたい/起こしたい時がありますが,ギア式はダイヤル回転で微調整ができる。もしパン棒やボールヘッドに不満がある場合はお勧めです。
狸おやじ 2023/02/07(Tue) 20:41 No.2158
Re: ギア雲台
おお!ギア雲台をお使いで。
20年くらい前マンフロットのジュニアギアーヘッドを入手して、超望遠に使っていましたが,知人に貸したら帰ってこなくて(笑
マンフロットはクイックシューが特殊な大きなサイズで、昨今デファクトスタンダードのアルカスイス型ではありません。
SWfotoなど中国製はその辺いいですね。ちょっと覗いたら、さすがに激安ではない...
ギアヘッドはおっしゃる通り微調整の特効薬。
私は自由雲台が大好きですが、最強に締まるErgでも、三脚側のしなりはどうしようもありません。
現在私の撮影は大雑把なので、適当に位置決めしてますけども...
れんずまにあ 2023/02/07(Tue) 21:02 No.2159
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
ギア雲台、イイですねー。自身はアルカスイスP0をここ数年使っています。アルカスイスの中では不人気らしいですが、何せ軽い。395gで20kgの対荷重です。ベースプレートもリンホフ三脚とピッタリで、もう専用としました。ヨドバシの在庫整理で安く買えてラッキーでした。
フイルム大好き 2023/02/08(Wed) 13:25 No.2160
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
処女作です
近くの公園からのテスト撮影の結果です。
アポジンマー100mm。F32で15秒。ポジをライトボックスにおいて息を飲みました。フイルムは、ベルビア100です。
6×9素晴らしいですねー。

フイルム大好き 2023/02/09(Thu) 01:31 No.2161
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
素晴らしい作品をありがとうございます。
青い空を背景に薄明の光が幻想的に浮かび上がって見えます。
手前の暗闇にも家々の小さな灯がとても綺麗です。
ベルビア100は特に赤が映えて美しいですね。

今後も素晴らしい作品のご投稿をどうぞよろしくお願いします。
狸おやじ 2023/02/09(Thu) 18:47 No.2162
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございました。出入り禁止喰らうかと、ヒヤヒヤしていました。
6×9のシートフイルム、ご投稿の専門店見てみたら、全部sold outですね。チャレンジしようかとしていましたが、構想第一段階で頓挫。5×7から4枚?裁断機も無いし、そもそも暗室が、、。知り合いが写真教室で使用しているのを思い出して、当たってみようと思います。本当にフイルム世界は難民というか、サバイバルというか、、。レコード復活ニュースを羨ましく思っています。
フイルム大好き 2023/02/09(Thu) 20:55 No.2163
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
大名刺判のシートフィルム(Fomapan 100)は売り切れですか。
先程「かわうそ商店」と「みらいフィルムズ」のオンラインサイト(No.2072)を見ましたが,「買い物カゴ」には入る様です。その先で注文できない場合はどうも済みません。どちらも注文後の取り寄せですが,Foma社で在庫切れなのかも知れません。

Shanghai GP3という選択肢(No.2065)もありそうです。
https://shop.shjcfilm.com/products/shanghai-gp3-100-black-and-white-negative-film-6x9-sheet-film

上手く購入できると良いですね。
狸おやじ 2023/02/09(Thu) 22:47 No.2164
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。ありますね。入荷未定で、そっかあーという感じでした。2065のご投稿を読み直しているうち、ガラス乾板;即納ですね確か五反田の写真館でワンショット5万とTV放映を思い出して食指が動いています。暗室どうする?現像は?
ダブルホルダーebayに出てるじゃ無いですか。周辺環境考えながら可能なら、コレもトライと思っています。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/09(Thu) 23:28 No.2165
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
お騒がせします。
純正フードのご投稿no1993、拝読して検索致しました。高いですねー。自身、金属製ラッパ型が好きで、100mmジンマー用に合うんじゃ無いかと40.5mmリンホフ製と
65mm用にUN製メタルフードを手に入れました。気に入りました。

フイルム大好き 2023/02/10(Fri) 20:10 No.2167
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
お返事ありがとうございます。
ガラス乾板写真がワンショット5万円は凄いですね。
メタルフードもレンズにベストフィットで使うのが楽しくなりそうです。

中判シートフィルム関係の情報は,他にも興味を持つ方がいるかもしれないので,独立のサイトを作って纏めてみました。そちらもご笑覧いただけたらと思います。
狸おやじ 2023/02/12(Sun) 13:41 No.2172
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
ライトアングルファインダー
求めよ、さらば、なんとやら、、。GFXアダプターは未だに届かなく、ルーペて撮影できたはいいのですが、布を被らずでピント合わせに不便を感じていました。ご投稿から、このアクセサリーを知り検索して調べましたが新品は言うに及ばず、中古も高いですね。Googleに打ち込んでけんさくいたしましたらイギリスの店に100ポンドで発見!知らない店でしたが取り扱い商品を見て発注しました。送料;33ポンドDHLで1週間で届きました。ビスは、少し錆ありましたがあとは満足でした。ただ、リンホフ故に金属製と思いましたが、プラボディでした。
フイルム大好き 2023/02/21(Tue) 16:21 No.2181
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
おお,テヒニカ6x9用のライトアングル(リフレックス)ファインダーですね。
貴重な情報をありがとうございます。私も探していましたが値段が高くてまだ入手できていません。100ポンドは破格値ですね。新品(No.1960, #002629)は490ユーロですので。

このファインダーはピントグラスバックのフードを外して付けるのでしょうか? 
それともフードの扉を開けた状態でも付きますか? 使用感や見え方についてもお時間のある時にお教えいただけたら幸いです。
狸おやじ 2023/02/21(Tue) 21:24 No.2182
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。
プラボディを、コンパウンドで綺麗にして、やっと見栄えがするレベルにしました。ピントフードは外して取り付けます。倍率は、2倍ですが文句ありません。正直に言って、プライスに問題あり、と思いました。この価格あたりがいいと思いました。よろしくお願いします。

追加加筆致します。
ファインダー単体重量149グラム
レンズ部上から覗くと上下正像、左右取り付けで上下逆像となります。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/02/21(Tue) 23:38 No.2183
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,お返事ありがとうございます。
スーパーテヒニカV6x9に黒のファインダーが良く似合ってますね。

旧タイプのライトアングルファインダーは縦位置固定でしたが,新タイプ(V)はミラーの向きを変更できるのですね。上下逆像は見難いですが,縦位置撮影に変更する時は便利と思います。蝶番の反対側のピンで固定されているので,固定解除してファインダーを横に開ければピントグラスを(ルーペで)直接見れるのも便利そうです。
ファインダーが見易いと撮影が楽しくなりますね。
狸おやじ 2023/02/22(Wed) 21:29 No.2184
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
お陰様で大分操作に慣れて来ました。ので、tele-technikon 180mmを入手いたしました。ファインダー連動は望めませんがピントグラスで試してみるつもりです。先ずはシャッターチェックしてみてから報告したいと思います。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/04/14(Fri) 17:27 No.2210
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
Tele-Technikon 180mm ご購入おめでとうございます。
このローデンシュトックのロテラーは発色が良く,180mmでF4.5なので絞りを開ければ背景のボケも楽しめます。テレタイプなので,蛇腹をあまり繰り出さずに使えるのも便利です。

テヒニカVなら無限遠ストッパーを合わせれば,標準のカムである程度ピントが合うかも(?)しれません。撮影が楽しみですね。
狸おやじ 2023/04/14(Fri) 21:49 No.2211
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ご指導、ありがとうございました。2211のご投稿を拝読、もう一度セットして、見もしなかったレンジファインダー覗いて驚きました。ピント合っているではありませんか。何故なんでしょうか。
手持ちで使う気はありませんでしたがなんだかうれしくなりました。ありがとうございました。

フイルム大好き 2023/04/15(Sat) 15:17 No.2212
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
そうですか,ピントが合って良かったですね。

テヒニカの距離計連動カムは、III~IVまでは個々のレンズとカメラに合わせる「個別調整」でしたが,Vからはリンホフの標準規格にレンズとカメラを合わせる「絶対調整」になった様です。テヒニカの専用レンズ(23Vボート付,リンホフ刻印入)なら,無限遠にストッパーを合わせ,カムの位置をレンズの焦点距離(65, 100, 180...)に合わせれば,距離計の二重像の合致点にピントが基本的に合うと思います。(広角はベッドダウンの状態で調整されていることが多いので注意。)この規格はテヒニカ70とも共通のようなので,レンズの選択肢が広がると思います。

Tele-Technikonの黒鏡胴が格好良いですね。


こちらは古風な銀鏡胴のTele-Technikon.

狸おやじ 2023/04/15(Sat) 19:15 No.2213
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
シルバー、カッコいいですね。クロームのリンホフこそ、コストかかって高級感に溢れていますね。最近のエンプラ鏡胴のレンズには興醒めです。
ところで
いや、びっくりです。100mmも合っていました。リンホフ名の無いアポジンマーは少しずれていましたが、その後手に入れたシャッター粘っているリンホフ名のジンマーS100はピタリでした。65mmは乖離ありましたが、明るい時ベッドダウンして再調整してみます。購入時、距離計はレンズ番号一致していない旨言われていましたので当てにはしていませんでした。手間が要る機材は、楽しいですね。今後もよろしくお願いします。
そういえば、20th センチュリーカメラ、火事で在庫も全焼したみたいですね。復活祈っています。
フイルム大好き 2023/04/15(Sat) 20:46 No.2214
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
驚きました。20th Century Cameraが火事で全焼ですか。
それで,シートフィルムリールが全部「売り切れ」だったのですね。残念ですが,早期の販売再開を期待しましょう。

距離計が連動できて良かったですね。
テヒニカは手間と時間がかかりますが,手間が掛かる子供程可愛いと言います。手間暇かけて使いこなし,数枚の素晴らしい写真が撮れたら,気分は最高です。
狸おやじ 2023/04/15(Sat) 22:37 No.2215
ファインダーマスク(III-IV用)
テヒニカ23のIII-IVは,本体内蔵式のビューファインダーを搭載する。
このファインダーは,視野中央に距離計の二重像があり,ピント合わせをしながら画像のフレーミングができるという利点がある。しかし,後のVやテヒニカ45のマルチフォーカスビューファインダーと異なり,レンズの焦点距離とファインダーの倍率に合わせたマスクを取り付けて画角を調整する必要がある。ファインダー倍率は,広角ビオゴン53mmに対応したカメラ(B型)と広角65mmまで対応のカメラ(標準型)で異なる。また,広角から標準の範囲でズーム機能があるカメラ(主にIIIとIVの一部)と無いカメラ(主にIVの後期)があり,それぞれに専用のマスクが提供されている。更に,使用するフィルムフォーマット(6x6~6x9cm)でもマスクが異なる為,現在様々な種類のマスクが中古市場に出回っている。

カメラとマスクの種類の見分け方は次の通り:
1) カメラのアクセサリーシュー内のシリアル番号の下に"B"の印字があるカメラはB型。B型はIVの後期に多く,ズーム機能を搭載しないものが多い。この場合,"B"の印字があるファインダーマスクを焦点距離に合わせて使用する。

2) "f=65-105mm"の印字があるマスクは,ファインダーにズーム機能のあるテヒニカ(IIIとIVの一部)で使用する。広角65mmの時は,ファインダーのアイピースを奥まで押し込み,90mmの時は赤線まで引き出し,105mmの時は最遠まで引き出して使う。望遠180mmでは,"f=180mm"(無B)のマスクに取り替える。

3) "2 1/4x2 3/4"や"56x72"の印字があるマスクは6x7cm用。無印のマスクは6x9cmか6x6cm用が多い(この2つは目で見分けがつくので印字が無いようだ)。

横位置と縦位置は,ファインダーマスクを90度回転して切り替える。その際,フィルムバックも同様に回転する事をお忘れなく。
狸おやじ 2023/04/23(Sun) 20:31 No.2221
ファインダーマスク(III-IV用)
私のテヒニカIV23は,B型でズーム機能が無いタイプ。
ズームが無いと不便だが,アイピースを常時引き出して「フード」として使えるので,バックにロールフィルムホルダーを取り付けた時はファインダーが見易い。

購入時のセットには,65mmと105mmのマスク(6x9用)が付いていた。これは特に手持ち撮影で便利。しかし,180mmや240mmのレンズを買い足すと,それらのマスクも欲しくなる。こんな物は無駄とも思うが,通販サイトに安く出ているのを見つけたり,他のパーツに付いてきたりと,結局いろいろ集めてしまった。

主に使っているのは65~240mmのB型。ピントグラスで撮る時は不要だしアオればズレるのだが,ファインダーが使えると何だか嬉しい。105mm(無B)と100mm-B(6x6)のマスクは要らないので,希望があればお譲りします。


ファインダーマスク: 上左から, 65mm-B, 105mm-B, 180mm-B,
下左から, 105mm, 100mm-B(6x6), 240mm-B(6x7).

狸おやじ 2023/04/23(Sun) 21:04 No.2222
Re: Rotelar/Tele-Technicon 180mmf4.5
おふたりともとても素晴らしい望遠をお持ちですね。
拙宅には180は70用のTele-Arton f5.5, XL用のRotelar f5.5, Century 用にTelomar f5.5がありますが、Rodenのf4.5バージョンは見たことないので興味深いです。
ローデンのラインは、あまりカリカリしないでしっとり細やかに写る印象で、加えて大口径だとさぞや美麗な画像が得られるのではと期待しています。
距離計カムが合致していて良かったですね!
ズームファインダーをお持ちなら、ガンガン距離計で撮影できますね!
ズームがなくても、探せば65,100,180のフレームが入った軽量の外部ファインダーがあったりします。
鉄板の3焦点距離が揃ったら、完璧です。
(2023,10,15追記:XL用のはRotelar180/4.5でした.コンパクトなのでf5.5と勘違いしてた...)
れんずまにあ 2023/04/24(Mon) 20:33 No.2223
Re: ファインダーマスク
狸おやじ様、またもびっくりする情報をおあげになって感謝しています。

ユーザーではないこともありますが、テヒニカ23のファインダー形式に3種類、標準型、B型、ズームがあるとは全く知りませんでした。
同じくマスクにはそれに対応した種類があるとは!
大阪の舶来大判専門店のジャンクボックスによく23のファインダーマスクがざらっと入っていたのを覚えていますが、注意力が不足していました。
その店舗でプレス23を試写させてもらったこともあったのに...(ビオゴン53,プラナー100,ゾナー180の夢のセットでした)

コロナ禍で3年ほどその店舗に行く機会を失っていましたが、先日久しぶりに別の行きつけを尋ねた時、私を育ててくれた2店舗が相次いて閉店したことを知らされました。
馴染みの店員さん達も散り散りで行方知れずです。
大変悲しいことです。
れんずまにあ 2023/04/24(Mon) 20:53 No.2224
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
各位のご指導、大変感謝申し上げます。テヒニコンのシャッターは、万全を期してOHに出しまして、上がってきたらテスト報告申し上げます。パターソンはダークバックでリール装填失敗。それを犠牲にして練習を重ねました。現像済みネガを予め装填、それをガイドにしたら失敗しなくなりました。薬剤揃いましたのでまた撮影の機会を伺っております。ダブルカットホルダーとかわうそ商店にカットフイルムも注文しました。パターソンのリールに装填できそうです。ここまで、諸先輩のご指導でたどり着いてきましたが、れんずまにあ様のご指示のV23のスレッドを立てる自信がありません。このまま、お邪魔していてもよろしいでしょうか。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/04/24(Mon) 21:02 No.2225
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
コメントいただき有難うございます。
テヒニカ23(III-IV)のファインダーは,仰る様に多種多様で,ファインダーマスクもそれに合わせて複雑な状況になっています。私がこれまでに調べ把握した内容を,備忘録のつもりで書きました。これからファインダーマスクを探そうとしている方や,中古マスクを扱っている販売店の担当者の参考になれば幸いです。

ロテラー180/4.5は,ご指摘の様に過度にカリカリにならず線の細い繊細な描写です。この時期のローデンの特徴か,発色と色乗りも良いと思います。難点は少し大きく重い点ですが,何とか許容範囲です。

中古カメラ店が閉店になると悲しいですね。テヒニカプレス23は,田中長徳さんが昔のアサヒカメラでヘリゴン付を紹介している記事を読んで欲しかったのですが,値段が高くて手が出ませんでした。中古カメラ店が閉店になると,人やカメラに加えてこれまでに蓄積したノウハウや情報も失われてしまうので悲しいです。

フイルム大好き様
カットフィルムホルダーとカットフィルムのご購入おめでとうございます。
23のホルダーは数が少ないので見つかって良かったですね。私の方も3ヶ月程かかってシートフィルム(フォマパン,大名刺判)が納品になりました。この続きは中判シートフィルムの方にご報告する予定です。

もちろんですが,V23の情報はここで大歓迎です。ここは日浦様のご好意で運営されているサイトで,自由で自主的に情報を交換する場です。ですので,独自のスレッドを立てていただくのも勿論自由ですし歓迎いたします。でも中判のテヒニカ23(6x9)を現役で使っている人は少なく,国内では100人に満たないと思います。小さいサイトを分割すると消えてしまうかもしれないので,もう少し情報を集め,ある程度の量になってから独立されるのも良いと思います。(このサイトを常時見ている人も2~3人程と思います。)
狸おやじ 2023/04/25(Tue) 00:09 No.2226
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
テレアートン 270ミリf5.5を入手しました。
シャッターソケットは1番と上手くいかなく外しました。もう直ぐ咲きだす大賀ハスをアップで背景ボカせて撮ってみたいと思ってます。距離計は連動しませんが、ピントグラスで合わせるつもりです。大きく重いですが、既にロケハンを済ませて段取りを決めはじめています。GFXアダプターは、未だ入荷せずなので、ポジフィルムで撮るつもりです。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/06/09(Fri) 17:00 No.2260
Re: テレアートン270 mm
フイルム大好き様
素晴らしいレンズですね。
テレアートン270mmは,テヒニカ23用で一番焦点距離の長いテレフォトレンズと思います。この時期のテレアートンは,4群5枚のビオメター(クセノター)型で,解像度が非常に優れていると思います。撮影が楽しみですね。撮影画像もお待ちしております。

シャッターソケットと上手く合わないとのことですが,もしかするとレリーズの問題かも知れません。私のテロマー240mmのソケットには,日本製のレリーズは合わないのですが,リンホフ純正のレリーズは着きます。リンホフのレリーズは先端形状が特殊で,レリーズ用のアタッチメント(Linhof Screw-On Quick Scoket Nipple, 041066)も販売されているようです。ご参考までに。
狸おやじ 2023/06/10(Sat) 10:31 No.2261
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
お褒めいただき、恐縮です。ありがとうございました。
シャッターソケット、色々試しましたがダメで外してしまいました。それもまたスッキリした気がします。
然し、重いです。レンズだけ重さ測りましたら、605g。無限合わせに、近くまで三脚セットのまま持ち出しましたが、撮影時の移動は厄介になりそうです。月末から大賀ハスが咲きだすようですので、結果報告致します。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/06/10(Sat) 10:55 No.2262
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
レンズマニア様
狸おやじ様
いつも、興味深いご投稿ありがとうございます。さて、テヒニカ23Vの悩み、周辺アクセサリーが高く、尚且つ、入手困難な点です。距離ゲージも何とか、180ミリ用が揃い3種レンズ対応出来るようになりました。ただ、m用とfeetの2種あり悩み所。ファインダーは新旧2種の内、後期型の距離ダイアルゲージはアルコール清掃したら、文字が消えてしまいました。ここは、デカール作成可能距離表示も選択可能ですが、分解が必要でかなら高くつくようです。旧型はOH済、後期型は手がかかりそうでとりあえずそのままです。注文したあるgfxアダプター、アナトミカルグリップは未だ入荷せず。代理店も呆れていました。この手のカメラは、色々な覚悟がいると思いました。失礼いたしました。

フイルム大好き 2023/08/16(Wed) 11:15 No.2307
Re: ファインダー
かっこいいですね純正ファインダー。
23Vを手持ち使用するにはやはりこれでしょうか。
これでガンガン手持ち撮影が進めばいいですね。
新旧あるとは認識していませんでした。
しっかり53mmから表示があるんだ。
プリントが消えてしまったのは痛恨ですが、再生には旧型を原器にできますね。
私はマスター45Vにはホースマンのズームを付けていて、純正ズームや「タケノコ」は持っていません。
れんずまにあ 2023/08/17(Thu) 16:49 No.2308
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
いつも有難うございます。万が一の為に、もう一台、東京新橋でまあまあの23Vを見つけ手に入れた時におまけでつけてくれた後期型ファインダーです。距離パララックスダイアルがスムーズに回りませんので、無限専用と割り切っています。もう、リンホフと持久戦というか、耐久戦の様相で、れんずまにあ様の様に様々な機種をアウトフィットで揃える余力はございませんが、デジタル新型が出るたびに騒めいた購買欲からは解放され平穏な日々です。距離デカールは、代理店に問い合わせて23V用m表示がメーカーに頼む事が出来ました。張り替えだけで、安いみたいですが、入荷はいつになるかはわからないそうです。
グリップが来たら、手持ちで、と思っていますが、既に半年待たされて、多分今年中にはて思う様にしています。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/08/17(Thu) 18:18 No.2309
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
テヒニカ23Vの距離ゲージとマルチフォーカスビューファインダーが使い易そうですね。
距離表示はmeterに統一してほしいですが,リンホフはアメリカ市場を意識しているのでしょう。
消えてしまった印字が復活できそうで何よりです。

テヒニカ23は全手動で融通の効かない所もありますが,慣れてくると楽しいカメラと思います。
天気の良い日に野外に持ち出し,美しい風景をじっくり撮るには最適の道具で,画質も最高です。
楽しい撮影ライフを。
狸おやじ 2023/08/17(Thu) 21:30 No.2310
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
たぬきおやじ様
ありがとうございます。仰せの通り全手動ですね。ルーティン一つ抜かすと失敗です。がゆっくり写真と向き合うにはかけがえの無い時間と思っています。かえってデジタルカメラの扱いで、設定をミスる方が多いくらいです。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/08/18(Fri) 02:16 No.2312
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
諸先輩の皆様
お世話になります。
ふと、ネット広告が入りサイトを開けて驚愕致しました。ベルビアブローニー5本パック、15000円前後。つい先日は、8千円位だったのに。
心して、シャッター切らねばならない時代ですね。残念です。
つまらぬ話題、失礼しました。
フイルム大好き 2023/08/22(Tue) 12:54 No.2313
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
確かに酷い値上げですね。私は昨年4月に,ベルビア/プロビア120を旧価格(5200円)で可能な限り購入しました。このストックを使い切る前にデジタルバックに移行したいと考えていますが,1年で値段が3倍になり衝撃を受けてます。

富士フイルムは既にカラーポジにやる気が無いようです。ローライかロモ辺りが中国の企業と組んでCR200を復活してくれたらと期待してますが,現実は厳しそう。当面はストックを切り崩しながら,代替のモノクロ自家現像を楽しむ予定です。最近は暗い話題が多いですが,一つ朗報があり,QL69-Pが入手できそうです。この件は「中判シートフィルム」に報告する予定です。
狸おやじ 2023/08/23(Wed) 21:35 No.2314
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。
20thセンチュリー、出てますね。ご報告楽しみにしています。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/08/24(Thu) 13:23 No.2315
レリーズソケット
リンホフテヒニカIII-IVには,ケーブルレリーズ(リリース)を固定するソケットが提供されていた。
ソケットは2ピン式で,フロントベッドの右横か,23の一部ではネックストラップの取付部分に取り付けることができる。(アナトミカルグリップにもケーブルを取付ける穴があるが,手が大きくないとレリーズボタンに指が届かない。)私はケーブルレリーズをぶら下げた状態で使うのが嫌いなので,このソケットが欲しいと考えていた。しかし,これは希少品の様で中古市場でもほとんど見ない。半ば諦めていた頃,eBayにドイツのカメラ店から出品されたソケット(18ユーロ)を見つけたので買ってみた。


写真:レリーズソケットと取り付け穴.

狸おやじ 2023/09/10(Sun) 23:33 No.2335
レリーズソケット
ソケットの内径は10.5mmで,リンホフの純正ケーブルレリーズがピッタリ納まる。
しかし私の純正レリーズは50cmと長く,柔軟性に乏しく使い難い。そこで,手元にあるハマの小型レリーズ(長さ:25cm)にシリコンチューブを2重に被せ,その上にビニールテープを巻いて外径を10mmにしてソケットに取り付けてみた。

使い勝手はまずまず。ソケットを予めレリーズに取り付けておけば,レリーズの先端をシャッターに捩じ込んだ後,ワンタッチでフロントベッドに装着できる。手持ちで「プレスカメラ」風に使う時にも軽快に楽しめそうだ。


写真:ケーブルレリーズの装着例 (左は純正レリーズ).

狸おやじ 2023/09/10(Sun) 23:46 No.2336
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ご投稿、拝読致しました。有難う御座います。以前、出品商品閲覧してどう使うかが、疑問でしたがやっと分かりました。凝っていますね。手持ちのバランスはこちらが優れている気がしますね。私は180セットしたままレンズスタンダード押し込んで、グランドグラスを割ってしまうと言う赤面ものの失敗をしてしまいました。中国製か純正か余計な悩みに直面しています。落ち着いたらシートフイルムホルダーを考える事にします。失礼致しました。
フイルム大好き 2023/09/11(Mon) 13:50 No.2337
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,コメントをありがとうございます。

シャッターの位置は人によって好みが異なると思います。私はレンズやピントを操作する右手でシャッターを切りたいので,ピントノブの近くが好みです。でも,左手グリップの上を好む人もいます。リンホフは色々な選択肢とオプションパーツを用意しているので,自分の好きなシステムを作れて楽しい。

グラウンドグラスの破損は悲しいですね。私はテヒニカ23のピントグラスを交換したことはありませんが,数年前に格子入りのものをeBayで探したことがあります。その時は1-2万円の純正品だけでしたが,今見ると20ドル以下の中国製もある。選択には悩みますが,選択肢が増えるのは嬉しい。
狸おやじ 2023/09/13(Wed) 22:02 No.2339
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。新橋で見つけた23Vにシャッターがダメでオマケに付いていたジンマーS100ミリが幸いレンズは綺麗で、シャッターオーバーホール後、生き返りましてToyoサービス社長のご好意でソケットもセット。となると気になるシャッター台座のシンクロコンパーの文字の塗装落ち。タミヤのエナメル塗料で墨入れしました。ついでにストッパー、距離ゲージも。30分後エナメルシンナーで清掃。綺麗になりました。1週間で硬化だそうです。雨が降りの暇つぶしネタで失礼致しました。

フイルム大好き 2023/09/30(Sat) 11:55 No.2356
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有難うございます。先日の谷中散策で気がついたフランジバックの件、手持ちのレンズ確認して撮り直ししまして、その内、テレアートン270ミリの一枚を投稿させていただきました。拙作ですが作例の一枚です。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/07(Sat) 18:24 No.2359
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ご投稿と素晴らしい写真をありがとうございます。

テレアートン270mmの描写は見事ですね。合焦部の解像度は流石で,繊維や毛の一本一本が見分けられる程ですが,アウトフォーカスの後ボケも美しく,ご愛犬の穏やかな表情が印象的です。この時期のテレアートンは,クセノタールと似たレンズ構成と思うので,後ボケに少し癖(輪郭強調)があると考えていました。でも,どうやら杞憂のようです。私もテレアートン180-270mmが欲しくなりました。貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2023/10/07(Sat) 23:22 No.2360
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
おはよう御座います。
お褒めいただき、大変嬉しくまた、恐縮しています。ありがとうございます。同じ100ミリならと安直に考えジンマーをセットして手持ちテストしたのが、返って良い機会になりました。このサイトにお邪魔して早10か月、皆さまの助言、深い知識に助けられ、なんとか辿りつけました。このサイトを知らなかったら、恐らく大変なことになっていたと思います。改めて皆様に御礼申し上げます。これからもよろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/10/08(Sun) 10:01 No.2361
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
さて、今年の1月に注文したリンホフGFXアダプターがやっと到着致しました。代理店で引取り帰宅後報告いたします。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 15:14 No.2362
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります。
早速帰宅後、23VにGFXをセット、いきなりパニックに陥りました。65,100,180をセットしてもモニターにはピントが合わず。そうだ、フランジバック、、ストッパーからレンズを後退させてなんとか。リンホフのhpの商品説明に、フランジバックを選ぶから注意が必要とありました。この辺りのノウハウが欲しいと思いました。
フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 15:41 No.2363
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お騒がせ致します。
なんとか一枚、作例ご報告致します。
tele-technikon 180mm
ISO400 1/400秒
解放です。駄作で申し訳ございません。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 15:49 No.2364
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります。GFXアダプターのファーストインプレッションをと思います。
説明書も無く、また、数学的知能に乏しい者からの感想を。
メリット
1照度に左右されない。
2撮影枚数は無限でコストゼロ
3アオリの効果が確認できる。ピントグラスより早い。
4たまたま、フジの機種なので、フイルムシミュレーションで様々な効果が得られる。
5シャッタースピードは思いのまま
6撮影後、iPadなどに直ぐ転送出来る。
7撮影サイズ自在
などなど

デメリット
1兎に角、機材が大きく重くなる。三脚は必須です。
2フランジバックの長さを選ぶ。アングロンはダメ、プラナー、ジンマー100は辛うじて。ゾナー180ミリが合います。
3アダプターのコストが高い
4デジタル機本体もコスト高
5作品はファイル保存で、pc開けない限り忘れそう。
6ぱっと見、iPhoneと見分けがつかない。
7写真一枚撮影に対する思い入れが無くなる。

と言った気がしました。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 17:47 No.2365
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
夜分失礼致します。家人寝静まりましたので、高感度試しました。
ゾナー180ミリ
ISO12800
f5.6
1/60
カラーモードはASTIAです。
何度も申し訳ございません。失礼致しました。

フイルム大好き 2023/10/11(Wed) 23:46 No.2366
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
GFX-Gマウント用アダプターの情報と貴重な写真をありがとうございます。

このアダプターは,リンホフのカタログリスト(No.1960)にある純正アダプター(#001726)ですね。2022年時点で486ユーロと高価ですが,中国製のコピーより信頼性が高そうです。形が円形なのは驚きました。テヒニカ23はバックの取り付け部が円形なので,この方がカメラをリボルビングする時に使い易いかも知れません。

マウント部が後方に位置するので,カメラセンサーの位置がフィルム面より後方にズレるのは,カメラマウント用アダプターに共通する問題と思います。それでも標準レンズのプラナーやジンマーで撮影できるのは良いですね。オーバーコッヘンのツァイスレンズを,GFXの44x33センサーで堪能できるのは魅力です。ゾナー180mmの描写は特に素晴らしいと思います。写真フィルム(特にカラーポジ)はいつ販売停止になるか分からない状況ですので,代替手段があるのは心強い。私もデジタルバックをサーチしてますが,手頃な製品はまだ見つかっていません。
狸おやじ 2023/10/12(Thu) 20:37 No.2367
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ご返信ありがとうございます。
また、お褒めに預かり恐縮しています。ありがとうございます。
このアダプターのレボルビングは、スムーズでした。
標準レンズはやはり厳しいです。レールから外れてしまう直前でなんとかという状況です。因みに、バックアオリ引き出してみましたがダメでした。広角レンズは全て不可の様です。フランジバックが150ミリ前後必要の様です。価格は、486ユーロですが代理店CLIQUEさんではもう少し安い価格でした。
引き続き、気がついた点があれば
報告申し上げます。よろしくお願いします。

追記
色々試しましたが、
tele arton270が100ミリのストッパーと同じ
sonnar 180は65ミリのストッパーの少し手前
でインフが来ました。tele-technikonはレールから外れる寸前です。近距離は行けます。
他のレンズが使えなく、かなりショックです。
フイルム大好き 2023/10/12(Thu) 21:03 No.2368
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
レンズの位置情報をありがとうございます。
標準レンズだとレンズ台がレールに乗らないのは残念ですね。

既に試されてるかも知れませんが,アッパーレールを本体側に一段戻すと可動範囲が広がります。
あと,レンズ台を本体側のレールに固定したまま「バックアオリ」でピント調節をする方法もあります。
カメラが重いと調整が難しいかも知れませんが...
狸おやじ 2023/10/14(Sat) 13:05 No.2369
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつも御指南頂きありがとうございます。ご指摘の通り、ジンマー100、アッパーレール奥に。ピントは来ますがレンズスタンダードはギリギリ奥です。ノイローゼ気味な折、狸おやじ様のご投稿#1633を思い出しました。実は、ハッセルブラッドシステムでcfv50Ucを使っています。フラットアダプターを頼んでみました。来ましたら、インプレご報告申し上げます。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/10/14(Sat) 23:07 No.2370
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
お騒がせ致します。cfv用アダプターが届きました。まず機材取り付けで問題が。下部ラッチにセットすると、上部ロックラッチが入らない。思案の上一旦下部ラッチを外し機材セットの上取り付けしましたら、不思議、スムーズに脱着出来る様になりました。恐る恐る電源on、ライブビューにして見るとジンマーインフの位置で近くのTV画面クッキリです。コレはコレで悩みながらテスト結果報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2023/10/15(Sun) 09:51 No.2371
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様

そうですか。ハッセルのデジタルバック(CFV II 50C)をお持ちでしたら,こちらの方が中判デジタルカメラを取り付けるより色々な点で有利と思います。アダプターに上手く付くようで良かったですね。

お見受けしたところ,スライド機能の付いたアダプターですので,画像のステッチングもできて素晴らしいと思います。使用感や操作感等についても是非またお知らせください。
狸おやじ 2023/10/15(Sun) 10:34 No.2372
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
説明不足お詫び致します。狸おやじ様のご投稿#1633を拝見して検索いたしました。国内プライス5万円前後も致します。メルカリに新品で38000円で出ていましたので、ままよ、と購入しました。恐らく中国製と思います。作りは、思っていた以上丁寧でケース迄付いてきました。左右一段ずつスライドが出来ます。取付に手間取りましたがとりあえず安心致しました。GFXより良さそうです。改めて結果をご報告申し上げます。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/15(Sun) 11:24 No.2373
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
お騒がせ致します。取り敢えず室内にてテスト撮影してみました。撮影距離約1.5m 23V ジンマーS100mmf5.6 ISO800 F5.6 15分の1秒 内臓電子シャッターです。インフの位置は今後テストしてみます。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/15(Sun) 12:05 No.2374
Re: cfv用アダプター
フランジバックの件で心配していましたが、ハッセルバックなら解決しそうで何よりです。
また左右でステッチすればGFXよりも大きなフォーマットサイズになり、メリットが大きいかと思いました。
上下移動もできれば、6x9画面も得られるのになと。ちょっとライズすれば近いことはできるかしら。
ともあれ楽しみ方がますます広がりますね。
私は4x5カメラにα7Rでステッチしていて、フランジバックの制限を受けていますので、CFVは羨ましいです。
れんずまにあ 2023/10/15(Sun) 12:38 No.2375
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
早速にコメントを頂戴致しまして感謝申し上げます。このアダプターは、どうやらphotodioxというメーカーの様です。いずれにせよ安心できました。自身の乏しい数学脳を棚に上げて、リンホフを恨んだ事恥ずかしく思いました。ステッチングとか自身で調べてトライして見るつもりです。流石経験者でいらっしゃいますね。アナログ脳で出来るだけ努力して見る所存です。今後もよろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/10/15(Sun) 13:07 No.2376
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
れんずまにあ様

早速の画像のご投稿ありがとうございます。
標準レンズで撮影できるようになり良かったですね。

ジンマーS+CFV II 50Cの画像は素晴らしいと思います。
広角側は分かりませんが,凹みボードなら65mm位まで大丈夫かも知れません。
色々と選択肢が広がり,これからの発展が楽しみです。

中判テクニカルカメラもいよいよデジタルの時代と思うと感無量です。
狸おやじはすっかり出遅れてますが,何とかデジタルバックを手に入れたいなあ。
狸おやじ 2023/10/15(Sun) 19:10 No.2377
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります
cfv プラナー100mmのテスト結果報告申し上げます。ISO100 f8 1/180です。撮って出しの色がイマイチでしたのでハッセルの現像ソフト phocus2で処理後のjpegです。モニター上では、ピントはかなりシャープです。よろしくお願いします。

追伸です
ホワイトバランスが間違えていましたので
修正の取り直しです。ライブビューにてピント追込み
レンズフード使用

フイルム大好き 2023/10/16(Mon) 17:23 No.2381
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。

プラナー100mmの描写は素晴らしいですね。背景の木々のボケも自然な感じです。
風景写真なら,れんずまにあ様が言われるように左右にスライドしてパノラマ写真も楽しめそう。
ステッチはソフトウェア(Capture One等?)で対応できるかも知れません。
狸おやじ 2023/10/17(Tue) 21:48 No.2382
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつも、初心者にお褒めをいただきありがとうございます。お陰様で、手持ちの各レンズデジタル機のインフを把握出来ました。広角は厳しいです。リセッシュボードのアングロンもジャスピンの少し手前、残念です。ステッチングの御指南ありがとうございました。adobeソフトにある様です。が、その前にやらなくてはならないお勉強、広角レンズでのアオリです。思案の上、手に入れておいたポラホルダーを思い出して早速、ヨドバシにポラロイドフイルムを注文しました。たった8枚で2800円くらい。嫌になります。手元に届いたら、やる事リストを作り確認していこうと思います。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/18(Wed) 00:35 No.2383
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
おお,ポラロイドホルダーですね。
テヒニカ23用の純正ホルダーは知りませんでした。それだけでなく,ポラロイドフィルムが復活(インポッシブル社?)している事も知りませんでした。貴重な情報をありがとうございます。

写真を見ると,ポラロイドの画面(77x79mm)が丁度収まるようですね。これならテヒニカ23の画角を有効に利用できそうです。私は,富士フイルムのInstaxが使えないかと考えていましたが(No.2065),ミニ(46x62mm)は小さ過ぎるし,ワイド(62x99mm)は大き過ぎる。スクエア(62x62mm)は大きさは良いが,真四角でバランスが悪い。その意味で,ポラロイドは丁度良いサイズと思います。フィルムの値段は高いですが,感度が2種類(ISO 160/640)あり,Instaxより使い易そうです。ともあれ,撮影画像をその場で確認できるのは魅力です。撮影が楽しみですね。
狸おやじ 2023/10/18(Wed) 20:04 No.2384
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ありがとうございます。仰せの通り、ポラはISO640です。入荷はいつのことやらです。

cfvについてお褒めもいただいていますので少し、、
お世話になつている東京日暮里のリンホフ代理店QLIQUE責任者の方は元シユリロの幹部の方です。リンホフは今でも代理店。ハッセルは、断念したそうです。理由は、中国人経営陣。そもそもドローンの会社でカメラにはあまり熱心では無い様です。最近、原宿の旗艦店も閉鎖。購入、サービスともにメールの問い合わせ。オフィスの場所は分かりません。
経営方針も過去の顧客は切り捨てる様な発言があつたとか。500CMの時代を大切にしてくれません。ライカとは、大変な違いです。本国では、遺産を受け継ぎ大切にしているのに、、
先行きに関してはかなり不安です。製品の完成度の高さ、本国からの諸案内、デジタルソフトウェアの出来の良さを思うと残念です。

やはり、デジタルになっても日本が一番では無いかと
つくづく感じる昨今です。

全く脱線の与太話で失礼申し上げました。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/10/19(Thu) 23:42 No.2385
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります。
関係の無い話で失礼致しました。
ジンマーS100mmの遠景テストで一通り終了のご報告です。
ISO400 f22 1/60 23V cfvです。
改めて、ジンマーの優秀さに惚れ込みました。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/10/20(Fri) 12:08 No.2386
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ハッセルとリンホフの代理店の情報をありがとうございます。
私も原宿のハッセルブラッドストア東京にCFVの件で問い合わせたことがあります(No.1637)。その時は丁寧な対応で好印象でしたが,今年5月に閉店になってしまった。ハッセルは日本での事業展開に興味がないのかも知れません。リンホフの日本代理店のシュリロトレーディングは以前何度か利用しましたが,あまり良い印象が無い。シュリロを出られた方が新しい代理店(Clique)を立ち上げたのは朗報です。

ジンマーS100mm+CFVの画像は好調ですね。
f22なので解像度が高いですが,コントラストは程々で自然な感じに見えます。プラナー100mmと比較すると好みが分かれそうですが,私はプラナーの描写が好みかも。テヒニカには魅力的なビンテージレンズが揃っていて楽しいですね。
狸おやじ 2023/10/20(Fri) 21:33 No.2387
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも、忌憚のない、且つ温かいコメント有り難く感謝申し上げます。
70の手持ち谷中放浪記でのジンマーの結果に愕然。フランジバックの差を
同じ100mmならと安直に考えた自身には、とても良い勉強の機会でした。誉高きジンマーの実力知るべく撮影を重ねる度に、その都度驚かされ愛着が深まりました。小さく軽いこんなレンズの何処にと思います。既に市場に出てからは、50年近いことを考えると、当時のドイツ人数学者設計者に頭が下がります。素晴らしいレンズですね。

上っ面ですが、ほぼデジタル機による手持ちレンズのテストを終えましたが、やはりフイルムに軸を移して、引退後の写真ライフを送ろうと思っています。理由は、簡単過ぎて写真が下手になる気がしてなりません。ソフトで現像思いのままではいけない様な気がして、、
幸い、前出のQLIQE日暮里様の修理、OHは安泰で価格も良心的な事が何よりです。
特にハッセルブラッドの出物もリンホフレンズの出物も全てOH済ですから油断なりません。
FOMAPAN100のホルダー撮影が楽しみです。自家現像未経験の超初心者ですが、皆様どうか今後とも宜しくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/10/21(Sat) 00:25 No.2388
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
お世話になります、かつお騒がせ致しており恐縮しています。
さて、しばらく大人しくしているつもりが、驚きのサイトを見つけ忙しくなりそうです。
そのサイト名はFuji X weekly.フジフイルムのサイトと思いましたが、アメリカ人?の作成したサイトの様で過去の100種類以上のフィルムの色調を再現できます。因みに機材はXシリーズと GFXシリーズならOKです。ダウンロードして英文ですが、希望のフイルムの指示通りの設定で完了。
思わず、懐かしいエクタクロームE100を選択してテレアートン270にて、いつものテスト風景を撮ってみました。コダクローム64等目白押しです。モノクロもかなりリストにあります。
まずは、ご報告申し上げます。
linhof23V tele-arton270mm GFX50SU ISO800 f22 1/170 エクタクロームE100設定

追伸
サイト名訂正いたしました。
失礼致しました。

フイルム大好き 2023/10/23(Mon) 13:59 No.2389
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様、コメントをいただきありがとうございます。
ご報告が大変遅くなり申し訳ございません。機材・用品などがそろいましたので、撮影しました。被写体は撮影台上の3本のレンズです。機材はレンズ側からMamiya M75mmF4.5L SB, Novoflex PROMAM67, Rollei X-Act 2, Novoflex APRO, Novoflex NEXA-K, Kenko DG 接写リング10mm, Sony α7RWです。測定用品はデジタル傾斜計、物差し、巻き尺などです。

添付の取扱説明書に従って、
1. X-Act 2のフロント・リア両スタンダードを垂直にして、モノレールの傾斜角αを設定します。レンズのイメージサークルを考慮して、今回は10度です。
2. シャインプルーク点S1(レンズに近い方の被写体の高さの半分の焦点を合わせる点。以下近合焦点)、同S2(同遠い方の点。以下遠合焦点)にリアスタンダードで焦点を合わせます。対応するカメラのモニター上の点S'1とS'2を記録します。S'1とS'2間の垂直距離vを測定し値を紺色のダイヤルの目盛に設定します。今回は16.5mmです。
3. S1とS2に焦点を合わせたときのリアスタンダードの延長距離(位置の差)eを読み取り、値を白色のダイヤルの目盛に設定します。今回は2mmです。
4. シャインプルーク面の光軸に対する傾斜角βを求めます。光軸が水平であれば、この角度がシャインプルーク面の上向きの角度(0=<)になります。ティルト角の計算前にすでに光軸が傾いている場合は、βはシャインプルーク面の上向きの角度と光軸の傾きの角度の合計になります。今回近合焦点の高さは22.5mm、遠合焦点の高さは61mm、高さの差は38.5mm、近合焦点と遠合焦点間の距離は95mm、撮影台面とS1-S2を通るシャインプルーク面の交わる角βは22.1度(atan(38.5/95))です。
5. この傾斜角βを白色のダイヤルの下端(0度から50度の目盛)から見つけ、対応する紺色のダイヤルで最適なレンズのティルト角γを読み取ります。今回γは約6.5度です。

以上計算器上の番号1から5まで順に測定値をダイヤルに合わせてティルト角γを求めます。

Robert E. Wheelerさんによると、風景撮影の場合βの計算は不要でフロントスタンダードで焦点を合わせても良いそうです。

撮影データ シャッタースピード 1/60 絞り F45 ISO 800、ニッシンデジタル MG80 PRO 3灯 65~70cm多角ソフトボックス レンズ鏡胴前端から近合焦点までの距離 約470mm

Mamiya M75mmF4.5L SBはシフト・ティルトアダプターNI701(シフト左右各10mm、ティルト上下各12度)用レンズです。SBレンズ用スペーサー NA703と組み合わせると一般のレンズとして使えます。
Rollei X-Act 2(フロント・リアともティルト上下各16度、スウィング左右各15度、ライズ・フォール、シフトは、上下、左右各15mm)はNovoflexのOEM製品(1997)のため、同社のBALPROシリーズとCASTBAL-PROのアダプターリングを共用できます。
PROMAM67は一昨年の5月発売で、Hartblei社によると同社とNovoflexとの共同開発だそうです(HCam.de 8 Mai 2022)。Hartblei社の"Mamiya RB/RZ - GFX Adapter for Mamiya RB/RZ lenses #1, #2", "Hartblei RBZ-S Parallax Free Shift Adapter for Mamiya RB/RZ 67 Lenses"の絞りクランプと同型のようです。
カメラのグリップとX-Act 2が干渉するので接写リングを使いましたが、けられます。
BALPRO T/Sは構造上前後を逆にし、90度横に倒して使います。グリップの凹部の位置にアダプターリングの固定ネジをセットすると、固定ネジの頭との干渉がなくなり接写リングは不要です。
現在小物の商品撮影にはFocus Stackingも使われているようです。Focus Stacking機能がないカメラによるマクロ撮影には、Novoflex CASTEL-MICROが適しています。

Canonは近い将来RFマウントのTS AFレンズ(特開2023-140195、特開2023-153460)を発表するでしょう。複数の合焦点を選んでAutoTiltShiftできるでししょうし、リアスタンダード付きのレンズですと被写体の形状補正も自動化されるでしょう。

未購入ですが、lumariver.comのソフトウェアDepth of Field Calculator(tilt and sift, Focus Stackingを含む) Android $8.99 (Google Play)
Lumariver Depth of Field iOS $8.99 (App Store)が発売中です。

撮影にあたって以下のWEBページの記事などを参考にさせていただきました。
http://www.weschoen.de/ -> Scheimpflug-Rechner -> 取扱説明書(画面下方へスクロールして計算器の画像をクリック) PDF他 2013
Robert E. Wheeler; Photographer's Aids: A survay, Chapter 2 Rodenstock, p.5-9 PDF 2002
Anwendungsbeispiele mit dem Universalbalgenger&#228;t Novoflex Balpro TS PDF 2006

FOV 2023/11/13(Mon) 20:53 No.2421
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
FOV様
ローデンストックの「ティルトスイング計算器」の詳しいご解説を有難うございます。
これは,No.2011で教えていただいた携帯型のティルト計算器の実践編ですね。とても参考になります。まだ全部は理解できていませんが,これは恐らく,以前私がカメラバックのアップティルト角(θ)について導いた(1)式(No.2002)を,レンズボードのダウンティルト角(γ)に対して計算する装置の様に思います。細かい点(何故βが必要か等)はまだよく理解できていませんので,もう少し考えて見たいと思います。

私は最近,ライズ/フォールをよく使いますが,ティルト/バックスウィングをあまり使っていません。ティルトを使いたい構図にあまり出会わないのが主な理由ですが,設定が面倒というのも理由の1つです。バックアオリは遠近感を強調しすぎるという説明書の指摘も正しく,フロントを操作する方が得策かもしれません。この計算器をポケットに入れて置けば,気軽にフロントティルトが出来そうなので,購入を検討してみます。貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2023/11/14(Tue) 23:07 No.2425
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
linhof23Vで、不可解な点に気が付き、投稿いたします。
ライズフラップの幅に、差がある点です。所有の二台を並べ気が付きました。狭い方はシリアルが広い方より後期で前期後期の差かなくらいに思っていましたが、そうでも無いようで、代理店代表に質問致しましたら、初めて聞いたとの事、、、
まあ、どちらも使用上問題無く不具合も有りませんが、理由を知りたくて、、
ご存知の方がいらしたら、ご教授お願い申し上げます。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/12/05(Tue) 21:14 No.2433
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
テヒニカ23V(後期型)のライズ用フラップのサイズは,2種類あるようですね。
貴重な情報をありがとうございます。

以前(No.1570)掲示した23Vの取扱説明書を見ると,1~4頁の写真では狭いタイプ,6頁の写真では広いタイプになっています。これらの写真が撮られたのはV後期型の発売時(1972年頃?)で,その頃は2つのタイプを製造していたようです。私の手許にある和文カタログ(シュリロトレーディングカンパニー製,1998年頃)を見ると,全て広いタイプです。なので,狭いタイプから広いタイプに設計変更されたと考えていました。でも,シリアル番号が逆なのは謎ですね。
狸おやじ 2023/12/05(Tue) 23:01 No.2434
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
早速にありがとうございます。
シリアルが後期のフラップが狭い方は、代理店オーバーホール済の品物ですので確かなモノとは思いますが、この手のカメラのよくある迷宮と思って酒の肴にしようと思っています。
説明に無いのは、困ったモノですね。
然し、それはそれで想像の世界で、メーカーに詰問するのは止めておこうと思います。問題は、撮影結果ですね。
諸先輩方々の力作に、追いつくべく精進していくつもりです。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/12/06(Wed) 01:50 No.2435
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
これはびっくりです。フラップ幅が違うモデルがあるんですね。
狭いと単純にライズアップすることしかできませんが、広ければシフトしながらライズできますのでいいですね。でも広げると何か問題でもあるんでしょうか。
続報を待ちます(笑
れんずまにあ 2023/12/06(Wed) 21:49 No.2437
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
先日、ebayにて、23Vの最終型と思しき本体を入手致しました。ボディ塗装が艶消しの黒です。商品説明ではミントとなっていましたが、手元に届いてチェックしてみると、蛇腹にヒビが。早速日暮里の代理店持ち込み、蛇腹交換他、オーバーホールを依頼して出来上がってきました。変わっている点で、グランドグラスフレーム両脇に、手前90度迄引き出すレバーがあり、ホルダーオープンで固定できてカットフィルムホルダーがスムーズに出し入れできる構造になっています。シリアルの頭にアルファベットの一文字が打刻されているのが最終型らしいです。まずは、ご報告申し上げます。

フイルム大好き 2023/12/15(Fri) 17:27 No.2440
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
さて、残念な事がございましたので報告いたします。
ルーペで拡大されるフレネルレンズのキズが気になり、一番早く手に入りそうなので英国のリンホフスタジオにメールオーダーしましてほぼ10日で手元に届きました。入れ替えてみて愕然。抑えのスプリングが効かず少しの角度で落ちてしまいました。ノギスで計測してみると2mm足りない。販売元は当初は取り付け方が悪いのかもと。実際の写真添付の返送でやっと気がつき店内在庫調べたら全部そうだとの事。メーカーに報告して正しいフレネルレンズを次の入荷後送るとの事で決着しました。
日暮里の店主も、最近、マスターテヒニカの新品を納入時、フロントベッドを下ろしたら、エッジの塗装がポロリと落ちて困ったとの事。製品のクオリティ、検品の精度が落ちている様だとも。
最終型23Vと初期型70を並べてみると、明らかに初期型が丁寧な所も見て取れました。
まあ、3月末迄気長に待つとして、少しメーカーには、頑張ってもらいたいと思いました
フレネルレンズの比較写真添付いたします。左側が寸法違いの品です。
よろしくお願いします。

追記
linhof-studioに詳細報告後、正規寸法のフレネルレンズが届きました。

フイルム大好き 2024/02/21(Wed) 21:00 No.2484
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
フレネルレンズの情報をありがとうございます。
私は,フレネルレンズは(見かけは明るくなりますが)ルーペを使ったピント合わせがやり難いと感じるので使っていません。でも注文したフレネルレンズの寸法が合わないのは困りますね。リンホフはきちんと対処して欲しいと思います。

リンホフ製品のクオリティにはいろいろな意見がありますが,私は1950~70年が全盛期と考えています。その頃の製品は,今でも驚くほどの精度と強度があり,見るだけで感動します。私のTechnika IV23 は1960年製ですが,少なくとも今後50年は完璧に機能すると思う。何か至高の工芸品を使ってる気分です。
狸おやじ 2024/02/22(Thu) 20:49 No.2489
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ご返信ありがとうございます。全く、仰せの通りと思います。
リンホフ6×9の門をくぐり、ほぼ一年で色々経験を経るとモノとしての本質が見えてきた気がいたします。見渡せばドイツ工業製品全般に言えるのではないでしょうか。クロームメッキの質と厚さから骨格材質のクオリティ。自動車もそんな気がいたします。移民労働者の増加と再生部品の増加の影響もあるかもしれませんね。モンブラン万年筆のペン芯も昔の方がコストがかかっている気がいたします。
Technica W23もきちんとしたセットは物凄く高価ですね。
過去の品質にはとても及ばない現在、
今ある機材を大切にして、写真撮影を楽しんでいきたいと思いました。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/02/22(Thu) 21:08 No.2490
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
拙の投稿#2433にて、ライズフラップの幅の差について、暇を良いことにLinhof社に問い合わせ致しまして、以下の様に返答を得ました。

Here comes the answer from our technician:

We can read from our records when the flap was generally installed -> 1975.

However, there is no documentation as to when a narrow flap was replaced with a wider one.

The bellows is protected by the flap when the front standard is shifted upwards and can also be moved sideways with the wider flap without the bellows being pressed in too much.

との事で1975年に導入後、変更点については不明との事でした。
一応、疑問点については、此処でピリオドとなりました。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/03/25(Mon) 20:42 No.2511
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ライズフラップの件で続報をありがとうございます。
リンホフ本社からの回答で,フラップは狭いタイプから広いタイプに変更されたこと,変更の理由はライズ時に左右シフトの自由度を増やす為とわかりました。貴重な情報をありがとうございました。

テクニカルカメラでは,フロントライズ/フォールの可動範囲が(特に広角レンズ使用時に)制限されることが多い。ライズフラップは有効ですが,それ以外の対処法として,バックアオリ(ダウン/アップティルト)を併用する方法があります。この方法はシフトの範囲を広げる時にも使えます。後日この方法について解説できればと考えています。
狸おやじ 2024/03/30(Sat) 22:58 No.2512
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
ライズフラップの件は、1975年からとの事ですが、旧型グレーモデルは、ワイド。ブラックモデル中期にナローが有り、最終期に又ワイドに戻った理由を知りたかっただけですが、こんな質問して来るのは、先方も初めてらしく、返答まで10日くらいの時間がかかっていました。
まあ、技術者にも迷いもあったのではと。

アオリは色々試しながらわかってきた気がします。
以前の写真で後悔する点がかなり有ります。
折角の装備、使わなければいけませんね。指導書も買い込みましたが、諸先輩諸兄のノウハウのご助言、こころよりお待ちしています。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/04/02(Tue) 00:55 No.2514
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずマニア様
いつもありがとうございます。
近隣も桜満開ですので、歩ける範囲に三脚担いでデジタル撮影を試みました。
23Vにテレアートン270mm、GFX50SUバックです。
ISO100、1/250、f8で100m程先の丘の上を狙ってみました。フイルムモードはベルビア
ホワイトバランスは、オートです。LVでモニター画面でピントの追い込みができるとか
コレはコレでやはり便利と思いました。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/04/07(Sun) 13:06 No.2516
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
たぬきおやじ様
れんずまにあ様
連続投稿お許しくださいませ。
程度の良さそうな、Tele-Arton180mmf5.5を入手しました。シャッター
1secはかなり怪しいですがレンズも綺麗でした。小ぶりなのに180mmが気に入りまして早速ハッセルcfvU50を23Vにセットして試写しました。結果、1962年製と思しき老体に畏敬の念を禁じ得ませんでした。ISO1600 f5.5解放 1/90です。
よろしくお願い致します。

フイルム大好き 2024/04/10(Wed) 01:07 No.2517
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様

ご投稿と2枚の写真をありがとうございます。
テレアートン180/240 mmの描写は魅力的ですね。特に180mmの画像は,合焦位置のシャープな画像に加えて後部のなだらかなボケが印象的です。テレアートンはクセノタール型のレンズ構成なので,開放側で後ろボケが(球面収差の過剰補正で)荒れると予想していましたが,シュナイダーはその辺を上手く調整してなだらかなボケを出している様です。F値を5.5に抑えたのがポイントかも知れません。貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2024/04/12(Fri) 20:25 No.2518
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
私がテヒニカ23で使っているレンズの内,最もボケが美しいのはヘリアー105 mmと思う(No.1917, 1925)。
これはハーティング博士(Hans Harting)設計の3群5枚,1921年頃製造のノンコートレンズで,合焦位置の高解像度と芯を残しながら蕩けるような後ろボケに特徴がある。ヘリアーは,描写力と表現力の高さから戦前は「猫の目」と呼ばれ,テッサーの「鷹の目」より写真家や芸術家の間で人気があったようだ。独特のレンズ構成と球面収差の補正をアンダーに抑えた所が秘訣の様で,ここに注目したトロニエ博士(Albrecht W. Tronnier)は,後のカラーヘリアーやアポランター(色収差補正型),そしてテロマー(テレタイプ)でも同様の構成のレンズを設計している。不思議と日本のマスメディア系のレンズ評論家達には注目されていないが,これらのレンズが中判から大判用で,ライカ判や35mmミラーレスで手軽に扱えないという(商業的な)理由があるようだ。


写真:ソメイヨシノ(Heliar 105 mm/F 4.5, SS=1/250, f=5.6).

狸おやじ 2024/04/13(Sat) 12:30 No.2519
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
有難いご講評ありがとうございます。
ヘリアーの写真に驚きました。103年前、大正10年製とは。亡父も生まれていません。
このレンズが付いているベッサを物色しまくりました。今でも高価なことが納得しました。また、開放近くでのシャープな描写と発色に改めて、ドイツ人レンズ設計者が優秀であったと思います。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/04/14(Sun) 10:17 No.2521
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもお世話になります。
先日、手に入れた、Tele-Arton180mmの内部エレメントの埃が気になり
分解クリーニングをトライしました。レンズのリテーナーリングが固くて緊張しましたが、無事に完了できました。リアエレメントの仕上げには暫し見惚れてしまいました。
無事に組み上げができて安心しました。

フイルム大好き 2024/04/18(Thu) 17:53 No.2524
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
テヒニカの様なテクニカルカメラの場合,スタジオ用ビューカメラと比べてアオリ(movements)の範囲が制限されることが多い。
これは各調節部位の可動範囲が狭いことに加え,カメラ外箱によるスペースの制限もある。野外でアオリを調節していて,あと数ミリが動かせずに悔しい思いをすることがある。そこで,フロントのライズ/フォールの可動範囲をバックティルトを使って拡張する方法を紹介したい(cf. No. 1558, 2512)。

私が使っているテヒニカ23IVのフロントライズの可動量(公称値)は0~50 mmだが,実際には外箱の制限により広角(Super-Angulon 65 mm)では15 mm,標準(Symmar 105 mm)でも25 mm程度で頭打ちになる(写真)。V型にはライズフラップがあるので可動範囲が広がるが,広角レンズだとあまり違わないかも知れない。その為,特に高い建物を見上げた時のパースペクティブ(先細り)の調整でライズ量が不足する状況が出てくる。私はこれまでに3回程その様な場面に遭遇した。


写真:フロントライズの設定例 (ライズ量:約25 mm, Symmar 105 mm).

狸おやじ 2024/04/20(Sat) 21:52 No.2527
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
この様な状況では,バックアオリを併用することでフロントライズの範囲を広げることができる。
まず,カメラバックのロックを外し,フィルム面をフルにアップティルトさせる。次にレンズ部をベッドダウンしてダウンティルトを掛けてフィルム面との平行を取る。この状態では,カメラ外枠がフィルム面に対して上向きの角度を持つのでフロントライズの可動域が広がる。私のカメラの場合,広角では25 mm,標準では50 mmと,2倍近くライズ可能量が増える。テヒニカ23III~IVのレンズ台はベースティルトなので,一度ピントを合わせればライズしてもピント位置は変化しない。下の写真では約50 mmライズしているが,ジンマーはイメージサークルが大きい(約150 mm)為,この状態で画像のケラレはない。

この方法を応用すると,フロントフォールの可動域を広げることもできる。その場合はフィルム面をダウンティルトさせ,フロントはアップティルトで平行を取る。テクニカルカメラではフロントフォールがほぼ不可能なので,高台から見下ろすような風景の撮影でこの方法の利用価値が高い。ご参考までに。


写真:バックティルトによるフロントライズの拡張例 (ライズ量:約50 mm, Symmar 105 mm).

狸おやじ 2024/04/20(Sat) 21:59 No.2528
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
早速の丁寧なご指導ありがとうございます。感謝申し上げます。わかりやすく、戸外にセットを持ち出し実践して確認致しました。また、買い込んだ専門書も熟読致しまして、過去の悔やまれる写真を思い出した次第です。手持ちでは無理ですので、三脚使用限定ですね。遠景にピントが合っていく、広角での建築物が先窄まりが修正出来る、とかGWはお陰様で忙しくなりそうです。
改めて、御礼申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/04/22(Mon) 00:08 No.2529
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有り難うございます。
GFX 50SUに、ピクセルシフトマルチショットという機能があり、購入後使ったことがありませんでした。0.5画素毎に手ぶれ補正機能を利用して16枚の撮影、フジのソフトで合成後、lrで写真に、という機能です。解像度は4倍の2億画素700MBになります。PCのメモリを32GBに強化、 23Vにゾナー180mmでトライしてみました。
結果は驚きの精細度でした。カメラ、レンズともに最先端の世界を見させてあげることができて満足してます。
ただ、被写体は静物限定、動く雲、草花、人物はN/Gです。
撮影データは
三脚使用、f5.6、1/60、ISO800でレリーズ必須です。
あまりに大きなデータですので3MPに落とした写真を添付致します。
フランジバックの問題で広角レンズ、100mmレンズが使えない事が残念ですが
クラシックカーの撮影を時々致しますので、役に立ちそうです。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/05/17(Fri) 21:13 No.2535
Re: ピクセルシフトマルチショット
フィルム大好き様いつも驚かされる話題をありがとうございます。
2億画素ですか、とほうもない世界ですね。
オリジナルでなくても精細なことが窺い知れます。
焦点が合っていれば、どこまで拡大しても現物を見るのと同じ臨場感なのでは。
確かに条件は限定されますが、大変夢がある機能だと思います。
れんずまにあ 2024/05/18(Sat) 18:32 No.2536
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様,れんずまにあ様

貴重な情報をありがとうございます。
>GFX 50SUに、ピクセルシフトマルチショットという機能があり、

これは全く知りませんでした。デジタル画像素子には詳しくないのですが,RGBカラーフィルターを水平方向にベイヤー式に並べて色情報を取る場合,(深さ方向に色情報を取るFoveon式と比較して)カラー画像の解像度が落ちてしまう。カラーフィルターを水平方向に細かくズラして追加情報を得て,解像度を上げる方法が既に使われているとは知りませんでした。中判イメージセンサーの場合,画像素子のピクセルサイズは4-6μmなので,光の量子性が現れるサイズ(解像限界)より余裕がある。この様な状況では,ピクセルサイズの精細化に加え,色々な追加技術を使って実効解像度を上げることができるようで興味深く思います。

最近ハッセルブラッドからも新型デジタルバック(CFV 100C)が発売され,中判デジタルの世界が拡大しつつあると感じます。日本の他の企業(Sony他)も,この機を逃さず中判デジタルに参入して欲しいですね。
狸おやじ 2024/05/18(Sat) 19:47 No.2537
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
早速のご感想ありがとうございます。
この世界はとんでもない事になりそうですね。AI発展でカメラ設定は会話になるのでは無いかと危惧しています。
フジの上位機種100Uに至っては、4億画素が可能ですが触手は伸びません。
過去、オーディオに凝った時のプレーヤーのワウフラッター競争みたいで、、
Canonが2800位で動かないのか正解かもしれませんね。Adobeソフトで強化で4倍に出来るし。
クラシックカーの磨き上げられた、キャブレター、シリンダーヘッドが綺麗に撮れればいいなと。
ハッセルもライカもこの世界とは一線引いているのか、無理なのか分かりません。
やはり、この辺りのカメラの世界では、日本が1番ですね。
フイルム重視、時々デジタルで今後も人生を楽しもうと思っています。

狸おやじ様のアオリのレッスンが目下一番参考になっています。
これからも、よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/05/18(Sat) 20:06 No.2538
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様 狸おやじ様
いつも有難うございます。
先日、eBayにてlinhof Large Format Photography 1973年版という専門書を格安で(4000円未満)手に入れました。70,70press,23V,4×5の機種説明が網羅。
アオリの説明も細かく記載されていて楽しめます。
書籍の少ない中、貴重で楽しめました。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/07/12(Fri) 00:06 No.2545
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様

貴重な情報をありがとうございます。
私はこの本を知りませんでしたが、同じGossbild-Technik GmbHから出版された Linhof Practice(*) を以前読んだことがあります。豊富な写真と詳しい解説が載っていて興味を持ちましたが,値段が高かったので書いそびれてしまいました。今考えると惜しいことをしたと思い中古本を探し始めました。昔のリンホフはいろいろな本を出版したり講習会を開いたりと,テクニカル/ビューカメラの技術講習や普及活動にも取り組んでいたようです。

最近は35mmデジタルカメラの進歩が停滞気味になり,ユーザーが物足りなさを感じている為か,中判以上のテクニカルデジタル/アナログカメラやアオリ技術に対するニーズや期待感を感じます。それらのニーズに対応する情報サイトを,将来的に立ち上げて情報発信したいとも考えています。それまでは,この日浦様のサイトをお借りして「リンホフテヒニカ23」と「中判シートフィルム」を中心に,皆様と情報発信していけたらと考えています。どうぞよろしくお願いします。

*) Nikolaus Karpf, "Linhof Practice: An Introduction to Linhof Cameras, Their Accessories, and Photographic Technique", 2nd Ed., Verlag Grossbild-Technik GmbH, Munich, 1958.
狸おやじ 2024/07/13(Sat) 11:52 No.2546
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フィルム大好き様 狸おやじ様
最近撮影機会が少なくご無沙汰していますが、皆様のご投稿はいつも楽しみに拝読しています。

linhof Large Format Photography すばらしいですね.私も網を貼っておきますが,なかなか遭遇できないでしょうね.

狸おやじ様が大判情報発信をお考えとのこと、これもまた素晴らしい。
昨今フィルム事情が悪化の一途を辿っているのと反比例して、大中判の評価額が鰻登り。
新たに機材を購入するのに逆風ですが、フィルム生産の後押しになってくれないか期待しています。
狸おやじ様の貴重な情報が、オーナーたちが大中判を見直し撮影を楽しむ環境が整う大きな助けになりますよう祈っています。

さて貴重な晴れ間と余暇が一致して、大中判撮影を楽しめますように。
れんずまにあ 2024/07/14(Sun) 09:39 No.2547
テヒニカ23での日中シンクロ撮影
これまで私はテヒニカ23で主に風景写真を撮影してきた。
風景写真なら構図や露出を時間をかけて決められる。休日にテヒニカを郊外に持ち出し,綺麗な風景をじっくり撮影するのは楽しい時間になっている。

ところが自分の子供が成長し成人式や卒業式を迎える頃になり,娘達の晴着の写真を撮ってほしいと頼まれた。これまで親父の道楽に付き合わせ,迷惑をかけてきた家族の頼みを断るのは難しい。営業写真館に頼むとワンショット数千~1万円で,しかもデジカメで撮られた写真は薄っぺらで魅力を感じない。「よーしそれなら引き受けるか」という気になった。折角撮るならテヒニカのカラーポジ6x9サイズ,ストロボを使って野外の日中シンクロ撮影... と理想は膨らむが,狸おやじには人物撮影の経験がほとんど無い。まずはライティングとポートレート撮影の勉強からと解説本を購入し,少しずつ読みながら必要機材を集めて準備を進めてきた。その辺の顛末は「カメラ情報交換掲示板」の「フラッシュ多灯撮影」(No.2620~2707)に書いた。ここではその後の進展を含めた全体の概要を紹介したい。この情報が,テヒニカ23や類似の機械式カメラでポートレート撮影を計画されている方々にお役に立てば幸いです。
狸おやじ 2024/08/06(Tue) 20:15 No.2553
テヒニカ23での日中シンクロ撮影(続き)
テヒニカ23でポートレート撮影をする上で,私が重視したのは次の4点:
1. 野外での日中シンクロ撮影をオフカメラ+多灯で実施
2. 野外で使い易いコンパクトで軽量な機材の選定
3. 迅速な露出と光量を決める方法を採用(ストロボの外光オート機能を利用)
4. 撮影前に推定画像の確認(テスト撮影の手段を用意)

3はポートレートでは速射性が大事な為だが,テヒニカ等の機械式カメラは露出が完全マニュアルで,TTL測光もできない。そこで外光オート式のストロボを使い,擬似的な多灯のオート撮影を行う。オートストロボをリモートセンサーで遠隔的に制御すればオフカメラのライティングができる。4はフィルム撮影に多い失敗を減らす為で,デジタルカメラを画像確認用に使う。3と4に関して,れんずまにあ様から貴重な情報とアドバイスをいただきました(カメラ情報交換掲示板: No.2620-2707)。

1-4を考慮して準備した照明機材は次の通り:
・ ストロボ(Panasonic PE-36S x 2)1台をメイン,1台をサブのスレーブ用
・ リモートセンサー(Panasonic PW-12S)メインストロボをリモート制御
・ ディフューザー(ImageVision RoundFlash Dish, LumiQuest LQ-103S他)
・ ライトスタンド(Manfrotto MS0490C)軽量のカーボンスタンド
・ テスト撮影用のデジタルカメラ(Sony α7II等)
狸おやじ 2024/08/06(Tue) 20:32 No.2554
テヒニカ23での日中シンクロ撮影(続き)
撮影手順としては,まず野外で逆光気味の綺麗な背景を見つけて人物を配置し,背景光と希望ボケ量に合わせたF値とシャッター速度(SS)をカメラ(レンズ)に設定する。カメラ上のリモートセンサーと接続したメインストロボにF値を入力し,人物の前方右か左上方から発光し,人物からの反射光(受光角20°)で外光オート調光する。光量が不足する(又はキャッチライト等を入れたい)場合,サブストロボ(光量1/4~1/2)をスレーブで補助発光。サブの発光量をメインより少なく設定すれば,サブ発光が終了した後にセンサーの受光量が設定量になった時点でメイン発光が終了する。この状態で,SSを速くすると背景光量が減少し,遅くすると光量が増加する。好みの人物対背景光量になるようにSSを調整する。撮影画像の確認は,同じF値とSS,ISO値を入力したデジタルカメラにリモートセンサーを載せ替えて行う。

下の写真に機材のセッティングの例を示す。テヒニカのコールドシューにアダプター(エツミ E-519)を介してリモートセンサーを取り付け,ライトスタンドのメインストロボと接続しラウンドディッシュを取り付けている。カメラ横のフラッシュ台(No.2068)にサブストロボを載せ,スレーブ発光させる。このフラッシュ台はワンタッチで取り外し,ハンドライトとして自由に移動可能。写真の円形ディフューザー(中国製,直径30cm)は,円形のキャッチライトを入れるのに便利。ストロボは予備をもう一台携行し,影消しや追加の補助光源として使っている。照明機材の合計重量は1.5 kgで,小型バッグ(Hakuba PlusShell S)に収納し,ライトスタンドは三脚と一緒にショルダーバックに入れている。テヒニカ23+レンズ+三脚+スタンド+照明機器で10 kg程,1人で何とか持ち運べる量だ。


写真:日中シンクロ撮影の設定例.

狸おやじ 2024/08/06(Tue) 21:00 No.2555
テヒニカ23での日中シンクロ撮影(続き)
これまで上の方法で3回程野外でポートレートを撮影した所,ほぼ満足できる結果が得られた。
この方法の問題点は,外光オートストロボが現在入手し難いことだが,中古のストロボ(PE-36S,PE-60SG等)は数は少ないがヤフオク等に出ていて,専用のリモートセンサーも時々見かける。MetzのMecablitz 64(AF-1)は現行の外光オートストロボだが,リモートセンサーが提供されていない(*)。

デジカメ(α7)で試し撮りして再確認して驚いたが,一般のミラーレス/SLRカメラ(フォーカルプレーンシャッター機)は,1/200秒以上のシャッター速度でストロボ同調できない(**)。一方,テヒニカのレンズシャッターは全速(1~1/500秒)でストロボ同調するので,絞りを開け気味にして背景光を減らしたい時に役立つ。同じ画角の場合,6x9判のレンズの焦点距離は35mm判の約2倍になり,絞りを開けた時の背景のボケが相対的に大きく綺麗になる(参考:日浦様「被写界深度とぼけの大きさ」)。ボードレンズは鏡胴が不要で,長めの焦点距離でも軽量コンパクト。その為,背景のボケを生かしたポートレートを中長焦点レンズを使って日中シンクロ撮影する場合,テヒニカ23は有力な候補になると思う。

*) 2024年8月14日追記:Godoxが新型の外光オートストロボ(Lux Master)を発売した。これは以前(No.2072)紹介したLux Seniorの発展型で,GNは25だが標準でリモートセンサー(AS-01)が付いている。外観もクラシカルで使い易そう。これから外光オート撮影を考える場合に候補になると思う。

**) このフォーカルプレーンシャッターの欠点は,特に日中シンクロ撮影で顕著になる。最近の「ハイスピードシンクロ」という名の遅延発光技術で解決できると考える人がいるが,それは間違いだ。「ハイスピードシンクロ」ストロボをフォーカルプレーンシャッターで使う場合,シャッター幕に当たる光の内,幕中の細いスリットに当たる光以外は無駄になる。つまり感光面(画像センサー)に当たるストロボ光は,高速シャッターになる(スリットが細くなる)程少なくなり,有効光量(GN)が減少する。この場合,シャッター速度を上げてもストロボ光/環境光の比は変化しない。一方,デッケルが開発したシンクロコンパー以降のレンズシャッターは,シャッター全開時にストロボ光を100%受光するので光量にロスがない(GNが一定)。この場合,シャッター速度を上げるとストロボ光/環境光比が大きく増加する。日中シンクロ時のレンズシャッターの優位性は明らかで,ハッセルブラッドがコンパーシャッター搭載機(500C)の販売に成功した理由もここにある。この優位性は,電子式グローバルシャッター(全画素同期シャッター)がデジタルセンサーに搭載され,機械式(フォーカルプレーン)シャッターを代替するまで続くと思う。


写真:ストロボ撮影時のレンズ周辺 (Symmar-S 135 mm, Synchro-Compur No. 0, PW-12S).

狸おやじ 2024/08/06(Tue) 21:24 No.2556
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
以前もおやりになっておられましたが、ご家族のポートレート写真、よろしいですね。
私は中判大判で人を撮らなくなって久しく、とても刺激的なご投稿でした。
写真の歴史では、人像は最も重要な対象でしたので、原点回帰。
しかし難しいと思います。お察しします。
簡易スタジオを組まれて、すごいです。個人情報ですのであがりを拝見することはないでしょうが、続報に期待します。わくわくします。
少しフォールをかけると足が長くみえるかしら(笑
れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:54 No.2566
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。
確かに個人情報でサンプルを出せないので... 何か別の方法を考えてみます。秋にも野外ポートレートを予定していて,その頃にまた情報を提供できればと思います。

人物のポートレートは当たり外れが大きいですが,その分嵌った時の感動も大きい。ピントグラスの情景がそのまま結果になる風景写真と対照的です。今後は風景に加えて人物撮影も楽しむ予定です。

フォールすると足が長く頭は小さくなりますね。今まではカメラを腰位置でニュートラル(水平)で撮っていましたが,目線まで上げて僅かにフォールするのも良さそう。パースペクティブの変更で写真の印象はかなり変わるので,状況に合わせて調整しようと思います。貴重なコメントをありがとうございました。
狸おやじ 2024/08/11(Sun) 17:20 No.2567
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
ポートレート撮影に関しての深いご指導ありがとうございます。実は、孫の来宅時に少し頭をよぎりましたが、古いストロボしか無く、室内でのISO100フィルムでは諦めていました。明確な次のステージへの指針をいただきまして感謝致します。
フォールで足長、シフトでスリムにとかも聞きます。孫より、セルフポートレートしたくなるくらいです。
道具は使い込みたいものですね。
課題が数あり、楽しみが増えました。ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/08/12(Mon) 09:14 No.2569
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
お孫さんが来られるのは嬉しいですね。
テヒニカでの撮影は少し大掛かりになるので,もし計画されるなら,七五三が良い機会かと思います。子供(特に女子)は,お粧しした時にフォーマルな撮影を喜ぶようです。ポートレートは良い写真を撮るとその人に喜ばれます。ここが自己満足的な風景写真と異なる魅力と思います。
楽しい撮影を。
狸おやじ 2024/08/13(Tue) 19:48 No.2570
貼り革の補修
テヒニカの周囲には合成樹脂製の「皮革」が貼り付けられている。
この貼り革の素材は不明だが,長期の使用でも劣化が少なく耐久性が高い。しかし接着剤は経年劣化がある様で,古いテヒニカには貼り革が剥がれたものや紛失したものがある。私のテヒニカ23は,本体は大丈夫だがストラップの留め具部の小片が無くなっていた。またIV型のスーパーローレックス(6x7)の貼り革が剥がれかけて気になっていた。

アメリカのHugoStudioは,中古カメラの貼り革リペア専門の会社で,ライカやローライの修理業界では広く知られている様だ。私はeBayでテヒニカ用の貼り革を見つけて知った。大判のテヒニカV45用の貼り革が多いが,スーパーローレックス45用のベージュ革もある。スーパーローレックス23と45は取り付け部分の構造が異なるが,本体は共通なので貼り革の寸法は同じ筈だ。eBayで$18(+送料$11)で売っていたので試しに購入してみた。


写真:補修作業中のSuper Rollex 23 (6x7).

狸おやじ 2024/08/14(Wed) 08:49 No.2571
貼り革の補修(続き)
貼り革はリンホフのホルダーに合わせて正確に裁断され,裏側に粘着シートが貼られている。
説明書に従って古い革を剥がし,ホルダーに残った古い接着剤を有機溶剤とアルコールで拭き取り(これが結構大変な作業),粘着材の表面を筆に含ませた水で少し濡らしてから本体に貼り付けた。YouTubeの解説動画では"Purell"という溶液(?)を使っているが,水で代用できるようだ。粘着材の接着力は強力なので,水を含ませて一時的に接着力を弱めることで位置決めが容易になる。貼り革は細かい部分を先に合わせ,全体に張力を掛けながら伸ばすと綺麗に貼れた。ついでに剥がした革の接着剤を拭き取って小片を切り出し,ストラップの留め具部に合成ゴム系接着剤で貼り付けた。60年以上も昔のカメラの外装が補修できて甦るのは嬉しい。


写真:補修後の様子.

狸おやじ 2024/08/14(Wed) 09:21 No.2572
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
貴重な情報、ありがとうございます。
然し、美しいですね。
改めて、Linhof Super Technika23Wの容姿に見惚れてしまいました。
もう、残念ながら、この様な工業芸術品は未来永劫出ませんね。
狸おやじ様の嬉しさが手に取るように拝察されます。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/08/14(Wed) 15:30 No.2573
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
確かにテヒニカの外観は美しいですね。
このカメラの加工精度と完成度は,過剰(オーバークオリティー)とも感じます。ドイツの伝統的なマイスター気質なのでしょうが,この完成度に負けない写真を撮るのは難しい。使う側が,道具(カメラ)に試されていると感じます。
狸おやじ 2024/08/15(Thu) 10:16 No.2574
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日、eBayにて、かねてより欲しかった
リンホフレンズシェード51-42変換リングが、フード付きでこれまた格安でありまして送料もエコノミーで時間がかかるだけで問題なく手元に届きました。
擦り傷は、万年筆用コンパウンドで磨いてみましたらかなり回復させられました。
Tele-Arton180,Symmar100にピッタリです。
嵩張りますが、エツミのレンズパウチにピッタリ入りますので秋の紅葉シーズンに引きずり回そうと思います。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/09/12(Thu) 22:40 No.2594
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
リンホフのレンズシェードご購入おめでとうございます。
この2つのシェードとリングがあれば,全てのテヒニカの専用レンズ(外径:42, 51, 60, 70 mm)に対応できますね。私も51 mmのレンズシェード(No.1992)を使ってますが,大口径レンズを入手したらどうしようかと考えていたので参考になります。注意点として,広角レンズ(65mm以下)ではケラレることがあるので,ピントグラスで一度確認されると良いと思います。リデューシング(減径)リングの装着感や使い勝手についても,ご都合の良い時にお知らせください。

それではテヒニカで楽しい撮影ライフを。
狸おやじ 2024/09/13(Fri) 21:05 No.2596
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
早速に、広角使用時のご注意ありがとうございます。
擦り傷だらけのフードも補修後、みられてもおかしくない程度に修復出来ました。
変換リングは、どちらも脱着には力点工夫しながらとスムーズにスポッとはいかないです。
ショルダーバックて運搬時はエツミのレンズポーチMがピッタリですので重宝しています。
もう新品は望めない製作終了品には維持するのも気を使いますね。
注目度抜群のこのフード、大切にしていきます。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/09/14(Sat) 15:11 No.2598
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
中秋の名月
Tele-Arton270にGFXバックで挑戦いたしました。
ご近所の方、カメラを見て仰天しておりましたが、なんとか撮影出来ました。
結果の報告を申し上げます。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/09/17(Tue) 18:43 No.2600
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
Tele-Arton270mmの撮影結果です。
よろしくお願い申し上げます。
データは
ISO640
1/6秒
f22です。

フイルム大好き 2024/09/17(Tue) 18:44 No.2601
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
中秋の名月のお写真をありがとうございます。
270 mm Tele-Artonだと月が大きく印象的ですね。テヒニカにデジタルバックと長玉を付ければ天体観測もできそうです。

私はテヒニカの活用法の一つとして,将来的に星空の天体写真を撮りたいと考えています。
バルブ開放で30分~数時間ほど露光すれば星が北極星を中心に旋回し,背景に山を配置すると幻想的な風景になると思う。最近はデジカメを使う人が多いが,CMOSセンサーは長期露光すると電気ノイズが入り易く,かと言ってノイズフィルターを使うと小さな星が消えてしまう。フィルムならノイズの心配がないし,中判は解像度が高いので無数の小さな星々(天の川 etc.)を写し込める(?)と思う。機械式シャッターならバッテリー切れの心配もない。問題は都会では町の光でカブってしまうので,人里離れた山の中で撮影する必要がある事で,これが現代人には大きなハードルです。いつか長い休みを取り,チベットかネパールの山中で試してみたいなあと夢想しています。
狸おやじ 2024/09/21(Sat) 15:54 No.2602
クレルさんのツァイス大判レンズの解説
アーネ・クレル(Arne Croell)さんのツァイス大判レンズの解説を紹介します。
クレルさんの解説は,フォクトレンダーの大判レンズの解説(*)が知られているが,オーバーコッヘンのカール・ツァイス(オプトン)の大判レンズの解説(**)も公開され注目を集めている。ツァイス・オプトンの中判~大判レンズは,テヒニカIV(1956年)23/45用に提供された専用レンズ(Biogon, Planar, Sonnar)が有名で,これらのレンズの性能と描写力が世界中から注目され評価される中でテヒニカIVの人気が高まった経緯がある(No.1559)。クレルさんの解説には,それぞれのレンズの開発の背景やレンズ構成,MTF曲線や新旧バージョンによる性能の違い等の詳しい情報が出ていて,テヒニカ23を使っている方々にも興味深いと思う。ご参考までに。

*) A. Croell, "Voigtlaender Large Format Lenses from 1949-1972", August 10, 2020.
https://www.arnecroell.com/voigtlaender.pdf

**) A. Croell, "Large Format Lenses from Carl Zeiss Oberkochen 1950-1972", August 25, 2014.
https://www.arnecroell.com/zeissoberkochen.pdf


図:ツァイス・オプトンの大判レンズ構成図 (Copyright by Arne Croell, 2014**).

狸おやじ 2024/09/23(Mon) 10:29 No.2603
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
すごい資料、ありがとうございます。拙い英語力で拾い読みを始めています。秋の夜長が楽しめそうです。
ビオゴンいいですね。たまにあっても躊躇してしまいます。
困ったことにトポゴンの構成図を見て、眠っていた記憶が蘇り、W-Nikkor2.5cm f4を思い出してしまいました。父の形見のS3につけてみたく30年ほど前に探していました。
ケース入りの薄いフードが付属で魅力満点でしたが諦めてそのまま。
困った虫が動き始めてしまいました。
脱線申し訳ございません。
ありがとうございました。

フイルム大好き 2024/09/23(Mon) 15:07 No.2604
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
コメントありがとうございます。超広角のTopogonやHologonは魅力的ですね。形見のS3も羨ましく思います。

残念ながら,私はニコンのカメラやレンズを使った経験があまり無いので(昔は仕事でFとF3を使いましたが),有益な情報を知りません。レンジファインダー式ニコンSシリーズは興味を持つ人が多いと思うので,専用のスレッドを作られると良いと思います。
狸おやじ 2024/10/01(Tue) 21:13 No.2608
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
リンホフのアナトミカルグリップについて投稿いたします。
旧型は下から差し込み、ロックレバーを後方に。現行型は上から差し込み同じくロックレバーを後方に。後期型を代理店に注文後23Vに付けて使用しておりますが、上記の取付の差以外に気になる差を列挙致します。
まず、取付フィーリング。
前期型はぬるつと入って、ロックはねっちり、という感じ。
後期固いはシャリシャリ感の上、スパッと感。
感じは、前期が勝っています。
ケーブルレリーズをセットすると、前期型は、シリンダー内部にボールの突起が一つあり、レリーズ本体をカチッとロック。
後期型は、それがありませんので、ロックは効きません。

この様に、コストダウンがハッキリ判り、高い買物も少しがっかりしております。
狸おやじ様の仰せの通り、リンホフは以前のモデル程細部の仕上げに手抜きがない事痛感しております。
よろしくお願い申し上げます。

追記
狸おやじ様からご投稿いただきましたので追記致します。
X型にも前期型と後期型がございます。
前期型はW型と共通と思います。
後期型は、上から装着ますので、装着後何かの拍子にぬけおちるんではとの
不安があります。
前期と後期は台座も異なり、互換性がありません。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/10/05(Sat) 20:19 No.2609
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
貴重な情報をありがとうございます。
アナトミカルグリップの取り付け部分の形状が,IV-V前期型とV後期型で違う事は知りませんでした(*)。両者には互換性がないのですね。私のグリップはIV型ですが,テヒニカ70(V前期型と同時期)の白グリップとも少し違い,裏側のクランプで「ボール状」の芋螺子を押し付ける方式です(写真)。すっきり見えますが強度的には少し頼りないかもしれません。時代と共に改良しながら簡略化していったようです。

私のグリップの穴にも小さな突起がありますが,純正のケーブル単体では上手く固定できずグラグラします。付属のチューリップ型の台座を付けると安定しますが,そうするとシャッターボタンの位置が飛び出して,私の短い指だと十分にボタンに届かない。体躯の大きいドイツ人を基準に作られているのだろうけど,もう少し考えて欲しかった。仕方なく,専用のソケット(No.2336)でリリースケーブルをフロントのピントダイヤル脇に固定している。私は昔からピントやレンズ周辺を右手で操作した後でシャッターを切る癖がついているので,このスタイルは割と気に入ってます。

*) フイルム大好き様の追記を読んでから修正しました。貴重な情報をありがとうございました。


写真:アナトミカルグリップ(IV型)と純正リリースケーブル.

狸おやじ 2024/10/06(Sun) 10:57 No.2610
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
諸先輩の皆様

板から少し脱線致します。
お世話になります。
フイルム撮影時、レコードを如何様になさっているかノウハウをうかがいたく、、。
ブローニー10枚12枚くらいでしたら簡単なメモで、記憶を辿ればなんとかなりますが。
先日、135の36枚を久しぶりに復活して、このあたり疎かになっていました。
同一条件で撮り切れるのも難しく、一応iPhoneのメモに打ち込んでおりましたが、抜けも有り、確かこの辺で、の様な曖昧な状態です。

次回からの為、エクセルシートの様なものおこして保存していますが、
刑事さんが使う様なメモに速記の方が勝手がいい様な気が致します。
もう少しで自家現像のタイミングを前に、諸先輩の皆様の方法を伺いたく投稿いたしました。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/10/10(Thu) 23:16 No.2612
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
私はフィルムや写真の整理が苦手で,あまりきちんと管理していません。
趣味の世界では完全にアナログ人間なので,パソコンやソフトウェアもほとんど使ってません。唯一使っているのがメモ帳(コクヨ野帳 セ-Y3)で,これに撮影データ(フィルム番号,コマ番号,日時,場所,構図,使用機材,レンズ,絞り,SS,EV等)を手書きで書き込んでいます。現像した120フィルムは透明シート(コクヨ ア-M923)に入れてA4フォトファイル(ア-M160)に収納し,透明シートに貼ったタックシールに必要な情報を書いています(中判シートフィルム,No.2452)。フィルムをスキャンしたデジタル画像は,他の画像と一緒にMacの「写真」に取り込み,撮影データの一部を「i」に記入。だだしシールや「i」に書く情報は一部で,詳しい情報を調べる時は元のメモ帳で確認してます。つまり基本的にアナログ管理です。

ソフトウェアを使って電子的に管理する場合,「こぼうしさん」の情報が参考になると思います:
https://koboshi.tokyo/2022/04/29/film_store/
写真が大量にあるか仕事で使うなら効果的ですが,入力は大変そう。私は... たぶん無理。趣味の中判フィルム(120,6.5x9等)はこれまで通りアナログ管理の予定です。


写真:メモ帳をカメラバッグ(Domke F-6BB)の背面に収納.

狸おやじ 2024/10/12(Sat) 10:01 No.2613
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
早速のアドバイスをいただき、ありがとうございます。
恥を忍んで伺って良かったと思っています。
おっしゃる通り、スマホに打ち込むのは、画面呼び出し、キーボード、カーソル合わせてとか手間がかかりまして。
ゴルフのスコアのメモの様にポケットから出してササっと、の方が早いなと感じていました。
30年程前のポジに色変わりが散見され、狸おやじ様のご投稿から知ったSilverSalt
よりベルガミン紙のファイルを取り寄せ、古いポジを入れ替えを始めています。
どうも、私もアナログ管理が性に合っている様です。
適当なメモ帳を見つけてみます。
ありがとうございました。

フイルム大好き 2024/10/12(Sat) 18:06 No.2614
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フィルム大好き様、たぬき親爺様。

まずグリップの変遷について全く存じませんでしたので御礼申し上げます。
拙宅にはテヒニカV45用白、テヒニカ70用白がありますが、70は古いモデルの方と思います。45用は外したことがないので後で見ますが古いほうじゃないかしら。

フィルム整理についてですが、皆様の方法を拝読すると、アナログデジタル折衷、アナログ寄りかと思います。

カラーは目下業者依頼で、帰ってくるのに1週間以上かかります。(先日10月からポジ全てとブローニーネガ:多分4x5も、一回につき五百円の送料を請求されることを告げられ、ネガカラーはもう自家現像しようかなと傾いています)
何写したか、どの機材使ったか記憶が薄れます(笑

モノクロは自家現像ですので、コクヨの透明ネガポケット右上に、ラベルシールに現像条件、撮影/現像日時、機材名をボールペンで書いて貼っています。
詳細な現像条件はPCに記録して、次の現像前に参照できるようにしています。

詳細な機材や撮影場所などは、フィルムスキャン後、明室現像した画像のファイル名などとともに、テキストでまとめを書き留めています。

検索は、撮影/現像日時で順番にPCファイルに保存しており、ファイル名には撮影地と機材を手短に付けていますので、どちらからも検索可能で、ネガブックにファイルしている現実のフィルムに到達できるようになっています。
最近大伸ばしプリントの機会が少ないのですが、プリントには原盤か、高解像度で再度スキャンしたデータを渡しますので、原盤フィルムを見つける必要があるためです。

ありきたりの方法でご参考にならないと思いますが、とりあえず報告まで。
れんずまにあ 2024/10/12(Sat) 22:25 No.2615
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
ご指導、ありがとうございます。
やはり、アナログへの愛情を感じて大変嬉しいです。
最近、愚息が、子供の撮影用にニコンのミラーレスを手にして、急速にカメラ趣味に入り込んで参りました。
いろいろな質問に対して、丁寧に返すうちにフイルムへの関心があることに気づき
思い切って、リンホフの実機を持ち出してみたところ、暫し沈黙注視。
コレは脈有りと思っています。
できれば、フイルム、リンホフのバトンを渡せていけばと思います。よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/10/12(Sat) 23:39 No.2616
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
No.2613にカメラバッグの写真を載せたので,私が使っているバッグの概要を紹介します。
私が30年前に海外で購入したテヒニカ23のセットには,純正の革製カメラバッグが付属していた(No.1561)。しかしこのバッグは大きくて重く,野外では全く使えなかった。そこで帰国後にエツミの大型カメラバッグを買って入れ替えたが,これも非常に使い難かった。肩掛けベルトの取り付け部分が脆弱でベルトが捻れて外れそうになる。バッグの短辺が長いので真四角の箱に不安定なベルトが付いた様でバランスが悪い。車で移動するならまだしも,肩に担いで長距離を運ぶことはできなかった。もっとスマートに持ち運べて,必要な時に素早く取り出せるバッグがないかと探していた。

ドンケ(Domke)は米国のカメラバッグの会社で,プロからアマチュアまで愛用者が多い。有名すぎるので手を出し兼ねていたが,地元のカメラ店にF-2があるのを見つけ,試しに5kgのウェイトを入れて担いでみた。すると,これがバランスが良くて担ぎ易い。担ぎ易い理由は,まずコットン製の幅広のベルトの裏にゴム引きがあり,フリクションが心地良い。このベルトが厚いパッドが底に入ったバッグ全体を下から支えるので重心が低くバランスが良い。側面には邪魔なパッドが無いので軽くてコンパクトな上に,短辺が短く細長い形状なので腰に当たらず歩き易い。流石に上手く作られている。


写真:カメラバッグ(Domke F-6BB)と三脚バッグ.

狸おやじ 2024/10/23(Wed) 20:34 No.2618
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
ドンケのバッグはコットン製が人気のようだが,日本は雨が多く湿気も高いので,防水性と速乾性に優れるバリスティックナイロン製(BB)を選んだ。サイズはF-2より一回り小さいF-6にしたが,テヒニカIV23一式(カメラ本体,レンズx3,スーパーローレックス,冠布,小物等)がギリギリ入る(写真)。内部にソフトボックス(エツミE-6151)を追加して,レンズと小物類を収納している。これより機材が多い場合はF-2が良いと思う。私の場合,最初は全て入ったが,予備のレンズや小物が増えると入り切らなくなった。入らない分(予備レンズx2,予備スーパーローレックス,大型レンズシェード等)は,小型の防湿バッグ(ハクバドライソフトボックスM)に収納している。

野外の撮影では,このカメラバッグと三脚バッグ(マンフロットMBAG70N,MT190CXPro3: No.1643)を携行し,必要に応じて予備の防湿バッグやカットフィルムホルダー(No.2483)を加える。重量はカメラバッグが6kg,三脚が2.5kgで,この2つと小さいサブザック位ならほぼ一日中歩きながら撮影できる。肩が疲れたらベルトに首を通し,バッグを抱える体勢にすると楽になり多少の不整地でも歩ける。テヒニカにレンズとスーパーローレックスを装着しておけば,バッグから取り出して組み立てたら撮影可能。難点は留め金のフックがワンタッチ式でない事だが,直ぐに慣れる。肩掛け式のバッグが好きな人には候補になると思う。


写真:バッグ中の機材.

狸おやじ 2024/10/23(Wed) 21:16 No.2619
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
正に、悩み所の貴重な情報ありがとうございます。
テヒニカ70には、純正アルミケースが付属しておりましたが、とても持ち歩く代物では無く、ましてや電車等乗ろうものなら、重さに加え、人への危害迄心配しなければなりません。車移動に限られます。
三脚所持のことを考え、リュック式もいいかなと思っていた所です。
色々、検討するのも楽しみです。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/10/24(Thu) 10:36 No.2620
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日、Yahooオークションにジャンクと注意書きのある初期型symmar 100mmf5.6がありまして、この辺なら、とbidしておいたら格安で落札できました。
手元に届いてレンズを覗き込むと、成程盛大なクモリ。バラしてクリーニングした所、キズ無し極上レンズになりまして、、。
1秒は少し長いですがデジタルバックで開けっぱなしで問題無し。
今度、前玉外しで望遠にトライしてみます。
テストでテーブル向こうの愛犬の写真添付致します。f5.6解放ISO 1600 1/60です。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/11/14(Thu) 01:18 No.2640
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
Symmar 100のご購入おめでとうございます。
初期型のコンバーティブルジンマーは1950年代後半~70年代前半の製造と思いますが、性能に定評がありますね。コンパクトでイメージサークルが広く,解像度が高くてボケも綺麗。シャッターは,シンクロコンパーMXV(全速ストロボ同調)ですね。私も愛用しています。シングルコーティングなので時代遅れと見做す人もいますが,コントラストが弱めでハイコントラストのリバーサルフィルムとの相性が良い。色調はやや青味がかかり(シュナイダーブルー?)端正です。写真を拝見すると階調の広いなだらかな描写で,デジタル素子との相性も良さそう。後継のSymmar-Sも高性能ですが,コバ落ちの個体が多く,その時期のシュナイダーの製造工程に何か問題があったようです。初期型のジンマーは古典的名レンズとして長く活躍すると思います。
狸おやじ 2024/11/16(Sat) 09:26 No.2641
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもご指導、ありがとうございます。
成程、Symmar-Sはコバ落ちが酷く手放してしまい、少し後悔しています
さて、175mm f12での試写をしてみました。いつもテストする近所の養鶏場の風景です。Linhof23V CFVU50Cに前玉を外したSymmar100mmをセット。
f32、1/45、ISO400です。レンズ位置はかなり前に蛇腹を繰り出しました。
結果は満足どころか、50年以上前の製造と考えると、驚きしかありませんでした。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/11/17(Sun) 13:10 No.2642
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
Symmar 100(前玉外し)の試写画像のご提供をありがとうございます。
非常に高解像度の画像で驚いています。以前のTele-Arton 270mmの画像(No.2389)と比べても遜色ないどころか,解像度ではむしろ優っていると感じます。コンバーティブルの本領発揮ですね。f32で撮られているのがポイントかもしれません。私は前玉外しをあまり試したことがありませんが,これなら十分実用になると思います。貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2024/11/21(Thu) 20:53 No.2647
Re: ジンマー前玉外し
フィルム大好き様、狸おやじ様,ご投稿大変興味深く拝見しています。

前群を外して後群のみで撮影するいわゆるコンパーティブルレンズの末裔ですね。
他に後群の焦点距離と絞り値を併記している戦後レンズは、米国ゲルツのDagor、ウオーレンサックのプロター型(これは前だけのも表示されている),日本のカラータムロンがあります。これらは皆3枚または4枚接合の前後2群で、建前上は片方でも収差は概ね補正されているので、単独で使用できるのです。
ただし、デジタルステッチで試写してみると、いずれも非常に収差が多く、開放ではほぼソフトフォーカスと言って良いほどの球面収差と、歪曲、周辺の非点収差、色収差など、対称型で打ち消しあっていた収差がオンパレードになります。
これらは歪曲以外絞り込みで改善するものですが、多少絞ったくらいでは、A4程度の拡大でも先鋭になりません。
ジンマーは接合レンズよりも前後で打ち消す収差が多いという記述を読んだことがあり、ダゴールなどよりさらに片方での収差は大きいと予想され、実際私の150ジンマー前玉外しは少なくともダゴール同レベルのふわふわ画像でした。
ただし、絞り切ると画質は豹変というか、かなりいける印象で,開放、f16、f32で試写すると、f32は4x5範囲では使えると判断しました。試していませんがf45だともっといい感じになるのではないかと思います。ただし当然手持ちは無理で、バイテン範囲は周辺が甘すぎます。

狭い経験の話で恐縮です。
れんずまにあ 2024/11/21(Thu) 23:51 No.2648
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつもご指導ありがとうございます。一枚で満足してしまうと、他のテストをしない自分を恥じ、再テスト致しました。同システムでf45 1/20 ISO400です。f16 1/90も試しました。私見ではあまり劇的な変化は見られませんでしたので、f45のテスト結果を添付申し上げます。
今回、ホワイトバランスオートから晴天に変更してみました。
尚、全て三脚と電子レリーズを使用致しました。
いずれの写真に大差は認められず、この時代のレンズ設計者の優秀さに改めて感服致しました。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/11/22(Fri) 11:20 No.2649
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
連続投稿お許しください。
次に室内、解放f12のテストもいたしました。
データはISO1600 f12 1/20です。カメラ本体はGFX50SUにしてみました。
ピントのピークが鼻に行ってしまいました。
お騒がせいたしました。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/11/22(Fri) 13:24 No.2650
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ジンマー前玉外し(175mm)の試写画像2枚をありがとうございます。
f12と16の描写の違いに驚いています。レンズの焦点距離を2倍にすると画角は約半分になるので,撮影画像を同じサイズの画像に拡大して比較すると,相対的な「被写界深度」(相対ボケ量)は元の焦点距離のレンズの2倍になる(?)と考えていました。もしこの考えが正しいとすると(間違っているかもしれませんが),175mmで撮られたf12と16の画像の相対ボケ量は,100mmレンズの画像ではf5.6とf8に対応するのかも知れません。ご愛犬の柔らかな後ろボケは,中判標準100mmのf5.6に対応し,養鶏場のシャープな遠景はf8に対応しているのかな(?)と勝手に想像しています。
狸おやじ 2024/11/30(Sat) 10:29 No.2653
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもご指導ありがとうございます。
今回、ジンマーコンバーチブル100mmの前玉外し175mをf16 f32 f45 解放f12といろいろ試してみまして正直、色味、写りは驚きのレンズという事を実感しました。f12のボケ具合も女性上半身ポートレイト等良いかもしれませんね。残念ながらモデルはおりませんが、、
軽く、コンパクト良い事ずくめ。長く愛用間違いなしです。残念ながら前後レンズキャップがありません。
linhof studioに新品が19ポンドであるにはあるのですが、送料が倍以上で躊躇しております。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/12/02(Mon) 11:29 No.2654
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
「リンホフセレクト」のコンバーティブルジンマーは格好良いですね。
私はレンズキャップに無頓着で,昔はそのままクッションポーチに入れたりしてました。最近は流石にキャップを付けるようにしてますが,純正品は中々手に入らないですね。サイズが合う互換品が見つからない時は,ドイツのHeliopan社の「被せ式」レンズキャップを使ってます。これは1 mm刻みで作られているので合う場合が多い。最近製造中止になってしまったようですが,まだ在庫は残っていると思います。日本では「かわうそ商店」で在庫分の販売(*)があるようです。ご参考までに。

*) https://kawauso.biz/products/list?category_id=36&name=lens+cap
狸おやじ 2024/12/14(Sat) 09:17 No.2669
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつも有難うございます。
実は、かわうそ商店様にもすでに試してみました。
symmar 100mmのリアレンズキャップ。31.5ミリなんですが、32mmを。
コンマ0.5ミリでガバガバ。難しいですね。探していると、楽天フリマからジャストの品の案内が有りましたが、コレ一つで1万5千円。足元見やがって、という感じです。
幸い、フロントキャップは日暮里の代理店で価千円で見つかりましたが、リアは相当困難の様です。
気長に待ってみようと思います。
こんな世界に、一喜一憂するのも、それも楽しいですね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/12/14(Sat) 23:34 Home No.2670
Re: レンズキャップ
皆様キャップではお悩みですね。
最近は通販では前後キャップなしで来ることが多く、困ります。
ダンボールでカバーしてるのはまだ良心的です。
どの口径が必要になるのか、予測不可能ですので、ジャンク箱でそれらしい口径を見つけたらとにかく買って帰り、レンズがきたら現物合わせします。
それも枯渇してきて、片方無いことも多々。
数年前まで、秋葉原のカメラ店で被せとスナップオン小径キャップが21から43.5まで0,5刻みで売っていたので全種類とにかく揃えて、使った分補充していました。
ところが2年前久しぶり行ったらもう生産中止で一個もないと言われガーン!
シュナイダーキャップのジャンクを豊富に出していた大判専門店も閉店し、もはやボール紙で自作せねばならないかと。
最近はミルクやヨーグルトドリンクのキャップも有効活用しています...

ガバガバは、短期的には縁にパーマセルなど貼って量を高くしてます。もちろんちょうどのが一番ですが...
れんずまにあ 2024/12/15(Sun) 10:22 No.2671
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
私、この世界に入り込むのが少し遅かったと思います。
シュナイダーレンズキャップだけ、箱売りしていたとは、、残念至極です。
ジャンクで手に入れ、手入れ後蘇ると、どうしてもキチンと服を着せたくなりまして。
噂では、6×9ボード付きのレンズ収納ボックスもあったとか。
まだまだ知らない世界が多い様です。
今後も、ご指導よろしくお願いし申し上げます。
フイルム大好き 2024/12/15(Sun) 18:59 Home No.2672
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日の投稿で純正レンズケースの件に触れましたが、見たことの無い品がヤフオクのジンマー180ミリにセットで売りに出ていましたので、最低落札で買ってみました。
手元に届き、唖然。ケースの黒革の色は抜けて傷だらけ。レンズはカビ跡が見られ周りの塗装もハゲハゲでした。ケースは残念ながら4×5用。
先ずは、レンズ前後をバラしてクリーニングで復活でき、ボディの黒塗装はエナメルでなんとか。Toyoのボードが有りましたのでセット。
ケースは、保湿クリームを塗り込み靴のコバインキで色入れ。仕上げにワックスで磨き上げまして新品同様。革も生き返ります。革靴磨きのノウハウが生きました。
4×5は首つっこむつもりはありませんのでいずれ2×3ボードが手に入ればトライしてみるつもりです。
こんな丁寧なアクセサリーが生産されないとは
無念の一言です。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/12/17(Tue) 18:06 No.2673
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
いつも、全方位のご指導ありがとうございます。
さて、先日入手したジャンクコンパーチブルsymmar180mmf5.6.ebayで6×9ボードが邦貨2000円くらいで手に入り、早速試してみました。結果は大満足。リンホフセレクトではありませんが以後カムの焦点距離にとらわれず、チャンスがあれば色々な焦点距離のレンズを試したくなりました。
撮影データはlinhof23V
f22 SS1/25 ISO3200 GFX50SUです。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/01/25(Sat) 22:34 No.2698
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。Symmar 180 mmの描写は素晴らしいですね。

オルソメター型の180 mmは,4x5~5x7”をカバーする広いイメージサークルを持ち,6x9用のテレタイプ180 mmより軽量で画質も良さそうです。私はローデンシュトックのRotelarの発色が好きなので,Sironarの中長焦点(150~180 mm)を探していますが,中古の値段が高く,まだ良い縁がありません。
狸おやじ 2025/03/18(Tue) 22:15 No.2768
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
お褒めいただきありがとうございます。ジャンク品でしたが前玉を外し、クリーニングしてみましたらかなり良くなりました。ハズレのガッカリレンズだと思いましたが、実用に耐えると思ってます。
問題は、このレンズに相応しい被写体と技術なんですが、、
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/20(Thu) 16:46 No.2773
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
別のサイト(35mm固定鏡胴カメラ,No. 2803)に,私の初期カメラの話を書いたので,ここではテヒニカ23を入手した経緯についてご紹介します。

今から30年程前,私は仕事の関係で欧州のスイスに滞在していた(No. 1561)。
当時使っていたカメラは,コンタックスG(Biogon 28mm, Sonnar 90mm)とCanonet QL17。コンタックスのBiogonは,当時の35mm判の中で最も高性能で高解像度のレンズの1つだと思う。しかし,小フォーマットの限界はあり,大伸ばしにすると中判や大判の画質に敵わなかった。その為,欧州滞在中に,高性能の中判以上のカメラを入手したいと考えていた。私の趣味は登山と山岳写真だったので,広角レンズが装着され手持ちで撮れる中判カメラとして,次の3つを候補に探していた。

1. Hasselblad SWC, Biogon 38mm, F4.5
2. Weitwinkel Rolleiflex, Distagon 55mm, F4
3. Linhof Technika, Super-Angulon 65-90mm

ハッセルブラッドのSLR(503C等)は当時でも人気があったが,ミラーショックが大きいので野外で手持ちでは撮れない。そこで,ミラーレスの広角ビオゴン搭載機(1)を候補にしたが,新品の値段は高く(70万円程),中古品はほとんど見なかった。ワイドローライ(2)は,当時住んでいたアパートの近くの中古カメラ店に1つ置かれていた。しかし,古くて状態が良くない割に値段が高かった。レンズが対称型のビオゴンでない点も不満だった。テヒニカ(3)は山岳写真で人気のあるテクニカルカメラだが,スイスではあまり見かけなかった。
狸おやじ 2025/04/13(Sun) 10:38 No.2809
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
そんな状況で2年程経ったある日,近所の中古カメラ店の前で足を止めた。
ショーウィンドウに見慣れない箱型のテクニカルカメラが置かれていて,レンズの縁に“Linhof TECHNIKA Super-Angulon 1:8/65”の文字。これがテヒニカとの最初の出会いだった。店に入り,店主から説明を聞くと,これは中判のスーパーテヒニカ23のIV型で,レンズはSuper-Angulon 65mmとSymmar 105mmで,連動カム調整済。グリップ,スーパーローレックス,純正の革ケースが付属したフルセット。値段は,円が強かった当時で35万円程。重さはフィルムホルダー込みで約3kg。店主は「スーパーな万能カメラだ。ファインダーは距離計内蔵型で現行のV型より使い易い。蛇腹も新品に交換した。50年は余裕で使える。完璧だ」と呟く。内心かなり動揺したが,顔では冷静を装い「もう少し考えたい」と言って店を出た。

テヒニカ23をどうするか決める前に,利点と欠点を挙げてみた。
まず利点は
M1. レンズ交換式なので様々な状況で使える。レンズ固定式(1や2)より有利。
M2. テクニカルカメラなのでアオリができ,連動距離計を使って手持ち撮影もできる。
M3. フォーマットが6x7~6x9cmで,1や2(6x4.5~6x6cm)より大きい。
一方の欠点は
D1. 大きくて重い(ホルダー込みで約3kg)。1や2と比べて2~3倍。
D2. 4x5インチの大判ではなく,中判のテヒニカ23。
D3. 値段が高い。だが,V型の新品の1/2~1/3程で,1や2の中古と余り違わない。
...と悩ましい。
狸おやじ 2025/04/13(Sun) 18:28 No.2810
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
リンホフに憧れていた私は,本当は大判のテヒニカが欲しかった(D2)。
しかし大判になると更に大きく重くなり,欠点(D1)が増し,手持ち撮影が難しくなる(M2が減る)。一方で軽量の中判カメラ(1や2)は,手持ちで軽快に撮れるが,レンズ交換やアオリ撮影ができず,フォーマットも小さい(M1-M3で不利)。その折衷案として,中判テヒニカは適切に思える。広角のスーパーアンギュロンは,山岳写真で定評のあるレンズで,35mmライカ用の縮小版も評判が良かった(*)。この“珠玉”のレンズを使えるのは魅力で,多少の重さは気にならないかも知れない。値段は高いが(D3),外国製品を買うなら,円高で欧州にいる今がチャンスだろう...。 そんな事を考えつつ,仕事の行き帰りにショーウィンドウを覗いていた。

結局その半年後,日本に帰国が決まった日にテヒニカ23を購入した。
テヒニカ23は,その後も国内外に持ち出して様々な場面で撮影に使ってきた。年と共に私の嗜好は変わり,解像度よりアウトフォーカスを含めた描写が美しいレンズ,手持ちより三脚とアオリを使った撮影を好む様になった。でも,テヒニカは変わらない。もしあの時,ハッセルやローライを選んでいたら,30年も使い続けることは無かったと思う。私にとってテヒニカは,苦楽を共に過ごした“戦友”と感じる。

*) 帰国してから知ったが,写真家の横木安良夫さんや渡部さとるさんもこのSA65mm/F8を愛用されていた(No.2151)。
狸おやじ 2025/04/13(Sun) 19:43 No.2811
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
linhof 23Wを購入に至る道のり、頷きながら拝読させていただきました。1950年代、アメリカの価格表では、ツァイスレンズ3本セットアウトフィットで1400ドル。1ドル365円の時代日本での価格は倍以上だったでしょう。大卒初任給8000円の時代、米国内なら5年以上呑まず食わずの価格ですね。正にカメラの世界のロールスロイス。
私は、ハッセルの件で件の日暮里のお店に出入りしているうち、どうしても6×9フォーマットのカメラが欲しくなり、主人に漏らした途端、目の前に23Vがドンとおかれて
4×5の凝縮されたような小ぶりな姿体に一目惚れ、後の滑落ぶりは説明不要と思います。
思うに、23V以前は、
コレだけコストかかるから、価格はこうなる、といった時代だったのではないでしょうか。
23Wの緻密な仕上げは今は、不可能と思います。以後、少しずつ、コストダウンの意思が汲み取れるような気が致します。
いずれにしても、当時、新品では決して手の届かないモノがなんとか手に入る幸福に甘んじております。
今後とも、ご指導よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/04/13(Sun) 23:53 No.2812
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
早速のコメントをありがとうございます。
テヒニカ23のV型は完成度の高いカメラと思います。特にレンズの焦点距離と連動カムの規格が共通化された事で互換性が高くなり,便利になったと思います。IV型までは個体毎の調整だったので,カメラとレンズの(初期の)カム調整をバラしてしまうと,距離計はほぼ使えない。専用レンズやボードの選択肢も多いので,今テヒニカ23を購入するならやはりV型が最適と思います。

30年前と比べると,現在は中古カメラの流通量と情報量,購入ルートが驚くほど増えました。これはインターネットの普及とそれに伴うオンラインマーケットの発達によるものですが,古い機材を使う者には“天国”の様な状況です。50年以上も昔に販売された古いカメラやレンズ,オプションパーツ類を,クリック1つで世界中から取り寄せることができる。しかも,それらの機材の詳しい情報を,インターネットで調べることもできる。時間が経つほど古い資産と情報が蘇るという不思議な状況です。今は,30年前と比べて(為政者と金融行政の愚策の結果)円が不当に安い状態ですが,個人購入の利便性は向上しました。この利便性を支えているのは,各個人が実体験に基づいて発信した情報と,それらがインターネット上で共有され作り出した「情報システム」と思います。その意味で,上の様な個人的な体験と感想ですが,皆様(そして最近のAI?)のお役に立つこともあるかも知れないと考え,恥ずかしながらご紹介しました。
狸おやじ 2025/04/14(Mon) 20:46 No.2813
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様、おはようございます。
いやぁ用語が(比較対象も)凄過ぎてとても付いていけません!シートフィルムなんかは私には絶対無理として、120フィルムなら・・と思うんですけどねぇ。やっぱり私には35mmカメラがお似合いです。
「そんなに沢山カメラを買うならライカ1台持てばいい」とはDPE屋さんの忠告ですが、あれは自分で手入れするものじゃないですし。

10年位前はリサイクルショップもあまりカメラの知識を持たない店が多く、意外な出物を手に入れることが出来ました。丁度フィルムカメラが底値の時期と重なって、その頃が一番楽しかったです。
ブロニカS2はその頃に手に入れた一番重いカメラ。隣に置いてあったマミヤプレスとどっちにしようか迷った末に購入。決め手は同じ1万円ポッキリでS2にはレンズが2本付いてたから(笑)。
あの時マミヤプレスを買っていたらどうなっていたんでしょう。
取り敢えず撮ってから 2025/04/15(Tue) 08:12 No.2814
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
れんずまにあ様
拙へのリンホフカメラに対するお導きに深く感謝申し上げます。
思えば、30年以上前ライカに没頭していた時代、そのきっかけとなった田中長徳氏の出稿された数々の記事を見るうち、確かプラハのカメラ屋で手に入れたリンホフプレス70のハナシが強く残っております。
曰く、カレル橋の袂のマクドナルドでコーヒーカップを置き、戦利品を広げた。スピゴットマウントのレンズを付け替えた感に感動と、、。
そして今でも記憶に残る一文が
リンホフはそれ自体で工業芸術品として成り立っている、、、

当時、その意味がわからずじまいでしたが、その後なるほどと思っている次第です。
新型デジタルカメラの話題も多い昨今ですが、とうの昔に生産終了の製品群を大切にしていこうと思っています。これからも、よろしくお願いし申し上げます。
フイルム大好き 2025/04/15(Tue) 17:18 No.2815
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
取り敢えず撮ってから様
コメントいただきありがとうございます。
私は趣味の写真では,気に入った機材を厳選して使うスタイルです。でも多くの機材を集めて目的に応じて使い分けるのも理想で,羨ましく思います。光学機器は性能と価格に広い幅があり,どこかで妥協しないといけない。しかし私は妥協が嫌いなので,高性能を求めてしまい予算が足りなくなる。そこで最高の機材を1つだけ使うスタイルになりました。今は中判のテヒニカですが,最後はテヒニカ45かも知れません。天国が地獄になりそうですが...

フイルム大好き様
田中長徳さんには私も影響を受けました。私が読んだのはテヒニカプレス23の紹介記事で,こんな重厚なプレスカメラがあるのかと驚きました。確か田中さんはプラハにアパートを借り,そこを拠点にクラッシックカメラを収集されていたと思います。当時の東欧は西側と比べて物価(通貨価値)が安く,中古カメラの購入に最適だったようです。早田カメラの早田さんも度々ヨーロッパに来て,中古カメラを直接仕入れたそうです。当時の円は最強ですから,海外の日本人には良い時代でした。当時は沢山の良質のカメラやレンズ他の機材が日本に運ばれましたが,今は残念ながらその逆の流れです。
狸おやじ 2025/04/15(Tue) 22:23 No.2816
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
遅ればせながら狸おやじ様のカメラ購入経過大変興味深く拝読致しました。
やはり歴史があって素敵です。
私はイベントがある時にそれを目標に購入しその前後数年集中して使用、長所と欠点を満喫した後、余裕があればその欠点を補う機材を次のイベントに合わせて用意する繰り返しでした。当初はシステムを売り払って更新していたのですが、売却価格は雀の涙(元値を低く抑えてるので当たり前)で、売却後にやっぱり再び必要になったなどの後悔先に立たず、最近は売らずに手元に置いていることが多くなりました。
幸い最近は、昔投げ売りだった大判中判機材に多少値がつくことが増えて、終活の時は家族に若干は貢献できるかな、などと思っています。

さて拙宅で最後に何を残すかですが目移りして決心が定まりません。万能性を求めるならリンホフテヒニカ23は究極の1台、残す意義が高いですね。
お違い様ですが、お元気で末長くお楽しみになれますように。
れんずまにあ 2025/04/20(Sun) 22:02 No.2831
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。
年を取ると昔を思い出す機会が多くなり,不甲斐なく思います。本来なら,自分の体験や知識を子供の世代に伝えれば良いのですが,私の場合,残せる機材やその機会が少ないので,若干でも役に立つ情報があれば,それを記録したいと考えています。古典的なテクニカルカメラの技術とその活用法は,既に忘れ去られつつある状況なので,我々が奇譚を記すのは無駄では無いと考えています。

今考えている問題は,アオリによるパースペクティブの補正で「なぜ我々は縦(垂直方向)のパースを補正するのに,横(水平方向)のパースを補正しないか」です。現時点では,これは人間が二本足で直立歩行をする進化の過程で,視覚情報の垂直成分を意図的に補正してきた結果だろうと考えています。とすると,これは人間に特有の視覚で,他の生物には我々とは「異なる世界」が見えているかもしれません。鏡の中の世界の左右反転の問題と同様,人間視覚心理学と画像表現を繋ぐ概念があるように思います。この問題はもう少し考えて,詳しい説明と資料が揃ったら,後日ご紹介する予定です。
狸おやじ 2025/04/26(Sat) 09:34 No.2836
曲がりレリーズアダプター
恐らくテクニカルカメラ(又はビューカメラ)に特有で,一般のカメラユーザーに染みの少ない物は,レンズボード周辺の小道具と思う。曲がりレリーズアダプターもその1つ。「何じゃコリャ?」と思われるかもしれないが,特に広角系のレンズでアオリ(カメラムーブメンツ)を多用する時,これあると助かる事がある。


写真:曲がりレリーズアダプター.

狸おやじ 2025/04/26(Sat) 21:02 No.2837
曲がりレリーズアダプター(続き)
テヒニカの様なテクニカルカメラの場合,広角系のレンズでアオリをする時に可動範囲が制限される事が多い。以前バックのアオリを併用して可動範囲を広げる方法を紹介した(No. 2527-28)。しかし,広角レンズの場合,レンズがカメラ本体に引っ込むので,ケーブルレリーズ(リリース)が付かなくなる事がある。勿論,手でシャッターを操作しても良いが,00番シャッターにはシャッター開放レバーが無く,バルブ開放しないと画面が見れない... 等々でレリーズを付けたい時がある。そんな時に便利なのが,曲がりレリーズアダプター。サイズや形は様々だが,私が使っているアダプターは小型で曲がり角の大きいタイプ(買った時は30度位の角度だったが,万力とペンチで120度まで曲げ増した)。現行品はまだUNから出ていて,中古品は(需要が無い為か)捨て値状態。無くても何とかなるが,1つバッグに入れて置くと何かと便利。


写真:曲がりレリーズアダプターの装着例.

狸おやじ 2025/04/26(Sat) 21:24 No.2838
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
いつもながら、実践のご指導ありがとうございます。
おかげさまで、上下のアオリの手法は身につきましたが左右のパースペクティブ調整に関しては、70も23Vもフロントスタンダードにスイングの機能がありません。結果、カメラを横倒しにしてティルト機能を使うしか有りませんが、この点だけで4×5を手に入れるつもりはありません。バックで調整より早いかなと思い。
問題は、雲台で、手に入れたarcaswissのギア雲台は横倒しに出来ず、かといって、C-1 Cubeはちょっと手が出ませんので、同じくPOの雲台の出番なんですが、自由雲台の水平出しは、ギア雲台を知ってしまうと、億劫ですね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/04/27(Sun) 23:57 No.2840
Re: 曲がりレリーズアダプター
あると便利な曲がりレリーズアダプターですね。
拙宅にも安いものを見つけたら確保していたら、いくつか集まりました。
右のは元から角度が大きな製品です。ソケット中心に回転するので向きは自在です。
下の一本は、ケーブルレリーズを短くしたような自由に曲がる製品で、やれば180度くらい曲がりますが、抵抗が大きくなるので実用的には120度くらいまででしょうか。
これらはもうディスコンばかりでしょうから、いざ欲しいとなると結構厳しいので、日頃から気を付けておく必要がありますね。
アダプタが必要なのは、ケーブルレリーズの取り付けネジ部分が大きく長いものが多いからで,元々ネジ部分が小さく短いプロンターの製品は、凹みボードやフロントスタンダードが奥まって一般レリーズがねじ込みにくい時でも使える場合があります。でもあまり長い製品はないようですね。

れんずまにあ 2025/04/28(Mon) 21:20 No.2842
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
困ったご投稿ありがとうございます。ダゴールですか。
売り払ったローライ2.8f Xenotar 80mmをリンホフで取り返し、やはり良かったと。さて次はの候補がこのあたりか、へリアと思っていたところでございます。狸おやじ様のご投稿1918の印象が強くて、、。実物を見ないと心配故に、サイトの売物は自信がなくパスしてきましたが、VessaUの思い入れは燻ったままです。新しいデジタルカメラ用レンズより、こちら方面にどうしても興味がいってしまいます
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/04/29(Tue) 01:54 No.2843
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
貴重なコメントと情報をありがとうございます。
使い易そうなケーブルレリーズアダプターを幾つもお持ちで羨ましいです。不思議なのは,金属製アダプターは曲げ角が大きくてもケーブルより動きがスムーズなことです。ケーブルとは内部構造が異なるようで,これも一度途切れると失われてしまう技術かもしれません。手に入る内にいくつか確保しておきたいと思います。

フイルム大好き様,れんずまにあ様
このレンズはGold Dot Dagorですね。これは伝説の銘玉で私も憧れます。8 1/4”ですので210 mm, F6.8(made in Switzerland by Goerz USA)でしょうか。広大なイメージサークルと立体感のある描写で,風景写真を撮る者には垂涎の銘玉です。私は以前150 mm(6”)を探したことがありますが,とても手が出せる値段ではありませんでした。Gold Rim Dagorもあり... 考え始めると切りがないので,今は封印して初期型のDagor (Goerz Berlin)を使ってます。Heliarの描写も良いですが,Dagorは少し方向性が違うクールな描写のレンズと思います。
狸おやじ 2025/04/29(Tue) 10:19 No.2844
Re: Dagor
狸おやじ様、フィルム大好き様、ゴールドドットにご注目でさすがの観察眼です。
同時に十分使いこなせていないのでお恥ずかしい限りです。

こちらの210mmf6.8は、絞ると8x10をカバーしています。
当初は、暗くても小型軽量の大判広角を探していきつきました。以前はできるだけコーティングがあるものを求めていて、アメリカンゲルツに至りました。
ご存知の通り6枚2群で、コーティングは要らないくらい反射面が少ない光学系です。
ただし、のちに空気面を持ったオルソメター型と比べて開放近くの球面収差がまだだいぶ補正しきれておらず、開放は柔らかな画像です。
もちろん絞ればハロは消えて、前後長が短い利点で非常に広画角になり、f16より小絞り、長焦点ではf32以上が真骨頂かもしれません。

ゴールドドットf6.8は米国のシートフィルム使用者向けが多く、短焦点は非常に珍しいので、狸おやじ様のおっしゃる150は高騰するでしょうね。
180くらいまでが入手可能な下限かもしれません。
f8のワイドアングルだと、ゴールドリムの92mmは割に遭遇します。
そんな感じで、中判に相応しい画角のレンズはなかなか入手困難かなあと思っています。

ところで行きつけ店舗の主人は、戦前ダゴールの柔らかさを大層褒めていて、戦後特にケルン製のは髪の毛が針金に写るからやめとけと聞かさせました。
私にはわかりません。だって髪の毛がある被写体を写さないのですから(笑

Dagorを現代に再現した、カラータムロンf6.8のシリーズなら、105や135がちょくちょく出てきます。写した感じ全くダゴールだと思いました。

69での作例がなくて恐縮です。トヨフィールド45CFL, GDD 8 1/4in(210mm)f22,5分,コダックポートラ400
さすがは2群、ゴーストのゴの字も出ません。

れんずまにあ 2025/04/29(Tue) 21:27 No.2845
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
Gold Dot Dagorの素晴らしい写真をありがとうございます。
ダイナミックで立体感のある端正な描写が四隅まで続いていて素晴らしいです。特に桜や鳥居の鮮やかな赤は,新しいダゴールでしか出ないと思います。私のベルリンのノンコートダゴールは,赤が弱まる為か,全体として彩度の低い地味な色調になります(No. 1919, 1924)。クールな描写は嫌いではありませんが,花や鮮やかな色彩を表現したい時は使えないと感じます。

>>行きつけ店舗の主人は、戦前ダゴールの柔らかさを大層褒めていて、戦後特にケルン製のは髪の毛が針金に写るからやめとけと聞かされました。

これはどうでしょう。ノンコートのダゴールはコントラストが低いので,高コントラストのポジフィルムでも滑らかな描写になるのは事実です。でも今は,フィルム原稿でもアナログ印刷することは稀で,銀塩プリントでもデジタルデータを読み込む時代です。コントラストや色味,質感も自由に調整できるので,低コントラストで低解像度の古いノンコートレンズを積極的に使う理由にはならないと思います。あとは好みの問題ですね。私自身は,カラーの鮮鋭度と高解像度で定評のあるKern社(スイス)のGold Dot Dagorに憧れます。シンクロ端子があるので,日中シンクロや(将来の?)デジタル撮影で使い易そうな所も魅力です。150 mmを探すのは大変そうですが...
狸おやじ 2025/05/01(Thu) 21:07 No.2847
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
狸おやじ様
ダゴールの素晴らしい作例ありがとうございました。いわば、ダゴールショックと言いますか、何日か不整脈が出て、やっと落ち着いてきました。本編、Camera Graphic中、日浦さまの超マニアックなダゴールの紹介ページを改めて見直した次第です。
物凄いレンズですね。よせば良いのに、いろいろ調べ始めて、価格ももの凄いですね。諦めるきっかけになります。
それにしても鳥居の赤の具合が頭から離れません。
超長期の課題をいただいて感謝申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2025/05/03(Sat) 16:28 No.2853
Re: ダゴール
皆様Dagorについてご興味がおありですね。
確かにクラシックなデザインで、暗いレンズですが、その辺り納得してお使いになれる方は代わりがきかないものでしょう。
描写については、まず絞り込んだ時の解像力は最高レベルです。広画角の隅々まで繊細な画質です。シャープなだけではなく、コントラストが高くクリア、諧調性が豊かだと言われています。

前に述べたように、戦後製品で、ワイドではないモデルでは180mmよりも短い焦点距離は非常に数が少なく、あっても高価になるため中判に利用するならば、戦前のストラットカメラやハンドカメラに装備された短焦点レンズを取り出されたものが選択肢でしょう。(フォトックスワイドスレッドの#1957,トヨフィールドスレッド#2258ご参照ください)

これは戦後ゴールドリムのワイドアングル92mmf8(今は売却して手元にありません)、大変小型で、絞り込むと4x5カバーします。戦後でこれよりも短いモデルは見たことがありません。

れんずまにあ 2025/05/04(Sun) 19:39 No.2854
テヒニカの引き伸ばし機
私は,1年程前にモノクロフィルムの自家現像を再開した。
最初はデジタルに移行するまでの「つなぎ」程度に考えていたが,フィルム現像を再開すると面白くなり,これまでモノクロネガ(大名刺判,120)を10回程現像した。当初は,現像したフィルムをスキャナーでデジタル化してワークフローを終了し,後は画像データをオンラインに載せたりカメラ店でプリントする予定だった。先日,写真コンテスト応募用のモノクロプリントを地元のカメラ店に依頼したのだが,モノクロ専用のプリンターが無かったので,カラープリンターの「モノクロモード」でプリントした。しかし,プリントされた写真の黒は漆黒でなく,全体のコントラストが強すぎて中間階調が出ない。仕方無く,プロラボにアナログの手焼きプリントを依頼した。手焼きプリントは中間階調が豊富で素晴らしい写真だった。でも,次回はどうしよう。自家プリントまでワークフローを拡大すれば良いが,それには道具が必要になる。暗室は無いし大型の引き伸ばし機は買えないし... と半ば諦めていた。

実は,蛇腹のテヒニカは「引き伸ばし機」にもなる。
テヒニカをスタンドか三脚に下向きに固定し,カメラバックをライトボックスとフィルムホルダーに交換して,光路を反転すれば印画紙に像を出せる。テヒニカVや70の取扱説明書には,アクセサリー(オプション)として「集光式引き伸ばしヘッド」や「冷光引き伸ばしヘッド」が載っていた。以前は「こんなの使う人いるのか?」と思ったが,今は少し興味が出てきた。大判を視野に入れるなら,テヒニカ45用も良さそうだ。テヒニカを使った自家プリントは楽しいかも知れない。


写真:5) Condenser enlarging head, 13) cold light enlarging head.

狸おやじ 2025/05/31(Sat) 08:45 No.2871
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
大変興味深いご投稿、ありがとうございます。
web上でlinhofの古いカタログを見て、又linhof practiceの本でも興味はありましたが、自身では踏み込む可能性は無いと思っていました。
実家には、古いluckeyの引き伸ばし機、35mm、6×6のネガキャリア他一式をしまい込んでいます。残念ながら、現像はラボでしたが6×6のネガを四つ、六つに伸ばした作品は、今でも額装して我が家に飾っています。
ペーパーを吟味して、浮き上がる像を見ていると嬉しいですね。
調べたら6×9のネガキャリアもある様ですね。
自家現像、自家プリントまで工程が踏めれば最高ですね。
ありがとうございました
フイルム大好き 2025/05/31(Sat) 15:58 No.2872
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
早速のコメントありがとうございます。
私もLuckyを高校生の頃に使ってました。大学院時代は暗室の隅にあったFocomatを(発掘して)使ってました。デジタル全盛の時代にアナログプリントは無駄かも知れませんが,高希釈現像で全体のコントラストを抑え局所的なシャープンネスを上げる技法(中判シートフィルム,No. 2288-90)は印画紙現像でも有効で,サイズが大きい分より効果的です。デジタル処理(アンシャープマスク)でシャープネスを上げる場合,画像全体の画質が低下する欠点があるので,アナログ(高希釈)現像の価値はあると思う(同,No. 2290)。昔の写真家達(Eugene Atget, Ansel Adams... )が経験的に生み出した現像表現法を,拡散過程の観点から再検討したいと考えています。

Luckyで6x9判の引き伸ばしができるようになると良いですね。
私はテヒニカ用のライトヘッドを探そうと思います。海外のサイトにはいくつか出てますが,状態が良いものは少ない。"Graflarger"という23用のライトヘッド(グラフロックバック?)があり流用できるかも。汎用性という点では,4x5”用のライトヘッドも候補です。
狸おやじ 2025/06/01(Sun) 08:56 No.2873
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
フォコマートの経験をお持ちとは、それ自体が憧れます。
ライカに触れる様になった頃、田中長徳さんの紹介で知るに至り、赤城耕一さんの2Cの導入に至る波乱を、これまたカメラ雑誌で知り興味から欲に変わり、天文学的な価格ですぐ諦めました。
確か、芝浦のあたりのプロラボの女流の著名なプリンターの取材をYouTubeでの紹介中、数有る引き伸ばし機のうちの一台が2Cで、ライカ撮影したネガはこれでと。
気になるのは、サポートしながらお客さんも使えますよ、とのコメントを思い出しました。
できれば経験したいと思います。
問題は、印画紙も高くなりましたね。
ハードルが多いですね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/06/10(Tue) 11:34 No.2882
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
コメントいただきありがとうございます。
私が昔使っていたFocomatは初代のIcです。黒い爆弾のような風体でしたが,とても使い易い自在アーム(拡大率を変えてもピントと画像中心がほとんどズレない)がついていました。ライツ社は小フォーマットの35mmライカ判を提案していたので,高性能の引き伸ばし機とセットで普及させる計画だったようです。その所為か,Icはライカ判までで,IIcから6x9 cm判まで対応したようです。中判で使えるのはIIcですが,まだ値段が高いですね。地元のカメラ店に聞いた所,国産の引き伸ばし機は既に需要が無く,中古で~5000円とのことです。置く場所を考えると敷居が高いですが,何れ無くなるので,状態の良い個体とイーゼルを確保して置くと良いかも知れません。いつまで印画紙があるか分かりませんが...

テヒニカ用のライトヘッドは数が少なく,程度の良いものはまだ見つかっていません。
狸おやじ 2025/06/10(Tue) 22:46 No.2883
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
ちょっとしたことで、火がつくこの趣味は困ったモノですね。以前観たYouTubeの履歴から見つけました。
渡部さとる氏の2Bチャンネル、プリンター 金子 典子の暗室作業の巻。
調べてみましたら
東京、八丁堀のアトリエ シヤンテーニユというスタジオです。http://atelier-chataigne.org/
引き伸ばし機はダースト、フォコマートTC、2C他一台チョイス、1時間1,100円でレンタルできる様です。現像も勿論。
俄然、現実味が帯びてきまして、もう30年前自身でプリントしたお気に入りの一枚を添付申し上げます。アルバム保存でヤケもありません。
シートフィルム、リンホフ23の板からは外れますが、ハッセルブラッド500、プラナー80mmで撮影したメルセデスベンツ300SLの色っぽいテールです。バンパーに、自身の姿が映り込んでいますのが欠点ですがオーナーのご好意いただき楽しい撮影でした。印画紙は、イルフォードのバライタ四つ切り、フイルムも120 イルフォードデルタ400、撮影データ、現像データは、もう30年も前の事で残念ながらメモしていませんでした。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/06/11(Wed) 19:06 Home No.2884
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
素晴らしい写真のご投稿ありがとうございます。アトリエシャテーニュの情報もありがとうございます。
車の金属光沢と鮮やかで滑らかな描写が素晴らしいですね。シャープな解像と豊富なグラデーションはイルフォードのフィルムとバライタ印画紙の特徴かと思いますが,ハイライトの鮮やかな描写は,ハッセルブラッドのプラナーの特性(?)かも知れません。昔見た写真集で,ハッセルのプラナー(80 mm)の輝く様なハイライトの描写を思い出しました。私のヘリアーも開放気味で撮るとハイライトが滲んで綺麗ですが(例えばNo. 1925),それより上品と感じます。このプラナーが使えるなら,500Cを使って見たい気がします。テヒニカ用のプラナー(100 mm)の描写と比較すると興味深いかも知れません。
狸おやじ 2025/06/13(Fri) 20:32 No.2888
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
狸おやじ様
有り余るお褒めのコメント、恐縮しております。ありがとうございます。
リンホフでも無く、ましてやシートフィルムのトピックからも外れ、板荒らしの様な投稿、お許しください。
フイルム現象ツールは揃っていますのでココは一気にと思い、印画紙をヨドバシのサイトで検索、あまりの高さに走り出したフィールドでストップしています。本来なら、四つのサイズと思いますが大体2万円前後。六ツの8×10で妥協しようか思案して保存と額装の手軽さから8×10のイルフォードバライタ25枚入りを取り敢えず注文しました。
後は、先ずは、撮影と現像。linhofで気合い入れようと思います。
人は、当たり前の機能をしている目、鼻、耳、などがトラブルと、とたんに支障をきたしますが、普通にフイルム環境の安さを享受して来た年代として、全く似た様な心境です。
よかった時代の再現はとてもコストがかかってしまう時代ですね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/06/13(Fri) 23:41 No.2889
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
れんずまにあ様
たぬきおやじ様
暑中お見舞い申し上げます。
先日、サイトから1957年当時のlinhofプライスリストを流し見して
改めて見直してみました。1ドル365円の貨幣価値が今とは全く違う当時、とんでもない価格ですね。
ツァイス3本セットの価格、当時、新卒初任給8千円くらいの時代。国内の価格はこの倍以上だったと思います。
現在では、コアなファンのみの需要で逆にいい時代ですね。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/07/03(Thu) 21:32 No.2908
Re: リンホフテヒニカ23(6x9)
フイルム大好き様
昔のリンホフの価格表をありがとうございます。
1957年にテヒニカIV23のツァイスレンズ3本セットが$1353.5なので,当時の円/ドル固定レートで変換すると49万円,現在の消費者物価指数は当時の約5倍なので,相当金額は250万円ですね。昔から新品のテヒニカ+ツァイス3本は,新車一台と同等と言われていたのでまあその位でしょう。(現行のマスターテヒニカは7260ユーロなので,170円/ユーロとすると120万円。レンズを加えると200万円程。)高価なテヒニカにはいろいろ逸話があり,写真家の篠山紀信さんが若い頃,広告制作会社(ライトパブリシティー)の面接に大判のテヒニカを持参した所,担当者が驚いて採用されたという噂があります(実際は,ハッセルで撮った写真を持参したというのが真相のようですが)。昔はプロでも中々手が届かないカメラだった訳で,それと比べると今は中古なら庶民でも買えて気兼ねなく使えるし,周囲の違和感も少なくなり(好奇の目では見られますが)良い時代になりました。

私の手元の資料では,同じ3本のセット価格が,1956年に$1245(No. 1559),1962年には$1586に上昇しています。この時期に世界的なインフレは起きていないので調べると,1961年にドイツでマルクの切り上げ(約10%)があったようです。当時のドイツは戦後の経済復興期で,精密機械製品の輸出ドライブが起きていて,国内インフレと物価高対策の為の切り上げでした。ドイツは日本と異なり,昔から為替対策を積極的に行っていたようです。


図:1962年のプライスリスト.

狸おやじ 2025/07/05(Sat) 11:11 No.2917
中判シートフィルム

中判シートフィルム(大名刺判,小名刺判)の情報を「リンホフテヒニカ23」のサイトに書いた所,れんずまにあ様とフイルム大好き様から沢山のご意見とコメントをいただきました(No. 2063-2065, 2070-2072, 2112-2115, 2163-2165)。シートフィルムの情報は機種に依存せず,もしかすると中判フィルムカメラをご使用の方々一般にも興味があるかも知れません。そこで,このサイトをお借りして,これまでに集めた中判シートフィルムの情報をご紹介します。

中判カメラ用のシート(カット)フィルムは,アトム判から大名刺判まであり,昔の蛇腹式ハンドカメラやプレスカメラでは標準的な感光材だったようだ。しかし,後にコストの安い120("ブローニー")フィルムが普及し,シートフィルム/乾板がロールフィルムに置き換わる中で利用者が減り,フィルムの生産や販売が打ち切られるという悪循環が続いた。その結果,現在の中判シートフィルムは,120フィルムで代替できない大判フィルム(4x5, 5x7インチ等)と異なり,絶滅寸前の状況にある。

シートフィルムは,ロールフィルムより速写性で劣るが,平面性の良さと独立現像のメリットがある。(同露出で2枚撮り,1枚目の現像結果を見てから2枚目の増減感調整が可能。)また,テクニカル/ビューカメラの場合,ピントグラスで構図を決めた後,フィルムホルダーをカメラバックに直接差し込んで撮影できる(カメラバックを取り替える必要がない)という利点もある。120フィルムの値段が高騰している現在,一枚一枚じっくり撮るシートフィルムは,むしろ魅力的かも知れない。

このサイトが契機になり,もし中判シートフィルム市場が少しでも盛況になれば幸いです。

狸おやじ 2023/02/11(Sat) 21:51 No.2168 [返信]
Re: 中判シートフィルム
現在入手できる中判カメラ用のシートフィルムは,主に2種類:
・ 大名刺判: 6.5×9 cm; 2.5×3.5 in. (実寸: 63x88 mm),ヨーロッパ規格
・ 小名刺判: 6x8.5 cm; 2.25×3.25 in. (実寸: 57×83 mm),アメリカ規格

この他に,アトム判(4.5x6 cm,大名刺判の半分)のシートフィルムが主にヨーロッパで使われたようだが,現行の製品は確認できていない。大名刺判もヨーロッパ規格で,大手札判(9x12 cm)と共に広く使われた。一方の小名刺判はアメリカ規格で,手札判(3.25x4.25 in.)やシノゴ判(4x5 in.)と共に北米で使われていた。日本では,第二次大戦前はヨーロッパ規格,戦後はアメリカ規格に合わせたカメラ/ホルダーが多いようだ。

これら2種類のフィルムには互換性が無く,それぞれのフィルムに合ったホルダーを入手して使う必要がある。因みに,リンホフのテヒニカI~IIはヨーロッパ規格のみだが,戦後のテヒニカIII~Vは両方の規格に対応し,テヒニカ23は大名刺判と小名刺判,テヒニカ45は大手札判とシノゴ判のフィルムホルダーが利用できる(参照:No.2063)。

大名刺判シートフィルムは,国内では富士フイルムがモノクローム(ネオパン100 ACROS)を2010年頃まで販売していたが,現在は製造中止。一方海外では,種類は少ないが現在でもモノクロシートフィルムの製造と販売が続いている。


写真:リンホフ テヒニカ23用のシートフィルムホルダー(大名刺判).

狸おやじ 2023/02/11(Sat) 22:03 No.2169
Re: 中判シートフィルム
現在海外で販売されている(又は最近まで販売されていた)モノクロームの中判シートフィルムは,私が調べた範囲では:

大名刺判(6.5x9 cm)
・ Adox CHS 100 II, 6.5x9 cm, 25 sheets.
・ Agfa APX 100, glass plate, 65x90x1.5 mm, 10 pieces.
・ Foma Fomapan 100, 6.4x8.9 cm, 50 sheets.
・ Ilford FP4 Plus, 2.5x3.5 in., 25 sheets.
・ Shanghai GP3 100, 6x9(62x89 mm), 50/100 sheets.

小名刺判(2.25x3.25 in.)
・ Adox CHS 100 II, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Arista EDU Ultra ISO 100, 2.25x3.25 in., 50 sheets.
・ Arista EDU Ultra ISO 400, 2.25x3.25 in., 50 sheets.
・ Ilford FP4 Plus, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Ilford HP5 Plus, 2.25x3.25 in., 25 sheets.
・ Shanghai GP3 100, 6x9(57x83 mm), 50/100 sheets.

値段は通販サイトによってバラバラだが,大体50枚で30~80ユーロ/ドル程度。
安い順に,Foma < Shanghai < Arista < Adox << Ilford。AristaはFomaのフィルムを仕入れて教育用に販売しているアメリカの会社で,小名刺判だがISO400があるようだ。Agfaはガラス乾板を販売中で,10枚入で119ユーロ(Macodirect)。フイルム大好き様によると,ガラス乾板撮影は五反田の写真館でワンショット5万円(!)との事。

ご参考になれば幸い。
狸おやじ 2023/02/11(Sat) 22:46 No.2170
Re: 中判シートフィルム
国内では,私が確認した範囲では,「みらいフィルムズ」と「かわうそ商店」がフォマパン100(大名刺判)を販売しているようだ。
詳しくは,販売店のオンラインサイトで各自ご確認下さい:
http://miraifilms.jp/?pid=171792675
http://kawauso.biz/products/list.php?%20transactionid=50414011ac6ee099aab878a36f671ccb09ff7522&mode=search&category_id=188&name=&search.x=88&search.y=19

以下は,海外のオンラインショップでの販売情報 (L: 大名刺判, S: 小名刺判)。
・ ドイツ Macodirectは,Fomapan 100(L), Adox CHS 100(L*), Agfa APX 100(ガラス乾板, L*)を販売中:
https://www.macodirect.de/en/film/?p=1&o=1&n=36&f=175%7C1394%7C1406%7C262

・ アメリカ B&H は,Arista EDU 400(S), Adox CHS 100(S*)を販売中:
https://www.bhphotovideo.com/c/products/Sheet-Film/ci/335/N/4093113314?filters=fct_sheet-size_3122%3A2.25x3.25in%7C2.5x2.5in

・ アメリカ Freestyle は,Arista EDU 100(S), 400(S), Ilford FP4(S), HP5(S)を販売中:
https://www.freestylephoto.com/category/2-Film/Black-and-White-Film?stock=0&attr%5B%5D=1-50&q=

・ アメリカ View Camera Store は,Ilford FP4(L, S), Ilford HP5(S)を販売中:
https://viewcamerastore.com/collections/black-white-photographic-film?sort_by=price-ascending

・ カナダ The Camera Store は,Ilford FP4(L, S), Ilford HP5(S)を販売中:
https://thecamerastore.com/collections/film-darkroom?sort_by=best-selling&filter.v.price.gte=&filter.v.price.lte=&filter.p.m.search_filters.film_size=Large+Format&filter.p.m.search_filters.film_type=Black+%26+White&page=1

・ 中国 SHJC は,Shanghai GP3(L, S, リンホフ判)を販売中:
https://shop.shjcfilm.com/products/shanghai-gp3-100-black-and-white-negative-film-6x9-sheet-film?variant=40296996372659

他のシートフィルムについても,新しい情報が得られたら,情報を更新しながら紹介する予定です。

*) 現在欠品中
(最終更新日:2025年6月26日)
狸おやじ 2023/02/12(Sun) 10:43 No.2171
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
拝読致しました。楽しい世界ですね。ガラス乾板、ホルダーごと持ち込んで現像受付可能かどうか、プロラボに問い合わせ致して1件はダメでした。週明けもう一件当たってみます。問題は現像ですね。全部自家現像がベストとは思いますが。可能な限り色々チャレンジしてみるつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/12(Sun) 17:51 No.2173
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも、詳細情報のご案内、ありがとうございます。
周辺環境、外堀埋めるつもりで都内大手のプロラボにガラス乾板現像問い合わせ致しました。ホルダー毎に受付可能かと。結果は、やはりダメでした。あとは、環境恵まれた知人に打診してみます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/13(Mon) 12:32 No.2174
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ガラス乾板は現像が難しそうですね。どこかプロラボで受け付けてくれるといいのですが。
暗室があれば,バットやビーカーで現像できるかも知れません。大都市(東京?)にお住まいなら貸暗室もあると思います。

私は取り敢えず値段の安いシートフィルムで楽しむ予定です。(Fomapanを注文をしていて納品待ちです。)
今はフィルムの現像環境もないので,タンクやリールを思案中です。シートフィルム用のリールもありますが値段が高くて...。現像の道具や使い勝手等もその内にご紹介できればと考えています。
狸おやじ 2023/02/13(Mon) 21:57 No.2175
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ありがとうございます。
自身、凝り性で午年のせいか、ゲートが開くと突っ走る悪癖を自覚しています。ライカ、ローライ、ハッセル、ニコンSいずれもいい思い出ですが、リンホフを初めて手にして写真の原点に帰る事ができるんじゃ無いかと、このサイトのお陰でハナシには聞いていたガラス乾板が半透明のカーテンの向こうに見え始めています。手綱を引きながら、歳相応に、慎重に落城目指して頑張る所存です。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/02/14(Tue) 00:49 No.2176
Re: 中判シートフィルム
狸おやじさま、スレッド構成まことにありがとうございます。
これほどの情報を日本語でまとめて得られるのはすばらしいことです。

スプリングバックで撮影する際には、ロールホルダーよりもはるかに使いやすい。
昨今のフィルムコスト高騰の折、ロールでバンバンコマ数を流すスタイルではなく、1枚1枚丁寧に撮影するスタイルに移行すべきなのかもしれませんね。
シートフィルムは平面性メリットもあり、何より操作が楽しい!

さて出来る限り大きなフォーマットはメリットがありますし、日本での入手の容易さ(50歩100歩とも言いますが)から出来れば大名刺を確保したいのですが、全然ホルダー数がない!おまけにヤフオクは高い!なんで??そんなに人気あるの?

近所の店舗には、米国からの輸入が多かったのか、在庫は全部小名刺なのです。
ホルダのアパーチャーを見ると、小さいですね。印象としては6x7を1コマ分くらい。数字的には6.5x9とほとんど変わらないのですけども。
まあ大きな問題じゃないですね。

小名刺フィルムは米国に発注しないといけない...
まあ5x7をカットする手もありますね。

カットするにしても、専用カッターは入手困難なので、暗室でロータリーカッター。
そこで以前から凄く悩んでますのは、裏表をどう判断できるかです。
既製品シートフィルムは膜面を表向けにした時、右上にコードがカットされていますので、暗黒でも手触りで表裏がわかります。
1/4カットしたら、1枚はコードが残りますが他の3枚はどうしましょう。何かコードカット出来る物がないか、文具店で物色しグリーティングカードの端を凹凸にするミニカッターを買ってきましたが若干大袈裟なような。
ただしカットの最大のメリットは、カラーフィルムが作れるということ。現像さえ受け付けてくれれば夢は広がります。

現像はもう一方の問題です。
私は目下モノクロしか想定しておりませんが、4x5はパターソンに6枚セットできるアダプター(MOD54 Mk27)で現像しております。非常に簡便で効率的。
しかしMOD54は少なくとも4インチないとセットできません。

4x5アダプターにはLPL製で4枚セットできるアダプタがありますね。これなら2x3いけるのかも。
私はMOD54と同様の構造で2x3がセットできるホルダーをプラスチック板で自作できないか、あるいはパターソンリールにシートをセットできないか、漠然と考えています。
れんずまにあ 2023/02/15(Wed) 22:45 No.2177
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
御指南、ありがとうございます。ロータリーカッター?パターソン?道の固有名詞です。如何にフイルム道を怠けていたか反省してます。この辺からしっかり、勉強した上でガラス乾板に行かないといけないと考えております。失われた10年,じっくり取り返すつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/16(Thu) 00:30 No.2178
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。
大名刺判のホルダーは確かに少ないですね。eBayも安価なホルダーは小名刺判が多い。でも,ヤフオクは気長に待っているとたまに出ることがあり,私は昨年秋に偶然見つけました(2個x1200円)。状態の良いホルダーが見つかるといいですね。

現像も難題です。MOD54の縮小版があればベストですが,残念ながら無さそう。ヤフオクのLPLのホルダー(4x5"x4枚用)も良さそうですが,6x9で使えるかなあ。今私が考えている候補は,QL69-P(20th Century Camera*, $55)です。パターソンの現像タンク(PTP115以上)で使え,大名刺判を6枚セットできるみたい。でも日本への送料込で1万円以上は高いなあ。スパイラル式も少し面倒かも。

*) 2023年2月に火災で店舗が消失し営業停止中。現在再開に向けて準備中とのこと。
https://20thcenturycamera.com


QL69-P (検討中).

狸おやじ 2023/02/16(Thu) 23:39 No.2179
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
たぬきおやじ様
ご指導、感謝です。もう10年以上前、実家の和室と風呂場で末弟と6×6,35mmのプリントを楽しみました。ハイ、ズルして現像はラボです。イルフォードのバライタにプリントした写真は今だに大切にしています。デジタルからプリンターに出力したプリント、和紙とか色々試しましたが敵いません。兎に角、リンホフ周辺機器が高い価格ですからゆっくりと楽しんで行くつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/17(Fri) 01:51 No.2180
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも、ビギナーへの懇切丁寧なご指導ありがとうございます。ガラス乾板などと生意気なことを言う前に、まず現像とまたも検索して、イギリスのlinhof studioと言うサイトで、パターソンのキットが45ポンドで出ていましたので注文しました。到着迄、現像液研究してみます。コレも色々ありますね。何せ、120モノクロ一本現像に出して今回、上りまで2週間!さすがに、決心致しました。

フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 18:56 No.2190
Re: パターソン
フィルム大好き様、フィルム現像キットご確保おめでとうございます。
パターソンは失敗が少ない優れたリールだと思います。
ナイコール型(ステンレスタンク)より液量が多く必要ですが,裏返すと温度が安定します。
昔は褐色の専用現像液ボトルを使っていました。ただ酸化が早く、現像頻度が少ないと劣化で勿体無いことになりがちです。
私は最近ペットボトルを使い始め、空気をほとんど追い出した状態でキャップすると、溶かした原液なら半年でも1年でもちゃんと現像できてますし、全く変色も見られません。
遮光したほうが良さそうですが、もともと冷暗所保管、というか車のトランクですので。
私は泊まりがけで仕事に行くので、出先で現像しているのです。持ち出してもこぼれないようペットボトルを採用したら、思わぬ保存効果に驚いています。

現像液は昔と違って大変選択肢が広く、どれで現像するかがまた楽しみです。色々お試しください。
ちなみに今愛用しているのは、20年前に購入したミクロファインやフジドールだったりします。私の目が節穴なせいもありますが、現像結果には満足しています...
れんずまにあ 2023/02/28(Tue) 19:15 No.2191
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のご指南、感謝です!そうか!ペットボトル!褐色の保存ボトル検索中止!です。ありがとうございます。モノクロはイルフオード使っていますが、tri-xもやってみたいです。ミクロファインですか。濃いめの写真が好きなもんで、色々トライですね。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 19:29 No.2192
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,貴重な情報をありがとうございます。
Linhof studioを見ましたが,パターソンの現像キット(PTP573)が45ポンドはお買い得ですね。私もパターソンのPTP115かPTP116(送料込6-7千円?)を考えていました。道具の揃った115のキットが送料込70ポンドは魅力的です。パターソンはQL69-Pが使えるのもメリットと思います。

れんずまにあ様,保存用のペットボトルは名案ですね。
これは現像を活発に実践されている方のみが知る貴重な情報で感謝いたします。現像液についてもまたノウハウ等お教えいただけたら幸いです。
狸おやじ 2023/02/28(Tue) 23:13 No.2193
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
少し、お役に立てて嬉しいです。ライトアングルファインダーを探していた時、新品が
リストアップされていて価格から断念していました。シュナイダーレンズキャップも新品で勢揃いなのには驚きました。楽しいサイトですね。
フイルム大好き 2023/02/28(Tue) 23:46 No.2194
Re: 中判シートフィルム
シートフィルムをホルダーや現像タンクに装填する際は「暗闇」が必要になる。
暗室がない場合,ダークバッグの利用が一般的だが,布袋の中の作業は面倒で,塵や埃がフィルムに付く可能性もある。何かもっと便利で快適な方法がないかと考えていた。

ポップアップ式の"Film Changing Room"が,アメリカのPhotoflexから販売されている。
これは周囲に金属フレームが入った組立式の「暗箱」で,袋から出して引き手を引くと自立する。海辺で見るポップアップテントの暗箱版で,ポール式より組み立てが簡単。Adoramaも同様の商品を出している(*)。どちらも国内での販売は無いが,eBayで中古($20)を見つけたので購入してみた。

使い勝手はなかなか良い。生地は2重で開口部は2重のファスナーで遮光されている。
両側の袖から手を入れて操作するのはダークバッグと同じだが,自立式なので作業用の空間が確保できる。大きさは40x55x40cmで,中判から大判のシートフィルムの操作が可能。畳むと厚さ4cm,重さは600gで携帯にも便利。シートフィルムのホルダーへの装填に重宝している。

*) 2023年12月8日追記
Adoramaは日本への通販を始めたようだ。詳しくは
https://www.adorama.com/adpfcr.html


写真:ポップアップ式暗箱 (Film Changing Room, Photoflex).

狸おやじ 2023/03/04(Sat) 17:48 No.2196
Re: 中判シートフィルム
たぬき親父様
れんずまにあ様
パターソンキット5日で届きました。さあ!と思い、ダークバックもと、思っている所、ご投稿見て夜中検索しています。それにしても、現像液。家人からは匂わない様にと。釘を刺されまして、、、ヨドバシの売り場でも行って相談してみます。

フイルム大好き 2023/03/06(Mon) 01:10 No.2197
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
パターソンの現像キットが届いて良かったですね。おめでとうございます。
ポップアップ式暗箱は,フィルムをホルダーへ装填する時は,埃防止に役立つと思いますが,現像タンクに装填する時は(埃が現像液で流れるので)ダークバッグで大丈夫と思います。

私の記憶では現像液はそれ程匂わなかった(?)と思います。ただ,停止液の酢酸は匂いますね。気になる場合,クエン酸を使うのも良いかも知れません。私は水で代用することもあります(これはあまりお勧めしませんが)。
狸おやじ 2023/03/06(Mon) 20:18 No.2198
Re: 現像液
私は出先で現像しておりますが現像液はさほど匂いませんので出先に迷惑はかかっていないと信じています.
定着液は鼻を近づけると酸臭がしますがこれも大したことありません.
私はモノクロ現像再開してからストップバスに酢酸は使わず水で3回洗浄して定着を入れます.
一応定着液は所定の本数以上使えているので,それほど劣化は起こっていないようですが,本当は狸おやじ様の仰るように,酸性ストップが望ましいとは思います.
最近は海外製の匂わない停止液が通販に出ていますね.
内容はクエン酸なのでしょうか.クエン酸は単独でも購入できますし,いいかもしれませんね.
れんずまにあ 2023/03/06(Mon) 22:00 No.2199
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
早速のご指導、感謝致します。ありがとうございます。クエン酸なるほど。水洗で済ませればいうことないですね。色々試してみます。まずは、ダークバッグ頼みました。現像は人それぞれですね。レシピとは言い得てますね。まずは撮影ですね。
フイルム大好き 2023/03/06(Mon) 22:20 No.2200
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
6×9シートフィルム現像リール発見しました。6枚現像出来るとなっています。パターソンリール試して、ダメなら検討してみようと思います。

フイルム大好き 2023/04/26(Wed) 23:54 No.2227
Re: JOBO 2509n
フィルム大好き様、これはすばらしい情報ですね!喜ばれる方も多いのではないでしょうか。
画像を見ると6x9てか2x3でなく9x12cmと4x5しか写っていないようで若干の不安が...
私はまだホルダー捜索中です。
リンホフの大名刺を1個だけ確保しましたが、裏表2枚だけではなんとも心細い。せめて5個ホルダが揃わないと出撃を躊躇してしまいます。
フィルムと現像装置を揃えるのはその後にしようと目論んでいます。

B&Hでは64ドルですが送料と為替を加味すると微妙なところですね。それでもタンク込みだと海外の方が安いかも。
https://www.bhphotovideo.com/c/product/25534-REG/Jobo_J2509N_4x5_Sheet_Film_Reel.html
れんずまにあ 2023/04/27(Thu) 00:48 No.2228
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
さすがの情報収集力恐れ入りました。B&H安いですね。でも送料が、、。コレはドイツ製ですか。フィルム愛好者は環境厳しいですね。
フイルム大好き 2023/04/27(Thu) 01:32 No.2229
Re: JOBO 2509n
フイルム大好き様
れんずまにあ様
貴重な情報をありがとうございます。

Joboのリール2509nは汎用型で,6x9cm~4x5in.まで対応するのが良いですね。
ただ,2520以上の大型タンク(横回転式?)が必要で値段もやや高目。使い勝手は分かりませんが,動画を見た感じだとQL69-Pよりフィルムの装填が難しそう。今は20th Century Cameraが火事で販売停止中なので,貴重な代替候補と思います。
狸おやじ 2023/04/27(Thu) 20:50 No.2230
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。
こんな物はあるんですね。ヨドバシで売っていました。肝心の中身も充実して欲しいものですね。

フイルム大好き 2023/04/28(Fri) 18:19 No.2231
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
HCLのフォトスリーブですね。6x9用は初めて見ました。貴重な情報をありがとうございます。

120フィルムの保管には,私も苦労してきました。
基本的にはポジフィルムのスリーブを透明シートに入れてバインダー式のフォトファイルに入れてきました。ハクバのフィルムファイル(SF-4),富士のリバーサルファイル,コクヨのフォトファイル(ア-M160)を使ってきましたが,どれも6x9を2枚づつ4段入れるなら問題ないが,6x7だと上手く収まらない。6x9シートフィルムを入れるならポケット式の透明シートが欲しいが,4x5用しかない。もう少し調べて何か良い情報があればご報告します。
狸おやじ 2023/04/29(Sat) 11:25 No.2232
Re: 6x7収納
私お6x7の収納には困っています。
6x9用4段だと、6x6は3コマいけますが、6x7はもう1段必要。6x8もそうなんですけど。
それと6x12も困ります。6x17なら大丈夫なんですが。
ネットで縦に6x12を2コマx3列収納できるネガポケットを、4x5を4枚収納できるものと一緒に取り寄せました。
これでも6x7なら3-3-3ー1と1コマあまっちゃうんですよね....
れんずまにあ 2023/04/29(Sat) 15:27 No.2233
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
諸先輩皆様、隠れたご苦労がございますね。6×12のネガ、ポジ、綺麗でしょうね。デジタルファイルはモニター画面であまり感動がございません。スリーブをライトボックスに置く時が何より傍らの水割りが、より美味しくなります。それにしても6×9シートフィルムがモノクロオンリーとは。れんずまにあ様のご投稿の5×7のポジをカット、、を考えてしまう様です。カットホルダーが手元に届くまで、あれこれ考えております。
フイルム大好き 2023/04/29(Sat) 18:41 No.2234
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。確かに6x7は中途半場な大きさで困りますね。教えていただいた6x12用のシートに6x7をペアで入れるのは上手い方法なので検討してみます。ありがとうございました。

大名刺判シートフィルムの方は,コレクトのA4ポケットリーフ(S-4240)が使えるかもしれません:
https://www.amazon.co.jp/dp/B00777RJ62?th=1

この8ポケット(73x109mm)か,9ポケット(72x99mm)なら上手く収まりそうです。8ポケットが横,9ポケットが縦で,どちらも上から差し入れる方式で,保管中に飛び出すこともなさそう。私は8ポケットを注文して試してみる予定です。

フイルム大好き様
大名刺判のカラーポジが無いのはとても残念ですね。
5x7in.をカットする手はありますが,現像してくれるラボが見つかるかどうか。特殊なサイズなのでガラス乾板と同じ困難があります。せめてモノクロポジがあれば楽しめそうですが,今は120も無い様です。一部のモノクロネガはポジ現像もできるようで,少し調べたことがあります。でも,かなり複雑な行程の様で手を出しかねています。
狸おやじ 2023/04/29(Sat) 21:38 No.2235
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも、御指南ありがとうございます。FOMA6×9シートフィルムが届きまして、懸案のパターソンリールに巻き込み出来るか一枚取り出してテスト致しました。フィルム幅が3ミリほど大きく、手先で引っ張って一枚だけはなんとか。送り込み作動させると外れてしまいました。専用リールか、暗室でのバット現像のどちらかですね。リバーサルは諦めました。120で我慢です。カットホルダーが届きましたら、セットと取り出しの練習致します。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/05/01(Mon) 16:28 No.2236
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
大名刺判シートフィルム(フォマパン100)をご紹介いただきありがとうございます。
こちらにも今日同じフィルムが到着しました。恐らく日本に入荷した最初のロットと思います。大事に使いましょう。

手持ちのフィルムホルダー(リンホフカットフィルムホルダー)に装填してみました。公称サイズは64x89mm(実寸: 63.5x88.5mm),厚さは0.2mm程。手元にあるサンプル(ネオパン100アクロス?)と同じ厚さで,平面性は良さそう。装填はノッチの位置が左下になる向きでフィルムを引き蓋の一段下の隙間に挿入する。慣れれば簡単だが,確実に装填するには少し練習が必要かも。

当面の現像は「プロラボサービスnet」に依頼する予定ですが,将来は自家現像に切り替えたい。フイルム大好き様の検証によりロールフィルム用リールには装填できないので,専用リール(QL69-P, No.2179)を考えていますが,販売元が火事で営業停止中。代替品としてJobo 2509nを検討しています。

写真: Fomapan 100(左上)とフィルムホルダー。

狸おやじ 2023/05/02(Tue) 00:00 No.2237
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
フィルムをホルダーに装填する際の心得、ご指導ありがとうございまず。ノッチは上にして装填するつもりでした。危なかったです。それにしても3ミリの差でリール装填不可は、何とも諦めつかず、リール弄りまわしましたが、どうしようもありません。メーカー、作ってくれれば良いのですが、、。ホルダーもうすぐ届くと思いますので楽しみです。届いたら、練習して、試してみるつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/05/02(Tue) 22:28 No.2238
Re: 中判シートフィルム
レンズマニア様
狸おやじ様
いつも有難うございます。ダブルカットホルダーだと思って注文して手元に届きましたら、スーパーカットホルダーでした。箱が綺麗で中身が出ていないサイトでしたので安いしイイやと。何と近所のラボがホルダーごと持っておいで、と快く現像引き受けてくれました。
まてよ、、
ならガラス乾板も、と欲が、、
以下、五反田の写真館主人がHPに書いている文言、コピペします。

曰く、
デジタルカメラも敵わない精細描写

ガラス乾板は、昭和30年代まで使われていたといいます。最大の欠点は落とすと割れることですが、撮ったものは耐久性、保存性、クオリティーに優れ、色褪せることがありません。

「ガラスのあと、薄いフィルムが登場しました。ネガフィルム、ポジフィルムなどがあります。フィルムは薄く軽く、携帯性に優れていて、24枚撮り、36枚撮りなどがあり連写も容易です。それに比べて、ガラス乾板は1枚ずつ撮る一発勝負。現像も大変です。ですが、保存性や耐久性は唯一無二で、デジタルではこれに敵う精度の表現ができません。解像度でいえば、画素数に換算できないぐらいの高精度の描写が可能です。ピントがぴったり合ったガラス乾板の写真は、どんな高性能の大判カメラにも敵いません。だから、天体写真などで長く使われてきたのです。ベテランの天体写真家の中には、ガラス乾板写真をやっていた方もいらっしゃいます」。


デジタルも敵わないと、殺し文句が、、
相談してみようと思いました。
失礼致しました。
フイルム大好き 2023/05/12(Fri) 18:29 No.2239
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。
中判シートフィルムを現像してくれるプロラボが見つかって良かったですね。特殊なサイズだと断られたり,時間や料金が余計にかかる事が多いので,好意的に引き受けてくれるラボは貴重です。

ガラス乾板は平面性と保存性が最高と思います。アグファ(ベルギー?)は,少ないニーズに応えて今でも中判(大名刺判)や大判(4x5, 5x7 in.等)のガラス乾板を提供しているようです。でも,現像の問題とモノクロネガのみの現状から,私は少し躊躇してます。モノクロポジが販売されるか,ポジ現像の簡単な方法が開発されたら検討してみたいと思います。
狸おやじ 2023/05/16(Tue) 21:39 No.2243
Re: 中判シートフィルム
大名刺判を調べていたらここに流れ着いたので、試しにコメントしたいと思います。

使用機材はマミヤプレス・スーパー23。
元々チェキバック用の実験体だったんですが、後部アオリのせいでかなり面倒な事が判明し普通に撮影に使ってたんですが、たまたまジャンク箱からシートフィルムホルダーを救出できたので、中判シートフィルム運用できるようにしてみました。

先日大名刺判のFomapan100を手に入れ、本日テスト撮影・現像までやってみました。
1枚は引き蓋が移動中にズレてガッツリ露光してましたが、2枚はとりあえず像が出てくれました。

また後日、うちでの現像方法なんかもコメントできたらと思っております。
その際はよろしくお願いします。

らいむら 2023/05/20(Sat) 22:20 No.2244
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,ようこそいらっしゃいませ。
貴重な情報をご投稿いただきありがとうございます。マミヤプレススーパー23は,れんずまにあ様の詳しい解説「マミヤプレス」が機種別画像掲示板にあり,私も興味を持っておりました。今後ともよろしくお願いいたします。

大名刺判シートフィルム(Fomapan 100)の撮影と現像をされたのですね。素晴らしいです。写真を拝見するとマミヤの乾板用ホルダー(Type J?)をお使いと思いますが,大名刺判のフィルムが装着できるのですね。これはマミヤのホルダーをお持ちの方々に貴重な情報と思います。シートフィルムの現像法についても,お時間のご都合の良い時にお使いの方法やノウハウを教えていただけたら有難いです。よろしくお願いいたします。
狸おやじ 2023/05/20(Sat) 23:47 No.2245
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。foma pan100のシートフィルムとりあえず2枚テスト現像上がってきました。スキャンしてみまして満足しています、、が現像料2枚で2400円。20世紀センチュリーの復活が近いので、リールを注文するつもりです。モノクロ楽しいですね。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/05/24(Wed) 20:22 No.2248
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,ご投稿ありがとうございます。

現像が綺麗にできて良かったですね。
一枚1200円は高いですが,大名刺判は特殊なサイズなので割高になります。私が調べた範囲では「プロラボサービスnet」が一番安く,一枚580円程(4x5"判の1割増,税込)とのこと。東京の中野近くにお住まいならお勧めです。私はモノクロネガのポジ(反転)現像を将来的に考えていて,それには専用リールも必要なので,20th Century Camaraの復活を待ってます。皿現像という手もありますが。
狸おやじ 2023/05/24(Wed) 23:54 No.2249
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
貴重な情報、ありがとうございます。
フィルムファンは苦労の連続です。それでも、じつくりと向き合う時間はデジタルにない世界ですね。双方、いいところを楽しみながら行きたいと思います。
これからも、宜しくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2023/05/25(Thu) 17:27 No.2250
現像の提案
もしかしたらKINGの120用ベルト式現像タンクでいけるのでは、とふと思いました。
拙宅にはいくらか転がっています。
でも大名刺シートフィルムがないので検証できない。
フィルムがあってもシートフィルムホルダがないので撮影もできない.
れんずまにあ 2023/06/01(Thu) 20:21 No.2252
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
ヤフオクでパターソンタンク用4×5シートフィルムホルダーを、3Dプリンターで作成して出品している方がいらっしゃいまして、試しに6×9シートフィルムホルダー作成は如何と質問しましたところ、落札の上寸法を指示して下さいと。価2700円。ただ、4×5は湾曲余裕ありますが、6×9はどうなんだろう。少し考えてみます。
フイルム大好き 2023/06/01(Thu) 22:48 No.2253
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
なるほど。Kingの120用ベルトには入るかもしれないですね(フィルムの幅は63.5 mmです)。
試してみたい所ですが,私の手元にはKingのベルト式が無く,ヤフオクにも今は出ていないようです。

フイルム大好き様
ヤフオクの商品は,パターソン用の4x5スペーサー(4枚用)でしょうか。もし大名刺判のサイズで作ってもらえるなら好都合です。もし特注できるようでしたら是非お教えください。
狸おやじ 2023/06/02(Fri) 00:00 No.2254
自家現像法
現在、うちで大名刺判を自家現像する時の方法ですが、
必要な道具としては、
・現像タンク(120フィルム対応)
・輪ゴム(#14、折径約50mm)
・定着用バット
となります。

まず、タンクへの装填ですが当然暗室下で行います。
ホルダーからフィルムを取り出したら、膜面を内側にして長辺方向に輪ゴムをかけます。
輪ゴムをかけたら、現像タンクへ立てて投入。恐らく3〜4枚が限度です。

後は、各種薬品使って現像処理します。
当然反転撹拌はできないので揺らして撹拌させます。

また、輪ゴムをかけたまま定着させると跡が残るので(1敗)
停止まで終わったら輪ゴムを外しバット内で定着させます。
停止が完全にできてたら明光下で定着しても大丈夫です。

大分原始的ではありますが4×5とかでもやっている人はいますし、
ちゃんと膜面を内側にして輪ゴムをかければ傷が入ったりはしません。

らいむら 2023/06/02(Fri) 23:00 No.2255
Re: 中判シートフィルム
らいむら様
はじめまして、宜しくお願いします。
ご投稿、拝読致しました。まさに、目から鱗の気持ちです。貴重なお知恵をいただき感謝です。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/06/02(Fri) 23:34 No.2256
Re: 中判シートフィルム
らいむら様
大名刺判シートフィルムの現像法を教えていただきありがとうございます。
輪ゴムを使う手があるのですね。便利な方法でとても参考になります。貴重な情報と写真をありがとうございました。

私はどうするかまだ思案中ですが,専用リール (20th Century Camera, No.2179) の再販が遅れる場合,ステンレスの薄板でホルダーを作る方法も考えています。考案者は「こぼうし」さんです:
https://koboshi.tokyo/2022/05/14/ptp116/

大名刺判なら横向きに3枚入り,液量も少なくて済む(?)かも。
狸おやじ 2023/06/03(Sat) 09:36 No.2257
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
先輩諸兄各位
ラボに、現像依頼故に達成感50%ですがFoma pan100の6×9シートフィルムテストです。拙宅の愛犬を撮ってみました。レンズは、テヒニコン180ミリ解放です。スキャナーのフィルムホルダーは、AZTEKのウエットスキャンです。やはり凝るなら、自家現像の上、暗室プリント作業したいとつくづく思いました。宜しくお願いします。

フイルム大好き 2023/06/10(Sat) 19:05 No.2263
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ご投稿ありがとうございます。

ロテラーらしい滑らかな階調と穏やかなコントラストで,ご愛犬の表情が豊かに表現されていると思います。
フォマパン100は,私はあまり期待していなかったのですが,この描写なら主力のモノクロフィルムとして使えそうです。貴重な情報を送っていただきありがとうございました。

Aztekのウェットスキャンは全く知りませんでした。
これはEpson等のフラットベッドスキャナーのガラス面に,特殊な(揮発性?)液体でフィルムを貼り付けてスキャンをする方法の様ですね。これならフィルムとの間の隙間やホコリによる散乱,ニュートンリング等を防いで綺麗にスキャンできそうです。専用のホルダーと液体(SMF2001)で$254は高価ですが,その価値はありそうです。これについても使い勝手やノウハウ,注意点等があればお時間のある時に是非お教え下さい。どうぞよろしくお願いします。
狸おやじ 2023/06/11(Sun) 10:03 No.2264
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
下手な写真をお褒めいただき、赤面の限りです。AZTEKですがEPSONマウントトレイ(何と日本製)69ドル、AZマイラーシート100枚セット84ドル送料91ドルでした。KAMIリキッドは危険物で航空便禁止物。成分調べましたら、イソプロビルアルコール、ナフサのようです。youtubeでZippoオイルを使っている外人を真似て、メーカーはダメと言っていましたが問題無くスキャン出来ました。まず、ジッポオイルをトレイにたらして、フイルムを置き又上からオイルを垂らしマイラーシートを被せて中の空気を抜き、ティッシュなどではみ出たオイルを拭き取ります。密着を確認してスキャナーにセットします。火気厳禁換気は、大事です。ネガもポジも大丈夫でしたが、自己責任です。国内でドラムスキャンしている会社に聞いてみようと思っていますがそのままです。シートフィルムは、カールしていないのでそのまま、スキャナーガラス面に位置決めして試してみましたら、結果は良かったです。元々ブローニーのスキャンに不満があり入手しましたが、エプソンのスキャナードライバーソフトにも不満があり、SilverFastというソフトで満足な結果を得る事が出来ました。何といっても、避けられないホコリの映り込みがクリックひとつで処理出来て驚きました。
何故エプソンが、このトレイを国内で販売しないのか、理由はわかりません。
あまり、お役に立てられない返信で恐縮しています。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/06/11(Sun) 17:02 No.2265
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
貴重な情報をありがとうございます。

そうですか,KAMIリキッド(SMF2001)は危険物なので航空便で個人注文ができないのですね。
試しに1本($50, 1L)購入したいと考えていたので残念です。イソプロピルアルコールは,試薬(99.9%, 1L)がアマゾンで1000~1500円で販売されてますが,残存物の影響を考えると少し心配です。どこか日本の業者がこのKAMIリキッドを輸入するか製造してくれるといいのですが...

マウントホルダーのエプソン製にも驚きました。エプソンは国内販売に手を抜かず,国内でもホルダーを販売して欲しいですね。私は120フィルムは主にカメラ店の専用スキャナーでスキャンしてもらってますが,高性能のホルダーが手に入るなら自前も検討したいと思います。いろいろ教えていただき感謝いたします。
狸おやじ 2023/06/11(Sun) 21:12 No.2266
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。6×9シートフィルムの板の投稿からは、少し外れてしまいますが、フイルムドラムスキャンを受け付けているラボから以下の回答を得られました。
リキッドは、液体パラフィン(下剤)、薬局で手軽に入手できるそうです。下剤故、無害。揮発性も無いため、スキャン後は無水アルコールで清掃。
との事でした。近いうち試してみようと思います。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/06/14(Wed) 12:26 No.2268
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
貴重な情報をありがとうございます。

ドラムスキャナーでは液体パラフィンを使うのですね。流動パラフィンは屈折率がフィルムベースと近くて良さそうです。でも洗浄が必要ですね。無水エタノールをスキャンに使う手もあるかも。KAMIリキッドの代替品が見つかると良いですね。
狸おやじ 2023/06/15(Thu) 21:29 No.2269
Re: 中判シートフィルム
私の拙宅にもようやく現像タンク他の道具が届き,モノクロフィルム現像用の環境が整いつつある。
しかし,アメリカの20th Century Cameraが2月の火事で営業停止した為,大名刺判シートフィルム用リール(No.2179)の供給がいつ再開されるか,目処が全く立っていない。

そこで,休日を利用して,シートフィルムを固定するためのホルダーを試作してみた。
これは以前(No.2257)紹介した「こぼうし」様が考案された4x5インチ用のステンレス製のホルダーで,パターソンの現像タンク(PTP115)に装着して使用する:
https://koboshi.tokyo/2022/05/14/ptp116/

上の図面をお借りして,大名刺判に合わせ0.67倍にスケールダウンしたホルダーを3つ作成した(図面)。シノゴ判は横向きに2枚入るので,大名刺判だと2/0.67=3枚入る。高さは7cm程で液量も少ない。ホルダーの配置と全体のイメージは,らいむら様の記事と写真(No.2255)を参考にさせていただきました。こぼうし様とらいむら様に感謝いたします。


図面:パターソンPTP115用の大名刺判シートフィルムホルダー.

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 16:54 No.2270
Re: 中判シートフィルム
ステンレス板は,厚さ0.1mmのものをホームセンターで購入し,金切鋏で加工した。
0.1mmはシノゴ用の0.15mmより薄いが,ホルダーが小さいので強度は十分。これより厚いと加工が困難と思う。加工は結構難しいが,定規2つを使って折曲げ,直径2cmの丸棒で曲面を出した。切り口はサンドペーパー(#400)でバリを取り,ステンレス磨きで仕上げた。


写真:試作したステンレスホルダー

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 17:04 No.2271
Re: 中判シートフィルム
フィルムホルダーをパターソンの現像タンクに装着した感じは,まあまあと思う。

フィルムはホルダーに装填してからタンクに入れても良いし,タンクにホルダーをセットした状態で装填しても良いが,手探りで操作する場合,後者の方が楽と思う。フィルムはホルダーにしっかり固定されていて揺すっても外れないが,ホルダー全体は3つのパーツの反発力で支えられているので,逆さにして強く振ると(内径がテーパー状なので)落ちてくる事がある。回転攪拌なら問題ないが,倒立攪拌をする場合,ホルダー上部にリング状のストッパーを入れると良いかも知れない(今検討中)。


写真:フィルムホルダーとパターソンPTP115.

狸おやじ 2023/06/25(Sun) 18:09 No.2272
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ご投稿、拝見致しました。驚きました。不器用な私にはとても無理な世界です。多分、指先怪我してしまうと思います。20thカメラの再開を待つつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/06/27(Tue) 22:10 No.2273
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。
確かにホルダーの工作は面倒で,あまりお勧めできません。私も専用リール(QL69-P)を購入するまでの「繋ぎ」と考えています。(液量はどちらも500ml必要なので,6枚現像できるリールの方がメリットが多い。)

倒立攪拌時にホルダーを保持する「円環状ストッパー」をステンレス板(幅29x300mm)で試作しました。アクリル製のビスを3箇所付けて,筒との間隔を5mm程空けるスペーサーにしてます。これでホルダーの脱落は防げますが,あまりスマートではないですね。


写真:ステンレス製の円環状ストッパー.

狸おやじ 2023/06/30(Fri) 22:50 No.2274
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様

ストッパーなんですが、リールの軸と密着する方だけを使って簡易的にストッパーとするのはいかがでしょう。リールの外径で足りるかは寸法が取れないので、実際できるかどうかわからないんですがいかがでしょう?
らいむら 2023/07/01(Sat) 10:41 No.2275
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,貴重なアドバイスをありがとうございます。

早速試してみると,ご指摘の通りで,軸に圧着する側のリール(片側)を接合部を下向きに取り付けると,ホルダーのストッパーとして上手く機能します。逆さにして振ってもホルダー(フィルム)が落ちなくなり,自作のストッパーよりスマートで安定感があります。軸の付け忘れ(露光)の心配もなくなり,一石三鳥のアイディアです。セッティングの様子を写真で示します。

素晴らしいアイディアをありがとうございました。


写真:リール(片側)をストッパーにしたセッティング.

狸おやじ 2023/07/01(Sat) 11:29 No.2276
Re: ベルト式リールはダメ
以前2Bのベルト式現像タンクで大名刺現像できないかと発言しましたが、無理です。
現物合わせしてみると、ベルト幅がフィルムに対して狭く,アパーチャーの中までベルトの凹凸が入ってくるため、画面にベルト式の特徴の未現像スポットが入ってくることになります。
あるいは小名刺ならいけるのかもしれませんが、大名刺のフォーマットサイズが120にくらべてかなり幅広なことがよくわかりました。
れんずまにあ 2023/07/01(Sat) 12:21 No.2277
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご連絡いただきありがとうございます。

そうですか。キング現像タンクの120用ベルトは,大名刺判には幅が足りないのですね。残念です。大名刺判は幅が63-64mmなので,120より2-3mm広いのが原因と思います。貴重な情報をありがとうございました。

今の所,中判シートフィルムが装着できるリールは,2つ選択肢があるようです:
1. Jobo 2509n(6x9cm~4x5in.対応,6枚装填,現像タンク2520以上)
2. 20th Century Camera QL69-P, QL23-P
(69は大名刺判,23は小名刺判,6枚装填,現像タンクPaterson PTP 115以上)

Joboの2509nは汎用型で良さそうですが,2500シリーズの大型タンクが必要。20th Century Cameraは火事で営業停止中。再開がいつになるか分かりません。
なかなか上手く行かないですね。
狸おやじ 2023/07/02(Sun) 10:00 No.2278
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有難う御座います。諸先輩の智恵と工夫、実践に対して頭が下がります。不器用自覚の自身に、いつも付きまとう、ガラス乾板の現像方法。プラ枠でパチンとハマリ、タンクで行ければいーなと、朧げながらイメージしていました。そうか、ステンレス枠でスッとセットできればと、、いずれ、現物手配できたら考えてみようと思うに至りました。無いものに対する克服意欲が湧いてきました。まだまだ道のりは向こう千里ですが、ゆっくり楽しむつもりです。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/07/02(Sun) 17:25 No.2279
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,ご投稿ありがとうございます。

確かに,ガラス乾板(6.5x9 cm)の固定にステンレス製のホルダーが使えるかもしれません。ただしPTP115の場合,横向きだと2枚しか入らない。3枚以上セットするなら縦位置が良さそうです。ガラス乾板の重さを考えるとステンレス板は0.2mm以上の厚さが必要と思います。どこか板金加工してくれる所が見つかると良いですね。
狸おやじ 2023/07/04(Tue) 20:35 No.2280
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様

うまく行ったようで何よりです>リールでストッパー

リールを大名刺判の幅まで拡張できるように改造するのも考えたのですが、
リールの気泡抜きの隙間にフィルムが引っかかって、複数枚入れるの結構面倒だなと思って諦めました。


後、小名刺判〜4×5まで対応の現像タンクを見つけたんですが、
(https://www.bhphotovideo.com/c/product/63620-REG/Yankee_YACF45_Cut_Film_Daylight_Developing.html)
大名刺判でも32oz(約950ml)の液量が必要なのと、純粋に作りや品質が大分雑とのレビューがあるので中々手を出しづらいですね……
1回で12枚現像できてこの値段という意味では、コスパはいいんですけどね。
らいむら 2023/07/07(Fri) 09:08 No.2281
Re: 中判シートフィルム
らいむら様,ご投稿と貴重な情報をありがとうございます。

ご紹介いただいた現像タンクは,シートフィルムを12枚まで現像できるのでコスパが良いですね。4x5"判の場合,MOD54もQL45-Pも6枚上限で液量が約1Lなのでメリットがあります。ただ,大名刺判にはもう少し小型の物,例えばSP-445の縮小版があると良いですね。No.2270でご紹介したこぼうしさんは,4x5”判の500ml現像タンクを自作される計画のようで,色々工夫される方が多いようです。

貴重な情報をありがとうございました。
狸おやじ 2023/07/08(Sat) 10:42 No.2282
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
真摯なご投稿、感謝しています。ど素人からの質問です。3Dプリンタで作成できないものか、3Dプリンターがどのようなものか知らずに考えてしまいました。6×9フィルム ガラス乾板ホルダー並びにタンクとか、どうなんでしょうか?フィルム砂漠彷徨ううちに陽炎の様に浮かび上がってしまいました。どなたか、この辺のエキスパートがいらっしゃったら、ご意見いただければ幸いです。失礼致しました。
フイルム大好き 2023/07/08(Sat) 22:10 No.2284
Re: 中判シートフィルム
呼ばれた気がしまして出てまいりました。3Dプリンタは割にエキスパートです。

一般家庭用の3Dプリンタは細いフィラメントを積み上げて造形しますが、層の間に隙間が出がちで、液体が間から漏れます。ですので、タンクの外側を作るのは難しいと思います。造形の形状の自由度もさほど高くない(オーバーハングとか作りにくい)という問題もあります。

作るとすればSLS方式という、ナイロンの粉末をレーザーで焼結しながら造形するタイプのものがいいと思います。500万円ほどからですので個人で購入するのは難しいですが、出力サービスではメジャーな方法です。ナイロンのため化学的にも安定感が高いということもあります。ただ、表面がザラッと仕上がるので、蓋と組み合わせる部分で水密性が出せるかというのは問題になりそうです。硬さと柔軟性のバランスも良くて使いやすいのですが。

液体が出し入れできて、漏れにくく、でも光は入らない、という条件の造形が難しいため、できればタンク本体は既存品を使い、中子だけを3Dプリンタというのがいいかなと思います。細部や強度がちゃんとした成形品より劣るのですが、あまり密度や枚数を欲張らなければ作れるんじゃないでしょうか。
ひうら 2023/07/09(Sun) 00:40 No.2285
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,日浦様
ご投稿と貴重な情報をありがとうございます。

3Dプリンターは魅力的です。6x9用のレンズボードも,eBayに3Dプリンター製が20ドル程で出ていて興味を持っていました。日浦様が仰るように,精度や漏水等を考えると固定用のホルダーを検討するのが良いと思います。ヤフオクに出ている「シノゴ現像用スペーサー」(4枚用)も3Dプリンター製のようです:
https://page.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h1094533217

このスペーサーの縮小版(大名刺/小名刺判)が作れないかと,出品者に打診したことがありますが,返事がありませんでした。やはり数が揃わないと販売側の魅力が少なくて難しそうです。マイナーな規格の場合,使う側が自分で作るしかないですね。
狸おやじ 2023/07/09(Sun) 13:00 No.2286
Re: 中判シートフィルム
日浦様
狸おやじ様
日浦様、はじめまして、宜しくお願い申し上げます。
早速に、ご指南をいただき有難うございました。確か、ニッコール21ミリレンズ用リアキャップ3Dプリンター製の販売サイトを何処かで拝見し、もしやと思っていました。
そうだったんですね。父の形見のS3に21ミリと考えて頓挫したままです。タンクは無理そうですが、ホルダーがあれば是非欲しいと思います。ご検討いただければ幸いです。
失礼致しました。
フイルム大好き 2023/07/10(Mon) 11:15 No.2287
ロジナールの「輝き」
私は中判モノクロフィルムの自家現像を再開するにあたり,外注やデジタルでは出来ない技法を試したいと考えていた。
その1つは,古典的現像液(ロジナール等)を高希釈して攪拌を制限して現像することで画像のシャープネスを上げる技法である。

この技法には,「東京オルタナ写真部」や写真用品販売店「Silversalt」のサイトを見てから興味を持っていた。しかし,その理屈が私には理解できていなかった。最近イギリスのJohn FinchさんのYouTube動画を見て,これが化学反応物質の遅延拡散により画像の濃淡の境界(エッジ)を強調する技法と理解したので,その概要を紹介したい。(これは既に写真現像の専門家の間ではよく知られている常識かもしれません。その場合ご遠慮なくご指摘ください。)

YouTubの動画(Mr. John Finch, Pictorial Planet):
https://www.youtube.com/watch?v=Bu3jUchq7u0&t=844s

ロジナールを使った静止現像画像の例(都丸修さん,OPA 312):
https://opa312rei.exblog.jp/26548094/
狸おやじ 2023/07/16(Sun) 11:06 No.2288
ロジナールの「輝き」
モノクロフィルムの現像液は,画像粒子を出来るだけ細かくし,大伸ばしに耐える高解像度のネガ画像を作る方向に改良が進められてきた。
この傾向は,大判や中判よりフォーマットの小さいライカ判(35mm)フィルムカメラの普及に伴ってより顕著になった。コダックのD-76,富士フイルムのミクロファイン ,アドックスのアトマル49等はその代表的な例と思う。これらの現像液は,フィルムの露光状態を忠実に再現した精細なネガ画像を出力する。しかし,モノクロで色彩を失ったこれらの画像は,ともすると眠たげでインパクトに欠けた画像と感じられることも多い。

一方,アグファが1888年に発売したロジナール(ロディナル,Rodinal)は,粒状性の荒い古典的な現像液で,作り出されるネガ画像は大伸ばしに耐えない。しかし,ロジナール特有のキレがあるシャープな画像は昔から定評があり,名前や商標を変えながら100年以上も作り続けられてきた(Rodinal -> Adonal, APH09, R09)。ロジナールは,画像全体の平均コントラストを下げる「イコライジング」の効果に加え,局所的な濃淡の境界(エッジ)のシャープネスを上げる効果を持つ。これら2つの効果は,現像液に含まれる化学反応物質(現像主薬)の濃度が低い程,拡散係数が小さい程,温度が低い程,現像液の攪拌を抑える程,顕著になる。これは,現像中のフィルムの露光部(明部)の上層に化学反応物質が枯渇した「拡散境界層」が形成される為で,露光部上にある程度の厚さの「拡散境界層」ができることで露光部の現像速度が抑えられ「イコライジング」の効果が働く。一方,未露光部(暗部)には拡散境界層ができない為,明部と暗部の境界(エッジ)には拡散境界層が急減する領域ができ,暗部から明部へ向けた化学反応物質の拡散が生じる。この水平方向の濃度拡散(*)が,局所的な濃淡のコントラスト(シャープネス)を増加させる。この局所的なシャープネスの増加は,拡散境界層が厚い程顕著になる。ロジナールのように分子量が大きく拡散係数が小さい現像主薬(p-アミノフェノール)を高希釈し,低温度で長時間かけて無攪拌で現像する事で,露光部上層に十分な厚さの拡散境界層が形成され,その結果,濃淡の境界のシャープネスが増加する。しかし,拡散境界層が極端に厚くなり,その厚さが濃淡の空間的スケールよりも長くなると,局所的なシャープネスを上げる効果は消滅する。

ロジナールでの推定はまだ試みていないが,ロジナールを50~100倍に希釈して長時間かけて静止現像すると,数ミリ程度の拡散境界層が形成され,そのスケールと同等かそれ以上の波長(空間的周期)をもつ明暗のコントラストが強調されると予想される。このような局所的なコントラストの強調は,露光状態の忠実な再現(画像化)という意味では好ましくない。また,ネガ原画でのシャープネスの強調を印画紙の現像過程で繰り返すと,シャープネスは逆に(エッジが分離する為)低下する可能性がある。しかし,明部と暗部の境界を強調して認識する性質は,我々の目の網膜の色覚細胞にも(その非線形的応答特性から)あると予想され,適度のシャープネスの強調は我々の心理的な画像認識と一致する。上の都丸さんの画像描写に心を打たれるのは,そこに原因があると私には思われる。この局所的なシャープネスの増加による明部輪郭の強調は,上の動画のFinchさんによれば,"Rodinal glow"(ロジナールの輝き)と呼ばれている。

*) ここでは,還元効果のある「フレッシュ」な現像主薬の濃度拡散を考えている。臭化銀を還元させることで還元効果を失い「疲弊」した現像主薬は,ロジナールでは回復させる薬剤が含まれない為,その挙動は現像に影響しない。
狸おやじ 2023/07/16(Sun) 17:51 No.2289
ロジナールの「輝き」
ロジナールを使って局所的なシャープネスを上げる技法には,主に2つの問題が考えられる。

まず,分子量が大きく拡散係数の小さい現像主薬を使う必要があり,その為に画像の粒状性が悪化する。これを防ぐには,反応速度を減らすように高希釈で低温度で現像を行う方法があるが,その効果は限定的と思われる。より簡単な解決法は,35mmより大きいフォーマットのフィルムを使って最終画像への拡大率を下げることで,その意味で中判~大判のフィルムは最適と思われる。

もう1つの問題は,上に書いたように,局所的なシャープネスを上げる為に拡散境界層の厚さを極端に厚くすると,その厚さより小さなスケールの明暗を強調できなくなり,逆に強調効果が減少すること。これについては,フィルムや現像の専門家が多くの現像データを集めて解析する中から,希釈率や現像時間の最適条件と攪拌の時間間隔を提案している。しかし,この条件もフィルムのサイズに依存する。大きいフォーマットのフィルム(印画紙)になる程,厚い拡散境界層でも明暗のコントラストを強調したシャープな画像を(相対的に)細かいスケールで作り出せる可能性がある(*)。

つまり,ロジナール等の古典的現像液を使って画像のシャープネスを上げる技法(Rodinal glow)は,35mmより大きなフォーマットのフィルムに適していて,より広い範囲で活用できる可能性がある。私がこの技法を,中判モノクロフィルムで試したい理由はここにある。エルンスト・ライツが創始し普及させた35mm写真フォーマットの呪縛に対する「アンチテーゼ」としたい。

*) 局所的なシャープネス(アキュータンス)を上げる技法として,「アンシャープマスク」(ボケ画像)を使う方法が知られている。この技法は,原画に対して,ある特定の波長(標準偏差)のガウス誤差(ボケ)を含む画像(アンシャープマスク)を人工的(アナログ又はデジタル的)に作り,その画像を原画から差し引く事で画像全体のダイナミックレンジを下げ,ある特定の波長の成分の濃淡を相対的に強調する。この技法と化学反応を使った希釈現像との違いは,前者はある特定の波長成分を強調するのに対し,後者は拡散境界層の厚さを制御することで,強調するスケールとその範囲を連続的に調整できる点にある。もう1つの違いは,前者はシャープネスを上げる操作により画像全体のダイナミックレンジ(画像情報)が減少し画質が低下するのに対し,後者は化学反応自体を制御している為,画像全体のダイナミックレンジにほとんど影響を与えない(画質が低下しない)点にある。


写真:古典的現像液: Adox Adonal (Rodinal), Spur Silversalt.

狸おやじ 2023/07/16(Sun) 21:13 No.2290
Re: ロジナールの輝き
狸おやじさま、今回も大変勉強になるお話をまとめてくださり深く感謝しています。

大フォーマットのシートフィルムから外れてしまいますが、私もロジナール高希釈を数年前から使用しています。
確かにロジナールは粗粒子になりますが、コピーフィルム超軟調現像で一般使用する目的で高希釈(目下416倍)24度45分(攪拌10分おき)を行っています。
その現像条件で、フジミニコピーHR2での感度はEI12-20程度。

作例:コンタックス167,18mmf4, f8,AE,EI12

コピーフィルムは元々粒状性に優れているため、多少粗粒子になっても十分良好なプリントが得られます。HR2の場合、引き伸ばしフォーカススコープで、全紙伸ばしでも粒状が見えないので、黒白のエッジ部分で商店合わせせねばならないほど。

軟調の度合いにおいては、昨今の軟調専用現像液のほうがより一般フィルムに近いガンマと、実用的な感度を出せますが、価格と手軽さの点で結構ロジナール(私は主にR09)を使うことが多いのです。

ロジナールを含め希釈現像液のエッジ効果について、理論的に解説していただき、なるほどそういうメカニズムで現像が進行しているのだなと得心がいきました。

狸おやじ様のご指摘の通り、大面積のシートフィルムで、粒状性の心配をせずに画面全体の、生理的に心地よいイメージングを目指すためにロジナールを使うのは大変理にかなっていると思いました。
なにより高希釈のため現像液のコストがたいへん節約できます。(最近入手が難しいのが問題ですが)

ただし、私はシートフィルムをとりあえず皿現像(手で)で行おうとしていて、45分とか1時間の現像時間は耐えられません。これはタンク現像に限って可能ではないかと。
何枚か現像成功したら、タンクでもできるように考えています。

れんずまにあ 2023/07/18(Tue) 00:44 No.2291
Re: ロジナールの輝き
れんずまにあ様,貴重なコメントと美しい写真をありがとうございます。

ロジナール416倍の高希釈現像には驚きました。
確かに超微粒子で高硬調のコピーフィルムを,ロジナールの高希釈溶液で現像すれば,全体は標準的な軟度になり,細部はエッジの立ったシャープな画像になり,しかも粒状性は最小限に抑えられます。これは1石3鳥の素晴らしい方法で,しかも経済的ですね。ご投稿の写真を拝見すると,落ち葉のシャープな輪郭に加え,葉全体や枝が輝くような描写もあり,正に「ロジナールの輝き」と思います。木の背景の木漏れ日の描写も素晴らしく,見ているだけでワクワクします。画面全体のバランスも良好で,これは10分毎の攪拌が効果的なのかなと考えています。

私の素朴な予想では,ロジナールで超高希釈現像をする場合,数10分で拡散境界層の厚さが10mmを超えそうで,35mmフィルムには不向きかと考えていました。しかし,強制攪拌により境界層の厚さが1ミリ程度に減らされるので,攪拌を10分間隔で繰り返すことで,境界層の発達を抑制して細かいスケールに適度のシャープネスが作られているように思います。つまり,フィルムサイズや希望のシャープネスのスケールに合わせて攪拌間隔を調整することで,好みの結果を出せそうな気がします。

富士のミニコピーHR2は懐かしいですね。もう入手できないのが残念です。少し調べると,アドックス CMS 20 IIもコピーフィルムの様です。120フィルムもあるようなので,購入ルートを探しています。
狸おやじ 2023/07/18(Tue) 20:50 No.2293
Re: 中判シートフィルム
貰い物のNeopan100 大名刺、2001年期限.
ようやく集めた2 1/2 x 3 1/2ホルダー、左ホースマン1枚入り、右リンホフ2枚、外側はストッパーつき。
とりあえず試写してみます。

れんずまにあ 2023/08/03(Thu) 18:54 No.2295
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
ご投稿ありがとうございます。

ネオパン100の大名刺判を初めて見ました。フィルムホルダーも集まって試写が楽しみですね。リンホフテヒニカ23/70のピントグラスバックは,グラフレックスの23ホルダーと互換という情報があり,ホースマンやマミヤプレスのホルダーが使えるかもしれません。その辺も何か分かりましたらお教えください。
狸おやじ 2023/08/04(Fri) 21:39 No.2297
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様の画像に触発され,アドックスのコピーフィルム(CMS 20 II)を探したが,120は何処にも在庫が無く,35mmも品薄状態。CMS 20にはアドックスから専用現像液(軟調現像用)も提供されていて,モノクロ写真ファンに根強い人気があるようだ。

で,取り敢えず35mmを試したいと思い,20年振りに35mmフィルムを購入してみた。
カメラはコンタックスG1と,ビオゴン28mmとゾナー90mmを防湿箱から復活させた。ビオゴンは高解像度の優れたレンズだが,コントラストが強すぎてカラーポジでは使い難い。モノクロの軟調現像ならベストフィットだろう。現像はロジナールの高希釈(x200)を考えているので,実効感度はISO10程。この感度だと中判は厳しいが,明るいレンズ付きのコンタックスなら手持ちで楽しめそうだ。

写真:Adox CMS 20 II Pro, Contax G1.

狸おやじ 2023/08/07(Mon) 23:15 No.2298
Re:ADOX CMS20
狸おやじ様、早速コピー系フィルムをお試しですね。
私はCMS20IIと専用現像液はストックしていますがまだ露光していません。
他サイトで使った作例を拝見すると、専用現像液AdtachIVの1:14,EI20でもかなりガンマが高く、使い方が難しそうでした。
私が頻用するMinicopy HRII + R09x416でも若干ガンマが高すぎます。これを200倍程度にするとさらにガンマが高くがちがちになってしまいます。また500倍以上だと現像時間を1時間以上延長しても十分な濃度が出ないため、x416(0.6ml+250ml水)EI12-20におちついたところです。
CMSは多少柔らかいのかもしれませんが,x200でどこまで出るか、ですね。
昨今の新しい軟調現像液はさすがに優秀で、Rollei RLCではHRIIでもEI25くらい出ますし、
Kodak Technical Pan+Rollei Low contrast現像液ではほぼ一般フィルム同等のガンマとEI40-50の高感度が可能でした。

とはいえ手軽で安価なRodinalの結果を大変期待しています。
れんずまにあ 2023/08/08(Tue) 17:22 No.2299
Re: ADOX CMS20
れんずまにあ様,貴重なコメントをありがとうございます。

コピーフィルムは,専用軟調現像液(アドテックIV)でもコントラストが出過ぎる事があるのですね。とすると,CMS 20 IIとContax/Biogonの組み合わせは適当でないかもしれません。

私が参考にしたのは,Digital truth photoの現像データです:
https://www.digitaltruth.com/devchart.php?Film=Adox+CMS+20%25&Developer=&mdc=Search&TempUnits=C&TimeUnits=D

このロジナールの欄を見ると,200倍高希釈の注釈には「連続トーン」とありますが,100倍には注釈がありません。なので,200倍なら良いかと考えました。私の予想では,高希釈にして攪拌を抑える程「拡散境界層」が発達し,イコライジング効果が効いて全体のコントラストが抑えられると思います。ただし,その分実効感度(EI)は下がる。本当は,好みのガンマやコントラスト,シャープネスに合わせて希釈率や現像時間,露出量,攪拌頻度等を調整すべきかもしれません。モノクロ現像は奥が深いですね。
狸おやじ 2023/08/09(Wed) 20:19 No.2300
Re: CMS20II
シートフィルムスレッドであまりひっぱるのもと思いましたが、好きな話題ですので...
他サイト投稿では、当初Cafferolをお使いになっていて2トーンに近いほどガチガチでした。
その方は一般フィルムをCafferolで現像されていて、当初Adtechが品切れだったので使われたようでしたが、degitaltruthのサイトにCafferolのチャートも載っていたので多分参考にされたと思います。(私も愛用しているサイトです)
つまりdegitaltruthのデータは、クリティカルなところでは鵜呑みにできないのではないかと思っています。もちろん初めての組み合わせでは出発点にするのではありますが。
手前味噌ながら私は初めての特殊現像ではハーフサイズカメラ(ニコンFM10ハーフ+Aiニッコール50mmf1.4)で室内コントラストチャートを段階露光し、途中切り出しで現像、ゾーンがすべて再現された条件を基準に、屋外撮影で輝度差が大きな被写体を検証し、最終的な現像条件にしています。(テストにあまりたくさんフィルムを使いたくないところ、ハーフならかなり大胆にコマを使えますので)
コピーフィルム軟調現像では、結構チャートより実写の方がシビアになる印象を受けています。
れんずまにあ 2023/08/10(Thu) 00:35 No.2301
Re: CMS20II
れんずまにあ様,貴重なコメントをいただきありがとうございます。

確かにDigitaltruthphotoの現像チャートは,不正確なデータを含んでいると思います。
投稿データを集計して作られたデータベースの為,投稿者がフィルムの軟調/硬調現像を理解していない場合もありますし,検証が不十分の可能性もあります。SilversaltのTim Moogさんは正確なフィルムテストに基づいた現像データを公開していますが,ロジナールの高希釈現像のデータは少ない。本当は,れんずまにあ様のようにコントラストチャートの段階露光から最適解を見つけたい所ですが,今の私はそこまで余力がありません。

取りあえずCMS 20 II(35mm)を使い,状況に応じて±0.5~1EVで試写しています(EI=10)。Contaxはオートブラケティング機能付なので,こういう時は便利です。
狸おやじ 2023/08/11(Fri) 09:58 No.2302
Re: 中判シートフィルム
本来のシートフィルム話題で。
ようやくホルダーに装填しました。
ホースマンの1枚入りはモルトが粉々に劣化しており、1つは使われた形跡がない状態にも関わらず、モルト貼り替えしないと使えません。追々やります。
リンホフ2枚入りはどちらもモルトに頼らない構造でありがたい。
単純な方はリスコやフィデリティと同じ構造なのでスムーズにシートが入りました。
もう一つの開閉ロックつきは非常に凝った作りでさすがリンホフと感心しましたが,ダークバッグの中で全然シートが入らないので焦りました。
かなり苦しんだ挙句、スプリングで圧迫されているプレッシャープレートを指で押さえながらシートを入れることに成功。なるほどそうなってるのか。
正しい方法かどうかわ断言できませんが、苦しまれる方がおられたらTIPsとして報告します。
まずは焦点位置がリンホフのピンとグラスと一致しているかテストしました。
れんずまにあ 2023/08/11(Fri) 22:22 No.2304
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご投稿ありがとうございます。

リンホフのフィルムホルダーや本体は,モルトプレーンが使われていないのが良いですね。
耐久性のない素材は一切使わないというリンホフの姿勢は,やはり偉大だと思う。(京セラContaxにもモルトが使われていて酷い目に遭いました。)

確かにリンホフの初期型のダブルホルダーは,フィルム装填が少し難しい。引き蓋を引くとロックが外れてフラップが(新品なら自動で)開き,ガラス乾板でも装填できるのは良いが,圧板がバネで押し付けられているので,圧板を指で押さないとスムーズに着脱できない。その分,サイドにはフィルム取り出し用のレバーがあり,フィルム(乾板)を取り出す時に便利で,フラップを閉めた状態なら,レバー操作で中にフィルムがあるかどうかを確認できる(リンホフテヒニカ23,No.2064)。凝った作りのホルダーですが,ガラス乾板の需要が減る中で,圧板とイジェクトレバーを省略したタイプ(リスコやフィデリティーと同仕様のスーパーカットフィルムホルダー)に代わっていったようです。
狸おやじ 2023/08/12(Sat) 17:25 No.2306
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様 狸おやじ様
いつも有難うございます。今日、新宿ヨドバシフイルム館でこんな品見つけました
。6/6、6/7、6/9兼用ガラスネガキャリア。550円でした。プリント用デスとは店員言いましたが、購入。早速ポジを挟んでスキャナーでテストしてみました。EPSONのホルダーに満足せずあれこれ試して、何とコレが良かったです。ライトボックスに置くにも気軽です。とりあえず、小さな事で申し訳ありません。

フイルム大好き 2023/08/30(Wed) 17:17 No.2322
Re: ガラスネガキャリア
フィルム大好き様、近年にしては珍しい製品ですね。
中判大判は平面性に悩むこともありますから、貴重な一品です。
ニュートンリングはいかがですか。
4x5以上の大判シートフィルムのスキャンに少し悩んでいまして、その辺の製品もあればいいなと思っています。
れんずまにあ 2023/09/02(Sat) 23:01 No.2325
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
ありがとうございます。ニュートンリングについては、心配していましたが、なんと無事にスキャン出来ました。価格を考えると驚きです。引き伸ばし機用ネガキャリアですからそうなのかなと思いました。4/5用は有りませんでしたが、35用も有りました。ネット通販ても同価格でした。先ず報告申し上げます。よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/09/03(Sun) 09:12 No.2326
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
たぬきおやじ様
いつも有難うございます。最近、耳にした話を一つ。コンパーシャッターのオーバーホールで、東京九段下のToyoの社長にお世話になっています。2/3なんか使う人います?と伺い驚きました。プロが何人か。と、、4/5も。アサイメントは、デジタルバックで済ませ展覧会用、作品としては、フィルムだそうです。やはり、と思いました。失礼いたしました。
フイルム大好き 2023/09/03(Sun) 17:00 No.2327
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ガラスキャリアーとオーバーホールの情報をありがとうございます。

Toyoカメラサービスの儀同さんには私もお世話になっています。
古いコンパーシャッターを修理してもらったのですが,修理に加えて(無料で)シャッター速度を計測してくれました。古いレンズやシャッターを使う者には有難いサービスです。
狸おやじ 2023/09/05(Tue) 19:36 No.2328
QL69-JP
パターソンの現像タンクに,シートフィルムを装填する為のリールを入手したいと考えていた。
アメリカの20th Century Cameraが製造しているQL69が候補の一つだが,今年2月に起きた火災で営業停止中で,いつ販売が再開されるか見通しがつかない(No.2179)。この製品を扱っている店をネットで探した所,ドイツのSchwarzweiss Fotolaborに若干の在庫があるようだ(*)。ここはモノクロ専門のプロラボだが,若い写真家の育成もしていて,20th Centuryの販売代理店でもある。担当のThomas Ochsさんに問い合わせた所,今は日本への販売をしていないとの事。そこを何とかとお願いした所,手数料と送料(25ユーロ)で発送してくれるとの返事。製品価格(54.74ユーロ)と合わせても妥当な金額なので試しに注文してみた。(オンラインサイトでは日本への発送オプションをサポートしていないので,興味のある人は各自直接お問い合わせください。)

*) https://schwarzweiss-fotolabor.de/en/produkt/ql69-p-6-5x9cm-2%C2%BDx3%C2%BD-quick-load-6-sheet-film-reel/


写真:Quick Load Film Developing Reel, QL69-JP.

狸おやじ 2023/09/05(Tue) 20:48 No.2329
QL69-JP
QL69-JPには,大名刺判シートフィルムを6枚装填できる。リールは6角スパイラル状で,番号とノッチが刻まれたスロットにシートフィルムを薬剤面を内側にして横向きに差し込む。フィルムを奥まで差し込み,スパイラル先端のカギ状ストッパーで固定する。装填にはコツが必要だが,慣れると1枚当たり数秒程。素材の剛性が高いので,上で自作したホルダー(No.2271)より確実に装填できる。パターソンのセンターカラムと回転棒を差し込みタンクに収納すると,倒立攪拌や回転攪拌が可能。JPは従来のP (Paterson Super System 4, PTP115~118) に加え,J (Jobo 1500, 2500) に対応し,色が黄色から赤に変更された。Joboで使用する場合,付属の2つのO-リングをセンターカラムに取り付けるようだ(写真)。

フィルムは,約10 mmの間隔でラセン状に装填される。等間隔で10 mmの余裕があるので高希釈の静止現像にも向くと思う。一回の現像に必要な液量は約500 ml。一枚当たりの液量は80 mlで,薬剤の利用効率も高い。超高希釈現像(200~400倍以上)の場合,現像液の最低使用量を満たさない事があるが,フィルムの数を減らせば対応できる。その意味で,ロールフィルム(120/135)より現像条件の自由度が大きい。


写真:シートフィルムの装填状況 (下はJobo用のO-ring).

狸おやじ 2023/09/05(Tue) 21:05 No.2330
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。到着したのですね。そうですか、基本日本には非対応の中、お見事です。ホルダーをラボに出せば2枚現像て2400円取られることを考えると大活躍しそうですね。道筋を作ってくださり感謝です。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/09/06(Wed) 08:11 No.2331
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。

Schwarzweiss Fotolaborには,ウェブサイト下の"Contact"から連絡できます。担当者(オーナー)のThomas Ochsさんは気さくな人なので,多少の融通は利くと思います。もし相談される場合,日本の知人から情報を聞いたと書いていただいて構いません。
狸おやじ 2023/09/08(Fri) 20:36 No.2333
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつもお世話になります。ql69の貴重な情報を頂き、早速contact欄から問い合わせを致しました。日本の知人からも紹介をいただいた旨を書いたつもりですが、返答無し。因みにカートに入れチェックアウト迄は行けましたが送料が対応していなくダメでした。もう少し待ってみようと思います。まずは、途中経過報告です。
フイルム大好き 2023/09/28(Thu) 15:19 No.2353
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お世話になります。
お陰様で返信が来まして、無事に完了出来ました。ありがとうございました。
なんでも、在庫が最後の一つとか。危なかったです。到着が楽しみです。
フイルム大好き 2023/09/28(Thu) 23:44 No.2354
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
QL69-JPの注文ができて良かったですね。到着が楽しみです。
Thomas Ochsさんも,日本から新しい注文が来て喜んでいると思います。恐らく現在世界に数個しかないQL69-JPの内の2つが日本に集まりつつある様です。大事に使いましょう。
狸おやじ 2023/09/29(Fri) 20:23 No.2355
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お世話になります。お陰様で、9月28日に発注した、20thーcenturyのリールが届きました。まさか、手に入るとは。試しにフイルムをセットしてみましたが、スムーズに出来ました。大感謝です。ありがとうございました。

フイルム大好き 2023/10/16(Mon) 16:08 No.2380
ロジナールの輝き(実践編)
先週末に時間ができたので,20年振りにモノクロフィルムの現像を試みた。

取りあえず,撮り終えていた120フィルム(Rollei Retro 80S)2本をロジナールで現像。『ロジナールの輝き』(No.2288-2293)を期待して,Digital truth photoのデータ(No.2300)を参考に,100倍の高希釈で20°C,60分間の準静止現像(10分毎に1~2回の倒立攪拌)を試みた。

結果は初めての高希釈現像にしては良い方と思う。サンプル画像を添付します。春の終わりの茅葺き民家で,手前は生活感満載の駄作だが,屋根の茅の一本一本が非常にシャープに表現されていて迫力がある。全体のコントラストは控え目で,陰の部分の黒つぶれも少ない。同じ場所でベルビア100でも撮影したが,白飛びと黒潰れが酷く,細部のシャープネスもモノクロームに負けていた。機材はテヒニカ23IV,レンズはHeliar 105mm/F4.5,f11,SS=1/50。フォーマットは6x7 cm。

今大名刺判のFomapan 100も撮り進めていて,高希釈現像の比較結果が出たら報告します。


写真:A traditional thatched house (Heliar 105 mm, Rollei Retro 80S, Rodinal 1:100).

狸おやじ 2023/11/01(Wed) 22:43 No.2392
ロジナールの輝き(実践編)
比較の為,カラーポジ(ベルビア100,RVP)で撮影したサンプルも添付する。セッティングとf値,SSは同じ。フォーマットは6x9 cm。ベルビアは高解像度で粒状性も良いフィルムだが,コントラストが高い為,ハイライトが滲んで屋根の細部の描写が崩れている。陰の部分も黒潰れが起きて細部の描写が消えている。どちらを選ぶかは好みの問題だが,この被写体なら,私はモノクロ(高希釈現像)の描写を選ぶ。

因みに,ベルビアはプロラボに現像を依頼し,業務用スキャナ(ノーリツプレシジョン)でスキャンされた画像の画素数を1/4程に落として出力。モノクロは,エプソンGT-X970に自作ホルダーとSilverFast9で,3200 ppiで読み込んだ画像から同様の画素数で出力。どちらもソフトウェア上で画像修正を加えていない。


写真:Same as above, but shot with Velvia 100 (RVP).

狸おやじ 2023/11/02(Thu) 20:15 No.2394
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
素晴らしい作例、ありがとうございます。特にモノクロの作品には仰天しました。仰るほど、ベルビアの方もいいじゃないかと。未だT-maxデベロッパーの封を切らない初心者にはまさに迷宮の入り口に立たされているようです。何はともあれ、自家現像試さなければと思っています。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/11/06(Mon) 01:28 No.2406
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,コメントありがとうございます。

モノクロとカラーは人により好みが分かれると思います。私は昔からモノクロ写真が嫌いで,これは高校時代に体験したネオパンSSの「眠たげな」画質が原因です。その後,カラーポジ(コダクローム,エクタクローム,フジクローム等)のシャープで濃厚な描写が気に入り,40年近く使ってきました。今もフィルムのメインはベルビア/プロビアです。

しかし,数年前に「東京オルタナ写真部」のサイト(*)を見てから考えが変わり,今はモノクロ写真の絵画的(ピクトリアル)な表現にも興味があります。今後中判や大判もデジタル化していく中で,モノクロ(フィルム)の存在価値は,化学物質の拡散過程を制御して自由な表現を実現する所にあると考えています。私が好きな写真家ウジェーヌ・アジェも静止現像の先駆者の一人です。ともあれフィルム写真は自分の趣味なので,肩肘張らずに楽しみたいですね。

*) https://tokyoaltphoto.com
狸おやじ 2023/11/06(Mon) 20:35 No.2408
Re: 中判シートフィルム
中判シートフィルム (大名刺判,小名刺判)が使えるカメラのリストを作ろうと思う。
戦前の中型の乾板式蛇腹カメラ(ハンドカメラ)は,ほぼ全てシートフィルムが使えるはずだが,情報が少なく確認も難しい。そこで,現在でも入手が可能と思われる戦後のテクニカル(プレス)カメラとシートフィルムホルダーの情報を掲示します。
(他にも情報があればお教えください。新情報が入り次第,情報を更新します。)

・ リンホフ テヒニカ23(III-V),テヒニカ70,テヒニカプレス23,テクニカルダンS23
これらの4機種には専用ホルダー(ダブルホルダー/スーパーカットフィルムホルダー,大/小名刺判)が使用可能。
ダブルホルダーはシートフィルムかガラス乾板が装填でき,スーパーカットフィルムホルダーはシートフィルムのみ装填可能。
未確認だが,グラフィック規格のフィルムホルダー(小名刺判?)が使えるとの説明が取扱説明書にある。

・ マミヤ マミヤプレス G/S/スタンダード/スーパー23/ユニバーサルプレス
専用のカットフィルム/乾板ホルダー(J型: 大名刺判,A型: 小名刺判)が使用可能。
どちらもガラス乾板(大名刺判)が装填できる(FOV様: No. 2416, らいむら様: No.2244の情報)。

・ トプコン ホースマン VH/VH-R
専用のシートフィルムホルダー(大名刺判),リスコリーガル製のホルダー(小名刺判)が使用可能。

・ グラフレックス センチュリーグラフィック23,グラフレックスXL,クラウングラフィック23等
これらの機種には,グラフィック規格のフィルムホルダー(小名刺判?)が使用可能と思われる(現時点で未確認)。

私の手許にある「中判・大判カメラ入門」(日本カメラ社,1993年)には,ローライフレックスSL66SEとマミヤRB67プロSDに,専用のカットフィルム用ホルダーが提供されていると記載がある。れんずまにあ様によると,ハッセルブラッドSLR,ローライTLR,マミヤCにも専用フィルムホルダーが提供されている(No.2411)。また,ビューカメラのアルカスイス6x9M/F,トヨビュー23G,エボニー23S/SV23/SW23/GP69F等のカメラバックは「6x9判グラフィック規格」と説明があるので,グラフィック規格のホルダー(小名刺判?)が使える可能性がある。

ご参考までに。
狸おやじ 2023/11/08(Wed) 20:13 No.2409
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様、シートフィルムを使えるリスト、大変期待しています。

目下興味があるのは、戦前プレートカメラ用金属製撮り枠にシートを入れることで、後ろに板バネがはいっているものは、多分ガラスプレートまたはアクリル板を後ろに入れておく必要がありそうなこと。またシート用と思われる枠でも、後ろに金属板をいれるものがあります。

戦後SLRやTLRにも1枚撮りアダプタをもつ機種がありますね。
ご指摘のSL66もそうですね。ローライTLR用も存在します。
マミヤC用のを持っていた(使ったことがない)はず。また、ハッセルブラッド用の1枚撮り枠ホルダーをコレクターから頂戴しました。今どこに置いたかな...

グラフレックス23用は、近所の店舗に小名刺リスコ2枚入が沢山と同じく小名刺判の6枚チェンジャーがありました。フィルムが潤沢なら確保してもいいかなあ。

国産の戦後モデルはモルトプレンが使われていて、根本的に掃除しないと使えないものが多いです。
情報集まりましたら報告します。
れんずまにあ 2023/11/08(Wed) 23:01 No.2411
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様,ご投稿とコメントをいただきありがとうございます。

ご指摘の様に,ハッセルブラッドSLRにも専用のシートフィルムホルダー(+フィルムカッター?)があるようですね。ローライTLRやマミヤCにも専用ホルダーがあるのを知りませんでした。貴重な情報をありがとうございます。上の説明を補足修正しました。

グラフィック規格(6x9判)のシートフィルムホルダーは,1950~1980年頃の中判テクニカル/ビューカメラに広く採用されていたかも知れません。グラフロックバックの120ホルダーは機種により相性がある様ですが,シートフィルムホルダーは使い回しができるかも。とすると,リスコリーガルのフィルムホルダー(小名刺判)がテヒニカ23/70で使えたり,リンホフのダブルホルダー(大名刺判)がセンチュリーグラフィックで使えたりと面白そうです。精度は問題かも知れませんが...
狸おやじ 2023/11/09(Thu) 20:34 No.2414
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
1975年購入のマミヤユニバーサルプレスの使用説明書29ページ 
カットフィルム/乾板ホルダーJ型(JIS規格)
・乾板(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けは使用しません。
・カットフィルム(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けの平らな面か不要の乾板をあてがいます。
・4+3/4X6+1/2インチ、カビネ判のカットフィルムを四等分にカットして使用する場合
 フィルム受けの4か所のつめに差し込みホルダーに入れます。
 カラーフィルムをカットすると現像所で現像できない場合があるので、2+1/2X3+1/2インチ判を使用します。

30ページカットフィルム/乾板ホルダーA型(アメリカ標準規格)
・乾板(2+1/2X3+1/2インチ判)を使用する場合
 フィルム受けは使用しません。
・カットフィルム(2+1/4X3+1/4インチ判)を使用する場合
 フィルムをフィルム受けのみぞに差し入れて使用します。
フィルムパック・アダプター
 J520(6.5X9cm)のフィルムパックが使用できます。
との説明(簡略化しました)があります。

カットフィルム/乾板ホルダーA型を入手しましたが、使用の機会を逸してしまいました。ホルダーに同梱の説明書には「メモ板に書き込んだ文字は、指か布でこすれば消して書き直せます。」の説明のみです。

ポラロイドランドパックフィルム・ホルダー2型はFP-100Cが製造中止後使っていません。LomoGraflok 4×5 インスタントバックのマミヤプレス版は発売されそうもありません。
FOV 2023/11/10(Fri) 00:46 No.2416
Re: 中判シートフィルム
FOV様,ようこそお越し下さいました。
マミヤユニバーサルプレスのフィルムホルダーについて,貴重な情報をありがとうございます。

マミヤのホルダーは,J型(JIS規格)とA型(アメリカ規格)があるのですね。れんずまにあ様から教えていただいた初代マミヤプレスの取扱説明書には「乾板用取りわく」(大名刺判)の説明がありますが,フィルムを使う時は,不要の乾板を背面に入れると書かれています(リンホフテヒニカ23,No.2114-2115)。この「乾板用取りわく」が改良されてJ型のホルダーになり,小名刺判のA型が追加されたようですね。製品の流れが良くわかりました。感謝いたします。上の説明を新しい情報で修正しました。

LomoGraflokインスタントバックは,4x5判グラフロック用で,6x9判に使えないのが残念ですね。ポラロイドのフィルムホルダーをお持ちでしたら,インポッシブル社がフィルムを再販しているので利用できると思います。
狸おやじ 2023/11/10(Fri) 21:23 No.2417
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
インポッシブル社のピールアパートインスタントフィルムの情報をいただきありがとうございます。マミヤユニバーサルプレスのホルダーの件、お役に立てて何よりです。

1999年7月に購入したinstax500 AF用フィルムなどは、撮影後の写真が一点物扱いで人気があり入手困難です。生産量は2025年度には2021年度の4割増しになるそうです。
FOV 2023/11/11(Sat) 11:18 No.2418
Re: 中判シートフィルム
FOV様

私はインスタント写真にあまり興味がありませんが,富士フイルムがinstaxで収益を上げてフィルム事業を継続できるなら有難い。これを機に,120/135やシートフィルムにもinstaxの技術を使って新しい製品を出して欲しいですね。ポラロイドやフォトラマもそうですが,化学反応を駆使することで画像の粒状性とシャープネスを同時に上げることができ,これは現在のデジタル技術ではできない魅力と思います。私としては,透過型のポジ原稿になるインスタントカラーフィルムを作ってくれたら嬉しいですが...
狸おやじ 2023/11/12(Sun) 11:59 No.2419
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ポラロイド社は、35ミリ判カラースライドフィルムPolachrome CS(36枚撮り 12枚撮り 現像時間60秒 日本ではポラカラーCS 1983年~2002年頃)を発売しました。手動、電動現像器、スライドマウンターなどシステム化されましたが、いずれの製品も一般のカラーリバーサルフィルムに比べ高価で利用できませんでした。

最初に使用したコダクロームは、コダクロームXでした。一度だけプロセスE3でエクタクロームの現像をしたこともありました。
コダクロームからチバクロームプリント、カラーポジのデュープを除いて、カラープリントの焼き増しとモノクロームの引き伸ばしはネガフィルムを使用し、9割はリバーサルフィルム(ハーフ判 35ミリ判 6x7判 6x9判)でした。
FOV 2023/11/13(Mon) 20:38 No.2420
Re: ポラクローム
FOV様、狸おやじ様、脱線をお許しください。
1989-94ごろ仕事でポラクロームを使いました。
特急仕上げでも間に合わないプレゼンテーション、資料があがるのが当日明け方という時のお助けグッズなのです。
フィルム自体は普通のパトローネに入っていて普通に撮影し、専用のプロセッサーを用いて即時に現像します。

構造は非常に特殊で、ちょうどブラウン管の拡大のように規則正しくRGB色素が並んだもので、粒子そのものは当時のベルビアやコダクローム64などと比べて粗大なもので,また黒の締まりもよくありませんので、作品に使えるようなものではなかったと思います。

その後デジタルが主流となって、スライド映写は廃れてしまい、余った何本かは捨てられるところを持ち帰りました。その後使っておりません。
れんずまにあ 2023/11/13(Mon) 22:55 No.2422
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
貴重な情報をいただきありがとうございます。
業務で使用されていたのですね。

写真技法と保存の知識 デジタル以前の写真―その誕生からカラーフィルムまで 青幻舎(2017) 97ページにパッケージと3色ストライプフィルターの写真。

Timeline of Historical Film Colors(filmcolors.org)のPolachromeの項にサンプル写真と1977年発売のインスタントカラー8ミリムービーフィルムPolavisionとのストライプフィルターの比較写真があります。
FOV 2023/11/14(Tue) 07:54 No.2423
Re: 中判シートフィルム
FOV様,れんずまにあ様
Polachrome CSというインスタントカラースライドフィルムが既にあったのですね。
全く知らずに,迂闊なことを書いてしまいました。Filmcolors.orgのサンプル画像を見ると,色味は独特で深みがありますが,解像度が低いので35mm判だと厳しそうです。

そう言えば,昔「パナコピー」というインスタントモノクロスライド作成機を使ったことがあります。私は,仕事ではOHPシートがほとんどでしたが,パナコピーも必要に迫られて何回か使いました。書類用の「コピー」フィルムなのでコントラストが強く,普通の写真には不向きでした。その後,発表用の素材のほぼ全てがパワーポイント(電子情報)に移行してしまい,何だか味気なく感じています。
狸おやじ 2023/11/14(Tue) 21:24 No.2424
ロジナールの輝き(実践編,その2)
今回は,大名刺判のフォマパン100をロジナールで高希釈現像した結果を紹介します。
撮影条件は快晴,弱い逆光。高台から望む入江と内海と島の風景。機材はTechnika 23IV,レンズはRodenstock Rotelar 180 mm/F4.5, f16, SS=1/60。フォーマットは6.5x9 cm。

1枚目は,1:100の高希釈で18分 (20°C) 現像した結果 (8分間隔で1~2回の倒立攪拌)。現像条件は,Digital Truth Photo (No.2300) を参考にした。高希釈なのでコントラストが弱められているが,それでも水面は露出オーバー気味で遠景にフレアが掛かり,良く言うと幻想的,悪く言えばメリハリに欠ける印象。


写真:Sample No. 1 (Fomapan 100, Rodinal 1:100).

狸おやじ 2023/12/20(Wed) 20:57 No.2442
ロジナールの輝き(実践編,その2)
2枚目は,1:200の高希釈で30分 (20°C) 準静止現像した結果 (10分間隔で1~2回の倒立攪拌)。
1枚目より高希釈の為,水面のハイライトが抑えられ,手前の木々も黒々と生き生きと見える。木々の輪郭や遠景の島の輪郭も適度に強調され,高シャープネスのロジナールの特徴が感じられる。しかし,背景のグレー部分を大きく拡大した時の粒子の荒れは,2枚目の方が大きい。Rollei Retro 80S (No.2392)では粒子の荒れがほとんど見られないので,これはフォマパン100の特徴だと思う。中判以上なら問題ないが,小フォーマット(35mm等)の大伸ばしには向かないかも知れない。


写真:Sample No. 2 (Fomapan 100, Rodinal 1:200).

狸おやじ 2023/12/20(Wed) 21:15 No.2443
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様早速現像結果をご提示いただきありがとうございます、超希釈でも十分現像できていますね。
大判のフォマを未経験なのでこの粒状が普通なのかどうかわかりませんが、1:200では大名詞でもここまで粒が大きくなるのですね。
ちょっと不思議だったのは1:200の右下と両方の左右端が少し過現像なのかかぶっているのか反転濃度が薄くなっていることと、1/100の右上の茂みに点々と白い高輝度が見えるところで、もしかしたら白鷺の群れかなとも思いましたが。
大きなフォーマットで静止現像はやったことがないので興味深く拝見しています。
よい条件が煮詰まるとよろしいですね。
れんずまにあ 2023/12/21(Thu) 16:51 No.2444
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のコメントをありがとうございます。

フォマパンの粒状性は,120フィルムであまり良い印象がなかったのですが,今回も少し不満が残りました。ローライレトロ80Sと比べると粒状性が劣ると思います。ただこれは被写体や現像液との相性もあるので,今後色々な被写体や現像条件で試してみようと思います。同じ場所でベルビア100でも撮っているので,現像ができたらまたご報告します。

>ちょっと不思議だったのは1:200の右下と両方の左右端が少し過現像なのかかぶっているのか反転濃度が薄くなっていること

流石に鋭いご指摘ですね。実は,2回目の準静止現像では,20°Cの液温で現像を始めたのですが,室温が少し低かった為,25分経過した時に18.5°Cまで液温が下がってきました。そのまま30分まで待って終了すれば良かったのですが,その時は魔が差して25°Cで湯煎して液温を約1度上げてみたのでした。すると,静止現像ですので周囲の温度が数度上がり,僅か2~3分でもその影響が出て,タンク底部の周辺(フィルムでは右下)が過現像(ネガは黒が強目)になったようです。ロジナールの高希釈現像は,温度管理を厳重にする必要性を痛感しました。次回は20°Cの水を満たした断熱箱の中で現像するつもりです。

1:100の木々の中の白い斑点(右隅と右下)は確かに謎ですね。理由は良くわかりません。1:200の画像を見ると微かに白い部分があるようですが,それが何かの条件で「成長」したのかも。高希釈現像は,本来見えないものも見えるようにする強調効果があるので,何かの条件(波長vs濃度拡散場?)で擬像を作り出すのかも。ベルビア100の結果が出たら,比較しながら考えてみたいと思います。
狸おやじ 2023/12/21(Thu) 22:21 No.2445
Re: 中判シートフィルム
今回はホルダー5個分,フィルム10枚を現像した。各ホルダーの表裏(2枚)は同条件で撮影し,半分(奇数番)を1:100の希釈率,残り(偶数番)を1:200の希釈率で現像した。

シートフィルムは各フィルムの現像条件を変えられるので,条件を変えて現像したい時に便利だ。しかし,ロールフィルムと異なり,フィルムに番号が無いので,フィルムの順番を特定する作業(番記)が必要になる。20th Century Cameraのリールには,各スロットに番号(1~6)を示す「ノッチ」があり暗闇でも位置を確認できる(No.2329の写真)。しかし,水洗後にフィルムの一部を混ぜてしまい,特定に苦労した。フィルムの数が多い時は注意が必要だろう。

水洗後は,ドライウェル溶液に浸してからフィルムの縁を目玉クリップで摘み,スポンジで水滴を拭ってから小物干しに吊るして乾燥させた。何か靴下でも乾かしてる感じです。


写真:乾燥風景.

狸おやじ 2023/12/23(Sat) 15:24 No.2448
Re: 中判シートフィルム
中判フィルムの収納と保管方法について,れんずまにあ様とフイルム大好き様と以前ご相談しました(No.2231-2235)。今日は私の方法をご紹介します。

大名刺判のシートフィルムは,コレクトのA4透明ポケットリーフ(8ポケット,S-4240)に収納している(*)。この透明リーフには大名刺判が横向きに2枚x4段,8枚入る。ポケットサイズは73x109 mmなので,かなり余裕がある。私は右余白に小さいタックシールを貼り,フィルム番号や撮影情報をメモしている。

この透明リーフを,コクヨのA4フォトファイル(30穴,ア-M160)に綴じている。このフォトファイルには,コクヨのフィルム用ポケットシート(A4,6x6~6x9,ア-M923)も入れていて,6x9判120ポジフィルムを収納して便利に使っている。

厄介なのは6x7判で,普通のポケットシートは2コマx4段なので,120フィルム一本が納まらない(No.2233)。そこで,コレクトの透明ポケットリーフ(6ポケット,S-4320)を使っている。これは縦向きに6ポケットあり,サイズが72x150 mmなので,2コマがギリギリ納まる。リンホフの6x7判(56x72 mm)は大きいので,コマによっては1 mm程出てしまうが,何とか収納可能。最適ではないが許容範囲です。

*) https://www.amazon.co.jp/dp/B00777RJ62?th=1


写真:コレクト透明ポケットリーフ (下:S-4240, 上:S-4320).

狸おやじ 2023/12/27(Wed) 22:04 No.2452
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
貴重なご指導、感謝しています。
アルバム開いて、考えていたところです。出来るだけ大切に保存したいですね。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/12/29(Fri) 18:36 No.2462
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
早速のコメントをありがとうございます。上の情報が少しでもお役に立てば幸いです。

これまで中判シートフィルムについて,種類や購入方法から現像や保管方法まで,私が把握している情報の概要をご紹介しました。少し省略したのは,ホルダーへの装填と撮影時の操作方法です。これらについては機種依存性があるので,各カメラ(ホルダー)の機種別サイトでご確認いただけたらと思います。

後は,フィルムのデジタルスキャンとプリントですね。これらは,私自身の最終工程(印画紙のアナログ現像に進むか,デジタル画像のプリンター出力でよしとするか)が未確定なので,これから考えたいと思います。その前に,中判フィルム用の専用スキャナーを手に入れたい。今使っているフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)は,自分のフィルム用の専用スキャナー(Nikon Super Coolscan 5000ED等)と比べて明らかに性能が劣る。5000EDは135フィルム専用なので,中判以上で使えない。9000EDが欲しいが,中古市場にもほとんど出ない。フレックスタイト(ハッセルブラッド)も高性能だが,高価過ぎて私には手が出ない。今の候補はPlustekのOpticFilm 120 Proだが,性能や操作性等の情報がほとんどない(日本で販売されているのだろうか...?)。

フィルムスキャンとデジタル印刷のスレッドも,詳しい方に立てていただけると有り難いです。
狸おやじ 2023/12/30(Sat) 11:59 No.2463
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有り難うございます。
狸おやじ様と同様にフイルムスキャンに随分悩みました。私は、Canon9900からEPSON GT-X980に入替、エンジンはSilverFast9、仕上げをLrcで調整しています。
フイルムホルダーはEPSON付属で満足出来ず、AZTECウエットスキャンを試し、ヨドバシで見つけた500円のネガホルダー直置きに落ち着きました。アンチニュートンリングも出ません。後始末が簡単でつい。

さて、ニコンのスキャナー良さそうですね。製造終了が残念です。フレックスタイトも原宿の旗艦店に置いてあったのを思い出しデモしてもらおうかと思いましたが、修理預り品で新しいのに、不安を覚えました。

SilverFastにHDRという別オプション、99ドルでありまして、無料トライで試しました。48bitRawでスキャン後ワンクリックで満足な仕上がりでしたが、Lrcで充分と思い、見合わせました。
モノクロ、カラーポジともこの辺で落ち着いて、いよいよ自家現像と思っていますが、
狸おやじ様のご投稿を拝読後、まだまだ、精進足らずを自覚いたしました。
フイルム高騰、注文ポラフイルム未だ届かずですが、来年も色々試して楽しみたいと思っています。
諸先輩の皆様、宜しくお願い申し上げます。
良いお年をお迎えくださいませ。
フイルム大好き 2023/12/31(Sun) 14:00 No.2464
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
コメントありがとうございます。今年もよろしくお願いします。
ガラスネガキャリアーが上手く機能して良かったですね。ニュートンリングが出ないのも朗報です。
ただ,アンチニュートンリング加工が無い場合,ガラスとフィルムの間隙で波長の干渉条件が合えばリングが出る可能性があると思います。リングを避けるならアンチニュートンガラスが要りますが,擦りガラス状の加工なので画像が荒れる。ガラス(空気)界面の埃の吸着もあり,私はガラスの使用を諦めています。でも,リングが出ないなら問題ないですね。

私が使っているエプソンのGT-X970にはいろいろ問題がありますが,書き出すと長くなるのと,中判シートフィルムと直接関係が無いので,別の機会(別スレッド?)にと考えています。
狸おやじ 2024/01/03(Wed) 20:24 No.2465
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。
深いご指導、大感謝です。
ご指摘のアンチニュートンリングガラスですが、実は、ガラス専門店にサイズ指定で昨年注文してみました。結果は、EPSONのアンチニュートンフィルター付のホルダーとあまり変わりませんでした。
結果、気合い入れて仕上げたい時は、ウェットスキャン。そこそこならと言えば、ヨドバシネガキャリアに落ち着いています。ニコン9000のスキャナー、ヤフオクに出ていますね。高いですね。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/01/08(Mon) 18:38 No.2468
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
情報をありがとうございます。

確かにヤフオクにニコンSuper CoolScan 9000 EDが出ていました。でも,10年以上前の中古品が33万円の落札で,新品時とほぼ同価格です。余程欲しい人が多いのでしょう。この製品の問題はインターフェイスで,FireWire 400しかない(5000 EDはUSBがある)。変換アダプターやボードを使う方法もあるが(*),将来的に安定して使えるかどうか。私はOpticFilm 120 Proが発売されるのを待ち,それまではGT-X970で我慢しようかと考えてます。X970は透過光センサーのピント位置がフィルム面からズレているという問題があり,自作のホルダーでフィルム位置を調整してます。これについては後日また紹介する予定です。

*) https://tokyoaltphoto.com/2020/08/save-your-nikon-super-coolscan-9000-ed-2/
狸おやじ 2024/01/10(Wed) 20:54 No.2469
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
いつも有難うございます。
GT-X980を使用にあたり、ウエットスキャンする前は、トレイの四隅のピント調整スライドを色々試し、結果には満足できず、Lrcにて少しシャープネスを調整しています。ネガ、ポジをルーペで見れば解像しているのにと思いますが、この辺でと思っています。
作例は、ハッセル500C/Mプラナー80mm、ベルビア100で撮影現像後、モノクロ変換しました。
丸の内の明治安田ビルを撮影したものです。宜しくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 11:30 No.2470
Re: 中判シートフィルム
No. 2465と2469に書いた様に,私が中判フィルムのスキャン用に使っているフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)にはいくつか問題がある。一番の問題は透過光センサーのピント位置とフィルム面がズレている事で,私の個体の場合,ガラス面から4.5 mm離さないとピントがきちんと合わない。付属のフィルムホルダーには,フィルム位置を2.5~3.5 mmの範囲で調整するスペーサーが付いているが役に立たない。エプソンのサポートに連絡してこの問題の改善を求めたが,取り合ってくれなかった。担当者の話では,元々この製品は書類(反射原稿)用で,フィルムスキャンは付加機能で透過光センサーもその程度の焦点精度とのこと。フィルム専用スキャナー(Nikon Super CoolScan ED等)にはフィルム面に自動で焦点を合わせる機能があり,取り込んだ画像のダイナミックレンジも格段に広い。値段相応とも言えそうだが,エプソンGT-X970には不満を感じる。

仕方が無いので,こぼうしさんのサイト(*)を参考にしてマグネットシートを2枚使ったホルダーを作製した。まず,黒色の発泡PPシート(3x100x285 mm)にフィルム大の穴を2つ開け,マグネットシートを重ねて高さが4.5 mmになるように調節した。極性を合わせたマグネットシートをその上に重ね,フィルムの周囲を固定/解放できるようにした。このホルダーを使うと純正ホルダーと比べて画像の鮮鋭度が向上する。SilverFast等の取り込み用ソフトウェアを使えば,何とか実用になる。フィルム専用スキャナー程の性能は出ないので,あくまで繋ぎと考えている。参考の為,私が自作したホルダー(大名刺判,6x9判)の写真を掲示します。

*) https://koboshi.tokyo/2023/09/08/gt-x970_holder/


写真:自作ホルダー (上:大名刺判, 下:6x9判).

狸おやじ 2024/01/13(Sat) 11:33 No.2471
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
流石のご投稿を早速ありがとうございます。拝読致しまして、アバウトな自身を恥じるとともに反省しきりです。
ピント面迄4.5ミリとの事でウエットスキャントレイのガラス面迄ノギスで測ってみました。裏面迄2.5ミリ。ガラスの厚さが約1.5ミリ。そこでヨドバシのキャリアにフイルムにセットしてトレイの指標に合わせてスキャンしてみました。なんと、ピント合っています。ありがとうございました。
左は、ガラス専門店に切り出してもらったアンチニュートンガラスです。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 13:05 No.2472
Re: 中判シートフィルム
ご無沙汰しています。

GT-X970ですが、おっしゃるように透過原稿のピント面はガラスからかなり離れていますが、フィルムホルダーの構造や、ガラス面のホコリの影響を減じるためか、設計上、意図的にそのようになっていると思われます。しかし、ホルダの調整範囲に収まっていないのは良くないですね。

確かにピントの問題は大きく、これには大いにフィルムホルダの精度や作りが影響していると思います。純正品のホルダにもピント調整の機能がありますが、非常にできが悪いです。しかし、コストを考えるとやむを得ないのでしょう。スキャナそのものの素子や光学系(スキャンレンズ)は、そんなに悪くないものと思います。これを言い換えると「ユーザのカスタマイズや工夫で凌げる部分は手を抜き、どうにもならないところだけはちゃんとできている」とも言えると思います。

で、私はBetterScanningのフィルムホルダを使っています。
http://www.betterscanning.com/scanning/vseries.html
中判フィルム用のみ(フィルムを2つ載せられるもの)に、アンチニュートンガラスのオプションを購入して使っています。コマ間につけられるt-lockは使用していません。

純正のホルダに比べると遥かに剛性が高いことや、フィルムを(膜面を下にして)置き、上からアンチニュートンガラスを載せるだけでセットが完了することなど、使い勝手がいいのが最大のメリットですが、ピント合わせも、ホルダのあちこちにつけられたイモネジの出し入れで精密に行うことができるので良好です。純正ホルダは押さえのガラスがないので、どうしてもフィルムのカール状態や取り付け状況によってピント位置がその時々で違い、ピントが合いませんが、カールした中判フィルムをアンチニュートンガラスで抑える方法はフィルム位置が安定するので、チューニングをやるだけの価値はありました。

アンチニュートンガラスの面の粗さの影響が心配でしたが、影響はとくに内容に感じています。当然フィルムよりも光源側であることに加え、フィルム面を下にして取り込んでいること(フィルム面とアンチニュートンガラスの荒れた面が少し離れる)、フィルム面から見た光源の立体角が大きいことがあると思います。

難点は、このホルダが結構お高いことですが、数が出る商品ではないと思うので、やむを得ないと思っています。
日浦 2024/01/13(Sat) 14:18 No.2473
Re: 中判シートフィルム
日浦様
初心者者ですがよろしくお願いします。
実は、このBetterScanningがベストと2年程前に辿り着き、このサイトからオーダーしてみましたが、方法間違いなのかどうにも注文が完結できませんで諦めた経緯があります。実際にご所有とは、羨ましく思います。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/01/13(Sat) 15:42 No.2474
Re: 中判シートフィルム
日浦様
コメントと貴重な情報をありがとうございます。

BetterScanningは使い勝手と性能が良さそうですね。私も以前,日浦様からこの製品をお聞きして,購入しようと考えていました。しかし,エプソンがアンチニュートンリング(ANR)ガラスを使った新型ホルダーを開発し,それを搭載した新製品を出すという噂を聞いたので,それを待つことにしました。実際に出たのはガラスではなくアクリル樹脂製ホルダー付のGT-X980で,利用者の情報ではANRアクリルホルダーの評判があまり良くない。で,フラットベッドスキャナーに愛想が尽きかけていたこともあり,こぼうしさんの「マグネット懸架式」ホルダーを暫定的に使うことにしました。このホルダーは平面性では劣ると思いますが,構造がシンプルで埃や塵の心配が少ない点と,フィルムサイズを比較的自由に変更できる点がメリットです(6x7判や4x5判も作ろうかと考えてます)。あとは,Plustekのフィルム専用スキャナー(OpticFilm 120 Pro)の国内販売がどうなるか様子を見ながら考えようと思います。

> フィルムを(膜面を下にして)置き、
なる程,これは良い方法ですね。
この置き方は,膜面の画像情報を正確に(フィルムベースの凸凹や不純物の影響を受けずに)読み取るには最適ですが,一般的なマニュアルの説明とは逆で,スキャン画像が逆像になる。しかし,ソフトウェア上で反転すれば全く問題なく,より精細な正像が得られる。この方法は活用させていただきます。貴重な情報をありがとうございました。

フイルム大好き様
ピントが合う位置はスキャナーによって異なります。
Epson GT-X970の場合,ガラス面から3.5~4.7 mmが多いようですが,個体によってバラバラです。GT-X980については情報を集めていないので分かりませんが,気になるようでしたら,一度ピント位置を確認されると良いと思います。
狸おやじ 2024/01/13(Sat) 19:19 No.2475
フィルムホルダー用のポーチ
拙宅には大名刺(6.5x9 cm)のシートフィルムホルダーが9枚ある。
どれもリンホフの純正ホルダーで,その内6枚は「スーパーカットフィルムホルダー23」という両面フィルムホルダーで,3枚は「ダブルホルダー23」という古いガラス乾板兼用タイプ。国内外のネットオークションで探して,一枚1~3千円程で集めた。ダブルホルダーは古風で格好良いが,圧板の力が強く,シートフィルムの着脱に時間がかかる(参照: No.2306)。古いダブルホルダーには引き蓋のスリットから光漏れするものもあり,余り安心して使えない。今主に使っているのはカットフィルムホルダーの方で,合計で6x2=12枚撮れる。12枚撮り終えてからパターソンタンクと6枚用リール(QL69-JP, No.2329)で現像している。撮影はほぼ同条件で表裏を撮る為,まず表側の6枚を現像し,その結果を見てから条件を変えて裏側の6枚を現像している。

フィルムホルダーを野外で使う時に収納するポーチを探していた。シノゴ用のホルダーケースやバッグは沢山売られているが,大名刺用は無いので代用品を探すしかない。いろいろ調べた中で,エツミ/Colemanのショルダーポーチ(VCO-8771)が使えそうなので購入してみた(*)。値段はアマゾンで2~3千円程。

*) https://www.amazon.co.jp/VCO-8771/dp/B0BZR11F4J
狸おやじ 2024/02/17(Sat) 18:59 No.2482
フィルムホルダー用のポーチ
Colemanのショルダーポーチの使い勝手はまずまずです。

ポーチには「スーパーカットフィルムホルダー23」が3枚,「ダブルホルダー23」が2枚収納できる。底と周囲に薄いパッドが入っているので保護効果は高い。上部には取り外し可能なショルダーベルトがあり,裏面にベルトループやナスカン(小カラビナ)も付いているので肩掛けだけでなくベルト/バッグにも取り付けられる。サイズは横幅はピッタリで,縦は少し余裕がある。私は2-3枚のホルダーを埃除け用のチャック付ビニール袋に入れて収納している。メインは120カラーポジと120モノクロ(スーパーローレックスx2台)なので,比較撮影/予備用にシートフィルムを4-6枚携行する時に重宝している。


写真:ショルダーポーチとフィルムホルダー(左:撮影前,右:撮影済)

狸おやじ 2024/02/17(Sat) 19:21 No.2483
Re: 中判シートフィルム
中判シートフィルム用のリールについて新しい情報です。
私は,昨年夏にパターソンの現像タンクで使う大名刺用リール(QL69-JP)を購入した(No.2329-2380)。しかし,フィルムホルダーが増えたのでもう1つ買い足したいが,製造元の20th Century Camaraに営業再開の兆しは見えない。以前紹介したSchwarzweiss Fotolaborの在庫も切れてしまい,現在このリールは世界中で枯渇しているようだ。そこで代替になるリールをインターネットで探した所,アメリカに住むフランス人写真家Benoit Barbeさんのサイトを見つけた(*)。

Benoitさんはプロの写真家として写真を撮るのに加え,アナログ写真現像用の道具を作りネットショップで販売している。パターソンタンク用のシートフィルムリールも作っていて,2.25x3.25, 4x5, 5x7 in., 9x12 cmの4種類が販売されている。リールの構造は20th Century Cameraのスパリラルリールと似ているが,周囲は円筒で内側はスパイラル状に仕切られ,上部に空いた6つの穴にフィルムを差し込む方式。材質はABS樹脂で3Dプリンターで作られている。周囲が円筒形なので強度があり,市販の食器洗い機でも洗えるようだが,薬剤の攪拌効率は落ちるかもしれない(静止現像に向く?)。小名刺用(2.25x3.25 in.)は販売されているが,大名刺用(6.5x9 cm)が無いのでBenoitさんに問い合わせた所,検討してくれるとの事。新しい情報が得られたらまた報告します。

*) https://www.bounetphoto.com/bounet-shop/bs-developing-reel-225x325


写真:B's 2.25x3.25 developing reel set MK 2.

狸おやじ 2024/02/24(Sat) 17:35 No.2491
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様、これはすごいものをお見つけですね。おっしゃる通り液のまわりが若干滞りそうな構造に見えますが、攪拌回数を増やすか、希釈して静止に近い条件をやるか。
でもこのサイト主はE6を行なっているようで、結構信頼できるのかもしれません。動画では倒立攪拌のようですね。
大名刺が出たら検討したいところです。情報ありがとうございます。
れんずまにあ 2024/02/26(Mon) 17:53 No.2492
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
凄い情報ありがとうございます。
このところ、ポジ撮影が多くシートフイルム撮影がストップしたままでスリーブに入れていたネガの行き場所を探していました。
ヨドバシでCHARON、カロンというアルバムを見つけて価格も安いので取り寄せてみました。カバー付きで2千円未満。スリーブの端を鋏でカットするとスリーブごと入れられます。これでシートフイルム撮影も弾みがつきそうです。
よろしくお願いします。

追記
正確な品番を調べる為 再度ヨドバシから検索いたしましたら、何と販売終了となっていました。どうやら最後の在庫を買ってしまった様です。品番FB-69-10 6×7 6×9 60p\sでした
大変失礼致しました。

フイルム大好き 2024/02/26(Mon) 21:47 No.2493
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも詳しいご指導、ありがとうございます。
さて、程度の良いリンホフ カットフイルムホルダーが日暮里の代理店オンライン在庫に2セット眠っているのを見つけて注文致しました。これでやっと4セットとなり、立ち止まったままのシートフイルム撮影自家現像のアイドリング状態になって来ました。

そこで諸先生方々に質問がございまして、恥を忍んで投稿致します。
幸い、未開封のT-Maxデベロッパーが有りますので当面心配はありませんが、いずれ
RODINALにも挑戦してみようと思っています。この現像液は、使い捨てなのでしょうか?また、そうだとしたら廃棄処分はどの様にされているか注意点を伺いたいと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/02/29(Thu) 18:42 No.2495
Re: 中判シートフィルム
私はロジナールを超希釈(416倍)で使い捨てていますので,そのまま流しています.非常用には100倍で使うこともあります.あまり誇って言えることではありませんが...
蛇足ながら,T-MAX現像液は開封したら直ちに200mlずつスムージー用パウチに密封し、使用時は1:4希釈し1Lのペットボトルに空気をできるだけ追い出してキャップしています。これで10本現像まで反復、希釈後1年経っても現像はできているようです。
れんずまにあ 2024/02/29(Thu) 21:40 No.2496
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
早速のご指導ありがとうございます。
諸先生方々のご投稿を拝読して、少し慣れてきたら挑戦してみようかと思いました。ドイツのPhotoImpexのサイトを覗いてみましたら簡単にRODINALが手に入る様で、試しにカートに入れて購入手続きに進み発送先を日本にしても大丈夫でした。価格は日本の代理店より格安、しかし送料はそれなりでした。後日、注文は、手慣れてきた時のお楽しみにしておきます。

T-Maxデベロッパーの使用注意も頂き大感謝申し上げます。小分けと空気になるべく触れない様に。こんなご注意、どのサイトにも出ていません。
大変心強いサポートに重ねて感謝致します。
少しずつ精進してゆく所存です。これからもよろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/02/29(Thu) 22:08 No.2497
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
フイルム大好き様
コメントいただきありがとうございます。

B'リールについて,その後連絡はありません。
Benoitさんは,B'sプロセッサー(現像タンクの回転装置)も作られていて,そちらに忙しいのかも。でも,大名刺サイズフィルムを4x5から切り出して新リールの構想を考えているそうなので,何か連絡があればまたご報告します。

フィルムホルダーが4セットになって良かったですね。フィルムが8枚あると余裕があります。
シートフィルムホルダーをテヒニカで使う場合,カメラ全体が小さく軽くなり,手持ち撮影も軽快になります。重く嵩張るロールフィルムホルダー(Super Rollex)が不要になる為ですが,実は操作性も向上します。リンホフは戦後のIII型から,アメリカのスピードグラフィックを意識して,シートフィルムで手持ち撮影する「プレスカメラ」としてテヒニカを位置付けたようです。連動距離計や大型左手グリップは,普通のビューカメラには不要ですが,手持ちでシートフィルム撮影する時は便利です。操作法の例を「リンホフテヒニカ23」No. 2064に書きました。これは,20年程前に地方のカメラ店の店主(ホースマン45を長く使われていた方)から教えていただいた方法です。

あと,Rodinalが品薄のようですが,アグファR09(ワンショット)の在庫がみらいフィルムズにあるようです。ご参考までに。


写真:テヒニカ23とシートフィルムホルダー (右は露出測定用の携帯ホルダー).

狸おやじ 2024/03/02(Sat) 11:42 No.2499
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
最新の情報のご提供、ありがとうございました。まずは、初心者コースをクリアしたら挑戦することにいたします。
御愛機の写真、いいですね。撮る前からベストショットの予感が感じられます。スマホホルダーも便利そうですね。貴殿のlinhof2×3のご投稿No:1643から、ギア雲台を手に入れて水平出しが簡単ですっかり気に入りました。三脚持参、フイルムホルダーとロレックス持参の大所帯出陣の後押しになります。
やっと揃ったホルダーに白エナメルで文字入れして満足です。
あとは
結果の報告、よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/03/06(Wed) 18:13 No.2502
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
ホルダーのLinhofの白い文字が格好良いですね。撮影が楽しみです。

ギア雲台の情報が役立って何よりです。SWfoto GH-Proは,アルカスイスD4のコピーの様ですが,機能と重さのバランスが良く,野外の撮影で重宝します。携帯ホルダーはフリクションアーム(Manfrotto, 244 Micro)で三脚に取り付け,iPhone(覚える露出計)で測光と設定条件での画像確認に使ってます。ストーンバッグ(Vanguard)は小物入れとしても便利で,上ではスーパーローレックスが重石代り(?)です。

冬は撮影の機会が少ないけど,来週は娘の卒業式があり,テヒニカで日中シンクロ撮影を考えてます。桜には少し早いが,「袴レンタル着付け写真パック」より魅力的な写真を撮りたいと,ロケーションを調査中...
狸おやじ 2024/03/09(Sat) 09:51 No.2503
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつも有難うございます。
何気に、JOBOタンクのリストを見ていて気がつきました。
回転現像の場合、現像液は140mlとか170mlになっている事を。少なく済めばそれに越したことはないなあと。無論、ローラーとか必要かも知れませんが、ご存知の方がいらっしゃれば、お話しを伺いたく存じます。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2024/03/09(Sat) 21:46 No.2504
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
私は回転現像の経験がないので,残念ながら詳しい事は分かりません。
しかし,私が使っているフィルム現像の解説書(*)は,Joboの回転現像に否定的で,一般のアマチュア写真家に勧めていません。否定的な理由は,フィルムの現像過程で画像のシャープネスを上げエッジを強調する効果(No.2288-2293)に着目した解説書だからかも知れません。参考までに,関連する部分(43, 105ページ*)を要訳すると,

「多くの写真家は,Joboの回転現像装置を使った簡便な連続攪拌を好む。しかし,連続攪拌は画像のシャープネスを強調するエッジ効果を抑制する。この抑制は,特に35 mmのネガフィルムを11x14インチ以上に拡大する場合に明瞭になる。一方,4x5インチのネガを10倍以下に拡大する場合はそれ程目立たない。また,連続攪拌は明部の現像を過剰にし,暗部の現像を抑制する為,中間の階調(トーンスケール)を狭くする。この影響を緩和するには,高希釈現像液を使う方法がある。現像液の種類によらず,希釈率を30%以上に高め現像時間を延長する。Joboの回転現像のもう一つの問題点は,現像中のフィルムが空気中に長時間露出することである。その結果,現像液が空気に触れて酸化するが,この影響はパイロや染色系(タンニング)現像液で顕著になる。この場合,現像液の強化が必要になる。一つの方法は,現像液量を規定量より30%以上増やすことだが,それに合わせて現像時間の調整も必要になる。つまり回転現像は,高希釈や繊細(fragile)な染色系現像液を使う場合,あまり理想的な現像方法とは言えない。」

*) Bill Troop and Steve Anchell, The Film Developing Cookbook, 2nd Ed., Routledge, 2020.
狸おやじ 2024/03/12(Tue) 20:48 No.2506
Re: JOBO回転現像タンク
狸おやじ様、フィルム大好き様、いつも高度な書き込みをありがたく拝読しています。
以前参加していた大判フィルム撮影のグループ主催者が、JOBO回転現像をしている参加者に、トーンが出ないため良くないと評価していて、何故なのか疑問に思っていました。
主催者も経験上の評価で、確固たる理論は持っていなかった(理論的説明をしていなかった)と思います。
なるほど、連続撹拌ではそのような化学変化が起こっているのですね。
その当時は回転現像タンクを所持しておらず、8x10は主催者が勧める暗室皿現像しかできませんでしたのでそれ以上追求しませんでしたが、先日放出物のLPL回転タンクを購入したので、あわよくば8x10ネガ現像を明室で行えるかなと思っていましたが、やはりプリミティブな皿現像が良さそうです。
回転現像タンクは、元々印画紙用なので、印画紙にはそれほど問題ないのかなと思いました。
れんずまにあ 2024/03/12(Tue) 21:09 No.2507
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様

早速に、御見解を頂き恐縮しております。ありがとうございます。
ロクな実績経験も無いくせに、情報収集に走りがちな自身の行動を恥じております。
まずは、基本の積み重ねですね。
現像周辺商品のオンラインサイトを覗いてみると、確かに迷いましたが、諸先輩各位のご指導方法を忠実にトレースしてゆくつもりです。
ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/03/12(Tue) 22:08 No.2508
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
お騒がせ致します。いつもありがとうございます。
久しぶりに、ポジをスキャンして、ピントの甘さに不満を覚え、再度フィルムをライトボックスに載せルーペで再確認、デジタルかと見紛う精細度にあれこれ奮戦が始まってしまいました。
どうも、狸おやじ様の仰せの通り、Epsonのネガキャリアの問題かと、面倒覚悟でウエットスキャンにてやり直し。結果はまあまあですか、何せ面倒なんです。ポジの清掃に気を遣いますし、、
まあ、解決一発のデジタルより、悩みどころがかるのが楽しいのですが。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/08/16(Fri) 16:59 No.2575
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様

私もフラットベッドスキャナー(Epson GT-X970)のフィルムスキャン性能に不満を感じています。以前(No.2471)書いた様に,ピント位置がズレていることがその一因ですが,より大きな問題は光源の出力が弱い為,取り込み画像のダイナミックレンジが狭い事です。カラーポジは暗部に情報量が多いので,後者の問題が顕著に結果に現れます。ですので,私はポジのスキャンではフラットベッドを諦め,専用のフィルムスキャナーを使っています。35mmポジはニコンのCoolScan 5000ED,120ポジは専用機がないので外注しています。一般の写真店にある業務用スキャナー(ノーリツプレシジョン製スキャナー/印刷機)でも,高解像度(64 Base)でスキャンして貰えば,ほぼ満足できる結果が得られます(比較すれば一目瞭然で,私はフラットベッドを使いたいと思わなくなりました)。ウェットスキャンの場合,フィルム面での光散乱/反射が抑えられるのでダイナミックレンジが若干改善すると思います。しかし専用のフィルムスキャナーと同等になるかは分かりません。

本当は中判(120, 大名刺)用のフィルムスキャナーが欲しいところですが,ニコンの9000EDやハッセルブラッドのFlextightは中古でもプレミアム価格です。Plustek(台湾)のOpticfilm 120 Proが日本で再販されないか少し期待して待っているところです。
狸おやじ 2024/08/17(Sat) 11:25 No.2576
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
詳細のご説明ありがとうございました。
中判シートフィルムの主題から外れ、申し訳ございません。
ただ、フイルムとは言っても、コストがかかりますね。フレックスタイトのあるスタジオ調べて、いずれポジ持参の上、時間割のレンタルしてみようと思っています。

どこかのスタジオで減価償却済みの機材、格安で売りに出さないかなあ、と、虫の良い事考えてしまいます。
水道温度が20度くらいになったら、シートフィルム挑戦したく思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2024/08/17(Sat) 11:37 No.2577
Re: 中判シートフィルム
スキャニングは本当に悩ましいですね。僕は主にモノクロネガなので、16bitで取り込んでからトーンカーブで調整すれば暗部もなんとかなるため、中判はGT-X970+BetterScanningで一旦落ち着いていますが、35mmネガでは(BetterScanningのホルダーを持っていないこともあって)最近いろいろ工夫しています。

GT-X970は最大6400dpiですが、その実力がないと思うので、3200dpiで取り込むことが多いのですが、それだと35mmでは画面の短辺が3000画素ぐらいになってしまいます。それなら最近のデジタルカメラで撮ったほうが高解像度になる、ということで、デジカメでの撮影に乗り換えました。ちょうど、今日 Ver.2 を公開したのですが、
https://www.youtube.com/watch?v=rpbFPXMqdCE
にあるようにフィルムをホルダーに挟んで、マクロレンズで直接撮影しています。Nikon Z7(4500万画素)を使うと、5000dpi相当で取り込みができます。ただ、マクロレンズと言えどなかなか満足いく解像度にならず、開放だと隅が甘く、絞ると回折で解像度低下する、といった具合で、Ai Micro-Nikkor 55mm F2.8S ではだめだったので、シグマの150mmマクロを使うようにしました。この方法は何より取り込みが素早く、ダイナミックレンジも十分取れるのが美点です。

35mmに話がそれてしまって申し訳ありません。で、本題の中判をどうするか・・ですが、同じシステムで中判を取り込もうとすると、2400dpi程度になってしまいます。また、レンズからフィルムまでが離れるので、アダプターのサイズも過大になってしまいます。そういうわけで、原状としては、中判はデジカメには移行していません。

既存のフィルムスキャナを入手するのもよいのですが、問題は、それらがソフトウェア的にどれだけ使えるのか・・です。古いPCを専用に確保しておけばいいのかもですが。。ノーリツのスキャナは公式にWindows11対応されていますが
https://www.noritsu.info/important_info/20220324/
次がどうかわからないし、そもそもHS1800はebayでも200万円ぐらいで取引されていて、とんでもない値段です。それでも需要があるのでしょうね。

デジタルカメラでデュープをしていて感じたのは、光源、フィルムの平面性、レンズ性能、これらをハイレベルで揃えるのは難しいということでした。当然、良いレンズが付いたカメラの像を余すことなく取り込むには、それ以上のレンズが必要ですが、これが難しい。GT-X970などは広い範囲を1つのレンズで賄っていますので、そもそも結構無理があります(その割には高性能だと思っています)。モノクロの粒子を取り込むには、F11より絞るとダメになるし、絞りを開くと周辺が甘い。F11で等倍の被写界深度は、5000dpiだと±0.05mmですが、フィルムを空中に置いてその範囲に収めるのは困難です。

ラインセンサ型のスキャナは、1ラインごとに露光するので、どうしても1ラインの露光時間が短くなり(スキャン速度に直接響く)、光源は面的でなくスリット状で良いとはいいながら、かなり光源が明るくないといけません。レンズのF値をカバーする広さも必要(レーザースリットのような光だと回折が起こる)。さらにベッドのガラス板の悪影響もあります(暗部に反射像が乗るなど)。

そういう要素を考えると、flextightのように柔軟なホルダーでフィルムを曲げて撮るのがベストなのは明らかなのですが、需要がない今、ソフト(最新OS対応)、値段、性能を兼ね備えたものの登場は期待するのは難しいのかもしれません。次善の策としては、良いマクロレンズと、センサシフト式の超解像ができるデジカメの組み合わせでのデュープでしょうか。

もっとも、そういう高解像度の画像を取り込んでネットで公開しても、なかなかそこまで見る人もおりませんし、自宅で見るだけならルーペで直接見るほうが良いのですが。なお自宅には8K TVがあるので、全体表示で楽しむことは可能ですが、4Kとの違いは、よっぽど近づかないとわかりません。
日浦 2024/08/17(Sat) 13:55 No.2578
Re: 中判シートフィルム
日浦様
まさか、日浦様よりご指導いただけるとは、大変恐縮しております。ありがとうございます。
迷路に迷い込んだ初心者としてこの数日は、明けても暮れてもこの事ばかり考えておりました。
デジタル時代を迎え、精細度の再現が叶うとアナログにそれを求めてしまう無理があるのかと半ば諦めの境地でございます。
フィルム上に再現されていれば良しとして、自分でまあまあかなレベルで止めておこうと思います。
Lr等のソフトも少し役に立ちますので。トライ&エラーを繰り返しているうちに何かの答えを得られればと思います。
この度は懇切丁寧なご指導を頂き感謝申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2024/08/17(Sat) 16:24 No.2579
Re: 中判シートフィルム
日浦様
狸おやじ様
夜分、失礼致します。寝られなくなってしまって、、、
以前、モノクロで撮影した今は無き二世代前の愛犬のカットです。EPSON購入前のCANONのフラットベッドスキャナーでした。機材はハッセルブラッド500CM プラナーCF80mmです。
現像はラボに依頼しました。
このサイトから外れまくって申し訳ございません。
このレベルで満足する様に致します。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/18(Sun) 01:31 No.2580
Re: 中判シートフィルム
日浦様
コメントと貴重な情報をありがとうございます。
35mmフィルムは私もデジタルカメラで複写しようと考えて,道具(Nikon スライドコピーアダプターES-1,BR-5リング等)を揃えたことがあります。フィルムスキャナー(Nikon CoolScan 5000ED)での取り込みに時間がかかる事と,ソフトウェアとドライバーが古くなり動作に不具合が出た事が理由です。ソフトについては,その後SilverFast(LaserSoft Imaging)が古いスキャナーを網羅的にサポートして動作保証もしていると知り乗り換えました。これは新旧のOS(Mac/Windows)にも対応していて,Epson GT-X970もほぼ同じ環境で使えるので便利です。取り込みには時間がかかりますが,ピント調整やコマ送りが自動なのでトレードオフかなと考えています。

中判120フィルムのスキャンは困りますね。私もモノクロはGT-X970と自作ホルダー(No.2471)で凌いでいますが,カラーポジは画質に満足できず外注しています。ノーリツのHS1800は魅力的ですが,200万円では全く手が出ません。どこかの企業が,安価で高性能の中判フィルムスキャナーを作ってくれないかと期待してます。(単なる夢物語ですが,勝手な希望でもいろいろな所で書いていると,本当に外光オートストロボが発売されることもあるので全く無意味でも無いようです:リンホフテヒニカ23, No.2556)

フイルム大好き様
素敵な写真を見せていただきありがとうございます。
ハッセルのプラナーCF 80mmの描写は素晴らしいですね。中判モノクロ特有のなだらかなトーンと繊細な描写が印象的です。ハッセルのプラナーには詳しくありませんが,後期型(CFi?)よりもすっきりした描写のように見受けられます。テヒニカ23用のプラナー100mm(4群5枚)とはレンズ構成が異なると思いますが,私もプラナーを使ってみたくなりました。
狸おやじ 2024/08/18(Sun) 10:36 No.2581
Re: 中判シートフィルム
先日,久し振りに撮り貯めた大名刺判シートフィルム12枚(ホルダー6枚x2)を現像した。
表裏を同条件で撮影し,表側をRodinal(1:100,18分),裏側を高希釈の静止現像(1:200,30分)で現像してみた。結果は良好で,またの機会に報告する予定ですが,ここではフィルム番号の記録(番記)について報告したい。

以前(No.2448)書いたように,私が使っているクイックロードフィルムホルダー(QL69-JP)には番号のノッチ(1~6)があり,暗闇でも番号に合わせてフィルムを装填できる。しかし,水洗いの時にはバラバラになるので,目玉クリップにも番号をつけてフィルムを識別できるようにした。それでも枚数が多いとフィルムの一部が「迷子」になり,困ることがある。

これを避ける方法として,フィルムに直接番号を写し込む方法がある。リンホフのスーパーカットフィルムホルダーにはこの機能があるものがあり,現像後のフィルム左端中程に小さな番号が表示される(写真下)。


写真:大名刺判モノクロネガフィルム(下:番記あり)。

狸おやじ 2025/01/26(Sun) 11:48 No.2699
Re: 中判シートフィルム
フィルム番号を写し込む「番記」の機能は,リンホフ純正のフィルムホルダーの内,引き葢に番号がついたホルダーのみにあるようだ。恐らく購入時のオプションで付けられたものと思う。私のホルダーの中では3枚にあり,各ホルダーの該当部分に小さな番号タグが貼り付けられている(写真下)。便利ではあるが,番号の周辺画像が欠けるので好まない人もいるかも知れない。このタグは接着剤(?)で付けられているようで引き抜くことができる。ただし,一度引き抜くと再装着は難しいと思う。どこかで取り付けるサービス(シュリロかクリック?)や追加購入のパーツがあるかどうかは,(調べていないので)分からない。ご参考までに。


写真:スーパーカットフィルムホルダー23(下:番号タグ付)。

狸おやじ 2025/01/26(Sun) 11:55 No.2700
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
貴重な情報ありがとうございました。
そんな機能があるとは知りませんでした。
ついでに、日暮里の代理店に問い合わせいたしましたが、パーツは過去あったが今は生産終了で在庫も無いとの事です。
まずは、報告申し上げます。
フイルム大好き 2025/01/28(Tue) 14:44 No.2705
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
早速のコメントを有り難うございます。
リンホフの代理店(Clique)に問い合わせていただき感謝します。
やはりパーツ(番号タグ)の在庫は無さそうですね。この「スーパーカットフィルムホルダー23」は,1990年代中頃まで日本でも販売されていたので(1993年頃のシュリロのカタログに出ているが,1997年のリストに無い),その後10年程で番号タグのサポートも終了したのでしょう。中古市場にはタグ付ホルダーがまだあると思うので,ご興味のある方は収集も楽しそう。でも,私は画像が欠けることを考えると,番号タグは必須ではないですね。
狸おやじ 2025/01/28(Tue) 21:28 No.2706
Re: 中判シートフィルム
以前紹介したBounet-PhotographyのBenoitさん(No.2491)から連絡がありました。
大名刺判(6.5x9 cm/2.5x3.5 inch)用の新型リールの試作品が出来たとの事です。プロトタイプの試作品を送ってくれるそうで,有り難い限りです。B's リール(*)に興味を持ち購入を検討される方も居られると思うので,試作品が届いたら,その使用感や使い勝手等を報告する予定です。

*) https://www.bounetphoto.com/bounet-designs-analog-shop
狸おやじ 2025/02/15(Sat) 11:31 No.2735
Re: 中判シートフィルム
Benoitさんから大名刺(6.5x9 cm)用の新型リールの試作品が届きました。
基本的にこれまでのB'sリール(Mk 2)と同じ構造だが,いくつか改良点がある。まず装着したフィルムの背面をスロット内の凸部が支える形になり,フィルムが壁に密着せず溶液の流れがスムーズになった。またフィルムの内側の固定点が軸の外側に移動したので,フィルムの曲率が減り装填が容易になった。この変更で,フィルムサイズの自由度が増え,小名刺用とほぼ同サイズで,大名刺用のリールが作れたようだ。今後4x5"や5x7"のリールも,この新型(Mk 3)に変わっていくと思われる。

本当は今週末に数枚のフィルム撮影をしてテスト現像したかったのだが,雨でタイミングを逃してしまった。来週末位にテストできたらまた報告する予定です。


写真:B's 6.5x9 cm developing reels (Mk 3, prototype).

狸おやじ 2025/03/02(Sun) 22:12 No.2749
Re: 新型大名刺リール
狸おやじ様、試作段階の大変貴重な機材のご紹介を誠にありがとうございます。
今の所私は暗室で皿現像と考えていますが、タンクでできるようになれば、明室で気楽に現像できるようになるので、敷居がずいぶん低くなります。
販売されるようになることを大きく期待しています。
れんずまにあ 2025/03/03(Mon) 00:02 No.2750
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントありがとうございます。Benoitさんの新型リールは,大名刺判等のシートフィルムをタンク現像する時に有力な候補になると思います。

週末に大名刺シートフィルムを8枚撮影し,このリールで4枚x2回の現像を試みました。
使用感はまずまずです。装填はリールの上からフィルムを差し込む方式なので,QL69(No. 2330)より少し時間がかかるが,一度装填すればタイトに固定され回転や倒立攪拌の時でも安心感がある。問題は,フィルムを背面から支える部分(2箇所)に「ハレーション防止層」の色素が「斑点」の形でフィルムに残ってしまう事。水洗いでも対処できそうだが,フィルムを支える凸部の形を工夫すれば改善しそう。改善できそうな点は他にもあったので,Benoitさんに纏めて報告しました。これらの点が改善され,製品版の新型リール(Mk 3)が発売されたら,また紹介する予定です。
狸おやじ 2025/03/09(Sun) 21:26 No.2755
Re: 中判シートフィルム
Benoitさんの新型リール(Mk 3)が完成したようです(*)。
今は,4x5”判だけの販売ですが,他のサイズ(2.25x3.25”, 6.5x9 cm, 9x12 cm, 5x7”, 8x10”...)の選択タグも用意されているので,今後順次発売されると思います。(今は,4x5”判以外は,"Sold Out"と表示されています。)

上の試作品からの変更点として,フィルムの背面を支える部分にテフロン(フッ素樹脂)の細いパイプが追加されて溶液の流れがスムーズになり,各スロットの周囲に番号のドット(点)が付けられて手探りでも位置が確認できる等,使い易く改良されたようです。国外販売をしているかは分かりませんが,購入サイトで確認した限りでは,送料($17)で日本も発送対象になるようです。ご興味のある方は,ご購入を検討されると良いと思います。

*) https://www.bounetphoto.com/bounet-shop/bs-largeformat-reels
狸おやじ 2025/05/03(Sat) 09:47 No.2850
Re: 新型リール
狸おやじ様、最新情報をありがとうございます。
改良が加えられ、もう直ぐ入手可能になる可能性があるのですね。大変楽しみです。
6.5x9は是非とも入手したいところですが、5x7もちょっと気になっています。
これらが、暗室を準備しないでも現像できるようになれば、撮影の敷居が一気に低くなります。
これから季節が良くなり被写体もますます彩りが期待できます。(モノクロ撮影ですがw
重ねて御礼申し上げます。
れんずまにあ 2025/05/03(Sat) 10:45 No.2851
Re: 中判シートフィルム
れんずまにあ様
コメントいただきありがとうございます。これから撮影が楽しい季節ですね。
その後,大名刺判(2.5x3.5”, 6.5x9 cm)と小名刺判(2.25x3.25”)の新型リールのタグ情報が更新され,発売になりました。現在は,この2つと4x5”判のリールが販売中の様です(*)。

私は大名刺判のリールを1つ注文しました。手許に届いたらまた使い勝手等をご紹介する予定です。

*) 大陸手札判(9x12 cm)と5x7”判のリールが追加されました(2025年6月16日追記)。
狸おやじ 2025/05/08(Thu) 21:09 No.2856
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
れんずまにあ様
自家現像のご指導をいただいて、ありがとうございます。35、120、6×9シートフィルム現像の為、ロジナール、シュプール等買い込んでまずは120にトライしまして、リールの巻き込みに手間取り露光させてしまい失敗。丁度そのタイミングで風呂場の水回りのリフォームが完成。家人から薬品洗浄禁止されてしまい、そのまま止まっております。FOMAPAN100も2枚使ったのみですが、知人の所属クラブの暗室を利用できそうです。
めげずに色々試してみるつもりです。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/05/18(Sun) 17:35 No.2865
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
現像液や定着液のセットが揃って良かったですね。
Rodinal(Adonal, R09)は100年以上昔に開発された古典的な現像液ですが、高希釈現像で使うと画像のシャープネスを上げることができて興味深いと思います(No. 2289-93)。去年は品薄でしたが,今年はSilversaltとかわうそ商店に在庫があるので入手し易いですね。

私の方は,注文していた新型リール(大名刺判, Mk 3)がBenoitさんから届きました。中々精緻で美しいリールです。上(No. 2850)で説明した,フィルム背面を支えるテフロンパイプの動きが滑らかで,「ハレーション防止層」の色素が落ち易いと思う。この辺は,実際に使ってからまたご報告します。注文は1個でしたが,小リール(小名刺判と大名刺判)は2個セットのようです。値段はセットで$50,日本への送料が$17で,かなりお買い得と思います。特殊サイズの現像用リールは貴重なので,Benoitさんのリールをこれからも応援していこうと思います。


写真:B's new 6.5x9 cm developing reel set (Mk 3).

狸おやじ 2025/05/21(Wed) 21:45 No.2866
Re: 中判シートフィルム
写真は,現在の私のフィルム現像セットです。
パターソンの現像タンクが2つ(PTP-115, 116)あり,何かと便利。大名刺を6ホルダー(12枚)現像する場合,表側の6枚を小タンク,裏側の6枚を大タンクにセットする。この場合,表側の結果が出たら直ぐに裏側の現像に入れて効率が良い。タンクが1つだと,タンクからリールとフィルムを出して洗って乾かしてからフィルムを再セットして... と結構時間がかかる。小x2でも良いが,大は小を兼ねて,必要なら2連(135なら3連)で現像できる。使用後は水切りバット(左奥)に容器を入れて乾かし,同サイズのバット(右奥)を被せて収納してます。ご参考までに。


写真:フィルム現像セット.

狸おやじ 2025/06/01(Sun) 18:45 No.2874
パターソンの現像タンク
初めてパターソンの現像タンクを見た時,「随分と不恰好なタンクだな」と感じた。
昔使っていたキングの現像タンクと比べると,上部の漏斗型のヘッド(図のA)が異様に大きい。何故こんな頭でっかちな構造にしたのだろう,何も考えずに設計したからこんな変な形になったのかと考えていた。

ところが何回か使う内に,これは実に良く考えて作られた構造だと気が付いた。
特に倒立攪拌時の薬剤の攪拌効率が良い。下にパターソンタンクの断面図を示す。ポイントは,漏斗型のヘッドが容器の側面から約2.5 mmの間隙を空けて固定されている事と,リールの軸(ロッド)と容器の底との間に1.5 mm程の隙間が空けられていること。この為,フィルム(B)を現像液に浸した状態で,容器を倒立させると,現像液は漏斗と側面の隙間を通りヘッドの漏斗の中(A)に流れ込む。この状態で容器を元に戻すと,ほぼ全ての現像液が漏斗からロッドに流れ込み,ロッドと底との隙間を通ってフィルムの下側から「ゆっくり」と流れ込む。この「ゆっくり」流れ込むことで,強い水流や気泡の発生を抑え,フィルムの乳剤面への影響を最小限に抑える。一方,倒立時は漏斗中の広い空間(A)で攪拌するので,乱流の渦による効果的な混合が生じる。この混合は,間隙中の水流で生じる強制混合と合わせて現像液の濃度の均一化に寄与する。私の大雑把な推定では,リールを手で回転させる回転攪拌ではフィルム表面の層流粘性層(数 mm)を殆ど交換させることはできないが,現像液を一旦別の場所(漏斗側)に移して乱流混合してから元に戻すことで,100~1000倍の効率で攪拌できる。この倒立攪拌を効果的に行う為,パターソンは大きな漏斗型のヘッド(A)とそれと繋ぐ2つの間隙を意図的に作ったようだ。

パターソンタンクは,倒立攪拌を間欠的に行って現像主薬の拡散境界層の厚さを制御する現像(準静止現像)に向く(No. 2290参照)。
しかし,連続的に横回転させる回転攪拌には向かないと思う。上部の大きな漏斗がデッドスペースになり,そこに入った現像液が無駄になる為だ。連続の回転攪拌をするなら,ヨーボ(Jobo)のタンクが向くと思う。ヨーボのタンクは写真や動画で見ただけだが,上部の漏斗が小さく,デッドスペースが少ない。恐らく回転攪拌を優先し,倒立攪拌をあまり重視していないのだろう。私の場合,高希釈の静止現像と準静止現像が主なので,パターソンタンクが向く。パターソンの場合,タンクの容量が大きくても,漏斗のサイズは変わらない。その為,大型のタンク(PTP116や117)で溶液を全て混合するには,倒立を2-3回繰り返す必要がある。その場合でも,下のタンクの構造を頭に入れて置くと,どのようなタイミングで倒立と攪拌,復元をすれば溶液の流れと攪拌がスムーズになるかを理解し易いと思う。ご参考になれば幸い。


図:パターソン現像タンクの断面図.

狸おやじ 2025/06/07(Sat) 21:36 No.2879
Re: 中判シートフィルム
僕もパターソンは結構使いました。おっしゃるメリットの他にも、現像中に軸のところに温度計を突っ込んで液温が測れるとか、蓋をするときに少し真ん中をへこませるようにすると内部が若干の負圧になって液漏れしないとかもありますね。

ただベースの薄いフィルムを使ったときに、自動巻取りのリールが詰まったようになってにっちもさっちもいかなくなり、フィルムにたくさん傷をつけたことがあったりして、今は普通のないコールタイプを使っています。ベースが薄手のフジのフィルムで相性が良くなかった印象があるのですが、今は藤を使わなくなったので、また使ってみてもいいかもですね。もちろん、リールは完全に乾燥させた時の話ですが・・あとフィルムを最初に入れるときに、パッツリまっすぐ切るのでなく、両端を少し面取りすると安全なように思います(斜行したフィルムがリールの放射状の桟にあたると巻けなくなるので)。
日浦 2025/06/07(Sat) 22:30 No.2880
Re: 中判シートフィルム
日浦様
早速のコメントありがとうございます。
確かにパターソンのリールは少し癖がありますね。フィルムをセットすれば,半自動の「蠕動運動」で巻き取れますが,フィルムに触れないので正しく巻かれているか不安になることがあります。リールは120でしか使っていませんが,135だと金属球のフリクションが強過ぎるかも知れません。フィルムの先端を面取りするのは良い方法と思います。パターソンタンクにはAPのリールが使えて,パターソンリールより使い易いという情報を読んだことがあります。Silversaltやアマゾンでも扱いがあるようなので,ご興味があれば検討されると良いかもしれません。

私も蓋を押して内部を減圧することで液漏れ対策をしています。
液漏れ対策はJoboのタンクが完璧のようですが,パターソンもシンプルな構造の割に良く出来ていると感じます。ドイツ人の完璧主義と英国人の実用主義の差でしょうか。個人的にはドイツ製品の完璧度が好きですが,現像タンクにそこまでやらなくてもと思うことがあります。アングロサクソン流の合理性も悪くないですね。
狸おやじ 2025/06/08(Sun) 10:50 No.2881
Re: 中判シートフィルム
大名刺判のシートフィルムの内,フォマのFomapan 100は日本国内の販売店でも購入できるようになった(No. 2171)。しかし,それ以外のフィルム(AdoxやIlford等)は,インターネットで海外ショップを探したが,まだ良い購入ルートは見つかっていない。

英国のIlfordは,特殊サイズ(ULF)のシートフィルムの注文を年に一回受け,受注生産を行なっている。受注生産しているという情報は「東京オルタナ写真部」他のサイトに出ているが,どう注文すれば良いかが不明だった。先日ドイツのMaco(Macodirect)のサイトを見ていたら,注文サイトを見つけたのでここに紹介します(*)。

Macodirectでは,FP4 Plus(ISO 125)の大名刺判(6.5x9 cm)が発注でき,25枚で66.35ユーロ。HP5 Plus (ISO 400)とDelta 100には別サイズ(2.5x3.25”)のシートフィルムがあるが,これは恐らく小名刺判(2.25x3.25”)の誤りだろう。注文の受け付けは6月30日までで,受注の10-12週間後の9月頃に発送になるようだ。私はFP4 Plusを1~2箱注文する予定だが,個人購入する前に,お世話になっている国内の販売店に連絡し,代理発注をお願いできないか確認している。何か進んだらまた報告します。

*) https://www.macodirect.de/en/film/black-white-films/1766/preorder-ilford-fp4-plus-ulf-ultra-large-film?c=617


図:Macodirect Ilford sheetfilm preorder site.

狸おやじ 2025/06/24(Tue) 21:57 No.2894
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
びっくりするニュースありがとうございます。
しかし高いですね。HP525枚で2万円以上とは。
しばし考えてみます。まだfomapanもありますし、、
HP-5いいんですよね
困った世界になってしまいましたね。
フイルム大好き 2025/06/25(Wed) 00:22 No.2895
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様
コメントありがとうございます。
確かにIlfordのフィルムは高いですね。でも画質が優れるので,大事な場面では使いたいと思うことがあります。

私はFP4 Plusの大名刺判(6.5x9 cm)を1箱,Macodirectから注文しました。金額は55.76ユーロ+31ユーロ(送料)。日本からの発注だとVAT(EU付加価値税:10.59ユーロ)分が安くなるようです。送料は高目ですが,まあ仕方ないですね。国内のフィルム販売店にも問い合わせましたが,Ilfordとの取引が無かったり,取引があっても見積り価格が3万円という話だったので諦めました。Macodirectのサイトは分かり易く,初回の注文でも簡単でした。発送は9月頃なのでまだ先ですが,届いたらまたご紹介します。
狸おやじ 2025/06/28(Sat) 20:54 No.2898
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
ますますのご発展、心より応援申し上げます。
昨今のドイツのモノクロフィルム環境は、衰えがありませんね。
現像薬品の成長からして、相当なファンがいるのでしょうか。
フジフイルムにも頑張って欲しいところです。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/06/30(Mon) 18:04 No.2900
Re: 中判シートフィルム
35mmカラーネガの話しですみません。
昨年、フジは「SUPERIA X-TRA400」の販売を終了して「FUJI FILM400」を発売しました。これは海外版「FUJI FILM200」と同じくMade in USA(紙箱の大きさとフィルムケースの形状から恐らくKODAK工場製)です。量の捌けるはずの35mmネガでこんな状況です。
富士フィルム頑張って!

取り敢えず撮ってから 2025/06/30(Mon) 19:19 No.2901
Re: 中判シートフィルム
フイルム大好き様,取り敢えず撮ってから様
早速のコメントをありがとうございます。

ドイツのフィルム産業の現状には詳しくありませんが,経営破綻した旧AGFA(西独レバークーゼン工場,ベルギーアントウェルペンのアグファゲバルト工場,東独ヴォルフェンのORWO)が新しい資本(Ilford/Harman, Adox/Fotoimpex, Rollei/Maco, FilmoTec等)の支援を受けて復活しつつあるようです。中でもAdox/Fotoimpexは,旧AGFAの技術者や生産設備を買い戻し,ドイツに於けるフィルム産業技術の復活を目指しているようで興味深く思います。ドイツ政府もこれらの伝統的な企業を財政的に支援しているのかも知れません。チェコボヘミアのFomaと共に,将来性が期待できると思います。

これらの企業と比べると,富士フイルムはフィルム生産を次々と停止していて,IlfordやKodakのフィルムを輸入して「自社ブランド」として販売している情けない状況です。私の予想では,富士フイルムのフィルム製造は数年後に終了し,将来性は無いだろうと考えています。AGFAやKodakのフィルムを真似して作ることから始めた会社ですから,残念ですが当然の帰結かも知れません。
狸おやじ 2025/06/30(Mon) 22:09 No.2902
Re: 中判シートフィルム
昨年発売された「AGFA400」(懐かしいAGFA VISTAと同じ赤パック)はORWO製だと聞きましたが、そういう流れだったのですね。「AGFA VISTA」の末期は中身がフジ製だったと記憶していますが・・
KODAKがフィルム供給を続けてくれるのはとても心強いのですが、円安パンチの為かお値段が・・大好きだった「EKTAR100」は最早気軽に手を出せず「EKTACHROME」は雲の上の存在になりました。
あ、35mm界隈での話ですが、EKTARシリーズにはシートフィルムもあったはず。

取り敢えず撮ってから 2025/07/01(Tue) 08:41 No.2903
Re: 中判シートフィルム
取り敢えず撮ってから様
フィルムの中身はいろいろ謎が多いですね。

私は自分が使っているモノクロフィルムの内,謎の多いドイツ企業のフィルムの出処を調べたことがあります。まだ不完全なリストですが,何かの役に立つかも知れないので掲示します。括弧中は元になっているフィルム名で,"old AGFA"の場合は生産国はベルギーかドイツ,ORWOはドイツ,Ilford/Harmanは英国です。ご参考までに。

---

A list of what films are inside

・Adox/Fotoimpex

CMS 20 II (old AGFA Copex HDP)
HR-50 (old AGFA Aviphot Pan 80)
Scala 50 (old AGFA Aviphot Pan 80)
CHS 100 II (Efke R100 emulsion modified by Adox)

・Rollei/Maco

Retro 80S (old AGFA Aviphot Pan 80)
Superpan 200 (old AGFA Aviphot Pan 200)
Retro 400S (old AGFA Aviphot Pan 400)
Infrared 400 (old AGFA Aviphot Pan 400)
Ortho Plus 25 (Ortho 25 modified by Rollei)

RPX 25 (Ilford/Harman)
RPX 100 (Ilford/Harman)
RPX 400 (Ilford/Harman)

・ORWO/FilmoTec

UN54 100 (negative cine film)
NP100 100 (UN54 + anti-halation layer)
NC400 400 (color negative film)

・Agfaphoto (new AGFA, brand name only)

APX 100 New (Ilford/Harman)
APX 400 New (Ilford/Harman)
Color 400 (ORWO NC400?)
狸おやじ 2025/07/01(Tue) 23:30 No.2904
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様、素晴らしい調査リストをありがとうございます。
比較的小規模だった欧州メーカーが頑張ってくれているのに、富士ときたら・・

先日使用したWOLFEN NC400 COLORが新AGFA=ORWOというのも想像つきますね。IlfordのIlfocolor400Plus VintageToneは・・?粒状感が非常に強くて個性的でしたが。
最近使っているモノクロはもっぱらお値打ち価格のKentmereです。これもHarman傘下でしたね。1,000円前後で手に入るフィルムは今や貴重です。

取り敢えず撮ってから 2025/07/02(Wed) 18:14 No.2905
Re: 中判シートフィルム
取り敢えず撮ってから様
早速のコメントありがとうございます。
本当はもっと広範囲のフィルムと中身のリストを作りたいのですが,それには時間がかかるので,暫くはこれで勘弁して下さい。少しづつ修正/追加していく予定なので,新しい情報があればお教え下さい。Ilford/Harmanは,Kentmere 100/400,Rollei RPX 100/400,Agfaphoto APX 100/400,Oriental Seagull 100/400, Fuji Neopan 100 AcrosII等をOEMで提供しているようです。お買い得は,KentmereかOrientalでしょうか。今少し気になっているのは,LomographyのPotsdam Kino 100で,中身はORWOのUN54という噂(?)ですが,本家にない120フィルムがあり値段は1000円程。

私はかれこれ30年程,趣味の写真では120カラーポジフィルム(old AGFA RSX 100, Fuji Velvia/Provia 100等)を使ってきました。しかしカラーポジの高騰と絶滅の予感から,モノクロ写真を再開したのが4年程前です。モノクロにはまだ新参者ですが,どうぞよろしくお願いします。


写真:フィルム(現在使用中).

狸おやじ 2025/07/02(Wed) 22:25 No.2906
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様、いやぁ私は本格的にフィルムカメラを始めてまだ10年。フィルムもカメラ本体の知識もまだまだ吸収したいことばかりです。
フィルムカメラ全盛期には、おもちゃカメラの延長みたいな物しか使っておらず、フィルムは「写真屋さん45」で同時プリントすれば無料でもらえるもの、というくらいの意識でした(笑)。
当時は知識が無かったけれど、その頃自分はドイツ製フィルムを使っていたんですね。今更ですが驚きです(写真のパトローネは当時私が使用した物ではありません)

取り敢えず撮ってから 2025/07/03(Thu) 18:38 No.2907
Re: 中判シートフィルム
狸おやじ様
リンホフ手持ち準備で、狸おやじ様のコメントが頭をよぎりました。
三脚無しで、シートフィルム撮影も挑戦してみようと思います。装備も軽いですね。
但し、フイルムはモノクロですから花はより建物探して下町を彷徨うようです。
もう少しで、満開のタイミングで出撃しようと思っています。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2025/07/04(Fri) 19:21 No.2916
35mm固定鏡胴カメラ

フォールディングまたは沈鏡胴カメラは大変好きですが、時代が降ると主流は固定鏡胴カメラに移行します。
ある意味携帯性や内面反射、さらに操作の楽しみの点で退化ではあるのですが、同時に撮影機能や信頼性では進化した面もあり、純粋に撮影酷使するなら見逃せない機種群だと思います。

一応オートフォーカス(電子的な.戦前の意味ではなく)あるいは自動巻き上げ以前の機種を想定しています。
機械式に限定する手もありますが、露出に関して適度な電子化が入ってくる時代でもあり、手動巻き上げ機種はまだ多様性を保っているため、自動露出も含めてはどうかと思いますがいかがでしょうか。

時代的にはおおまかに以下のように進んできたように思います。
1,沈胴フォールディングカメラをコスト削減のため固定鏡胴にしたモデル。
2,距離計連動や大口径レンズを装備するため固定鏡胴を採用したモデル。
3,1,2に単独または連動露出計を装備したもの。
4,絞り優先またはシャッター優先自動露出を装備したが、マニュアル露光機能も残したもの。
5,絞り優先またはシャッター優先自動露出専用で、マニュアル露出はできないもの。
6,プログラムシャッター機
7,フラッシュ内蔵機

わたしは沈胴フォールディング機も含めて、どの機種もそれぞれに特色と得手不得手があって、性能が十分なら嫌いな機種はありませんが、使って楽しいのは2,3,4かしら。

これに少数のレンズ交換できる機種も加わりますが、特に全群交換タイプはフォーカスプレーン機と重なりますから、別項にしたいと思います。

画像はVitomatic IIICS

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 11:02 No.1718 [返信]
Vito BL
1957年発売、35mmフォールディングカメラのVitoシリーズを固定鏡胴にしたVito B (1954)に、BEWIのセレン単独露出計を搭載したモデル。数ミリ軍艦部の背が高くなった。

レンズ:Color-Skopar 50mmf3.5(f2.8モデルあり)フィルターかぶせ32mm。
最短撮影距離1m,目測
シャッター:Prontor SVS, 1/300-1秒、B
レバー巻き上げ、ノブ巻き戻し。

セレン露出計は感度を合わせて背面ボタンを押して離すと適正露光表示で固定される、
特異な形式で見やすく、かなり暗い所でも正確に表示しているようです。
カメラ革ケース裏面にセレン受光部にかぶせる入射光アダプターが付属していて、ローライ並のサービス。
正直この機種のユーザーで入射高露出計を使いこなしていたのか、使われた形跡がないのがそれを物語っています。

カラースコパーは目測だが焦点が合えば非常にシャープ。このレンズを使いたいために入手しました。
以前所持していたフォールディング型のVito IIは気に入っていましたが、レンズの平行性に懸念があって手放したところで、この固定鏡胴は信頼がおけます。
ファインダーは素通しガラスです。
フォールディングと比べて鏡胴が突出していて嵩張るのは当然ですが、撮影体勢に迅速に入れて、フィルターをつけたままケースに入るのが利点です。
このモデルはストラップアイレットがあるけど特殊で、ケース併用が基本でしょう。少なくとも底ケースがないと困ります。

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 11:22 No.1719
Re: Vito BL
Proxirect(近接パララックス補正プリズム)

この機種に興味があったのはもうひとつ、このアクセサリーの存在があります。
普通近接には距離計連動部分もカバーするデバイスが主流ですが,フォクトレンダーはパララックス補正だけを行うクサビプリズムを出しています。
これはスーパーイコンタなどに使われたカイルプリズムと同じ。
二つのくさびプリズムをそれぞれ単独に距離指標に合わせると、本体ビューファインダーの光路が曲げられて、適正な視野が得られるものです。
(なんでわざわざ2枚別々に合わせる?ツァイスは互いに逆回転するよう連動しているのに?特許でブロックされたのか?)
近接で画角が狭まるところはフォローされません。

距離はというと、実測するのです。カメラ固定が望ましいでしょうが、上手にやれば手持ちもいけそうです。
レンズにFocar(クローズアップレンズ)を装着した時のチャートが説明書に載っています(Proxirectの説明書だけでなく、VitoBLの説明書にも載っている)

装着してみると、このBLには少しプリズムの中心がずれるようで、本来は大窓機に適合しているような。でもVitomaticIIIには装着できない。Vito専用なのか。

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 11:34 No.1720
Konica C35FD
1973年小西六写真工業製コンパクトカメラ。

小型軽量ボディ、距離計連動、ヘキサノン38mmf1.8つき。最短0.9m、フィルター径49mm
機械式シャッター、1/500-1/8秒。
シャッター優先EE。EE時絞り値はファインダー内に表示される。
レリーズボタン半押しで針押さえされるので露出ロックができる。
電池がなければすべて絞り開放になる。
元々はMR44(1.35V)、形状は現行LR44, SR44(1.5V)と共通だが電圧が異なり露出不足になる可能性があるが、ネガで使う分には全く問題ない。

ホットシューにフラッシュをクリップオンすると、ファインダーに緑指針が出る。レンズ周囲にフラッシュのGNをセットし、距離とシャッター速度に応じて移動する緑指針と絞り指針を合わせると、日中シンクロフラッシュマチックになる。

大口径レンズつき距離計連動コンパクトカメラは一時期肥大して、ライカMなみのサイズにまで巨大になったが、反省されたか、Rollei35ショックの影響か、その後小型に立ち返ったが、C35FDは開放f値2以下のカメラで最も小型軽量な一台。

大口径開放にしてはハロが少なく、距離計を駆使して暗所で雰囲気がある写真が撮れる。

旅行のサブカメラとして持参したところ大変結果がよかった。かさばらず信頼性が高い。

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 15:36 No.1721
Re: C35FD オートアップ
C35FDの最短撮影距離は0.9m、距離計連動機としては標準的だが、手軽に近接できるオートアップが供給された。

コニカオートアップ2
φ49mmにクランプできる汎用品で、C35FDには少しファインダーがずれる。
距離計はカバーしているので実用的には問題ない。
この状態で1mから50cmまで距離計連動する。

れんずまにあ 2020/08/02(Sun) 15:39 No.1722
アグファ オプチマ 1535
1979年 発売
距離計連動35mmコンパクトカメラ
プラスチック外装で軽量
電子制御プログラムシャッター 1/1000-15秒
レンズ:アグファ ゾリター40mmf2.8、最短1m

いろいろと特徴が多いドイツ製コンパクト。
巻き戻しはギアを切り替え巻き上げレバーで行う。
アグファのラピッドカセットを彷彿させるイージーローディング。
0.8倍もあるアルバダブライトフレームつきファインダー。
この時期のアグファの特徴、「センサースイッチ」という赤い大きなシャッターボタン。非常に軽く切れるが機械式。

日本には1976年から、同シリーズの目測機である535(シャッター1/500まで)と,
1035(同1/1000,セルフつき)が導入されていましたが、距離計連動の1535は国内広告で見た覚えがありません。
スペックは良いが、感触はきわめてプラスチッキーでスカスカです。
でも十分しっかり写ります。近距離は距離計があると安心です。

れんずまにあ 2020/08/06(Thu) 22:59 No.1723
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
optima 1535 はマキナ67のそっくりさん?(ミニチュアとも)としても有名かもですね.マキナ67は好きなカメラですので,optima も入手を考えたことが幾度となくありますがなかなか良い出会いはありませんでした.やはり距離計連動が魅力ですね.

世代的にはキヤノネットやハイマチック等の時代よりはちょっと下って,オリンパスXAの時代のカメラと思いますが,そのころの距離計連動カメラは大好物ですし..
日浦 2020/08/07(Fri) 08:46 No.1724
KONICA V
1956〜57年 小西六写真工業製コンパクトカメラ。

・ボディー     :小型金属製重量級。アイレット付き。 専用マガジン使用可能(*未確認) 132×80×64 760g
・ファインダー   :アルバダ光像式 補色型距離計連動ファインダー。 パララックス補正マーク付き 倍率 0.7倍
・レンズ      :Hexanon 48mm F2.0 5群6枚構成 最短0.9m フィルター径 35.5mm
・シャッター    :SEIKO MXL B.1.1/2.1/5.1/10.1/25.1/50.1/100.1/250.1/500 LVタイプ。(セルフタイマー付き)
・フィルムカウンター:順算式自動復元
・フイルム巻き上げ :ボディー前面のレバーによる2回巻き上げ セルフコッキング
・フィルム巻き戻し :クランク式

 KONICAT型から丁寧に改良を加えていったとても使い易いカメラです。なぜか市場での評価があまり高くなく、安価に
購入できるのも利点です。

 一番の特徴はボディ前面のレバーアクションで、好き嫌いがハッキリわかれるスタイルですね。でも使ってみるととて
も使い易い機構です。

 発表当時の流行だったLVタイプのシャッターは、これも賛否わかれますが、今となっては楽しいギミックです。
レンズは大口径のF2.0が奢られています。さすがに絞り開放ではフレアーぽく、紫外線の影響も受けやすい印象です。
UVフィルターの使用が良いかも知れません。良いレンズフードが欲しいと思いました。

良く整備された個体であれば、うっすらと部分的にパープルの視野の中にほんのりイエローな距離計像が映ります。

 残念ながらU型まで受け継がれてきたレンズの沈胴機構は省略されていて、かえってモダンになるほんのちょっと手前
のスタイルがノスタルジックです。ただし夏みかんよりも重いボディーは落下させない注意が必要です。

efunon 2020/08/07(Fri) 17:53 No.1725
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
日浦様、コメントありがとうございます.
オプチマシリーズはマキナとデザイナーが同じだったと聞いています。
そうすると、特異な巻き戻し機構もデザイン上の一貫性が見える気がします。
ミニマキナと思うと、使うのが楽しくなりますね。

efunon様、ご参入ありがとうございます。
コニカI〜IIIのクラシックなデザインと、優秀なレンズはこの機種を選ぶ大きな理由です。
軍艦部上面のサムレバーに収斂してしまう以前の巻き上げ機構は百花繚乱で、それを使うのも楽しみの一つです。
れんずまにあ 2020/08/08(Sat) 23:51 No.1726
Electro35 CC
ヤシカ エレクトロ35CC
1970年発売
エレクトロ35シリーズの中で,若干小型化され,35mmf1.8ともっとも広角。
距離計連動、最短0.8m
絞り優先EE、感度ASA25-500
シャッター速度1/250〜8秒だが、ファインダー内はオーバーとスロー警告ランプのみで速度は表示されない。
電源:4SR44
重量550g

そこそこコンパクトで、4群6枚ガウスの大口径広角という魅力的なスペック。
若干重量が大きく、シャッターストロークが長い。
二枚羽シャッターのボケ味を指摘されることがある。
操作する感触の気持ちよさは、C35FDのほうが若干勝るかな?
この状況ならこの程度のシャッター速度が切れてるな、という勘所が身についている人に勧めます。

れんずまにあ 2020/08/08(Sat) 23:53 No.1727
Electro35MC
ヤシカ エレクトロ35MC
1972年発売(ブラックは遅れて73年)
エレクトロ35系で最も軽量コンパクト。4群4枚 40mmf2.8レンズ。
距離目測、最短0.9m
絞り優先EE, 感度ASA25-1000
シャッター速度1/500-4秒
電源:4SR44
重量365g

これこそヤシカからのローライ35に対する回答だと思う。
固定鏡胴だが前面への突出が少なく、なによりセットアップする必要がなく速写製が高い。
巻き上げ、巻き戻し、ヒンジで開く裏蓋など操作配置は標準的でとまどうことは何もない。
操作感触は、高い高級感こそないが金属なりの確かなもので、気に入っています。
レンズの描写は、そこまで使い込んでいませんが十分にシャープだと思います。
CDS測光範囲がEV1-17なので4秒のスローをどこまで信頼できるかわかりませんが、たいしたものですね。

れんずまにあ 2020/08/08(Sat) 23:55 No.1728
Re: Konica III
efunon様、よくぞこの機種を取り上げてくださいました。
Mライカとあまりかわらない重量で、気軽に持ち出せるとはいえませんが、当時の日本メーカーの高い志が伝わってくるようです。
当時L39機の開放f値競争があったのですが、レンズ固定機にも波及したか、この次の機種IIIAの後期からf1.8に拡張されましたね。
ヘキサノン48mmf2は、同時代の例えばKalo35のProminar50mmf2と比較して、開放ハロは僅差で多いけれども、まろやかな印象で特に後ボケがざわつかない、解像だけを追い求めない高次の設計思想で作られている気がします。

以前どこかでヘキサノン48/2はレチナIIのエクター47/2に範を取っていると読んだ気がしますが、写比べると全く異なる傾向で、開放ハロはヘキサノンのほうが随分少なくシャープな気がしました。焦点距離の印象だけで語っているのではないでしょうか。

れんずまにあ 2020/08/20(Thu) 00:59 No.1732
Werra 1
Werra 1

1954年発売,東独カールツァイスイエナ製、リーフシャッター・ビューファインダーカメラ
この機種は目測、近距離補正マークつき黒線フレームが視野に張り付くような実像ファインダー。
鏡胴周りのリングを回転させて巻き上げ・シャッターチャージを行う。
レンズは1Qマークつきテッサー50mmf2.8、カールツァイスイエナ、最短0.9m
シャッターは東独製PRESTORで、スプリングアシストなしで1/750〜1,Bという野心的なリーフシャッター.巻き上げ時に全開になるため遮光用シャッターと二重になっているが、ここが壊れているものが多く修理に難儀するらしい。シンクロつき。
レンズのカバーはシャッター、ヘリコイドも覆う釣鐘状で逆付するとレンズフードになる。
フィルム交換は底蓋と繋がった裏蓋を下に引きぬくタイプ。
巻き戻しノブは底面に目立たなくあり、軍艦部はシャッターボタンのみ。巻き上げ機構が目立たないのを極力生かして外側にほとんど突起がないデザイン。

私の個体も例に漏れずセルフキャッピングができず、修理店に断られたため巻き上げごとにレンズ前面を覆うか服に密着させて光線漏れを防いでいる。
写りは非常に良好。
この後距離計連動モデルや露出計内蔵、レンズ交換式に発展、シャッターは安定したコンパーが人気。
私はシンプルな初期型が好み。

れんずまにあ 2020/08/20(Thu) 01:01 No.1733
アグファ スーパージレッテ
Agfa Super Silette

1956年発売,西独アグファ 距離計連動ビューファインダーカメラ。
35mm判普及機ジレッテシリーズの上位機、距離計連動/トリプレット型カラーアポターまたはテッサー型ゾリナーつきスーパージレッテが1955年発売、後を追って1956年にガウス型Solagon 50mmf2つきが追加された。

レンズ:アグファ ゾラゴン50mmf2、最短0.9m
シャッターは最上位機シンクロコンパー、ライトバリューつき1/500-1,B

シンプルな操作系、同時代日本製のf2クラス固定鏡胴機に比べコンパクトにまとまっている。
反面ファインダーはフレームなし素通しで旧世代の印象。
巻き上げは予備角なしのレバー1作動、巻き戻しはノブ。
裏蓋はヒンジで開閉するオーソドックスな方法。
シャッターの切れはフォーカルプレーン高級機に及ばないが、機能的にはそれに匹敵する。

Solagonは評判が高いが、同時代のXenonやHeligonとは同傾向の画質で、明らかな優劣は感じられない。朴念仁なので。

れんずまにあ 2020/08/20(Thu) 21:28 No.1736
コニカSIII
Konica SIII

1963年発売、小西六写真工業製(Konica社名変更は1987)レンジファインダーレンズ固定機。
従来の高級機コニカIIIシリーズから、大幅に設計変更コストダウンしたコニカSを1959に発売、セレンメーター指針がファインダー内で確認できるSII(1961)を経て、レンズを伝統の48mmf2から47mmf1.9に変更したSIII(1963)となった。自動露出のオートSと同年発売。

コニカIIIA同様パララックス,画角自動矯正、採光窓ブライトフレームファインダーを受け継いている。
操作系はSから招き猫レバーから、ライカMに準じるオーソドックスなものに変更され、個性は失った。
アクセサリーシューはホットシューではない。

当時の標準的レンジファインダー機、例えばキャノネットよりやや小型で、セレンはサークルアイ方式ではないのでフィルター補正は手動だが、デザイン的には高級感がある。

れんずまにあ 2020/08/22(Sat) 17:27 No.1737
フジカ35SE
フジカ 35SE

1959年富士写真光機製 距離計連動 セレン露出計連動 ビューファインダーカメラ

レンズ:フジノン4.5cmf1.9(4群6枚ガウス型)背面ダイヤルによる焦点合わせ 最短0.8m
シャッター:シチズンMLT 1/1000-1,B、ライトバリュー、カップリング解除可能。
セルフコッキング,底面レバー巻き上げ,クランク巻き戻し
採光式ブライトフレームファインダー、パララックス自動補正、
重量:770g

当時の高級機。フジノン45/1.9の性能は開放から大変良く、距離計基線長も長く、若干の画角の差はあるが、ライカMに50mmf2しか付けないなら、ほぼ同じ結果が得られると思う。
今となってはセレンメーターは当てにならない場合もあるが、あって困るほどのスペースも重量も食っていない。焦点合わせは右手背面のダイヤル、距離は軍艦部上面の回転指標、隣に露出計指針窓。
巻き上げは底面右手、巻き戻しはギアで90度傾けて左肩にクランクがあり、上面は大変すっきりしている。

れんずまにあ 2020/08/26(Wed) 23:49 No.1738
オリンパスXA1
1982年発売
カプセルカメラXAシリーズの3番目(XA:1979, XA2:1980)
レンズ:D.Zuiko 35mm f4, 4群4枚(?),固定焦点(∞〜1.5m)実際の焦点位置は記載がない。多分XA2が常焦点とした3m程度と思う。
レンズ周りのセレン光電池によるプログラムAE。
感度ASA100と400の二段階、連動範囲EV9-17(ASA100)
シャッター速度は1/250と1/30の2速
レリーズはストロークが長めで、押し込みで絞られる。
上位機種にあったセルフタイマーは省略された。
1/30、f4でカバーできない光量ではファインダー内に赤ベロ表示が出てレリーズロック
専用ストロボA9M装着,電源オンで暗所レリーズロック解除.上位機種A11/A16はオートストロボだがA9MはマニュアルGN9のみ。

フルサイズ化したペンEE3,または固定焦点化したトリップ35という機能のカメラ。

XA2:27800円,XA1: 23800円(A9Mつき)*これでXA1を選ぶ人はよほどの解脱者でありましょう。
レンズはXA2のテッサー型f3.5を固定絞りでf4に規制したものだと思っていましたが、ネット情報はあまりはっきりせず4-4との記載があります。とすると独自設計?宿題にさせてください。

XA, XA2, XA1と使ってきて、どれも素晴らしいカメラなのですが、へそ曲がりな私はXA1が好きです。日中屋外スナップなら無敵といってよいほど。2-10m程度の完全に深度に入った被写体のシャープネスは見事なもので、35mmをはめたライカと同じ仕事を、この頼り無さげなプラスチックカメラが立派に、いやそれ以上にやってのけます。
そして電池切れを心配しなくて良いのが最高です。いついかなる時でも即応してくれます。もしレンズが接合面がない4-4ならなおのこと、炎天下の車中ダッシュボードに常備していてもバルサム切れを起こす心配がありません。

XA2-XAと高級化するにつれ、テクニックを活用できるようになりますが、割り切った用途ならXA1はお勧めの一台です。

れんずまにあ 2020/08/27(Thu) 00:14 No.1739
Re: XA1; オリンパスXAの画質について
日浦様がもう詳細レポートされておられるのでほとんど追加することはありませんが、最近私が楽しんでいるコピーフィルムによる精細描写について。
現役時代からXAのレンズはXA2に比べて無限遠の周辺画質が低いので風景では絞り込む必要がある、あるいは直裁的にXAはXA2より低画質である、という評価をよく聞いており、長い間敬遠していた理由でした。
1980年代にXAを使っていた友人たちも同様な感想を抱いていたようで、しばらく使った後XAを「卒業」してローライ35SEなどに移行、ローライのハイコントラストで先鋭なカラー画像を褒めそやしていました。
ところがジャンク千円で救出したXAをコピーフィルムで試写すると、多少周辺は先鋭さが落ちるものの、画面の大部分は開放からかなり繊細な描写をしておりコピーの解像力に負けていません。80年代皆が使っていたカラーポジの解像力はコピーフィルムの半分以下のはずで、なぜ背反した結果が出たのか悩むところですが、考えられる理由は、コピーフィルムはガンマが高いため、コントラストが低いレンズでも解像力さえあればよい結果が得られるのに対し、カラーポジではよい印象がなかったのではないかと思います。

左からXA1, XA2, XA。バリアのレンズカバー部分の形状が、XA1では球の一部、XA2は卵、XAはオーバルサーキット状。またXAは上面がフラットで、XA1,2はやや台形に盛り上がっている。

れんずまにあ 2020/08/27(Thu) 00:16 No.1740
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
XAのレンズは構成枚数が多く,後玉も大きくて贅沢な感じですが,カメラを薄くするために無理をしているから画質が悪いのだ,等々,言われているように思います.確かに開放では周辺はちょっと甘いかもと思いますが,しかしそんなレンズ,また,もっと悪いレンズはいくらでもあり,むしろ,かなりよくまとまっている方だと思います.流れたりしないので写りの雰囲気も良いですし.定評あるコンタックスT/T2のゾナーも周辺画質はちょっと落ちます.XA がそれに比べてかなり悪いという気もしません.

ただ周辺光量低下が大きめかもしれません.全長を短くするために望遠タイプになっており,レトロフォーカス型のような周辺光量増大効果がないためかと思います.しかし,この周辺の明るさの落ち方も相まって玄人好みのする,雰囲気のある描写ができるカメラだと思います.

XA のレンズの評価が実力よりも低めになった原因としてもう1つ考えられるのは,絞り優先オートだからだというのもあると思います.XA2などですと,プログラムオートなのでどうしても割と絞られてしまうのですが,XAは開放絞りを頑張って使えてしまうので,そうすると,あらが目立ちやすいのだと思います.

XA では絞り羽根が2枚で,ちょっと絞ったときのボケが余りきれいでないのと,絞り込んだときの輝点があまりきれいに写らないのは,上記の諸問題よりも気になります.しかしまあ,これは,廉価なカメラなので仕方がないのではありますが.この点についてはやはりCONTAX Tは優れていますし,もうちょっと古い固定鏡筒カメラや,その前の蛇腹型(レチナとか)の出番になります.焦点距離が長く口径も大きくてよくボケますしね.結局,いつものことながら,使い分けでしょうか??
日浦 2020/08/27(Thu) 00:45 No.1741
MAMIYA35 WIDE-E
MAMIYA35 WIDE-E

1957年マミヤ光機製 ビューファインダーレンズ固定機

レンズ:トプコールM35mmf2.8(4群6枚ガウス型)
シャッター:セイコーシャMXL(ライトバリュー)1/500-1,B
セルフコッキング,レバー巻き上げクランク巻き戻し,カウンター自動復元
距離目測、最短0.6m

オリンパス35が先鞭をつけ、流行した35mmレンズ固定装着のオーソドックスなビューファインダーカメラのひとつ。国産では最も早くライトバリューを採用。ただしシャッターは倍数系列ではなく、絞りとの連動もしていない。単独露出計の目盛りを移し替えるだけ。今となっては絞りシャッターカップリングはないほうが便利なのでこれでいい。

同時発売のマミヤワイド(距離計連動)とともに、通常は新種ガラス使用と銘打たれたセコール35mmf2.8(4群6枚)が付いているが、ワイドEにはトプコールが装着されたものがある。

ワイドにもトプコール付きがあるとするサイトがあるが、現物も画像も見たことがない。
マミヤは多くの他メーカーにボディを供給していたが、逆にマミヤボディにセコール以外のレンズ銘柄は、マミヤシックスのズイコー、シムラーがある。
さて、ホースマンプレス104に装備されたマミヤセコール105mmも東京光学製といわれていて、マミヤワイドのセコールはマミヤ自社製なのか、東京光学製の刻印違いなのか、別とするとなぜ東京光学から供給を受けたのか、自社製供給が不足するほど当時人気だったのか?大変疑問がある。

写りは大変良好だが逆光に弱くゴースト、グレアが出やすい。当時の広告では内部の迷光対策を宣伝しているが、しっかりしたフードは必需品。
このスペックにしては過剰な重量で、ライカM+35mmよりだいぶ軽いのだが、レバー巻き上げに予備角がなく操作感は滑らかさに欠け、Mライカより持ち重りがしてしまうのは不思議。

れんずまにあ 2020/09/02(Wed) 22:22 No.1742
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ミノルタA。ミノルタ最初の固定鏡胴は、50年のメモです。
RFの最初期型が55年のAです。本体に厚みがあり、ビハインドシャッター。
テッサー型45oF3,5は、レンズ交換型ミノルタ35の梅鉢レンズにほぼ同じ物。
レバー巻き上げ、セルフコッキング。57年にはブライトフレーム付きのA2になる。レンズも45mmF2,8になる。
58年、100mmのレンズと、45mmの交換できるようになったのが最終型。(この間細かな改良がある)
私の個体は、シャッターがコーナンフリッガーから、5枚羽のシチズンに成った、後期型F3,5のAです。レンズほぼ梅鉢なので、写りは良い。コートの問題で、カラーには強くない。
本体に厚みが有る。加えてレバーの巻き上げ角が大きい。保持性は悪い。

ナースマン 2020/09/26(Sat) 10:16 No.1750
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
コニカUA。コニカの歩みは牛歩。れんずまにあ様の分類によると、
スプリングのパール。48年135に成り、沈胴のコニカT。ヘキサーF4,5、3,5,2,8付。
51年コニカU。此れはダブルヘリコイドと言われる半沈胴。
ヘキサノンF2,8付。補色RF。シャッターチャージは手動。
曲線型のレンズボードのエプロンが特徴。55年レンズをヘキサーF3,5、2,8にした普及品UB。
56年UA。レンズをヘキサノンF2へ、Uの半沈胴にストッパーを付け、やっと固定鏡胴へ。普及品としてヘキサーF3,5付UBm(此れは、UBと違い、固定鏡胴)
57年V。前面レバー巻き上げ。セルフコッキング。ブライトフレーム付。58年VA。パララックス修正の生きているファインダーへ。
私の個体はVA。ノブ巻き上げ、シャッターチャージだが、Vより小型。私Vも持っているが、前面巻き上げよりUAの方が使いやすい。(U、UAは、アイトレットが無い、ケースが必要)
UAもVも48oF2ヘキサノン。此れはズミクロン並みに使えるレンズ。UAは私にとって現役カメラ。
画像はUです。

ナースマン 2020/09/26(Sat) 11:43 No.1751
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ナースマンさま、貴重な広告をありがとうございます。
現物写真よりも、当時の広告の方が貴重かもしれません。
ミノルタAは、学校の先生がお持ちでしたので印象に残っています。持たせていただくとごろっとして驚きました。
45mm梅鉢は、24x32用設計のために、ライカにつけると四隅の解像力が不足するという話を聞いたことがありますが、レンズシャッター機は一足先に24x36だったのでしょうか。描写はいかがでしょう。
コニカIIAは、程度が良い個体はなかなか見かけません。
ヘキサー50mmは、4枚玉かと思っていましたが、ヘリアー型5枚玉だったんですね。認識を改めました。
れんずまにあ 2020/10/04(Sun) 11:01 No.1752
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
当時物広告。手元の資料に、偶々創刊当時のカメラ毎日と、提携していたPHOTOGRAPHYが有りました。
カメラ発売当時の広告。細かいデータと共に、企業の当該機の特徴が、端的に表現されています。確実な一級資料だと思います。
梅鉢レンズ。(ミノルタ35の梅鉢は24×32なので、周辺が流れる)此れは、使ったことのない方の偏見?
ニコンS(24×34)とS2。同じレンズで、問題ありません。
ミノルタAのレンズ。レンズシャッター機ですが、ビハインドシャッターなので、ミノルタ35の梅鉢とほぼ同じ時期の設計と思います。梅鉢にはF2,8の後期型が有ります(A2にもF2,8がある)
本家のテッサーもF2,8は周辺が流れます。均一に流れさすか、中心部を鮮明にするか。この設計思想の差だと思います。
F3,5モノクロは良いのですが、カラーは?です。F2,8はカラーも良いので、コートが変わった?のだと思います。
ヘキサノンF2,8。PHOTOGRAPHYの広告はUAの物ではなく、Uの物です。従ってレンズはヘキサノンF2.8です。コニカは周辺部の流れを均一にするため、テッサー型のヘキサーではなく、ヘキサノンにしたと思います。
ナースマン 2020/10/05(Mon) 13:13 No.1756
フジカ ライトコンパクト35
フジカ ライトコンパクト35

1970年 富士フィルム製 セレン光電池によるプログラムEEレンズシャッター機
レバー巻き上げ,クランク巻き戻し
1967年発売の初代フジカコンパクト35を、プラスチックと軽合金により軽量化(440g→360g)
レンズ:フジノン 38mmf2.8、4群5枚、前玉回転、目測。
シャッター:セイコーLA (プログラム1/250-1/30、B、マニュアル絞りはX接点:1/30固定)
フィルム感度ASA25-200

当時としては軽量の初級機.キヤノンデミのようなモナカ構造。
レンズ周辺や感度表示はプリント。操作感触は極めて安っぽい。
ただ当時のカメラ毎日カメラ白書の成績が、驚異的な高画質だったので興味を持ちました。
レンズ突出量はそれなりにありながら、5枚構成というのは小型化のための多数枚構成ではなさそうで期待できます。

れんずまにあ 2021/01/30(Sat) 21:39 No.1786
KONICA UB
果たして、固定鏡胴と云えるか?
とは逡巡したのですが先述のV型をお話するにはこの機種にも触れませんと片手落ちと思いましたので、ご紹介いたします。

コニカUBは四年ほど前に発表されたコニカUの普及機として1955年にU型のラインナップに加わった機種です。

 詳しい説明はWeb上にいくつか見る事が出来ますのでご参考にされると良いと思います。
T型の武骨な印象を和らげるために、エプロン部に曲線が取り入れたデザインがこのカメラのモダンさが表れています。

レンズはヘキサ―50mm F2.8と画像のF3.5 です。
このレンズをWヘリコイドの沈胴式鏡胴に入れています。
シャッターは定評の有るコニラッピッドS B、1〜1/500です。
先行したU型にはTが用意されていましたが、UBは普及機の位置づけで省略されています。

昭和30年にF3.5付きで27,000円。今日ならざっと五十数万位ですかね。フルサイズ機に標準域のズームレンズ付きの値段くらいです。

工作精度が素晴らしく、少しの整備で実用になる個体も多いと聞きます。美しくて小さくて少し持ち重りのするカメラです。

efunon 2021/01/31(Sun) 00:43 No.1789
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
フジカコンパクト35、コンパクト35S。
れんずまにあ様が投降した、ライトコンパクト以前に、コンパクトが有ります。コンパクト35と、ライとコンパクト。レンズ、シャッター共同じですが、重さ以外に差が有ります。
ライトコンパクトは、プログラムシャッター。Aを外すのは、フラシュ用。30sでの絞りだけです。
これに対して、コンパクト。Aを外し、絞り、シャッター速度共にマニュアル設定ができます。
当時のセレンが不安定な現在、コンパクトは、マニュアル撮影ができる。今と成っては、此方の方が生き延びている。
ライトコンパクトS,コンパクトSはRSを装備、F2,5にアップグレイドしている。(加えてセルフシャッター装備)コンパクト35、ライトコンパクト(コンパクト35S,ライトコンパクト35S)共に写りは抜群。コンパクトカメラを発売したフジの意気込みが感じられる。
私、コンパクト35とライとコンパクト35S持っている。がコンパクト35Sが手に入らなかった(数が少ない)コンパクト35S,めぐり合うと速買いだと思う。
当時のフイルムの性能。これ等のカメラ、ASA設定が200迄しか無い。現代の400フイルムは使うのが厄介。現代では、記録用の100フイルムがベストと思う。
ナースマン 2021/02/01(Mon) 17:05 No.1795
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ヤシカ35。フジカコンパクト35を投稿していて、もう1つ思い出した。それが此れ、昭和33年、ヤシカ初のレンズシャッター機。
此れは、昭和29年発売のニコンS2のコピー版(一般にRFコンタックスのコピーと言われれが、時代背景を考えると、私はニコンS2のコピーだと思う)
フォーカルシャッターを、コパル500sのレンズシャッターに、レンズを固定式にした物。
外観は、ほぼニコンS2に類似。但しファインダーは、等倍ではなく0,7倍。仕上げもニコンには劣る。
レンズが2種類。ヤシノン45mm、F2,8付(4群5枚、12500円)とF1,9付(6枚玉、18000円)共に富岡製。
F2,8でも5枚玉のクセノター。当時から写りには、評判が。
私の個体は、F2,8の方。確かに写りは良い。然し、価格の差、ニコンとは差が。
私、別に父の形見、ニコンS持っているが、仕上げが遥かに劣る(特にメッキ、作動感)
とは言え、後のセレン露光のヤシカリンクス(F2.8)CDS自動のエレクトロ35(F1,8)の基礎を作ったレンズである。
ナースマン 2021/02/01(Mon) 17:47 No.1796
Re:フジカ コンパクト 35
ナースマン様ご健康心配しておりましたので安堵しています。
コンパクト35はマニュアル露光ができるとは、認識していませんでした。
当時のEE、任せ切るには不安があり、またマニュアル露光の腕に覚えがある方がまだまだ多かったと思います。
当時距離目測も当たり前のように使いこなしていたのでしょうね。
れんずまにあ 2021/02/01(Mon) 18:31 No.1798
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ペット35。久しぶりで銀塩写真機使った。フジが作った最初期のトイカメラ、ペット35。
1955年、フイルム会社の団体が<芽生えカメラ>を構想。
57年これにフジが呼応したのが、57年のフジペット。
此れは120フイルムを使った66ボックスカメラ。
小学生対象と言うことで、黒、赤、黄、緑、グレー、橙、金のカラーも有った。61年にはセレンEEのフジペットEEも出来た。
57年、此れを135にしたのがペット35。こちらはフジペットの兄貴分。
中学生用?45oF3,5フジナーK、200sコパルシャッター。目測前玉回転3枚、此れは光学ガラス3枚玉。
プラスチックとアルミ製で300g。本体もフジペットより小型。
このカメラ、フジが本気で作った、コンパクトフジカの元祖。
レンズがしっかりしている 。隅は流れるが、なだらか。
ノバー付きのイコンタ35と差が無い。いかにも銀塩と言う画像。
現代の高級フイルムより、記録用フイルム辺りが、よく合う。
全て手動であるが、銀塩写真機の基礎が学べる。
構造が簡単で、故障が無い。私のように目が悪い老人にも使える。
此方も黒、赤、緑の3色ある。私の個体は緑。
ナースマン  2021/09/02(Thu) 16:51 No.1901
Re: フジペット35
ナースマン様ご投稿ありがとうございます。
大学時代、年上の後輩がFuji Petで写真入門したと話しておりました。
当時は裏紙つきロールフィルムがとりわけ安かったこともあり、今では想像できない子供用ブローニーカメラが成立したのでしょう。
単玉70mmf11でシャッター速度1/50とB、多分晴天屋外ではネオパンSSでf16からf22の条件でしょう。
そうすると固定焦点でも被写界深度が深く、6x6の大画面で拡大率が低く、露光不足や過度による諧調の低下を救ってくれる。
大伸ばしはしないので多少のボケは気にならない。

ペット35はブローニーの有利さを捨てた代わりに、短焦点のメリットを最大限使って明るいf3.5でも実用距離を十分深度に入れられます。
しかもお子様用ではもったいなさすぎるほどの3枚玉。
だってツァイスイコンやレチナのベーシックも3枚玉なんです。似た対象ユーザーのフェラニアは単玉です。
最近トリオターやカッサーなどの3枚玉を高く評価していますので、フジのこだわりは素晴らしい。

絞りの選択肢が大幅に広く、開放なら屋内や夕方でも撮影可能でしょう。
コニレットと競合するでしょうが、汎用フィルムが使えるペット35が圧倒的有利かと思います。

総じて、子供用とは思えないほどの高いスペック。
こういうのを投入してくるのは、やはり日本人の凝り性、子供を軽視しない真摯さでしょうか。
将来のヘビーユーザーを養成する意図は、ナースマン様を拝見すると、完全に果たされたと確信します。
れんずまにあ 2021/09/02(Thu) 18:39 No.1902
ヴェラ
最近、ヴェラ (Werra, ウェラ)にドハマリしてしまいました。まだいくつかアイテムが届くはずなので、順次紹介していく予定です。

ここではすでに1型が紹介されていますが、僕としては距離計搭載機の精度にしびれました。もちろんファインダの明るさや繊細なフレーム、ボディの小ささ、美しさ、巻き上げ操作の軽さなども。

特に、入手したIII型がシンプル形状を保ったまま距離計を内蔵しており、かつ、コンパーシャッターという最高の仕様でした。窓枠もなし、革も緑で、僕の理想のモデルです。ただし要整備(シャッター粘り、距離系ズレだけですが)なので、どうするか考えているところです。

定点露出計内蔵の最終期、Werramatic や、オートアップと同等のアクセサリも順次届く手はずになっています。

日浦 2024/08/31(Sat) 04:52 Home No.2584
Re: Werra
日浦主幹、ヴェラシリーズ確保おめでとうございます。

拙宅にもいくつかありますが,十分使いこなせておりません。
交換レンズがまた魅力的ですね。
近接デバイスがあったとは全く知りませんでした。本編でも深く掘り下げられるのでしょうから、楽しみにお待ちしております。
計画経済ならではの仕上げの荒さが少し目につきますが、愛すべきシステムと思います。
初期型のテンポールシャッターを修理してくれるところがないかなあ...

Werra5, Tessar 50mmf2.8, 開放,1/30, 富士フィルム業務用400

れんずまにあ 2024/08/31(Sat) 17:15 No.2587
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ヴェラ、まだこれから届くアイテムもありますが、ざっと紹介記事を作成しました。
すでにかなり、情報過多ですが・・
https://shiura.com/camera/werra/index.html

シャッターですが、検索すると、修理ノウハウのありそうな修理屋さんが、数件、見つかります。

「ヨコタカメラ」さんはウェブでPrestorの修理をされた記録を記載されています。
https://yokota-camera.com/wp/werra%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%A9%E3%81%AE%E4%BF%AE%E7%90%86/

「まつむらかめら」さんは X でバックシャッター付きのシャッターをいじるのが好きだと
書いておられるので、Prestor は対応できるのではないかなと思います。
https://x.com/search?q=%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%A9%20from%3Aclassicalcamera&src=typed_query&f=live

うちは、ジャンク4台セットを買ったのですが
 I : Vebur シャッター粘り --> 修理した
 III : Compur シャッター粘り --> プロに依頼するか検討中
 V : Prestor 1/500秒仕様 完動
 mat : Prestor 1/750秒仕様 シャッター不動、メータ不動
という具合でした。mat は部品取りにお譲りしてもいいかもです。吊り輪も欠品ですので。

I や mat は少し整備のため分解しましたが、ボディ、裏蓋、距離系フレームなどがダイキャストで、
プレス部品の箇所を裏打ちするように入っており、思った以上に硬派な作りだと思いました。
レンズもまちがいないものですし、なかなか合理的な設計になっている感じがします。
ただ、シャッターが確かに難点かもですね。

接写アクセサリは添付画像のようなもので、2種類あり、これは寄れる方です。

日浦 2024/08/31(Sat) 22:31 No.2588
Re: Werramatic
日浦様、貴重なPRESTOR修理情報をありがとうございます。
といってもX入ってないので見られなかったのですが(笑)アメーバブログやってはおられるようです.ぼちぼち検索していきます。
オートアップは今まで見たことがない形状で、とてもそそられますね。
続々色々と到着予定ですね。記事を楽しみにしています。
私も久しぶり引っ張り出して動かそう...

拙宅には1型とWerramaticが,稼働しています。
シンプルな1型は、PRESTORシャッターの遮光機能が故障しており、巻き上げで全開してしまうため、レンズを覆ってやる必要があります。
まあそれは、セルフキャップが故障しているフォーカル機でも同じなので、ちょっと面倒だな程度ですけど。
WerramaticのPRESTORシャッターは大変快調で、露出計も動いているので操作して楽しいです。ただし交換レンズが薄い曇りがあり、標準だけで使うのなら,非常に快適な上下像距離計に後ろ髪を引かれますが、とりあえず1型でいいのかなとも。
しかしこれで大衆機なんですよね。すごいなあ。

Werramaticと交換レンズ35mm,100mm

れんずまにあ 2024/09/01(Sun) 21:16 No.2590
リコー 500G系
電池がなくても動作するメカニカルシャッター搭載のレンジファインダーカメラで軽いものを探していて、この機種にたどり着きました。

この種のEEコンパクトカメラは初代キヤノネットからしてF1.9で、その後もスペック競争のため F1.7 近辺のレンズを搭載した大きく重いカメラが主流でした。写真のフジカコンパクトデラックスもフルマニュアル撮影が可能ですが、約650g とかなり重いです。

しかし、コニカC35(じゃ〜に〜コニカ)の出現により小型化へかじを切ります。コニカC35やフジカGER(330~350g)のように軽量化が進みますが、多くはEE専用機でマニュアル露出ができないとか、電池がないと動作しないものがやはり多数派です。

そのような中で、メカニカルシャッターを搭載し、電池がなくても動作する限られた機種が、オリンパス35RC(410g)と、このリコー500G/GS/GX(420~440g)になります。初代キヤノネットや前述のフジカコンパクトデラックスからすると F2.8 へと暗くなりましたが重さが 2/3 以下に軽量化され、ボディの幅やレンズの突出量も相当短くなりました。

35RCに対するリコー500系の利点は、マニュアル露出時も露出計が動作すること(ファインダ内で適正絞り値が指針表示される)、シャッター速度の低速側が 1/8 まであること(オリンパス35RCは1/15まで)の2点が大きいと思います。

リコー500系共通の特徴
・メカニカルシャッター 1/8〜1/500秒, B(ビハインドシャッター・ビハインド絞り)
・針押さえ式シャッター速度優先EE
・4枚羽根絞り(猫の目でなく辺の丸い正方形) F2.8〜F16 手動設定可能
・露出計がマニュアル露出時も動作

写真のモデルは500GSで、500Gとはデザインが違うだけです。500GXになり、シャッターロック、バッテリーチェック、シャッターチャージインジケーター、多重露出機能が追加されます。

さらに興味深い点として、ほとんど国内では見かけられない(よってあまり知られていない)ようですが、台湾リコー製の類似機種があります。スペックはほとんど変わらないようなのですが、よく調べるといろいろ違いがあります。

・台湾製はフレームが樹脂化されている(フィルムレールが樹脂の黒色になっている)
・台湾製はボディの構造が違う(国内製はキヤノンデミに似たモナカ構造で、裏蓋もアイピースごと全体が開くが、台湾製は深堀りのトップカバーと、普通の裏蓋構造になっている)
・台湾製にはワインダーが取り付けられる!(スプリングモーター)

前述のように国内製で比較するとオリンパス35RCが最軽量なのですが、調べると、RICOH 500RF が公式380gで最も軽いようです。

国内生産 RICOH 500G, 500GS, 500GX 420〜440g
台湾生産 RICOH 500RF, 500ME, GX-1 380〜400g

リコー自身のリスト https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/products/ricoh-filmcamera/cameralist/1961-80.html
こちらには 500ME しか書かれておらず、500RF, GX-1 が出ていません。

外観参考 https://www.flickr.com/photos/zombiebirdhouse/9629430674

500ME に関する記事、貴重なスプリングワインダー装着時の画像 https://camera-kaukau.lekumo.biz/arrow/2018/06/500me-b1bb.html

500RF に関する日本語記事 https://blog.goo.ne.jp/tomys800/e/9a3ef176080b4f3ad87863800885cc6b

500RF の取扱説明書、末尾に重量 380g と書かれている https://www.cameramanuals.org/ricoh_pdf/ricoh_500_rf.pdf

距離計連動の35mmフルサイズメカニカルカメラで最軽量は、この500RFではないかという気がします。

手元の500GSは、リコーエルニカFと2台セットで送料込み1,000円のジャンクで購入しました。向こうが見えないぐらいファインダが曇っており、露出計不動とありましたが、ファインダは清掃でとてもクリアに。露出計も動作しております。裏蓋のモルトなど整備してから試写してみる予定です。全体に操作系が素直で操作感も軽く、シャッターも針押さえ式らしくストロークは長いが落ち方もよく、(試写結果はまだですが)なかなか良いカメラです。同じカメラが SEARS や HANIMEX ブランドでも売られていたようです。

日浦 2024/10/20(Sun) 00:25 No.2617
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
ノヴォ35IS 第百精光(精工・精機とする説もあり)

1955年頃発売の距離計連動カメラです。レンズは富岡光学TRI-LAUSAR 4.5cmF3.5
シャッターはコパルで B・1〜1/300 セルフタイマーあり。
枚数カウンターは手動セット・順算式。ノブ巻上げ、巻き戻しでセルフコッキングではありません。

1950年代半ばに現れ、4〜5機種の35mm距離計連動式カメラを発売した後に姿を消してしまったメーカーの最初の製品のようです。35IIAという機種が存在する為、35ISを35(大文字のアイではなくローマ数字のI)Sとする説もあります。
しかし情報が少ないですね。海外のオークションサイトにもチラホラ現れますので、さほど小さなメーカーだったとは思えないのですが。

レンズ・シャッターとも当時としては、割と上級品で組んであると思います。ただ、内部の歯車やアーム類は薄めの真鍮製で、耐久性には問題があるかも知れません。

私は、このカメラの造形が気になって手に入れました。軍艦部の直線と曲線が混じりあった段付きの柔らかいな姿、カメラ本体を薄く見せようとフィルム圧板の取り付け部をわざわざ裏蓋をプレスで押し出している努力。どちらも他より綺麗に見せようとする熱意を感じ、どこか海外からの品のような個性を感じます。

どなたかこのカメラメーカーについてご存じでしたら、何かご教示頂けると嬉しいです。

取り敢えず撮ってから 2025/01/31(Fri) 18:07 No.2711
Re: ノヴォ35IS
取り敢えず撮ってから 様。
かつてのカメラコレクターズニュースに執筆された方々のような、真のコレクターでいらっしゃいますね。
私は戦後黎明期の産業について全くわかりませんが、カメラレビューも無くなり、粟野様も身罷られた現在、このような高度な情報の行き場がなくなっています。
受け皿があればよろしいのですが...
れんずまにあ 2025/02/08(Sat) 22:20 No.2722
Re: ノヴォ35IS
れんずまにあ様。
申し訳ありません。私はカメラコレクターと言われるほどの者ではございません・・。その証拠に最も高価なカメラでも1万円台、殆どはワンコインから数千円で手に入れた物ばかりです。「何だかボロっちぃけど、動くかな?」というブツをリサイクルショップで手に入れ、撮ってはバラしの繰り返しをするのが好きなだけです。ですから自慢できるようなカメラは持っていません。私が変わったカメラばかり投稿するのがいけなかったのかもしれませんね。今度はもっと一般的なカメラも混ぜてご投稿しますね。

ただ、フィルムカメラに関するコンテンツが確実に減りつつある現在、こちらのような素晴らしい情報交換の場が存在するのに便乗し、「こんなカメラもあったよー、こんな風に動くよー」とご紹介する事でフィルムカメラの楽しみを一人でも多くの方に共有していただきたかっただけです。
取り敢えず撮ってから 2025/02/12(Wed) 12:15 No.2726
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
小西六写真工業 コニカIIIA

1958年発売の距離計連動35mmカメラ 
レンズはヘキサノン48mmF2.0(5群6枚)
シャッターはセイコーシャMXL(B・1〜1/500)
重量は800g(実測)定価34,700円
巻き上げは鏡胴脇のレバー2回押下

発売数か月後により明るい50mmF1.8レンズ搭載機が追加されました。

一度は覗いてみたくなる「生きているファインダー」のコニカIIIAです。
III型の軍幹部を大幅に改めてプリズムブロック3ケとレンズで等倍ファインダーを実現しています。ブライトフレームはパララクス補正に加えてフレームの大きさまで変化させるという複雑な動きをします。ブライトフレーム採光窓を追加し、重なり合った2枚のマスクフレームが移動することで画角の変化を表現しています。
プリズムを使用していることでファインダー内への埃侵入や曇りの発生が抑えられており、製造から60年以上を経ても視界はとてもクリアです。接眼部・対物側ともプリズムが露出していますね。
IIIA・IIIMで使われたプリズム式のファインダーは後継のSシリーズではコストと重量削減の為かガラスとミラーの組合せ式に戻りました。
またIIIAになってセルフタイマーレバーと「猫の手」巻上レバーのデザイン、巻き戻しノブが変更されています。

取り敢えず撮ってから 2025/02/14(Fri) 18:01 No.2733
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
小西六写真工業 コニカIIIM

1959年発売の距離計連動・露出計連動35mmカメラ 
レンズはヘキサノン50mmF1.8(5群6枚)
シャッターはセイコーシャSLV(B・1〜1/500)
重量は825g(実測)定価36,500円
巻き上げは鏡胴脇のレバー2回押下(ハーフ時は1回)
IIIA発売の翌年、セレン電池式連動露出計とハーフフレーム撮影機能を追加したIIIMが発売されました。IIIMには48mmF2.0レンズを搭載したモデルは存在しなかったようです。

セレン電池パネルは大型の跳ね上げ式で、折り畳むとファインダーや採光窓を塞ぐ形になります。ただ、このヒンジがセレン電池パネルの枠と一体の薄いプラスチック製で、開閉には気を使います。事実、出回っているIIIMのほとんどの機体ではヒンジ部分に破損やヒビが見られます。ストラップで首から下げる時も引掛けないように注意しています。
ハーフフレーム撮影には付属のハーフマスクを使用しますが、これも失われていました。このマスクの造りは、アパーチャーのマスク部分とアームを押すためのツバが一体化されていて結構剛性の高いもの。巻取りスプールの上部にあるアームがツバで右側に押されると、猫の手1ストロークでハーフ分巻上げとシャッターチャージが同時に行われます。ハーフ使用時には背面の窓に赤マーク出ます。ただ、ハーフで撮ると中望遠になってしまうので、どれくらい需要があったのか・・。
またこのIIIMでホットシューが装備されました。

取り敢えず撮ってから 2025/02/21(Fri) 19:23 No.2737
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
コニカIIIAとIIIMの違い(追加)

コニカIIIAの後に発売されたIIIMではシャッターもセイコーシャMXLからSLV
へと変更されました。
これは新設された露出計のメーター部分がIIIA迄のセルフタイマーのスペースに設置された事が理由です。MXLはシャッター内部にセルフタイマーが内蔵出来ないこと、SLVは当時新しい製品だったことで採用されたと言われています。
シャッターの変更に伴い、外観はもとよりシャッタースピード系列も変更されました。
MXLはB・1・1/2・1/5・1/10・1/25・1/50・1/100・1/250・1/500
SLVはB・1・1/2・1/4・1/8・1/15・1/30・1/60・1/125・1/250・1/500
大陸系列から倍数系列になり、1速増えています。
更にLV値でのリングの連動が無くなり、絞り・スピードも単独で操作できるようになりました。LV値は鏡胴下に表示されます。

取り敢えず撮ってから 2025/02/21(Fri) 19:25 No.2738
Re: コニカ35IIIM
取り敢えず撮ってから様、IIIA IIIMのご紹介ありがとうございます。
IIIMは最終型しかもハーフ切り替えなので以前から気になっていましたが、ハーフマスク紛失個体が多く、近所にレンズ程度が良い個体があるものの、セレンカバーが破損欠損していたりで結局手にしたことがありません。
マスクは自作すればなどと気楽に考えていたら、そんな複雑なシステムなんですね。紛失個体に気軽に手を出さないでよかったかも。
その点ではオーソドックスな最終発展型のIIIAの方が現実的かもしれません。
レンズはf2とf1.8の描写の差など興味深いです。
実用上1/3絞りが大きな違いにはならないと思いますが、セールスでは大差になった時代なのでしょう。
それよりも、シャッター速度が倍数になった方が大きいですね。まあ今使うにあたって大陸系で困ることは少ないのは確かですが...
れんずまにあ 2025/02/23(Sun) 10:05 No.2740
Re: コニカ35IIIM
れんずまにあ様、コニカIIIMのハーフ撮影についてです。
私もマスク部分は自作するとして、アームを押すのにどうすればよいのか思いつきません。軍幹部を開けて対処するにも、戻すのが面倒ですし。
わずか5mm程度水平に押すだけなのですが、結構左方向へ押し返す力が掛かっています・・。純正のマスクが付いている機体を探すのが一番かと思いますね。

取り敢えず撮ってから 2025/02/26(Wed) 07:51 No.2741
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
富士写真フイルム ペット35

1959年発売
フジの35mm固定鏡胴マニュアル露出コンパクトカメラ。
シャッターはコパルで B・1/25〜1/200 
レンズは3群3枚フジナーK 4.5cmF3.5 最短撮影距離は0.5m弱 
定価はケース付きで¥41,000 重量は実測295gです。
枚数カウンターは手動セット・順算式。シャッターはレンズ鏡胴脇のレバー左手側を下げてコッキング、右手側を下げてレリーズ。その後、背面の小さなレバーを右にスライドさせてフィルム巻止め解除となります。このレバーはフィルム巻き戻しの時にも使用します。
貼革は他に赤・緑色も確認、機種名はレンズ右上ボディに刻印されていますが、少数ながら機種名をプリントしたシールを貼付した機体も存在を確認しましています。

言わずと知れた35mm子供用カメラの決定版、ペット35です。定価41,000円は当時の物価を考えれば現在の5万円くらいになるでしょうか。
スペックだけで見ればコンパクトなサイズで必要最低限の機能、35mmフィルム入門用としても十分の出来だと思います。3枚玉の写りが良いのは現在も多くのファンがいることで証明されています。私もファンの一人です。ストラップが使えるようアイレットが両側に付いているのもポイント高いです。

フジペットシリーズは、ブローニー版は固定焦点の単玉レンズ、シャッターがBと1/60だけで絞り動作のみフジペット(1957年発売)は手動、フジペットEE(1961年発売)はセレン電池により変化するものでした。

フィルム室に貼ってあるシールには「ネオパンS〜SSS」のイラスト。「SAFETY FILM」の文字も確認出来ます。その意味はネットで調べるまで分かりませんでした。

取り敢えず撮ってから 2025/03/07(Fri) 18:46 No.2752
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
BALDA BALDESSA 1a

1958年発売 レンズ固定式35mmカメラ、BALDESSA-1に連動式距離計を追加装備したモデル。1bでは更にセレン電池による非連動式露出計を備えます。
レンズはColor-Baldanar 45mmF2.8(3群3枚) 
シャッターはプロンターSVSでB・1〜1/500、LVによるSSと絞り環のカップリング有り、セルタイマー有り。ハーフミラー処理をされたファインダーにはブライトフレーム。枚数カウンターは底面の巻上レバーの影に有り、手動セット・減算式。

全体的に丸々とした可愛らしいデザインを持っています。やや独特な操作系を持っています。軍艦部にはアクセサリーシュー以外何も無し。レリーズは鏡胴脇、フォーカス操作はその上のダイヤル回転で行います。
底部にコニカパールに使われてたような形状の巻上げノブ(折り畳み式)が配置され、これを起こすと枚数カウンターが見えます。巻上げノブ半回転で1枚巻上げ。カメラのスタンドを兼ねるT-RレバーをR側にスライドさせると固定されていた巻き戻しレバーがパっと立ち上がります。突き出た三脚穴の金具にはフィルムリマインダーの小さな窓が有ります。
本機は使って見ると見易いファインダー、フォーカス操作も慣れれば右手人差し指で出来るなど、変わってはいますが良く練られたカメラかと思います。少々傷のあるレンズですが、実写はヌケも良く華やかに写りました。

取り敢えず撮ってから 2025/03/14(Fri) 19:12 No.2761
Re: BALDESSA 1a
2010年ごろ一時期バルダマチックIIIというコンパークイックチェンジマウントのレンズ交換RF機を使ったことがあります。
機能的にはレチナIIISと同じですが、皆様ご存知の通りマウントが微妙に違っていてレチナとは互換性がありません。
標準クセナー50mmf2.8の写りは満足行くものでしたが、数年後海外通販でテレクセナー135/4を入手できた以外全く交換レンズが入手できず、諦めて行きつけ店舗で下取りに出したところ、135でも珍しいのか即座に買い手がついたようです。
おそらくご紹介のバルデッサと同じボディで、独特の操作性ですね。
ごろごろしたハンドリングで、ケースがあったので取り落とすことはありませんが、底部のキーでフィルム送りするので裸で使うとちょっと怖い。
最近トリプレットがすごくよく写ることを再認識し、各社のベーシックな小型カメラに興味が向いています。

画像バルダマチックIII バルダクセナー50/2.8開放,1/30,フジカラー業務用400

れんずまにあ 2025/03/15(Sat) 18:56 No.2762
Re:BALDESSA 1a
れんずまにあ様、お世話になります。

レンズ交換式があったのですね!写真を見ると確かに同じボディのようです。ちょっと興味がでちゃいますね。
ブライトフレームを綺麗にするのにトップカバーを外したら、空きスペースが・・1bに露出計を入れるための空間がポッカリ空いてました。

取り敢えず撮ってから 2025/03/19(Wed) 08:07 No.2769
ミランダ センソレット
ミランダカメラ センソレット

1972発売。距離計連動式プログラム自動露出カメラ。

レンズはミランダ/ソリゴール 38mmF2.8 撮影距離は0.9m〜∞
電子シャッターはセイコーESF(SS4〜1/800)でシャッターをロックするリングを備え、ソフトレリーズも標準。フィルム感度はASA25〜800
セルフタイマー無し、ホットシュー以外に外部フラッシュ用ソケット有り。±1段の露出補正有り。

当時一眼レフ専業だったミランダカメラ唯一の距離計連動コンパクトカメラです。
コニカC35の大ヒットの後を追うように多くのメーカーから同じようなサイズのコンパクトカメラが発売されました。ミランダカメラもカメラの小型カメラブームの流れに乗ったようです。
センソレットのボディはC35より50グラムほど重く420gあり、持った感じもしっかりしています。
電池は現在は生産を終了しているHM-N(NR52)型水銀電池 1.35Vを2個使用しますが、LR44の高さをかさ上げした物を2個入れることで代用できます。
この大きさのカメラには珍しい露出補正ノブを持ち、専用フラッシュを使用することでフラッシュマチックも実現。またテレ/ワイドコンバーターレンズが用意されていました。クロームボディには6色の貼革バリエーション、ブラックボディも存在しました。
ファインダー内表示はC35のような指針は持たず、フラッシュマチックの時にだけ絞り値が表示されます。以上の内容でC35とほぼ同価格はミランダカメラの企業規模ではかなり頑張った方でしょう。

写りは線が細くやや寒色系で、コニカがC35で狙った写りとは路線が違うように感じます(私の個体だけだったらすみません)。

取り敢えず撮ってから 2025/03/28(Fri) 18:38 No.2780
キヤノン キヤノネットQL17GV
キヤノン キヤノネットQL17GV 

1972年発売の35mm距離計連動・SS優先自動露出カメラ

レンズはキヤノン40mmF1.7(4群6枚)撮影距離0.8m〜∞
シャッターはコパル(B・1/4〜1/500sec) フィルム感度はASA25〜800 セルフタイマーあり
ファインダーはパララクス自動補正あり 絞り値表示あり カウンターは自動リセット・順算式で、表示が1になるまでシャッターは切れません。使用電池はH-D水銀電池1ケ(LR44で代用できます)

1961年に高機能・低価格で発売されて業界を震撼させたキヤノネットの3世代目にして最終機。2世代目のニューキヤノネットとの違いはバッテリーチェックボタンの有無や巻き戻しノブの形状などごく僅かです。
絞りリングをA位置から外せばマニュアル撮影が可能、その場合露出計は切れます。重量は615g。同時代の競合機種コニカC35FDに比べ大きさはさほど変わりないが1.5倍近く重い。

小型レンジファインダーカメラとしては優等生で、安定して良く写ります。欠点らしい欠点も無く、逆にそれがつまらない、と思う事さえあります。
その為か、せっかく綺麗にレストアしたのに何故か持ち出さない1台です。

10年間以上販売され続け、販売台数は100万台以上と言われていて、比較的良く見かけますが状態の良い物は少なくなりました。

取り敢えず撮ってから 2025/03/28(Fri) 18:41 No.2781
Re: キヤノン キヤノネットQL17GV
取り敢えず撮ってから様,懐かしいカメラのご紹介をありがとうございます。

私,今は「狸おやじ」の名で中判カメラやシートフィルムの紹介をしておりますが,若い(少年の)頃にこのキャノネットQL17とコニカC35FDを使っておりました。どちらもコンパクトで使いやすいカメラですが,仰るようにQL17はC35FDと比べると少し重い。F16に絞り込んだ時の解像度を四つ切プリントに拡大して比較したことがありますが,C35FDの方がQL17より(特に中心付近で)良い結果でした。当時,F値の小さいレンズ程性能が良いと考えていた私には意外な結果でしたが,これがきっかけとなり,その後欧州でライカMとコンタックスGを購入し,やがて中判テヒニカを入手することになりました。レンジファインダー機の利点は,SLRより小型軽量になるだけでなく,フランジバックの短い広角系の優れたレンズを搭載できる点だと知ったのも,この2つのカメラが最初でした。自分の「レンジファインダー遍歴」の原点を見るようで,とても懐かしく拝見いたしました。
狸おやじ 2025/03/28(Fri) 21:44 No.2782
キヤノン キヤノネットQL17GV
狸おやじ様、初めまして。
何とキヤノネットやC35FDをお若い頃にお使いになっていてのですね。羨ましいです。
これらのフィルムカメラを手にしたのが還暦近い5〜6年前、新品の頃にお使いになっていた方からのリアクション、とても嬉しいです。
私には大きなフォーマットは(今からでは)難しそうですが、写真機ならどんな物でも大好きな私は大きくてメカニカルなカメラに関する情報も楽しく拝見させて頂いております。
これからも暫くの間コンパクトカメラを中心に投稿をする積りです。偶にクスっと笑っていただけたら幸いです。
取り敢えず撮ってから 2025/03/31(Mon) 07:54 No.2798
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
取り敢えず撮ってから様,お返事いただきありがとうございます。
小型メカニカルカメラの詳細な解説を興味深く拝読しております。今後とも宜しくお願いいたします。私も機械式のカメラが好きですが,資金と時間が無いので収集は諦め,気に入った機材を少数選び,徹底的に使うスタイルを楽しんでいます。

コニカC35FDは,私が高校生の時に新品で買った「スタートカメラ」でした。
3万5k円程でしたが,自分の小遣いを貯めて買った最初のカメラで,長く愛用しました。ヘキサノン38mmは性能の良いレンズで,F16で撮影したポジ画像を拡大して比較すると,友人のSLR(Pentax)の35mmの画像より高解像でした。広角のレンジファインダー機は当時の(高価で重い)SLRsより高画質だったのです。れんずまにあ様の解説(No. 1721)にあるように,C35FDはフラッシュマチック機構付で,ストロボをシューに取り付けると距離計に連動して絞り値が調節されオート撮影ができる。また,露出計の針を絞り値に(SSを調整して)合わせると背景光量とストロボ光量を一致させる日中シンクロ撮影ができる。全速シンクロ同調(~1/500秒)のレンズシャッターを駆使して,日中シンクロの基礎(リンホフテヒニカ,No. 2555-56)を学びました。

これに味を占め,次はマニュアルでも撮れるレンジファインダー機として,キャノネットQL17GIIIを購入しました。
このカメラも使い易く,10年近く現役で活躍しました。小型ながらファインダーのパララックス補正があり,総金属製のボディーは多少重いですが,見た目の洗練度はC35FDより上でした。でも若かった当時の私は,より高画質のカメラとレンズに憧れていました。丁度登山や冬山に熱中していた頃で,アルパインカレンダーや山岳写真集を見ながら,いつかリンホフとスーパーアンギュロンを手に入れたいと考えていました。それ以降の話は,このスレッドから外れますので,別の機会に「リンホフテヒニカ」等でご紹介する予定です。
狸おやじ 2025/04/01(Tue) 11:07 No.2803
PORST HAPONETTE EB
PORST HAPONETTE EB

1959年製非連動露出計つき距離計連動35mmカメラ
レンズはCOLOR-HAPONAR45mmF2.8 撮影距離は1m〜∞
シャッターはPRONTOR-SVS(B・1〜1/300)セルフタイマー有り LV値による絞りSSリングの連動有り
重量は実測530g カウンターは底面で手動セット・減算式
巻上げは背面でレリーズは鏡胴脇にあります。背面はヒンジ式ドア。

PORSTはドイツの写真用品商社で数多くのメーカーからOEMで自社ブランドのカメラを調達していました。このHAPONETTE EBも例にもれずRegula-Werk King KG製のカメラと思われますが、このメーカーに関しての情報が少なく確証はありません。BALDAのデザインにも通じる丸みを帯びたデザインはこの時代ドイツでは流行したのでしょうか。レンズの構成や供給元も分かりませんでした。このメーカーは機種によりIsco-Gottingen・Steinheil・Rodenstockから供給を受けていたようです。
GOSSEN製露出計にPRONTORシャッター、鍍金の質も良い方だと思うのですが・・あまり見かけません。
コンパクトで適度な重さ。握り易いですが、アイレットが無いのは残念。写りはとてもシャープで赤みがやや強いです。

取り敢えず撮ってから 2025/04/04(Fri) 18:21 No.2804
KODAK 35
KODAK 35

1938年発売のレンズ固定式35mmカメラ
レンズはKODAK Anastigmat51mmF4.5(3群3枚)距離は4ft弱〜∞
シャッターは自社製No1 DiomaticでT・B・1/25〜1/150sec セルフコッキング・セルフタイマー付 カウンターは手動セット・順算式 重量は550g(実測)

バルナック型のように丸みを帯びたボディの黒色部分はベークライト製で貼革風の表面仕上げ。折り畳み式ファインダーや突出した鏡胴、左右対称のノブのデザインが微妙にバランスが取れていて可愛らしいです。コダックの35mmフィルムカメラとしては初期のモデルなので、フィルム押さえのローラーユニットは大袈裟です。フィルム装填時には右写真のようにローラーが2つ付いた金具を起こし、下を通します(THREAD UNDER BOTH ROLLERSと彫ってあります)。
裏蓋の圧板は底部のロックレバーと連動し、レバーを閉側に回すとフィルムをガイドレールに押し付けるようにせり出します。
圧板やローラー類はピカピカにメッキされているので、使用時は圧板だけ薄い艶消し黒色のシートを貼っています。こうすることで多少コントラストは改善します。
鏡胴カバーにはスリット状の穴があり、シャッターチャージ時には赤いサインが出ます。レリーズは同じカバー脇、小さなノブを押下します。シャッター音は小さいですが、チャージにはガッチャ!と大きな音がします。カウンター前のボタンで巻止めを解除します。フィルム巻き戻しは巻上ノブを一段引上げて行います。

世界大戦への機運が高まる中、独コダックからのレチナ入手難を恐れて開発された、との資料もありますが、どうなんでしょうか。コダックは米国内のライバル、アーガスに価格で対抗できる物を作りたかったのではないでしょうか。

レチナ同様にアイレットが付いているところもポイント高く、お散歩カメラに最適です。
上位機種のKODAK Anastigmat-Special(3群4枚)付きや、オリーブの軍用モデルも欲しいところです。

取り敢えず撮ってから 2025/04/04(Fri) 18:26 No.2805
BOLSEY MODEL B2
BOLSEY CAMERA MODEL B2

1949年発売の35mm距離計連動式カメラ

レンズはANASTIGMAT-WOLLENSAK 44mmF3.2(3群3枚)撮影距離は2ft〜∞
シャッターはWOLLENSAK SYNCHRO-MATIC T・B・1/10〜1/200 絞りは22まで有り
セルフコッキング有り、セルフタイマー無し。重量は430g 枚数カウンターは手動セット・順算式
BOLEX・ALPAの初期設計に関わったジャック・ボルスキー氏がアメリカに渡って創業したのがBOLSEY CAMERAだそうです。
1947年発売のモデルBに二重露光防止機能が付いたのがB2です。モデルBと同じようなアルミ鋳造のボディはかなりガッチリしています。軍用モデル(黒ボディにオリーブ貼革)も存在しましたが、戦場では操作部分が小さ過ぎて使いにくいような・・
距離計は上下合致式でファインダーはレンズの真上、レリーズは鏡胴右手側。巻上解除は巻上ノブを一段(手応えがあるまで)引いてから巻上げます。巻き戻しにはロックは無く、巻き戻しノブを回すだけ。ノブは伸長しないので36枚撮りを巻き戻すと指先が痛くなります。
裏蓋開放には底部のロックレバー操作で、底部ごと外れます。
レリーズは鏡胴右手側のギザギザのついたレバーを倒すのですが、1段目で二重露光防止ピンが出て、2段目でシャッターが切れるという動作をします。これでタイミングがズレるのか、手振れ発生が多いです。カメラをホールドし難いというのもありますが。写りはレンズの状態が悪いのか今ひとつ・・
使いにくいけれど可愛らしい、私の持っている唯一のWOLLENSAKレンズ搭載カメラということでご紹介しました。

取り敢えず撮ってから 2025/04/11(Fri) 19:08 No.2808
GRAPHLEX GRAPHIC35
GRAPHLEX GRAPHIC35

1955年発売の距離計連動35mmカメラ
レンズはGRAFLAR50mmF3.5(RODENSTOCK製)撮影距離3ft〜∞ コーティング有り
シャッターはPRONTOR-SVS(B・1〜1/300sec)セルフタイマー有り
重量は695g(実測)フィルムカウンターは手動セット・減算式
セルフコッキングではなく、レリーズはエプロン部の一見セルフタイマーのようなレバーにて行う。
背面の距離計窓は左、ファインダーは右でブライトフレーム無し。巻き止めは無し。巻き戻しは巻上ノブを一段上げて行う。上級機はF2.8レンズ(構成は不明)を搭載しています。

GRAPHLEXは50〜60年代にかけて35mmフィルムカメラも積極的に販売していました。本機はGRAPHLEXが製造販売していた物としては最終機で、これより後は日本のKOWAやドイツのILOCAからOEM供給を受け販売するようになります。

上下合致式距離計はアメリカ製カメラに良くあるもので気になりませんが、フォーカス操作はレンズ左右の黒いシーソー式押しボタン、レリーズ位置はエプロン下部と、まぁ少々変わったカメラです。ケースに入れて首から下げて使う方が良いでしょう。
鏡胴上のカラフルな色分けはストロボ使用時に役に立つよう距離計窓の色分けと合わせて使用するようです。ホットシューも備わります。
裏蓋は底面ごとごっそり外れるタイプで、圧板はピカピカにメッキされているので、使用時には薄い黒色シート(梱包用の薄いテープ)を貼ります。

取り敢えず撮ってから 2025/04/18(Fri) 19:15 No.2819
ミノルタV2
ミノルタV2
千代田光学精工1958年発売

距離計連動35mmレンズ固定式カメラ。世界初のSS最速1/2000秒を実現したレンズシャッター機と言われています。
レンズはロッコールPF 45mmF2.0(5群6枚)撮影距離0.8m〜∞
シャッターはシチズン・オプチバーHS(B・1〜1/2000sec)セルフタイマー有り
カウンターは何故か巻戻し側に有り自動セット・順算式。
重量は実測780g・ファインダーはパララクス自動補正有り。露出計は無し。

1/2000秒を実現したOPTIPER-HSシャッターですが、ややカラクリが有り、1/1000では絞りがF4以上(EV値14以上)、1/2000ではF8以上(EV値17以上)の設定時に限られること。
これはシャッター羽のスタート位置をずらして羽が全開になる前に閉じる動作をする為で、余程明るい環境でないと使用出来ないことになります。
このシャッターは更に2年後に発売したミノルタV3で1/3000秒にまで達し、1/1000では制限が無くなり1/2000と1/3000で制限有りとなりました。

取り敢えず撮ってから 2025/04/25(Fri) 19:03 No.2835
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
取り敢えず撮ってから 様 とても興味深い年代のカメラ群のご紹介ありがとうございます。
ポルストのカメラは、CR-7(Fujica AX-5)を持っており、気になるブランドでした。
ほぼ同時代の一眼レフだけでも多種多様なOEM元で誠に節操がないメーカー(笑)で、特にHaponetteはじめ初級ビューファインダーカメラは謎だらけ。
ボディは簡単にRegulaKingが検索されますが、レンズのHaponarの方はおっしゃる通りほぼ出てきませんね。66のBaldaOEMはEnnaレンズをつけているようで、50mmf2.8のハポナーもエナというページもありましたが確証はありません。
謎ながらしっかりしたカメラのようで、写して楽しいでしょうね。

コダックの初級機はレンズに人気があり一定のファンが居るようです。レチナ1よりさらにプリミティブな操作性で楽しそうです。
ボルシー同様、米国大衆カメラの中で上級の下から中級層を狙うと思いますが、3枚玉で済ませているところが米国らしい。単玉じゃないから上級なのか。でもトリプレットはよく写りますから、日本人の高級志向が変なんですね。

ミノルタV2、しかも動作品をお持ちなのですね。1/2000はそんな制約があったとは。f8ならば、日中ピーカンでASA800なら使える速度。当時のネオパンSSSの限界に思える増感でしょうか。
A2当時の本を読むと、アメリカンデザインと評されています。50年代、目標にするカメラデザインは、ドイツだけでなくアメリカも一角だったのだなと思いました。V2も上に上げられたボルシーにも似ている気がします。
れんずまにあ 2025/04/26(Sat) 21:52 No.2839
Re: 35mm固定鏡胴カメラ
れんずまにあ様、おはようございます。
こちらへ投稿させていただくようになってからカメラの出自や特色をネットで調べるようになり、マニアになった気分です。しかしPORSTに関して、特にHaponette(=King)は情報が少なかったです・・。SearsやSoligorと比べ大衆機が多かったからでしょうか。
ミノルタV2は当時の「Minolta」ロゴをデザインした外部の事務所が担当したということです。ミノルタがカメラのデザインを外部に任せるのが既に50年代から始まっていたことが驚きです。
埋もれている名器、とは言えないけれど当時の熱気が伝わるような機体を求めて彷徨い続けております。
取り敢えず撮ってから 2025/04/28(Mon) 07:50 No.2841
ミノルタ オートワイド
ミノルタ オートワイド
千代田光学精工 1958年発売

距離計無しの35mmレンズ固定式カメラ。世界初(或いは2番目)の露出計連動カメラと言われています。
レンズはロッコール35mmF2.8(4群6枚)撮影距離0.8m〜∞
シャッターはCITIZEN MVL B・1〜1/500 フィルム感度設定ASA10〜400
カウンターは自動セット・順算式、セルフタイマーあり、重量は実測710g、巻上げ・巻き戻しとも底面レバー式。

35mmカメラに広角レンズブームが起きた1950年代後半に発売されました。
ミノルタAシリーズに通じる丸みを帯びたボディとレンズ鏡胴の突出が小さいのが特徴でしょうか。個性的なデザインは外部のデザイン事務所が担当したそうです。
「露出計連動」を謳っていますが、絞り・SSの設定は背面の二重になったダイヤルを操作して露出計の指針と合わせる物です。内側ダイヤルが絞り、外側ダイヤルでSSを設定します。レリーズはセレン電池の上、カメラを構えて真上から鏡胴を見ると、距離指標ではなくP(1m)・G(2.5m)・S(5m)という目測用英文字のみが彫刻されています。距離指標は90度右下に被写界深度と共に彫られています。メーカーとしては「広角は被写界深度が深いから目測で充分」と思ったんでしょうかね。距離計は無いですが、ファインダーはプリズムを使用していて、クリアで見易いです。

それほど人気が無かったのか、販売期間が短かったのか個体数は少ないようです。ただ、写りは確かでモノクロ・カラーネガともに絞ると非常にシャープで驚かされました。逆に距離計が無いのが勿体ないと思ってしまいます。

取り敢えず撮ってから 2025/05/02(Fri) 18:20 No.2849
ロードIVA
ロード(Lord)IVA
岡谷光学機械 1954年発売 

距離計連動35mmカメラ 露出計無し
レンズはハイコール4cmF3.5(3群4枚)撮影距離2.5ft〜∞
シャッターはセイコーシャMX(B・1〜1/500sec)2回巻上、セルフコッキング
重量は実測610g セルフタイマー有り カウンターは手動セット・減算式

コンパクトで個性的なロード数字シリーズです。ファインダーにはプリズムブロックが使用されていて見易く、丁寧に造られていることが分かります。
珍しいフィルムカッターが内蔵されています。底面のツマミを引いて使いますが、鋭い刃物ではありません。巻き戻しレバーは折り畳んで収納されていますが、やや使いにくい。鏡胴にある小さなレバーはスナップ撮影位置(3m付近?)のクリックストップ有無の切替。
巻き戻しボタンは普通に底面に有りますが、巻き戻し後は背面のボタンを押してリセットする必要あり。
レリーズボタンは2回巻上に連動して2段階にせり上がり、チャージ状態ではボタン根元に赤い帯が出ます。変わった形状のアイレットが付いてます。
ロードのレンズは55年のIVBでF2.8、57年の5DではF2.0へと進化して行きます。

岡谷光学機械は東京光学の疎開工場として40年代初めに設立され、陸軍向け光学製品などを製造していました。戦後も双眼鏡などの製造を続け50年代前半からカメラ製造を開始。カメラ製品名には一貫して「Lord」が頭に付きますが「Lord」は東京光学が戦前に製造していたカメラのブランド名でした。岡谷光学機械は60年頃にはカメラ製造から撤退しました。

取り敢えず撮ってから 2025/05/23(Fri) 18:28 No.2867
オリンパス35SU
オリンパス35SU(後期型)
オリンパス光学1959年発売

レンズ固定式距離計連動35mmカメラ、露出計非搭載
レンズはGズイコー4.2cmF1.8(5群7枚)
シャッターはセイコーシャSLV(B・1〜1/500sec)セルフタイマー有り、LVリング連動有り
重量は実測670gカウンターは自動リセット・順算式、ブライトフレーム・パララクス自動補正有り


1955年にレンズ固定式距離計連動カメラとしては日本で初めてF2.0を切るF値1.9レンズを搭載して発売された35Sの後継機です。
SU型は1957年に発売され、金色のSマークが付くのは1959年から販売された後期型。初期型ではエプロン部にあったセルフタイマーもシャッター内蔵に変更されています。他にF2.0付き、F2.8付の物もあるようです。
F2.0以下のレンズを持つ他社のカメラはボディも大柄ですが、この機種は割合小型で取り回しは良いです。オリンパスは小型ボディに拘りがあったのかも。

本機は見てくれは汚いですが、レンズは状態が良くとてもシャープに写ります。メッキの錆びた部分を上手く塗装出来ればやりたいところです。

取り敢えず撮ってから 2025/05/30(Fri) 18:34 No.2869
フジカ35オートM
フジカ35オートM
富士写真フイルム 1962年発売

セレン電池式SS優先オート・マニュアル可の連動距離計搭載35mmカメラ。
レンズはフジノンR4.7cmF2.8(3群4枚) 撮影距離0.8m〜∞
シャッターはコパルマジックで B・1/30〜1/500 セルフタイマー無し フィルム感度ASA5〜200 
重量は実測720g 露出補正有り パララクス自動補正有り カウンターは底面で自動リセット・順算式 巻き上げも底面。

大きくデザインは少し野暮ったいですが「夢のシャッター」コパルマジックを日本国内で唯一搭載したカメラです。
このシャッターは基本はシャッター速度優先のプログラムですが、5つの速度それぞれにプログラムラインを持ち、指定した速度での露出値がオーバーまたはアンダーになる場合、速度をシフトしてその速度のプログラムラインに自動で設定するという機能を持っています(マニュアル操作も可能)。
しかもその機能は内部に取付られた露出計の針押さえだけでメカニカルに実現しています。写真撮影の失敗を機械的に防いでくれるところが”夢”という訳です。
デメリットとしては速度・絞りの変更が行われても撮影者には変更内容が明示されない、部品点数が多くコストが高い、故障が多い(絞り・SS変更はチャージ後に行うのが必須)、シャッター部品の容積が大きい為レンズの直径を大きく出来ないなど。
結局「夢のシャッター」を積んだカメラはこの機種1台だけで終了となり、その技術は旧ソ連に渡りました。
※ソビエトカメラのスレッドに関連機種を投稿します。

取り敢えず撮ってから 2025/06/06(Fri) 18:18 No.2876
フジカ V2
FUJICA V2
富士写真フィルム1964年発売

距離計・露出計連動35mmレンズ固定式カメラ。SS優先オート・マニュアル露出可
レンズはフジノン45mmF1.8(4群6枚)撮影距離0.9m〜∞
シャッターはシチズンMLT(B・1〜1/1000sec)セルフタイマー有り 感度設定ASA25〜400
カウンターは自動セット・順算式 使用電池はH-D1ケ
重量は実測780g ファインダーはパララクス自動補正有り

比較的仕上げの良い高級感のあるカメラです。ファインダーにはプリズムブロックが使われていて見易く、視野下部にSS、右側に絞り値が表示されます。本体左上のダイヤルはCDSを配したフィルム感度設定用のもの。
フォーカス操作はこの時代のフジ機には幾つか例のある背面のダイヤルで行うもので、カメラを両手で構えたまま右手親指で操作できる。
写りもこのクラスではかなり上位に入るかと。ただし1964年と言えば、カメラはそろそろ小型化・軽量化の波が押し寄せる頃ですね。

取り敢えず撮ってから 2025/06/12(Thu) 19:24 No.2885
リケン35
リケン35
理研光学工業 1954年発売

距離計連動35mmレンズ固定式カメラ 露出計は非搭載 巻上は底面トリガーと軍艦部ノブ両用
レンズはリケン・リコマット45mmF3.5(3群3枚)富岡光学製 撮影距離は3ft〜∞
シャッターはリケン(B・1/25〜1/100sec)セルフコッキング有・セルフタイマー無し
重量は実測615g カウンターは手動セット・順算式

リコーの35mmカメラとしては戦前のスーパーオリンピック・戦後のリコレットに次いで3機種目。1953年発売のリコレットにトリガーと距離計を搭載したようなものです。ほぼ同じデザインのリコー35という機種も有り、さらにセイコーシャッター付の機体も存在する為、天板の刻印で見分ける必要があります。
シャッター周りの独特なカバーはシャッターチャージとレリーズのレバーを隠すためのものでした。
トリガー巻上部分のついた裏蓋兼底蓋は後のリコー519デラックスと共用出来ます。ファインダーは分解できませんでしたが、明るくハーフミラーもクリア。SSの設定範囲が少ないのが玉に傷ですが、写りもは良いです。

取り敢えず撮ってから 2025/06/20(Fri) 19:04 No.2892
リコー519デラックス
リコー519デラックス
理研光学工業 1958年発売

距離計連動35mmレンズ固定式カメラ 露出計は非搭載 巻上は底面トリガー式
レンズはリケノン45mmF1.9(4群5枚)富岡光学製 撮影距離は3ft〜∞
シャッターはセイコーシャMXL(B・1〜1/500sec)セルフタイマー無し・LV値によるリング連動有り
重量は実測675g カウンターは自動リセット・順算式

デラックスの名に恥じない各部の仕上げとメッキが煌びやかなカメラです。ただ鏡胴のリングまでピカピカにメッキされていて晴天時はダイヤルの数字が見にくいです。
トリガー巻上げのカメラには巻上げノブと両方付いている機種も有りますが、こちらはトリガーのみです。しっかりとした造りで感触も悪くないです。ファインダーはパララクス補正は無いものの、プリズムを使用していて明るくクリア。シーソー式のフォーカシングも2眼レフでは見かけますが35mmカメラでは希少ですね。無骨なデザインですが写りも良く気に入っています。
※正面左肩の「RICOH」文字の下に円が二つと真ん中に縦棒のマークが有るのですが、これの意味って何でしょうね。当時の複写機リコピーの広告にもこのマークが入ってました。この時代の幾つかのカメラにだけ見られるマークです。

取り敢えず撮ってから 2025/06/20(Fri) 19:05 No.2893
Beirette・Beirette vs
Beirette・Beirette vs
Beier 1959年頃・1970年頃

東ドイツBeier社製35mm目測コンパクトカメラ
レンズはE.Ludwig Meritar45mmF2.9(3群3枚)
シャッターはB・1/30〜1・125 セルフコッキング有 セルフタイマー無
カウンターは手動セット減算式 重量は実測365g・350g(vs)外装は金属で内部はベークライト製

1920年代からカメラ製造を始めたBeier社は大戦前初期には120フィルムやボックスカメラ、1931年には早くも35mmカメラの製造を始めました。
6×9と35mmフォールディングカメラの両方にライツのエルマーを搭載したモデルが存在していたことで知られています。
大戦後は東ドイツ側で数少ないKGとしてカメラを製造していましたが1970年代にはVEBに併合され、1990年近くまでベーシックな小型カメラを製造しました。
写真のBeiretteはBeierの息の長いモデルで、十数年間大きなデザイン変更無く販売されました。Beiretteの名称はその後プラスチック製カメラとなっても1990年頃まで使われたようです。
裏蓋の脱着はユニークで、側面の金具を回転させて外します。フィルムカウンターのリセットは巻き戻しノブを少し引いて回します。
小さく可愛らしいデザインにやられて手に入れてしまいましたが、レリーズの位置か、またはホールドしにくい大きさのせいかブレやすいです。
レンズの描写は悪くないので、ケーブルレリーズか外付けセルフタイマーを接続して愛用しています。

取り敢えず撮ってから 2025/06/27(Fri) 18:58 No.2896
KODAK35RF
KODAK 35(RF)
Eastman Kodak

1940年発売の距離計連動レンズ固定式35mmカメラ
レンズはKODAk Anastar50mmF3.5(構成不詳※)撮影距離4ft弱〜∞
シャッターは自社製FLASH KODAMATIC T・B・1/10〜1/200セルフコッキング・セルフタイマー有り
カウンターは手動セット・順算式 重量は実測705g

1938年発売のKODAK35(2805に投稿済み)は距離計非搭載でした。ライバルArgusとの差を埋めるため、ボディを大幅に変更することなく距離計を載せた物、それがこのKODA35RFです。漸く使用できるまでにレストアしました。
腰下部分はほぼKODAK35のまま、ファインダーと距離計窓を軍艦部に内蔵し、レンズ鏡胴からボディ内へ距離計用アームを付け足してカバーで覆い、フォーカシングには歯車状の突起を取付けました。後付け感が何とも凄いです。この目立つ距離計アームのカバーはプレス物ではなく、ワンピースの鋳造製です。レンズの清掃には距離計アームを外す必要があるので、当然トップカバーもバラすことに。ファインダー等のガラス部品は全てリベット止めです(下の写真は、レンズを清掃するために外す必要がある部品を示しました)。
背面の距離計窓は非常に小さい(2o×3mm位)ですが、上下像合致式なので使いにくいというほどではありません。
レリーズ位置も変更なしで、前面歯車の少し上のカバーに覆われた小さなレバーのまま。母体が同じカメラなのに奇妙な外観の重いカメラになってしましました。この機体はレンズの記号から末期の1950年製でした。

※Brian Wallen氏のページによるとAnastarレンズは改良型(Modified)テッサータイプで元のAnastigmat-Specialと同じということです。

取り敢えず撮ってから 2025/07/04(Fri) 18:42 No.2911
ピント合わせグッズ
前玉回転式のレンズを清掃した後に、ピントの調整をするのが毎度面倒でした。アパーチュアにトレーシングペーパーを貼り、その上からプラバンを貼って平面にしてから明るい目標に合わせて調整していたのですが、老眼+乱視では見難い。
そこで思いついたのがこの方式です。
格安のニコンFM2に取り付けられていたNPCプロバックの中のレンズ?(←名称が分かりません)
アパーチュアの寸法より少しだけ大きく(27×39mm)、素通しに裏面が映るので、ジャンクのPEAK製ルーペ(少々レンズが劣化しています)を接着剤で取付けてみました。
結果これ明るくて、蛍光灯の室内でも良く見えます。わざわざ屋外で三脚に乗せてピント調整することが無くなりました。

取り敢えず撮ってから 2025/07/04(Fri) 19:04 No.2914
リンホフ テヒニカ70

Linhof Technica 70

1962-79年製造
6x7cm判、主にブローニーフィルムを使用する合金製テクニカルカメラ。距離計連動1眼式ビューファインダー、セレン単独露出計つき。
重量2230g(ボディのみ)

日本国内価格:351000円(70年,ボディのみ),398000円(73年,ボディのみ)(エキスパート70は253000円)
ムーブメント:フロント光軸ティルト上下それぞれ15度、シフト左右25mm、ライズ(ギア)32mm、フォール(15度ドロップベッド併用)34mm、スイングなし、後部スイング/ティルト15度(引き出しロッド長20mm)、
フォーカシング:ラックアンドピニオン(ブレーキあり)、レール二段伸ばし、ベローズ延長310mm
基本構造、レンズボード、回転カムなどアクセサリーはスーパーテヒニカ23Vと共通。

画像:ベッド収納状態の全体像、入射光アダプタ、アナトミカルグリップつき。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:17 No.1574 [返信]
ファインダー
ファインダー:採光式ブライトフレーム等倍、実像式距離計連動。広角標準は4ft(1.2m)まで、望遠180mmは6.5ft(2m)までパララックス自動補正しながら距離計連動する。基線長は93.5mmと、中判RF機では最も長いものの一つであり、焦点距離240mmレンズを中距離まで連動できる精度がある。また無限遠と600ft(180m)の距離の違いを識別できる。
参考:*https://www.shutterbug.com/content/classic-camerasbrthe-linhof-technika-70

画像:ファインダーとフレーム切替 広角・標準枠は常時表示、望遠枠を出すか消すかをダイヤルで切り替える。ダイヤル下方に距離表示。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:20 No.1575
ファインダーフレーム
ファインダーフレームは交換レンズにあわせてタイプ1:65/100/180、タイプ2:53/80/180、タイプ3:53/100/180 があり、購入時に選択し、少なくとも現在においては変更できない。
広角・標準が常時表示され、後部ダイヤルで180枠を追加する。このファインダーはライツ製という話を聞く。実際見え味はM3に匹敵する。
さらにヘリコイドレンズ交換のプレス70はフレーム自動切替であり完全にライカMの機能を備えている。(訂正:2022年に改めてプレス70の実機を確認したら、テヒニカ70と同じく53/80と+180の手動ダイヤル切り替えでした。大昔の店舗で見た記憶だけでしたのでお詫びします。)

追記:ファインダー視野上端中央に上下の三角指標が見えます。これは水準器で、指標を合致させるとローリングとヨーイング両方で水平になります。外部からは水準器は見えません。ただし縦位置(テヒニカ70を普通に保持した時)専用で、カメラを横倒しにすると水準を取ることはできません。

画像:180mm枠を表示したタイプ1ファインダー 中央の距離計は枠が縦位置のとき左右に像が動く。ライカMと同じく実像式で上下像合致も可能。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:21 No.1576
内蔵露出計
向かって右の距離計窓周囲にゴッセンのセレン露出計が配置され、左のファインダー窓とデザイン上のバランスを取っている。同時期の他社カメラにも見られるように、入射光測定用のカバーが装着出来、カバーを外せば一般的な反射光測定になる。測定値は軍艦部上面のメーター窓周辺のダイヤルで追針しシャッター速度と絞りの組み合わせを読み取る。

画像:ボディ上面にある露出計表示部

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:22 No.1577
日本での価格
1970年5月「フォトアート特集大型カメラ70台」によると、ハッセルブラッドを輸入していたシュリロ貿易が代理店であった。

リンホフのプレスカメラは、スーパーテヒニカV4x5、5x7、テヒニカ5x7、リンホフ・テヒニカ70、エキスパート70、リンホフ・プレス70、エアロプレステヒニカ70、エアロテヒニカ4x5が紹介されていた。エキスパートとは、テヒニカ70の露出計・距離計ファインダーを省略したホースマンVHのような軽量化機種である。
日本国内価格:351000円(70年,ボディのみ)(エキスパート70は253000円)

1973年「フォトアート特集大型・中型カメラの選び方使い方」では、エキスパートが消えたかわりにスーパーテヒニカV23が導入された。プレスとエアロテヒニカは明確に6x7と記載があるが、テヒニカ70は6.5x9とされている。
日本国内価格:398000円(73年,ボディのみ)

1979年に70は終了し、以後はリンホフの中判テクニカルカメラはスーパーテヒニカV23単独になった。

ところが、ウェブ画像検索すると、エキスパート70とスーパーテヒニカVが同じ説明書に掲載されているものがある。
そこでは、Super Technika V(大書されこちらがメイン)連動距離計つき、Expert 70(小さめ)距離計なし、となっている。
日本への供給が止まっても、ある程度Vと併売された(売れ残り?)と見える。

Expert 70は英語圏向けの名称で、ドイツ語圏は「Studienkamera 70」研究/調査カメラという呼称のようだ。

画像:エキスパート70(フォトアート1970,5月より)

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:25 No.1578
アオリ機構について。他機種との比較
大型のアナトミカルグリップが装着でき、距離計連動手持ち撮影を重視しているが、カメラ固定しフォーカシングスクリーンを使ってパースペクティブコントロールや、超近接(100mmで3倍まで)、レボルビング縦横切替撮影ができる万能性を併せ持っている。

それに対して距離計連動撮影に特化したプレス70は、上記のようにボディクランクによるフィルム巻き上げ連動セルフコッキングという、35mmカメラ並の操作自動化がなされたかわりに、プレス専用スーパーローレックスとボディの間にギアカップリングがあり、レボルビングとバックアオリはできない。フォーカシングはヘリコイドなので最短撮影距離が遠く、テヒニカ70のような万能性はない。(フォーカシングスクリーンバックは縦位置装着可能でバルブ開放下で焦点合わせできる。)

アオリ操作は後のスーパーテヒニカ23Vと共通で、IVと較べ左右のスライド追加、及びティルト軸がベースからボード中心に変更され、後傾に加え前傾もできる。ただし23Vまでフロントスイングは付かなかった。またベッドダウンを併用しなければフォールができない(これはテクニカル全般がそうであろう)。いずれにせよフロントムーブメントは十分すぎるほど充実しており、特にもっとも頻用するライズはギアで微調整が効く。

余談ながらホースマンは985以後フロントスイングを装備したが、985はレボルビングできない。それに対して、元からレボルビング可能なリンホフはカメラを横倒ししティルトすればスイングと同じになるから敢えて装備しなかったと考えられる。ホースマンはVH以後レボルビングできるようになったが、スイングはそのまま継承された。
バックアオリは4隅のロックノブを緩めてロッドを引き出す方式で、ホースマンやマミヤプレス23に模倣された馴染みがある形式である。ただしマミヤプレスはロックが華奢で、シートホルダーはともかく重いロールホルダーでは実用性が低いが、リンホフはノブを締めるとビクともせず、最も重量級のスーパーローレックスでも構図がずれることはない。

リンホフ70はスーパーテヒニカ23Vに準じる、(唯一ライズ時は上面フラップがないためライズ量が制限される)最高レベルのアオリ機能を持っている。
ただしテクニカルカメラである限界で、ビューカメラの簡単明快なアオリ作業と較べると、操作に癖があり、熟練と洞察が必要である。それは我々アマチュアにとって使いこなす楽しみでもあるが、煩雑であることは否定できない。
しかしリンホフカラー45という、前後のアオリが全くマスターテヒニカ45と同じ操作系をもつモノレールビューカメラが存在しており、積極的にテヒニカの操作系を好む層もあったと考えられる。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:27 No.1579
交換レンズ1
交換レンズラインは、機種別画像掲示板 リンホフテヒニカ23(6x9)狸おやじ様の純正レンズ一覧表を参照ください。

私は自分で経験したレンズ寸評をします。単体レンズは他機種での経験も含みます。

標準
80mmはプラナーf2.8がラインアップされました。開放から6x7をカバー、f11から6x9を十分カバーします。おそらくRolleiflexに装備されたものと同じではないかと思いますが、6x7では準広角、絞れば6x9の広角として使用出来る、明るく信頼できる優秀レンズです。グラフレックスXLにはヘリゴン80/2.8がありますが、リンホフにも供給されたのでしょうか?
100mmクラスは、105/3.5テッサー、105/4.5アポランサー、100/2.8プラナー、100/2.8クセノターと、少数の90/2.8、90/3.2ヘリゴン、100/4クセノターがあります。V型ボード付きジンマーS100/5.6もありますが23V時代でしょう。
100mmは開放から6x9をカバーし、何れも優秀です。90は基本6x7用で絞れば69をカバーするとされていますが、開放でも69カバーするのではないか?と思っています。また100/4クセノターは実焦点距離が95mmで67用とされ、存在意義がよくわからないレンズです。
この中では最高画質はジンマー、明るい開放から実用的ピントをご希望ならプラナーとクセノターf2.8がお勧めでしょう。
アポランサーはトリプレット発展3群5枚なのでイメージサークルは狭いのですが、画質はジンマーに匹敵します。また開放が暗めで元々製版レンズだっただけに近接は得意です。私はボケはあまり気にしないのですが、構成上良いボケは期待できないかもしれません。
テッサーは他機種の経験で、写りは及第点ですがアポランサーほどシャープでなく、イメージサークルが狭いので、わざわざテクニカルカメラで使うには不満が出るかも。
ヘリゴン2.8はリンホフでは経験ありませんが、多分グラフレックスXLの95mmと実焦点距離は同じかと思います。XLでポジ撮影した時は非常に良い印象でしたが、ぺんこたん様がリンホフ23IVで試され周辺画質が不満足であったそうです。
ジンマーは前玉外しで176mmf11になる元祖ジンマーと、二焦点ではないジンマーSがありますが、元祖はリンホフでは経験ありません。6x9範囲では100mmとしては非常に高性能で、現代に通じる規範となる画質です。ジンマーSは周辺の非点収差を改善したとされ、ディスプレースメントの自由度が拡大したと考えられます。

画像:前列左からXenotar100/4、Xenotar100/2.8、Symmer-S100/5.6、後列左からSuper-Angulon 65/8、Tele-Arton180/5.5、Apo-Lanther105/5.6

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:29 No.1580
交換レンズ2
95-100mmf2.8クラスが別ボディながら4機種揃いましたので全比較しました。

私が高く評価するマミヤプレス用セコール100mmf2.8は、海外ブランドに伍して今回も良好な結果でした。

100mmf2.8のプラナーとクセノターは、どちらも無限遠では開放から全画面優秀、少し絞ると画質が締まります。近接1mではクセノターのほうが像面湾曲が強く、周辺は焦点面が手前側に倒れています。6枚玉に匹敵する5枚玉といえど、1枚落ちで大口径と近接収差の両立は難しかったのかも。プラナーは1mでの像面湾曲は多少ましで、さすが構成が1枚多く平坦を売りにしているだけのことはあります。

こちらに画像を出していませんが、クセノター100mmf4は、f2.8ほど近接で像面湾曲は見られません。無限遠画質は同絞りのf2.8と同レベル、近接もマクロと言えるほど突出して尖鋭でなく、さりとてイメージサークルが特に広いわけではない。このように存在意義を疑っていましたが、像面含めバランスがよい所にメリットがあるのかもしれません。

ヘリゴン95/2.8(グラフレックスXL)は開放から四隅まで非常に端正で、やはり私の個体は当たりだったと再確認しました。

画像:左上Sekor 100/2.8(Mamiya Press)、左下Heligon 95/2.8(Graflex XLS)、右上Planar 100/2.8(Century Grafic)、右下Xenotar 100/2.8(Linhof Techinica70)

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:30 No.1581
交換レンズ3
広角
45mmf4.5Biogonを海外サイトで見掛けますが現物を見たことはありません。恐ろしく少数なのでしょう。6x7用とされています。
47mmが使えるのを、前の一覧で初めて知りました。大変興味深いです。ネット通販で、テヒニカ23レンズボードにヘリコイドを内蔵した47/8を見たことがあり、あるいはそれを使うのでしょうか。いずれにせよSuperangulon(SA)47mmはf8,f5.6,MCf5.6共に大変素晴らしく良く写るレンズです。その中でMCは鮮やかで明快、f8は超小型軽量で、中心は開放から超繊細、周辺はf16より絞ると6x9周辺画質がかなり向上します。ところで47mmフランジ位置はボディ内部に沈み込むためアオリはほぼ不可能。ベッド写り込みも懸念され、縦位置可能なのか疑念があります。ファインダーも外付け(縦位置困難)となり、リンホフ70で使うメリットを感じられません。47mm以下は単能の広角専用機のほうが機能的ではないかと思っています。ただ、何しろ重いシステムですから他にもう一台はきついので、鞄に一本放り込んでおけば活躍するかもしれません。
53mmクラスは絶品であるBiogonf4.5と、SuperAngulonf4があります。友人がSAを持っていますが、かれはBiogonのほうが好みのよう。ただBiogonは大変大きく重く、SAは細身です。グラフレックスXL改造品のBiogonで、後玉スリーブの4突起の角度が悪く6x9端が蹴られたことがあり、スリーブを回転させ突起位置を調整し解決しました。ご注意を。リンホフ70でベッドダウンが必要かどうかは存じません。ネット画像ではテヒニカIV装着でドロップベッドしていないようですが、巨大で前玉が出ているのでベッドでけられないのでしょうか。
58mmGrandagonf5.6もラインにあるようですが、58mm用ファインダー視野枠はありません。グラフレックスXLの経験ではたいへん優れた広角です。
65mmはSuperangulonf8とf5.6です。47mmf8では6x9の周辺画質が若干甘く感じることがありますが、65mmは4x5をカバーできるイメージサークルの中央を使うため、開放から6x7-6x9全画面にわたって高画質です。余談ですが、リンホフ4x5ボードに65/8とヘリコイドが組み込まれたものも存在します。後にシュナイダーが供給したヘリコイドと違ってボードから突出しない薄型で、広角用フォーカシングデバイスを必要としない優れものでしたが、一般的ではなさそうで残念です。またIII-IV廉価版セット(Tessar100/3.5、Angulon65/6.8、Tele-Xenar180/5.5)に含まれる広角アンギュロン65mmf6.8もあり得ますが、III-IV型凹ボードセットのみでV型ボード組は未見です。

65/8は開放から画面隅々まですばらしい解像とコントラストで、暗いけれど十分実用的です。

画像:スーパーアンギュロン65mmf8 ベッドダウン、前板アップティルトしています。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:33 No.1582
交換レンズ4
望遠は,180mmが主流です。
私の70付属はテレアートンf5.5でした。ボードに隠れる後玉は大きいのですが、シャッターより前は標準並みに小型。Tele-Artonはf4.5も存在しゾナーなみの巨大な前玉ですが未経験です。
他にコンパクトな望遠は、ロテラーf5.5、テロマーf5.5いずれも端正な画質で信頼できます。
またIII-IV時代から最高級セットにはゾナーf4.8が組み合わされていました。ビオゴン53と違ってゾナーはグラフレックスXLにも供給されたため数が多く、価格的にこなれています。

個人的にはゾナーとテロマーが最もシャープ、ロテラーは柔らかく諧調にすぐれ、テレアートンは中庸で端正です。
III-IVの廉価セットにはテレクセナーf5.5が組まれていました。Tele-Xenar180は3本試して良くないものもありましたが、最近入手した1本は良好で、本来はよく写るはずです。イメージサークルが上記4機種に較べ狭い(35° vs 41°)分安価で、サイズが小型なのはメリットです。

1980年代には中判テクニカル用テレタイプが絶滅したため、23V用望遠にはジンマーS180/5.6が供給されていました。リンホフは前述のようにレールが二段伸ばしで伸長に余裕があるため、対称型長焦点でも実用的な距離まで焦点が合うのが利点です。

240mmまで距離計連動可能ですが、1つのディスクカムには3焦点距離しか対応できないので、240には別ディスクを用意するか、広角,標準,中望遠のどれかのかわりに240対応するしかありません。私は未経験です。
距離計連動しないでよい場合は、レール伸長が310mmありますから、対称型300mm、テレタイプ400mm程度まで無限遠が出るでしょう。後玉径62mm以下、シャッター最大径80mm以下なら装着可能です。
リンホフはレールが二段のため1段のホースマンやグラフィックより長焦点に強く、応用範囲が広くなります。

画像:テレアートン180/5.5

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:36 No.1583
ピントグラスバック
70シリーズの特徴は、ファインダーが縦位置専用であることです。フィルムホルダーを縦位置装着しないと大変な目に。レンジファインダー撮影での横位置は、レボルビングせずにカメラを横倒しです。

テヒニカ70はレボルビング横位置も可能ですが、ファインダーは追随しませんので、視野を確認するにはじっくり焦点板を使のが基本、もしくは外付ファインダー、あるいは山勘撮影を強行するしかありません。等倍ファインダーなので山勘もそう捨てた物ではありませんが、ブライトフレームがよくできていますから、つい横にしたのを忘れてふらふらフレームで作画しかねず危険きわまりない。(もしかして、広角フレームの左右は標準レンズの長辺相当と見当付けて使える?)

もうひとつ、ファインダーフレームのプロポーションは6x7(56x72、国産と較べ少し横長)です。フレーム外が大きく写り込む大雑把なグラフレックスXLと違い、リンホフ70ではライカM3なみに厳密なファインダーフレームなので、56x84mmの6x9バックを付けたときは脳内で範囲を換算しないと意図せず長辺が余計に写ることになります。他社6x7ホルダー、例えば実画面56x68mmのホースマン10EXやグラフレックスホルダーRH10を装着するときは、逆に長辺がフレームより僅かに短く写ることになるでしょう。

さて、私の70に付属してきたピントグラスバックは、貼革の色合いからリンホフ23IV用とのフルーツポンチじゃないかなと思うのですが、如何にも縦位置専用の被写界深度表を見ると果たしてそうなのか確証が持てません。
ジャンク70(?)付属のピントグラスバックが本来のセットなのかもしれませんが、スクリーンは交換できますから今となっては不明。

(追記:2022年にプレス70ボディを確認したら、上記テヒニカ70に付属していたものと同じ貼革色調のピントグラスバックが付いていました。プレス本体はテヒニカ70ボディと同じ色ですから、これで正規のセットである可能性が高い。プレスもポンチを否定できませんが。ではジャンク70ボディに付属していたピントグラスバックは一体何? 余談ですがプレス70のピントグラスはグリップと干渉してレボルビングできないようになっています。強引な気がしますが、プレス70は縦位置専用カメラなので合理的です。取り外して横装着することは可能ながら、普通しないと思います。)

画像:ピントグラス2種、左:Technica70付属、スクリーンに56x72表示,右:ファインダー外れジャンク付属,56x72と2-1/4x3-3-1/4の二重表示

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:38 No.1584
グラフロックアダプター
さて、リンホフ70は蛇腹後端の開口部が79x79mmしかない(二個体で確認)ため、6x9フルフレームが写らない6x7専用機と以前記載しましたが、誤りを訂正します。
ホースマン8EXホルダーで実写すると、縦横位置ともに、少なくとも100mm標準レンズでは56x84mmをカバーしています。蛇腹を伸ばすと、けられないようです。お詫びして訂正致します。

画像:ミズタニアダプター

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:39 No.1585
ファインダーなしボディ
これはジャンク箱で見付けたファインダーブロックが外されたボディ。色合いが私の個体と違うので果たして70かどうか確証はありませんが、距離計連動アームが残っていて、Vボードなのは70としか思えません。見てくれは不良ながら、機能的には(ナンチャッテ)エキスパート70です。ファインダーがないと非常に小型で軽量になり、出撃の敷居が低くなります。リンホフ70と違って横位置を主体にしています。すると65mmでもベッドダウンが必要でなくなり、レンズ交換が楽です。言うまでもなく焦点板専用。

画像:「ソードオフ70」フジノンA180/9つき、フロントライズしています。蛇腹表面ひび割れてますが漏光はない模様。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:42 No.1586
ファインダーなしボディ2
撮影は、純正焦点板とスーパーローレックスのペアでよいのですが、ミズタニのリンホフ23ーグラフロックアダプターとホースマンロールホルダー(後期,プラスチック製)を組み合わせれば圧倒的に軽量です。

ミズタニのアダプターは精度に問題がある個体があり、私の2個のうち1個はリンホフとフランジバックがずれていて、リンホフのスプリングバックと互換性がありません。しかし、ホースマンのピントグラス、またはアングルファインダーを使えば、グラフロックのフランジが一致するため全く問題ありません。

難を言えば、リンホフのバックはワンタッチで脱着できるのに、グラフロックは2カ所のロックなので煩雑になる所。ところが私のような粗忽者はリンホフバックの焦点板を縦位置で構図決めたのに、頻繁にスーパーローレックスで横位置撮影するものですから、ミズタニのほうが失敗防止できてまさに「フール・プルーフ」だったりするのです。

画像:「ソードオフ70」ミズタニアダプター+ホースマンアングルファインダー、バックのティルトをかけています。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:44 No.1587
スーパーアンギュロン65mm使用法
広角65mm使用法 *狸親父様のリンホフ23のスレッドもご参照ください。

1,ベッドを90度に起こし、ベッドの向かって左側にある、ディスクカム切替レバー(→)を押し込んでカムを「65」指標に合わせる。レバーがロックされている場合は銀のロック解除ボタンを押しながら操作する。
2,1段目(外側)レールを伸ばすと、ベッド基部のディスクカム(→)に黒点と65数字が見える。
3,ベッドレールをもっとも引っ込んだ位置に戻し、レール両側にある前板ストッパー(→,65mmは黒)を立ち上げ、前板をストッパー位置まで引き出す。65mmレンズボードを装着する(これは最後でも良い)。
4,ベッド向かって右側の、2段目(内側)レールストッパータブ2個のうち、先端側のタブ(→)を押さえてストッパー解除しながら、
5,内側レールを奥にずらせる。ベッド90度ではタブが噛み合う位置まではいかないので、操作6にうつる。
6,ベッドを畳むときと同様に両側のタスキを押さえ、ベッドを下に15度ダウンした後、内側レールを奥側のストッパータブ(→)がカチッと噛み合うところまで奥に押し込む。
7,前板向かって左のティルト固定用ダイヤルノブ(→)を緩め、中心を押し込むと前板ティルトロックが外れ前板が可動になる。
8,前板をいっぱいまでアップティルトする(→)と、ベッドダウン状態で前板がフィルム面と平行になる。

画像:SA65使用法

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 13:46 No.1588
65mm画像
Super-Angulon 65/8,f16,1sec, Fuji160NS, 三脚,距離計による撮影。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 15:29 No.1589
105mm画像
Apo-Lanther105/4.5,f16,1/15,三脚,ピントグラスによる撮影。

れんずまにあ 2019/09/15(Sun) 15:31 No.1590
システム重量
狸おやじ様に倣って、システム重量を測定しました。

テヒニカ70ボディ(ピントグラス,レンズなし)         1900g
        (ピントグラスバックつき)          2270g
        (Apo-Lanthar105、ピントグラスバックつき) 2550g
        (AL105+ローレックスつき)         2950g
        (AL105+ローレックス+グリップ)      3250g

テヒニカ70ボディ(ファインダーなしジャンク)         1340g
        (ジャンク+リンホフピントグラス)      1700g
        (ジャンク+ミズタニ+ホースマンピントグラス)1620g
        (Apo-Lanthar105+ホースマン8EX+ミズタニ)2150g

ボード付きレンズ
Xenotar100/2.8                        390g
Xenotar100/4                         280g
Apo-Lanthar105/4.5                      220g
Symmar-S100/5.6                       200g
Super-Angulon65/8                      330g
Tele-Arton180/5.5                       310g

パーツ
スーパーローレックス56x72                   820g
ホースマン8EXP                        420g
        (+ミズタニG-Lアダプタ)           600g
アナトミカルグリップ+レリーズ                 290g
ピントグラスバック                       370g
ホースマンピントグラス(フードなし)               95g
           (アングルファインダーつき)       310g
ミズタニG-Lアダプタ                      180g

テヒニカ70(ピントグラス、グリップ)、105、65、180、ローレックス 4710g
ファインダーなし70、105、65、180(フジノン)、ミズタニ、ホースマンピントグラス、8EX 2795g

画像:「ソードオフ70」+ミズタニGraflock-Linhofアダプター+ホースマン8EXP-120ホルダ

れんずまにあ 2019/09/19(Thu) 20:23 No.1595
Re: リンホフ テヒニカ70
素晴しいスレッドと詳細な情報をどうもありがとうございます。
テヒニカ70は憧れのカメラですが,これまで手に持って操作したことが無いのでとても参考になります。

れんずまにあ様のカメラセットは,やはりレンズが最高ですね。
Heligon95mmやApo-Lanthar105mmは,私にとって憧れのレンズです。特に,Apo-Lantharは黄ばみも無くきれいな状態に見えます。撮影結果も素晴しく魅力的です。ボケも綺麗に見えます。私の予想ですが,Tronnierが設計したApo-LantharはHeliarのアポクロマート改良型で,同氏のTelomarと同様に絞りを開けるととても綺麗な(トロけるような)後ボケをするのではないか思われます。私もいつか手に入れて撮影してみたい幻のレンズですが,最近はE-Bayでも20万円を越える高値になってしまい全く手がだせません。

狸爺はとても羨ましく思っております。
狸おやじ 2019/09/19(Thu) 21:49 No.1596
Re: リンホフ テヒニカ70
ご評価賜り恐縮です。

この3本セットは以前申し上げた通りレンズ名記載がないままセット999ドルで出ていた代物で、今でもKEHのout of stockで画像を見ることができます。円高も尻を押してくれたものの全くの博打でした。
内容が謎なので、みんな怖がって手を出さなかったのでしょう。幸運でしたが、いつもそうとは限りません。

Apo-Lantharは元々製版レンズ設計の流用だそうで、ボケがどうか検討していません。大変尖鋭なのは確かに仰る通り、開放f4.5でも四隅まで整った画質で手持ちの範囲を広げてくれます。
トリウム含有高屈折ガラスのため黄変している個体も多く、センチュリーに入れている新コンパー100/4.5はかなり黄色いですが、このリンホフコンパー105は比較的クリアなようです。

Ebayでそんなに高騰しているとは驚きです。これもf4.5だからもしかして、と飛び込んだのが幸運でした。
一方、100mmは30年前店舗で16万円も出しました。初心だったし、独身時代だから飛び込めたのです。
れんずまにあ 2019/09/20(Fri) 20:41 No.1597
Re: リンホフ テヒニカ70
テヒニカ70とApo-Lantharの3本セットで$999は破格値ですね。
今ならレンズだけで2倍の値段になりそうです。

不思議なことに,最近は大判用のレンズより中判用のレンズの方が値段が高い。Apo-Lantharも中判用の105mmの方が大判用の150mmより値段が高い。私の想像ですが,デジタルへの移行でプロやハイアマチュアの方々が使っていた大判カメラが中古市場に供給され,大判のテヒニカ45やそのレンズ周辺の値崩れが起きている。中判も一眼レフフォーカルプレーン系やレンジファインダー系は値段がかなり下がった。でも,なぜか中判テクニカルカメラやボードレンズは値段があまり下がらない。

もともと個数が少ない為か,物好きな変人がしぶとく使っている為か,はたまた何か別の理由か...?

中判テクニカル使い(変人)には,なんとも悩ましい状況です。
狸おやじ 2019/09/21(Sat) 10:51 No.1598
テヒニコン
狸おやじ様のリンホフ23スレッドに続けようかと思いましたが、一応カタログでは70時代のラインなので。

リンホフテヒニカのレンズには自社ブランドのTechnikon(70他用交換レンズ)とTechnikar(Linhof 220固定)がありました。
いずれもローデンシュトックのOEMと言われています。
さて自社ブランドといってもスペックは高く,Linhof70とStudienkamera70(距離計なし70: 英語圏ではExpert 70)用のテヒニコンには、
Technikon 100mmf2.8、Weitwinkel-Technikon 58mmf5.6, Tele-Technikon 180mmf4.5と、高級スペックになっています。
それぞれHeligon, Grandagon, Rotelarに対応しています。

グラフレックスXLや、リンホフ23系に供給されたヘリゴンは95mmf2.8ですが、テヒニコン 100mmf2.8(訂正しました)の現物を手にするまで実焦点距離95mmをサバ読んでいるのかと想像していましたが、どうも本当に100mmあるような雰囲気です。
画角はXenotar100mmf2.8と同様で、距離計に対しても105mm用カムで1mで1cmも違わない連動ができています。

実焦点距離が95mmのXenotar100mmf4は、Xenotar100mmf2.8より画角が広く、105カムによる距離計は2-3mでも誤差が大きいので、このTechnikonは100mm確かにあると思います。

OEM元のヘリゴンは同じ焦点距離のプラナーやクセノターとくらべて一回り小型になり、この100mmも大手2種と比べて随分小型ですが、シャッター径は大手同様コンパー#1が使われています。

上の投稿で、リンホフヘリゴン95mmf2.8ユーザーが、周辺画質が思わしくない旨話されていましたが、幸いこの個体は、
6x7cmの範囲は絞り開放からまず良好な画質です。(撮影距離1m新聞見開き株式欄の小さい文字が開放中間画角まで読めるが周辺でギリギリ読めない程度、Xenotar100mmと同レベル、f5.6で全画面読めるようになる)。

ただし、この辺りのレンズは経年変化による個体差が無視できず、例えばXenotarは結局3本試して1本残したほどで、なかなか評価は難しいところです。

ところで、綴りを見ているとどうしても下5文字が気になってしかたありません。Zeiss Ikonや、NIKONは文句言わなかった、のかな?

れんずまにあ 2022/01/01(Sat) 16:38 No.1927
Re: テヒニコン
おお,テヒニコン100mmですね。
このレンズは私も以前から興味を持っておりました。

昔外国のサイトで,シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂を読んだことがあります。でも,ローデンシュトックのOEMで,ヘリゴンだったようですね。テヒニカ用にヘリゴン100mmが供給されていたとは知りませんでした。ヘリゴンの90や95mmはとても優秀で愛用者の多いレンズなので,テヒニコン100mmも非常に優秀そうです。コーティングも綺麗で発色も良さそう(この時期に既にMC?)。ツァイスやシュナイダーの100mm/2.8より軽量コンパクトなら,色々な場面で活躍しそうで楽しみです。
狸おやじ 2022/01/02(Sun) 09:14 No.1928
Re: テヒニコン
狸おやじ様、コメントありがとうございます。

>シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂

確かに。出所不明のレンズでありましたが、海外サイトや形状などを見るとローデンシュトックのように見えます。
心情的にはジンマーなどにLinhof名を打刻し検査済みを保証するくらいのメーカーが、余りレンズを使うかななどと懐疑的です。
まあローデン側の事情というのもありえますね。例えばグラフレックスが急にXLやめちゃったとか。
ただそれならわざわざ100mmを作るかなとも。もちろん製作誤差で95よりも100に近いのを集めてきたという、穿った見方もできますが。

Xenotar100mmを思わせる形状のTechnikonは見たことがなく、本当にSchneiderのTechnikonがあれば見てみたいところです。

余談ながら、NovoflexがOEM受けた時は、Schneider Xenarの場合Noflexer-S,RodenのYsarexの場合は-Rとわかるようになっています。Linhofにはそんな刻印はないなあ...

>テヒニカ用にヘリゴン100mmが供給されていたとは知りませんでした。

失礼しました。勘違いでHeligon 100は存在しません。

>ヘリゴンの90や95mmはとても優秀で愛用者の多いレンズなので,テヒニコン100mmも非常に優秀そうです。

たまにテヒニカIII用ヘリゴン90や95を見ますね。リンホフプレス23にも採用されているくらいで高く評価されているのは間違いないでしょう。
90mmf3.2もあるようで。
私は大判ヘリゴンはグラフレックスXLでしか経験がなく、大変高性能なのでリンホフでも使えたらなと思っていました。

>コーティングも綺麗で発色も良さそう(この時期に既にMC?)。ツァイスやシュナイダーの100mm/2.8より軽量コンパクトなら,色々な場面で活躍しそうで楽しみです。

どうなんでしょうね。深い色味ではありますが。
確かにレンズ部分はコンパクトですが、(Xenotar100: φ58mm vs Technikon 100: 49mm)どちらもベッドを閉じられますし、シャッターサイズが同じなのでそれほど軽量化されません。
80mmプラナーとヘリゴンではシャッターが#1と0なので大違いなのですが...

悩みは、無限遠位置が、標準セットの105/4.5に合っているストッパー位置と1mmくらいのズレがあり、Xenotarとも違うことです。
現在のストッパーセッティングを変えるつもりはありませんので、RFで使うとすれば一回調整した後はベッドを閉じられません。
そのレンズ専用にしてしまうしかないのです。なので明るいレンズなのに、三脚ピントグラス使いをしています...

れんずまにあ 2022/01/02(Sun) 12:36 No.1929
Re: テヒニコン
れんずまにあ様

>>シュナイダーのOEMのXenotarだとか,ローデンシュトックで製造したけど何かの理由で販売できなくなったレンズをテヒニカ用に提供したのだという噂
>確かに。出所不明のレンズでありましたが、海外サイトや形状などを見るとローデンシュトックのように見えます。心情的にはジンマーなどにLinhof名を打刻し検査済みを保証するくらいのメーカーが、余りレンズを使うかななどと懐疑的です。

済みません。ネットで調べた所,私が以前読んだ情報は,”Large Format Photography Forum"でした:
https://www.largeformatphotography.info/forum/showthread.php?112874-Linhof-Technikon-100-2-8

いろいろ書いてありますが,彼らの結論もローデンシュトックのOEMレンズです(リンホフの輸出責任者の説明)。
また,ヘリゴン100mm/f2.8(イメージサークル115mm, フィルター径58mm,Compur 1)が1976年のリンホフのカタログにあるが,これは多分ミスプリ(クセノター100mm/f2.8の間違い)で,同年の別のカタログにはない。テヒニコン100mm/f2.8(イメージサークル135mm, フィルター径49mm,Compur 1)の情報があり,これがれんずまにあ様のレンズと思われます。ローデンシュトックのカタログには,ヘリゴン95mm/f2.8(フィルター径49mm),6枚構成(ダブル)ガウス型,包括角60°の準広角レンズの記載があり,これを元に(再設計して?)テヒニカ用にOEMで供給されたのが,テヒニコン100mmの様です。ヘリゴン95mmをベースにしているので,クセノターよりイメージサークルが広く,前口径の小さい優れたレンズの様です。

>私は大判ヘリゴンはグラフレックスXLでしか経験がなく、大変高性能なのでリンホフでも使えたらなと思っていました。

ヘリゴンの最終型がテヒニコン100mmの様ですね。私も欲しいなあ。

>悩みは、無限遠位置が、標準セットの105/4.5に合っているストッパー位置と1mmくらいのズレがあり、Xenotarとも違うことです。... なので明るいレンズなのに、三脚ピントグラス使いをしています...

この辺が,テヒニカを距離計連動で使う時の限界もしれません。私もテヒニカ23を距離計で手持撮影することが多かったのですが,最近はレトロレンズや望遠レンズを使う機会が多く,三脚+ピントグラス撮影がほとんどになりました。ピントグラス撮影は機材が重く時間もかかりますが,その分「画を作る」作業を楽しめる。手軽なスナップ写真はスマホ(iPhone)に任せ,ここぞという時だけテヒニカを取り出し,ピントグラスで(アオリを効かせて)じっくり撮るようになりました。フィルムの値段が高騰し,無闇にシャッターを切れないという経済的理由もありますが...
狸おやじ 2022/01/03(Mon) 11:55 No.1930
Re: テヒニコン100
狸おやじ様わざわざご調査いただきありがとうございます

<”Large Format Photography Forum"でした:

ここ時々覗いていますが面白いですね.海外の方々も私たちとおなじような疑問を持っていることがわかります。

< ローデンシュトックのOEMレンズです(リンホフの輸出責任者の説明)。

内部情報とはすばらしい.

昭和46年フォトアート中型・大型カメラではヘリゴン95とクセノター100の画角は60度と同じですが(イメージサークルはXが117mm、Hは記載なし、絞り条件記載なし多分16くらい)、
4x5ピントグラスではX100は直径4インチ強(110mmくらい)程度に対して、H95mmは4x4インチをカバーしそうな広さで、実際の包括角度は非常に広いことがわかります。
4x4対角線はおよそ140mmなので、ご紹介のデータに裏付けられました。
しかも、単に光の輪が大きいだけではなく、その周辺部までちゃんと解像しているところが素晴らしい。(ピントグラスをルーペで見ただけですが)これぞ真のイメージサークルだと思います。

ローデンが準広角と位置付けるのも納得です。
これも余談ですが、ローデンシュトックはライカM39用にヘリゴン35mmf2.8を出しています。画角に自信があったのですね。

このテヒニコン100はまだ4x5につけて覗いていませんが、楽しみになりました。

>私もテヒニカ23を距離計で手持撮影することが多かったのですが,最近はレトロレンズや望遠レンズを使う機会が多く,三脚+ピントグラス撮影がほとんどになりました。

23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?アドバンテージですね。
70はファインダーが縦位置専門なので、三脚固定する際にファインダーを使いながら横位置にするにはカメラを倒す必要が。
せっかく70もレボルビングできるのだから...すると三脚横位置はファインダーを使わないでピントグラスになる。
最終的には狸おやじ様と同じ使い方になるのです。

ファインダーが無駄かというと、そりゃ悲しすぎますので(w、いざ鎌倉、咄嗟の手持ち撮影に備えています。その際は純正標準で対応します。
れんずまにあ 2022/01/03(Mon) 15:11 No.1931
Re: テヒニコン
>このテヒニコン100はまだ4x5につけて覗いていませんが、楽しみになりました。

これはとても楽しみですね。
テヒニコン100mm以降,F2.8級の中判(6x9)用レンズが途絶えています。(シュナイダーはジンマーF5.6,ローデンシュトックはシロナーF5.6に軸足を移し,ツァイスがプラナーF2.8の製造を止めたので。)私は無理にF値を小さくした大口径レンズはあまり好きでないのですが,画角や画質に余裕のある設計の明るいレンズには興味を持っています。テヒニコン100mm/F2.8は,古き良き「大口径時代」最後の高性能中判レンズと思います。

>23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?

一応対応しますが,ファインダー前面のマスクの向きを90°変えるだけです。
向きを変えて「縦位置撮影」したつもりが,フィルムが横位置だった事に後で気付いて愕然としたことがあります。それ以降,フロントマスクの向きとフィルムバックの向きを撮影前に確認する様になりました。テヒニカ23III-IVは,レンズやフォーマットに合わせてマスクを取り替える必要もあって面倒です。マスクを失くす人も多いようで,中古市場に様々なサイズのマスクが(高値で)出回ってます。

将来的にデジタルバックに移行すれば,これらの面倒から解放されるかな(?)と少しだけ期待してますが...
狸おやじ 2022/01/05(Wed) 20:40 No.1932
Re: テヒニコン
狸おやじ様、コメントをありがとうございます。

>テヒニコン100mm以降,F2.8級の中判(6x9)用レンズが途絶えています。

言われてみればおっしゃる通りですね。リンホフの大口径としては末裔です。
日本でもマミヤプレスの100mmが途絶えてからは6x7にマキナ、ペンタックス、RZがあるのみ。

確かにテクニカルカメラとしての使い勝手はイメージサークルが広く、解像力が高いが暗いオルソメターが主流になるのはやむを得なかったけども、
ISO400で手持ち夜景、または固定しても蛍の軌跡を捉えられる最低ラインがf2.8なので、重視しています。

>>23はレボルビングしてもファインダー対応するのでしょう?
>一応対応しますが,ファインダー前面のマスクの向きを90°変えるだけです。
>向きを変えて「縦位置撮影」したつもりが,フィルムが横位置だった事に後で気付いて愕然としたことがあります。

これは、全く同じ経験をしました。
バック交換とレボルビングが同じ場所で行われるリンホフならではのあるあるです。
せっかく縦位置でピントグラス構図決めして、ホルダーは横向きに。
現像が上がってから目を剥きました。

>テヒニカ23III-IVは,レンズやフォーマットに合わせてマスクを取り替える必要もあって面倒です。
>マスクを失くす人も多いようで,中古市場に様々なサイズのマスクが(高値で)出回ってます。

昔はマスクはジャンクボックスの住人だったのですが、需要が増えているのですね....
でも根強いユーザーがいる証拠でもあり、頼もしいです。

しかしいろんな焦点距離を集めるのもよいですが、ロータリーカムが入手できないのが寂しいです。4x5のカムはまだ出てきますが...

>将来的にデジタルバックに移行すれば,これらの面倒から解放されるかな(?)と少しだけ期待してますが...

リーズナブルで実用的な6x9カバーのバックが出てきたら嬉しいですね。
でも斜め入射の広角は難しいかもしれません。
れんずまにあ 2022/01/05(Wed) 22:04 No.1933
Re: テヒニコン
れんずまにあ様

>日本でもマミヤプレスの100mmが途絶えてからは6x7にマキナ、ペンタックス、RZがあるのみ。

そうか,マミヤセコール100mm/2.8がありましたね。ご指摘ありがとうございます。

>リーズナブルで実用的な6x9カバーのバックが出てきたら嬉しいですね。

私もそう思います。
値段はまだ高いですが,昨年ハッセルブラッドのCFVII-50C(44x33mm)が出てから少し期待して見ています。Phase OneのP45(49x37mm)も,中古で20万円程で出てきていて,あと一息かな(?)と思います。

>でも斜め入射の広角は難しいかもしれません。

これは,もしかすると案外大丈夫かも知れません。
フォーマットの小さいAPS-Cやライカ判(35mm)のセンサーで解像度を上げようとすると,一つの画素サイズを小さくする必要があり,周辺光が斜めに入射する場合の受光感度に限界が出易いと思います。中判センサーの場合,元々のフォーマットが大きい為,画素サイズをそれ程小さくする必要がない。例えばハッセルのCFVII-50Cは,画素サイズが5.3x5.3μmと比較的大きい為,受光感度が高くダイナミックレンジも広いようです。

中判センサーが6x9cmになるのも時間がかかりそうで,当面は44x33か49x37,あるいは54x40mm辺りからスタートすると思います。その場合,テレセントリック性の良い中心付近を画素サイズの大きいセンサーで受光することになり,広角47mm位でも周辺の斜め入射はそれ程大きな問題にならないような(?)気がします。(本当は周辺までバッチリ撮りたい所ですが,それにはまだ時間がかかりそうなので...)
狸おやじ 2022/01/07(Fri) 21:24 No.1934
リンホフ プレス70
Linhof Press 70

憧れの機種を、ご縁でハードユーザーから譲渡頂きました。フルセットがMakina670に満たない破格で感謝の言葉もありません。

1963年販売(期間不明)代理店:シュリロ貿易
6x7cm判、ブローニーフィルム(120,220),70mmフィルムを使用する合金製プレスカメラ。距離計連動1眼式ビューファインダー、セレン単独露出計つき。
重量1,650g(ボディのみ;グリップ固定),3,290g(80mm,スーパーローレックスつき)
日本国内価格:377,000円(1970年5月「フォトアート特集大型カメラ70台」,ボディ+グリップのみ),455,000円(1973年「フォトアート特集大型・中型カメラの選び方使い方」,ボディ+グリップのみ)
ほとんどの個体は画像に示すようなタン色だが最終付近は黒もあるようだ。

フォーカシング:レンズに付属するヘリコイド、カムで距離計に連動するためカム切り替えは不要。
ゴッセン製セレン単独露出計が距離計窓周囲に設置され、軍艦部で指針を読み取る。
巻き上げはボディ側面右手側のクランクを180度1作動(往路180度でシャッターセット、復路180度でフィルムアドバンス)セルフコッキングが行われ速射性が高い。
テヒニカでは着脱可能だった左手側のアナトミカルグリップはボディに固定されている。(それに支えてピントグラスをレボルビングできない。意図的か)
シャッターはレンズ鏡胴に内蔵されているので外部から単独操作できないが、ピントグラス撮影にはバルブ開放が必要。その際グリップレリーズロックして開放する。
レリーズはボディ前面右手側のボタンでも行うことができる。

レンズはRFなし、スポーツファインダー固定のエアロテヒニカとも共通。
プレス70の特別モデル「スペシャル70」にはエアロテヒニカと同じく右手側にもグリップがあり、それを回転して巻き上げとチャージを行う(70年:価格424,000円)が、故障が多いと言われる。

画像:80mmf2.8、アナトミカルグリップ固定。

 ストラップラグの位置は、テヒニカVやテヒニカ70のメインボディ上部から、プレス70はファインダーカバー上部に変更されているのがわかります。ラグは、Op-TechのAタイプ(ハッセルブラッド 用)が流用装着できます。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:05 No.2030
Re: リンホフ プレス70
ファインダー:採光式ブライトフレーム等倍、実像式距離計連動。
広角標準は4ft(1.2m)まで、望遠180mmは6.5ft(2m)までパララックス自動補正しながら距離計連動する。
基線長は93.5mmと、中判RF機では最も長いものの一つであり、無限遠と600ft(180m)の距離の違いを識別できる。
ファインダーフレームは縦位置が標準。テヒニカ70におけるタイプ2:53/80/180のみと思われる。
 (フォトアートの一覧では標準プラナー100mmf3.5と記載されているが、検索しても全く出てこないので誤記か?)
広角・標準枠が常時表示され、後部ダイヤルで180枠を追加する。

標準
80mmはプラナーf2.8とクセノターf2.8があり、6x7なので80mmでも開放から問題なく全画面カバー。
ヘリコイド鏡胴なので大変高精度。テヒニカ70のプラナー80/2.8は#1シャッターのため最高速1/400だが、プレス70用は1/500になっている。
広角
53mmf4.5 ビオゴンまたは 53mmf4 スーパーアンギュロンがラインアップされている。シャッターB, 1〜1/500
望遠
180mmf4.8 ゾナー または180mmf4.5 テレアートンが用意された。望遠は最短2m。
連動距離計の精度が非常に高いので、180mm開放でも十分に距離計での焦点合わせが信頼できる。
ツァイスがほとんどで、シュナイダーのラインは比較的珍しい。
シャッターB, 1〜1/500

画像:ビオゴン53mmf4.5

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:06 No.2031
リンホフ プレス70
リンホフ70シリーズに共通して、ファインダーは縦位置専用。テヒニカ70はピントグラスを使えば横位置装着可能だが、プレス70のギアつき純正スーパーローレックスはギアのため横位置に装着できない。
ギア溝を避けるため4箇所の固定カムの位相は従来型の90度毎から少し狭角に変えてあるのと同時に、ロックレバーも右下隅から左下隅に変更されている。使い慣れた場所にないので空振りしてしまった。
手動巻き上げでよければプレス70にもテヒニカ70やスーパーテヒニカV用の従来型スーパーローレックスを装着可能で、フォーカシングスクリーンバックを併用すれば横位置装着も可能に見えるが、ボディの暗箱部分には縦位置ぎりぎりに遮光板が付けてあるため、実質横位置は不可能。(図)

プレス70に付属のピントグラスバックは、テヒニカ70付属バックと同じもの、2x3と56x72表示。

画像:プレス70付属フォーカシングスクリーンバック(100mmの表示もあるが、存在するのか?)

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:09 No.2032
リンホフ プレス70
スーパーローレックス

プレス70専用スーパーローレックスは、一般のスーパーローレックスとは多くの点で異なる特殊なホルダーになっている。

一般用ローレックスとの相違点。プレス70専用は、
1:外部の巻き上げレバーがない。巻き上げはボディクランクでギアを介して行う。
2:そのため、フィルムチャージ時のため内部にレバーがある.
3:ローレックス側から巻き上げギアが飛び出している。(図)テヒニカには使えない。また横位置装着はボディにギア溝がないためできない。
4:一般用にある巻止解除ボタンは不必要なので穴が塞がれた。
5:スタートマークを出す穴は、一般用が中央、プレス70用はその横を使う。ローレックスには赤矢印でスタートマーク位置が示されている。
6:一般用ローレックスをプレスに装着する場合は、テヒニカ同様マニュアル操作となる。横位置装着も可能だが、暗箱内部形状から横位置で6x7撮影はできないため縦位置のみ。

画像:左 一般用(従来型)、右 プレス専用

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:13 No.2033
スーパーローレックス
右側のプレス専用左上面にギアが突出しているのが見える。
このためテヒニカに装着はできないし、プレスでも横位置に装着できない。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:16 No.2034
スーパーローレックス
左下側 従来型、スタートマーク位置は中央(赤矢印)。
右上側 プレス専用、スタートマーク位置は従来型より左側にずれている(赤矢印)。外面に巻き上げレバーがないかわり、頭出し用に内部にレバーがある。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:19 No.2035
Re: リンホフ プレス70
ローレックス装着面の違い
左側プレス70。
右側テヒニカ70改造機、

プレスボディは、スーパーローレックスのギアを避けるため4箇所の固定カムの位相は従来型の90度毎から少し狭角に変えてあるのと同時に、ロックレバーも右下隅から左下隅に変更されている。

テヒニカの暗箱部分は正方形の蛇腹が見えており、縦横変換に対応しているが、プレスの暗箱部分は、6x7縦位置にあわせた形状であることがわかる。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:22 No.2036
スーパーローレックス
中枠の圧板とスタートマーク確認窓
左 従来型、右 プレス専用。プレス専用は、120フィルムの場合、少し手前でスタートする。中央の穴は使わない。

れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:26 No.2037
Re: リンホフ テヒニカ70
プレス70のシステム重量を測定した。

プレス70ボディ(ピントグラスなし,レンズなし、グリップ固定)   1,650g
        (ピントグラスバックつき)            2,040g
        (Planar80mm、ピントグラスバックつき)     2,880g
        (P80+ローレックスつき)            3,290g
        
ヘリコイド+レンズ
Planar80/2.8                          840g
Biogon53/4.5                          980g
Sonnar180/4.8                        1,400g

パーツ
スーパーローレックス56x72(プレス専用)             800g
ピントグラスバック                        390g

プレス70(ピントグラス、グリップ)、80、53、180、ローレックスx1 6,060g

標準付きボディはテヒニカ70と大差ない重量だが、レンズが重いため3本アウトフィットの重量はテヒニカ70より随分重くなる。
迅速なレンズ交換およびクランク1作動セルフコッキングの速写性とのトレードオフと考えるしかない。特に広角レンズ使用の迅速簡便さは段違い。
れんずまにあ 2022/08/03(Wed) 23:34 No.2038
Re: リンホフ プレス70
れんずまにあ様

素晴らしい解説をありがとうございます。
プレス70は,美しい鏡胴とコンパクトなボディーが魅力的です。6x7を距離計連動で撮るには最適のカメラですね。専用レンズも魅力的です。

惜しむらくはフィルムバックの使い勝手の悪さでしょうか。れんずまにあ様の解説の通り,ロータリー式なのに回転や横位置ができない。これなら,リンホフ220の様なバック固定式の方が良かった。ピントグラスやカットフィルムホルダーを省略し,ロールフィルム(120, 220)専用の軽快な「中判のライカ」を目指していたらもっと成功したかも知れません。リンホフの誤算は,70mmフィルムに拘り過ぎたことでしょうね。
狸おやじ 2022/08/06(Sat) 14:25 No.2039
Re: リンホフ プレス70
狸おやじ様、早速のコメントありがとうございます。

私は箱好きでありますので、かなり特殊化された機構に興味津々で弄り回しています。
当時の価格表を見ると、マミヤスーパー23の8倍、RB67やペンタックス67の4ー5倍であり、為替相場を考慮しても非現実的な選択肢であったことでしょう。
確かに使ってみると優秀なレンズ、見事な精度は文句がないところですが、P67やRB67と変わらない現在の中古価格はものの価値を正確に反映しているかもしれないなと思いました。
お話に取り上げられているリンホフ220が、レンズ交換RF機だったらどれだけよかったでしょうか。まああれでペンタックス67の倍価格ですから、売れたとは思えませんが(笑

リンホフ が当時70mmに拘ったため要らない機構を抱え込んでしまったとのご指摘は全く的を射たご意見で私も全く同意です。
目論見が外れて70mmは全く主流になり得なかったのは不幸な限りです。
何故か拙宅にも他社の70mmマガジンが2個ほど転がっています。1990年頃まだ70mmが入手可能だったので、出張にノーチェンジで行けるかななどと妄想し、結局220で十分だったのですが...
あれは現像などのインフラが全く整っていなかったのが敗因ですかしら。
れんずまにあ 2022/08/06(Sat) 16:14 No.2040
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様

>リンホフ220が、レンズ交換RF機だったらどれだけよかったでしょうか。

そうですね。
理想的には,プレス70とリンホフ220がレンズマウントを共有し,レンズ交換式RF中判カメラだったら良かった。そしてマウントのスペックが公開され,他社(ローデンシュトック,フォクトレンダー等)からもレンズが供給されていたら,もっと成功したと思うのだが...

>何故か拙宅にも他社の70mmマガジンが2個ほど転がっています。1990年頃まだ70mmが入手可能だったので、出張にノーチェンジで行けるかななどと妄想し、結局220で十分だったのですが...
>あれは現像などのインフラが全く整っていなかったのが敗因ですかしら。

リンホフの70mm路線は失敗と考えていたのですが,220は既にほぼ絶滅し,120も先行きが怪しい状況です。
もしかすると最後まで生き残るのは,35/70mmの長尺(映画フィルムの流用品)かもしれません。(ローライは今でもモノクロの70mm長尺を販売しているようです。)私も将来に備えて,70mmのシネローレックスを用意しておこうかしら。
狸おやじ 2022/08/10(Wed) 23:39 No.2041
Re: リンホフ テヒニカ70
以前から時折こちらの掲示板を参考にさせていただいていました。
リンホフプレス70が大好きでよく使っています。
私はシュナイダーのレンズを主に使用していて、僭越ながら情報を投稿させてください。

シュナイダーのレンズは以下の4種類があったようです。

・Xenotar80/2.8
・Super-Angulon53/4
・Tele-Arton180/4
・Xenotar100/4

このうち私は100/4以外を所持しています。いずれのレンズもツァイスの同スペックより軽量コンパクトにまとめられているようです。全長もそれぞれ数cm短く、重さは測れていませんがそれぞれある程度軽いです。広角と望遠はツァイスのものよりF値が明るいにも関わらず小さいために、描写では一歩譲るというのが素直な印象です。外観上の特徴として、180/4には鏡筒とヘリコイドにそれぞれ2本ラインが入っています。気になるのは100/4で、エアロプレス向けにラインナップされていたようですが、オークションなどでも殆ど見たことがありません。また、初期の資料上ではローデンシュトックのロテラー(テヒニカプレスにあったのと同スペック)も見られますが、カタログに載っているのを見たことがないため実在性は不明です。

ファインダーのスペックについてですが、リンホフは公式に「ほぼ等倍」と言っていますが、個人的にこれは等倍なのかよく分かりません。0.7倍くらいな気もしますが、アイポイントが高いので見やすいファインダーだと思います。またフィルムバックのロック位置ですが、初期は右下で後期は左下になるようです。(初期と後期の個体を持っていますがそうなっています。)これはなんで変えたのかよく分かりませんが....。

このカメラ、何台製造されたのか分からない程度には見かけないものですが、日本では注目度が低いためか、結構安価で手に入るのが嬉しいです...。最後の方は感想になってしまいましたが、今後も情報が増えることを楽しみにしております。長文失礼いたしました。
名無し 2022/11/26(Sat) 20:07 No.2085
Re: リンホフ プレス70
名無し様、貴重なコメントをありがとうございます。

もしかして、ブログでシュナイダーラインを装備したプレス70のご紹介をなさっておられますでしょうか。
そうだとしたら、こちらこそ深く参考にさせていただいてます。御礼申し上げます。
おまけにTele-Arton180mmをf4ではなくf4.5と誤記してしまい、赤面の至りです。

プレス70は重量はありますが、それに余りある高精度で、撮影結果の信頼性がきわめて高い印象を受けています。(精度に不安を抱きながら撮影する、軽いグラフレックスXLとは正反対)
ようやくOp-Teckのストラップも使用可能になり、拙宅の機材も今後実働が増えると期待しています。

ご指摘のXenotar 100/4ですが、青い箱入りの単体レンズとして1999年にドイツから買っています。
実焦点距離95mm、イメージサークル110mm(f2.8は117mm)で65x72対応とカタログデータ記載されています。6x7カメラに適合するのですね。
それを23ボードにマウントして、こちらのLinhof Technica 70スレッドのNo.1580に画像を上げていますが、確かにプレス用のヘリコイドに装備された画像は、私も見た覚えがありません。

Rotelarについても、大変興味深いお話ですが私も70用は見た記憶がなく、Press23の270mmを見たことがあるような。

それと、100mmに対応したファインダーフレームがあったのか、まったくわかりません。
今後画像が出てくることを期待して。

私の個体のファインダー倍率は目視と定規で計算したところ75%前後でした。

さて、私もシュナイダーレンズは大変好きで、Zと並んでいたらSを取りたいほうですが、Press70についてはアウトフィットに遭遇すること自体が幸運なので選り好みする余裕はありませんでした。
色々とご教授いただければありがたく存じます。

今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。

Linhof Press 70, Planar 2,8/80mm, f8, 1/125, Across(EI100), Microfine

れんずまにあ 2022/11/27(Sun) 14:24 No.2086
Re: リンホフ テヒニカ70
名無し様,れんずまにあ様

プレス70は堅牢な作りと美しい鏡胴のレンズ群が魅力です。
掲載された作品のプラナー80mm/2,8の精緻で豊かな描写力にも惹かれます。

ロテラーですが,プレス70の取説を見ると確かに"270mm/5.6"が「準備中」と書かれています。これは元々大判用のテレフォトレンズですが,(グラフレックスXLの様に)プレス70にも供給されたかどうか...。私は縮小判の180mm/4.5をテヒニカ23で使っていますが,控え目のコントラストと繊細な描写,背景の綺麗なボケが気に入っています。
狸おやじ 2022/12/04(Sun) 11:44 No.2091
テヒニカ70でSA65を使う
Superangulon 65mmf8

定番のコンパクトな超広角。6x9では35mmカメラの28mm相当画角で、イメージサークルはf16で4x5カバーできるほど大きな余裕がありますが、ボディ構造に限界があるためスライド移動量は規制されてしまいます。
70の距離計連動にはベッドダウンー内レールを1クリック後退ーティルトアップの3ステップ、ファインダーが縦位置専用であるため、長辺の画角がベッドで蹴られないためにはこの操作が必要です。しかし距離計撮影を考えず、フォーカシングスクリーンで焦点合わせし横位置撮影に限定するなら、ベッドダウンしなくても無限遠から焦点は合います。内レールを少しだけ後退させる必要はありますが、比較的迅速にレンズ交換撮影ができます。ただし横位置のためファインダーは利用できないので、三脚固定が望ましく、簡便になるといっても功罪相半ばかもしれません。
ファインダーを外された個体で65を簡便に使えないかと試してみました。前述のようにベッドダウンしないで縦にするとベッドでけられるのですが、ピントグラス上で6x9なら1mm、6x7ならまったく蹴られはありません。また前板はボディ内なのでライズ量は10mm程度とはいえ、わずかにライズすればけられを回避できます。図らずも65mmでベッドダウンしないホースマンVHで、縦位置レボルビングしたときに数ミリライズすることと同じであることに気づきました。テクニカルの縦位置は極論すればライズ目的なので、レボルビング機構が有効になり大変嬉しいことです。
広角はテクニカルカメラよりも広角専用機を別に持つほうが速写性に優れていますが、ある程度テヒニカ70の活用に目処がたちました。

れんずまにあ 2023/08/27(Sun) 22:31 No.2317
Tele-Xenar とTele-Arton 180/5.5
Tele-XenarとTele-Arton180mmf5.5
スペックは同様ですがサイズの点で、テレクセナーはコンパクト、テレアートンは長くおおらかです。重量は250g vs 300gで、そう変わりません。手持ち撮影では開放画質が高いテレアートン、携帯性はテレクセナーが有利です。ファインダー撮影にはテレアートン、ファインダー無しボディにはテレクセナーを配備することにします。

れんずまにあ 2023/08/28(Mon) 08:11 No.2318
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつも、深いご投稿ありがとうございます。実は、拝読しているうちに、70の工業芸術品と思えるメカニズムに打たれ色々探していましたが満足するレベルには程遠く、半ば諦めていました。先日、アメリカのサイトで65f8.100f2.8.180f4.8のシリアルナンバーがカム一致のアウトフィットを見つけて、相当悩みましたが、思い切って落札しました。もうすぐ到着の予定です。到着したら色々伺いたく存じます。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/09/02(Sat) 19:34 No.2323
リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様
これはリンホフセレクトのプラナーゾナーSAの最高級セット!しかもリンホフ撮り枠が4枚も付いて,もちろんスーパーローレックスも,完璧究極のアウトフィットです。
入射光用のディフューザが付属してる(紛失していない)のもポイント高いです。
一期一会ですから、よく思い切られました。
多分テヒニカVにも流用できるのでは。
まずはお喜び申し上げます。
到着が待ち遠しいですね。
れんずまにあ 2023/09/02(Sat) 22:58 No.2324
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもご指導有難うございます。70のアウトフィットが届きました。何と、ブックレットが揃っていて、1964年8月24日に販売された様です。問題は無い様ですが細部点検して持ち出すつもりです。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2023/09/14(Thu) 21:22 No.2340
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、品物が無事到着されたようで良かったですね。
しかも貴重な当時の説明書付き。
リンホフフードの説明書など見たこともありません。
シュナイダーのラインアップなども興味深いものです。
今後ご活用が期待されます。
撮影が楽しみですね。
れんずまにあ 2023/09/14(Thu) 23:14 No.2341
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつも有難うございます。珍しいシュナイダーレンズのリーフレットの写真を添付致します。ご参考になれば嬉しいです。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/09/16(Sat) 00:36 No.2343
Re: リンホフ テヒニカ70
フイルム大好き様

テヒニカ70の素晴らしいセットですね。広角はビオゴンではありませんが,携帯性と描写のバランスを考えての選択かもしれません。距離計連動カムは,れんずまにあ様のご指摘の様にテヒニカV23でも使えるかもしれません。撮影が楽しみですね。

シュナイダーのレンズリストも興味深い。当時のシュナイダーは,ツァイスをかなり意識していたと思います。テヒニカVの発売(1963年)に合わせて標準レンズの焦点距離を105mmから100mmに変更したようですが,先行するプラナー100mmの存在も大きかったと思います。もしかするとテヒニカの焦点距離の変更もツァイスの提案かもしれません。スーパーアンギュロン53/4とテレアートン180/4という特殊なレンズも,ビオゴン53/4.5とゾナー180/4.8に対抗するという意図を感じます。この時代のドイツの企業(ツァイス,シュナイダー,フォクトレンダー...)の切磋琢磨が,現在の中判~大判カメラ/レンズの基礎を作ったのだと思います。古き良き時代ですね。
狸おやじ 2023/09/16(Sat) 12:03 No.2344
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
れんずまにあ様
お褒め頂きありがとうございます。このモデルが欲しくなった一因がカム切替レバーの存在です。3種の距離切替がこのレバー操作で完結する点に取り憑かれてしまいました。実際の操作で機械式に動作を見てみて感動してしまいました。こんな精密機械が60年も前に完成している事に驚きです。コートのポケットに交換レンズ一つ、歩きながらレンズ交換が可能とは。ただ一つ、人目が気になりますね。拙文失礼致しました。

フイルム大好き 2023/09/16(Sat) 12:44 No.2345
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様 狸おやじ様
いつも有り難うございます。
ebayで見つけて、こんなモノ、手に入れておきました。70用露出計未使用と 53-80-180用カム。幸い届いた個体の露出系は正確でしたが、よる年並みを考え念の為にスペアをと。カムは偶然見つけまして、何が起こるかわからないと、、、。かなり以前ローライ2.8fを愛用していた時少し甘い数値で手放してしまった後悔から生涯の友用と。まるで予防薬揃えている病人状況の報告です。失礼いたしました。

フイルム大好き 2023/09/17(Sun) 23:06 No.2346
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、ますますご精進のことお喜び申し上げます。
露出系ユニットのスペアはなかなか得難いものです。
当時は最先端のありがたい機能だったでしょうし、今でも重宝ですね。

カム切り替えのレバーは大変機能的ですね。他社やテヒニカ45が一々交換作業を要するのと比べて迅速確実。ちゃんと指標のところで止められるかはちょっと曖昧なところもありますが...
そしてタイプ2(53-80-180)の交換カムも大変貴重です。
ご確保おめでとうございます。プラナー80とビオゴンあるいはスーパーアンギュロン53確保の夢が広がります。
ただファインダーもタイプ2である必要があり、53は視野全体と大雑把に考えればいけますが、80は辛いかな?

さてそのビオゴン53ですが、ベッドダウンなしで使うものなのか、あるいは65と同じようにベッドダウン+レール引込+ティルトアップが必要なのか、ずっと疑問に思ってきました。
53mmはどちらのレンズもかなり前玉が前方にあり、画角は65より広いもののベッド先端でけられる心配はない可能性があります。
すると手間がかかるベッドダウンを行わず距離計連動できるなら、かなり迅速なレンズ交換が可能になるはずです。
しかし画像検索を掛けても、テヒニカ23を含めても全く53mm装着状態の画像が出てこない。
ユーザーは集めるだけで満足して実際に使っていないのではないか?

フィルム大好き様が53をご確保になった暁には、ぜひご教授ください。

距離計について素人なりの感想を。
現在65-105-180のタイプ1ですが、クセノター100/2.8やテヒニコン100/2.8でも、2mくらいまで開放で合焦連動しているように思います。さすがに1mでは若干焦点がズレる気がしますが、ほぼ一般的な撮影では連動している印象。
流石に実焦点距離95mmのクセノター100/4は室内ではずれている模様。
高精度の距離計ですが、わずかな焦点距離の差は許容範囲なのではないかと。もちろんご自身で確認されてから実用されるのは言うまでもありません。
れんずまにあ 2023/09/18(Mon) 00:04 No.2347
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
貴重なインプレッションありがとうございます。コレぞこのサイトの面目躍如のご意見と賜ります。そもそも、れんずまにあ様のご指摘、「絶品」 53ミリのご評価が頭に残っています。私はハッセルSWCビオゴンが広角の王者と今でも思っていましたが、この殺し文句は気になりまして、、いつか比べてみたいと。それと室内で100mmの距離計とピントグラスの誤差は気が付いていました。ある程度の距離がいるかなとあまり気になりませんでした。この点、我が意を得たりでございます。流石のご賢察に感服いたしました。
改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
フイルム大好き 2023/09/18(Mon) 00:45 No.2348
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。さて、面白いサイトを見つけましたのでご報告します。一切の転載、コピーが禁止されている様ですので、アドレスを。
nocsensei.comイタリア語のサイトですが右中段に言語切替で日本語選択、上のジャンル左端の部屋から、マルコ カビナさん選択。クラシックレンズのリポートが沢山出ています。リンホフ向けツァイスも詳細が、他にビオター、ウルトロン、グラフレックス向けレンズ、ローライ、ハッセルからコニカ、ニコン、ペンタックスと様々です。
暫く楽しめそうなサイトです。転載厳禁の様ですのでご注意くださいませ。
よろしくお願いします。
フイルム大好き 2023/09/22(Fri) 14:10 No.2349
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
お世話になります。手元に届いた70の稼働部グリス入替並びに各部チェックと、割ってしまったグランドグラス入替を代理店サービスに持ち込み、お墨付きをいただき引き取ってきました。帰路、軽量のジンマーをセットして近くの谷中界隈をベルビアを入れて、手持ち撮影デビューしてきました。ハッセルのストラップを付け首からリンホフ、慣れないスタートはマガジンスライド引忘れ。撮り直して何か変な露出にメーターの指針合わせ忘れ。無事に撮れたなと思ったら、ケーブルレリーズがレンズ横切っていたり、、手順の慣れが必要とつくづく思いました。メンテ持込時のジュラルミンケースさえなければ快適に行けそうです。最新デジタルカメラを持った外国人観光客がことのほか興味と驚きの視線を投げかけていました。先ずはご報告申し上げます。

フイルム大好き 2023/09/25(Mon) 16:20 No.2350
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、70が稼働状態になりお祝い申し上げます。
確かにジンマーSで高画質かつ軽快に行くのもいけますね。海外旅行者に見せつけるのも楽しみです。
私は全くオーバーホールせずに使っていますので、機材に優しくないと反省しました。
気候も多少マシになってきますのでそろそろ活用を画策しています。それに先日6x9黒スーパーローレックスを確保し、これまで純正ホルダーをつけたことがなかった機材に嵌め込んで出撃待ちしています。

nocsensei.comご紹介ありがとうございます。とても濃い内容で、散文的にちらばっている記事を散策しています。取り敢えずタムロンのソフトズーム項目を読み耽りました。
網羅するにはいつまで掛かるかわかりませんが夜長に更してしまいそう。

それにしてもこのスレッドがこんなに伸びるなんて当初全く想像もしておりませんでした。皆様のおかげです。全く知らなかったことも沢山ご教授いただき感謝感激です。
れんずまにあ 2023/09/28(Thu) 00:18 No.2352
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
お騒がせ致しております。手持ち撮影のポジが上がってきました。レンズは、ジンマーS100ミリです。どうも重さからかなんなのか、ピントが手前で見苦しい写真で申し訳ございません。グリス入替でストッパーが微妙にズレたのかも。今度チェックしてみるつもりです。ただ、色が良いのでご報告の一枚と致します。よろしくお願いします。

追伸
当初セットのレンズでは、それぞれ無限はピタリでしたが、手持ちの他のレンズではそれぞれ調整が必要と判明しました。お騒がせいたしました。
レンズデータを調べまして、フランジバックの差なんですね。
赤面者で大変恥ずかしく思っています。

フイルム大好き 2023/09/30(Sat) 21:10 No.2357
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。

さて、過日の手持ち撮影失敗のリベンジにて、SA65をセット、下町手持ち撮影に出向きましたが、徒歩の散策には、重さが応え腰痛が復活してしまいました。やはり三脚かと。
偶然にも、白リンホフ三脚の格安品が有り入手して、セットしてみましたら、時代考証ピッタリ。3段1.9キロなら許容範囲です。この時代のカメラと歩むのは大変ですね。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2023/11/06(Mon) 17:39 No.2407
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
先日の手持ち撮影再トライ。首から下げた70に上レールセットパックを忘れてしまい、前半5枚はピンボケ。気がつき後半なんとかなりました。最後、前回失敗の同じ場所から逆光の中、露出計指示通りの一枚です。手持ちは難しいですね。よろしくお願いします。
SA 65mmf8 1/250f8 ISO100 ベルビア

フイルム大好き 2023/11/09(Thu) 15:47 No.2412
Re: SA65+Velvia100
フィルム大好き様、着々と機材を活用されていますね。
SA65の見事な精細度。
ベルビアカラーのこってり感。コントラストが強いSAと組むと特に顕著ですね。

ベルビアは50を愛用しました。
テスト撮影には感度が低いとシャッター速度が1/500止まりでも開放近くまでフィルターなしで撮影できますので。
一方実写には100の高感度にアドバンテージがありますね。

テクニカルカメラで、ベッドオープンした時の繰り出しは常に注意せねばなりません。
私もRFなしセンチュリーグラフィックでよく失敗しました。
テヒニカ70なら、距離計を確認すれば大丈夫ですね。

私もそろそろ出撃させねばせっかくの機材が持ち腐れです...
田舎に住む者には、紅葉が数少ないカラー写真の出番なのですが、今年はどちらも紅葉は遅れているようです。緑のまま枯れてしまうことがないよう願います。
れんずまにあ 2023/11/09(Thu) 20:28 No.2413
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
常日頃のご指導に感謝申し上げます。
早速に、拙作にお褒めを頂き大変恐縮しております。ありがとうございます。
上がってきたポジの前半5枚は盛大にピンボケしておりました。腰の状態の様子を見ながら三度目のトライを画策中です。手持ち撮影に少し慣れては来ましたが、重さとシャッターストロークの長さから手ブレの感触もあり筋力の衰えを自覚しております。
紅葉の被写体、景色はまさに理想です。
ご投稿、心よりお待ちしています。
よろしくお願い申し上げます。

追伸
先日、日暮里の代理店のご好意で、店頭の70ファインダー部を取り外した内部を拝見する機会を得ました。
実は、自身の70のファインダー内側をクリーニングできるか相談しましたところ、店頭在庫の同モデルで試験して、組み上げにギブアップ。元々程度が悪く展示に回すつもりだそうです。内部は、驚愕のメカニズム。後部距離目盛りの作動状況には、店主共々感嘆の声が出てしまいました。もう80歳になられる元シユリロの70を完全分解出来る技術者の方曰く、もう私は出来ない。分解はしないように、、とのことでした。
長々と失礼致しました。
フイルム大好き 2023/11/09(Thu) 23:22 No.2415
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。気がつくともう、今年も僅か。時間の早さがつらく思う歳です。さて、70の持ち歩きにカメラバッグに不便を感じていましたが、直感で直販サイトにオーダーしてみました。ビリンガム ハドレービッグ。グリップ付の70がスッポリ。まだ余裕があります。これ以上の重さを覚悟すればフロントポケットに、スーパーロレックスも余裕でした。年の瀬と新年の街歩きに活躍しそうです。何かと、手持ちでリンホフはハードルがございますが、ひとつ、解決した気が致します。
よろしくお願いします。諸先輩の方々、今年一年ありがとうございました。良いお年をお迎えください。そして来年も宜しくご指導賜りたく存じます。

フイルム大好き 2023/12/22(Fri) 17:31 No.2446
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様諸先輩の皆様
あけましておめでとう御座います。本年も宜しくお願い申し上げます。
さて、本日、日暮里の代理店様のご厚意で、リンホフ70のファインダー内部の作動状況を動画に撮らせていただきました。動画の容量が大きく添付できませんでしたので、距離ゲージの構造部分の写真を添付にてお知らせいたします。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/05(Fri) 17:31 No.2466
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難う御座います。
先日、代理店訪問時、かねてよりの疑問を代表に質問しました。
リンホフ三脚の脚の一本にあるボルト穴です。
明快即答曰く、雲台セット用です。ローアングル撮影の為ですと。

帰宅後セットしてみて、ここまでかんがえていたんだと、しばし感心しました。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/01/08(Mon) 00:27 No.2467
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつも有難うございます。
過日、上野の国立博物館の展覧会にリンホフ70持参で行ってまいりました。拝観後敷地内散策、手持ちにて撮影してみました。フイルムはベルビア100。プラナー 100mmをf5.6 1/50でした。6×7サイズです。手持ち撮影に随分と慣れてきて横画面撮影とかもチャレンジしました。重かったですが結果に満足です。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/02/22(Thu) 16:00 No.2486
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、すばらしくシャープで驚きました。
やはりこの機種は手持ちを強く意識して作られていると思えますが、重量は日本人にはなかなかキツイものがあります。
ここまで使いこなされたら、出番が増えそうですね。
横も期待しております。
れんずまにあ 2024/02/22(Thu) 16:43 No.2487
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
早速にお褒めいただき、ありがとうございます。構内では好奇の目で見られましたが全く気になりませんでした。横画面も追加投稿させていただきます。構図とかご勘弁くださいませ。何せ、ピント合わせ保持はキツイですので。よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/02/22(Thu) 16:55 No.2488
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもお世話になります。
このところ、家内が介護出動による留守番が多く、自宅でカメラを弄ることが多くなつておりまして、、
三脚にリンホフ70、ゾナー180mmをセット。デジタルバックはGFX50SUとしてみましたが不恰好でカメラが文句を言っている様です。
手持ちスタイルでスーパーロレックス装着が一番ですね。タングステンライト下、ASA1600 f4.8開放 1/250です。鼻先下の紫はテレビ画面の影響です。いつも、拙作で申し訳ございません。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2024/04/20(Sat) 18:44 No.2526
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
先日の、たぬきおやじ様のご指導にてスイングバック作動を確かめて、70を三脚にセットしてトライしました。収納で問題が、、スイングバックロックフックが上下に、2箇所あり、下のフックがリリーススライドに反応しません。仕方無く隙間から爪で押し込んでやっとバチンと入りました。
この点、代理店に問い合わせ致しまして、得られた回答は、70の唯一の欠点で、下部フックは外す(工賃発生)、か割ってしまう。かどちらかとの事でした。
折角の装備を壊す様な勇気も無く、又工賃支払うのもなんだかと、手持ち中心で行く事にしました。
凝った作りと精密性が逆に仇となっている様です。
又、勉強になりました。よろしくお願いします。

追記
れんずまにあ様
前期型、バックドア取外し不可モデルは、交換パーツ払底で入手は中古品転用以外不可能との事です。大切になさってくださいませ。

フイルム大好き 2024/04/22(Mon) 17:13 No.2530
Re: スイングバックロック
フィルム大好き様、大変重要なご指摘をいただきありがとうございます.

思い出すに、私は完品のテヒニカ70ではバックアオリをつかったことがなく、購入後の作動チェックしかしていないのでロックがどうだったか思い出せません.
心配になり今見直すと,一応スライドは左右とも働いてロック解除できるようでしたが、若干渋い感じはあります。そして引き出した後、正位置に戻す際には左右を揃えて垂直に差し込まないと、片方をロックした後もう片方を斜めから入れ難く、無理をすると爪を破損してしまいそうでした。

先日ファインダーなし70で軽く撮影したときには気づきませんでしたが、ジャンク品のほうはロック爪を除去してあり、固定スクリューを緩めるとただちに引き出せました。
ロックがかかるか掛からないかの微妙な位置は、このようにロックがないほうが調整しやすく、引き出すためにアクションが要らないため、アオリだけを考えればロック除去もアリかなと思いました。
ただし私の個体もよく見たら前回きっちり正位置にもどしておらずバックが少し浮いた状態になっており、ピントグラスなら問題ないけど距離計連動撮影を行う時は、ロックがないのは危険かと思われます。

余談ですが、まだ23シートホルダーが十分揃っておらず、今回はラピッドロレックス67を使いました。
ピントグラス撮影には良いのですが、テヒニカのスプリングバックはかなり強く、ホルダを押し込むとプアな三脚やクイックシューはずれてしまいがちでした。
さりとてゆるく押し込むと、十分な位置まで押し込めず隙間が空いて漏光、焦点面ズレでピンボケしてしまいました。
しっかりした三脚が用意できなければ、後期型のスプリングをレバーで開放するバックを装着すべきかなと思いました。

れんずまにあ 2024/04/22(Mon) 20:58 No.2531
Re: スプリングバック
拙宅にはテクニカルダン購入時のレバーつきバックがありますので,これと70のバックを交換しようと考えました。
テクニカルダンはスーパーローレックスを使うのでレバーはさしあたって必要ないのです。
あ、久しぶり引っ張り出したら、水準器が3個蒸発していた...買わなくては.

れんずまにあ 2024/04/29(Mon) 20:16 No.2532
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
暑中お見舞い申し上げます。
酷暑の中、linhof70にゾナー180ミリセットで手持ち撮影行を上野不忍池にて決行してまいりました。重い、暑いの二重苦も不思議にこなせて、ついでに持参したGFXも携行しました。やはり、ピント合わせは、事前にヤマカンで最後ファインダーで追い込むパターンでないとキツイですね。蓮の花の撮影を昼前に無事終了出来ました。
結果は、後日報告申し上げます。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/02(Fri) 18:16 No.2552
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
先日の不忍池 蓮の花の撮影、現像が上がってきました。何せ重いレンズで、近隣のテストに三脚使用しか持ち出したことがなく、手持ちでトライしての結果は大満足です。機材の扱いも慣れまして、ダークスライド引忘れ、二重露光無しで無事に6×7 10枚露出揃いで、改めて60年前の機材の良さに感激いたしましたので、一枚添付させていただきました。

使用機材は
テヒニカ70
ゾナー180mm
撮影データは
f11 1/100sec VELVIA100
スキャンデータ
EPSON GTX980
純正ネガキャリア
ソフトsilverfast9
1600ppi
以上、宜しくお願いいたします。

フイルム大好き 2024/08/08(Thu) 17:05 No.2557
Re: リンホフ テヒニカ70
フイルム大好き様

素晴らしい蓮の花の写真ですね。感動致しました。

特にピンクの花びらの描写とその後ろの大葉の立体感が印象的です。
背景のボケも美しく,流石にSonnar 180 mmですね。F11でここまで綺麗なボケが出るのは,やはり中判用長焦点レンズの特権と思います(日浦様の解説を頭の中で想起しつつ...)。
素晴らしい作品を見せていただき有り難うございました。
狸おやじ 2024/08/08(Thu) 19:50 No.2558
Re: リンホフ テヒニカ70
狸おやじ様
早速にお褒めいただき、恐縮です。
ありがとうございます。
このレンズ、持ち歩いて気がつきました。
シャッタースピード1/100の次は1/250になっていまして、f8での露出系の出た目のセッティングが無く、熱中症になりそうな中、迷いながらシャッター切りました。
安易なデジタルを使っていますと、写真感覚が退化している様な気がいたしました。
いずれにしても、楽しいですね。
お陰様でで、ポジアルバムのページが増えてきました。
もう一枚、何気に撮った弁天堂の相輪の写真も添付させていただきました。
こちらは、1/250 F11です。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/08(Thu) 20:43 No.2559
Re: リンホフ テヒニカ70
ふぃるむ大好き様、酷暑の最中、すばらしい作品をお取りでなによりです。
やはり大フォーマットのフィルム画像はデジタルにない感性に訴えるなめらかさというか立体感というか、サムシングがあるように思います。
それが好きでフィルム撮影、特に大フォーマットを続けています。もう一つは、カメラ操作が大好きで、殺絵行為そのもので幸せになっているのですが。
私も負けずにリンホフを使ってあげたいと思いました。
れんずまにあ 2024/08/11(Sun) 09:46 No.2565
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
Linhof Technika70のゾナー180mmでの手持ち撮影時、レンズフードが無く直射日光下に不安を覚えました。古いレンズには過酷ではないかと、、。仕上がりのポジには満足いたしましたが、Amazonで口径が合っていそうなのが格安800円位で有りまして、クリックしてみましたら、案の定、中国から、、、
期待せずにしていまして、到着。フルメタル製でなかなかのモノでございます。
しかしながら、ただでさえ大きな本体の上、無限位置でここまで出っ張ります。
既に、人目は気にしない境地に達しておりますので、再出撃してみようと思っています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2024/08/28(Wed) 19:24 No.2583
Re: レンズシェード
フィルム大好き様、着々と充実されていますね。
仰る通り、旧機種にはシェードがあるほうがよく、80-90年台の製品でも、逆光でシェードを付けると露出計表示がわずかに暗くなり、やはりグレアが生じているのだなと思い知りました。
コンパクトで、逆向き収納もできぞうなシェードですね。
私4x5にはこのようなバネでレンズを挟み込むパーンドア型シェードを簡易的に使っています。ジャンクボックスでよくころがっています。

れんずまにあ 2024/08/31(Sat) 17:07 No.2586
Re: リンホフ プレス70
昨年秋に撮影したネガをようやく現像しました。
ゾナー180mmf4.8,f8,1/30,コダックゴールド200

マンフロットの一脚を併用しています。アップダウンがあるので三脚は持っていかなかったと思います。
テヒニカ70もそうですが、プレス70は余計に縦位置主体になってしまいます。
縦位置は好きなので、構図を決めるのも楽しみですが、横にしようとすると労力ですね。

リンホフのスーパーローレックス6x7は、プロポーションが6x8に近く、個人的に日本の67機よりも好ましく思っています.そして日本の6x8機が9枚しか撮れないのに、リンホフは10枚撮れて、フィルムシースへの収まりもよろしいかと思います。

れんずまにあ 2025/02/06(Thu) 21:03 No.2714
Re: リンホフ プレス70
ビオゴン53mmf4.5、f11,1/30,コダックゴールド200

昨年は紅葉が遅く、訪れた時にはまだ色付いていませんでした。
超広角ですが、縦位置では横方向の画角が標準レンズに近く、視覚的には縦方向のパースが強調されるだけで横方向は自然かと思います。
プレス70は重く取り回しに難があります。しかしレンズ交換の際の距離計連動精度は非常に信頼感があり、積極的にレンズ交換したくなります。
ただしダークスライド挿入有無の安全機構はなく、つい1枚無駄にしてしまいました。

れんずまにあ 2025/02/06(Thu) 21:13 No.2715
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
リンホフ プレス70のご投稿、有難く拝見いたしました。ゾナー180mmの綺麗なボケの中に浮かび上がるシャープな花の描写に加えビオゴン53mmの目の醒める様な写真に惹きつけられました。以前、ebayにて53mmが二度購入できるチャンスがありましたが
65mmも使いこなしてもいない事を反省して見送ってしまった事に後悔しきりです。
レンズ自体から立ち上がる精密感も素晴らしいですね。引き続きの作例のご投稿を楽しみにしています。よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/02/07(Fri) 09:01 No.2716
Re: リンホフ プレス70
フィルム大好き様、過分なご評価いたみいります。
まさにカメラに撮らされている感があります。
ゾナー180は以前グラフレックスXLで使用したことがあり、また改造品をSL66で持っていますので3本目の経験です。
XLはレンズ交換に非常に気を使い、また交換時に距離計キャリブレーションを行うのですが、それがいまいち信用できないので、レンズ交換をしないか、焦点板での確認をせねばならないのに対して、プレス70の確実性と高精度はありがたいところです。
ところで、ビオゴン53をリンホフテヒニカ70や、リンホフ23に装着した時に、ベッドダウンを必要とするのかどうか、いまもって疑問に思っています。
最近関西で舶来大中判に強い店舗がアクセスしにくくなっていて疑問をぶつける先がありません...
れんずまにあ 2025/02/08(Sat) 21:52 No.2720
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
Sonnar180とBiogon53の素晴らしい画像をありがとうございます。
この頃のZeissレンズの描写には,繊細さと気迫が感じられるように思います。

> ビオゴン53をリンホフテヒニカ70や、リンホフ23に装着した時に、ベッドダウンを必要とするのかどうか、いまもって疑問に思っています。

これはどうでしょう。SA65mmでも横位置ならケラれないのですが,縦位置だと上端の7mm程が標準位置(6x9)でケラれる。Biogonは鏡胴が長い分有利ですが,焦点距離が短いのでどうでしょう。もし縦位置でケラれる可能性があれば,アオリの自由度も含めてリンホフはベッドダウンを推薦すると思います。テヒニカ23IVの取扱説明書(1957年頃)には,Biogonの装着方法について解説があり,ベッドダウンが標準使用法です。テヒニカ70の説明書にも,広角一般の設定位置としてベッドダウンが説明されていますが,個別の設定に対応していたかどうか... 。

狸おやじ 2025/02/09(Sun) 13:19 No.2723
Re: ビオゴン53装着法
狸おやじ様、貴重な資料をありがとうございます。
この図を拝見すると、確かに53mmもベッドダウン+内側レール後退で装着するように見えます。
23でもそうなのですから、70では縦位置が標準であることを考えると、65と同様のセットアップが必要そうですね。45も当然そうなのでしょう。
しかも本文を読むと、ボード装着前に10ミリライズして、装着後に定位置に戻すなど、作法が多いことに驚かされます。
ただし超広角まで同じボディでカバーできるリンホフの汎用性の高さを改めて感じました。
れんずまにあ 2025/02/09(Sun) 17:01 No.2724
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
不明な点があるのも、リンホフ故なのでしょうか。所有していないくせに生意気なコメントを控えておりましたが、本家の日暮里の御仁に問い合わせてみました。
曰く、
横位置撮影ならば必要ありません。縦位置撮影ならばベッドは映り込むのでベッドダウン
してください。
との事でした。
調べるほどミステリアスなレンズですね。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/02/10(Mon) 00:37 No.2725
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
お世話になります。linhof70のサービスを本国のlinhof社に問い合わせいたしましたら
以下の返答を得ました。
もう、壊さない様にするか、アメリカのLaflexに依頼するしかない様です。
よろしくお願い申し上げます。
Thank you for your e-mail.

SERVICE | Linhof

Please follow the link and see under &#8222;REPAIR“

Older cameras and accessories
You will certainly understand that not all Linhof products depending on their age can still be repaired. The older the camera the more complications have to be anticipated. Generally speaking all cameras older than production year 1959 can no more be repaired lacking spares. The same applies to the models:
Super-Technika V &#8211; with rangefinder
Technika III 6×9, 9×12
Aero Press
Press 70
Standard Press
Elektrik 70
Linhof 220
Kardan Color, number range 101-1400
Kardan Standard
Technika IV 6×9 und 9×12
Technika 70

We are sorry, but we do not offer service or repair for Technika 70 cameras.

Kind regards
フイルム大好き 2025/02/13(Thu) 19:19 No.2730
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
貴殿のビオゴン53mmのご投稿2715を拝読後、どうしても頭から離れず、密かにサイトの検索はしておりましたが、あっても見て見ぬふりの痩せ我慢。
先日、ebayにて、super anglon 53mm f4の売物を発見、ビオゴンのおよそ半値。もとより、ラッパ型のクローム鏡胴レンズに憑かれていますので思い切って落札出来ました。幸い、カムも有りますので、番号未刻印ですがスクリーンで試してみるつもりです。
到着後、メンテナンスを施し、リンホフ23の板に作例を投稿出来ればと思っています。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/02/20(Thu) 16:38 No.2736
Re: SA53/4
フィルム大好き様、順調に装備が充実していっているようでお喜び申し上げます。
SA53/4はプレス用のはかなり珍品なんでしょうが、テヒニカ用はたまに見かけます。
テヒニカ23Vで友人が使用していて、良い感触であることは聞いておりました。
カムがあるのはいいですね。
長いレンズですが、シャッターは一般的なコンパーで整備もしやすそうです。
写りが上がりましたら是非拝見させていただきたいです。
れんずまにあ 2025/02/23(Sun) 10:04 No.2739
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつも、有意義なご投稿ありがとうございます。
ebayで落札したSA 53mmf4が手元に届きました。概ね問題はありませんでしたが、シャッターソケットの戻りが渋く旧型白ですので代理店に相談してみようと思っています。
23Vにセット、ピントグラスに広がる画角など確認しました。
到着迄よせば良いのに再度、ebayにてファインダータイプU、れんずまにあ様リンホフ70のご投稿1576による53、80、180の組み合わせでクセノター80が一つセットの商品を見つけ 53ミリの視野を見ながら手持ちで、、という欲に負けて頼んでしまいました。月末に到着予定です。準備できましたら作例を投稿させていただこうと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/06(Thu) 23:04 No.2751
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、これでシュナイダーのドリームセットが組めますね!
ファインダーが対応しているなら、ディスクカムも53が調整されている可能性が高いですし、まずは到着が楽しみです。
クセノター80は30年前ごろカンボXLについているのを店舗で勧められたことがあり、後ろ髪引かれましたがその時はスルーしました。当時余裕なかったけど、今も悔しいです。
リンホフについているのは本当に珍しいですね。コンパクトで写りも期待できます。
良い品が届きますように!
れんずまにあ 2025/03/09(Sun) 11:32 No.2754
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもお世話になります。 70のタイプUが思ったより早く届きましたので報告いたします。商品説明ではレンズシャッター全速問題無し、本体機能も問題無しとなっておりましたが、まずシャッター1秒からスローは全て途中で引っかかる。ソケットは外れて中のピンが無い。本体のレールは硬くて、乱暴ながらシリコンスプレーでやっと。といった感じです。ただ、ファインダーがことのほか綺麗で安心しました。
問題のSA53mmですが、1秒が引っかかる為、TOYOの主人に問い合わせしたところ、
このタイプの旧コンパーは部品交換ができない為お手上げかも、との事に少々青くなりました。工房がご自宅へ移された様で早速送付。幸い無事に作業進行中です。
80mmのカム番号は、一致して安心致しましたが、 53mmに打たれている番号は、何とオーバーホール中の個体と判明しまして、偶然による天佑と喜んでいます。
作業完了したら
手持ちで撮影を楽しむつもりです。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/11(Tue) 13:45 No.2756
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、まずは到着おめでとうございます。
少々の整備は必要のようですが、期待して待ちましょう。
TOYO様はご自宅でサービスをご継続ですか!!工房は閉じられたと新聞に出ていたようで、完全閉業かと悲観していましたが、世界中に愛用者がおられるでしょうから、サービスだけでもお続けになるなら安堵です。
そして53のカムとシリアル一致とは、奇跡の邂逅ですね。そんなすごいことがあるのかと思うのと同時に、そんなに数が少ないのかとも。
とりあえず完成が楽しみですね。
れんずまにあ 2025/03/12(Wed) 21:38 No.2757
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
ありがとうございます。TOYO様は怪我が原因で工房を移されたそうです。かなり、修理依頼が来ていて忙しそうです。
シリアル一致が判明した時は思わず、声が出てしまいました。販売元のサイトを見てみましたら案の定、ジンマー180mmのシリアル一致商品が出ていました。
180mmは手元にありますのでこの辺で、と思います。
ボディ、レンズと高額治療費が嵩み頭痛のタネです。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/13(Thu) 01:13 No.2758
Re: リンホフ テヒニカ70
なんとジンマー180がすでに装備されていましたか。
私が物心ついた(大中判のw)時には、23カメラはスーパーテヒニカVブラックになっており、レンズはMCのSA65/5.6、Symmar-S100/5.6、同180/5.6の一択でした。つまりその頃はツァイスの選択肢も、テレタイプのレンズも絶滅していたわけです。
しかし70にジンマー長焦点の選択肢があったとは、驚きです。
もちろん2段レールで繰り出し量に余裕があるので、テレタイプでなく対称型を使うには問題ないし、ライズやティルトの余裕も十分になるでしょう。そしてジンマー180はテレタイプの同焦点距離をどうかすれば凌駕する画質でもあります。
後にレンズだけ依頼してカムを切ってもらった可能性もありますが、そういう選択があったのだなと初めて認識しました。
れんずまにあ 2025/03/13(Thu) 16:26 No.2759
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもお世話になります。
タイプUの個体、日暮里のクリックに入庫、チェックの上ジャバラは大丈夫という事で、清掃、グリス入れ替え、ピントグラスバックの張り革の剥がれの貼り替え、シャッターソケット付け直し等突貫で作業してくださり、引き取ってきました。 80ミリのスローはダメですが手持ちでスローは使わないので、当分このままで行こうかと思います。
久しぶりにショルダーバックに入れましたが、重いですね。
まずは、手持ち 80ミリの撮影結果の報告になると思います。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/14(Fri) 18:03 No.2760
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
諸先輩の皆様
お世話になります。
先日、クリック様でお土産に今はなきフジPRO400の120の冷蔵保存の5本パックをいただきまして、期限切れ2年経過の状態はいかにとタイプUに詰めてテスト撮影をしてみました。
スーパーロレックスを装填した本体の重みが応えまして体力の衰えを実感、三脚セットピンとグラスにてシャッタースピードの怪しいクセノター80mmの結果です。フォーマットは6×7です。
ISO400
SS1/25
f2.8と4の間です。スピード現像30分後、EPSONGTX980でスキャン、silverfast9
にて1600ppiです。lrにて少し手を加えました。
まあまあ満足しましたが、体力の衰えに、愕然、腕立て伏せ復活しようと思っています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/18(Tue) 17:28 No.2767
Re: Xenotar80/2.8
フィルム大好き様、素晴らしいクセノター80mmの画像を早速ありがとうございます。
焦点がバッチリで、信頼できる精度が証明されお喜び申し上げます。
解像力シャープネスも申し分なく、さらにワンチャンの柔らかな毛並みがよく再現されていますね。
これが最近のアポジンマーあたりだと、女性の髪が針金のように写ったりすると行きつけのカメラ店主がおっしゃいます。
カラーネガの描写も良く効いています。広いラチチュードと、適度なコントラストで多少シャッターの正確性が疑問でも、包容力が高いです。
私は85年ごろにプリントを最終目標にしだしてから、ポジからネガに軸足をうつし、今ではいい加減露光ができる横着のためネガばかりです。
昨今のフィルム事情では、フジの400は超高級品になってしまいました。大事に使いたいですね。
れんずまにあ 2025/03/20(Thu) 07:46 No.2770
プレス70用ゾナー180mmf4.8
プレス70セットは、ビオゴン53/4.5、プラナー80/2.8、ゾナー180/4.8でした。
ボディ+3本、ローレックス2個を入れたスリングバッグは、バーベルのようです。
テヒニカ70の、テレアートン180/5.5を含めた3本セットがいかに小型軽量か身に染みます。

ゾナー180は、95年ごろグラフレックスXLで経験がありました。XLRFで使って大変高性能でしたが、セット重量がブロニカGSー1+200/4.5とあまり変わらないこと、XLはレンズ交換時の精度が落ち着いて行わないと不確実になることで、売却してしまいました。
その後海外通販でSL66マウント改造されたジャンク価格の個体を入手。(画像右)高性能は知っていたので、プレス70に含まれ嬉しいことでした。(画像左)
そのうち知人からXL用(画像中)を譲渡され、3本体制になってしまいました。

ただでさえガラスが多く重いところ、プレス用は過剰に頑丈で正直山に持参はしかねます。
しかしXLで苦しんだレンズ交換精度は大変高く、ほとんど気を使いませんし、RFの精度も満足できます。
撮影中いちいち精度に気を遣っていられないのも確かで、XLはボディつけっぱなしでレンズごと複数ボディを持参するという小型軽量を相殺するような使い方になりかねません。
平地では積極的にプレス70を持ち出しています。

れんずまにあ 2025/03/20(Thu) 08:06 No.2771
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
早速の拙作へのお褒めのコメント、ありがとうございます。恐縮しております。
プレス70のレンズの仕上げの良さが伝わってきます。今やこんな仕上げは望むのも不可能ですね。
ライカは復刻版を出したりしている様ですが、リンホフも一考してもらいたいものです。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/20(Thu) 15:58 No.2772
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
お世話になります。SA 53mmのOHが仕上がってきました。思いの外時間がかかった理由は、売主がスタックしたスローに乱暴にオイルをくれたらしく、その洗浄とガバナに少し錆が生じて、丁寧に錆落としをしてくださったとのこと。TOYO様に大感謝です。早速70にセットしましたらレール後端で今にも外れてしまいそうな位置。少々パニクリましたが、上レール2段目迄後退してジャスピン。その場合のインフストッパーは 80mmより前の逆転位置に来ました。説明書には記載がなかったようで混乱しました。
流石にファインダー視野は大きく目をぐるぐる回すようです。
近々、テストして
報告申し上げます。よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/24(Mon) 16:29 No.2777
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもお世話になります。
先日のSA 53mmのセット説明で、上レール2段セットバックと記しましたが、もう一台の70で試したところ、一段セットバックで完了しました。移動位置もタイプUの2段目はタイプTの1段目と同じ。製造年は、タイプUが古くこのへんに差があるのか、タイプTとタイプUではセットバックの設計が違うかもしれません
比べてみてわかった点です。
写真左がタイプU、右がタイプTです。タイプUの下レール左に変形五角形のプレートが埋め込まれています。それがなんなのかわかりません。下のロックプレートの角度も違います。又、ミステリーですね。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/25(Tue) 23:38 No.2778
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
近くの神社の枝垂れ桜が満開で、手持ち 53mmの出番と撮影をしてきました。本体の重さに腕が痙攣しそうでしたが結果は満足出来ました。
データはSA 53mm、f16、SS1/250、フイルムは期限切れフジPRO400です。スキャンデータは前回と同じです。
PCからLINEに送り、アルバム保存、で添付致しましたが、解像度は落ちてしまっているようです。ネガ上ではバリバリでした。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/27(Thu) 17:44 No.2779
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、SA53の桜は見事ですね。ネガでは解像はさらに良かったとのこと、モチベーション上がりますね。
しかしタイプIIの内側レールの下にそのような構造が!
気になって拙宅の2台を調べたら、どうも2台ともタイプ!のようです。5角形は出てこなかった...
これから良い季節になりますね。カラーフィルムが映える季節ですが、現像料金と返却期間に恐々としています。
70を使うとついつい縦構図になってしまいます。
そういえば、GS645もそうでした。
縦の美しさを探すことになりそうです。
れんずまにあ 2025/03/28(Fri) 23:17 No.2783
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
早速にコメントを頂戴して、ありがとうございます。SA 53mmですが
他のネガを含め仔細に桜の写真を見て、どうやらこのレンズは中央周辺は文句のつけようがないのですが、四隅がイマイチのようです。貴殿のビオゴンの作例のご投稿を今一度拝見、全面先鋭な結果と比べて気がつきました。この辺りが、ツァイスの評判が不動の理由なのかと思います。
癖を上手く使いながら、使っていこうと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/03/29(Sat) 10:20 No.2785
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
いつもありがとうございます。
カムNo.一致のジンマー180の売物を発見後、どうも気になり散り散りになった家族を戻してやりたくなり、取り寄せてしまいました。シャッターもレンズもまあまあの状態でした。上レールを一段引き出してインフ;の位置に来るようです。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/03/30(Sun) 12:36 No.2791
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
連続投稿、失礼致します。
ジンマー180にデジタルバックセットでの作例です。
よろしくお願い申し上げます。
データは以下の通りです。
ISO1600
f5.6解放
SS1/25
GFX50SU

フイルム大好き 2025/03/30(Sun) 12:41 No.2792
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
皆様
2年前、ebayで見つけて買っておいた、70、23V用のカムがあるのを思い出して、TypeUのカムを外して比べてみました。年代の違いか、180mmのカラーリングが違う事と、180mmジンマーはシリアルの字体の違いから、後日追加しているのかなと思います。れんずまにあ様ご投稿2759のご推察の通りで驚きました。未刻印、未切削の個体と比べ、ヤマのカーブの違いに驚きます。特に 53mmは、ビオゴン対応かと思います。
これはこれで、手を入れない状態だとどうなるか試してみたくなりました。
素人の手仕事でヤマの切削はしないように致します。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/04/11(Fri) 12:37 No.2806
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
先日、カム番号一致のSymmar180mmが手元に届いた後、一応前後のエレメントを分解清掃後デジタルバックをセット、いつものテスト風景を切り取ってみました。シリアルから1963年製と思しき個体ですが、これ以上望むところはありません。実際の解像度は、驚くべきレベルです。ストッパー位置は、フイルムより使いやすく随分手前でセット出来ました。
総重量は重く、三脚を使用しました。
データは
linhofテヒニカ70
Symmar180mm
ISO500
1/125
f16
GFX50SUバックです。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/04/17(Thu) 01:13 No.2817
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
いつもありがとうございます。
リンホフ70の純正、ジュラルミンケースについて投稿申し上げます。
手元にタイプ1購入時についてきた一つと、タイプU購入時にセットで同じく届いた物がございます。届いた当時は何方も黄色み帯びた変色が進み、とても見られる状態ではありませんでしたが、研磨剤と電動グラインダーで磨き上げ、バフがけを繰り返し、何とか見られる状態に戻すことができました。中の仕切りはバリエーションがあるようです。
重さは、空の状態で4.7kgもありまして、一度電車に持ち込みましたが、乗り降りの際人にぶつからないよう注意しました。フルセットですと9kgは軽く達して、クルマ移動以外は無理です。
但し、各レンズとボディ、各アクセサリーの収まり様は見事です。
70の持ち出しは、もっぱらビリンガムのショルダー、レンズは一つだけが続いていますが、クルマのトランクにこのケースを入れてGWに出かけてみようと思っています。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/04/19(Sat) 17:59 No.2820
Re: リンホフ テヒニカ70
フィルム大好き様、益々のご精進おめでとうございます。
まとめてのコメントで恐縮です。
まずはジンマー180の迫力に驚きました。
23ボードに溢れんばかりのサイズですね。そして内レールを引き出して無限が来るのも初めて伺いました。ストッパーは設置されているのですか?
性能はバイテンギリギリ不足ほどのイメージサークルを持ちながら、解像力は十分高そうで、さすがです。

そして未切削、未刻印のカムとの比較も驚きです。
拙宅のカムの一つは、65,100だけ焦点距離とシリアルの刻印があり、もう一山は何も刻印がありません。なので未切削は何も刻印がないものだと思っていました。焦点距離が刻印されていて、大まかな形状のものがあるんですね。
そしてレンズとの適合は結構微妙な調整が必要なのがよくわかります。
シリアル一致のレンズはとりわけ貴重であることも実感できます。フィルム大好き様の180はやはり合わせてあげてよかった。

純正70トランクケースがあるのですね。
つくりの良さが伝わってきます。昔の映画に出てきそうです。
重量は、現地の連中とは体の作りが違うのだなあと。
思えばプレス70の3本セットなど、日本人が思いつく重量ではない気がします。企業内で絶対に企画が通らないと思います。
テヒニカ70にそのケースを組み合わせて運搬、雰囲気ありますね(笑
れんずまにあ 2025/04/20(Sun) 01:38 No.2828
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
大先輩からコメントいただき、恐縮しております。ありがとうございます。
おかげさまで、環境が整い、本年の課題としてモノクロの120とシートフィルムの自家現像並びに薬剤別の比較。。あわせて増感現像とアオリ撮影にトライするつもりです。リバーサルも撮りながらアルバムを楽しむつもりです。

SNS用の写真は、iPhoneで充分ですが、気になるのは、インスタグラムでミラーレスカメラにボードから外したスーパーアングロンを取り付けて作例を出している方がおりまして、いずれトライしてみようと思います。
よろしくお願い申し上げます。
フイルム大好き 2025/04/20(Sun) 17:51 No.2829
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
コンバーチブルジンマー180mmの前群外し、315mmf12にトライしてみました。デジタルバックを70にセット。内レール最大に伸ばし、蛇腹が伸び切ったところでピントが合うまでもう一息でした。れんずまにあ様の仰せの通りのご投稿No1583の対象型300mmまでとのご指摘の通りでございました。これはフイルムでも無理で4×5の世界なんだと諦めました。
180mmで割り切って楽しんでいこうと思いました。
宜しくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/04/22(Tue) 01:38 No.2832
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
お暑う御座います。
上野、不忍池の蓮の撮影の予行演習に70を持ち出し
出歩いて来ました。
酷暑の中、やはり、キツイですね。
今年は、65ミリか100ミリどちらか1本にしようと思います。
デジタルカメラはiPhoneのみ。
6x7でリバーサル1本、余力があれば2本。
グッタリ帰宅枝豆でビールとなりました。
よろしくお願いします。

フイルム大好き 2025/07/04(Fri) 17:20 No.2909
Re: リンホフ テヒニカ70
れんずまにあ様
狸おやじ様
持ち出し準備の中、少し気がついたこと。
スーパーアングロン65mmは、古いf8の方がf5.6を凌駕しているような気がします。
コーティングがマルチとかはどうでも良く、この小さなf8が宝石のように思われて仕方ありません。
色々テストを繰り返して、今後ご報告申し上げます。
よろしくお願い申し上げます。

フイルム大好き 2025/07/04(Fri) 18:43 No.2912
コンゴーという名のレンズ

PROUD CHROME SIX
隅田光機製作所 1951年頃

レンズはK・YAMASAKI BIO-CONGO75mmF3.5
シャッターはSYNCHRONT(自社製?)B・1〜1/200 セルフタイマー有
6x6・6x4.5切替マスク内蔵 裏窓式

2,000円とは言え、普段はスルーしている当たり前の50年代の国産フォールディングカメラだと思ったのですが、レンズ銘板を見るとCONGOの文字が。スマホで検索すると、戦前から21世紀まで大判用レンズを製作していた山崎光学研究所製のレンズと分かりました(2013年廃業)。
俄然興味が湧き、持ち帰ってカビと錆びにまみれた機体をレストア中です。
外装とレンズ、シャッターは何とかなりそうですが、問題は蛇腹。これは時間が掛かりそう。

ほぼ大判用レンズ専業だった山崎光学が何故50年代の一時期にだけ中判カメラのレンズを製造していたのかは分かりませんが、何とか写る様に直したいものです。

山崎光学から分かれた山崎光学写真レンズ研究所は現在も小規模ながらライカレンズの修理と研磨・再コーティングでかなり有名です。一族で100年間にわたって写真レンズに関わっているのも日本の企業として興味深いです。

取り敢えず撮ってから 2025/07/04(Fri) 18:18 No.2910 [返信]
処理 記事No 暗証キー

- JoyfulNote -