BessaII
独Voigdlander製6x9cm一眼式RF連動スプリングカメラ
VS. Super Ikonta 69
クラシックカメラ誌では精度的にSuperIkonta(S)には一歩及ばないという意見が多いようです.
確かにIkontaも良いカメラですが,精度云々は私にはわかりません.
一応使い勝手の面からは,個人的にはBessaII(B)は最良のクラシック69スプリングかと思うのだがどうでしょうか.
1, セルフエレクティング
S:一気に組み上がろうとするがフィルム面に悪影響が出る怖れがあるためカバーに手を掛けて軟着陸が必要.折りたたみアルバダファインダーは自動的に起立するが,RF用ドレーカイルを手で起立させる手間がかかる.RF光路は棒プリズムなので狂いが少ないが,RF窓の間にファインダーを入れる事が出来ずやむなく折りたたみにしているのだろう.
B:ロック解除ボタンで半開きになり,後は手でカバーを起立させる.Sのような危なげさはない.
2, フォールディング
S:ドレーカイル畳み−タスキを両手で押してカバー畳み−ファインダー畳みの3ステップ.チャージには関わらない.
B:レンズ前板先端のロックタブを押さえ,カバーを畳むのみワンステップ.距離位置がどこでも,シャッターチャージ前後でも畳める.
3, フォーカシング
S:ドレーカイル基部のダイヤル,基本的に右手.カメラ先端部なので保持にやや無理がある.RFとファインダーは二眼式.RF倍率が高くなるので悪いことばかりではない.最短撮影距離1.5m.パララックス補正マークつきアルバダフレーム.
B:軍艦部上面左手側のダイヤル.視認性も操作性も良い.一眼式ファインダーのため便利だが倍率は低め.ただし精度は良好.最短撮影距離1mは素晴らしい.また畳んだ状態で目測で距離合わせしておくことが可能.ファインダーに光学フレームはなくパララックス補正はされないので撮影範囲を厳密にできない欠点はある.
4, シャッター;どちらもセルフコッキングではなく手動チャージ.
S:左手側軍艦部上面のボディレリーズ.やや重い.
B:左手側カバー基部のレバー.大変軽い.
5, ワインディング
S:左手側ノブ,赤窓
B:右手側ノブ,赤窓
如何でしょうか.
VS. Fuji GF670
流石に最新機だけあってほとんど全ての点でGF670の方が高性能なのは間違いないでしょう.1台だけ持参するなら文句なくGFかと思います.
個人的には,BessaIIは大判のサブに持参し(なにせ69ホルダー用ベルトケースに入ってしまうので)大判では間に合わない速写性を期待する用途もありますが,主に広角機(例えばVeriwideIIやConvertible Horseman)とペアで持参することが多いため,GF670では画角的に広角と差別化し辛いことが気になりました.
それと私は69の横長好きなので,プロポーションが気に入らなかったため,GFは入手しませんでした.
今は少し悔いています.フジノンの高性能をもってすれば5x7cmにトリミングしても充分以上に高画質でしょう.
どのレンズも非常に高性能.開放で比較するとカラースコパーよりもカラーヘリアのほうが周辺部の像が整っている.
アポランサー付きはコレクター価格なので試す機会がなかったが,リンホフ用ではf4.5付近で比較してカラーヘリアより滲みが少なく高コントラスト.ただしホットグラスが使われていて黄色のカラーフェリアがある.(スプリングカメラの性質上ホットだと感光の怖れがあるためベッサ用はコールドだという噂があるが本当だろうか)
カラーヘリアの評価をする.このタイプのカメラの中では信頼性が最高レベル.開放は1980年代以降のレンズ,例えばSMC-Pentax67や,Zenzanon-PG,Symmar-Sなどと比較してコントラストが低く,細部が滲んでいるが,四隅まで繊細で均一な解像力があり,一般に線が細いと評されるのはこのことかと思う.絞り込むと滲みは消えてゆき,厳しく見てf11ではPentax105/2.4のf11に並ぶコントラストが得られる.拡大率が高いほど生きる大伸ばし向きの特性かと思う.また最短1mは69スプリングカメラ中で群を抜いて寄れ,Bessaは直進繰り出しで近距離性能が良く,距離計精度が高いため,開放全紙伸ばしに充分耐えられる高画質.
69の大画面カメラとしては驚異的な携帯性。
写真はペルケオ2(6x6cm)と並べたもの。こちらはまた66として驚異的な小型サイズなので流石に分が悪い。
・Color-Skopar105mm f3.5
・Color-Heliar105mm f3.5
・Apo-Lanther105mm f4.5
この中で経験が有るのは多分ヘリアーだけです。テッサーに対して1枚の余裕とか云っていたヘリアーですね。
マミヤCの105mmが貧乏学生でも入手し易いヘリアタイプだったんじゃないかと思います。
マミヤC33用105/3.5はまんまヘリアですね。
レンズを取り出して使用された方によると充分69をカバーできるそうです。
ただ球面収差補正が66に合わせてあると、3群トリプレット発展ですから69周辺の像面がどうかなと心配になります。
またRB67用127/3.8もヘリアでしたでしょうか。
これは平坦性を考慮しないイメージサークルだけなら4x5をカバーできるレンズです。
127は性能も良いですね。
残念ながら(?)、プロSD用127/3.5はイメージサークルが6x8ぎりぎりになってしまいました。
後は、マイクロニッコールの105/4や、ベローズキヤノン100/4も確かそうだったかと。
本家フォクトレンダー製で素晴らしいと思ったヘリアは、ステレフレクトスコープの75/4.5でした。今は手元にありませんが。
プロミネント69の105/4.5も素晴らしいらしいですが、生プリントを拝見するとカラーヘリアよりさらに柔らかいように見えました。
イコンタとの使い勝手の比較,参考になりました.ただ1点,ベッサは二重露出防止機構がないのではないでしょうか.イコンタはある世代以降は二重露出防止機構があるので(赤窓式ではありますが)操作手順を間違ったのではないかと不安を感じる局面がなくて安心のように思います.69判ですと1枚から送りはかなり痛い(多重露光も痛い)ですので・・
書こうと思っていて書き忘れていました。すみません。
ボディレリーズのスーパーイコンタは二重露出防止機構がありますね。
自動巻き止めのスーパーシックスやスーパーセミではレリーズ押し込みで巻き止め解除、巻き上げキー回転でシャッターロック解除。とてもシンプルで、失敗防止に有効です。
69モデルは赤窓送りですが、多分同じですよね。
私はベッサが初体験であり、また日頃から大判を使うので、撮ったら巻く、巻いたらチャージする癖がついていてあまり恩恵は感じないのですが、120フィルムは巻きあげた状態で放置するとフィルム平面性が懸念されますから、あまり褒められる癖ではないかもしれません。
写真:ベッサもイコンタもフィルムゲートはトンネル式ではなく、平面性はそれなりと思うが、素直な直線送りなので実写でピントを外すことは記憶にありません。
私のベッサIIは、送り側のスプール穴をきちんと上下の凸に入れるのですが、この後のモデルではフォクトレンダーによくある、送り側をバスケットに入れるだけになります。フィルム交換は迅速になりますが、果たしてちゃんと巻けるのか、平面が保てるのか不安になります。