Kodak Retina IIa / Rodenstock Retina-Heligon
2007年6月

レチナはIIaに限る。
解説動画
仕向地による仕様の違い

今回入手したレチナは Rodenstock Heligon 付きで、欧州仕様のようである。以前から所有する Schneider Xenon 付き(おそらく米国仕様)と比較した。
相違点1:左の写真のように、装填フィルムのメモの記述が異なる。上(Xenon付き)では英文表記だが、下(Heligon付き)はドイツ語表記になっている。順にカラー(デイライト光源)、カラー(タングステン光源)、赤外線、パンクロ(白黒)となっていて、フィルム感度の数値もDIN表記になっている。

相違点2:米国仕様と思われるXenon付き(右、Nikkor に換装されている)は距離目盛りがFeet単位だが、今回入手したHeligon付きは当然m表示。
相違点3:米国仕様のものではシリアルナンバー冒頭にEKが付くが、今回のHeligon付きのものではそれがない。
XenonとHeligonは本当に別物のレンズか

IIa に搭載されている Xenon と Heligon を比べた。外観は明らかに異なる。鏡筒の厚みや仕上げ、銘板の形状や文字の入れ方(Xenonは白を埋めてあるが、Heligonは象眼のような仕上げ)、コーティングの色が異なる。
レンズに反射した像の大きさや位置関係も異なるので、レンズ設計そのものも異なるようである。レンズの全長も異なる。
後玉についても、コーティングの反射色や反射像の配置が異なる。Heligonの鏡筒外周には刻みが付けられている。
ノギスでレンズ最前面と最後面の有効径を計測したところ以下の通りだった。
前玉径 | 後玉径 | |
IIa Heligon | 25.5mm | 21.2mm |
IIa Xenon | 25.1mm | 20.95mm |
IIIc Xenon | 25.5mm | 21.1mm |
