ニューマミヤ6

1989年発売されたマミヤ光機製6x6cmレンズ交換式レンジファインダーカメラ.
31mm沈胴機構を持ちコンパクトに携帯できる.

交換レンズに応じて採光式ブライトフレームが切り替わり,距離計は実像式で上下像合致式で使えば150mmの精度も確保できる.
中判のライカM3との評価も当時聞かれた.
電子制御リーフシャッター,絞り優先AE,1/500〜1秒,B

レンズは以下の3本が供給された。
標準レンズ,セコール75mmf3.5はオルソメタータイプでは最も明るい開放値と高性能を両立したと当時評価されている.
広角:セコール50mmf4,スーパーアンギュロンタイプ.
望遠:セコール150mmf4.5,エルノスタータイプ.
何れも水準以上、開放から尖鋭で信頼できる画像が得られる。
惜しむらくは、交換レンズがこの普遍的な3本に止まったこと。
もし35-38mmクラスの対称型レンズが供給されたなら、完全にハッセルブラッドから切り替えても良いかと思わせる.

レンズ交換は底部のキーを回転させ内蔵遮光幕でアパーチャーをカバーすると可能.レンズ交換後遮光幕を待避させるとシャッターが切れるようになる.

また露出計はTTLではなくファインダー光学系に設置されている。そのためレンズ交換によって測光重点範囲が変わり、50mmはスポット、75mmは中央重点、150mmは平均測光に近い分布になる.

1993年に645フォーマット、35mmパノラマも撮影出来るマミヤ6MFが登場交代した。(マミヤ光機が大沢商会倒産のアオリで危機に陥った際オリムピック釣り具と統合した92年を挟んで発売)

写真:左150mm,中央75mm,右50mm

れんずまにあ 2015/12/05(Sat) 20:07 No.94
Re: ニューマミヤ6の接写装置
往年のオートアップと同じ原理ですが,大きなファインダーをカバーするため巨大なファインダーレンズが設置されています.
ほぼ葉書大の接写ができます.
結構な厚みのガラスレンズが使われていて,見え味は良好ですが,かなり嵩張ってしまい,葉書大にこれほどの労力を払うなら,35mm小型SLRに50mmクラスのマクロレンズを携えて行くのも変わらんじゃないか?と思ったりします.

75mmレンズのフード固定バヨネットに装着される構造です.
レンズが奥に入っていて,50mm前玉に接触するので75mm専用です.

れんずまにあ 2015/12/05(Sat) 20:14 No.95
Re: ニューマミヤ6沈胴機構
沈胴機構は31mmであり,完全にフラットになるわけではなく,標準以外では突出が大きいためそれほど携帯性がよくなりません.
多分この数字は,50mmのバックフォーカス分に合わせているのでしょう.
75mmや(意味無いけど)150mmならもっと沈胴できるはずです.
想像ですが,熱望した38mmも,沈胴できなくなるためラインアップできなかったのかと.
超広角への要望はマミヤ7でかなえられます.そしてマミヤ7は沈胴しない固定ボディになって,ずいぶん嵩張るようになりました.
沈胴しつつ,超広角も使える(超広角で沈胴規制できる)ボディが一番だと思うのですが...

れんずまにあ 2015/12/05(Sat) 23:31 No.97
Re: ニューマミヤ6
レンズの性能は最高レベルです.
75mmf3.5同士でローライ3.5Fクセノターと比較したところ,コントラスト,滲みの無さで圧倒的にセコールが優秀でした.
柔らかな描写という点で3.5Fも私は好きですが,現代のレンズの高性能を見せつけられました.
というか3.5Fってローライの中では相当硬い写りだと思っていたのに,結構ショックでした.

写真:New Mamiya6 75/3.5, f8, AE, Reala ace 220
出張のお供にマミヤ6と75,150,ハッセルSWAを持参,結局ほとんどSWAで撮影し,75少々,150はほぼ使わず.

れんずまにあ 2015/12/06(Sun) 00:06 No.98
6×6 or 6×7
 当時(今でも)近代的な6×6版のレンズ交換式距離計連動機は他に探せませんでしたから。
 ”ライカMに匹敵する距離計は出来ない”なんて記事が有ったところにコレが出たものですから、凄いものが出たなと思いました。

 6×6では市場性が無いので6×7にしたというのはそんなものなのですかね?
 自分はすでにGM670が有ったのですが、しばらくフレームを無駄にしないで6×6に改造するにはどうしようかと考えていました。
 現在でも高価で手が出ませんが、レンズ3本でフルコンプというのは美点です。
efunon 2015/12/06(Sun) 07:43 No.99
Re: ニューマミヤ6
efunon様コメントありがとうございます.

>”ライカMに匹敵する距離計は出来ない”なんて記事が有ったところにコレが出た

確かに.でも距離計の基本形はライカMを踏襲しているはずですので,オリジナルでは出来ないという文脈はまだ生きている?

> 6×6では市場性が無いので6×7にしたというのはそんなものなのですかね?

発売当時から,この構成のまま6x7にしてほしいという要望が多々ありました.
風景写真で大画面を保って軽量化したいニーズがあったのですね.当時はレンズ交換RF機が絶えていましたし.あ,テヒニカ23はあったか...
確かに当時一般的とは言えないフォーマットでしたが,マミヤは復権の意味も込めていたのかな.

私は66好きですが,ウエストレベルでこそ合理的なプロポーションかなとも思います.
マミヤ6を縦位置で構えようとして途中で苦笑することが時々ありました.

> 自分はすでにGM670が有ったのですが、しばらくフレームを無駄にしないで6×6に改造するにはどうしようかと考えていました。

67と66って実はあまり面積差はないんですよね.プロポーションも大差ないけど印画紙に焼く拡大率は随分違うというのがペンタックスの主張.
私は66ノートリミングにして,拡大率を67〜68と同じにしていました.645ではそれができません.

> 現在でも高価で手が出ませんが、レンズ3本でフルコンプというのは美点です。

多分あんまり売れていなかったのでしょう.だから出てこないし価格も下がらない.
こういうのは現役末期が一番安かったような気がします.そういうタイミングで食い付くようにしています.

れんずまにあ 2015/12/06(Sun) 09:43 No.100
ニューマミヤ6とマミヤ7の近接撮影装置
Mamiya 7 close up adapter kit NK-701(上)

80mmレンズに58mm径の専用クローズアップレンズをねじ込み、折りたたみ式フレームをボディ底部に装着、距離27.5cm(10.8”)、撮影範囲210x170mm(8.3x6.7”)の近接撮影ができる。倍率固定で0.32倍、
クローズアップレンズは、マミヤ6用のものと比べて厚みがあり、色消し2枚構成。
使用する際には、80mmレンズは最短(1m)にセットしておかねばならない。

ほぼA4サイズの人工皮革ケースに収納、重量640g,厚み最大4cm程度になり運搬はそれほどでもないが、セットアップ状態の占有サイズと、華奢なワイヤーフレームが問題であまり移動することは躊躇する。

New Mamiya 6 auto close up lens(下) と並べてみると、大変に嵩張る機材であることが一目瞭然。

マミヤ6用近接装置と同じオートアップ形式でも良かったと思うのだが、6用は旧来のオートアップと比べてファインダー補正レンズが大きく不評だったのか、精度上問題があったのか理由は不詳だが、マミヤ7ではフレーム型という全く別形式になった。
それにしても、もう少しやりようがなかったのかと思う。

れんずまにあ 2025/05/15(Thu) 23:39 No.2862
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