駒村商会から1971年に発売された6x7cm判目測広角カメラ。
元々はベーシックフレームと呼ばれる基礎を中心に展開するシステムカメラの嚆矢として、まず発売されたもので、ユニットナンバーCH-842が付けられていた。
後日距離計連動ボディ、一眼レフボディ、モノレールビューなどに発展する広大なマップが示されていたが、残念ながらCH-842以外は発売されなかった。
1970年に発売予告された時の記事には「コンバーチブルホースマン」これはカメラ名ではなく、1つのカメラシステムの総称である。トプコン・ホースマン用のロールホルダーが取り付けられる”ベーシックフレーム”を中心に、前後に各種の専用パーツを組み合わせると(後略)
という解説と共に、現在知られる広角ボディには「ホースマン・リポーター」と示されていた。
今ではコンバーチブルホースマンとはこの広角カメラの名称として知られるが、元々はそのような事情だったのである。
ボディ(ロールホルダーなし)101x134x87mm(HxWxD),780gの軽量。
レンズ:ホースマン62mmf5.6,6枚4群オルソメタータイプ。f8までは6x7、f11からは6x9cmをカバーする。
初期型はフレームと枠ファインダー、鏡胴基部が梨地クロームだが後期にはすべてブラック仕上げとなった。
レンズ左右にシーソー状のレバーがあり、保持した左手側がシャッターチャージ、右手側がレリーズになる。これはフジペットと同じ配置。
ファインダーは折りたたみリアサイトとボディから引き上げる枠型ファインダーで光学ファインダーは用意されていない。
後日発売のマップ上には光学ファインダーの存在がある。
ロールホルダーはホースマン用が上下のラグで固定する旧型からグラフロック互換の新型まで使える。初期は金属製で重い(600g)ので、プラスチックで軽量化された後期型のほうがこのカメラに似合っている。
レンズの性能は高く、カメラ毎日白書では距離目盛りの正確さ、歪曲収差の無さを賞賛している。
ホースマン980などのピントグラスバックは共用できない。
偶々初期型のホースマン付属のピントグラスバックが使えるのがわかり、喜んでいる。上下のラグで固定するタイプのピントグラスバックは使用可能。
純正専用品は薄く軽量だが、上記流用品は少々大きく重くなる。
しかし焦点が確認できるのは近接などで便利になる。
この機種も謎の多い機種ですね。
システム展開のロードマップも示されず、どこまでが実際に販売されたのだろうと思います。
最近は違うのかも知れませんが当時はメカメカしたものが一般受けする時代でしたからね。
このプリミティブなカメラに対してユーザーに発展性を感じさせないと売れないと判断したマーケッティング部門の要求だったのか、どこまで本気だったのか疑問を感じていました。各誌の論評も行間に匂わせていた感じです。
距離計連動ボディと一眼レフボディを兼ねるのは結構難しいです。
この広角カメラ、フッド、アクセサリーシュー/ストラップアイレット増設アダプタ以外は販売されていないはずです。
他のシステムは完成写真すら見られません。
>このプリミティブなカメラに対してユーザーに発展性を感じさせないと売れないと判断したマーケッティング部門の要求だったのか、どこまで本気だったのか疑問を感じていました。各誌の論評も行間に匂わせていた感じです。
出典を示せないのですが、この計画を推進していた社長が志半ばで逝去され、既に販売していた広角カメラを残してすべての計画が白紙になったと読んだ覚えがあります。
この辺り、ドイの社長さんと同じくワンマンで大きな夢を持つ社長さんの逝去と共に企画も消滅する典型なのかも。
>距離計連動ボディと一眼レフボディを兼ねるのは結構難しいです。
でしょうね。もし出来たとしてもプラウベルのペコフレックスのような比較的プリミティブなSLRになったと思います。
それでも充分面白かったでしょうけども。
ペコフレックスのシステムもモノレールビューとSLRの融合を図っていますがRFまではカバーしていません。
アルパ120の計画段階ではハッセルブラッドVレンズを利用した6x7RFカメラだったようですが、結局販売されませんでした。
画像:アクセサリーシュー増設アダプタ。上面の三脚穴に設置すればストラップが横吊りにできるようになります。
下面の三脚穴に設置するとカメラを上下逆に使うことができます。多分シフト機能がついたカメラに発展したときに有効になったことでしょう。
不思議な所は、ちゃんとカメラの横幅に合うように設置すると、ストッパーが逆になるのです。(上)
横に張り出すようにすればストッパーが正向きになるのですが、これでいいのかなあ。(下)
つまるところ69コマフレックス+ローライメーター+交換距離計カムみたいな感じですかね。そうなると既存の広角レンズは使えなくなってしまいますし、結局レンズの焦点距離によって形態を選択するシステムになってしまうのかもしれませんね。
どちらの結果も見事なもので、少し絞ると見分けが付きません。
Convertible Horseman 62mm f5.6, f11, 1sec, 三脚
照明でわずかに照らされた背後の建物もディティールが判ります。
>不思議な所は、ちゃんとカメラの横幅に合うように設置すると、ストッパーが逆になるのです。(上)
横に張り出すようにすればストッパーが正向きになるのですが、これでいいのかなあ。(下)
元の位置だと盛大に赤目が出そうです。良く考えられているのではないでしょうか。
是非、コニカプレスの記事もお願いします。 m(._.)m
コニカプレスについてはまたそのうち...目下90mmが修理中でカメラ画像が用意できないのです...
>元の位置だと盛大に赤目が出そうです。良く考えられているのではないでしょうか。
なるほど、フラッシュのことを失念していました。そうなのかも。
コンバーチブルホースマン 62mmf5.6開放、1/60、RDPIII、手持ち
目測でもこんなもん、と割切って撮影したら微妙に外してる...
RFのコニカプレスではちゃんと合ってシャープでした。いかんなあ...
6x7ホルダーだと開放から気兼ねなく使用出来ます。プロポーションは69のほうが好きですが、67は安定したフォーマットですね。