グラフレックスXL

グラフレックスXL

2x3インチ(6x9cm)レンズ,バック交換,プレスカメラ
1965年グラフレックス社発売。

距離計連動ビューファインダーカメラ XL(XLRF)
ファインダーなしボックスボディ   XLS
広角専用薄型ボディ         XLSW
の3種類のボディと、各種レンズ、グラフロックバックまたはポラロイドバックを組み合わせる。

レンズマウントは、ボディ側にヘリコイド、レンズ側鏡胴にヘリコイドに接続するカムと、RF連動カムを備える特殊なもの。複数の交換レンズを持つ際は軽量化される。

XLRFの1眼式距離計ファインダーには80,100,180mmのブライトフレームが常時表示される。

グラフロックバックには、従来のスピードグラフィック23と共通のスプリングフォーカシングフッドを介してカットフィルムホルダーが挿入できる。またフォーカシングフッドを外してグラフロック規格各種ロールフィルムホルダーを装着できる。グラフロックバックユニットを取り外し、ポラロイドバックに交換すると、焦点面は変わらずにポラロイド撮影が可能(フォーマットが変わるのでファインダーフレームをそのままでは利用できない)
また4種類のスペーサーをボディとバックとの間にはさむことで接写が可能。その際はRFは利用できずフォーカシングスクリーンで焦点を合わせる。

グリップは通常左手側に装着されケーブルレリーズでレンズと接続する。これはカットホルダーが右から挿入されるためで、ロールホルダーを上下逆に付ければ右手側にグリップを付けても構わない。また上面にスクリューマウントがあるグリップでは、ボディ下部にとりつけピストルグリップとして使用することも可能。

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 11:49 No.803
グラフレックスXLS
ファインダーなしのXLSは携帯性に優れている。
蛇腹機には劣るが、ソリッドボディなので精度は良好で、XL用58mm以上の交換レンズが全て使用出来るのが魅力的。

その中で58mmは極めて優秀。
後玉が大きなレンズなので、もう一方の小型軽量システムであるセンチュリーグラフィックや、フォトックス6789には装着困難であり、またヘリコイドによる距離表示は信頼でき、目測撮影が容易である。

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 11:55 No.804
グラフレックスXLレンズ
交換レンズには大変魅力的な銘柄が揃っている。

広角グループ
シュナイダー スーパーアンギュロン47mmf8
6x9cmで90度の画角が得られる超広角。専用ボディXLSWでなければ無限遠に焦点が合わない。
ワイヤーフレームファインダーが供給された。純正では光学ファインダーはない。
6x9フルフレームでは大変高画質。コンパー#00シャッター、1/500-1秒、B。開放機構はBだけなので焦点板を使う場合はレリーズロックを使うしかない。
後継機ブルックスベリワイドIIに引き継がれ、ベリワイド後期には47mmf5.6に変更された。

ローデンシュトック グランダゴン58mmf5.6
XL、XLSで使用出来る広角。フレーミングにはXLファインダーの視野全体を使用する。またXLS用にはワイヤーフレームファインダーがある模様。コンパー#00シャッター。鏡胴に沈み込んで固定されているためシャッター,絞り操作のため延長レバーが前方に突出している。シャッターには開放固定機能はないが、鏡胴にロックレバーを備えておりレリーズなしで焦点板使用できる。最短撮影距離0.5m、距離計連動は1mまで。非常に繊細な描写。

その後オランダのファベロ社に買収されカンボXLになった際にシュナイダー スーパーアンギュロンMC75mmf5.6が供給されている。

標準レンズグループ
ツァイス プラナー80mmf2.8
ローライTLRに装着されたものと同一と思われる。またリンホフ23系にも供給されている。コンパー#1、プレスフォーカスボタンがあり焦点板が使いやすい。大変優秀な性能。絞り羽が多く円形に絞られる。6x9ではf8-11から全画面をカバーする。開放は6x7cm以下に適合している。最短2.5ftだが距離計連動は1m。

ローデンシュトック ヘリゴン80mmf2.8
XL以外では見かけない機種。プラナーに比較して大変小型軽量。性能はプラナーに劣らない優秀さ。コンパー#0でチャージ有無に関わらずプレスフォーカスレバーが動作するため大変便利。絞り羽が5枚を気にされる方もおられる。開放からf8では6x7用でf11から6x9をカバーするのはプラナー80と同様。絞れば準広角として便利。最短2.5ft。

ノリタ ノリタール80mmf2.8
グラフレックスと提携関係にあったノリタ光学から供給されたガウス型標準。偶に見かけるが使用経験なし。

ローデンシュトック ヘリゴン95mmf2.8
開放から6x9をカバーする標準。(イメージサークルは4x4インチほどもある)コンパー#1。リンホフ用を偶に見かけるが数は少ない。非常に高性能。最短3.5ft

ローデンシュトック イザレックス95ッmf3.5
テッサー型標準でおそらく6x9カバー。使用経験なし。リンホフ220と同じレンズと思われ、素直な高性能レンズ。

ツァイス テッサー100mmf3.5
軍用KS-93Bの標準。プラナー80より数は出ていない印象。コンパー#0、性能は良好。

ツァイス プラナー100mmf2.8
開放から6x9をカバーする。コンパー#1、定評あるレンズ。リンホフでもよく見られる。

望遠レンズグループ
ローデンシュトック イザレックス150mmf4.5
4x5カバーの長焦点レンズを長い鏡胴でXLに装着している。素直な描写。コンパー#1、最短7ft

ローデンシュトック ロテラー180mmf5.5
シュナイダー テレアートンと同クラスの望遠タイプ小型軽量レンズ。コンパー#0、最短10ft、繊細な描写。

ツァイス ゾナー180mmf4.8
望遠の王様。リンホフ用と同じと思われ、描写はコントラストが高くシャープで非の打ち所はないが大きく重い。コンパー#1

ローデンシュトック ロテラー270mmf6.6
細身ながら長大な望遠。距離計非連動、焦点板で使う。目測でもよいが外部ファインダーは存在しない。コンパー#1、最短20ft

画像手前左ヘリゴン80、右プラナー80、後左イザレックス150、右ロテラー180

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 11:57 No.805
ロテラー270
270mmf6.6
4x5をカバーする望遠タイプ。細身だが長く、重量があります。5.6のタイプも大判用にはありますが、XLには大きすぎるのでしょう。
270まで使用出来るということがシステムに大きな拡がりを与えていると思います。

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 12:00 No.806
ヘリゴン80
彼岸花の里。3年前から農家によって切り取られてしまい、大群生はなくなってしまいました。
撮影者とのコンフリクトが原因だったのか、残念なことです。

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 12:03 No.807
プラナー80
明るいレンズを開放で快適に使用可能なのはRFのお陰です

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 13:05 No.809
グランダゴン58mm
XLS,目測
ファインダーを忘れていったのでフレーミング滅茶苦茶ですが解像力は恐ろしいほど

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 13:14 No.810
イザレックス150
XLRFのファインダーフレームは非常に大雑把で,実際スクリーンと比較したら100mmのフレームは150mm丁度で、95-100mmは80mmフレームでよいくらいです。
ここまで大雑把だと、95mmは100mmのフレームと違わないかなどという些細な疑問は雲散霧消してしまいますね。Take it easy!

正確なフレーミングは焦点板を使うしかありません。
XLS, Rodenstock Ysarex 150/4.5

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 13:22 No.811
Re: グラフレックスXL
1980年代以降、究極の高性能中判が輩出しました。
その中でXLと競合するレンズ交換機マミヤ7はAE, 実像式距離計、自動選択フレーム、超高画質レンズなど、圧倒的高性能と失敗がない高い操作性を誇っています。
レンズ固定機ではフジGW,GSWシリーズ、GF670シリーズ、マキナ67シリーズの高性能は疑いありません。
またほぼ同時代のマミヤプレス、リンホフプレスとも競合します。マイナーですがシルベストリのソリッド広角カメラも競合機でしょう。

それらを置いてXLをまだ保持している理由は、
まず6x9をカバーするレンズ交換機の中では最も小型軽量であること。
現代の超微粒子フィルムとマミヤ7の高画質をもってすれば、プロポーションの差は多少のトリミングでカバーできるのはわかっていますが、どうしても67というフォーマットが気に入らなくて...68なら丁度良いかもしれませんが。69が長すぎると仰る方も多いので、個人的な好みです。

ただし正直なところ、レンズ交換は注意が必要で出先で急かされた状態で安易に行うとトラブルの元になりかねません。幾つかの指標を慎重に合わせ、ジェントルに押し込むよう心掛けます。失敗して力任せにやるとヘリコイドのラグを削りおとして取り返しが付かない。そのためレンズ交換機でありながら、撮影中は極力交換しないで標準広角を別ボディで持ち、決心して望遠に交換するという方針にしています。大きな矛盾ですね。
軍用モデルもありますが、兵士の蛮用に耐えうるカメラではありません。

そして開放f2.8の明るいレンズが使用出来ること。
備えるのはマキナ、マミヤプレス、リンホフです。マキナは別として他は少々重く、出張や山行きにはすこし躊躇してしまいます。
マミヤ7にせめてf3.5のレンズが用意されていれば...と思うのです。

フィルムホルダーが別ユニットなのは小型化に不利ですが、フィルム交換は中枠を用意していれば非常に迅速です。あるいはホルダーマガジンごと交換してしまう。旅行では単独行動でない場合フィルム交換中立ち止まることが困難な局面が多々あり、ペンタックス67やマミヤプレスホルダーでかなり困った経験があります。また突然室内に入るなど案外100と400を切り替える機会があるもので、交換マガジンは有利です。

私はホルダーx3〜4(ISO100-220x2、400-220x1+120x1)で行くことが多かったです。120は非常用で、220は現地調達出来ないため。
最近は120はおろか135も困難かもしれず、手持ちを使い切ったらタダの錘ですね。

XLRF, Planar80/2.8開放、1/30、プロ400 左端に柱が入ったのはフレームより広い範囲が写るため

れんずまにあ 2017/05/21(Sun) 15:01 No.813
改造レンズ
リンホフ23用53mmビオゴンをXLに使用出来るよう改造してあります。
XL用ヘリコイドマウントが1から新造されています。同様のものをたまに見ますので、どこかで少数量産されているのでしょうか。
XL用53mmは存在しないので、ヘリコイドも新造せざるを得なかったのでしょう。
距離目盛りはありませんでしたので、水性塗料でインジケータを書き込みました。
距離計連動は0.9mまでですが、非連動ながら最短0.38mでA4サイズが複写できます。元々歪曲が少なく像面が平坦なビオゴンは複写用途も勧められています。
通常は接写には焦点版を使うべきですが、気軽にメジャーで測って撮影も可能。
6x7での視野は大まかにデジタル用24mmファインダー、6x9はフィルム用21mmファインダーで代用できそう。
XLRFで距離計連動させてもよいのですが、ファインダーなしXLSボディに付けると太ったSWCのような感覚です。

れんずまにあ 2018/04/23(Mon) 22:38 No.1217
イザレックス95mm
ローデンシュトックのYsarex 95mmf3.5 テッサー型標準。

ラインにあったのは存じていましたが、なかなか遭遇しませんでした。
これのOEMである、リンホフ220のTECHNIKAR95/3.5は一度試させて貰い、素直でシャープな写りは認識していました。
手元に来て小型軽量を実感しました。XLレンズではもっとも小さいのでは。Heligon80も小型ですが、それよりガラスが小さいので軽い。Tessar100/3.5より鏡胴が短い。

写りは期待に違わず開放から実用できます。また開放で6x9をカバーしています。
メインとして使うより、他レンズメインで標準系を予備に持っていきたい時に鞄の隅に忍ばせていく用途を考えました。

ヘリゴン95mmと並べて

れんずまにあ 2020/04/05(Sun) 00:28 No.1679
カンボXL
CAMBO XL

1976年フォトキナで、オランダ資本のファベロ社がグラフレックスXLの生産引き継ぐと発表、改良を施して販売したXLの後継機。1979年から販売開始。ところが1980年に「 financial problems 」により生産停止になり,生産台数はわずか数百台と推定されている(camera-wiki.org)

変更点は1,軍艦部カバーが幅広の金属板になった。2,ヘリコイド内筒のカム溝が太く滑らかになり、外筒の溝に噛むプラスチック突起も太くなったため装着で削り落ちる危険性が軽減、レンズ交換に気を遣う度合いが減った。3,ヘリコイドに金属ロッドを直接ねじ込んで回せるので操作性が良くなった。

まだ潤滑剤を使わないプラスチックヘリコイドトルクが固いのは同じで、レンズ交換時に無限補正ボタンを押しても動作が不確実、RF二重像がいまいち見えにくい、などの欠点はそのままのようだ。

変更点2のため、オリジナルのグラフレックスXLの交換レンズとは互換性がない。オリジナルXL用ヘリコイド内筒をカンボXLに押し込むとヘリコイド突起を削ったり折ってしまう。またカンボXL用内筒はオリジナルXLに入れるとガタガタになってしまう。

れんずまにあ 2022/11/24(Thu) 23:42 No.2080
Re: カンボXL
レンズはすべてシュナイダー製。
標準 100mm: Xenar f3.5、Symmar-S f5.6、Xenotar f2.8。
広角 Super-Angulon 75mmf5.6
望遠 150mm: Xenar f5.6、Symmar-S f5.6
日本輸入価格は非常に高価。
75mmには外部ファインダーにマミヤプレス 用が用意されたが、ボディファインダーの視野全体でだいたい行けそう。
100、150には、ファインダー内に6x7、6x9の枠が常時表示されている。

画像はSymmar-S 100mmf5.6つき

れんずまにあ 2022/11/24(Thu) 23:44 No.2081
Re: カンボXL
以前入手したXLセットの中に、レンズを外したヘリコイドシリンダーだけが3個ありまして、本来のSymmar-SやSuper-Angulonを物色するのですがなかなか手頃な良品と遭遇しない。
いっそのこと手持ちの信頼できるレンズを付けてしまおうと選んだのがNikkor。
どれも6x9範囲で使うにはもったいなさすぎるイメージサークルを持っていますが、それは元々のラインアップでも同じこと。前ユーザーも同じことを考えて、レンズを外して大判用にしてしまったのでしょうね。

ニッコールW100mmf5.6を装着

れんずまにあ 2022/11/24(Thu) 23:45 No.2082
Re: カンボXL
グラフレックス版と違ってカンボ用ヘリコイド内筒は、フランジバックを調整できるように前板がネジで前後できるようになっていて、簡単に無限を出すことができます。ニッコールはフランジバックが長いようで、かなり前方に出すことになりましたが調整量が大きいので難なく適合させられました。
元々距離計が狂っていて、距離計との整合性はまだこれからです。ピントグラスと、距離目盛とは概ね合致していました。
機動性がある6x9でニッコールを使える貴重な機材です。

ニッコールW150/5.6

れんずまにあ 2022/11/24(Thu) 23:47 No.2083
Re: カンボXL
ニッコールSW75mmf4.5

このレンズの中心部しかつかわないなんて、なんて贅沢なのでしょう。

れんずまにあ 2022/11/24(Thu) 23:49 No.2084
Re: カンボXL
ひょんなことで純正カンボXLヘリコイドシリンダーつきのスーパーアンギュロン75mmf5.6(モノコート)に遭遇できまして、晴れてというか、ニッコールがあるのに意味あるのか自問する前に購入してしまいました。
ニッコールSWも大変高性能ですが、もちろんスーパーアンギュロンも十分な性能を持っています。無限遠調整は必要ありませんでした。
旧コパルにマウントされています。セット購入したジンマーSは中期コパルで、旧コパルはオリジナルかどうか疑問ですが実用には問題ありません。

れんずまにあ 2023/05/15(Mon) 23:08 No.2240
Re: カンボXLシリンダー
すでに触れていますが、カンボXLとグラフレックスXLのヘリコイドシリンダーは互換性がありません。
さまざまなウェブサイトで誤解しておられる方を散見しますが、私も現物を見比べるまで全く気づきませんでした.

ヘリコイドシリンダーの比較:左カンボXL100mm、右グラフレックスXL80mm

基本構造は共通しておりシリンダー径も同じですが、ボディ側ヘリコイドのプラスチック製爪が噛み込むスパイラル溝が、カンボのほうが幅広なのがご覧になれるでしょう。

このためカンボXLボディにグラフレックスシリンダーを入れるとヘリコイドを回せませんし、無理すると爪が折れたり削れてしまいます。元々ヘリコイドトルクはかなり重いので、無理してしまいがちです。
逆に、グラフレックスXL用ボディにカンボXLシリンダーを挿入すると、ヘリコイドの遊びが大きくぐらつき、距離計精度に影響する可能性があります。

カンボXLは溝を幅広にしたことで、グラフレックスXLの華奢で破損の原因になりがちなヘリコイド爪が多少頑丈になり、レンズ交換がスムーズになりました。溝のエッジは、カンボの方が鋭くなくて、爪を削る危険性がさらに軽減されています。
ヘリコイドの重いトルクはあまり改善していません。

れんずまにあ 2023/05/15(Mon) 23:22 No.2241
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