トヨフィールド45CFL
設計発売サカイマシンツール(制作は韓国)、2002年(推定)発売。
ポリカーボネート、カーボン繊維強化ABS樹脂を使って1.5kgという圧倒的軽量の4x5テクニカルカメラ。
サイズ20.1 x 17.7 x 10.2cm、重量1550g
機構は金属製トヨフィールド45Aと共通。インフィニティストッパーなど各種アクセサリも共通。
4x5インチのグラフロックとスプリングバック。標準は折り畳みフードつきピントグラスだが、トヨのマグニファイアバックや双眼ルーペも利用できる。縦横はバックを差し替え。
バックアオリはなくベッドダウン15度を利用した後ティルトのみ。
フロントスタンダードはフルアオリ可能(ベースティルト-15〜+15度、スイング20度、ライズ28.5mm、フォール20.5mm、シフト28.5mm)
フランジバック8cm〜36cm
45CFは110x110トヨフィールドボード、45CFLはテヒニカ45ボード仕様。
ホースマン45HDとほぼ同格だが、ボードが大きく(特にトヨボード)繰り出し量が360mmあるので比較的大型のレンズも使用出来るところが特徴。
樹脂製だが主要な可動部は金属で剛性は保たれている。ただし落下衝撃には金属カメラほど堅牢ではなさそう。
とはいえ剛性はテヒニカ45やホースマンと較べると若干甘く、精密な焦点保持は難しい所があるが、設定がずれたりしないし、しなりは復元する。多くの木製暗箱よりは頑丈なので小絞りを使えば実用上問題無い。
使用可能レンズはフラットボードで90mmからテレタイプ500mm程度。凹みボードでは75mm可能。フロントスタンダードを収納用の内側のレールに乗せればもっと短縮可能だが、内側は伸縮機構はないし、ベッドの蹴られに注意を要する。また望遠ボードでさらに長焦点も可能だが、無理はしないほうが良さそう。
今回レポートを書くにあたって発売年を調べたがわからず、2002年11月にphoto.netの新製品レポートがあったので推定した。その後2004のShatterbagに軽量大判の比較記事が掲載され、私が購入したのが2006年であるので、概ねその辺だろうと思う。
1.5kgというのは木製暗箱の軽い方と同等にもかかわらず、若干かさばるもののセットアップはテクニカルカメラと同様に迅速で、撮影体勢に入る時間は木製暗箱とは比較にならない。
210mmクラスのジンマー程度のレンズなら装着したままベッドを畳むことが出来、カバー部分はグレーの透明樹脂なので何がセットされているか畳まれていてもわかる。


Wollensak Raptar wideangle 90mmf6.8
4群4枚の廉価版レンズだが、絞れば十分な解像力と、少々のライズも許容できるイメージサークルがある。


開放では見ただけで周辺の締まりがSchneider Angulon 90mmf6.8(2群6枚)に比較して緩いけれど、f22に絞ればごく端以外は遜色がない性能になります。テスト撮影ですが細部の精細さに驚きました。


75mmは35mmカメラで21mm相当なので、28mm相当の90mmよりもダイナミックになる。
コムラー75mmは開放近くでは周辺が甘いが、f16に絞れば十分良好な描写。
Super-W-Komura 75mmf6.3




ダブルアナスチグマットでも柔らかいのに、ザッツプロターとして前後単独で使うとソフトレンズになってしまう。
向かい合わせ対称型で収差補正しているダゴールやジンマーと違ってプロターは前後片側だけで収差を補正しているので単独でも良好という記述を読んだことがあるが、少なくともこれはダゴールやジンマーと変わらない。


おかげで最近は数千円も出せば程度が良いものが入手できる。
たぶんこのタムロン150mmf6.3も、テッサー型だと思う。絞ると締まる。


ダゴールやジンマーの前玉外しが余裕で使えるが、後玉だけでは突然収差が増えるのでf32〜f45まで絞らないと先鋭にならない。ソフトレンズとして使う手はある。
標準型の長焦点は小型なので荷物の軽量化が図れる。フジノンC300/8.5は、テッサーの張り合わせ面を外して空気レンズにした4群4枚、大変シャープだ。35mmカメラの85mm程度の中望遠になる。


非常に大きな包括角度を持っており、ここに挙げた180mmと270mmはいずれも8x10インチを余裕でカバーできる。
270を望遠として使っていたが、#3シャッター入りで重量があるのでトヨ45CFLには向かないと思って最近はトヨでは使っていない。
前玉を外すと470mmf11になるが、さすがにモノレールビューでしか無限が出ない。


夜桜。トヨフィールド45CFL, f22,20分、フジフィルム160NC
重いレンズだがこの程度なら45CFLで十分保持できた。
ダゴールタイプは開放付近では球面収差がオルソメターより多く、ふわっとハロが掛かってシャープではないが、絞るとクリアになり、大変広いイメージサークルが得られる。
言葉で表すのは難しいが滑らかで、絞り込んでもシャープなだけではない美しい描写が感じられ、つい手にしてしまうレンズタイプだ。


リンホフではシュナイダーテレアートンやテレクセナーが有名だ。
テレコンゴー300/8は明るさを抑えて300mmクラスのテレタイプでは最小最軽量であるが、非常に高性能でもある。廉価版のイメージだが素晴らしい画質だ。
コンゴー400mmf8もいい。500mmは使ったことがないが、友人の話では良いらしい。
テレタイプのイメージサークルは標準タイプより小さいが、フィールドであおる程度では十分と考えている。


とはいえ、操作入力や荷重によってしなる感触は、ひたすら堅牢なリンホフや小型でも剛性が高いホースマン45を知っていると頼りなくなるのは否めない。
しかし、ケーブルレリーズを使う限り長時間露光でも機械的なブレを起こしたことはないし、それなりに注意して使用すれば問題ないと思う。
国産や西独製ではちょっと見かけない、アクセサリーシューが微妙に斜めなのはご愛嬌...
ベッドを開くには、レール伸縮ノブを少し引っ込めるとロックが外れる。
そのまま引き起こせばまず90度で止まり、タスキを押してさらに15度ドロップベッドすれば広角で蹴られない。
フロントスタンダード下のレバーを中央位置にすればロックが外れ、収納レールからベッドの可動レールに乗せることができる。
この時ベッドのレールを動かさずにそのままスタンダードを乗せることも可能だが、レールを引っ込めて収納レールにくっつけるとよりスムーズにスタンダードを移動できる。
使用するレンズに合わせてインフィニティストッパーをセットしておけば、きわめて迅速に無限遠が出る。ただし距離計連動カメラではないので、どうせピントグラスで焦点合わせすることになるのだから、よほど目測で手持ち撮影を指向していない限りはストッパーの必要性はすくないのではないか。まあ便利ではあるが。
前後はベースティルトで、焦点移動でフォーカスを合わせ直す必要がある。これはほとんどの暗箱やフィールドカメラでも同じで特に不便とは言えない。
可動部分が金属とはいえ、華奢なことも確かで、スタンダードを出したままや、アオリを正立位置に戻さずにベッドを畳もうとするなど無理をすると壊れてしまいそう。落ち着いて確実に操作できるように日頃から操作に慣熟しておくことは大切だ。


おそらくテナックスに固定装着されていたものかと思いますが、単体レンズで購入。
非常に小型で軽量大判機に使えれば有用と思っていました。
ノーマルのダゴールf6.8は開放近くでは包括角度75度前後ですが、絞り切ると100度を超えるものがあり、75mmなら4x5も夢ではない。
でも、この個体はだめでした。レンズそのものがダメなのか、鏡胴で蹴られているのかわかりませんが、4x4インチや6x12cmもだめで、少しあおれる余地がある2x3インチ用と考えた方がよさそうです。
広角設計のf8やf9のダゴール(W.A.Dagor)はごく小型でかなり包括角度が大きいですが、十分な実力を発揮するには絞り込む必要があります。
ただWAタイプで9cm(3 5/8in)より短いのを見たことがない.
絞り込んでいますから、イメージサークルの端端まできわめてシャープです。
画面下にトヨフィールドのベッドが映り込んでいますが、中心が下に寄っているテヒニカボードのためと思われます。
Dagor 7.5cm f6.8, f45, 旧アクロス4x5,ミクロタインx1,24度7分

