Nikon F faq集
Nikon Fに関してNikomat-MLに寄せられた質問と回答をまとめてみました。
- Q:ファインダーに露出計がついたNikon Fって、何種類かあるそうですが?
- A:Nikon F用の露出計内臓ファインダー(フォトミックファインダー)には、4種類あります。
- 以下、Nikomat 21055より抜粋、加筆
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フォトミックファインダーには時代順に
- フォトミック
- フォトミックT
- フォトミックTn
- フォトミックFTn
の4種類があります。
最初のフォトミックは外光式、TからTTLになります。
Tは平均測光、Tnは中央重点です。
FTnになって開放F値ガチャガチャ式一発設定になりました。
それ以前は、開放F値をダイヤルで合わせる必要があります。
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上記ファインダーを搭載したFは、それぞれ
- Nikon F Photomic
- Nikon F Photomic T
- Nikon F Photomic Tn
- Nikon Photomic FTn
と、呼ぶそうです。
- Q:NikonFには、作られた時期によってさまざまなバージョンがあるそうですが?
- A:以下に示すタイプがある事がわかっています。
実際には、もっと細かいバリエーションがあるそうですが、ここでは入門編ということで。
以下、nikomat:00153より抜粋
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- 超初期型(プロトタイプ、番号不明)
- シャッター幕が布幕
- 初期型(640万代〜641万代途中)
- 巻き上げレバーが、板金加工のような感じ。(後期は打ち抜きになりますね)
セルフタイマーレバーが、ななめギザ入り
ミラースプリングが2本
底ふたの三脚穴横にMade in Japanの刻印がない。
底ふたのフィルムプレートの左隣に、PATナンバーの刻印がある。
- 初期型(641万代途中から642万代or643万代)
- 巻き上げレバーは、やはり板金加工?
セルフタイマーレバーのギザはまっすぐになるが、カニ目ネジの上に横溝がある。
底ふたにPATナンバー刻印あり。
- 初期型(645万代前後で確認)
- 巻き上げレバーは?(忘れた)
セルフタイマーレバーは、横溝なし、ギザはまっすぐ
底ふた三脚穴横にMade in Japanの刻印あり
- 中期?(660万代途中)
- ミラーボックスの改良
製造番号に赤点付きがある。
- 中期?(680万代途中)
- 亀の子マークから"Nikon"マークへ変更
- 後期 (730万代or720万代の途中?)
- F2パーツの流用
いわゆる、新F、アポロタイプFという型
アポロで月にいったFには、F2タイプのプラスチックカバー付きの
巻き上げレバーとセルフレバーがついていいますね。
アイレベルファインダーは、大きくは以下の2種類の存在が知られています。
- 前期型 アイピースが角型。アイピース、視度調整レンズをつけるためにはアダプタが必要
- 後期型 アイピースは丸型。アイピース、視度調整レンズは、特別なアダプタなしに装着可能
更に細かく分類すると、前期型でも刻印がNIPPON KOGAKU JAPANだったり、Nikon F JAPANであったり、
取り付けピンの形が三角だったり、半丸だったりなど、7種類あるそうです。
- Q:Nikon Fの動作音にもいろいろあるそうですが?
- A:1997年にNikon F オフラインミーティングなるものが、横浜で開催されました。
その時に以下の事が確認されています。
- 前期:チャンチャラチャンは一番盛大。
- さらに良く聞けば、「ちゃんちゃらちゃん、ちゃ〜ら〜ら〜」まで響く。
- ちゃんちゃらファンにはもっともお勧めのバージョンと言える。
- 音にSPと共通性有り、さらにエンスーとしては、F布膜に改造したい!
- 中期:いわゆる平均値であるが、一台一台の個性がある。
- 個性を分類するには至らず。
- 特別な個性は無いが、安心感がある。
- 後期:巻き上げレバーやセルフにプラ部品がつきF2をによわせるバージョン。
- ミラーの反応がすこぶる良い。はっきり言ってF2の感覚。
- チャンチャラチャンに期待はできず、「ちゃんちゃ」程度。
- 前期とは比べ物にならない堅い音、スピードである。(みんなで納得)
- スピード狂向け。
と、なった。
あなたに向いたFはどれだろうか?
以上、[nikomat:07629]より抜粋。
- Q:FにF36を付ける場合には、改造が必要である?
- A:Nikomat-MLで以下の解説がなされましたので、ここに掲載します。
- まずFのほうですが、裏蓋を取り外して本体の底を見ますと、ネジ4本で止め
られている蓋のような部分があるかと思いますが、モーターを使うときにはこ
の蓋を穴あき(内側に小さなシーソー部品も取り付けられている)蓋に交換し
なければなりません。
- もともとF36は穴あき蓋とセットで売られていたので、良心的な中古品であ
れば、一緒に売られているでしょう。蓋だけを探すのは不可能に等しいです。
- レリーズの機構については、先ほどの蓋を開けてみると良く判るのですが、チャー
ジされたシャッターの軸(というかそれに連結された部品)を引っかけている
板バネがあって、ボディ上面のレリーズボタンはその板バネを押し下げること
でシャッターチャージを開放しています。
- DDまたモーター側にはピンが突き出ていて、内部のタイミング面カムに従ってそ
のピンを「突き上げる−戻す」という運動を行います。一方先に挙げた、穴あ
き底蓋に取り付けられている小さなシーソー様の部品の片側は、シャッター軸
をラッチしている板バネ引っかかっており、もう片方は蓋の穴から顔をのぞか
せています。モーターのピンはこの穴にはまるので、ピンの「突き上げる」と
いう運動は、シーソー様の部品を介して板バネを引き下げます。
- これがモーターによるレリーズ動作です。現物を見れば一目瞭然なんですけど
ね。さて、ニコンはこの突き上げるピンの高さを、カメラボディに合わせて調
整する必要があるとしていました。ボディに個体差があるためだそうです。
この調整作業を行わない場合は、モーターを破損する場合がある、と取扱説明
書には書かれていましたね。
- Q:F36はバッテリー別体型も直結式も型番は同じである?
- 電源はニッカド専用らしい。
- A:これまた、Nikomat-MLに流れた解説を以下に載せます。
- 正確にはF36とは1インチ厚の肥大した裏蓋のことです。良く見かけるグリッ
プは直結式バッテリーパックもしくは直結式バッテリーグリップと呼ばれる別
売り品で、リモートスイッチとバッテリーパックをグリップのような形にまと
めて、モーターの三脚穴を利用して留めることの出来るものです。
- 直結式が出る以前にはリモートスイッチ付きバッテリーパックというものがあ
りました。これは現在のリモートスイッチをばかでかくしたようなもので、単
二電池を使用します。
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- 直結式バッテリーグリップは大きく分けて2世代に分かれ、初期のものにはA
Cコンセント様のリモートスイッチコネクターが備えてあり、リモートスイッ
チ、ピストルグリップ用のリモートコードなどがありました。
- その後現行のリモート端子と同仕様の(上位互換の)ものに切り替わっていて、
こちらは現行のリモート端子関係のアクセサリーが全て使えます。
また、初期型でも、後期型でも単三電池を八本使用します。
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