ニコノス(MF)とそのレンズ

ニコノス(MF)とレンズ

 ニコノスは日本光学が発表した全天候型のカメラで、耐水圧50mのボディーを持つレンズ交換式の目測カメラです。

フランス製のカリプソ フォト(:Calypso Phot)をその始祖としていて、TからXまでの5機種が発表されました。
(途中何回も小改造が施されています。)

分類上は大きく分けて3種と考えて良いかもしれません。

・Nikonos T、U   (カリプソベースの小型メカニカル機)
・Nikonos V     (ニコンが設計を見直したメカニカル機)
・Nikonos W-A、X (ニコンEMベースの自動露出機)

 (大変類型的に分類されたサイトが有ります。画像はそちらを参考にされると良いと思います。)

 ニコノスを語る上で避けて通れないのがカリプソです。
 1956年頃、ベルギーの航空エンジニアであったジャン ド ウーテルと海洋学者のジャック イヴ クストー は
フランスのダイビングギアーの会社だったスピロテクニック社と小型の水中カメラの開発を始めました。
(実際にカメラを製造したのは同じくフランスのアトム社でした。)
 クストーは海洋調査船カリプソのキャプテン。ウーテルはメンバーとして船に乗り込んでいました。
ちなみにスピロテクニックはアクアラング、最近はBCLといいますが、クストーとエミール・ガニヨン技師によって
開発された水中呼吸器のアクアラング社の親会社です。

 翌年、試作機”スピロ”が完成します。
スピロの試作機はニコノスTの黒色部がアルミの透明アルマイト仕上げの様な姿をしています。
前後してSOM Berthiot社は水中用レンズ、35o F3.5 を開発します。

 1958年になってスピロは改良されながら気密カメラとして上市されました。(アンダーテーブルに近かった様です。)。
特殊な用途のカメラでしたので派手な販売キャンペーンを打つ様なものではなく、研究機関や軍関係向けだった様ですが良く判りません。
同社のカタログにも載せていなかった様です。

 スピロは逆ガリレオタイプのファインダーと1/1000の高速シャッターを持っていましたが、当時のフイルム性能では
水中で1/1000は切れません。その他。リワインドクラッチ部、フラッシュソケット部、フィルターネジがレンズに無い。等々いくつかの問題?を持っていました。

元々スピロテクニックはカメラの会社では有りませんでしたので、その販売や改良には早々に限界が来ることは
当初から認識が有ったそうです。

そこで、販路/生産拡大のために1961年5月に帝国酸素株式会社(現日本エア・リキード株式会社)を介して
日本光学に技術提携の話を持ち込んだそうです。

 スピロはこの頃、クスト-とウーテルが乗っていた船の名をオマージュして”カリプソ フォト”と改名されます。
さらにその後、”カリプソ”になります。

 この頃になってカリプソは海洋関係者間では広く知られる様になってきました。
その ”水面下”ではニコンはEC圏(フランス含む)以外の地域でのカリプソの独占的な製造販売権を得ます。
但し日本光学はレンズにはあまり興味を持たずにボディー構造とマウント構造を評価していたようです。

 一方、日本光学は1956年5月にニコンS2用の水中ハウジング”Nikon Marine"を発表します。
 しかしニコンマリンは高価で重く、市場性については疑問が有りました。
そこで1962年1月にスピロテクニックと技術提携を決め、フランスとEEC圏はスピロテクニック、
その他の地域ではニコンが独占的な生産と販売権を得る事になりました。

 1963年3月の第8回のフォトキナでニコンはカリプソにマイナーな改造を施した”ニコノス”を発表します。

 当時のアドで金魚の入ったアクアリウムに入れたニコノスが有ります。
精密カメラがむき出しで水中に置かれているのはかなりのインパクトが有ったそうです。

 これが後のニコノスTです。
ニコノスにはすでに距離計連動機用で定評の有ったS型用広角レンズのW-Nikkor 35o F2.5 が装着されていました。

 ニコノスは大口ユーザーのアメリカではU.S.Diver社が特約店になりました。EC圏ではニコノスの商標がすでに使われていたため、”カリプソ ニコン”として販売されました。

 このあたりが、ニコノスTとカリプソ・ニコノスの分類に混乱を招いている様です。

 と判る範囲で書きましたが、実は細部のカリプソの経緯は良くわかりません。
 あまり確かな資料が有りません。フランスのサイトやアメリカの資料等を参考に書いています。もし違う所が有ればご指摘下さい。


・カメラ

NikonosT
 :1963年にカリプソをベースに若干の改良を加えて販売されました。
 高水圧がかかっても安定的にシャッターが切れる様に、押し込みタイプではなく、巻き上げ兼用の扇動動作のシャッターレリーズ機構を持ちます。
 開いたレバーを押し込むとシャッターチャージと巻き上げが行われ、もう一度僅かに開いたレバーを押し込むとシャッターが切れます。

シャッターは1/30〜1/500。 シンクロは1/60 とスワンベースのFP級バルブ対応になっていました。
シンクロタイミングの変更は底部のシンクロソケットで接点を選択する様になっています。
 フイルム圧版は板バネでフイルムゲートに押圧されています。まだヒンジ構造にはなっていませんので、フイルムは圧版の隙間に滑り込ませる様に装填します。

 巻き上げにはスプロケットを使用せず、巻き上げスプールを徐々に回転量が少なくなる様に回転させて行います。
このため若干コマ間隔がズレる欠点が有りました。
 このスプール部は巻き上げ時以外はクラッチが切れていて、フイルム巻き戻しはそのままノブを回転させれば可能です。(情報ありがとうございます。)

 ボディーはレンズを外すとファインダー/シャッターユニットとボディーシェルが外れます。

 ファインダー部には乾燥窒素が充填され、水中での雰囲気温度変化による飽和湿度でのクモリを防止しています。
ファインダーはブライト式のアルバダタイプになりました。倍率は0.63倍です。
 あくまでもこのファインダーはアイポイントの狭い”陸上用”です。水中ではフレームファインダーでないと使えません。

 ボディーは真空引きしたボディーシェルを塗料に漬けて塗料を含浸させ、ダイキャストの”す”を塞ぐ工法で作られています。
カタログ上50mの耐水圧性を持ちます。
このあたりは潜水艦に搭載された潜望鏡や双眼鏡の技術が有ったから出来た様です。

 ニコンは当初、ニコノスを全天候カメラとして売り出しました。TVCMも作られ、当初はかなりの勢いで販売が伸びた様です。

 特に海外のネイビー関係にはかなりの数が出た様です。
ただその勢いもカメラの特殊性から一般的には使い辛くすぐに下火になってしまいました。

 ところが救世主が現れます。
1965年に封切られた007”Thunderball” の中で腕時計型ガイガーカウンターとリンクした水中カメラとして登場すると、
あっという間に話題となり在庫がなくなったという逸話が残っています。

 とはいえ、その撮影方法は有る程度の技術を要する事に変わりは有りません。


NikonosU
 :1968年に発表されたNikonos の改良タイプです。主な改良点は

・リワインドポジションがシャッターダイアルに設けられました。
・巻き戻しクラッチが内蔵され、シャッターダイヤルにリワインドマーク”R”が設けられました。
・リワインドノブが樹脂コートされた金属クランクに変更されました。
 (巻き戻しクランクの樹脂が割れているものが有りますが、機能的には問題ないと思います。)
・圧版上部にヒンジが設けられ、フイルム装填が少し楽になりました。
・この機種の初期型はトップカバーが金属製。途中から樹脂製になりました。

 この機種の時代に35mmだけだったレンズラインナップに28mmと80mmが加わりました。
そしてV型になる少し前に、水中用レンズとしては銘レンズの誉れ高い初代15mmが発売されました。

 水中では陸上よりも屈折率差が小さくなり、光が曲がりにくくなります。
このため35oの画角はほぼ50mm相当になり、一般的にはピントを外す事も多かったのでしょう。15mmや28mmの発売は朗報でした。

 初代カリプソの面影を残すのはこの機種までです。
露出と大凡の距離感覚が有れば、小型の全天候ボディーは陸上でも使い易いです。
ただ現在市中で入手可能なニコノスTUはファインダーにクモリが発生したモノが多いそうです。

 一部アメリカ海軍向けにネイビーブルーのボディーが有ったとか、ホワイトのボディーが有ったとか。…そんな話も聞きます。


NikonosV
 :1975年に発売された機械式Nikonosの最高峰です。
 改良された主な点は

・フイルム給送システムが変更され、スプロケット送りになり、安定性が向上されました。

・ファインダーが採光式ブライトフレームになり、ニコノスシリーズ唯一の80mmフレーム入りとなりました。倍率は0.61と若干小さくなりました。(但し見易くはなりましたが、あくまでも陸上用です。)

・シンクロソケットの変更。
・それまでボディー底部に有ったフイルムカウンターがボディー上部に写りました。

・巻き戻しノブ/シャッターダイヤルの形状変更で、グローブをはめた状態でも操作し易くなりました。

 これらの改良でボディーが若干大きくなりましたが、ダイバーには大変好評でした。
作動音が低いので陸上のスナップにも使い易い機種です。
なにしろ機構が安定していますのでどんな天候でも安心して使用できます。

 近年ではさすがにOリングセットの入手も難しく(工業的には多分入手可能だと思いますが。…)なってきましたが、陸上で使用されるには不自由しないと思います。

 V型までのニコノスは、レンズを外さないとフイルム交換が出来ません。
 それを忘れて無理にシャッター/ファインダー部をフックで持ちあげてボスを破壊することにならない様にご注意下さい。

 それとV型ですが、フイルム圧版の先端を固定するためにボディーに小さな樹脂パーツが付いています。
 このパーツにヒビが入っているものが散見されます。購入の際にはチェックされるのが良いです。


Nikonos W-A
 :1980年発売の自動露出が搭載された機種です。
 内部はほぼ同時期に発売されたNikonEMのメカニズムを流用しています。その他、多岐にわたって改良がほどこされています。

・ファインダーがハイアイポイントタイプのブライトフレームになり、水中でもマスク越しになんとか見える様になりました。
(感想には個人差が有ります。ブライトフレーム照明する灯りが有るかは…。)
ファインダー倍率は0.55倍です。
(シャッタースピードの表示は有りませんが、簡単なインジケータは有ります。点滅は露出範囲外です。)

・シャッターはオート1/30〜1/1000。マニュアルはメカニカル1/90(シンクロ)とバルブです。このあたりはEMそのものですね。

・巻き上げが分割巻き上げ可能になりました。

 自動露出専用機で、マニュアルでのシャッタースピードが出来無いのが欠点とされていますが、
水中でマニュアルに切り替えて撮影する場合が本当に一般的なダイバーに多いかというとそうでもない感じがします。
それよりもシャッタースピードの表示が無いのでいったいどの程度で切れているのかが判りません。
また、Oリングの使い方が変わり、片側ヒンジのボディー構造と、引き回しの形状が旧機種に比較して多角形的となり、リークの可能性が高まってしまいました。
(Oリングによる防水は、Oリングを潰して防水するのではなく、水圧がかかってOリングが隙間に押し付けられる事で機能します。
その動きがスムースになる様にOリングにはグリスを塗りますが、
引き回しを多角形にすると、折れ曲がった部分の動きや、見かけのゴム硬度が変わってしまい水密性能が下がってしまいます。)

 もう一つの問題は、露出制御にフイルム面反射光を使っていますので初代の15mmの様に後部の突出量が多い
レンズでは自動露出が使えません。(という事は実質使えません。)


Nikonos X
:1984年に発売されたNikonosの最終タイプです。W-Aの欠点部分を地道に改良しました。

主な変更点は、

・Oリングの使い方が変わって、リークの可能性が減少しました。(W-Aより少し開けにくい感じがします。)

・ファインダーにシャッタースピードが表示される様になりました。
 (水中で良く見えるか?…)

・マニュアルのシャッタースピード設定が可能になりました。

・ボディーの塗装はオレンジとグリーンが選択できる様になりました。

 発売時期がバブル時代と重なります。
 従ってアクセサリー類や解説本類も大変充実した時期でした。
現在とは比較にならないほどダイビング人口も多く、
街中のダイピングショップでOリングやシリコングリス、参考書類が容易に入手できました。

 この機種がMFニコノスの最終機となったのは一抹の寂しさを感じます。


・レンズ

 ニコノスのレンズはカリプソ時代のある意味特殊な
・SOM Berthiot 35o F3.5
・Angenieux 45mm F2.8
・BOYER PARIS - SAPHIR 35o F3.5 

等を除くと、ニコンとSea&Sea社のレンズがメインになります。

 最近ではSONYα7用の水中ハウジングにニコノスレンズ用のポートが用意されていて、往年の使い方もできる様にはなりました。

 ニコノスのレンズはフイルム面との距離をボディーのフランジで規定しているのでは有りません。
堅牢なボディーとは云え大水圧下ではボディが歪みます。それではどうしているのでしょう。
 実はバヨネットのツメの裏側が位置規制に使用されています。そのため、ボディーシェル部とシャッターユニットは分離されています。

ボディーが歪んでも、レンズとフィルム間隔が変わらない様に大変優れた設計思想の元で作られています。

Nikon

・Nikkor 80mm F4.0 
:4群4枚 水平画角 陸上30°20′水中22°45′最短撮影距離1m。
 水中でも使用可能ですが、水中での画角が105mm相当になりますので、陸上用と割り切った方が良いと思います。
専用の陸上用ファインダーが用意されていました。(蛇足ですが、この陸上用80mmファインダーは85mmレンズのファインダーとしても使用できます。)

・W -Nikkor 35mm F2.5
:5群7枚 水平画角 陸上60°水中43°30′最短撮影距離0.8m。
 往年のS系ニコンに用意されていたレンズ前面に防水用の硝子を配して水中用にしたレンズです。
 ニコノスといえばこのレンズが看板になっています。陸上ではスナップに使い易いレンズですが、水中では50mm相当の画角となり、ピント合わせに神経を使います。水中接写アクセサリーが使用可能です。
 このレンズ、後年に実はあるシステムの開発にとって大変重要な働きをしました。

・UW-Nikkor 28mm F3.5
:5群6枚 水中水平画角 59°最短撮影距離0.6m 1968年
 このレンズもS系28mmレンズの前に厚めの凹レンズを配して、水中専用にしています。
専用の水中ファインダーが用意されていました。 昔、ニコンのサービスセンターで、G1を外したら陸上で使えないか?と聞いたところ十分絞って下さいと云われたことが有りました。

・UW-Nikkor 20mm F2.8
:7群9枚 水中水平画角 78°最短撮影距離0.4m 1985年
 水中用Nikkorとしては最後に発表されたレンズです。ピントの合わせやすさやその他のバランスがよく、
最初に使われるレンズとしては最も適しているかもしれません。
 ヌケの良いレンズとしても良く知られていますね。

・UW-Nikkor 15mm F2.8
:5群9枚 水中水平画角 94°最短撮影距離0.3m 1973年
 伝説の準対称型レンズです。銘レンズとして有名なレンズですが、対称型故レンズ後部の突出量が多いので、
W-A以降の機種では使えないと思っても良いと思います。このクラスでは少し絞るとピント合わせに
然程気を使う必要が有りませんでした。最近のハウジングで使用した際はどんな感じでしょうか。

・UW-Nikkor 15mm F2.8N
:9群12枚 水中水平画角 94°最短撮影距離0.3m 1980年
 MFニコノスレンズの中では最高峰と云われたレンズです。レトロフォーカスタイプとなりました。
 レンズ後部の突出がなくなり、W-AやVでも自動露出が可能になりました。
 色の再現性がとても良いレンズで定評が有ります。但し歪曲が旧タイプよりも大きいと云われていますが、一般的に水中でそれを感じる事は多分無いと思います。

・LW-Nikkor 28mm F2.8
:5群5枚 陸上水平画角 74°最短撮影距離0.5m 1983年
 このレンズは陸上専用です。 専用のファインダーは用意されませんでしたので、ボディーファインダーの視野全体を使用します。 シリーズEレンズとして用意されたレンズを流用しています。


Sea&Sea

 Sea&Seaは水中写真の世界では、良質な水中ハウジングを提供する世界的にみても大きな企業です。
 このメーカーでもニコノス用の水中レンズを供給していました。ただ十分な資料が見つからず、是非情報提供をお願いしたいと思います。
後発だけあって、全てのレンズがニコノスW-AやV型のTTL測光に対応しています。全般的に軽量で小型のタイプが多いです。

・WL-20mm F3.5
:水中水平画角 79°30′最短撮影距離0.4m
  ニッコールの同スペックレンズに比較して0.5AVだけ暗いレンズですが、小型軽量なレンズとなっています。
 価格的にも手頃でした。後述する17mmのレンズ用ファインダーにマスクを付けて使用します。

・WL-18mm F3.5
:ニコンに用意されていないスペックのレンズですが、極短期間だけ販売されていたレンズの様です。
ちょっとナゾの多いレンズで、個人的には1度見かけただけです。外観は後述の17mmとそっくりです。

・WL-17mm F3.5
:水中水平画角 86°最短撮影距離0.35m
 このレンズもニッコールには無いスペックです。前述の18mmの改良版です。
 ボディー全体が硝子フィラー入りの樹脂で出来ていて、ドームポートを彷彿させる様な外観をしています。大きさの割には軽量です。
専用の水中ファインダーが用意されていました。

 最初、G1がドームポートだと思って大気中でもピントが合うかなと思ったのですが合いませんでした。

・WL-15mm F3.5
:8群10枚 水中水平画角 90°最短撮影距離0.3m
 ニッコールの665gに対して365g、と大きさも定価も約半分でした。コンパクトな超広角レンズは水中では重宝します。イルカの撮影には非常に使い易いレンズと聞いた事が有ります。

・SWL- Fisheye 12mm F3.5  最短撮影距離 13mm
:水中用レンズでは希少な対角画角167°のフルフレーム魚眼レンズです。 Sea&Sea製では最も後期に販売されたレンズです。
 画角150°20′の専用ビューファインダーが用意されていました。ここでは触れませんでしたが、 ニコノスRSの13mmに匹敵するレンズで、大変評価されたレンズでした。
 現在でも探している人が多いと聞いた事が有ります。

・WCL-16mm F3.5
:このレンズはUW-Nikkor 35mm F2.5 に装着するフロントコンバージョンレンズです。
35o 水中43°30′の画角が91°になります。
 水中で画角交換可能な唯一のレンズです。(ニコノスのレンズを水中で交換したという事故は意外に多かったんです。)


 その後、ニコノスはNikonのAF技術を( F-601?)を取り入れたNikonos RS に進化します。
 AFと高度に水中補正された光学系は、史上最高の水中システムとなりました。
 しかし周囲は失われた10年(20年?)とハウジングの時代に突入して行きました。

画像は Sea&Sea 17mm と15mmファインダーです。ファインダーもNikon純正品より小型です。
(本来ならファインダーの前に17mmのマスクを付けるのですが…。)

efunon 2015/11/29(Sun) 20:05 No.81
Re: ニコノス接写装置
私も断片的にしか存じ上げませんので、わかる範囲で紹介申し上げます。
水中撮影の魅力的な被写体は、水中生物たちが大きな位置を占めています。
巨大な生物もいますが、接写でないと認識できないほど小さな生物が多いでしょう。
ニコノスシステムに、近接撮影装置が加わるのは必然でした。
でも、基本的にニコノスは一眼レフではないので、焦点を目で確認することはできません。
そのため、すべてフレームを被写体に押し当てて(または焦点面に持ってきて)撮影する形式になります。

ニコン純正接写装置は、クローズアップレンズ(2群2枚、焦点距離23.5cm)であり、アクセサリーシューとレンズの2点で固定される。
レンズ下部にアームを設置し、その先に装着するUW28mm,W35mm,W80mmそれぞれに対応するフレームが付属している。
 28mm撮影倍率:1/6倍(水中のみ)144x216mm
 35mm:1/4.5(水中)109x164mm,1/6.5(陸上)155x233mm
 80mm:1/2.2(水中)53x79mm,1/3.2(陸上)71x106mm
陸上ではレンズの画角が拡がり一回り大きな範囲が写るため、水中用フレームが写り込んでしまう。
そのため35mmでは28mm用の、80mmは35mm用のフレームを使うことが推奨されている。(80mmは大雑把過ぎるので写り込んだフレームをトリミングするほうが私は好き)
またI,II,IIIとIVA, Vとはアクセサリーシューと光軸との距離が異なり(IVA, Vの方が遠い),I, II型用はIV,Vには使えない。
IV-A時代に出たニコノス水中接写装置は取り付け部分に余裕を持たせてあり、IV-A, III型用と書いてあるが、I,II型にも装着可能、もちろんV型もいける。
かなり嵩張るものだが,アームは太く頑丈で,水中で脱着できるので遠景と近接の両方が撮影出来る。(実際にはちょっと大変だが...)
また撮影距離がクローズアップレンズ先端から235mmと固定されているため、スピードライトSB101ではISO100の場合マニュアル発光1/4、f16-22(水の透明度、被写体や周囲の反射率による)で適正露光になる。

サードパーティには、Sea&Seaと、不明の会社から中間リングが供給された。中間リングは水中専用で陸上では焦点が合わない。
Sea&Seaには、少なくとも3種類の倍率に対応した製品があった。28mm用1種類(不確実)、35mm用3種類(不確実)で、具体的な倍率は今はわからない。
35mm用M3は、約20cmのアーム先端に、7cm程度のロッドを2本ねじ込みフレームにする。おおよそL判が入るサイズ。非常に華奢なロッド取り付け部なので既にぐらぐらだ。多分エントリーで破損すると思う。そのためか、アームに2本のロッドを収納しておくホルダーが付いていて(写真右)、撮影直前にセットするのだと思う。
2号はリング部分だけ3ドルで購入、改造目的だったが、アームを自作してもよいかと最近思う。2号のリングは厚いので3号より高倍率と判断できる。1号は見ていないがさらに高い倍率なのだろう。
製作所不明の等倍リングも通販購入した。35mmで等倍だから、一般的な50mm用チューブより随分コンパクト。

写真:私の接写セット。ニコノスIII、35mmf2.5、
 左:等倍チューブ、Yellow-Sub20ストロボ。固定距離だからフラッシュもマニュアル。正直画像がどんな絵になるのか想像できないが、手を伸ばして被写体に押し当てるだけなので滅茶苦茶楽。
 中央:Sea&Sea 35M3 ビューファインダーカメラで接写する際は絞り込むほうが良いが、光線条件が厳しいのでフラッシュを使う。
 右:エントリー時や、激しく動く時にアームプレート下面のホルダーにフレームロッドを収納する。

れんずまにあ 2015/12/01(Tue) 22:01 No.82
Re: ニコノス用Fレンズアダプター
Sea&Seaが12mmを出す前は、水中で魚眼レンズを使いたいなら一眼レフをハウジングに入れるしかありませんでした。
これはAquaticaというメーカーが出した、ニコノスにニコンFマウントレンズをつけるアダプターです。
ドームポートと、水中専用魚眼ファインダーが付属しているので16mm用なのでしょう。
やろうと思えば10mmでも8mmでも入れられると思いますが。
海外通販で、レンズ側のギア欠品のためジャンク扱いで、改造して陸上でFマウントレンズを超静粛なニコノスで使うつもりで購入しましたが、よい出来なので惜しくなって、そのまま10年以上塩漬けにしています。

ポートが巨大すぎてIIIではファインダーに干渉して取り付け出来ません。IV-AかV専用なのですね。

れんずまにあ 2015/12/01(Tue) 22:30 No.83
Re: UW15mm新旧
efunon様がご指摘のように、初期の15mmは後玉が突出している対称型に近い設計でした。
カメラにセットすると前方への突出が少なく(といっても現役時は巨大と認識されていましたが)コンパクトです。
ファインダーが大きすぎて、絞り・距離指標は左手側横向きに付いています。

フィルム・シャッター面測光のIV-AとVではセンサーを遮ってしまいますから、特にオート専用機IV-Aでは使うことすらままなりません。(フラッシュ専用になってしまう)
そのため逆望遠を強めて後玉の突出を押さえ、上記機種でも問題なく使用出来るUW15Nが供給されました。
二台を並べてみます。使用する時のサイズが段違いです。

写真,上:左旧型,右新型, 中:旧型をセットしたニコノスIII,旧型ファインダーつき.下:新型をセットしたニコノスIII

れんずまにあ 2015/12/01(Tue) 22:44 No.84
Re: ニコノス(MF)とそのレンズ
>Aquaticaというメーカーが出した、ニコノスにニコンFマウントレンズをつけるアダプターです。

 あッ! 先に出されちゃった。〜(わら)

 このアダプターは”アクアレンズ”って云うんですよね。我が家にも2セット転がっています。
 B&Hのセールで買ったんですが、1台はマウント周辺だけ切り出そうと思っていましたがそのままです。
 妙に作りが良いのと、やたら重いのが特徴です。
efunon 2015/12/02(Wed) 20:39 No.85
Re: ニコノスアダプター
Aqualens持ってらっしゃいましたか,2個も(爆
負けた...

>1台はマウント周辺だけ切り出そうと思っていましたがそのままです。
誰しも考えることは同じですねえ...

数年前友人にVを譲渡したので、ファインダーが付くカメラがありません。ちゅうかこの写真撮る時に気付いた...
Vは陸上用として優秀なので、いずれ1台は欲しいのですが...

写真:LW28/2.8 これファインダーはどうするつもりだったのだろう。当時供給されていないと思いますが。

れんずまにあ 2015/12/02(Wed) 21:00 No.86
Re: ニコノス(MF)とそのレンズ
>LW28/2.8 これファインダーはどうするつもりだったのだろう。当時供給されていないと思いますが。

 これはですね、ニコノスV(W-A)のファインダーのフルフレームを使うんです。
ちょうど M3のファインダー全体が35mmに無理やり使えるみたいな感じです。
efunon 2015/12/02(Wed) 21:58 No.90
Re: ニコノスIとカリプソ
IV−Aのファインダーをフルフレーム!なるほどそうなのですか。
視野の曖昧さがスナップにぴったりです。するとIIIでもいけるかも。

IV-Aはハイアイポイントで、初めて水中でゴーグル越しに35mmフレームが覗ける内蔵光学ファインダーだったと思います。

ブライトフレームが入っていないカリプソは論外ですが、IからIIIまで、水中では外付けフレームファインダー(またはSea&Seaの水中用光学ファインダー)しかまともなフレーミングできませんで、でもBCDのポケットに放り込むには単体で持ち込むことになり、ほとんどが中心だけ見てだいたいのフレーミングしかしませんでした。反省。

左Calypso phot,右ニコノスI カリプソはシリアル32なので相当初期だと思いますが、シンプルな機構のおかげか快調です。nikonos Iは友人のを譲渡されました。塗りが顔が写る程綺麗。多分一遍も海に入れていません。それも情けないですが...

れんずまにあ 2015/12/02(Wed) 23:01 No.91
ニコノスのTVCM
ニコノスにもTVCMが有りました。

 水中ではなくスキー場での撮影です。斜面をコロコロ転がり落ちています。ダイナミックな撮影が出来るそうです。
 勿論レンズは35mmです。

 もう一つ。ニコノスのボディーがバラバラの状態からストップモーションで一つになるCM。

 どちらも良い味出しています。

あッ! それからもう一つ。旅行の時のご注意。

 ニコノスのV型までとレンズは出来れば機内持ち込みにして下さい。
efunon 2015/12/03(Thu) 21:23 No.93
ソ連の水中レンズ
ニコノス用では有りませんが、ソビエト連邦でも水中レンズの開発は進んでいました。
 ニコノスよりもずっと以前です。

 その一端がハイドロルサール(:Hydrorussar)そうあの超広角レンズとして有名なレンズの系譜ですね。

ご参考に。(www.photohistory.ru/index.php?pid=1207248190130158)
efunon 2015/12/06(Sun) 10:08 Home No.102
Re: ニコノス(MF)とそのレンズ
ううむ,コマーシャルも存じませんし,ソ連製水中カメラも全然存じませんでした.
しかしニコノスでTVCM...そんな時代があったんだ.宣伝費に見合う収益があったとは思えない(涙
今カメラのCMは,EOSくらいしか知りません...

写真:初期15mm用ファインダー.ボディを上下にくわえ込む頑丈さ.

れんずまにあ 2015/12/06(Sun) 10:21 No.103
水中専用レンズ
ニコノスの20mmと28mmは水中専用レンズなのですが、レンズの前にフィルター枠に保護フィルターを入れて、そのフィルターとレンズの間を水で満たすと案外陸上でも使えます。

 現在では透明度の高い接着剤やシリコンゲルが有るのでもしかしたら陸上レンズに変身するかもです。
efunon 2016/08/27(Sat) 19:01 No.339
サットン水球レンズだったり
マミヤプレスファンクラブのMATIAさんが現在検証中ですが、20mmf2.8で無限遠は来ますが歪曲がかなり現れるようです。
それと相当大きめのステップアップリングを使わないと四隅がけられてしまいます。
ぱっと見はなかなかシャープそうですね。
レンズ前の液体は水と同じ屈折率が理想ですが、水より屈折率が大きければオーバーインフになるでしょうから、少し繰り出せば合うはず。
そのとき歪曲がどうなるか興味あります。
れんずまにあ 2016/08/28(Sun) 00:42 No.340
Re: ニコノス(MF)とそのレンズ
学生の頃にアクリルドームに水を入れて友人に持って貰い、28mmを付けたニコノスで真下を撮った時は意外に写りました。
歪曲は撮り方が撮り方なので評価できませんでしたが、ピントは来るなと思いました。

>20mmf2.8で無限遠は来ますが歪曲がかなり現れるようです。

 空気中でピントが来るというのが良いので他の部分は目を半目にしましょう。

>屈折率が大きければオーバーインフ…

 これが難点なのです。水はn=1.333 ですが、シリコンがn=1.4 くらいなので最近のOCR (:Optical Clear Resin)ゲルなら挟めば使えるかなぁと。 
efunon 2016/08/28(Sun) 08:41 No.341
Re: ニコノス(MF)とそのレンズ
こちらの品位を落としてしまうかも知れませんが…。

 エヴァ・マリンという軟質の水中ハウジングが有ります(同種のものは他社でも出ています。)本来、中に普通のカメラを入れて水中で使用するのですが、
この中にニコノスと海水を入れて、Oh! 陸上でも使えるなどと仲間内で遊んでいました。

 たしか28mm付のニコノスをエヴァ・マリンの光学ガラスにくっつけて撮っていたと思います。
efunon 2016/08/31(Wed) 20:13 No.342
エバマリン
わははは!!
すばらしい!逆転の発想ですね!
フィルター径58mmの接続をなんとかすれば、今でも使えるでしょう。
れんずまにあ 2016/09/01(Thu) 22:35 No.343
LWニッコール28mmf2.8
LWニッコール28mmf2.8はニコノスV時代に出た陸上専用防水レンズ。
水中に入れる事は出来ません。
中身は、名レンズと評価が高いAis28mmf2.8ではなく、5枚構成のニコンレンズシリーズEからAiAFニッコール28mmf2.8に引き継がれた簡易版。
でもLWニッコールは目測で寄れませんので、フローティングは要らなかったわけです。
性能は極めてシャープ。先日改めて無限遠テストしてみたら、ごく四隅を除いて素晴らしく均一で高解像。実用十分です。

個人的にはフォーカルプレーン、ビューファインダーカメラなのですから、何も一眼レフ用レトロフォーカス広角をあてなくとも、ニコンS型用の28mmや、少し時代は進みますが高級コンパクト28Ti用のバックフォーカスが短いレンズを当ててくれたらどれほど嬉しかったか。
でもこのレンズは良く写ります。
私は一眼レフ用メタルフードをレンズ保護代わりに付けっぱなしにしています。

ポートアイランド北公園 ニコノスV、LW28/2.8開放,1/30手持ち、フジ業務用400

れんずまにあ 2017/11/05(Sun) 00:26 No.1017
Sea&Sea Fisheye Takumar 17mmf4
落札してしまいました。
水中専用という可能性もあったのですが、前面は平面ガラスなので陸上も期待しました。
ハウジング部分が重く、15mm新型より嵩張ります。
アクアレンズに16mm入れるより平べったいので少しはまし。

さて、ちゃんと無限遠から使えます。性能も最高とはいわないけど、懸念は払拭されました。中心は非常にシャープ。周辺もまずまず開放からピントが来ています。
ただし、付属のファインダーは水中専用で、陸上では焦点が合いません。
外付け魚眼ファインダーなんて、普通は売ってません。
幸いミラーアップ魚眼ニッコール用が何故か手元にあり、マスク付けて対角線対応すればよいのですが、シューマウントをニコンF用から普通のに変換しなければ。

ポートアイランド北公園 不明オブジェ ニコノスV、17mmf4開放、1.30
翌週中判を持って再度撮影に行ったら撤去されていました。
陸上ファインダーを用意していかなかったので完全山勘フレーミングです。

れんずまにあ 2017/11/05(Sun) 00:36 No.1018
Re: Sea&Sea Fisheye Takumar 17mmf4
あ〜! アレ落札されたんですね。

 散々迷ったのですが、フィッシュアイは使わないと思っていましたので控えておりました。

 元来はとても小型の瀟洒なレンズですが、さすがにハウジングは大きいですね。でも頑丈そうです。
efunon 2017/11/05(Sun) 09:39 No.1019
Re: Fisheye Takumar 17/4
しちゃいました.
本当はSea&Sea12が欲しいのですが,陸上でも使えるならと17にチャレンジしてみました.

efunon様お持ちの超広角タイプ17mmは樹脂で軽量化されているようですが,Takumarのハウジング部分はアルミダイカストで前面ガラスも肉厚かつ大面積のため非常に重いレンズです。元のレンズが超小型なのでこれで収まった感じ。ニッコール16がベースなら想像するのも怖い。
ちょっと心配していた,レンズ取付部が重量で浮かないか,ですが試写の具合では片ボケ傾向は見られず安堵しています。

ただこの重量というか比重,水中バランスを崩しそうなレベル.ストラップとか別の部分で中性浮力に近づけないと頭が下がっちゃいそうです。
いや今更水中に持ち込む予定は当分ありませんが....

視認性はレンズ前面から絞りと距離が見えるのでまずまず。もう少し表示が大きければ夜でも見やすくなるんですが...

まずファインダーをなんとかしないとずっと山勘になるんですよね。

れんずまにあ 2017/11/05(Sun) 10:30 No.1020
Sea & Sea Wide 18mmf3.5
シーアンドシーがニコノス用に販売した水中専用18mm広角レンズ。

efunon様のご解説で、数が少ないということです。
この度ジャンクボックスから回収しました。
残念ながら専用ファインダーはなかったので、Sea&Seaの15,20,28アルバダ枠つきファインダーをあてがいました。20より少し広いと意識して使います。
サイズはUWニッコール15mm旧型と同程度。
外装はプラスチックで軽量化されています。
最短0.35m。
後玉が、旧UW15mmほどではありませんが後方に突出しており、ニコノスIVaやVのフィルム面測光を邪魔するかもしれません。
これが短命に終わり早々に17mmに交代した理由ではなかったかと。

れんずまにあ 2019/04/14(Sun) 16:17 No.1520
Re: ニコノス接写装置2
大昔に海外通販のついでに買っていたニコノスマウント接写リングセットを紹介します。
標準Wニッコール35mmf2.5レンズ専用。おそらく無限遠位置で使うはずです。

長短の接写リング2個と、3種類の枠付きアームで構成されています。
アームは大変頑丈なワイヤーで、少々の外力では変形しなさそうです。
残念ながら、水中専用で、ニコン純正クローズアップレンズセットのように陸上で使う事は出来ません。

短リング(黄色ドットマーク)単独では1:2枠(黄色ドット)
長リング(赤色ドット)単独では1:1枠(赤ドット)
長短リングを重ねると、1.5倍枠(黄赤ドット)が対応しています。

下ニコノスVに1.5倍枠をとりつけたもの。

れんずまにあ 2019/04/14(Sun) 16:23 No.1521
Sea & Sea Wide 18mmf3.5
お! 大変珍しいレンズを!

 れんずまにあ様ありがとうございます。
多分ネットで探しても殆ど見つからないレンズだと思います。

 17mmと18mmは後部を見ないとまず見分けが付かないですね。
この形状と17or18mmという焦点距離から半水面が撮れるとばか
り思っていたのですが、見事にアテが外れました。

硝子フィラーを全面に押し出した鏡室は、ペリカンのケース彷彿
させる様な外観です。
距離/絞り目盛がノブ基部に付いていて、被写界深度表も使い易
いところに有ります。
ニッコールの35mmではピントを外してしまう初心者でも救われます。
efunon 2019/04/21(Sun) 11:45 No.1523
Sea & Sea WL-20mmf3.5
efunon様のご解説に既にあげられているサードパーティ製20mm

純正UW-Nikkor20/2.8より少し暗めですがかなり小型軽量です。
これはよく売れたのかよくダイビングショップで見掛けました。
すこしやれている中古品が安すぎる(と当時は思った)ので我が家へ。
でも実践出撃していません。

れんずまにあ 2019/04/25(Thu) 00:17 No.1524
ガンコネクター
潜る機会が減ってニコノスを陸上で使いたいと考え、陸上でストロボを使用出来るガンコネクターの出物があれば押さえていました。

左はニコノスIII用のXとFP接点が並列になったもの。
水中フラッシュユニットの接点をネジ込む底の穴に取り付けます。当然陸上フラッシュ用接点は防水ではありません。
ニコノスIIIはマニュアルカメラですが、陸上用外光オートストロボを使うとフラッシュオートになります。
ニコノスIIIの接点はI, II,カリプソとは異なり,IVA, Vと共通なのでそれらにも使えますが、レディランプ(IVA),TTL自動調光(V)は当然動作しません。

右はI,II, カリプソ用のガンコネクター。
X, FPはコネクター側で切り替えます。コネクターの2つのピンを回して、小さな窓に白と黒の表示を切り替えます。

もともとニコノスはFP接点で、III型までは水中フラッシュはバルブでした。
ニコンが純正スピードライトを出したのは、IVAの時代SB-101。
ストロボは、その前から東芝がトスマリーンというのを出していました。

さて接点切替についてはニコノスIの説明書には載っていない操作なので探し回りましたが、どうも別のモデルではX, FPの表示が刻印されたようです。それによるとXが黒、FPが白のよう。
(Nikonos museum様)
タダでさえこんな小さい表示見えないのに刻印がなければ失敗が約束されたようなものでしょう。
多分無表示のこれは最初期型ではないかと想像しています。

下はニコノスIII用 O-リングセット新品。

れんずまにあ 2019/04/25(Thu) 00:32 No.1525
Re: ガンコネクター
おッ!

 最終型が有ればガンコネクターはコンプリートですね。

T、U型用のコネクターとW、X型用は"NIKONOS"のエンゲローブが上下逆さまなんです。
efunon 2019/04/29(Mon) 10:29 No.1526
Re: ニコノスIとカリプソ
最近、やっとニコノス初代を入手しました。
カリプソの入手難は有名ですが、そこそこニコノスIも少なくなりました。

 初期のニコノスTの巻き戻しノブは上面がフラットになる様にローレット部の高さが約3mmです。
これが途中から指がかりが良い(グローブをはめていても。)様に5mmになりました。(ちょっと上面から出っ張ります。)

 もう一つ良く判らない違いが有る事が判りました。
れんずまにあ様のニコノスIとカリプソの画像を拝見すると、シャッターロックの扇型のレバーがカリプソではクローム処理
なのですが、ニコノスTでは黒色塗装になっています。
 画像検索でもニコノスIのシャッターロックレバーは黒色処理が大半です。
ところが初期タイプの中にはカリプソと同じクローム処理が有る様です。
幻と云われているホワイトニコノスにもクローム処理された画像が見られます。
これはどの時期に変更が有ったのかは判りませんが、ニコノスIの特徴の一つの様です。
efunon 2020/07/26(Sun) 16:20 No.1714
Re: ホワイトニコノスなど
efunon様、大変濃いお話ためになります。正直全く認識しておりませんでした。

Red data book様のご紹介のニコン博物館の画像にあるホワイトニコノスの,シャッターロックは黒で、巻き戻しノブは5mmのモデルのようです。
これよりもさらに初期があるということでしょうね。
画像検索では、白ではなく薄いグレーの貼り皮モデルもあって売りに出ています。
これも上記と同じく「後期型」の特徴です。
拙宅のIも後期のようです。
奥が深い。
当家のIは成り行きで来訪、カリプソはベルチオの35mm欲しさですので、目下グレーを注文する余裕はないと自分に言い聞かせている最中です^^;;

巻き戻しノブですが、薄さ3mmの鋭いローレットは指を削ります。
特にダイブ後のふやけた指の皮はひとたまりもありません。グローブ必須なのです。
ただし、浮上後に一服すると大概グローブを脱いでしまうので、危険です。
陸上でも、全天候で濡れた手は、危険というか実際に削れてやばかったです。
それが5mmになっても50歩100歩ですが、まあ多少ましでしょうか。
実用的にはII以降のクランクが絶対にお勧めです。
れんずまにあ 2020/07/26(Sun) 17:26 No.1715
Re: ホワイトニコノスなど
れんずまにあ様

 ホワイトニコノスは販促資料の画像ではクローム処理ですね。
ホワイトとは言っているものの。貼って有るゴムが白いだけですが…。

 ノブのローレットは素手で触るなと云われていましたね。

そういえば、私のT型はフレームカウンターの指針が、ドットではなく短い線です。
 意外に奥が深くて面白いです。
efunon 2020/07/26(Sun) 20:57 No.1716
古い資料について。
ニコノスの古い資料にW Nikkor 35mm F2.5の説明と内部機構図が載っていました。
そこには鏡胴とレンズのセクション図が掲載されています。

同様な断面図が名著ニッコール千夜一夜物語-第八夜 にも「図2.W Nikkor 35mm F2.5鏡筒部内部機構図」として載っていました。

 でもこの図に何か違和感が残りました。はじめはそれが何か判らなかったのですがレンズのバランスから考えると、この断面図サイズ
だと F2.5のレンズは入らないのでは?という疑問?です。

さらに良く見ると、絞りを挟んだ形状がダブルガウス用ではない? 

そこでお盆も近いのでご先祖様のSOM_BERTHIOT_FLOR_35mm_F3.5 のセクションを入れてみました。如何でしょうか。


又、緑の丸で囲んだ部分も。

Nikkor 35mm を分解された事のある方ならご存知だと思いますが、この部分はOリングで機密をとっているのですが、この図ではパッキン
を使用しています。

つまりこの図は W Nikkor 35mm F2.5 用ではなくて、カリプソ用のベルチオフロール35mm F3.5 の様です。

だからと云って複雑なニコノスの構造を知る上では貴重な資料には変わり有りません。特にレンズの位置決めががマウントツメの内側に
在る構造が良く判ります。

ニコノスは機種は少ないのですが、生産数が一般のカメラよりも少ないので色々と判らない(知らなくても何も困らない?)事が多いです。

efunon 2020/07/31(Fri) 10:03 No.1717
Re: 古い資料について
efunon様、深い考察に感動しました。
まさにおっしゃる通りですね。
そしてFlor35/3.5の構成図、3-4とは聞いていましたが図を見たのは初めてです。びっくりです。

れんずまにあ 2020/08/09(Sun) 00:04 No.1729
Re: ニコノス(MF)とそのレンズ
大変興味深い考察でした。たしかに3群4枚がぴったりですね。

このレンズの図を見て不審に感じる点があります。この図だと、レンズの鏡筒は内ボディに嵌合するバヨネットまで一体になっていますが、少なくとも手持ちのレンズ(35mmF2.5)ではそうなっていません。ご存じの方は多いと思いますが、耐圧殻であるシルバーの外装部分はOリングのあたりまでで、外ボディと一体となって水圧を受ける構造です。それに対して内部のレンズ鏡枠・絞りなどは黒色のパーツになっていて前後にかなり動き、カメラ側の内ボディ(上から差し込まれる部分)と嵌合することでバックフォーカスが水圧によって変化しないようになっています。

カリプソのときのベルチオは設計が違ったのか、それともこの図面がいいかげんなのか?特許などの関係で省略したのか?いろいろ想像がめぐります。そもそもボディとレンズが接する部分もこんなに単純な造形ではないですしね。
日浦 2020/08/09(Sun) 12:41 No.1730
Re: ニコノスIとカリプソ
この図は略図なので、一部は端折っている様です。

カリプソの特許書類にはマウント部の構造が模式図では有りますが、別図でもう少し詳しく載っていますね。
efunon 2020/08/10(Mon) 21:39 No.1731
ニコノスII アポロスポーツ
アポロスポーツのチューンアップパーツつきのニコノスIIを入手しました。

IIは持っていなかったので漠然と探していましたが、興味深いので手を出しました。
付属品がサードパーティから供給されていたのですね。

巻き上げは反対側に大きなレバーがついて、親指で巻き上げ操作と同じ動作でシャッターが切れます。操作は楽ですがミスファイアしないよう気をつけないと...
アダプタ装着でシャッターダイヤルが少し回し辛く、表示が見難くなりましたが無理というほどではありません。撮影後レバーが起きている時のほうが速度変更しやすいかな。

UW28mm初期型の、細いフォーカスおよび絞りノブには太いカバーがかぶせられ芋ネジで固定されています。
これは太いだけでなく、距離および絞り目盛りがカバーに刻印され、上から直読できるようになります。
レンズ前面に白いプロテクターをつけると、前面から28mmの距離/絞り表示が見辛くなるので、この追加表示は大変有効です。

後期ニコノスレンズのノブは太く、鋭いギザがなくなったので、ユーザー評価を取り入れたのでしょう。

皆様ご存知の通りニコノスIIは巻き戻しがクランクになり、クラシックなI型より使い易くなりました。35mmに付け替えて、春雨の中で使ってみたいです。
残念ながらこの個体はファインダーが薄曇り。efunon様も触れられていましたが、密閉なのに何故...

れんずまにあ 2021/03/30(Tue) 08:36 No.1835
Sea & Sea フィッシュアイ 12mmf3.5
ニコノス用Sea&Seaフィッシュアイ 12mmf3.5
長く探した12mmをようやく入手しました.できた頃にはペーパーダイバーになってしまいましたが...
ニコノスRSの13mmや前に紹介したアクアレンズと比べて圧倒的にコンパクト.
多分これを装着した1台+近接標準1台の2台体制でいくだろうから,小型なのは大きなメリット.
純正のウエットスーツ生地レンズカバーが付属しています.

れんずまにあ 2021/07/26(Mon) 22:18 No.1893
Sea & Sea フィッシュアイ 焦点
最短距離は30cmです.
フィッシュアイ としては遠いので物足りないと感じられるでしょうが,フィルム面からの距離とするとレンズ先端まで15cmはあるので,ワーキングディスタンスは15cm?

被写界深度表を見ると,40cmに合わせておくと,f16で18cmから無限まで会うのです.もうそういうパンフォーカス+超近接で使うべきではないでしょうか.

れんずまにあ 2021/07/26(Mon) 22:23 No.1894
Re:Sea & Sea フィッシュアイ 12mmf3.5
Sea&Sea の12mmは評判の高いレンズでしたね。

今は無きマリンフォト誌で素敵な写真を見てはため息でした。
水中での距離合わせは意外に難しくて、最初に35mmで目測した時は、ヒドイ結果でした。

 それに懲りて、直ぐにすでにご紹介させて頂いた17mmを購入してやっとどうにか見ら
れるものが撮れました。パンフォーカスは良いですね。
最近はSea&Seaのレンズを集めていて、15,18,20mmがやって来ました。使う予定を立てなくては…。
efunon 2021/08/07(Sat) 08:03 No.1896
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