Nikomat−ML FAQ集

Nikomat-MLに寄せられるメールで、Nikonカメラ、レンズに関する質問が多かったと思われる ものをまとめてみました。
細かく説明するとキリがありませんので、詳しくは世の中に出回っているNikon関係の本の 参照をお薦めします。


一般的な質問
Q:Ai方式って何?
    ニコンのレンズの絞り込み情報をボディに伝える方式の名称です。
    開放F値自動設定方式(Auto Indexed)の略です。

    Ai方式以前は、俗に「カニの爪」と呼ばれる連動爪によって絞り込み情報
    をカメラボディに伝えていました。この方式には2通りあって
	・開放F値手動設定方式
		レンズを装着した後、開放F値設定ダイヤルにより開放F値を
		設定する方式

	・開放F値半自動設定方式
		レンズを装着した後、絞り環を最小絞りから開放まで一往復
		させることにより、開放F値を設定する方式

    開放F値自動設定とは言いますが、Ai方式の登場当初はカメラボディは開放
    F値を知ることができず、開放F値から何段絞り込まれたかという情報により
    露出決定をしていました。(FT3,EL2,F2A,F2AS,FM,FE,F3,EM,FG-20,FM2,FE2)

Q:NikomatとNikkormatってなにが違うの?
A:Nikomatは国内販売品の製品名称で、Nikkormatは海外販売の製品名称です。
    したがって、機種名が同じであれば、同じ機能です。

    その昔、Nikonの名がドイツのZeiss Ikonに似て紛らわしいことからNikkor
    の名称をつけた事があり、Nikkormatもその流れからつけられた名前だと考
   えられます。

Q:ニコンのレンズって時期によっていろいろな種類があるそうですが、どんな
    種類がありますか?

	Auto	完全自動絞り機構	

	Auto(c)	Autoにマルチコートを施したもの

	New	Newデザイン、マルチコート
		基本的デザインはAutoと変わらないが、鏡筒回転部のローレット
		がゴムになった。

	Ai	開放F値自動補正方式

	AiS	プログラム露出機に対応するため絞りレバーと、絞り量の関係が
		線形になるようにしたもの。

	AF	オートフォーカス対応。CPU連動。AiS連動
		露出計連動爪が省略されたため、Ai方式以前のボディで使う場合
		は、絞り込み測光をしなくてはならない。
		爪付けサービスは行われている。

	AFD	距離エンコーダ内臓AFレンズ

	AF-I	レンズ内コアレスモータ駆動AFレンズ
		Dタイプ

	AF-S	レンズ内超音波モータ駆動AFレンズ	
		Dタイプ

Q:古いレンズについている記号、SとかHって何の意味ですか?
A:構成するレンズの枚数をあらわしています。
    以下の通りになっています。基本的にはラテン数字の読みですが、記号が重複する
    ところは英語読みになっています。	
	3	4	5	6	7	8	9	10	11
	T	Q	P	H	S	O	N	D	UD		 
	Tri	Quad	Penta	Hexa	Seven	Octa	Nona	Deca	Undeca

    なお、Nikkor-H.C みたいにCがついているものは、コーティングされたものである事を示
    します。S型ニコン用レンズの場合は、単層コート。Fマウントレンズの場合はマルチコー
    トになっています。

Q:それじゃ、W-Nikkorとか、UW-Nikkorというのは?
A:S型ニコン用レンズのW-Nikkorは、Wide-Nikkorの略のようです。
    UW-Nikkorは、Nikonos用水中専用レンズにつけられた名前で。UnderWaterの略です。
    Nikonos用水陸両用レンズにもW-Nikkorの名称がつけられていますが、Wideの略なの
    か、Waterの略なのかは、手持ちの資料ではわかりませんでした。
    ただ、S型ニコン用35mm/F2.5と、Nikonos用35mm/F2.5は、光学系が同じなので、Wide
    を引き継いだと考えてもよさそうです。


Q:古いレンズを新しいボディで使いたいんですが。
A:New Nikkor以前の古いレンズをAi方式のボディにつけようとしても、絞り環が
    Ai連動爪と干渉して*基本的には*装着できません。

    ただし、以下の例外があります。
    (1) ボディが、Ai化の時期に発売されたもの。
	(Nikomat FT3, Nikon EL2, F2 Photomic A, F2 Photomic AS, FM, FE)
    (2) F3とF4
    (3) 絞り環改造したF5
    (4) 測光機能を持たないファインダー(アイレベル、アクション、ウェスト
	レベル、高倍率)を装着した、F及びF2(これは、ちょっと反則 :-)

    上記のボディはボディ側の連動爪が可倒式になっていて、これを跳ね上げる事
  で非Aiレンズも*装着だけ*はできます。
    この場合、露出計は連動しないので測光は、絞り込み測光になります。
	
    1980年以降発売になった上記以外のカメラに非Aiレンズを装着する場合は、絞り
  環の改造が必要になります。この改造はこれまでNikonが行っていましたが、1997年
  3月で終了したので、現在では、自家改造するしかありません。

Q:古いカメラの露出計は、いずれ使えなくなるって聞いたけれど
A:いずれ使えなくなるのは、どんなものでも同じですが…(そんなことは聞いちゃあいねぇ)
    Nikonカメラでは、F系ファインダー(Photomic, T, Tn, FTn)、F2 Photomic(前期型)、
    F2 PhotomicS, Nikomat FT系全部は、ブラシが抵抗体に直接触れる構造になっているため
    他のものに比べて寿命は短く、狂いやすい事は確かです。

    抵抗体が擦り減って狂いが出た場合、一般的には抵抗体を交換するのですが、旧式カメラ
    では部品がないため、このような修理はできません。
    抵抗体が均一に擦り減った場合は、感度設定をずらして使うなど、比較的対応しやすいで
    すが、片減りしている場合は、抵抗体を均一に削り、露出計の回路を組み直すなど、相当
    困難を極めます。
    上記に挙げたNikonカメラを購入する場合は、露出計の狂いが均一かどうかをチェックす
    る必要があるでしょう。
    NikomatはEL系、F2は後期型ファインダーの一部、およびAi対応のものは耐摩耗対策され
    ているので、この点については安心できます。

Q:明るい望遠レンズの名前につけられるEDとかアポってなぁに?
A:少年と宇宙人の心暖まる物語(そりゃETやがな)
    ジャイアント馬場の掛け声(そりゃ、アッポー)

    閑話休題(-.-)

    EDは、異常分散性を持つ硝材の事で、焦点距離の長いレンズを色収差の少ないものに
    するためには不可欠と言われているものです。
    似たようなものに、LD,SD,FL,UDなどの呼び名があります。
	LD:EDと同じ
	SD:この後で解説するフローライトに極めて近い性質を持つ硝材
	      EDより、良好に色収差補正ができる。
	FL,UD:フローライトとか、蛍石とか呼ばれる弗化カルシウム(CaF2)の結晶。
	      以前は、天然の材料に頼っていたので、これを使ったレンズは非常に高価
	      であったが、最近では人工的に大型で均一の結晶が得られるようになり、
	      だいぶ安価になってきた。

    一方、アポはアポクロマート(Apocromat)の略で、3色について色収差補正(つまり、3
    つのそれぞれ異なる波長の光が、同一の焦点を結ぶ)がなされている事を示します。

    上記のとおり、意味は全くことなるのですが、EDガラスなどの異常分散性を持つ硝材
    が、(望遠鏡の世界では)アポクロマートレンズを作るのに欠かせないことから、同じ様
    な意味合いに使われるようになったと考えられます。

    なお、現代の写真レンズが、すべてアポクロマートであることは言うまでもありません。
    #  そうでなければ、へんな色の写真になってしまう。

アクセサリについての質問
Q:AFテレコンバータ(マニュアルフォーカスレンズをオートフォーカスで使えるように
    するアクセサリ。焦点距離は1.6倍に、露出は2/3段暗くなります)には、TC-16Sと
    TC-16ASというのがありますが、何が違うのでしょう?

A:大雑把に言いますと、
	TC-16S		F3AF用
	TC-16AS	それ以外のAFカメラ用

と、いうことになります。

TC-16SはF3AF用に作られたものでF3AF以外はF501とF4しか動作しません。
F3AF用レンズAF80mmF2.8,AF200mmF3.5も同様です。
AF自体は内蔵モーターで行っています。
外観は金属筐体、結晶塗装でレンズ側下部が前球方向に出っ張っています。
また、AFの動作スイッチ、AFロックスイッチがついています。

TC-16ASはボディモーターでAFをするものでほとんどの
AFカメラで使えます。
F100はサポート外のようです。(カタログに[使用可]の記述なし)
外観はプラ筐体でスイッチ類はありません。
ボディ側、マウント面にAF用のボディモータとつなぐAFカプラが出ています。

あと、F1.8より明るいレンズは開放してもテレコンバータ自体が
絞りになってしまいますのでF1.8より絞って使用してください。

尚、TC-16ASは、TC-16A というのが世界的な名称で,国内だけなぜか TC-16AS
と呼んでいるようです。本体のマーキング(シルク印刷)もTC-16A となっています。

カメラボディについての質問
Q:FAとFE2どっちがいいの?
A:Nikon FE2は1983年3月発売、Nikon FAは1983年9月発売と、ほぼ同時期。
    スペックもシャッター最高速1/4000、シンクロ速度X/250、TTL自動調光が可能な自動露出
    機と、これもまた似通っており、中古機を買う場合に悩むところであります。
    FAとFE2の最大の違いは、測光方式と、自動露出の制御方式です。
FAFE2
測光方式5分割、中央重点中央重点
絞り優先AE
シャッター速度優先AE×
プログラムAE×
露出ロック×
露出表示液晶デジタル追針式
トップカバーエンプラ金属
    FAの最大の特徴は、世界初の5分割マルチパターン測光で、どんな状況でも適正露出が
    得られる自動露出というのがウリです。このようにFAの方が機能的が圧倒的に上ですが
    マニュアル時の適正露出が±1EVの範囲しかわからない、AEロックがないなど、使いに
    くさも指摘されています。このためか、中古市場ではFE2の方が人気が高く、これを反
    映して取り引きされている価格もFE2の方が高めです。

    どちらを選ぶかは、もちろんあなた次第です。    

Q:Sシリーズって、どんなのがあります?
A:以下にあげる機種があります。
  I	画面サイズが24x32  7パーフォレーションで1駒送り
  M	画面サイズが24x34  8パーフォレーションで1駒送り
  S	M型にシンクロを装備したもの
  S2	I,M,Sはマイナーチェンジであったが、S2はフルモデルチェンジしたもの
	画面サイズが24x36になる。ダイカストボディの採用により軽量化
	等倍ファインダー、レバー式巻き上げを装備
	シャッター速度がそれまでの1/500から、1/1000に
  SP	50mm,85mm,105mm,135mmのユニバーサルファインダーと、28mm,35mmのファインダーを
	装備
	シンクロ速度が1/50から、1/60に
	シャッターダイヤルが一軸不回転に
	フィルムカウンターが自動復元式に
	セルフタイマー装備
  S3	SPの簡略型
	ファインダーが35mm,50mm,105mmの常時表示式
  S3M	高速連写撮影用(6駒/秒)
	画面サイズが24x17.5のハーフサイズ
  S4	S3の簡略型
	35mmファインダー枠と、自動復元式カウンタ、セルフタイマーが省略される

Q:Nikon F Photomic, Photomic T, Photomic Tn, Photomic FTnの違い
A:これらはすべて測光機能がついたNikon F用ファインダーの違いによるものです。

    F Photomic   (1962年)	外光式露出計
    F Photomic T (1965年)	TTL開放 平均測光	開放F値手動設定
    F Photomic Tn(1967年)	TTL開放 中央部重点	開放F値手動設定
    Photomic FTn (1968年)	TTL開放 中央部重点	開放F値半自動設定

Q:Nikon F2Photomic, Photomic A, Photomic S, Photomic SB, Photomic ASの違い
A:これらは、すべて測光機能がついたNikon F2用ファインダーの違いによるものです。
開放F値設定受光素子メータ自動露出
F2 Photomic (1971年)FTn方式Cds不可
F2 Photomic S (1973年)FTn方式CdsLED2点DS-1で可
F2 Photomic SB(1976年)FTn方式SPDLED3点DS-2で可
F2 Photomic A (1977年)Ai方式Cds不可
F2 Photomic AS(1977年)Ai方式SPDLED3点DS-12で可

Q:Nikomat FT,FTn,FT2,FT3ってどんな違いがあるの?
FTFTnFT2FT3
測光方式平均中央重点中央重点中央重点
開放F値セット手動半自動半自動Ai
ホットシュー
感度設定クランプ
外部シンクロMX選択MX選択自動選択自動選択

Q:Nikomat EL,ELw,Nikon EL2は、どこが違うの?
ELELwEL2
自動巻き上げ不可AW-1で可AW-1で可
開放F値セットFTn方式FTn方式Ai方式
測光素子CdsCdsSPD
ボディカラー白/黒黒のみ白/黒

Q:Nikon FMとFM2,New FM2の違い
FMFM2NewFM2
シャッター最高速1/10001/40001/4000
シンクロ速度1/1251/2001/250
スクリーン交換不可交換可交換可
露出計連動レバー可倒式固定式固定式
露出計連動レバーとは、Ai方式の開放測光連動のためにボディ側に設けられた機構です。
Ai化初期のボディは、このレバーが可倒式になっていて、Ai化以前のレンズでもそのまま装着可能になっています。
(装着可能なだけで、測光は、絞り込み測光になります)
露出計レバーが固定式の場合、Ai化以前のレンズは装着することができません。(Ai改造したものを除く)



Q:Nikon FEとFE2って何が違うの
FEFE2
シャッター最高速1/10001/4000
シンクロ速度1/1251/250
機械式シャッター1/901/250
TTL調光×
データバックMF-12MF-16
露出計連動レバー可倒式固定式

Q:Nikon F-401, 401S, 401Xの違いは?
A:測光方式と、AF性能に違いがあります。F-401Xにおいては、若干のデザインの変更も
    なされています。
F-401F-401SF401X
測光方式3分割3分割5分割
ダイヤルロックなしありあり

Q:Nikon F-601, F-601Mの違いは?
A:F-601はオートフォーカス機で、F-601Mはマニュアルフォーカス機です。
    F-601Mは、マニュアルフォーカス機ではありますが、基本的にはAFレンズを使用する事が
    前提となっています。マニュアルフォーカスレンズを使った場合、プログラム露出、
    シャッター速度優先露出、マルチパターン測光ができないなどの制限があります。
F-601F-601M
内臓ストロボありなし
AFありなし

Q:Nikon F-801, 801Sの違い
A:F-801Sは、F-801に対して、AF性能の向上が図られています。
    また、スポット測光も追加されています。
F-801F-801S
スポット測光なしあり
動体予測なしあり

Nikon F90, 90Xの違い
F90F90X
フィルム給送速度3.3fps4.3fps
警告音 入/切スイッチAC-2Jによるソフトコントロール
MB-10使用時の縦位置シャッター 要改造

知られているマイナーバージョン
    
Nikon F
	超初期型(プロトタイプ、番号不明)
		シャッター幕が布幕

	初期型(640万代〜641万代途中)
		巻き上げレバーが、板金加工のような感じ。(後期は打ち抜きになりますね)
		セルフタイマーレバーが、ななめギザ入り
		ミラースプリングが2本
		底ふたの三脚穴横にMade in Japanの刻印がない。
		底ふたのフィルムプレートの左隣に、PATナンバーの刻印がある。

		初期型(641万代途中から642万代or643万代)
		巻き上げレバーは、やはり板金加工?
		セルフタイマーレバーのギザはまっすぐになるが、カニ目ネジの上に横溝がある。
		底ふたにPATナンバー刻印あり。

	初期型(645万代前後で確認)
		巻き上げレバーは?(忘れた)
		セルフタイマーレバーは、横溝なし、ギザはまっすぐ
		底ふた三脚穴横にMade in Japanの刻印あり

	中期?(660万代途中)
		ミラーボックスの改良
		製造番号に赤点付きがある。

	中期?(680万代途中)
		亀の子マークから"Nikon"マークへ変更

	後期 (730万代or720万代の途中?)   
		F2パーツの流用
		いわゆる、新F、アポロタイプFという型
		アポロで月にいったFには、F2タイプのプラスチックカバー付きの
		巻き上げレバーとセルフレバーがついていますね。

  以上、nikomat:00153より抜粋

  アイレベルファインダーは、大きくは以下の2種類に分けられます。
  (細かく分類すると、7種類とか)

	前期型	アイピースが角型。アイピース、視度調整レンズをつけるためにはア
		ダプタが必要。

	後期型	アイピースは丸型。アイピース、視度調整レンズは、特別なアダプタ
		なしに装着可能

Nikomat FTn
	前期型	巻き上げレバー、セルフタイマーレバーは、全金属製
		ネジ頭は−のものが使われている。
			
	後期型	巻き上げレバー、セルフタイマーレバーなどにプラスチックカバーがある
	        ネジ頭は+のものが使われている。

	あと、バージョンの違いではないですが、Nikomat FTnには、装着されているスク
	リーンがA型(スプリット型)と、J型(マイクロプリズム)の2機種があります。

Nikon FM
	前期型	レリーズボタンロックを、レリーズボタン周りのリングで行う
		巻き戻しクランクのローレットパターンが格子状で荒い。
		シリアルナンバが3000000より前のもの。
	後期型	レリーズボタンロックは、巻き上げレバーに連動
		予備角引き出しで、ロック解除。
		シリアルナンバが3000000以降の機種

Nikon FE2
	シャッター幕のハニカムパターンが違うものがあり。3種類ほど。
	幕パターンの変更は、極く初期に行われた様子。

Nikon New FM2
	前期型	シャッター幕が、チタン製。ハニカムパターンに肉抜きされている。
	後期型	シャッター幕が、アルミ製。



Thanks to: やまださん
無断転載を禁じます.お問い合わせは こちら